説明

経路探索システム、経路探索方法、およびコンピュータプログラム

【課題】利用区間が固定された利用券をあらかじめ入手できる交通システムや、特定の支払システムを利用できる交通システムを利用して目的地に到達するための経路を探索する際のユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】本発明の経路探索システムは、以下の構成を備える。交通機関の路線を表す経路網情報を格納する経路網情報格納部(106)。出発地と、目的地と、路線のうち出発地から目的地に至るまでの間に利用すべき指定路線区間と、の入力を受け取る入力部(206a,206b,235)。所定の条件が満たされた場合に、経路網情報を参照し、出発地と目的地と指定路線区間とに基づいて、出発地から目的地に至る経路であって、指定路線区間の少なくとも一部を含む経路の情報を準備する経路探索部(104,231)。経路を出力する出力部(202,232)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、出発地から目的地に至る経路を探索するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンピュータや携帯電話を利用した経路探索が行われている。ある技術においては、ユーザは、携帯電話11からインターネットに接続し、電車案内サーバ21にアクセスする。そして、出発駅、目的駅、到着時刻を指定して、電車案内サーバ21に対して電車情報(出発・到着時刻、電車名など)の検索を依頼する。電車案内サーバ21は、時刻表データベース22と乗り換えデータベース23から複数の電車情報を抽出し、これを携帯電話11に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−225712号公報
【0004】
上記のような従来技術においては、指定された到着時刻またはその前に目的地に到着するように、最短時間または最低のコストで目的地に移動することができる経路を検索する。
【0005】
一方、たとえば、ユーザは、出張の際、会社からあらかじめ列車の座席指定券つき特急券を支給されている場合がある。そのような場合には、ユーザは、その列車を利用することを前提とした経路および時刻を知ることを望む。また、ユーザが通勤用の定期券を有している場合には、最短経路ではなく、その定期券の路線を優先的に利用した経路で、安価に目的地に移動したい場合がある。さらに、ユーザが、電子マネーやプリペイドカードなどの支払システムを利用している場合には、それらの支払システムが利用可能な路線を優先的に利用した経路で、目的地に移動したい場合がある。しかし、従来技術においては、そのような点は考慮されていなかった。
【0006】
このような問題は、列車に限らず、路線バス、定期連絡船、航空路線などの交通システムであって、乗車券、特急券、定期券、回数券など、利用区間や利用路線が固定された利用券をあらかじめ入手または予約できる交通システムや、電子マネーやプリペイドカードなどの特定の支払システムを利用できる交通システムを利用する場合に、広く存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願に係る発明は、利用区間が固定された利用券をあらかじめ入手できる交通システムや、特定の支払システムを利用できる交通システムを利用して目的地に到達するための経路を探索する際の、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、その一態様として、以下のような構成を備える経路探索システムを採用する。この経路探索システムは、
交通機関の路線を表す経路網情報を格納する経路網情報格納部と、
出発地と、目的地と、前記路線のうち前記出発地から前記目的地に至るまでの間に利用すべき指定路線区間と、の入力を受け取る入力部と、
所定の条件が満たされた場合に、前記経路網情報を参照し、前記出発地と前記目的地と前記指定路線区間とに基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路であって、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路の情報を準備する経路探索部と、
前記経路を出力する出力部と、を備える。
【0009】
このような態様とすれば、ユーザは、利用区間が固定された利用券をあらかじめ入手できる交通システムや、特定の支払システムを利用できる交通システムを利用する際に、それらの交通システムを有効に活用できる経路を探索することができる。
【0010】
なお、「指定路線区間」とは、ユーザによって指定された「路線の一部または全部」である。「指定路線区間」の一例としては、たとえば、「新幹線の名古屋−東京間」や、「JR東海の路線」などがある。
【0011】
また、経路探索システムは、各構成要素が一つの筐体内に含まれる態様で実現されてもよいし、互いにデータ通信を行うことができる複数の構成要素によって実現されてもよい。
【0012】
なお、前記経路探索部は、前記所定の条件が満たされない場合に、前記経路網情報を参照し、前記指定路線区間に基づかず、前記出発地と前記目的地とに基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路を準備することが好ましい。
【0013】
このような態様とすれば、利用券や支払システムを活用できる経路の探索と、より探索の制約条件が少なく、その結果、より短時間で目的地に至ることができる経路を決定できる可能性がある探索と、を必要に応じて使い分けることができる。
【0014】
また、前記出力部は、さらに、購入または予約された前記交通機関の特急券の乗車駅である第1の駅と、前記特急券の降車駅である第2の駅と、の入力を促す駅入力画面を表示することができることが好ましい。
そして、前記入力部は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記第1の駅と前記第2の駅との入力を受け取ることが好ましい。
さらに、前記経路探索部は、前記所定の条件が満たされた場合に、前記経路として、前記指定路線区間を含む経路の情報を準備することが好ましい。
【0015】
このような態様とすれば、すでに購入または予約した特急券の使用を前提とした経路を探索することができる。
【0016】
なお、前記経路探索部は、前記所定の条件が満たされた場合に、前記経路として、前記指定路線区間のすべてを含む経路の情報を準備することが好ましい。
【0017】
なお、特急券は有体物には限られず、電子データであってもよい。また、特急券は、特定の時刻に運行される輸送手段を利用するための特急券(たとえば、座席指定特急券)であってもよいし、第1の駅と第2の駅の間において、様々な時刻に運行される輸送手段を任意に選択して利用できる特急券(たとえば、座席指定のない特急券)であってもよい。なお、本明細書において「輸送手段」とは、運行時刻をも含んだ概念である。たとえば、「名古屋駅8時0分発、長野行きの特急しなの3号」が輸送手段の一例である。
【0018】
経路探索システムは、さらに、前記交通機関の時刻表の情報である時刻表情報を格納する時刻表情報格納部を備えることが好ましい。そのような態様においては、各部は以下のような構成とすることが好ましい。
前記出力部は、さらに、前記交通機関の輸送手段であって前記特急券が対応する輸送手段が前記第1の駅を出発する出発時刻と、前記輸送手段の名前と、の少なくとも一方の入力を促す輸送手段入力画面を表示することができる。
前記入力部は、前記出発時刻と前記輸送手段の名前と、の少なくとも一方の入力を受け取ることができる。
前記経路探索部は、前記経路網情報と前記時刻表情報とを参照し、前記出発地、前記目的地、および前記指定路線区間、ならびに前記出発時刻と前記輸送手段の名前との少なくとも一方に基づいて、前記経路を準備する。
【0019】
このような態様においては、ユーザは、輸送手段の出発時刻と輸送手段の名前とのいずれか一方を入力すれば、その輸送手段の利用を前提とした経路を得ることができる。すなわち、このような態様によれば、経路探索システムに指定路線区間の情報を入力する際のユーザの負荷を軽減できる。
【0020】
なお、「輸送手段の名前」とは、たとえば、「特急しなの3号」、「のぞみ202号」などである。また、「出発時刻と、前記輸送手段の名前と、の少なくとも一方の入力を促す輸送手段入力画面」は、出発時刻の入力を促す入力画面、輸送手段の名前の入力を促す入力画面、出発時刻および輸送手段の名前の入力を促す入力画面、出発時刻または輸送手段の名前の入力を促す入力画面のいずれをも含む。
【0021】
また、経路探索システムは、さらに、前記出発地、前記目的地、および前記指定路線区間を記憶する記憶部を備えることが好ましい。そのような態様においては、各部は以下のような構成とすることが好ましい。
前記出力部は、前記出発時刻と前記輸送手段の名前との少なくとも一方に基づいて前記経路が準備された後に、さらに、対応する輸送手段が変更されて購入または再度予約された特急券に対応する前記輸送手段が前記第1の駅を出発する出発時刻と、前記輸送手段の名前と、の少なくとも一方の入力を促す輸送手段入力画面を再度、表示する。
前記入力部は、さらに、前記輸送手段入力画面が再度、表示された後に、前記出発時刻の入力を再度、受け取ることができる。
前記経路探索部は、前記経路網情報と前記時刻表情報とを参照し、前記記憶部に記憶された前記出発地、前記目的地、および前記指定路線区間、ならびに再度受け取られた前記出発時刻と前記輸送手段の名前との少なくとも一方に基づいて、前記経路を準備する。
【0022】
このような態様とすれば、内容を変更して購入した特急券、または予約内容を変更した特急券の使用を前提とした経路を探索する際のユーザの負荷を軽減することができる。
【0023】
前記出力部は、さらに、前記第1の駅においてユーザが滞在を希望する第1の滞在時間の入力を促す第1の滞在時間入力画面を表示することができることが好ましい。
前記入力部は、前記第1の滞在時間の入力を受け取ることができることが好ましい。
前記経路探索部は、前記第1の滞在時間に基づいて、前記第1の滞在時間以上の時間だけ前記第1の駅に滞在できるような前記経路を準備することが好ましい。
【0024】
このような態様とすれば、ユーザは、特急の乗車駅において、たとえば買い物をしたり食事をしたりするために滞在する時間も含めて、移動の予定を知ることができる。
【0025】
なお、本明細書において、「乗車駅」、「降車駅」という用語は、利用する交通手段を、主として車輪を利用して移動する物に限定するものではない。すなわち、たとえば船舶や航空機など、主として車輪を利用して移動するものではない交通手段を利用する場合にも、「乗車駅」、「降車駅」という用語を使用する。
【0026】
前記出力部は、さらに、前記第2の駅においてユーザが滞在を希望する第2の滞在時間の入力を促す第2の滞在時間入力画面を表示することができることが好ましい。
前記入力部は、前記第2の滞在時間の入力を受け取ることができることが好ましい。
前記経路探索部は、前記第2の滞在時間に基づいて、前記第2の滞在時間以上の時間だけ前記第2の駅に滞在できるような前記経路を準備することが好ましい。
【0027】
このような態様とすれば、ユーザは、特急の降車駅において、たとえば買い物をしたり食事をしたりするために滞在する時間も含めて、移動の予定を知ることができる。
【0028】
前記出力部は、さらに、定期券の区間の一端である第1の駅と、前記定期券の区間の他端である第2の駅と、の入力を促す駅入力画面を表示することができることが好ましい。
前記入力部は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記第1の駅と前記第2の駅との入力を受け取ることができることが好ましい。
【0029】
このような態様とすれば、定期券を有効に活用できる経路を探索することができる。なお、定期券は有体物には限られず、電子データであってもよい。
【0030】
なお、前記出力部は、さらに、第1の駅と第2の駅と結ぶ路線の入力を促す駅入力画面を表示することができることが好ましい。
前記入力部は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記路線の入力を受け取ることができることが好ましい。
【0031】
また、前記経路探索部は、
前記出発地から前記目的地に至る複数の経路を探索し、
前記各経路の運賃と、前記指定路線区間のうち前記各経路に含まれる区間の運賃と、に基づいて、前記複数の経路の中から経路を選択し、
前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路の情報として、前記選択された経路の情報を準備することが好ましい。
【0032】
このような態様とすれば、指定路線区間を含むことと、運賃と、の両方を考慮して経路を決定することができる。
【0033】
前記出力部は、さらに、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路を準備するか否かの指示の入力を促す選択画面を表示することができることが好ましい。
前記入力部は、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路を準備するか否かの指示を受け取ることができることが好ましい。
前記所定の条件は、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路を準備すべき指示が入力されたことを含むことが好ましい。
【0034】
このような態様とすれば、定期券を有効に活用できる経路の探索と、より探索の制約条件が少なく、その結果、より短時間で目的地に至ることができる経路を決定できる可能性がある探索と、を必要に応じて使い分けることができる。
【0035】
なお、前記出力部は、さらに、特定の支払システムを利用できる交通機関の選択を促す駅入力画面を表示する態様とすることもできる。
そして、前記入力部は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記交通機関の選択を受け取ることができる態様とすることもできる。
【0036】
前記出力部は、さらに、前記交通機関の路線のうちの特定の路線で利用できる支払システムの指定を促す支払システム入力画面を表示することができることが好ましい。
前記入力部は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記特定の路線に対応する前記支払システムの指定を受け取ることが好ましい。
【0037】
このような態様とすれば、ユーザは、自分が利用している支払システムを有効に活用できる経路を知ることができる。なお、支払システムは、事前に貨幣価値のチャージを行うプリペイド型のシステムであってもよく、使用後に貨幣価値を支払うポストペイ型のシステムであってもよい。
【0038】
経路探索システムは、さらに、前記交通機関の路線のうちの特定の路線で利用できる支払システムための処理を行う支払システム処理部を備えることができる。
そのような態様において、前記入力部は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記支払システム処理部を介して、ユーザから前記特定の路線に対応する前記支払システムの使用の情報を受け取ることができることが好ましい。
【0039】
このような態様とすれば、経路探索システムが指定路線区間の情報を入手する目的だけのために、ユーザが情報を入力する必要がない。よって、所定の支払システムを有効に活用できる経路を探索する際のユーザの負荷を軽減することができる。
【0040】
また、前記経路探索部は、
前記出発地から前記目的地に至る複数の経路を探索し、
前記各経路の運賃と、前記指定路線区間のうち前記各経路に含まれる区間の運賃と、に基づいて、前記複数の経路の中から経路を選択し、
前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路の情報として、前記選択された経路の情報を準備することが好ましい。
【0041】
このような態様とすれば、指定路線区間を含むことと、運賃と、の両方を考慮して経路を決定することができる。
【0042】
前記経路探索部が、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む前記経路として複数の経路を準備することができる態様においては、以下のような態様とすることが好ましい。
前記出力部は、前記複数の経路を出力することができる。
前記複数の経路は、
第1の経路と、
前記第1の経路よりも前記指定路線区間を利用する距離が少なく、かつ前記出発地から前記目的地に至るまでの時間が短い第2の経路とを含む。
【0043】
このような態様とすれば、ユーザは指定路線区間の利用の程度が異なる複数の経路の中から、たとえば、移動に要する費用や時間、寄り道の可能性などを考慮して、好ましい経路を選択することができる。なお、出力部を、複数の経路からの経路の選択を促す経路選択画面を表示できる態様とすることも好ましい。
【0044】
前記経路網情報は、前記路線における駅について、ユーザが利用できる施設の情報を含むことが好ましい。
前記経路探索部は、前記経路において前記交通機関の輸送手段が止まる停止駅の前記施設の情報を含む前記経路の情報を準備することが好ましい。
前記出力部は、前記停止駅の前記施設の有無の表示とともに、前記経路を表示することができることが好ましい。
このような態様とすれば、ユーザは、停止駅における施設の利用の可能性を考慮して、移動を計画することができる。また、複数の経路が表示される態様においては、ユーザは、指定路線区間の利用の程度が異なる複数の経路の中から、たとえば、所要時間や施設の利用の可能性を考慮して、好ましい経路を選択することができる。
【0045】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、経路探索装置、経路探索方法、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1実施例である経路探索システムのハードウェア構成を示す図。
【図2】定期券の区間の情報の入力を促すために携帯電話200の表示パネル202に表示される画像。
【図3】電子マネーの情報の入力を促すために携帯電話200の表示パネル202に表示される画像。
【図4】経路探索システムにおいて実行される経路探索の処理を示すフローチャート。
【図5】ステップS10において携帯電話200の表示パネル202に表示される画像。
【図6】図4のステップS20において表示パネル202に表示される画像。
【図7】図4のステップS30において表示パネル202に表示される画像。
【図8】図4のステップS70において経路探索を行う際の携帯電話200、経路探索サーバ100、時刻表サーバ170の情報のやりとりを示すチャート。
【図9】図4のステップS80で表示パネル202上に表示される画像の例SD1を示す図。
【図10】第2実施例において、携帯電話200の表示パネル202上に表示される画像の例SD3を示す図。
【図11】経路探索サーバ100が有する経路ネットワークデータの内容の一部を表す図。
【図12】変形例において、図4のステップS80で表示パネル202上に表示される吹き出しB04bを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0047】
A.第1実施例:
A1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施例である経路探索システムのハードウェア構成を示す図である。第1実施例の経路探索システムは、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、時刻表サーバ170と、携帯電話200と、を含む。
【0048】
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、時計部209と、電子マネー記憶部213と、電子マネー管理部214と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0049】
GPSユニット201は、GPS(Grobal Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す現在位置情報を生成することができる。
【0050】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。本明細書においては、画像、音声、振動を出力する装置202〜204を、まとめて「出力部」と呼ぶことがある。
【0051】
通信部205は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100および地図サーバ150と通信を行い、情報を送受信することができる。
【0052】
コマンド入力部206は、テンキー206aとカーソルキー206bとを含む。ユーザは、テンキー206aとカーソルキー206bを介して携帯電話200に情報を入力する。
【0053】
時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。
【0054】
電子マネー記憶部213は、電子マネーを記憶する。「電子マネー」とは、貨幣価値を情報に置き換えたものである。電子マネー管理部214は、外部とデータを交換することにより、電子マネー記憶部213に電子マネーをチャージ(入金)し、電子マネー記憶部213に記憶された電子マネーを消費して外部に電子マネーを支払う。
【0055】
通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
【0056】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU、RAM、ROMを備えている。たとえば、主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェア212を実行することによって携帯電話200の各部を制御し、現在位置から目的地までの経路を表す経路データを入手して、その経路を表示パネル202に表示することができる。なお、経路データを入手する主制御部210の機能部を、図1において経路準備ユニット231として示す。また、経路データに基づいて表示パネル202に経路を表示する主制御部210の機能部を、図1において経路表示ユニット232として示す。
【0057】
経路探索サーバ100は、通信部102と、制御部104と、記憶部106とを有している。通信部102は、インターネットINTを介して地図サーバ150、時刻表サーバ170および携帯電話200と通信を行うことができる。
【0058】
記憶部106は、経路探索のための経路ネットワークデータ(経路探索データ)を格納している。記憶部106は、さらに、地図サーバ150、時刻表サーバ170、および携帯電話200から受け取ったデータ、およびそれらに基づいて生成されたデータを格納する。
【0059】
経路ネットワークデータは、ノード情報と、交差点および駅の属性情報と、アーク情報とを含む。
【0060】
ノード情報は、道路の交差点や、カーブの開始点および終了点、路線の駅などの地点を表すデータである。
【0061】
交差点の属性情報は、ユーザがその交差点に進入するときに、そのユーザの携帯電話200の表示パネル202に表示すべき情報、たとえば、交差点で交わる各道路がどこに向かっているかを示す情報である。
【0062】
駅の属性情報は、その駅に列車の路線のうち何線が乗り入れているかを表す乗り入れ路線情報を含む。また、駅の属性情報は、その駅が、改札内にトイレを有するか否か、ならびに改札内に飲食店を有するか否か、の情報を含む。さらに、駅の属性情報は、その駅における各ホーム間の乗り換えに要する時間の情報も含んでいる。
【0063】
アーク情報は、ノードとノードの間の道路または路線区間であるアークに関する情報である。各アークには固有のIDが割り当てられている。また、道路の区間のアークには、その道路の名称(国道1号線、県道30号線など)の情報が対応づけられている。そして、路線の区間のアークには、その路線の名称(山手線、中央線など)の情報が対応づけられている。さらに、各アーク情報には、そのアークに対応する道路等を移動する際に要する時間の情報も対応づけられている。
【0064】
各アーク情報は、それぞれのアークに含まれる多数の地点の緯度および経度のデータを含んでいる。すなわち、ルートを設定することができる道路や路線区間は、それらの地点の点列として表すことができる。
【0065】
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、地図データベース156とを有している。通信部152は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100や携帯電話200と通信を行うことができる。
【0066】
地図データベース156は、携帯電話200に送信するための画像データとしての地図画像データを格納している。制御部154は、携帯電話200から受け取ったデータに基づいて携帯電話200が要求する一部の領域の地図を表す地図画像データを特定し、通信部152を介して携帯電話200に送信する。
【0067】
時刻表サーバ170は、通信部172と、制御部174と、時刻表データベース176とを有している。通信部172は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100と通信を行うことができる。
【0068】
時刻表データベース176は、日本国内の列車の路線の時刻表のデータを格納している。制御部174は、経路探索サーバ100から受け取ったデータに基づいて、特定の駅、特定の路線、かつ特定の時刻近傍の列車の発車時刻の情報、ならびにその列車の停車駅、およびその停車駅の停車時刻および発車時刻の情報を含むデータ(以下、「時刻表原データ」と呼ぶ)を作成し、通信部172を介して経路探索サーバ100に送信する。
【0069】
経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106内の経路ネットワークデータを参照しつつ、地図サーバ150、時刻表サーバ170、および携帯電話200から受け取った各データに基づいて、出発地点から目的地に至る経路を表す経路データを生成する。経路には、列車の路線の区間を含むことができる。このため、経路データには、たとえば、目的地に向かう際に列車に乗車すべき駅、乗車すべき列車の発車時刻、ならびにその列車の停車駅、およびその停車駅の停車時刻および発車時刻の情報が含まれる。生成された経路データは、携帯電話200に送信され、携帯電話200において経路の表示のために使用される。
【0070】
A2.定期券の区間および電子マネーの情報の入力:
携帯電話200には、ユーザが持っている定期券の区間および電子マネーの情報が、経路の探索に先立ってあらかじめ入力される。
【0071】
図2は、定期券の区間の情報の入力を促すために携帯電話200の表示パネル202に表示される画像である。ただし、図2に示す画像は、すでにユーザによって各種の情報が入力された状態の画像である。
【0072】
図2の情報入力用の画像を見たユーザは、定期券の路線を入力するための入力ボックスIB01、乗車駅を入力するための入力ボックスIB02、降車駅を入力するための入力ボックスIB03や定期券の有効期限を入力するための入力ボックスIB04にカーソルを合わせ、カーソルキー206bの中央のボタンを押す。すると、表示パネル202の画面は入力ボックスに文字を入力するモードになる。その状態において、ユーザは、テンキー206aを操作して路線名、乗車駅、降車駅の名称ならびに定期券の有効期限を入力する。以下、携帯電話200の表示パネル202に表示された他の入力ボックスに対する入力の操作も同様に行われる。
【0073】
その後、ユーザは、「確定」ボタンBDを押す。具体的には、「確定」ボタンBDにカーソルを合わせて、カーソルキー206bの中央のボタンを押す。以下、表示パネル202に表示された何らかのボタンを押す、と記載した場合には、同様の操作を意味する。「確定」ボタンBDが押されると、各入力ボックスに入力された情報は、主制御部210のROMに記憶される。そして、定期券の情報を入力する処理は終了する。
【0074】
なお、図2の例において、有効期限を入力するための入力ボックスIB04には、2008年3月31日を表す「20080331」が入力されている。主制御部210は、入力ボックスIB04に入力された期限の2日前に、ユーザに対して定期券の有効期限の再入力を促す画面を表示パネル202上に表示する。入力ボックスIB04に入力された期限を過ぎると、入力ボックスIB01〜IB03に入力され主制御部210のRAM内に格納されていた情報は、消去される。
【0075】
一方、図2の「取消」ボタンBUが押された場合には、入力ボックスIB01〜IB03には、何も入力されていない状態となる。ユーザはその状態から、上述の操作によって入力ボックスIB01〜IB03に文字を入力することが可能である。
【0076】
図3は、電子マネーの情報の入力を促すために携帯電話200の表示パネル202に表示される画像である。ただし、図3に示す画像は、すでにユーザによって情報が入力された状態の画像である。
【0077】
図3の情報入力用の画像を見たユーザは、チェックボックスCB01〜CB04のうち、自らが利用している電子マネーの名前とともに表示されているチェックボックスにチェックを入れる。具体的には、チェックボックスにカーソルを合わせて、カーソルキー206bの中央のボタンを押す。以下、チェックボックスにチェックを入れる操作は同様にして行われる。
【0078】
その後、ユーザは、「確定」ボタンBDを押す。「確定」ボタンBDが押されると、チェックボックスを使用して入力された情報は、主制御部210のROMに記憶される。そして、電子マネーの情報を入力する処理は終了する。
【0079】
一方、図3の「取消」ボタンBUが押された場合には、チェックボックスCB01〜CB04には、チェックが入っていない状態となる。ユーザはその状態から、上述の操作によってチェックボックスCB01〜CB04にチェックを入れることが可能である。
【0080】
以上のようにして、携帯電話200には、経路探索に先だってあらかじめ定期券の区間および利用可能な電子マネーの情報が入力され保存される。これら定期券の区間の情報および特定の路線で利用可能な電子マネーの情報によって、特定の路線の区間や、その電子マネーを利用できる路線を決定することができる。これら定期券の区間の情報および特定の路線で利用可能な電子マネーの情報を、本明細書において「指定路線区間の情報」と呼ぶことがある。
【0081】
なお、以上で説明した図2および図3の処理において、ユーザに対して情報の入力を促す画面を表示する主制御部210の機能部を、図1において出力ユニット234として示す。そして、以上で説明した図2および図3の処理において、ユーザからの情報の入力を受ける機能を奏する主制御部210の機能部を、図1において入力ユニット235として示す。
【0082】
A3.経路探索:
図4は、経路探索システムにおいて実行される経路探索の処理を示すフローチャートである。まず、ステップS10において、ユーザは、携帯電話200に出発地、目的地、探索条件を入力する。ここでいう「探索条件」とは、ユーザが持っている特急券や定期券、電子マネーの情報を考慮して経路の探索を行うか否かの条件である。なお、本明細書では、乗車券、特急県、定期券、回数券など、所定の交通システムの所定の区間または路線を利用する権利を示す物または情報を「利用券」と呼ぶ。
【0083】
図5は、ステップS10において携帯電話200の表示パネル202に表示される画像である。図5の画像は、出発地と目的地と探索条件の入力をユーザに促すための画像である。ただし、図5に示す画像は、すでにユーザによって各種の情報が入力された状態の画像である。
【0084】
情報入力用の図5の画像を見たユーザは、出発地を入力するための入力ボックスIB11に出発地を入力する。また、目的地を入力するための入力ボックスIB12に目的地を入力する。
【0085】
本実施例では、出発地を入力するための入力ボックスIB11には、デフォルトで「現在位置」が入力されている。図5の例では、入力ボックスIB11の内容は、「現在位置」である。また、図5の例では、目的地を入力するための入力ボックスIB12には、「東京国際フォーラム」が入力されている。出発地として現在位置が指定されている場合には、GPSユニット201から取得される現在位置情報が、経路探索の際に出発地の情報として利用される。
【0086】
また、ユーザは、出発地から目的地に移動するために利用する列車の特急券をすでに購入している場合、またはそのような特急券の予約をしている場合には、図5の画面において、「特急券を購入/予約済み」と表示されているチェックボックスCB11にチェックを入れる。
【0087】
そして、ユーザは、自らが保持している定期券や、電子マネーなどの利用券が利用できる路線を優先的に利用するような経路の探索を希望する場合には、「定期券、電子マネーの路線を優先」と表示されたチェックボックスCB12にチェックを入れる。なお、図5の例では、チェックボックスCB12にはチェックは入れられていない。
【0088】
それぞれの入力ボックスおよびチェックボックスに情報を入力した後、ユーザは、「確定」ボタンBDを押す。すると処理は図4のステップS15に進む。なお、図4の各ステップにおいてユーザが携帯電話200に入力した情報は、携帯電話200の主制御部210のRAMに格納される。
【0089】
一方、図5の画面において「取消」ボタンBUが押された場合には、入力ボックスIB11には、「現在位置」が入力され、入力ボックスIB12には、何も入力されていない状態となる。また、チェックボックスCB11,CB12にはチェックが入れられていない状態となる。ユーザはその状態から、上述の操作によって入力ボックスIB11,IB12に文字を入力し、チェックボックスCB11,CB12にチェックを入れることが可能である。
【0090】
図4のステップS15では、チェックボックスCB11にチェックが入れられているか否かが判定される。チェックボックスCB11にチェックが入れられている場合には、処理は、ステップS20に進む。チェックボックスCB11にチェックが入れられていない場合には、処理は、ステップS35に進み、その後、経路探索が行われる。すなわち、図5の状態において、チェックボックスCB11にチェックが入れられていない状態で、ユーザが「確定」ボタンBDを押すことが、経路探索の指示に相当する。
【0091】
図6は、図4のステップS20において表示パネル202に表示される画像である。図6の画像は、利用する列車の乗車駅、降車駅、発車時刻、および列車の名前の入力をユーザに促す画像である。ただし、図6に示す画像は、すでにユーザによって各種の情報が入力された状態の画像である。
【0092】
図4のステップS20において、ユーザは、輸送手段としての列車の名前(以下「列車名」とも呼ぶ)を入力するための入力ボックスIB21に、購入または予約した特急券で指定されている列車の名前を入力する。また、ユーザは、乗車駅名を入力するための入力ボックスIB22に、その特急券が指定している乗車駅を入力する。そして、ユーザは、降車駅名を入力するための入力ボックスIB23に、その特急券が指定している降車駅を入力する。
【0093】
さらに、ユーザは、出発日を入力するための入力ボックスIB24に、その特急券の列車の出発日を入力する。そして、ユーザは、出発時刻を入力するための入力ボックスIB25に、その列車の出発時刻を入力する。なお、図6の例では、11月7日を意味する1107が入力ボックスIB24に入力されている。そして、7時44分を意味する0744が入力ボックスIB25に入力されている。
【0094】
その後、ユーザは、各入力ボックスへの入力を終えると、「確定」ボタンBDを押す。すると、処理は図4のステップS30に進む。なお、いずれかの入力ボックスに情報が入力されていない場合には、処理は図4のステップS20に留まり、入力ボックスに情報が入力されていない旨の警告が表示される。
【0095】
ただし、図6の入力ボックスIB21〜IB24に適正な情報が入力されている場合には、入力ボックスIB25に出発時刻が入力されていない場合でも、処理はステップS30に進む。また、入力ボックスIB22〜IB25に適正な情報が入力されている場合には、入力ボックスIB21に列車名が入力されていなくても、処理はステップS30に進む。
【0096】
一方、図6の画面において「戻る」ボタンBBが押された場合には、処理はステップS10に戻る。なお、各ステップの画面において「戻る」ボタンBBが押された場合の処理も同様であり、表示パネル202の表示が直前のステップの入力画面に戻る。経路探索の処理内容の理解を容易にするために、各ステップの画面において「戻る」ボタンBBが押された場合の処理については、図4のフローチャートにおいて図示を省略している。
【0097】
図7は、図4のステップS30において表示パネル202に表示される画像である。図7の画像は、利用する列車の乗車駅および降車駅における滞在希望時間の入力をユーザに促す画像である。ただし、図7に示す画像は、すでにユーザによって各種の情報が入力された状態の画像である。
【0098】
図4のステップS30において、ユーザは、乗車駅名(名古屋駅)とともに表示されている入力ボックスIB31に、乗車駅における滞在希望時間を入力する。また、ユーザは、降車駅名(東京駅)とともに表示されている入力ボックスIB32に、降車駅における滞在希望時間を入力する。入力ボックスIB31,IB32には、デフォルトでは0時間0分が入力されている。その後、「確定」ボタンBDが押されると、処理はステップS35に進む。ユーザが「確定」ボタンBDが押すことが、経路探索の指示に相当する。
【0099】
なお、図4のステップS10,S20,S30において、ユーザに対して情報の入力を促す画面を表示する主制御部210の機能部(図5〜図7参照)は、出力ユニット234である(図1参照)。そして、図4のステップS10,S20,S30において、ユーザからの情報の入力を受ける機能を奏する主制御部210の機能部(図5〜図7参照)は、入力ユニット235である(図1参照)。
【0100】
ステップS35では、図5の入力画面(図4のステップS10参照)においてチェックボックスCB11,CB12にチェックが入れられていたか否かが判定される。なお、図5の入力画面においてチェックボックスCB11,CB12にチェックが入れられていたか否かの情報は、主制御部210のRAMに格納されている。
【0101】
チェックボックスCB11,CB12のいずれにもチェックが入れられていなかった場合には、処理は図4のステップS40に進む。ステップS40では、特急券や定期券、電子マネーの情報は考慮せずに、出発地から目的地に最短時間で至る経路が探索される。なお、経路探索の際には、たとえば、現在時刻から5分後に出発地を出発するもの仮定として、経路探索が行われる。経路探索の処理の詳細については、後に説明する。
【0102】
一方、図4のステップS35において、チェックボックスCB11にチェックが入れられ、チェックボックスCB12にはチェックが入れられていなかった場合には(図4のステップS10、および図5参照)、処理はステップS50に進む。ステップS50では、定期券や電子マネーの情報は考慮せずに、特急券の列車の情報(図4のステップS20および図6参照)および滞在時間の情報(図4のステップS30および図7参照)を考慮して、出発地から目的地に最短時間で至る経路が探索される。
【0103】
すなわち、ステップS50では、図4のステップS20で入力された情報で特定される列車を利用し、かつ、ステップS30で入力された滞在時間以上、乗車駅および降車駅でそれぞれ滞在することを前提として、出発地から目的地に最短時間で至る経路が探索される。
【0104】
また、ステップS35において、チェックボックスCB11にチェックが入れられておらず、チェックボックスCB12にはチェックが入れられていた場合には(図4のステップS10、および図5参照)、処理はステップS60に進む。ステップS60では、特急券の列車の情報および滞在時間の情報を考慮せずに、定期券や電子マネーの情報(図2参照)を考慮して、出発地から目的地に至る経路が探索される。
【0105】
すなわち、ステップS60では、第1の経路として、図2のステップS20で入力された定期券の区間または電子マネーが利用できる区間の少なくとも一部を利用して、出発地から目的地に最短時間で至る経路が探索される。一方、ステップS60では、ステップS40と同じ処理で、第2の経路として、定期券、電子マネーの情報を考慮せずに、出発地から目的地に最短時間で至る経路が探索される。
【0106】
第1の経路は、第2の経路よりも、移動に要する費用の点でユーザにとって好ましい経路となる可能性が高い。一方、第2の経路は、第1の経路よりも少ない制約条件の下で探索される。このため、第2の経路は、第1の経路よりも短時間で目的地に到達できる経路となる可能性が高い。
【0107】
そして、第1の経路の所要時間の第2の経路の所要時間からの増分が所定範囲(たとえば20分)内である場合には、第1の経路が最終的に探索された経路とされる。第1の経路の所要時間の第2の経路の所要時間からの増分が所定範囲以上である場合には、第2の経路が最終的に探索された経路とされる。
【0108】
このような態様とすることで、移動に要する費用の点でユーザにとって好ましく、かつ所要時間の増分が所定範囲である経路をユーザに提示できる。また、そのような経路がない場合には、最短時間で目的地に到達できる経路をユーザに提示できる。
【0109】
さらに、図4のステップS35において、チェックボックスCB11とチェックボックスCB12の両方にチェックが入れられていた場合には(図4のステップS10、および図5参照)、処理はステップS70に進む。ステップS70では、特急券の列車の情報(図4のステップS20および図6参照)および滞在時間の情報(図4のステップS30および図7参照)、ならびに定期券や電子マネーの情報(図2および図3参照)を考慮して、出発地から目的地に至る経路が探索される。
【0110】
すなわち、ステップS70では、図4のステップS20で入力された列車を利用し、かつ、ステップS30で入力された滞在時間以上、乗車駅および降車駅でそれぞれ滞在することを前提として、最短時間で目的地に至る第1の経路が探索される。この第1の経路は、さらに、図2のステップS20で入力された定期券の区間または電子マネーが利用できる区間の少なくとも一部を利用して、出発地から目的地に至る経路である。
【0111】
また、ステップS70では、図4のステップS20で入力された列車を利用し、かつ、ステップS30で入力された滞在時間以上、乗車駅および降車駅でそれぞれ滞在することを前提として、最短時間で目的地に至る第2の経路が、定期券、電子マネーの情報は考慮せずに探索される。
【0112】
第1の経路は、第2の経路よりも、移動に要する費用の点でユーザにとって好ましい経路となる可能性が高い。一方、第2の経路は、第1の経路よりも短時間で目的地に到達できる経路となる可能性が高い。
【0113】
そして、第1の経路の所要時間の第2の経路の所要時間からの増分が所定範囲(たとえば20分)内である場合には、第1の経路が最終的に探索された経路とされる。第1の経路の所要時間の第2の経路の所要時間からの増分が所定範囲以上である場合には、第2の経路が最終的に探索された経路とされる。
【0114】
このような態様とすることで、特急券の利用を前提として、移動に要する費用の点でユーザにとって好ましく、かつ所要時間の増分が所定範囲である経路をユーザに提示できる。また、そのような経路がない場合には、特急券の利用を前提として、最短時間で目的地に到達できる経路をユーザに提示できる。
【0115】
以上で説明した図4のような処理を行うことで、ユーザは、特急券の使用を前提とした経路の探索と(ステップS50,S70)、定期券や電子マネーを有効に活用できる経路の探索と(ステップS60,S70)、それらに比べて制約条件が少なくより短時間で目的地に到達できる経路が見つけられる可能性がある探索と、を目的に応じて使い分けることができる(図5のCB11,CB12参照)。
【0116】
図8は、図4のステップS70において経路探索を行う際の携帯電話200、経路探索サーバ100、時刻表サーバ170の情報のやりとりを示すチャートである。
【0117】
ステップS105でユーザからルート検索の指示を受け取ると、携帯電話200の主制御部210は、出発地および目的地の情報(図4のステップS10および図5参照)、特急券の列車の情報(図4のステップS20および図6参照)、駅の滞在希望時間の情報(図4のステップS30および図7参照)、定期券の区間の情報(図2参照)、利用可能な電子マネーの情報などを、経路探索サーバ100に送信する。
【0118】
ステップS205では、経路探索サーバ100が、記憶部106内の経路ネットワークデータを参照しつつ、出発地および目的地の情報、特急券の列車の情報、駅の滞在希望時間の情報、定期券の区間の情報、電子マネーの情報などに基づいて、上述のステップS70の第1および第2の経路を探索する。第1の経路とは、定期券や電子マネーで利用できる区間を利用する経路である。第2の経路とは、定期券や電子マネーで利用できる区間を考慮せずに生成される経路である。
【0119】
ステップS210では、経路探索サーバ100は、決定された第1または第2の経路に含まれる路線の乗車駅および降車駅の情報、ならびに乗車駅における乗車可能時刻の情報を時刻表サーバ170に送信して、利用すべき列車の時刻(乗車時刻、降車時刻など)の情報を問い合わせる。
【0120】
なお、乗車駅における乗車可能時刻は、経路に含まれる道路などのアーク情報に対応づけられた移動時間を出発時刻から積算することによって、得られる。また、乗換駅における乗車可能時刻については、直前に利用する列車の乗換駅への到着時刻、および乗換駅における乗り換え時間から計算することができる。さらに、図4のステップS30において、その駅における滞在希望時間が指定されている場合には、その滞在希望時間も上乗せして、乗車可能時刻が決定される。
【0121】
ステップS305では、時刻表サーバ170は、時刻表データベース176を参照して、経路探索サーバ100から受け取った乗車駅、降車駅、乗車可能時刻の情報に基づいて、経路に含まれるある出発駅からある目的駅までの利用区間において利用すべき列車を決定する。そして、それらの列車の路線名(山手線、中央線など)、車両数、乗車駅における乗車ホーム、乗車駅における出発時刻、降車駅への到着時刻、降車駅における降車ホーム、停車駅、停車駅における停車ホーム、停車駅への到着時刻および出発時刻を決定する。そして、それらの列車の情報は経路探索サーバ100に送信される。
【0122】
このステップS210,S305の処理は、第1および第2の経路に含まれる路線の各利用区間について行われる。その結果、第1および第2の経路において利用する列車の時刻の情報が決定される。
【0123】
ステップS215では、経路探索サーバ100は、第1の経路の所要時間の第2の経路の所要時間からの増分が所定範囲(たとえば20分)内であるか否かを判定する。そして、第1の経路の所要時間の第2の経路の所要時間からの増分が所定範囲内である場合には、第1の経路が最終的に探索された経路とされる。そうではない場合には、第2の経路が最終的に探索された経路とされる。
【0124】
ステップS220では、経路探索サーバ100は、決定された経路において利用すべき列車の路線名、乗車駅における乗車ホーム、乗車駅における出発時刻、降車駅への到着時刻、降車駅における降車ホーム、停車駅、停車駅における停車ホーム、停車駅への到着時刻および出発時刻、ならびにステップS205で決定したルートに基づいて、経路データを生成する。生成された経路データは、出発地、目的地、探索条件などの情報とともに、経路探索サーバ100の記憶部106内に格納される。
【0125】
経路データは、ノード情報と、交差点および駅の属性情報と、アーク情報とを含む。アーク情報は、さらに、緯度および経度の点列の情報を含む。また、経路データは、上述の列車の様々な時刻の情報やホームなどの情報を含む。なお、ノード情報とアーク情報とをまとめて「経路情報」と呼ぶことがある。
【0126】
ステップS220で経路探索サーバ100によって生成された経路データは、携帯電話200に送信される。携帯電話200は、その経路データを受信する(ステップS110)。出発地、目的地、探索条件などの情報を、経路探索サーバ100に送信し、経路探索サーバ100から経路データを受け取る主制御部210の機能部は、経路準備ユニット231である(図1参照)。
【0127】
なお、図8では、図4のステップS70の処理を例にとって説明した。しかし、ステップS40〜S60についても、一部の処理が行われない点を除いて、同様に経路が決定される。
【0128】
すなわち、図4のステップS60の処理においては、図8のステップS205において、特急券の情報が考慮されずに経路が探索される。
【0129】
また、図4のステップS50の処理においては、図8のステップS205において、定期券の情報が考慮されずに経路が探索される。図4のステップS40の処理においては、図8のステップS205において、特急券および定期券の情報が考慮されずに経路が探索される。また、図4のステップS40,S50の処理においては、図8のステップS205の処理において、第1と第2の二つの経路の探索が行われない。すなわち、一つの経路が探索される。また、ステップS220において、二つの経路の比較が行われない。
【0130】
図4のステップS80では、携帯電話200の主制御部210は、経路データと、別途、地図サーバ150から取得された地図画像データとに基づいて、表示パネル202上に経路を表示する。
【0131】
なお、地図サーバ150から地図画像データを入手する主制御部210の機能部を、図1において地図情報準備ユニット233として示す。また、経路データに基づいて経路の表示を行う主制御部210の機能部は、経路表示ユニット232である(図1参照)。
【0132】
図9は、図4のステップS80で表示パネル202上に表示される画像の例SD1を示す図である。図9の例では、図4のステップS10において、特急券の情報と、定期券等の情報をともに利用する、という探索条件が指定されたものとする(図5参照)。その結果、図9で示される経路は、図4のステップS70の処理によって決定された経路である。
【0133】
画像表示SD1においては、経路データのうちのノード情報に基づいて、出発地SP,乗車駅Stb,乗換駅Stt1,停車駅Sts1,停車駅Sts2,乗換駅Stt2,目的駅Std,目的地PDが、地図画像上に示されている。
【0134】
また、画像表示SD1においては、経路データのうちのアーク情報に基づいて、区間S00(出発地SP〜乗車駅Stb)、区間S01a(出発地SP〜乗換駅Stt1)、S02(乗換駅Stt1〜停車駅Sts1)、S03(停車駅Sts1,停車駅Sts2)、S04(停車駅Sts2〜乗換駅Stt2)、S05(乗換駅Stt2〜目的駅Std)、S06(目的駅Std〜目的地PD)等が示されている。なお、列車の路線である区間S01a,S02〜S05は、太い実線で示す。一般の道路である区間S00,S06は、太い破線で示す。
【0135】
図9においては、6本の路線L00a,L00b,L01,L02,L03,L04が示されている。そのうち、探索された経路で使用される区間は、路線L00aのうちの利用区間Lu00a(駅Stb〜駅Stt1)と、路線L01のうちの利用区間Lu01(駅Stt1〜駅Stt2)と、路線L02のうちの利用区間Lu02(駅Stt2〜駅Std)である。
【0136】
図9の例では、S02〜S04が、図4のステップS20で指定された特急券の区間(図6参照)であるものとする。図9において、区間S02〜S04を、区間S01a,S05よりもさらに太い線で示す。
【0137】
また、図4のステップS30においては、特急券の列車の降車駅について、1時間20分の滞在時間が指定されたものとする(図7参照)。そして、特急券の列車の乗車駅においては、0時間0分の滞在時間が指定されたものとする(図7参照)。
【0138】
さらに、図9の例では、路線L00aの駅Stb〜駅Soの区間Fsは、定期券の情報で指定された区間(図2参照)であるものとする。図9において、区間Fsを、一点鎖線で示す。
【0139】
乗車駅Stb,乗換駅Stt1,停車駅Sts1,停車駅Sts2,乗換駅Stt2,目的駅Stdには、それぞれ駅の属性情報に基づいて、吹き出しB00〜B05が示される。
【0140】
乗車駅Stbの吹き出しB00には、乗車駅Stbの名前「S駅」と、S駅で乗るべき列車の出発時刻Td01と、その路線名(O線)とホーム(1番ホームを表す「1番H」)の表示TLd0と、が示されている。ユーザは、これらの表示に基づいて、購入済みの特急券の利用を前提として、最初の乗車駅に到着すべき時刻を知ることができる。
【0141】
また、乗車駅Stbの吹き出しB00には、その駅の改札内にトイレがあることを示すアイコンIc1と、その駅の改札内に飲食店があることを示すアイコンIc2と、が示されている。このような態様とすることで、ユーザは、駅において改札を通った後、改札を出ることなくトイレを利用できるか、そして、改札を出ることなく飲食店を利用できるか、を知ることができる。
【0142】
これらのアイコンIc1,Ic2の表示は、途中の乗換駅についても、改札内のトイレおよび飲食店の有無に応じてなされる(図9の吹き出しB01,B04等参照)。このため、ユーザは、乗り換え時間中にトイレに行くことができるか否かを知ることができる。また、これらのアイコンIc1,Ic2の表示は、途中の停車駅についてもなされる(吹き出しB03参照)。このため、ユーザは、途中の停車駅において下車して、改札を出ることなく、トイレや飲食店を利用することができるか否かを知ることができる。
【0143】
乗換駅Stt1の吹き出しB01には、乗換駅Stt1の名前「A駅」と、S駅(乗車駅Stb)から乗った列車の到着予定時刻Ta1と、その路線名(O線)とホーム(2番H)の表示TLa1と、A駅で乗るべき列車の出発時刻Td11と、その路線名(P線)とホーム(1番ホームを表す「1番H」)の表示TLd1とが示されている。乗換駅Stt2の吹き出しB04も同様である。
【0144】
ユーザは、これらの表示に基づいて、購入済みの特急券の利用を前提とした乗換駅における列車の乗り継ぎの予定を知ることができる。そして、ユーザは、乗り継ぎの時間中にトイレや飲食店に行く時間があるかを知ることができる。
【0145】
停車駅Sts1には、改札内にトイレおよび飲食店が存在しない。このため、停車駅Sts1の吹き出しB02には、アイコンIc1,Ic2は示されていない。そして、停車駅Sts1の吹き出しB02には、駅名「B駅」と路線名「P線」が表示されている。停車駅Sts2の吹き出しB03も同様である。
【0146】
また、乗換駅Stt1における出発時刻は、乗換駅Stt1における乗り換え時間を考慮した上で、到着時刻から5分後に設定されている。これに対して、乗換駅Stt2における出発時刻は、乗換駅Stt2における乗り換え時間に加えて滞在希望時刻(図7参照)を考慮した上で、到着時刻から1時間50分後に設定されている。このため、ユーザは、特急が停車駅する大きな駅であり改札内に飲食店がある乗換駅Stt2で、食事をとったり、おみやげを買ったりすることを前提として、乗り換えの予定を知ることができる。
【0147】
目的駅Stdの吹き出しB05には、D駅(乗換駅Stt2)から乗った列車の到着予定時刻Ta5と、その路線名(Q線)とホーム(1番H)の表示TLa5と、が示されている。ユーザは、この表示に基づいて、購入済みの特急券の利用を前提とした降車駅への到着時刻を知ることができる。
【0148】
なお、乗車駅Stbと乗換駅Stt1の間の移動に要する時間は、路線L00aを利用するよりも路線L00bを利用する方が3分だけ短いものとする。このため、図4のステップS10において、「定期券、電子マネーの路線を優先」の指示がされず(図5参照)、したがって、図4のステップS50の処理が実行される場合には、駅Stbと駅Stt1の間の移動手段としては、路線L00bの区間Lu00bが決定される。
【0149】
しかし、図9の例では、定期券の情報を利用する旨の探索条件が設定されている(図5参照)。そして、定期券の区間を利用する第1の経路と、利用しない第2の経路との所要時間の差が20分より少ない3分である。このため、駅Stbと駅Stt1の間の移動手段としては、路線L00aの区間Lu00aが決定される。このため、ユーザは、所要時間を大幅に増やすことなく、より安い料金で目的地まで移動することができる。
【0150】
経路の探索処理において携帯電話200のRAM、および経路探索サーバ100の記憶部106に格納されたデータは、所定時間(たとえば、3時間)だけ保持される。図4のステップS85では、所定時間内に、再度、経路探索の指示があったか否かが判定される。所定時間内に、再度、経路探索の指示がなかった場合には、処理は終了する。
【0151】
一方、ステップS85において、所定時間内に、再度、経路探索の指示があった場合には、処理はステップS10に戻る。その際、ユーザに情報の入力を促す各画面においては(図5〜図7参照)、デフォルトで前回入力された情報が表示される。ユーザがそのまま確定ボタンを押せば、それらの情報がそのまま入力される。このため、ユーザが情報を入力する負荷が軽減される。
【0152】
なお、予約した特急券の時刻のみ変更する場合が多いと考えられる。このため、ステップS85においては、予約した特急券の時刻のみ変更するか否かについての指示の入力をユーザに促す画面を提示してもよい。そして、予約した特急券の時刻のみ変更する指示が入力された場合には、ステップS20における入力の処理のみを実行し、他のステップにおける情報入力の処理は、経路探索サーバ100の記憶部106に格納されたデータを使用して自動的に行われる態様とすることもできる。
【0153】
B.第2実施例:
第1実施例では携帯電話200の表示パネル202において、経路に含まれる各区間、各駅の表示、ならびに列車の到着時刻、出発時刻等が、地図上に表示される(図9参照)。しかし、第2実施例では、経路に含まれる各区間、各駅の表示、ならびに列車の到着時刻、出発時刻等は、地図の上に表示されず、案内図として表示される。第2実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0154】
図10は、第2実施例において、携帯電話200の表示パネル202上に表示される画像の例SD3を示す図である。画像表示SD3では、出発地のアイコンSP(図9参照)に代えて、ブロックB2sが表示される。また、目的地のアイコンPDに代えてブロックB2eが表示される。そして、出発駅、目的駅、乗換駅、および停車駅のアイコンおよび吹き出しに代えて、ブロックB20〜B25が表示される。
【0155】
ブロックB20〜B25は、出発地のブロックB2sと目的地のブロックB2eとの間において直線的に配される。ブロックB20〜B25は、第1実施例の吹き出しB00〜B05に相当する表示を含む。図10において、図9で使用されている符号と同じ符号が付されている要素は、図9の要素と同じ要素である。なお、太線で示されている区間は、
特急券の情報において指定されている区間である(図4のステップS20および図6参照)。
【0156】
このような態様としても、ユーザは、実際の状況に応じた到着時刻、および乗車すべき列車の発車時刻を知ることができる。また、第2実施例の態様は、第1実施例に比べて画面上の表示情報が少ない。このため、ユーザは、到着時刻、および乗車すべき列車の発車時刻を容易に知ることができる。
【0157】
C.第3実施例:
第3実施例においては、定期券や電子マネーが使用できる区間を利用する第1の経路の探索について説明する。また、乗車券を持っている場合であっても、その乗車券の一部の区間を利用しない第1の経路の探索について説明する。
【0158】
図11は、経路探索サーバ100が有する経路ネットワークデータの内容の一部を表す図である。図11において、a駅〜e駅は路線で結ばれている。図11において路線を実線で示す。各駅の間の運賃を括弧つきで示す。たとえば、a駅とb駅の間の料金は500円である。
【0159】
たとえば、a駅からe駅に至る経路を探索するものとする。a駅からe駅に至る経路としては、a駅とe駅を直接結ぶ経路R01、a駅からb駅とc駅を経由してe駅に至る経路R02、a駅からb駅、c駅およびd駅を経由してe駅に至る経路R03など複数の経路が存在する。これらの経路R01〜R03の運賃Vbを図11の下段に示す。
【0160】
(1)特急券や定期券、電子マネーの情報を考慮しない場合:
図4のステップS10において、チェックボックスCB11,CB12のいずれにもチェックがされなかった場合には(図5参照)、ステップS40において、経路探索サーバ100は、特急券や定期券、電子マネーの情報を考慮せずに、たとえば運賃Vbにもとづいて経路を探索する。その結果、もっとも運賃Vbが安い経路R01が選択され、ステップS80で、携帯電話200の表示パネル202上に表示される。なお、ステップS40では、たとえば、最も所要時間が短い経路を選択するものとしてもよい。
【0161】
(2)乗車券および特急券の情報を考慮する場合:
ユーザがすでに乗車券および特急券(以下、図11を使用した説明においては、特に特急券を明示する場合を除き、まとめて「乗車券」として扱う)を持っており、図4のステップS10でチェックボックスCB11(図5参照)にチェックを入れ、チェックボックスCB12にチェックを入れなかった場合には、第3実施例においては、図4のステップS50において、以下のように経路の探索および選択が行われる。
【0162】
ユーザがb駅からd駅の乗車券を持っている場合について説明する。図11において、乗車券の区間を破線の矢印At01で示す。b駅からd駅の乗車券を考慮して経路を決定する場合には、a駅からe駅に至る経路R01〜R03は、以下のような評価値Ve1で評価される。
【0163】
Ve1=Vb+(Vh−Vs1)・・・ (1)
【0164】
Vbは、各経路における運賃である。Vhは、ユーザがすでに持っている乗車券の料金である。図11の例では、3000円である。Vs1は、ユーザがすでに持っている乗車券のうち、その経路で利用される区間の分の料金である。
【0165】
式(1)において、(Vh−Vs1)は、ユーザがすでに持っている乗車券のうち、その経路において、活用されなかった区間に相当する料金を現す。すなわち、(Vh−Vs1)は、ユーザがすでに持っている乗車券のうち、無駄になった区間に相当する運賃である。式(1)で得られるVe1は、運賃(Vb)と、乗車券のうち無駄になった区間に相当する運賃(Vh−Vs1)の合計である。各経路についてのVe1の値を図11の下段に示す。
【0166】
図4のステップS50では、複数の経路のうち、評価値Ve1が最も小さい経路が、第1の経路として選択される。図11の例では、経路R02が選択される。
【0167】
式(1)がVbの項を含むことで、運賃や距離が少ない経路が選択されやすくなる。また、式(1)が(Vh−Vs1)の項を含むことで、ユーザがすでに持っている乗車券がより活用される経路が選択されやすくなる。よって、上記のような態様とすることで、乗車券利用する第1の経路として、ユーザがすでに持っている乗車券を活用でき、かつ、大幅に遠回りとならないような経路を探索することができる。なお、このような処理は、乗車駅、降車駅、およびその間を結ぶ路線があらかじめ固定された利用券(たとえば、乗車券、特急券など)を有している場合に適用することができる。
【0168】
(3)定期券および電子マネーの情報を考慮する場合:
ユーザが定期券を持っているか電子マネーを利用しており、図4のステップS10でチェックボックスCB12(図5参照)にチェックを入れ、チェックボックスCB11にチェックを入れなかった場合には、第3実施例においては、図4のステップS60において、以下のように経路の探索および選択が行われる。
【0169】
ユーザがb駅とd駅の間の区間の定期券を持っている場合について説明する。図11において、定期券の区間を破線の矢印At02で示す。b駅からd駅の定期券を考慮して経路を決定する場合には、a駅からe駅に至る経路R01〜R03は、以下のような評価値Ve2で評価される。
【0170】
Ve2=Vb−Vs2・・・ (2)
【0171】
Vbは、各経路における運賃である。Vs2は、ユーザが持っている定期券の区間や、ユーザが使用している電子マネーで利用できる区間のうち、その経路で利用される区間の分の料金である。すなわち、式(2)で得られるVe2は、運賃(Vb)から、活用できた電子マネーの料金や活用できた定期券の区間分の料金を引いた額である。なお、定期券や電子マネーを利用する場合には、乗車券の場合とは異なり無駄になる料金は発生しない。このため、式(2)は、式(1)のVhに相当する項を有していない。各経路についてのVe2の値を図11の下段に示す。
【0172】
図4のステップS60では、複数の経路のうち、評価値Ve2が最も小さい経路が第1の経路として選択される。図11の例では、経路R02が選択される。
【0173】
式(2)がVbの項を含むことで、運賃や距離が少ない経路が選択されやすくなる。また、式(2)が(−Vs2)の項を含むことで、ユーザがすでに持っている定期券や電子マネーの区間がより活用される経路が選択されやすくなる。よって、上記のような態様とすることで、ユーザが持っている定期券や電子マネーを活用でき、かつ、大幅に遠回りとならないような経路を、第1の経路として探索することができる。なお、このような処理は、乗車駅、降車駅等があらかじめ固定されておらず、所定の範囲の路線について利用できる利用券(たとえば、定期券や電子マネーなど)を有している場合に適用することができる。
【0174】
(4)乗車券ならびに定期券および電子マネーの情報を考慮する場合:
ユーザが、図4のステップS10でチェックボックスCB11,CB12の両方(図5参照)にチェックを入れた場合には、第3実施例においては、ステップS70において、以下のように経路の探索および選択が行われる。すなわち、a駅からe駅に至る経路R01〜R03は、以下のような評価値Ve3で評価される。各経路についてのVe3の値を図11の下段に示す。
【0175】
Ve3=Ve1+Ve2・・・ (3)
【0176】
図4のステップS70では、複数の経路のうち、評価値Ve3が最も小さい経路が、第1の経路として選択される。図11の例では、経路R02が選択される。
【0177】
このような態様とすることで、ユーザが持っている乗車券、特急券、定期券や電子マネーを活用でき、かつ、大幅に遠回りとならないような経路を、第1の経路として探索することができる。
【0178】
なお、以上では、候補となる経路を3個示して評価値に基づく処理を説明した(図11参照)。評価値が計算される候補としての経路は、たとえば、出発地から目的地に至る経路のうち、運賃Vbの安いものから所定数(たとえば3個)の経路とすることができる。また、評価値が計算される候補としての経路は、たとえば、出発地から目的地に至る経路のうち、推定所要時間の短いものから所定数の経路とすることもできる。
【0179】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0180】
D1.変形例1:
地図サーバ150の地図データベース156内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
【0181】
D2.変形例2:
上記実施例では、経路探索システムは、GPSユニットを備えている。しかし、経路探索システムは、GPSユニットを備えない態様とすることもできる。そのような態様においては、ユーザは、他の入力ボックスと同様の手順で入力ボックスIB11(図5参照)に出発地を入力することにより、経路探索システム経路を探索させることができる。
【0182】
また、上記実施例では、GPS(Grobal Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信して現在位置を特定するシステムが使用されている。案内装置の構成要素としての現在位置取得部は、現在位置を特定できるものであれば、どのような原理に基づくもの、どのような機関が運営するシステムを利用するものであってもよい。
【0183】
D3.変形例3:
上記実施例では、ユーザが入力した情報をいったん提示して、確認を求める画面については説明していない。しかし、各情報の入力について、そのような確認画面を設けることもできる。そのような態様においては、経路探索に必要な情報がすべて入力された後の確認画面における「確認」の意思表示が、経路探索の指示に相当する。
【0184】
D4.変形例4:
上記実施例では、経路探索の指示が出てから、定期券や電子マネーに関する指定路線区間の情報を経路探索サーバに送信する(図8のステップS105参照)。しかし、定期券や電子マネーの情報は、経路探索の指示が出る前に定期券や電子マネーに関する指定路線区間の情報を経路探索サーバに送信し、経路探索サーバにおいて定期券や電子マネーに関する指定路線区間の情報を保持する態様とすることもできる。
【0185】
D5.変形例5:
上記実施例では、電子マネーを選択させて入力させる(図3参照)。しかし、指定路線区間の情報の入力の態様としては、他の態様を採用することもできる。たとえば、JR東日本、東武鉄道など、鉄道会社を選択させてもよい。
【0186】
D6.変形例6:
上記実施例では、定期券と電子マネーの情報を入力させ、それらを考慮して経路を探索する。しかし、定期券や電子マネー以外の料金支払いのためのシステムを考慮して経路を探索することもできる。支払いシステムとしては、たとえば、プリペイドシステムがある。「プリペイドシステム」とは、貨幣価値を表す物または情報を事前に購入し、その物または情報を使用して支払いを行うシステムである。
【0187】
すなわち、特定の相手に対して使用できる料金支払いのためのシステム(本明細書において「支払システム」という)を考慮して、経路を探索することが好ましい。そのような場合には、支払システムの入力を促す画面をユーザに提示して、支払システムの情報を受け取ることが好ましい(たとえば、図3参照)。このような態様とすれば、ユーザは、自分が利用している支払システムを有効に活用できる経路を知ることができる。
【0188】
また、たとえば、以下のような態様とすることもできる。すなわち、電子マネー管理部214は、電子マネーの入金があったときに、主制御部210に通知する。また、電子マネーが使用されたときに、電子マネー管理部214が主制御部210に通知するようにすることもできる。
【0189】
支払システムの情報に基づいて、その支払システムを利用できる路線を特定することができる。このため、主制御部210の機能部である経路準備ユニット231(図1参照)は、ユーザによるコマンド入力部206を解した入力を経ずに、電子マネーの情報を入手することができる。すなわち、このような態様においては、ユーザによる支払システムの使用が、ユーザによる指定路線区間の入力に相当する。
【0190】
このような態様においては、ユーザに支払システムの情報を入力させることなく、支払システムを考慮した経路を探索できる。このため、支払システムを考慮した経路を探索する際のユーザの負荷を軽減できる。
【0191】
D7.変形例7:
上記実施例では、特急券の乗車駅および降車駅における、滞在希望時間をユーザに入力させる。しかし、駅などのノード情報で特定される地点における滞在希望時間を、他の地点についても入力できる態様とすることもできる。
【0192】
たとえば、いったん図4のステップS80で経路を表示した後、ユーザにノードを選択させ、そのノードにおける希望滞在時間を入力するための画面を表示して、希望滞在時間を入力させる態様とすることもできる。その後、ステップS85を経て、そのノードの地点における希望滞在時間を考慮して、再度、経路探索を行うことができる。このような態様とすれば、ユーザは、経路探索を利用して、より自由に旅の工程を組み立てることができる。
【0193】
上記実施例では、図9に示すように、乗換駅Stt2の吹き出しB04には、乗換駅Stt2の名前「D駅」と、A駅(乗換駅Stt1)から乗った列車の到着予定時刻Ta4と、その路線名(P線)とホーム(2番H)の表示TLa4と、D駅で乗るべき列車の出発時刻Td41と、その路線名(Q線)とホーム(3番H)の表示TLd4とが示されている。しかし、滞在時間が指定された駅については(図7参照)、その駅で乗るべき列車の出発時刻に加えて、それよりも前の時刻に発車する1以上の代替列車の出発時刻を表示することが好ましい。
【0194】
図12は、変形例において、図4のステップS80で表示パネル202上に表示される吹き出しB04bを示す図である。なお、図12においては、理解を容易にするために、吹き出しB04b以外の表示を省略している。しかし、図4のステップS80で表示パネル202上に表示される画像は、図9と同様に様々な情報を含む。
【0195】
図12の例においては、Td42〜Td44が、乗換駅Stt2で乗るべき列車(Q線、3番ホーム、19時7分発)よりも前に乗換駅Stt2を発車する列車であって、乗換駅Stt2で乗るべき列車(Q線、3番ホーム、19時7分発)に代えて利用できる列車の出発時刻の表示である。
【0196】
このような態様においては、経路探索サーバ100は、希望滞在時刻が指定された駅については、乗車可能時刻以降に出発する列車に加えて、それよりも前に出発する複数の列車についても検索すべき旨の指示を、図8のステップS210において時刻表サーバ170に送信する。
【0197】
そして、図8のステップS305において、時刻表サーバ170は、経路探索サーバ100から受け取った乗車可能時刻の近傍の時刻に出発する列車に加えて、それよりも前に出発する代替列車の情報(出発時刻、出発ホームを含む)を、時刻表から検索する。そして、時刻表サーバ170は、その情報を経路探索サーバ100に返信する。その後、経路探索サーバ100は、そのような代替列車の情報も含めて経路データを生成し、携帯電話200に送信する。
【0198】
このような態様とすれば、ユーザは、指定した滞在希望時間が経過する前にその駅を出発しようとする際に、自分が利用できる列車を知ることができる。すなわち、上記のような態様の経路探索システムは、ユーザの旅程に変更があった場合にも、ユーザに対して有効な乗り換え情報を提供できる。
【0199】
D8.変形例8:
上記実施例では、各入力ボックスに日本語や数字による入力を行う態様について説明した。しかし、情報の入力は、他の態様で行うこともできる。たとえば、経路探索システムが複数の選択肢を提示し、ユーザにその中から1以上の選択肢を選択させる態様とすることもできる。
【0200】
D9.変形例9:
上記実施例では、時刻を特定して経路を探索している。しかし、時刻を特定せずに、経路を探索することもできる。そのような場合には、各区間についての一般的な所要時間が経路とともに出力されることが好ましい。
【0201】
D10.変形例10:
上記実施例では、出発地と、目的地と、指定路線区間としての定期券の区間や特定の電子マネーが使用できる区間を考慮して、経路の探索が行われる。しかし、経路の探索は、さらに、1以上の経由地を考慮して行うこともできる。そのような態様においては、ユーザに経由地の入力を促す画面を表示して、経由地の入力を受け取ることが好ましい。
【0202】
D11.変形例11:
上記実施例では、経路探索サーバ100において一つの経路が決定される。そして、携帯電話200においてその一つの経路が表示される。しかし、経路が複数探索される態様とすることもできる。
【0203】
たとえば、定期券情報や電子マネーの情報を考慮して経路を探索する場合には、定期券の区間内の路線を利用する程度や、電子マネーが利用できる交通システム内の路線を利用する程度が互いに異なる複数の経路を探索することが好ましい。そして、それら複数の経路を表示して、ユーザにその中からの選択を促すことが好ましい。
【0204】
そして、それぞれの経路の表示においては、各経路において交通機関の輸送手段(鉄道の列車や、定期連絡航路の連絡船)が止まる停止駅の施設の情報を表示することが好ましい。このような態様とすれば、ユーザは、停止駅の施設の利用の可能性も含めて、工程を検討することができる。
【0205】
なお、複数の経路は、順番、または選択的に表示されてもよく、同時に表示されてもよい。
【0206】
D12.変形例12:
上記実施例では、駅の改札内にトイレやレストランがある旨の表示が行われる(図9および図10参照)。しかし、案内装置がユーザに提示する駅の情報はこれらに限られない。たとえば、案内装置は、乗車駅、降車駅、停車駅において、改札内におみやげ屋があるか否か、コンビニエンスストアがあるか否か、各ホームにキオスクや自動販売機があるか否かを表示する態様とすることもできる。すなわち、案内装置は、改札内にユーザが利用することができる所定の設備を有しているか否かを、ユーザに提示する態様とすることができる。
【0207】
D13.変形例13:
上記実施例においては説明していないが、各吹き出し(図9のB00〜B05など)内の各表示や、ブロック(図9および図10のB2s〜B2e)内の各表示は、携帯電話200のカーソルキー206bで順に選択することができる。
【0208】
たとえば、駅名にカーソルを合わせて選択し、決定キーを押すなどして選択を確定した場合に、駅の設備(おみやげ屋、コンビニ、飲食店など)の有無の情報や乗り入れ路線の情報を表示する態様とすることもできる。すなわち、駅の属性情報は、所定の操作を行う前に表示されるものと、所定の操作を行った後に表示されるものと、に分けて表示することができる。
【0209】
また、路線にカーソルを合わせ、決定キーを押して選択を確定した場合に、列車のホームの番号や階段に最も近い車両の番号を表示するようにすることもできる。すなわち、列車の属性情報は、所定の操作を行う前に表示されるものと、所定の操作を行った後に表示されるものと、に分けて表示することができる。
【0210】
D14.変形例14:
上記実施例においては、ユーザに情報を提供する出力部は、表示パネル202、音声出力部203、および振動機構204として構成される(図1参照)。しかし、出力部は、印刷物の形で情報を出力したり、点字を構成する凹凸で情報を出力するものとすることもできる。出力部は、画像、音声、触覚、振動等の何らかの形でユーザに情報を提供することができるものであればよい。
【0211】
D15.変形例15:
上記第3実施例では、料金に関する評価値Ve1〜Ve3に基づいて経路が決定される。しかし、経路は、他の様々な要素を考慮して決定することができる。たとえば、評価値Ve1〜Ve3に加えて、目的地までの所要時間や、乗り換え回数など他の評価項目を考慮して、経路を決定することができる。複数の評価項目を考慮して経路を決定する場合には、たとえば、以下のようにして総合評価値を決定することができる。
【0212】
V=Ct×(Vt/Vtmin)+Ce×(Ve/Vemin)+Cc×(Vc/Vcmin) ・・・ (4)
【0213】
Vtは、その経路における目的地までの所要時間である。Vtminは、候補である各経路の所要時間のうち最小の所要時間である。Vcは、その経路の乗り換え回数である。Vcminは、候補である各経路の乗り換え回数のうち最小の乗り換え回数である。
【0214】
Veは、料金に関する評価値であり、Vb,Ve1,Ve2またはVe3である。図4のステップS10でユーザがチェックボックスCB11,CB12(図5参照)にチェックを入れなかった場合には、Veは、Vbである。チェックボックスCB11(図5参照)にチェックを入れ、チェックボックスCB12にチェックを入れなかった場合には、Veは、Ve1である。チェックボックスCB12(図5参照)にチェックを入れ、チェックボックスCB11にチェックを入れなかった場合には、Veは、Ve2である。チェックボックスCB11,CB12(図5参照)にチェックを入れた場合には、Veは、Ve3である。Veminは、候補である各経路のVeのうち最小のVeである。
【0215】
Ct,Ce,Ccは、重み係数である。ユーザが重視する評価項目については、重み係数は大きく設定される。ユーザが重視しない評価項目については、重み係数は小さく設定される。Ct,Ce,Ccは、ユーザが自由に設定できることが好ましい。
【0216】
そして、式(4)によって定められるVが最も小さい経路が選択される。このような態様とすれば、複数の評価項目を考慮して経路を決定することができる。なお、ここでは、考慮する評価項目は3種類であった。しかし、経路の選択に際して考慮される評価項目は3種類以下であってもよいし、4種類以上であってもよい。ただし、考慮する評価項目としては、所要時間に関する評価項目、料金に関する評価項目、簡便さに関する評価項目(たとえば乗り換え回数や乗り換えに要する時間など)のうちの少なくとも一つを考慮することが好ましい。
【0217】
D16.変形例16:
上記実施例では、経路に列車の路線を含む例を説明した。しかし、本発明は、列車以外にも、路線バス、定期連絡船、航空機など様々な路線を経路に含む場合の経路案内に適用することができる。すなわち、経路に含まれる路線は、「時刻表にしたがって輸送手段が運行される路線」であればよい。
【0218】
ここで、「輸送手段」は、その運行予定と対応づけられた概念である。すなわち、「8時21分に名古屋駅を出発し、東京方面に向かう列車」が「輸送手段」の例である。この場合、たとえば、「東海道新幹線」が「路線」の例である。
【0219】
また、上記実施例では、目的地に至る経路において、ユーザがある列車から他の列車に乗り換える態様について説明した。しかし、乗り換えは、列車からバス、徒歩から列車など、異なる種類の交通手段に乗り換える態様で行われてもよい。すなわち、経路探索システムは、「ユーザが乗り換えるべき輸送手段」が出発する駅およびその出発時刻をユーザに示すことができるものであればよい。
【0220】
ここで、「ユーザが乗り換えるべき輸送手段」とは、「その前まで利用する手段(たとえば、徒歩、自転車、自動車、または他の列車、船舶もしくは航空機など)をやめて、次に利用すべき輸送手段」を意味する。そして、「ユーザが乗り換えるべき輸送手段」の前に利用する移動手段は、時刻表に従って運行されている必要はなく、たとえば、徒歩、自転車、自動車などであってもよい。また、それらの時刻表によらない移動手段を利用する場合にも、駅への到着時刻は、現在位置および経路情報に含まれる平均移動速度や平均所要時間に基づいて計算することができる。
【0221】
また、「輸送手段が出発する駅」とは、「輸送手段の始発駅」を限定的に意味するものではない。「輸送手段が出発する駅」とは、輸送手段がその駅よりも前に他の駅に止まったか否かを問わず、その駅からその輸送手段が出発する駅を意味する。すなわち、「輸送手段が出発する駅」は、「輸送手段が他の駅から到着し、その後、出発する駅」と「輸送手段の始発駅」との両方を含む概念である。
【0222】
D17.変形例17:
上記実施例においては、経路探索システムは、その構成要素として、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、時刻表サーバ170と、携帯電話200と、を含む。しかし、ユーザが携帯し、GPSユニットおよびディスプレイを備える携帯端末に、経路探索サーバ100、地図サーバ150の機能を備える態様とすることもできる。さらに、携帯端末に、時刻表サーバ170の機能を備えることもできる。また、経路探索サーバ100と、地図サーバ150とは、同じサーバであってもよい。そして、時刻表サーバ170が、経路探索サーバ100と同じサーバであってもよい。
【0223】
すなわち、案内装置としての経路探索システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、経路探索システムは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路情報を生成する機能、地図情報を生成する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
【0224】
D18.変形例18:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェア212(図1)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0225】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0226】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0227】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【符号の説明】
【0228】
100…経路探索サーバ
102…通信部
104…制御部
106…記憶部
150…地図サーバ
152…通信部
154…制御部
156…地図データベース
170…時刻表サーバ
172…通信部
174…制御部
176…時刻表データベース
200…携帯電話
201…GPSユニット
202…表示パネル
203…音声出力部
204…振動機構
205…通信部
206…コマンド入力部
206a…テンキー
206b…カーソルキー
209…時計部
210…主制御部
212…アプリケーションソフトウェア
220…通話制御部
231…経路準備ユニット
232…経路表示ユニット
233…地図情報準備ユニット
B20〜B25…駅に関する情報を示すブロック
B2e…目的地を表すブロック
B2s…出発地を表すブロック
BB…「戻る」ボタン
BD…「確定」ボタン
BU…「取消」ボタン
CB01〜CB04…使用可能な電子マネーを入力するためのチェックボックス
CB11…特急券の情報を利用するか否かを指定するチェックボックス
CB12…定期券、電子マネーの情報を利用する可否かを指定するチェクボックス
Fs…定期券の区間
IB01…定期券の路線を入力するための入力ボックス
IB02…定期券の乗車駅を入力するための入力ボックス
IB03…定期券の降車駅を入力するための入力ボックス
IB11…出発地を入力するための入力ボックス
IB12…目的地を入力するための入力ボックス
IB21…特急券の列車名を入力するための入力ボックス
IB22…特急券の乗車駅を入力するための入力ボックス
IB23…特急券の降車駅を入力するための入力ボックス
IB24…特急券の列車の日付を入力するための入力ボックス
IB25…特急券の列車の発車時刻を入力するための入力ボックス
IB31…乗車駅における滞在希望時間を入力するための入力ボックス
IB32…降車駅における滞在希望時間を入力するための入力ボックス
INT…インターネット
Ic1…トイレがあることを示すアイコン
Ic2…飲食店があることを示すアイコン
L00a,L00b,L01〜L04…路線
Lu00a,Lu01,Lu02…利用区間
Lu00b…仮想的な利用区間
PD…目的地を示すアイコン
S00,S01a,S01b,S02〜S05…区間
SD1,SD3…画像表示
SP…出発地を示すアイコン
So…定期券の区間の一端の駅
Stb…駅(乗車駅)
Std…駅(目的駅)
Sts1,Sts2…停車駅
Stt1,Stt2…乗換駅
TLa1,TLa4,TLa5…路線および到着ホームの表示
TLd0,TLd1,TLd4…路線および出発ホームの表示
Ta1,Ta4,Ta5…到着予定時刻の表示
Td01,Td11,Td41…出発時刻の表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路探索システムであって、
交通機関の路線を表す経路網情報を格納する経路網情報格納部と、
出発地と、目的地と、前記路線のうち前記出発地から前記目的地に至るまでの間に利用すべき指定路線区間と、の入力を受け取る入力部と、
所定の条件が満たされた場合に、前記経路網情報を参照し、前記出発地と前記目的地と前記指定路線区間とに基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路であって、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路の情報を準備する経路探索部と、
前記経路を出力する出力部と、を備える経路探索システム。
【請求項2】
請求項1記載の経路探索システムであって、
前記経路探索部は、所定の条件が満たされない場合に、前記経路網情報を参照し、前記指定路線区間に基づかず、前記出発地と前記目的地とに基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路を準備する、経路探索システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の経路探索システムであって、
前記出力部は、さらに、購入または予約された前記交通機関の特急券の乗車駅である第1の駅と、前記特急券の降車駅である第2の駅と、の入力を促す駅入力画面を表示することができ、
前記入力部は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記第1の駅と前記第2の駅との入力を受け取り、
前記経路探索部は、前記所定の条件が満たされた場合に、前記経路として、前記指定路線区間を含む経路の情報を準備する、経路探索システム。
【請求項4】
請求項3記載の経路探索システムであって、さらに、
前記交通機関の時刻表の情報である時刻表情報を格納する時刻表情報格納部を備え、
前記出力部は、さらに、前記交通機関の輸送手段であって前記特急券が対応する輸送手段が前記第1の駅を出発する出発時刻と、前記輸送手段の名前と、の少なくとも一方の入力を促す輸送手段入力画面を表示することができ、
前記入力部は、前記出発時刻と前記輸送手段の名前との少なくとも一方の入力を受け取ることができ、
前記経路探索部は、前記経路網情報と前記時刻表情報とを参照し、前記出発地、前記目的地、および前記指定路線区間、ならびに前記出発時刻と前記輸送手段の名前との少なくとも一方に基づいて、前記経路を準備する、経路探索システム。
【請求項5】
請求項4記載の経路探索システムであって、さらに、
前記出発地、前記目的地、および前記指定路線区間を記憶する記憶部を備え、
前記出力部は、前記出発時刻と前記輸送手段の名前との少なくとも一方に基づいて前記経路が準備された後に、前記交通機関の特急券に対応する前記輸送手段が前記第1の駅を出発する出発時刻と、前記輸送手段の名前と、の少なくとも一方の入力を促す輸送手段入力画面を再度、表示することができ、
前記入力部は、さらに、前記輸送手段入力画面が再度、表示された後に、前記出発時刻の入力を再度、受け取ることができ、
前記経路探索部は、前記経路網情報と前記時刻表情報とを参照し、前記記憶部に記憶された前記出発地、前記目的地、および前記指定路線区間、ならびに再度受け取られた前記出発時刻と前記輸送手段の名前との少なくとも一方に基づいて、前記経路を準備する、経路探索システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の経路探索システムであって、
前記出力部は、さらに、前記第1の駅において滞在を希望する第1の滞在時間の入力を促す第1の滞在時間入力画面を表示することができ、
前記入力部は、前記第1の滞在時間の入力を受け取ることができ、
前記経路探索部は、前記第1の滞在時間に基づいて、前記第1の滞在時間以上の時間だけ前記第1の駅に滞在できるような前記経路を準備する、経路探索システム。
【請求項7】
請求項4ないし6のいずれかに記載の経路探索システムであって、
前記出力部は、さらに、前記第2の駅において滞在を希望する第2の滞在時間の入力を促す第2の滞在時間入力画面を表示することができ、
前記入力部は、前記第2の滞在時間の入力を受け取ることができ、
前記経路探索部は、前記第2の滞在時間に基づいて、前記第2の滞在時間以上の時間だけ前記第2の駅に滞在できるような前記経路を準備する、経路探索システム。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の経路探索システムであって、
前記出力部は、さらに、定期券の区間の一端である第1の駅と、前記定期券の区間の他端である第2の駅と、の入力を促す駅入力画面を表示することができ、
前記入力部は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記第1の駅と前記第2の駅との入力を受け取ることができる、経路探索システム。
【請求項9】
請求項8記載の経路探索システムであって、
前記経路探索部は、
前記出発地から前記目的地に至る複数の経路を探索し、
前記各経路の運賃と、前記指定路線区間のうち前記各経路に含まれる区間の運賃と、に基づいて、前記複数の経路の中から経路を選択し、
前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路の情報として、前記選択された経路の情報を準備する、経路探索システム。
【請求項10】
請求項8記載の経路探索システムであって、
前記出力部は、さらに、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路を準備するか否かの指示の入力を促す選択画面を表示することができ、
前記入力部は、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路を準備するか否かの指示を受け取ることができ、
前記所定の条件は、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路を準備すべき指示が入力されたことを含む、経路探索システム。
【請求項11】
請求項1ないし7のいずれかに記載の経路探索システムであって、
前記出力部は、さらに、前記交通機関の路線のうちの特定の路線で利用できる支払システムの指定を促す支払システム入力画面を表示することができ、
前記入力部は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記特定の路線に対応する前記支払システムの指定を受け取ることができる、経路探索システム。
【請求項12】
請求項1ないし7のいずれかに記載の経路探索システムであって、
前記入力部は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記交通機関の路線のうちの特定の路線で利用できる支払システムための処理を行う支払システム処理部を介して、ユーザから前記特定の路線に対応する前記支払システムの使用の情報を受け取ることができる、経路探索システム。
【請求項13】
請求項11または12記載の経路探索システムであって、
前記経路探索部は、
前記出発地から前記目的地に至る複数の経路を探索し、
前記各経路の運賃と、前記指定路線区間のうち前記各経路に含まれる区間の運賃と、に基づいて、前記複数の経路の中から経路を選択し、
前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路の情報として、前記選択された経路の情報を準備する、経路探索システム。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載の経路探索システムであって、
前記経路探索部は、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む前記経路として複数の経路を準備し、
前記出力部は、前記複数の経路を出力することができ、
前記複数の経路は、
第1の経路と、
前記第1の経路よりも前記指定路線区間を利用する距離が少なく、かつ前記出発地から前記目的地に至るまでの時間が短い第2の経路とを含む、経路探索システム。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載の経路探索システムであって、
前記経路網情報は、前記路線における駅について、ユーザが利用できる施設の情報を含み、
前記経路探索部は、前記経路において前記交通機関の輸送手段が止まる停止駅の前記施設の情報を含む前記経路の情報を準備し、
前記出力部は、前記停止駅の前記施設の有無の表示とともに、前記経路を表示することができる、経路探索システム。
【請求項16】
経路探索方法であって、
(a)出発地と、目的地と、交通機関の路線のうち前記出発地から前記目的地に至るまでの間に利用すべき指定路線区間と、の入力を受け取る工程と、
(b)所定の条件が満たされた場合に、前記交通機関の路線を表す経路網情報を参照し、前記出発地と前記目的地と前記指定路線区間とに基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路であって、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路の情報を準備する工程と、
(c)前記経路を出力する工程と、を備える方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法であって、さらに、
(d)購入または予約された前記交通機関の特急券の乗車駅である第1の駅と、前記特急券の降車駅である第2の駅と、の入力を促す工程を含み、
前記工程(a)は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記第1の駅と前記第2の駅との入力を受け取る工程を含み、
前記工程(b)は、前記経路として、前記指定路線区間を含む経路の情報を準備する工程である、方法。
【請求項18】
請求項16または17記載の方法であって、さらに、
(d)定期券の区間の一端である第1の駅と、前記定期券の区間の他端である第2の駅と、の入力を促す工程を含み、
前記工程(a)は、
前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記第1の駅と前記第2の駅との入力を受け取る工程を含む、方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法であって、さらに、
(e)前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路を準備するか否かの指示の入力を促す工程と、
(f)前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路を準備するか否かの指示を受け取る工程と、を含み、
前記所定の条件は、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路を準備すべき指示が入力されたことを含む、方法。
【請求項20】
請求項16または17記載の方法であって、さらに、
(d)前記交通機関の路線のうちの特定の路線で利用できる支払システムの指定を促す工程と、
(e)前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記特定の路線に対応する前記支払システムの指定を受け取る工程と、を含む方法。
【請求項21】
請求項16または17記載の方法であって、
前記工程(a)は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記交通機関の路線のうちの特定の路線で利用できる支払システムための処理を行う支払システム処理部を介して、ユーザから前記特定の路線に対応する前記支払システムの使用の情報を受け取る工程を含む、方法。
【請求項22】
コンピュータにおいて実行されることにより経路の探索を行うコンピュータプログラムであって、
出発地と、目的地と、交通機関の路線のうち前記出発地から前記目的地に至るまでの間に利用すべき指定路線区間と、の入力を受け取る第1の機能と、
所定の条件が満たされた場合に、前記交通機関の路線を表す経路網情報を参照し、前記出発地と前記目的地と前記指定路線区間とに基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路であって、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路の情報を準備する第2の機能と、
前記経路を出力する第3の機能と、を前記コンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。
【請求項23】
請求項22記載のコンピュータプログラムであって、さらに、
購入または予約された前記交通機関の特急券の乗車駅である第1の駅と、前記特急券の降車駅である第2の駅と、の入力を促す駅入力画面を表示する機能を前記コンピュータに実現させ、
前記第1の機能は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記第1の駅と前記第2の駅との入力を受け取る機能を含み、
前記第2の機能は、前記経路として、前記指定路線区間を含む経路の情報を準備する機能を含む、コンピュータプログラム。
【請求項24】
請求項22または23記載のコンピュータプログラムであって、さらに、
定期券の区間の一端である第1の駅と、前記定期券の区間の他端である第2の駅と、の入力を促す駅入力画面を表示する第4の機能を前記コンピュータに実現させ、
前記第1の機能は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記第1の駅と前記第2の駅との入力を受け取る機能を含む、コンピュータプログラム。
【請求項25】
請求項24記載のコンピュータプログラムであって、さらに、
前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路を準備するか否かの指示の入力を促す選択画面を表示する第5の機能と、
前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路を準備するか否かの指示を受け取る第6の機能と、を前記コンピュータに実現させ、
前記所定の条件は、前記指定路線区間の少なくとも一部を含む経路を準備すべき指示が入力されたことを含む、コンピュータプログラム。
【請求項26】
請求項22または23記載のコンピュータプログラムであって、さらに、
前記交通機関の路線のうちの特定の路線で利用できる支払システムの指定を促す支払システム入力画面を表示する第4の機能と、
前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記特定の路線に対応する前記支払システムの指定を受け取る第5の機能と、を前記コンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
【請求項27】
請求項22または23記載のコンピュータプログラムであって、
前記第1の機能は、前記指定路線区間の入力の少なくとも一部として、前記交通機関の路線のうちの特定の路線で利用できる支払システムための処理を行う支払システム処理部を介して、ユーザから前記特定の路線に対応する前記支払システムの使用の情報を受け取る機能を含む、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−197079(P2012−197079A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−143981(P2012−143981)
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【分割の表示】特願2007−317372(P2007−317372)の分割
【原出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】