経路探索方法、装置及びコンピュータプログラム
【課題】狭い表示領域であっても、ユーザが経路探索の条件となる探索条件情報の入力を容易に行える装置を提供する。
【解決手段】本発明の装置は、表示装置201に、交通機関の路線図、経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を表示する表示制御部21と、ユーザが路線図上で選択した位置を検出して、表示制御部21により、当該位置の周囲に複数の項目を環状に並べたメニュー画像を表示させる主制御27と、メニュー画像により入力された探索条件情報を設定テーブルに記憶する経路探索条件設定部26と、を備える。設定テーブルに記憶された探索条件情報をネットワーク制御部23により外部装置に送信することで、経路探索処理が実行される。
【解決手段】本発明の装置は、表示装置201に、交通機関の路線図、経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を表示する表示制御部21と、ユーザが路線図上で選択した位置を検出して、表示制御部21により、当該位置の周囲に複数の項目を環状に並べたメニュー画像を表示させる主制御27と、メニュー画像により入力された探索条件情報を設定テーブルに記憶する経路探索条件設定部26と、を備える。設定テーブルに記憶された探索条件情報をネットワーク制御部23により外部装置に送信することで、経路探索処理が実行される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通機関の経路探索システムにおいて出発地(出発駅)や目的地(目的駅)などの経路探索の条件となる情報(以下、「探索条件情報」という。)の入力を容易にした経路探索技術に関する。
【背景技術】
【0002】
交通機関の経路探索システムは、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)により、外出前に予め計画を立てるために用いる他に、最近は、外出先で用いる機会が増えている。外出先で用いる場合は、携帯電話やスマートフォン、タブレットPCなどを用いることが多い。携帯電話やスマートフォン、タブレットPCなどは、表示画面が小さいために、経路探索のための条件の入力画面などの表示領域が十分に確保できないことが多い。
【0003】
表示領域が確保できない状況では、表示内容に限界がある。そのため、より多くの情報を表示すると、クリックなどの操作が困難になるほど表示が細かくなってしまう。一般的なセレクトボックスなどで表現すれば表示領域の問題は解決するが、地図(路線図)などの直感的な入力方法を用いた場合は、入力と選択とを分離させる必要があり、視点の移動や手順の複雑化などが生じる。
【0004】
特許文献1には、このような表示手法の一例として、表示領域に所定の情報を表示しつつ、その後の情報入力を補助するための表示を行い、ユーザの利便性を向上させるための発明が開示されている。この発明では、入力された文字を表示するための文字表示部に並べて、過去に入力された文字情報の履歴、すなわち入力履歴情報の操作内容を示す操作表示部を表示する。この操作表示部は、文字表示部よりも狭い幅で表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−26973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された発明は、入力履歴情報が文字表示部よりも狭い幅で表示されるため、クリックなどの操作が困難であるという従来の問題は解決されない。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決し、狭い表示領域であっても、ユーザが探索条件情報の入力を容易に行える技術を提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の経路探索方法は、経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を記憶するとともに、入力された前記探索条件情報が記憶される設定テーブルを有する装置により実行される。この方法は、所定の表示装置に交通機関の路線図を表示する段階と、前記路線図上でユーザが選択した位置を検出することで、当該位置の周囲に前記複数の項目を環状に並べた前記メニュー画像を表示する段階と、前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を前記設定テーブルに記憶する段階と、前記設定テーブルに記憶された前記探索条件情報に基づく経路探索を所定の経路探索エンジンに行わせる段階と、を含む。
【0009】
本発明では、メニュー画像の各項目を、ユーザが選択した位置の周囲に環状に並べて表示するために、表示装置の表示領域が十分に確保できない場合でも、ユーザにとって使い易い大きさで、メニュー画像を表示できる。特に、画面切替を必要とせずに、路線図を見ながらの直感的な 探索条件の入力が可能になる。
【0010】
メニュー画像は、例えば、前記位置の周囲に、環の少なくとも一部が多重になるように前記複数の項目を並べて表示されてもよい。例えば、2重、3重に、環状になるように項目が並べられる。このように表示することで、多数の項目を一度に表示できる。
また、前記メニュー画像の項目が選択されることで、前記メニュー画像の外周に沿って或いは選択された項目の周囲に、他のメニュー画像の項目を環状に並べて表示するようにしてもよい。このように、いわゆる階層化されたメニュー画像を提供することで、多数の項目の表示が可能である。
【0011】
前記メニュー画像には、例えば、出発地及び目的地を入力するための項目を有する第1メニュー画像と探索時刻を入力するための項目を有する第2メニュー画像とが用意される。この場合、前記メニュー画像を表示する段階において、出発地及び目的地を入力するときには、前記ユーザが選択した前記位置の周囲に前記第1メニュー画像の項目を環状に並べて表示し、探索時刻を入力するときには、前記第1メニュー画像の各項目に替えて、前記第2メニュー画像の項目を前記位置の周囲に環状に並べて表示する。第1メニュー画像により、出発地及び目的地の設定が可能である。第2メニュー画像により、その時点における経路探索、始発時刻による経路探索、終電時刻より経路探索など、何時の時点の経路探索を行うかが設定可能である。
【0012】
本発明の装置は、所定の表示装置に、交通機関の路線図及び経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を表示するための表示制御手段と、ユーザが前記路線図上で選択した位置を検出して、前記表示制御手段により、当該位置の周囲に前記複数の項目を環状に並べた前記メニュー画像を表示させる主制御手段と、前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を記憶する設定テーブルと、を備え、前記設定テーブルに記憶された前記探索条件情報に基づく経路探索を可能にする。
経路探索のための探索エンジンは、当該装置内構築されていてもよく、また、ネットワークを介して通信可能な他の装置内に構築されていてもよい。
【0013】
この装置は、例えば前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を入力履歴として記憶する入力履歴記憶手段をさらに備える。このような構成であれば、前記主制御手段は、前記表示制御手段により、環状の前記メニュー画像の外周に沿って前記入力履歴記憶手段に記憶された前記入力履歴を表示させることが可能になる。入力履歴を表示することで、ユーザが、過去に入力した探索条件情報の再入力を容易に行うことができるようになる。
【0014】
本発明のコンピュータプログラムは、経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を記憶するとともに、入力された前記探索条件情報が記憶される設定テーブルを有するコンピュータに、所定の表示装置に交通機関の路線図を表示する処理、前記路線図上でユーザが選択した位置を検出することで、当該位置の周囲に前記複数の項目を環状に並べた前記メニュー画像を表示する処理、前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を前記設定テーブルに記憶する処理、前記設定テーブルに記憶された前記探索条件情報に基づく経路探索を所定の経路探索エンジンに行わせる処理、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の項目を環状に並べたメニュー画像により探索条件情報を入力することとしたので、狭い表示領域であっても、ユーザが操作し易い大きさでメニュー画像を表示でき、探索条件情報の入力が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の運行経路探索システムの全体構成図。
【図2】携帯端末装置の機能ブロック図。
【図3】設定テーブルの例示図。
【図4】携帯端末装置により経路探索を行う処理手順についてのフローチャート。
【図5】路線図の例示図。
【図6】設定メニューが表示された状態の例示図。
【図7】出発駅が設定されたときの例示図。
【図8】目的駅が設定されたときの例示図。
【図9】探索メニューが表示された状態の例示図。
【図10】探索結果画像の例示図。
【図11】入力履歴の表示例示図。
【図12】ジェスチャー入力による入力履歴を用いた出発地の設定例示図。
【図13】ジェスチャー入力による入力履歴を用いた出発地の設定例示図。
【図14】ジェスチャー入力による入力履歴を用いた出発地の設定例示図。
【図15】一部が2重になっているメニュー画像の例示図。
【図16】設定メニューの他の例示図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態例を、図面を参照して詳細に説明する。
<全体構成>
図1は、本実施形態の経路探索システムの全体構成例を示す図であり、特徴的な部分を掲示してある。この経路探索システム1は、インターネットなどのデジタルネットワークNに接続される経路探索サーバ10を主たる構成要素として含む。
デジタルネットワークNには、情報端末装置の一例となるパーソナルコンピュータ(PC)30も接続可能になっている。情報端末装置の他の例となる携帯端末装置20は、データ通信及びデータ処理機能を有する携帯電話機やスマートフォン、タブレットPCなどである。
【0018】
<経路探索サーバ>
経路探索サーバ10は、記憶装置を備えたサーバ本体を有し、このサーバ本体と所定のコンピュータプログラムとの協働により実現される。すなわち、サーバ本体が、コンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、記憶装置に運行情報DB(DBはデータベースの略、以下同じ)120を構築するとともに、そのサーバ本体を、データ通信用インターフェイス100及び経路探察ツール110として機能させる。
【0019】
運行情報DB120には、交通機関(鉄道、バス、船舶、航空機等)の路線やダイヤ情報、運賃情報、駅リストを含む、交通手段ネットワークの構成情報が蓄積される。この構成情報は随時更新される。
【0020】
データ通信用インターフェイス100は、内部処理としては経路探索ツール110、運行情報DB120へのアクセスを可能にするとともに、対外部処理として、携帯端末装置20やPC30との両方向通信を可能にする。携帯端末装置20やPC30へは、閲覧可能な階層ページ画面を提供する。この階層ページ画面は、経路探索のWebサービスを行うためのもので、経路探索条件の精緻な指定をシステム側とユーザとの間でインタラクティブに行うことにより、ユーザが満足する経路探索を行う環境をも提供する。経路探索の結果情報の表示もこのページ画面で行うことができる。
【0021】
経路探索ツール110は、「検索エンジン」とも呼ばれるもので、出発駅と目的駅とを含む探索条件を受け付けたときに、運行情報DB120の記録情報をもとに、出発駅から目的駅に向かう経路候補を動的に探索する。
「動的に探索」とは、出発駅を起点として経路の運行コストが最も小さくなる次の区間、すなわち次の駅や停留所(以下の説明では、停留所も駅に含まれるものとする)の探索を、例えば水面に石を投げたときの波紋のように連鎖的に繰り返すことをいい、探索途中で現実的でない経路となることが判明した場合は、その経路についての次の駅以降の探索を止める。このような手法は、出発駅から目的駅まで一以上の経路を特定した後に当該一以上の経路から最適な運行コストの経路を探索する手法とは異なるものである。
探索時に考慮する運行コストは、通常は時間を対象とする。すなわち、次の区間(駅間、徒歩区間)が最短時間となる経路候補を探索していく。但し、時間以外にも、距離、運賃、あるいは、これらの組み合わせを運行コストとしても良い。
経路探索ツール110は、また、運行コストをもとに探索した複数の経路の各々について、当該経路の総運行コスト、例えば総所要時間を算出し、算出された総所要時間の小さい順に、複数の経路をソートすることもできる。
【0022】
<携帯端末装置>
携帯端末装置20は、例えば記憶装置を備える汎用の情報端末装置が本発明のコンピュータプログラムとの協働により実現される以下の構成要素を含んで構成される。すなわち、携帯端末装置20は、コンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、図2に示すように表示制御部21、入力部22、ネットワーク制御部23、入力履歴管理部24、入力メニュー画像記憶部25、経路探索条件設定部26、及び主制御部27を備える。
【0023】
表示制御部21は、携帯端末装置20の表示装置201に、経路探索サーバ10から提供される閲覧可能な階層ページ画面を表示する。特に、この実施形態では、経路探索に用いる路線図、経路探索の条件となる情報である探索条件情報(出発駅名、目的駅名、経由駅名、探索条件など)を入力するためのメニュー画像を表示する。路線図には、鉄道の駅、バス停留所、空港などの交通機関における乗り物の発着所が表示される。
【0024】
入力部22は、キー操作や表示装置201に備えられるタッチパネルなどにより入力内容を主制御部27に送る。特に、この実施形態では、表示装置201に表示された路線図及びメニュー画像に対してキー操作やタッチパネルによる入力を行うことで、探索条件情報が入力可能になっている。
【0025】
ネットワーク制御部23は、デジタルネットワークNを介して、経路探索サーバ10との両方向通信を可能にする。この実施形態では、後述する設定テーブルの内容である探索条件情報を経路探索サーバ10に送信し、また、経路探索結果を経路探索サーバ10から受信して主制御部27に送る。
【0026】
入力履歴管理部24は、設定テーブルの内容から、出発駅名、目的駅名、経由駅名を入力履歴として入力履歴記憶部241に保存する。入力履歴管理部24は、この入力履歴を、例えば出発駅、目的駅、経由駅に分けて保存しており、出発駅、目的駅、経由駅、それぞれの入力履歴の読み出しを可能にする。
【0027】
入力メニュー画像記憶部25は、表示制御部21により表示装置201に表示されるメニュー画像を記憶する。メニュー画像は、例えば経路探索サーバ10へのアクセス時に経路探索サーバ10から取得して記憶される。経路探索後は、削除されてもよい。本実施形態では、経路探索の条件となる出発地(出発駅)や目的地(目的駅)の入力を行うための項目を含む設定メニュー及び経路探索の時刻などの条件の入力を行うためための項目を含む探索メニューの2つのメニュー画像が記憶される。
なお、経路探索サーバ10から、取得してそのまま表示装置201に表示されるようにすれば、入力メニュー画像記憶部25は不要である。
【0028】
経路探索条件設定部26は、メニュー画像により入力された内容を設定テーブルに記憶して保持する。設定テーブルの内容は、探索開始時に経路探索条件を表す経路探索情報として経路探索サーバ10に送られて、経路探索に用いられる。図3は、設定テーブルの内容の例示図である。設定テーブルには、出発地、目的地、経由地、探索の基準となる時刻である探索時刻(今すぐ出発、始発時刻、終電時刻)、バス、飛行機、新幹線の利用の有無が書き込まれる。設定テーブルに出発地、目的地、及び探索時刻が記憶されれば、経路探索の条件となる最低限の探索条件情報が揃うことになる。
【0029】
主制御部27は、携帯端末装置20の各構成要素の動作を制御する。この実施形態では、経路探索を経路探索サーバ10に依頼してその探索結果を表示するための一連の処理を実現するために、各構成要素の制御を行う。
特にこの実施形態において主制御部27は、設定メニュー及び探索メニューを入力メニュー画像記憶部25から読み出す。そして表示制御部21により表示装置201に表示するための処理を実行し、各メニューによる入力結果を経路探索条件設定部26により設定テーブルに書き込む。また、設定テーブルの内容をネットワーク制御部23によりデジタルネットワークNを介して経路探索サーバ10に送信する。さらに、経路探索サーバ10からデジタルネットワークNを介してネットワーク制御部23により受信する経路探索結果を、ユーザに視覚的に報知するために、表示制御部21により表示装置201に表示する。
【0030】
<経路探索処理>
図4は、携帯端末装置20により経路探索を行う処理手順についてのフローチャートである。Sは処理のステップ(段階)を表す。
ユーザが携帯端末装置20により交通機関を用いた経路探索を行う場合は、まず、路線図が表示装置201に表示される(S10)。
携帯端末装置20は、路線図を経路探索サーバ10から取得して表示することで、常に最新の路線図を用いた経路探索を可能にする。路線図は、経路探索サーバ10において、運行情報DB120の交通ネットワークの構成情報を用いて作成することで、常に最新の情報が反映されたものとなる。路線図は、駅や空港、停留所などがわかるような図であれば、地図でなくともよい。図5は、このような路線図の例示図である。図5の例では、JR及び私鉄の駅が線で結ばれて、路線を表している。
【0031】
ユーザが路線図からキー操作や画面のタッチにより駅名の表示位置を選択することで駅名を選択すると(S12)、携帯端末装置20は、入力部22により選択を検知して、ユーザに選択された位置の周囲に各項目が円環状に並べられた設定メニューを表示する(S14)。
図6は、設定メニューが表示された状態の例示図である。図6では、路線図から「高円寺」駅が選択されており、「高円寺」駅の周囲に、円環状に設定メニューの各項目が並べて表示される。なお、図6の例では各項目を文字で表記しているが、アイコンを用いることで設定メニューの表示領域を小さくして、路線図を見やすくしてもよい。
設定メニューには、出発駅及び目的駅の設定の他に、経由駅(経由地)の設定が可能な項目が用意される。設定メニューには、また、選択した位置(図6の例では「高円寺」駅)の出口情報、乗り換え情報、駅時刻表などの、選択した位置に関する各種情報を取得するための項目が用意される。さらに、携帯端末装置20から過去に入力された駅名などの入力履歴を表示するための項目(「履歴から駅指定」)も用意される。
【0032】
ユーザが、設定メニューから「出発地設定」を選択することで、ステップS12で選択された駅名が出発駅として設定されて、経路探索条件設定部26により設定テーブルに出発地が記憶される。また、「目的地設定」、「経由地設定」を選択される場合には、ステップS12で選択された駅名が、同様に、目的駅、経由駅に設定されて、経路探索条件設定部26により設定テーブルの目的地、経由地が記憶される。
目的駅及び経由駅の設定の際には、ステップS12〜S16の処理が繰り返され、ユーザが路線図から目的駅、経由駅を選択して、その選択した位置の周囲に設定メニューが表示されることで行われる。
このようにして、ユーザにより、路線図から駅名が選択されて、設定メニューにより出発駅、目的駅、及び必要により経由駅が選択されることで、駅名の入力が終了する(S16:Y)。
図7は、出発駅が設定されたときの例示図である。この例では、「高円寺」駅が出発駅として設定される。図8は、目的駅が設定されたときの例示図である。この例では、「新宿」駅が目的駅として設定される。出発駅、目的駅、及び経由駅として設定された駅名は、入力履歴管理部24により、入力履歴として入力履歴記憶部241に保存される。
【0033】
また、最初に選択した駅名を出発駅に、次に選択した駅名を目的駅に、その次に選択した駅名を経由駅に、それぞれ自動的に設定するようにしてもよい。このようにすると、例えば図6の設定メニューにおいて「出発地設定」の項目に、最初に選択した駅名がそのまま表示される。つまり、駅名を選択することで、図7の設定メニューが最初に表示される。なお、最初に選択した駅名を目的駅に設定したい場合には、図7の設定メニューから「目的地設定」を選択することで、選択した駅名が目的駅に設定される。このような場合、先に設定された目的駅があれば、目的駅の設定が更新される。設定メニューの表示上は駅名が上書きされる。これは、出発駅、経由駅、目的駅のどの設定についても同様である。
【0034】
駅名の選択の際には、いわゆるジェスチャ入力が可能である。「ジェスチャ入力」とは、例えば画面上をタッチしたまま指をスライドさせて、メニューの項目を選択する(触る)ことで行われる入力方法である。図7の例では、画面上の「高円寺」駅をタッチしたまま、画面上から指を離さずに、続けて設定メニューの「出発地設定」の項目を選択した後に指を画面上から離すことで、出発駅として「高円寺」が設定される。同様に、ジェスチャ入力により、設定メニューの「目的地設定」、「経由地設定」の項目を選択することで、目的駅、経由駅の設定が行われる。
ジェスチャー入力及び円環状に項目が並べられる設定メニューにより、出発駅及び目的駅の設定のために路線図から画面を切り替える必要が無くなり、路線図を見ながら直感的に操作して駅名を選択することが可能になる。そのために、簡単に出発駅や目的駅の設定が行え、誤って設定した場合でもその修正を容易に行うことができる。
ジェスチャー入力では、画面が小さい場合でもメニューの選択が容易であり、設定の際のタッチ回数を減らすことができる。ジェスチャー入力は、ドット単位の正確なタッチを必要とせず、タッチした位置から移動した方向に存在する項目が選択される。例えば、図6で「出発地設定」を選択する場合、「高円寺」駅をタッチした後に、「出発地設定」の項目の方向に指を移動させるだけでよく、「出発地設定」の文字を囲む範囲内まで指を移動させる必要は無い。指の移動は、円環の外までであっても、方向が「出発地設定」の方向であればよい。
【0035】
駅名の入力が終了すると、携帯端末装置20は、最後に設定メニューが表示された位置に、設定メニューに替えて、各項目が円環状に並べられた探索メニューを表示する(S18)。図9は、探索メニューが表示された状態の例示図である。図9では、目的駅が設定された後に探索メニューが表示されているために、「新宿」駅の周囲に、円環状に探索メニューの各項目が並べて表示される。また、探索メニューの外側に、設定メニューで設定した出発駅、目的駅、及び経由駅が表示される。この例では、出発駅に「高円寺」駅が設定され、目的駅に「新宿」駅が設定されており、経由駅は設定されていない。探索メニューも、設定メニューと同様に、各項目を文字で表記せずに、アイコンを用いて表示領域をできるだけ小さくしてもよい。出発駅、目的駅、及び経由駅の表示位置は、探索メニューの周辺である必要は無く、表示画面のできるだけ外側や、探索メニューの円環の内側のように、ユーザの操作の邪魔にならず且つユーザにとって視認しやすい場所であればよい。
【0036】
探索メニューには、どの時点の経路探索を行うかを指定する項目が用意される。図9の例では、現時点ですぐに出発する場合の経路探索(「今すぐ出発」)、終電の探索、始発の探索、を行うための各項目が用意される。この他に、出発時刻や到着時刻を指定して経路探索を行うための項目を用意してもよい。また、探索メニューには、探索を行う際の探索条件についての項目が用意される。図9の例では、バス、空路、新幹線の利用可否を設定するための各項目が用意される。探索メニューも設定メニュー同様にタッチ或いはジェスチャー入力が可能である。
【0037】
これらの項目のうち、バス、空路、新幹線の利用可否の設定結果は、経路探索条件設定部26により設定テーブルに記憶されるが、直ちに経路探索が行われることはない(S20、S22:N、S18)。バス、空路、新幹線の利用のための各項目の選択後に探索メニューの円環の内側をタッチすることで、探索メニューの他の項目の選択が可能になる。バス、空路、新幹線の利用がタッチ或いはジェスチャー入力により設定されると、当該項目の表示状態が変化して(例えば文字色やフォント飾りの変化)、選択されたことが視覚的にわかるようになっている。
【0038】
「今すぐ出発」、「終電探索」、「始発探索」のいずれかの項目が選択される場合には、経路探索条件設定部26により設定テーブルの探索時間の項目に記憶されて、直ちに設定テーブルの内容である探索条件情報が、ネットワーク制御部23によりデジタルネットワークNを介して経路探索サーバ10に送信される。経路探索サーバ10は、携帯端末装置20から送られた探索条件情報に基づいて、経路探索ツール110により経路探索を行う(S20、S22:Y)。
探索メニューを用いることで、条件を指定した経路探索を行うことができる。また、探索メニューから条件を設定することで経路探索が行われるために、出発駅及び目的駅の設定前に条件を設定する必要がなくなる。探索メニューからの各項目の選択も、ジェスチャ入力により可能である。
【0039】
携帯端末装置20は、経路探索サーバ10から経路探索結果を受信すると、経路探索結果をユーザに視覚的にわかりやすい画像にして、表示装置201に表示する(S24)。図10は、このような探索結果画像の例示図である。この例では、出発駅が「高円寺」駅、目的駅が[新宿」駅で、今すぐ(「2011年9月27日15時15分」)出発した場合の経路探索結果を表している。
【0040】
なお、設定メニューにおいて「履歴から駅指定」が選択された場合に、携帯端末装置20は、入力履歴管理部24により、入力履歴記憶部241から出発駅、目的駅、及び経由駅の入力履歴を読み出す。携帯端末装置20は、表示制御部21により、読み出された入力履歴を設定メニューの外周に沿って円環状に表示する。図11は、そのような入力履歴の表示例示図である。
ユーザは、このような入力履歴から所望の駅名を選択して、その後、「出発地設定」、「目的地設定」、「経由地設定」のいずれかの項目を選択することで、出発駅、目的駅、及び経由駅を設定することができる。例えば表示されている入力履歴の中に所望の出発駅及び目的駅があれば、この画面から出発駅及び目的駅の設定が可能になり、入力がさらに容易になる。例えば、設定メニューの「履歴から駅指定」をタッチすることで入力履歴が表示され、入力履歴から「新大阪」をタッチし、続けて設定メニューの「出発地設定」をタッチすることで、出発地に「新大阪」駅が設定される。ジェスチャー入力の場合は、設定メニューの表示後に図12の斜線部に指が移動することで「履歴から駅指定」が選択されて入力履歴が展開されて図13のようになり、図13の斜線部に指が移動することで「新大阪」駅が選択されて図14のようになり、図14の斜線部に指が移動することで出発駅に「新大阪」駅が設定される。同様に、目的駅、経由駅の設定が可能である。
【0041】
なお、入力履歴は、出発駅、目的駅、及び経由駅のいずれも設定されていない場合に、出発駅の入力履歴のみを表示して、出発駅の設定後に目的駅の入力履歴を表示するようにしてもよい。駅名の入力状況に応じて、出発駅、目的駅、及び経由駅の入力履歴を適宜表示するようにすれば、ユーザの利便性が向上する。
また、設定メニューの外周に沿って円環状に表示される入力履歴の、一方の側(例えば右側)に出発駅の入力履歴、他方の側(例えば左側)に目的駅の入力履歴を表示してもよい。このような表示では、例えばユーザが最初に選択した入力履歴が出発駅の入力履歴である場合には、目的駅の入力履歴を消去して他方の側にも出発駅の入力履歴を表示するようにしてもよい。つまり、ユーザが最初に選択した入力履歴に応じて、出発駅と目的駅とのいずれかの入力履歴のみを表示する。入力履歴を順次選択することで、先に選択した入力履歴を消去して、より古い入力履歴を表示することも可能である。
【0042】
本実施形態では、経路探索サーバ10に探索条件情報を送信して、経路探索サーバ10により経路探索を行い、携帯端末装置20やPC30は、単なるユーザの入出力インターフェイスとして機能する。しかし、携帯端末装置20やPC30内に経路探索ツール110及び運行情報DB120を構築して、経路探索サーバ10を用いずに、携帯端末装置20やPC30で経路探索を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では出発地を設定メニューから設定するようにしたが、GPS(Global Positioning System)を用いて、携帯端末装置20の現在位置の最寄り駅を出発地に設定するようにしてもよい。
【0043】
設定メニュー及び探索メニューは、必要に応じて複数の階層にしてもよく、一つの項目が選択されることで、該項目の表示位置の周囲に円環状に項目が並べられた他のメニュー画像を表示するようにしてもよい。また、図5〜図9の例では一周分の項目しか表示されていないが、更に多くの項目を表示するために、円環が2重、3重になるようにメニュー画像を表示するようにしてもよい。この場合、利用頻度の高い項目ほど内側に表示することで利便性が向上する。
図15は、一部が2重になっているメニュー画像の例示図である。このメニュー画像は、内側の円環に項目B〜Eが配置され、外側に項目Aが配置される。図15では、外側のメニュー画像が弧状であるが、これは円環になっていてもよい。ジェスチャー入力の場合、項目Bのようにメニュー画像が2重になっている部分では、円環の中心から外側のメニュー画像の内側までの範囲で選択可能である。また、項目Dのように外側にメニュー画像が無い部分では、円環の中心から円環の外側までの範囲で選択可能である。
項目C、Eのようにメニュー画像の一部が2重になっている部分では、2重部分では円環の中心から外側のメニュー画像の内側までの範囲、外側にメニュー画像が無い部分では、円環の中心から円環の外側までの範囲で選択可能である。
【0044】
メニュー画像の各項目は、円環状に並べる他に、路線図上の選択した位置の周囲に配置するようにしてもよい。図16は、このようなメニューの例示図である。この例では、メニューの各項目を環状に並べて文字を一方向に揃えることで、各項目を見やすくしている。
【0045】
このように本実施形態では、設定メニュー及び探索メニューの各項目を環状に表示することで、携帯端末装置20のように表示画面の大きさが十分確保できない場合でも、ユーザにとって使い易い大きさで、各メニューを表示できる。特に、選択した位置の周囲にメニューの各項目が表示されるために、選択が容易である。
【符号の説明】
【0046】
1…経路探索システム、10…経路探索サーバ、20…携帯端末装置、30…PC、100…データ通信用インターフェイス、110…経路探索ツール、120…運行情報DB、21…表示制御部、201…表示装置、22…入力部、23…ネットワーク制御部、24…入力履歴管理部、241…入力履歴記憶部、25…入力メニュー画像記憶部、26…経路探索条件設定部、27…主制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通機関の経路探索システムにおいて出発地(出発駅)や目的地(目的駅)などの経路探索の条件となる情報(以下、「探索条件情報」という。)の入力を容易にした経路探索技術に関する。
【背景技術】
【0002】
交通機関の経路探索システムは、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)により、外出前に予め計画を立てるために用いる他に、最近は、外出先で用いる機会が増えている。外出先で用いる場合は、携帯電話やスマートフォン、タブレットPCなどを用いることが多い。携帯電話やスマートフォン、タブレットPCなどは、表示画面が小さいために、経路探索のための条件の入力画面などの表示領域が十分に確保できないことが多い。
【0003】
表示領域が確保できない状況では、表示内容に限界がある。そのため、より多くの情報を表示すると、クリックなどの操作が困難になるほど表示が細かくなってしまう。一般的なセレクトボックスなどで表現すれば表示領域の問題は解決するが、地図(路線図)などの直感的な入力方法を用いた場合は、入力と選択とを分離させる必要があり、視点の移動や手順の複雑化などが生じる。
【0004】
特許文献1には、このような表示手法の一例として、表示領域に所定の情報を表示しつつ、その後の情報入力を補助するための表示を行い、ユーザの利便性を向上させるための発明が開示されている。この発明では、入力された文字を表示するための文字表示部に並べて、過去に入力された文字情報の履歴、すなわち入力履歴情報の操作内容を示す操作表示部を表示する。この操作表示部は、文字表示部よりも狭い幅で表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−26973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された発明は、入力履歴情報が文字表示部よりも狭い幅で表示されるため、クリックなどの操作が困難であるという従来の問題は解決されない。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決し、狭い表示領域であっても、ユーザが探索条件情報の入力を容易に行える技術を提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の経路探索方法は、経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を記憶するとともに、入力された前記探索条件情報が記憶される設定テーブルを有する装置により実行される。この方法は、所定の表示装置に交通機関の路線図を表示する段階と、前記路線図上でユーザが選択した位置を検出することで、当該位置の周囲に前記複数の項目を環状に並べた前記メニュー画像を表示する段階と、前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を前記設定テーブルに記憶する段階と、前記設定テーブルに記憶された前記探索条件情報に基づく経路探索を所定の経路探索エンジンに行わせる段階と、を含む。
【0009】
本発明では、メニュー画像の各項目を、ユーザが選択した位置の周囲に環状に並べて表示するために、表示装置の表示領域が十分に確保できない場合でも、ユーザにとって使い易い大きさで、メニュー画像を表示できる。特に、画面切替を必要とせずに、路線図を見ながらの直感的な 探索条件の入力が可能になる。
【0010】
メニュー画像は、例えば、前記位置の周囲に、環の少なくとも一部が多重になるように前記複数の項目を並べて表示されてもよい。例えば、2重、3重に、環状になるように項目が並べられる。このように表示することで、多数の項目を一度に表示できる。
また、前記メニュー画像の項目が選択されることで、前記メニュー画像の外周に沿って或いは選択された項目の周囲に、他のメニュー画像の項目を環状に並べて表示するようにしてもよい。このように、いわゆる階層化されたメニュー画像を提供することで、多数の項目の表示が可能である。
【0011】
前記メニュー画像には、例えば、出発地及び目的地を入力するための項目を有する第1メニュー画像と探索時刻を入力するための項目を有する第2メニュー画像とが用意される。この場合、前記メニュー画像を表示する段階において、出発地及び目的地を入力するときには、前記ユーザが選択した前記位置の周囲に前記第1メニュー画像の項目を環状に並べて表示し、探索時刻を入力するときには、前記第1メニュー画像の各項目に替えて、前記第2メニュー画像の項目を前記位置の周囲に環状に並べて表示する。第1メニュー画像により、出発地及び目的地の設定が可能である。第2メニュー画像により、その時点における経路探索、始発時刻による経路探索、終電時刻より経路探索など、何時の時点の経路探索を行うかが設定可能である。
【0012】
本発明の装置は、所定の表示装置に、交通機関の路線図及び経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を表示するための表示制御手段と、ユーザが前記路線図上で選択した位置を検出して、前記表示制御手段により、当該位置の周囲に前記複数の項目を環状に並べた前記メニュー画像を表示させる主制御手段と、前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を記憶する設定テーブルと、を備え、前記設定テーブルに記憶された前記探索条件情報に基づく経路探索を可能にする。
経路探索のための探索エンジンは、当該装置内構築されていてもよく、また、ネットワークを介して通信可能な他の装置内に構築されていてもよい。
【0013】
この装置は、例えば前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を入力履歴として記憶する入力履歴記憶手段をさらに備える。このような構成であれば、前記主制御手段は、前記表示制御手段により、環状の前記メニュー画像の外周に沿って前記入力履歴記憶手段に記憶された前記入力履歴を表示させることが可能になる。入力履歴を表示することで、ユーザが、過去に入力した探索条件情報の再入力を容易に行うことができるようになる。
【0014】
本発明のコンピュータプログラムは、経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を記憶するとともに、入力された前記探索条件情報が記憶される設定テーブルを有するコンピュータに、所定の表示装置に交通機関の路線図を表示する処理、前記路線図上でユーザが選択した位置を検出することで、当該位置の周囲に前記複数の項目を環状に並べた前記メニュー画像を表示する処理、前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を前記設定テーブルに記憶する処理、前記設定テーブルに記憶された前記探索条件情報に基づく経路探索を所定の経路探索エンジンに行わせる処理、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の項目を環状に並べたメニュー画像により探索条件情報を入力することとしたので、狭い表示領域であっても、ユーザが操作し易い大きさでメニュー画像を表示でき、探索条件情報の入力が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の運行経路探索システムの全体構成図。
【図2】携帯端末装置の機能ブロック図。
【図3】設定テーブルの例示図。
【図4】携帯端末装置により経路探索を行う処理手順についてのフローチャート。
【図5】路線図の例示図。
【図6】設定メニューが表示された状態の例示図。
【図7】出発駅が設定されたときの例示図。
【図8】目的駅が設定されたときの例示図。
【図9】探索メニューが表示された状態の例示図。
【図10】探索結果画像の例示図。
【図11】入力履歴の表示例示図。
【図12】ジェスチャー入力による入力履歴を用いた出発地の設定例示図。
【図13】ジェスチャー入力による入力履歴を用いた出発地の設定例示図。
【図14】ジェスチャー入力による入力履歴を用いた出発地の設定例示図。
【図15】一部が2重になっているメニュー画像の例示図。
【図16】設定メニューの他の例示図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態例を、図面を参照して詳細に説明する。
<全体構成>
図1は、本実施形態の経路探索システムの全体構成例を示す図であり、特徴的な部分を掲示してある。この経路探索システム1は、インターネットなどのデジタルネットワークNに接続される経路探索サーバ10を主たる構成要素として含む。
デジタルネットワークNには、情報端末装置の一例となるパーソナルコンピュータ(PC)30も接続可能になっている。情報端末装置の他の例となる携帯端末装置20は、データ通信及びデータ処理機能を有する携帯電話機やスマートフォン、タブレットPCなどである。
【0018】
<経路探索サーバ>
経路探索サーバ10は、記憶装置を備えたサーバ本体を有し、このサーバ本体と所定のコンピュータプログラムとの協働により実現される。すなわち、サーバ本体が、コンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、記憶装置に運行情報DB(DBはデータベースの略、以下同じ)120を構築するとともに、そのサーバ本体を、データ通信用インターフェイス100及び経路探察ツール110として機能させる。
【0019】
運行情報DB120には、交通機関(鉄道、バス、船舶、航空機等)の路線やダイヤ情報、運賃情報、駅リストを含む、交通手段ネットワークの構成情報が蓄積される。この構成情報は随時更新される。
【0020】
データ通信用インターフェイス100は、内部処理としては経路探索ツール110、運行情報DB120へのアクセスを可能にするとともに、対外部処理として、携帯端末装置20やPC30との両方向通信を可能にする。携帯端末装置20やPC30へは、閲覧可能な階層ページ画面を提供する。この階層ページ画面は、経路探索のWebサービスを行うためのもので、経路探索条件の精緻な指定をシステム側とユーザとの間でインタラクティブに行うことにより、ユーザが満足する経路探索を行う環境をも提供する。経路探索の結果情報の表示もこのページ画面で行うことができる。
【0021】
経路探索ツール110は、「検索エンジン」とも呼ばれるもので、出発駅と目的駅とを含む探索条件を受け付けたときに、運行情報DB120の記録情報をもとに、出発駅から目的駅に向かう経路候補を動的に探索する。
「動的に探索」とは、出発駅を起点として経路の運行コストが最も小さくなる次の区間、すなわち次の駅や停留所(以下の説明では、停留所も駅に含まれるものとする)の探索を、例えば水面に石を投げたときの波紋のように連鎖的に繰り返すことをいい、探索途中で現実的でない経路となることが判明した場合は、その経路についての次の駅以降の探索を止める。このような手法は、出発駅から目的駅まで一以上の経路を特定した後に当該一以上の経路から最適な運行コストの経路を探索する手法とは異なるものである。
探索時に考慮する運行コストは、通常は時間を対象とする。すなわち、次の区間(駅間、徒歩区間)が最短時間となる経路候補を探索していく。但し、時間以外にも、距離、運賃、あるいは、これらの組み合わせを運行コストとしても良い。
経路探索ツール110は、また、運行コストをもとに探索した複数の経路の各々について、当該経路の総運行コスト、例えば総所要時間を算出し、算出された総所要時間の小さい順に、複数の経路をソートすることもできる。
【0022】
<携帯端末装置>
携帯端末装置20は、例えば記憶装置を備える汎用の情報端末装置が本発明のコンピュータプログラムとの協働により実現される以下の構成要素を含んで構成される。すなわち、携帯端末装置20は、コンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、図2に示すように表示制御部21、入力部22、ネットワーク制御部23、入力履歴管理部24、入力メニュー画像記憶部25、経路探索条件設定部26、及び主制御部27を備える。
【0023】
表示制御部21は、携帯端末装置20の表示装置201に、経路探索サーバ10から提供される閲覧可能な階層ページ画面を表示する。特に、この実施形態では、経路探索に用いる路線図、経路探索の条件となる情報である探索条件情報(出発駅名、目的駅名、経由駅名、探索条件など)を入力するためのメニュー画像を表示する。路線図には、鉄道の駅、バス停留所、空港などの交通機関における乗り物の発着所が表示される。
【0024】
入力部22は、キー操作や表示装置201に備えられるタッチパネルなどにより入力内容を主制御部27に送る。特に、この実施形態では、表示装置201に表示された路線図及びメニュー画像に対してキー操作やタッチパネルによる入力を行うことで、探索条件情報が入力可能になっている。
【0025】
ネットワーク制御部23は、デジタルネットワークNを介して、経路探索サーバ10との両方向通信を可能にする。この実施形態では、後述する設定テーブルの内容である探索条件情報を経路探索サーバ10に送信し、また、経路探索結果を経路探索サーバ10から受信して主制御部27に送る。
【0026】
入力履歴管理部24は、設定テーブルの内容から、出発駅名、目的駅名、経由駅名を入力履歴として入力履歴記憶部241に保存する。入力履歴管理部24は、この入力履歴を、例えば出発駅、目的駅、経由駅に分けて保存しており、出発駅、目的駅、経由駅、それぞれの入力履歴の読み出しを可能にする。
【0027】
入力メニュー画像記憶部25は、表示制御部21により表示装置201に表示されるメニュー画像を記憶する。メニュー画像は、例えば経路探索サーバ10へのアクセス時に経路探索サーバ10から取得して記憶される。経路探索後は、削除されてもよい。本実施形態では、経路探索の条件となる出発地(出発駅)や目的地(目的駅)の入力を行うための項目を含む設定メニュー及び経路探索の時刻などの条件の入力を行うためための項目を含む探索メニューの2つのメニュー画像が記憶される。
なお、経路探索サーバ10から、取得してそのまま表示装置201に表示されるようにすれば、入力メニュー画像記憶部25は不要である。
【0028】
経路探索条件設定部26は、メニュー画像により入力された内容を設定テーブルに記憶して保持する。設定テーブルの内容は、探索開始時に経路探索条件を表す経路探索情報として経路探索サーバ10に送られて、経路探索に用いられる。図3は、設定テーブルの内容の例示図である。設定テーブルには、出発地、目的地、経由地、探索の基準となる時刻である探索時刻(今すぐ出発、始発時刻、終電時刻)、バス、飛行機、新幹線の利用の有無が書き込まれる。設定テーブルに出発地、目的地、及び探索時刻が記憶されれば、経路探索の条件となる最低限の探索条件情報が揃うことになる。
【0029】
主制御部27は、携帯端末装置20の各構成要素の動作を制御する。この実施形態では、経路探索を経路探索サーバ10に依頼してその探索結果を表示するための一連の処理を実現するために、各構成要素の制御を行う。
特にこの実施形態において主制御部27は、設定メニュー及び探索メニューを入力メニュー画像記憶部25から読み出す。そして表示制御部21により表示装置201に表示するための処理を実行し、各メニューによる入力結果を経路探索条件設定部26により設定テーブルに書き込む。また、設定テーブルの内容をネットワーク制御部23によりデジタルネットワークNを介して経路探索サーバ10に送信する。さらに、経路探索サーバ10からデジタルネットワークNを介してネットワーク制御部23により受信する経路探索結果を、ユーザに視覚的に報知するために、表示制御部21により表示装置201に表示する。
【0030】
<経路探索処理>
図4は、携帯端末装置20により経路探索を行う処理手順についてのフローチャートである。Sは処理のステップ(段階)を表す。
ユーザが携帯端末装置20により交通機関を用いた経路探索を行う場合は、まず、路線図が表示装置201に表示される(S10)。
携帯端末装置20は、路線図を経路探索サーバ10から取得して表示することで、常に最新の路線図を用いた経路探索を可能にする。路線図は、経路探索サーバ10において、運行情報DB120の交通ネットワークの構成情報を用いて作成することで、常に最新の情報が反映されたものとなる。路線図は、駅や空港、停留所などがわかるような図であれば、地図でなくともよい。図5は、このような路線図の例示図である。図5の例では、JR及び私鉄の駅が線で結ばれて、路線を表している。
【0031】
ユーザが路線図からキー操作や画面のタッチにより駅名の表示位置を選択することで駅名を選択すると(S12)、携帯端末装置20は、入力部22により選択を検知して、ユーザに選択された位置の周囲に各項目が円環状に並べられた設定メニューを表示する(S14)。
図6は、設定メニューが表示された状態の例示図である。図6では、路線図から「高円寺」駅が選択されており、「高円寺」駅の周囲に、円環状に設定メニューの各項目が並べて表示される。なお、図6の例では各項目を文字で表記しているが、アイコンを用いることで設定メニューの表示領域を小さくして、路線図を見やすくしてもよい。
設定メニューには、出発駅及び目的駅の設定の他に、経由駅(経由地)の設定が可能な項目が用意される。設定メニューには、また、選択した位置(図6の例では「高円寺」駅)の出口情報、乗り換え情報、駅時刻表などの、選択した位置に関する各種情報を取得するための項目が用意される。さらに、携帯端末装置20から過去に入力された駅名などの入力履歴を表示するための項目(「履歴から駅指定」)も用意される。
【0032】
ユーザが、設定メニューから「出発地設定」を選択することで、ステップS12で選択された駅名が出発駅として設定されて、経路探索条件設定部26により設定テーブルに出発地が記憶される。また、「目的地設定」、「経由地設定」を選択される場合には、ステップS12で選択された駅名が、同様に、目的駅、経由駅に設定されて、経路探索条件設定部26により設定テーブルの目的地、経由地が記憶される。
目的駅及び経由駅の設定の際には、ステップS12〜S16の処理が繰り返され、ユーザが路線図から目的駅、経由駅を選択して、その選択した位置の周囲に設定メニューが表示されることで行われる。
このようにして、ユーザにより、路線図から駅名が選択されて、設定メニューにより出発駅、目的駅、及び必要により経由駅が選択されることで、駅名の入力が終了する(S16:Y)。
図7は、出発駅が設定されたときの例示図である。この例では、「高円寺」駅が出発駅として設定される。図8は、目的駅が設定されたときの例示図である。この例では、「新宿」駅が目的駅として設定される。出発駅、目的駅、及び経由駅として設定された駅名は、入力履歴管理部24により、入力履歴として入力履歴記憶部241に保存される。
【0033】
また、最初に選択した駅名を出発駅に、次に選択した駅名を目的駅に、その次に選択した駅名を経由駅に、それぞれ自動的に設定するようにしてもよい。このようにすると、例えば図6の設定メニューにおいて「出発地設定」の項目に、最初に選択した駅名がそのまま表示される。つまり、駅名を選択することで、図7の設定メニューが最初に表示される。なお、最初に選択した駅名を目的駅に設定したい場合には、図7の設定メニューから「目的地設定」を選択することで、選択した駅名が目的駅に設定される。このような場合、先に設定された目的駅があれば、目的駅の設定が更新される。設定メニューの表示上は駅名が上書きされる。これは、出発駅、経由駅、目的駅のどの設定についても同様である。
【0034】
駅名の選択の際には、いわゆるジェスチャ入力が可能である。「ジェスチャ入力」とは、例えば画面上をタッチしたまま指をスライドさせて、メニューの項目を選択する(触る)ことで行われる入力方法である。図7の例では、画面上の「高円寺」駅をタッチしたまま、画面上から指を離さずに、続けて設定メニューの「出発地設定」の項目を選択した後に指を画面上から離すことで、出発駅として「高円寺」が設定される。同様に、ジェスチャ入力により、設定メニューの「目的地設定」、「経由地設定」の項目を選択することで、目的駅、経由駅の設定が行われる。
ジェスチャー入力及び円環状に項目が並べられる設定メニューにより、出発駅及び目的駅の設定のために路線図から画面を切り替える必要が無くなり、路線図を見ながら直感的に操作して駅名を選択することが可能になる。そのために、簡単に出発駅や目的駅の設定が行え、誤って設定した場合でもその修正を容易に行うことができる。
ジェスチャー入力では、画面が小さい場合でもメニューの選択が容易であり、設定の際のタッチ回数を減らすことができる。ジェスチャー入力は、ドット単位の正確なタッチを必要とせず、タッチした位置から移動した方向に存在する項目が選択される。例えば、図6で「出発地設定」を選択する場合、「高円寺」駅をタッチした後に、「出発地設定」の項目の方向に指を移動させるだけでよく、「出発地設定」の文字を囲む範囲内まで指を移動させる必要は無い。指の移動は、円環の外までであっても、方向が「出発地設定」の方向であればよい。
【0035】
駅名の入力が終了すると、携帯端末装置20は、最後に設定メニューが表示された位置に、設定メニューに替えて、各項目が円環状に並べられた探索メニューを表示する(S18)。図9は、探索メニューが表示された状態の例示図である。図9では、目的駅が設定された後に探索メニューが表示されているために、「新宿」駅の周囲に、円環状に探索メニューの各項目が並べて表示される。また、探索メニューの外側に、設定メニューで設定した出発駅、目的駅、及び経由駅が表示される。この例では、出発駅に「高円寺」駅が設定され、目的駅に「新宿」駅が設定されており、経由駅は設定されていない。探索メニューも、設定メニューと同様に、各項目を文字で表記せずに、アイコンを用いて表示領域をできるだけ小さくしてもよい。出発駅、目的駅、及び経由駅の表示位置は、探索メニューの周辺である必要は無く、表示画面のできるだけ外側や、探索メニューの円環の内側のように、ユーザの操作の邪魔にならず且つユーザにとって視認しやすい場所であればよい。
【0036】
探索メニューには、どの時点の経路探索を行うかを指定する項目が用意される。図9の例では、現時点ですぐに出発する場合の経路探索(「今すぐ出発」)、終電の探索、始発の探索、を行うための各項目が用意される。この他に、出発時刻や到着時刻を指定して経路探索を行うための項目を用意してもよい。また、探索メニューには、探索を行う際の探索条件についての項目が用意される。図9の例では、バス、空路、新幹線の利用可否を設定するための各項目が用意される。探索メニューも設定メニュー同様にタッチ或いはジェスチャー入力が可能である。
【0037】
これらの項目のうち、バス、空路、新幹線の利用可否の設定結果は、経路探索条件設定部26により設定テーブルに記憶されるが、直ちに経路探索が行われることはない(S20、S22:N、S18)。バス、空路、新幹線の利用のための各項目の選択後に探索メニューの円環の内側をタッチすることで、探索メニューの他の項目の選択が可能になる。バス、空路、新幹線の利用がタッチ或いはジェスチャー入力により設定されると、当該項目の表示状態が変化して(例えば文字色やフォント飾りの変化)、選択されたことが視覚的にわかるようになっている。
【0038】
「今すぐ出発」、「終電探索」、「始発探索」のいずれかの項目が選択される場合には、経路探索条件設定部26により設定テーブルの探索時間の項目に記憶されて、直ちに設定テーブルの内容である探索条件情報が、ネットワーク制御部23によりデジタルネットワークNを介して経路探索サーバ10に送信される。経路探索サーバ10は、携帯端末装置20から送られた探索条件情報に基づいて、経路探索ツール110により経路探索を行う(S20、S22:Y)。
探索メニューを用いることで、条件を指定した経路探索を行うことができる。また、探索メニューから条件を設定することで経路探索が行われるために、出発駅及び目的駅の設定前に条件を設定する必要がなくなる。探索メニューからの各項目の選択も、ジェスチャ入力により可能である。
【0039】
携帯端末装置20は、経路探索サーバ10から経路探索結果を受信すると、経路探索結果をユーザに視覚的にわかりやすい画像にして、表示装置201に表示する(S24)。図10は、このような探索結果画像の例示図である。この例では、出発駅が「高円寺」駅、目的駅が[新宿」駅で、今すぐ(「2011年9月27日15時15分」)出発した場合の経路探索結果を表している。
【0040】
なお、設定メニューにおいて「履歴から駅指定」が選択された場合に、携帯端末装置20は、入力履歴管理部24により、入力履歴記憶部241から出発駅、目的駅、及び経由駅の入力履歴を読み出す。携帯端末装置20は、表示制御部21により、読み出された入力履歴を設定メニューの外周に沿って円環状に表示する。図11は、そのような入力履歴の表示例示図である。
ユーザは、このような入力履歴から所望の駅名を選択して、その後、「出発地設定」、「目的地設定」、「経由地設定」のいずれかの項目を選択することで、出発駅、目的駅、及び経由駅を設定することができる。例えば表示されている入力履歴の中に所望の出発駅及び目的駅があれば、この画面から出発駅及び目的駅の設定が可能になり、入力がさらに容易になる。例えば、設定メニューの「履歴から駅指定」をタッチすることで入力履歴が表示され、入力履歴から「新大阪」をタッチし、続けて設定メニューの「出発地設定」をタッチすることで、出発地に「新大阪」駅が設定される。ジェスチャー入力の場合は、設定メニューの表示後に図12の斜線部に指が移動することで「履歴から駅指定」が選択されて入力履歴が展開されて図13のようになり、図13の斜線部に指が移動することで「新大阪」駅が選択されて図14のようになり、図14の斜線部に指が移動することで出発駅に「新大阪」駅が設定される。同様に、目的駅、経由駅の設定が可能である。
【0041】
なお、入力履歴は、出発駅、目的駅、及び経由駅のいずれも設定されていない場合に、出発駅の入力履歴のみを表示して、出発駅の設定後に目的駅の入力履歴を表示するようにしてもよい。駅名の入力状況に応じて、出発駅、目的駅、及び経由駅の入力履歴を適宜表示するようにすれば、ユーザの利便性が向上する。
また、設定メニューの外周に沿って円環状に表示される入力履歴の、一方の側(例えば右側)に出発駅の入力履歴、他方の側(例えば左側)に目的駅の入力履歴を表示してもよい。このような表示では、例えばユーザが最初に選択した入力履歴が出発駅の入力履歴である場合には、目的駅の入力履歴を消去して他方の側にも出発駅の入力履歴を表示するようにしてもよい。つまり、ユーザが最初に選択した入力履歴に応じて、出発駅と目的駅とのいずれかの入力履歴のみを表示する。入力履歴を順次選択することで、先に選択した入力履歴を消去して、より古い入力履歴を表示することも可能である。
【0042】
本実施形態では、経路探索サーバ10に探索条件情報を送信して、経路探索サーバ10により経路探索を行い、携帯端末装置20やPC30は、単なるユーザの入出力インターフェイスとして機能する。しかし、携帯端末装置20やPC30内に経路探索ツール110及び運行情報DB120を構築して、経路探索サーバ10を用いずに、携帯端末装置20やPC30で経路探索を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では出発地を設定メニューから設定するようにしたが、GPS(Global Positioning System)を用いて、携帯端末装置20の現在位置の最寄り駅を出発地に設定するようにしてもよい。
【0043】
設定メニュー及び探索メニューは、必要に応じて複数の階層にしてもよく、一つの項目が選択されることで、該項目の表示位置の周囲に円環状に項目が並べられた他のメニュー画像を表示するようにしてもよい。また、図5〜図9の例では一周分の項目しか表示されていないが、更に多くの項目を表示するために、円環が2重、3重になるようにメニュー画像を表示するようにしてもよい。この場合、利用頻度の高い項目ほど内側に表示することで利便性が向上する。
図15は、一部が2重になっているメニュー画像の例示図である。このメニュー画像は、内側の円環に項目B〜Eが配置され、外側に項目Aが配置される。図15では、外側のメニュー画像が弧状であるが、これは円環になっていてもよい。ジェスチャー入力の場合、項目Bのようにメニュー画像が2重になっている部分では、円環の中心から外側のメニュー画像の内側までの範囲で選択可能である。また、項目Dのように外側にメニュー画像が無い部分では、円環の中心から円環の外側までの範囲で選択可能である。
項目C、Eのようにメニュー画像の一部が2重になっている部分では、2重部分では円環の中心から外側のメニュー画像の内側までの範囲、外側にメニュー画像が無い部分では、円環の中心から円環の外側までの範囲で選択可能である。
【0044】
メニュー画像の各項目は、円環状に並べる他に、路線図上の選択した位置の周囲に配置するようにしてもよい。図16は、このようなメニューの例示図である。この例では、メニューの各項目を環状に並べて文字を一方向に揃えることで、各項目を見やすくしている。
【0045】
このように本実施形態では、設定メニュー及び探索メニューの各項目を環状に表示することで、携帯端末装置20のように表示画面の大きさが十分確保できない場合でも、ユーザにとって使い易い大きさで、各メニューを表示できる。特に、選択した位置の周囲にメニューの各項目が表示されるために、選択が容易である。
【符号の説明】
【0046】
1…経路探索システム、10…経路探索サーバ、20…携帯端末装置、30…PC、100…データ通信用インターフェイス、110…経路探索ツール、120…運行情報DB、21…表示制御部、201…表示装置、22…入力部、23…ネットワーク制御部、24…入力履歴管理部、241…入力履歴記憶部、25…入力メニュー画像記憶部、26…経路探索条件設定部、27…主制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を記憶するとともに、入力された前記探索条件情報が記憶される設定テーブルを有する装置により実行される方法であって、
所定の表示装置に交通機関の路線図を表示する段階と、
前記路線図上でユーザが選択した位置を検出することで、当該位置の周囲に前記複数の項目を環状に並べた前記メニュー画像を表示する段階と、
前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を前記設定テーブルに記憶する段階と、
前記設定テーブルに記憶された前記探索条件情報に基づく経路探索を所定の経路探索エンジンに行わせる段階と、を含む、
経路探索方法。
【請求項2】
前記位置の周囲に、環の少なくとも一部が多重になるように前記複数の項目を並べた前記メニュー画像を表示する、
請求項1記載の経路探索方法。
【請求項3】
前記メニュー画像の項目が選択されることで、前記メニュー画像の外周に沿って或いは選択された項目の周囲に、他のメニュー画像の項目を環状に並べて表示する、
請求項1又は2記載の経路探索方法。
【請求項4】
前記メニュー画像には、出発地及び目的地を入力するための項目を有する第1メニュー画像と探索時刻を入力するための項目を有する第2メニュー画像とがあり、
前記メニュー画像を表示する段階において、
出発地及び目的地を入力するときには、前記ユーザが選択した前記位置の周囲に前記第1メニュー画像の項目を環状に並べて表示し、
探索時刻を入力するときには、前記第1メニュー画像の各項目に替えて、前記第2メニュー画像の項目を前記位置の周囲に環状に並べて表示する、
請求項1〜3のいずれか1項記載の経路探索方法。
【請求項5】
所定の表示装置に、交通機関の路線図及び経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を表示するための表示制御手段と、
ユーザが前記路線図上で選択した位置を検出して、前記表示制御手段により、当該位置の周囲に前記複数の項目を環状に並べた前記メニュー画像を表示させる主制御手段と、
前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を記憶する設定テーブルと、を備え、
前記設定テーブルに記憶された前記探索条件情報に基づく経路探索を可能にする、
装置。
【請求項6】
前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を入力履歴として記憶する入力履歴記憶手段をさらに備えており、
前記主制御手段は、前記表示制御手段により、環状の前記メニュー画像の外周に沿って前記入力履歴記憶手段に記憶された前記入力履歴を表示させる、
請求項5記載の装置。
【請求項7】
経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を記憶するとともに、入力された前記探索条件情報が記憶される設定テーブルを有するコンピュータに、
所定の表示装置に交通機関の路線図を表示する処理、
前記路線図上でユーザが選択した位置を検出することで、当該位置の周囲に前記複数の項目を環状に並べた前記メニュー画像を表示する処理、
前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を前記設定テーブルに記憶する処理、
前記設定テーブルに記憶された前記探索条件情報に基づく経路探索を所定の経路探索エンジンに行わせる処理、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項1】
経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を記憶するとともに、入力された前記探索条件情報が記憶される設定テーブルを有する装置により実行される方法であって、
所定の表示装置に交通機関の路線図を表示する段階と、
前記路線図上でユーザが選択した位置を検出することで、当該位置の周囲に前記複数の項目を環状に並べた前記メニュー画像を表示する段階と、
前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を前記設定テーブルに記憶する段階と、
前記設定テーブルに記憶された前記探索条件情報に基づく経路探索を所定の経路探索エンジンに行わせる段階と、を含む、
経路探索方法。
【請求項2】
前記位置の周囲に、環の少なくとも一部が多重になるように前記複数の項目を並べた前記メニュー画像を表示する、
請求項1記載の経路探索方法。
【請求項3】
前記メニュー画像の項目が選択されることで、前記メニュー画像の外周に沿って或いは選択された項目の周囲に、他のメニュー画像の項目を環状に並べて表示する、
請求項1又は2記載の経路探索方法。
【請求項4】
前記メニュー画像には、出発地及び目的地を入力するための項目を有する第1メニュー画像と探索時刻を入力するための項目を有する第2メニュー画像とがあり、
前記メニュー画像を表示する段階において、
出発地及び目的地を入力するときには、前記ユーザが選択した前記位置の周囲に前記第1メニュー画像の項目を環状に並べて表示し、
探索時刻を入力するときには、前記第1メニュー画像の各項目に替えて、前記第2メニュー画像の項目を前記位置の周囲に環状に並べて表示する、
請求項1〜3のいずれか1項記載の経路探索方法。
【請求項5】
所定の表示装置に、交通機関の路線図及び経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を表示するための表示制御手段と、
ユーザが前記路線図上で選択した位置を検出して、前記表示制御手段により、当該位置の周囲に前記複数の項目を環状に並べた前記メニュー画像を表示させる主制御手段と、
前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を記憶する設定テーブルと、を備え、
前記設定テーブルに記憶された前記探索条件情報に基づく経路探索を可能にする、
装置。
【請求項6】
前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を入力履歴として記憶する入力履歴記憶手段をさらに備えており、
前記主制御手段は、前記表示制御手段により、環状の前記メニュー画像の外周に沿って前記入力履歴記憶手段に記憶された前記入力履歴を表示させる、
請求項5記載の装置。
【請求項7】
経路探索の条件となる探索条件情報を入力するための複数の項目からなるメニュー画像を記憶するとともに、入力された前記探索条件情報が記憶される設定テーブルを有するコンピュータに、
所定の表示装置に交通機関の路線図を表示する処理、
前記路線図上でユーザが選択した位置を検出することで、当該位置の周囲に前記複数の項目を環状に並べた前記メニュー画像を表示する処理、
前記メニュー画像により入力された前記探索条件情報を前記設定テーブルに記憶する処理、
前記設定テーブルに記憶された前記探索条件情報に基づく経路探索を所定の経路探索エンジンに行わせる処理、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−96777(P2013−96777A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238292(P2011−238292)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(596130185)株式会社 ヴァル研究所 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(596130185)株式会社 ヴァル研究所 (14)
【Fターム(参考)】
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