説明

経路探索装置、経路探索方法、プログラムおよび経路探索システム

【課題】位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでに交通機関を利用した場合における移動経路を特定することが可能な経路探索装置、経路探索方法、プログラムおよび経路探索システムを提供する。
【解決手段】各交通機関の予め定められた各停止場所の位置および予め定められた経路を示す路線情報を記憶する記憶部と、位置を測定して位置情報を生成する第1測定部と、位置情報と位置情報が生成された時刻を規定する時刻情報とが対応付けられた測定データを記録する測定データ記録部と、第1測定部における位置情報の生成の状態を判定する状態遷移判定部と、状態遷移判定部の判定結果に応じ、路線情報と測定データとに基づいて、移動経路を特定する移動経路情報を生成する移動経路特定部とを備える経路探索装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路探索装置、経路探索方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの携帯型通信装置や、PlayStation Portable(登録商標)などの携帯型ゲーム機など、市場型製品においてもGPS(Global Positioning System)機能が搭載(あるいは追加的に搭載)されている。上記のような各種機器を使用するユーザは、GPS機能を使用することによって自己の位置を特定し、移動などに役立てている。
【0003】
しかしながら、GPS機能が搭載された携帯電話などの携帯型通信装置は、GPS用の電波などが受信できる場合には位置を特定することができるが、例えば、ユーザが、交通機関を使用して移動している場合などには、GPS機能が搭載された携帯電話などの携帯型通信装置は、GPS用の電波などが受信できずに位置を特定することができない場合がある。
【0004】
このような中、GPS用の電波が受信できない場合にユーザを補助する技術が開発されている。移動体の走行速度やGPS用の電波の有無に係わらず移動体の進行方向を把握する技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
【0005】
【特許文献1】特開平7−229753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、移動体の走行速度やGPS電波の有無に係わらず移動体の進行方向を把握する従来の技術は、GPS用の電波などが受信できない場合において単に移動体の進行方向を把握しているに過ぎない。したがって、移動体の走行速度やGPS電波の有無に係わらず移動体の進行方向を把握する従来の技術は、例えば、GPS用の電波などが再度受信された場合に、ユーザがどのような移動経路を通っていたのかを把握することはできない。
【0007】
また、ユーザが交通機関を利用して移動を行った場合には、GPS用の電波などが正常に受信されなくなる直前の位置と、GPS用の電波などが再度受信されたときの位置との間の距離が大きく離れるため、ユーザがどのような移動経路を通っていたのかを把握することは非常に困難である。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでに交通機関を利用した場合における移動経路を特定することが可能な、新規かつ改良された経路探索装置、経路探索方法、プログラムおよび経路探索システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、各交通機関の予め定められた各停止場所の位置および予め定められた経路を示す路線情報を記憶する記憶部と、位置を測定して位置情報を生成する第1測定部と、上記位置情報と上記位置情報が生成された時刻を規定する時刻情報とが対応付けられた測定データを記録する測定データ記録部と、上記第1測定部における上記位置情報の生成の状態を判定する状態遷移判定部と、上記状態遷移判定部の判定結果に応じ、上記路線情報と上記測定データとに基づいて、移動経路を特定する移動経路情報を生成する移動経路特定部とを備える経路探索装置が提供される。
【0010】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでに交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0011】
また、上記記憶部は、各交通機関の運行パターンがそれぞれ記録された運行パターン情報をさらに記憶し、上記状態遷移判定部の判定結果に応じて、交通機関の運行に伴う運行情報を測定する第2測定部と、上記第2測定部が測定した上記運行情報に基づいて、上記記憶部に記憶された上記運行パターン情報を特定するパターン特定情報を記録するパターン特定情報記録部と、上記状態遷移判定部の判定結果に応じ、上記パターン特定情報に基づいて、上記記憶部に記憶された運行パターン情報の中から少なくとも1以上の運行パターン情報を選択するパターン照合部とをさらに備え、上記移動経路特定部は、上記路線情報と上記測定データと選択された上記運行パターン情報とに基づいて上記移動経路情報を生成してもよい。
【0012】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路をより正確に特定することができる。
【0013】
また、上記状態遷移判定部は、上記第1測定部において上記位置情報が生成される第1状態から上記位置情報が生成されない第2状態に変化したことを示す第1の判定結果と、上記第2状態から上記第1状態に変化したことを示す第2の判定結果を生成し、上記第2測定部は、上記第1の判定結果に応じて上記運行情報を測定し、上記パターン照合部は、上記第2の判定結果に応じて上記運行パターン情報を選択してもよい。
【0014】
かかる構成により、運行情報の測定に要する電力を節減することができる。
【0015】
また、上記パターン照合部は、上記状態遷移判定部が上記第1の判定結果を生成したときの第1状態の第1測定データと、上記状態遷移判定部が上記第2の判定結果を生成したときの第1状態の第2測定データとに基づいて交通機関の利用の有無を判定し、判定の結果に応じて上記運行パターン情報を選択してもよい。
【0016】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用したか否かを判定し、交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0017】
また、上記パターン照合部は、上記第1測定データおよび上記第2測定データから直線距離と所要時間とを算出し、算出された直線距離および所要時間に基づいて交通機関の利用の有無を判定してもよい。
【0018】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用したか否かを判定することができる。
【0019】
また、上記パターン照合部は、交通機関を利用したと判定された場合には、上記第1測定データと上記第2測定データと上記路線情報とに基づいて、上記各交通機関の予め定められた各停止場所の中から乗車位置および降車位置を選択してもよい。
【0020】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0021】
また、上記状態遷移判定部は、上記第2の判定結果を生成した場合には、上記第2測定部における上記運行情報の測定を停止させてもよい。
【0022】
かかる構成により、運行情報の測定に要する電力を節減することができる。
【0023】
また、上記第2測定部は、空気圧の変化を検出する空気圧センサを備え、上記運行情報として上記交通機関の運行に伴う空気圧の変化を測定し、上記パターン特定情報記録部は、上記測定部が測定した空気圧の変化に基づいて停止および発進を判定し、判定された停止と発進との時間間隔、および判定された発進と停止との時間間隔を上記パターン特定情報として記録してもよい。
【0024】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路をより正確に特定することができる。
【0025】
また、上記記憶部は、各交通機関の予め定められた各停止位置間における停止と発進との時間間隔、および発進と停止との時間間隔を上記運行パターン情報として記憶し、上記パターン照合部は、パターン特定情報記録部が記録した上記パターン特定情報と、上記運行パターン情報それぞれとを比較して運行パターン情報を選択してもよい。
【0026】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路をより正確に特定することができる。
【0027】
また、上記第2測定部は、空気圧の変化を検出する空気圧センサを備え、上記運行情報として上記交通機関の運行に伴う空気圧の変化を測定し、上記パターン特定情報記録部は、上記第2測定部が測定した空気圧の変化に基づいて停止および発進を判定し、上記時刻情報に基づいて判定された停止の時刻、および判定された発進の時刻を上記パターン特定情報として記録してもよい。
【0028】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路をより正確に特定することができる。
【0029】
また、上記記憶部は、各交通機関の予め定められた各停止位置における停止の時刻、および発進の時刻を上記運行パターン情報として記憶し、上記パターン照合部は、パターン特定情報記録部が記録した上記パターン特定情報と、上記運行パターン情報それぞれとを比較して運行パターン情報を選択してもよい。
【0030】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路をより正確に特定することができる。
【0031】
また、上記第2測定部は、加速度の変化を検出する加速度センサを備え、上記運行情報として上記交通機関の運行に伴う加速度を測定し、上記パターン特定情報記録部は、上記測定部が測定した加速度に基づいて停止および発進を判定し、判定された停止と発進との時間間隔、および判定された発進と停止との時間間隔を上記パターン特定情報として記録してもよい。
【0032】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路をより正確に特定することができる。
【0033】
また、上記第2測定部は、加速度の変化を検出する加速度センサを備え、上記運行情報として上記交通機関の運行に伴う加速度を測定し、上記パターン特定情報記録部は、上記第2測定部が測定した加速度に基づいて停止および発進を判定し、上記時刻情報に基づいて判定された停止の時刻、および判定された発進の時刻を上記パターン特定情報として記録してもよい。
【0034】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路をより正確に特定することができる。
【0035】
上記移動経路特定部は、上記状態遷移判定部が上記第1の判定結果を生成したときの第1状態の第1測定データと、上記状態遷移判定部が上記第2の判定結果を生成したときの第1状態の第2測定データとから直線距離および所要時間を算出し、算出された直線距離および所要時間に基づいて交通機関の利用の有無を判定し、判定の結果に応じて上記移動経路情報を生成してもよい。
【0036】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでに交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0037】
また、上記時刻情報を生成する時刻情報生成部をさらに備えてもよい。
【0038】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでに交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0039】
また、表示部をさらに備え、上記移動経路特定部は、上記移動経路情報を上記表示部に表示させてもよい。
【0040】
かかる構成により、特定した移動経路を経路探索装置のユーザに提示することができる。
【0041】
また、外部装置と通信を行う通信部をさらに備え、上記移動経路特定部は、上記移動経路情報を上記外部装置へ送信させてもよい。
【0042】
かかる構成により、特定した移動経路の情報を経路探索装置のユーザ以外の第三者に伝達することができる。
【0043】
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、各交通機関の予め定められた各停止場所の位置および予め定められた経路を示す路線情報を記憶する記憶部を備える経路探索装置における経路探索方法であって、位置を測定して位置情報を生成するステップと、上記位置情報と上記位置情報が生成された時刻を規定する時刻情報とが対応付けられた測定データを記録するステップと、上記生成するステップにおける上記位置情報の生成の状態を判定するステップと、上記判定するステップにおける判定結果に応じ、上記路線情報と上記測定データとに基づいて、移動経路を特定する移動経路情報を生成するステップとを有する経路探索方法が提供される。
【0044】
かかる方法を用いることにより、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでに交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0045】
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の観点によれば、各交通機関の予め定められた各停止場所の位置および予め定められた経路を示す路線情報を記憶する記憶部を備える経路探索装置において用いることが可能なプログラムであって、位置を測定して位置情報を生成するステップ、上記位置情報と上記位置情報が生成された時刻を規定する時刻情報とが対応付けられた測定データを記録するステップ、上記生成するステップにおける上記位置情報の生成の状態を判定するステップ、上記判定するステップにおける判定結果に応じ、上記路線情報と上記測定データとに基づいて、移動経路を特定する移動経路情報を生成するステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0046】
かかるプログラムにより、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでに交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0047】
また、上記目的を達成するために、本発明の第4の観点によれば、測定装置と、上記測定装置が生成した情報を処理する情報処理装置とを有する経路探索システムであって、上記測定装置は、位置を測定して位置情報を生成する測定部と、上記位置情報と上記位置情報が生成された時刻を規定する時刻情報とが対応付けられた測定データを記録する測定データ記録部と、上記測定データ記録部が記録した上記測定データを上記情報処理装置へ送信させる情報送信制御部とを備え、上記情報処理装置は、各交通機関の予め定められた各停止場所の位置および予め定められた経路を示す路線情報を記憶する記憶部と、上記測定装置から送信された測定データを記録する記録部と、上記路線情報と記録された測定データとに基づいて、移動経路を特定する移動経路情報を生成する移動経路特定部とを備える経路探索システムが提供される。
【0048】
かかる構成により、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでに交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【発明の効果】
【0049】
本発明によれば、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでに交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0051】
(本発明の実施形態に係る経路探索装置における経路探索の概要)
本発明の実施形態に係る経路探索装置の構成について説明する前に、まず、本発明の実施形態に係る経路探索装置における経路探索の概要について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る経路探索装置における経路探索の概要を説明するための説明図である。なお、以下では、経路探索の対象となる交通機関として鉄道を例に挙げて説明するが、本発明の実施形態に係る経路探索の対象となる交通機関は鉄道に限られず、例えば、バスを対象とすることもできる。
【0052】
図1に示すように、例えば、都市部では、路線A〜Cなど複数の路線が縦横無尽に張り巡らされている。
【0053】
[GPSを用いて位置測定を行う場合の問題]
ユーザがGPSを用いて測位を行っていた場合、GPS用の電波が受信できるときには、ユーザが「何時」「どこに」いたかをユーザは後に確認することができる。
【0054】
しかしながら、例えば、屋内などの電波が受信できない場所にユーザがいるときや、地下鉄などの列車に乗車して移動したときなどには、GPS用の電波を正常に受信できず、GPSを用いた位置の測定が行えない場合がある。また、上記の場合であっても、再度GPS用の電波が正常に受信された場合には、測位が正常に行われる。
【0055】
したがって、例えば、図1に示すように、位置X以降にGPS用の電波が正常に受信されず、位置Yで再度GPS用の電波が正常に受信された場合には、位置Xから位置Yまでユーザがどのような経路で移動したのかをGPSの測位データからユーザもしくは第三者が把握することは困難である。
【0056】
また、例えば、デジタルカメラなどの撮像装置で撮像した画像データと撮像した特定の位置とを対応付けて表示する場合など、位置情報と他のデータや情報とを対応付ける場合には、ユーザが位置Xから位置Yまで移動した空白の時間において位置情報と他のデータや情報とを対応付けることができない。
【0057】
なお、上記では、GPSを用いて位置測定を行う場合を例に挙げたが、GPSを用いる場合に限られず、例えば、携帯電話用の基地局IDを利用して位置を測定する場合も同様である。
【0058】
[本発明の実施形態に係る経路探索装置の経路探索の概要]
上記のように、GPSなどの従来の測位システムを用いたとしても位置の特定が行えない場合があり、このとき位置が特定されない空白期間が生じることとなる。そこで、本発明の実施形態に係る経路探索装置では、上記空白期間におけるユーザの移動経路の特定を図る。
【0059】
〔本発明の実施形態に係る空白期間の判定〕
まず、本発明の実施形態に係る空白期間の判定方法について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る空白期間の判定方法を説明するための説明図であり、位置情報の取得状態に着目した状態遷移を示している。
【0060】
本発明の実施形態に係る経路探索装置は、図2に示すように、例えば、GPS用の電波が正常に受信されることによって位置情報が得られる状態(以下、「第1状態」という。)と、GPS用の電波が正常に受信されないことによって位置情報が得られない状態(以下、「第2状態」という。)との2つの状態の遷移を用いて空白期間を判定する。具体的には、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、第1状態から第2状態への変化と、第2状態から第1状態への変化との2つの状態変化が検出された場合に、空白期間が生じたと判定する。
【0061】
〔本発明の実施形態に係る移動経路特定方法〕
次に、本発明の実施形態に係る移動経路特定方法について説明する。以下では、図1の位置Xと位置Yとの間の空白期間を例に挙げて、本発明の実施形態に係る移動経路特定方法を説明する。
【0062】
〔1〕第1の移動経路特定方法
本発明の実施形態に係る経路探索装置は、位置の測定により得られた空白期間の前後の位置情報および位置情報が測定された時刻を示す時刻情報(以下、位置情報と時刻情報とを総称して「測定データ」と呼ぶ場合がある。)を用いて、ユーザが交通機関を利用した場合における移動経路の特定を行うことができる。
【0063】
〔1−1〕交通機関の利用の有無の判定
位置Xと位置Yとの直線距離をLxy(Km)、位置Xが測定されてから位置Yが測定されるまでの時間をTxy(h)とすると、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、以下の数式1の関係を満たすとき、交通機関を利用したと判定する。ここで、数式1の値“4”は、平均歩行速度を4Km/hと仮定したものである。つまり、数式1の値“4”は、任意の値に設定することができる。また、上記LxyおよびTxyは、位置Xと位置Yとを示す測定データから求めることができる。また、直線距離Lxyは、位置Xと位置Yとの間の最短距離である直線の距離であるため、人が歩いて移動した場合の経路としては適切ではない可能性がある。そのため、数式1では、直線距離Lxyに2の平方根であるsqrt(2)を補正係数として乗じることによって補正を行っている。なお、本発明の実施形態に係る補正係数がsqrt(2)に限られないことは、言うまでもない。
【0064】
Txy<sqrt(2)×Lxy/4
・・・(数式1)
【0065】
数式1により、交通機関を利用したと判定した場合には、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、位置Xに近い交通機関の予め位置が定められた停止位置(例えば、「駅」や「バス停」など)を選択する。ここで、選択される数は、予め決められていてもよいし、または、位置Xから所定の範囲内にある停止位置を選択することもできる。以下では、選択される数が「3」である例を挙げて説明する。
【0066】
したがって、図1では、位置Xに近い停止位置(すなわち、乗車位置)として、路線Aの駅10、路線Bの駅20、および路線Cの駅30が選択される。同様に、位置Yに近い停止位置(すなわち、降車位置)として、路線Aの駅15、路線Bの駅25、および路線Cの駅35が選択される。
【0067】
ここで、ユーザが、路線Aの駅10から乗車し、路線Aの駅15で降車したと仮定した場合には、位置Xから位置Yまでの所要時間は、例えば以下の数式2に示すように、「位置Xから駅10までの時間」、「駅10から駅15までの時間」、および「駅15から位置Yまでの時間」の合算により求めることができる。なお、数式2は、ユーザの平均歩行速度を4Km/hとし、また、「駅10から駅15までの時間」TTBが既知(例えば、時刻表など交通機関の運行に係る情報から導くことができる。)である場合を示している。
【0068】
位置Xから位置Yまでの所要時間={L(X,駅10)×sqrt(2)/4}+TTB+{L(駅15,Y)×sqrt(2)/4}
・・・(数式2)
【0069】
本発明の実施形態に係る経路探索装置は、選択された乗車位置である駅10、20、30と、選択された降車位置である駅15、25、35とそれぞれについて、数式2と同様に所要時間を求める。そして、求められた各所要時間の中から、位置Xが測定されてから位置Yが測定されるまでの時間Txyに最も近いものを、空白期間における移動経路として特定する。ここで、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、乗り換えを考慮して所要時間を求めることができる。
【0070】
以下、本発明の実施形態に係る経路特定方法についてより詳細に説明する。図3は、本発明の実施形態に係る経路特定方法の一例を示す流れ図である。
【0071】
本発明の実施形態に係る経路探索装置は、位置Xと位置Yとの間の距離Lxy、時間Txyを算出する(S100)。ここで、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、位置X、位置Yそれぞれの測定データに基づいて、距離Lxy、時間Txyを算出することができる。
【0072】
ステップS100において距離Lxy、時間Txyが算出されると、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、交通機関を用いて移動したか否かを判定する(S102)。ステップS102の判定は、数式1を用いて行うことができる。
【0073】
ステップS102において交通機関を用いて移動したと判定されない場合には、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、交通機関を利用して移動しなかったものとして、路線の特定を行わず(S118)、処理を終了する。
【0074】
また、ステップS102において交通機関を用いて移動したと判定された場合には、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、位置X、位置Yの少なくとも一方は路線上であるか否かを判定する(S104)。ここで、ステップS104の判定は、位置X、位置Yそれぞれの測定データと、各交通機関の予め定められた各停止場所の位置および予め定められた経路を示す路線情報とを用いて行うことができる。
【0075】
ステップS104において位置X、位置Yの少なくとも一方は路線上であると判定された場合には、本発明の実施形態に係る経路探索装置は一方の路線を特定し(S106)、他方も路線上であるか否かを判定する(S108)。
【0076】
ステップS108において他方も路線上であると判定された場合には、本発明の実施形態に係る経路探索装置は双方の路線を特定し(S110)、乗り換え探索を行うことによって(S112;乗り換え探索処理)、移動経路を特定する。
【0077】
<本発明の実施形態に係る乗り換え探索処理>
ここで、本発明の実施形態に係る乗り換え探索処理について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る乗り換え探索処理の一例を示す流れ図である。図4では、駅や停留所などの停止場所Sと、停止場所Tとの間における乗り換え探索処理を例に挙げて説明する。
【0078】
本発明の実施形態に係る経路探索装置は、停止場所Sと停止場所Tとが同じ路線上の停止場所であるか否かを判定する(S200)。ここで、ステップS200の判定は、路線情報を用いて行うことができる。
【0079】
ステップS200において同じ路線上の停止場所であると判定されない場合には、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、停止場所Sと停止場所Tがトポロジーで連結するルートを距離が短い順に最大3通り抽出する(S202)。ここで、ステップS200の判定は、路線情報を用いて行うことができる。なお、図4では、ステップS202において3通りのルートを抽出する例を示しているが、本発明の実施形態に係る乗り換え探索処理が上記に限られないことは、言うまでもない。
【0080】
ステップS202においてルートが抽出されると、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、抽出された各ルートに対する評価点を算出する(S204)。本発明の実施形態に係る経路探索装置は、各路線における停車場所間の所要時間の情報(路線情報の一部とすることもできる。)と、乗り換えに要する所定の乗り換え時間(例えば、5分など)とを合算して各ルートの所要時間を算出することにより、ステップS204における評価点を求めることができる。ここで、各ルートの所要時間は数式2の「TTB」に相当ので、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、時間Txyと数式2を用いて、例えば、ルートの所要時間をTTBに代入したときの数式2の所要時間が時間Txyと近いものに対して評価点を高く設定することができる。
【0081】
そして、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、評価点が最も高いルートとその評価点とを出力する(S206)。なお、図4では、ルートとその評価点とを出力する例を示しているが、上記に限られず、ルートのみを出力してもよい。
【0082】
また、ステップS200において同じ路線上の停止場所であると判定された場合には、停止場所Sと停止場所Tとの間の評価点を算出し(S208)、ルートとその評価点とを出力する(S210)。
【0083】
本発明の実施形態に係る経路探索装置は、図4に示す乗り換え探索処理を行うことにより、停止場所Sと停止場所Tとの間における移動経路を特定することができる。
【0084】
再度図3を参照して本発明の実施形態に係る経路特定方法について説明する。ステップS108において他方も路線上であると判定されない場合には、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、路線の特定を行う(S114;第1の特定処理)。
【0085】
<第1の特定処理>
ここで、ステップS114に示す第1の特定処理について、位置Xが路線上で位置Yが路線上にない場合を例に挙げて説明する。
【0086】
本発明の実施形態に係る経路探索装置は、位置Yに近い停止位置(例えば、駅)を3つ選ぶ。次に、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、位置Yと選択された停止位置それぞれとの間の歩行時間を算出することにより、各停止位置に到着した時刻を求める。ここで、上記歩行時間は、位置Yの測定データ、路線情報、および数式1の右辺を用いて算出することができる。
【0087】
そして、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、位置Xと選択された停止位置それぞれとの間において図4に示す乗り換え探索処理を行い、最も評価点の高いルートによって移動経路を特定することができる。
【0088】
また、ステップS104において位置X、位置Yの少なくとも一方は路線上であると判定されない場合には、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、路線の特定を行う(S116;第2の特定処理)。
【0089】
<第2の特定処理>
ここで、ステップS116に示す第2の特定処理について説明する。本発明の実施形態に係る経路探索装置は、位置X、位置Yに近い停止位置(例えば、駅)をそれぞれ3つ選ぶ。次に、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、位置Xと選択された停止位置それぞれ、および位置Yと選択された停止位置それぞれの間の歩行時間を算出することにより、各停止位置に到着した時刻を求める。ここで、上記歩行時間は、位置X、位置Yそれぞれの測定データ、路線情報、および数式1の右辺を用いて算出することができる。
【0090】
そして、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、位置Xに基づいて選択された停止位置と、位置Yに基づいて選択された停止位置それぞれとの間において図4に示す乗り換え探索処理を行い、最も評価点の高いルートによって移動経路を特定することができる。
【0091】
本発明の実施形態に係る経路探索装置は、図3に示す経路特定方法を用いることにより、交通機関を利用した移動経路を特定することができる。
【0092】
〔2〕第2の移動経路特定方法
上記では、空白期間の前後の測定データ(位置Xと位置Yそれぞれの測定データ)と、路線情報とを用いてユーザが交通機関を利用した場合における移動経路を特定する第1の移動経路特定方法を示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る移動経路特定方法は、上述した第1の移動経路特定方法に限られない。
【0093】
例えば、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、図3に示す経路特定方法や図4に示す乗り換え探索方法において、さらに、各交通機関の運行予定を示す時刻表の情報を用いることによって、ユーザが交通機関を利用した場合における移動経路をより正確に特定することができる。
【0094】
〔3〕第3の移動経路特定方法
また、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、予め位置が定められた停止位置(例えば、「駅」や「バス停」など)が交通機関に存在することに着目して、各交通機関の運行に伴って測定される情報(以下、「運行情報」という。)と、各交通機関それぞれにおける当該停車位置に関する情報(以下、「運行パターン情報」という。)とを用いて移動経路の特定を行うこともできる。
【0095】
本発明の実施形態に係る経路探索装置は、予め交通機関ごとに運行パターン情報を記憶し、例えば、以下の(1)〜(4)により移動経路を特定する。
【0096】
(1)運行情報の測定
(2)測定された運行情報に基づくパターン特定情報の記録
(3)路線の絞込み
(4)移動経路の特定
【0097】
ここで、上記(2)において記録されるパターン特定情報とは、運行パターン情報を特定するための情報であり、上記(1)で測定される運行情報に基づいて記録される。パターン特定情報としては、例えば、以下の(A)〜(G)が挙げられるが、本発明の実施形態に係るパターン特定情報は、以下の(A)〜(G)に限られない。また、本発明の実施形態に係るパターン特定情報は、運行パターン情報を特定するために、予め記憶された各運行パターン情報と対応する情報とすることができることは、言うまでもない。
(A)車内の空圧変化の情報を用いた発進と停止との時間間隔、および停止と発進の時間間隔
(B)車内の空圧変化の情報を用いた発進の時刻、および停止の時刻
(C)車内の空圧変化の情報を用いた空圧変化の時間間隔
(D)加速度の情報を用いた発進と停止との時間間隔、および停止と発進の時間間隔
(E)加速度の情報を用いた発進の時刻、および停止の時刻
(F)交通機関の運行に伴う音声情報
(G)特定の対象物が写る画像情報
【0098】
また、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、上記(3)における路線の絞込みを、上述した第1の移動経路特定方法と同様に、空白期間の前後の測定データと、路線情報とを用いることに加え、さらに、記録されたパターン特定情報と予め記憶された各運行パターン情報とのマッチングによって行うことができる。記録されたパターン特定情報と予め記憶された各運行パターン情報とのマッチングを行うことにより、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、ユーザが交通機関を利用した場合における移動経路をより正確に特定することができる。
【0099】
図5は、本発明の実施形態に係る経路探索手段を説明するための説明図である。図5(a)は、本発明の実施形態に係るパターン特定情報の一例を示す説明図であり、例えば、上記(A)や(D)に示す発進と停止との時間間隔を示している。また、図5(b)は、本発明の実施形態に係る運行パターン情報の一例を示す説明図であり、図1に示す路線A〜Cそれぞれにおける各駅間における発進と停止との時間間隔を示している。ここで、図5(b)の路線Aは、図1に示す駅10を基点とした運行パターン情報であり、同様に、路線Bは図1に示す駅20、路線Cは図1に示す駅30をそれぞれ基点とした運行パターン情報である。また、図5では、A1〜A4、B1、B2、C1〜C4、およびD1〜D3が発進を示しており、a1〜a3、b1、c1〜c3、およびd1、d2が停止を示している。
【0100】
図5を参照すると、図5(a)に示すパターン特定情報と図5(b)に示す路線Bの運行パターン情報とが、一致していることが分かる。本発明の実施形態に係る経路探索装置は、記録されたパターン特定情報(図5(a))と、予め記憶された各運行パターン情報(図5(b))とのマッチング処理により、各運行パターン情報の中から一致する運行パターン情報、すなわち、路線Bを示す運行パターン情報を選択することができる。したがって、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、路線を特定することができる。
【0101】
なお、図5では、図5(a)に示すパターン特定情報と図5(b)に示す路線Bの運行パターン情報とが全て一致している例を示したが、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、図5のようにパターン特定情報と運行パターン情報とが全て一致しているものを選択することに限られない。例えば、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、各運行パターン情報の中から一致している部分を抽出することによって、ユーザが交通機関を乗り換えて移動した場合の移動経路の候補を絞ることもできる。
【0102】
以上のように、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、上述した第1〜第3の移動経路特定方法を用いることによって、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。次に、本発明の実施形態に係る経路探索装置について、より具体的に説明する。
【0103】
(第1の実施形態)
図6は、本発明の第1の実施形態に係る経路探索装置100を示すブロック図である。ここで、図6に示す経路探索装置100は、上記第1の移動経路特定方法を用いる場合の構成例を示している。
【0104】
図6を参照すると、経路探索装置100は、記憶部102と、第1測定部104と、制御部106と、時刻情報生成部108と、表示部110と、通信部112とを備える。
【0105】
また、経路探索装置100は、制御部106が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データが記録されたROM(Read Only Memory;図示せず)、制御部106により実行されるプログラムなどを一次記憶するRAM(Random Access Memory;図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)などを備えてもよい。経路探索装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)で各構成要素間を接続する。
【0106】
ここで、操作部(図示せず)としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0107】
[経路探索装置100のハードウェア構成例]
図7は、本発明の第1の実施形態に係る経路探索装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図である。図7を参照すると、経路探索装置100は、例えば、MPU150と、ROM152と、RAM154と、記録媒体156と、GPS受信回路158と、時計160と、入出力インタフェース162と、操作入力デバイス164と、表示デバイス166と、通信インタフェース168とを備える。また、経路探索装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス170で各構成要素間を接続する。
【0108】
MPU150(Micro Processing Unit)は、制御部106として機能する。ROM152は、MPU150が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶し、また、RAM154は、MPU150により実行されるプログラムなどを一次記憶する。
【0109】
記録媒体156は、経路探索装置100の記憶部102として機能し、例えば、路線情報や測定データ、アプリケーションなどの様々な情報やデータを記憶することができる。ここで、記録媒体156としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられるが、上記に限られない。
【0110】
GPS受信回路158は、GPS衛星からの電波を受信し、GPS(Global Positioning System)を利用して経路探索装置100の位置を特定し、位置情報を生成する。GPS受信回路158は、経路探索装置100の第1測定部104として機能する。
【0111】
時計160は、GPS受信回路158が位置情報を生成した時刻の特定に用いられる時刻情報を生成する。時計160は、経路探索装置100の時刻情報生成部108として機能する。
【0112】
入出力インタフェース162は、例えば、操作入力デバイス164や、表示デバイス166を接続する。ここで、入出力インタフェース162としては、例えば、USB端子や、DVI(Digital Visual Interface)端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子などが挙げられるが、上記に限られない。また、操作入力デバイス164は、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなど、経路探索装置100上に備えられ、経路探索装置100の内部で入出力インタフェース162と接続される。また、表示デバイス166は、経路探索装置100の表示部110として機能し、例えば、LCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display;または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)とも呼ばれる。)など、経路探索装置100上に備えられ、経路探索装置100の内部で入出力インタフェース162と接続される。なお、入出力インタフェース162は、経路探索装置100の外部装置としての操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)や、表示デバイス(例えば、外部ディスプレイなど)と接続することもできることは、言うまでもない。
【0113】
通信インタフェース168は、外部装置と通信を行うためのインタフェースであり、経路探索装置100の通信部112として機能する。ここで、通信インタフェース168としては、例えば、LAN端子、赤外線ポート、IEEE802.11ポートなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0114】
経路探索装置100は、図7に示すようなハードウェア構成により、上述した第1の移動経路特定方法を用いて位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。なお、本発明の第1の実施形態に係る経路探索装置100のハードウェア構成が、図7に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
【0115】
再度図6を参照して、経路探索装置100の各構成要素について説明する。記憶部102は、経路探索装置100が備える記憶手段であり、例えば、路線情報や測定データ、アプリケーションなどの様々な情報やデータを記憶することができる。図6では、路線情報130と、後述する測定データ記録部120により記録される測定データ132とが記憶部102に記憶されている例を示している。
【0116】
また、記憶部102としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、EEPROM、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。
【0117】
第1測定部104は、経路探索装置100の位置を測定し、位置情報を生成する。ここで、第1測定部104としては、例えば、GPS受信回路158が挙げられるが、上記に限られない。例えば、第1の実施形態に係る経路探索装置は、基地局からの電波を受信するRF(Radio Frequency)回路を第1測定部104として備えることもできる。
【0118】
制御部106は、例えば、MPUなどで構成され、ROM(図示せず)に記録された制御用プログラムなどを用いて様々な演算処理を行うことにより経路探索装置100全体を制御する。また、制御部106は、測定データ記録部120と、状態遷移判定部122と、移動経路特定部124とを備える。
【0119】
測定データ記録部120は、第1測定部104が生成した位置情報と、位置情報が生成された時刻を規定する時刻情報とを対応付けた測定データを記憶部102に記録する。ここで、時刻情報は、後述する時刻情報生成部108により生成される。測定データ記録部120は、記憶部102に測定データが記憶されていない場合には、新規の測定データを記憶部102に記録する。また、測定データ記録部120は、記憶部102に測定データが記憶されている場合には、記憶されている測定データに新たな測定データの情報を追加することができる。なお、図6では、記憶部102に1の測定データ132が記憶され、測定データ132に測定データの情報が逐次追加される例を示しているが、第1の実施形態に係る測定データ記録部は、測定データを記録するごとに測定データを別ファイルとして記憶部102に記録することもできる。
【0120】
状態遷移判定部122は、図2に示す第1状態から第2状態への変化と、第2状態から第1状態への変化との2つの状態変化を判定する。状態遷移判定部122は、例えば、第1測定部104における位置情報の生成間隔が所定の閾値を超えた場合に第1状態から第2状態へと変化したと判定する。以下、第1状態から第2状態へと変化したことを示す判定結果を「第1の判定結果」という。ここで、上記所定の閾値の情報は、例えば、ROM152に記憶されるが、上記の構成に限られない。例えば、上記所定の閾値の情報は記憶部102に記憶され、状態遷移判定部122が記憶部102から適宜読み出すこともできる。なお、上記所定の閾値の情報は、固定の値であってもよいし、または、操作部(図示せず)を用いたユーザ操作によって値が適宜設定されてもよい。
【0121】
また、状態遷移判定部122は、第1の判定結果を出した後に、第1測定部104が位置情報を再度生成した場合には、第2状態から第1状態へと変化したと判定する。以下、第2状態から第1状態へと変化したことを示す判定結果を「第2の判定結果」という。
【0122】
移動経路特定部124は、状態遷移判定部122が出力する第2の判定結果に応じ、状態遷移判定部122が第1の判定結果を生成したときの第1状態の測定データ(第1測定データ)と、状態遷移判定部122が第2の判定結果を生成したときの第1状態の測定データ(第2測定データ)とに基づいて交通機関の利用の有無を判定する。ここで、上記第1測定データと、上記第2測定データは、空白期間の前後の測定データに該当する。そして、移動経路特定部124は、交通機関を利用したと判定した場合には、記憶部102に記憶された路線情報130と測定データ132とに基づいて、移動経路を特定し、移動経路情報を生成する。ここで、移動経路特定部124は、上述した第1の移動経路特定方法を用いることによって、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0123】
時刻情報生成部108は、例えば、時計160で構成され、時刻情報を生成し、生成した時刻情報を制御部106に逐次伝達する。なお、本発明の実施形態に係る時刻情報生成部は、生成した時刻情報を制御部106に逐次伝達する構成に限られず、例えば、制御部106の測定データ記録部120からの要求に応じて生成した時刻情報を伝達することもできる。ここで、時刻情報生成部108としては、例えば、機械式時計、クォーツ時計、電波時計などが挙げられるが、上記に限らない。
【0124】
表示部110は、経路探索装置100が備える表示手段であり、例えば、移動経路特定部124において生成された移動経路情報を適宜表示することができる。ここで、表示部110に表示される、移動経路特定部124において生成された移動経路情報としては、例えば、以下の(i)、(ii)が挙げられる。なお、表示部110に表示される情報が以下の(i)、(ii)に限られないことは、言うまでもない。
(i)路線(または地図)を示す画像上に移動経路を表示
(ii)特定された交通機関名や路線名、経由地名などを表示:文字で表示
【0125】
また、表示部110としては、例えば、LCD、有機ELディスプレイなどが挙げられるが、上記に限られない。さらに、表示部110は、例えば、タッチスクリーン(touch screen)のように操作部(図示せず)と一体の部とすることもできる。
【0126】
通信部112は、外部装置(図示せず)と通信を行う機能を有する。ここで、経路探索装置100と外部装置(図示せず)とは、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子やIEEE1394規格の端子などを介して物理的に接続されてもよいし、また、WUSB(Wireless Universal Serial Bus)やIEEE802.11(「Wi−Fi」とも呼ばれる。)などを利用して無線で接続することもできる。さらに、経路探索装置100と外部装置(図示せず)とは、例えば、ネットワークを介して接続することもできる。ネットワークとしては、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)など有線ネットワーク、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)を用いたWLAN(Wireless Local Area Network)などの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネット(Internet)などが挙げられるが、上記に限られない。したがって、通信部(図示せず)は、外部装置(図示せず)との接続形態に応じたインタフェースを有することができる。
【0127】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る経路探索装置100は、位置情報と時刻情報とが対応付けられた測定データを記憶部102に記録し、位置情報の生成の状態に基づいて状態遷移判定部122が状態の変化を判定する。そして、経路探索装置100は、状態遷移判定部122が出力する第2の判定結果、すなわち、第2状態から第1状態への変化に応じ、記憶部102に記憶された路線情報130と測定データ132とに基づいて上述した第1の移動経路特定方法を用いることにより移動経路の特定を行う。したがって、経路探索装置100は、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0128】
[第1の実施形態に係る経路探索装置100の変形例]
上記では、第1の実施形態に係る経路探索装置として、上述した第1の移動経路特定方法を用いる構成を示した。しかしながら、本発明の第1の実施形態に係る経路探索装置は、上記に限られず、上述した第2の移動経路特定方法を用いることもできる。
【0129】
第1の実施形態の変形例に係る経路探索装置は、記憶部にさらに交通機関の時刻表情報を記憶し、移動経路特定部は、記憶部に記憶された路線情報、測定データ、および時刻表情報に基づいて、移動経路の特定を行う。時刻表情報を用いることによって、より厳密に移動に使用した路線を特定することができるので、第1の実施形態の変形例に係る経路探索装置は、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路をより正確に特定することができる。
【0130】
本発明の第1の実施形態として経路探索装置100を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られず、例えば、携帯電話などの携帯型通信装置、UMPC(Ultra Mobile Personal Computer)などのコンピュータ、腕時計などのウェアラブル装置、非接触IC(Integrated Circuit)カードを収納可能な電子財布装置、PlayStation Portable(登録商標)などの携帯型ゲーム機などに適用することができる。
【0131】
(第1の実施形態に係るプログラム)
第1の実施形態に係る経路探索装置100をコンピュータとして機能させるためのプログラムによって、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0132】
(第1の実施形態に係る経路探索方法)
次に、本発明の第1の実施形態に係る経路探索方法について説明する。図8は、本発明の第1の実施形態に係る経路探索方法の一例を示す流れ図である。
【0133】
経路探索装置100は、位置を測定して位置情報を生成し(S300)、測定データを記憶部102に記録する(S302)。ここで、測定データとは、例えば、位置情報と当該位置情報が生成された時刻を示す時刻情報とが対応付けられたデータである。
【0134】
経路探索装置100は、位置情報の生成の状態が第1状態から第2状態へと遷移したか否かを判定する(S304)。ここで、経路探索装置100は、例えば、第1測定部104における位置情報の生成間隔が所定の閾値を超えた場合に、第1状態から第2状態へと遷移したと判定する。
【0135】
ステップS304において第1状態から第2状態へと遷移したと判定されない場合には、経路探索装置100は、処理を進めない。
【0136】
なお、図8では、ステップS300、S302の処理が一度しか示されていないが、経路探索装置100は、ステップS300、S302の処理を繰り返し行う。また、図8では、ステップS304の処理が、ステップS302の後段に示されているが、経路探索装置100は、ステップS304の処理をステップS300、S302とは独立に行うことができる。
【0137】
ステップS304において第1状態から第2状態へと遷移したと判定された場合には、経路探索装置100は、位置情報の生成の状態が第2状態から第1状態へと遷移したか否かを判定する(S306)。ここで、経路探索装置100は、例えば、第1測定部104が位置情報を再度生成した場合に第2状態から第1状態へと遷移したと判定する。
【0138】
ステップS306において位置情報の生成の状態が第2状態から第1状態へと遷移したと判定されない場合には、経路探索装置100は、処理を進めない。
【0139】
また、ステップS306において位置情報の生成の状態が第2状態から第1状態へと遷移したと判定された場合には、経路探索装置100は、記憶部202に記憶された路線情報、ステップS302において記録された測定データに基づいて移動経路の特定を行い、移動経路情報を生成する(S308)。ここで、経路探索装置100は、例えば、図3に示す経路特定方法と図4に示す乗り換え探索方法とを用いることによって、交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0140】
経路探索装置100は、図8に示す経路探索方法を用いることにより、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0141】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、上述した第3の移動経路特定方法を用いる経路探索装置について説明する。図9は、本発明の第2の実施形態に係る経路探索装置200を示すブロック図である。
【0142】
図9を参照すると、経路探索装置200は、記憶部202と、第1測定部104と、第2測定部204と、制御部206と、時刻情報生成部108と、クロック生成部208と、表示部110と、通信部112とを備える。
【0143】
また、経路探索装置200は、制御部206が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データが記録されたROM(図示せず)、制御部206により実行されるプログラムなどを一次記憶するRAM(図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)などを備えてもよい。経路探索装置200は、例えば、データの伝送路としてのバスで各構成要素間を接続する。
【0144】
[経路探索装置200のハードウェア構成例]
図10は、本発明の第2の実施形態に係る経路探索装置200のハードウェア構成の一例を示す説明図である。図10を参照すると、経路探索装置200は、例えば、MPU150と、ROM152と、RAM154と、記録媒体156と、GPS受信回路158と、時計160と、空圧センサ250と、加速度センサ252と、水晶/オシレータ254と、入出力インタフェース162と、操作入力デバイス164と、表示デバイス166と、通信インタフェース168とを備える。また、経路探索装置200は、例えば、データの伝送路としてのバス170で各構成要素間を接続する。
【0145】
MPU150、ROM152、RAM154、記録媒体156、GPS受信回路158、時計160、入出力インタフェース162、操作入力デバイス164、表示デバイス166、および通信インタフェース168は、図7に示す第1の実施形態に係る経路探索装置100と同様の構成、機能を有する。
【0146】
空圧センサ250、加速度センサ252は、それぞれ第2測定部204として機能し、空気圧の変化や加速度の変化を検出する。なお、図10では、経路探索装置200が、空圧センサ250と加速度センサ252との双方を備える構成を示しているが、上記に限られない。例えば、第2の実施形態に係る経路探索装置は、空圧センサ250と加速度センサ252との一方を備えることもできるし、または、音声情報を測定するマイクロホン(microphone)や、静止画像や動画像を撮像するカメラを備えることもできる。
【0147】
水晶/オシレータ254は、クロック生成部208として機能し、クロック信号を生成する。
【0148】
経路探索装置200は、図10に示すようなハードウェア構成により、上述した第3の移動経路特定方法を用いて位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。なお、第2の実施形態に係る経路探索装置200のハードウェア構成が、図10に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
【0149】
再度図9を参照して、経路探索装置200の各構成要素について説明する。記憶部202は、経路探索装置200が備える記憶手段であり、例えば、路線情報や、運行パターン情報、測定データ、パターン特定情報、アプリケーションなどの様々な情報やデータを記憶することができる。図9では、路線情報130、運行パターン情報A230、運行パターン情報B232、…、測定データ記録部120により記録される測定データ132、およびパターン特定情報234が記憶部202に記憶されている例を示している。ここで、経路探索装置200は、例えば、外部装置(図示せず)から運行パターン情報を取得して記憶部202に記憶することができる。また、パターン特定情報は、後述する制御部206(パターン特定情報記録部222)が記憶部202に記録することができる。
【0150】
また、記憶部202としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、EEPROM、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。
【0151】
[運行パターン情報の一例]
図11は、本発明の実施形態に係る運行パターン情報の一例を示す説明図である。ここで、図11(a)、図11(b)、および図11(c)それぞれは、例えば、図1に示すような各路線(各交通機関)を示している。ここで、図11(a)〜図11(c)は、同様の構成をとることができるので、以下では、図11(a)を例として説明する。
【0152】
図11(a)を参照すると、運行パターン情報は、停止位置を規定する「駅」、列車が駅に到着する時刻を規定する「到着」、列車が駅から発車する時刻を規定する「発車」、発車時刻と到着時刻との差分ΔDを規定する「発車−到着の差分ΔD」、および到着時刻と発車時刻との差分ΔAを規定する「到着−発車の差分ΔA」の情報を有することができる。なお、本発明の実施形態に係る運行パターン情報は、図11(a)に示す例に限られず、例えば、各駅間の所要時間の情報や、各駅の緯度経度の情報、列車の進行方向の情報、各駅間の時間間隔を示す情報を有することもできる。
【0153】
[パターン特定情報の一例]
図12は、本発明の実施形態に係るパターン特定情報の一例を示す説明図である。図12を参照すると、パターン特定情報は、図11に示す運行パターン情報と同様に、停止位置を規定する「駅」、列車が駅に到着する時刻を規定する「到着」、列車が駅から発車する時刻を規定する「発車」、発車時刻と到着時刻との差分ΔDを規定する「発車−到着の差分ΔD」、および到着時刻と発車時刻との差分ΔAを規定する「到着−発車の差分ΔA」の情報を有することができる。なお、本発明の実施形態に係るパターン特定情報が、図12に示す例に限られないことは、言うまでもない。
【0154】
ここで、パターン特定情報は、例えば、制御部206が記憶部202に記録することができる。パターン特定情報の記録については、後述する。
【0155】
図11、図12に示すように、各交通機関の運行パターン情報とパターン特定情報とが同様の構成を有することによって、経路探索装置200は、パターン特定情報と各運行パターン情報とのマッチング処理によって、ユーザが交通機関を利用した場合における移動経路をより正確に特定することができる。
【0156】
再度図9を参照して、経路探索装置200の構成要素について説明する。第1測定部104は、図6に示す第1の実施形態に係る第1測定部104と同様に、経路探索装置200の位置を測定し、位置情報を生成する。
【0157】
第2測定部204は、運行情報の測定を行う。ここで、運行情報とは、各交通機関の運行に伴って測定される情報であり、運行情報としては、例えば、以下の(a)〜(d)が挙げられる。なお、本発明の実施形態に係る運行情報が以下の(a)〜(d)に限られないことは、言うまでもない。
(a)列車内の空圧変化の情報
(b)加速度の情報
(c)音声情報
(d)画像情報
【0158】
〔1−1〕運行情報として列車内の空圧変化の情報を測定する場合
運行情報として列車内の空圧変化の情報を測定する場合には、第2測定部204は、例えば、空圧センサを備えることができる。第2測定部204は、空圧センサを備えることによって、例えば、列車の加速や減速により生じる気圧の変化や、列車の扉の開閉により生じる気圧の変化を測定することができる。
【0159】
〔1−2〕運行情報として加速度の情報を測定する場合
運行情報として加速度の情報を測定する場合には、第2測定部204は、例えば、加速度センサを備えることができる。第2測定部204は、加速度センサを備えることによって、例えば、列車の加速、減速により生じる加速度の変化を測定することができる。
【0160】
〔1−3〕運行情報として音声情報を測定する場合
運行情報として音声情報を測定する場合には、第2測定部204は、例えば、マイクロホンを備えることができる。第2測定部204は、マイクロホンを備えることによって、例えば、列車の運行に伴う車内アナウンスや列車のドア開閉圧縮空気の音を録音(測定)することができる。
【0161】
〔1−4〕運行情報として画像情報を測定する場合
運行情報として画像情報を測定する場合には、第2測定部204は、例えば、静止画像あるいは動画像を撮像するカメラを備えることができる。第2測定部204は、カメラを備えることによって、例えば、車窓からの風景画像や、駅構内を写した画像を撮像(測定)することができる。
【0162】
〔1−5〕その他
第2測定部204は、上記〔1−1〕〜〔1−4〕に示した構成に限られず、例えば、上記〔1−1〕〜〔1−4〕に示す各種センサや装置を併せ持つこともできるし、また、ジャイロセンサや地磁気センサをさらに備えることもできる。
【0163】
上記のように、第2測定部204が測定する運行情報は、交通機関の運行に伴って経路探索装置200が測定する情報である。したがって、第2測定部204が測定する運行情報は、例えば、GPSのように、外部装置(例えば、人工衛星)から送信される電波などの受信結果に依存しないので、より確実に測定を行うことができる。
【0164】
制御部206は、例えば、MPUなどで構成され、ROM(図示せず)に記録された制御用プログラムなどを用いて様々な演算処理を行うことにより経路探索装置200全体を制御する。また、制御部206は、測定データ記録部120と、状態遷移判定部220と、パターン特定情報記録部222と、パターン照合部224と、移動経路特定部226とを備える。
【0165】
測定データ記録部120は、図6に示す第1の実施形態に係る測定データ記録部120と同様に、第1測定部104が生成した位置情報と、時刻情報生成部108が生成する位置情報が生成された時刻を規定する時刻情報とを対応付けた測定データを記憶部202に記録する。
【0166】
状態遷移判定部220は、図6に示す第1の実施形態に係る状態遷移判定部122と同様に、図2に示す第1状態から第2状態への変化と、第2状態から第1状態への変化との2つの状態変化を判定する。そして、状態遷移判定部220は、第1状態から第2状態へと変化したことを示す第1の判定結果と、第2状態から第1状態へと変化したことを示す第2の判定結果とを出力する。
【0167】
また、状態遷移判定部220は、第1の判定結果および第2の判定結果を第2測定部204に伝達する。第2測定部204は、第1の判定結果の伝達に応じて測定を開始し、第2の判定結果の伝達に応じて測定を停止することができる。状態遷移判定部220が出力する第1の判定結果および第2の判定結果に基づいて、第2測定部204が測定を行うことによって、経路探索装置200は、第2測定部204の測定において消費される電力を節減することができる。なお、第2の実施形態に係る経路探索装置は、上記の構成に限られず、例えば、第2測定部が状態遷移判定部の出力に依存せずに測定を行ってもよい。
【0168】
パターン特定情報記録部222は、第2測定部204が測定した運行情報に基づいて、記憶部202に記憶された各交通機関に対応する運行パターン情報を特定するためのパターン特定情報を記録する。ここで、パターン特定情報記録部222は、例えば、パターン特定情報を記憶部202に記録することができるが、上記に限られない。例えば、パターン特定情報記録部222は、パターン特定情報をパターン特定情報記録部222(制御部206)が備える記憶手段に記録することもできる。ここで、パターン特定情報記録部222(制御部206)が備える記憶手段としては、例えば、EEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。
【0169】
〔2−1〕第2測定部204が測定した運行情報が列車内の空圧変化の情報である場合
第2測定部204が測定した運行情報が列車内の空圧変化の情報である場合には、パターン特定情報記録部222は、例えば、第2測定部204が測定した空圧変化の情報の中から、列車の発車(発進)時における空圧変化の情報と、列車の停止時における空圧変化の情報とを判別し、当該発車時の空圧変化の情報および停止時の空圧変化の情報が判別された時刻をパターン特定情報として記録する。例えば、パターン特定情報記録部222は、発車時の空圧変化の情報が判別された場合には、図12に示す「発車」に時刻を記録し、また、停止時の空圧変化の情報が判別された場合には、図12に示す「到着」に時刻を記録する。また、パターン特定情報記録部222は、図12に示す「発車」、「到着」の記録と共に、発車時刻と到着時刻との差分である「発車−到着の差分ΔD」、および到着時刻と発車時刻との差分である「到着−発車の差分ΔA」を算出して記録することもできる。
【0170】
図13は、本発明の実施形態に係る空圧変化の情報の一例を示す説明図である。図13(a)は、列車の先頭側(進行方向側)の車両における空圧変化の一例を示しており、図13(b)は、列車の後部側(進行方向とは逆側)の車両における空圧変化の一例を示している。また、図13(c)は、列車の中央部分の車両における空圧変化の一例を示している。ここで、列車の中央部分の車両では、ベルヌーイの定理によって、列車の加速、減速時の空圧変化が負側に変化する。
【0171】
パターン特定情報記録部222は、例えば、予め記憶された発車時および停車時における空圧変化の変化の情報と、第2測定部204が測定した空圧変化の情報とを比較することによって、列車の発車時における空圧変化の情報と、列車の停止時における空圧変化の情報とを判別する。ここで、上記予め記憶された発車時および停車時における空圧変化の情報は、例えば、記憶部202に記憶され、パターン特定情報記録部222が適宜読み出すことができるが、上記に限られない。例えば、上記予め記憶された発車時および停車時における加速度の変化の情報は、パターン特定情報記録部222(制御部206)が備える記憶手段や、ROM152に記憶されていてもよい。
【0172】
パターン特定情報記録部222は、例えば、クロック生成部208が生成する一定周期のクロック信号を用いて空圧変化の開始と終了との時間間隔を把握し、把握された時間間隔に基づいて、列車の発車時における空圧変化の情報と、列車の停止時における空圧変化の情報との判別することができる。より具体的には、パターン特定情報記録部222は、例えば、把握された時間間隔および予め記憶された発車時および停車時における空圧変化の情報における空圧変化の開始と終了との時間間隔(例えば、図13(a)〜(c)に示すT1やT2。)と、第2測定部204が測定した空圧変化のパターンおよび予め記憶された発車時および停車時における空圧変化のパターンとを比較することによって、列車の発車時における空圧変化の情報と、列車の停止時における空圧変化の情報との判別することができる。ここで、クロック生成部208は、例えば、水晶とオシレータとを備えることにより、クロック信号を生成することができるが、上記に限られない。
【0173】
また、パターン特定情報記録部222は、例えば、時刻情報生成部108が生成した時刻情報に基づいて、発車時の空圧変化の情報および停止時の空圧変化の情報が判別された時刻をパターン特定情報として記録することができる。なお、本発明の第2の実施形態に係るパターン特定情報記録部は、発車時の空圧変化の情報および停止時の空圧変化の情報が判別された時刻をパターン特定情報として記録することに限られず、例えば、発車時と停止時との時間間隔をパターン特定情報として記録することもできる。
【0174】
<列車内の空圧変化の情報を用いたその他の例>
上記では、列車内の空圧変化の情報を用いて列車の加速、減速を判定することによって、列車の発車および停止を判定する例を示したが、上記に限られない。パターン特定情報記録部222は、例えば、第2測定部204が測定した列車内の空圧変化の値が所定の閾値以上の場合に、列車の発車および停止を判定し、判定された時刻をパターン特定情報として記録することもできる。ここで、上記所定の閾値の情報は、例えば、パターン特定情報記録部222(制御部206)が備える記憶手段に記憶され、パターン特定情報記録部222が適宜読み出すことができるが、上記に限られない。例えば、上記所定の閾値の情報が記憶部202やROM152に記憶され、パターン特定情報記録部222が適宜所定の閾値の情報を読み出してもよい。
【0175】
より具体的には、パターン特定情報記録部222は、例えば、測定が開始されてから最初に上記判定をした場合には、図12に示す「発車」に時刻を記録し、また、次に上記判定をした場合には、図12に示す「到着」に時刻を記録する。また、パターン特定情報記録部222は、図12に示す「発車」、「到着」の記録と共に、発車時刻と到着時刻との差分である「発車−到着の差分ΔD」、および到着時刻と発車時刻との差分である「到着−発車の差分ΔA」を算出して記録することもできる。
【0176】
〔2−2〕第2測定部204が測定した運行情報が加速度の情報である場合
第2測定部204が測定した運行情報が加速度の情報である場合には、パターン特定情報記録部222は、例えば、第2測定部204が測定した加速度の情報の中から、列車の発車(発進)時における加速度の情報と、列車の停止時における加速度の情報とを判別し、当該発車時の加速度の情報および停止時の加速度の情報が判別された時刻をパターン特定情報として記録する。例えば、パターン特定情報記録部222は、発車時の加速度の情報が判別された場合には、図12に示す「発車」に時刻を記録し、また、停止時の加速度の情報が判別された場合には、図12に示す「到着」に時刻を記録する。また、パターン特定情報記録部222は、図12に示す「発車」、「到着」の記録と共に、発車時刻と到着時刻との差分である「発車−到着の差分ΔD」、および到着時刻と発車時刻との差分である「到着−発車の差分ΔA」を算出して記録することもできる。
【0177】
図14は、本発明の実施形態に係る加速度の情報の一例を示す説明図である。図14(a)は、列車が駅から発車するときの加速度の変化の一例を示しており、図14(b)は、列車がカーブを曲がるときの加速度の変化の一例を示している。また、図14(c)は、例えば、ユーザが経路探索装置200を動かしたときの加速度の変化の一例を示しており、図14(d)は、列車が駅に停車するときの加速度の変化の一例を示している。
【0178】
図14(b)や図14(c)に示す加速度の変化は、路線の敷設経路やユーザの動作に大きく依存することから、加速度の変化のばらつきも大きくなる。これに対して、図14(a)や図14(d)に示す列車の発車や停車に係る加速度の変化は、列車が予め規定されたタイムスケジュールに従って運行されることから、図14(b)や図14(c)に示す加速度の変化と比較して、各駅ごとにおけるばらつきは小さくなる。そこで、パターン特定情報記録部222は、例えば、予め記憶された発車時および停車時における加速度の変化の情報と、第2測定部204が測定した加速度の情報とを比較することによって、列車の発車時における加速度の情報と、列車の停止時における加速度の情報とを判別する。パターン特定情報記録部222が予め記憶された発車時および停車時における加速度の変化の情報を用いて上記判別を行うことによって、例えば、図14(c)に示すようなユーザの動作に基づいて測定される加速度の変化の情報などが、列車の発車時または停止時における加速度の情報と判別されることを防止することができる。ここで、上記予め記憶された発車時および停車時における加速度の変化の情報は、例えば、記憶部202に記憶され、パターン特定情報記録部222が適宜読み出すことができるが、上記に限られない。例えば、上記予め記憶された発車時および停車時における加速度の変化の情報は、パターン特定情報記録部222(制御部206)が備える記憶手段に記憶されていてもよい。
【0179】
パターン特定情報記録部222は、例えば、クロック生成部208が生成する一定周期のクロック信号を用いて加速度の変化の開始と終了との時間間隔を把握し、把握された時間間隔に基づいて、列車の発車時における加速度の情報と、列車の停止時における加速度の情報との判別することができる。より具体的には、パターン特定情報記録部222は、例えば、把握された時間間隔および予め記憶された発車時および停車時における加速度の変化の情報における加速度の変化の開始と終了との時間間隔(例えば、図14(a)に示すT3や図14(d)に示すT4。)と、第2測定部204が測定した加速度の変化パターンおよび予め記憶された発車時および停車時における加速度の変化パターンとを比較することによって、列車の発車時における加速度の情報と、列車の停止時における加速度の情報との判別することができる
【0180】
また、パターン特定情報記録部222は、例えば、時刻情報生成部108が生成した時刻情報に基づいて、発車時の加速度の情報および停止時の加速度の情報が判別された時刻をパターン特定情報として記録することができる。なお、本発明の第2の実施形態に係るパターン特定情報記録部は、発車時の加速度の情報および停止時の加速度の情報が判別された時刻をパターン特定情報として記録することに限られず、例えば、発車時と停止時との時間間隔をパターン特定情報として記録することもできる。
【0181】
〔2−3〕第2測定部204が測定した運行情報が音声情報である場合
第2測定部204が測定した運行情報が音声情報である場合には、パターン特定情報記録部222は、例えば、第2測定部204が測定した音声情報から、所定のフレーズ(phrase)や所定の音楽、あるいは列車のドア開閉圧縮空気の音が検出されたとき、当該フレーズなどを含む音声情報をパターン特定情報として記録する。ここで、上記所定のフレーズとしては、例えば、「ドアが閉まります。ご注意ください。」のような発車時の車内アナウンスや、「次は、〜」や「まもなく〜」のような停車時の車内アナウンスが挙げられるが、上記に限られない。また、上記所定の音楽としては、例えば、駅構内の構内音楽が挙げられる。ここで、上記所定のフレーズなどの情報は、例えば、パターン特定情報記録部222(制御部206)が備える記憶手段に記憶され、パターン特定情報記録部222が適宜読み出すことができるが、上記に限られない。例えば、上記所定のフレーズなどの情報が記憶部202に記憶され、パターン特定情報記録部222が記憶部202から適宜所定のフレーズなどの情報を読み出してもよい。
【0182】
なお、第2測定部204が測定した運行情報が音声情報である場合においてパターン特定情報記録部222が記録するパターン特定情報は、上記音声情報に限られない。例えば、パターン特定情報記録部222は、上記所定のフレーズなどの情報が検出された時刻情報をパターン特定情報として記録することによって、図12に示すようなパターン特定情報を記録することもできる。
【0183】
〔2−4〕第2測定部204が測定した運行情報が画像情報である場合
第2測定部204が測定した運行情報が画像情報である場合には、パターン特定情報記録部222は、例えば、第2測定部204が測定した画像情報から所定の対象物が検出された場合に、当該所定の対象物を含む画像情報をパターン特定情報として記録する。ここで、上記所定の対象物としては、例えば、建築物や、駅構内の駅名を示す案内板などが挙げられるが、上記に限られない。ここで、上記所定の対象物の情報は、例えば、パターン特定情報記録部222(制御部206)が備える記憶手段に記憶され、パターン特定情報記録部222が適宜読み出すことができるが、上記に限られない。例えば、上記所定の対象物の情報が記憶部202に記憶され、パターン特定情報記録部222が記憶部202から適宜所定の対象物の情報を読み出してもよい。
【0184】
〔2−5〕その他
パターン特定情報記録部222は、上記〔2−1〕〜〔2−4〕それぞれによってパターン特定情報を記録する構成に限られず、例えば、上記〔2−1〕〜〔2−4〕を複合的に組み合わせることにより列車の発車、停止を判定して、パターン特定情報を記録することもできる。ここで、上記〔2−1〕〜〔2−4〕を複合的に組み合わせることにより列車の発車、停止を判定する方法としては、例えば、上記〔2−1〕〜〔2−4〕のいずれかにおいて列車の発車、停止が判定されたとき、列車の発車、停止と判定することが挙げられるが、上記に限られず、上記〔2−1〕〜〔2−4〕のうち2以上が列車の発車、停止を判定したときに、列車の発車、停止と判定することもできる。
【0185】
パターン特定情報記録部222は、例えば、上記〔2−1〕〜〔2−5〕により、第2測定部204が測定した運行情報に基づいて、記憶部202に記憶された各交通機関に対応する運行パターン情報を特定するためのパターン特定情報を記録することができる。
【0186】
再度図9を参照して、経路探索装置200の各構成要素について説明する。パターン照合部224は、状態遷移判定部220から伝達される第2の判定結果に応じて、状態遷移判定部220が第1の判定結果を生成したときの第1状態の測定データ(第1測定データ)と、状態遷移判定部220が第2の判定結果を生成したときの第1状態の測定データ(第2測定データ)とに基づいて交通機関の利用の有無を判定する。ここで、上記第1測定データと、上記第2測定データは、空白期間の前後の測定データに該当する。そして、パターン照合部224は、交通機関を利用したと判定した場合には、乗車した停止位置(乗車位置)と降車した停止位置(降車位置)とを選択し、記憶部202に記憶された各交通機関に対応する運行パターン情報と、パターン特定情報記録部222が記録したパターン特定情報とに基づいて、記憶部202に記憶された運行パターン情報の中から運行パターン情報を選択する。
【0187】
〔3−1〕選択処理の第1の例
パターン照合部224は、例えば、図11に示す運行パターン情報と、図12に示すパターン特定情報とのマッチング処理により、記憶部202に記憶された運行パターン情報の中から運行パターン情報を選択する。例えば、図11、図12に示す例では、記憶部202に記憶された図11(a)〜図11(c)に示す運行パターン情報の中から図11(b)に示す運行パターン情報が選択されることとなる。したがって、経路探索装置200は、選択された運行パターン情報を用いることにより空白期間においてユーザがどの路線を利用して移動したのかをより正確に特定することができる。
【0188】
なお、図11に示す運行パターン情報、および図12に示すパターン特定情報では、各駅ごとに「到着」、「発車」などの時刻の情報が記録された例を示しているが、本発明の実施形態に係る運行パターン情報およびパターン特定情報は、図11、図12の例に限らない。例えば、本発明の実施形態に係る運行パターン情報およびパターン特定情報は、図5に示すように、各駅間における発車と停止との時間間隔、停止と発車との時間間隔の情報を記憶することもできる。上記の場合には、各駅間の時間間隔の情報を比較することによって、運行パターン情報が選択されることとなる。
【0189】
〔3−2〕選択処理の第2の例
パターン特定情報記録部222が記録したパターン特定情報が、音声情報の場合には、パターン照合部224は、例えば、記録されたそれぞれの音声情報の中から所定のフレーズに含まれる駅名(単語)を認識する。そして、パターン照合部224は、例えば、認識した駅名(単語)と、運行パターン情報に含まれる駅名(単語)の情報(例えば、図11の項目「駅」の情報)とを比較することによって、運行パターン情報を選択する。
【0190】
〔3−3〕選択処理の第3の例
パターン特定情報記録部222が記録したパターン特定情報が、画像情報の場合には、パターン照合部224は、例えば、記録されたそれぞれの画像情報に対して文字認識などを行うことによって駅名を認識する。そして、パターン照合部224は、例えば、認識した駅名と、運行パターン情報に含まれる駅名の情報(例えば、図11の項目「駅」の情報)とを比較することによって、運行パターン情報を選択する。
【0191】
パターン照合部224は、例えば、上記〔3−1〕〜〔3−3〕に示すような選択処理によって、記憶部202に記憶された各交通機関に対応する運行パターン情報と、パターン特定情報記録部222が記録したパターン特定情報とに基づいて、記憶部202に記憶された運行パターン情報の中から運行パターン情報を選択することができる。したがって、経路探索装置200は、選択された運行パターン情報を用いることにより空白期間においてユーザがどの路線を利用して移動したのかをより正確に特定することができる。
【0192】
また、パターン照合部224は、1つの運行パターン情報を選択することに限られず、複数の運行パターン情報それぞれの中から部分的に運行パターンの情報を抽出することもできる。上記の構成により、経路探索装置200は、空白期間においてユーザが複数の路線を乗り換えて移動した場合であっても、ユーザがどの路線を利用して移動したのかをより正確に特定することができる。
【0193】
移動経路特定部226は、状態遷移判定部220が出力する第2の判定結果に応じ、記憶部202に記憶された路線情報130、測定データ132、およびパターン照合部224が選択した運行パターン情報に基づいて、移動経路を特定し、移動経路情報を生成する。ここで、移動経路特定部226は、上述した第3の移動経路特定方法を用いることによって、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0194】
時刻情報生成部108は、図6に示す第1の実施形態に係る時刻情報生成部108と同様に、時刻情報を生成し、生成した時刻情報を制御部206に伝達する。
【0195】
クロック生成部208は、一定周期のクロック信号を生成し、生成したクロック信号を制御部206に逐次伝達する。なお、本発明の実施形態に係るクロック生成部は、生成したクロック信号を制御部206に逐次伝達する構成に限られず、例えば、制御部206の状態遷移判定部220が出力する第1の判定結果の伝達に応じてクロック信号を制御部206に伝達し、第2の判定結果の伝達に応じてクロック信号の伝達を停止してもよい。
【0196】
表示部110は、経路探索装置200が備える表示手段であり、図6に示す第1の実施形態に係る表示部110と同様に、例えば、移動経路特定部226において生成された移動経路情報を適宜表示することができる。
【0197】
通信部112は、図6に示す第1の実施形態に係る通信部112と同様に、外部装置(図示せず)と通信を行う機能を有する。
【0198】
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る経路探索装置200は、位置情報と時刻情報とが対応付けられた測定データを記憶部202に記録し、位置情報の生成の状態に基づいて状態遷移判定部220が状態の変化を判定する。経路探索装置200は、状態遷移判定部220が出力する第1の判定結果、すなわち、第1状態から第2状態への変化に応じ、運行情報の測定を行い運行情報に基づくパターン特定情報を記憶部202に記録する。また、経路探索装置200は、状態遷移判定部220が出力する第2の判定結果、すなわち、第2状態から第1状態への変化に応じ、記憶部202に記憶された運行パターン情報とパターン特定情報とを用いたマッチング処理により、運行パターン情報を選択する。そして、経路探索装置200は、記憶部202に記憶された路線情報130、測定データ132、および選択された運行パターン情報に基づいて、上述した第3の移動経路特定方法を用いることにより移動経路の特定を行う。したがって、経路探索装置200は、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を、第1の実施形態に係る経路探索装置200よりもより正確に特定することができる。
【0199】
本発明の第2の実施形態として経路探索装置200を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られず、例えば、携帯電話などの携帯型通信装置、UMPCなどのコンピュータ、腕時計などのウェアラブル装置、非接触ICカードを収納可能な電子財布装置、PlayStation Portable(登録商標)などの携帯型ゲーム機などに適用することができる。
【0200】
(第2の実施形態に係るプログラム)
第2の実施形態に係る経路探索装置200をコンピュータとして機能させるためのプログラムによって、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0201】
(第2の実施形態に係る経路探索方法)
次に、本発明の第2の実施形態に係る経路探索方法について説明する。図15は、本発明の第2の実施形態に係る経路探索方法の一例を示す流れ図である。
【0202】
経路探索装置200は、図8に示す第1の実施形態に係る経路探索方法と同様に、位置を測定して位置情報を生成し(S400)、測定データを記憶部202に記録する(S402)。そして、経路探索装置200は、位置情報の生成の状態が第1状態から第2状態へと遷移したか否かを判定する(S404)。
【0203】
ステップS404において第1状態から第2状態へと遷移したと判定されない場合には、経路探索装置200は、処理を進めない。
【0204】
なお、図15では、ステップS400、S402の処理が一度しか示されていないが、経路探索装置200は、ステップS400、S402の処理を繰り返し行う。また、図15では、ステップS404の処理が、ステップS402の後段に示されているが、経路探索装置200は、ステップS404の処理をステップS400、S402とは独立に行うことができる。
【0205】
ステップS404において第1状態から第2状態へと遷移したと判定された場合には、経路探索装置200は、運行情報に基づくパターン特定情報を記録する(S406)。ここで、運行情報は第2測定部204が測定し、パターン特定情報記録部222がパターン特定情報を生成して記録することができる。また、第2測定部204は、ステップS404において第1状態から第2状態へと遷移したと判定された場合に運行情報の測定を開始することができる。
【0206】
また、ステップS404において第1状態から第2状態へと遷移したと判定された場合には、経路探索装置200は、図8に示す第1の実施形態に係る経路探索方法と同様に、位置情報の生成の状態が第2状態から第1状態へと遷移したか否かを判定する(S408)。
【0207】
なお、図15では、ステップS406の処理が一度しか示されていないが、経路探索装置200は、ステップS406の処理を繰り返し行う。また、図15では、ステップS408の処理が、ステップS406の後段に示されているが、経路探索装置200は、ステップS406の処理をステップS408とは独立に行うことができる。
【0208】
ステップS408において位置情報の生成の状態が第2状態から第1状態へと遷移したと判定されない場合には、経路探索装置200は、処理を進めない。
【0209】
また、ステップS408において位置情報の生成の状態が第2状態から第1状態へと遷移したと判定された場合には、経路探索装置200は、記憶部202に記憶された運行パターン情報とステップS406において記録されたパターン特定情報とを用いたマッチング処理により、運行パターン情報を選択する(S410)。
【0210】
そして、経路探索装置200は、記憶部202に記憶された路線情報、ステップS402において記録された測定データ、およびステップS410選択された運行パターン情報に基づいて移動経路の特定を行い、移動経路情報を生成する(S412)。ここで、経路探索装置200は、例えば、図3に示す経路特定方法と図4に示す乗り換え探索方法とを用いることによって、交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0211】
経路探索装置200は、図15に示す経路探索方法を用いることにより、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0212】
(第3の実施形態)
上記第1、第2の実施形態として、位置の測定、状態の判定、および移動経路の特定を1つの装置で行う経路探索装置を示した。しかしながら、本発明の実施形態は、上述した第1、第2の実施形態に係る構成に限られず、例えば、位置の測定や状態の判定を行う装置と、移動経路の特定を行う装置とを有する経路探索システムによって、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することもできる。そこで、次に、本発明の第3の実施形態に係る経路探索システムについて説明する。
【0213】
図16は、本発明の第3の実施形態に係る経路探索システム1000を示すブロック図である。図16を参照すると、経路探索システム1000は、測定装置300と、情報処理装置400とを有し、測定装置300と情報処理装置400とはネットワーク500を介して通信を行う。なお、図16では、1の測定装置300しか示していないが、情報処理装置400は、複数の測定装置と通信を行うことができる。
【0214】
ここで、ネットワーク500としては、例えば、LANやWANなど有線ネットワークであってもよいし、または、MIMOを用いたWLANなどの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IPなどの通信プロトコルを用いたインターネットであってもよいが、上記に限られない。
【0215】
[測定装置300]
測定装置300は、記憶部102と、第1測定部104と、制御部302と、時刻情報生成部108と、通信部112とを備える。
【0216】
また、測定装置300は、制御部302が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データが記録されたROM(図示せず)、制御部302により実行されるプログラムなどを一次記憶するRAM(図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)、表示部(図示せず)などを備えてもよい。測定装置300は、例えば、データの伝送路としてのバスで各構成要素間を接続する。
【0217】
記憶部102は、測定装置300が備える記憶手段であり、例えば、測定データやアプリケーションなどの様々な情報やデータを記憶することができる。図16では、記憶部102に測定データ132が記憶されている例を示している。
【0218】
第1測定部104は、図6に示す第1の実施形態に係る第1測定部104と同様に、測定装置300の位置を測定し、位置情報を生成する。
【0219】
制御部302は、例えば、MPUなどで構成され、ROM(図示せず)に記録された制御用プログラムなどを用いて様々な演算処理を行うことにより測定装置300全体を制御する。また、制御部302は、測定データ記録部120と、状態遷移判定部122と、情報送信制御部310とを備える。
【0220】
測定データ記録部120は、図6に示す第1の実施形態に係る測定データ記録部120と同様に、第1測定部104が生成した位置情報と、時刻情報生成部108が生成する位置情報が生成された時刻を規定する時刻情報とを対応付けた測定データを記憶部102に記録する。
【0221】
状態遷移判定部122は、図6に示す第1の実施形態に係る状態遷移判定部122と同様に、図2に示す第1状態から第2状態への変化と、第2状態から第1状態への変化との2つの状態変化を判定する。そして、状態遷移判定部122は、第1状態から第2状態へと変化したことを示す第1の判定結果と、第2状態から第1状態へと変化したことを示す第2の判定結果とを出力する。
【0222】
情報送信制御部310は、状態遷移判定部122から出力される第2の判定結果に応じて、記憶部102に記憶された測定データ132を情報処理装置400へ送信させる。ここで、情報送信制御部310は、例えば、情報処理装置400を示す所定のIPアドレス(Internet Protocol Address)に向けて測定データ132を通信部112から送信させることによって、情報処理装置400へ測定データ132を渡すことができる。
【0223】
ここで、情報送信制御部310は、例えば、ネットワーク500に接続できない場合など、情報処理装置400へ測定データ132を正常に送信することができない場合には、定期的に送信処理を行うことができる。なお、第3の実施形態に係る測定装置は、状態遷移判定部から出力される第2の判定結果に応じて情報送信制御部が測定データを送信させる構成に限られない。例えば、第3の実施形態に係る測定装置は、情報処理装置400からの要求に応じて情報送信制御部が測定データを送信させることもできる。
【0224】
時刻情報生成部108は、図6に示す第1の実施形態に係る時刻情報生成部108と同様に、時刻情報を生成し、生成した時刻情報を制御部206に伝達する。
【0225】
通信部112は、図6に示す第1の実施形態に係る通信部112と同様に、情報処理装置400と通信を行う機能を有する。
【0226】
測定装置300は、例えば図16に示す構成によって、位置の測定と状態の判定を行い、状態に応じて情報処理装置400へ測定データを送信することができる。
【0227】
[情報処理装置400]
情報処理装置400は、記憶部402と、通信部404と、記録部406と、移動経路特定部408と、表示部410とを備える。
【0228】
また、情報処理装置400は、例えば、MPUなどで構成され情報処理装置400全体を制御する制御部(図示せず)や、制御部(図示せず)が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データが記録されたROM(図示せず)、制御部(図示せず)により実行されるプログラムなどを一次記憶するRAM(図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)などを備えてもよい。情報処理装置400は、例えば、データの伝送路としてのバスで各構成要素間を接続する。
【0229】
なお、図16では、記録部406と移動経路特定部408とを別体として示しているが、上記に構成に限られず、記録部406および移動経路特定部408は、MPUなどで構成された制御部(図示せず)として実現することができる。
【0230】
記憶部102は、情報処理装置400が備える記憶手段であり、例えば、路線情報や、測定装置から送信された測定データ、アプリケーションなどの様々な情報やデータを記憶することができる。図16では、路線情報130と、測定データ132とが記憶部402に記憶されている例を示している。
【0231】
通信部404は、測定装置それぞれと通信を行う機能を有する。ここで、通信部404は、図6に示す第1の実施形態に係る通信部112と同様の構成、機能を有することができる。
【0232】
記録部406は、測定装置それぞれから送信され通信部404が受信した測定データを記憶部402に記録する。
【0233】
移動経路特定部408は、記憶部402に記憶された路線情報130と測定データ132とに基づいて、移動経路を特定し、移動経路情報を生成する。ここで、移動経路特定部408は、上述した第1の移動経路特定方法を用いることによって、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0234】
表示部410は、情報処理装置400が備える表示手段であり、図6に示す第1の実施形態に係る表示部110と同様に、例えば、移動経路特定部408において生成された移動経路情報を適宜表示することができる。
【0235】
情報処理装置400は、例えば図16に示す構成によって、移動経路を特定することができる。
【0236】
以上のように、本発明の第3の実施形態に係る経路探索システム1000は、位置の測定や状態の判定を行う測定装置300と、移動経路の特定を行う情報処理装置400とを有する。測定装置300は、第1の実施形態に係る経路探索装置100と同様に測定データを記憶部102に記録し、位置情報の生成の状態に基づいて状態の変化を判定する。そして、測定装置300は、状態遷移判定部122が出力する第2の判定結果、すなわち、第2状態から第1状態への変化に応じ、記憶部102に記憶された測定データ132を情報処理装置400へ送信する。
【0237】
また、情報処理装置400は、測定装置300から送信された測定データを記憶部402に記録し、記憶部402に記憶された路線情報と測定データとに基づいて、第1の実施形態に係る経路探索装置100と同様に、上述した第1の移動経路特定方法を用いることによって移動経路の特定を行う。
【0238】
したがって、経路探索システム1000は、第1の実施形態に係る経路探索装置100と同様に、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0239】
[第3の実施形態に係る経路探索システム1000の変形例]
〔1〕第1の変形例
上記では、第3の実施形態に係る経路探索システム1000として、上述した第1の移動経路特定方法を用いる構成を示した。しかしながら、本発明の第3の実施形態に係る経路探索システムは、上記に限られず、上述した第2の移動経路特定方法を用いることもできる。
【0240】
第3の実施形態の第1の変形例に係る経路探索システムは、情報処理装置の記憶部にさらに交通機関の時刻表情報を記憶し、移動経路特定部は、記憶部に記憶された路線情報、測定データ、および時刻表情報に基づいて、移動経路の特定を行う。時刻表情報を用いることによって、より厳密に移動に使用した路線を特定することができるので、第3の実施形態の第1の変形例に係る経路探索システムは、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路をより正確に特定することができる。
【0241】
〔2〕第2の変形例
また、第3の実施形態の第1の変形例に係る経路探索システムは、上述した第3の移動経路特定方法を用いることもできる。
【0242】
第3の実施形態の第2の変形例に係る経路探索システムでは、測定装置が第2の測定部を備えてさらに特定パターン情報を記録し、情報処理装置へ測定データおよび特定パターン情報を送信する。また、情報処理装置は路線情報と運行パターン情報とを予め記憶し、当該路線情報と、運行パターン情報と、測定装置から送信された測定データおよび特定パターン情報とに基づいて、移動経路の特定を行う。したがって、第3の実施形態の第2の変形例に係る経路探索システムは、第2の実施形態に係る経路探索装置200と同様に位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0243】
本発明の第3の実施形態に係る経路探索システムを構成する構成要素として測定装置300を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られず、例えば、携帯電話などの携帯型通信装置、UMPCなどのコンピュータ、腕時計などのウェアラブル装置、非接触ICカードを収納可能な電子財布装置、PlayStation Portable(登録商標)などの携帯型ゲーム機などに適用することができる。
【0244】
また、本発明の第3の実施形態に係る経路探索システムを構成する構成要素として情報処理装置400を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られず、例えば、PC(Personal Computer)やサーバ(Server)などのコンピュータなどに適用することができる。
【0245】
(第3の実施形態に係るプログラム)
第3の実施形態に係る測定装置300をコンピュータとして機能させるためのプログラムによって、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間を判定し、判定結果に応じて情報処理装置400へ測定データを送信することができる。
【0246】
また、第3の実施形態に係る情報処理装置400をコンピュータとして機能させるためのプログラムによって、位置情報が得られなくなってから位置情報が再度得られるまでの空白期間に交通機関を利用した場合における移動経路を特定することができる。
【0247】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0248】
例えば、図6、図9に示す第1、第2の実施形態に係る経路探索装置では、MPUなどで構成された制御部が測定データの記録や状態の判定、移動経路の特定など様々な機能を有する構成を示したが、本発明の実施形態は、かかる構成に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、図6、図9に示す制御部が有する機能をそれぞれ別体のハードウェアで実現することもできる。上記の構成であっても、本発明の実施形態に係る経路探索装置は、上述した第1、第2の実施形態に係る経路探索装置と同様の効果を奏することができる。
【0249】
上述した構成は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、当然に、本発明の技術的範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0250】
【図1】本発明の実施形態に係る経路探索装置における経路探索の概要を説明するための説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る空白期間の判定方法を説明するための説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る経路特定方法の一例を示す流れ図である。
【図4】本発明の実施形態に係る乗り換え探索処理の一例を示す流れ図である。
【図5】本発明の実施形態に係る経路探索手段を説明するための説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る経路探索装置を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る経路探索装置のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る経路探索方法の一例を示す流れ図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る経路探索装置を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る経路探索装置のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係る運行パターン情報の一例を示す説明図である。
【図12】本発明の実施形態に係るパターン特定情報の一例を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態に係る空圧変化の情報の一例を示す説明図である。
【図14】本発明の実施形態に係る加速度の情報の一例を示す説明図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る経路探索方法の一例を示す流れ図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る経路探索システムを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0251】
100、200 経路探索装置
102、202、402 記憶部
104 第1測定部
106、206、302 制御部
108 時刻情報生成部
110、410 表示部
112、404 通信部
120 測定データ記録部
122、220 状態遷移判定部
124、226、408 移動経路特定部
204 第2測定部
208 クロック生成部
222 パターン特定情報記録部
224 パターン照合部
300 測定装置
310 情報送信制御部
400 情報処理装置
406 記録部
1000 経路探索システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
各交通機関の予め定められた各停止場所の位置および予め定められた経路を示す路線情報を記憶する記憶部と;
位置を測定して位置情報を生成する第1測定部と;
前記位置情報と前記位置情報が生成された時刻を規定する時刻情報とが対応付けられた測定データを記録する測定データ記録部と;
前記第1測定部における前記位置情報の生成の状態を判定する状態遷移判定部と;
前記状態遷移判定部の判定結果に応じ、前記路線情報と前記測定データとに基づいて、移動経路を特定する移動経路情報を生成する移動経路特定部と;
を備えることを特徴とする、経路探索装置。
【請求項2】
前記記憶部は、各交通機関の運行パターンがそれぞれ記録された運行パターン情報をさらに記憶し、
前記状態遷移判定部の判定結果に応じて、交通機関の運行に伴う運行情報を測定する第2測定部と;
前記第2測定部が測定した前記運行情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記運行パターン情報を特定するパターン特定情報を記録するパターン特定情報記録部と;
前記状態遷移判定部の判定結果に応じ、前記パターン特定情報に基づいて、前記記憶部に記憶された運行パターン情報の中から少なくとも1以上の運行パターン情報を選択するパターン照合部と;
をさらに備え、
前記移動経路特定部は、前記路線情報と前記測定データと選択された前記運行パターン情報とに基づいて前記移動経路情報を生成することを特徴とする、請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項3】
前記状態遷移判定部は、前記第1測定部において前記位置情報が生成される第1状態から前記位置情報が生成されない第2状態に変化したことを示す第1の判定結果と、前記第2状態から前記第1状態に変化したことを示す第2の判定結果を生成し、
前記第2測定部は、前記第1の判定結果に応じて前記運行情報を測定し、
前記パターン照合部は、前記第2の判定結果に応じて前記運行パターン情報を選択することを特徴とする、請求項2に記載の経路探索装置。
【請求項4】
前記パターン照合部は、前記状態遷移判定部が前記第1の判定結果を生成したときの第1状態の第1測定データと、前記状態遷移判定部が前記第2の判定結果を生成したときの第1状態の第2測定データとに基づいて交通機関の利用の有無を判定し、判定の結果に応じて前記運行パターン情報を選択することを特徴とする、請求項3に記載の経路探索装置。
【請求項5】
前記パターン照合部は、前記第1測定データおよび前記第2測定データから直線距離と所要時間とを算出し、算出された直線距離および所要時間に基づいて交通機関の利用の有無を判定することを特徴とする、請求項4に記載の経路探索装置。
【請求項6】
前記パターン照合部は、交通機関を利用したと判定された場合には、前記第1測定データと前記第2測定データと前記路線情報とに基づいて、前記各交通機関の予め定められた各停止場所の中から乗車位置および降車位置を選択することを特徴とする、請求項4に記載の経路探索装置。
【請求項7】
前記前記状態遷移判定部は、前記第2の判定結果を生成した場合には、前記第2測定部における前記運行情報の測定を停止させることを特徴とする、請求項3に記載の経路探索装置。
【請求項8】
前記第2測定部は、空気圧の変化を検出する空気圧センサを備え、前記運行情報として前記交通機関の運行に伴う空気圧の変化を測定し、
前記パターン特定情報記録部は、前記測定部が測定した空気圧の変化に基づいて停止および発進を判定し、判定された停止と発進との時間間隔、および判定された発進と停止との時間間隔を前記パターン特定情報として記録することを特徴とする、請求項2に記載の経路探索装置。
【請求項9】
前記記憶部は、各交通機関の予め定められた各停止位置間における停止と発進との時間間隔、および発進と停止との時間間隔を前記運行パターン情報として記憶し、
前記パターン照合部は、パターン特定情報記録部が記録した前記パターン特定情報と、前記運行パターン情報それぞれとを比較して運行パターン情報を選択することを特徴とする、請求項8に記載の経路探索装置。
【請求項10】
前記第2測定部は、空気圧の変化を検出する空気圧センサを備え、前記運行情報として前記交通機関の運行に伴う空気圧の変化を測定し、
前記パターン特定情報記録部は、前記第2測定部が測定した空気圧の変化に基づいて停止および発進を判定し、前記時刻情報に基づいて判定された停止の時刻、および判定された発進の時刻を前記パターン特定情報として記録することを特徴とする、請求項2に記載の経路探索装置。
【請求項11】
前記記憶部は、各交通機関の予め定められた各停止位置における停止の時刻、および発進の時刻を前記運行パターン情報として記憶し、
前記パターン照合部は、パターン特定情報記録部が記録した前記パターン特定情報と、前記運行パターン情報それぞれとを比較して運行パターン情報を選択することを特徴とする、請求項10に記載の測位装置。
【請求項12】
前記第2測定部は、加速度の変化を検出する加速度センサを備え、前記運行情報として前記交通機関の運行に伴う加速度を測定し、
前記パターン特定情報記録部は、前記測定部が測定した加速度に基づいて停止および発進を判定し、判定された停止と発進との時間間隔、および判定された発進と停止との時間間隔を前記パターン特定情報として記録することを特徴とする、請求項2に記載の経路探索装置。
【請求項13】
前記第2測定部は、加速度の変化を検出する加速度センサを備え、前記運行情報として前記交通機関の運行に伴う加速度を測定し、
前記パターン特定情報記録部は、前記第2測定部が測定した加速度に基づいて停止および発進を判定し、前記時刻情報に基づいて判定された停止の時刻、および判定された発進の時刻を前記パターン特定情報として記録することを特徴とする、請求項2に記載の経路探索装置。
【請求項14】
前記移動経路特定部は、前記状態遷移判定部が前記第1の判定結果を生成したときの第1状態の第1測定データと、前記状態遷移判定部が前記第2の判定結果を生成したときの第1状態の第2測定データとから直線距離および所要時間を算出し、算出された直線距離および所要時間に基づいて交通機関の利用の有無を判定し、判定の結果に応じて前記移動経路情報を生成することを特徴とする、請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項15】
前記時刻情報を生成する時刻情報生成部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項16】
表示部をさらに備え、
前記移動経路特定部は、前記移動経路情報を前記表示部に表示させることを特徴とする、請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項17】
外部装置と通信を行う通信部をさらに備え、
前記移動経路特定部は、前記移動経路情報を前記外部装置へ送信させることを特徴とする、請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項18】
各交通機関の予め定められた各停止場所の位置および予め定められた経路を示す路線情報を記憶する記憶部を備える経路探索装置における経路探索方法であって:
位置を測定して位置情報を生成するステップと;
前記位置情報と前記位置情報が生成された時刻を規定する時刻情報とが対応付けられた測定データを記録するステップと;
前記生成するステップにおける前記位置情報の生成の状態を判定するステップと;
前記判定するステップにおける判定結果に応じ、前記路線情報と前記測定データとに基づいて、移動経路を特定する移動経路情報を生成するステップと;
を有することを特徴とする、経路探索方法。
【請求項19】
各交通機関の予め定められた各停止場所の位置および予め定められた経路を示す路線情報を記憶する記憶部を備える経路探索装置において用いることが可能なプログラムであって:
位置を測定して位置情報を生成するステップ;
前記位置情報と前記位置情報が生成された時刻を規定する時刻情報とが対応付けられた測定データを記録するステップ;
前記生成するステップにおける前記位置情報の生成の状態を判定するステップ;
前記判定するステップにおける判定結果に応じ、前記路線情報と前記測定データとに基づいて、移動経路を特定する移動経路情報を生成するステップ;
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項20】
測定装置と、前記測定装置が生成した情報を処理する情報処理装置とを有する経路探索システムであって:
前記測定装置は、
位置を測定して位置情報を生成する測定部と;
前記位置情報と前記位置情報が生成された時刻を規定する時刻情報とが対応付けられた測定データを記録する測定データ記録部と;
前記測定データ記録部が記録した前記測定データを前記情報処理装置へ送信させる情報送信制御部と;
を備え、
前記情報処理装置は、
各交通機関の予め定められた各停止場所の位置および予め定められた経路を示す路線情報を記憶する記憶部と;
前記測定装置から送信された測定データを記録する記録部と;
前記路線情報と記録された測定データとに基づいて、移動経路を特定する移動経路情報を生成する移動経路特定部と;
を備えることを特徴とする、経路探索システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−128343(P2009−128343A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−307206(P2007−307206)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】