説明

経路案内システム、携帯端末、およびサーバ装置

【課題】ユーザを目的地までより確実に案内することを可能にする。
【解決手段】携帯端末1は、自端末の残充電量を取得する残充電量取得部を備える。センタ2は自家用自動車のみを用いる場合の移動経路である自家用車経路と、公共交通機関と徒歩とを少なくとも含む複数の移動手段を用いる場合の移動経路であるマルチモーダル経路との両方を探索可能なものであり、携帯端末1の残充電量に応じて、センタ2で自家用車経路とマルチモーダル経路とのうちのいずれかの移動経路を選択して携帯端末1に送信し、選択した移動経路の経路案内を携帯端末1で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路案内システム、携帯端末、およびサーバ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
目的地までの経路案内を行うナビゲーション機能を備えた装置(以下、ナビゲーション装置)が知られている。また、近年では、ナビゲーション装置の電池残量に応じた情報をユーザに提示する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、目的地までの経路を走行するのに要する走行時間が、ナビゲーション装置の電池残量から計算されるナビゲーション装置の稼動時間を上回ると判断した場合に、ナビゲーション装置が経路案内中に停止するおそれがある旨を報知する技術が開示されている。
【0004】
また、近年では、ナビゲーション機能を備えた携帯電話機等の携帯端末がナビゲーション装置として用いられるようになってきている。携帯端末をナビゲーション装置として用いる場合には、携帯端末のメモリの使用量や処理負荷を抑えるために、目的地までの経路の探索は、携帯端末と通信可能なサーバ装置で行わせるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−42161号公報※特開2009−92428号公報は、音楽プレーヤーのバッテリ残量がもつまでの経路を案内する技術が開示されたものであり、今回の背景技術としては適当でなかったため省略させていただきました。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、ナビゲーション装置が経路案内中に停止するおそれがあることをユーザに認識させることは出来るものの、目的地に到達するまでに必要な電池残量が不足している場合には、目的地に到達する前にナビゲーション装置が停止し、経路案内を行うことが出来なくなってしまう。よって、ユーザを目的地まで確実に案内することが困難であるという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ユーザを目的地までより確実に案内することを可能にする経路案内システム、携帯端末、およびサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の経路案内システムにおいては、携帯端末は、自端末の残充電量を取得する残充電量取得部を備える。また、サーバ装置は、自家用自動車のみを用いる場合の移動経路である自家用車経路と、公共交通機関と徒歩とを少なくとも含む複数の移動手段を用いる場合の移動経路であるマルチモーダル経路との両方を探索可能なものである。そして、携帯端末の残充電量をもとに、サーバ装置で自家用車経路とマルチモーダル経路とのうちのいずれかの移動経路を選択し、選択した移動経路の経路案内を携帯端末で行うことになる。
【0009】
公共交通機関と徒歩とを少なくとも含む複数の移動手段を用いるマルチモーダル経路では、公共交通機関の利用中は経路案内が必要ないので、画面表示や音声出力や現在位置検出といった経路案内に用いる機能を停止させることが可能になる。上記経路案内に用いる機能を停止させると、その分だけ携帯端末の消費電力を抑えることが可能になる。また、上記マルチモーダル経路に含まれる公共交通機関では、ユーザが自分で運転を行ったり歩いたりして移動する必要がなく、経路案内が必要ない。よって、ユーザが画面表示や音声出力の機能を使用せず、その分だけ携帯端末の消費電力が抑えられることも考えられる。従って、マルチモーダル経路は、自家用車経路よりも携帯端末の消費電力を低く抑えることが可能な移動経路であって、携帯端末の使用可能時間をより長く保つことが可能な移動経路と言える。
【0010】
請求項1の構成によれば、携帯端末の残充電量をもとに、自家用車経路とマルチモーダル経路とのうちのいずれかの移動経路の経路案内を行うことになるので、自家用車経路で目的地に到達するまで携帯端末の残充電量がもたないと推定される場合に、マルチモーダル経路の経路案内を行うことも可能になる。マルチモーダル経路は、前述したように自家用車経路よりも携帯端末の消費電力を低く抑えることが可能な移動経路であるので、自家用車経路を利用する場合よりも携帯端末の使用可能時間を長く保ち、目的地まで経路案内を行うことができる可能性を高めることが可能になる。従って、請求項1の構成によれば、ユーザを目的地まで、より確実に案内することが可能になる。
【0011】
請求項1のようにする場合には、請求項2や請求項3のようにする態様としてもよい。例えば、請求項2のように、携帯端末は、残充電量取得部で取得した残充電量をサーバ装置に送信し、サーバ装置は、自家用車経路による出発地から目的地までの所要時間を算出する第1所要時間算出部と、携帯端末から受信した残充電量をもとに、自家用車経路による移動時における当該携帯端末の使用可能時間を推測する第1使用可能時間推測部と、第1使用可能時間推測部で推測した使用可能時間と第1所要時間算出部で算出した所要時間とをもとに、当該使用可能時間が当該所要時間未満か否かを判定する到達可否判定部とを備え、到達可否判定部で当該使用可能時間が当該所要時間未満と判定した場合には、マルチモーダル経路を選択する態様としてもよい。
【0012】
これによれば、携帯端末から受信した残充電量をもとに、自家用車経路による移動時における当該携帯端末の使用可能時間をサーバ装置側で推測するので、携帯端末側での処理の負荷を減らすことが可能となる。また、携帯端末側での処理の負荷を減らすことによって、携帯端末の消費電力をより抑えることが可能になる。
【0013】
また、請求項3のように、携帯端末は、残充電量取得部で取得した残充電量をもとに、自家用車経路による移動時における当該携帯端末の使用可能時間を推測する第1使用可能時間推測部をさらに備え、第1使用可能時間推測部で推測した使用可能時間を前記サーバ装置に送信し、サーバ装置は、自家用車経路による出発地から目的地までの所要時間を算出する第1所要時間算出部と、携帯端末から受信した使用可能時間と第1所要時間算出部で算出した所要時間とをもとに、当該使用可能時間が当該所要時間未満か否かを判定する到達可否判定部とを備え、到達可否判定部で当該使用可能時間が当該所要時間未満と判定した場合には、マルチモーダル経路を選択する態様としてもよい。
【0014】
これによれば、携帯端末の残充電量をもとに、自家用車経路による移動時における当該携帯端末の使用可能時間を携帯端末側で推測してサーバ装置に送信するので、サーバ装置側での処理の負荷を減らすことが可能となる。
【0015】
請求項4の構成においては、マルチモーダル経路の複数の候補を探索する複数候補探索部を備え、マルチモーダル経路を選択する場合に、携帯端末の残充電量の多寡に応じて、複数候補探索部で探索した複数の候補のうちからマルチモーダル経路を選択し、選択した当該マルチモーダル経路の経路案内を携帯端末で行うことになる。これによれば、携帯端末の残充電量の多寡に応じたマルチモーダル経路の経路案内を行うことが可能になる。
【0016】
例えば、携帯端末の残充電量が少ないほど、マルチモーダル経路の候補のうちから、公共交通機関を利用する時間の割合が高い候補をマルチモーダル経路として選択して経路案内することで、携帯端末の消費電力をさらに低く抑えることが可能になる。また、携帯端末の残充電量が所定量以上であった場合には、時間優先や料金優先といった探索条件に最も合致したマルチモーダル経路を選択する一方、携帯端末の残充電量が所定量未満であった場合には、公共交通機関を利用する時間の割合がなるべく高いマルチモーダル経路を選択して経路案内する構成としてもよい。これによれば、携帯端末の残充電量に余裕のある場合には、ユーザの利便性を優先させる一方、残充電量に余裕のない場合には、携帯端末の消費電力を低く抑えることを優先させることが可能になる。従って、ユーザを目的地まで、より確実に案内することを可能にしながら、ユーザにとっての利便性も向上することが可能になる。
【0017】
請求項1〜4の経路案内システムは、自家用車経路とマルチモーダル経路とのうちのいずれかの移動経路を選択するものであるのに対し、請求項5の経路案内システムは、マルチモーダル経路を選択することが前提となっているものである。請求項5の経路案内システムにおいては、携帯端末は、携帯端末の残充電量を取得する残充電量取得部を備える。また、サーバ装置は、マルチモーダル経路の複数の候補を探索する複数候補探索部を備える。そして、サーバ装置での移動経路の探索時に、携帯端末の残充電量の多寡に応じて、複数候補探索部で探索した複数の候補のうちからマルチモーダル経路を選択し、選択した当該マルチモーダル経路の経路案内を携帯端末で行うことになる。従って、ユーザを目的地まで、より確実に案内することを可能にしながら、ユーザにとっての利便性も向上することが可能になる。
【0018】
これによれば、マルチモーダル経路は、前述したように自家用車経路よりも携帯端末の消費電力を低く抑えることが可能な移動経路であるので、自家用車経路を利用する場合よりも携帯端末の使用可能時間を長く保ち、目的地まで経路案内を行うことができる可能性を高めることが可能になる。また、請求項5の構成によれば、携帯端末の残充電量の多寡に応じてマルチモーダル経路を選択して、経路案内を行うことが可能になる。例えば、携帯端末の残充電量が少ないほど、マルチモーダル経路の候補のうちから、公共交通機関を利用する時間の割合が高い候補をマルチモーダル経路として選択することで、携帯端末の消費電力をさらに低く抑えることが可能になる。また、携帯端末の残充電量に余裕があるが所定量以上であった場合には、時間優先や料金優先といった探索条件に最も合致したマルチモーダル経路を選択する一方、携帯端末の残充電量が所定量未満であった場合には、公共交通機関を利用する時間の割合がなるべく高いマルチモーダル経路を選択して経路案内する構成としてもよい。これによれば、携帯端末の残充電量に余裕のある場合には、ユーザの利便性を優先させる一方、残充電量に余裕のない場合には、携帯端末の消費電力を低く抑えることを優先させることが可能になる。
【0019】
請求項6の構成においては、携帯端末の残充電量と、複数候補探索部で探索したマルチモーダル経路の候補と、公共交通機関利用時における消費電力と、公共交通機関以外の移動手段の利用時における消費電力とをもとに、当該候補についての携帯端末の使用可能時間を推測する第2使用可能時間推測部を備える。また、当該候補についての出発地から目的地までの所要時間を算出する第2所要時間算出部と、第2使用可能時間推測部で推測した当該候補についての携帯端末の使用可能時間と第2所要時間算出部で算出した当該候補についての所要時間とをもとに、当該使用可能時間が当該所要時間以上か否かを判定する到達候補判定部とを備える。そして、当該使用可能時間が当該所要時間以上という条件以外で予め設定されている探索条件に最も合致した、到達候補判定部で当該使用可能時間が当該所要時間以上と判定された候補を、マルチモーダル経路として選択することになる。
【0020】
これによれば、携帯端末の残充電量に応じて、目的地まで携帯端末が使用可能となるマルチモーダル経路を選択することが可能になる。また、目的地まで携帯端末が使用可能となるマルチモーダル経路の候補のうちの、目的地まで携帯端末が使用可能となるという条件以外の探索条件に最も合致したマルチモーダル経路を選択することが可能になる。よって、当該探索条件により合致したマルチモーダル経路によってユーザを目的地まで確実に案内することが可能になる。例えば、当該探索条件が時間優先であった場合には、目的地までの到達時間がより短いマルチモーダル経路によってユーザを目的地まで確実に案内することが可能になる。他にも、当該探索条件が料金優先であった場合には、目的地までの交通料金がより安いマルチモーダル経路によってユーザを目的地まで確実に案内することが可能になる。よって、ユーザを目的地まで、より確実に案内することを可能にしながら、ユーザにとっての利便性も向上することが可能になる。
【0021】
請求項7の構成においては、携帯端末の残充電量をもとに、目的地に到達する前に携帯端末が使用可能でなくなる危険性が高くなったと経路案内中に危険性判定部で判定した場合に、携帯端末の使用を控える旨の提示を携帯端末で行うことになる。よって、目的地に到達する前に携帯端末が使用可能でなくなるほど残充電量が減少する前に、携帯端末の使用を控えるようユーザに促すことが可能になる。従って、ユーザを目的地まで、さらに確実に案内することが可能になる。
【0022】
請求項7のようにする場合には、請求項8のように、携帯端末の残充電量と、経路案内している移動経路での目的地までの所要時間とをもとに、目的地に到達するまで携帯端末を使用可能とするための単位時間あたりの残充電量の減少量の下限値を決定する下限値決定部をさらに備え、携帯端末の残充電量の単位時間あたりの減少量が、下限値決定部で決定した下限値を越えた場合に、目的地に到達する前に携帯端末が使用可能でなくなる危険性が高くなったと危険性判定部で判定する態様とすればよい。これによれば、携帯端末の残充電量の単位時間あたりの減少量が、目的地に到達するまで携帯端末を使用可能とするための単位時間あたりの残充電量の減少量の下限値を越えた場合に、目的地に到達する前に携帯端末が使用可能でなくなる危険性が高くなったと判定することができる。
【0023】
請求項9の構成においては、目的地に到達する前に携帯端末が使用可能でなくなる危険性が高くなったと危険性判定部で判定された場合であって、且つ、経路案内中の移動経路が自家用車経路であった場合に、マルチモーダル経路に切り換えるか否かを問い合わせる提示を携帯端末から行う。そして、マルチモーダル経路に切り換える旨の入力を携帯端末でユーザから受け付けた場合には、携帯端末の残充電量をもとに、サーバ装置でマルチモーダル経路の探索を行って、探索したマルチモーダル経路の経路案内を携帯端末で行うことになる。これによれば、自家用車経路での経路案内中に携帯端末の残充電量が急激に減少し、目的地に到達する前に携帯端末が使用可能でなくなる危険性が高い場合に、マルチモーダル経路の経路案内に切り換えることで、ユーザを目的地まで、より確実に案内することが可能になる。よって、携帯端末の残充電量の変化に応じて、常にユーザを目的地まで、より確実に案内することが可能になる。
【0024】
請求項10の構成においては、経路案内中に携帯端末の残充電量が所定時間で所定量以上増加した場合に、移動経路の再探索の要否を問い合わせる旨の提示を携帯端末で行う。そして、再探索を要求する旨の入力を再探索要求入力部でユーザから受け付けた場合には、携帯端末の残充電量をもとに、サーバ装置で移動経路の再探索を行って、再探索した移動経路の経路案内を携帯端末で行うことになる。これによれば、携帯端末の残充電量が所定時間で所定量以上増加した場合に、その残充電量に応じた、より適切な移動経路を再探索し、経路案内を行うことが可能になる。
【0025】
請求項11の構成においては、携帯端末は、マルチモーダル経路の経路案内時であって、ユーザが公共交通機関を利用中と公共交通機関利用判定部で判定している間は、消費電力を抑えるモードである第1省電力モードに切り換えることになる。これによれば、公共交通機関を利用中は携帯端末の消費電力を抑えることが可能になるので、マルチモーダル経路の経路案内時に、自家用車経路の経路案内時よりも携帯端末の消費電力をより確実に低く抑えることが可能になる。従って、請求項11の構成によれば、ユーザを目的地まで、さらに確実に案内することが可能になる。
【0026】
請求項11のようにする場合には、請求項12のように、少なくとも現在位置検出機能を断続的に起動することによって消費電力を抑えるモードを第1省電力モードとする態様としてもよいし、請求項14のように、少なくとも現在位置検出機能を、停止させることによって消費電力を抑えるモードを第1省電力モードとする態様としてもよい。
【0027】
請求項12のようにする場合には、請求項13のように、公共交通機関利用判定部は、現在位置検出機能によって検出する現在位置と、経路案内中のマルチモーダル経路とをもとに、当該現在位置が当該マルチモーダル経路上の公共交通機関経路に位置するか否かに応じて、ユーザが公共交通機関を利用中か否かを判定する態様とすればよい。これによれば、断続的に起動する位置検出機能によって検出する現在位置に応じて、ユーザが公共交通機関を利用中か否かを自動的に判定し、第1省電力モードの実行の有無を切り換えることになる。よって、ユーザが手動で操作を行わなくても自動的に第1省電力モードの実行の有無を切り換えることができ、ユーザにとっての利便性を向上することができる。
【0028】
また、請求項14のようにする場合には、第1省電力モードへの切り替え後は位置検出機能が利用できなくなる。よって、請求項15のように、公共交通機関利用判定部は、現在位置検出機能によって検出する現在位置と、経路案内中のマルチモーダル経路とをもとに、当該現在位置が当該マルチモーダル経路上の公共交通機関に位置した場合に、ユーザの公共交通機関の利用開始を検出する一方、公共交通機関利用終了入力部でユーザからの入力を受け付けたことをもとに、ユーザの公共交通機関の利用終了を検出することで、ユーザが公共交通機関を利用中か否かを判定する態様とすればよい。これによれば、公共交通機関利用終了入力部でユーザからの入力を受け付けたことをもとに、ユーザの公共交通機関の利用終了を検出するので、公共交通機関の利用開始の検出から終了の検出まで現在位置検出機能を停止させ続けることが可能になる。従って、断続的に位置検出機能を起動させる構成に比べ、消費電力をさらに抑えることが可能になる。
【0029】
請求項16の構成においては、公共交通機関利用判定部は、現在位置検出機能によって検出する現在位置が公共交通機関同士を連絡する通路上に位置する場合には、ユーザが公共交通機関を利用中でないと判定することになる。これによれば、公共交通機関同士を連絡する通路上に位置する場合には、ユーザが公共交通機関を利用中でないと判定するので、公共交通機関同士を連絡する通路上では第1省電力モードに切り替えられず、現在位置検出機能によって検出する現在位置を用いた経路案内をユーザが受けることができる。従って、公共交通機関の乗り換えの際の移動時に、現在位置検出機能によって検出する現在位置を用いた経路案内を受けることが可能になり、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0030】
請求項17の構成においては、携帯端末は、移動経路の経路案内の要否を示す旨の入力をユーザが行う中断要否入力部を備え、中断要否入力部で移動経路の経路案内を不要とする旨の入力が行われてから移動経路の経路案内を必要とする旨の入力が行われるまで、携帯端末の消費電力を抑えるモードである第2省電力モードに切り換えることになる。
【0031】
これによれば、移動経路の経路案内がユーザにとって不要な場合に、ユーザの意思に応じて、携帯端末の消費電力を抑えるモードに切り換えることが可能になる。例えば、第2省電力モードの実行時に、画面表示や音声出力や現在位置検出といった経路案内に用いる機能が停止される構成とした場合に、ユーザにとって経路案内が必要のない経路上では第2省電力モードに切り換えることで、ユーザを目的地までより確実に案内する効果は確保しつつ、消費電力をさらに抑えることが可能になる。
【0032】
請求項18の携帯端末によれば、携帯端末の残充電量をもとに、自家用車経路とマルチモーダル経路とのうちのいずれかの移動経路の経路案内を行うことになる。よって、自家用車経路で目的地に到達するまで携帯端末の残充電量がもたないとサーバ装置で推定されてマルチモーダル経路が選択された場合に、そのマルチモーダル経路の経路案内を行うことが可能になる。マルチモーダル経路は、前述したように自家用車経路よりも携帯端末の消費電力を低く抑えることが可能な移動経路であるので、自家用車経路を利用する場合よりも携帯端末の使用可能時間を長く保ち、目的地まで経路案内を行うことができる可能性を高めることが可能になる。従って、ユーザを目的地まで、より確実に案内することが可能になる。
【0033】
請求項19の携帯端末によれば、携帯端末の残充電量をもとに推測した当該携帯端末の使用可能時間をもとに、自家用車経路とマルチモーダル経路とのうちのいずれかの移動経路の経路案内を行うことになる。よって、自家用車経路で目的地に到達するまで携帯端末の残充電量がもたないとサーバ装置で推定されてマルチモーダル経路が選択された場合に、そのマルチモーダル経路の経路案内を行うことが可能になる。前述したように自家用車経路よりも携帯端末の消費電力を低く抑えることが可能な移動経路であるので、自家用車経路を利用する場合よりも携帯端末の使用可能時間を長く保ち、目的地まで経路案内を行うことができる可能性を高めることが可能になる。従って、ユーザを目的地まで、より確実に案内することが可能になる。
【0034】
請求項20の携帯端末によれば、携帯端末の残充電量の多寡に応じてサーバ装置で選択されたマルチモーダル経路の経路案内を行うことが可能になる。よって、携帯端末の残充電量が少ないほど、マルチモーダル経路の候補のうちから、公共交通機関を利用する時間の割合が高いマルチモーダル経路が選択された場合に、そのマルチモーダル経路の経路案内を行うことになる。従って、請求項4および5の構成と同様に、携帯端末の残充電量に余裕のある場合には、ユーザの利便性を優先させる一方、残充電量に余裕のない場合には、携帯端末の消費電力を低く抑えることを優先させることが可能になる。従って、ユーザを目的地まで、より確実に案内することを可能にしながら、ユーザにとっての利便性も向上することが可能になる。
【0035】
請求項21の構成によれば、目的地に到達する前に携帯端末が使用可能でなくなる危険性が高くなったと経路案内中に危険性判定部で判定した場合に、携帯端末の使用を控える旨の提示を行うので、目的地に到達する前に携帯端末が使用可能でなくなるほど残充電量が減少する前に、携帯端末の使用を控えるようユーザに促すことが可能になる。これによって、ユーザを目的地まで、さらに確実に案内することが可能になる。
【0036】
請求項22の構成によれば、公共交通機関を利用中は携帯端末の消費電力を抑えることが可能になるので、マルチモーダル経路の経路案内時に、自家用車経路の経路案内時よりも携帯端末の消費電力をより確実に低く抑えることが可能になる。従って、ユーザを目的地まで、さらに確実に案内することが可能になる。
【0037】
請求項23の構成によれば、移動経路の経路案内がユーザにとって不要な場合に、ユーザの意思に応じて、携帯端末の消費電力を抑えるモードに切り換えることが可能になる。例えば、第2省電力モードの実行時に、画面表示や音声出力や現在位置検出といった経路案内に用いる機能が停止される構成とした場合に、ユーザにとって経路案内が必要のない経路上では第2省電力モードに切り換えることで、ユーザを目的地までより確実に案内する効果は確保しつつ、消費電力をさらに抑えることが可能になる。
【0038】
請求項24のサーバ装置によれば、携帯端末の残充電量をもとに、自家用車経路とマルチモーダル経路とのうちのいずれかの移動経路を探索し、探索した移動経路を携帯端末に送信することになる。よって、自家用車経路で目的地に到達するまで携帯端末の残充電量がもたないと推定される場合に、マルチモーダル経路を選択して携帯端末に送信することも可能になる。マルチモーダル経路は、前述したように自家用車経路よりも携帯端末の消費電力を低く抑えることが可能な移動経路である。よって、送信したマルチモーダル経路の経路案内が携帯端末で行われることで、自家用車経路を利用する場合よりも携帯端末の使用可能時間を長く保ち、目的地まで経路案内を行うことができる可能性を高めることが可能になる。従って、ユーザを目的地まで、より確実に案内することが可能になる。
【0039】
請求項25のサーバ装置によれば、携帯端末の残充電量をもとに携帯端末で推測された当該携帯端末の使用可能時間をもとに、自家用車経路とマルチモーダル経路とのうちのいずれかの移動経路を探索し、探索した移動経路を携帯端末に送信することになる。よって、自家用車経路で目的地に到達するまで携帯端末の残充電量がもたないと推定される場合に、マルチモーダル経路を選択して携帯端末に送信することも可能になる。従って、以上の構成でも、ユーザを目的地まで、より確実に案内することが可能になる。
【0040】
請求項26および27の構成によれば、携帯端末の残充電量の多寡に応じたマルチモーダル経路を複数の候補のうちから選択し、携帯端末に送信することになる。よって、携帯端末の残充電量が少ないほど、マルチモーダル経路の候補のうちから、公共交通機関を利用する時間の割合が高い候補をマルチモーダル経路として選択することも可能になる。マルチモーダル経路の候補のうち、公共交通機関を利用する時間の割合が高いマルチモーダル経路ほど、携帯端末の消費電力を低く抑えることが可能な移動経路である。よって、請求項4および5の構成と同様に、携帯端末の残充電量に余裕のある場合には、ユーザの利便性を優先させる一方、残充電量に余裕のない場合には、携帯端末の消費電力を低く抑えることを優先させることが可能になる。従って、ユーザを目的地まで、より確実に案内することを可能にしながら、ユーザにとっての利便性も向上することが可能になる。
【0041】
請求項28の構成によれば、携帯端末の残充電量に応じて、目的地まで携帯端末が使用可能となるマルチモーダル経路を選択することが可能になる、また、目的地まで携帯端末が使用可能となるマルチモーダル経路の候補のうちの、目的地まで携帯端末が使用可能という条件以外の予め設定された探索条件に最も合致したマルチモーダル経路を選択することが可能になる。よって、当該探索条件により合致したマルチモーダル経路によって、ユーザを目的地まで確実に案内することが可能になる。従って、ユーザを目的地まで、より確実に案内することを可能にしながら、ユーザにとっての利便性も向上することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】経路案内システム100の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】携帯端末1の概略的な構成を示すブロック図である。
【図3】経路探索センタ2の概略的な構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態1における経路案内システム100での携帯端末1の残充電量に応じた経路案内に関連する処理のフローを示すフローチャートである。
【図5】携帯側制御部16でのマルチモーダル経路案内処理のフローの一例を示すフローチャートである。
【図6】(a)はマルチモーダル経路の経路案内の表示の一例を示す模式図であり、(b)は自家用車経路の経路案内の表示の一例を示す模式図である。
【図7】実施形態1における経路案内システム100での携帯端末1の残充電量に応じた経路案内に関連する処理のフローを示すフローチャートである。
【図8】(a)は探索条件に最も合致したマルチモーダル経路の経路案内の表示の一例を示す模式図であり、(b)は目的地の間近までなるべく公共共通機関を利用するマルチモーダル経路の経路案内の表示の一例を示す模式図である。
【図9】実施形態3における携帯端末1の残充電量の急激な減少に応じた処理のフローの一例を示すフローチャートである。
【図10】(a)は携帯端末1の使用を控える旨のメッセージの表示の一例を示す模式図であり、(b)はマルチモーダル経路に切り換えるか否かを問い合わせる表示の一例を示す模式図であり、(c)は再探索の要否を問い合わせる表示の一例を示す模式図である。
【図11】実施形態3における携帯端末1の残充電量の増加に応じた処理のフローの一例を示すフローチャートである。
【図12】実施形態4における携帯端末1の省電力モードの手動での切り換えに関連する処理のフローを示すフローチャートである。
【図13】経路案内の要否に応じた経路案内の有無の切り替えを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0044】
(実施形態1)
まず、実施形態1における経路案内システムについて説明を行う。図1は、本発明が適用された経路案内システム100の概略的な構成を示すブロック図である。図1に示す経路案内システム100は、携帯端末1、および経路探索センタ2を含んでいる。経路案内システム100は、携帯端末1の残充電量に応じて、自家用車経路およびマルチモーダル経路のうちのいずれか一方の移動経路を用いて出発地から目的地までの経路案内を行うものである。
【0045】
自家用車経路とは、自家用自動車のみを用いる場合の出発地から目的地まで到達できる移動経路であるものとする。自家用車経路としては、距離優先、時間優先等の予め設定された探索条件を考慮して探索された推奨経路を用いる構成とすればよい。また、ここで言うところの自家用自動車とは、旅客や貨物を運送して料金を受け取り、商業的な行為をする運輸営業用自動車以外の自動車を指しているものとする。自家用自動車には、3輪以上の自動車に限らず、自動二輪車も含まれるものとする。また、自家用自動車には、個人が所有する乗用車、官公庁の公用車、会社の営業車・社用車が含まれるものとする。
【0046】
一方、マルチモーダル経路とは、公共交通機関を少なくとも含む複数の移動手段を用いる場合の出発地から目的地まで到達できる移動経路であるものとする。マルチモーダル経路における移動手段としては、公共交通機関の他に、例えば自家用自動車、徒歩などがある。また、公共交通機関としては、鉄道、バス、タクシー、飛行機、船などを挙げることができるが、本実施形態では、公共交通機関からタクシーを除く場合を例に挙げて説明を行う。なお、複数の移動手段としては、異なる鉄道会社の電車や、同じ鉄道会社の複数の路線を走行する電車なども含まれる。
【0047】
携帯端末1は、ユーザに携行される多機能携帯電話機であって、一般的な多機能携帯電話機と同様に、外部機器との通信機能、メール機能、通話機能、インターネット接続機能(Web接続機能)、音楽プレーヤー機能、ピクチャビューア機能、動画像再生機能、GPS機能、ゲーム機能など様々な機能を有しているものである。
【0048】
本実施形態では、携帯端末1として多機能携帯電話機を用いる場合を例に挙げて説明を行うが、必ずしもこれに限らない。携帯端末1としては、少なくとも外部機器との通信機能やGPS機能を有しているものであれば他のものを用いる構成としてもよい。例えば、PDA(Personal Digital Assistants)やタブレット型コンピュータ等を用いる構成としてもよい。
【0049】
ここで、図2を用いて、携帯端末1の概略的な構成について説明を行う。なお、便宜上、一般的な多機能携帯電話機が有している機能に関する構成のうち、本発明の説明に不要なものについては説明を省略する。図2は、携帯端末1の概略的な構成を示すブロック図である。図2に示すように携帯端末1は、携帯側通信部11、現在位置検出部12、表示部13、音声出力部14、操作スイッチ部15、および携帯側制御部16を備えている。
【0050】
携帯側通信部11は、携帯側制御部16の指示に基づいて、携帯電話網やインターネット等の通信網を介して、経路探索センタ2との間で通信を行う。例えば、携帯側通信部11は、ユーザによる操作スイッチ部15の操作に基づいて携帯側制御部16から指示を受けると、出発地、目的地、残充電量、端末種別等の各種データを経路探索センタ2に送信する。また、携帯側通信部11は、経路探索センタ2から送信された自家用車経路やマルチモーダル経路といった移動経路のデータなどを受信し、これらのデータを携帯側制御部16に出力する。
【0051】
ここで言うところの残充電量のデータは、携帯端末1の充電池の残充電量のデータであるものとする。端末種別のデータは、携帯端末1の機種を特定するためのデータであるものとする。
【0052】
現在位置検出部12は、人工衛星からの電波に基づいて携帯端末1の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機121、携帯端末1の加速度を検出する加速度センサ122、携帯端末1の鉛直方向周りの角速度を検出するジャイロスコープ123を有しており、定期的に携帯端末1の現在位置の検出を行う。携帯端末1のGPS機能では、現在位置検出部12で検出した現在位置を、携帯端末1の現在位置として特定している。なお、GPS機能が請求項の現在位置検出機能に相当する。
【0053】
表示部13は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを用いて構成することができる。音声出力部14は、スピーカ等から構成され、携帯側制御部16の指示に基づいて、経路案内時の案内音声等を出力する。
【0054】
操作スイッチ部15は、例えば表示部13と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により携帯側制御部16へ各種の操作指示を行う。また、操作スイッチ部15は、出発地および目的地を設定するためのスイッチを含んでいる。そして、そのスイッチを操作することによって、携帯端末1のユーザは、予め登録しておいた地点、施設名、電話番号、住所などから目的地を選択したりすることができる。
【0055】
携帯側制御部16は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROMやRAMやEEPROMなどのメモリ、I/O、およびこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)などが備えられている。携帯側制御部16は、携帯側通信部11、現在位置検出部12、操作スイッチ部15から入力された各種情報に基づき、ナビゲーション機能としての処理(例えば、地図縮尺変更処理、出発地設定処理、目的地設定処理、経路探索要求処理、経路案内処理、表示画面変更処理、音量調整処理等)や省電力モードへの切り換えに関連する処理等を実行する。
【0056】
図1に戻って、経路探索センタ2は、サーバ装置から構成されており、携帯電話網やネットワーク等の通信網を介して携帯端末1から送信されてくる出発地、目的地、残充電量、端末種別等の各種データをもとに、自家用車経路やマルチモーダル経路といった移動経路を探索し、探索した移動経路を携帯端末1に返信する。なお、経路探索センタ2は、1つのサーバ装置からなるものであってもよいし、複数のサーバ装置からなっているものであってもよい。経路探索センタ2が請求項のサーバ装置に相当する。
【0057】
ここで、図3を用いて経路探索センタ2の概略的な構成について説明を行う。図3は、経路探索センタ2の概略的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、経路探索センタ2は、センタ側通信部21、地図データベース(DB)22、交通情報DB23、公共交通機関情報DB24、駐車場情報DB25、およびセンタ側制御部26を備えている。
【0058】
センタ側通信部21は、センタ側制御部26の指示に基づいて、携帯電話網やインターネット等の通信網を介して、携帯端末1との間で通信を行う。例えば、センタ側通信部21は、携帯端末1から送信されてくる出発地、目的地、残充電量、端末種別等の各種データを受信してセンタ側制御部26に出力する。また、センタ側通信部21は、センタ側制御部26の指示に基づいて、センタ側制御部26で探索した自家用車経路やマルチモーダル経路といった移動経路のデータを携帯端末1に送信する。
【0059】
地図DB22は、地図データ、各種施設や店舗等の施設POI(Points Of Interest)データ、道路地図を描画するための描画データ等の各種データを格納している。地図データには、道路を示すリンクデータとノードデータとが含まれる。なお、リンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割したときのノード間を結ぶものであり、各リンクを接続することにより道路が構成される。
【0060】
リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端および終端ノード座標(緯度・経度)、リンク旅行時間、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、右折・左折専用車線の有無とその専用車線の数、および制限速度等の各データから構成される。なお、リンク旅行時間としては、自動車で移動した場合のリンク旅行時間と徒歩で移動した場合のリンク旅行時間との両方が含まれている構成とすればよい。ノードデータは、地図上のノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、および交差点種類等の各データから構成される。
【0061】
交通情報DB23は、各道路と、各道路の渋滞度や交通規制やリンク旅行時間などの交通情報とが関連付けて格納されている。また、これらの交通情報は、所定時間毎に更新されるものである。また、これらの渋滞情報は、例えば、VICS(登録商標)センターから取得したり、プローブカー(フローティングカー)から取得した情報に基づいて生成したりすることができる。
【0062】
公共交通機関情報DB24は、公共交通機関における各交通機関と、各交通機関の運行情報とが関連付けて記憶されている。この運行情報は、各交通機関における時刻情報(出発時刻情報、到着時刻情報)や、運行遅延や運休などに関する情報などを含むものである。なお、各交通機関の時刻情報は、各交通機関から更新(例えばダイヤ改正)があったタイミングで取得することができる。また、各交通機関の運行遅延や運休などに関する情報は、各交通機関から所定時間毎、または運行遅延や運休が発生したタイミングで取得することができる。
【0063】
駐車場情報DB25は、各駐車場と、各駐車場の駐車場情報(例えば、満車か空車かの状況など)とが関連付けて記憶されている。なお、各駐車場の駐車場情報は、各駐車場から所定時間毎に取得することができる。
【0064】
センタ側制御部26は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROMやRAMやEEPROMなどのメモリ、I/O、およびこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)などが備えられている。センタ側制御部26は、センタ側通信部21、地図DB22、交通情報DB23、公共交通機関情報DB24、駐車場情報DB25から入力された各種情報に基づき、経路探索に関連する処理等を実行する。
【0065】
次に、図4を用いて、実施形態1における経路案内システム100での携帯端末1の残充電量に応じた経路案内に関連する処理についての説明を行う。図4は、実施形態1における経路案内システム100での携帯端末1の残充電量に応じた経路案内に関連する処理のフローを示すフローチャートである。本フローは、ユーザによって携帯端末1の操作スイッチ部15に出発地および目的地を設定する操作入力が行われたときに開始される。
【0066】
まず、ステップS1では、携帯側制御部16が目的地設定処理を行い、ステップS2に移る。目的地設定処理では、操作スイッチ部15の操作によって選択された目的地を目的地として設定する。出発地については、現在位置検出部12で検出された、目的地の設定を行った時点での携帯端末1の現在位置を出発地として自動的に設定する構成とすればよい。
【0067】
ステップS2では、マルチモーダル経路案内可否判定処理を行う。マルチモーダル経路案内可否判定処理では、マルチモーダル経路の経路案内を行ってもよいか否か(つまり、マルチモーダル経路の可否)を携帯側制御部16で判定する。マルチモーダル経路の可否は、操作スイッチ部15を介して携帯側制御部16が受け付けた、マルチモーダル経路の可否を選択する旨のユーザからの入力に応じて判定する構成とすればよい。携帯側制御部16は、表示部13にマルチモーダル経路の可否を問い合わせる表示を行わせることで、マルチモーダル経路の可否を選択する旨のユーザからの入力を促す構成としてもよい。
【0068】
そして、マルチモーダル経路の経路案内を行ってもよい(つまり、マルチモーダル経路可)と判定した場合(ステップS2でYES)には、ステップS3に移る。また、マルチモーダル経路の経路案内を行ってはいけない(つまり、マルチモーダル経路不可)と判定した場合(ステップS2でNO)には、ステップS13に移る。
【0069】
ステップS3では、残充電量考慮経路探索要求処理を行って、ステップS4に移る。残充電量考慮経路探索要求処理では、ステップS1で設定した出発地および目的地のデータ、携帯端末1の残充電量のデータ、携帯端末1の端末種別のデータを含む経路探索要求を携帯側制御部16が作成し、携帯側通信部11から経路探索センタ2に送信する。携帯端末1の残充電量のデータは、携帯側制御部16が携帯端末の充電池のSOC(state of charge)をモニタすることで得る構成とすればよい。よって、携帯側制御部16が請求項の残充電量取得部に相当する。携帯端末1の端末種別のデータは、携帯側制御部16のROM等の不揮発性メモリに記憶されているものを読み出すことで得る構成とすればよい。なお、経路探索センタ2において要求元の携帯端末1を識別する必要があるため、端末IDや電子メールアドレス等の携帯端末1を特定するための識別用のデータが経路探索要求に付加されて送信されるものとする。
【0070】
ステップS4では、ステップS3で送信された経路探索要求を経路探索センタ2のセンタ側通信部21が受信して、センタ側制御部26に出力し、ステップS5に移る。ステップS5では、センタ側制御部26が第1使用可能時間推測処理を行い、ステップS6に移る。第1使用可能時間推測処理では、経路探索要求に含まれていた残充電量のデータと端末種別のデータとをもとに、自家用車経路による移動時における携帯端末1の使用可能時間を推測する。よって、センタ側制御部26が請求項の第1使用可能時間推測部に相当する。
【0071】
第1使用可能時間推測処理の一例について以下で説明を行う。センタ側制御部26のEEPROM等の電子的に書き換え可能な不揮発性メモリには、端末種別ごとに、自家用車経路による移動時における消費電力が対応付けられたテーブルが予め格納されているものとする。自家用車経路による移動時における消費電力は、例えば実験によって実際に測定した値を格納する構成としてもよいし、自家用車の利用中に携帯端末1で使用される機能を考慮して推定した値を格納する構成としてもよい。
【0072】
センタ側制御部26は、経路探索要求に含まれていた端末種別のデータをもとに、上記テーブルを参照し、携帯端末1の端末種別に応じた消費電力を得る。そして、この消費電力のデータと経路探索要求に含まれていた残充電量のデータとをもとに、携帯端末1が使用不可能となる残充電量に達するまでの時間を算出することで、携帯端末1の使用可能時間を推測する。ここで言うところの使用不可能とは、携帯端末1の残充電量不足で携帯端末1の電源がオフになった状況を指している。
【0073】
ステップS6では、センタ側制御部26が自家用車経路探索処理を行い、ステップS7に移る。自家用車経路探索処理では、地図DB22に格納されたデータを用いて、経路探索要求に含まれていた出発地から目的地までの自家用車経路を探索する。自家用車経路としては、前述したように、距離優先、時間優先等の予め設定された自家用車経路の探索条件(以下、自家用車探索条件)を考慮して探索を行う構成とすればよい。操作スイッチ部15を介して携帯端末1側でユーザから入力された自家用車探索条件を経路探索要求に含めて経路探索センタ2に送信することで、ユーザの所望する自家用車探索条件がセンタ側制御部26で予め設定される構成とすればよい。また、自家用車経路の探索は、交通情報DB23に格納されたデータを考慮して行ってもよい。具体的には、リンク旅行時間として、交通情報DB23に格納されたリンク旅行時間を採用したり、渋滞度が高い道路や交通規制のある道路を避けるように経路を探索したりする構成としてもよい。
【0074】
ステップS7では、センタ側制御部26が第1所要時間算出処理を行い、ステップS8に移る。第1所要時間算出処理では、自家用車経路探索処理で探索した自家用車経路による出発地から目的地までの所要時間を算出する。よって、センタ側制御部26が請求項の第1所要時間算出部に相当する。例えば、自家用車経路探索処理で探索した自家用車経路中の各リンクのリンク旅行時間(自動車で移動した場合のリンク旅行時間)を合算することで算出する構成とすればよい。
【0075】
本実施形態では、第1使用可能時間推測処理の後に自家用車経路探索処理を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、第1使用可能時間推測処理と自家用車経路探索処理を並行して行う構成としてもよいし、自家用車経路探索処理の後に第1使用可能時間推測処理を行う構成としてもよい。
【0076】
ステップS8では、自家用車経路探索処理で探索した自家用車経路によって、携帯端末1の使用可能時間内に目的地に到達可能か否かをセンタ側制御部26が判定する。目的地に到達可能か否かは、第1使用可能時間推測処理で推測した使用可能時間が第1所要時間算出部で算出した所要時間未満か否かに応じて判定する。よって、センタ側制御部26が請求項の到達可否判定部に相当する。そして、当該使用可能時間が当該所要時間未満の場合には、目的地に到達可能でない(ステップS8でNO)と判定して、ステップS9に移る。また、当該使用可能時間が当該所要時間以上の場合には、目的地に到達可能(ステップS8でYES)と判定して、ステップS16に移る。
【0077】
ステップS9では、センタ側制御部26が残充電量考慮マルチモーダル経路探索処理を行い、ステップS10に移る。残充電量考慮マルチモーダル経路探索処理では、地図DB22、公共交通機関情報DB24、駐車場情報DB25の各DBに格納されているデータを用い、時間優先、料金優先、乗り換え回数優先等の予め設定されたマルチモーダル経路の探索条件(以下、マルチモーダル探索条件)を考慮して、経路探索要求に含まれていた出発地から目的地までのマルチモーダル経路を探索する。操作スイッチ部15を介して携帯端末1側でユーザから入力されたマルチモーダル探索条件を経路探索要求に含めて経路探索センタ2に送信することで、ユーザの所望するマルチモーダル探索条件がセンタ側制御部26で予め設定される構成とすればよい。
【0078】
センタ側制御部26がマルチモーダル経路を探索する場合、周知のマルチモーダル経路の探索と同様にして、利用する交通機関、乗車駅(またはバス停や空港や港)の近くの空きがある駐車場、出発地から当該駐車場までの経路、当該駐車場から乗車駅(またはバス停や空港や港)までの経路、降車駅(またはバス停や空港や港)から目的地までの経路など、出発地から目的地までの経路を総合的に探索する。
【0079】
また、センタ側制御部26がマルチモーダル経路を探索する場合、マルチモーダル探索条件により合致するものから順番に所定個(例えば5つ)のマルチモーダル経路の候補を探索する。よって、センタ側制御部26が請求項の複数候補探索部に相当する。ここで言うところの所定個とは、任意に設定可能な個数であるものとする。また、マルチモーダル探索条件により合致するものから順番に所定個のマルチモーダル経路の候補を探索する構成に限らなくてもよい。例えば、マルチモーダル探索条件とは別の固定された条件により合致するものから順番に所定個のマルチモーダル経路の候補を探索する構成としてもよい。
【0080】
残充電量考慮マルチモーダル経路探索処理では、マルチモーダル探索条件により合致するマルチモーダル経路の候補から順番に以下の処理を行う。まず、経路探索要求に含まれていた残充電量のデータと、マルチモーダル経路の候補のデータと、公共交通機関利用時における携帯端末1の消費電力と、公共交通機関以外の移動手段の利用時における携帯端末1の消費電力とをもとに、当該候補を利用した場合の携帯端末1の使用可能時間を推測する第2使用可能時間推測処理を行う。よって、センタ側制御部26が請求項の第2使用可能時間推測部に相当する。
【0081】
第2使用可能時間推測処理の一例について以下で説明を行う。センタ側制御部26のEEPROM等の電子的に書き換え可能な不揮発性メモリには、端末種別ごとに、公共交通機関利用時における消費電力(以下、公共交通機関利用時消費電力)と、公共交通機関以外の移動手段の利用時における消費電力(以下、非公共交通機関利用時消費電力)とが対応付けられたテーブルが予め格納されているものとする。公共交通機関利用時消費電力および非公共交通機関利用時消費電力は、例えば実験によって実際に測定した値を格納する構成としてもよいし、公共交通機関利用時や公共交通機関以外の移動手段の利用時に携帯端末1で使用される機能を考慮して推定した値を格納する構成としてもよい。
【0082】
センタ側制御部26は、経路探索要求に含まれていた端末種別のデータをもとに、上記テーブルを参照し、携帯端末1の端末種別に応じた公共交通機関利用時消費電力および非公共交通機関利用時消費電力を得ることで、これら消費電力を推測する。よって、センタ側制御部26が請求項の公共交通機関利用時消費電力推測部および非公共交通機関利用時消費電力推測部に相当する。
【0083】
なお、端末種別ごとに、公共交通機関利用時における消費電力の代わりに、公共交通機関利用時の公共交通機関以外の移動手段の利用時に対するおける消費電力のカット率が対応付けられている構成としてもよい。この場合には、非公共交通機関利用時消費電力と上記カット率とから、公共交通機関利用時消費電力を推測する構成とすればよい。
【0084】
センタ側制御部26は、マルチモーダル経路の候補のデータをもとに、当該候補の経路上の公共交通機関の利用時間や公共交通機関以外の移動手段のリンク旅行時間を得る。公共交通機関の利用時間は、出発時刻と到着時刻とから求める構成とすればよい。そして、センタ側制御部26は、この公共交通機関利用時消費電力および非公共交通機関利用時消費電力のデータ、当該候補の経路上の公共交通機関の利用時間や公共交通機関以外の移動手段のリンク旅行時間、経路探索要求に含まれていた残充電量のデータをもとに、携帯端末1が使用不可能となる残充電量に達するまでの時間を算出することで、当該候補を利用した場合の携帯端末1の使用可能時間を推測する。
【0085】
また、センタ側制御部26は、当該候補についての出発地から目的地までの所要時間を算出する第2所要時間算出処理を行う。例えば第2所要時間算出処理では、当該候補の経路上の公共交通機関の出発時刻および到着時刻、当該公共交通機関の利用時間、公共交通機関以外の移動手段のリンク旅行時間をもとに、当該候補についての出発地から目的地までの所要時間を算出する。よって、センタ側制御部26が請求項の第2所要時間算出部に相当する。
【0086】
そして、センタ側制御部26は、第2使用可能時間推測処理で推測した使用可能時間と第2所要時間算出処理で算出した所要時間とをもとに、当該使用可能時間が当該所要時間以上か否かを判定する。よって、センタ側制御部26が請求項の到達候補判定部に相当する。そして、当該使用可能時間が当該所要時間以上と判定した場合には、当該候補を、携帯端末1の使用可能時間内に目的地に到達可能なマルチモーダル経路として選択する。
【0087】
また、当該使用可能時間が当該所要時間以上と判定しなかった場合には、当該候補の次にマルチモーダル探索条件により合致する候補について、上述したのと同様の処理を繰り返す。この次の候補についても、使用可能時間が所要時間以上と判定しなかった場合には、さらに次の候補についても、上述したのと同様の処理を繰り返す。そして、全ての候補について、使用可能時間が所要時間以上と判定されなかった場合には、マルチモーダル探索条件に最も合致する候補をマルチモーダル経路として選択する。
【0088】
本実施形態では、マルチモーダル探索条件により合致する候補から順番に処理を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、全ての候補について携帯端末1の使用可能時間と所要時間とを求め、使用可能時間が所要時間以上となる候補を判定し、候補が複数存在した場合には、その候補のうちでマルチモーダル探索条件により合致する候補をマルチモーダル経路として選択する構成としてもよい。
【0089】
ステップS10では、携帯端末1の使用可能時間内に目的地に到達可能なマルチモーダル経路が残充電量考慮マルチモーダル経路探索処理で選択された場合(ステップS10でYES)には、ステップS11に移る。また、携帯端末1の使用可能時間内に目的地に到達可能なマルチモーダル経路が残充電量考慮マルチモーダル経路探索処理で選択されなかった場合(ステップS10でNO)には、ステップS12に移る。
【0090】
ステップS11では、センタ側制御部26が到達可能時データ送信処理を行って、ステップS17に移る。到達可能時データ送信処理では、残充電量考慮マルチモーダル経路探索処理で探索したマルチモーダル経路のデータを、センタ側制御部26がセンタ側通信部21から携帯端末1に送信させる。また、センタ側制御部26は、マルチモーダル経路のデータに、音声案内のデータや当該マルチモーダル経路周辺の地図データや描画データや公共交通機関の運行情報も付加して携帯端末1に送信させる。
【0091】
ステップS12では、センタ側制御部26が到達不能時データ送信処理を行って、ステップS18に移る。到達不能時データ送信処理では、残充電量考慮マルチモーダル経路探索処理で選択された、マルチモーダル探索条件に最も合致する候補のマルチモーダル経路のデータを、センタ側制御部26がセンタ側通信部21から携帯端末1に送信させる。また、センタ側制御部26は、携帯端末1の使用可能時間内に目的地に到達可能なマルチモーダル経路が探索されなかったことを示す旨のデータ(以下、使用可能時間内到達不可データ)も携帯端末1に送信させる。さらに、センタ側制御部26は、マルチモーダル経路のデータに、音声案内のデータや当該マルチモーダル経路周辺の地図データや描画データも付加して携帯端末1に送信させる。
【0092】
ステップS2でマルチモーダル経路の経路案内を行ってはいけないと判定した場合に行われるステップS13では、通常経路探索要求処理を行って、ステップS14に移る。通常経路探索要求処理では、ステップS1で設定した出発地および目的地のデータを含む経路探索要求を携帯側制御部16が作成し、携帯側通信部11から経路探索センタ2に送信する。なお、経路探索センタ2において要求元の携帯端末1を識別する必要があるため、端末IDや電子メールアドレス等の携帯端末1を特定するための識別用のデータが経路探索要求に付加されて送信されるものとする。
【0093】
ステップS14では、ステップS13で送信された経路探索要求を経路探索センタ2のセンタ側通信部21が受信して、センタ側制御部26に出力し、ステップS15に移る。ステップS15では、ステップS6と同様にして、センタ側制御部26が自家用車経路探索処理を行い、ステップS16に移る。
【0094】
ステップS16では、センタ側制御部26が自家用車経路送信処理を行って、ステップS19に移る。自家用車経路送信処理では、自家用車経路探索処理で探索した自家用車経路のデータを、センタ側制御部26がセンタ側通信部21から携帯端末1に送信させる。また、センタ側制御部26は、自家用車経路のデータに、音声案内のデータや当該自家用車経路周辺の地図データや描画データも付加して携帯端末1に送信させる。
【0095】
ステップS17では、経路案内センタ2から送信されるマルチモーダル経路等のデータをもとに、携帯側制御部16がマルチモーダル経路案内処理を行い、フローを終了する。ここで、図5のフローチャートを用いて、マルチモーダル経路案内処理の概略について説明を行う。図5は、携帯側制御部16でのマルチモーダル経路案内処理のフローの一例を示すフローチャートである。
【0096】
まず、ステップS171では、マルチモーダル経路の経路案内を開始し、ステップS172に移る。マルチモーダル経路の経路案内では、現在位置検出部12で検出する携帯端末1の現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、経路案内センタ2で探索されたマルチモーダル経路と、現在位置検出部12で逐次検出される携帯端末1の現在位置を示すマークを重ね合わせて表示部13で表示させることでマルチモーダル経路の経路案内を行う。
【0097】
ここで、マルチモーダル経路の経路案内の表示の一例を、図6(a)に示す。図6(a)は、マルチモーダル経路の経路案内の表示の一例を示す模式図である。図中のAが現在位置を示しており、Bが移動経路を示しており、Cが目的地を示している。また、Dが乗り換えのための駐車場を示しており、Eが公共交通機関の利用開始位置(例えば乗り換え駅)を示しており、Fが公共交通機関の利用終了位置(例えば降車駅)を示している。図6(a)に示すように、マルチモーダル経路の経路案内では、地図上に移動経路と現在位置や目的地とが表示されるとともに、公共交通機関の利用開始位置および利用終了位置も表示される。また、公共交通機関の利用中の移動経路は案内する必要がないので、公共交通機関の利用中の移動経路は表示されない。なお、公共交通機関の利用中の移動経路を表示する構成としても構わない。
【0098】
また、経路案内センタ2から音声案内のデータも送信されていた場合には、例えば、乗り換え場所等を案内する音声メッセージを音声出力部14から再生出力したりしてマルチモーダル経路の経路案内を行う。
【0099】
ステップS172では、公共交通機関利用開始判定処理を行う。公共交通機関利用開始判定処理では、経路案内中のマルチモーダル経路のデータと、現在位置検出部12で逐次検出される携帯端末1の現在位置のデータとをもとに、マルチモーダル経路上で公共交通機関の乗車場所となっている地点に携帯端末が位置しているか否かに応じて、ユーザが公共交通機関の利用を開始した(つまり、公共交通機関利用開始)か否かを判定する。そして、公共交通機関利用開始と判定した場合(ステップS172でYES)には、ステップS173に移る。また、公共交通機関利用開始と判定しなかった場合(ステップS172でNO)には、ステップS172のフローを繰り返す。
【0100】
ステップS173では、省電力モード切り換え処理を行って、ステップS174に移る。省電力モード切り換え処理では、携帯端末1を省電力モードに切り換える旨の通知を行わせる。また、ステップS172で利用を開始したと判定した公共交通機関の利用を終了したときの操作スイッチ部15の操作入力(公共交通機関利用終了時入力)の方法の通知を行わせる。なお、上記通知は、表示部13での表示によって行わせる構成としてもよいし、音声出力部14からの音声出力によって行わせる構成としてもよい。
【0101】
ステップS174では、省電力モード実行処理を行って、ステップS175に移る。省電力モード実行処理では、携帯端末1を、携帯端末1の消費電力を抑えるモードである省電力モードに切り換える。省電力モードでは、外部機器との通信機能、メール機能、通話機能、Web接続機能、音楽プレーヤー機能、ピクチャビューア機能、動画像再生機能、GPS機能、ナビゲーション機能、ゲーム機能、画面表示や音声出力の機能等の携帯端末1の各種機能の全部もしくは一部を停止させることで、携帯端末1の消費電力を抑えるものとする。他にも、上記機能の停止を行うとともに所定の周期毎に復帰させることで、携帯端末1の消費電力を抑える構成としてもよい。なお、図示しないタイマ回路等を用いることで所定の周期毎に復帰させる(つまり、断続的に起動する)構成とすればよい。また、携帯端末1の画面の輝度を下げたり、携帯端末1の電源自体をオフにしたりすることで携帯端末1の消費電力を抑える構成としてもよい。
【0102】
省電力モードでは、自家用車の運転中に用いる可能性の低いと考えられる機能以外の機能を停止することが好ましい。例えば、音楽プレーヤー機能、GPS機能、ナビゲーション機能、画面表示や音声出力の機能を停止することが好ましい。ここで言うところの省電力モードが請求項の第1省電力モードに相当する。本実施形態では、例えばGPS機能、ナビゲーション機能、画面表示や音声出力の機能を停止させるものとする。また、前述の公共交通機関利用時消費電力は、省電力モードでの消費電力のカット率に応じて定められていることが好ましい。
【0103】
ステップS175では、公共交通機関利用終了判定処理を行う。公共交通機関利用終了判定処理では、操作スイッチ部15に公共交通機関利用終了時入力が行われた場合に、ユーザが公共交通機関の利用を終了した(ステップS175でYES)と判定し、ステップS176に移る。また、操作スイッチ部15に公共交通機関利用終了時入力が行われていない場合には、公共交通機関の利用を終了していない(ステップS175でNO)と判定し、ステップS174に戻ってフローを繰り返す。よって、操作スイッチ部15は請求項の公共交通機関利用終了入力部に相当する。
【0104】
ステップS176では、省電力モードからの復帰を行い、ステップS177に移る。よって、携帯側制御部16が請求項の公共交通機関利用判定部に相当する。なお、GPS機能、ナビゲーション機能、画面表示や音声出力の機能を停止させるとともに所定の周期毎に復帰させる構成とした場合には、現在位置検出部12で検出される現在位置をもとに公共交通機関利用終了を判定する構成としてもよい。詳しくは、経路案内中のマルチモーダル経路のデータと、現在位置検出部12で逐次検出される携帯端末1の現在位置のデータとをもとに、マルチモーダル経路上で公共交通機関の降車場所となっている地点に携帯端末が位置しているか否かに応じて、公共交通機関利用終了か否かを判定する構成とすればよい。
【0105】
これによれば、ユーザが手動で操作を行わなくても公共交通機関の利用の終了時に、自動的に省電力モードから復帰することができるので、ユーザにとっての利便性を向上することができるという効果が得られる。一方、公共交通機関利用終了時入力を行う構成では、GPS機能を周期的に復帰させる必要がないので、さらに消費電力を抑えることができるという効果が得られる。
【0106】
また、これによれば、携帯端末1の現在位置が公共交通機関同士を連絡する通路上に位置する場合には、ユーザが公共交通機関を利用中でないと携帯側制御部16で判定されることになる。よって、公共交通機関の乗り換えの際の徒歩移動時のように、公共交通機関同士を連絡する通路上に位置する場合には、省電力モードに切り替えられず、GPS機能を利用した経路案内をユーザが受けることができる。従って、公共交通機関の乗り換えの際の移動時に、現在位置を用いた経路案内を受けることが可能になり、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0107】
ステップS177では、ユーザが目的地に到着したか否かを判定する。ユーザが目的地に到着したか否かは、経路案内中のマルチモーダル経路の終点(つまり、目的地)と、現在位置検出部12で逐次検出される携帯端末1の現在位置のデータとをもとに、目的地に携帯端末が位置しているか否かに応じて判定する構成とすればよい。そして、目的地に到着したと判定した場合(ステップS177でYES)には、フローを終了する。また、目的地に到着したと判定しなかった場合(ステップS177でNO)には、ステップS172に戻ってフローを繰り返す。
【0108】
図4に戻って、ステップS12に続くステップS18では、経路案内センタ2から送信される使用可能時間内到達不可データをもとに、マルチモーダル経路で目的地に到達するまでの残充電量が足りないことを示す通知(つまり、使用時間内到達不能通知)を携帯側制御部16が行わせ、ステップS17に移る。上記通知は、表示部13での表示によって行ってもよいし、音声出力部14での音声出力によって行ってもよい。
【0109】
ステップS16に続くステップS19では、経路案内センタ2から送信される自家用車経路等のデータをもとに、携帯側制御部16が自家用車経路案内処理を行い、フローを終了する。自家用車経路案内処理では、現在位置検出部12で検出する携帯端末1の現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、経路案内センタ2で探索された自家用車経路と、現在位置検出部12で逐次検出される携帯端末1の現在位置を示すマークを重ね合わせて表示部13で表示させることで自家用車経路の経路案内を行う。
【0110】
ここで、自家用車経路の経路案内の表示の一例を、図6(b)に示す。図6(b)は、自家用車経路の経路案内の表示の一例を示す模式図である。図中のAが現在位置を示しており、Bが移動経路を示している。図6(b)に示すように、自家用車経路の経路案内では、一般的な車載ナビゲーション装置の経路案内と同様に、地図上に移動経路と現在位置とが表示される。
【0111】
また、経路案内センタ2から音声案内のデータも送信されていた場合には、例えば、交差点や分岐点での進行方向を案内する音声メッセージを音声出力部14から再生出力したりして自家用車経路の経路案内を行う。
【0112】
以上の構成によれば、自家用車経路で目的地に到達するまで携帯端末1の残充電量がもたないと推定される場合に、マルチモーダル経路の経路案内を行うことが可能になる。マルチモーダル経路では、公共交通機関を利用中は携帯端末1を省電力モードに切り換えて消費電力を抑えるので、自家用車経路よりも携帯端末の消費電力を確実に低く抑えることが可能になる。
【0113】
また、携帯端末の残充電量に応じて、目的地まで携帯端末1が使用可能となるマルチモーダル経路の候補のうちの、探索条件に最も合致したマルチモーダル経路を選択することが可能になる。例えば、探索条件が時間優先であった場合には、目的地までの到達時間がより短いマルチモーダル経路によってユーザを目的地まで確実に案内することが可能になる。他にも、探索条件が料金優先であった場合には、目的地までの交通料金がより安いマルチモーダル経路によってユーザを目的地まで確実に案内することが可能になる。よって、ユーザを目的地まで、より確実に案内することを可能にしながら、ユーザにとっての利便性も向上することが可能になる。
【0114】
本実施形態では、携帯端末1の使用可能時間内に目的地に到達可能なマルチモーダル経路の選択を行うことができなかった場合に、探索条件に最も合致したマルチモーダル経路を選択して経路案内を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、携帯端末1の使用可能時間内に目的地に到達可能なマルチモーダル経路の選択を行うことができなかった場合に、自家用車経路の経路案内を行う構成としてもよい。
【0115】
本実施形態では、携帯端末1の使用可能時間を経路探索センタ2側で推測する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、携帯端末1の使用可能時間を携帯端末1側で推測して経路探索センタ2に送信する構成としてもよい。この場合には、携帯端末1の残充電量をもとに、前述の第1使用可能時間推測処理と同様の処理を携帯側制御部16で行うことによって、携帯端末1の使用可能時間を推測する構成とすればよい。
【0116】
これによれば、携帯端末1の使用可能時間を携帯端末1側で推測して経路探索センタ2に送信するので、経路探索センタ2側での処理の負荷を減らすことが可能となるという利点がある。これに対して、本実施形態の構成によれば、携帯端末1の使用可能時間を経路探索センタ2側で推測するので、携帯端末1側での処理の負荷を減らすことが可能となるという利点がある。また、携帯端末1側での処理の負荷を減らすので、携帯端末1の消費電力をより抑えることが可能になるという利点もある。
【0117】
本実施形態では、公共交通機関を利用中は携帯端末1を自動的に省電力モードに切り換える構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、携帯端末1を自動的には省電力モードに切り換えない構成としてもよい。以上の構成とした場合であっても、自家用車経路で目的地に到達するまで携帯端末1の残充電量がもたないと推定される場合に、マルチモーダル経路の経路案内を行うことによって、ユーザを目的地まで、より確実に案内することが可能になる。
【0118】
詳しくは、公共交通機関を移動手段として少なくとも含むマルチモーダル経路では、公共交通機関の利用中は経路案内が必要ないので、ユーザが経路案内時の画面表示や音声出力の機能を使用せず、その分だけ携帯端末の消費電力が抑えられることも多い。従って、自家用車経路よりも携帯端末の消費電力を低く抑えることが可能なマルチモーダル経路の経路案内を行うことによって、携帯端末の使用可能時間をより長く保ち、ユーザを目的地まで、より確実に案内することが可能になる。
【0119】
(実施形態2)
次に、実施形態2における経路案内システムについて説明を行う。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。実施形態2が実施形態1と異なるのは、マルチモーダル経路の探索を行うことが前提となる点である。
【0120】
ここで、図7を用いて、実施形態2における経路案内システム100での携帯端末1の残充電量に応じた経路案内に関連する処理についての説明を行う。図7は、実施形態2における経路案内システム100での携帯端末1の残充電量に応じた経路案内に関連する処理のフローを示すフローチャートである。本フローは、ユーザによって携帯端末1の操作スイッチ部15に出発地および目的地を設定する操作入力が行われたときに開始される。
【0121】
まず、ステップS31では、ステップS1と同様にして携帯側制御部16が目的地設定処理を行い、ステップS32に移る。ステップS32では、残充電量考慮可否判定処理を行う。残充電量考慮可否判定処理では、携帯端末1の残充電量に応じたマルチモーダル経路の経路案内を行ってもよいか否か(つまり、残充電量考慮の可否)を携帯側制御部16で判定する。残充電量考慮の可否は、操作スイッチ部15を介して携帯側制御部16が受け付けた、残充電量考慮の可否を選択する旨のユーザからの入力に応じて判定する構成とすればよい。携帯側制御部16は、表示部13に残充電量考慮の可否を問い合わせる表示を行わせることで、残充電量考慮の可否を選択する旨のユーザからの入力を促す構成としてもよい。
【0122】
そして、残充電量に応じたマルチモーダル経路の経路案内を行ってもよい(つまり、残充電量考慮可)と判定した場合(ステップS32でYES)には、ステップS33に移る。また、残充電量に応じたマルチモーダル経路の経路案内を行ってはいけない(つまり、残充電量考慮不可)と判定した場合(ステップS32でNO)には、ステップS39に移る。
【0123】
ステップS33では、残充電量考慮マルチモーダル経路探索要求処理を行って、ステップS34に移る。残充電量考慮マルチモーダル経路探索要求処理では、ステップS31で設定した出発地および目的地のデータ、携帯端末1の残充電量のデータ、携帯端末1の端末種別のデータを含む経路探索要求を携帯側制御部16が作成し、携帯側通信部11から経路探索センタ2に送信する。
【0124】
ステップS34では、ステップS33で送信された経路探索要求を経路探索センタ2のセンタ側通信部21が受信して、センタ側制御部26に出力し、ステップS35に移る。ステップS35では、ステップS9と同様にして、センタ側制御部26が残充電量考慮マルチモーダル経路探索処理を行い、ステップS36に移る。
【0125】
ステップS36では、携帯端末1の使用可能時間内に目的地に到達可能なマルチモーダル経路が残充電量考慮マルチモーダル経路探索処理で選択された場合(ステップS36でYES)には、ステップS37に移る。また、携帯端末1の使用可能時間内に目的地に到達可能なマルチモーダル経路が残充電量考慮マルチモーダル経路探索処理で選択されなかった場合(ステップS36でNO)には、ステップS38に移る。
【0126】
ステップS37では、ステップS11と同様にして、センタ側制御部26が到達可能時データ送信処理を行って、ステップS17に移る。ステップS38では、ステップS12と同様にして、センタ側制御部26が到達不能時データ送信処理を行って、ステップS44に移る。
【0127】
ステップS32で残充電量に応じたマルチモーダル経路の経路案内を行ってはいけないと判定した場合に行われるステップS39では、通常マルチモーダル経路探索要求処理を行って、ステップS40に移る。通常マルチモーダル経路探索要求処理では、ステップS31で設定した出発地および目的地のデータを含む経路探索要求を携帯側制御部16が作成し、携帯側通信部11から経路探索センタ2に送信する。なお、経路探索センタ2において要求元の携帯端末1を識別する必要があるため、端末IDや電子メールアドレス等の携帯端末1を特定するための識別用のデータが経路探索要求に付加されて送信されるものとする。
【0128】
ステップS40では、ステップS39で送信された経路探索要求を経路探索センタ2のセンタ側通信部21が受信して、センタ側制御部26に出力し、ステップS41に移る。ステップS41では、通常マルチモーダル経路探索処理を行い、ステップS42に移る。通常マルチモーダル経路探索処理では、地図DB22、公共交通機関情報DB24、駐車場情報DB25の各DBに格納されているデータを用い、前述のマルチモーダル探索条件を考慮して、経路探索要求に含まれていた出発地から目的地までの探索条件に最も合致したマルチモーダル経路を探索する。
【0129】
ステップS42では、センタ側制御部26が通常マルチモーダル経路送信処理を行って、ステップS43に移る。通常マルチモーダル経路送信処理では、通常マルチモーダル経路探索処理で探索したマルチモーダル経路のデータを、センタ側制御部26がセンタ側通信部21から携帯端末1に送信させる。また、センタ側制御部26は、マルチモーダル経路のデータに、音声案内のデータや当該マルチモーダル経路周辺の地図データや描画データも付加して携帯端末1に送信させる。
【0130】
ステップS43では、経路案内センタ2から送信されるマルチモーダル経路等のデータをもとに、ステップS17と同様にして、携帯側制御部16がマルチモーダル経路案内処理を行い、フローを終了する。ステップS38に続くステップS44では、経路案内センタ2から送信される使用可能時間内到達不可データをもとに、前述した使用時間内到達不能通知を携帯側制御部16が行わせ、ステップS43に移る。
【0131】
以上の構成によれば、携帯端末1の残充電量の多寡に応じたマルチモーダル経路の経路案内を行うことが可能になる。また、携帯端末1の残充電量に応じて、目的地まで携帯端末1が使用可能となるマルチモーダル経路の候補のうちの、探索条件に最も合致したマルチモーダル経路を選択することが可能になる。よって、ユーザを目的地まで、より確実に案内することを可能にしながら、ユーザにとっての利便性も向上することが可能になる。
【0132】
実施形態1および実施形態2では、携帯端末1の残充電量に応じて、目的地まで携帯端末1が使用可能となるマルチモーダル経路の候補のうちの、探索条件に最も合致したマルチモーダル経路を選択する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、以下のような構成としてもよい。まず、探索条件に最も合致したマルチモーダル経路によって、携帯端末1の使用可能時間内に目的地に到達できる場合には、探索条件に最も合致したマルチモーダル経路を選択する。一方、使用可能時間内に目的地に到達できない場合には、目的地の間近までなるべく公共共通機関を利用するマルチモーダル経路(言い換えると、公共交通機関を利用する時間の割合がより高いマルチモーダル経路)を探索する。この場合には、乗り換え回数制限や総所要時間制限といった所定の制限を設けてマルチモーダル経路を探索することで、必要以上に迂回したマルチモーダル経路を探索しないようにする構成とすることが好ましい。
【0133】
ここで、以上の構成の一例について、図8(a)および図8(b)を用いて説明を行う。図8(a)は、探索条件に最も合致したマルチモーダル経路の経路案内の表示の一例を示す模式図である。図8(b)は、目的地の間近までなるべく公共共通機関を利用するマルチモーダル経路の経路案内の表示の一例を示す模式図である。図中のAが現在位置を示しており、Bが移動経路を示しており、Cが目的地を示している。また、Dが乗り換えのための駐車場を示しており、E1およびE2が公共交通機関の利用開始位置(例えばE1が乗り換え駅、E2が乗り換えバス停)を示している。そして、F1およびF2が公共交通機関の利用終了位置(例えばF1が降車駅、F2が降車バス停)を示している。
【0134】
図8(a)および図8(b)に示すように、探索条件に最も合致したマルチモーダル経路に比べ、目的地の間近までなるべく公共共通機関を利用するマルチモーダル経路では、現在位置からより近い位置から公共交通機関を利用するとともに、目的地により近い位置まで公共交通機関を利用する。このように、公共交通機関を利用する時間の割合をより高くすることで、携帯端末1の消費電力を低く抑え、ユーザを目的地まで、より確実に案内する。
【0135】
(実施形態3)
次に、実施形態3における経路案内システムについて説明を行う。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。実施形態3が実施形態1および2と異なるのは、経路案内中の携帯端末1の残充電量の変化に応じた処理を行う点である。
【0136】
最初に、図9を用いて、経路案内中の携帯端末1の残充電量の急激な減少に応じた処理についての説明を行う。図9は、実施形態3における携帯端末1の残充電量の急激な減少に応じた処理のフローの一例を示すフローチャートである。本フローは、前述の自家用車経路やマルチモーダル経路の経路案内が開始したときに開始される。
【0137】
ステップS51では、携帯側制御部16が到達不能危険性判定処理を行って、ステップS52に移る。到達不能危険性判定処理では、携帯端末1の残充電量をもとに、目的地に到達する前に携帯端末1が使用可能でなくなる危険性が高くなったか否かを判定する。よって、携帯側制御部16が請求項の危険性判定部に相当する。詳しくは、以下のようにして判定を行う構成とすればよい。
【0138】
まず、携帯側制御部16では、経路案内中の移動経路で目的地に到達するまで携帯端末1を使用可能とするための単位時間あたりの残充電量の減少量の下限値が設定されているものとする。この下限値は、例えば出発地での携帯端末1の残充電量と移動経路の所要時間とをもとに携帯側制御部16で決定された値が設定されているものとすればよい。移動経路の所要時間については、経路探索センタ2から送信されてきた地図データ中のリンク旅行時間や公共交通機関の運行情報から携帯側制御部16で算出する構成とすればよい。よって、携帯側制御部16が請求項の下限値決定部および第3所要時間算出部に相当する。また、移動経路の所要時間のデータも経路探索センタ2から送信する構成として、その所要時間のデータを携帯側制御部16が取得して用いる構成としてもよい。
【0139】
そして、携帯側制御部16では、携帯端末1の残充電量を逐次モニタし、残充電量の単位時間あたりの減少量が上記下限値を越えたか否かに応じて、目的地に到達する前に携帯端末1が使用可能でなくなる危険性が高くなった(つまり、到達前使用不能危険性あり)か否かを判定する。
【0140】
なお、本実施形態では、下限値を携帯側制御部16で設定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、下限値を経路探索センタ2側で決定して携帯端末1に送信する構成としてもよい。また、下限値については、携帯端末1の残充電量が、目的地に到達するまで携帯端末1を使用可能とする程度の残充電量を下回ってしまう前に後述の携帯端末使用自粛通知処理を行うために、多少の余裕をもった値を設定するものとする。
【0141】
また、本実施形態では、携帯端末1の残充電量の単位時間あたりの減少量が下限値を越えたか否かに応じて、到達前使用不能危険性ありか否かを判定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、上記下限値と目的地までの残りの移動時間とから、目的地に到達するまでに必要な残充電量(以下、目的地到達必要充電量)を逐次決定し、携帯端末1の残充電量がこの目的地到達必要充電量に達したか否かに応じて、到達前使用不能危険性ありか否かを判定する構成としてもよい。さらに、他の構成によって到達前使用不能危険性ありか否かを判定する構成としてもよい。
【0142】
ステップS52では、到達前使用不能危険性ありと判定した場合(ステップS52でYES)には、ステップS53に移る。また、到達前使用不能危険性ありと判定しなかった場合(ステップS52でNO)には、ステップS59に移る。
【0143】
ステップS53では、携帯側制御部16が携帯端末使用自粛通知処理を行って、ステップS54に移る。携帯端末使用自粛通知処理では、例えば図10(a)に示すような「携帯端末の使用を控えて下さい」等の携帯端末1の使用を控える旨のメッセージを表示部13に表示させる。なお、上記メッセージを音声出力部14から音声出力する構成としてもよい。
【0144】
ステップS54では、経路案内中の移動経路が自家用車経路であった場合(ステップS54でYES)には、ステップS55に移る。また、マルチモーダル経路であった場合(ステップS54でNO)には、フローを終了する。なお、マルチモーダル経路であった場合に、携帯端末1の使用可能時間内に目的地に到達できるマルチモーダル経路の再探索を行うかを問い合わせる表示を表示部13に表示させる構成としてもよい。そして、再探索を要求する旨のユーザからの入力が操作スイッチ部15に行われた場合に、携帯端末1の使用可能時間内に目的地に到達できるマルチモーダル経路の再探索を経路探索センタ2に要求し、得られたマルチモーダル経路の経路案内を行う構成としてもよい。
【0145】
ステップS55では、携帯側制御部16が経路切り換え問い合わせ処理を行って、ステップS56に移る。経路切り換え問い合わせ処理では、例えば図10(b)に示すような「残充電量が少なくなっています。マルチモーダル経路に切り換えますか」等のマルチモーダル経路に切り換えるか否かを問い合わせる表示を表示部13に行わせる。本実施形態では、上記表示はタッチパネル表示であるものとする。
【0146】
ステップS56では、マルチモーダル経路に切り換える旨の入力が操作スイッチ部15に行われた(図10(b)の「はい」選択)場合には、マルチモーダル経路に切り替え(ステップS56でYES)と携帯側制御部16が判断し、ステップS57に移る。また、マルチモーダル経路に切り換えない旨の入力が操作スイッチ部15に行われた場合(図10(b)の「いいえ」選択)には、マルチモーダル経路に切り替えでない(ステップS56でNO)と携帯側制御部16が判断し、フローを終了する。
【0147】
ステップS57では、ステップS33と同様にして、残充電量考慮マルチモーダル経路探索要求処理を行って、ステップS58に移る。ここでの残充電量考慮マルチモーダル経路探索要求処理では、出発地のデータとして、現在位置検出部12で検出している現在位置のデータを送信することになる。ステップS58では、ステップS17と同様にして、マルチモーダル経路案内処理を行って、フローを終了する。
【0148】
ステップS52で到達前使用不能危険性ありと判定しなかった場合のステップS59では、ステップS177と同様にして、ユーザが目的地に到着したか否かを判定する。そして、目的地に到着したと判定した場合(ステップS59でYES)には、フローを終了する。また、目的地に到着したと判定しなかった場合(ステップS59でNO)には、ステップS51に戻ってフローを繰り返す。
【0149】
以上の構成によれば、目的地に到達する前に携帯端末1が使用可能でなくなるほど残充電量が減少する前に、携帯端末1の使用を控えるようユーザに促すことが可能になる。従って、ユーザを目的地まで、さらに確実に案内することが可能になる。また、以上の構成によれば、自家用車経路での経路案内中に携帯端末1の残充電量が急激に減少し、目的地に到達する前に携帯端末1が使用可能でなくなる危険性が高い場合に、マルチモーダル経路の経路案内に切り換えることで、ユーザを目的地まで、より確実に案内することが可能になる。従って、携帯端末の残充電量の変化に応じて、常にユーザを目的地まで、より確実に案内することが可能になる。
【0150】
続いて、図11を用いて、経路案内中の携帯端末1の残充電量の増加に応じた処理についての説明を行う。図11は、実施形態3における携帯端末1の残充電量の増加に応じた処理のフローの一例を示すフローチャートである。本フローは、前述の自家用車経路やマルチモーダル経路の経路案内が開始したときに開始される。
【0151】
ステップS71では、携帯側制御部16が残充電量増加判定処理を行って、ステップS72に移る。残充電量増加判定処理では、携帯端末1の残充電量を逐次モニタして、携帯端末1の残充電量が所定時間で所定量以上増加したか否かを判定する。ここで言うところの所定時間および所定量とは任意に設定可能な値である。
【0152】
ステップS72では、携帯側制御部16が再探索問い合わせ処理を行って、ステップS73に移る。再探索問い合わせ処理では、例えば図10(c)に示すような「経路を再探索しますか」等の再探索の要否を問い合わせる表示を表示部13に行わせる。本実施形態では、上記表示はタッチパネル表示であるものとする。
【0153】
ステップS73では、再探索を要求する旨の入力が操作スイッチ部15に行われた(図10(c)の「はい」選択)場合には、再探索要求あり(ステップS73でYES)と携帯側制御部16が判断し、ステップS74に移る。また、再探索を要求しない旨の入力が操作スイッチ部15に行われた場合(図10(c)の「いいえ」選択)には、再探索要求なし(ステップS73でNO)と携帯側制御部16が判断し、フローを終了する。よって、操作スイッチ部15が請求項の再探索要求入力部に相当する。
【0154】
ステップS74では、携帯側制御部16が経路種類問い合わせ処理を行って、ステップS75に移る。経路種類問い合わせ処理では、「マルチモーダル経路を探索しますか」等の自家用車経路とマルチモーダル経路とのいずれの移動経路の探索を行うかを問い合わせる表示を表示部13に行わせる。
【0155】
ステップS75では、マルチモーダル経路を探索する旨の入力が操作スイッチ部15に行われた場合には、マルチモーダル経路探索要求あり(ステップS75でYES)と携帯側制御部16が判断し、ステップS76に移る。また、自家用車経路を探索する旨の入力が操作スイッチ部15に行われた場合には、マルチモーダル経路探索要求なし(ステップS75でNO)と携帯側制御部16が判断し、ステップS78に移る。
【0156】
ステップS76では、ステップS33と同様にして、残充電量考慮マルチモーダル経路探索要求処理を行って、ステップS77に移る。ここでの残充電量考慮マルチモーダル経路探索要求処理では、出発地のデータとして、現在位置検出部12で検出している現在位置のデータを送信することになる。ステップS77では、ステップS17と同様にして、マルチモーダル経路案内処理を行って、フローを終了する。
【0157】
ステップS78では、ステップS13と同様にして、通常経路探索要求処理を行って、ステップS79に移る。ここでの通常経路探索要求処理では、出発地のデータとして、現在位置検出部12で検出している現在位置のデータを送信することになる。ステップS79では、ステップS19と同様にして、自家用車経路案内処理を行って、フローを終了する。例えば、マルチモーダル経路の経路案内中であっても、最初の公共交通機関への乗り換えの手前である場合には、自家用車経路を探索する旨の入力をユーザが操作スイッチ部15に行うことによって、自家用車経路の経路案内を受けることが可能になる。
【0158】
以上の構成によれば、携帯端末1の残充電量が所定時間で所定量以上増加した場合に、その残充電量に応じた、より適切な移動経路を再探索し、経路案内を行うことが可能になる。
【0159】
(実施形態4)
次に、実施形態4における経路案内システムについて説明を行う。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。実施形態4が実施形態1〜3と異なるのは、携帯端末1の省電力モードの切り換えを手動で可能とし、公共交通機関利用中以外にも省電力モードへの切り換えを可能にしている点である。
【0160】
ここで、図12を用いて、実施形態4における携帯端末1の省電力モードの手動での切り換えに関連する処理についての説明を行う。図12は、実施形態4における携帯端末1の省電力モードの手動での切り換えに関連する処理のフローを示すフローチャートである。本フローは、前述の自家用車経路やマルチモーダル経路の経路案内が開始したときに開始される。
【0161】
まず、ステップS91では、ステップS177と同様にして、ユーザが目的地に到着したか否かを判定する。そして、目的地に到着したと判定した場合(ステップS91でYES)には、フローを終了する。また、目的地に到着したと判定しなかった場合(ステップS91でNO)には、ステップS92に移る。
【0162】
ステップS92では、携帯側制御部16が中断可否判定処理を行って、ステップS93に移る。中断可否判定処理では、移動経路の経路案内の中断を許可する旨の入力が操作スイッチ部15に行われたか否かに応じて、経路案内の中断を許可するか不許可とするかを判定する。
【0163】
ステップS93では、中断可否判定処理で経路案内の中断を許可すると判定した場合(ステップS93でYES)に、ステップS93に移る。また、経路案内の中断を不許可とすると判定した場合(ステップS93でNO)には、ステップS94に移る。よって、操作スイッチ部15が請求項の中断可否入力部に相当する。
【0164】
ステップS94では、ステップS174と同様にして、省電力モード実行処理を行って、ステップS91に戻ってフローを繰り返す。ここでの省電力モードでは、経路案内に必要な機能を停止することが好ましい。例えば、GPS機能、ナビゲーション機能、画面表示や音声出力の機能を停止することが好ましい。ここで言うところの省電力モードが請求項の第2省電力モードに相当する。
【0165】
本実施形態では、省電力モードでは、例えばGPS機能、ナビゲーション機能、画面表示や音声出力の機能を停止させるものとする。よって、図13に示すように、経路案内が必要な場合には、移動経路の経路案内が行われ、経路案内が不要な場合には画面表示がオフとなり、移動経路の経路案内が行われない。
【0166】
また、ステップS95では、移動経路の経路案内を継続し、ステップS91に戻ってフローを繰り返す。
【0167】
以上の構成によれば、移動経路の経路案内がユーザにとって不要な間は、ユーザの意思に応じて、携帯端末1の消費電力を抑える省電力モードに切り換えることが可能になる。詳しくは、土地勘のある場所やエリアなどのユーザにとって経路案内が必要のない経路上では、ユーザが操作スイッチ部15に移動経路の経路案内の中断を許可する旨の入力を行うことによって、GPS機能や画面表示や音声出力の機能を停止することができる。従って、ユーザを目的地までより確実に案内する効果は確保しつつ、消費電力をさらに抑えることができる。
【0168】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0169】
1 携帯端末、2 経路探索センタ(サーバ装置)、11 携帯側通信部、12 現在位置検出部、13 表示部、14 音声出力部、15 操作スイッチ部(公共交通機関利用終了入力部、再探索要求入力部、中断可否入力部)、16 携帯側制御部(残充電量取得部、危険性判定部、下限値決定部、第3所要時間算出部)、21 センタ側通信部、22 地図DB、23 交通情報DB、24 公共交通機関情報DB、25 駐車場情報DB、26 センタ側制御部(第1使用可能時間推測部、第1所要時間算出部、到達可否判定部、複数候補探索部、第2使用可能時間推測部、公共交通機関利用時消費電力推測部、非公共交通機関利用時消費電力推測部、第2所要時間算出部、到達候補判定部)、100 経路案内システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに携行される携帯端末と、前記携帯端末と通信可能なサーバ装置とを含み、
前記携帯端末から送信される出発地および目的地の情報をもとに、ユーザが出発地から目的地に到達できる移動経路を前記サーバ装置で探索し、探索した移動経路の経路案内を前記携帯端末で行う経路案内システムであって、
前記携帯端末は、
前記携帯端末の残充電量を取得する残充電量取得部を備え、
前記サーバ装置は、
前記移動経路として、自家用自動車のみを用いる場合の移動経路である自家用車経路と、公共交通機関と徒歩とを少なくとも含む複数の移動手段を用いる場合の移動経路であるマルチモーダル経路との両方を探索可能なものであり、
前記携帯端末の残充電量をもとに、前記サーバ装置で前記自家用車経路と前記マルチモーダル経路とのうちのいずれかの移動経路を選択し、選択した移動経路の経路案内を前記携帯端末で行うことを特徴とする経路案内システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記携帯端末は、
前記残充電量取得部で取得した残充電量を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
前記自家用車経路による出発地から目的地までの所要時間を算出する第1所要時間算出部と、
前記携帯端末から受信した残充電量をもとに、前記自家用車経路による移動時における当該携帯端末の使用可能時間を推測する第1使用可能時間推測部と、
前記第1使用可能時間推測部で推測した使用可能時間と前記第1所要時間算出部で算出した所要時間とをもとに、当該使用可能時間が当該所要時間未満か否かを判定する到達可否判定部とを備え、
前記到達可否判定部で当該使用可能時間が当該所要時間未満と判定した場合には、前記マルチモーダル経路を選択することを特徴とする経路案内システム。
【請求項3】
請求項1において、
前記携帯端末は、
前記残充電量取得部で取得した残充電量をもとに、前記自家用車経路による移動時における当該携帯端末の使用可能時間を推測する第1使用可能時間推測部をさらに備え、
前記第1使用可能時間推測部で推測した使用可能時間を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
前記自家用車経路による出発地から目的地までの所要時間を算出する第1所要時間算出部と、
前記携帯端末から受信した使用可能時間と前記第1所要時間算出部で算出した所要時間とをもとに、当該使用可能時間が当該所要時間未満か否かを判定する到達可否判定部とを備え、
前記到達可否判定部で当該使用可能時間が当該所要時間未満と判定した場合には、前記マルチモーダル経路を選択することを特徴とする経路案内システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、
前記サーバ装置は、
前記マルチモーダル経路の複数の候補を探索する複数候補探索部を備え、
前記マルチモーダル経路を選択する場合に、前記携帯端末の残充電量の多寡に応じて、前記複数候補探索部で探索した複数の候補のうちからマルチモーダル経路を選択し、選択した当該マルチモーダル経路の経路案内を前記携帯端末で行うことを特徴とする経路案内システム。
【請求項5】
ユーザに携行される携帯端末と、前記携帯端末と通信可能なサーバ装置とを含み、
前記携帯端末から送信される出発地および目的地の情報をもとに、ユーザが出発地から目的地に到達できる移動経路を前記サーバ装置で探索し、探索した移動経路を前記携帯端末で案内する経路案内システムであって、
前記携帯端末は、
前記携帯端末の残充電量を取得する残充電量取得部を備え、
前記サーバ装置は、
前記移動経路として、公共交通機関と徒歩とを少なくとも含む複数の移動手段を用いる場合の移動経路であるマルチモーダル経路を探索可能なものであり、
前記マルチモーダル経路の複数の候補を探索する複数候補探索部を備え、
前記サーバ装置での前記移動経路の探索時に、前記携帯端末の残充電量の多寡に応じて、前記複数候補探索部で探索した複数の候補のうちからマルチモーダル経路を選択し、選択した当該マルチモーダル経路の経路案内を前記携帯端末で行うことを特徴とする経路案内システム。
【請求項6】
請求項4または5において、
前記サーバ装置は、
前記公共交通機関利用時における前記携帯端末の消費電力を推測する公共交通機関利用時消費電力推測部と、
前記公共交通機関以外の移動手段の利用時における前記携帯端末の消費電力を推測する非公共交通機関利用時消費電力推測部と、
前記携帯端末の残充電量と、前記複数候補探索部で探索したマルチモーダル経路の候補と、前記公共交通機関利用時における消費電力と、前記公共交通機関以外の移動手段の利用時における消費電力とをもとに、当該候補についての前記携帯端末の使用可能時間を推測する第2使用可能時間推測部と、
当該候補についての出発地から目的地までの所要時間を算出する第2所要時間算出部と、
前記第2使用可能時間推測部で推測した当該候補についての前記携帯端末の使用可能時間と前記第2所要時間算出部で算出した当該候補についての所要時間とをもとに、当該使用可能時間が当該所要時間以上か否かを判定する到達候補判定部とをさらに備え、
当該使用可能時間が当該所要時間以上という条件以外で予め設定されている探索条件に最も合致した、前記到達候補判定部で当該使用可能時間が当該所要時間以上と判定された候補を、前記マルチモーダル経路として選択することを特徴とする経路案内システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項において、
前記携帯端末は、
前記携帯端末の残充電量をもとに、目的地に到達する前に前記携帯端末が使用可能でなくなる危険性が高くなったか否かを、経路案内中に逐次判定する危険性判定部をさらに備え、
目的地に到達する前に前記携帯端末が使用可能でなくなる危険性が高くなったと前記危険性判定部で判定した場合に、前記携帯端末の使用を控える旨の提示を前記携帯端末で行うことを特徴とする経路案内システム。
【請求項8】
請求項7において、
前記携帯端末は、
経路案内中に、経路案内をしている移動経路での目的地までの所要時間を算出する第3所要時間算出部と、
前記携帯端末の残充電量と前記第3所要時間算出部で算出された所要時間とをもとに、目的地に到達するまで前記携帯端末を使用可能とするための単位時間あたりの残充電量の減少量の下限値を決定する下限値決定部とをさらに備え、
前記危険性判定部は、前記携帯端末の残充電量の単位時間あたりの減少量が、前記下限値決定部で決定した下限値を越えた場合に、目的地に到達する前に前記携帯端末が使用可能でなくなる危険性が高くなったと判定することを特徴とする経路案内システム。
【請求項9】
請求項7または8において、
目的地に到達する前に前記携帯端末が使用可能でなくなる危険性が高くなったと前記危険性判定部で判定された場合であって、且つ、経路案内中の移動経路が前記自家用車経路であった場合に、前記マルチモーダル経路に切り換えるか否かを問い合わせる提示を前記携帯端末から行い、
前記マルチモーダル経路に切り換える旨の入力を前記携帯端末でユーザから受け付けた場合には、前記携帯端末の残充電量をもとに、前記サーバ装置でマルチモーダル経路の探索を行って、探索したマルチモーダル経路の経路案内を前記携帯端末で行うことを特徴とする経路案内システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項において、
前記携帯端末は、
移動経路の再探索を要求する旨の入力をユーザが行う再探索要求入力部をさらに備え、
経路案内中に前記携帯端末の残充電量が所定時間で所定量以上増加した場合に、移動経路の再探索の要否を問い合わせる旨の提示を前記携帯端末で行い、
再探索を要求する旨の入力を前記再探索要求入力部でユーザから受け付けた場合には、前記携帯端末の残充電量をもとに、前記サーバ装置で移動経路の再探索を行って、再探索した移動経路の経路案内を前記携帯端末で行うことを特徴とする経路案内システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項において、
前記携帯端末は、
ユーザが公共交通機関を利用中か否かを判定する公共交通機関利用判定部をさらに備え、
前記マルチモーダル経路の経路案内時であって、ユーザが公共交通機関を利用中と前記公共交通機関利用判定部で判定している間は、消費電力を抑えるモードである第1省電力モードに切り換えることを特徴とする経路案内システム。
【請求項12】
請求項11において、
前記携帯端末は、
現在位置を逐次検出する現在位置検出機能を有するものであって、
前記第1省電力モードは、少なくとも前記現在位置検出機能を断続的に起動することによって消費電力を抑えるモードであることを特徴とする経路案内システム。
【請求項13】
請求項12において、
前記公共交通機関利用判定部は、前記現在位置検出機能によって検出する現在位置と、経路案内中の前記マルチモーダル経路とをもとに、当該現在位置が当該マルチモーダル経路上の公共交通機関経路に位置するか否かに応じて、ユーザが公共交通機関を利用中か否かを判定することを特徴とする経路案内システム。
【請求項14】
請求項11において、
前記携帯端末は、
現在位置を逐次検出する現在位置検出機能を有するものであって、
前記第1省電力モードは、少なくとも前記現在位置検出機能を、停止させることによって消費電力を抑えるモードであることを特徴とする経路案内システム。
【請求項15】
請求項14において、
前記携帯端末は、
ユーザが公共交通機関の利用を終了したことを示す旨の入力を行う公共交通機関利用終了入力部をさらに備え、
前記公共交通機関利用判定部は、前記現在位置検出機能によって検出する現在位置と、経路案内中の前記マルチモーダル経路とをもとに、当該現在位置が当該マルチモーダル経路上の公共交通機関に位置した場合に、ユーザの公共交通機関の利用開始を検出する一方、前記公共交通機関利用終了入力部で入力を受け付けたことをもとに、ユーザの公共交通機関の利用終了を検出することで、ユーザが公共交通機関を利用中か否かを判定することを特徴とする経路案内システム。
【請求項16】
請求項13または15において、
前記公共交通機関利用判定部は、前記現在位置検出機能によって検出する現在位置が公共交通機関同士を連絡する通路上に位置する場合には、ユーザが公共交通機関を利用中でないと判定することを特徴とする経路案内システム。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項において、
前記携帯端末は、
前記経路案内中に、移動経路の経路案内の中断の可否を示す旨の入力をユーザが行う中断可否入力部をさらに備え、
前記中断要否入力部で前記移動経路の経路案内の中断を許可する旨の入力が行われてから前記移動経路の経路案内の中断を不許可とする旨の入力が行われるまで、前記携帯端末の消費電力を抑えるモードである第2省電力モードに切り換えることを特徴とする経路案内システム。
【請求項18】
ユーザに携行されるとともに、出発地および目的地の情報をサーバ装置に送信し、当該サーバ装置で探索して得られた、ユーザが出発地から目的地に到達できる移動経路を受信し、当該移動経路の経路案内を行う携帯端末であって、
自端末の残充電量を取得する残充電量取得部を備え、
前記移動経路として、自家用自動車のみを用いる場合の移動経路である自家用車経路と、公共交通機関と徒歩とを少なくとも含む複数の移動手段を用いる場合の移動経路であるマルチモーダル経路との両方を探索可能な前記サーバ装置に、前記残充電量取得部で取得した残充電量を送信し、
前記残充電量をもとに前記サーバ装置で選択された、前記自家用車経路と前記マルチモーダル経路とのうちのいずれかの移動経路を受信し、受信した当該移動経路の経路案内を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項19】
ユーザに携行されるとともに、出発地および目的地の情報をサーバ装置に送信し、当該サーバ装置で探索して得られた、ユーザが出発地から目的地に到達できる移動経路を受信し、当該移動経路の経路案内を行う携帯端末であって、
自端末の残充電量を取得する残充電量取得部と、
前記残充電量取得部で取得した残充電量をもとに、前記自家用車経路による移動時における当該携帯端末の使用可能時間を推測する第1使用可能時間推測部とを備え、
前記移動経路として、自家用自動車のみを用いる場合の移動経路である自家用車経路と、公共交通機関と徒歩とを少なくとも含む複数の移動手段を用いる場合の移動経路であるマルチモーダル経路との両方を探索可能な前記サーバ装置に、前記第1使用可能時間推測部で推測した使用可能時間を送信し、
前記使用可能時間をもとに前記サーバ装置で選択された、前記自家用車経路と前記マルチモーダル経路とのうちのいずれかの移動経路を受信し、受信した当該移動経路の経路案内を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項20】
ユーザに携行されるとともに、出発地および目的地の情報をサーバ装置に送信し、当該サーバ装置で探索して得られた、ユーザが出発地から目的地に到達できる移動経路を受信し、当該移動経路の経路案内を行う携帯端末であって、
自端末の残充電量を取得する残充電量取得部を備え、
前記移動経路として、公共交通機関と徒歩とを少なくとも含む複数の移動手段を用いる場合の移動経路であるマルチモーダル経路を探索可能であるとともに、マルチモーダル経路を選択する場合に、前記携帯端末の残充電量の多寡に応じて、複数のマルチモーダル経路の候補のうちからマルチモーダル経路を選択する前記サーバ装置に、前記残充電量取得部で取得した残充電量を送信し、
前記残充電量をもとに前記サーバ装置で選択されたマルチモーダル経路を受信し、受信した当該マルチモーダル経路の経路案内を前記携帯端末で行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項21】
請求項18〜20のいずれか1項において、
自端末の残充電量をもとに、目的地に到達する前に自端末が使用可能でなくなる危険性が高くなったか否かを、経路案内中に逐次判定する危険性判定部をさらに備え、
目的地に到達する前に自端末が使用可能でなくなる危険性が高くなったと前記危険性判定部で判定した場合に、自端末の使用を控える旨の提示を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項22】
請求項18〜21のいずれか1項において、
ユーザが公共交通機関を利用中か否かを判定する公共交通機関利用判定部をさらに備え、
前記マルチモーダル経路の経路案内時であって、ユーザが公共交通機関を利用中と前記公共交通機関利用判定部で判定している間は、消費電力を抑えるモードである第1省電力モードに切り換えることを特徴とする携帯端末。
【請求項23】
請求項18〜22のいずれか1項において、
前記移動経路の経路案内の中断の可否を示す旨の入力をユーザが行う中断可否入力部をさらに備え、
前記中断可否入力部で前記移動経路の経路案内の中断を許可する旨の入力が行われてから前記移動経路の経路案内の中断を不許可とする旨の入力が行われるまで、自端末の消費電力を抑えるモードである第2省電力モードに切り換えることを特徴とする携帯端末。
【請求項24】
ユーザに携行される携帯端末と通信可能であるとともに、前記携帯端末から送信される出発地および目的地の情報をもとに、ユーザが出発地から目的地に到達できる移動経路を探索し、探索した移動経路を前記携帯端末に送信するサーバ装置であって、
前記移動経路として、自家用自動車のみを用いる場合の移動経路である自家用車経路と、公共交通機関と徒歩とを少なくとも含む複数の移動手段を用いる場合の移動経路であるマルチモーダル経路との両方を探索可能なものであり、
前記携帯端末から送信される前記携帯端末の残充電量を受信し、
前記自家用車経路による出発地から目的地までの所要時間を算出する第1所要時間算出部と、
前記携帯端末から受信した残充電量をもとに、前記自家用車経路による移動時における当該携帯端末の使用可能時間を推測する第1使用可能時間推測部と、
前記第1使用可能時間推測部で推測した使用可能時間と前記第1所要時間算出部で算出した所要時間とをもとに、当該使用可能時間が当該所要時間未満か否かを判定する到達可否判定部とを備え、
前記到達可否判定部で当該使用可能時間が当該所要時間未満と判定した場合には、前記マルチモーダル経路を選択することを特徴とするサーバ装置。
【請求項25】
ユーザに携行される携帯端末と通信可能であるとともに、前記携帯端末から送信される出発地および目的地の情報をもとに、ユーザが出発地から目的地に到達できる移動経路を探索し、探索した移動経路を前記携帯端末に送信するサーバ装置であって、
前記移動経路として、自家用自動車のみを用いる場合の移動経路である自家用車経路と、公共交通機関と徒歩とを少なくとも含む複数の移動手段を用いる場合の移動経路であるマルチモーダル経路との両方を探索可能なものであり、
前記携帯端末から送信される、前記自家用車経路による移動時における前記携帯端末の残充電量から推測された使用可能時間を受信し、
前記自家用車経路による出発地から目的地までの所要時間を算出する第1所要時間算出部と、
前記携帯端末から受信した使用可能時間と前記第1所要時間算出部で算出した所要時間とをもとに、当該使用可能時間が当該所要時間未満か否かを判定する到達可否判定部とを備え、
前記到達可否判定部で当該使用可能時間が当該所要時間未満と判定した場合には、前記マルチモーダル経路を選択することを特徴とするサーバ装置。
【請求項26】
請求項23または24において、
前記マルチモーダル経路の複数の候補を探索する複数候補探索部を備え、
前記マルチモーダル経路を選択する場合に、前記携帯端末の残充電量の多寡に応じて、前記複数候補探索部で探索した複数の候補のうちからマルチモーダル経路を選択することを特徴とするサーバ装置。
【請求項27】
ユーザに携行される携帯端末と通信可能であるとともに、前記携帯端末から送信される出発地および目的地の情報をもとに、ユーザが出発地から目的地に到達できる移動経路を探索し、探索した移動経路を前記携帯端末に送信するサーバ装置であって、
前記移動経路として、公共交通機関と徒歩とを少なくとも含む複数の移動手段を用いる場合の移動経路であるマルチモーダル経路を探索可能なものであり、
前記マルチモーダル経路の複数の候補を探索する複数候補探索部を備え、
前記携帯端末から送信される前記携帯端末の残充電量を受信し、前記移動経路の探索時に、前記携帯端末の残充電量の多寡に応じて、前記複数候補探索部で探索した複数の候補のうちからマルチモーダル経路を選択することを特徴とするサーバ装置。
【請求項28】
請求項26または27において、
前記公共交通機関利用時における前記携帯端末の消費電力を推測する公共交通機関利用時消費電力推測部と、
前記公共交通機関以外の移動手段の利用時における前記携帯端末の消費電力を推測する非公共交通機関利用時消費電力推測部と、
前記携帯端末の残充電量と、前記複数候補探索部で探索したマルチモーダル経路の候補と、前記公共交通機関利用時における消費電力と、前記公共交通機関以外の移動手段の利用時における消費電力とをもとに、当該候補についての前記携帯端末の使用可能時間を推測する第2使用可能時間推測部と、
当該候補についての出発地から目的地までの所要時間を算出する第2所要時間算出部と、
前記第2使用可能時間推測部で推測した当該候補についての前記携帯端末の使用可能時間と前記第2所要時間算出部で算出した当該候補についての所要時間とをもとに、当該使用可能時間が当該所要時間以上か否かを判定する到達候補判定部とをさらに備え、
当該使用可能時間が当該所要時間以上という条件以外で予め設定されている探索条件に最も合致した、前記到達候補判定部で当該使用可能時間が当該所要時間以上と判定された候補を、前記マルチモーダル経路として選択することを特徴とするサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−242174(P2012−242174A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110615(P2011−110615)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】