経路案内装置および経路案内方法
【課題】 現在地が案内経路からはずれた場合でも、ユーザの指定操作に基づいて選択されたユーザ所望の経路を通過して、目的地などのユーザが指定した地点までに至る案内経路を案内すること。
【解決手段】 経路案内装置の記憶手段15は、ユーザによる通過指定に基づく経路を通過して指定地点までの案内経路を、経路案内に使用する経路として記憶する。区間経路生成手段65は、記憶手段15に記憶されている案内経路にて経路を案内している最中に、現在地が案内経路からはずれたことが検出された場合に、現在地から通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成する。案内時更新手段65は、記憶手段15に記憶されている案内経路の中の、当該通過指定に基づいて選択した経路に至る区間の経路を、区間経路生成手段65により生成された区間の経路により更新する。
【解決手段】 経路案内装置の記憶手段15は、ユーザによる通過指定に基づく経路を通過して指定地点までの案内経路を、経路案内に使用する経路として記憶する。区間経路生成手段65は、記憶手段15に記憶されている案内経路にて経路を案内している最中に、現在地が案内経路からはずれたことが検出された場合に、現在地から通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成する。案内時更新手段65は、記憶手段15に記憶されている案内経路の中の、当該通過指定に基づいて選択した経路に至る区間の経路を、区間経路生成手段65により生成された区間の経路により更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路案内装置および経路案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、探索された経路に従い、目的地までの経路案内を行う車両用ナビゲーション装置が開示されている。特許文献1の車両用ナビゲーション装置は、ルート探索手段で探索された経路などを記憶する経路記憶手段と、案内経路を外れたことを検出するルート外れ検出手段と、案内経路を外れたときに案内経路の再探索を行うルート探索手段と、案内経路に基づく案内情報を出力する出力手段と、を有する。そして、特許文献1の車両用ナビゲーション装置は、経路記憶手段に記憶された再探索した経路を出力して該再探索した経路に基づき経路誘導を行う。
【0003】
特許文献2には、誘導経路検索システムが開示される。この誘導経路検索システムでは、地図上に目的地が表示されるよう座標位置、及び拡大倍率等を調整し、目的地を設定する。その後、現在地から目的地まで経路イメージの有無を確認し、ある場合には経路イメージを入力する。なぞられた経路イメージ周辺の道路を誘導経路の候補として選択し、経路イメージ周辺の道路通過コストを下げることを選択基準とする。選択された道路を組み合わせ、現在地から目的地にたどり着くまでのコストが最も低い組み合わせを誘導経路として検索する。
【0004】
【特許文献1】特開平9−152352号公報(特許請求の範囲、発明の実施の形態など)
【特許文献2】特開2001−108465号公報(特許請求の範囲、発明の実施の形態、段落0017など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示されるように、誘導経路を検索する装置には、ユーザが地図上で通過したい経路を指定することができるものがある。そして、ユーザは、地図上で通過したい経路を指定すると、通過したい経路を通過する案内経路で誘導されることで、目的地まで移動することができる。
【0006】
しかしながら、そのように自分が通過したい経路を指定したとしても、その経路にしたがって移動している最中にたとえば道を間違えてその案内経路から外れると、案内経路に基づいて経路を案内する経路案内装置は、案内経路を再生成する。この再生成される案内経路は、特許文献1にあるように、その外れた現在地から目的地までに最短時間で移動する経路となる。その結果、ユーザは、確認画面において指定した経路を通過することができなくなる。
【0007】
本発明は、以上の課題に鑑みなされたものであり、現在地が案内経路からはずれた場合でも、ユーザの通過指定操作に基づいて選択されたユーザ所望の経路を通過して、目的地などのユーザが指定した地点までに至る案内経路を案内することができる経路案内装置および経路案内方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る経路案内装置は、ユーザによる通過指定に基づく経路を通過して指定地点までの案内経路を、経路案内に使用する経路として記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されている案内経路にて経路を案内している最中に、現在地が案内経路からはずれたことが検出された場合に、現在地から通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成する区間経路生成手段と、記憶手段に記憶されている案内経路の中の、当該通過指定に基づいて選択した経路までの区間の経路を、区間経路生成手段により生成された区間の経路により更新する案内時更新手段と、を有するものである。
【0009】
本発明に係る経路案内装置は、上述した発明の構成に加えて、記憶手段に記憶される案内経路における通過指定に基づく経路は、地点の指定に基づいて生成された案内経路の確認画面に表示されている道路に対して、ユーザによる通過指定に基づいて選択された道路を繋ぎ合わせて生成されたものである。
【0010】
本発明に係る経路案内装置は、上述した各発明の構成に加えて、記憶手段に記憶されている案内経路にて経路を案内している最中での、ユーザによる経路再生成指示を取得する再生成指示取得手段を有し、区間経路生成手段が、再生成指示取得手段により経路再生成指示が取得された場合には、通過指定を考慮せずに、現在地から指定地点までの区間の経路を生成するものである。
【0011】
本発明に係る経路案内装置は、上述した各発明の構成に加えて、区間経路生成手段が、現在地から通過指定に基づく経路までの距離が現在地から指定地点までの距離より短い場合にのみ、現在地から通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成するものである。
【0012】
本発明に係る経路案内装置は、上述した各発明の構成に加えて、指定地点を取得する指定地点取得手段と、指定地点取得手段により取得された指定地点までの案内経路を生成する案内経路生成手段と、案内経路生成手段により生成された案内経路とともにその他の道路を表示する表示手段と、表示手段に表示されているその他の道路に対する通過指定に基づいて、その指定された位置に最も近い道路を選択し、その選択した道路を繋ぎ合わせた経路を、の通過指定に基づく経路として記憶手段に記憶させる生成時更新手段と、を有するものである。
【0013】
本発明に係る経路案内装置は、上述した各発明の構成に加えて、指定地点を取得する指定地点取得手段と、指定地点取得手段により取得された指定地点までの案内経路を生成する案内経路生成手段と、案内経路生成手段により生成された案内経路とともにその他の道路または地図を表示する表示手段と、表示手段に表示されているその他の道路または地図に対する通過指定に基づいて、その指定された位置に最も近い道路が優先的に選択される条件の下で案内経路を生成し、その生成した案内経路の中の案内経路生成手段が生成した案内経路と異なる区間を、通過指定に基づく経路に指定して、その生成した案内経路を記憶手段に記憶させる生成時更新手段と、を有するものである。
【0014】
本発明に係る経路案内装置は、上述した各発明の構成に加えて、区間経路生成手段が、現在地が案内経路からはずれた回数および/または距離を考慮し、予め定められた所定の条件を満たす場合には、通過指定を考慮せずに、現在地から指定地点までの区間の経路を生成するものである。
【0015】
本発明に係る経路案内方法は、ユーザによる通過指定に基づく経路を通過して指定地点までに至る案内経路を用いて経路を案内している最中に、現在地が案内経路からはずれたことを検出するステップと、現在地から通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成するステップと、現在地から、通過指定に基づく経路までの区間の案内経路として、生成された経路を案内するステップと、を有するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、現在地が案内経路からはずれた場合でも、ユーザの通過指定操作に基づいて選択されたユーザ所望の経路を通過して、目的地などのユーザが指定した地点までに至る案内経路を案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る経路案内装置および経路案内方法を、図面に基づいて説明する。経路案内装置は、カーナビゲーションシステムを例として説明する。経路案内方法は、カーナビゲーションシステムの動作を例として説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステムを示す構成図である。カーナビゲーションシステムは、自動車などの車両とともに用いられるものである。カーナビゲーションシステムは、目的地などが選択された場合に、現在地などから目的地などへの車両の案内経路を生成する。カーナビゲーションシステムは、生成した案内経路で車両が移動するように経路を案内する。
【0019】
カーナビゲーションシステムは、メインコンピュータ1を有する。メインコンピュータ1は、プログラムを実行するCPU(中央処理装置)2と、CPU2が実行しているプログラムやデータを記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)3と、周辺機器が接続される入出力ポート4と、これらを接続するシステムバス5と、を有する。
【0020】
入出力ポート4には、表示手段としての液晶デバイス11と、目的地取得手段としてのタッチパネル12と、GPS(Global Positioning System)受信機13と、VICS(Vehicle Information and Communication System)受信機14と、記憶手段としての記憶デバイス15と、が接続される。
【0021】
液晶デバイス11は、液晶ディスプレイパネルなどといった表示部を有する。液晶デバイス11は、入出力ポート4から表示データが入力されると、その表示データに基づく画像を表示部に表示する。
【0022】
タッチパネル12は、透明なスクリーンを有する。透明なスクリーンは、液晶デバイス11の表示部に重ねて配設される。タッチパネル12は、透明なスクリーン内の押圧された位置を検知し、その検出した位置を示す位置データを入出力ポート4へ出力する。
【0023】
GPS受信機13は、GPS衛星からのGPS電波を受信する。GPS電波は、GPS衛星の位置情報と時間情報とを有する。GPS受信機13は、たとえば3つ以上のGPS衛星からのGPS電波を受信すると、それら複数のGPS衛星に対するGPS受信機13の相対位置を演算し、その相対位置に基づいてGPS受信機13の地球上の位置情報を生成する。地球上の位置情報は、たとえば世界測地系での緯度経度の値として表現される。GPS受信機13は、生成したGPS受信機13の位置情報を入出力ポート4へ出力する。
【0024】
VICS受信機14は、電波ビーコン、光ビーコンあるいはFM多重放送により送信される交通情報を受信する。交通情報には、道路の混雑度を示す渋滞情報や、道路の通行止め時間帯などを示す交通規制情報が含まれる。VICS受信機14は、受信した交通情報を入出力ポート4へ出力する。
【0025】
記憶デバイス15は、たとえばハードディスクドライブなどにより構成される。図2は、図1中の記憶デバイス15が記憶する内容を示す説明図である。記憶デバイス15は、ナビゲーションプログラム21と、ナビゲーションデータとを記憶する。ナビゲーションデータは、地点データ群23と、地図データ24と、リンクデータ群25と、ノードデータ群26と、コスト係数リスト27と、を有する。
【0026】
なお、記憶デバイス15に記憶されるナビゲーションプログラム21とナビゲーションデータとは、たとえばDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)−ROM(リード・オンリー・メモリ)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体や伝送媒体を介して、記憶デバイス15に保存されるようにしてもよい。
【0027】
また、ナビゲーションプログラム21とナビゲーションデータとは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。この場合、記憶デバイス15は、この記録媒体と、記録媒体のデータを読み取るドライブとにより構成される。
【0028】
ナビゲーションデータの中の地点データ群23は、複数のレコードを有する。地点データ群23の各レコードは、1つの地点のデータを有する。1つの地点のデータには、その地点にある建物、店舗、施設などの名称、その地点の位置情報などが含まれる。地点データ群23に記憶される複数の地点は、目的地、経由地あるいは出発地などとして選択可能な地点である。
【0029】
地図データ24は、液晶ディスプレイに地図を表示するために使用するデータである。このような地図データ24としては、たとえば、二次元あるいは三次元のベクトル地図データ24がある。ベクトル地図データ24は、地図の背景画像となる背景データと、その背景画像の上に描画されるベクトルデータと、を有する。背景画像は、たとえば公園、河川、池などを色分けした画像データである。ベクトルデータは、たとえば道路毎の描画データである。なお、地図データ24は、この他にも、ランドマーク用の三次元のポリゴンデータや、各地点に対応付けられたアイコンデータなどを備えていてもよい。また、地図データ24は、地図データ24に基づいて表示される地図上の各地点の位置を特定するための情報を有する。
【0030】
リンクデータ群25およびノードデータ群26は、カーナビゲーションシステムにより車両の経路探索や経路案内において使用されるデータである。道路には、交差点などの道路の分岐点がある。ナビゲーションシステムでは、この道路の分岐点などをノードとして取り扱う。2つの分岐点の間の道路などをリンクとして取り扱う。リンクの両端は、ノードに接続される。ノードには、1つ以上のリンクが接続される。このように道路は、複数のリンクおよび複数のノードとしてデータ化される。
【0031】
リンクデータ群25は、複数のレコードを有する。リンクデータ群25の各レコードは、1つのリンクのデータを有する。各レコードは、そのリンクに関する交通規制情報や、そのリンクの距離、そのリンクを通過するコスト情報、そのリンクに固有の識別番号、そのリンクが接続されるノードの識別番号などを有する。リンクに関する交通規制情報には、たとえば、一方通行路、時間帯通行禁止、右折禁止、Uターン禁止、道幅(幅員)などの情報がある。なお、各レコードは、1つのリンクではなく、ある関連性を有する複数のリンクがまとめて対応付けられていてもよい。ある関連性を有する複数のリンクとしては、たとえば、ある番号の国道のある区間の道路に対応する複数のリンクなどがある。
【0032】
ノードデータ群26は、複数のレコードを有する。ノードデータ群26の各レコードは、1つのノードのデータを有する。各レコードは、そのノードの位置情報、そのノードに関する交通規制情報、そのノードを通過するコスト情報、そのノードに固有の識別番号、そのノードに接続されるリンクの識別番号などを有する。ノードに関する交通規制情報としては、たとえば、信号機の有無、右折禁止、Uターン禁止などの情報がある。なお、各レコードは、1つのノードではなく、ある関連性を有する複数のノードがまとめて対応付けられていてもよい。ある関連性を有する複数のノードとしては、たとえば、ある番号の国道のある区間の道路の一連の交差点に対応する複数のノードなどがある。
【0033】
ノードを通過するコスト情報およびリンクを通過するコスト情報は、それらの通過し易さあるいは通過し難さに応じた値を有する。これらのコスト情報は、通過し難いほど大きな値を有する。なお、コスト情報の値は、通過し易さのみに応じた値ではなく、たとえば、道路の有料/無料に応じた値、道路の走りやすさに応じた値、道路の景観の良否に応じた値、道路の交通量に応じた値、あるいはそれらを組み合わせた値などになっていてもよい。
【0034】
なお、各レコードは、所定の条件に基づいて選択可能な複数のコスト情報を有するものであってもよい。また、実際に演算に使用するコスト情報そのものは、記憶デバイス15においてたとえば道路種別などと対応付けて記憶され、これらノードデータ群26およびリンクデータ群25は、レコード毎に種別の指定情報を有するデータ構造になっていてもよい。
【0035】
コスト係数リスト27は、コスト計算に使用する複数の係数を有する。コスト計算に使用する係数としては、たとえば、渋滞係数がある。
【0036】
渋滞係数は、渋滞している経路が劣後的に選択されるようにするための係数である。この実施の形態での渋滞係数は、1より大きい値を有する。渋滞係数は、渋滞している道路に対応するリンクおよびノードのコスト情報に乗算される。
【0037】
ナビゲーションプログラム21は、CPU2に実行されることで、メインコンピュータ1に、案内経路を生成するための各種の機能と、生成した案内経路に基づいて経路案内をするための各種の機能とを実現する。
【0038】
図3は、図1中のCPU2がナビゲーションプログラム21を実行することで、経路生成時に、カーナビゲーションシステムに実現される機能を示すブロック図である。図1中のCPU2がナビゲーションプログラム21を実行することで、案内経路生成手段としての案内経路生成部31と、案内経路確認部32と、操作判断部33と、生成時更新手段としての案内経路更新部34と、が実現される。CPU2は、目的地などが選択された場合に、この機能を実現する。これらの機能が実現されることで、カーナビゲーションシステムは、現在地などから目的地などに至る案内経路を生成する。
【0039】
案内経路生成部31は、経路生成データ36を用いて、案内経路データ37を生成する。案内経路生成部31は、生成した案内経路データ37を記憶デバイス15に記憶させる。
【0040】
経路生成データ36は、記憶デバイス15に記憶されている。案内経路の生成時に案内経路生成部31が使用する経路生成データ36には、たとえば、現在地の位置情報41、目的地の位置情報42、リンクデータ群25、ノードデータ群26、渋滞交通規制情報43、指定ルート優先係数、規準地点リスト45などが含まれる。
【0041】
現在地の位置情報41は、車両の現在地を示す位置情報である。現在地の位置情報41は、GPS受信機13が出力する位置情報により更新される。なお、入出力ポート4に、車両の走行速度に応じて変化する車速パルスを出力する車速パルス発生器や、車両の姿勢(向き)に応じた姿勢信号を出力するジャイロセンサなどを接続し、これらの情報に基づいて車両の現在の位置情報を演算し、その演算した位置情報により現在地の位置情報41を更新するようにしてもよい。
【0042】
目的地の位置情報42は、車両の目的地を示す位置情報である。目的地の位置情報42は、たとえば地点データ群23や地図データ24に基づいてタッチパネル12により選択された地点の位置情報で更新される。
【0043】
渋滞交通規制情報43は、現在の渋滞道路や交通規制道路を示す情報である。渋滞交通規制情報43は、VICS受信機14が出力する交通情報により更新される。
【0044】
図4は、図3中の案内経路生成部31により生成される案内経路データ37の一例を示す図である。案内経路データ37は、案内経路の起点の位置情報51と、案内経路の終点の位置情報52と、その起点から終点までに至る案内経路としてのリンクおよびノードのリスト53と、を有する。
【0045】
リンクおよびノードのリスト53において、複数のリンクおよびノードは、起点から終点までに至る案内経路における通過順に並べられている。図4では、「リンク#1、ノード#1、リンク#2、ノード#2、リンク#3、・・・、リンク#19、ノード#20、リンク#20」の順番に並んでいる。この場合、案内経路は、現在地から、リンク#1、ノード#1、リンク#2、ノード#2、リンク#3、・・・、リンク#19、ノード#20、リンク#20の順番で通過し、目的地に至る経路になっている。
【0046】
リンクおよびノードのリスト53において、各リンクおよび各ノードの情報は、たとえば、そのリンクまたはノードのリンクデータ群25またはノードデータ群26における識別情報と、そのリンクまたはノードに関するユーザ指定の有無に関する情報と、を有する。ユーザ指定の有無に関する情報において「あり」となっているリンクおよびノードは、ユーザ指定により案内経路として選択されたものである。それ以外のリンクおよびノードは、ユーザ指定の有無に関する情報が「なし」となっている。
【0047】
案内経路確認部32は、案内経路の確認画面の表示データを生成し、液晶デバイス11へ出力する。液晶デバイス11は、案内経路の確認画面を表示する。
【0048】
操作判断部33は、液晶デバイス11の表示画面に応じたタッチパネル12に対するユーザの操作を判断する。操作判断部33は、たとえば、案内経路の確認画面に表示される後述する案内開始ボタン71に対応するタッチパネル12上の位置が操作された場合、案内開始が指示されたと判断する。操作判断部33は、たとえば、案内経路の確認画面に表示される地図上の任意の位置が操作された場合、その任意の位置がユーザにより通過を指定されたと判断する。
【0049】
案内経路更新部34は、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37を更新する。案内経路更新部34は、ユーザが表示に基づいて通過を指定した地図上の位置と、リンクデータ群25およびノードデータ群26とに基づいて、ユーザが通過を指定した経路を特定し、その特定した経路で案内経路データ37を更新する。
【0050】
図5は、図1中のCPU2がナビゲーションプログラム21を実行することで、経路案内時に、カーナビゲーションシステムに実現される機能を示すブロック図である。図1中のCPU2がナビゲーションプログラム21を実行することで、経路案内部61と、経路はずれ検出部62と、再生成指示取得手段としての操作判断部63と、再探索区間指定部64と、区間経路生成手段および案内時更新手段としての案内経路生成部65と、が実現される。CPU2は、案内開始が指示された場合に、この機能を実現する。これらの機能が実現されることで、カーナビゲーションシステムは、案内経路に基づいて目的地までの経路を案内する。
【0051】
経路案内部61は、経路案内の表示画面の表示データを生成し、液晶デバイス11へ出力する。液晶デバイス11は、経路案内の表示画面を表示する。経路案内の表示画面には、車両の現在地の周辺の地図と、車両の現在地を示すマークと、その周辺の地図内の案内経路とが表示される。
【0052】
経路はずれ検出部62は、車両の現在地が案内経路からはずれているか否かを判断する。経路はずれ検出部62は、たとえばGPS受信機13が出力する位置情報と、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37のリンクとを比較し、所定距離以下となるリンクが案内経路データ37に含まれていない場合に、車両の現在地が案内経路からはずれていると判断する。
【0053】
操作判断部63は、液晶デバイス11の表示画面に応じたタッチパネル12に対するユーザの操作を判断する。操作判断部63は、たとえば、経路案内の表示画面に表示される後述する再探索ボタン81に対応するタッチパネル12上の位置が操作された場合、案内経路の再探索が指示されたと判断する。
【0054】
再探索区間指定部64は、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37の中、再探索をする区間を指定する。再探索区間指定部64は、たとえば、図4の案内経路データ37において、現在地からノード#3(あるいはリンク#3)までの区間を再探索区間として指定する。再探索区間指定部64は、他にもたとえば、図4の案内経路データ37において、現在地から目的地までの区間を再探索区間として指定する。
【0055】
案内経路生成部65は、再探索が指定された区間の起点から終点までの案内経路となる案内経路データ37を生成する。案内経路生成部65は、生成した区間の案内経路データ37で、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37を更新する。具体的には、案内経路生成部65は、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37におけるリンクおよびノードのリスト53の中の、その指定された区間のリンクおよびノードを、生成した案内経路データ37のリンクおよびノードに更新する。
【0056】
次に、以上の構成を有する実施の形態に係るカーナビゲーションシステムの動作を説明する。まず、図3を参照しながら、案内経路の探索処理について説明する。
【0057】
たとえば地点データ群23や地図データ24に基づいてタッチパネル12により目的地が選択されると、経路生成データ36に含まれる目的地の位置情報42がその選択された目的地の位置に更新される。経路生成データ36が更新されると、案内経路生成部31は、その更新された経路生成データ36を用いて、案内経路データ37の生成を開始する。
【0058】
具体的には、案内経路生成部31は、まず、経路生成データ36に含まれる現在地の位置情報41を、案内経路の探索の起点として選択し、経路生成データ36に含まれる目的地の位置情報42を、案内経路の探索の終点として選択する。
【0059】
案内経路の起点および終点を選択した後、案内経路生成部31は、リンクデータ群25およびノードデータ群26を用いて、その起点から終点に至る候補経路を探索する。この候補経路は、車両が通行可能な経路である。案内経路生成部31は、リンクデータ群25およびノードデータ群26に記憶されている交通規制情報やVICS受信機14の受信情報に基づいて更新される交通規制情報を用いて、探索の起点から、車両で進行可能なリンクおよびノードを順番に通過し、探索の終点に至る経路を探索する。
【0060】
探索の起点から終点に至る経路を探索したら、案内経路生成部31は、その候補経路の通過コストを計算する。案内経路生成部31は、具体的にはたとえば、その候補経路に含まれるリンクのコストとして、リンクデータ群25およびノードデータ群26に記憶されているコスト情報を使用し、その候補経路に含まれるリンクのコストを加算して、その候補経路の通過コストとする。この他にもたとえば、案内経路生成部31は、渋滞交通規制情報43において渋滞している区間とされているリンクおよびノードについては、それらのリンクデータ群25およびノードデータ群26におけるコスト情報に、コスト係数リスト27に記憶されている渋滞係数を乗算したものを、そのコストとして使用し、そのコストを加算して、その候補経路の通過コストとする。
【0061】
また、案内経路生成部31は、探索の起点から終点に至る複数の候補経路を探索する。そして、案内経路生成部31は、その探索した複数の候補経路の中から、最も通過コストが低い候補経路を案内経路として選択する。案内経路生成部31は、案内経路の案内経路データ37を記憶デバイス15に記憶させる。これにより、記憶デバイス15には、図4に示すような案内経路データ37が記憶される。ただし、この最初の経路探索により案内経路生成部31が記憶デバイス15に記憶させる案内経路データ37では、すべてのリンクおよびノードのユーザ指定に関する情報は、「なし」になる。
【0062】
記憶デバイス15に案内経路データ37が記憶されると、案内経路確認部32は、案内経路の確認画面の表示データを生成する。具体的にはたとえば、案内経路確認部32は、まず、記憶デバイス15に記憶されている地図データ24に基づいて、案内経路の全体が含まれる範囲の地図画面を生成する。この地図画面には、その表示縮尺に応じた道路が表示される。次に、案内経路確認部32は、その地図画面の上に、案内経路データ37に基づく案内経路と、探索の起点のマークと、探索の終点のマークとを描画する。そして、案内経路確認部32は、この生成した案内経路の確認画面の表示データを液晶デバイス11へ出力する。液晶デバイス11は、案内経路の確認画面を表示する。
【0063】
図6は、図1中の液晶デバイス11に表示される案内経路の確認画面の一例を示す図である。図6の案内経路の確認画面では、画面の左下に探索の起点のマーク72が表示される。画面の右上に目的地マーク73が表示される。画面の左下から右上にかけて案内経路74が太線で示されている。また、案内経路の確認画面には、地図データ24に基づいて、表示画面の表示範囲内の地図および主要幹線道路75などが表示されている。また、画面の右下には、案内開始ボタン71が表示されている。
【0064】
ユーザは、液晶デバイス11に表示される案内経路の確認画面において、案内経路生成部31が生成した案内経路74を確認することができる。
【0065】
なお、案内経路確認部32は、図6に示す案内経路の確認画面を所定数(たとえば4つ)に分割した複数の案内経路の確認画面を生成し、これをユーザのスクロール操作などに基づいて順番に液晶デバイス11に表示させるようにしてもよい。
【0066】
図6に示す案内経路の確認画面が液晶デバイス11に表示されている状態で、たとえば図7において矢印として示すように、ユーザが指で表示されている地図中の幹線道路75をなぞると、液晶デバイス11の表示部に重ねられているタッチパネル12から操作位置情報が出力される。図7は、図6に示す案内経路の確認画面において、地図上の通過点を設定するユーザ通過指定操作の仕方を説明する説明図である。
【0067】
操作判断部33は、この操作位置情報と案内経路の確認画面の表示データとに基づいて、操作された位置(図7でいえば矢印が重なっている位置)に対応する地図上の位置情報を生成する。操作判断部33は、生成した地図上の位置情報を案内経路更新部34へ出力する。
【0068】
操作判断部33から地図上の位置情報が入力されると、案内経路更新部34は、ユーザにより通過が指定された地図上の位置と、リンクデータ群25およびノードデータ群26とに基づいて、ユーザが通過を指定した経路を特定する。具体的にはたとえば、案内経路更新部34は、液晶デバイス11に表示されている道路の中、ユーザにより通過が指定された地図上の位置に最も近い道路(ここでは、幹線道路75)を、ユーザが通過を指定した経路の道路として特定する。そして、案内経路更新部34は、その特定した道路を繋ぎ合わせて、ユーザが通過を指定した経路を生成する。
【0069】
ユーザが通過を指定した経路を生成すると、案内経路更新部34は、その経路で案内経路データ37を更新する。具体的にはたとえば、案内経路更新部34は、まず、ユーザが通過を指定した経路と、案内経路生成部31が生成した案内経路との2つ交点を特定する。図7では、ノード#2とノード#20とが2つの交点になる。次に、案内経路更新部34は、その2つの交点(ノード)間の案内経路を、ユーザが通過を指定した経路に更新する。
【0070】
これにより、記憶デバイス15には、図4に示す案内経路データ37が記憶される。案内経路生成部31は、この更新処理により変更したリンクおよびノードについては、それらのユーザ指定に関する情報として「あり」を記憶させる。図4の例では、ユーザ通過指定操作により更新された区間に相当するリンク#3からリンク#19までのユーザ指定に関する情報が、「あり」になっている。
【0071】
案内経路確認部32は、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37および地図データ24を用いて、更新された案内経路の確認画面の表示データを生成し、液晶デバイス11に更新された案内経路の確認画面を表示させる。
【0072】
図8は、図1中の液晶デバイス11に表示される更新された案内経路の確認画面の一例を示す図である。図8に表示される案内経路74は、図7の案内経路74と比べて、ノード#2からノード#20に至る区間の経路が、ユーザにより通過の指定がなされた幹線道路75を通過する経路へ変更されている。
【0073】
以上の処理により、カーナビゲーションシステムは、ユーザが通過したいと考えている経路(ここでは、幹線道路75)を通過して、目的地に至る案内経路を生成することができる。
【0074】
また、図8に示す案内経路の確認画面において案内開始ボタン71が操作されると、操作判断部33は、案内開始が指示されたと判断する。これにより、カーナビゲーションシステムは、生成した案内経路で車両が移動するように経路を案内する経路案内処理を開始する。
【0075】
経路案内処理が開始されると、図5に示すように、経路案内部61は、GPS受信機13が出力する位置情報を車両の現在の位置情報として使用し、地図データ24を用いて、その車両の現在位置の周辺の地図を生成する。経路案内部61は、生成した地図の上に、車両の現在地を示すマークと、その周辺の地図内の案内経路とを描画する。なお、車両の現在地を示すマークは、GPS受信機13の位置情報による位置であっても、その位置からマップマッチングにより特定した位置であってもよい。経路案内部61は、生成した経路案内の表示画面の表示データを液晶デバイス11へ出力する。液晶デバイス11は、経路案内の表示画面を表示する。
【0076】
図9は、図1中の液晶デバイス11に表示される経路案内の表示画面の一例を示す図である。図9の経路案内の表示画面には、案内経路74の全体が表示されている。図9の経路案内の表示画面の右下には、再探索ボタン81が表示されている。画面の左下に、車両の現在地を示すマーク82が表示され、右上に、目的地を示すマーク83が表示されている。
【0077】
GPS受信機13の位置情報が変化すると、経路案内部61は、経路案内の表示画面の表示データを更新する。経路案内部61は、その変化した位置情報を車両の現在位置とする経路案内の表示画面を生成する。これにより、液晶デバイス11には、車両の現在位置の周囲の地図と、その地図内における車両の現在位置および案内経路が表示されつづける。
【0078】
したがって、ユーザは、液晶デバイス11に表示される地図上において、車両の現在地を示すマーク82が案内経路84の上を移動するように車両を運転することで、現在地から、自ら通過の指定をした所定の経路75をとおって目的地に至ることができる。
【0079】
ところで、図9の経路案内の表示画面中のたとえばノード#1の交差点において車両が左折して案内経路74をはずれると、経路はずれ検出部62は、GPS受信機13が出力する位置情報と案内経路データ37のリンクとの比較に基づいて、車両の現在地が案内経路からはずれたと判断する。
【0080】
経路はずれ検出部62により車両の現在地が案内経路からはずれたと判断されると、 再探索区間指定部64は、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37に基づいて、再探索をする区間を指定する。
【0081】
具体的にはたとえば、再探索区間指定部64は、まず、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37においてユーザ指定に関する情報が「あり」となっている区間があるか否かを判断する。
【0082】
案内経路データ37においてユーザ指定に関する情報が「あり」となっている区間がある場合、再探索区間指定部64は、現在地からその「あり」となっている区間の入口までの区間を、再探索する区間として指定する。図4の案内経路データ37の場合には、再探索区間指定部64は、現在地からノード#2に至る区間を、再探索する区間として指定する。なお、再探索区間指定部64は、たとえば案内経路をはずれた位置とその区間の入口までの間の案内経路上にノードが存在する場合、現在地から、そのノードまでの区間を、再探索する区間として指定するようにしてもよい。また、再探索区間指定部64は、案内経路生成部65により案内経路が更新された後に、再度、案内経路74を外れた場合には、たとえば前回の更新により更新された案内経路において、前回の更新で探索した区間の終点ノードの次のノードまでを、新たに探索する区間として指定するようにしてもよい。
【0083】
再探索区間指定部64により再探索する区間が指定されると、案内経路生成部65は、現在地を探索する区間の起点とし、ユーザ指定に関する情報が「あり」となっている区間の入口を終点として、案内経路を生成する。案内経路生成部65は、記憶デバイス15に記憶されているリンクデータ群25、ノードデータ群26、渋滞交通規制情報43などの経路生成データ36を使用して、案内経路を生成する。
【0084】
再探索する区間の案内経路を生成したら、案内経路生成部65は、記憶デバイス15に記憶されているリンクおよびノードのリスト53について、再探索が指定された区間を、再探索により生成した案内経路データ37のリンクおよびノードに更新する。
【0085】
記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37が更新されると、経路案内部61は、その更新された案内経路データ37を使用して、案内経路の確認画面の表示データを生成する。図10は、ノード#1の交差点において車両が左折して案内経路をはずれたことにより更新された案内経路データ37を使用して、図1中の液晶デバイス11に表示される経路案内の表示画面の一例を示す図である。図10に表示される案内経路は、車両の現在地82から、自ら指定した所定の経路(ここでは、幹線道路85)を通って目的地に至る経路に変更されている。
【0086】
したがって、ユーザは、案内経路をはずれた場合でも、現在地から、自ら通過の指定をした所定の経路(ここでは、幹線道路85)を通って目的地に至ることができる。
【0087】
なお、経路はずれ検出部62により車両の現在地が案内経路からはずれたと判断された場合において、案内経路データ37においてユーザ指定に関する情報が「あり」となっている区間がない場合、再探索区間指定部64は、現在地から、案内経路をはずれた位置の次の案内経路上のノードまでを再探索する区間として指定する。案内経路生成部65は、再探索区間指定部64により指定された区間の案内経路を生成し、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37を更新する。なお、この場合において、再探索区間指定部64は、現在地から目的地までを再探索区間として指定し、案内経路生成部65は、その目的地までの案内経路を生成し、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37を更新するようにしてもよい。
【0088】
したがって、ユーザは、案内経路をはずれた場合でも、現在地から目的地に至ることができる。
【0089】
また、図9の経路案内の表示画面に基づいて経路案内をしている途中で、操作判断部63により再探索ボタン81が操作されたと判断されると、再探索区間指定部64は、現在地から、記憶デバイス15に記憶されている目的地までを、再探索する区間として指定する。
【0090】
案内経路生成部65は、現在地を探索する区間の起点とし、目的地を終点として、案内経路を生成する。案内経路生成部65は、記憶デバイス15に記憶されているリンクデータ群25、ノードデータ群26、渋滞交通規制情報43などの経路生成データ36を使用して、案内経路を生成する。
【0091】
再探索する区間の案内経路を生成したら、案内経路生成部65は、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37を、再探索により生成した案内経路データで更新する。
【0092】
記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37が更新されると、経路案内部61は、その更新された案内経路データ37を使用して、案内経路の確認画面の表示データを生成する。図11は、ノード#2を過ぎた後に再探索ボタン81が操作されたことにより更新された案内経路データ37を使用して、図1中の液晶デバイス11に表示される経路案内の表示画面の一例を示す図である。図11に表示される案内経路74は、ノード#2を過ぎた後の車両の現在地82から、すぐに左折して目的地に至る経路に変更されている。この案内経路74は、ユーザが自ら通過の指定をした所定の経路(ここでは、幹線道路85)をはずれて目的地に至る経路である。
【0093】
したがって、ユーザは、経路案内の途中で再探索ボタン81を操作することで、自ら指定した経路(ここでは、幹線道路85)をキャンセルして、現在地から目的地に至ることができる。
【0094】
以上のように、この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、目的地の設定に基づいて生成された案内経路の確認画面に、地図および道路を表示する。ユーザは、その表示されている地図および道路に対応する操作をすることで、所望の経路を指定することができる。ユーザは、目的地や通過経路の指定に基づいて経路をコスト計算により自動的に探索する場合には到底選択され得ない経路、たとえば大きく迂回して目的地に向かう経路を指定することができる。
【0095】
また、この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路と、その他の経路とを区別可能な状態で、案内経路を記憶デバイス15に記憶させる。
【0096】
そのため、この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、経路案内時に現在地が案内経路からはずれた場合には、新たな案内経路として、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路を通過して目的地に至る案内経路を自動的に生成する。新たな案内経路は、経路案内に使用する経路として記憶デバイス15に記憶される。その結果、カーナビゲーションシステムは、経路案内時に現在地が案内経路からはずれたとしても、経路案内時に指定した経路を通過して目的地に至る経路を案内する。
【0097】
また、この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、経路案内時に再探索ボタン81が操作された場合には、経路生成時に指定された経路の指定をキャンセルし、現在地から目的地に至る案内経路を生成する。その結果、カーナビゲーションシステムは、状況に応じたユーザの意思に対応して、柔軟にその意思に適した案内経路を即座に生成することができる。
【0098】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0099】
上記実施の形態では、案内経路更新部34が、ユーザの通過指定操作に基づいて、その操作された地図上の位置に最も近い道路を繋ぎ合わせたものを、ユーザにより通過が指定された経路として生成している。この他にもたとえば、コスト係数リスト27に、指定ルート優先係数を記憶させ、案内経路更新部34は、この指定ルート優先係数およびユーザにより通過指定された地図上の位置で、経路生成データ36を更新し、案内経路生成部31に新たな案内経路を生成させ、この案内経路生成部31により新たに生成された案内経路を、ユーザにより通過が指定された経路として生成するようにしてもよい。
【0100】
この変形例において、指定ルート優先係数は、1より大きい値を有するものであっても、1より小さい値を有するものであってもよい。指定ルート優先係数が1より大きい値である場合、案内経路更新部34は、その指定ルート優先係数を、ユーザが通過を指定した地点(図7の矢印が重なる位置)から所定の距離以上離れているリンクおよびノード(図7で言えば点線枠77外のリンクおよびノード)のコスト情報に乗算するようにすればよい。指定ルート優先係数が1より小さい値である場合、案内経路更新部34は、その指定ルート優先係数を、ユーザが通過を指定した地点(図7の矢印が重なる位置)から所定の距離以内のリンクおよびノードのコスト情報に乗算するようにすればよい。
【0101】
また、この変形例において、案内経路生成部31は、ユーザが通過を指定した地点(図7の矢印が重なる位置)を通過する経路が優先的に選択されるようにするために、指定ルート優先係数の替わりに、そのユーザが通過を指定した地点(図7の矢印が重なる位置)からそのリンクあるいはノードまでの距離が遠いほど大きくなる1以上の値を、それぞれのリンクおよびノードに乗算するようにしてもよい。
【0102】
上記実施の形態では、現在地が案内経路からはずれた場合、再探索区間指定部64は、その外れた現在地からユーザ通過指定区間の入口までの区間を再探索区間として指定している。この他にもたとえば、再探索区間指定部64は、案内経路からはずれた回数や、案内経路の入口とそのはずれた現在地との目的地に対する位置関係などに応じて、再探索区間を変更するようにしてもよい。案内経路からはずれた回数としては、たとえば、案内経路を外れたことに基づく案内経路生成部65による案内経路の生成回数(すなわち、リルート回数)が使用できる。
【0103】
そして、再探索区間指定部64は、たとえば、案内経路生成部65のリルート回数が2回になった場合、現在地から、ユーザの通過指定に基づいて生成した区間の途中(たとえば図4のリンク#3)までの区間を再探索区間として指定するようにしてもよい。また、再探索区間指定部64は、案内経路生成部65のリルート回数が5回になった場合、現在地から目的地までの区間を再探索区間として指定するようにしてもよい。また、再探索区間指定部64は、現在地から目的地までの距離がユーザ通過指定区間の入口から目的地までの距離より短い場合には、現在地から目的地までの区間を再探索区間として指定し、長い場合には、現在地からユーザ通過指定区間の入口までの区間を再探索区間として指定するようにしてもよい。
【0104】
上記実施の形態では、目的地設定に基づいて生成した案内経路と、その確認画面においてユーザが地点を指定することにより生成した案内経路との異なる区間を、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路としている。この他にもたとえば、確認画面においてユーザが通過を指定した地点から所定の範囲内となる区間を、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路としてもよい。
【0105】
上記実施の形態では、再探索ボタン81が操作された場合、再探索区間指定部64は、そのときの現在地から目的地までの区間を再探索区間として指定している。この他にもたとえば、再探索区間指定部64は、再探索ボタン81が操作された回数などに応じて、再探索区間を変更するようにしてもよい。再探索区間指定部64は、たとえば、再探索ボタン81が1回操作された場合、現在地から、ユーザの通過指定に基づいて生成した区間の入口(たとえば図4のノード#2)までの区間を再探索区間として指定するようにしてもよい。また、再探索区間指定部64は、案内経路生成部65のリルート回数が所定回数(たとえば5回)になった場合、現在地から目的地までの区間を再探索区間として指定するようにしてもよい。また、再探索区間指定部64は、案内経路から所定距離(たとえば1km)はずれた場合、現在地から目的地までの区間を再探索区間として指定するようにしてもよい。
【0106】
上記実施の形態では、ユーザが目的地の設定に基づいて生成された案内経路の確認画面に表示されている道路を指でなぞる通過指定の操作をすることで、通過する経路を指定している。この他にもたとえば、その表示画面内に表示されるポインタなどを図示外の十字キーなどで移動することで、通過する経路を指定するようにしてもよい。さらに他にも、地図データに基づいて表示される地図画面において、表示されている道路を指でなぞったり、表示されるポインタを移動したりすることで、通過する経路を指定するようにしてもよい。
【0107】
上記実施の形態では、案内経路生成部65は、現在地が案内経路からはずれた場合には、現在地から、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路までの区間の経路を生成している。この他にもたとえば、案内経路生成部65は、リルート回数が所定の回数を超えたら、現在地から目的地までの区間の経路を生成するようにしてもよい。さらに他にも、案内経路生成部65は、現在地から目的地までの距離が、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路の入口から目的地までの距離より短くなったら、現在地から目的地までの区間の経路を生成するようにしてもよい。さらに他にも、案内経路生成部65は、リルート回数が所定の回数を超えたら、現在地から、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路の途中までの区間の経路を生成するようにしてもよい。
【0108】
上記実施の形態では、目的地の設定に基づいて生成した案内経路とともに道路を含む地図を表示し、その地図中の地点をユーザに通過指定させている。この他にもたとえば、目的地の設定に基づいて生成した案内経路とともにその周辺の道路を表示し、その表示されている道路の中から所望の道路をユーザに通過指定させるようにしてもよい。
【0109】
上記実施の形態では、ユーザ指定地点として、目的地の場合を例として説明している。この他にもたとえば、指定地点としては、経由地、通過点などがある。
【0110】
上記実施の形態では、経路案内部61が案内開始時に案内する案内経路データ37は、案内経路生成部31が生成した案内経路データ37を、案内経路更新部34により、ユーザが通過を指定した経路を通過する経路に更新されたものである。この他にもたとえば、経路案内部61が案内開始時に案内する案内経路データ37は、ユーザによる通過指定がなされた後に、その通過指定経路を通過して、現在地から目的地に向かう経路を探索することで生成されたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、カーナビゲーションシステムなどに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステムを示す構成図である。
【図2】図2は、図1中の記憶デバイスが記憶する内容を示す説明図である。
【図3】図3は、図1中のCPUがナビゲーションプログラムを実行することで、経路生成時に、カーナビゲーションシステムに実現される機能を示すブロック図である。
【図4】図4は、図3中の案内経路生成部により生成される案内経路データの一例を示す図である。
【図5】図5は、図1中のCPUがナビゲーションプログラムを実行することで、経路案内時に、カーナビゲーションシステムに実現される機能を示すブロック図である。
【図6】図6は、図1中の液晶デバイスに表示される案内経路の確認画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、図6に示す案内経路の確認画面において、地図上の通過点を設定するユーザによる通過指定操作の仕方を説明する説明図である。
【図8】図8は、図1中の液晶デバイスに表示される更新された案内経路の確認画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、図1中の液晶デバイスに表示される経路案内の表示画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、ノード#1の交差点において車両が左折して案内経路をはずれたことにより更新された案内経路データを使用して、図1中の液晶デバイスに表示される経路案内の表示画面の一例を示す図である。
【図11】図11は、ノード#2を過ぎた後に再探索ボタンが操作されたことにより更新された案内経路データを使用して、図1中の液晶デバイスに表示される経路案内の表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0113】
11 液晶デバイス(表示手段)
12 タッチパネル(目的地取得手段)
15 記憶デバイス(記憶手段)
31 案内経路生成部(案内経路生成手段)
34 案内経路更新部(生成時更新手段)
63 操作判断部(再生成指示取得手段)
65 案内経路生成部(区間経路生成手段、案内時更新手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路案内装置および経路案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、探索された経路に従い、目的地までの経路案内を行う車両用ナビゲーション装置が開示されている。特許文献1の車両用ナビゲーション装置は、ルート探索手段で探索された経路などを記憶する経路記憶手段と、案内経路を外れたことを検出するルート外れ検出手段と、案内経路を外れたときに案内経路の再探索を行うルート探索手段と、案内経路に基づく案内情報を出力する出力手段と、を有する。そして、特許文献1の車両用ナビゲーション装置は、経路記憶手段に記憶された再探索した経路を出力して該再探索した経路に基づき経路誘導を行う。
【0003】
特許文献2には、誘導経路検索システムが開示される。この誘導経路検索システムでは、地図上に目的地が表示されるよう座標位置、及び拡大倍率等を調整し、目的地を設定する。その後、現在地から目的地まで経路イメージの有無を確認し、ある場合には経路イメージを入力する。なぞられた経路イメージ周辺の道路を誘導経路の候補として選択し、経路イメージ周辺の道路通過コストを下げることを選択基準とする。選択された道路を組み合わせ、現在地から目的地にたどり着くまでのコストが最も低い組み合わせを誘導経路として検索する。
【0004】
【特許文献1】特開平9−152352号公報(特許請求の範囲、発明の実施の形態など)
【特許文献2】特開2001−108465号公報(特許請求の範囲、発明の実施の形態、段落0017など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示されるように、誘導経路を検索する装置には、ユーザが地図上で通過したい経路を指定することができるものがある。そして、ユーザは、地図上で通過したい経路を指定すると、通過したい経路を通過する案内経路で誘導されることで、目的地まで移動することができる。
【0006】
しかしながら、そのように自分が通過したい経路を指定したとしても、その経路にしたがって移動している最中にたとえば道を間違えてその案内経路から外れると、案内経路に基づいて経路を案内する経路案内装置は、案内経路を再生成する。この再生成される案内経路は、特許文献1にあるように、その外れた現在地から目的地までに最短時間で移動する経路となる。その結果、ユーザは、確認画面において指定した経路を通過することができなくなる。
【0007】
本発明は、以上の課題に鑑みなされたものであり、現在地が案内経路からはずれた場合でも、ユーザの通過指定操作に基づいて選択されたユーザ所望の経路を通過して、目的地などのユーザが指定した地点までに至る案内経路を案内することができる経路案内装置および経路案内方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る経路案内装置は、ユーザによる通過指定に基づく経路を通過して指定地点までの案内経路を、経路案内に使用する経路として記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されている案内経路にて経路を案内している最中に、現在地が案内経路からはずれたことが検出された場合に、現在地から通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成する区間経路生成手段と、記憶手段に記憶されている案内経路の中の、当該通過指定に基づいて選択した経路までの区間の経路を、区間経路生成手段により生成された区間の経路により更新する案内時更新手段と、を有するものである。
【0009】
本発明に係る経路案内装置は、上述した発明の構成に加えて、記憶手段に記憶される案内経路における通過指定に基づく経路は、地点の指定に基づいて生成された案内経路の確認画面に表示されている道路に対して、ユーザによる通過指定に基づいて選択された道路を繋ぎ合わせて生成されたものである。
【0010】
本発明に係る経路案内装置は、上述した各発明の構成に加えて、記憶手段に記憶されている案内経路にて経路を案内している最中での、ユーザによる経路再生成指示を取得する再生成指示取得手段を有し、区間経路生成手段が、再生成指示取得手段により経路再生成指示が取得された場合には、通過指定を考慮せずに、現在地から指定地点までの区間の経路を生成するものである。
【0011】
本発明に係る経路案内装置は、上述した各発明の構成に加えて、区間経路生成手段が、現在地から通過指定に基づく経路までの距離が現在地から指定地点までの距離より短い場合にのみ、現在地から通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成するものである。
【0012】
本発明に係る経路案内装置は、上述した各発明の構成に加えて、指定地点を取得する指定地点取得手段と、指定地点取得手段により取得された指定地点までの案内経路を生成する案内経路生成手段と、案内経路生成手段により生成された案内経路とともにその他の道路を表示する表示手段と、表示手段に表示されているその他の道路に対する通過指定に基づいて、その指定された位置に最も近い道路を選択し、その選択した道路を繋ぎ合わせた経路を、の通過指定に基づく経路として記憶手段に記憶させる生成時更新手段と、を有するものである。
【0013】
本発明に係る経路案内装置は、上述した各発明の構成に加えて、指定地点を取得する指定地点取得手段と、指定地点取得手段により取得された指定地点までの案内経路を生成する案内経路生成手段と、案内経路生成手段により生成された案内経路とともにその他の道路または地図を表示する表示手段と、表示手段に表示されているその他の道路または地図に対する通過指定に基づいて、その指定された位置に最も近い道路が優先的に選択される条件の下で案内経路を生成し、その生成した案内経路の中の案内経路生成手段が生成した案内経路と異なる区間を、通過指定に基づく経路に指定して、その生成した案内経路を記憶手段に記憶させる生成時更新手段と、を有するものである。
【0014】
本発明に係る経路案内装置は、上述した各発明の構成に加えて、区間経路生成手段が、現在地が案内経路からはずれた回数および/または距離を考慮し、予め定められた所定の条件を満たす場合には、通過指定を考慮せずに、現在地から指定地点までの区間の経路を生成するものである。
【0015】
本発明に係る経路案内方法は、ユーザによる通過指定に基づく経路を通過して指定地点までに至る案内経路を用いて経路を案内している最中に、現在地が案内経路からはずれたことを検出するステップと、現在地から通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成するステップと、現在地から、通過指定に基づく経路までの区間の案内経路として、生成された経路を案内するステップと、を有するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、現在地が案内経路からはずれた場合でも、ユーザの通過指定操作に基づいて選択されたユーザ所望の経路を通過して、目的地などのユーザが指定した地点までに至る案内経路を案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る経路案内装置および経路案内方法を、図面に基づいて説明する。経路案内装置は、カーナビゲーションシステムを例として説明する。経路案内方法は、カーナビゲーションシステムの動作を例として説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステムを示す構成図である。カーナビゲーションシステムは、自動車などの車両とともに用いられるものである。カーナビゲーションシステムは、目的地などが選択された場合に、現在地などから目的地などへの車両の案内経路を生成する。カーナビゲーションシステムは、生成した案内経路で車両が移動するように経路を案内する。
【0019】
カーナビゲーションシステムは、メインコンピュータ1を有する。メインコンピュータ1は、プログラムを実行するCPU(中央処理装置)2と、CPU2が実行しているプログラムやデータを記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)3と、周辺機器が接続される入出力ポート4と、これらを接続するシステムバス5と、を有する。
【0020】
入出力ポート4には、表示手段としての液晶デバイス11と、目的地取得手段としてのタッチパネル12と、GPS(Global Positioning System)受信機13と、VICS(Vehicle Information and Communication System)受信機14と、記憶手段としての記憶デバイス15と、が接続される。
【0021】
液晶デバイス11は、液晶ディスプレイパネルなどといった表示部を有する。液晶デバイス11は、入出力ポート4から表示データが入力されると、その表示データに基づく画像を表示部に表示する。
【0022】
タッチパネル12は、透明なスクリーンを有する。透明なスクリーンは、液晶デバイス11の表示部に重ねて配設される。タッチパネル12は、透明なスクリーン内の押圧された位置を検知し、その検出した位置を示す位置データを入出力ポート4へ出力する。
【0023】
GPS受信機13は、GPS衛星からのGPS電波を受信する。GPS電波は、GPS衛星の位置情報と時間情報とを有する。GPS受信機13は、たとえば3つ以上のGPS衛星からのGPS電波を受信すると、それら複数のGPS衛星に対するGPS受信機13の相対位置を演算し、その相対位置に基づいてGPS受信機13の地球上の位置情報を生成する。地球上の位置情報は、たとえば世界測地系での緯度経度の値として表現される。GPS受信機13は、生成したGPS受信機13の位置情報を入出力ポート4へ出力する。
【0024】
VICS受信機14は、電波ビーコン、光ビーコンあるいはFM多重放送により送信される交通情報を受信する。交通情報には、道路の混雑度を示す渋滞情報や、道路の通行止め時間帯などを示す交通規制情報が含まれる。VICS受信機14は、受信した交通情報を入出力ポート4へ出力する。
【0025】
記憶デバイス15は、たとえばハードディスクドライブなどにより構成される。図2は、図1中の記憶デバイス15が記憶する内容を示す説明図である。記憶デバイス15は、ナビゲーションプログラム21と、ナビゲーションデータとを記憶する。ナビゲーションデータは、地点データ群23と、地図データ24と、リンクデータ群25と、ノードデータ群26と、コスト係数リスト27と、を有する。
【0026】
なお、記憶デバイス15に記憶されるナビゲーションプログラム21とナビゲーションデータとは、たとえばDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)−ROM(リード・オンリー・メモリ)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体や伝送媒体を介して、記憶デバイス15に保存されるようにしてもよい。
【0027】
また、ナビゲーションプログラム21とナビゲーションデータとは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。この場合、記憶デバイス15は、この記録媒体と、記録媒体のデータを読み取るドライブとにより構成される。
【0028】
ナビゲーションデータの中の地点データ群23は、複数のレコードを有する。地点データ群23の各レコードは、1つの地点のデータを有する。1つの地点のデータには、その地点にある建物、店舗、施設などの名称、その地点の位置情報などが含まれる。地点データ群23に記憶される複数の地点は、目的地、経由地あるいは出発地などとして選択可能な地点である。
【0029】
地図データ24は、液晶ディスプレイに地図を表示するために使用するデータである。このような地図データ24としては、たとえば、二次元あるいは三次元のベクトル地図データ24がある。ベクトル地図データ24は、地図の背景画像となる背景データと、その背景画像の上に描画されるベクトルデータと、を有する。背景画像は、たとえば公園、河川、池などを色分けした画像データである。ベクトルデータは、たとえば道路毎の描画データである。なお、地図データ24は、この他にも、ランドマーク用の三次元のポリゴンデータや、各地点に対応付けられたアイコンデータなどを備えていてもよい。また、地図データ24は、地図データ24に基づいて表示される地図上の各地点の位置を特定するための情報を有する。
【0030】
リンクデータ群25およびノードデータ群26は、カーナビゲーションシステムにより車両の経路探索や経路案内において使用されるデータである。道路には、交差点などの道路の分岐点がある。ナビゲーションシステムでは、この道路の分岐点などをノードとして取り扱う。2つの分岐点の間の道路などをリンクとして取り扱う。リンクの両端は、ノードに接続される。ノードには、1つ以上のリンクが接続される。このように道路は、複数のリンクおよび複数のノードとしてデータ化される。
【0031】
リンクデータ群25は、複数のレコードを有する。リンクデータ群25の各レコードは、1つのリンクのデータを有する。各レコードは、そのリンクに関する交通規制情報や、そのリンクの距離、そのリンクを通過するコスト情報、そのリンクに固有の識別番号、そのリンクが接続されるノードの識別番号などを有する。リンクに関する交通規制情報には、たとえば、一方通行路、時間帯通行禁止、右折禁止、Uターン禁止、道幅(幅員)などの情報がある。なお、各レコードは、1つのリンクではなく、ある関連性を有する複数のリンクがまとめて対応付けられていてもよい。ある関連性を有する複数のリンクとしては、たとえば、ある番号の国道のある区間の道路に対応する複数のリンクなどがある。
【0032】
ノードデータ群26は、複数のレコードを有する。ノードデータ群26の各レコードは、1つのノードのデータを有する。各レコードは、そのノードの位置情報、そのノードに関する交通規制情報、そのノードを通過するコスト情報、そのノードに固有の識別番号、そのノードに接続されるリンクの識別番号などを有する。ノードに関する交通規制情報としては、たとえば、信号機の有無、右折禁止、Uターン禁止などの情報がある。なお、各レコードは、1つのノードではなく、ある関連性を有する複数のノードがまとめて対応付けられていてもよい。ある関連性を有する複数のノードとしては、たとえば、ある番号の国道のある区間の道路の一連の交差点に対応する複数のノードなどがある。
【0033】
ノードを通過するコスト情報およびリンクを通過するコスト情報は、それらの通過し易さあるいは通過し難さに応じた値を有する。これらのコスト情報は、通過し難いほど大きな値を有する。なお、コスト情報の値は、通過し易さのみに応じた値ではなく、たとえば、道路の有料/無料に応じた値、道路の走りやすさに応じた値、道路の景観の良否に応じた値、道路の交通量に応じた値、あるいはそれらを組み合わせた値などになっていてもよい。
【0034】
なお、各レコードは、所定の条件に基づいて選択可能な複数のコスト情報を有するものであってもよい。また、実際に演算に使用するコスト情報そのものは、記憶デバイス15においてたとえば道路種別などと対応付けて記憶され、これらノードデータ群26およびリンクデータ群25は、レコード毎に種別の指定情報を有するデータ構造になっていてもよい。
【0035】
コスト係数リスト27は、コスト計算に使用する複数の係数を有する。コスト計算に使用する係数としては、たとえば、渋滞係数がある。
【0036】
渋滞係数は、渋滞している経路が劣後的に選択されるようにするための係数である。この実施の形態での渋滞係数は、1より大きい値を有する。渋滞係数は、渋滞している道路に対応するリンクおよびノードのコスト情報に乗算される。
【0037】
ナビゲーションプログラム21は、CPU2に実行されることで、メインコンピュータ1に、案内経路を生成するための各種の機能と、生成した案内経路に基づいて経路案内をするための各種の機能とを実現する。
【0038】
図3は、図1中のCPU2がナビゲーションプログラム21を実行することで、経路生成時に、カーナビゲーションシステムに実現される機能を示すブロック図である。図1中のCPU2がナビゲーションプログラム21を実行することで、案内経路生成手段としての案内経路生成部31と、案内経路確認部32と、操作判断部33と、生成時更新手段としての案内経路更新部34と、が実現される。CPU2は、目的地などが選択された場合に、この機能を実現する。これらの機能が実現されることで、カーナビゲーションシステムは、現在地などから目的地などに至る案内経路を生成する。
【0039】
案内経路生成部31は、経路生成データ36を用いて、案内経路データ37を生成する。案内経路生成部31は、生成した案内経路データ37を記憶デバイス15に記憶させる。
【0040】
経路生成データ36は、記憶デバイス15に記憶されている。案内経路の生成時に案内経路生成部31が使用する経路生成データ36には、たとえば、現在地の位置情報41、目的地の位置情報42、リンクデータ群25、ノードデータ群26、渋滞交通規制情報43、指定ルート優先係数、規準地点リスト45などが含まれる。
【0041】
現在地の位置情報41は、車両の現在地を示す位置情報である。現在地の位置情報41は、GPS受信機13が出力する位置情報により更新される。なお、入出力ポート4に、車両の走行速度に応じて変化する車速パルスを出力する車速パルス発生器や、車両の姿勢(向き)に応じた姿勢信号を出力するジャイロセンサなどを接続し、これらの情報に基づいて車両の現在の位置情報を演算し、その演算した位置情報により現在地の位置情報41を更新するようにしてもよい。
【0042】
目的地の位置情報42は、車両の目的地を示す位置情報である。目的地の位置情報42は、たとえば地点データ群23や地図データ24に基づいてタッチパネル12により選択された地点の位置情報で更新される。
【0043】
渋滞交通規制情報43は、現在の渋滞道路や交通規制道路を示す情報である。渋滞交通規制情報43は、VICS受信機14が出力する交通情報により更新される。
【0044】
図4は、図3中の案内経路生成部31により生成される案内経路データ37の一例を示す図である。案内経路データ37は、案内経路の起点の位置情報51と、案内経路の終点の位置情報52と、その起点から終点までに至る案内経路としてのリンクおよびノードのリスト53と、を有する。
【0045】
リンクおよびノードのリスト53において、複数のリンクおよびノードは、起点から終点までに至る案内経路における通過順に並べられている。図4では、「リンク#1、ノード#1、リンク#2、ノード#2、リンク#3、・・・、リンク#19、ノード#20、リンク#20」の順番に並んでいる。この場合、案内経路は、現在地から、リンク#1、ノード#1、リンク#2、ノード#2、リンク#3、・・・、リンク#19、ノード#20、リンク#20の順番で通過し、目的地に至る経路になっている。
【0046】
リンクおよびノードのリスト53において、各リンクおよび各ノードの情報は、たとえば、そのリンクまたはノードのリンクデータ群25またはノードデータ群26における識別情報と、そのリンクまたはノードに関するユーザ指定の有無に関する情報と、を有する。ユーザ指定の有無に関する情報において「あり」となっているリンクおよびノードは、ユーザ指定により案内経路として選択されたものである。それ以外のリンクおよびノードは、ユーザ指定の有無に関する情報が「なし」となっている。
【0047】
案内経路確認部32は、案内経路の確認画面の表示データを生成し、液晶デバイス11へ出力する。液晶デバイス11は、案内経路の確認画面を表示する。
【0048】
操作判断部33は、液晶デバイス11の表示画面に応じたタッチパネル12に対するユーザの操作を判断する。操作判断部33は、たとえば、案内経路の確認画面に表示される後述する案内開始ボタン71に対応するタッチパネル12上の位置が操作された場合、案内開始が指示されたと判断する。操作判断部33は、たとえば、案内経路の確認画面に表示される地図上の任意の位置が操作された場合、その任意の位置がユーザにより通過を指定されたと判断する。
【0049】
案内経路更新部34は、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37を更新する。案内経路更新部34は、ユーザが表示に基づいて通過を指定した地図上の位置と、リンクデータ群25およびノードデータ群26とに基づいて、ユーザが通過を指定した経路を特定し、その特定した経路で案内経路データ37を更新する。
【0050】
図5は、図1中のCPU2がナビゲーションプログラム21を実行することで、経路案内時に、カーナビゲーションシステムに実現される機能を示すブロック図である。図1中のCPU2がナビゲーションプログラム21を実行することで、経路案内部61と、経路はずれ検出部62と、再生成指示取得手段としての操作判断部63と、再探索区間指定部64と、区間経路生成手段および案内時更新手段としての案内経路生成部65と、が実現される。CPU2は、案内開始が指示された場合に、この機能を実現する。これらの機能が実現されることで、カーナビゲーションシステムは、案内経路に基づいて目的地までの経路を案内する。
【0051】
経路案内部61は、経路案内の表示画面の表示データを生成し、液晶デバイス11へ出力する。液晶デバイス11は、経路案内の表示画面を表示する。経路案内の表示画面には、車両の現在地の周辺の地図と、車両の現在地を示すマークと、その周辺の地図内の案内経路とが表示される。
【0052】
経路はずれ検出部62は、車両の現在地が案内経路からはずれているか否かを判断する。経路はずれ検出部62は、たとえばGPS受信機13が出力する位置情報と、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37のリンクとを比較し、所定距離以下となるリンクが案内経路データ37に含まれていない場合に、車両の現在地が案内経路からはずれていると判断する。
【0053】
操作判断部63は、液晶デバイス11の表示画面に応じたタッチパネル12に対するユーザの操作を判断する。操作判断部63は、たとえば、経路案内の表示画面に表示される後述する再探索ボタン81に対応するタッチパネル12上の位置が操作された場合、案内経路の再探索が指示されたと判断する。
【0054】
再探索区間指定部64は、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37の中、再探索をする区間を指定する。再探索区間指定部64は、たとえば、図4の案内経路データ37において、現在地からノード#3(あるいはリンク#3)までの区間を再探索区間として指定する。再探索区間指定部64は、他にもたとえば、図4の案内経路データ37において、現在地から目的地までの区間を再探索区間として指定する。
【0055】
案内経路生成部65は、再探索が指定された区間の起点から終点までの案内経路となる案内経路データ37を生成する。案内経路生成部65は、生成した区間の案内経路データ37で、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37を更新する。具体的には、案内経路生成部65は、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37におけるリンクおよびノードのリスト53の中の、その指定された区間のリンクおよびノードを、生成した案内経路データ37のリンクおよびノードに更新する。
【0056】
次に、以上の構成を有する実施の形態に係るカーナビゲーションシステムの動作を説明する。まず、図3を参照しながら、案内経路の探索処理について説明する。
【0057】
たとえば地点データ群23や地図データ24に基づいてタッチパネル12により目的地が選択されると、経路生成データ36に含まれる目的地の位置情報42がその選択された目的地の位置に更新される。経路生成データ36が更新されると、案内経路生成部31は、その更新された経路生成データ36を用いて、案内経路データ37の生成を開始する。
【0058】
具体的には、案内経路生成部31は、まず、経路生成データ36に含まれる現在地の位置情報41を、案内経路の探索の起点として選択し、経路生成データ36に含まれる目的地の位置情報42を、案内経路の探索の終点として選択する。
【0059】
案内経路の起点および終点を選択した後、案内経路生成部31は、リンクデータ群25およびノードデータ群26を用いて、その起点から終点に至る候補経路を探索する。この候補経路は、車両が通行可能な経路である。案内経路生成部31は、リンクデータ群25およびノードデータ群26に記憶されている交通規制情報やVICS受信機14の受信情報に基づいて更新される交通規制情報を用いて、探索の起点から、車両で進行可能なリンクおよびノードを順番に通過し、探索の終点に至る経路を探索する。
【0060】
探索の起点から終点に至る経路を探索したら、案内経路生成部31は、その候補経路の通過コストを計算する。案内経路生成部31は、具体的にはたとえば、その候補経路に含まれるリンクのコストとして、リンクデータ群25およびノードデータ群26に記憶されているコスト情報を使用し、その候補経路に含まれるリンクのコストを加算して、その候補経路の通過コストとする。この他にもたとえば、案内経路生成部31は、渋滞交通規制情報43において渋滞している区間とされているリンクおよびノードについては、それらのリンクデータ群25およびノードデータ群26におけるコスト情報に、コスト係数リスト27に記憶されている渋滞係数を乗算したものを、そのコストとして使用し、そのコストを加算して、その候補経路の通過コストとする。
【0061】
また、案内経路生成部31は、探索の起点から終点に至る複数の候補経路を探索する。そして、案内経路生成部31は、その探索した複数の候補経路の中から、最も通過コストが低い候補経路を案内経路として選択する。案内経路生成部31は、案内経路の案内経路データ37を記憶デバイス15に記憶させる。これにより、記憶デバイス15には、図4に示すような案内経路データ37が記憶される。ただし、この最初の経路探索により案内経路生成部31が記憶デバイス15に記憶させる案内経路データ37では、すべてのリンクおよびノードのユーザ指定に関する情報は、「なし」になる。
【0062】
記憶デバイス15に案内経路データ37が記憶されると、案内経路確認部32は、案内経路の確認画面の表示データを生成する。具体的にはたとえば、案内経路確認部32は、まず、記憶デバイス15に記憶されている地図データ24に基づいて、案内経路の全体が含まれる範囲の地図画面を生成する。この地図画面には、その表示縮尺に応じた道路が表示される。次に、案内経路確認部32は、その地図画面の上に、案内経路データ37に基づく案内経路と、探索の起点のマークと、探索の終点のマークとを描画する。そして、案内経路確認部32は、この生成した案内経路の確認画面の表示データを液晶デバイス11へ出力する。液晶デバイス11は、案内経路の確認画面を表示する。
【0063】
図6は、図1中の液晶デバイス11に表示される案内経路の確認画面の一例を示す図である。図6の案内経路の確認画面では、画面の左下に探索の起点のマーク72が表示される。画面の右上に目的地マーク73が表示される。画面の左下から右上にかけて案内経路74が太線で示されている。また、案内経路の確認画面には、地図データ24に基づいて、表示画面の表示範囲内の地図および主要幹線道路75などが表示されている。また、画面の右下には、案内開始ボタン71が表示されている。
【0064】
ユーザは、液晶デバイス11に表示される案内経路の確認画面において、案内経路生成部31が生成した案内経路74を確認することができる。
【0065】
なお、案内経路確認部32は、図6に示す案内経路の確認画面を所定数(たとえば4つ)に分割した複数の案内経路の確認画面を生成し、これをユーザのスクロール操作などに基づいて順番に液晶デバイス11に表示させるようにしてもよい。
【0066】
図6に示す案内経路の確認画面が液晶デバイス11に表示されている状態で、たとえば図7において矢印として示すように、ユーザが指で表示されている地図中の幹線道路75をなぞると、液晶デバイス11の表示部に重ねられているタッチパネル12から操作位置情報が出力される。図7は、図6に示す案内経路の確認画面において、地図上の通過点を設定するユーザ通過指定操作の仕方を説明する説明図である。
【0067】
操作判断部33は、この操作位置情報と案内経路の確認画面の表示データとに基づいて、操作された位置(図7でいえば矢印が重なっている位置)に対応する地図上の位置情報を生成する。操作判断部33は、生成した地図上の位置情報を案内経路更新部34へ出力する。
【0068】
操作判断部33から地図上の位置情報が入力されると、案内経路更新部34は、ユーザにより通過が指定された地図上の位置と、リンクデータ群25およびノードデータ群26とに基づいて、ユーザが通過を指定した経路を特定する。具体的にはたとえば、案内経路更新部34は、液晶デバイス11に表示されている道路の中、ユーザにより通過が指定された地図上の位置に最も近い道路(ここでは、幹線道路75)を、ユーザが通過を指定した経路の道路として特定する。そして、案内経路更新部34は、その特定した道路を繋ぎ合わせて、ユーザが通過を指定した経路を生成する。
【0069】
ユーザが通過を指定した経路を生成すると、案内経路更新部34は、その経路で案内経路データ37を更新する。具体的にはたとえば、案内経路更新部34は、まず、ユーザが通過を指定した経路と、案内経路生成部31が生成した案内経路との2つ交点を特定する。図7では、ノード#2とノード#20とが2つの交点になる。次に、案内経路更新部34は、その2つの交点(ノード)間の案内経路を、ユーザが通過を指定した経路に更新する。
【0070】
これにより、記憶デバイス15には、図4に示す案内経路データ37が記憶される。案内経路生成部31は、この更新処理により変更したリンクおよびノードについては、それらのユーザ指定に関する情報として「あり」を記憶させる。図4の例では、ユーザ通過指定操作により更新された区間に相当するリンク#3からリンク#19までのユーザ指定に関する情報が、「あり」になっている。
【0071】
案内経路確認部32は、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37および地図データ24を用いて、更新された案内経路の確認画面の表示データを生成し、液晶デバイス11に更新された案内経路の確認画面を表示させる。
【0072】
図8は、図1中の液晶デバイス11に表示される更新された案内経路の確認画面の一例を示す図である。図8に表示される案内経路74は、図7の案内経路74と比べて、ノード#2からノード#20に至る区間の経路が、ユーザにより通過の指定がなされた幹線道路75を通過する経路へ変更されている。
【0073】
以上の処理により、カーナビゲーションシステムは、ユーザが通過したいと考えている経路(ここでは、幹線道路75)を通過して、目的地に至る案内経路を生成することができる。
【0074】
また、図8に示す案内経路の確認画面において案内開始ボタン71が操作されると、操作判断部33は、案内開始が指示されたと判断する。これにより、カーナビゲーションシステムは、生成した案内経路で車両が移動するように経路を案内する経路案内処理を開始する。
【0075】
経路案内処理が開始されると、図5に示すように、経路案内部61は、GPS受信機13が出力する位置情報を車両の現在の位置情報として使用し、地図データ24を用いて、その車両の現在位置の周辺の地図を生成する。経路案内部61は、生成した地図の上に、車両の現在地を示すマークと、その周辺の地図内の案内経路とを描画する。なお、車両の現在地を示すマークは、GPS受信機13の位置情報による位置であっても、その位置からマップマッチングにより特定した位置であってもよい。経路案内部61は、生成した経路案内の表示画面の表示データを液晶デバイス11へ出力する。液晶デバイス11は、経路案内の表示画面を表示する。
【0076】
図9は、図1中の液晶デバイス11に表示される経路案内の表示画面の一例を示す図である。図9の経路案内の表示画面には、案内経路74の全体が表示されている。図9の経路案内の表示画面の右下には、再探索ボタン81が表示されている。画面の左下に、車両の現在地を示すマーク82が表示され、右上に、目的地を示すマーク83が表示されている。
【0077】
GPS受信機13の位置情報が変化すると、経路案内部61は、経路案内の表示画面の表示データを更新する。経路案内部61は、その変化した位置情報を車両の現在位置とする経路案内の表示画面を生成する。これにより、液晶デバイス11には、車両の現在位置の周囲の地図と、その地図内における車両の現在位置および案内経路が表示されつづける。
【0078】
したがって、ユーザは、液晶デバイス11に表示される地図上において、車両の現在地を示すマーク82が案内経路84の上を移動するように車両を運転することで、現在地から、自ら通過の指定をした所定の経路75をとおって目的地に至ることができる。
【0079】
ところで、図9の経路案内の表示画面中のたとえばノード#1の交差点において車両が左折して案内経路74をはずれると、経路はずれ検出部62は、GPS受信機13が出力する位置情報と案内経路データ37のリンクとの比較に基づいて、車両の現在地が案内経路からはずれたと判断する。
【0080】
経路はずれ検出部62により車両の現在地が案内経路からはずれたと判断されると、 再探索区間指定部64は、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37に基づいて、再探索をする区間を指定する。
【0081】
具体的にはたとえば、再探索区間指定部64は、まず、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37においてユーザ指定に関する情報が「あり」となっている区間があるか否かを判断する。
【0082】
案内経路データ37においてユーザ指定に関する情報が「あり」となっている区間がある場合、再探索区間指定部64は、現在地からその「あり」となっている区間の入口までの区間を、再探索する区間として指定する。図4の案内経路データ37の場合には、再探索区間指定部64は、現在地からノード#2に至る区間を、再探索する区間として指定する。なお、再探索区間指定部64は、たとえば案内経路をはずれた位置とその区間の入口までの間の案内経路上にノードが存在する場合、現在地から、そのノードまでの区間を、再探索する区間として指定するようにしてもよい。また、再探索区間指定部64は、案内経路生成部65により案内経路が更新された後に、再度、案内経路74を外れた場合には、たとえば前回の更新により更新された案内経路において、前回の更新で探索した区間の終点ノードの次のノードまでを、新たに探索する区間として指定するようにしてもよい。
【0083】
再探索区間指定部64により再探索する区間が指定されると、案内経路生成部65は、現在地を探索する区間の起点とし、ユーザ指定に関する情報が「あり」となっている区間の入口を終点として、案内経路を生成する。案内経路生成部65は、記憶デバイス15に記憶されているリンクデータ群25、ノードデータ群26、渋滞交通規制情報43などの経路生成データ36を使用して、案内経路を生成する。
【0084】
再探索する区間の案内経路を生成したら、案内経路生成部65は、記憶デバイス15に記憶されているリンクおよびノードのリスト53について、再探索が指定された区間を、再探索により生成した案内経路データ37のリンクおよびノードに更新する。
【0085】
記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37が更新されると、経路案内部61は、その更新された案内経路データ37を使用して、案内経路の確認画面の表示データを生成する。図10は、ノード#1の交差点において車両が左折して案内経路をはずれたことにより更新された案内経路データ37を使用して、図1中の液晶デバイス11に表示される経路案内の表示画面の一例を示す図である。図10に表示される案内経路は、車両の現在地82から、自ら指定した所定の経路(ここでは、幹線道路85)を通って目的地に至る経路に変更されている。
【0086】
したがって、ユーザは、案内経路をはずれた場合でも、現在地から、自ら通過の指定をした所定の経路(ここでは、幹線道路85)を通って目的地に至ることができる。
【0087】
なお、経路はずれ検出部62により車両の現在地が案内経路からはずれたと判断された場合において、案内経路データ37においてユーザ指定に関する情報が「あり」となっている区間がない場合、再探索区間指定部64は、現在地から、案内経路をはずれた位置の次の案内経路上のノードまでを再探索する区間として指定する。案内経路生成部65は、再探索区間指定部64により指定された区間の案内経路を生成し、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37を更新する。なお、この場合において、再探索区間指定部64は、現在地から目的地までを再探索区間として指定し、案内経路生成部65は、その目的地までの案内経路を生成し、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37を更新するようにしてもよい。
【0088】
したがって、ユーザは、案内経路をはずれた場合でも、現在地から目的地に至ることができる。
【0089】
また、図9の経路案内の表示画面に基づいて経路案内をしている途中で、操作判断部63により再探索ボタン81が操作されたと判断されると、再探索区間指定部64は、現在地から、記憶デバイス15に記憶されている目的地までを、再探索する区間として指定する。
【0090】
案内経路生成部65は、現在地を探索する区間の起点とし、目的地を終点として、案内経路を生成する。案内経路生成部65は、記憶デバイス15に記憶されているリンクデータ群25、ノードデータ群26、渋滞交通規制情報43などの経路生成データ36を使用して、案内経路を生成する。
【0091】
再探索する区間の案内経路を生成したら、案内経路生成部65は、記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37を、再探索により生成した案内経路データで更新する。
【0092】
記憶デバイス15に記憶されている案内経路データ37が更新されると、経路案内部61は、その更新された案内経路データ37を使用して、案内経路の確認画面の表示データを生成する。図11は、ノード#2を過ぎた後に再探索ボタン81が操作されたことにより更新された案内経路データ37を使用して、図1中の液晶デバイス11に表示される経路案内の表示画面の一例を示す図である。図11に表示される案内経路74は、ノード#2を過ぎた後の車両の現在地82から、すぐに左折して目的地に至る経路に変更されている。この案内経路74は、ユーザが自ら通過の指定をした所定の経路(ここでは、幹線道路85)をはずれて目的地に至る経路である。
【0093】
したがって、ユーザは、経路案内の途中で再探索ボタン81を操作することで、自ら指定した経路(ここでは、幹線道路85)をキャンセルして、現在地から目的地に至ることができる。
【0094】
以上のように、この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、目的地の設定に基づいて生成された案内経路の確認画面に、地図および道路を表示する。ユーザは、その表示されている地図および道路に対応する操作をすることで、所望の経路を指定することができる。ユーザは、目的地や通過経路の指定に基づいて経路をコスト計算により自動的に探索する場合には到底選択され得ない経路、たとえば大きく迂回して目的地に向かう経路を指定することができる。
【0095】
また、この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路と、その他の経路とを区別可能な状態で、案内経路を記憶デバイス15に記憶させる。
【0096】
そのため、この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、経路案内時に現在地が案内経路からはずれた場合には、新たな案内経路として、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路を通過して目的地に至る案内経路を自動的に生成する。新たな案内経路は、経路案内に使用する経路として記憶デバイス15に記憶される。その結果、カーナビゲーションシステムは、経路案内時に現在地が案内経路からはずれたとしても、経路案内時に指定した経路を通過して目的地に至る経路を案内する。
【0097】
また、この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、経路案内時に再探索ボタン81が操作された場合には、経路生成時に指定された経路の指定をキャンセルし、現在地から目的地に至る案内経路を生成する。その結果、カーナビゲーションシステムは、状況に応じたユーザの意思に対応して、柔軟にその意思に適した案内経路を即座に生成することができる。
【0098】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0099】
上記実施の形態では、案内経路更新部34が、ユーザの通過指定操作に基づいて、その操作された地図上の位置に最も近い道路を繋ぎ合わせたものを、ユーザにより通過が指定された経路として生成している。この他にもたとえば、コスト係数リスト27に、指定ルート優先係数を記憶させ、案内経路更新部34は、この指定ルート優先係数およびユーザにより通過指定された地図上の位置で、経路生成データ36を更新し、案内経路生成部31に新たな案内経路を生成させ、この案内経路生成部31により新たに生成された案内経路を、ユーザにより通過が指定された経路として生成するようにしてもよい。
【0100】
この変形例において、指定ルート優先係数は、1より大きい値を有するものであっても、1より小さい値を有するものであってもよい。指定ルート優先係数が1より大きい値である場合、案内経路更新部34は、その指定ルート優先係数を、ユーザが通過を指定した地点(図7の矢印が重なる位置)から所定の距離以上離れているリンクおよびノード(図7で言えば点線枠77外のリンクおよびノード)のコスト情報に乗算するようにすればよい。指定ルート優先係数が1より小さい値である場合、案内経路更新部34は、その指定ルート優先係数を、ユーザが通過を指定した地点(図7の矢印が重なる位置)から所定の距離以内のリンクおよびノードのコスト情報に乗算するようにすればよい。
【0101】
また、この変形例において、案内経路生成部31は、ユーザが通過を指定した地点(図7の矢印が重なる位置)を通過する経路が優先的に選択されるようにするために、指定ルート優先係数の替わりに、そのユーザが通過を指定した地点(図7の矢印が重なる位置)からそのリンクあるいはノードまでの距離が遠いほど大きくなる1以上の値を、それぞれのリンクおよびノードに乗算するようにしてもよい。
【0102】
上記実施の形態では、現在地が案内経路からはずれた場合、再探索区間指定部64は、その外れた現在地からユーザ通過指定区間の入口までの区間を再探索区間として指定している。この他にもたとえば、再探索区間指定部64は、案内経路からはずれた回数や、案内経路の入口とそのはずれた現在地との目的地に対する位置関係などに応じて、再探索区間を変更するようにしてもよい。案内経路からはずれた回数としては、たとえば、案内経路を外れたことに基づく案内経路生成部65による案内経路の生成回数(すなわち、リルート回数)が使用できる。
【0103】
そして、再探索区間指定部64は、たとえば、案内経路生成部65のリルート回数が2回になった場合、現在地から、ユーザの通過指定に基づいて生成した区間の途中(たとえば図4のリンク#3)までの区間を再探索区間として指定するようにしてもよい。また、再探索区間指定部64は、案内経路生成部65のリルート回数が5回になった場合、現在地から目的地までの区間を再探索区間として指定するようにしてもよい。また、再探索区間指定部64は、現在地から目的地までの距離がユーザ通過指定区間の入口から目的地までの距離より短い場合には、現在地から目的地までの区間を再探索区間として指定し、長い場合には、現在地からユーザ通過指定区間の入口までの区間を再探索区間として指定するようにしてもよい。
【0104】
上記実施の形態では、目的地設定に基づいて生成した案内経路と、その確認画面においてユーザが地点を指定することにより生成した案内経路との異なる区間を、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路としている。この他にもたとえば、確認画面においてユーザが通過を指定した地点から所定の範囲内となる区間を、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路としてもよい。
【0105】
上記実施の形態では、再探索ボタン81が操作された場合、再探索区間指定部64は、そのときの現在地から目的地までの区間を再探索区間として指定している。この他にもたとえば、再探索区間指定部64は、再探索ボタン81が操作された回数などに応じて、再探索区間を変更するようにしてもよい。再探索区間指定部64は、たとえば、再探索ボタン81が1回操作された場合、現在地から、ユーザの通過指定に基づいて生成した区間の入口(たとえば図4のノード#2)までの区間を再探索区間として指定するようにしてもよい。また、再探索区間指定部64は、案内経路生成部65のリルート回数が所定回数(たとえば5回)になった場合、現在地から目的地までの区間を再探索区間として指定するようにしてもよい。また、再探索区間指定部64は、案内経路から所定距離(たとえば1km)はずれた場合、現在地から目的地までの区間を再探索区間として指定するようにしてもよい。
【0106】
上記実施の形態では、ユーザが目的地の設定に基づいて生成された案内経路の確認画面に表示されている道路を指でなぞる通過指定の操作をすることで、通過する経路を指定している。この他にもたとえば、その表示画面内に表示されるポインタなどを図示外の十字キーなどで移動することで、通過する経路を指定するようにしてもよい。さらに他にも、地図データに基づいて表示される地図画面において、表示されている道路を指でなぞったり、表示されるポインタを移動したりすることで、通過する経路を指定するようにしてもよい。
【0107】
上記実施の形態では、案内経路生成部65は、現在地が案内経路からはずれた場合には、現在地から、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路までの区間の経路を生成している。この他にもたとえば、案内経路生成部65は、リルート回数が所定の回数を超えたら、現在地から目的地までの区間の経路を生成するようにしてもよい。さらに他にも、案内経路生成部65は、現在地から目的地までの距離が、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路の入口から目的地までの距離より短くなったら、現在地から目的地までの区間の経路を生成するようにしてもよい。さらに他にも、案内経路生成部65は、リルート回数が所定の回数を超えたら、現在地から、ユーザの通過指定操作に基づいて選択された経路の途中までの区間の経路を生成するようにしてもよい。
【0108】
上記実施の形態では、目的地の設定に基づいて生成した案内経路とともに道路を含む地図を表示し、その地図中の地点をユーザに通過指定させている。この他にもたとえば、目的地の設定に基づいて生成した案内経路とともにその周辺の道路を表示し、その表示されている道路の中から所望の道路をユーザに通過指定させるようにしてもよい。
【0109】
上記実施の形態では、ユーザ指定地点として、目的地の場合を例として説明している。この他にもたとえば、指定地点としては、経由地、通過点などがある。
【0110】
上記実施の形態では、経路案内部61が案内開始時に案内する案内経路データ37は、案内経路生成部31が生成した案内経路データ37を、案内経路更新部34により、ユーザが通過を指定した経路を通過する経路に更新されたものである。この他にもたとえば、経路案内部61が案内開始時に案内する案内経路データ37は、ユーザによる通過指定がなされた後に、その通過指定経路を通過して、現在地から目的地に向かう経路を探索することで生成されたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、カーナビゲーションシステムなどに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステムを示す構成図である。
【図2】図2は、図1中の記憶デバイスが記憶する内容を示す説明図である。
【図3】図3は、図1中のCPUがナビゲーションプログラムを実行することで、経路生成時に、カーナビゲーションシステムに実現される機能を示すブロック図である。
【図4】図4は、図3中の案内経路生成部により生成される案内経路データの一例を示す図である。
【図5】図5は、図1中のCPUがナビゲーションプログラムを実行することで、経路案内時に、カーナビゲーションシステムに実現される機能を示すブロック図である。
【図6】図6は、図1中の液晶デバイスに表示される案内経路の確認画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、図6に示す案内経路の確認画面において、地図上の通過点を設定するユーザによる通過指定操作の仕方を説明する説明図である。
【図8】図8は、図1中の液晶デバイスに表示される更新された案内経路の確認画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、図1中の液晶デバイスに表示される経路案内の表示画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、ノード#1の交差点において車両が左折して案内経路をはずれたことにより更新された案内経路データを使用して、図1中の液晶デバイスに表示される経路案内の表示画面の一例を示す図である。
【図11】図11は、ノード#2を過ぎた後に再探索ボタンが操作されたことにより更新された案内経路データを使用して、図1中の液晶デバイスに表示される経路案内の表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0113】
11 液晶デバイス(表示手段)
12 タッチパネル(目的地取得手段)
15 記憶デバイス(記憶手段)
31 案内経路生成部(案内経路生成手段)
34 案内経路更新部(生成時更新手段)
63 操作判断部(再生成指示取得手段)
65 案内経路生成部(区間経路生成手段、案内時更新手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる通過指定に基づく経路を通過して指定地点までの案内経路を、経路案内に使用する経路として記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている案内経路にて経路を案内している最中に、現在地が上記案内経路からはずれたことが検出された場合に、現在地から上記通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成する区間経路生成手段と、
上記記憶手段に記憶されている案内経路の中の、当該通過指定に基づいて選択した経路までの区間の経路を、上記区間経路生成手段により生成された区間の経路により更新する案内時更新手段と、
を有することを特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶される案内経路における前記通過指定に基づく経路は、地点の指定に基づいて生成された案内経路の確認画面に表示されている道路に対して、ユーザによる通過指定に基づいて選択された道路を繋ぎ合わせて生成されたものであることを特徴とする請求項1記載の経路案内装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶されている案内経路にて経路を案内している最中での、ユーザによる経路再生成指示を取得する再生成指示取得手段を有し、
前記区間経路生成手段は、上記再生成指示取得手段により経路再生成指示が取得された場合には、前記通過指定を考慮せずに、現在地から前記指定地点までの区間の経路を生成することを特徴とする請求項1または2記載の経路案内装置。
【請求項4】
前記区間経路生成手段は、現在地から前記通過指定に基づく経路までの距離が現在地から前記指定地点までの距離より短い場合にのみ、現在地から前記通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成することを特徴とする請求項1記載の経路案内装置。
【請求項5】
指定地点を取得する指定地点取得手段と、
上記指定地点取得手段により取得された指定地点までの案内経路を生成する案内経路生成手段と、
上記案内経路生成手段により生成された案内経路とともにその他の道路を表示する表示手段と、
上記表示手段に表示されている上記その他の道路に対する通過指定に基づいて、その指定された位置に最も近い道路を選択し、その選択した道路を繋ぎ合わせた経路を、前記の通過指定に基づく経路として前記記憶手段に記憶させる生成時更新手段と、
を有することを特徴とする請求項1から4の中のいずれか1項記載の経路案内装置。
【請求項6】
指定地点を取得する指定地点取得手段と、
上記指定地点取得手段により取得された指定地点までの案内経路を生成する案内経路生成手段と、
上記案内経路生成手段により生成された案内経路とともにその他の道路または地図を表示する表示手段と、
上記表示手段に表示されている上記その他の道路または地図に対する通過指定に基づいて、その指定された位置に最も近い道路が優先的に選択される条件の下で案内経路を生成し、その生成した案内経路の中の上記案内経路生成手段が生成した案内経路と異なる区間を、前記通過指定に基づく経路に指定して、その生成した案内経路を前記記憶手段に記憶させる生成時更新手段と、
を有することを特徴とする請求項1から4の中のいずれか1項記載の経路案内装置。
【請求項7】
前記区間経路生成手段は、現在地が案内経路からはずれた回数および/または距離を考慮し、予め定められた所定の条件を満たす場合には、前記通過指定を考慮せずに、現在地から前記指定地点までの区間の経路を生成することを特徴とする請求項1から6の中のいずれか1項記載の経路案内装置。
【請求項8】
ユーザによる通過指定に基づく経路を通過して指定地点までに至る案内経路を用いて経路を案内している最中に、現在地が案内経路からはずれたことを検出するステップと、
現在地から上記通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成するステップと、
現在地から、上記通過指定に基づく経路までの区間の案内経路として、上記生成された経路を案内するステップと、
を有することを特徴とする経路案内方法。
【請求項1】
ユーザによる通過指定に基づく経路を通過して指定地点までの案内経路を、経路案内に使用する経路として記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている案内経路にて経路を案内している最中に、現在地が上記案内経路からはずれたことが検出された場合に、現在地から上記通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成する区間経路生成手段と、
上記記憶手段に記憶されている案内経路の中の、当該通過指定に基づいて選択した経路までの区間の経路を、上記区間経路生成手段により生成された区間の経路により更新する案内時更新手段と、
を有することを特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶される案内経路における前記通過指定に基づく経路は、地点の指定に基づいて生成された案内経路の確認画面に表示されている道路に対して、ユーザによる通過指定に基づいて選択された道路を繋ぎ合わせて生成されたものであることを特徴とする請求項1記載の経路案内装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶されている案内経路にて経路を案内している最中での、ユーザによる経路再生成指示を取得する再生成指示取得手段を有し、
前記区間経路生成手段は、上記再生成指示取得手段により経路再生成指示が取得された場合には、前記通過指定を考慮せずに、現在地から前記指定地点までの区間の経路を生成することを特徴とする請求項1または2記載の経路案内装置。
【請求項4】
前記区間経路生成手段は、現在地から前記通過指定に基づく経路までの距離が現在地から前記指定地点までの距離より短い場合にのみ、現在地から前記通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成することを特徴とする請求項1記載の経路案内装置。
【請求項5】
指定地点を取得する指定地点取得手段と、
上記指定地点取得手段により取得された指定地点までの案内経路を生成する案内経路生成手段と、
上記案内経路生成手段により生成された案内経路とともにその他の道路を表示する表示手段と、
上記表示手段に表示されている上記その他の道路に対する通過指定に基づいて、その指定された位置に最も近い道路を選択し、その選択した道路を繋ぎ合わせた経路を、前記の通過指定に基づく経路として前記記憶手段に記憶させる生成時更新手段と、
を有することを特徴とする請求項1から4の中のいずれか1項記載の経路案内装置。
【請求項6】
指定地点を取得する指定地点取得手段と、
上記指定地点取得手段により取得された指定地点までの案内経路を生成する案内経路生成手段と、
上記案内経路生成手段により生成された案内経路とともにその他の道路または地図を表示する表示手段と、
上記表示手段に表示されている上記その他の道路または地図に対する通過指定に基づいて、その指定された位置に最も近い道路が優先的に選択される条件の下で案内経路を生成し、その生成した案内経路の中の上記案内経路生成手段が生成した案内経路と異なる区間を、前記通過指定に基づく経路に指定して、その生成した案内経路を前記記憶手段に記憶させる生成時更新手段と、
を有することを特徴とする請求項1から4の中のいずれか1項記載の経路案内装置。
【請求項7】
前記区間経路生成手段は、現在地が案内経路からはずれた回数および/または距離を考慮し、予め定められた所定の条件を満たす場合には、前記通過指定を考慮せずに、現在地から前記指定地点までの区間の経路を生成することを特徴とする請求項1から6の中のいずれか1項記載の経路案内装置。
【請求項8】
ユーザによる通過指定に基づく経路を通過して指定地点までに至る案内経路を用いて経路を案内している最中に、現在地が案内経路からはずれたことを検出するステップと、
現在地から上記通過指定に基づく経路までの区間の経路を生成するステップと、
現在地から、上記通過指定に基づく経路までの区間の案内経路として、上記生成された経路を案内するステップと、
を有することを特徴とする経路案内方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−242786(P2006−242786A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59939(P2005−59939)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
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