経路探索装置
【課題】対象を人に特化したナビゲーションシステムにおいて、歩行者の安全性を考慮した経路探索を行うことのできる技術を提供する。
【解決手段】電子的な経路探索に利用される電子地図データであって、歩行路を表すリンクデータと歩行路同士の結合点または端点を表すノードデータとによって現実の歩行路のつながり状態を表す歩行路データを記憶すると共に、歩行路の周辺の状況に応じた歩行路の安全性を表す周辺コストデータを、歩行者の性別および年齢のうち、少なくとも一つを考慮して類別した歩行者区分毎に前記各リンクデータに対応付けて記憶した電子地図データを用いることにより、歩行者の特徴に応じた安全な経路を探索する。
【解決手段】電子的な経路探索に利用される電子地図データであって、歩行路を表すリンクデータと歩行路同士の結合点または端点を表すノードデータとによって現実の歩行路のつながり状態を表す歩行路データを記憶すると共に、歩行路の周辺の状況に応じた歩行路の安全性を表す周辺コストデータを、歩行者の性別および年齢のうち、少なくとも一つを考慮して類別した歩行者区分毎に前記各リンクデータに対応付けて記憶した電子地図データを用いることにより、歩行者の特徴に応じた安全な経路を探索する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子地図データを利用した経路探索に関し、詳しくは歩行者のための経路を探索する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーションシステムが普及しており、運転手は現在位置や目的地を設定することにより、所望の目的地までの最適な経路を探索することができる。また、下記特許文献1に開示されているように、カーナビゲーションシステムを発展させた人用のナビゲーションシステムに関する技術も提案されつつある。
【0003】
【特許文献1】特開平8−202982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このようなナビゲーションシステムは、経路を案内する対象である車あるいは人を、画一的にすべて同じ能力のものであるとして経路探索を行っていた。従って、例えば、車椅子の利用者に対し、階段を含む経路が案内される場合があった。このように人に関しては、年齢や性別、あるいは車椅子等の利用により歩行能力が著しく異なっているため、従来の経路探索では利用者毎に最適な経路を案内することはできなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、対象を人に特化したナビゲーションシステムにおいて、歩行者の安全性や歩行能力を考慮した経路探索を行う技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、本発明は、電子的に経路探索を行う経路探索装置であって、
歩行路を表すリンクデータと該歩行路同士の結合点または端点を表すノードデータとによって現実の歩行路のつながり状態を表す歩行路データを記憶すると共に、前記歩行路の周辺の状況に応じた安全性を表す周辺コストデータを、歩行者の性別および年齢のうち、少なくとも一つを考慮して類別した歩行者区分毎に前記各リンクデータに対応付けて記憶した電子地図データ記憶部と、
前記経路探索の条件として、出発地と目的地と前記歩行者区分に関する情報とを入力する探索条件入力部と、
前記出発地から前記目的地までの経路を、前記入力された歩行者区分に対応する前記周辺コストデータと、前記歩行路データが表す前記歩行路のつながり状態とに基づき探索する経路探索部とを備えることを要旨とする。
【0007】
本発明の経路探索装置によれば、歩行者の性別や年齢に応じて周辺コストデータを使い分けることで、ユーザの特徴に応じた安全な経路を探索することができる。経路の探索は、例えば、周知の経路探索アルゴリズムであるダイクストラ法を利用し、リンクデータ、ノードデータ、歩行者区分に応じた周辺コストデータから求めることができる。
【0008】
経路探索時に用いる周辺コストデータは、歩行路の周辺の状況に応じた安全性を表しており、例えば、街灯、交番、店舗、電話ボックス、通学路、バス停、駅、各種交通機関、24時間営業店、ファミリーレストラン、ガソリンスタンド、痴漢多発場所、引ったくり多発場所、子供110番の家などの有無により防犯上の観点から歩行者区分毎に設定することができる。
【0009】
本発明の経路探索装置では、歩行者区分が、性別や年齢に応じて類別されているものとしたが、これら以外にも、例えば、歩行者が車椅子利用者であるかどうか、重い荷物を持っているかどうか、ベビーカーを押しているかどうか、子供を抱いているかどうか等の観点によって類別されているものとしてもよい。
【0010】
更に、本発明の経路探索装置は、時計機能を備えることにより、痴漢や引ったくりの多発する歩行路を夜間に避ける経路探索を行う構成とすることもできる。また、天気を検出または入力する手段を設けることにより、雨の日は地下街や屋根付の歩行路を優先して経路探索を行う構成とすることもできる。
【0011】
また、本発明は、次のような電子地図データのデータ構造としても構成することができる。すなわち、
コンピュータが経路探索を行う際に参照する電子地図データのデータ構造であって、
歩行路を表すリンクデータと該歩行路同士の結合点または端点を表すノードデータとによって現実の歩行路のつながり状態を表す歩行路データを記憶する歩行路データ記憶部と、
前記歩行路の周辺の状況に応じた安全性を表す周辺コストデータを、歩行者の性別および年齢のうち、少なくとも一つを考慮して類別した歩行者区分毎に前記各リンクデータに対応付けて記憶する周辺コストデータ記憶部とを備え、
前記歩行路データと前記周辺コストデータとは、前記コンピュータが、前記歩行路データ中における出発地から目的地までの経路を、ユーザから設定を受けた前記歩行者区分に対応する前記周辺コストデータと、前記歩行路データが表す前記歩行路のつながり状態とに基づき探索する際に用いられる電子地図データのデータ構造である。
【0012】
このようなデータ構造を有する電子地図データを用いることにより、経路探索装置としてのコンピュータは、歩行者の性別や年齢に応じて周辺コストデータを使い分けることで、ユーザの特徴に応じた安全な経路を探索することができる。
【0013】
その他にも、本発明は、コンピュータが経路探索を行うための経路探索方法やコンピュータプログラムとしても構成することができる。上述のデータ構造を有する電子地図データや当該コンピュータプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD、MO、ICカード、ROMカートリッジ、ハードディスクなど、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、上述した本発明の作用・効果を一層明らかにするため、本発明の実施の形態を実施例に基づき次の順序で説明する。
A.ナビゲーション装置の構成:
B.電子地図データの構造:
C.経路探索処理:
D.経路探索の例:
【0015】
A.ナビゲーション装置の構成:
図1は、本実施例におけるナビゲーション装置の概略構成図である。ナビゲーション装置100は、地図やメニューなどを表示するための表示部101とコマンドの入力を行うための操作部102とを備えており、内部には制御部103を備えている。操作部102は、その操作によって、地図上に表示されたカーソルの移動、地図の表示スケールの変更・スクロール、経路探索の出発点、目的地、ユーザ情報の入力等を行うことができる。
【0016】
上記コマンドの入力は、操作部102による入力に限られることはない。表示部101をタッチパネル方式の表示部とすることにより、指あるいはタッチペン112を用いて表示部101に直接触れて入力することとしてもよい。
【0017】
制御部103は、主としてCPUとRAM、ROMにより構成されている。ROMには、図示する各機能部を実現するためのプログラムが記録されており、CPUは、RAMをワークエリアとして用い、該プログラムを実行する。
【0018】
電子地図データ入力部104は、メモリカードやCD−ROM等の各種記録媒体から電子地図データを入力する。また、GPSアンテナや無線ネットワーク、赤外線通信等を用いることにより外部のサーバ等から入力してもよい。
【0019】
電子地図データ入力部により入力した電子地図データは、電子地図データ記憶部105に記憶される。記憶された電子地図データは、電子地図データ参照部106を介し、主制御部107から参照される。
【0020】
主制御部107は、コマンド入力部108を介して操作部102から入力された出発地や目的地、ユーザ情報の入力といった各種コマンドに基づき経路探索部109を用いて経路探索を行う。経路探索における出発地は、位置検出部110により入力することとしてもよい。この場合、ナビゲーション装置100にGPSアンテナやPHS等を接続することにより現在位置を入力する。
【0021】
主制御部107と経路探索部109により経路探索を行った結果は、表示制御部111により表示部101に表示される。利用者は表示部101に表示された探索結果を利用して所望の目的地まで到達することができる。
【0022】
B.電子地図データの構造:
図2は、電子地図データの概略構造図である。電子地図データは、表示部101に地図を表示するための背景レイヤと、経路探索に利用する歩行路レイヤとを階層的に保持することにより構成されている。その他、必要に応じ、地図上に地名や建物名等を表示するための文字レイヤなどを備えていてもよい。
【0023】
背景レイヤは、緯度・経度データにより、歩行路や住宅等の図形が詳細に再現されている。後述する経路探索処理の結果は、この背景レイヤに重ね合わせて表示部101上に表示される。
【0024】
歩行路レイヤは、図示するように、ノードデータ、リンクデータ、コストデータを保持している。ノードデータは、歩行路の交差点や端点(行止り・目標物)といった地点を表し、一連のノード番号が割り当てられ、緯度・経度データを保持している。リンクデータは、歩行路を表しており、その始点と終点は前記ノードに割り当てられたノード番号で表される。図示していないが、リンクデータには歩行路の距離を表す距離データを含ませてもよい。ただし、省略しても、ノード番号により対応付けられたノードデータの緯度・経路データから算出可能である。
【0025】
また、リンクデータには、リンク種別や周辺情報が記録されている。リンク種別とは、そのリンクによって表されている歩行路の種類を表しており、歩道、階段、坂道、横断歩道、歩道橋、踏み切りといった情報が記録されている。周辺情報には、歩行路を安全に歩行するための情報、すなわち、交番、街灯、コンビニエンスストアを始めとする各種店舗の有無といった情報が記録されている。また、周辺情報には、通学路、電話ボックス等の情報も記録可能である。
【0026】
コストデータには、リンク種別に関連付けられた歩行の困難度を表すコスト、および、周辺情報に関連付けられた歩行の安全性を表すコストが記録されている。リンク種別には、歩行者を年齢、性別、歩行上の身体的障害などを考慮して類別した歩行者区分に応じてコストが複数設定されている。本実施例では、歩行者区分として、「通常」「車椅子」「高齢者」という区分を設定している。なお、周辺情報にも、歩行者区分に応じたコストを複数設定してもよい。
【0027】
なお、ここでは、リンクデータとコストデータとを別々に構成するものとしたが、リンクデータにコストデータを含ませることとしてもよい。このような構成とすれば、例えば、同じ種別のリンクであっても、坂道の傾斜角、距離などを総合的に考慮して、別々のコストを割り当てることができる。なお、リンクデータにコストデータを含める場合でも、歩行者区分に応じて複数のコストデータを対応付けることが好ましい。
【0028】
C.経路探索処理:
図3は、ナビゲーション装置100による経路探索処理のフローチャートである。ナビゲーション装置100は、まず、コマンド入力部108を介し、ユーザによる操作部102の操作により目的地、出発地、およびユーザ情報を入力する(ステップS100)。
【0029】
図4〜7は、これら各種検索条件を入力するための画面の一例を示す図である。図4は、検索条件入力のための初期画面を表す図である。この画面によってユーザは入力するパラメータを選択する。
【0030】
図5は、出発地を入力するためのメニュー画面を表す図である。「現在位置を入力」を選択すると、ナビゲーション装置100は、位置検出部110を用いて現在位置の経度・緯度情報を取得し出発地とする。「地図で入力」を選択すると、ナビゲーション装置100は表示部101に地図を表示し、ユーザは操作部102やタッチペン112を用いて出発地を指定する。電子地図データに、電話番号や住所のデータベースが含まれている場合は、「電話番号で入力」「住所で入力」を選択することにより、予め登録された場所を指定することができる。「BACK」を選択すると、図4の初期画面に戻る。
【0031】
図6は、目的地を入力するためのメニュー画面を表す図である。目的地の入力は、上述した出発地の入力と同様に行う。ただし、位置検出部110を用いた入力は通常行うことはできない。
【0032】
図7は、ユーザ情報を入力するための画面を表す図である。ここでユーザは、自身の性別、年齢、および車椅子を利用するか否かを入力する。
【0033】
以上の入力により、図3におけるステップS100が終了する。次に、ナビゲーション装置100は、上記入力したユーザ情報に従って、経路探索に用いる歩行者区分を設定する(ステップS101)。歩行者区分は、図示するようなテーブルを用いて性別と年齢および車椅子の利用の有無によって決まる。例えば、図7の画面で、車椅子を利用せず、性別を男性、年齢を26と入力した場合は、歩行者区分として「通常」が設定される。図3中の「通常+安全」とは、歩行者区分は「通常」で、安全性を考慮した経路探索を行うことを意味する。
【0034】
次に、ナビゲーション装置100は、設定した歩行者区分により、利用するコストを選択する。図2によれば、歩行者区分が「通常」の場合、「歩道」、「階段」、「坂道」を表すリンクのコストが、それぞれ、1、3、2となる。ナビゲーション装置100は、このように選択したコストと、リンクおよびノードとを用いて、経路探索アルゴリズムであるダイクストラ法により最小コストとなる経路を探索する(ステップS102)。本ステップの例については後述する。
【0035】
最後に、ナビゲーション装置100は、探索した経路を表示部101に出力し(ステップS103)、処理を終了する。図8は、経路表示の一例を示す図である。
【0036】
上記説明では、経路探索を行うごとにユーザ情報を入力することとしたが、ユーザ情報は予め経路探索を行う前に入力してもよい。
【0037】
D.経路探索の例:
図9は、経路探索の例を示す図である。ここではノードN1を出発地、ノードN4を目的地として経路を探索する。ダイクストラ法は、順次コストを評価して経路を探索する方法であるが、ここでは説明を簡単にするため、ノードN1からノードN3を経由してノードN4に到達する経路Aと、ノードN1からノードN2,3を経由してノードN4に到達する経路Bの2種類の経路の評価結果を対比して説明を行う。リンクデータXは、図示するように、リンクの距離・種別、歩行者区分に応じた各種コストおよび安全性コストを保持している。図2では、コストデータが別途存在する例を示したが、本図では、リンクデータにコストデータを含む構成としている。
【0038】
コストの評価方法には、大きく以下に示す2通りが考えられる。経路探索には、いずれの方法を適用してもよい。
第1の方法は、各リンクの距離等に関わらず、歩行の困難性または安全性に関与するコストのみを考慮して経路の評価を行う方法である。この方法では、各リンクの距離は、同一コストの経路が複数存在する場合に補助的に参照されることとなる。図中に計算例1として、第1の方法に基づく評価結果を示した。この結果によると、通常の歩行者には経路A(総コスト3)が案内され、車椅子利用者には経路B(総コスト13)が案内される。高齢者に対しては、両経路の総コストが同じため(総コスト7)、より距離の短い経路Aが案内されることとなる。
【0039】
第2の方法は、歩行の困難性等と距離を総合的に考慮したコストを演算し、これに基づいて経路の評価を行う方法である。図中に計算例2として、第2の方法に基づく評価結果を示した。ここでは、歩行の困難性等に基づくコストと、各リンクの距離との積を経路探索用のコストとして用いるものとした。経路探索用のコストは、積に限られず種々の演算により設定可能である。この結果によると、通常の歩行者および高齢者には経路A(総コストそれぞれ100、235)が案内され、車椅子利用者には経路B(総コスト550)が案内されることとなる。
【0040】
このように、経路の探索は、リンクとコストとを用いた演算の方法により種々の態様を採ることができる。安全性を考慮した経路を探索する場合は、安全性を表すコストと困難度を表すコストとの積を用いてコストの評価を行うこととしてもよい。また、車椅子利用者に対して経路案内をする場合は、段差や階段、坂道、歩道橋等のパラメータを保持するリンクを避けて、若しくは優先度を下げて経路を探索することもできる。優先度を下げる方法としては、例えば、当該リンクに対応付けられたコストを極端に大きな値とする方法をとることが可能である。ただし、図示するリンクL4のように、段差や階段等のリンクであっても、他に選択できるリンクがない場合は、車椅子利用者にも該リンクを用いて経路を案内することとしてもよい。
【0041】
なお、同じ車椅子利用者であっても、その運動能力の違いにより通行可能な経路が異なる場合がある。例えば、運動能力の高い車椅子利用者であれば、段差のある経路であっても、その高さによって乗り越えて通行可能となる場合があり、また、ある程度の傾斜角度を持つ坂道であっても通行できる場合がある。そのため、乗り越えられる段差の高さや、通行可能な坂道の上限傾斜角度等といった詳細なユーザ情報を入力可能な構成とし、これらの情報を考慮した経路探索を行うこととしてもよい。この場合、リンクデータに段差の高さや坂道の傾斜角度等を表すパラメータを付加し、前記ユーザ情報と、これらのパラメータとを比較して、探索対象となるリンクが通行可能であるかどうかの判断を行うこととすればよい。このようにすれば、同じ車椅子利用者であってもその利用者の運動能力に応じた経路を探索することが可能となる。
【0042】
実施例で示した計算例2では、リンク毎にコストの演算が要求される。経路探索を速やかに行うため、予め歩行の困難性、距離等を総合的に勘案したコストを各リンクに対応付けておいてもよい。この場合には、各リンクに記憶された複数のコストを、歩行者区分等に応じて使い分けることにより、実施例と同様の経路探索を実現することができる。
【0043】
実施例では、「通常」、「高齢者」、「車椅子」等の歩行者区分に応じてコストを使い分けるものとしたが、これらを全て重み係数で表して下記のような式でコストを演算してもよい。
コスト=距離×歩行者区分係数×安全性係数
この場合、歩行者区分および安全性を考慮しない経路探索では、それぞれの係数は値1が用いられる。
【0044】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な構成をとることができる。上述の各種処理を、ソフトウェアによって実現することとしてもよいし、ハードウェアによって実現してもよい。経路探索装置を、コンピュータを用いて構成する場合は、上記各種処理をコンピュータプログラムとして実現することができる。コンピュータプログラムは、種々の記録媒体に記録可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】電子地図データの概略構造図である。
【図3】ナビゲーション装置による経路探索処理のフローチャートである。
【図4】検索条件入力のための初期画面を表す図である。
【図5】出発地を入力するためのメニュー画面を表す図である。
【図6】目的地を入力するためのメニュー画面を表す図である。
【図7】ユーザ情報を入力するための画面を表す図である。
【図8】経路表示の一例を示す図である。
【図9】経路探索の例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
100…ナビゲーション装置
101…表示部
102…操作部
103…制御部
104…電子地図データ入力部
105…電子地図データ記憶部
106…電子地図データ参照部
107…主制御部
108…コマンド入力部
109…経路探索部
110…位置検出部
111…表示制御部
112…タッチペン
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子地図データを利用した経路探索に関し、詳しくは歩行者のための経路を探索する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーションシステムが普及しており、運転手は現在位置や目的地を設定することにより、所望の目的地までの最適な経路を探索することができる。また、下記特許文献1に開示されているように、カーナビゲーションシステムを発展させた人用のナビゲーションシステムに関する技術も提案されつつある。
【0003】
【特許文献1】特開平8−202982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このようなナビゲーションシステムは、経路を案内する対象である車あるいは人を、画一的にすべて同じ能力のものであるとして経路探索を行っていた。従って、例えば、車椅子の利用者に対し、階段を含む経路が案内される場合があった。このように人に関しては、年齢や性別、あるいは車椅子等の利用により歩行能力が著しく異なっているため、従来の経路探索では利用者毎に最適な経路を案内することはできなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、対象を人に特化したナビゲーションシステムにおいて、歩行者の安全性や歩行能力を考慮した経路探索を行う技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、本発明は、電子的に経路探索を行う経路探索装置であって、
歩行路を表すリンクデータと該歩行路同士の結合点または端点を表すノードデータとによって現実の歩行路のつながり状態を表す歩行路データを記憶すると共に、前記歩行路の周辺の状況に応じた安全性を表す周辺コストデータを、歩行者の性別および年齢のうち、少なくとも一つを考慮して類別した歩行者区分毎に前記各リンクデータに対応付けて記憶した電子地図データ記憶部と、
前記経路探索の条件として、出発地と目的地と前記歩行者区分に関する情報とを入力する探索条件入力部と、
前記出発地から前記目的地までの経路を、前記入力された歩行者区分に対応する前記周辺コストデータと、前記歩行路データが表す前記歩行路のつながり状態とに基づき探索する経路探索部とを備えることを要旨とする。
【0007】
本発明の経路探索装置によれば、歩行者の性別や年齢に応じて周辺コストデータを使い分けることで、ユーザの特徴に応じた安全な経路を探索することができる。経路の探索は、例えば、周知の経路探索アルゴリズムであるダイクストラ法を利用し、リンクデータ、ノードデータ、歩行者区分に応じた周辺コストデータから求めることができる。
【0008】
経路探索時に用いる周辺コストデータは、歩行路の周辺の状況に応じた安全性を表しており、例えば、街灯、交番、店舗、電話ボックス、通学路、バス停、駅、各種交通機関、24時間営業店、ファミリーレストラン、ガソリンスタンド、痴漢多発場所、引ったくり多発場所、子供110番の家などの有無により防犯上の観点から歩行者区分毎に設定することができる。
【0009】
本発明の経路探索装置では、歩行者区分が、性別や年齢に応じて類別されているものとしたが、これら以外にも、例えば、歩行者が車椅子利用者であるかどうか、重い荷物を持っているかどうか、ベビーカーを押しているかどうか、子供を抱いているかどうか等の観点によって類別されているものとしてもよい。
【0010】
更に、本発明の経路探索装置は、時計機能を備えることにより、痴漢や引ったくりの多発する歩行路を夜間に避ける経路探索を行う構成とすることもできる。また、天気を検出または入力する手段を設けることにより、雨の日は地下街や屋根付の歩行路を優先して経路探索を行う構成とすることもできる。
【0011】
また、本発明は、次のような電子地図データのデータ構造としても構成することができる。すなわち、
コンピュータが経路探索を行う際に参照する電子地図データのデータ構造であって、
歩行路を表すリンクデータと該歩行路同士の結合点または端点を表すノードデータとによって現実の歩行路のつながり状態を表す歩行路データを記憶する歩行路データ記憶部と、
前記歩行路の周辺の状況に応じた安全性を表す周辺コストデータを、歩行者の性別および年齢のうち、少なくとも一つを考慮して類別した歩行者区分毎に前記各リンクデータに対応付けて記憶する周辺コストデータ記憶部とを備え、
前記歩行路データと前記周辺コストデータとは、前記コンピュータが、前記歩行路データ中における出発地から目的地までの経路を、ユーザから設定を受けた前記歩行者区分に対応する前記周辺コストデータと、前記歩行路データが表す前記歩行路のつながり状態とに基づき探索する際に用いられる電子地図データのデータ構造である。
【0012】
このようなデータ構造を有する電子地図データを用いることにより、経路探索装置としてのコンピュータは、歩行者の性別や年齢に応じて周辺コストデータを使い分けることで、ユーザの特徴に応じた安全な経路を探索することができる。
【0013】
その他にも、本発明は、コンピュータが経路探索を行うための経路探索方法やコンピュータプログラムとしても構成することができる。上述のデータ構造を有する電子地図データや当該コンピュータプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD、MO、ICカード、ROMカートリッジ、ハードディスクなど、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、上述した本発明の作用・効果を一層明らかにするため、本発明の実施の形態を実施例に基づき次の順序で説明する。
A.ナビゲーション装置の構成:
B.電子地図データの構造:
C.経路探索処理:
D.経路探索の例:
【0015】
A.ナビゲーション装置の構成:
図1は、本実施例におけるナビゲーション装置の概略構成図である。ナビゲーション装置100は、地図やメニューなどを表示するための表示部101とコマンドの入力を行うための操作部102とを備えており、内部には制御部103を備えている。操作部102は、その操作によって、地図上に表示されたカーソルの移動、地図の表示スケールの変更・スクロール、経路探索の出発点、目的地、ユーザ情報の入力等を行うことができる。
【0016】
上記コマンドの入力は、操作部102による入力に限られることはない。表示部101をタッチパネル方式の表示部とすることにより、指あるいはタッチペン112を用いて表示部101に直接触れて入力することとしてもよい。
【0017】
制御部103は、主としてCPUとRAM、ROMにより構成されている。ROMには、図示する各機能部を実現するためのプログラムが記録されており、CPUは、RAMをワークエリアとして用い、該プログラムを実行する。
【0018】
電子地図データ入力部104は、メモリカードやCD−ROM等の各種記録媒体から電子地図データを入力する。また、GPSアンテナや無線ネットワーク、赤外線通信等を用いることにより外部のサーバ等から入力してもよい。
【0019】
電子地図データ入力部により入力した電子地図データは、電子地図データ記憶部105に記憶される。記憶された電子地図データは、電子地図データ参照部106を介し、主制御部107から参照される。
【0020】
主制御部107は、コマンド入力部108を介して操作部102から入力された出発地や目的地、ユーザ情報の入力といった各種コマンドに基づき経路探索部109を用いて経路探索を行う。経路探索における出発地は、位置検出部110により入力することとしてもよい。この場合、ナビゲーション装置100にGPSアンテナやPHS等を接続することにより現在位置を入力する。
【0021】
主制御部107と経路探索部109により経路探索を行った結果は、表示制御部111により表示部101に表示される。利用者は表示部101に表示された探索結果を利用して所望の目的地まで到達することができる。
【0022】
B.電子地図データの構造:
図2は、電子地図データの概略構造図である。電子地図データは、表示部101に地図を表示するための背景レイヤと、経路探索に利用する歩行路レイヤとを階層的に保持することにより構成されている。その他、必要に応じ、地図上に地名や建物名等を表示するための文字レイヤなどを備えていてもよい。
【0023】
背景レイヤは、緯度・経度データにより、歩行路や住宅等の図形が詳細に再現されている。後述する経路探索処理の結果は、この背景レイヤに重ね合わせて表示部101上に表示される。
【0024】
歩行路レイヤは、図示するように、ノードデータ、リンクデータ、コストデータを保持している。ノードデータは、歩行路の交差点や端点(行止り・目標物)といった地点を表し、一連のノード番号が割り当てられ、緯度・経度データを保持している。リンクデータは、歩行路を表しており、その始点と終点は前記ノードに割り当てられたノード番号で表される。図示していないが、リンクデータには歩行路の距離を表す距離データを含ませてもよい。ただし、省略しても、ノード番号により対応付けられたノードデータの緯度・経路データから算出可能である。
【0025】
また、リンクデータには、リンク種別や周辺情報が記録されている。リンク種別とは、そのリンクによって表されている歩行路の種類を表しており、歩道、階段、坂道、横断歩道、歩道橋、踏み切りといった情報が記録されている。周辺情報には、歩行路を安全に歩行するための情報、すなわち、交番、街灯、コンビニエンスストアを始めとする各種店舗の有無といった情報が記録されている。また、周辺情報には、通学路、電話ボックス等の情報も記録可能である。
【0026】
コストデータには、リンク種別に関連付けられた歩行の困難度を表すコスト、および、周辺情報に関連付けられた歩行の安全性を表すコストが記録されている。リンク種別には、歩行者を年齢、性別、歩行上の身体的障害などを考慮して類別した歩行者区分に応じてコストが複数設定されている。本実施例では、歩行者区分として、「通常」「車椅子」「高齢者」という区分を設定している。なお、周辺情報にも、歩行者区分に応じたコストを複数設定してもよい。
【0027】
なお、ここでは、リンクデータとコストデータとを別々に構成するものとしたが、リンクデータにコストデータを含ませることとしてもよい。このような構成とすれば、例えば、同じ種別のリンクであっても、坂道の傾斜角、距離などを総合的に考慮して、別々のコストを割り当てることができる。なお、リンクデータにコストデータを含める場合でも、歩行者区分に応じて複数のコストデータを対応付けることが好ましい。
【0028】
C.経路探索処理:
図3は、ナビゲーション装置100による経路探索処理のフローチャートである。ナビゲーション装置100は、まず、コマンド入力部108を介し、ユーザによる操作部102の操作により目的地、出発地、およびユーザ情報を入力する(ステップS100)。
【0029】
図4〜7は、これら各種検索条件を入力するための画面の一例を示す図である。図4は、検索条件入力のための初期画面を表す図である。この画面によってユーザは入力するパラメータを選択する。
【0030】
図5は、出発地を入力するためのメニュー画面を表す図である。「現在位置を入力」を選択すると、ナビゲーション装置100は、位置検出部110を用いて現在位置の経度・緯度情報を取得し出発地とする。「地図で入力」を選択すると、ナビゲーション装置100は表示部101に地図を表示し、ユーザは操作部102やタッチペン112を用いて出発地を指定する。電子地図データに、電話番号や住所のデータベースが含まれている場合は、「電話番号で入力」「住所で入力」を選択することにより、予め登録された場所を指定することができる。「BACK」を選択すると、図4の初期画面に戻る。
【0031】
図6は、目的地を入力するためのメニュー画面を表す図である。目的地の入力は、上述した出発地の入力と同様に行う。ただし、位置検出部110を用いた入力は通常行うことはできない。
【0032】
図7は、ユーザ情報を入力するための画面を表す図である。ここでユーザは、自身の性別、年齢、および車椅子を利用するか否かを入力する。
【0033】
以上の入力により、図3におけるステップS100が終了する。次に、ナビゲーション装置100は、上記入力したユーザ情報に従って、経路探索に用いる歩行者区分を設定する(ステップS101)。歩行者区分は、図示するようなテーブルを用いて性別と年齢および車椅子の利用の有無によって決まる。例えば、図7の画面で、車椅子を利用せず、性別を男性、年齢を26と入力した場合は、歩行者区分として「通常」が設定される。図3中の「通常+安全」とは、歩行者区分は「通常」で、安全性を考慮した経路探索を行うことを意味する。
【0034】
次に、ナビゲーション装置100は、設定した歩行者区分により、利用するコストを選択する。図2によれば、歩行者区分が「通常」の場合、「歩道」、「階段」、「坂道」を表すリンクのコストが、それぞれ、1、3、2となる。ナビゲーション装置100は、このように選択したコストと、リンクおよびノードとを用いて、経路探索アルゴリズムであるダイクストラ法により最小コストとなる経路を探索する(ステップS102)。本ステップの例については後述する。
【0035】
最後に、ナビゲーション装置100は、探索した経路を表示部101に出力し(ステップS103)、処理を終了する。図8は、経路表示の一例を示す図である。
【0036】
上記説明では、経路探索を行うごとにユーザ情報を入力することとしたが、ユーザ情報は予め経路探索を行う前に入力してもよい。
【0037】
D.経路探索の例:
図9は、経路探索の例を示す図である。ここではノードN1を出発地、ノードN4を目的地として経路を探索する。ダイクストラ法は、順次コストを評価して経路を探索する方法であるが、ここでは説明を簡単にするため、ノードN1からノードN3を経由してノードN4に到達する経路Aと、ノードN1からノードN2,3を経由してノードN4に到達する経路Bの2種類の経路の評価結果を対比して説明を行う。リンクデータXは、図示するように、リンクの距離・種別、歩行者区分に応じた各種コストおよび安全性コストを保持している。図2では、コストデータが別途存在する例を示したが、本図では、リンクデータにコストデータを含む構成としている。
【0038】
コストの評価方法には、大きく以下に示す2通りが考えられる。経路探索には、いずれの方法を適用してもよい。
第1の方法は、各リンクの距離等に関わらず、歩行の困難性または安全性に関与するコストのみを考慮して経路の評価を行う方法である。この方法では、各リンクの距離は、同一コストの経路が複数存在する場合に補助的に参照されることとなる。図中に計算例1として、第1の方法に基づく評価結果を示した。この結果によると、通常の歩行者には経路A(総コスト3)が案内され、車椅子利用者には経路B(総コスト13)が案内される。高齢者に対しては、両経路の総コストが同じため(総コスト7)、より距離の短い経路Aが案内されることとなる。
【0039】
第2の方法は、歩行の困難性等と距離を総合的に考慮したコストを演算し、これに基づいて経路の評価を行う方法である。図中に計算例2として、第2の方法に基づく評価結果を示した。ここでは、歩行の困難性等に基づくコストと、各リンクの距離との積を経路探索用のコストとして用いるものとした。経路探索用のコストは、積に限られず種々の演算により設定可能である。この結果によると、通常の歩行者および高齢者には経路A(総コストそれぞれ100、235)が案内され、車椅子利用者には経路B(総コスト550)が案内されることとなる。
【0040】
このように、経路の探索は、リンクとコストとを用いた演算の方法により種々の態様を採ることができる。安全性を考慮した経路を探索する場合は、安全性を表すコストと困難度を表すコストとの積を用いてコストの評価を行うこととしてもよい。また、車椅子利用者に対して経路案内をする場合は、段差や階段、坂道、歩道橋等のパラメータを保持するリンクを避けて、若しくは優先度を下げて経路を探索することもできる。優先度を下げる方法としては、例えば、当該リンクに対応付けられたコストを極端に大きな値とする方法をとることが可能である。ただし、図示するリンクL4のように、段差や階段等のリンクであっても、他に選択できるリンクがない場合は、車椅子利用者にも該リンクを用いて経路を案内することとしてもよい。
【0041】
なお、同じ車椅子利用者であっても、その運動能力の違いにより通行可能な経路が異なる場合がある。例えば、運動能力の高い車椅子利用者であれば、段差のある経路であっても、その高さによって乗り越えて通行可能となる場合があり、また、ある程度の傾斜角度を持つ坂道であっても通行できる場合がある。そのため、乗り越えられる段差の高さや、通行可能な坂道の上限傾斜角度等といった詳細なユーザ情報を入力可能な構成とし、これらの情報を考慮した経路探索を行うこととしてもよい。この場合、リンクデータに段差の高さや坂道の傾斜角度等を表すパラメータを付加し、前記ユーザ情報と、これらのパラメータとを比較して、探索対象となるリンクが通行可能であるかどうかの判断を行うこととすればよい。このようにすれば、同じ車椅子利用者であってもその利用者の運動能力に応じた経路を探索することが可能となる。
【0042】
実施例で示した計算例2では、リンク毎にコストの演算が要求される。経路探索を速やかに行うため、予め歩行の困難性、距離等を総合的に勘案したコストを各リンクに対応付けておいてもよい。この場合には、各リンクに記憶された複数のコストを、歩行者区分等に応じて使い分けることにより、実施例と同様の経路探索を実現することができる。
【0043】
実施例では、「通常」、「高齢者」、「車椅子」等の歩行者区分に応じてコストを使い分けるものとしたが、これらを全て重み係数で表して下記のような式でコストを演算してもよい。
コスト=距離×歩行者区分係数×安全性係数
この場合、歩行者区分および安全性を考慮しない経路探索では、それぞれの係数は値1が用いられる。
【0044】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な構成をとることができる。上述の各種処理を、ソフトウェアによって実現することとしてもよいし、ハードウェアによって実現してもよい。経路探索装置を、コンピュータを用いて構成する場合は、上記各種処理をコンピュータプログラムとして実現することができる。コンピュータプログラムは、種々の記録媒体に記録可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】電子地図データの概略構造図である。
【図3】ナビゲーション装置による経路探索処理のフローチャートである。
【図4】検索条件入力のための初期画面を表す図である。
【図5】出発地を入力するためのメニュー画面を表す図である。
【図6】目的地を入力するためのメニュー画面を表す図である。
【図7】ユーザ情報を入力するための画面を表す図である。
【図8】経路表示の一例を示す図である。
【図9】経路探索の例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
100…ナビゲーション装置
101…表示部
102…操作部
103…制御部
104…電子地図データ入力部
105…電子地図データ記憶部
106…電子地図データ参照部
107…主制御部
108…コマンド入力部
109…経路探索部
110…位置検出部
111…表示制御部
112…タッチペン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子的に経路探索を行う経路探索装置であって、
歩行路を表すリンクデータと該歩行路同士の結合点または端点を表すノードデータとによって現実の歩行路のつながり状態を表す歩行路データを記憶すると共に、前記歩行路の周辺の状況に応じた安全性を表す周辺コストデータを、歩行者の性別および年齢のうち、少なくとも一つを考慮して類別した歩行者区分毎に前記各リンクデータに対応付けて記憶した電子地図データ記憶部と、
前記経路探索の条件として、出発地と目的地と前記歩行者区分に関する情報とを入力する探索条件入力部と、
前記出発地から前記目的地までの経路を、前記入力された歩行者区分に対応する前記周辺コストデータと、前記歩行路データが表す前記歩行路のつながり状態とに基づき探索する経路探索部と
を備える経路探索装置。
【請求項2】
コンピュータが経路探索を行う際に参照する電子地図データのデータ構造であって、
歩行路を表すリンクデータと該歩行路同士の結合点または端点を表すノードデータとによって現実の歩行路のつながり状態を表す歩行路データを記憶する歩行路データ記憶部と、
前記歩行路の周辺の状況に応じた安全性を表す周辺コストデータを、歩行者の性別および年齢のうち、少なくとも一つを考慮して類別した歩行者区分毎に前記各リンクデータに対応付けて記憶する周辺コストデータ記憶部とを備え、
前記歩行路データと前記周辺コストデータとは、前記コンピュータが、前記歩行路データ中における出発地から目的地までの経路を、ユーザから設定を受けた前記歩行者区分に対応する前記周辺コストデータと、前記歩行路データが表す前記歩行路のつながり状態とに基づき探索する際に用いられる
電子地図データのデータ構造。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ構造を有する電子地図データを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項4】
コンピュータが経路探索を行うためのコンピュータプログラムであって、
歩行路を表すリンクデータと該歩行路同士の結合点または端点を表すノードデータとによって現実の歩行路のつながり状態を表す歩行路データを記憶すると共に、前記歩行路の周辺の状況に応じた安全性を表す周辺コストデータを、歩行者の性別および年齢のうち、少なくとも一つを考慮して類別した歩行者区分毎に前記各リンクデータに対応付けて記憶した電子地図データを参照する機能と、
前記経路探索の条件として、出発地と目的地と前記歩行者区分に関する情報とを入力する機能と、
前記出発地から前記目的地までの経路を、前記入力された歩行者区分に対応する前記周辺コストデータと、前記歩行路データが表す前記歩行路のつながり状態とに基づき探索する機能と
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項1】
電子的に経路探索を行う経路探索装置であって、
歩行路を表すリンクデータと該歩行路同士の結合点または端点を表すノードデータとによって現実の歩行路のつながり状態を表す歩行路データを記憶すると共に、前記歩行路の周辺の状況に応じた安全性を表す周辺コストデータを、歩行者の性別および年齢のうち、少なくとも一つを考慮して類別した歩行者区分毎に前記各リンクデータに対応付けて記憶した電子地図データ記憶部と、
前記経路探索の条件として、出発地と目的地と前記歩行者区分に関する情報とを入力する探索条件入力部と、
前記出発地から前記目的地までの経路を、前記入力された歩行者区分に対応する前記周辺コストデータと、前記歩行路データが表す前記歩行路のつながり状態とに基づき探索する経路探索部と
を備える経路探索装置。
【請求項2】
コンピュータが経路探索を行う際に参照する電子地図データのデータ構造であって、
歩行路を表すリンクデータと該歩行路同士の結合点または端点を表すノードデータとによって現実の歩行路のつながり状態を表す歩行路データを記憶する歩行路データ記憶部と、
前記歩行路の周辺の状況に応じた安全性を表す周辺コストデータを、歩行者の性別および年齢のうち、少なくとも一つを考慮して類別した歩行者区分毎に前記各リンクデータに対応付けて記憶する周辺コストデータ記憶部とを備え、
前記歩行路データと前記周辺コストデータとは、前記コンピュータが、前記歩行路データ中における出発地から目的地までの経路を、ユーザから設定を受けた前記歩行者区分に対応する前記周辺コストデータと、前記歩行路データが表す前記歩行路のつながり状態とに基づき探索する際に用いられる
電子地図データのデータ構造。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ構造を有する電子地図データを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項4】
コンピュータが経路探索を行うためのコンピュータプログラムであって、
歩行路を表すリンクデータと該歩行路同士の結合点または端点を表すノードデータとによって現実の歩行路のつながり状態を表す歩行路データを記憶すると共に、前記歩行路の周辺の状況に応じた安全性を表す周辺コストデータを、歩行者の性別および年齢のうち、少なくとも一つを考慮して類別した歩行者区分毎に前記各リンクデータに対応付けて記憶した電子地図データを参照する機能と、
前記経路探索の条件として、出発地と目的地と前記歩行者区分に関する情報とを入力する機能と、
前記出発地から前記目的地までの経路を、前記入力された歩行者区分に対応する前記周辺コストデータと、前記歩行路データが表す前記歩行路のつながり状態とに基づき探索する機能と
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−41005(P2007−41005A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−250479(P2006−250479)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【分割の表示】特願2004−323523(P2004−323523)の分割
【原出願日】平成13年10月12日(2001.10.12)
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【分割の表示】特願2004−323523(P2004−323523)の分割
【原出願日】平成13年10月12日(2001.10.12)
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【Fターム(参考)】
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