説明

経路案内装置及び経路案内方法

【課題】設定された目的地に対し、仮目的地を経由した経路を提供し、ユーザの健康向上を喚起し、促進させること。
【解決手段】指定された目的地までの経路を案内する経路案内装置に、目的地に基づいて、該目的地から所定距離以内に存在する仮目的地を設定する手段と、自経路案内装置の位置から仮目的地までの経路及び仮目的地から目的地までの経路を検索する手段と、仮目的地から目的地までの経路に基づいて、健康増進に関する健康増進指標を計算する手段と、自経路案内装置の位置から仮目的地を経由して目的地に向かう経路を、対応する健康増進指標とともに提示する手段と、選択された経路と該経路に対応して提示された健康増進指標とを記憶する手段とを備える。記憶された健康増進指標に基づいて、提示する健康増進指標が選択され、選択された健康増進指標が計算される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路を検索(探索)し、検索した経路を表示する経路案内装置、特に個人の健康管理に必要な情報を提供できる経路案内装置及び経路案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の経路案内装置が提案されており、これを搭載する車両も増えてきている。この種の経路案内装置では、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)装置等の現在地検出手段を有しており、このGPS装置により現在地を常時検出する。また、CD−ROM等の記憶媒体に収められた地図情報を有しており、ディスプレイなどに現在地を含む地図を表示する。また、目的地が設定された場合には、現在地から目的地までの最適経路を探索する。さらに経路が設定された走行においては、地図上に経路を表示すると共に、右左折する交差点などではこの案内を行う。
【0003】
一方、人間が快適に生活していく上で、個々人の健康管理は非常に重要な要素である。そして、目的地までの移動において、どのくらいの距離を歩くか、その際の消費カロリーはどのくらいか等という情報は非常に重要な場合も多い。そこで、個人の健康管理に必要な情報を考慮した経路案内が行える経路案内装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この経路案内装置では、ユーザの消費カロリーのデータベースに基づいて、消費カロリー不足を補うように、徒歩を前提とした経路案内が行われる。
【0004】
また、ユーザが携帯する歩数計の歩数情報に基づいて、不足歩数に基づいた推奨歩行ルートを含む歩行スケジュールを提案する歩行スケジュール管理システムも開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第3233048号
【特許文献2】特開2005−147916号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した経路案内装置や歩行スケジュール管理システムでは、経路を探索したり、探索した経路を提案したり、提案した経路のうち選択された経路を案内したりするために必要な情報は、ユーザにより設定されることが前提とされる。従って、健康向上に興味があり、消費カロリー・歩数等を気にするユーザは、健康管理に必要な情報を考慮した経路案内を行うように設定することにより、健康増進を図ることができる。しかし、健康向上に興味がなく、消費カロリー・歩数等を気にしないユーザは、健康管理に必要な情報を考慮した経路案内を行うように設定しないことが多いため、このようなユーザに対しては健康向上意識の喚起・促進を行うことができない。また、上述した経路案内装置や歩行スケジュール管理システムでは、1日で消費すべきカロリーや歩くべき歩数を達成するために必要な経路提案・案内しかできない。
【0006】
さらに、歩行スケジュール管理システムでは、ユーザが携帯する歩数計の歩数情報に基づいて、推奨歩行ルートを含む歩行スケジュールの提案が行われる。この歩行スケジュール管理システムでは、ユーザの携帯端末に内蔵される情報、例えば消費カロリーデータベース、歩行情報に基づいて、歩行スケジュールが提案される。従って、ユーザの携帯端末が必要である問題がある。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定された目的地に対し、仮目的地を経由した経路を提供し、ユーザの健康向上を喚起し、促進させることができる経路案内装置及び経路案内方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の経路案内装置は、
指定された目的地までの経路を案内する経路案内装置であって、
前記目的地に基づいて、該目的地から所定距離以内に存在する仮目的地を設定する仮目的地設定手段と、
自経路案内装置の位置から前記仮目的地までの経路及び前記仮目的地から前記目的地までの経路を検索する経路検索手段と、
前記仮目的地から目的地までの経路に基づいて、健康増進に関する健康増進指標を計算する健康増進指標算出手段と、
前記自経路案内装置の位置から前記仮目的地を経由して前記目的地に向かう経路を、対応する健康増進指標とともに提示する経路提示手段と、
選択された経路と、該経路に対応して提示された健康増進指標とを記憶する過去選択経路記録手段と
を備え、
前記健康増進指標算出手段は、前記過去選択経路記録手段に記憶された健康増進指標に基づいて、前記経路提示手段に提示する健康増進指標を選択し、選択した健康増進指標を計算することを特徴の1つとする。
【0009】
このように構成することにより、自経路案内装置の位置から仮目的地を経由して目的地に向かう経路を、対応する健康増進指標とともに提示することができるため、ユーザに対して、経路選択の自由度を広げることができる。また、過去に選択された経路と、該経路に対応して提示された健康増進指標に基づいて、提示する健康増進指標を選択することができるため、ユーザが注意を喚起しやすい項目とともに、経路を提示できる。
【0010】
さらに別の構成例では、
前記仮目的地設定手段は、前記目的地に歩行により移動する仮目的地を設定するように構成される。
【0011】
このように構成することにより、仮目的地から目的地までの歩行経路を提示できるため、ユーザに対して健康向上のための提案を行うことができる。
【0012】
さらに別の構成例では、
前記健康増進指標算出手段は、健康増進指標として、前記仮目的地から目的地までの経路の歩行時間、歩行距離、歩数、消費カロリーのうち少なくとも1つを計算するように構成される。
【0013】
このように構成することにより、健康増進指標として、仮目的地から目的地までの経路の歩行時間、歩行距離、歩数、消費カロリーのいずれかを提示できる。
【0014】
さらに別の構成例では、
前記経路提示手段は、前記自経路案内装置の位置から直接前記目的地に向かう経路及び前記自経路案内装置の位置から前記仮目的地を経由して前記目的地に向かう経路とともに、その経路を使用した場合に必要な料金を提示するように構成される。
【0015】
このように構成することにより、各経路において必要な料金を提示できる。必要な料金としては例えば駐車料金がある。
【0016】
さらに別の構成例では、
前記自経路案内装置の位置から前記仮目的地を経由して前記目的地に向かう場合の、到着予想時刻を求める到着時刻算出手段
を備え、
前記経路提示手段は、前記到着予想時刻を提示するように構成される。
【0017】
このように構成することにより、到着予想時刻を提示でき、ユーザの経路選択に役立てることができる。
【0018】
さらに別の構成例では、
前記自経路案内装置の位置から前記仮目的地を経由して前記目的地に向かう経路以外の経路が選択された場合に、その理由を記録する過去提案状況記録手段と、
前記過去提案状況記録手段に記録された理由に基づいて、前記自経路案内装置の位置から前記仮目的地を経由して前記目的地に向かう経路を提示するか否かを判断する経路提示判断手段と
を備えるように構成される。
【0019】
このように構成することにより、自経路案内装置の位置から仮目的地を経由して目的地に向かう経路以外の経路が選択される確率が高い場合には、自経路案内装置の位置から仮目的地を経由して目的地に向かう経路を提示しないようにできるため、自経路案内装置の位置から仮目的地を経由して目的地に向かう経路を検索する処理負荷を低減できる。
【0020】
本発明の経路案内方法は、
指定された目的地までの経路を案内する経路案内方法装置における経路案内方法であって、
前記目的地に基づいて、該目的地から所定距離以内に存在する仮目的地を設定する仮目的地設定ステップと、
自経路案内装置の位置から前記仮目的地までの経路及び前記仮目的地から前記目的地までの経路を検索する経路検索ステップと、
前記仮目的地から目的地までの経路に基づいて、健康増進に関する健康増進指標を計算する健康増進指標算出ステップと、
前記自経路案内装置の位置から前記仮目的地を経由して前記目的地に向かう経路を、対応する健康増進指標とともに提示する経路提示ステップと、
選択された経路と、該経路に対応して提示された健康増進指標とを記憶する過去選択経路記録ステップと
を備え、
前記健康増進指標算出ステップでは、前記過去選択経路記録ステップにおいて記憶された健康増進指標に基づいて、前記経路提示ステップにおいて提示する健康増進指標を選択し、選択した健康増進指標を計算することを特徴の1つとする。
【0021】
このようにすることにより、自経路案内装置の位置から仮目的地を経由して目的地に向かう経路を、対応する健康増進指標とともに提示することができるため、ユーザに対して、経路選択の自由度を広げることができる。また、過去に選択された経路と、該経路に対応して提示された健康増進指標に基づいて、提示する健康増進指標を選択することができるため、ユーザが注意を喚起しやすい項目とともに、経路を提示できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施例によれば、設定された目的地に対し、仮目的地を経由した経路を提供し、ユーザの健康向上を喚起し、促進させることができる経路案内装置及び経路案内方法を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
【0024】
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0025】
(第1の実施例)
本発明の第1の実施例に係る経路案内装置としてのナビゲーション装置100について、図1を参照して説明する。本実施例に係るナビゲーション装置100は、ユーザにより設定された目的地に対して、該ユーザの健康向上を喚起・促進させるために仮目的地が設定される。仮目的地としては、ユーザにより設定された目的地から少し離れた場所、具体的には徒歩で移動可能な場所が設定される。例えば、仮目的地としては、ユーザにより設定された目的地から少し離れた駐車場が設定される。また、仮目的地として、ユーザにより設定された目的地に健康増進に役立つ移動手段、例えば自転車で移動可能な場所が設定されるようにしてもよい。
【0026】
ナビゲーション装置100は、GPS装置102と、操作部104と、経路提示手段としての表示部106と、音声合成部108と、制御部110と、健康増進指標算出手段としての注意喚起項目設定部112と、経路探索処理部114と、経路誘導処理部116と、地図データベース118と、過去選択経路記録部120とを備える。
【0027】
制御部110は、ナビゲーション装置100の全体を制御し、地図表示や経路探索等に必要な処理を行うとともに、所定の条件の下で推奨歩行ルート及び自動車による走行ルートを含むスケジュールを行う。
【0028】
GPS装置102は、GPSアンテナとGPSアンテナで受信した衛星からの電波を解析する演算部とを有しており、ナビゲーション装置100が搭載された車両の位置、具体的には経度、緯度を示す車両位置信号を出力する。
【0029】
操作部104は、ナビゲーション装置100に対して地図表示や経路探索等に関する各種の指示を与えるためのものであり、筐体の前面に設けられたキーやスイッチあるいはリモートコントロールユニット等が用いられる。例えば、ユーザは、操作部104を操作することにより目的地を設定する。
【0030】
表示部106は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD: Liquid Crystal Display)により構成され、車両周辺の地図画像の表示や、経路案内・提案を行う。また、上述した操作部104の代わりに、各種の操作画面を表示し、該操作画面により操作するようにしてもよい。
【0031】
音声合成部106は、表示部106による表示の代わりに、又は表示部106による表示と併用して、探索した経路の提案や、選択された経路の案内を行う。
【0032】
注意喚起項目設定部112は、ユーザに対して、健康向上(増進)を喚起、促進させるための健康増進指標、言い換えれば該ユーザが注意を喚起し易い項目、例えば仮目的地から目的地までの歩数、徒歩時間、徒歩距離、仮目的地から目的地まで徒歩で移動した場合に消費されるカロリー(以下、消費カロリーと呼ぶ)などが設定される。
【0033】
経路探索処理部114は、通常の経路検索ロジックにより、ユーザにより指定された目的地までの自動車による走行経路を検索(探索)し、検索の結果得られた走行経路を使用した場合における走行時間を計算する。また、経路探索処理部114は、ユーザにより指定された目的地に基づいて仮目的地を検索し、自ナビゲーション装置100から該仮目的地までの自動車による走行経路を検索(探索)し、検索の結果得られた走行経路を使用した場合における走行時間を求める。また、経路探索処理部114は、仮目的地から目的地までの徒歩による歩行経路を求め、該目的地までの歩行時間を求める。さらに、注意喚起項目設定部112により設定された注意喚起項目に関する値を求める。
【0034】
具体的には、経路探索処理部114は、図2に示すように、目的地設定部1142と、経路検索部1144と、仮目的地設定部1146と、到着時刻算出部1148と、健康増進指標算出手段としての注意喚起項目計算部1150と、検索経路結合部1152とを備える。
【0035】
ユーザが操作部104を操作することにより入力された目的地を示す情報(以下、目的地情報と呼ぶ)は、目的地設定部1142に入力される。目的地情報には、その目的地の名称、座標の情報が含まれるようにしてもよい。目的地情報は、表示部106に表示された地図情報により入力されるようにしてもよいし、住所情報により選択/入力するようにしてもよい。具体的には、目的地としては映画館、駅、レストランなどが指定される。
【0036】
目的地設定部1142は、入力された目的地情報を設定するとともに、該目的地情報を経路検索部1144及び仮目的地設定部1146に入力する。また、目的地設定部1142は、設定する目的地に関する情報を収集するようにしてもよい。例えば、目的地として駐車場が設定される場合には、駐車料金の情報を収集する。この場合、目的地情報には、この目的地に関する情報も含まれる。
【0037】
経路検索部1144は、例えば、GPS装置102により入力された車両位置情報と、目的地設定部1142により入力された目的地情報に基づいて、現在の位置から目的地までの自動車による走行経路を検索し、検索の結果得られた走行経路を示す情報と目的地情報とを到着時刻算出部1148に入力する。経路検索部1144は、到着までの時間が最短となるように走行経路を検索するようにしてもよいし、到着までの距離が最短となるように走行経路を検索するようにしてもよい。到着時刻算出部1148は、入力された走行経路に基づいて走行距離を求め、該走行距離に基づいて走行時間を求め、目的地に到着する到着予想時刻を算出する。到着時刻算出部1148は、目的地情報とともに算出された到着予想時刻を検索経路結合部1152に入力する。
【0038】
一方、仮目的地設定部1146は、入力された目的地情報に基づいて、該目的地周辺の場所を設定する。仮目的地設定部1146は、例えば、ユーザにより設定された目的地に徒歩で移動可能な場所を、POI(Point of Interest)により求め、求めた場所の地点(位置情報)、例えば住所、座標、例えば経度、緯度を検索する。ここで、POIとは、施設情報、スポット情報などの位置情報と連動したデジタルコンテンツであり、位置情報に関連づけられた表示情報である。仮目的地設定部1146は、検索の結果得られた仮目的地を示す情報(以下、仮目的地情報とよぶ)を経路検索部1144に入力する。仮目的地情報には、その仮目的地の名称、座標の情報が含まれるようにしてもよい。また、仮目的地設定部1146は、設定する仮目的地に関する情報を収集するようにしてもよい。例えば、仮目的地として駐車場が設定される場合には、駐車料金の情報を収集する。この場合、仮目的地情報には、この仮目的地に関する情報も含まれる。
【0039】
経路検索部1144は、目的地情報が入力された場合と同様に、例えば、GPS装置102により入力された車両位置情報と、仮目的地設定部1146により入力された仮目的地情報に基づいて、現在の位置(車両位置情報により示される位置)から仮目的地までの自動車による走行経路を検索し、検索の結果得られた走行経路を示す情報を仮目的地情報とともに到着時刻算出部1148に入力する。経路検索部1144は、到着までの時間が最短となるように走行経路を検索するようにしてもよいし、到着までの距離が最短となるように走行経路を検索するようにしてもよい。さらに、経路検索部1144は、仮目的地から目的地までの徒歩による歩行経路を検索し、検索の結果得られた歩行経路を示す情報を仮目的地情報とともに到着時刻算出部1148及び注意喚起項目計算部1150に入力する。
【0040】
到着時刻算出部1148は、入力された走行経路及び歩行経路に基づいて、走行距離及び歩行距離を求め、該走行距離及び歩行距離に基づいて、走行時間及び歩行時間を求め、目的地に到着する到着予想時刻を算出する。到着時刻算出部1148は、仮目的地情報とともに算出された到着予想時刻を検索経路結合部1152に入力する。
【0041】
注意喚起項目計算部1150は、経路検索部1144により入力された仮目的地から目的地までの徒歩による歩行経路を示す情報に基づいて、入力された健康増進指標としての注意喚起項目の値を計算し、注意喚起項目とともに検索経路結合部1152に入力する。例えば、注意喚起項目が歩数である場合には、入力された歩行経路から歩行距離を計算し、該歩行距離に基づいて、歩数が計算される。また、例えば、注意喚起項目が歩行時間である場合には、入力された歩行経路から歩行距離を計算し、該歩行距離に基づいて、歩行時間が計算される。また、例えば、注意喚起項目が歩行距離である場合には、入力された歩行経路から歩行距離が計算される。また、例えば、注意喚起項目が消費カロリーである場合には、入力された歩行経路から歩行距離を計算し、該歩行距離に基づいて消費カロリーが計算される。ここで、歩行経路から歩行距離が計算される場合に、後述する地図データベース118に含まれる地図データの精度に基づいて、実際の歩行経路により歩行距離を求めるようにしてもよいし、直線距離として歩行距離を求めるようにしてもよい。
【0042】
検索経路結合部1152は、到着時刻算出部1148及び注意喚起項目計算部1150により入力された目的地情報及び到着時刻、仮目的地情報及び目的地到着時刻、及び注意喚起項目及び該注意喚起項目に関する各経路における値に基づいて、仮目的地を含む目的地毎に、到着予想時刻と、注意喚起項目とを関連付ける。これらの関連付けられたデータは、表示データとして、表示部106に入力される。表示部106は、入力された表示データを表示する。
【0043】
一例として、仮目的地として駐車場が選択され、注意喚起項目として消費カロリー及び駐車場料金が選択された場合について、図3を参照して説明する。
【0044】
目的地設定部1142は、地図データベース118に格納された地図情報にユーザにより入力された目的地を設定する。また、目的地設定部1142は、設定した目的地における駐車場の駐車料金の情報も取得する。
【0045】
仮目的地設定部1146は、ユーザにより設定された目的地に基づいて、地図データベース118に格納された地図情報から該目的地に徒歩で移動可能な場所、例えば駐車場A、B及びCを、仮目的地として設定する。また、仮目的地設定部1146は、設定した駐車場の駐車料金の情報も取得する。
【0046】
経路検索部1144は、目的地設定部1142により入力された目的地情報に基づいて、車両位置(スタート地点)から目的地(ユーザ目的地)までの経路と、車両位置(スタート地点)から仮目的地(提案駐車場A、B及びC)までの経路と、各仮目的地から目的地(ユーザ目的地)までの経路、具体的には、駐車場A、B及びCから目的地までの経路とを検索(探索)する。各仮目的地から目的地までの経路は、到着までの時間が最短となることを条件として検索するようにしてもよいし、到着までの距離が最短となることを条件として検索するようにしてもよい。
【0047】
到着時刻算出部1148は、車両位置から目的地までの経路を自動車により走行した場合の走行時間と、車両位置から各仮目的地、具体的には駐車場A、B及びCまでの経路を自動車により走行した場合の走行時間と、各仮目的地から目的地までの経路を歩行した場合の走行時間とを求め、車両位置から各仮目的地までの経路を自動車により走行した場合の走行時間と、各仮目的地から目的地までの経路を歩行した場合の走行時間とを合算し、車両位置から目的地までの経路を自動車により走行した場合の到達時刻と、自車位置から各仮目的地までの経路を自動車により走行し、各仮目的地から目的地までの経路を歩行した場合の到達時刻(到達予想時刻)とを求める。
【0048】
例えば、車両位置から目的地までの経路を自動車により走行した場合の走行時間から到達時間55分が求められる。また、車両位置から駐車場Aまでの経路を自動車により走行した場合の走行時間50分と、駐車場Aから目的地までの経路を歩行した場合の歩行時間5分が求められ、該走行時間と歩行時間とを合算し、到達時間55分が求められる。また、車両位置から駐車場Bまでの経路を自動車により走行した場合の走行時間60分と、駐車場Bから目的地までの経路を歩行した場合の歩行時間20分が求められ、該走行時間と歩行時間とを合算し、到達時間80分が求められる。また、車両位置から駐車場Cまでの経路を自動車により走行した場合の走行時間65分と、駐車場Cから目的地までの経路を歩行した場合の歩行時間40分が求められ、該走行時間と歩行時間とを合算し、到達時間105分が求められる。ここで、到着時間は車両位置から目的地に到着するまでにかかる時間である。
【0049】
到着時刻算出部1148は、現在の時刻と到達時間に基づいて、各経路を選択した場合の到着予想時刻を求める。例えば、現在の時刻が9時15分である場合に、車両位置から目的地までの経路を自動車により走行した場合の到着予想時刻10時10分が求められる。また、車両位置から駐車場Aまでの経路を自動車により走行し、駐車場Aから目的地までの経路を歩行した場合の到着予測時刻10時10分が求められる。また、車両位置から駐車場Bまでの経路を自動車により走行し、駐車場Bから目的地までの経路を歩行した場合の到着予測時刻10時35分が求められる。また、車両位置から駐車場Cまでの経路を自動車により走行し、駐車場Cから目的地までの経路を歩行した場合の到着予測時刻11時00分が求められる。
【0050】
注意喚起項目計算部1150は、入力された仮目的地から目的地までの歩行経路に基づいて、注意喚起項目に関する値を求める。例えば、注意喚起項目として、消費カロリー及び駐車料金が選択された場合、各仮目的地から目的地までの経路を歩行した場合に消費されるカロリーを求め、仮目的地情報に含まれる駐車料金情報を取得する。例えば、車両位置から駐車場Aまでの経路を自動車により走行し、駐車場Aから目的地までの経路を歩行した場合の注意喚起項目に関する値として、駐車料金1000円と、消費カロリー15kcalが求められる。また、例えば、自車位置から駐車場Bまでの経路を自動車により走行し、駐車場Bから目的地までの経路を歩行した場合の注意喚起項目に関する値として、駐車料金500円と、消費カロリー60kcalが求められる。また、例えば、自車位置から駐車場Cまでの経路を自動車により走行し、駐車場Cから目的地までの経路を歩行した場合の注意喚起項目に関する値として、駐車料金300円と、消費カロリー120kcalが求められる。
【0051】
検索経路結合部1152は、目的地情報及び到着予想時刻、仮目的地情報及び目的地到着予想時刻、及び注意喚起項目及び該注意喚起項目に関する各経路における値に基づいて、仮目的地を含む目的地毎に、到着予想時刻と、注意喚起項目とを結合し、関連付ける。車両位置から目的地までの経路を自動車により走行した場合の駐車料金1000円は、目的地情報から得ることができる。また、例えば、これらの関連付けられたデータは、表示データとして、表示部106に入力される。表示部106は、入力された表示データを表示する。
【0052】
その結果、図4に示すように、目的地、具体的にはユーザにより指定された目的地(ユーザ目的地)、該目的地に基づいて設定された仮目的地、具体的には駐車場A、B及びC(提案駐車場A,B及びC)に対して、到着予想時刻、具体的にはそれぞれ10:10、10:10、10:35及び11:00と、消費カロリー、具体的には駐車場A、B及びCそれぞれに対して15kcal、60kcal及び120kcal、駐車料金、具体的にはそれぞれ1000円、1000円、500円及び300円が表示される。
【0053】
上述したように、本実施例では、ユーザにより指定された目的地に基づいて、該目的地に自動車で行く場合の到着予想時刻に加え、該目的地から少し離れた仮目的地と、該仮目的地を経由して目的地に到着する到着予想及び各仮目的地における注意喚起項目に関する値が提案される。図4によれば、仮目的地として設定された駐車場Aを経由して目的地に行く場合だと、ユーザにより設定された目的地へ直接行く場合と、到着予想時刻及び駐車料金は変わらないが、15kcalのカロリーを消費できることがわかる。また、仮目的地として設定された駐車場Cを経由して目的地に行く場合だと、ユーザにより設定された目的地へ直接行く場合と比較して、到着予想時刻は50分程度遅くなるが、駐車料金が安くなり、120kcalのカロリーを消費できることがわかる。
【0054】
ユーザは、表示部106に表示された目的地と、該目的地に到着する到着予想時刻と、仮目的地と、該仮目的地を経由して目的地に到着する到着予測時刻及び各仮目的地における注意喚起項目に関する値に基づいて目的地に行くための経路を選択する。ユーザは、複数の経路から選択できるため、経路選択の自由度を広げることができる。また、注意喚起項目として、目的地を設定したユーザが注意を引き易い項目、例えば上述したように消費カロリー、歩数、徒歩時間、徒歩距離などを選択できるため、ユーザ毎に健康への注意を喚起した経路を提案できる。
【0055】
経路誘導処理部116は、表示部106に表示された経路のうち、ユーザにより選択された経路に従って、自ナビゲーション装置100が搭載された車両を誘導する。
【0056】
地図データベース118は、地図情報を記憶するデータベースである。
【0057】
過去選択経路記録部120は、ユーザにより選択された経路の特徴が記録される。例えば、図5に示すように、健康向上経路提案回数、ユーザ選択経路内訳及び健康提案方法が関連付けられ記録される。ここで、健康向上経路提案回数は、上述したように仮目的地を経由して目的地に行く経路を提案した回数を示す。ユーザ選択経路内訳は、ユーザにより選択された経路の特徴を示す。例えば、「直接」、「消費カロリー小」、「消費カロリー大」、「低料金」、「時間優先」のうちのいずれかが選択される。ここで、「直接」は目的地に直接向かう経路が選択されたことを示し、「消費カロリー小」は仮目的地から目的地に向かうまでに消費できるカロリーが低い、例えば100kcal−200kcalしか消費されない経路が選択されたことを示し、「消費カロリー大」は仮目的地から目的地に向かうまでに消費できるカロリーが高い、例えば400kcal−800kcal消費される経路が選択されたことを示し、「低料金」は駐車料金が安い、例えば600円以下である経路が選択されたことを示し、「時間優先」は、到着予想時刻が目的地へ直接向かう場合よりも所定の時間以内の増加、例えば10分以内の増加である経路が選択されたことを示す。この特徴は一例であり、適宜変更可能である。制御部110は、ユーザにより選択された経路に基づいて、その経路が健康向上のために提案した経路、すなわち仮目的地を経由して目的地に行く経路か否かを判断する。選択された経路が健康向上のために提案した経路でない場合には、ユーザ選択経路内訳の「直接」をカウントアップする。選択された経路が健康向上のために提案した経路である場合には、ユーザ選択経路内訳の「消費カロリー小」、「消費カロリー大」、「低料金」及び「時間優先」のうち、該当する項目をカウントアップする。
【0058】
健康提案方法は、注意喚起項目設定部112により設定され、探索された経路を表示する場合に提示された注意喚起項目を示す、例えば、「消費カロリー」、「歩数」及び「歩行距離」などのうちのいずれかが選択される。注意喚起項目設定部112は、表示部106に表示された注意喚起項目に基づいて、該注意喚起項目が健康提案方法のうちのいずれに該当するかを判断し、該当する項目をカウントアップする。過去選択経路記録部120では、ユーザ毎に図5に示される表を作成するようにしてもよいし、ナビゲーション装置毎、すなわち搭載された車両毎に作成するようにしてもよい。ユーザ毎に健康向上経路を選択する場合が多い注意喚起項目を提示できる観点からは、ユーザ毎に図5に示される表を作成するのが好ましい。図5によれば、到着時間よりも、消費カロリーが大きく、駐車場の料金が安い経路を選択する傾向があり、注意喚起項目として消費カロリーが選択されている場合に、健康向上経路が選択されていることが多いことが分かる。そこで、このようなユーザに対しては、消費カロリーが高く、駐車場料金が安い経路を多く提案することにより、ユーザの要求に沿った経路の提案を行うことができる。また、検索経路結合部1152は、過去選択経路記録部120に記録された健康提案方法に基づいて、注意喚起項目を選択する。例えば、ユーザ毎に、健康向上経路を選択する場合が多い注意喚起項目を選択する。例えば、上記ユーザに対しては、検索経路結合部1152は、注意喚起項目として、消費カロリー、駐車料金を選択し、選択した注意喚起項目を関連づける。
【0059】
次に、本実施例に係るナビゲーション装置100の動作について、図6を参照して説明する。
【0060】
ユーザにより入力された目的地の設定が行われる(ステップS602)。例えば、ユーザは操作部104を操作することにより、目的地を指定する。
【0061】
経路検索部1144は、設定された目的地までの自動車による走行経路の検索を行う(ステップS604)。
【0062】
仮目的地設定部1146は、設定された目的地に徒歩で移動可能な場所の検索を行う。例えば、仮目的地としては、設定された目的地から少し離れた駐車場が選択される(ステップS606)。例えば、仮目的地設定部1146は、駐車場の検索を行い、該駐車場の地点及び駐車料金情報を収得する。
【0063】
経路検索部1144は、仮目的地として検索された駐車場から目的地までの経路を検索する。注意喚起項目計算部1150は、設定された目的地から仮目的地として検索された駐車場までの距離を計算し、該距離を歩行した場合の消費カロリーを計算する(ステップS608)。
【0064】
到着時刻算出部1148は、仮目的地として検索された駐車場から目的地までを歩行した場合における歩行時間を求める(ステップS610)。
【0065】
経路検索部1144は、車両位置から仮目的地として検索された駐車場までの経路の検索を行う(ステップS612)。
【0066】
到着時刻算出部1148は、車両位置から仮目的地として検索された駐車場までを自動車により走行した場合における走行時間を求め、この走行時間と駐車場から目的地までの歩行時間とを合計し、車両位置から仮目的地を経由して目的地に行く場合の到達時間を計算する。
【0067】
検索経路結合部1152は、経路毎に、到着予想時刻、消費カロリー及び駐車場の駐車料金を対応付けて結合する(ステップS614)。
【0068】
ここで、検索経路結合部1152は、過去選択経路記録部120に記憶された健康提案方法に基づいて、ユーザが注意喚起し易い項目、例えば消費カロリー、歩数、徒歩時間、徒歩距離などのうち、いずれかを結合すべきか否かを判断するようにしてもよい。
【0069】
表示部106は、検索経路の表示を行う(ステップS616)。表示部106は、車載機ディスプレイにより構成されるようにしてもよいし、車載機に対応したユーザインタフェースにより構成するようにしてもよい。また、表示部106による表示に加え、又は表示する代わりに、音声合成部108により、音声による案内を行うようにしてもよい。
【0070】
次に、本実施例に係るナビゲーション装置100におけるデータの流れについて、図7を参照して説明する。
【0071】
ユーザにより入力された目的地の設定が行われると(ステップS602)、経路検索部1144は、地図データベース118に格納された地図情報に基づいて、設定された目的地までの自動車による走行経路の検索を行う。到着時刻算出部1148は、検索により求められた経路を自動車により走行した場合の到着予想時刻を求める(ステップS604)。その結果、自動車による走行経路と、到着予想時刻とが求められる。検索経路結合部1152は、求められた自動車による走行経路と到着予想時刻とを一時的に蓄積する。
【0072】
仮目的地設定部1146は、設定された目的地に基づいて、仮目的地の検索を行い、車両位置から仮目的地を経由して目的地に行く経路、すなわち健康向上経路の検索を行う(ステップS605)。仮目的地設定部1146は、地図データベース118に格納された地図情報に基づいて、仮目的地の検索を行う。例えば、仮目的地として駐車場が検索される。経路検索部1144は、仮目的地として検索された駐車場から目的地までの経路を検索する。到着時刻算出部1148は、検索により求められた経路を歩行した場合の歩行時間を求める。また、経路検索部1144は、車両位置から仮目的地として検索された駐車場までの経路の検索を行う。到着時刻算出部1148は、車両位置から駐車場までを自動車により走行した場合における走行時間を求め、この走行時間と歩行時間とを合計し、車両位置から仮目的地を経由して目的地に行く場合の到達時間を計算する。その結果、歩行経路と、到着予想時刻とが求められる。注意喚起項目計算部1150は、指定された目的地から仮目的地として検索された駐車場までの距離を計算し、該距離を歩行した場合の消費カロリー、歩数を計算する。その結果、歩行経路・歩行距離、歩行経路・歩行時間、歩行経路・消費カロリー、歩行経路・歩数、駐車場・駐車料金のデータが求められる。検索経路結合部1152は、求められたデータを一時的に蓄積する。
【0073】
検索経路結合部1152は、蓄積されたデータから、経路毎に、自動車による走行経路・到着予想時刻、歩行経路・歩行時間、歩行経路・歩行距離、歩行経路・消費カロリー、歩行経路・歩数、駐車場・駐車料金が対応付けられ結合される(ステップS614)。
【0074】
表示部106は、検索経路の表示を行う(ステップS616)。
【0075】
(第2の実施例)
本発明の第2の実施例に係る経路案内装置としてのナビゲーション装置100について、図8を参照して説明する。本実施例に係るナビゲーション装置100は、第1の実施例に係るナビゲーション装置において、健康向上(増進)を喚起・促進させるための経路(健康向上経路)を提案するか否かを判断するようにしたものである。
【0076】
本実施例に係るナビゲーション装置100は、図1を参照して説明したナビゲーション装置100において、経路提示判断手段としての健康向上経路提案可否判断部122と、過去提案状況記録部124とを備えたものである。
【0077】
健康向上経路提案可否判断部122は、後述する過去提案状況記録部124に記録された情報に基づいて、健康向上経路の提案を行うか否かを判断する。
【0078】
過去提案状況記録部124は、過去に健康向上経路の提案を行ったにもかかわらず、ユーザにより目的地に直接行く経路が選択された場合に、健康向上経路を選択しなかった理由が蓄積される。例えば、図9に示すように、「経路検索回数」、「健康向上経路提案回数」、「提案拒否回数」及び「拒否理由内訳」が関連付けられ記録される。ここで、経路検索回数は経路探索処理部114において行われた経路検索の回数を示す。この経路検索には、目的地に直接行く経路と仮目的地を経由して目的地に行く経路が含まれる。健康向上経路提案回数は、経路検索回数の内、仮目的地を経由して目的地に行く経路を提案した回数を示す。提案拒否回数は、経路検索回数の内、ユーザにより目的地に直接行く経路が選択された回数を示す。拒否理由内訳は、ユーザにより目的地に直接行く経路が選択された場合に、仮目的地を経由して目的地に行く経路が選択されなかった理由が、その理由毎に集計される。
【0079】
制御部110は、ユーザにより選択された経路に基づいて、その経路が健康向上経路、すなわち仮目的地を経由して目的地に行く経路であるか否かを判断する。選択された経路が健康向上のために提案した経路でない場合には、選択しなかった理由が記録される。例えば、表示部106に表示された経路のうち、ユーザにより設定された目的地へ直接行く経路が選択された場合に、仮目的地を経由して目的地へ行く経路を選択しなかった理由の問い合わせが行われる。例えば、選択しなかった理由として、複数の選択肢から選択させるようにしてもよい。例えば、「緊急指示」、「天候不良」、「体調不良」、「同乗者有り」、「不明(その他)」の中から選択させるようにしてもよい。ここで、緊急指示とは、例えば、急いで目的地に行く必要がある場合である。図9によれば、提案拒否回数200回のうち、天候不良という拒否理由が90回と多いことから、このユーザは天候不良の場合には、健康向上経路の提案を拒否する確率が高いと推定される。
【0080】
健康向上経路提案可否判断部122は、過去提案状況記録部124に記録された拒否理由に基づいて、健康向上経路の提案を行うか否かを判断する。例えば、健康向上経路提案可否判断部122は、拒否理由のうち、健康向上経路の選択される可能性が低いと判断される理由、具体的には、拒否理由の回数が所定の回数以上の拒否理由のいずれかに現在の状況が該当するか否かを判断し、該当する場合には、健康向上経路の提案を行わない判断を行い、該当しない場合には、健康向上経路の提案を行う判断を行う。例えば、図9に示される拒否理由に該当するユーザに対しては、天候不良の場合には、その回数が多いので、健康向上経路の選択される可能性が低いと判断されるため、健康向上経路の提案を行わない判断を行う。このようにすることにより、健康向上経路を探索する処理の負荷を低減できる。
【0081】
経路探索処理部は、図10に示すように、図2を参照して説明した経路探索処理部114と、目的地設定部1142に健康向上経路提案可否判断部122において判断された健康向上経路提案の可否の判断結果が入力される点で異なる。目的地設定部1142は、入力された判断結果に基づいて、該判断結果が健康向上経路の提案を行う判断である場合には目的地情報を仮目的地設定部1146及び経路検索部1144に入力し、該判断結果が健康向上経路の提案を行わない判断である場合には目的地情報を仮目的地設定部1146に入力せず経路検索部1144のみに入力する。その結果、健康向上経路の提案を行う場合にのみ仮目的地が設定される。
【0082】
次に、本実施例に係るナビゲーション装置100の動作について、図11を参照して説明する。
【0083】
ユーザにより入力された目的地の設定が行われる(ステップS1102)。例えば、ユーザは操作部104を操作することにより、目的地を入力する。
【0084】
経路検索部1144は、設定された目的地までの自動車による走行経路の検索を行う(ステップS1104)。
【0085】
健康向上経路提案可否判断部122は、過去提案状況蓄積部124に蓄積された情報に基づいて、健康向上経路の提案を行うか否かを判断する(ステップS1106)。例えば、健康向上経路提案可否判断部122は、ユーザにより緊急性が指定されているか否かを判断し、ユーザにより緊急性(緊急指示)が指定されていない場合(ステップS1106:YES)、健康向上経路の提案を行うと判断する。一方、ユーザにより緊急性が指定されている場合(ステップS1106:NO)、後述するステップS1118に遷移する。
【0086】
次に、個人適合による健康向上の提案が可能であるか否かの判断が行われる(ステップS1108)。例えば、目的地の入力を行ったユーザに関する過去に選択した経路の情報が、過去選択経路記録部120に記録されているか否かを判断する。過去選択経路記録部120に記録されている場合(ステップS1108:YES)、ユーザの嗜好にあわせた、健康向上経路の提案が行われる。一方、過去選択経路記録部120に記録されていない場合(ステップS1108:NO)、後述するステップS1118に遷移する。
【0087】
仮目的地設定部1146は、設定された目的地に徒歩で移動可能な場所の検索を行う。例えば、仮目的地としては、設定された目的地から少し離れた駐車場が検索される(ステップS1110)。
【0088】
経路検索部1144は、仮目的地として検索された駐車場から目的地までの経路を検索する。注意喚起項目計算部1150は、設定された目的地から仮目的地として検索された駐車場までの距離を計算し、該距離を徒歩により歩行した場合の消費カロリーを計算する(ステップS1112)。
【0089】
到着時刻算出部1148は、仮目的地として検索された駐車場から目的地までを歩行した場合における歩行時間を求める(ステップS1114)。
【0090】
経路検索部1144は、車両位置から仮目的地として検索された駐車場までの経路の検索を行う(ステップS1116)。
【0091】
到着時刻算出部1148は、車両位置から仮目的地として検索された駐車場までを自動車により走行した場合における走行時間を求め、この走行時間と歩行時間とを合計し、自車位置から仮目的地を経由して目的地に行く場合の到達時間を計算する。
【0092】
検索経路結合部1152は、経路毎に、到着予想時刻、消費カロリー及び駐車場の駐車料金を対応付けて結合する(ステップS1118)。また、検索経路結合部1152は、ステップS1106において緊急性があることが指定された場合及びステップS1108において個人適合による健康向上経路の提案が可能であると判断されない場合には、ステップS1104により検索された走行経路と、該走行経路使用した場合の到着予想時刻とを結合する。
【0093】
ここで、検索経路結合部1152は、過去選択経路記録部120に記憶された健康提案方法に基づいて、ユーザが注意喚起し易い項目、例えば消費カロリー、歩数、徒歩時間、徒歩距離などのうち、いずれかを結合すべきか否かを判断するようにしてもよい。
【0094】
表示部106は、検索経路の表示を行う(ステップS616)。表示部106は、車載機ディスプレイにより構成されるようにしてもよいし、車載機に対応したユーザインタフェースにより構成するようにしてもよい。また、表示部106による表示に加え、又は表示する代わりに、音声合成部108により、音声による案内を行うようにしてもよい。
【0095】
次に、本実施例に係るナビゲーション装置100におけるデータの流れについて、図12を参照して説明する。
【0096】
ユーザにより入力された目的地の設定が行われると(ステップS1102)、経路検索部1144は、地図データベース118に格納された地図情報に基づいて、設定された目的地までの自動車による走行経路の検索を行う。到着時刻算出部1148は、検索により求められた経路を自動車により走行した場合の到着予想時刻を求める(ステップS1104)。その結果、自動車による走行経路と、到着予想時刻とが求められる。検索経路結合部1152は、求められた自動車による走行経路と到着予想時刻とを一時的に蓄積する。
【0097】
健康向上経路提案可否判断部122は、過去提案状況蓄積部124に蓄積された情報に基づいて、健康向上経路の提案を行うか否かを判断し、さらに個人適合による健康向上の提案が可能であるか否かの判断を行う(ステップS1107)。
【0098】
例えば、健康向上経路の提案を行うか否かを判断する場合には、健康向上経路提案可否判断部122は、過去提案状況蓄積部124に蓄積された拒否理由内訳、具体的には緊急指示(緊急性)、天候不良(天候)、体調不良(体調)、同乗者有り、その他の過去提案状況に基づいて、現在の状況が該拒否理由のうち、健康向上経路の選択される可能性が低いと判断される理由のいずれかに該当するか否かを判断する。また、例えば、個人適合による健康向上の提案が可能であるか否かの判断を行う場合には、目的地の入力を行ったユーザに関する過去に選択した経路の情報が、過去選択経路記録部120に記録されているか否かを判断する。
【0099】
現在の状況が該拒否理由のうち、健康向上経路の選択される可能性が低いと判断される理由のいずれかにも該当せず、且つ目的地の入力を行ったユーザに関する過去に選択した経路の情報が、過去選択経路記録部120に記録されている場合(ステップS1107:YES)、健康向上経路の提案を行うと判断する。一方、現在の状況が該拒否理由のうち、健康向上経路の選択される可能性が低いと判断される理由のいずれかに該当し、又は目的地の入力を行ったユーザに関する過去に選択した経路の情報が、過去選択経路記録部120に記録されていない場合(ステップS1107:NO)、後述するステップS1118に遷移する。
【0100】
仮目的地設定部1146は、設定された目的地に基づいて、仮目的地の検索を行い、自車位置から仮目的地を経由して目的地に行く経路、すなわち健康向上経路の検索を行う(ステップS1109)。仮目的地設定部1146は、地図データベース118に格納された地図情報に基づいて、仮目的地の検索を行う。経路検索部1144は、仮目的地として検索された駐車場から目的地までの経路を検索する。到着時刻算出部1148は、検索により求められた経路を歩行した場合の歩行時間を求める。また、経路検索部1144は、車両位置から仮目的地として検索された駐車場までの経路の検索を行う。到着時刻算出部1148は、車両位置から駐車場までを自動車により走行した場合における走行時間を求め、この走行時間と歩行時間とを合計し、車両位置から仮目的地を経由して目的地に行く場合の到達時間を計算する。その結果、歩行経路と、到着予想時刻とが求められる。注意喚起項目計算部1150は、設定された目的地から仮目的地として検索された駐車場までの距離を計算し、該距離を徒歩により歩行した場合の消費カロリー、歩数を計算する。その結果、歩行経路・歩行距離、歩行経路・歩行時間、歩行経路・消費カロリー、歩行経路・歩数、駐車場・駐車料金のデータが求められる。検索経路結合部1152は、求められたデータを一時的に蓄積する。
【0101】
検索経路結合部1152は、蓄積されたデータから、経路毎に、自動車による走行経路・到着予想時刻、歩行経路・歩行時間、歩行経路・歩行距離、歩行経路・消費カロリー、歩行経路・歩数、駐車場・駐車料金が対応付けられ結合される。また、検索経路結合部1152は、ステップS1107において、現在の状況が該拒否理由のうち、健康向上経路の選択される可能性が低いと判断される理由のいずれかに該当し、又は目的地の入力を行ったユーザに関する過去に選択した経路の情報が、過去選択経路記録部120に記録されていない場合には、ステップS1104により検索された走行経路と、該走行経路使用した場合の到着予想時刻とを結合する(ステップS1108)。
【0102】
表示部106は、検索経路の表示を行う(ステップS1120)。
【0103】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0104】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の一実施例に係るナビゲーション装置を示す部分ブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係るナビゲーション装置における経路探索処理部の詳細を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係るナビゲーション装置における経路案内の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施例に係るナビゲーション装置における経路の表示の一例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施例に係るナビゲーション装置における過去選択経路記録部に記録される情報の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施例に係るナビゲーション装置の動作を示すフロー図である。
【図7】本発明の一実施例に係るナビゲーション装置におけるデータの流れを示すフロー図である。
【図8】本発明の一実施例に係るナビゲーション装置を示す部分ブロック図である。
【図9】本発明の一実施例に係るナビゲーション装置における過去提案状況記録部に記録される情報の一例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施例に係るナビゲーション装置における経路探索処理部の詳細を示すブロック図である。
【図11】本発明の一実施例に係るナビゲーション装置の動作を示すフロー図である。
【図12】本発明の一実施例に係るナビゲーション装置におけるデータの流れを示すフロー図である。
【符号の説明】
【0106】
100 ナビゲーション装置
102 GPS装置
104 操作部
106 表示部
108 音声合成部
110 制御部
112 注意喚起項目設定部
114 経路探索処理部
116 経路誘導処理部
118 地図データベース
120 過去選択経路記録部
122 健康向上経路提案可否判断部
124 過去提案状況記録部
1142 目的地設定部
1144 経路検索部
1146 仮目的地設定部
1148 到着時刻算出部
1150 注意喚起項目計算部
1152 検索経路結合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定された目的地までの経路を案内する経路案内装置であって、
前記目的地に基づいて、該目的地から所定距離以内に存在する仮目的地を設定する仮目的地設定手段と、
自経路案内装置の位置から前記仮目的地までの経路及び前記仮目的地から前記目的地までの経路を検索する経路検索手段と、
前記仮目的地から目的地までの経路に基づいて、健康増進に関する健康増進指標を計算する健康増進指標算出手段と、
前記自経路案内装置の位置から前記仮目的地を経由して前記目的地に向かう経路を、対応する健康増進指標とともに提示する経路提示手段と、
選択された経路と、該経路に対応して提示された健康増進指標とを記憶する過去選択経路記録手段と
を備え、
前記健康増進指標算出手段は、前記過去選択経路記録手段に記憶された健康増進指標に基づいて、前記経路提示手段に提示する健康増進指標を選択し、選択した健康増進指標を計算することを特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載の経路案内装置において、
前記仮目的地設定手段は、前記目的地に歩行により移動する仮目的地を設定することを特徴とする経路案内装置。
【請求項3】
請求項2に記載の経路案内装置において、
前記健康増進指標算出手段は、健康増進指標として、前記仮目的地から目的地までの経路の歩行時間、歩行距離、歩数、消費カロリーのうち少なくとも1つを計算することを特徴とする経路案内装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の経路案内装置において、
前記経路提示手段は、前記自経路案内装置の位置から直接前記目的地に向かう経路及び前記自経路案内装置の位置から前記仮目的地を経由して前記目的地に向かう経路とともに、その経路を使用した場合に必要な料金を提示することを特徴とする経路案内装置。
【請求項5】
請求項1に記載の経路案内装置において、
前記自経路案内装置の位置から前記仮目的地を経由して前記目的地に向かう場合の、到着予想時刻を求める到着時刻算出手段
を備え、
前記経路提示手段は、前記到着予想時刻を提示することを特徴とする経路案内装置。
【請求項6】
請求項1に記載の経路案内装置において、
前記自経路案内装置の位置から前記仮目的地を経由して前記目的地に向かう経路以外の経路が選択された場合に、その理由を記録する過去提案状況記録手段と、
前記過去提案状況記録手段に記録された理由に基づいて、前記自経路案内装置の位置から前記仮目的地を経由して前記目的地に向かう経路を提示するか否かを判断する経路提示判断手段と
を備えることを特徴とする経路案内装置。
【請求項7】
指定された目的地までの経路を案内する経路案内方法装置における経路案内方法であって、
前記目的地に基づいて、該目的地から所定距離以内に存在する仮目的地を設定する仮目的地設定ステップと、
自経路案内装置の位置から前記仮目的地までの経路及び前記仮目的地から前記目的地までの経路を検索する経路検索ステップと、
前記仮目的地から目的地までの経路に基づいて、健康増進に関する健康増進指標を計算する健康増進指標算出ステップと、
前記自経路案内装置の位置から前記仮目的地を経由して前記目的地に向かう経路を、対応する健康増進指標とともに提示する経路提示ステップと、
選択された経路と、該経路に対応して提示された健康増進指標とを記憶する過去選択経路記録ステップと
を備え、
前記健康増進指標算出ステップでは、前記過去選択経路記録ステップにおいて記憶された健康増進指標に基づいて、前記経路提示ステップにおいて提示する健康増進指標を選択し、選択した健康増進指標を計算することを特徴とする経路案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−36618(P2009−36618A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−200790(P2007−200790)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】