説明

経路案内システム、経路案内装置、経路案内方法、及び経路案内プログラム

【課題】複数の案内情報を容易に取得することが可能となる、経路案内システム、経路案内装置、経路案内方法、及び経路案内プログラムを提供すること。
【解決手段】ナビゲーション装置2は、出発地から目的地に至る経路を探索する経路探索部270と、経路探索部270にて探索された経路に沿って利用者を出発地から目的地に案内するための複数の案内情報を取得する案内情報取得部271と、案内情報取得部271にて取得された複数の案内情報を表示する表示部23と、案内情報取得部271にて取得された複数の案内情報が携帯電話にて撮影可能となるように、複数の案内情報を切替える表示切替部272を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路案内システム、経路案内装置、経路案内方法、及び経路案内プログラムに関し、特に、複数の案内情報を複数回に分けて表示する経路案内システム、経路案内装置、経路案内方法、及び経路案内プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行経路案内を行うナビゲーション装置が普及している。このナビゲーション装置は、車両の現在位置をGPS等にて検出し、この現在位置に対応する地図データを記録媒体又はネットワークを通じて取得し、この地図データに基づいて描画した地図画像上に車両位置マークを重ね合わせて、液晶モニタに表示する。
【0003】
ここで、車両を目的地まで走行させずに当該目的地からある程度離れた場所に停車させ、残りの距離を徒歩等によって移動する場合、車両に固定されたナビゲーション装置による経路案内は利用できないため、携帯端末による経路案内を行うことが好ましい。このようなニーズを満たし得る技術として、従来、二次元バーコードを携帯端末で撮影させる方法が提案されていた。この方法では、車両に設けた案内装置は、当該車両のイグニッションオフを検出すると、現在位置から目的地までの案内情報を二次元バーコードとしてモニタに表示する。利用者は、この二次元バーコードを携帯端末のカメラによって撮影し、撮影した二次元バーコードを携帯端末を用いて解読することで案内情報を取得し、この案内情報を携帯端末のモニタに表示して閲覧する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−274472号公報(段落0021から0024及び図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、案内情報を二次元バーコードとしてモニタに表示していたが、携帯端末による撮影時の連動を考慮した表示ではなかった。例えば、複数の二次元バーコードをナビゲーション装置のモニタに表示させて携帯端末で撮影する場合において、最初に表示された二次元バーコードの撮影後、次の二次元バーコードを撮影するためには、利用者自らが二次元バーコードの表示画面の切替操作を行う必要があり、利用者にとって利便性が悪いものであった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、複数の案内情報を容易に撮影することが可能となる、経路案内システム、経路案内装置、経路案内方法、及び経路案内プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の経路案内システムは、出発地から目的地に至る経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段にて探索された前記経路に沿って利用者を前記出発地から前記目的地に案内するための複数の案内情報を取得する案内情報取得手段と、前記案内情報取得手段にて取得された複数の案内情報を表示する表示手段と、前記案内情報取得手段にて取得された複数の案内情報が前記撮影手段にて撮影可能となるように、当該複数の案内情報を切替える表示切替手段と、前記表示手段にて表示された複数の案内情報を撮影する撮影手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の経路案内装置は、出発地から目的地に至る経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段にて探索された前記経路に沿って利用者を前記出発地から前記目的地に案内するための複数の案内情報を取得する案内情報取得手段と、前記案内情報取得手段にて取得された複数の案内情報を表示する表示手段と、前記案内情報取得手段にて取得された複数の案内情報が前記撮影手段にて撮影可能となるように、当該複数の案内情報を切替える表示切替手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の経路案内装置は、請求項2に記載の経路案内装置において、前記撮影手段との間において、当該撮影手段による前記複数の案内情報の撮影タイミングを特定するための撮影タイミング特定手段を備え、前記表示切替手段は、前記撮影タイミング特定手段にて特定された撮影タイミングに基づいて、前記複数の案内情報を切替えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の経路案内装置は、請求項3に記載の経路案内装置において、前記撮影タイミング特定手段は、前記撮影手段において前記案内情報が撮影された際に当該撮影手段から出力される撮影音を検知する撮影音検知手段であり、前記表示切替手段は、前記撮影音検知手段にて検知された撮影音に基づいて、前記複数の案内情報を切替えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の経路案内装置は、請求項3又は4に記載の経路案内装置において、前記撮影タイミング特定手段は、前記撮影手段における前記案内情報の撮影タイミングに関する情報を当該撮影手段との間で通信するための撮影タイミング情報通信手段であり、前記表示切替手段は、前記撮影タイミング情報通信手段にて通信された情報に基づいて、前記複数の案内情報を切替えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の経路案内装置は、請求項2から5のいずれか一項に記載の経路案内装置において、前記案内情報取得手段は、前記複数の案内情報として、前記経路上における利用者の歩行時の経路選択指標を含む案内情報を取得することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載の経路案内装置は、請求項2から6のいずれか一項に記載の経路案内装置において、前記撮影手段による前記複数の案内情報の撮影条件を特定するための撮影条件特定手段を備え、前記案内情報取得手段は、前記撮影条件特定手段にて特定された前記撮影条件に合致するように前記複数の案内情報を取得することを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に記載の経路案内装置は、請求項2から7のいずれか一項に記載の経路案内装置において、前記撮影手段の連続撮影速度を特定するための撮影条件特定手段を備え、前記表示切替手段は、前記撮影条件特定手段にて特定された前記連続撮影速度に基づいて前記複数の案内情報を切替えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に記載の経路案内装置は、請求項2から8のいずれか一項に記載の経路案内装置において、前記表示切替手段は、前記複数の案内情報にて案内される位置が前記目的地に近接する順に先に表示されるように、前記複数の案内情報を切替えることを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に記載の経路案内方法は、出発地から目的地に至る経路を探索する探索ステップと、前記経路探索ステップにて探索された前記経路に沿って利用者を前記出発地から前記目的地に案内するための複数の案内情報を取得する情報取得ステップと、前記案内情報取得ステップにて取得された複数の案内情報を表示する表示ステップと、前記情報取得ステップにて取得された複数の案内情報が撮影手段にて撮影可能となるように、当該複数の案内情報を切替える表示切替ステップとを含むことを特徴とする。
【0017】
また、請求項11に記載の経路案内プログラムは、請求項10に記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の経路案内システム、請求項2に記載の経路案内装置、請求項10に記載の経路案内方法、及び請求項11に記載の経路案内プログラムによれば、複数の案内情報を撮影手段が撮影可能となるように切替えて表示するので、出発地から目的地に至る経路案内に必要な複数の案内情報を撮影手段を用いて容易に取得することが可能になる。特に、複数の案内情報を自動的に切替えるため、利用者自らが案内情報を切替える手間を省くことができ、利用者の利便性を高めることができる。
【0019】
また、請求項3に記載の経路案内装置によれば、撮影タイミング特定手段によって特定された撮影手段の撮影タイミングに基づいて、表示切替手段は表示手段に表示させている案内情報を次に表示させるべき案内情報に自動的に切替えることができるので、ユーザが別途操作部を操作して表示手段による案内情報の表示を切替える必要がなく、撮影手段に対する操作のみで迅速に表示手段による表示を切替えることができる。
【0020】
また、請求項4に記載の経路案内装置によれば、撮影手段によって出力された撮影音を撮影音検知手段によって検知することにより撮影手段の撮影タイミングを自動的に特定するので、撮影音に基づいて案内情報を容易に切替えることができる。
【0021】
また、請求項5に記載の経路案内装置によれば、撮影タイミング情報通信手段を介して、撮影手段による撮影タイミングを特定するための情報の通信を行なって連続撮影することができるので、通信に基づいて案内情報を容易に切替えることができる。
【0022】
また、請求項6に記載の経路案内装置によれば、案内情報取得手段は、探索された経路上における利用者の歩行時の経路選択指標を含む案内情報を取得するので、探索された経路を歩行する際の指標をユーザに出力することができる。
【0023】
また、請求項7に記載の経路案内装置によれば、撮影条件特定手段によって特定された撮影手段による撮影条件に応じて複数の案内情報の取得を行う。これにより、撮影手段の撮影条件に合致した案内情報を表示でき、案内情報の最適化を図ることができる。例えば、撮影手段の記録容量に応じた最適な枚数の案内情報を表示させることができる。また、例えば、撮影手段の解像度に応じて文字や記号を最適な大きさとした案内情報を表示させることができ、当該撮影手段にて撮影された案内情報における文字や記号をユーザにとって見やすくすることができる。さらに、例えば、撮影手段が撮影可能な画像寸法に応じてサイズを調整した案内情報を表示させることができ、案内情報の周縁部の欠落や無駄な余白部分の発生を避けることができる。
【0024】
また、請求項8に記載の経路案内装置によれば、撮影条件特定手段によって特定された連続撮影速度に基づいて複数の案内情報を切替えるので、撮影手段の連続撮影速度に応じて案内情報の撮影を迅速に行うことができる。
【0025】
また、請求項9に記載の経路案内装置によれば、表示切替手段は、経路選択指標を含む各案内情報を、目的地から出発地に至る順番で表示させるので、ユーザが撮影手段に格納された各案内情報を閲覧する場合において、格納時が新しい順に案内情報を閲覧することで、出発地から目的地に至る順に案内情報を閲覧することができ、探索された経路を一層容易に辿ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る経路案内システム、経路案内装置、経路案内方法、及び経路案内プログラムの各実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0027】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この形態は、撮影手段から出力される撮影音に基づいて当該撮影手段による撮影タイミングを特定し、当該特定した撮影タイミングに基づいて、表示手段に表示させる案内情報を切替える形態である。案内情報とは、出発地から目的地に至る経路に沿って利用者を当該出発地から当該目的地に案内するための情報であり、その具体例については後述する。
【0028】
(構成)
図1は実施の形態1に係る経路案内システムを例示するブロック図である。この経路案内システム1は、ナビゲーション装置2、情報配信センタ3、及び携帯電話4を備えており、ナビゲーション装置2と情報配信センタ3はネットワーク5を介して相互に通信可能に接続されている。
【0029】
(構成−ナビゲーション装置)
最初に、ナビゲーション装置2の構成について説明する。図2は実施の形態1に係るナビゲーション装置2の電気的構成を例示するブロック図である。このナビゲーション装置2は、特許請求の範囲における経路案内装置に対応するもので、現在地検出処理部20、撮影音検知部21、データ記録部22、表示部23、スピーカ24、操作部25、通信部26、及び経路案内制御部27を備えている。
【0030】
現在地検出処理部20は、ナビゲーション装置2が取り付けられた車両(以下必要に応じて「自車」)6の現在位置を検出する現在位置検出手段である。具体的には、現在地検出処理部20は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、ステアリングセンサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも一つを有し、現在の自車6の位置及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0031】
撮影音検知部21は、携帯電話4との間において当該携帯電話4による複数の案内情報の撮影タイミングを特定するための撮影タイミング特定手段であり、より具体的には、携帯電話4が撮影動作を行う際に当該携帯電話4から出力される撮影音(実際には電子的に記録及び再生される擬似的なシャッター音)を検知する撮影音検知手段である。この撮影音検知部21の具体的な構成は任意であり、例えば、音圧を電気信号として出力するためのマイクロフォンや、マイクロフォンから出力された電気信号に基づいて、マイクロフォンが感知した音圧が撮影音に起因するものであるか否かを判定する判定部を備える(いずれも図示省略)。この判定部の構成及び判定ロジックには、公知の音響解析技術を適用でき、例えば、マイクロフォンから出力された電気信号をA/D変換した上でフィルタ処理することで整形し、この整形されたデジタル信号の周波数パターンや変動パターン等を特定し、これら周波数パターンや変動パターン等と、携帯電話4から出力される撮影音の既知の周波数パターンや変動パターン等との類似度を判定し、この類似度を所定の閾値と比較することで、撮影音の判定を行なう。
【0032】
データ記録部22は、ナビゲーション装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0033】
このデータ記録部22は、ナビ側地図情報データベース(以下データベースを「DB」と称する)220、及びナビ側交通情報DB221を備えている。ナビ側地図情報DB220は、地図情報220aを格納する地図情報格納手段である。地図情報220aとは、経路案内に必要な情報であり、例えば、地図を表示部23に表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、各新設道路を特定するための新設道路情報、目的地に至るまでの経路を探索するための探索データ、及び目的地となる各地点を検索するための検索データ等を含んで構成されている。
【0034】
ナビ側交通情報DB221は、交通情報221aを格納するナビ側交通情報格納手段である。交通情報221aとは、現在の交通状態に関する現況交通情報221bや、将来の交通状態に関する予測交通情報221cである。例えば、現況交通情報221bは、渋滞の長さ等を含む道路渋滞に関する道路渋滞情報や、道路工事等に関する交通規制情報等を含み、情報配信センタ3や道路交通情報センタ(図示省略)から通信部26を介して随時入力される。予測交通情報221cは、現況交通情報221bに基づいて取得された将来の所定時刻における渋滞予測情報等を含み、現況交通情報221bと同様に道路交通情報センタから随時入力され、あるいは、車両側で現況交通情報221bに基づいて生成される。
【0035】
表示部23は、経路案内に関する各種情報(特に、後述する案内情報取得部271にて取得される案内情報を含む)を表示する表示手段である。この表示部23の具体的な構成は任意であり、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ、又は車両6のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することができる。
【0036】
スピーカ24は、経路案内に関する音声ガイダンス等を出力する出力手段である。なお、スピーカ24より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0037】
操作部25は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段である。操作部25を介して受け付ける操作入力の具体的な内容は任意であり、例えば、現在地の修正、出発地や目的地の設定、案内情報の検索等を挙げることができる。この操作部25の具体的な構成は任意であり、例えば、表示部23の前面に設けたタッチパネル、押しボタン、クリックホイール、キーボード、マウス、ジョイスティック、あるいはペン型入力装置を用いることができ、また固定的手段に限らずリモートコントローラの如き遠隔手段としてもよい。
【0038】
通信部26は、情報配信センタ3や道路交通情報センタ等との間でネットワーク5を介した通信を行う通信手段である。この通信部26を介して送受信される情報の具体的な内容は任意であり、例えば、上述した地図情報220aや交通情報221aを挙げることができる(後述するセンタ側通信部32も同様)。
【0039】
経路案内制御部27は、ナビゲーション装置2を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(後述する情報配信制御部33も同様)。特に、本実施の形態に係る経路案内プログラムは、任意の記録媒体又はネットワーク5を介してナビゲーション装置2にインストールされることで、経路案内制御部27の各部を実質的に構成する。
【0040】
この経路案内制御部27は、機能概念的に、経路探索部270、案内情報取得部271、及び表示切替部272を備えている。経路探索部270は、出発地から目的地に至る経路を探索する経路探索手段であり、車両用経路を探索する車両用経路探索手段としての車両用経路探索部270aと、歩行者用経路を探索する歩行者用経路探索手段としての歩行者用経路探索部270bを備えている。案内情報取得部271は、複数の案内情報を取得するための案内情報取得手段である。表示切替部272は、案内情報取得部271によって取得された複数の案内情報を切替える表示切替手段である。これら経路案内制御部27の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。なお、経路案内制御部27には、自車6の走行速度を検出する車速センサ273が接続されている。
【0041】
(構成−情報配信センタ)
次に、図1の情報配信センタ3について説明する。情報配信センタ3は、上述した地図情報220a及び交通情報221a、あるいはこれら各情報を更新するための更新情報を、ネットワーク5を介してナビゲーション装置2に配信する情報配信手段である。この情報配信センタ3は、図1に示すように、センタ側地図情報DB30、センタ側交通情報DB31、センタ側通信部32、及び情報配信制御部33を備えている。センタ側地図情報DB30は地図情報30aを格納する地図情報格納手段、センタ側交通情報DB31は交通情報31aを格納する交通情報格納手段である。センタ側通信部32は、ナビゲーション装置2や道路交通情報センタ等との間で通信を行う通信手段である。情報配信制御部33は、情報配信センタ3を制御する制御手段であり、ナビゲーション装置2からセンタ側通信部32を介して受信した情報更新要求に基づき、センタ側地図情報DB30の地図情報30aやセンタ側交通情報DB31の交通情報31aをセンタ側通信部32を介してナビゲーション装置2に配信する。
【0042】
(構成−携帯電話)
次に、携帯電話4について説明する。携帯電話4は、いわゆるカメラ付き携帯電話として構成されており、無線通話機能に加えて、ナビゲーション装置2の表示部23に表示された案内情報を撮影する撮影機能を備える。図1に示すように、携帯電話4は、被写体を撮影して画像情報を出力する撮影部40、この撮影部40から出力された画像情報を記録する記録部41、撮影部40から出力された画像情報を表示する表示部42、撮影部40が撮影動作を行う際に撮影音を出力する音響出力部43、及び携帯電話4に対する操作入力を受け付ける操作部44を備えている。これら携帯電話4の各構成要素については、公知のカメラ付き携帯電話と同様であるため、その詳細な説明は省略するものとし、特に無線通話機能に関する構成要素は図示を省略する。
【0043】
(構成−ネットワーク)
最後に、ネットワーク5について説明する。ネットワーク5は、ナビゲーション装置2と情報配信センタ3とを相互に通信可能に接続するものである。このネットワーク5の具体的な構成は任意であり、例えば、LAN、WAN、インターネット、電話回線網、テレビ放送網、FM多重放送網、BS放送網やCS放送網等、あるいは狭域通信システム(DSRC)等を使用することができる。
【0044】
(処理)
このように構成される経路案内システム1によって実行される経路案内処理について以下説明する。図3は経路案内システム1によって実行される経路案内処理を示したフローチャート、図4は経路案内処理において探索される経路の例を示した図、図5は案内情報取得部271によって取得された案内情報の例を示した図、図6は案内情報を表示する表示部23の例を示した図である(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。
【0045】
まず、ナビゲーション装置2の経路案内制御部27は、車両走行開始時等におけるユーザからの操作部25を介した操作によって、車両経路案内処理を起動する(SA1)。具体的には、ユーザによって、操作部25を介して目的地が入力されると、車両用経路探索部270aは、現在地検出処理部20を介して自車6の現在位置を検出し、当該検出した現在位置から目的地までの車両用の経路を探索する。そして、経路案内制御部27は、探索された経路に基づいて表示部23に案内情報を表示させ、必要に応じてスピーカ24から案内情報を音声にて出力させる。なお、現在位置から目的地までの経路探索ロジックについては、ダイクストラ法の如き公知のロジックを用いることができるため説明を省略する。
【0046】
その後、経路案内制御部27は、自車6が停車したか否かを監視する(SA2)。自車6が停車したか否かの判定は、例えば、オートマチックトランスミッションのセレクターがパーキングレンジに設定された場合、パーキングブレーキが掛けられた場合、エンジンが停止された場合、自車6の停止位置が駐車場としてナビ側地図情報DB220に登録されている位置である場合、あるいはこれらの組み合わせ等に基づいて、行うことができる。
【0047】
自車6が停車していない場合(SA2、No)、経路案内制御部27は、車両経路案内処理を継続する(SA1)。一方、自車6が停車した場合(SA2、Yes)、経路案内制御部27は、停車位置と目的地の間の距離を算定し、この距離を所定の第1距離及び第2距離と比較し、この比較結果に応じて異なる処理を行う。ここで、第1距離とは、停車位置が目的地から遠すぎるために当該目的地まで歩行によって移動することが想定されない距離、第2距離とは、停車位置が目的地に近すぎるために案内情報の必要性が想定されない距離(停車位置が目的地に隣接していると判断できる距離)である。
【0048】
すなわち、停車位置と目的地の相互の距離が、第1距離以上である場合(SA3、Yes)、自車6による移動が継続されることが予想でき、歩行用の案内情報は未だ表示する必要はないと考えられるため、経路案内制御部27は、車両経路案内処理を継続する(SA1)。
【0049】
一方、停車位置と目的地の相互の距離が、第1距離未満である場合であって(SA3、No)、第2距離以下である場合(SA4、Yes)、歩行用の案内情報がなくてもユーザが容易に目的地に到達可能であることが予想でき、歩行用の案内情報は表示する必要はないと考えられるため、経路案内制御部27は、経路案内処理を終了する。
【0050】
あるいは、停車位置と目的地の相互の距離が、第1距離未満である場合であって(SA3、No)、第2距離を越える場合(SA4、No)、歩行用の案内情報を行うことがユーザに有用であると考えられるため、経路案内制御部27は、歩行者用経路探索部270bに対して、停車位置から目的地に至る歩行経路を探索させる(SA5)。
【0051】
歩行経路探索に用いられる具体的なロジックは任意であり、例えば車両経路探索にも用いられているダイクストラ法により、停車位置から目的地までの経路の総距離等のコストが最小となる経路を探索し、当該探索した経路を推奨経路として設定することができる。この場合、歩行者用経路探索部270bは、ナビ側地図情報DB220に格納されている地図情報220aを参照して経路探索を実行するが、車両の経路探索の場合には参照されないデータを参照したり、車両の経路探索時とは異なる方法で経路探索を実行することができる。例えば、歩道橋や歩行者専用通路の通行を優先適用したり、電車やバスの如き交通機関を利用可能とする。この場合、ナビ側地図情報DB220に格納されていない情報については、情報配信センタ3や道路交通情報センタから取得することができる。
【0052】
次に、案内情報取得部271は、歩行者用経路探索部270bによって探索された経路の中から、ユーザによる経路選択指標となる複数の地点を抽出する(SA6)。例えば、経路選択指標としては、停車位置及び目的地に加えて、ユーザが曲がるべき交差点や曲がり角、ユーザが渡るべき横断歩道や歩道橋、ユーザの目印になる施設(例えば、店舗、駅、あるいはバス停等)を挙げることができる。さらに、ユーザが曲がるべき交差点や曲がり角の隣接間隔が所定距離以上である場合、これら隣接する交差点や曲がり角の間に位置する地点についても経路選択指標に含めることで、ユーザが歩行経路に沿って進行していることを容易に確認することができる。これら経路選択指標とすべき地点の種別をデータ記録部22に予め設定しておき、歩行者用経路探索部270bによって探索された経路上に位置付けられた地図情報220aの中から、データ記録部22に設定された種別に合致する交差点データや店舗データを抽出する。図4に示した例では、停車位置である駐車場から目的地に至る歩行経路の探索において、経路選択指標として、駐車場、ガソリンスタンド(以下「GS」)がある交差点、本屋、コンビニエンスストア(図示では「コンビニ」と表示)がある交差点、及び目的地を抽出している。
【0053】
続いて、案内情報取得部271は、抽出した複数の経路選択指標の各々について、当該経路選択指標を含む案内情報(この実施の形態では案内画像)を取得する(SA7)。この案内情報の取得には、ナビ側地図情報DB220に格納されている地図情報220aを利用することができ、この地図情報220aに含まれる平面地図画像や立体地図画像の中から、各経路選択指標の位置を含む所定範囲の画像を取得し、この画像上に経路選択指標を重畳することで案内情報を取得する。図5に示した例では、駐車場、GSがある交差点、本屋、コンビニエンスストアがある交差点、及び目的地の案内情報が取得されている。
【0054】
次に、表示切替部272は、案内情報取得部271によって取得された複数の経路選択指標についての案内情報のうち、停車位置に最も近い案内情報(図5の例では駐車場の案内情報)を最初に表示部23に表示させる(SA8)。このように表示部23に案内情報を表示させる場合、表示部23の全表示領域に案内情報を表示させてもよく、あるいは、携帯電話4によって撮影しやすい所定のサイズや所定の縦横比率にて案内情報を変換した上で表示させてもよい。また、携帯電話4による撮影をユーザに対して促す旨の表示を、案内情報と併せて表示部23に表示させることもできる。また、携帯電話4で撮影可能な限りにおいて、相互に隣接する複数の経路選択指標の案内情報を同時に表示部23に表示させてもよい。
【0055】
次に、撮影音検知部21は、携帯電話4によって出力される撮影音を監視する(SA9)。撮影音検知部21によって撮影音が検知される迄(SA9、No)、表示切替部272は、最初の案内情報の表示を切替えることなく待機する。
【0056】
一方、撮影音が検知された場合(SA9、Yes)、表示切替部272は、表示部23に表示させている案内情報が携帯電話4によって撮影されたものと判断し、当該表示させている案内情報の次に表示させるべき案内情報が存在するか否かを判定する(SA10)。すなわち、経路探索部270によって探索された経路に沿って、停車位置から目的地に至る順に、現在表示されている案内情報に含まれている経路選択指標の次に到達する経路選択指標を含む案内情報が、案内情報取得部271によって取得されているか否かを判定する。
【0057】
判定の結果、次に表示させるべき案内情報が存在する場合には(SA10、Yes)、表示切替部272は、表示部23によって表示させる画像を、当該次に表示させるべき案内情報に切替える(SA11)。その後、撮影音検知部21は、撮影音の検知を再度監視する(SA9)。以降同様に、表示させるべき案内情報がなくなる迄、案内情報の表示と撮影音の検知とが交互に繰り返されることで、停車位置から目的地に至る順に、経路選択指標を含んだ案内情報が携帯電話4によって撮影される。そして、案内情報取得部271によって取得された案内情報の全てが表示され、次に表示させるべき案内情報が存在しない場合(SA10、No)、経路案内制御部27は、経路案内処理を終了する。
【0058】
図6は本屋の案内情報が表示部23に表示されている例を示しており、図7は図6に示した案内情報を携帯電話4によって撮影し、当該携帯電話4の表示部42に表示させた例を示している。なお、図6に示したように、携帯電話4に撮影させるべき案内情報のほか、当該案内情報に含まれている経路選択指標に隣接する経路選択指標(図6においては、GSがある交差点及びコンビニエンスストアがある交差点)を含む案内情報を、同時に表示させてもよい。
【0059】
(効果)
このように本実施の形態1によれば、複数の案内情報を携帯電話4が撮影可能となるように切替えて表示部23に表示させるので、自車6の停車位置から目的地に至る経路案内に必要な複数の案内情報を携帯電話4を用いて容易に取得することができる。特に、複数の案内情報を自動的に切替えるため、利用者自らが案内情報を切替える手間や時間を省くことができ、利用者の利便性を高めることができる。
【0060】
また、撮影音検知部21によって特定された携帯電話4の撮影タイミングに基づいて、表示切替部272は表示部23に表示させている案内情報を次に表示させるべき案内情報に自動的に切替えることができるので、ユーザが別途操作部25を操作して表示部23による案内情報の表示を切替える必要がなく、携帯電話4に対する操作のみで迅速に表示部23による表示を切替えることができる。
【0061】
また、携帯電話4によって出力された撮影音を撮影音検知部21によって検知することにより携帯電話4の撮影タイミングを自動的に特定するので、撮影音に基づいて容易に案内情報を切替えることができる。
【0062】
また、案内情報取得部271は、探索された経路上における利用者の歩行時の経路選択指標を含む案内情報を取得するので、探索された経路を歩行する際の指標をユーザに出力することができる。
【0063】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、撮影タイミング情報通信手段を備えた形態である。なお、実施の形態2及びそれ以降の実施の形態の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0064】
(構成−ナビゲーション装置)
図8は実施の形態2に係るナビゲーション装置2の電気的構成を例示するブロック図である。このナビゲーション装置2は、上述の実施の形態1における撮影音検知部21に代えて、撮影タイミング情報通信部28を備えている。撮影タイミング情報通信部28は、携帯電話4における案内情報の撮影タイミングに関する情報を当該携帯電話4との間で通信するための撮影タイミング情報通信手段である。この撮影タイミング情報通信部28の具体的な構成は任意であり、例えば、Bluetoothの如き無線通信技術や、IrDAの如き光通信技術、あるいはUSBやIEEE1394を利用した有線通信技術を利用して構成することができる。
【0065】
(構成−携帯電話)
本実施の形態2における携帯電話4は、ナビゲーション装置2の撮影タイミング情報通信部28との間で撮影タイミングに関する情報の通信を行うための通信部(図示省略)を備えている。この通信部についても、撮影タイミング情報通信部28と同様に、Bluetooth等の無線通信技術、あるいはUSB等による有線通信技術を利用して構成することができる。
【0066】
(処理)
次に、本実施の形態2に係る経路案内システムによって実行される経路案内処理について説明する。図9は、経路案内システム1によって実行される経路案内処理の流れを示したフローチャートである。本実施の形態2に係る経路案内処理におけるSB1からSB7までの各処理は、上述の実施の形態1の経路案内処理におけるSA1からSA7までの各処理と同様であるので説明を省略する。
【0067】
SB7において案内情報取得部271によって案内情報が取得された後、撮影タイミング情報通信部28は、携帯電話4による最初の案内情報の撮影タイミングの到来を監視する(SB8)。この撮影タイミングの決定方法としては、例えば、ナビゲーション装置2の動作をトリガとする方法と、携帯電話4の動作をトリガとする方法を挙げることができ、いずれか所定の一方が実行される。ナビゲーション装置2の動作をトリガとする方法では、撮影タイミング情報通信部28は、携帯電話4の通信部と接続確立を行った後、表示切替部272に対して最初の案内情報の表示を指示する表示指示信号を出力し、この案内情報の表示が完了した時点で、撮影タイミングが到来したと判定して、携帯電話4の通信部に対して撮影を指示する旨の撮影指示信号を送信する。あるいは、携帯電話4の動作をトリガとする方法では、携帯電話4は、撮影タイミング情報通信部28と接続確立を行った後、撮影を行う準備が完了した旨の準備完了信号を送信し、撮影タイミング情報通信部28は、当該準備完了信号を受信した時点で、撮影タイミングが到来したと判定して、表示切替部272に対して最初の案内情報の表示を指示する表示指示信号を出力する。
【0068】
表示切替部272は、最初の表示指示信号を受けた場合、最初の案内情報として、停車位置に最も近い案内情報を表示部23に表示させる(SB9)。そして、携帯電話4は、当該表示された最初の案内情報を自動的に撮影する。具体的には、ナビゲーション装置2の動作をトリガとして撮影タイミングを決定した場合には、撮影指示信号を携帯電話4が受信した時点で、案内情報が表示部23に既に表示されていると考えられるので、携帯電話4は、当該指示信号の受信直後に、表示部23に表示された案内情報を自動的に撮影する。一方、携帯電話4の動作をトリガとする方法として撮影タイミングを決定した場合には、携帯電話4は、準備完了信号を送信した時点では案内情報が表示部23に未だ表示されていないと考えられるので、案内情報が表示されると予想される所定時間だけ待機した後、表示部23に表示された案内情報を自動的に撮影する。
【0069】
続いて表示切替部272は、当該表示させている案内情報の次に表示させるべき案内情報が存在するか否かを判定し(SB10)、次に表示させるべき案内情報が存在している場合には(SB10、Yes)、次の撮影タイミングが到来したと判定される毎に(SB8、Yes)、経路探索部270によって探索された経路に沿って、停車位置から目的地に至る順に、案内情報を切替えて表示部23に表示させる(SB9)。具体的には、ナビゲーション装置2の動作をトリガとする場合には、撮影タイミング情報通信部28は、表示部23によって最初の案内情報の表示が行われた後、携帯電話4の撮影が完了すると予想される所定時間が経過した時点で、表示切替部272に対して次の案内情報の表示を指示する表示指示信号を出力し、この案内情報の表示が完了した時点で、次の撮影タイミングが到来したと判定して、携帯電話4の通信部に対して撮影を指示する旨の撮影指示信号を送信する。あるいは、携帯電話4の動作をトリガとする場合には、携帯電話4は、最初の案内情報を撮影した後、準備完了信号を送信し、撮影タイミング情報通信部28は、当該準備完了信号を受信した時点で、次の撮影タイミングが到来したと判定して、表示切替部272に対して次の案内情報の表示を指示する表示指示信号を出力する。以降同様に、案内情報が全て撮影されるまで、案内情報の切替を行う。そして、次に表示させるべき案内情報が存在しないと判断された場合(SB10、No)、経路案内制御部27は、経路案内処理を終了する。
【0070】
ただし、このようなナビゲーション装置2と携帯電話4との連動による撮影は、2回目及びそれ以降に表示する案内情報の撮影にのみ適用するものとし、最初に表示する案内情報の撮影については、非連動撮影としてもよい。例えば、携帯電話4の動作をトリガとする場合には、実施の形態1の場合と同様に、SB7において案内情報が取得された後、まず停車位置に最も近い案内情報を表示部23に表示させ、ユーザが任意のタイミングで携帯電話4による撮影を行う。そして、撮影タイミング情報通信部28と携帯電話4の通信部の相互間で接続確立を行い、携帯電話4の通信部から撮影タイミング情報通信部28に対して準備完了信号を送信し、当該準備完了信号を撮影タイミング情報通信部28が受信した時点で、次の案内情報の撮影タイミングが到来したと判定し、表示切替部272によって案内情報の切替表示を行わせてもよい。
【0071】
(効果)
このように実施の形態2によれば、実施の形態1の全部又は一部と同様の効果に加えて、撮影タイミング情報通信部28を介して、携帯電話4による撮影タイミングを特定するための情報の通信を行なって連続撮影することができるので、通信に基づいて容易に案内情報を切替えることができる。
【0072】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、撮影条件特定手段を備えると共に、表示手段によって複数の案内情報を目的地に近接する順に表示させる形態である。
【0073】
(構成−ナビゲーション装置)
最初に、本実施の形態3に係るナビゲーション装置2の構成について説明する。図10は実施の形態3に係るナビゲーション装置2の電気的構成を例示するブロック図である。このナビゲーション装置2は、携帯電話4による撮影条件を特定する撮影条件特定部29を備えている。撮影条件特定部29は、撮影条件を特定する撮影条件情報を当該携帯電話4との間で通信するための通信手段である。この撮影条件の具体的な内容は任意であるが、ここでは、携帯電話4における記録容量(メモリ残量)、携帯電話4の撮影部40の解像度、携帯電話4の表示部42の解像度、携帯電話4の撮影部40で撮影可能な画像寸法とする。なお、撮影条件特定部29の具体的な構成は任意であり、実施の形態2の撮影タイミング情報通信部28と同様に構成できる。
【0074】
(構成−携帯電話)
本実施の形態3における携帯電話4は、ナビゲーション装置2の撮影条件特定部29との間で撮影条件情報の通信を行うための通信部(図示省略)を備えている。この通信部は、実施の形態2の携帯電話4の通信部と同様に構成できる。
【0075】
(処理)
次に、本実施の形態3に係る経路案内システムによって実行される経路案内処理について説明する。図11は、経路案内システム1によって実行される経路案内処理を示したフローチャートである。なお、SC1からSC6、SC10、及びSC12の処理については、実施の形態1において説明したSA1からSA6、SA9、及びSA11の処理とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。
【0076】
SC5において経路選択指標となる複数の地点が抽出された後、撮影条件特定部29は、携帯電話4の通信部との間で接続確立を行い、携帯電話4の通信部から撮影条件情報を受信することにより、携帯電話4における撮影条件を特定する(SC7)。
【0077】
案内情報取得部271は、撮影条件特定部29によって特定された撮影条件に基づき、SC5において抽出された複数の経路選択指標の各々について、当該経路選択指標を含む案内情報を取得する(SC8)。
【0078】
例えば、SC8では、撮影条件に含まれる記録容量に応じて、経路選択指標の数を調整する。すなわち、案内情報取得部271は、1つの案内情報の所定の記録容量と、SC5において抽出された経路選択指標の数を乗算することで、全ての案内情報を記録するために必要な記録容量を算定する。そして、案内情報取得部271は、撮影条件に含まれる記録容量が、当該算定した記録容量を下回る場合には、経路選択指標の数を削減する。この削減の基準は、例えば、SC5における経路選択指標の選択時の基準に優先度を予め設定しておき、優先度の低い順に経路選択指標を省略する。一例としては、ユーザが曲がるべき交差点や曲がり角に対しては高い優先度を設定し、ユーザの目印になる施設に対しては低い優先度を設定する。
【0079】
また、SC8では、撮影条件に含まれる撮影部40の解像度や表示部42の解像度に応じて、案内情報の解像度を調整する。すなわち、案内情報取得部271は、撮影条件の解像度が、デフォルトの案内情報の解像度を下回る場合には、案内情報の解像度を低減させる。例えば、表示部42の解像度が低い場合には、フォントの小さい文字や記号を表示部42で表示することが困難となる可能性があるので、案内情報における文字や記号の表示サイズを拡大し、案内情報の読み取り易さを向上させる。一方、撮影条件に含まれる解像度が、デフォルトの案内情報の解像度を上回る場合には、文字や記号の表示サイズを縮小し、1枚の案内情報に含まれる文字や記号の情報量を増加させることができる。
【0080】
さらに、SC8では、撮影条件に含まれる画像寸法に応じて、案内情報の表示寸法を調整する。すなわち、案内情報取得部271は、撮影条件の画像寸法が、デフォルトの画像寸法を下回る場合には、案内情報を縮小表示することで、案内情報全体が撮影可能となるようにする。一方、撮影条件の画像寸法が、デフォルトの画像寸法を上回る場合には、案内情報を拡大表示することで、撮影可能な範囲で最大サイズの案内情報を表示させて、案内情報の読み取り易さを向上させる。この他にも、例えば実施の形態2のような連動撮影機能を有する場合には、撮影条件に携帯電話4の連続撮影速度を含め、この連続撮影速度に基づいて表示切替部272による案内情報の切替速度を設定し、複数の案内情報が迅速なタイミングで連続撮影されるようにしてもよい。
【0081】
その後、表示切替部272は、案内情報取得部271によって取得された複数の案内情報を順次切替えて表示する(SC9からSC12)。ここでは、表示切替部272は、最初に表示部23に表示させる案内情報として、実施の形態1とは異なり、停車位置ではなく目的地に最も近い案内情報を選択する(SC9)。次いで、表示切替部272は、経路探索部270によって探索された経路に沿って、目的地から停車位置に至る順に、現在表示されている案内情報に含まれている経路選択指標の次に到達する経路選択指標を含む案内情報が、案内情報取得部271によって取得されているか否かを判定する(SC11)。すなわち、本実施の形態3においては、経路選択指標を含む各案内情報が、実施の形態1とは逆に、目的地から停車位置に至る順番で表示部23に切替えて表示される。
【0082】
(効果)
このように実施の形態3によれば、実施の形態1の全部又は一部と同様の効果に加えて、撮影条件特定部29によって特定された携帯電話4による撮影条件に応じて複数の案内情報の取得を行う。これにより、携帯電話4の撮影条件に合致した案内情報を表示でき、案内情報の最適化を図ることができる。例えば、携帯電話4の記録容量に応じた最適な枚数の案内情報を表示させることができる。また、例えば、携帯電話4の解像度に応じて文字や記号を最適な大きさとした案内情報を表示させることができ、当該携帯電話4にて撮影された案内情報における文字や記号をユーザにとって見やすくすることができる。さらに、例えば、携帯電話4が撮影可能な画像寸法に応じてサイズを調整した案内情報を表示させることができ、案内情報の周縁部の欠落や無駄な余白部分の発生を避けることができる。
【0083】
また、表示切替部272は、撮影条件特定部29によって特定された携帯電話4の連続撮影速度に基づいて複数の案内情報を切替えるので、携帯電話4の連続撮影速度に応じて案内情報の撮影を迅速に行うことができる。
【0084】
また、表示切替部272は、経路選択指標を含む各案内情報を、目的地から停車位置に至る順番で表示部23に表示させるので、ユーザが携帯電話4に格納された各案内情報を閲覧する場合において、格納時が新しい順に案内情報を閲覧することで、停車位置から目的地に至る順に案内情報を閲覧することができ、探索された経路を一層容易に辿ることができる。
【0085】
〔各実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0086】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0087】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各構成要素の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、ナビゲーション装置2の一部を情報配信センタ3に持たせたり、ナビゲーション装置2を複数の装置に分散することもできる。
【0088】
(各実施の形態の相互の関係について)
上記説明した各実施の形態は、任意の組み合わせで相互に組み合わせることができる。例えば、実施の形態1と実施の形態2を組み合わせて、撮影音検知部21と撮影タイミング情報通信部28の両方を備えるナビゲーション装置2を構成し、撮影音又は通信を状況に応じて選択的に切替えて、携帯電話4の撮影タイミングを特定可能としてもよい。
【0089】
(経路案内装置について)
経路案内装置は、ナビゲーション装置2の他、案内情報を表示可能な任意の機器(例えばPC等)として構成してもよい。
【0090】
(撮影手段について)
撮影手段は、携帯電話4の他、案内情報を撮影可能な任意の機器(例えばデジタルカメラやデジタルビデオカメラ)として構成してもよい。
【0091】
(経路探索部について)
経路探索部270にて探索される目的地としては、車両の目的地と停車後の歩行による目的地を別個に設定できるようにしてもよい。歩行経路探索を開始するための判定基準としては、例えば、自車6の停止位置が駐車場としてナビ側地図情報DB220に登録されている位置であること、ユーザが操作部25を介して歩行経路探索の開始を指示すること、あるいは、歩行経路の探索を指示する旨の探索指示信号が携帯電話4から送信されBluetooth等の通信手段を介してナビゲーション装置2に入力されたことを条件としてもよい。
【0092】
(案内情報取得部について)
上述の各実施の形態では、案内情報取得部271は、ナビ側地図情報DB220の地図情報220aではなく、ネットワーク5を介して情報配信センタ3から受信したデータに基づいて案内情報を取得してもよい。例えば、自車6が目的地から所定の範囲内に停車した場合において、案内情報取得部271が、停車位置及び目的地を特定する情報をネットワーク5を介して情報配信センタ3に送信し、当該情報に基づいて情報配信センタ3によって経路探索や複数の経路選択指標の抽出を実行させると共に、抽出された各地点についての地図表示データをセンタ側地図情報DB30からネットワーク5を介して案内情報取得部271に送信させ、当該地図表示データに基づいて案内情報を取得するように構成することもできる。この場合には、ナビゲーション装置2の構成を簡易化できる。
【0093】
また、案内情報は、図5に例示した画像情報に限定されず、画像情報に変換可能な二次元バーコードや、経路案内を文字情報として構成されたテキスト情報とすることもできる。あるいは、案内情報を複数に区分された動画情報として取得するとともに、動画の撮影が可能な撮影手段における撮影タイミングと同期させるように、当該複数の動画情報を表示切替部272によって順次切替えながら表示部23に表示させてもよい。
【0094】
さらに、表示部23に表示する案内情報の抽出は、ユーザからの操作部25を介した操作入力に応じて行ってもよい。例えば、候補になる案内情報を表示部23に一覧形式で表示させ、ユーザが選択した案内情報のみを個別に表示部23に表示させることで、ユーザが目的地まで以前にも歩行したことがあるような場合に、ユーザが覚えていない経路選択指標のみを表示させる等、経路案内の効率性を一層高めることができる。
【0095】
(表示切替部について)
上述の各実施の形態では、表示切替部272による案内情報の切替タイミングを決定する際には、撮影手段との連動を考慮する必要は必ずしもなく、一定の時間間隔にて案内情報の表示を順次自動的に切替えさせてもよく、あるいは、ユーザからの操作部25を介した操作入力に応じて案内情報の表示を切替えさせてもよい。この場合には、一層簡易な構成及び方法で、案内情報の切替を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】実施の形態1に係る経路案内システムを例示するブロック図である。
【図2】実施の形態1に係るナビゲーション装置の電気的構成を例示するブロック図である。
【図3】経路案内システムによって実行される経路案内処理を示したフローチャートである。
【図4】経路案内処理において探索される経路の例を示した図である。
【図5】案内情報取得部によって取得された案内情報の例を示した図である。
【図6】案内情報を表示する表示部の例を示した図である。
【図7】図6に示した案内情報を携帯電話によって撮影し、当該携帯電話の表示部に表示させた例を示す図である。
【図8】実施の形態2に係るナビゲーション装置の電気的構成を例示するブロック図である。
【図9】経路案内システムによって実行される経路案内処理の流れを示したフローチャートである。
【図10】実施の形態3に係るナビゲーション装置の電気的構成を例示するブロック図である。
【図11】経路案内システムによって実行される経路案内処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0097】
1 経路案内システム
2 ナビゲーション装置
3 情報配信センタ
4 携帯電話
5 ネットワーク
6 車両、自車
20 現在地検出処理部
21 撮影音検知部
22 データ記録部
23、42 表示部
24 スピーカ
25、44 操作部
26 通信部
27 経路案内制御部
28 撮影タイミング情報通信部
29 撮影条件特定部
30 センタ側地図情報DB
30a、220a 地図情報
31 センタ側交通情報DB
31a、221a 交通情報
32 センタ側通信部
33 情報配信制御部
40 撮影部
41 記録部
43 音響出力部
220 ナビ側地図情報DB
221 ナビ側交通情報DB
221b 現況交通情報
221c 予測交通情報
270 経路探索部
270a 車両用経路探索部
270b 歩行者用経路探索部
271 案内情報取得部
272 表示切替部
273 車速センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地に至る経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段にて探索された前記経路に沿って利用者を前記出発地から前記目的地に案内するための複数の案内情報を取得する案内情報取得手段と、
前記案内情報取得手段にて取得された複数の案内情報を表示する表示手段と、
前記案内情報取得手段にて取得された複数の案内情報が前記撮影手段にて撮影可能となるように、当該複数の案内情報を切替える表示切替手段と、
前記表示手段にて表示された複数の案内情報を撮影する撮影手段と、
を備えることを特徴とする経路案内システム。
【請求項2】
出発地から目的地に至る経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段にて探索された前記経路に沿って利用者を前記出発地から前記目的地に案内するための複数の案内情報を取得する案内情報取得手段と、
前記案内情報取得手段にて取得された複数の案内情報を表示する表示手段と、
前記案内情報取得手段にて取得された複数の案内情報が前記撮影手段にて撮影可能となるように、当該複数の案内情報を切替える表示切替手段と、
を備えることを特徴とする経路案内装置。
【請求項3】
前記撮影手段との間において、当該撮影手段による前記複数の案内情報の撮影タイミングを特定するための撮影タイミング特定手段を備え、
前記表示切替手段は、前記撮影タイミング特定手段にて特定された撮影タイミングに基づいて、前記複数の案内情報を切替えること、
を特徴とする請求項2に記載の経路案内装置。
【請求項4】
前記撮影タイミング特定手段は、前記撮影手段において前記案内情報が撮影された際に当該撮影手段から出力される撮影音を検知する撮影音検知手段であり、
前記表示切替手段は、前記撮影音検知手段にて検知された撮影音に基づいて、前記複数の案内情報を切替えること、
を特徴とする請求項3に記載の経路案内装置。
【請求項5】
前記撮影タイミング特定手段は、前記撮影手段における前記案内情報の撮影タイミングに関する情報を当該撮影手段との間で通信するための撮影タイミング情報通信手段であり、
前記表示切替手段は、前記撮影タイミング情報通信手段にて通信された情報に基づいて、前記複数の案内情報を切替えること、
を特徴とする請求項3又は4に記載の経路案内装置。
【請求項6】
前記案内情報取得手段は、前記複数の案内情報として、前記経路上における利用者の歩行時の経路選択指標を含む案内情報を取得すること、
を特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の経路案内装置。
【請求項7】
前記撮影手段による前記複数の案内情報の撮影条件を特定するための撮影条件特定手段を備え、
前記案内情報取得手段は、前記撮影条件特定手段にて特定された前記撮影条件に合致するように前記複数の案内情報を取得すること、
を特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の経路案内装置。
【請求項8】
前記撮影手段の連続撮影速度を特定するための撮影条件特定手段を備え、
前記表示切替手段は、前記撮影条件特定手段にて特定された前記連続撮影速度に基づいて前記複数の案内情報を切替えること、
を特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の経路案内装置。
【請求項9】
前記表示切替手段は、前記複数の案内情報にて案内される位置が前記目的地に近接する順に先に表示されるように、前記複数の案内情報を切替えること、
を特徴とする請求項2から8のいずれか一項に記載の経路案内装置。
【請求項10】
出発地から目的地に至る経路を探索する探索ステップと、
前記経路探索ステップにて探索された前記経路に沿って利用者を前記出発地から前記目的地に案内するための複数の案内情報を取得する情報取得ステップと、
前記案内情報取得ステップにて取得された複数の案内情報を表示する表示ステップと、
前記情報取得ステップにて取得された複数の案内情報が撮影手段にて撮影可能となるように、当該複数の案内情報を切替える表示切替ステップと、
を含むことを特徴とする経路案内方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とする経路案内プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−258014(P2009−258014A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109328(P2008−109328)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】