経路案内装置、経路案内システム、経路案内方法およびコンピュータプログラム

【課題】ユーザに適合した経路案内を行う技術を提供する。
【解決手段】ユーザに対して目的地までの経路を案内する経路案内装置であって、ユーザの現在位置から目的地まで案内する経路である誘導ルートの情報を取得する誘導ルート取得部と、ユーザの行動履歴に起因する領域であるユーザ領域の情報を取得するユーザ領域取得部と、所定の案内機能により取得した誘導ルートの情報に基づく誘導ルートをユーザに案内する際に、現在位置が、進行可能領域にある場合に、所定の案内機能の少なくとも一部を行わない案内実行部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路を案内する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
経路を案内する経路案内システムは、ユーザの現在位置をGPSなどで取得し、地図上に現在位置およびユーザ経路の表示を行う。また、ユーザが誤って経路から逸脱した場合には、リルート、即ちユーザの現在位置から目的地に至る経路を再度探索する処理を実行し案内を継続する。リルートに関する技術としては、例えば下記特許文献1が知られている。
【0003】
ところで、自宅付近などユーザが地理的に詳しい領域や(以下、日常圏とも呼ぶ)や目的地までの経路を示す目印等が存在する領域など、ユーザが経路案内システムに頼ることなく目的地まで到達可能な領域においては、ユーザは、経路案内システムで案内される経路を逸脱して自ら選択した経路を移動することがある。このような場合、従来の経路案内システムはリルート案内を行うが、ユーザは自ら経路を選択して移動するため、リルート案内が過度の案内となり、ユーザが案内を煩わしく感じるという問題が指摘されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−232645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、ユーザに適合した経路案内を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
【0007】
[適用例1]
ユーザに対して目的地までの経路を案内する経路案内装置であって、
前記ユーザの現在位置から前記目的地まで案内する経路である誘導ルートの情報を取得する誘導ルート取得部と、
前記ユーザの行動履歴に起因する領域であるユーザ領域の情報を取得するユーザ領域取得部と、
所定の案内機能により前記取得した誘導ルートの情報に基づく誘導ルートを前記ユーザに案内する際に、前記現在位置が前記ユーザ領域にある場合、前記所定の案内機能の少なくとも一部を行わない案内実行部と
を備える経路案内装置。
【0008】
この経路案内装置によると、通常の経路案内をユーザに行う中で、ユーザの行動履歴に起因する領域(ユーザー領域)において、案内機能の少なくとも一部を行わないものとすることができる。
【0009】
[適用例2]
適用例1記載の経路案内装置であって、所定の案内機能により前記誘導ルートを前記ユーザに案内する際に前記案内実行部は、前記現在位置が前記ユーザ領域にある場合、前記所定の案内機能の、前記誘導ルートの情報の取得、前記誘導ルートの表示、前記誘導ルートの音声による案内、リルートの情報の取得、前記リルートの表示、前記リルートの音声による案内の少なくとも一部を行わない経路案内装置。
【0010】
この経路案内装置によると、ユーザの現在位置が、ユーザの行動履歴に起因する領域(ユーザー領域)にある場合には、案内機能としての、誘導ルートの情報の取得、誘導ルートの表示、誘導ルートの音声による案内、リルートの情報の取得、リルートの表示、リルートの音声による案内の少なくとも一部を行わないので、これらの案内機能によりユーザが過度の案内と感じることを抑制し、ユーザに適合した経路案内を行うことができる。
【0011】
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の経路案内装置であって、前記ユーザ領域は、複数の領域に区分されてなり、前記案内実行部は、前記現在位置が前記ユーザ領域内である場合に、前記区分した各領域ごとに、前記行わない案内機能が異なる経路案内装置。
【0012】
この経路案内装置によると、ユーザ領域を区分し、区分した各領域によってユーザに適合した経路案内をすることができる。
【0013】
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の経路案内装置であって、前記ユーザ領域取得部は、当該経路案内装置とは異なる装置であって、前記ユーザ領域を記憶するユーザ領域設定装置から、前記ユーザ領域の情報を取得する経路案内装置。
【0014】
この経路案内装置によると、ユーザ領域設定装置からユーザ領域の情報を取得することができる。
【0015】
[適用例5]
ユーザに対して目的地までの経路を案内する経路案内システムであって、ユーザの現在位置を取得する現在位置取得部と、前記現在位置から前記目的地まで前記案内する経路である誘導ルートを探索する誘導ルート探索装置と、前記ユーザの行動履歴に起因するユーザ領域として設定して記憶するユーザ領域設定装置と、前記探索した誘導ルートに基づいて、前記誘導ルートを前記ユーザに所定の案内機能により案内するとともに、前記移動体の現在位置が前記設定されたユーザ領域にある場合に、前記案内機能の少なくとも一部を行わない案内実行部とを備える経路案内システム。
【0016】
この経路案内システムによると、通常の経路案内をユーザに行う中で、ユーザ領域において案内機能の少なくも一部を行わないものとすることができる。
【0017】
[適用例6]
ユーザに対して目的地までの経路を案内する経路案内方法であって、前記ユーザの現在位置から前記目的地まで案内する経路である誘導ルートの情報を取得し、前記ユーザの行動履歴に起因する領域であるユーザ領域の情報を取得し、所定の案内機能により前記取得した誘導ルートの情報に基づく誘導ルートを前記ユーザに案内する際に、前記現在位置が、前記ユーザ領域にある場合、前記所定の案内機能の少なくとも一部を行わない経路案内方法。
【0018】
この経路案内方法によると、通常の経路案内をユーザに行う中で、ユーザ領域において、案内機能の少なくも一部を行わないものとすることができる。
【0019】
[適用例7]
ユーザに対して目的地までの経路を案内するためのコンピュータプログラムであって、前記ユーザの現在位置から前記目的地まで案内する経路である誘導ルートの情報を取得する機能と、前記ユーザの行動履歴に起因する領域であるユーザ領域の情報を取得する機能と、所定の案内機能により前記誘導ルートを前記ユーザに案内する際に前記現在位置が前記ユーザ領域にある場合、前記所定の案内機能の少なくとも一部を行わない機能と をコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
【0020】
このコンピュータプログラムによると、コンピュータが通常の経路案内をユーザに行う中で、ユーザ領域において、案内機能の少なくも一部を行わないものとすることができる。
【0021】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、ユーザに対して目的地までの経路を案内する経路案内装置であって、移動する移動体の現在位置と、前記目的地とに基づいて、前記現在位置から前記目的地まで案内する経路である誘導ルートの情報を取得する誘導ルート取得部と、前記取得した誘導ルートの情報に基づいて、前記誘導ルートを前記ユーザに所定の案内機能により案内するとともに、前記移動体の現在位置が、設定された所定の領域であって前記目的地として設定された領域より広い領域にある場合に、前記案内機能の少なくとも一部を行わない案内実行部とを備える経路案内装置としても実現することが可能である。その他、経路案内制御方法および装置、案内機能制御システム、それらの方法または装置の機能を実現するための集積回路、コンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】経路案内システム10の概略構成を示す説明図である。
【図2】携帯端末100が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図3】携帯端末100が行う案内の処理の内容についてまとめた表である。
【図4】日常圏内に出発地が含まれている場合の案内機能の説明図である。
【図5】日常圏内に経由地(通過点)が含まれている場合の案内機能の説明図である。
【図6】日常圏内に目的地が含まれている場合の案内機能の説明図である。
【図7】日常圏設定処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】ルート案内データ取得処理の流れを示したフローチャートである。
【図9】日常圏設定システム20の概略構成を説明する説明図である。
【図10】日常圏設定処理の流れを示したフローチャートである。
【図11】測位情報のデータ構造の一例を示す説明図である。
【図12】基礎データのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図13】基礎データが生成される様子を説明する説明図である。
【図14】日別メッシュデータのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図15】日別メッシュデータが生成される様子を説明する説明図である。
【図16】第1配分条件に応じて滞在時聞を配分する様子を説明する図である。
【図17】第2配分条件に応じて滞在時間を配分する様子を説明する図である。
【図18】第3配分条件に応じて滞在時間を配分する様子を説明する図である。
【図19】日別メッシュデータ生成処理の流れを示したフローチャートである。
【図20】集計期間別メッシュデータを生成する様子を説明する図である。
【図21】集計期間別メッシュデータ生成処理の流れを示したフローチャートである。
【図22】日常圏条件の一例を示す図である。
【図23】特定された日常圏の一例を示す図である。
【図24】集計期間別メッシュデータより日常圏を特定する様子を説明する図である。
【図25】日常圏特定処理の流れを示したフローチャートである。
【図26】第3実施例について説明する説明図である。
【図27】第4実施例について説明する説明図である。
【図28】変形例2について説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
A.第1実施例:
(A1)経路案内システムの構成:
図1は、本発明の実施例としての経路案内システム10の概略構成を示す説明図である。経路案内システム10は携帯端末としての携帯端末100と、経路サーバ200と、地図サーバ300と、日常圏サーバ400とを備える。携帯端末100と、経路サーバ200と、地図サーバ300と、日常圏サーバ400とは互いにインターネットINTを介して通信可能に接続されている。携帯端末100は、基地局BSを介して、無線によってインターネットINTに接続されている。経路案内システム10は、ユーザの現在位置からユーザが所望する目的地までの経路案内を、携帯端末100が備える表示パネル104への経路の表示や、音声出力部106から出力する音声による経路案内などの報知手段によって行うためのシステムである。
【0024】
携帯端末100は、主制御部101を中心に構成され、通信部102、通話制御部103、表示パネル104、キー入力部105、音声出力部106、GPS受信機107が接続されている。さらに、主制御部101は、CPU112と、RAM114と、ROM116とを備える。主制御部101は携帯端末100の全体の動作の制御を行う。またROM116には、後に説明する経路案内処理を実行するためのプログラム(以下、経路案内プログラムとも呼ぶ)が記憶されており、CPU112がRAM114に読み出して実行することにより、経路案内処理を実行する。通信部102は、基地局BSとの間でデータ通信もしくは音声通信を行うための回路である。通信部102は基地局BSを介して、経路サーバ200、地図サーバ300、日常圏サーバ400にアクセスを行うことができる。通話制御部103は、音声通話のための着信や呼び出し、音声信号と電気信号の変換などを行う回路である。携帯端末100は、通信部102と通話制御部103とを備えることにより、携帯電話として動作する。
【0025】
表示パネル104は、液晶ディスプレイとこれを駆動する駆動回路とを備える。表示パネル104は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなど、種々の表示装置を採用することが可能である。キー入力部105は、方向入力キー105aや、その他の操作キー105bなどのキー群から構成される。携帯端末100のユーザは、これらのキーを用いることで、各種の操作を行う。GPS受信機107は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)を構成する人工衛星から送信された電波を受信する装置である。音声出力部106は、経路案内時に音声を出力するためのスピーカや、これを駆動する回路から構成される。
【0026】
経路サーバ200は、携帯端末100からの経路探索要求に対して、携帯端末100が指定した出発地と目的地とを結ぶ推奨経路を探索し、探索結果を推奨経路データとしてインターネットINTを介して携帯端末100に送信するためのサーバである。経路サーバ200は、制御部201と、通信部202と、経路データベース214(経路DB214)とを備える。制御部201は、経路サーバ200の全体の動作を制御する。通信部202は、インターネットINTを介して携帯端末100と通信を行う。経路データベース214には、道路のつながり状態が記録されている。道路のつながり状態は、交差点や分岐点等を表すノードデータと、ノードデータを結ぶ線分によって道路を表すリンクデータによって表されている。
【0027】
地図サーバ300は、携帯端末100からの地図データの取得要求に対して、指定された範囲の地図データをインターネットINTを介して携帯端末100に送信するためサーバである。地図サーバ300は、制御部301と、通信部302と、地図データベース314(地図DB314)とを備える。制御部301は、地図サーバ300の全体の動作を制御する。通信部302は、インターネットINTを介して携帯端末100と通信を行う。地図データベース314には、携帯端末100に供給する地図データがベクトル形式、ラスター形式等で記録されている。この地図データには、地形や建物、道路等の形状を表すデータが含まれる。制御部301は、携帯端末100からの地図データの取得要求があると、指定された範囲の地図データを地図データベース314から検索し、通信部302を介して携帯端末100に送信する。
【0028】
日常圏サーバ400は、携帯端末100から要求に応じて、携帯端末100のユーザの日常圏を定めたデータを携帯端末100に送信するサーバである。「日常圏」とは、携帯端末100のユーザの居住地周辺や、学校や職場周辺、ユーザが頻繁に訪れる場所、および、その周辺など、ユーザの生活圏を指す。換言すれば、ユーザが地理的に詳しい領域や、様々な道路等を知っていたり、又は種々の経路を推測可能な領域を言う。日常圏サーバ400は、後に説明する日常圏設定処理において、予めユーザの日常圏を設定して記憶している。
【0029】
日常圏サーバ400は、制御部401と、通信部402と、日常圏データベース414(日常圏DB414)とを備える。制御部401は、日常圏サーバ400の全体の動作を制御する。通信部402は、インターネットINTを介して携帯端末100と通信を行う。日常圏サーバ400は、携帯端末100から受信したユーザ情報に基づいてユーザを特定し、特定したユーザに対応した日常圏を日常圏データベース414から読込み、携帯端末100に送信する。
【0030】
(A2)経路案内処理:
次に、経路案内システム10が行う経路案内処理について説明する。経路案内処理は、ユーザの現在位置からユーザの設定した目的地までの経路を、ユーザに案内する処理である。説明の便宜上、後述する経路の再探索(リルート探索)および、再探索後の経路(リルート)と区別するため、経路案内処理の開始当初案内する経路を「ルート」と呼ぶ。「ルート」は特許請求の範囲に記載の「誘導ルート」に対応する。ルートは、本実施例では、経路案内システム10が推奨する経路である。その他のルートとして、ユーザが経由地点や通過点、あるいは、経路自体を設定するなど、予めユーザが条件を設定することによって特定された経路であってもよい。
【0031】
図2は、経路案内システム10において、携帯端末100が行う経路案内処理の流れを示したフローチャートである。経路案内処理は、携帯端末100のユーザが、キー入力部105(方向入力キー105aや操作キー105b)を操作して、ROM116に記憶されている経路案内プログラムを起動することで開始される。経路案内処理が開始されると、携帯端末100は日常圏取得処理を行う(ステップS110)。日常圏取得処理は、ユーザの日常圏の領域のデータ(以下、単に日常圏とも呼ぶ)を、日常圏サーバ400から取得し、経路案内処理に用いるためにRAM114に記憶する処理である。日常圏取得処理については後で説明する。
【0032】
携帯端末100は、日常圏を設定すると、ルート案内データ取得処理を行う(ステップS120)。ルート案内データ取得処理は、GPS受信機107によって特定したユーザの現在位置と、ユーザのキー入力部105の操作によって入力および設定したユーザの所望の目的地とに基づいて、現在位置から目的地までのルートを案内するために必要なデータを、経路サーバ200と地図サーバ300とから取得する処理である。ルートを案内するために必要なデータには、案内するルートのデータ(以下、ルートデータとも呼ぶ)や、ユーザに向けてルートを表示するために用いる地図画像データが含まれる。ルート案内データ取得処理の詳細については後で説明する。なお、本実施例においては、経路案内処理中にルート案内データ取得処理を一回行うものとし、ルートを案内するために必要なデータを一度に取得しているが、データ容量が多い場合や、案内するルートが広範囲にわたる場合は、複数回に分けて所定のタイミングでルート案内データ取得処理を行うとしてもよい。
【0033】
携帯端末100は、ルート案内データ取得処理後(ステップS120)、ユーザがキー入力部105を操作することによって行った案内開始の指示を受付け(ステップS132:YES)、ルート案内を開始する(ステップS134)。携帯端末100が行うルート案内には、地図画像上にルートを重畳した画像の表示パネル104への表示と、音声出力部106を用いたルートの音声案内が含まれる。
【0034】
ルート案内を開始すると、携帯端末100は、GPS受信機107を用いて、所定の期間毎に携帯端末100(ユーザ)の現在位置を特定する(ステップS136)。そして、特定した現在位置が、日常圏取得処理(ステップS110)において取得した日常圏の領域内か否かを判断する(ステップS138)。携帯端末100は、現在位置が日常圏内ではない場合(ステップS138:NO)、その現在位置が、案内しているルートから逸脱していないかを判断する(ステップS140)。現在位置がルートから逸脱している場合、携帯端末100は、ルートを逸脱後の現在位置から目的地までの新たなルート(リルート)を案内するためのデータ(以下、リルート案内データとも呼ぶ)の取得を行い(ステップS142)、ユーザに向けてリルートの案内を行う(ステップS144)。リルート案内データの取得は、ルート案内データ取得処理(ステップS120)と同様に、リルートの案内をするために必要な経路のデータ(リルートデータ)と、ユーザに向けてリルートを表示するために用いる地図画像データとを、経路サーバ200および地図サーバ300から取得する処理である。後で詳細を説明するルート案内データ取得処理(ステップS120)と処理内容は同じであるので、リルート案内データ取得処理の詳細な説明は省略する。
【0035】
一方、ステップS140において、現在位置がルート内である場合(ステップS140:YES)、携帯端末100は、そのままルート案内を継続する(ステップS146)。すなわち、表示パネル104へのルート表示、および音声出力部106を用いたルートの音声案内を行う。ここまでのステップS140〜S146までの処理、即ち、現在位置が日常圏ではない場合の処理(ステップS138:NO)は、一般に知られている経路案内システムと同様の処理である。
【0036】
次に、ステップS138において、現在位置が日常圏内である場合(ステップS138:YES)について説明する。現在位置が日常圏内である場合、携帯端末100は、現在位置を含むその日常圏に、出発地点または目的地点が含まれているか判断する(ステップS148)。現在位置を含むその日常圏に、出発地または目的地が含まれている場合(ステップS148:YES)、携帯端末100は、現在位置が案内しているルート内である場合も、案内しているルートから逸脱している場合も、いずれの場合においても、ルートの案内をしない(ステップS150)。
【0037】
本実施例においては、「ルートを案内しない」とは、複数回に分けてルート案内データを取得する場合のそのルート案内データの取得、ルート表示、ルート音声案内、現在位置がルートから逸脱した場合のリルート案内データ取得、リルート表示、リルート音声案内など、携帯端末100がユーザに対して経路を案内するための機能(以下、案内機能とも言う)を行わないことを言う。なお、これに限ることなく、例えば、ルート表示やリルート表示のみ行い、ルート音声案内やリルート音声案内は行わないなど、案内機能の一部を行わないとしてもよい。
【0038】
一方、ステップS148において、現在位置を含むその日常圏に、出発地点または目的地点が含まれていない場合(ステップS148:NO)、携帯端末100は、現在位置が案内しているルート内である場合も、案内しているルートから逸脱している場合も、いずれの場合であるかに関わらず、ルート表示のみ行う(ステップS152)。現在位置を含むその日常圏に出発地点または目的地点が含まれていない場合とは、移動中に通過している地点(通過点)が日常圏である場合や、現在位置と目的地との間に経由地があり、経由地(通過点)が日常圏に含まれている場合である。この場合における「ルート表示のみ」行うとは、案内開始当初のルートの表示のみ行い、そのルート音声案内は行わないことを意味する。また、現在位置が案内しているルートから逸脱した場合であっても、リルート案内データの取得や、リルート表示、リルート音声案内は行わない。このように、ステップS148〜S152までの処理、即ち、現在位置が日常圏内である場合の処理(ステップS138:YES)においては、携帯端末100は、ユーザに対して少なくとも案内機能の一部を行わない。
【0039】
携帯端末100は、このようなステップS136〜S152の処理を、目的地に到着するか、ユーザが経路案内処理を終了するまで繰り返し行い、目的地への到着またはユーザによる経路案内処理の終了の操作と共に経路案内処理は終了する。
【0040】
図2で説明したように、携帯端末100は、現在位置が日常圏内であるか否かや、その日常圏が、出発地、経由地(通過点を含む)、目的地のいずれを含んでいるか等、現在位置の状態に応じて、行う案内機能が異なる。図2における携帯端末100が行う案内機能の内容の理解を容易にするため、現在位置の各状態に対して携帯端末100が行う案内機能について、図3、図4、図5、図6を用いて説明する。図3は、現在位置を、出発地周辺、経由地(通過点)、目的地の3つの場合に分け、さらに、日常圏の内か外か、ルートの内か外か(ルートを逸脱していないか、逸脱しているか)の各場合に分けて携帯端末100が行う案内機能の内容についてまとめた表である。図4は、ユーザの日常圏内に出発地が含まれている場合に携帯端末100が行う案内機能の内容を説明する説明図である。図5は、ユーザの日常圏内に経由地(通過点)が含まれている場合に携帯端末100が行う案内機能の内容を説明する説明図である。図6は、ユーザの日常圏内に目的地が含まれている場合に携帯端末100が行う案内機能の内容を説明する説明図である。
【0041】
図3および図4を用いて日常圏内に出発地が含まれる場合について説明する。図4おいて示した実線は経路案内システム10が推奨して案内するルートを示し、破線は仮にユーザがルートを逸脱して移動した場合の経路(逸脱ルート)を示し、二点鎖線は経路案内システム10が探索して示したリルートを示している。また、図4において、斜線のハッチングを付した領域は日常圏を示している。
【0042】
図4に示すように、ユーザが出発地から移動を開始し日常圏内を移動している場合は、ルートまたは逸脱ルートのいずれを移動しているときであっても、携帯端末100は、表示パネル104に示した地図画像上に現在位置の表示のみ行い、ルート表示やルート音声案内、リルート探索およびリルート表示やリルート音声案内は行わない。すなわち、「ルート案内しない(図2:ステップS150)」に対応する。なお、図4においては、説明の便宜上、日常圏内にルートを表示しているが、実際の表示パネル104には日常圏内におけるルートの表示は行わない。
【0043】
そして、ユーザが日常圏の内から外へと移動した場合であって、ユーザがルート上を移動しているときは、携帯端末100は、ルート表示およびルート音声案内を行う。すなわち、「ルート案内(図2:ステップS146)」に対応する。一方、ユーザが日常圏の内から外へと移動した場合であって、ユーザが逸脱ルート上を移動しているときは、携帯端末100は、日常圏の境界において、経路案内システム10としてリルート検索を開始し、現在位置から目的までのリルートの表示およびリルート音声案内を行う。すなわち、「リルート案内(図2:ステップS144)」に対応する。この場合、リルートとして少なくとも2つの経路を採用することができる。1つ目の経路は、図4にリルートPとして示したように、現在位置から当初のルートへユーザを誘導する経路である。2つ目の経路は、図4にリルートQとして示したように、当初のルートを考慮せず、現在位置と目的地との間で推奨される経路である。この2つのリルート(PまたはQ)のうち、経路案内システム10として予めいずれかに設定しているとしてもよいし、この2つのリルートを表示パネル104に表示した上で、ユーザが選択するとしてもよい。その他、渋滞情報や、最短距離、道路の種類(一般道や高速道路)などの種々の条件を考慮して携帯端末100またはユーザが決定するとしてもよい。
【0044】
次に、図3および図5を用いて日常圏内に経由地(通過点を含む)が含まれる場合について説明する。図5に示すように、ユーザが経由地として日常圏内を移動している場合は、ルートまたは逸脱ルートのいずれを移動しているときであっても、携帯端末100は、ルートの表示のみ行い、ルートの音声案内は行わない。そして、ユーザが日常圏の内から外へと移動した場合であって、ユーザがルート上を移動しているときは、携帯端末100は、ルート表示およびルートの音声案内を行う。すなわち、「ルート案内(図2:ステップS146)」に対応する。一方、ユーザが日常圏の内から外へと移動した場合であって、ユーザが逸脱ルート上を移動しているときは、携帯端末100は、日常圏の境界において、経路案内システム10としてリルート検索を開始し、現在位置から目的地までのリルートの表示およびリルート音声案内を行う。「リルート案内(図2:ステップS144)」に対応する。この場合のリルートも、日常圏内に出発地が含まれる場合(図4)と同様に、リルートPとリルートQの2つのリルートを採用することができる。
【0045】
最後に、図3および図6を用いて日常圏内に目的地が含まれる場合について説明する。図6に示すように、ユーザが出発地から移動を開始して、日常圏の外を移動している場合であって、ルート上を移動している場合は、携帯端末100は、ルート表示およびルート音声案内を行う。すなわち、「ルート案内(図2:ステップS146)」に対応する。ユーザが日常圏の外を移動している場合であって、逸脱ルートを移動している場合は、経路案内システム10としてリルート検索を開始し、現在位置から目的までのリルートの表示およびリルート音声案内を行う。「リルート案内(図2:ステップS144)」に対応する。この場合のリルートも、日常圏内に出発地が含まれる場合(図4)と同様に、リルートPとリルートQの2つのリルートを採用することができる。
【0046】
ユーザが日常圏の外から内に移動した場合は、ルートまたは逸脱ルートのいずれを移動しているときであっても、携帯端末100は、表示パネル104に示した地図画像上に現在位置の表示のみ行い、ルート表示やルートの音声案内、リルート探索およびリルートの表示やリルートの音声案内は行わない。すなわち、「ルート案内しない(図2:ステップS150)」に対応する。このように、現在位置の状態に応じて、携帯端末100が行う案内機能は異なる。以上、携帯端末100が行う経路案内処理の詳細について説明した。
【0047】
(A3)日常圏取得処理およびルート案内データ取得処理:
次に、経路案内処理における日常圏取得処理(図2:ステップS110)およびルート案内データ取得処理(図2:ステップS120)について説明する。図7は、経路案内システム10が行う日常圏取得処理の流れを示したフローチャートである。経路案内システム10は、日常圏取得処理を開始すると、携帯端末100が、携帯端末100のユーザを特定する情報(ユーザ情報)を日常圏サーバ400に送信する(ステップS111)。ユーザ情報としては、例えば、経路案内システム10を利用するユーザ毎に割り当てたユーザIDやメールアドレスなど、ユーザ個人を特定可能な情報を用いることができる。
【0048】
日常圏サーバ400(制御部401)は、ユーザ情報を受信すると(ステップS411)、日常圏データベース414(図1参照)に格納されている、各ユーザ毎の日常圏のデータの中から、受信したユーザ情報に対応するユーザの日常圏データを読み込む(ステップS402)。そして、読み込んだ日常圏データを、インターネットINTを介して携帯端末100に送信する(ステップS413)。携帯端末100は、日常圏サーバ400から日常圏データを受信し(ステップS112)、RAM114に記憶することで日常圏の領域の設定を行う(ステップS113)。なお、本実施例においては、日常圏データベース414に格納されているユーザの日常圏は、予めユーザが携帯端末100を介して手動で設定したものである。その他、後の第2実施例で説明するように、日常圏サーバ400が、ユーザが移動した領域に関する情報を取得し、自動でユーザの日常圏を特定し日常圏データベース414に格納しているとしてもよい。このようにして、経路案内システム10は、日常圏取得処理を行う。
【0049】
次に、経路案内処理におけるルート案内データ取得処理(図2:ステップS120)について説明する。図8は、経路案内システム10が行うルート案内データ取得処理の流れを示したフローチャートである。経路案内システム10は、ルート案内データ取得処理を開始すると、携帯端末100が、GPS受信機107を用いて、携帯端末100の現在位置を特定する(ステップS121)。その後、ユーザがキー入力部105を用いて目的地を入力すると、携帯端末100は、現在位置と目的地のデータ(経度・緯度)を経路サーバ200に送信すると共に、現在位置から目的地までの推奨経路のデータ(ルートデータ)を経路サーバ200に対して要求する(ステップS122)。経路サーバ200は、携帯端末100からのルートデータの要求を受信すると(ステップS201)、経路データベース214に格納しているノードデータやリンクデータを用いて、推奨経路の探索を行う(ステップS202)。経路サーバ200は、探索した推奨経路のルートデータを携帯端末100に送信する(ステップS203)。携帯端末100は、経路サーバ200から送信されたルートデータを受信し、RAM114に記憶する(ステップS123)。
【0050】
携帯端末100は、次に、受信したルートデータを地図画像上に重畳して表示パネル104に表示するための地図画像のデータ(地図データ)を地図サーバ300に対して要求する(ステップS124)。具体的には、ルートデータを重畳するために必要な矩形の地図画像の4隅の座標(経度、緯度)を地図サーバ300に対して送信すると共に、その座標によって特定される領域の地図データを要求する。携帯端末100からの地図データの要求を受信すると(ステップS301)、地図サーバ300は、地図データベース314から、要求に応じた領域の地図画像データを読み込み(ステップS302)、携帯端末100に送信する(ステップS303)。携帯端末100は、地図サーバ300から地図データを受信すると(ステップS125)、地図データと、先の取得したルートデータとを重畳して、表示パネル104に表示する画像(以下、ルート表示画像とも呼ぶ)を生成し、RAM114に記憶する(ステップS126)。このようにして経路案内システム10は、ルート案内データ取得処理を行う。
【0051】
以上説明したように、経路案内システム10は、ユーザへルートを案内する際に、現在位置がユーザの日常圏の領域である場合には、複数ある案内機能のうち、少なくともその一部を行わない。また、日常圏内であれば、ユーザがルートを逸脱した場合であっても、同様に、案内機能の一部を行わない。日常圏ではユーザはその領域の地理的な知識があるため、案内機能が無くとも自らの地理的な知識によって移動をする方がスムーズに移動ができる場合が多い。したがって、経路案内システム10においては、ユーザの現在位置が日常圏内であるときは、ルートの表示やルート音声案内およびリルートの表示や音声案内など、ユーザが過度の案内と感じることが多い処理を行わず、案内機能によってユーザが感じる煩わしさを抑制することができる。
【0052】
本実施例においては、ユーザの日常圏は日常圏サーバ400から取得するとしたが、その他、ユーザが携帯端末100を用いて設定するとしてもよいし、携帯端末100が、GPS受信機107を用いてユーザの滞在時間が所定時間より長い領域を抽出し、日常圏として特定してもよい。また、日常圏サーバ400が、携帯端末100から、現在位置や滞在時間などの種々のユーザの移動に関するデータを取得して、日常圏サーバ400がユーザの日常圏を特定し記憶する構成とすることができる。以下、日常圏サーバ400がユーザの日常圏を特定し記憶する実施態様について、第2実施例として説明する。
【0053】
B.第2実施例:
次に、第2実施例として、日常圏サーバ400が各ユーザの日常圏を特定し、ユーザの日常圏として設定し記憶する態様について説明する。
(B1)日常圏設定システム:
図9は、ユーザ毎の日常圏を自動的に生成し設定する日常圏設定システム20の概略構成を説明する説明図である。日常圏設定システム20は、第1実施例で説明した携帯端末100と日常圏サーバ400から構成される。携帯端末100と日常圏サーバ400とはインターネットINTを介して接続されている。携帯端末100の構成は、第1実施例と同じであるので説明は省略する。日常圏サーバ400は、第1実施例においては、制御部401と通信部402と日常圏データベース414とを備える旨を説明したが、本実施例においては、日常圏サーバ400のさらに詳細な構成について先に説明する。
【0054】
図9に示すように、日常圏サーバ400は、制御部401、通信部402、測位情報格納部403、基礎データ生成部404、日別メッシュ生成部405、期間別メッシュ生成部408、日常圏特定部409、測位情報データベース410、基礎データデータベース411、日別メッシュデータベース412、期間別メッシュデータベース413、日常圏データベース414を備える。さらに、日別メッシュ生成部405は、滞在時間/測位回数集計部406、配分補完部407を備える。各機能部が行う処理については、後で詳しく説明する。
【0055】
(B2)日常圏設定処理:
図10は、日常圏設定システム20が行う日常圏設定処理の流れを示したフローチャートである。先に、日常圏設定処理の大凡の流れを図10を用いて説明した後、各処理の詳細について説明する。本実施例においては、日常圏設定処理は、携帯端末100のユーザが携帯端末100のROM116に記憶しているプログラム(日常圏設定プログラム)を起動することによって開始される。その他、日常圏サーバ400がインターネットINTを介して携帯端末100に対して、日常圏設定処理を開始する指示を送信することによって開始されるとしてもよい。
【0056】
日常圏設定処理を開始すると、携帯端末100は、所定の期間ごとに、GPS受信機107によって特定した現在位置(以下、測位点とも呼ぶ)と、測位時刻、ユーザIDとを、測位情報として日常圏サーバ400に送信し、日常圏サーバ400は、受信した測位情報(図11参照)を測位情報データベース410に格納する(ステップS502)。これにより、ユーザの移動に応じた測位情報の履歴が測位情報データベース410に格納される。測位情報については後で詳しく説明する。
【0057】
その後、日常圏サーバ400は、測位情報に基づいて基礎データ(図12参照)を生成する。基礎データは、経緯度経度に基づいて地図をメッシュ状に分割した各領域(以下、メッシュ領域とも呼ぶ)に、各ユーザ毎の測位日別の、測位点及び測位時刻を対応付けたデータである。日常圏サーバ400は基礎データを生成すると基礎データデータベース411に格納する(ステップS504)。基礎データについては後で詳しく説明する。
【0058】
日常圏サーバ400は、基礎データの生成後、その基礎データに基づいて、ユーザ毎に所定の単位期間毎(例えば1日毎)の各メッシュ領域における測位回数およびユーザの滞在時間を表す日別メッシュデータ(図14参照)を生成する(ステップS510)。そして、生成した日別メッシュデータを、測位情報データベース410に格納する。
【0059】
日常圏サーバ400は、生成した日別メッシュデータに基づいて、所定の集計期間における各メッシュ領域の測位回数、滞在時間、滞在日数を集計し、各メッシュ領域に、集計した測位回数、滞在時間、滞在日数を対応付けた集計期間別メッシュデータを生成する(ステップS530)。日常圏サーバ400は、集計した集計期間別メッシュデータ(図20参照)を期間別メッシュデータベース413に格納する。
【0060】
日常圏サーバ400は、集計期間別メッシュデータに含まれる測位回数、滞在時間及び滞在回数のうちのいずれか1つ又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせから、予め定めた所定の日常圏条件を満たすメッシュ領域を抽出する。そして抽出したメッシュ領域に基づいてユーザの日常圏を特定する。そして特定した日常圏を日常圏データ(図23参照)として日常圏データベース414に格納する(ステップS540)。
【0061】
次に、日常圏設定処理における各処理の詳細について、図10のフローチャートに示した各処理毎に説明する。まず、ステップS502において、日常圏サーバ400は、携帯端末100から測位情報を受信し、測位情報データベース410に格納する。図11は、測位情報データベース410に格納されている測位情報のデータ構造の一例を示す説明図である。図11に示すように、測位情報データベース410には、「測位時刻」、「ユーザID」、「緯度」、「経度」などのデータが測位情報の履歴として対応付けて格納されている。
【0062】
次に日常圏サーバ400は、ステップS504として、測位情報に基づいて基礎データを生成する。図12は基礎データデータベース411に格納されている基礎データのデータ構造の一例を示す説明図である。図12に示すように、基礎データには、「ユーザID」、「測位日」、「メッシュ番号」、「測位時刻」などのデータが対応付けて記憶されている。メッシュ番号とは、メッシュ領域を一意に識別する番号である。図13は、測位情報データベース410に格納されている測位情報に基づいて基礎データが生成される様子を説明する説明図である。図13には、ユーザ(AAAAAさん)の測位日(2010/3/3)について、各メッシュ領域に測位点および測位時刻を対応付けた基礎データB1が該当日におけるユーザの行動軌跡として記載されている。メッシュ領域は、仕様や設計に応じて適宜分割領域のサイズを設定することができる。例えば、ユーザが頻繁に滞在するエリアを特定したい場合はサイズを大きく設定し、ユーザが頻繁に訪れる店などを特定したい場合はサイズを小さく設定することができる。
【0063】
[日別メッシュデータ生成処理]
次に、日常圏サーバ400は、ステップS510として、基礎データに基づいて日別メッシュデータを生成する。図14は、日別メッシュデータのデータ構造の一例を示す説明図である。日別メッシュデータは、各ユーザ毎に、所定単位期間毎(例えば1日毎)の各メッシュ領域における測位回数、及びユーザの滞在時間を表すデータである。図14に示すように、日別メッシュデータは、「ユーザID」、「測位日」、「メッシュ番号」、「滞在時間」、「測位回数」などのデータが対応付けて格納されている。日別メッシュデータにおける所定単位期間は、日別メッシュデータを生成する最小単位期間であり、仕様・設計に応じて適宜設計することができる。本実施例においては1日が設定されているが、その期間に特に限定はなく、例えば、半日、1週間、1ヶ月などの単位期間を設定してもよい。本実施例においては、単位期間を1日毎として説明しているため、「日別メッシュデータ」と呼ぶが、単位期間であれば、他の単位期間を採用してもよいため、日別メッシュデータを単位期間別メッシュデータと呼ぶことがある。
【0064】
図15は、基礎データデータベース411に格納されている基礎データB1に基づいて日別メッシュデータが生成される様子を説明する説明図である。図15には、ユーザ(AAAAAさん)の測位日(2010/3/3)について、各メッシュ領域に滞在時間と測位回数を対応付けたメッシュデータM1を示した。本実施例ではメッシュ領域ごとに測位回数と滞在時間を算出して対応付けているが、測位回数または滞在時間のみを算出して対応付けてもよい。なお、基礎データB1には、図15に示した数より多くの測位点が存在するが、説明の便宜上、例示的に図示可能な限りで測位点を示した。
【0065】
このような日別メッシュデータを生成するために、日別メッシュ生成部405は滞在時間/測位回数集計部406と配分補完部407とを備える(図9参照)。滞在時間/測位回数集計部406は、基礎データデータベース411に格納されている基礎データに基づいて、各メッシュ領域における測位点の測位回数及び携帯端末100のユーザの滞在時間を所定単位期間ごとに算出し、各メッシュ領域と当該算出した測位回数及び滞在時間とを対応付ける。各メッシュ領域における測位回数は、該当メッシュ領域において測位が行われた回数を合計することにより算出する。各メッシュ領域における滞在時間は、後述する配分補完部407により該当メッシュ領域に配分された配分時間を合計することにより算出する。
【0066】
配分補完部407は、メッシュ領域に対応付けられた測位点から、第1測位点と時間軸上当該第1測位点の次に配置される第2測位点を選択する(図16参照)。第1測位点は移動前地点、第2測位点は移動後地点とも呼ばれる。次に、当該第2測位点の第1測位時刻から当該第2測位点の第2測位時刻までの時間(以下、「測位点間時間」という。)と、第2測位点と第1測位点との間の距離(以下、「測位点間時間」という。)とを算出する。そして、当該測位点間時間と当該測位点間距離に基づいて配分条件を決定し、当該決定した配分条件に従って、当該測位点間時間を第1測位点から第2測位点への移動経路上に位置するメッシュ領域(第1測位点の第1メッシュ領域と第2測位点の第2メッシュ領域を含む)に配分する。なお、配分には0時間を配分することも含まれ、この場合には、配分しないことと実質的に同じである。
【0067】
配分条件は、仕様や設計に応じて適宜設定することができ、その内容に特に限定はないが、本実施形態では、携帯端末からの測位情報の送信条件や構成に応じて、以下のように配分条件を設定している。具体的には、本実施形態における携帯端末100は、所定の送信時間間隔(例:5分)で測位情報を日常圏サーバ400へ送信し、ユーザが移動しない場合は、消費電力セーブ等の理由により測位情報を送信しないように構成されている。すなわち、ユーザが電波圏内にいる場合、携帯端末100からの測位情報は、ユーザが移動している場合にのみ所定の送信時間間隔で送信される。したがって、第1測位時刻と第2測位時刻間の測定点間時間から移動時間を除いた時間(以下、「移動時間減算済み時間」)は、移動前地点である第1測位点にユーザが滞在していた時間と推定することができるから、当該移動時間減算済み時聞を、第1測位点のメッシュ領域に配分する。
【0068】
次に、第1測位点と第2測位点との間のユーザの移動内容(移動手段や移動経路)を推定できる場合(第1測位点と第2測位点との間に連続性がある場合)は、第1測位点から第2測位点への推定された移動経路(以下「推定移動経路」という。)上に位置するメッシュ領域に、移動時間を略均等に配分する(第1配分条件)。すなわち、推定移動経路上のメッシュ領域について滞在時間を補完する。図16は、第1配分条件に応じて滞在時聞を配分する様子を説明する図である。同図では、まず、第1測位点と第2測位点との間の測定点間時間(10分)から移動時間(5分)を減算して得られる移動時間減算済み時間(5分(300秒))を、第1測位点のメッシュ領域に配分している。次に、第1測位点と第2測位点間のメッシュ領域に滞在時間を補完すべく、第1測位点と第2測位点との結線上に位置する6つのメッシュ領域に移動時間(5分)を略均等(50秒ずつ)に配分している。
【0069】
一方、第1測位点と第2測位点との間のユーザの移動内容を推定できない場合、例えば第1測位点と第2測位点の間の測位点間距離が所定距離以上である場合や、第1測位点と第2測位点の間の測位点間時間が所定時間異常である場合など、第1測位点と第2測位点との間に連続性がない場合は、移動時間のメッシュ領域への配分は行わない(0時間を配分する)(第2配分条件)。すなわち、メッシュ領域への滞在時間の補完は行われない。図17は、第2配分条件に応じて滞在時間を配分する様子を説明する図である。同図では、まず、測位点間距離(10km)と所定の時速(例:30km)より第1測位点と第2測位点との間の移動時間(20分)を算出し、測定点間時間より当該移動時間(20分)を減算して得られる移動時間減算済み時間(100分)を、第1測位点のメッシュ領域に配分している。なお、ここでは、第1測位点と第2測位点間に位置するメッシュ領域への補完は行われないので、移動時聞は配分されていない。
【0070】
移動内容の推定可否を判断する方法は、仕様や設計に応じて適宜設定することができ、その内容に特に限定はないが、例えば、測位点間時間及び/又は測位点間距離が所定基準時間未満及び/又は所定基準距離未満である場合は、歩行などによる移動であるとみなしてユーザの移動経路を推定することができるとする。一方、所定基準時間未満及び/又は所定基準距離未満でない場合は、例えば地下鉄利用時などによる移動であるとみなしてユーザの移動経路を推定することができないとすることができる。
【0071】
また、移動時間の算出方法は、仕様や設計に応じて適宜設定することができ、その内容に特に限定はないが、例えば、携帯端末100の送信時間間隔を利用する方法や、測位点間距離と移動手段(例:電車、車、徒歩)に応じた所定時速より移動時間を計算する方法などがある。本実施形態では、第1配分条件の場合は、携帯端末100における測位情報の送信時間間隔(例:5分)を移動時聞として設定する。また、第2配分条件の場合は、測位点間距離と予め設定した所定の時速(例:30Km)とに基づいて第1測位点から第2測位点への移動時間を算出する。なお、所定の時速は、推定した移動手段などに応じて適宜設定することができ、例えば、第1配分条件については徒歩時速を利用して移動時間を算出するようにしてもよい。
【0072】
また、移動経路の特定方法も、仕様や設計に応じて適宜設定することができ、その内容に特に限定はないが、本実施形態では、第1測位点と第2測位点とを結んだ結線によって移動経路を表している。なお、結線は直線に限られず、例えば、道路、路線、建物などに応じて推定される任意の移動経路に沿った形状を有することができる。また、結線上に位置するメッシュ領域のうち、第1測位点と第2測位点のメッシュ領域以外のメッシュ領域を、補完メッシュ領域という。
【0073】
なお、日別メッシュ生成部405では、測位情報を所定単位期間毎に管理しているので、第1測位点と第2測位点が日をまたぐ場合(基準時刻(例:0時/24時)をまたぐ場合)がある。すなわち、当該単位期間において最初に測位された測位点(以下、「最初測位点」という。)と最後に測位された測位点(以下、「最後測位点」という。)については、組み合わせるべき移動前測位点又は移動後測位点が他の日に属する。そこで、本実施形態では、第3配分条件として、最初測位点については、対応する移動前測位点が他の日に属するため、基準時刻(例:0時)から最初測位点の測位時刻までの時間を滞在時間として当該最初測位点のメッシュ領域に配分する。また、最後測位点については、対応する移動後測位点が他の日に属するため、当該最後測位点の測位時刻から基準時刻(例:24時)までの時間を当該最後測位点のメッシュ領域に配分する。なお、第3配分条件では、メッシュ領域に配分する最大時間を設定することができ、その内容に特に限定はないが、本実施形態では最大6時間(最大配分時間)が設定されている。
【0074】
図18は、第3配分条件に応じて滞在時間を配分する様子を説明する図である。同図では、最初測位点(測位時刻7:30)については、最大配分時間である6時間(360分)が配分されており、最後測位点(測位時刻23:30)については、当該測位時刻から0時までの30分が配分されている。
【0075】
次に、上記説明した日別メッシュデータを生成する処理(日別メッシュデータ生成処理)(図10:ステップS510)の流れについて説明する。図19は、日別メッシュデータ生成処理の流れを示したフローチャートである。まず、日常圏サーバ400は、基礎データに基づいて、メッシュ領域上の測位点から、例えば時系列に従って、移動前測位点の第1測位点と移動後測位点の第2測位点との組を特定し、当該組を特定できた場合は(ステップS511:YES)、第1配分条件または第2配分条件を適用するためにステップS512に進み、当該組を特定できなかった場合、即ち、第1測位点と第2測位点の間に連続性がないは(ステップS511:NO)、第3配分条件を適用するためにステップS519へ進む。
【0076】
日常圏サーバ400は、ステップS512へ進んだ場合、第1測位点と第2測位点間の測位点間距離を算出し、第1測位点の第1測位時刻と第2測位点の第2測位時刻間の測位点間時刻を算出する。日常圏サーバ400は、配分条件の一例として、算出した測位点間距離が所定基準距離未満であり、かつ、算出した測位点間時間が所定基準時間未満であるか否かを判断し(ステップS513)、判断結果が是である場合は、第1配分条件を適用するためにステップS514へ進み、判断結果が否である場合は、第2配分条件を適用するためにステップS517へ進む。
【0077】
日常圏サーバ400は、ステップS514へ進んだ場合、携帯端末における測位情報の送信時間間隔を移動時間に設定する(ステップS514)。そして、測位点間時間から移動時間を減算することにより移動時間減算済み時間を算出し、当該算出した移動時間減算済み時間を配分滞在時間として第1測位点が属する第1メッシュ領域に配分する(ステップS515)。次に、第1測位点と第2測位点の結線上に位置する1または複数のメッシュ領域に対して、移動時間を配分滞在時間として略均等に配分する(ステップS516)。これにより、第1メッシュ領域、第2メッシュ領域および補完メッシュ領域に対して配分滞在時間が適切に配分される(図16参照)。
【0078】
一方、日常圏サーバ400は、ステップS517へ進んだ場合、測位点間距離と、所定の時速情報とに基づいて、移動時間を算出する(ステップS517)。そして、測位点間時間から移動時間を減算することにより移動時間減算済み時間を算出し、当該算出した移動時間減算済み時間を配分滞在時間として第1測位点が属する第1メッシュ領域に配分する(ステップS518)。なお、第2測位点が属する第2メッシュ領域や他のメッシュ領域への配分滞在時間の配分は行わない。これにより、第1メッシュ領域に対して配分滞在時間が適切に配分される(図17参照)。
【0079】
なお、日常圏サーバ400は、ステップS511において判断結果が否であるため、ステップS519へ進んだ場合、対象測位点が該当日の最初に測位された最初測位点が最後に測位された最後測位点あるかを判断し、最初測定点である場合は、基準時である0時から対象測位点の測位時刻までの時間を、所定の最大時間内の範囲で、対象メッシュ領域に配分する(ステップS520)。一方、対象測位点が最後測位点である場合は、対象測位点の測位時刻から基準時である24時までの時間を、所定の最大時間内の範囲で、対象メッシュ領域に配分する(ステップS521)。これにより、最初測位点及び最後測位点のメッシュ領域に対しても配分滞在時間が適切に配分される(図18参照)。
【0080】
日常圏サーバ400は、対象メッシュ領域の滞在持聞を当該メッシュ領域に配分された配分滞在時間に基づいて算出し、当該メッシュ領域の測位回数を当該メッシュ領域において測位点が測位された回数に基づいて算出する(ステップS522)。なお、補完メッシュ領域については、滞在時間は加算されるが、測位点は加算されない。
【0081】
次に、日常圏サーバ400は、次に処理すべき測位点が存在するか否かを判断し、次に処理すべき測位点が存在する場合は(ステップS523:YES)、ステップS511に戻り、上記処理を繰り返す。一方、次に処理すべき測位点が存在しない場合は、処理を終了する(ステップS523)。このようにして日別メッシュデータ生成処理は行われる。
【0082】
[集計期間別メッシュデータ生成処理]
次に、日常圏サーバ400は、ステップS530(図10参照)として、日別メッシュデータ(期間別メッシュデータ)に基づいて、期間別のメッシュデータを生成する処理(集計期間別メッシュデータ生成処理)を行う。集計期間別メッシュデータ生成処理は、期間別メッシュ生成部408が行う。期間別メッシュ生成部408は、日別メッシュデータ(期間別メッシュデータ)に含まれる測位回数、滞在時間、滞在日数を所定の集計期間ごとに集計し、各メッシュ領域に当該集計した測位回数、滞在時間、滞在日数を対応付けた集計期間別メッシュデータを生成する(図20参照)。所定の集計期間は、設計や仕様に応じて適宜設定することができ、その期間内容に特に限定はないが、例えば、直近7日、直近30日、直近180日、直近365日などの集計期間を設定することができる。また、複数の集計期間を同時に設定してもよい。なお、集計期間別メッシュデータが既に存在する場合は、新たに追加する追加対象日(例:最新測位日)と減算対象日(例:既存集計期間内の最も古い測位日)の日別メッシュデータを日別メッシュデータベース412より読み出して、メッシュ領域毎に追加対象日の滞在時間、測位回数、滞在日数を加算する一方、メッシュ領域毎に当該減算対象日の滞在時間、測位回数、滞在日数を減算する。
【0083】
図20は、単位期間別メッシュデータから集計期間別メッシュデータを生成する様子を説明する図である。同図は、日別メッシュデータ(単位期間別メッシュデータ)M5から生成された集計期間別メッシュデータM6において、メッシュ領域ごとに滞在時間、測位回数、滞在日数が関連付けられている様子を示している。なお、本実施形態ではメッシュ領域ごとに測位回数、滞在時間、測位日数を算出して対応づける場合について説明しているが、測位回数、滞在時間、測位日数のうちのいずれか1つ又は2つを算出して対応づけるようにしてもよい。
【0084】
次に、集計期間別メッシュデータ生成処理の流れについて説明する。図21は、集計期間別メッシュデータ生成処理の流れを示したフローチャートである。日常圏サーバ400は、対象集計期間の集計期間別メッシュデータが期間別メッシュデータベース413に存在するか否かを判断し、既に生成されている場合は(ステップS531:YES)、ステップS532に進み、未だ生成されていない場合は(ステップS531:NO)、ステップS533に進む。
【0085】
日常圏サーバ400は、ステップS532に進んだ場合は、期間別メッシュデータベース413より既存の集計期間別メッシュデータを読み出し、日別メッシュデータベース412より追加対象日と減算対象日の日別メッシュデータを読み出して、メッシュ領域毎に追加対象日の滞在時間、測位回数、滞在日数を加算する一方、減算対象日の滞在時間、測位回数、滞在日数を減算する。
【0086】
日常圏サーバ400は、ステップS533に進んだ場合は、日別メッシュデータベース412より対象集計期間分の日別メッシュデータを読み出し、対象集計期間分の滞在時間、測位回数、滞在日数を集計する。日常圏サーバ400は、生成した集計期間別メッシュデータを期間別メッシュデータベース413に格納する(ステップS534)。このようにして集計期間別メッシュデータ生成処理は行われる。
【0087】
[日常圏特定処理]
次に、日常圏サーバ400は、ステップS540(図10参照)として、生成した集計期間別メッシュデータに基づいて、ユーザの日常圏を特定する日常圏特定処理を行う。日常圏特定処理は、日常圏特定部409が行う。日常圏特定部409は、集計期間別メッシュデータに含まれる測位回数、滞在時間及び滞在回数のうちのいずれか1つ又はこれら2つ以上の任意の組合せが、所定の閾値以上であるメッシュ領域を抽出することより、ユーザの日常圏を設定する。以下、日常圏特定処理の詳細について、図22、図23、図24を用いて説明する。
【0088】
図22は、日常圏条件の一例を示す図である。日常圏条件には、仕様設計に応じた内容を設定することができ、特に限定はないが、同図では、日常圏の種類と条件が対応付けて格納されている。具体的には、日常圏Aには、「対象集計期間」、「滞在日数」、「滞在時間」が設定され、日常圏Bには、「対象集計期間」、「滞在日数」、「滞在時間」及び「測位回数」が設定され、日常圏Cには、「対象集計期間」と「滞在日数」が設定されている。さらに、各項目については、日常圏の種類ごとに任意の期間と、閾値としての日数、時間、回数が設定されている。同図に示すように、日常圏の条件は、抽出したい日常圏の種類に応じて設定することができる。例えば、滞在日数を重視して滞在時間や測位回数を考慮しない場合は、通勤経路などを特定することが可能であり、滞在時間を重視して滞在日数を考庫しない場合は、訪れる回数は少ないが長居する場所(例:実家)などを特定することが可能である。また、対象集計期間に長期間を設定すれば、長期旅行や出張などにいった場合に日常圏がなくなることを防止することができる一方、対象集計期間に短期間を設定すれば、日常圏を容易に特定することが可能である。
【0089】
図23は、特定された日常圏の一例を示す図である。同図では、ユーザIDごとに、日常圏の種類とメッシュ番号が対応付けて格納されている。同図によれば、日常圏の種類によって、特定された日常圏のメッシュ番号が異なることがわかる。
【0090】
図24は、集計期間別メッシュデータより日常圏を特定する様子を説明する図である。同図では、直近30日のメッシュデータM7からは「300分以上かつ3日以上滞在」という条件に合致するメッシュ領域を抽出することによって日常圏を特定する場合や、直近7日のメッシュデータM8からは「60分以上かつ2日以上滞在」という条件に合致するメッシュ領域を抽出することによって日常圏を特定する場合を示している。なお、日常圏は複数特定することが可能であり、抽出されたメッシュ領域の滞在時間や滞在日数の値を参照することにより、日常圏をより細分化することができる。例えば、すべての値が高いメッシュ領域を自宅または会社と判断したり、日数は多いが滞在時間は短いメッシュ領域を通勤経路中の乗換駅と判断したり、日数は少ないが滞在時間は長いメッシュ領域をユーザのいきつけの店と判断したりすることができる。
【0091】
次に、日常圏特定処理の流れについて説明する。図25は、日常圏特定処理の流れを示したフローチャートである。日常圏サーバ400は、日常圏データベース414から対象となる日常圏の種類の日常圏条件を参照し(ステップS541)、期間別メッシュデータベース413から該当する集計期間別メッシュデータを読み出すと、参照した日常圏条件に合致するメッシュ領域を抽出し、日常圏として設定する(ステップS542)。日常圏サーバ400は、設定した日常圏の種類とメッシュ番号とを対応付けて日常圏データベース414に格納する(ステップS543)。このようにして、日常圏サーバ400は日常圏特定処理を行う。
【0092】
日常圏設定システム20が上記説明した日常圏設定処理によって日常圏データベース414に格納した各ユーザ毎の日常圏を、経路案内システム10として、携帯端末100からの要求に応じて日常圏サーバ400が読込み(図7:ステップS412)、携帯端末100に送信することによって、日常圏所得処理(図7)すなわち経路案内システム10としての経路案内処理(図2)を行う。また、日常圏データベース414には、各ユーザ毎に、複数種類の日常圏が格納されているが(図23参照)、いずれの日常圏を携帯端末100に送信するかは、経路案内システム10として予め設定しているとしてもよいし、経路案内処理時に、目的地までの距離の長さや、経路案内する範囲の広さ等の種々の条件に応じて適宜設定するとしてもよい。
【0093】
以上説明したように、本実施例で説明した態様を採用することによって、ユーザの移動によって携帯端末100と日常圏サーバ400との間で自動的にユーザの日常圏を特定することができる。換言すれば、ユーザが日常圏を手動で設定することを回避することができる。
【0094】
C.第3実施例:
次に、第3実施例について説明する。上記第2実施例においては、携帯端末100と日常圏サーバ400との間で行った日常圏設定処理によって生成されたユーザの日常圏をそのまま利用する態様であったが、第3実施例は、日常圏サーバ400から取得した日常圏を経路案内処理にそのまま適用せず、日常圏サーバ400から取得した日常圏よりも小さい領域(以下、小日常圏とも呼ぶ)を確定し、経路案内処理(図2)のステップS138におけるユーザの現在位置が日常圏内であるか否かの判断に適用する。
【0095】
小日常圏の確定方法については、携帯端末100が、日常圏サーバ400から取得した日常圏の周縁を内側に均等に所定距離だけ狭める処理を行うことによって小日常圏を確定する態様や、日常圏サーバ400から取得した日常圏を構成するメッシュ領域を、周縁から均等に所定個数ずつ削除した領域を小日常圏として確定する方法など、種々の確定方法を採用することができる。
【0096】
図26は、上記方法によって確定した小日常圏を、経路案内処理(図2)のステップS138におけるユーザの現在位置が日常圏内であるか否かの判断に適用した場合の経路案内処理について説明する説明図である。図26には、一例として、日常圏内に出発地が含まれる場合における携帯端末100が行う案内の処理内容について示した説明図である。図26に示すように、第3実施例における経路案内処理は、ユーザの現在位置が日常圏内か否かを判断する際に、小日常圏を用いるのみで、案内の内容に関する処理は第1実施例と同じである。
【0097】
以上説明したように、第3実施例においては、日常圏を構成する領域の中でも、内側の領域、すなわち、より確実にユーザが地理的に詳しい領域である小日常圏において「ルート案内をしない(図2:ステップS150)」や「ルート表示のみ(ステップS152)」など、案内機能の一部を行わない経路案内処理を行うことができる。換言すれば、日常圏を構成する領域の中でもユーザが地理的に詳しい蓋然性の低い領域においては、ルート案内やリルート案内など、通常の領域(日常圏以外の領域)と同様の案内処理を行う。このようにすることで、より確実にユーザが地理的に詳しい領域に限定して案内機能の一部を行わない経路案内処理を行うことができる。
【0098】
D.第4実施例:
上記第1実施例および第2実施例においては、携帯端末100は、日常圏サーバ400から取得して日常圏をそのまま利用する態様であったが、第4実施例では、日常圏サーバ400から取得した日常圏を経路案内処理にそのまま適用せず、日常圏サーバ400から取得した日常圏が、所定の条件を満たす場合(又は満たさない場合)には、取得した日常圏よりも大きい領域(以下、大日常圏とも呼ぶ)を確定し、経路案内処理(図2)のステップS138におけるユーザの現在位置が日常圏内であるか否かの判断に適用する。図27は、第4実施例における経路案内処理の一例を説明する説明図である。
【0099】
図27に示すように、ユーザの日常圏はメッシュ領域で構成されている。例えば、ユーザの日常圏が図27に示したような凹凸の多い形状をしている場合には、ユーザの移動の仕方によっては、日常圏の出入りを頻繁に行うことになる。このような場合に、日常圏サーバ400から取得した日常圏に対して、面積や形状、構成するメッシュ領域数等によって、所定の条件を満たすか否かの判定を行い、所定の条件を満たす場合(又は、満たさない場合)には、取得した日常圏に対して大日常圏を確定して、経路案内処理(図2)のステップS138におけるユーザの現在位置が日常圏内であるか否かの判断に適用する。
【0100】
大日常圏の確定方法については、携帯端末100が、日常圏サーバ400から取得した日常圏の輪郭を外側に均等に所定距離だけ広げる処理を行うことによって大日常圏を確定する態様や、日常圏サーバ400から取得した日常圏を構成するメッシュ領域の周縁において、メッシュ領域を均等に所定個数ずつ増やした領域を大日常圏として確定する方法など、種々の確定方法を採用することができる。
【0101】
図27に示すように、大日常圏を経路案内処理(図2)のステップS138におけるユーザの現在位置が日常圏内であるか否かの判断に適用することで、ユーザが日常圏を出入りする回数より、大日常圏を出入りする回数が少なくなり、ルート案内の停止と開始、リルート案内の停止と開始とを頻繁に行うことを回避することができ、さらに案内機能によってユーザが感じる煩わしさを抑制することができる。
【0102】
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(E1)変形例1:
上記実施例においては、経路案内システム10が案内機能の一部を行わない領域はユーザの日常圏であったが、それに限らず、案内機能の一部を行わない領域として他の領域を採用するとしてもよい。例えば、ユーザの日常圏ではないが、ユーザが予め地図や広告等で移動する経路を確認している場合には、これを所定の領域として設定することにより、上記実施例と同様の経路案内処理を行うことができる。例えば、ユーザが経路を確認した領域を携帯端末100を用いて設定する。その後、経路案内システム10が、ユーザが設定した領域に関しては案内機能の一部を行わないとすることで、上記実施例と同様の経路案内処理が実現可能である。
【0103】
その他、案内機能の一部を行わない領域として、例えば、目的地を示す建物やタワーや看板など、移動するユーザが目的地の方向を確認できる目印が視認可能な領域が予め分かっている場合には、その領域をユーザが携帯端末100を用いて設定し、経路案内システム10は、この領域に関しては、案内機能の一部を行わないとすることができる。これらユーザが設定した領域についての100が行う具体的処理としては、これらの領域を図2で説明した経路案内処理おけるステップS138の判断に用いる領域に適用することで実現可能である。
【0104】
(E2)変形例2:
変形例2として、ユーザの日常圏を複数の領域に区分し、各領域によって携帯端末100が行わない案内機能が異なるとしてもよい。図28は、変形例2の一例を示した説明図である。図に示すように、日常圏を2つの領域に区分し、周縁に近い領域を第1日常圏、内側に近い領域を第2日常圏としている。日常圏の区分は、携帯端末100が行うとしてもよいし、日常圏サーバ400から日常圏を取得する場合には、日常圏サーバ400が携帯端末100に送信前に、日常圏の種類(日常圏Aや日常圏Bなど(第2実施例参照))に基づいて日常圏を区分するとしてもよい。本変形例においては、ユーザが出発地から移動を開始し、第2日常圏内においては、ルート上であっても、逸脱ルート上であっても、ルート案内をしない。そして第2日常圏から第1日常圏に移動した場合には、ルート上を移動しているときにはルート表示のみ開始しルート音声案内は行わない。一方、逸脱ルート上を移動しているときにはリルート表示のみ開始しリルート音声案内は行わない。
【0105】
その後、ユーザが第1日常圏内から外へ移動した場合には、ルート上を移動しているときにはルート表示とルート音声案内を行い、逸脱ルート上を移動しているときにはリルート表示とリルート音声案内を行う。このように、日常圏を複数の領域に区分して、各領域によって行う案内機能を変える処理は、日常圏内に経由地(通過点)や目的地に含まれている場合に適用してもよい。区分の仕方としては、ユーザがより地理的に詳しい領域と、そうでない領域とで日常圏を区分したり、道が多く存在したり複雑に入り組んでいる領域と、そうでない領域とで日常圏を区分するなど、日常圏のなかでもユーザにとって性質の異なる領域が複数存在する場合に、その性質ごとに日常圏を区分することができる。こうすることで、経路案内システム10として、その性質に適合した案内機能のみを適切に行うことを可能にし、よりユーザに快適な経路案内を行うことができる。
【0106】
(E3)変形例3:
上記実施例では、「案内を行わない」とは、案内機能の全てを行わないとして説明したが、それに限ることなく、例えば、ルート表示とリルート表示は行い、ルート音声案内とリルート音声案内は行わないなど、案内機能の一部は行うものとしてもよい。このようにしても案内機能によってユーザが感じる煩わしさを抑制することができる。
【0107】
(E4)変形例4:
上記実施例においては、携帯端末100として携帯電話を採用したが、それに限ることなく、車載用のナビゲーション装置や、PDA、タブレット端末など、ユーザに対して経路を案内する種々の携帯端末に適用することができる。
【0108】
上記実施例および変形例と、特許請求の範囲との対応関係については、日常圏が特許請求の範囲に記載のユーザ領域に対応し、日常圏サーバ400が特許請求の範囲に記載のユーザ領域設定装置に対応する。また、CPU112が行う日常圏取得処理が特許請求の範囲に記載のユーザ領域取得部の機能に対応する。
【符号の説明】
【0109】
10…経路案内システム
20…日常圏設定システム
23…測位時刻
100…携帯端末
101…主制御部
102…通信部
103…通話制御部
104…表示パネル
105…キー入力部
105a…方向入力キー
105b…操作キー
106…音声出力部
107…GPS受信機
112…CPU
114…RAM
116…ROM
200…経路サーバ
201…制御部
202…通信部
214…経路データベース
300…地図サーバ
301…制御部
302…通信部
314…地図データベース
400…日常圏サーバ
401…制御部
402…通信部
403…測位情報格納部
404…基礎データ生成部
405…日別メッシュ生成部
406…滞在時間/測位回数集計部
407…配分補完部
408…期間別メッシュ生成部
409…日常圏特定部
410…測位情報データベース
411…基礎データデータベース
412…日別メッシュデータベース
413…期間別メッシュデータベース
414…日常圏データベース
B1…基礎データ
M1…メッシュデータ
M5…単位期間別メッシュデータ
M6…集計期間別メッシュデータ
M7…メッシュデータ
M8…メッシュデータ
BS…基地局
INT…インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対して目的地までの経路を案内する経路案内装置であって、
前記ユーザの現在位置から前記目的地まで案内する経路である誘導ルートの情報を取得する誘導ルート取得部と、
前記ユーザの行動履歴に起因する領域であるユーザ領域の情報を取得するユーザ領域取得部と、
所定の案内機能により前記取得した誘導ルートの情報に基づく誘導ルートを前記ユーザに案内する際に、前記現在位置が前記ユーザ領域にある場合、前記所定の案内機能の少なくとも一部を行わない案内実行部と
を備える経路案内装置。
【請求項2】
請求項1記載の経路案内装置であって、
所定の案内機能により前記誘導ルートを前記ユーザに案内する際に前記案内実行部は、前記現在位置が前記ユーザ領域にある場合、前記所定の案内機能の、前記誘導ルートの情報の取得、前記誘導ルートの表示、前記誘導ルートの音声による案内、リルートの情報の取得、前記リルートの表示、前記リルートの音声による案内の少なくとも一部を行わない
経路案内装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の経路案内装置であって、
前記ユーザ領域は、複数の領域に区分されてなり、
前記案内実行部は、前記現在位置が前記ユーザ領域内である場合に、前記区分した各領域ごとに、前記行わない案内機能が異なる
経路案内装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の経路案内装置であって、
前記ユーザ領域取得部は、当該経路案内装置とは異なる装置であって、前記ユーザ領域を記憶するユーザ領域設定装置から、前記ユーザ領域の情報を取得する
経路案内装置。
【請求項5】
ユーザに対して目的地までの経路を案内する経路案内システムであって、
ユーザの現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記現在位置から前記目的地まで前記案内する経路である誘導ルートを探索する誘導ルート探索装置と、
前記ユーザの行動履歴に起因するユーザ領域として設定して記憶するユーザ領域設定装置と、
前記探索した誘導ルートに基づいて、前記誘導ルートを前記ユーザに所定の案内機能により案内するとともに、前記移動体の現在位置が前記設定されたユーザ領域にある場合に、前記案内機能の少なくとも一部を行わない案内実行部とを備える
経路案内システム。
【請求項6】
ユーザに対して目的地までの経路を案内する経路案内方法であって、
前記ユーザの現在位置から前記目的地まで案内する経路である誘導ルートの情報を取得し、
前記ユーザの行動履歴に起因する領域であるユーザ領域の情報を取得し、
所定の案内機能により前記取得した誘導ルートの情報に基づく誘導ルートを前記ユーザに案内する際に、前記現在位置が、前記ユーザ領域にある場合、前記所定の案内機能の少なくとも一部を行わない
経路案内方法。
【請求項7】
ユーザに対して目的地までの経路を案内するためのコンピュータプログラムであって、
前記ユーザの現在位置から前記目的地まで案内する経路である誘導ルートの情報を取得する機能と、
前記ユーザの行動履歴に起因する領域であるユーザ領域の情報を取得する機能と、
所定の案内機能により前記誘導ルートを前記ユーザに案内する際に前記現在位置が前記ユーザ領域にある場合、前記所定の案内機能の少なくとも一部を行わない機能と
をコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2013−53967(P2013−53967A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193435(P2011−193435)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】