説明

経路検索サーバおよび経路検索プログラム

【課題】出発地から目的地までの移動データであって、時刻表に従って運行する交通機関を利用した終電後の移動データを検索する。
【解決手段】条件取得手段によって取得された条件に従って、平均経路データを検索して出力する平均経路検索手段31と、平均経路データに基づいて、出発地から目的地までの交通機関の終電となる第1の終電データを算出する終電列車割当手段32と、平均経路検索手段によって検索された平均経路データについて、第1の終電データにおける出発地の出発時刻の単位時間以上後に出発し、出発地から目的地まで移動する列車を割り当てて乗換データを算出するとともに、該乗換データについて、翌日の列車の乗車駅となる日越え駅を算出して終電後列車到着駅を決定し、出発地から終電後列車到着駅までの交通機関の終電となる第2の終電データを算出し、第2の終電データを含む移動データを算出する終電後列車割当手段33とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地から目的地までの移動データであって、時刻表に従って運行する交通機関を利用した終電後の移動データを検索する経路検索サーバおよび経路検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報通信の技術に伴い、インターネット等の通信ネットワークを介して、様々な情報が提供されている。その一つに、交通機関の乗換情報がある。乗換情報とは、ユーザが出発地と、目的地と、目的地の到着を希望する時刻等を入力することにより、どの交通機関の何時の電車に乗り、どの駅で乗り換えるか、等の電車の乗換情報を提供するものである。経路検索サービスにおいては、ユーザに最適な乗換情報を提供できる方法が提案されており、その一つに、所定の区間の終電を案内するサービスがある。終電案内サービスは、例えば、仕事や所用で遅くなる場合に予め終電を検索する際に用いられる。
【0003】
終電案内サービスはユーザが入力した出発地および目的地間の終電を案内するものであるが、終電に間に合わない場合の案内サービスもある(例えば、特許文献1参照。)特許文献1等に記載の方法においては、終電時間内に利用することができる目的地に最も近い駅の情報をユーザに提供する。この際、特許文献1に記載の方法では、ユーザの現在位置の位置情報に基づいて、ユーザの位置情報に対して最寄りかつ終電時間内に利用可能な出発駅と、ユーザの住所に対して最寄りかつ終電時間内に利用可能な位置を検索する(特許文献1の段落番号[0020]等参照)。ここで、特許文献1に記載の方法では、ユーザの位置情報を元に、駅の緯度経度情報に基づいて最寄り駅を検索する(特許文献1の段落番号[0032]および[0033]等参照)。
【特許文献1】特開2006−11546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の方法では、位置情報を取得する装置を有しないパーソナルコンピュータ等を用いて検索する際には適切ではない。また、位置情報に基づいて出発地および目的地を検索するため、通常の使いなれていないルートが検索される場合があり、一刻を争う終電後の乗換案内には不向きな場合がある。
【0005】
このように、終電後の移動データを適切に出力する経路検索サーバおよび経路検索プログラムを提供することが期待されている。
【0006】
従って本発明の目的は、終電後の移動データを適切に出力する経路検索サーバおよび経路検索プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、出発地から目的地までの移動データであって、時刻表に従って運行する交通機関を利用した終電後の移動データを検索する経路検索サーバに関する。即ち本発明の第1の特徴に係る経路検索サーバは、交通機関の経路と、経路の駅とが関連づけられた経路データを、記憶装置に記憶する経路データ記憶手段と、乗換の条件を取得する条件取得手段と、記憶装置から経路データを読み出し、条件取得手段によって取得された条件に従って、平均経路データを検索して出力する平均経路検索手段と、平均経路データに基づいて、出発地から目的地までの交通機関の終電となる第1の終電データを算出する終電列車割当手段と、平均経路検索手段によって検索された平均経路データについて、第1の終電データにおける出発地の出発時刻の単位時間以上後に出発し、出発地から目的地まで移動する列車を割り当てて乗換データを算出するとともに、該乗換データについて、翌日の列車の乗車駅となる日越え駅を算出して終電後列車到着駅を決定し、出発地から終電後列車到着駅までの交通機関の終電となる第2の終電データを算出し、第2の終電データを含む移動データを算出する終電後列車割当手段と、移動データを出力する結果提示手段とを備える。
【0008】
ここで、交通機関の各駅間のタクシー料金が関連づけられたタクシー料金データを、記憶装置に記憶するタクシー料金データ記憶手段と、記憶装置からタクシー料金データを読み出して、終電後列車到着駅と目的地とのタクシー料金を算出するタクシー料金算出手段をさらに備え、移動データは、タクシー料金算出手段によって算出されたタクシー料金を含んでも良い。
【0009】
また、平均経路検索手段はさらに、経路上の駅間の距離を記憶し、平均経路検索手段が複数の平均経路データを算出した場合、終電後列車割当手段は、平均経路検索手段が算出したすべての平均経路データについて乗換データおよび日越え駅を算出し、目的地との距離が最も小さい日越え駅を終電後列車到着駅としても良い。
【0010】
また、終電後列車割当手段は、さらに、第2の終電データにおける出発地の出発時刻の単位時間以上後に出発し、出発地から目的地まで移動する新たな乗換データを算出するとともに、該新たな乗換データについての新たな日越え駅を算出して新たな終電後列車到着駅を決定し、出発地から新たな終電後列車到着駅までの交通機関の終電となる第3の終電データを算出し、第3の終電データを含む新たな移動データを算出しても良い。
【0011】
また、終電後列車割当手段は、新たな終電後列車到着駅が出発地になるまで、新たな移動データを算出する処理を繰り返しても良い。
【0012】
また、タクシー料金算出手段はさらに、新たな終電後列車到着駅と目的地との新たなタクシー料金を算出し、新たな移動データは、タクシー料金算出手段によって算出された新たなタクシー料金を含んでも良い。
【0013】
本発明の第2の特徴は、出発地から目的地までの移動データであって、時刻表に従って運行する交通機関を利用した終電後の移動データを検索する経路検索プログラムに関する。即ち本発明の第2の特徴に係る経路検索プログラムは、交通機関の経路と、経路の駅とが関連づけられた経路データを、記憶装置に記憶する経路データ記憶手段と、乗換の条件を取得する条件取得手段と、記憶装置から経路データを読み出し、条件取得手段によって取得された条件に従って、平均経路データを検索して出力する平均経路検索手段と、平均経路データに基づいて、出発地から目的地までの交通機関の終電となる第1の終電データを算出する終電列車割当手段と、平均経路検索手段によって検索された平均経路データについて、第1の終電データにおける出発地の出発時刻の単位時間以上後に出発し、出発地から目的地まで移動する列車を割り当てて乗換データを算出するとともに、該乗換データについて、翌日の列車の乗車駅となる日越え駅を算出して終電後列車到着駅を決定し、出発地から終電後列車到着駅までの交通機関の終電となる第2の終電データを算出し、第2の終電データを含む移動データを算出する終電後列車割当手段と、移動データを出力する結果提示手段とを、コンピュータに機能させる。
【0014】
ここで、交通機関の各駅間のタクシー料金が関連づけられたタクシー料金データを、記憶装置に記憶するタクシー料金データ記憶手段と、記憶装置からタクシー料金データを読み出して、終電後列車到着駅と目的地とのタクシー料金を算出するタクシー料金算出手段をさらにコンピュータに機能させ、移動データは、タクシー料金算出手段によって算出されたタクシー料金を含んでも良い。
【0015】
また、平均経路検索手段はさらに、経路上の駅間の距離を記憶し、平均経路検索手段が複数の平均経路データを算出した場合、終電後列車割当手段は、平均経路検索手段が算出したすべての平均経路データについて乗換データおよび日越え駅を算出し、目的地との距離が最も小さい日越え駅を終電後列車到着駅としてもよい。
【0016】
また、終電後列車割当手段は、さらに、第2の終電データにおける出発地の出発時刻の単位時間以上後に出発し、出発地から目的地まで移動する新たな乗換データを算出するとともに、該新たな乗換データについての新たな日越え駅を算出して新たな終電後列車到着駅を決定し、出発地から新たな終電後列車到着駅までの交通機関の終電となる第3の終電データを算出し、第3の終電データを含む新たな移動データを算出しても良い。
【0017】
また、終電後列車割当手段は、新たな終電後列車到着駅が出発地になるまで、新たな移動データを算出する処理を繰り返しても良い。
【0018】
また、タクシー料金算出手段はさらに、新たな終電後列車到着駅と目的地との新たなタクシー料金を算出し、新たな移動データは、タクシー料金算出手段によって算出された新たなタクシー料金を含んでも良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、終電後の移動データを適切に出力する経路検索サーバおよび経路検索プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
つぎに、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0021】
本発明の最良の実施の形態において「終電」とは、出発地から目的地までの所定区間の交通機関の乗換データのうち、各交通機関で当日扱いとなる最終の乗換データのことを指す。具体的には、ある交通機関の駅で9月5日午前2時に到着する列車が最終の列車であっても、その列車に9月4日発売の切符で乗車できる場合、9月4日の終電として検索される。
【0022】
「終電後列車」とは、所定区間の終電データに基づいて、終電データにおける出発地の出発時刻の単位時間後に出発する列車であって、目的地までの途中駅まで到着する列車のことを指す。
【0023】
「単位時間」とは、経路検索サーバ1に記憶された時刻表データ23aの最小時間単位である。例えば、時刻表データ23aが1分単位で作成されている場合、単位時間は1分となる。同様に、時刻表データ23が10秒単位で作成されている場合、単位時間は10秒となる。本発明の最良の実施の形態においては、時刻表データ23aが1分単位で作成されており、単位時間が1分の場合について説明する。
【0024】
(最良の実施の形態)
本発明の最良の実施の形態に係る経路検索システムは、経路検索サーバ1、クライアント端末2a等を備えている。経路検索サーバ1とクライアント端末2a等は、インターネット等の通信ネットワーク3によって、相互に接続されている。
【0025】
経路検索サーバ1は、所定の条件で、出発地から目的地までの交通機関の乗換を検索した結果である乗換データを出力する。経路検索サーバ1は、クライアント端末2a等から条件を受信し、その条件に従って出発地から目的地までの交通機関の乗換を検索し、その結果である乗換データを、条件を入力したクライアント端末2a等の表示画面に表示する。
【0026】
ここで所定の条件とは、クライアント端末2a等から、ユーザの操作によって入力される。所定の条件は具体的には、出発地、目的地、出発地を出発する時刻を指定した出発希望時刻、目的地に到着する時刻を指定した到着希望時刻が挙げられる。出発地および目的地は、電車の駅やバスの停留所など交通機関の乗車下車できる地点である。さらに所定の条件は、複数の乗換データからユーザのニーズにあった条件を優先するために、所要時間優先、乗換回数優先、運賃優先、今来る列車に乗ることを優先する今来る列車優先、等が挙げられる。
【0027】
本発明の最良の実施の形態に係る経路検索サーバ1は特に、終電後の移動データを適切に出力する。従って、所定の条件として、出発地および目的地の他に、終電や終電後列車を検索する旨の指示が含まれる。
【0028】
クライアント端末2aは、一般的にCPU、記憶装置、入力装置および表示装置等を備える電子機器である。クライアント端末2aにはブラウザなどの所定のソフトウェアなどがインストールされている。このソフトウェアは、経路検索サーバ1に送信する所定条件の入力や、経路検索サーバ1から送信された検索結果の出力等を支援する。クライアント端末2bおよびクライアント端末2cも、クライアント端末2aと同様の構成を備える。
【0029】
図2に示すように、本発明の最良の実施の形態に係る経路検索サーバ1は、中央処理制御装置101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103および入出力インタフェース109が、バス110を介して接続されている。入出力インタフェース109には、入力装置104、表示装置105、通信制御装置106、記憶装置107およびリムーバブルディスク108が接続されている。
【0030】
中央処理制御装置101は、入力装置104からの入力信号に基づいてROM102から経路検索サーバ1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、さらに記憶装置107に記憶されたオペレーティングシステムを読み出す。さらに中央処理制御装置101は、入力装置104や通信制御装置106などの入力信号に基づいて、各種装置の制御を行ったり、RAM103や記憶装置107などに記憶されたプログラムおよびデータを読み出してRAM103にロードするとともに、RAM103から読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、データの計算または加工など、後述する一連の処理を実現する処理装置である。
【0031】
入力装置104は、操作者が各種の操作を入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成し、入出力インタフェース109およびバス110を介して中央処理制御装置101に送信される。表示装置105は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイなどであり、中央処理制御装置101からバス110および入出力インタフェース109を介して表示装置105において表示させる出力信号を受信し、例えば中央処理制御装置101の処理結果などを表示する装置である。通信制御装置106は、LANカードやモデムなどの装置であり、経路検索サーバ1をインターネットやLANなどの通信ネットワークに接続する装置である。通信制御装置106を介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インタフェース109およびバス110を介して中央処理制御装置101に送受信される。
【0032】
記憶装置107は半導体記憶装置や磁気ディスク装置であって、中央処理制御装置101で実行されるプログラムやデータが記憶されている。リムーバブルディスク108は、光ディスクやフレキシブルディスクのことであり、ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インタフェース109およびバス110を介して中央処理制御装置101に送受信される。
【0033】
本発明の最良の実施の形態に係る経路検索サーバ1の記憶装置107には、経路検索プログラムが記憶されるとともに、検索条件データ記憶部21、経路データ記憶部22、時刻表データ記憶部23、運賃データ記憶部24、タクシー料金データ記憶部25および結果データ記憶部26を備えている。また、経路検索プログラムが経路検索サーバ1の中央処理制御装置101に読み込まれ実行されることによって、条件取得手段11、経路検索手段12および結果提示手段13が経路検索サーバ1に実装される。
【0034】
検索条件データ記憶部21は、クライアント端末2a等から受信した交通機関の乗換の検索条件データ21aが記憶された記憶部である。条件取得手段11が、記憶装置107の検索条件データ記憶部21に、検索条件データ21aを記憶する。検索条件データ21aは、出発地および目的地の識別子を含み、一般的に、出発地の出発希望時刻または到着地の到着希望時刻を含むデータである。特に本発明の最良の実施の形態において検索条件は、出発地および目的地間の交通機関の終電や、終電後列車を案内する旨が含まれる。さらに、検索条件データ21aに、検索結果を「所要時間」の短い順に出力するか等のソート条件も含まれる場合がある。
【0035】
経路データ記憶部22は、経路データ22aが記憶された記憶部である。経路データ記憶手段(図示せず)が、記憶装置107の経路データ記憶部22に、経路データ22aを記憶する。経路データ22aは、交通機関の路線と、路線上に位置する駅と、経路上の駅間の距離と、を関連づけたデータである。経路上の駅間の距離は営業距離でも良いが、駅位置から算出される直線距離でも良い。直線距離の場合、後述する終電後列車の下車駅から目的地までタクシー等で移動する場合の基準とすることができる。
【0036】
時刻表データ記憶部23は、時刻表データ23aが記憶された記憶部である。時刻表データ記憶手段(図示せず)が、記憶装置107の時刻表データ記憶部23に、時刻表データ23aを記憶する。時刻表データ23aは、交通機関の経路の列車の時刻表を関連づけたデータである。時刻表データ23aは、交通機関、経路の駅および電車種別毎に記憶されていることが好ましい。
【0037】
運賃データ記憶部24は、運賃データ24aが記憶された記憶部である。運賃データ記憶手段(図示せず)が、記憶装置107の運賃データ記憶部22に、運賃データ24aを記憶する。運賃データ24aは、交通機関の経路と運賃を関連づけたデータである。運賃データ24aは、交通機関の距離毎に記憶されていることが好ましい。
【0038】
タクシー料金データ記憶部25は、タクシー料金データ25aが記憶された記憶部である。タクシー料金データ記憶手段(図示せず)が、記憶装置107のタクシー料金データ記憶部25に、タクシー料金データ25aを記憶する。タクシー料金データ25aは、交通機関の各駅間についてタクシー料金が関連づけられている。また、別の実施例としては、タクシー料金を計算するために必要となる、初乗り運賃と初乗り運賃が適用される距離、さらに従量制の距離と料金の情報を記憶しても良い。この場合、後述するタクシー料金算出手段35が、タクシーで移動となる距離を取得して、タクシー料金を算出しても良い。
【0039】
経路データ22a、時刻表データ23a、運賃データ24aおよびタクシー料金データ25aは、一般的な経路検索サーバが有している情報で、経路検索が可能であれば、どのような構成を備えていても良い。
【0040】
結果データ記憶部26は、結果データ26aが記憶された記憶部である。経路検索手段12が、記憶装置107の結果データ記憶部26に、結果データ26aを記憶する。結果データ25aは、出発地から目的地までの終電後の列車であって、終電における出発地の出発時刻より単位時間後に出発地を出発し、終電後列車の到着駅までの乗換データを含む。さらに結果データ25aには、終電後列車到着駅から目的地までタクシーで移動する場合の所要時間、料金等が含まれても良い。
【0041】
検索条件データ記憶部21に記憶された検索条件データ21aおよび結果データ記憶部25に記憶された結果データ25aは、本発明の最良の実施の形態に係る経路検索サーバ1の処理における一時データであるので、記憶装置107ではなく、RAM103に記憶され、必要に応じて消去されても良い。
【0042】
つぎに図3を参照して、本発明の最良の実施の形態に係る経路検索サーバ1の処理の概略を説明する。
【0043】
まずクライアント端末2a等から検索条件が入力されると、ステップS1において、経路検索処理に先立って初期化する。具体的には、経路検索処理で使用される変数の初期化などが行われる。ここで検索条件とは、出発地、目的地、経由地等の経路を決定するための条件と、出発希望時刻、到着希望時刻、所用時間優先、乗換回数優先、運賃優先、今くる列車優先、ユーザに最適な経路を出力するための条件が含まれる。ここでは、出発地を「A駅」、目的地を「B駅」として、出発地から目的地までの終電または終電後列車を求めるとの条件が入力されたとする。
【0044】
つぎにステップS2ないしステップS6において、乗換データを算出する処理が行われる。具体的には、ステップS2において、A駅からB駅までの平均経路データが検索される。ここで平均経路データとは、ユーザが入力した条件に適合する可能性のある経路データである。この平均経路データでは、出力する経路数以上の経路が出力される。つぎに、ステップS2で検索された平均経路のそれぞれについて、ステップS3において、列車の時刻表データ等を参照して、A駅からB駅までの終電の列車を割り当てる。
【0045】
つぎにステップS4において、ステップS3で検索した終電列車の出発地A駅における出発時刻に単位時間を足した時間を算出し、時刻Tとする。さらにステップS5において、終電後の列車を割り当てる。具体的には、出発地A駅をステップS4で算出した時刻Tに出発する列車を検索する。ステップS5で割り当てられる列車は、A駅からB駅までの終電よりも後の列車になるので、A駅から、A駅とB駅の間のC駅までの終電の列車となる。ステップS6において、列車の運賃データ等を参照して、運賃を算出する。さらにステップS7において、タクシー料金が算出される。ここで算出されるタクシー料金は、C駅からB駅までのタクシー料金である。
【0046】
ステップS2で算出された平均経路のすべて或いは一部について、ステップS3ないしステップS7の処理を繰り返す。ステップS2ないしステップS7で算出された結果は、結果データ25aとして記憶装置107に記憶される。
【0047】
さらに、ステップS8において、結果データ25aのうち、ユーザが入力した検索条件に適合する乗換データを出力する。ここでは、ユーザが、「所要時間優先」で経路検索しているので、ステップS8において、所要時間が短いものから優先した乗換データが、クライアント端末2a等に出力される。ステップS8で出力される経路データは、一つでも良いし複数でも良い。
【0048】
つぎに、図1を参照して、本発明の最良の実施の形態に係る経路探索サーバ1の各処理手段について詳述する。
【0049】
条件取得手段11は、乗換のための検索条件を取得する。条件取得手段11は、クライアント端末2a等から通信ネットワーク4、通信制御装置106等を介して入力された検索条件データ21aを、検索条件データ記憶部21に記憶する。この検索条件データ21aには、出発地、目的地、経由地等の経路を決定するための条件と、出発希望時刻、到着希望時刻、時間優先、乗換回数優先、運賃優先、今くる列車優先、ユーザに最適な経路を出力するための条件が含まれる。本発明の最良の実施の形態においては特に、検索条件データ21aとして終電または終電後列車を検索する旨が含まれる。また条件取得手段11は、条件を取得すると、経路検索のための初期化処理をする。
【0050】
経路検索手段12は、記憶装置107から経路データ22aを読み出し、条件取得手段11によって取得された検索条件データ21aに従って、乗換データを検索して出力する。ここで出力される乗換データは、ユーザが入力した出発地から目的地までの交通機関の終電後の列車に関する乗換のデータである。経路検索手段12は、さらに、記憶装置107から時刻表データ23aを読み出し、出力された乗換データに交通機関の列車の時刻を割り当てて、交通機関の時刻と、当該乗換データにおける所要時間を出力する。経路検索手段12は、さらに、出力された乗換データにおける乗換回数を出力する。経路検索手段12は、さらに、記憶装置107から運賃データを読み出し、出力された乗換データの運賃を算出して出力する。乗換検索手段12は、さらに、記憶装置107からタクシー料金データ25aを読み出し、終電後列車到着駅から目的地までのタクシーの料金や所要時間等も出力する。
【0051】
図1に示すように経路検索手段12はさらに、平均経路検索手段31、終電列車割当手段32、終電後列車割当手段33、列車料金算出手段34、タクシー料金算出手段35および出力順序算出手段36を備える。
【0052】
平均経路探索手段31は、記憶装置107から経路データ22aを読み出し、条件取得手段11によって取得された条件に従って、平均経路データを検索して出力する。
【0053】
本発明の実施の形態に係る経路検索手段12の平均経路検索手段31の経路検索方法について、まず、複数の「ノード」とノード間を接続する「アーク」からなるネットワークについて説明する。経路探索で用いるネットワークは、基本的には、駅を「ノード」とみなし、線路上で隣り合う駅間に「アーク」を設けて作成する。「アーク」には駅間の移動時間が付されており、これを「重み」という。この例として、X駅とY駅のネットワークを図4に示す。ここでは、X駅、Y駅がノードとなり、記号A、B、C、D、Eを付した実線で示す両端矢印がアークを表す(上り/下りの2本のアークを1本にまとめて表している)。アークに付された記号A、B、C、D、Eは路線名を表す。この他に、路線の各アークには、上り/下りのフラグ、平均所要時間等が付されている。また、図5では、X駅とY駅の間を破線のアークで示し、徒歩13分の位置にあるとしている。
【0054】
路線間の乗換には、同じ駅で乗り換える場合と、異なる駅間を移動して乗り換える場合とがある。同じ駅での乗換については、駅をクリーク化する。「クリーク」とは、与えられたグラフに含まれる複数の点(ノード)からなる完全部分グラフのことである。「クリーク化」とは、一つの駅を、その駅に接続する路線数に相当するノードで表し、ノード間に乗換のためのアークを設けることである。クリーク化された複数のノード間にはアークを張って乗換時間を付す。図5は、X駅、Y駅をクリーク化した例である。
【0055】
X駅は、A路線のX駅(A)、B路線のX駅(B)、C路線のX駅(C)からなる3点完全グラフ(三角形)にクリーク化されており、ノード間の乗換時間はすべて3分となっている。また、Y駅は、D路線のY駅(D)、E路線のY駅(E)からなる2点完全グラフにクリーク化されており、ノード間の乗換時間は2分となっている。クリーク内のノードを「クリーク駅」と呼び、クリーク駅間のアークを「路線変更アーク」と呼ぶ。
【0056】
列車の場合の路線変更とは、路線を乗り換えることを指す。異なる駅間での徒歩による乗換については、新たに「徒歩アーク」を設ける。路線変更アークも徒歩アークも徒歩による移動であるが、便宜上、区別して用いる。図5において、太線は路線変更アークを、破線は徒歩アークを表す。徒歩アークは、X駅とY駅のクリーク駅のすべてのペアに対して張られる。徒歩アークまたは路線変更アークには、それを識別するためのフラグや、移動または乗換時間等が付されている。
【0057】
また、本来の駅とクリーク駅を区別するために、本来の駅を本来駅と呼ぶことにする。例えば、X駅やY駅は本来駅であり、X駅(A)、X駅(B)、X駅(C)はクリーク駅である。X駅は複数のクリーク駅としてネットワークに残る。
【0058】
つぎに、本発明の最良の実施の形態に係る経路検索手段12の経路検索方法について、図6を用いて説明する。
【0059】
まず、経路検索を行う前提として、ステップS101において、駅をノードに持ち、駅間の路線および徒歩乗換をアークで表現するネットワークの作成を行う。このとき、作成されるネットワークは、例えばネットワークAであり、A、A2、A1、A0等の間のグループ番号が切り替わる箇所を記憶する。作成されたネットワークは経路データとして経路データ記憶部21に記憶される。なお、これら複数のネットワークは、別の装置で予め作成されて、経路データ記憶部21に記憶されても良い。
【0060】
つぎに、ステップS102において、ユーザによってクライアント端末2a等から入力された乗車駅、下車駅、出発時刻、到着時刻等の検索条件を読み込む。ステップS103において、記憶装置107から、経路データ、時刻表データ、運賃データ等の必要なデータを読み込む。
【0061】
つぎに、ステップS104において、ダイクストラ法等を用いて、最短パス木の作成を行う。ここで作成された最短パス木は、最短パス木データとして保存される。そして、ステップS105において、マーチンのアルゴリズム等を用いて、最短パス木データをもとに、乗車駅の代表クリーク駅から下車駅の代表クリーク駅に至る第1〜K最短パスの検索を行う。このとき、ネットワークA、A2、A1、A0を用いて、飛行機、新幹線、有料特急、普通列車等を利用したパス群をバランス良く求める。これらのパス群の中にはたまたま同一のパスが含まれることもあるので、それらを除去し、最終的に第1〜K最短パスを得る。得られた第1〜K最短パスは、複数パスデータに保存される。
【0062】
つぎに、ステップS106において、第1〜K最短パスを短縮して第1〜K経路を得る。具体的には、第1〜K最短パスそれぞれに対して、路線変更アークをすべて除去し、さらに連続する同一路線名のアークをすべて短縮する。求められた複数経路は、複数経路データに保存される。本発明の最良の実施の形態において、ここで求められる経路を平均経路データと称す。本発明の最良の実施の形態においては、ステップS101ないしステップS106で算出された平均経路データに基づいて、終電や終電後列車を検索する。
【0063】
このような本発明の最良の実施の形態に係る経路検索手段12による経路検索方法によると、地点をノードに持ち、地点間の路線および徒歩乗換をアークで表現するネットワークにおいて、飛行機、新幹線、有料特急、普通列車等を利用した経路をバランス良く求めることができる。
【0064】
終電列車割当手段32は、平均経路探索手段31で出力された平均経路データに基づいて、出発地から目的地までの交通機関の終電となる第1の終電データを算出する。終電列車割当手段32は、従来通り、出発地A駅から目的地B駅までの交通機関における終電の乗換データを出力する。終電列車割当手段32が出力する乗換データは、出発地A駅から目的地B駅まですべて交通機関で移動する場合の乗換データである。図11に示す例によると、終電列車割当手段32は、A駅を23:25に出発し、B駅に00:07に到着する乗換データを終電データとして出力する。
【0065】
終電列車割当手段32は、例えば午前3時などの当日扱いとなる時間の最後の時間までに到着する列車であって、最も遅く出発地を出発する列車を割り当てることにより、終電の乗換データを算出することができる。また終電列車割当手段32は、終電と考えられる時間帯の各時間を発時間に設定して、最も遅くに出発地を出発し、当日扱いとなる時間までに到着する列車を検索しても良い。
【0066】
終電後列車割当手段33は、平均経路検索手段31によって検索された平均経路データについて、第1の終電データにおける出発地の出発時刻の単位時間以上後に出発し、出発地から目的地まで移動する列車を割り当てて乗換データを算出する。さらに終電後列車割当手段33は、この乗換データについて、日越え駅を算出して終電後列車到着駅を決定し、出発地から終電後列車到着駅までの交通機関の終電となる第2の終電データを算出する。終電後列車割当手段33は、第2の終電データを含む移動データを算出する。ここで、日越え駅とは、翌日の列車の乗車駅となる。
【0067】
終電列車割当手段32は、A駅を23:36に出発する列車を終電データとして検索している。本発明の最良の実施の形態において単位時間は1分であるので、終電後列車割当手段33は、A駅を23:37分以降に出発するB駅までの乗換データを検索する。A駅を23:37分以降に出発する列車に乗車しても、A駅を23:36分発が終電であるので、A駅からB駅の乗換データを検索すると、翌日の始発以降の列車を利用する区間が発生する。例えば、A駅からC駅までは当日扱いの列車で移動できるが、C駅からB駅までは翌日の始発以降の列車を利用する検索結果が出力される。
【0068】
そこで、本発明の最良の実施の形態においては、翌日の列車の乗車駅となるC駅を、終電後列車到着駅として定義づける。A駅からC駅までを交通機関の乗換で案内し、C駅からB駅までは交通機関によらない移動手段として、例えばタクシーや徒歩等で案内する。このように、終電後列車到着駅は、ユーザによって入力された終電について出発地の出発時刻よりも単位時間以降に出発する列車に乗車した場合に、当日扱いで移動できる駅であって、目的地B駅に最も近い駅である。
【0069】
終電後列車割当手段33の処理は、後に詳述する。
【0070】
列車料金算出手段34は、記憶装置107から運賃データ24aを読み出して、終電後列車割当手段33によって算出された第2の終電データについて、出発地から終電後列車到着駅までの交通機関の運賃を算出する。経路検索サーバ1が終電列車割当手段32によって算出された第1の終電データを算出する場合、第1の終電データについて、出発地から目的地までの交通機関の運賃を算出する。複数の平均経路について第1の終電データを算出する場合や、複数の終電後列車を割り当てて複数の第2の終電データを算出する場合、列車料金算出手段34は、各第1の終電データまたは第2の終電データについて、交通機関の運賃を算出する。
【0071】
タクシー料金算出手段35は、記憶装置107からタクシー料金データ25aを読み出して、終電後列車到着駅と目的地とのタクシー料金を算出する。タクシー料金算出手段35は、終電後列車割当手段33によって算出された第2の終電データについて、タクシー料金データ25aから、終電後列車到着駅と目的地間の料金を抽出する。タクシー料金算出手段35は、記憶装置107から経路データ22aを読み出して終電後列車到着駅と目的地間の距離を算出し、算出された距離に基づいてタクシー料金を算出しても良い。複数の終電後列車を割り当てて複数の第2の終電データを算出する場合、タクシー料金算出手段35は、各第2の終電データについて、タクシー料金を算出する。
【0072】
出力順序算出手段36は、複数の終電後列車を割り当てて複数の第2の終電データを算出する場合、所要時間優先、乗換回数優先、運賃優先等の条件取得手段11によって取得された条件に従って、複数の第2の終電データをソートして、ソート番号を付与する。
【0073】
経路検索手段12の各手段による出力結果は、結果データ26aとして、記憶装置107の結果データ記憶部26に記憶される。
【0074】
結果提示手段13は、記憶装置107から結果データ26aを読み出して、クライアント端末2aの表示装置に表示可能な形式にデータを成形して、クライアント端末2aに送信する。
【0075】
(終電後列車検索方法)
図7および図8を参照して、本発明の最良の実施の形態に係る終電列車検索手段32および終電後列車割当手段33による終電後列車割当処理を説明する。
【0076】
まず図7を参照して、本発明の最良の実施の形態に係る終電後列車割当処理の概要を説明する。図7(a)に示すように、終電列車検索手段32が、出発地A駅から目的地B駅までの終電を検索し、第1の終電データとする。ここで、出発地A駅の出発時刻を、TD0とする。
【0077】
つぎに、図7(b)に示すように、出発地A駅を時刻T(時刻TD0の1分後)に出発するA駅からB駅までの列車時刻を割り当てる。ここで、平均経路検索手段31により複数の平均経路が求められた場合、図7(b)に示すように複数の列車割当がなされる。このとき、各列車割当に対して、日越え駅を決定し、それぞれC1駅、C2駅およびC3駅とする。ここで日越え駅とは、図7(b)に示すように、出発地A駅を時刻Tに出発する出発地A駅から目的地B駅までの列車時刻を割り当てた際に、翌日の列車の乗車駅となる駅である。換言すると、日越え駅は、出発駅A駅から、当日扱いの切符で移動できる駅であって、その平均経路上で最もB駅に近い駅である。ここで、各日越え駅C1駅、C2駅およびC3駅のうち、目的地B駅との距離が最短となる駅を検索し、終電後列車到着駅とする。図7(b)に示す例では、駅C1を終電後列車到着駅とする。終電後列車到着駅から目的地B駅の距離が最短になるように終電後列車到着駅を選択することで、終電後列車到着駅から目的地B駅の移動が最も楽になる経路を検索することができる。特に環状線等の路線においては、目的地までの駅の数や所要時間よりも、距離に基づいて終電後列車到着駅を決定するほうが、ユーザに便利な経路を検索することができる。
【0078】
図7(b)に示すように、終電後列車到着駅を決定すると、図7(c)に示すように、出発駅A駅から終電後列車到着駅C1駅の区間について、終電列車割当手段32により終電を検索し、第2の終電データとする。さらに、終電後列車到着駅C1駅から目的地B駅までの区間についてタクシーで移動する場合の料金や所要時間を検索する。
【0079】
図8を参照して、本発明の最良の実施の形態に係る終電後列車割当処理を説明する。
【0080】
まずステップS201において、変数「終電後列車到着駅」として出発地を設定する。ここで設定される駅は、後述するステップS207の判定に用いられる駅なので、どの駅にも該当しないダミーの駅や、nullでも良い。さらに、変数「D_min」として、出発地と目的地の距離を代入する。この変数D_minには、日越え駅と目的地との距離の最大値より大きい値であれば、どのような数値が代入されても良い。
【0081】
つぎに、ステップS202において、平均経路検索手段31において検索された平均経路データのそれぞれについて、ステップS202ないしステップS206の処理を繰り返す。
【0082】
ステップS202において、出発地から目的地までの列車であって、出発地を時刻Tに出発する列車を割り当てる。ステップS203において、ステップS202において割り当てられた列車について、日越え駅を特定する。具体的には、当日扱いの切符で行ける最も目的地に経路上で近い駅を日越え駅とする。例えば、ある交通機関が、夜の3時に下車するまで当日扱いの切符で行ける場合、夜の3時に最も近い時間に下車できる駅を日越え駅とする。
【0083】
つぎに、ステップS204において、変数「D」に、日越え駅と目的地との距離を代入する。このとき終電後列車割当手段33は、記憶装置107から経路データ22aを読み出して、日越え駅と目的地との距離を抽出する。さらにステップS205において、変数Dより変数D_minが大きいか否かを判定する。大きくない場合、他の平均経路についてステップS202ないしステップS206の処理を繰り返す。
【0084】
一方、変数Dより変数「D_min」が大きい場合、ステップS206において、変数「終電後列車到着駅」にステップS203で特定した日越え駅を代入するとともに、変数「D_min」に、当該終電後列車到着駅と目的地との距離を代入する。さらに、他の平均経路についてステップS202ないしステップS206の処理を繰り返す。
【0085】
すべての平均経路についてステップS202ないしステップS206の処理が終了すると、ステップS207において、変数「終電後列車到着駅」が出発地であるか否か、具体的には、ステップS201で設定した初期値のままであるか否かを判定する。初期値の場合、終電後列車で当日扱いの切符で移動できる乗換データは案内できないとして、処理を終了する。一方、変数「終電後列車到着駅」が出発地でない場合、ステップS208において出発地から終電後列車到着駅までの区間について、終電を検索し、第2の終電データとして出力する。
【0086】
このように本発明の最良の実施の形態に係る経路検索サーバ1によれば、所定の区間について終電を検索した後、その終電の出発駅の出発時刻より単位時間後にその出発駅を出発し、目的地までの列車を検索して日越え駅となる終電後列車到着駅を特定する。従って、通常の検索エンジンの入力データを工夫することで終電後の乗換データを容易に案内することができるので、開発を容易に行うことができる。
【0087】
さらに、出発地から終電後列車到着駅までの終電を改めて検索することにより、出発地をさらに遅く出発する列車を案内することができる。
【0088】
(第1の変形例)
つぎに図9ないし図12を参照して本発明の第1の変形例を説明する。
【0089】
まず図9を参照して、本発明の第1の変形例に係る終電後列車割当処理の概要を説明する。図9(a)に示すように、終電列車検索手段32が、出発地A駅から目的地B駅までの終電を検索し、第1の終電データとする。ここで、出発地A駅の出発時刻を、TD0とする。
【0090】
つぎに、図9(b)に示すように、出発地A駅を時刻T(時刻TD0の1分後)に出発するA駅からB駅までの列車時刻を割り当てる。ここで、平均経路検索手段31により複数の平均経路が求められた場合、図9(b)に示すように複数の列車割当がなされる。このとき、各列車割当に対して、日越え駅を決定し、それぞれC1駅、C2駅およびC3駅とする。ここで、各日越え駅C1駅、C2駅およびC3駅のうち、目的地B駅との距離が最短となる駅を検索し、第1の終電後列車到着駅とする。図9(b)に示す例では、駅C1を終電後列車到着駅とする。第1の終電後列車到着駅から目的地B駅の距離が最短になるように終電後列車到着駅を選択することで、第1の終電後列車到着駅から目的地B駅の移動が最も楽になる経路を検索することができる。
【0091】
図9(b)に示すように、第1の終電後列車到着駅を決定すると、図9(c)に示すように、出発駅A駅から第1の終電後列車到着駅C1駅の区間について、終電列車割当手段32により終電を検索し、第2の終電データとする。さらに、第1の終電後列車到着駅C1駅から目的地B駅までの区間についてタクシーで移動する場合の料金や所要時間を検索する。ここで、出発地A駅の出発時刻を、TD1とする。
【0092】
さらに、図9(d)に示すように、出発地A駅を時刻T1(時刻TD1の1分後)に出発するA駅からB駅までの列車時刻を割り当てる。ここで、平均経路検索手段31により複数の平均経路が求められた場合、図9(d)に示すように複数の列車割当がなされる。このとき、各列車割当に対して、日越え駅を決定し、それぞれC4駅、C5駅およびC6駅とする。ここで、各日越え駅C4駅、C5駅およびC6駅のうち、目的地B駅との距離が最短となる駅を検索し、第2の終電後列車到着駅(新たな終電後列車到着駅)とする。図9(d)に示す例では、駅C4を第2の終電後列車到着駅とする。第2の終電後列車到着駅から目的地B駅の距離が最短になるように第2の終電後列車到着駅を選択することで、第2の終電後到着駅から目的地B駅の移動が最も楽になる経路を検索することができる。
【0093】
図9(d)に示すように、第2の終電後列車到着駅を決定すると、図9(e)に示すように、出発駅A駅から第2の終電後列車到着駅C4駅の区間について、終電列車割当手段32により終電を検索し、第3の終電データとする。さらに、第2の終電後列車到着駅C4駅から目的地B駅までの区間についてタクシーで移動する場合の料金や所要時間を検索する。ここで、出発地A駅の出発時刻を、TD2とする。
【0094】
さらに、図10(a)に示すように、出発地A駅を時刻T2(時刻TD2の1分後)に出発するA駅からB駅までの列車時刻を割り当てる。ここで、平均経路検索手段31により複数の平均経路が求められた場合、図10(b)に示すように複数の列車割当がなされる。このとき、各列車割当に対して、日越え駅を決定し、それぞれC7駅およびC8駅とする。ここで、各日越え駅C7駅およびC8駅のうち、目的地B駅との距離が最短となる駅を検索し、第3の終電後列車到着駅とする。図10(b)に示す例では、駅C7を第3の終電後列車到着駅とする。第3の終電後列車到着駅から目的地B駅の距離が最短になるように第3の終電後列車到着駅を選択することで、第3の終電後到着駅から目的地B駅の移動が最も楽になる経路を検索することができる。
【0095】
なお、図10(a)に示す例では、上から2番目の経路において、出発時刻T2以降に出発し、出発地A駅から到着地B駅まで、当日扱いの切符で移動できる経路がない場合を示す。この場合、出発地A駅が日越え駅となるので、当該経路の駅が終電後列車到着駅になることはない。
【0096】
図10(b)に示すように、第3の終電後列車到着駅を決定すると、図10(c)に示すように、出発駅A駅から第3の終電後列車到着駅C7駅の区間について、終電列車割当手段32により終電を検索し、第4の終電データとする。さらに、第3の終電後列車到着駅C7駅から目的地B駅までの区間についてタクシーで移動する場合の料金や所要時間を検索する。ここで、出発地A駅の出発時刻を、TD3とする。
【0097】
ここで、出発地A駅を時刻T3(時刻TD3の1分後)に出発するA駅からB駅までの列車割当を繰り返す。この列車割当は、出発地A駅から到着地B駅まで、当日扱いの切符で移動できる経路がなくなるまで繰り返される。
【0098】
図10(c)に示すように、出発地A駅から到着地B駅まで、当日扱いの切符で移動できる経路がなくなると、図10(d)に示すように、出発地A駅から目的地B駅までの区間についてタクシーで移動する場合の料金や所要時間を検索する。
【0099】
このような本発明の第1の変形例においては、図11に示すように、終電後列車を複数提示することができる。図11に示す画面例では、出発地A駅から到着地B駅までの終電を表示した終電経路表示部601と、この終電後の列車でタクシーを利用した経路を表示する複数のタクシー利用経路表示部602a、602b、602cおよび602dを有する。
【0100】
図12を参照して、本発明の第1の変形例に係る終電後列車割当処理を説明する。
【0101】
図12に示すステップS301ないしステップS308は、図8を参照して説明した本発明の最良の実施の形態に係る終電後列車割当処理のステップS201ないしステップS208と同様である。
【0102】
具体的には、まずステップS301において、変数「終電後列車到着駅」(第1の終電後列車到着駅)として出発地を設定する。さらに、変数「D_min」として、出発地と目的地の距離を代入する。
【0103】
つぎに、平均経路検索手段31において検索された平均経路データのそれぞれについて、ステップS302ないしステップS306の処理を繰り返す。
【0104】
ステップS302において、出発地から目的地までの列車であって、出発地を時刻Tに出発する列車を割り当てる。ステップS303において、ステップS202において割り当てられた列車について、日越え駅を特定する。具体的には、当日扱いの切符で行ける最も目的地に経路上で近い駅を日越え駅とする。
【0105】
つぎに、ステップS304において、変数「D」に、日越え駅と目的地との距離を代入する。このとき終電後列車割当手段33は、記憶装置107から経路データ22aを読み出して、日越え駅と目的地との距離を抽出する。さらにステップS305において、変数Dより変数D_minが大きいか否かを判定する。大きくない場合、他の平均経路についてステップS302ないしステップS306の処理を繰り返す。
【0106】
一方、変数Dより変数「D_min」が大きい場合、ステップS306において、変数「終電後列車到着駅」にステップS203で特定した日越え駅を代入するとともに、変数「D_min」に、当該終電後列車到着駅と目的地との距離を代入する。さらに、他の平均経路についてステップS302ないしステップS306の処理を繰り返す。
【0107】
すべての平均経路についてステップS302ないしステップS306の処理が終了すると、ステップS307において、変数「終電後列車到着駅」が出発地であるか否か、具体的には、ステップS201で設定した初期値のままであるか否かを判定する。初期値の場合、終電後列車で当日扱いの切符で移動できる乗換データは案内できないとして、処理を終了する。一方、変数「終電後列車到着駅」が出発地でない場合、ステップS308において出発地から終電後列車到着駅までの区間について、終電を検索し、第2の終電データとして出力する。
【0108】
さらにステップS309において、第2の終電データにおける出発地A駅の出発時刻に単位時間1分を加算して、時刻T1を算出する。つぎに、ステップS310において、さらに、時刻T1以降に出発し出発地A駅から目的地B駅に到着する列車を検索するために、終電後列車割当手段33による終電後列車割当処理を実行する。この処理においても、出発地S307において出発地が終電後列車到着駅になると、処理を終了する。
【0109】
このように本発明の第1の変形例に係る終電後列車割当処理によれば、終電後列車到着駅が出発地に一致するまで、終電データの検索を継続するので、出発地から目的地までの終電後について、複数の経路を出力することができる。さらに、タクシー利用の距離が増えるとともに、出発地の出発時刻を遅くすることができるので、ユーザは自己の状況に応じて、適切な経路を選択することができる。
【0110】
(第2の変形例)
第2の変形例では、第1の変形例と同様に複数の終電後の経路データを出力することができるが、その算出方法が異なる。
【0111】
まず図13を参照して、本発明の第2の変形例に係る終電後列車割当処理の概要を説明する。図13(a)に示すように、終電列車検索手段32が、出発地A駅から目的地B駅までの終電を検索し、第1の終電データとする。ここで、出発地A駅の出発時刻を、TD0とする。
【0112】
つぎに、図13(b)に示すように、出発地A駅を時刻T(時刻TD0の1分後)に出発するA駅からB駅までの列車時刻を割り当てる。ここで、平均経路検索手段31により複数の平均経路が求められた場合、図13(b)に示すように複数の列車割当がなされる。このとき、各列車割当に対して、日越え駅を決定し、それぞれC1駅、C2駅およびC3駅とする。ここで、各日越え駅C1駅、C2駅およびC3駅のうち、目的地B駅との距離が最短となる駅を検索し、第1の終電後列車到着駅とする。図13(b)に示す例では、駅C1を終電後列車到着駅とする。第1の終電後列車到着駅から目的地B駅の距離が最短になるように終電後列車到着駅を選択することで、第1の終電後列車到着駅から目的地B駅の移動が最も楽になる経路を検索することができる。
【0113】
図13(b)に示すように、第1の終電後列車到着駅を決定すると、図13(c)に示すように、出発駅A駅から第1の終電後列車到着駅C1駅の区間について、終電列車割当手段32により終電を検索し、第2の終電データとする。さらに、第1の終電後列車到着駅C1駅から目的地B駅までの区間についてタクシーで移動する場合の料金や所要時間を検索する。ここで、出発地A駅の出発時刻を、TD_C1とする。
【0114】
さらに、図13(d)に示すように、出発地A駅を時刻T1(時刻TD_C1の1分後)に出発するA駅から第1の終電後列車到着駅C1駅までの列車時刻を割り当てる。ここで、平均経路検索手段31により複数の平均経路が求められた場合、図9(d)に示すように複数の列車割当がなされる。このとき、各列車割当に対して、日越え駅を決定し、それぞれC4駅およびC5駅とする。ここで、各日越え駅C4駅およびC5駅と、図13(b)で算出したC2駅およびC3駅のうち、目的地B駅との距離が最短となる駅を検索し、第2の終電後列車到着駅とする。図13(d)に示す例では、駅C2を第2の終電後列車到着駅とする。第2の終電後列車到着駅から目的地B駅の距離が最短になるように第2の終電後列車到着駅を選択することで、第2の終電後到着駅から目的地B駅の移動が最も楽になる経路を検索することができる。
【0115】
図13(d)に示すように、第2の終電後列車到着駅を決定すると、図13(e)に示すように、出発駅A駅から第2の終電後列車到着駅C2駅の区間について、終電列車割当手段32により終電を検索し、第3の終電データとする。さらに、第2の終電後列車到着駅C2駅から目的地B駅までの区間についてタクシーで移動する場合の料金や所要時間を検索する。ここで、出発地A駅の出発時刻を、TD_C2とする。
【0116】
さらに、図14(a)に示すように、出発地A駅を時刻T2(時刻TD_C2の1分後)に出発するA駅から第2の終電後列車到着駅C2駅までの列車時刻を割り当てる。ここで、平均経路検索手段31により複数の平均経路が求められた場合、複数の列車割当がなされる。このとき、各列車割当に対して、日越え駅を決定する。ここで、日越え駅C6駅と、既に算出された日越え駅C3、C4およびC5のうち、目的地B駅との距離が最短となる駅を検索し、第3の終電後列車到着駅とする。図14(b)に示す例では、駅C4を第3の終電後列車到着駅とする。第3の終電後列車到着駅から目的地B駅の距離が最短になるように第3の終電後列車到着駅を選択することで、第3の終電後到着駅から目的地B駅の移動が最も楽になる経路を検索することができる。
【0117】
図14(b)に示すように、第3の終電後列車到着駅を決定すると、図14(c)に示すように、出発駅A駅から第3の終電後列車到着駅C4駅の区間について、終電列車割当手段32により終電を検索し、第4の終電データとする。さらに、第3の終電後列車到着駅C4駅から目的地B駅までの区間についてタクシーで移動する場合の料金や所要時間を検索する。ここで、出発地A駅の出発時刻を、TD_C4とする。
【0118】
ここで、図14(a)に示されている4つの経路のうち、上の二つは、図13(d)で算出された経路で、一番下は、図13(b)で算出された経路である。このように各処理ステップで算出された日越え駅のデータを引き継ぎ、最終的に、出発地A駅と目的地B駅間のすべての終電列車を割り当てるまで繰り返される。
【0119】
図14(c)に示すように、出発地A駅から到着地B駅まで、当日扱いの切符で移動できる経路がなくなると、図14(d)に示すように、出発地A駅から目的地B駅までの区間についてタクシーで移動する場合の料金や所要時間を検索する。
【0120】
このような本発明の第2の変形例においては、出発地A駅と目的地B駅間のすべての終電列車を検索するので、より多くの経路をユーザに提示することができる。
【0121】
つぎに図15および図16を参照して、本発明の第2の変形例に係る終電後列車割当処理を説明する。
【0122】
まず図15に示すステップS301において、変数「終電後列車到着駅」(第1の終電後列車到着駅)として目的地を設定する。さらに、変数「到着候補駅リスト」を初期化する。この到着候補駅リストには、出発地から目的地までの各経路上に位置する日越え駅が挿入される。この到着候補駅リストが空になるまで、ステップS402ないしステップS407の処理を繰り返す。
【0123】
つぎに、ステップS402において、日越え駅検索処理を実行する。これにより、日越え駅がある場合は、到着候補駅リストに日越え駅が挿入される。この処理は後に詳述する。
【0124】
ステップS403において、到着候補駅リストが空であるか否かを検索する。到着候補駅リストが空の場合、そのまま処理を終了する。到着候補駅リストに、到着候補駅が挿入されている場合、ステップS404において、到着候補駅リストの駅から、目的地との距離が最短の駅を抽出するとともに削除する。さらに、ステップS405において、終電後列車到着駅に、ステップS404において抽出された駅を挿入する。
【0125】
ステップS406において、出発地から終電後列車到着駅の間の区間について終電検索する。ステップS407において、ステップS406で算出した終電の出発地における出発時刻に単位時間を足して、時刻Tを算出する。
【0126】
到着候補駅リストが空になるまで、ステップS402ないしステップS407の処理を繰り返すと、終電後列車割当処理を終了する。
【0127】
つぎに図16を参照して、図15のステップS402に相当する日越え駅検索処理を説明する。日越え駅検索処理は、平均経路検索手段31によって算出されたすべての平均経路についてステップS451ないしステップS454の処理を繰り返す。
【0128】
まずステップS451において、出発地を時刻Tに出発する出発地から終電後列車到着駅の列車を割り当てる。ステップS452において、ステップS451で割り当てた列車について日越え駅を特定する。
【0129】
ステップS453において日越え駅と出発地が同じか否かを判定する。同じ場合、他の平均経路についてステップS451の処理を実行する。一方日越え駅と出発地が異なる場合、ステップS454において、到着候補駅リストにステップS452で特定した日越え駅を追加して、他の平均経路についてステップS451の処理を実行する。
【0130】
このように本発明の第2の変形例に係る終電後列車割当処理によれば、出発地から目的地までの終電後の時間帯について、すべての日越え駅を抽出することができるので、より多くの終電後列車を割り当てることができる。
【0131】
(第3の変形例)
つぎに図17および図18を参照して本発明の第3の変形例を説明する。
【0132】
まず図17を参照して、本発明の第1の変形例に係る終電後列車割当処理の概要を説明する。図17(a)に示すように、終電列車検索手段32が、出発地A駅から目的地B駅までの終電を検索し、第1の終電データとする。ここで、出発地A駅の出発時刻を、TD0とする。
【0133】
つぎに、図17(b)に示すように、出発地A駅を時刻T(時刻TD0の1分後)に出発するA駅からB駅までの列車時刻を割り当てる。このとき、列車割当に対して、日越え駅を決定し、C駅とする。複数の経路についてそれぞれ日越え駅が決定された場合、そのうち目的地のB駅に最も近い日越え駅を、第1の終電後列車到着駅とする。第1の終電後列車到着駅から目的地B駅の距離が最短になるように終電後列車到着駅を選択することで、第1の終電後列車到着駅から目的地B駅の移動が最も楽になる経路を検索することができる。
【0134】
図17(b)に示すように、第1の終電後列車到着駅を決定すると、図17(c)に示すように、出発駅A駅から第1の終電後列車到着駅C駅の区間について、終電列車割当手段32により終電を検索し、第2の終電データとする。さらに、第1の終電後列車到着駅C駅から目的地B駅までの区間についてタクシーで移動する場合の料金や所要時間を検索する。ここで、出発地A駅の出発時刻を、TD1とする。
【0135】
さらに、図17(d)に示すように、出発地A駅を時刻T1(時刻TD1の1分後)に出発するA駅からC駅までの列車時刻を割り当てる。このとき、列車割当に対して、日越え駅を決定し、D駅とする。ここで、複数の経路についてそれぞれ日越え駅が決定された場合、そのうち第1の終電後列車到着駅のC駅に最も近い日越え駅を、第2の終電後列車到着駅とする。
【0136】
図17(d)に示すように、第2の終電後列車到着駅を決定すると、図17(e)に示すように、出発駅A駅から第2の終電後列車到着駅D駅の区間について、終電列車割当手段32により終電を検索し、第3の終電データとする。さらに、第2の終電後列車到着駅D駅から目的地B駅までの区間についてタクシーで移動する場合の料金や所要時間を検索する。ここで、出発地A駅の出発時刻を、TD2とする。
【0137】
さらに、図17(f)に示すように、出発地A駅を時刻T2(時刻TD2の1分後)に出発するA駅からD駅までの列車時刻を割り当て、図17(d)および図17(e)と同様の処理を、終電後列車到着駅と出発地とが一致するまで繰り返す。
【0138】
出発地A駅から到着地B駅まで、当日扱いの切符で移動できる経路がなくなると、図17(g)に示すように、出発地A駅から目的地B駅までの区間についてタクシーで移動する場合の料金や所要時間を検索する。
【0139】
このような本発明の第3の変形例においては、終電後列車到着駅を目的地として処理を繰り返す。
【0140】
図18を参照して、本発明の第3の変形例に係る終電後列車割当処理を説明する。
【0141】
図18に示すステップS501ないしステップS509は、図12を参照して説明した本発明の第1の変形例に係る終電後列車割当処理のステップS301ないしステップS309と同様である。
【0142】
ステップS510においてさらに、時刻T1以降に出発し出発地A駅から終電後列車到着駅に到着する列車を検索するために、終電後列車割当手段33による終電後列車割当処理を実行する。この処理においても、出発地S507において出発地が終電後列車到着駅になると、処理を終了する。
【0143】
なお、本発明の第2の変形例においては、図12のステップS310において、出発地から目的地間の終電を検索している。一方、本発明の第3の変形例においては、図18のステップS510において、出発地から終電後列車到着駅間の終電を検索している。
【0144】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の最良の実施の形態および第1ないし第3の変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0145】
例えば、本発明の最良の実施の形態に記載した経路検索サーバ1は、図1に示すように一つのハードウェア上に構成されても良いし、その機能や処理数に応じて複数のハードウェア上に構成されても良い。
【0146】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の最良の実施の形態に係る経路検索システムのシステム構成と、経路検索サーバの機能ブロックを説明する図である。
【図2】本発明の最良の実施の形態に係る経路検索サーバのハードウェア構成図である。
【図3】本発明の最良の実施の形態に係る経路検索サーバによる経路検索処理の概要を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の最良の実施の形態に係る経路検索処理におけるネットワークの一例を説明する図である。
【図5】本発明の最良の実施の形態に係る経路検索処理におけるクリーク化されたネットワークの一例を説明する図である。
【図6】本発明の最良の実施の形態に係る経路検索手段の平均経路検索手段による平均経路検索処理を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の最良の実施の形態に係る経路検索手段の終電後列車割当手段による終電後列車割当処理の概要を説明する図である。
【図8】本発明の最良の実施の形態に係る経路検索手段の終電後列車割当手段による終電後列車割当処理を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第1の変形例に係る経路検索手段の終電後列車割当手段による終電後列車割当処理の概要を説明する図である。(その1)
【図10】本発明の第1の変形例に係る経路検索手段の終電後列車割当手段による終電後列車割当処理の概要を説明する図である。(その2)
【図11】本発明の最良の実施の形態に係る経路検索サーバが、検索結果を表示する画面の一例である。
【図12】本発明の第1の変形例に係る経路検索手段の終電後列車割当手段による終電後列車割当処理を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の第2の変形例に係る経路検索手段の終電後列車割当手段による終電後列車割当処理の概要を説明する図である。(その1)
【図14】本発明の第2の変形例に係る経路検索手段の終電後列車割当手段による終電後列車割当処理の概要を説明する図である。(その2)
【図15】本発明の第2の変形例に係る経路検索手段の終電後列車割当手段による終電後列車割当処理を説明するフローチャートである。
【図16】本発明の第2の変形例に係る経路検索手段の終電後列車割当手段による日越え駅検索処理を説明するフローチャートである。
【図17】本発明の第3の変形例に係る経路検索手段の終電後列車割当手段による終電後列車割当処理の概要を説明する図である。
【図18】本発明の第3の変形例に係る経路検索手段の終電後列車割当手段による日越え駅検索処理を説明するフローチャートである。
【図19】一般的な経路検索サーバが、検索結果を表示する画面の一例である。
【符号の説明】
【0148】
1 経路検索サーバ
2 クライアント端末
3 通信ネットワーク
11 条件取得手段
12 経路検索手段
13 結果提示手段
21 検索条件データ記憶部
22 経路データ記憶部
23 時刻表データ記憶部
24 運賃データ記憶部
25 タクシー料金データ記憶部
26 結果データ記憶部
31 平均経路探索手段
32 終電列車割当手段
33 終電後列車割当手段
34 列車料金算出手段
35 タクシー料金算出手段
36 出力順序算出手段
101 中央処理制御装置
102 ROM
103 RAM
104 入力装置
105 表示装置
106 通信制御装置
107、30 記憶装置
108 リムーバブルディスク
109 入出力インタフェース
110 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地までの移動データであって、時刻表に従って運行する交通機関を利用した終電後の移動データを検索する経路検索サーバであって、
交通機関の経路と、前記経路の駅とが関連づけられた経路データを、記憶装置に記憶する経路データ記憶手段と、
前記乗換の条件を取得する条件取得手段と、
前記記憶装置から前記経路データを読み出し、前記条件取得手段によって取得された条件に従って、平均経路データを検索して出力する平均経路検索手段と、
前記平均経路データに基づいて、前記出発地から前記目的地までの前記交通機関の終電となる第1の終電データを算出する終電列車割当手段と、
前記平均経路検索手段によって検索された平均経路データについて、前記第1の終電データにおける前記出発地の出発時刻の単位時間以上後に出発し、前記出発地から前記目的地まで移動する列車を割り当てて乗換データを算出するとともに、該乗換データについて、翌日の列車の乗車駅となる日越え駅を算出して終電後列車到着駅を決定し、前記出発地から前記終電後列車到着駅までの前記交通機関の終電となる第2の終電データを算出し、前記第2の終電データを含む移動データを算出する終電後列車割当手段と、
前記移動データを出力する結果提示手段
とを備えることを特徴とする経路検索サーバ。
【請求項2】
前記交通機関の各駅間のタクシー料金が関連づけられたタクシー料金データを、前記記憶装置に記憶するタクシー料金データ記憶手段と、
前記記憶装置から前記タクシー料金データを読み出して、前記終電後列車到着駅と前記目的地とのタクシー料金を算出するタクシー料金算出手段をさらに備え、
前記移動データは、前記タクシー料金算出手段によって算出された前記タクシー料金を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の経路検索サーバ。
【請求項3】
前記平均経路検索手段はさらに、前記経路上の駅間の距離を記憶し、
前記平均経路検索手段が複数の平均経路データを算出した場合、
前記終電後列車割当手段は、前記平均経路検索手段が算出したすべての平均経路データについて前記乗換データおよび前記日越え駅を算出し、前記目的地との距離が最も小さい日越え駅を前記終電後列車到着駅とする
ことを特徴とする請求項1に記載の経路検索サーバ。
【請求項4】
前記終電後列車割当手段は、さらに、
前記第2の終電データにおける前記出発地の出発時刻の単位時間以上後に出発し、前記出発地から前記目的地まで移動する新たな乗換データを算出するとともに、該新たな乗換データについての新たな日越え駅を算出して新たな終電後列車到着駅を決定し、前記出発地から前記新たな終電後列車到着駅までの前記交通機関の終電となる第3の終電データを算出し、前記第3の終電データを含む新たな移動データを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の経路検索サーバ。
【請求項5】
前記終電後列車割当手段は、前記新たな終電後列車到着駅が前記出発地になるまで、前記新たな移動データを算出する処理を繰り返す
ことを特徴とする請求項4に記載の経路検索サーバ。
【請求項6】
前記タクシー料金算出手段はさらに、前記新たな終電後列車到着駅と前記目的地との新たなタクシー料金を算出し、
前記新たな移動データは、前記タクシー料金算出手段によって算出された前記新たなタクシー料金を含む
ことを特徴とする請求項4または5に記載の経路検索サーバ。
【請求項7】
出発地から目的地までの移動データであって、時刻表に従って運行する交通機関を利用した終電後の移動データを検索する経路検索プログラムであって、
交通機関の経路と、前記経路の駅とが関連づけられた経路データを、記憶装置に記憶する経路データ記憶手段と、
前記乗換の条件を取得する条件取得手段と、
前記記憶装置から前記経路データを読み出し、前記条件取得手段によって取得された条件に従って、平均経路データを検索して出力する平均経路検索手段と、
前記平均経路データに基づいて、前記出発地から前記目的地までの前記交通機関の終電となる第1の終電データを算出する終電列車割当手段と、
前記平均経路検索手段によって検索された平均経路データについて、前記第1の終電データにおける前記出発地の出発時刻の単位時間以上後に出発し、前記出発地から前記目的地まで移動する列車を割り当てて乗換データを算出するとともに、該乗換データについて、翌日の列車の乗車駅となる日越え駅を算出して終電後列車到着駅を決定し、前記出発地から前記終電後列車到着駅までの前記交通機関の終電となる第2の終電データを算出し、前記第2の終電データを含む移動データを算出する終電後列車割当手段と、
前記移動データを出力する結果提示手段
とを、コンピュータに機能させることを特徴とする経路検索プログラム。
【請求項8】
前記交通機関の各駅間のタクシー料金が関連づけられたタクシー料金データを、前記記憶装置に記憶するタクシー料金データ記憶手段と、
前記記憶装置から前記タクシー料金データを読み出して、前記終電後列車到着駅と前記目的地とのタクシー料金を算出するタクシー料金算出手段をさらに前記コンピュータに機能させ、
前記移動データは、前記タクシー料金算出手段によって算出された前記タクシー料金を含む
ことを特徴とする請求項7に記載の経路検索プログラム。
【請求項9】
前記平均経路検索手段はさらに、前記経路上の駅間の距離を記憶し、
前記平均経路検索手段が複数の平均経路データを算出した場合、
前記終電後列車割当手段は、前記平均経路検索手段が算出したすべての平均経路データについて前記乗換データおよび前記日越え駅を算出し、前記目的地との距離が最も小さい日越え駅を前記終電後列車到着駅とする
ことを特徴とする請求項7に記載の経路検索プログラム。
【請求項10】
前記終電後列車割当手段は、さらに、
前記第2の終電データにおける前記出発地の出発時刻の単位時間以上後に出発し、前記出発地から前記目的地まで移動する新たな乗換データを算出するとともに、該新たな乗換データについての新たな日越え駅を算出して新たな終電後列車到着駅を決定し、前記出発地から前記新たな終電後列車到着駅までの前記交通機関の終電となる第3の終電データを算出し、前記第3の終電データを含む新たな移動データを算出する
ことを特徴とする請求項7に記載の経路検索プログラム。
【請求項11】
前記終電後列車割当手段は、前記新たな終電後列車到着駅が前記出発地になるまで、前記新たな移動データを算出する処理を繰り返す
ことを特徴とする請求項10に記載の経路検索プログラム。
【請求項12】
前記タクシー料金算出手段はさらに、前記新たな終電後列車到着駅と前記目的地との新たなタクシー料金を算出し、
前記新たな移動データは、前記タクシー料金算出手段によって算出された前記新たなタクシー料金を含む
ことを特徴とする請求項10または11に記載の経路検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−52576(P2010−52576A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219465(P2008−219465)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(303026132)株式会社駅探 (5)
【Fターム(参考)】