説明

経路検索システム、携帯端末装置、経路検索方法、および、プログラム

【課題】携帯端末装置が、GPS衛星からの信号を受信できない地下鉄の車両内や駅構内に存在する場合であっても、現在位置から目的地までの適切な経路をユーザに提示する。
【解決手段】携帯端末装置10は、自装置10が地下鉄等の車両内に存在する場合には、車両内の車両識別情報送信装置40から送信されている車両識別情報を含んだ現在位置取得要求を運転情報サーバ20へ送信する。運転情報サーバ20は、現在位置取得要求中の車両識別情報によって特定される車両の運転情報と現在時刻とに基づいて携帯端末装置10の現在位置として現在の停車駅または次の停車駅の駅識別情報を求め、返信する。また、地下鉄等の駅構内に存在する場合は、自装置10内で管理している滞在駅情報を自装置の現在位置とし、それ以外の場所に存在する場合は、GPSにより、自装置の現在位置を求める。そして、求めた位置を出発地とした経路検索要求を経路検索サーバへ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地から目的地までの経路を検索する経路検索技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの携帯電話機やノート型パーソナルコンピュータ等の携帯端末装置から経路検索サーバに対して出発地、目的地、及び、検索条件(出発時刻や到着時刻など)を送信し、経路検索サーバにおいて、検索条件を満たす出発地から目的地までの経路を検索し、検索した経路をユーザの携帯端末装置に送信するという経路検索システムは、近年盛んに利用されるようになってきている。このような、一般的な経路検索システムでは、ユーザは経路検索サーバを利用して経路を検索する度に、携帯端末装置を経路検索サーバに接続するための接続操作や、出発地,目的地などを入力するための入力操作などを行う必要がある。
【0003】
また、ユーザが経路検索サーバを利用する度に、接続操作や入力操作を行わなくとも経路を検索することができる経路検索システムも知られている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1,2に記載されている技術では、経路検索サーバが所定時間毎にユーザの携帯端末装置の現在位置を取得し、この取得した現在位置を出発地として目的地までの経路を検索し、検索した経路をユーザの携帯端末に送信するようにしている。なお、ユーザの携帯端末装置の現在位置は、ユーザの携帯端末装置の最寄りの基地局の位置や、GPS(Global Positioning System)によって検出した携帯端末装置自体の位置を利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−143300号公報
【特許文献2】特開2009−168522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に記載されている技術によれば、経路検索サーバが所定時間毎にユーザの携帯端末装置の現在位置を取得し、この取得した現在位置を出発地として目的地までの経路を検索するようにしているので、ユーザが経路検索サーバを利用する度に、経路検索サーバへの接続操作や、目的地などの入力操作を行わなくとも、経路を検索することができる。
【0006】
しかし、特許文献1,2に記載されている技術は、ユーザの携帯端末装置の現在位置を、ユーザの携帯端末装置の最寄りの無線局の位置や、GPSによって検出した携帯端末装置自体の位置としているので、次のような問題がある。すなわち、最寄りの無線局の位置を携帯端末装置の現在位置とした場合には、携帯端末装置のおおよその位置しか分からないため、ユーザにとって適切な経路を検索できない場合があるという問題がある。また、GPSを利用して携帯端末装置の現在位置を検出するようにした場合は、携帯端末装置がGPS衛星からの信号を受信可能な場所に存在すれば、携帯端末装置の正確な現在位置が分かるので、ユーザにとって適切な経路を検索できる。しかし、携帯端末装置がGPS衛星からの信号を受信できない地下鉄の駅構内や車両内に存在する場合には、携帯端末装置の位置が分からないため、ユーザにとって適切な経路(例えば、所要時間が最短となる経路など)を検索することができないという問題がある。
【0007】
[発明の目的]
そこで、本発明の目的は、ユーザの携帯端末装置の現在位置を、最寄りの無線局の位置とした場合や、GPSによって検出した位置とした場合に発生する、ユーザにとって適切な経路を検索できないといった課題を解決した経路検索システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る第1の経路検索システムは、
携帯端末装置と、運転情報管理サーバと、経路検索サーバとを備え、
前記携帯端末装置は、
車両内に設置されている車両識別情報送信手段から送信されている、前記車両を示す車両識別情報を受信する車両識別情報受信手段と、
自装置が駅構内または車両内に存在するか否かを示す管理情報を記録すると共に、自装置が最後に存在した駅を示す滞在駅識別情報を記録する入退場管理手段と、
GPS衛星からの信号を利用して自装置の現在位置を検出するGPS測位手段と、
自装置の現在位置検出タイミングとなる毎に、自装置が車両内に存在する場合は、前記車両識別情報受信手段で受信した車両識別情報を含んだ現在位置取得要求を前記運転情報管理サーバへ送信して前記運転情報管理サーバから自装置の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を取得し、自装置が駅構内に存在する場合は、自装置の現在位置として前記入退場管理手段によって記録されている滞在駅識別情報を取得し、自装置が車両内にも、駅構内にも存在しない場合は、自装置の現在位置として前記GPS測位手段の検出結果を取得する現在位置取得手段と、
出発地と目的地とを含む経路検索要求であって、前記出発地を前記現在位置取得手段で取得した現在位置とした経路検索要求を前記経路検索サーバへ送信する経路検索要求手段とを備え、
前記運転情報管理サーバは、
前記携帯端末装置から送られてきた現在位置取得要求中の車両識別情報によって示される車両の運転情報、および、現在時刻に基づいて前記携帯端末装置の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を求めて前記携帯端末装置へ送信する位置特定手段を備え、
前記経路検索サーバは、
前記携帯端末装置から送られてきた経路検索要求に含まれている出発地から目的地までの経路を検索し、検索した経路を含む検索結果を前記携帯端末装置へ送信する経路検索手段を備える。
【0009】
本発明に係る第1の携帯端末装置は、
車両内に設置されている車両識別情報送信手段から送信されている、前記車両を示す車両識別情報を受信する車両識別情報受信手段と、
自装置が駅構内または車両内に存在するか否かを示す管理情報を記録すると共に、自装置が最後に存在した駅を示す滞在駅識別情報を記録する入退場管理手段と、
GPS衛星からの信号を利用して自装置の現在位置を検出するGPS測位手段と、
自装置の現在位置検出タイミングとなる毎に、自装置が車両内に存在する場合は、前記車両識別情報受信手段で受信した車両識別情報を含んだ現在位置取得要求を、送られてきた現在位置取得要求中の車両識別情報によって特定される車両の運転情報と現在時刻とに基づいて前記現在位置取得要求の送信元の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を求める運転情報管理サーバへ送信することにより前記運転情報管理サーバから自装置の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を取得し、自装置が駅構内に存在する場合は、自装置の現在位置として前記入退場管理手段によって記録されている滞在駅識別情報を取得し、自装置が車両内にも、駅構内にも存在しない場合は、自装置の現在位置として前記GPS測位手段の検出結果を取得する現在位置取得手段と、
出発地と目的地とを含む経路検索要求であって、前記出発地を前記現在位置取得手段で取得した現在位置とした経路検索要求を経路検索サーバへ送信する経路検索要求手段とを備える。
【0010】
本発明にかかる経路検索方法は、
携帯端末装置の入退場管理手段が、自装置が駅構内または車両内に存在するか否かを示す管理情報を記録すると共に、自装置が最後に存在した駅を示す滞在駅識別情報を記録し、
前記携帯端末装置の現在位置取得手段が、現在位置取得タイミングとなる毎に、自装置が車両内に存在する場合には、前記車両内に設置されている車両識別情報送信装置から送信されている、前記車両を識別する車両識別情報を含んだ現在位置取得要求を運転情報管理サーバへ送信して前記運転情報管理サーバから自装置の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を取得し、自装置が駅構内に存在する場合は、自装置の現在位置として前記入退場管理手段によって記録されている滞在駅識別情報を取得し、自装置が車両内にも、駅構内にも存在しない場合は、自装置の現在位置としてGPS測位手段の検出結果を取得し、
前記運転情報管理サーバが、前記携帯端末装置から送られてきた現在位置取得要求中の車両識別情報と現在時刻とに基づいて前記携帯端末装置の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を求めて前記携帯端末装置へ送信し、
前記携帯端末装置の経路検索要求手段が、出発地と目的地とを含む経路検索要求であって、前記出発地を前記現在位置取得手段で取得した現在位置とした経路検索要求を経路検索サーバへ送信する。
【0011】
本発明にかかるプログラムは、
車両内に設置されている車両識別情報送信手段から送信されている、前記車両を示す車両識別情報を受信する車両識別情報受信手段と、GPS衛星からの信号を利用して現在位置を検出するGPS測位手段とを備えた携帯端末装置に実装されているコンピュータを、
前記携帯端末装置が駅構内または車両内に存在するか否かを示す管理情報を記録すると共に、自装置が最後に存在した駅を示す滞在駅識別情報を記録する入退場管理手段、
自装置の現在位置検出タイミングとなる毎に、自装置が車両内に存在する場合は、前記車両識別情報受信手段で受信した車両識別情報を含んだ現在位置取得要求を、送られてきた現在位置取得要求中の車両識別情報によって特定される車両の運転情報と現在時刻とに基づいて前記現在位置取得要求の送信元の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を求める運転情報管理サーバへ送信することにより前記運転情報管理サーバから自装置の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を取得し、自装置が駅構内に存在する場合は、自装置の現在位置として前記入退場管理手段によって記録されている滞在駅識別情報を取得し、自装置が車両内にも、駅構内にも存在しない場合は、自装置の現在位置として前記GPS測位手段の検出結果を取得する現在位置取得手段、
出発地と目的地とを含む経路検索要求であって、前記出発地を前記現在位置取得手段で取得した現在位置とした経路検索要求を経路検索サーバへ送信する経路検索要求手段として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯端末装置がGPS衛星からの信号を受信できない地下鉄の車両内や駅構内に存在する場合であっても、ユーザにとって適切な、ユーザの現在位置から目的地までの経路を検索することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明にかかる経路案内システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】車両識別情報送信装置40の構成例を示すブロック図である。
【図3】改札口カードリーダ50の構成例を示すブロック図である。
【図4】携帯端末装置10の構成例を示すブロック図である。
【図5】メモリ1Cの構成例を示す図である。
【図6】運転情報管理サーバ20の構成例を示す図である。
【図7】ユーザ情報記憶部251の内容例を示す図である。
【図8】駅情報記憶部252の内容例を示す図である。
【図9】運転情報記憶部253の内容例を示す図である。
【図10】経路検索サーバ30の構成例を示すブロック図である。
【図11】経路案内システムの処理の概要を示すフローチャートである。
【図12】リアルタイム案内処理の処理例を示すフローチャートである。
【図13】現在位置取得処理の処理例を示すフローチャートである。
【図14】車両に乗車中のユーザの現在位置を取得する際の処理例を示すシーケンス図である。
【図15】ユーザが駅から入退場した際の処理例を示すシーケンス図である。
【図16】ユーザが車両から降車した際の処理例を示すフローチャートである。
【図17】最速経路提示手段19の処理例を示すフローチャートである。
【図18】最速経路提示手段19において使用経路が最速経路であるか否かを判定する際の処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る経路検索システムの実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
図1を参照すると、本実施の形態に係る経路検索システムは、携帯端末装置10と、運転情報管理サーバ20と、経路検索サーバ30と、車両識別情報送信装置40と、改札口カードリーダ50とを備え、携帯端末装置10、運転情報管理サーバ20、および、経路検索サーバ30は、インターネット等のネットワーク60を介して相互に接続されている。
【0016】
車両識別情報送信装置40は、地下鉄等の車両内に設置され、自装置40が設置されている車両を特定する車両識別情報(車両IDやT−IDと記す場合もある)を微弱電波により送信する。
【0017】
図2を参照すると、車両識別情報送信装置40は、自装置40が設置されている車両を特定する車両識別情報が記録された車両識別情報記憶部41と、車両識別情報記憶部41に記録されている車両識別情報を読み出し、微弱電波によって車両内に送信する車両識別情報送信部42とを備えている。なお、車両内の如何なる位置においても車両識別情報が受信でき、車両外では車両識別情報が受信できなくなるように、車両識別情報送信装置40の設置台数、設置位置や、微弱電波の強度、出射方向などを設定する
【0018】
改札口カードリーダ50は、駅の改札機に取り付けられ、駅構内に入場するユーザや、駅構内から退場するユーザが携帯している非接触型のICカード70に記録されているカードIDを読み込み、読み込んだカードIDや、自装置が設置されている駅を特定する駅識別情報(駅IDやS−IDと記す場合もある)や、ユーザが駅構内に入場したのか退場したのかを示す情報を含んだ改札口情報を運転情報管理サーバ20へ送信する。
【0019】
図3を参照すると、改札口カードリーダ50は、ICカード読取部51と、駅識別情報記憶部52と、改札口情報送信部53とを備えている。
【0020】
ICカード読取部51は、ユーザが携帯しているICカード70に記録されているユニークなカードIDを読み取る。駅識別情報記憶部52には、自装置50が設置されている駅を特定する駅識別情報が記録されている。改札口情報送信部53は、ICカード読取部51がICカード70から読み取ったカードIDと、駅識別情報記憶部52から読み取った駅識別情報と、改札機(図示せず)から入力される入場情報あるいは退場情報を含んだ改札口情報を運転情報管理サーバ20へ送信する。
【0021】
携帯端末装置10は、ユーザが携帯可能な携帯電話機やノート型パーソナルコンピュータ等の携帯端末装置であり、所定時間毎に、自装置10が駅構内や車両内に存在する場合には、運転情報管理サーバ20を利用して自装置10の現在位置を取得し、それ以外の場所に存在する場合は、GPSを利用して自装置10の現在位置を取得する。また、携帯端末装置10は、上記したようにして取得した自装置10の現在位置を出発地とした経路検索要求を経路検索サーバ30に対して送信し、経路検索サーバ30から目的地までの経路を示す経路情報を取得する。
【0022】
図4を参照すると、携帯端末装置10は、車両識別情報受信手段11と、GPS測位手段12と、現在位置取得手段13と、入退場管理手段14と、経路検索要求手段15と、比較手段16と、現在時刻を表示する時計17と、アラーム起動手段18と、最速経路提示手段19と、テンキーなど入力部1Aと、LCDなどの表示部1Bと、メモリ1Cと、通信手段1Dとを備えている。
【0023】
メモリ1Cには、図5に示すように、管理情報記憶部101と、滞在駅識別情報記憶部102と、使用経路情報記憶部103と、最新経路情報記憶部104とが設けられている。
【0024】
管理情報記憶部101には、自装置10が駅構内または車両内に存在するのか、それ以外の場所に存在するのかを示す管理情報が記録される。滞在駅識別情報記憶部102には、自装置10が最後に存在した駅(最新の滞在駅)を示す滞在駅識別情報が記録される。使用経路情報記憶部103には、ユーザが目的地へ行く際に使用する経路を示す経路情報(使用経路情報)が記録される。最新経路情報記憶部104には、経路検索サーバ30によって検索された最新の経路を示す経路情報が記録される。
【0025】
車両識別情報受信手段11は、車両識別情報送信装置40から送信されている車両識別情報を受信する。GPS測位手段12は、GPS衛星からの信号を利用して自装置10の現在位置を検出する。
【0026】
入退場管理手段14は、運転情報管理サーバ20から送られてくる入退場情報(駅構内に入場したのか退場したのかを示す情報と、入場あるいは退場した駅の駅識別情報を含む)に従って、管理情報記憶部101に記録されている管理情報や、滞在駅識別情報記憶部102に記録されている滞在駅識別情報を更新する。また、入退場管理手段14は、車両識別情報受信手段11が車両識別情報を受信できなくなった場合は、自装置10のユーザが車両から降りたと判断し、運転情報管理サーバ20に対して降車駅識別情報取得要求(車両情報および現在時刻を含む)を送信する。そして、上記要求に応答して運転情報管理サーバ20から降車駅を示す降車駅識別情報が送られてくると、滞在駅識別情報記憶部102に記録されている滞在駅識別情報を降車駅識別情報に従って更新する。
【0027】
現在位置取得手段13は、ユーザによってリアルタイム案内サービスを行うことが指示されている場合には、所定時間毎に、車両識別情報受信手段11における車両識別情報の受信状況(受信可能か否か)と、管理情報記憶部101に記録されている管理情報に基づいて、自装置10が車両内に存在するのか、駅構内に存在するのか、車両内にも駅構内にも存在しないのかを判定する。そして、車両内に存在すると判定した場合は、車両識別情報受信手段11が受信している車両識別情報を含んだ現在位置取得要求を運転情報管理サーバ20へ送信することにより、自装置10の現在位置を取得する。また、駅構内に存在すると判定した場合は、入退場管理手段14で管理されている滞在駅識別情報を自装置10の現在位置として取得し、車両内にも駅構内にも存在していないと判定した場合は、GPS測位手段12の検出結果を自装置10の現在位置として取得する。
【0028】
経路検索要求手段15は、ユーザによって入力部1Aから出発地、目的地、および、検索条件を含む経路検索指示が入力されると、上記各情報を含んだ経路検索要求を経路検索サーバ30に対して送信する。そして、上記要求に応答して出発地から目的地までの経路を示す経路情報が経路検索サーバ30から送られてくると、それに従って表示部1Bに経路検索サーバ30で検索された経路(1つ或いは複数の経路)を表示する。なお、本実施の形態では、検索条件には、出発地からの出発時刻または目的地への到着時刻が設定される。また、出発時刻には、時計17が示している現在時刻や、ユーザが入力部1Aを用いて入力した任意の時刻を設定できる。また、経路検索サーバ30からの経路情報には、出発地、目的地、乗車駅、降車駅、乗換駅などを示す情報や、出発地からの出発時刻や、目的地への到着時刻などが含まれる。目的地までの経路を表示部1Bに表示した後、ユーザによって入力部1Aからリアルタイム案内を実行することが指示された場合は、経路検索要求手段15は、表示部1Bに表示している経路の中から、目的地に行く際に使用する経路(使用経路)をユーザに選択させ、選択された経路を示す経路情報を使用経路情報としてメモリ1Cの使用経路情報記憶部103に記録する。更に、経路検索要求手段15は、現在位置取得手段13が自装置10の現在位置を取得する毎に、出発地を現在位置取得手段13が取得した現在位置、目的地を前回送信した経路検索要求中の目的地、検索条件を前回送信した経路検索要求中の検索条件(但し、前回経路検索要求を送信した際に、検索条件に、その時点において時計17が示していた時刻を出発時刻として設定した場合には、検索条件には、現時点において時計17が示している現在時刻を出発時刻として設定する)とした経路検索要求を経路検索サーバ30へ送信し、この経路検索要求に応答して経路検索サーバ30から送られてきた経路情報(1つ或いは複数)を最新経路情報としてメモリ1C内の最新経路情報記憶部104に記録する。
【0029】
また、経路検索要求手段15は、最新の経路検索要求中の検索条件が、現在時刻を出発時刻としたものでない場合は、現在位置取得手段13が現在位置を取得する毎に、比較手段16を利用して、メモリ1C内の使用経路情報記憶部103に記録されている使用経路情報が示している出発時刻と、時計17が示している現在時刻とを比較し、現在時刻が出発時刻を過ぎているか否かを調べる。そして、現在時刻が出発時刻を過ぎている場合は、出発時刻を現在時刻、出発地を現在位置取得手段13が取得した最新の現在位置、目的地を経路検索指示中の目的地とした経路検索要求を経路検索サーバ30に対して送信する。これに対して、現在時刻が出発時刻を過ぎていない場合は、現在時刻が出発時刻よりも所定時間前のアラーム発生時刻を過ぎているか否かを調べ、過ぎている場合には、アラーム起動手段18にアラームの発生を指示する。
【0030】
アラーム起動手段18は、アラームの発生が指示されると、例えば、ブザーを鳴動したり、表示部1Bに警告文を表示したりすることにより、ユーザに出発時刻を過ぎたことを知らせる。
【0031】
最速経路提示手段19は、ユーザによって入力部1Aから最速経路確認指示が入力されると、メモリ1Cの最新経路情報記憶部104に記録されている最新経路情報が示す最新経路の中に、使用経路情報記憶部103に記録されている使用経路情報が示す経路よりも所要時間が短い経路が存在するか否かを調べ、そのような経路が存在する場合には、そのことを示すメッセージや最新経路などを表示部1Bに表示する機能等を有する。通信手段1Dは、ネットワーク60を介してデータを送受信する。
【0032】
なお、現在位置取得手段13、入退場管理手段14、経路検索要求手段15、比較手段16、アラーム起動手段18、最速経路提示手段19は、CPU(中央処理装置)によって実現可能であり、その場合は、例えば、次のようにする。CPUを上記各手段13〜16,18,19として機能させるためのプログラムを記録したディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体を用意し、CPUに上記プログラムを読み取らせる。CPUは、読み取ったプログラムに従って自身の動作を制御することにより、自CPU上に上記各手段13〜16,18,19を実現する。
【0033】
運転情報管理サーバ20は、携帯端末装置10から送られてくる現在位置取得要求に応答して携帯端末装置10の現在位置を求め、求めた現在位置を示す現在位置情報を携帯端末装置10に送信する機能や、携帯端末装置10から送られてくる降車駅識別情報取得要求に応答して携帯端末装置10の降車駅を求め、求めた降車駅を示す降車駅識別情報を携帯端末装置に送信する機能を有する。更に、運転情報管理サーバ20は、携帯端末装置10のユーザが入退場した駅を示す入退場情報を携帯端末装置10へ送信する機能を有する。
【0034】
図6を参照すると、運転情報管理サーバ20は、入退場情報送信手段21と、位置特定手段22と、降車駅特定手段23と、運転情報管理手段24と、ディスク装置などの記憶装置25と、通信手段26とを備えている。
【0035】
記憶装置25は、ユーザ情報記憶部251と、駅情報記憶部252と、運転情報記憶部253とを備えている。
【0036】
図7を参照すると、ユーザ情報記憶部251には、ユーザが所有している非接触型のICカードに記録されているカードIDに関連付けて、ユーザの名前、メールアドレス等のユーザ情報が記録されている。
【0037】
図8を参照すると、駅情報記憶部252には、駅を特定する駅識別情報(S−ID)に関連付けて、その駅の駅名と、その駅を利用して車両を運行している鉄道会社名が記録されている。
【0038】
図9を参照すると、運転情報記憶部253には、車両を特定する車両識別情報(T−ID)に関連付けて、その車両の出発駅、途中駅、および、終点駅の駅名および鉄道会社名と、各駅における発着時刻とが記録されている。
【0039】
通信手段26は、ネットワーク60を介してデータを送受信する。
【0040】
入退場情報送信手段21は、改札口カードリーダ50から、それが設置されている駅の駅識別情報(S−ID)と、ユーザが所持しているICカード70から読み取ったカードIDと、ユーザが駅構内に入場したのか、駅構内から退場したのかを示す情報とを含む改札口情報が送られてくると、それに含まれているカードIDをキーにしてユーザ情報記憶部251を検索することにより、上記ユーザが携帯している携帯端末装置10のメールアドレスを取得する。その後、上記改札口情報に含まれている駅識別情報に関連付けて記録されている駅名および鉄道会社名を駅情報記憶部252から検索し、検索した駅名および鉄道会社名と、ユーザが駅構内に入場したのか、駅構内から退場したのかを示す情報とを含んだ入退場情報を携帯端末装置10のメールアドレス宛てに送信する。
【0041】
位置特定手段22は、携帯端末装置10から、ユーザが乗車している車両の車両識別情報を含む現在位置取得要求が送られてくると、運転情報記憶部253に記録されている運転情報と現在時刻とに基づいて、ユーザの現在位置を求め、その位置を示す現在位置情報を携帯端末装置10へ送信する。
【0042】
降車駅特定手段23は、携帯端末装置10から、ユーザが降車した車両の車両識別情報および現在時刻を含む降車駅識別情報取得要求が送られてくると、運転情報記憶部253に記録されている運転情報と現在時刻とに基づいて、ユーザが降車した駅を求め、その駅の駅名および鉄道会社名を含む降車駅識別情報を携帯端末装置10へ送信する。
【0043】
運転情報管理手段24は、事故、天候等により車両の運行に遅延が発生した場合や、車両の運行が正常状態に戻った場合など、管理者等からの指示に従って運転情報記憶部253に記録されている該当車両の運転情報を更新する機能や、更新内容を示す更新情報を経路検索サーバ30へ送信する機能を有する。
【0044】
なお、運転情報管理サーバ20は、コンピュータにより実現可能であり、コンピュータにより実現する場合は、例えば、次のようにする。コンピュータを運転情報管理サーバ20として機能させるためのプログラムを記録したディスク等の記録媒体を用意し、コンピュータに上記プログラムを読み取らせる。コンピュータは、読み取ったプログラムに従って自身の動作を制御することにより、自コンピュータ上に、入退場情報送信手段21、位置特定手段22、降車駅特定手段23、および、運転情報管理手段24を実現する。
【0045】
経路検索サーバ30は、携帯端末装置10から送られてくる、出発地、目的地、および、検索条件を含む経路検索要求に従って、出発地から目的地までの経路を検索し、その経路を示す経路情報を要求元の携帯端末装置10へ送信する。
【0046】
図10を参照すると、経路検索サーバ30は、経路検索手段31と、運転情報管理手段32と、ディスク装置などの記憶装置33と、通信手段34とを備えている。
【0047】
記憶装置33は、運転情報記憶部331を備えている。運転情報記憶部331には、運転情報管理サーバ20内の運転情報記憶部253と同じ運転情報が記録されている。
【0048】
通信手段34は、ネットワーク60を介してデータを送受信する。
【0049】
運転管理手段32は、運転情報管理サーバ20から送られてくる更新情報に従って運転情報記憶部331に記録されている運転情報を更新することにより、運転情報記憶部331の内容を運転情報記憶部253の内容と一致させる。
【0050】
経路検索手段31は、携帯端末装置10から、出発地、目的地、および、検索条件を含む経路検索要求が送られてくると、運転情報記憶部331に記録されている運転情報や、記憶装置33に記録されているその他の情報(各駅の位置を示す情報など)を利用して、検索条件を満たす経路を検索し、検索した経路を示す経路情報を携帯端末装置10へ送信する。
【0051】
経路検索サーバ30は、コンピュータにより実現可能であり、コンピュータにより実現する場合は、例えば、次のようにする。コンピュータを経路検索サーバ30として機能させるためのプログラムを記録したディスク、半導体メモリ等の記録媒体を用意し、コンピュータに上記プログラムを読み取らせる。コンピュータは、読み取ったプログラムに従って自身の動作を制御することにより、自コンピュータ上に、経路検索手段31および運転情報管理手段32を実現する。
【0052】
[実施の形態の動作の説明]
次に、本実施の形態の動作について詳細に説明する。
【0053】
先ず、図11のフローチャートを参照して、本実施の形態の動作の概要について説明する。
【0054】
携帯端末装置10のユーザは、目的地までの経路を知りたい場合、入力部1Aから出発地、目的地、および、検索条件を含む経路検索指示を入力する(S111)。なお、本実施の形態では、検索条件は、出発地からの出発時刻または目的地への到着時刻であるとする。また、出発時刻には、時計17が示す現在時刻またはユーザが入力部1Aを用いて入力した任意の時刻を設定可能であるとする。
【0055】
経路検索指示が入力されると、携帯端末装置10の経路検索要求手段15は、通信手段1D、ネットワーク60を介して経路検索サーバ30へ、出発地、目的地、および、検索条件を含んだ経路検索要求を送信する。これにより、経路検索サーバ30内の経路検索手段31は、検索条件を満たす、出発地から目的地までの経路を1つ或いは複数検索し、検索した経路を示す経路情報を携帯端末装置10へ送信する(S112)。なお、経路検索手段31は、経路検索要求中の出発地と目的地とが実質的に等しい場合、目的地に到着したものとみなし、携帯端末装置10へ目的地到着通知を送信する。
【0056】
携帯端末装置10内の経路検索要求手段15は、経路検索サーバ30から経路情報が送られてくると、それに従って表示部1Bに、出発地から目的地までの経路を、1つ或いは複数表示する(S113)。その後、経路検索要求手段15は、表示部1Bに問い合わせ文などを表示することにより、リアルタイム案内サービスを実行するか否かをユーザに問い合わせる(S114)。
【0057】
この問い合わせに応答して、ユーザによって入力部1Aからリアルタイム案内サービスを実行しない旨の応答が入力された場合は、経路検索要求手段15はその処理を終了する。これに対して、リアルタイム案内サービスを実行する旨の応答が入力された場合は、表示部1Bに指示文などを表示することにより、表示部1Bに表示されている経路の中から、目的地へ行く際に使用する経路(使用経路)を1つ選択することを指示する。この指示に従って、ユーザが入力部1Aを利用して使用経路を選択すると、経路検索要求手段15は、ユーザが選択した使用経路の経路情報を、使用経路情報としてメモリ1Cの使用経路情報記憶部103に記録する(S115)。その後、携帯端末装置10は、運転情報管理サーバ20および経路検索サーバ30と連携してリアルタイム案内処理を行う(S116)。リアルタイム案内処理においては、後述するように、現在位置検出タイミングとなる毎に(本実施の形態では一定時間毎に)、携帯端末装置10のユーザの現在位置を検出し、ユーザの現在位置に合った経路を再検索する処理や、再検索された経路の中に使用経路よりも所要時間が短い経路が存在する場合、そのことをユーザに知らせる処理などが行われる。
【0058】
次に、図12のフローチャートを参照して、図11のステップS116で行うリアルタイム案内処理について説明する。
【0059】
携帯端末装置10内の現在位置取得手段13は、一定時間毎に、自装置10の現在位置を取得する現在位置取得処理を行う(S1201,S1202)。
【0060】
ステップS1202の現在位置取得処理においては、現在位置取得手段13は、図13のフローチャートに示す処理を行う。図13を参照すると、現在位置取得手段13は、先ず、車両識別情報受信手段11が車両識別情報を受信中であるか否かを判定することにより、携帯端末装置10が車両内に存在するか否かを判定する(S131)。そして、車両内に存在すると判定した場合は、乗車時の現在位置取得処理を行い(S133)、車両内に存在しないと判定した場合は、ステップS132の処理に移行する。
【0061】
ステップS133の乗車時の現在位置取得処理においては、現在位置取得手段13は、図14のシーケンス図に示すように、車両識別情報受信手段11が車両識別情報送信装置40から受信した、ユーザが乗車中の車両の車両識別情報を含んだ現在位置取得要求を運転情報管理サーバ20へ送信する(S141〜S143)。
【0062】
運転情報管理サーバ20内の位置特定手段22は、通信手段26を介して携帯端末装置10からの現在位置取得要求を受信すると(S144)、運転情報記憶部253に記録されている運転情報と現在時刻とに基づいて、携帯端末装置10の現在位置を表す現在位置情報を求め、求めた現在位置情報を携帯端末装置10へ送信する(S145,S146)。より具体的には、運転情報記憶部253に記録されている各車両の運転情報の内、現在位置取得要求中の車両識別情報によって特定される車両の運転情報と、現在時刻とに基づいて、車両が現時点において駅に停車中であると判定できる場合には、その駅の駅名および鉄道会社名を現在位置情報として携帯端末装置10へ送信し、車両が現時点において走行中であると判定できる場合には、車両の次の停車駅を求め、その駅名および鉄道会社名を現在位置情報として携帯端末装置10へ送信する。例えば、ユーザが乗車中の車両の運転情報中に、車両の到着時刻が現在時刻よりも前の時刻で、発車時刻が現在時刻よりも後の時刻の駅が存在する場合は、車両はその駅に停車中であると判定することができる。また、そのような駅が存在しない場合は、車両は走行中であると判定でき、次の停車駅は、例えば、到着時刻が現在時刻よりも後の時刻になっている駅の内の、最も到着時刻が早い駅とすることができる。
【0063】
携帯端末装置10内の現在位置取得手段13は、運転情報管理サーバ20から自装置10の現在位置を示す現在位置情報が送られてくると、この現在位置情報と、自装置の現在位置が車両内であることを示す情報を経路検索要求手段15に渡す(S147)。以上がステップS133で行われる、乗車時の現在位置取得処理の詳細である。
【0064】
再び、図13に戻り、ステップS131において、自装置10が車両内に存在しないと判定した場合は、現在位置取得手段13は、自装置10が駅構内に存在するか否かを、管理情報記憶部101に記録されている管理情報に基づいて判定する(S132)。なお、管理情報は前述したように、携帯端末装置10が車両内または駅構内に存在するのか、それ以外の場所に存在するのかを示す情報である。
【0065】
ここで、管理情報は、入退場管理手段14によって管理されるものであるので、入退場管理手段14に関連する動作を、図15および図16のシーケンス図を参照して説明しておく。図15のシーケンス図を参照すると、改札口カードリーダ50内の改札口情報送信部53は、携帯端末装置10のユーザが駅構内に入場した場合には、ICカード読取部51がユーザのICカード70から読み取ったカードIDと、駅識別情報記憶部52から読み取った、自装置50が設置されている駅を示す駅識別情報と、駅構内に入場したことを示す入場情報とを含んだ改札口情報を運転情報管理サーバ20へ送信し、ユーザが駅構内から退場した場合には、カードIDと、駅識別情報と、駅構内から退場したことを示す退場情報とを含んだ改札口情報を運転情報管理サーバ20へ送信する(S151,S152)。
【0066】
運転情報管理サーバ20内の入退場情報送信手段21は、改札口カードリーダ50から改札口情報が送られてくると、改札口情報中のカードIDに関連付けて記録されている、携帯端末装置10のユーザのメールアドレスをユーザ情報記憶部251から検索する(S153)。更に、入退場情報送信手段21は、改札口情報中の駅識別情報に関連付けて記録されている駅名および鉄道会社名を検索し、検索した駅名および鉄道会社名と、駅構内に入場したのか否かを示す情報とを含んだ入退場情報を電子メールにより、携帯端末装置10へ送信する(S154,S155)。なお、入退場情報は、メール本文に、予め決められているフォーマットで記載される。
【0067】
携帯端末装置10は、入退場情報がメール本文に記載された電子メールを、メール処理手段(図示せず)により受信すると、それをメール記憶部(図示せず)に記録する(S156)。入退場管理手段14は、メール記憶部に電子メールが記録される毎に、その電子メール本文に入退場情報が記載されているか否かを、例えば、送信元アドレスが運転情報管理サーバ20のアドレスになっているか否かにより判定し、入退場情報が記載されていると判定した場合には、メール本文から入退場情報を入力する。そして、入力した入退場情報に従って管理情報記憶部101に記録されている管理情報や、滞在駅識別情報記憶部102に記録されている滞在駅識別情報を更新する(S157)。より具体的には、入退場情報が、駅構内に入場したことを示す入場情報を含んでいる場合には、管理情報記憶部101に記録されている管理情報を、自装置10が駅構内または車両内に存在することを示すものに変更すると共に、入退場情報中の駅識別情報を滞在駅識別情報として滞在駅識別情報記憶部102に記録する。これに対して、入退場情報が、駅構内から退場したことを示す退場情報を含んでいる場合には、管理情報を、自装置10が駅構内にも車両内にも存在しないことを示すものに変更する。
【0068】
なお、図15のシーケンス図では、電子メールを利用して、運転情報管理サーバ20から携帯端末装置10へ入退場情報を送信するようにしたが、入退場情報の送信方法はこれに限られるものではなく、例えば、次のようにすることもできる。
【0069】
運転情報管理サーバ20の入退場情報送信手段21をプッシュ型情報送信手段で構成する。入退場情報送信手段21は、改札口カードリーダ50から改札口情報が送られてくる毎に、ユーザ情報記憶部251から改札口情報中のカードIDに関連付けて記録されている、ネットワーク60における携帯端末装置10の着番号を検索し、この検索した着番号に従ってプッシュ型の情報を携帯端末装置10へ送信する。携帯端末装置10へ送信するプッシュ型の情報は、入退場情報と、パスワードと、リアルタイム案内システムIDと、送信情報判別IDを含んでいる。パスワードには、携帯端末装置10において、受信した情報が運転情報管理サーバ20からのものであるか否かを判断するための文字列が記録される。リアルタイム案内システムIDには、携帯端末装置10において、受信した情報がリアルタイム案内システム向けの情報であることを認識するためのIDが記録される。送信情報判別IDには、携帯端末装置10において、受信した情報が入退場情報であることと、および、受信する情報で携帯端末装置10にある管理情報や滞在駅識別情報を更新することを認識するためのIDが記録される。入退場情報は、前述したと通りである。携帯端末装置10の入退場管理手段14は、上記したプッシュ型の情報に従って、管理情報や滞在駅識別情報を更新する。
【0070】
また、図16のシーケンス図を参照すると、携帯端末装置10のユーザが乗車中の車両から降車すると、携帯端末装置10内の車両識別情報受信手段11は、それまで受信できていた車両識別情報送信装置40からの車両識別情報を受信できなくなる(S161〜S163)。入退場管理手段14は、車両識別情報送信装置40からの車両識別情報を受信できなくなると、ユーザの降車駅を知るために、降車駅識別情報取得要求を運転情報管理サーバ20に対して送信する(S164)。なお、降車駅識別情報取得要求には、車両識別情報受信手段11で最後に受信した車両識別情報と、現在時刻とが含まれる。
【0071】
運転情報管理サーバ20内の降車駅特定手段23は、携帯端末装置10からの降車駅識別情報取得要求を受信すると、運転情報記憶部253に記録されている運転情報と、上記要求中の車両識別情報および現在時刻とに基づいて、ユーザが降車した駅の駅名および鉄道会社名を求める(S165,S166)。より具体的には、降車駅特定手段23は、先ず、運転情報記憶部253に記録されている各車両の運転情報の内の、上記要求中の車両識別情報によって特定される車両の運転情報を入力する。その後、入力した運転情報に含まれている駅名および鉄道会社名の中から、それと関連付けて記録されている到着時刻および発車時刻が、それぞれ現在時刻よりも前の時刻および現在時刻よりも後の時刻になっている駅名および鉄道会社名を検索する。この検索した駅名および鉄道会社名が、ユーザが降車した駅の駅名および鉄道会社名となる。その後、降車駅特定手段23は、ユーザが降車した駅の駅名および鉄道会社名を含む降車駅識別情報を携帯端末装置10へ送信する(S167)。
【0072】
携帯端末装置10内の入退場管理手段14は、運転情報管理サーバ20から送られてくる降車駅識別情報を受信すると、降車駅情報識別情報に含まれている駅名および鉄道会社名を降車駅識別情報として滞在駅識別情報記憶部102に記録する(S168,S169)。
【0073】
上記した図15および図16のシーケンス図に示す処理によって、メモリ1C内の管理情報記憶部101には、携帯端末装置10が車両内または駅構内に存在するのか、それ以外の場所に存在するのかを示す管理情報が記録され、滞在駅識別情報記憶部102には、携帯端末装置10が最後に存在した駅を示す滞在駅識別情報が記録される。
【0074】
再び、図13に戻り、現在位置取得手段13は、メモリ1C内の管理情報記憶部101の内容に基づいて自装置10が駅構内にも、車両内にも存在しないと判定した場合(S132がN)は、GPS測位手段12を利用して自装置10の現在位置を検出し、検出した現在位置を表す現在位置情報と、自装置10が車両内にも、駅構内にも存在しないことを示す情報を経路検索要求手段15に渡す(S134)。これに対して、自装置10が駅構内に存在すると判定した場合(S132がY)は、メモリ1C内の滞在駅識別情報記憶部102に記録されている滞在駅識別情報を入力し、それを現在位置情報として経路検索要求手段15に渡すと共に、自装置10が駅構内に存在することを示す情報を経路検索要求手段15に渡す。
【0075】
以上が、図12のステップS1202で実行される現在位置取得処理の詳細である。
【0076】
再び、図12に戻り、経路検索要求手段15は、現在位置取得手段13から自装置10の現在位置情報、および、自装置10が車両内に存在することを示す情報が渡された場合は、出発地、目的地、および、検索条件を含んだ経路検索要求を経路検索サーバ30へ送信し、経路検索サーバ30から送られてきた検索結果(経路情報)をメモリ1C内の最新経路情報記憶部104に記録(上書き)した後(S1203〜S1205)、ステップS1201の処理に戻る。なお、経路検索サーバ30に送信する経路検索要求には、出発地として現在位置取得手段13から渡された現在位置情報を設定し、目的地として前回送信した経路検索要求中の目的地と同じ目的地を設定する。また、今回送信する経路検索要求に設定する検索条件は、前回送信した経路検索要求に設定した検索条件の内容に応じたものとする。すなわち、前回送信した経路検索要求に設定した検索条件が、目的地への到着時刻、または、出発地からの出発時刻であって、その時刻をユーザが入力部1Aから入力した時刻としたものである場合には、今回送信する経路検索要求には、前回送信した経路検索要求に設定した検索条件と同じ検索条件を設定する。これに対して、前回送信した経路検索要求に設定した検索条件が、出発地からの出発時刻であって、その時刻を、前回の送信時において時計17が示していた時刻としたものである場合には、今回送信する経路検索要求には、検索条件として、時計17が示している現在時刻を出発時刻した検索条件を設定する。
【0077】
また、経路検索要求手段15は、現在位置取得手段13から自装置10の現在位置情報が渡されると共に、自装置10が駅構内に存在することを示す情報、または、自装置10が駅構内にも車両内にも存在しないことを示す情報が渡された場合は、経路検索要求を経路検索サーバ30へ送信する。経路検索サーバ30内の経路検索手段31は、携帯端末装置10から送られてきた経路検索要求に従って目的地までの経路を検索し、その経路情報を携帯端末装置10へ送信する(S1203,S1206)。なお、経路検索手段31は、経路検索要求に含まれている出発地と目的地とが実質的に等しい場合は、目的地到着通知を携帯端末装置10へ送信する。例えば、出発地および目的地が共に駅名となっており、両者が等しい場合や、出発地が緯度経度、目的地が住所となっており、緯度経度と住所との対応テーブルを参照して両者が示す位置が等しいと判定した場合には、携帯端末装置10に対して目的地到着通知を送信する。
【0078】
携帯端末装置10内の経路検索要求手段15は、経路検索サーバ30から目的地到着通知が送られてきた場合(S1207がY)は、表示部1Bにその旨を表示したり、ブザーを鳴動することにより、目的地に到着したことをユーザに知らせ(S1208)、その処理を終了する。これに対して、経路検索サーバ30から経路情報が送られてきた場合(S1207がN)は、送られてきた経路情報を、メモリ1C内の最新経路情報記憶部104に記録する。
【0079】
その後、経路検索要求手段15は、前回送信した経路検索要求に設定した検索条件が、現在時刻を出発時刻としたものであったか否かを判定する(S1210)。そして、検索条件が、現在時刻を出発時刻としたものであった場合(S1210がY)は、再び、S1201の処理を行う。これに対して、前回設定した検索条件が、目的地への到着時刻、または、ユーザが入力部1Aから入力した任意の時刻を出発時刻としたものであった場合(S1210がN)は、比較手段16を使用して、メモリ1Cの使用経路情報記憶部103に記録されている使用経路情報が示している出発時刻と、時計17は示す現在時刻とを比較する(S1211)。
【0080】
そして、現在時刻が出発時刻を過ぎている場合(S1212がN)は、これ以降の処理では、経路検索要求には常に、現在時刻を出発時刻とした検索条件を設定することを決定し(ステップS1215)、その後、再び、S1202の処理を行う。従って、これ以降に実行されるステップS1204,S1206では、経路検索要求手段15は、前回送信した経路検索要求中の検索条件の内容がどのようなものであっても、今回送信する経路検索要求には、時計17が示している現在時刻を出発時刻とした検索条件を設定する。
【0081】
これに対して、現在時刻が出発時刻を過ぎていない場合(S1212がY)は、経路検索要求手段15は、メモリ1C内の使用経路情報記憶部103に新しい使用経路情報を記録してから現時点までの間にアラームを発生させたか否かを判定する(ステップS1213)。この判定は、例えば、使用経路情報記憶部103に新しい使用経路情報が格納された際に、経路検索要求手段15によってその値が“0”にされ、アラームが発生した場合、経路検索要求手段15によってその値が“1”にされる判定用フラグを用意しておき、このフラグの値に基づいて判定する方法などを採用できる。
【0082】
そして、アラームを既に発生させている場合(S1213がY)は、ステップS1201の処理を再び行い、アラームを発生させていない場合(S1213がN)は、経路検索要求手段15は、比較手段16を利用して、現在時刻が使用経路情報中の出発時刻よりも所定時間前のアラーム発生時刻を過ぎているか否かを判定する(S1214)。
【0083】
そして、アラーム発生時刻を過ぎていない場合(S1214がN)は、再び、ステップS1201の処理を行い、アラーム発生時刻を過ぎている場合(S1214がY)は、アラーム起動手段18を起動し(S1216)、その後、ステップS1201の処理を再び行う。アラーム起動手段18は、起動されると、ブザーを鳴動させたり、表示部1Bに警告文などを表示することにより、出発時刻が近づいていることをユーザに知らせる。
【0084】
次に、携帯端末装置10のユーザが、目的地までの最速経路(所要時間が最も短い経路)を確認する場合の動作について説明する。
【0085】
ユーザは、図11のステップS111において経路検索指示を入力する際、出発地にはユーザの現在位置から最寄りの駅や、ユーザの現在位置の住所などを設定する。その後、出発時刻になるまでユーザが移動しなければ、ステップS115で選択した使用経路は、ユーザにとって最適な経路となる。しかし、急な用事などにより、ユーザが移動しなければならないこともある。このような場合、リアルタイム案内サービスによって検索された最新の経路の中に、使用経路よりも所要時間が短い経路が存在することがある。そこで、このような場合、ユーザは、自身の現在位置から目的地までの最速経路を確認するために、入力部1Aから最速経路確認指示を入力する(図17のS171)。
【0086】
これにより、最速経路提示手段19は、最新経路情報記憶部104に経路情報が記録されている経路の中に、使用経路情報記憶部103に経路情報が記録されている使用経路よりも、所要時間が短い経路が存在するか否かを判定する(S172)。
【0087】
この判定処理の一例を図18のフローチャートに示す。図18を参照すると、最速経路提示手段19は、先ず、図11のステップS111で入力された経路検索指示中の検索条件が、出発時刻であったのか、到着時刻であったのかを判定する(S181)。そして、出発時刻であると判定した場合は、使用経路情報記憶部103および最新経路情報記憶部104に経路情報が記録されている経路の中で、使用経路情報記憶部103に経路情報が記録されている使用経路の到着時刻が最も早いか否かを判定する(S182)。そして、使用経路の到着時刻が最も早い場合(S182がY)は、使用経路は最速経路であると判定し(S184)、そうでない場合(S182がN)は、使用経路は最速経路でないと判定する(S185)。
【0088】
また、ステップS181で、検索条件が到着時刻であると判定した場合は、使用経路情報記憶部103および最新経路情報記憶部104に経路情報が記録されている経路の中で、使用経路情報記憶部103に経路情報が記録されている使用経路の出発時刻が最も遅いか否かを調べる(S183)。そして、使用経路の出発時刻が最も遅い場合(S186がY)は、使用経路は最速経路であると判定し(S186)、そうでない場合は、使用経路は最速経路でないと判定する(S185)。以上が、図17のステップS172で行う処理の詳細である。
【0089】
再び、図17に戻り、最速経路提示手段19は、使用経路が最速経路であると判定した場合(S172がY)は、使用経路および使用経路が最速経路であることを示すメッセージを表示部1Bに表示し(S176)、その後、処理を終了する。
【0090】
これに対して、使用経路が最速経路でないと判定した場合(S172がN)は、使用経路と、使用経路よりも所要時間が短い経路が存在するか否かを示すメッセージと、最新経路(最新経路情報記憶部104に記録されている経路情報によって表される経路)と、最速経路と、使用経路を変更するか否かを問い合わせる問い合わせ文を表示部1Bに表示する(S173)。ユーザは、この表示を見て、使用経路を変更しない場合は、その旨を入力部1Aから入力し、使用経路を変更する場合には、入力部1Aを用いて新たに使用経路とする経路を1つ選択する。
【0091】
最速経路提示手段19は、ユーザによって使用経路を変更しないことが指示された場合(S174がN)は、その処理を終了し、新たに使用経路とする経路が選択された場合(S174がY)は、その経路の経路情報を使用経路情報記憶部103に記録する(S175)。
【0092】
[実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、携帯端末装置10がGPS衛星からの信号を受信できない地下鉄の車両内や駅構内に存在する場合であっても、ユーザにとって適切な、ユーザの現在位置から目的地までの経路を検索することが可能になる。その理由は、携帯端末装置10が車両内に存在する場合は、車両に設置されている車両識別信号送信装置40から送信されている、上記車両を識別する車両識別情報を含んだ現在位置取得要求を、現在位置取得要求中の車両識別情報によって特定される車両の運転情報と現在時刻とに基づいて上記送信元の現在位置に相当する駅の駅識別情報(車両が現在停車中の駅または次の停車駅の駅識別情報)を求める運転情報管理サーバ20へ送信して運転情報管理サーバ20から自装置の現在位置に相当する駅識別情報を取得し、自装置10が駅構内に存在する場合には、自装置10内の入退場管理手段14が記録している滞在駅情報を、自装置10の現在位置として取得するようにしているからである。
【0093】
また、本実施の形態は、現在時刻が経路検索結果に含まれている出発時刻を過ぎた場合、経路検索要求手段15が、出発時刻を現在時刻、出発地を現在位置取得手段13が取得した現在位置に変更した経路検索要求を、経路検索サーバ30へ送信するようにしているので、携帯端末装置10のユーザが経路検索結果で指示されている電車に乗り遅れてしまった場合であっても、乗車可能な車両の案内を受けることができる。
【0094】
更に、本実施の形態は、現在時刻と出発時刻との差分が所定時間以下になった場合、アラームを発するようにしているので、ユーザの不注意で列車に乗り遅れるといった事態の発生を防止することができる。
【0095】
また、本実施の形態では、経路検索サーバ30から送られてきた経路の中からユーザが目的地へ行く際に利用する使用経路を選択した後、ユーザによって最速経路確認指示が行われた場合、経路検索サーバ30から送られてきた最新の経路の中に、使用経路よりも所要時間の短い経路が存在すれば、最新の経路をユーザに提示するようにしているので、ユーザが出発時刻の前に、何らかの理由でユーザが移動した場合であっても、容易に所要時間が最短になる経路を確認することが可能になる。
【符号の説明】
【0096】
10 携帯端末装置
11 車両識別情報受信手段
12 GPS測位手段
13 現在位置取得手段
14 入退場管理手段
15 経路検索要求手段
16 比較手段
17 時計
18 アラーム起動手段
19 最速経路提示手段
1A 入力部
1B 表示部
1C メモリ
1D 通信手段
20 運転情報管理サーバ
21 入退場情報送信手段
22 位置特定手段
23 降車駅特定手段
24 運転情報管理手段
25 記憶装置
26 通信手段
30 経路検索サーバ
31 経路検索手段
32 運転情報管理手段
33 記憶装置
34 通信手段
40 車両識別情報送信装置
41 車両識別情報記憶部
42 車両識別情報送信部
50 改札口カードリーダ
51 ICカード読取部
52 駅識別情報記憶部
53 改札口情報送信部
60 ネットワーク
70 ICカード
101 管理情報記憶部
102 滞在駅識別情報記憶部
103 使用経路情報記憶部
104 最新経路情報記憶部
251 ユーザ情報記憶部
252 駅情報記憶部
253 運転情報記憶部
331 運転情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置と、運転情報管理サーバと、経路検索サーバとを備え、
前記携帯端末装置は、
車両内に設置されている車両識別情報送信手段から送信されている、前記車両を示す車両識別情報を受信する車両識別情報受信手段と、
自装置が駅構内または車両内に存在するか否かを示す管理情報を記録すると共に、自装置が最後に存在した駅を示す滞在駅識別情報を記録する入退場管理手段と、
GPS衛星からの信号を利用して自装置の現在位置を検出するGPS測位手段と、
自装置の現在位置検出タイミングとなる毎に、自装置が車両内に存在する場合は、前記車両識別情報受信手段で受信した車両識別情報を含んだ現在位置取得要求を前記運転情報管理サーバへ送信して前記運転情報管理サーバから自装置の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を取得し、自装置が駅構内に存在する場合は、自装置の現在位置として前記入退場管理手段によって記録されている滞在駅識別情報を取得し、自装置が車両内にも、駅構内にも存在しない場合は、自装置の現在位置として前記GPS測位手段の検出結果を取得する現在位置取得手段と、
出発地と目的地とを含む経路検索要求であって、前記出発地を前記現在位置取得手段で取得した現在位置とした経路検索要求を前記経路検索サーバへ送信する経路検索要求手段とを備え、
前記運転情報管理サーバは、
前記携帯端末装置から送られてきた現在位置取得要求中の車両識別情報によって示される車両の運転情報、および、現在時刻に基づいて前記携帯端末装置の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を求めて前記携帯端末装置へ送信する位置特定手段を備え、
前記経路検索サーバは、
前記携帯端末装置から送られてきた経路検索要求に含まれている出発地から目的地までの経路を検索し、検索した経路を含む検索結果を前記携帯端末装置へ送信する経路検索手段を備えたことを特徴とする経路検索システム。
【請求項2】
請求項1記載の経路検索システムにおいて、
前記入退場管理手段は、前記運転情報管理サーバから送られてくる、自装置が入場した駅を示す駅識別情報、あるいは、自装置が駅から退場したことを示す退場情報を含んだ入退場情報に基づいて前記管理情報および滞在駅識別情報を更新すると共に、前記車両識別情報受信手段で車両識別情報を受信できなくなったとき、前記車両識別情報受信手段が最後に受信した車両識別情報を含んだ降車駅識別情報取得要求を前記運転情報管理サーバへ送信して前記運転情報管理サーバから自装置が降車した駅を示す降車駅識別情報を取得し、該降車駅識別情報に基づいて前記滞在駅識別情報を更新し、
前記運転情報管理サーバは、
駅に設置されている入退場検出手段から前記駅を示す駅識別情報と前記ユーザが駅構内に入場したことを示す入場情報が送られてきた場合は、前記駅識別情報を含んだ入退場情報を前記携帯端末へ送信し、前記入退場手段から前記携帯端末装置が駅構内から退場したことを示す退場情報が送られてきた場合は、退場情報を含んだ入退場情報を前記携帯端末装置へ送信する入退場情報送信手段と、
前記携帯端末装置から降車駅識別情報取得要求が送られてきたとき、該降車駅識別情報取得要求中の車両識別情報によって示される車両の運転情報、および、現在時刻に基づいて、前記携帯端末装置が降車した駅を求め、該駅を示す降車駅識別情報を前記携帯端末装置へ送信する降車駅特定手段とを備えたことを特徴とする経路検索システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の経路検索システムにおいて、
前記検索結果は、前記経路検索要求中の出発地からの出発時刻を含み、
前記携帯端末装置は、前記経路検索サーバから送られてくる検索結果中の出発時刻と現在時刻とを比較し、現在時刻が前記出発時刻を過ぎているか否かを判定する比較手段を備え、
前記経路検索要求手段は、前記比較手段によって現在時刻が前記出発時刻を過ぎていると判定された場合は、前記現在位置取得手段を利用して自装置の現在位置を取得し、該取得した現在位置を出発地、現在時刻を出発時刻、前記目的地を目的地とした経路検索要求を前記経路検索サーバへ送信することを特徴とする経路検索システム。
【請求項4】
請求項3記載の経路検索システムにおいて、
前記比較手段は、現在時刻が前記出発時刻を過ぎていないと判定した場合は、現在時刻と前記出発時刻との差分が所定時間以下であるか否かを判定し、かつ、
前記携帯端末装置は、前記比較手段によって現在時刻と前記出発時刻との差分が所定時間以下であると判定された場合、アラームを発するアラーム起動手段を備えたことを特徴とする経路検索システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の経路検索システムにおいて、
前記携帯端末装置は、前記経路検索サーバから送られてきた経路の中からユーザが目的地に行く際に使用する使用経路を選択した後、前記ユーザによって最速経路確認指示が行われた場合、前記経路検索サーバから送られてきた最新の経路の中に、前記ユーザが使用経路よりも所要時間が短い経路が存在すれば、前記所要時間が最短となる経路を前記ユーザに提示する最速経路提示手段を備えることを特徴とする経路検索システム。
【請求項6】
車両内に設置されている車両識別情報送信手段から送信されている、前記車両を示す車両識別情報を受信する車両識別情報受信手段と、
自装置が駅構内または車両内に存在するか否かを示す管理情報を記録すると共に、自装置が最後に存在した駅を示す滞在駅識別情報を記録する入退場管理手段と、
GPS衛星からの信号を利用して自装置の現在位置を検出するGPS測位手段と、
自装置の現在位置検出タイミングとなる毎に、自装置が車両内に存在する場合は、前記車両識別情報受信手段で受信した車両識別情報を含んだ現在位置取得要求を、送られてきた現在位置取得要求中の車両識別情報によって特定される車両の運転情報と現在時刻とに基づいて前記現在位置取得要求の送信元の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を求める運転情報管理サーバへ送信することにより前記運転情報管理サーバから自装置の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を取得し、自装置が駅構内に存在する場合は、自装置の現在位置として前記入退場管理手段によって記録されている滞在駅識別情報を取得し、自装置が車両内にも、駅構内にも存在しない場合は、自装置の現在位置として前記GPS測位手段の検出結果を取得する現在位置取得手段と、
出発地と目的地とを含む経路検索要求であって、前記出発地を前記現在位置取得手段で取得した現在位置とした経路検索要求を経路検索サーバへ送信する経路検索要求手段とを備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項6記載の携帯端末装置において、
前記入退場管理手段は、前記運転情報管理サーバから送られてくる、自装置が入場した駅を示す駅識別情報、あるいは、自装置が駅から退場したことを示す退場情報を含んだ入退場情報に基づいて前記管理情報および滞在駅識別情報を更新すると共に、前記車両識別情報受信手段で車両識別情報を受信できなくなったとき、前記車両識別情報受信手段が最後に受信した車両識別情報を含んだ降車駅識別情報取得要求を前記運転情報管理サーバへ送信して前記運転情報管理サーバから自装置が降車した駅を示す降車駅識別情報を取得し、該降車駅識別情報に基づいて前記滞在駅識別情報を更新し、
前記運転情報管理サーバは、
駅に設置されている入退場検出手段から前記駅を示す駅識別情報と前記ユーザが駅構内に入場したことを示す入場情報が送られてきた場合は、前記駅識別情報を含んだ入退場情報を前記携帯端末へ送信し、前記入退場手段から前記携帯端末装置が駅構内から退場したことを示す退場情報が送られてきた場合は、退場情報を含んだ入退場情報を前記携帯端末装置へ送信する入退場情報送信手段と、
前記携帯端末装置から降車駅識別情報取得要求が送られてきたとき、該降車駅識別情報取得要求中の車両識別情報によって示される車両の運転情報、および、現在時刻に基づいて、前記携帯端末装置が降車した駅を求め、該駅を示す降車駅識別情報を前記携帯端末装置へ送信する降車駅特定手段とを備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
携帯端末装置の入退場管理手段が、自装置が駅構内または車両内に存在するか否かを示す管理情報を記録すると共に、自装置が最後に存在した駅を示す滞在駅識別情報を記録し、
前記携帯端末装置の現在位置取得手段が、現在位置取得タイミングとなる毎に、自装置が車両内に存在する場合には、前記車両内に設置されている車両識別情報送信装置から送信されている、前記車両を識別する車両識別情報を含んだ現在位置取得要求を運転情報管理サーバへ送信して前記運転情報管理サーバから自装置の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を取得し、自装置が駅構内に存在する場合は、自装置の現在位置として前記入退場管理手段によって記録されている滞在駅識別情報を取得し、自装置が車両内にも、駅構内にも存在しない場合は、自装置の現在位置としてGPS測位手段の検出結果を取得し、
前記運転情報管理サーバが、前記携帯端末装置から送られてきた現在位置取得要求中の車両識別情報と現在時刻とに基づいて前記携帯端末装置の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を求めて前記携帯端末装置へ送信し、
前記携帯端末装置の経路検索要求手段が、出発地と目的地とを含む経路検索要求であって、前記出発地を前記現在位置取得手段で取得した現在位置とした経路検索要求を経路検索サーバへ送信することを特徴とする経路検索方法。
【請求項9】
車両内に設置されている車両識別情報送信手段から送信されている、前記車両を示す車両識別情報を受信する車両識別情報受信手段と、GPS衛星からの信号を利用して現在位置を検出するGPS測位手段とを備えた携帯端末装置に実装されているコンピュータを、
前記携帯端末装置が駅構内または車両内に存在するか否かを示す管理情報を記録すると共に、自装置が最後に存在した駅を示す滞在駅識別情報を記録する入退場管理手段、
自装置の現在位置検出タイミングとなる毎に、自装置が車両内に存在する場合は、前記車両識別情報受信手段で受信した車両識別情報を含んだ現在位置取得要求を、送られてきた現在位置取得要求中の車両識別情報によって特定される車両の運転情報と現在時刻とに基づいて前記現在位置取得要求の送信元の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を求める運転情報管理サーバへ送信することにより前記運転情報管理サーバから自装置の現在位置として前記車両の現在の停車駅または次の停車駅を示す駅識別情報を取得し、自装置が駅構内に存在する場合は、自装置の現在位置として前記入退場管理手段によって記録されている滞在駅識別情報を取得し、自装置が車両内にも、駅構内にも存在しない場合は、自装置の現在位置として前記GPS測位手段の検出結果を取得する現在位置取得手段、
出発地と目的地とを含む経路検索要求であって、前記出発地を前記現在位置取得手段で取得した現在位置とした経路検索要求を経路検索サーバへ送信する経路検索要求手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−163935(P2011−163935A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27122(P2010−27122)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】