説明

経路案内装置及びプログラム

【課題】経路案愛装置において、登録済みの履歴データを用いて経路探索を行うときに、任意の登録日の履歴データをユーザが容易に利用できるようにする。
【解決手段】目的地及び経由地を設定して経路の表示・選択を行った後、経路案内を開始すると、目的地及び経由地のデータを日時データとともに経路案内の履歴データとしてメモリに登録する。履歴データを用いて経路探索を行うときは、カレンダー13を表示するとともに、履歴データが登録された日の欄に、履歴データがあることを示すシンボル画像14,15を表示する。シンボル画像14,15をクリックすると、その日の履歴データの目的地及び経由地などを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置などの経路案内装置、及び経路案内装置に実装される経路案内プログラムに関し、さらに詳しくは、登録した目的地及び経由地の履歴をカレンダーに表示する機能を有する経路案内装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在一般に用いられている車載用ナビゲーション装置は、装置全体の動作を制御するCPU、地図データが記録されたハードディスク等の記録媒体、表示装置、自車の現在位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)受信機、自車の進行方位や走行速度等を検出するためのジャイロや車速センサ等を備えている。上記CPUは、自車の現在位置を含む地図データを記録媒体から読み出し、この地図データに基づいて自車位置の周囲の地図画像を表示装置の画面に描画するとともに、自車の現在位置を指示する自車位置マークを画面上に重ね合わせて表示し、自車の移動に応じて地図画像をスクロール表示したり、地図画像を画面に固定して自車位置マークを移動させたりする制御を行い、自車が現在何処を走行しているのかの情報をユーザに提供する。
【0003】
また、車載用ナビゲーション装置には、通常、ユーザが目的地に向けて道路を間違えずに走行できるように案内する機能(経路案内機能)が搭載されている。この経路案内機能は、CPUにより、地図データを用いて出発地(通常は自車の現在位置)から目的地までを結ぶ経路を探索し、その探索した経路を案内経路として記憶しておき、走行中、地図画像上にその案内経路を他の道路とは識別可能に表示するとともに、案内経路上の交差点まで所定距離に達したとき、地図画像上にその交差点の案内図(交差点拡大図、交差点での進行方向を示す矢印、交差点までの距離、交差点名など)を表示したり、ガイダンス音声を出力したりする機能であって、いずれの道路を走行すればよいのか、また交差点でどの方向に進んだらよいのかの情報をユーザに提供する。
【0004】
ユーザは、上記ナビゲーション機能により経路探索を行うため、目的地を設定し、さらに目的地へ向かう途中で立ち寄りたい経由地や、各種の条件(高速道路優先で行くのか又は一般道路優先で行くのかなど)も併せて設定する。ナビゲーション装置は、これらの設定されたデータに基づいて、目的地迄の複数経路の探索を行い、探索された経路を表示し、その中からユーザが選択した1つの経路に従って経路案内を行う。
【0005】
ユーザは、経路探索の条件データ(つまり、目的地及び経由地)の設定を行うとき、表示装置のタッチパネル画面やリモコン装置を用いて目的地及び経由地を入力する。例えば施設名や電話番号、住所、郵便番号、ジャンルなどのキーワードを入力して所望の地点を検索し、検索された地点を目的地や経由地として設定する。地図画面をスクロールさせ、所望の地点にカーソルを合わせて目的地や経由地に設定することもできる。
【0006】
従来の経路案内装置では、このようにして設定された目的地や経由地は設定する度に履歴データとしてメモリに登録される。このため、一旦、目的地及び経由地を設定して経路探索を行い、探索された経路を表示したときに、ユーザが目的地や経由地の誤りに気付き、それらを変更した場合は、変更後の目的地や経由地が新たにメモリに追加登録され、その後、変更後の経由地を通り、目的地に至る経路の探索、表示が行われることになる。
【0007】
また、メモリに登録された履歴データは、ユーザが次回経路探索を行うときに、登録済みの履歴データをメモリから読み出して表示し、表示画面上の選択操作により、目的地や経由地を設定することで、目的地及び経由地の設定操作を簡単にしている(特許文献1)。
【0008】
しかしながら、従来の経路案内装置では、履歴データとしてメモリに登録可能なリスト数には制限があり、その制限数に達した場合は登録時点の古い履歴データから順にメモリから消去されてしまう。そのため、例えば「目的地、経由地の設定」→「経路探索」→「経路表示」→「目的地、経由地の変更(再設定)」を行った場合、「目的地、経由地の変更(再設定)」の時点で制限数に達すると、過去に経路案内に使用された有効な目的地や経由地の履歴データが消去され、経路案内に使用されない無駄な履歴データが残ってしまうことがあり得る。
【0009】
また、従来の経路案内装置の履歴データは、目的地、経由地を区別することなくユーザが設定した順に場所(住所、ランドマーク名など)を登録しただけのものであり、登録済みの履歴データの表示態様も、目的地、経由地の場所を単に登録順にリストとして表示するだけのものであるため、登録した時点から長期間経過してしまうと、登録した時点がいつなのか、どのような目的で走行したのかなどについて、ユーザの記憶は薄れていく。このため、表示されている履歴データの目的地や経由地が現在設定したいと思う目的地や経由地であるかどうか分からず、従来の経路案内装置はユーザの使い勝手が良好とは言えず、その結果、履歴データが十分有効活用されていないという問題がある。
即ち、登録した履歴データを単に一覧表示しているに過ぎず、有効活用されていないし、将来的にも活用される可能性は低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平7−134798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、経路案内に使用されない履歴データの登録を防止することであり、第2の目的は、任意の日のデータをユーザが容易に利用できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の経路案内装置は、目的地及び経由地を履歴データとしてメモリに登録する履歴データ登録手段と、目的地及び経由地を結ぶ経路を案内する経路案内手段と、を有し、前記履歴データ登録手段は、前記経路案内手段による経路案内の開始から終了までの間に登録を実行することを特徴とする経路案内装置である。
また、本発明の経路案内装置は、目的地及び経由地を履歴データとしてメモリに登録する履歴データ登録手段と、目的地及び経由地を結ぶ経路を案内する経路案内手段と、登録済みの履歴データを表示装置に表示させる表示制御手段と、を有し、前記履歴データ登録手段は、前記目的地及び経由地を日時データに関連付けて登録し、前記表示制御手段は、登録済みの履歴データを日時データに関連付けて表示させることを特徴とする経路案内装置である。
本発明の経路案内プログラムは、コンピュータを本発明の経路案内装置の各手段として機能させるためのプログラムである。
【0013】
[作用]
本発明によれば、経路案内を開始してから終了するまでの間に、目的地及び経由地を履歴データとして登録する。また、本発明によれば、目的地及び経由地を履歴データとして日時データに関連付けて登録し、登録済みの履歴データを日時データに関連付けて表示する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、経路案内に使用されない履歴データの登録を防止することができる。また、本発明によれば、ユーザは任意の日のデータを容易に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態の経路案内装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の経路案内装置において履歴データを登録するまでの動作をまとめたフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態の経路案内装置における履歴データの補正を説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の経路案内装置において、登録済み履歴データを利用して経路案内を行う場合の動作を説明するフローチャートである。
【図5】図4の動作で表示される履歴データ選択画面を示す図である。
【図6】図4の動作で表示されるカレンダーを示す図である。
【図7】図4の動作で表示される履歴データを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の経路案内装置において登録される履歴データのリストを示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の経路案内装置において表示される履歴データのリストを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態の経路案内装置のハードウェア構成を示すブロック図である。この経路案内装置はいわゆるカーナビゲーション装置であり、以下の説明では、この経路案内装置が車載のものとして説明する。
【0017】
本実施形態の経路案内装置は、図1に示すように、CPU1a、ROM1b、RAM1c、及び内部メモリ1dを有する制御装置1と、それぞれが制御装置1に接続されたGPS受信機2、方位センサ3、距離センサ4、ディスクドライブ装置5、表示装置6、操作装置7、及び外部I/F(インタフェース)8を備えている。
【0018】
制御装置1内のCPU1aは各種演算を実行する。ROM1bには、CPU1aが実行する各種演算のプログラムや表示装置6に表示される文字、記号などのパターンが記憶されている。RAM1cには、CPU1aが各種演算を実行するときにデータや演算結果が一時的に記憶される。内部メモリ1dは不揮発性メモリからなり、経路案内の履歴データなどが保存される。
【0019】
GPS受信機2は、複数の衛星から送信される電波を受信して演算することにより、受信点、即ちこの経路案内装置を搭載している自動車の位置(緯度、経度)を求めることができる。方位センサ3は、この自動車の絶対走行方位を検出する地磁気センサなどからなる。距離センサ4は自動車の車輪の回転数に応じたパルスを発生する。
【0020】
これらGPS受信機2、方位センサ3、及び距離センサ4の出力データをCPU1aに供給し、CPU1aがそれらの出力データを演算処理することで、自車の現在位置データを取得することができる。
【0021】
ディスクドライブ装置5は、地図データが記録されたCD−ROM若しくはDVD−ROM、又はハードディスクから、地図データの入力が可能な光学ディスクドライブ装置、又はハードディスクドライブ装置である。
【0022】
表示装置6は、薄型表示装置、例えば液晶、有機又は無機ELディスプレイなどからなり、地図及び自動車の現在走行位置、方位等を表示する。
操作装置7は、ユーザがこの経路案内装置を使用するときに各種指令の入力を行うための装置であり、表示装置6の画面上のタッチパネル、図示しない装置筐体上のボタン、リモコン装置、或いはそれらの組み合わせから成る。
【0023】
外部I/F8は、SDメモリ、USBメモリなどの外部メモリや、携帯電話端末などの無線通信装置を接続するためのインタフェースである。
【0024】
次に、以上で説明した経路案内装置の動作について説明する。
まず、本実施形態の経路登録案内装置の使用の前提となる経路の履歴登録について説明する。
本実施形態の経路案内装置は、ユーザが操作装置7を用いて電源をオンした後、現在位置と目的地を入力して表示処理を開始する。そして、経路出発地や目的地を入力した後、経路案内装置が経路探索を行い、経路案内を開始した段階でその目的地及び経由地を登録する。また、それと共に、ユーザが目的地の施設名、電話番号、住所やジャンル等を操作装置7から入力すると、これらのデータは経路案内装置が有するタイマーの登録日時データと共に内部メモリ1d(或いは外部I/F8に接続される外部メモリ)に登録される。即ち、内部メモリ1d等は、その履歴データ記録領域に設けたテーブルに、履歴データとして登録日時データと経路その他施設名等の入力データとを関連付けて格納すると共に、各履歴データ加えて当該履歴データの参照先データ(ROM1bのアドレス)を付加し、当該参照先メモリ領域に当該履歴データをカレンダデータと共に表示すべき色の設定を行うためのデータ、シンボル画像などを格納しておく(或いはこれらのデータを上記テーブル内に格納してもよい)。
【0025】
図2は、本実施形態の経路案内装置の以上で概略説明した履歴登録を行うまでの動作をまとめたフローチャートである。
即ち、ユーザが操作装置7を用いて電源をオンし、所定の操作を行うと、表示装置6には現在位置の地図及び経路入力画面が表示される(ステップS1)。経路入力画面11には、経由地の入力欄11a、目的地の入力欄11b、及び実行ボタン11cが表示されている。ここでは、経由地の入力欄11aを二つとしたが、当然のことながら一以上の所定の数の経由地の入力欄を表示することもできる。
【0026】
ユーザが、目的地、経由地を順次入力し(ステップS2、S3)、実行ボタン11cを押すと目的地及び経由地が設定され、CPU1aによる経路探索処理が始まる(ステップS4)。ここで、目的地及び経由地は、従来装置と同様、施設名や電話番号、住所、郵便番号、ジャンルなどのキーワードを入力して所望の地点を検索し、その検索された地点を入力したり、地図画面をスクロールさせ、所望の地点に例えばカーソルを合わせて入力する。
【0027】
次いでCPU1aは、現在地から経由地を通り目的地に至る一つ以上の経路の探索を行い、探索された経路を表示装置6に表示させる(ステップS5)。複数の経路が表示されている場合、ユーザが1つの経路を選択し、実行ボタン11cを押すと(ステップS6)、CPU1aは選択された経路に従って経路案内を開始する(ステップS7)とともに、目的地及び経由地などを経路案内の履歴データとして内部メモリ1d或いは外部I/F8に接続される外部メモリに登録する(ステップS8)。
以後、CPU1aは、経路案内を続け、目的地に到着したら経路案内を終了する(ステップS9)。
【0028】
経路案内の途中で経由地の追加や変更を行う場合は、操作装置7を操作することで、経路案内を中断して画面11を表示させ、ステップS3から繰り返す。この場合、経路を選択し(ステップS6)、経路案内を開始したときに(ステップS7)、経路案内データを更新する(ステップS8)。
【0029】
本実施形態では、内部メモリ1dなどに登録される経路案内データとして、目的地及び経由地に加え、出発地及び経路案内を行った日時を登録するが、この場合、目的地を花見スポット、紅葉狩りスポット、イタリアンレストラン等のジャンルに関連付けて登録することもできる。このようにすることで、履歴データを利用して経路設定を行う際の使い勝手を高めることができる(詳細については後述する)。
【0030】
本実施形態の経路案内装置は、経路案内を終了した後に目的地を補正することができる。例えば図3に示すように、経路案内の目的地がある地番D0の場合、自動車がある地番D0に到着すると経路案内が終わる。しかし、ユーザが実際に車を止めた場所がある地番D0から狭い道に入った例えば駐車場D1であった場合、目的地を駐車場D1に補正しておくことが望ましい。そこで、本実施形態では、経路案内を終了した時点で、目的地を補正するための指令を操作装置7から入力し、内部メモリ1dなどに登録された履歴データの目的地をある地番D0から、その時点の現在位置である駐車場D1に書き換える、つまり更新することで、補正後の目的地を登録できるようにしている。このようにすることで、次回からの経路データがユーザにとってより使い易いものになる。
【0031】
次に、以上のようにして蓄積された履歴データの利用について説明する。
本実施形態において、内部メモリ1d(或いは外部I/F8に接続される外部メモリ)に蓄積された履歴データを利用するか否かは自由である。そのため、CPU1aはユーザが操作装置7を用いて電源をオンしたときに、まず、メニュー画面を表示する。メニュー画面上には、ユーザが履歴データを利用するか否か質問する画面が表示される。ユーザが履歴データの利用を選択すると、CPU1aは、カレンダーと共に、内部メモリ1d(或いは外部I/F8に接続される外部メモリ)の上記テーブルから、カレンダーに表示される日時の履歴データの参照先データに基づき、当該履歴データで参照された例えばシンボル画像を読み出し、表示装置6にカレンダーと共に表示する。また、後述のように、ユーザによるカレンダーにおける特定の日付の入力に基づき、目的地、経由地等のデータを読み出して表示装置6に表示する。
【0032】
図4は、上述の登録済み履歴データを利用して経路案内を行う場合の経路案内装置の動作を説明するフローチャートである。
ユーザが操作装置7を用いて電源をオンすると、表示装置6にはメニュー画面が表示される。図5に示すように、メニュー画面12には、登録済みの履歴データを利用するか否かをユーザに選択させるための指令の入力を促すメッセージ、即ち、「登録済みの履歴データを利用しますか?」と、「はい」、「いいえ」の選択部12a,12b、及び実行ボタン12cが表示されている。
【0033】
ここで、ユーザが表示画面上で「はい」の選択部12aを指示して登録済みの履歴データを利用することを選択し、実行ボタン12cを押した場合(ステップS12:YES)、CPU1aは表示装置6に、図6に示すようなカレンダー13を表示させる(ステップS3)。
【0034】
このカレンダー13の日付表示欄には登録済みの履歴データを示すマークやアイコンなどのシンボル画像が表示される。ここでは、シンボル画像14及び15から、2月8日及び2月21日に経路案内が実行され、その履歴データが登録されていることが分かる。
【0035】
シンボル画像を自動車の形状などにして履歴データの内容を連想させるアイコンにしてもよい。また、シンボル画像の色彩やデザインを変えることにより行先のジャンルや経路案内の時間帯などが分かるようにすることもできる。即ち例えば目的地が花見スポット、或いはイタリアンレストランであれば、自動車のアイコンとともに又は自動車のアイコンに代えて桜の花びらやパスタを表示する。また、日付表示欄の左半分を午前、右半分を午後とし、経路案内を実行した時刻に基づいて、シンボル画像を日付表示欄の該当する位置に表示させる。一日に複数回の経路案内を実行した場合は、それぞれを識別できるシンボル画像(或いは変更した色彩)で表示する。さらに、経路案内を実行した時の天候を操作装置7により入力したり、外部I/F8に接続された携帯電話端末から取り込んだりすることで、履歴データの一部として内部メモリ1dに登録しておけば、その時の天候を表すアイコンも表示することができる。ここでは、2009年2月のカレンダーを図示したが、履歴データが登録されている全ての月のカレンダーを切り換えて表示することができる。
【0036】
ユーザがカレンダーの日付やシンボル画像14にタッチしたり、カーソルを合わせてクリックしたりすることで、シンボル画像14を指示すると、シンボル画像14に対応する履歴データが表示される。即ち2月8日の履歴データが図7に示すように表示される。ここでは、出発地(自宅)、二カ所の経由地(東京駅、小田原駅)、及び目的地(芦ノ湖)とともに実行ボタン21aが表示されている。ユーザは、表示されている内容で経路設定を行いたい場合は、実行ボタン21aを押す。これにより、CPU1aは経路探索を実行し(ステップS15)、探索結果を表示装置6に表示させる(ステップS16)。以後の処理(ステップS16〜S20)は図1のステップS6〜S9と同じである。
【0037】
履歴データを利用しない場合(S12:NO)、及び履歴データを選択しなかった場合(S14:NO)は、図2と同じ処理を実行する。
【0038】
以上、過去の日付のシンボル画像を指示して履歴データを読み出し現在の経路設定に利用する手順について説明を行ったが、本実施形態の経路案内装置は現在の経路設定に利用するだけではなく、将来の計画に合わせて予定の日のカレンダーに上記シンボル画像を予め貼り付けて(又は複製して)おくことができる。それによって、カレンダー画像中の予定日又はそのシンボル画像を指示して、予め貼り付けておいた履歴データを読み出し、経路設定に利用することができる。また、予定日が到来する前にカレンダーを見ることで予定を確認することができる。予定日が到来したときに、シンボル画像をより目立つ色に変えたり、点滅させたり、音声出力を行うなどにより、ユーザに注意を促すこともできる。また、予定日に同行する人を登録しておくことにより、その人にメールなどで連絡することもできる。
なお、将来の予定に合わせて過去の履歴データを貼り付けておく処理は、経路探索後、その履歴データが登録された時点から予定日までの間であれば、いつでも何度でも実行することができる。
【0039】
以上、本実施形態の経路案内装置及びその動作について説明したが、本経路案内装置の動作は、経路案内装置のCPU1aがそのROM1bに格納されたプログラムを読み出して実行することによって得られる。
通常、このプログラムは装置の製造時にROM1bに書き込まれるが、このプログラムをCD−ROMやDVD−ROMなどの光学ディスク、或いはハードディスクなどに記録しておき、それらのディスクをディスクドライブ装置5にセットしてインストールしたり、このプログラムを記録したメモリカードやネットワーク上のサーバから外部I/F8を介してインストールすることもできる。
【0040】
以上、本発明の第1の実施形態を説明したが、本実施形態によれば、以下(1)〜(5)の作用効果を有する。
(1)内部メモリ1d等に登録された過去の経路案内の履歴データを用いて経路設定を行うとき、表示装置6に過去の年月のカレンダー13を表示するとともに、内部メモリ1d等から読み出された履歴データ中の月日を表す前記カレンダー13に互いに識別可能な形体のシンボル画像14,15を表示するので、ユーザは履歴データの登録時点を容易に把握することができる。
(2)シンボル画像13、14自体又はそれらと共に表示するアイコン等を、目的地のジャンル(レストラン、観光地、病院等)、や経路案内時の時間帯、天候などを示す態様とすることにより、経路案内時の状況をユーザに容易に想起させることができる。
(3)経路案内の予定日を予め登録しておくことにより、ユーザはその日のカレンダー画像を指示することにより、登録した履歴データを表示することができ、過去のカレンダー13を表示することなく容易に経路設定を行うことができる。
(4)経路案内終了後に目的地を補正する機能を設けたので、当初の目的地の設定がラフであっても、最終的には正確な目的地を登録し、次回以降の経路設定を正確に行うことができる。
(5)経路案内を開始してから目的地及び経由地などをメモリに登録するので、経路探索実行前に登録する従来装置と比べて、無駄な登録によるメモリの使用を抑制することができる。
【0041】
なお、以上の説明では、経路案内の履歴でデータとして、出発地、目的地及び経由地を日時データと共に登録したが、出発地、目的地及び経由地だけではなく、経路中の移動履歴のデータを登録することもできる。また、経由地や目的地を設定せずに走行した場合の移動履歴のデータを登録し、その登録日のカレンダーに、履歴データが登録されていることを表す態様(図6のシンボル画像14,15等)と区別できる態様で、走行したことや走行してある場所に出かけたことを表す態様の表示を行うこともできる。
【0042】
[第2の実施形態]
図8、図9は、それぞれ本発明の第2の実施形態の経路案内装置において登録される履歴データ及び表示される履歴データを示す図である。本実施形態の経路案内装置のハードウェア構成、履歴データを登録するまでの動作、経路案内終了後の履歴データの補正処理は、履歴データの内容以外は第1の実施形態(図1〜図3)と同じである。また、登録済み履歴データを利用して経路案内を行う場合の動作も履歴データの表示画面以外は第1の実施形態(図4)と同じである。
【0043】
本実施形態では、第1の実施形態と同様、経路案内を開始したときに履歴データを登録する(ステップS8)。このとき登録される履歴データは、図8に示すように、出発地、経由地及び目的地を日時データに関連付けたものである。
【0044】
また、第1の実施形態と同様、図5に示すメニュー画面12を表示する。ここで、ユーザが「はい」の選択部12aを指示して登録済みの履歴データを利用することを選択し、実行ボタン12cを押した場合(ステップS12:YES)、図9に示す履歴データのリストを表示する。このリストには目的地と日付が関連付けて表示されており、例えば「芦ノ湖」又はその左の「2/8」をクリックすると、図7と同じ画面が表示される。一日分のリストのみを切り換えて表示させることもできる。
【0045】
なお、以上説明した第1の実施形態では図6に示すカレンダー13を表示し、第2の実施形態では図9に示すリストを表示しているが、両者を選択的に表示するように構成することもできる。即ち、図5の画面上で、「はい」の選択部12aを指示し、実行ボタン12cを押した場合(ステップS12:YES)に、図6に示すカレンダー13を表示するのか図9に示すリストを表示するのかをユーザに選択させるための画面を表示し、ユーザの選択によりいずれかを表示するように構成することもできる。また、図9の画面において日だけではなく、例えば図8に示す日時を表示することもできる。さらに、図7の表示画面の各地点に図8に示す時刻を表示することもできる。時刻情報から大凡の所要時間、或いは滞在時間を知ることができ、旅行計画などを立案するときの参考に供することができる。
【符号の説明】
【0046】
1・・・制御装置、1a・・・CPU、1b・・・ROM、1c・・・RAM、1d・・・内部メモリ、6・・・表示装置、7・・・操作装置、13・・・カレンダー、14,15・・・シンボル画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地及び経由地を履歴データとしてメモリに登録する履歴データ登録手段と、目的地及び経由地を結ぶ経路を案内する経路案内手段と、を有し、前記履歴データ登録手段は、前記経路案内手段による経路案内の開始から終了までの間に登録を実行することを特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載された経路案内装置において、
経路案内の開始から終了までの間に登録された履歴データの目的地を、経路案内終了後に補正する手段を有することを特徴とする経路案内装置。
【請求項3】
目的地及び経由地を履歴データとしてメモリに登録する履歴データ登録手段と、目的地及び経由地を結ぶ経路を案内する経路案内手段と、登録済みの履歴データを表示装置に表示させる表示制御手段と、を有し、前記履歴データ登録手段は、前記目的地及び経由地を日時データに関連付けて登録し、前記表示制御手段は、登録済みの履歴データを日時データに関連付けて表示させることを特徴とする経路案内装置。
【請求項4】
請求項3に記載された経路案内装置において、
表示制御手段は、履歴データのリストを登録された日付とともに表示させることを特徴とする経路案内装置。
【請求項5】
請求項3に記載された経路案内装置において、
表示制御手段は、カレンダーと共に当該カレンダー上に履歴データの存在を示す表示を行わせることを特徴とする経路案内装置。
【請求項6】
請求項5に記載された経路案内装置において、
前記表示制御手段は、カレンダーと共に当該カレンダー上に履歴データの存在を表す表示を行わせる際に、前記履歴データ内容に基づきそれを識別可能な態様で表示を行わせることを特徴とする経路案内装置。
【請求項7】
請求項6に記載された経路案内装置において、
識別可能な態様の表示の箇所が指示されたとき、目的地及び経由地を表示させる手段を有することを特徴とする経路案内装置。
【請求項8】
請求項6に記載された経路案内装置において、
識別可能な態様は、日時データが示す季節の識別が可能であることを特徴とする経路案内装置。
【請求項9】
請求項6に記載された経路案内装置において、
識別可能な態様は、日時データが示す時間帯の識別が可能であることを特徴とする経路案内装置。
【請求項10】
請求項6に記載された経路案内装置において、
識別可能な態様は、目的地のジャンルの識別が可能であることを特徴とする経路案内装置。
【請求項11】
経路案内装置のコンピュータを請求項1〜10に記載された経路案内装置の各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−197168(P2010−197168A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41226(P2009−41226)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】