説明

経路算出装置

【課題】マルチモーダル経路探索において、経路を表示する端末の種類に応じて経路探索方法を変更することで、従来よりも利便性を向上させることを目的とする。
【解決手段】センタ1は、同じ出発地点および同じ目的地に対して、経路探索要求の送信元が車載固定端末2である場合と携帯端末3である場合とで、異なる最適経路を算出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地点から目的地まで、公共交通機関および公共交通機関でない車両を利用した最適経路を探索して算出する経路算出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、出発地点から目的地まで、公共交通機関(例えば、列車、バス)および公共交通機関でない車両を利用した最適経路を探索して算出する経路算出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような経路探索は、マルチモーダル経路探索と呼ばれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−124569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のマルチモーダル経路探索では、経路を表示する端末の種類に応じて経路探索方法を変更するようにはなっていない。本発明は上記点に鑑み、経路を表示する端末の種類に応じて経路探索方法を変更することで、マルチモーダル経路探索の利便性を従来よりも向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、出発地点から目的地まで、公共交通機関および公共交通機関でない車両を利用した最適経路を探索して算出する経路探索手段と、前記経路探索手段による探索の結果算出された最適経路を表示する端末が前記車両から外に持ち出せない車載固定端末であるか前記車両から外に持ち出せる携帯端末であるかを判定する端末判定手段と、を備え、前記経路探索手段は、同じ出発地点および同じ目的地に対して、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合と、携帯端末であると前記端末判定手段が判定した場合とで、異なる最適経路を算出することを特徴とする経路算出装置である。
【0006】
このように、同じ出発地点および同じ目的地に対して、最適経路を表示する端末が車載固定端末である場合と携帯端末である場合とで、異なる最適経路を算出することで、車両から他の公共交通機関に乗り換えた後でも当該端末を使用可能か否かに応じた最適経路を算出することができ、その結果、マルチモーダル経路探索の利便性が向上する。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の経路算出装置において、前記経路探索手段は、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合は、携帯端末であると前記端末判定手段が判定した場合に比べて、利用する公共交通機関の種類を制限することを特徴とする。
【0008】
車両から他の公共交通機関に乗り換えた後に当該端末を使用不可能な場合は、公共交通期間の種類によっては、例えば乗降場所を探すのが難しい等の理由で、利用するのに不便となりがちなものがある。そこで、上記のように、最適経路を表示する端末が車載固定端末である場合、携帯端末である場合よりも、利用する公共交通機関の種類を制限することで、車載固定端末と携帯端末の特性に応じたマルチモーダル経路探索を行うことができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の経路探索装置において、前記経路探索手段は、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合は、携帯端末であると前記端末判定手段が判定した場合に比べて、徒歩の単位距離当たりのコストを高くして、最適経路を探索することを特徴とする。
【0010】
車両から他の公共交通機関に乗り換えた後に当該端末を使用不可能な場合は、徒歩で歩くときに迷う可能性が比較的高い。そこで、上記のように、最適経路を表示する端末が車載固定端末である場合、携帯端末である場合と比べて、徒歩の単位距離当たりのコストを高くすることで、徒歩のリスクを抑えた経路を最適経路として算出することができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の経路探索装置において、前記経路探索手段は、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合は、携帯端末であると前記端末判定手段が判定した場合に比べて、移動手段の切り替えのコストを高くして、最適経路を探索することを特徴とする。
【0012】
移動手段の切り替えの回数が多いほど、案内なしで移動するのが困難になる。そこで、上記のように、最適経路を表示する端末が車載固定端末である場合、携帯端末である場合と比べて、移動手段の切り替えのコストを高くすることで、移動手段の切り替えのリスクを抑えた経路を最適経路として算出することができる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の経路探索装置において、前記経路探索手段は、同じ出発地点および同じ目的地に対して、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合と、携帯端末であると前記端末判定手段が判定した場合とで、最適経路中で公共交通機関に搭乗する乗降場所の位置を異ならせることを特徴とする。
【0014】
車両から他の公共交通機関に乗り換えた後に当該端末を使用不可能な場合は、駐車場によっては、例えば車からの乗り継ぎが難しい等の理由で、利用するのに不便となりがちなものがある。したがって、上記のように、最適経路を表示する端末が車載固定端末である場合と携帯端末である場合とでは、公共交通機関に搭乗する乗降場所(例えば、駅、バス停)が異ならせることで、端末に応じた適切な乗降場所を選定することができる。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の経路探索装置において、前記経路探索手段は、同じ出発地点および同じ目的地に対して、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合、携帯端末であると前記端末判定手段が判定した場合に比べて、最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所に徒歩で移動するために前記車両を駐車させる駐車場を異ならせることを特徴とする。
【0016】
車両から他の公共交通機関に乗り換えた後に当該端末を使用不可能な場合は、駐車場によっては、例えば公共交通機関の乗降場所を探すのが難しい等の理由で、利用するのに不便となりがちなものがある。したがって、上記のように、最適経路を表示する端末が車載固定端末である場合と携帯端末である場合とでは、最適経路中で車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所に徒歩で移動するために車両を駐車させる駐車場を異ならせることで、端末に応じた適切な駐車場を選定することができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の経路探索装置において、前記経路探索手段は、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合、最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所が所定の主要道路に面しているか否かを判定し、面していると判定したことに基づいて、当該乗降場所に徒歩で移動するために前記車両を駐車させる駐車場を選定し、面していないと判定したことに基づいて、最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所を変更することを特徴とする。
【0018】
車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所が主要道路に面している場合は、車両から降りた乗員が当該乗降場所を探しやすく、そうでない場合は、探し難い。したがって、上記のようにすることで、車両から持ち出せない車載固定端末の特性に応じた公共交通機関の乗降場所を選定することができる。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の経路探索装置において、前記経路探索手段は、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合、最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所が所定の主要道路に面しているか否かを判定し、面していないと判定した場合、当該乗降場所に駐車場が併設されているか否かを判定し、併設されていると判定したことに基づいて、当該乗降場所に徒歩で移動するために前記車両を駐車させる駐車場として当該併設の駐車場を選定し、併設されていないと判定したことに基づいて、最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所を変更することを特徴とする。
【0020】
車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所が主要道路に面していない場合であっても、その乗降場所に駐車場が併設されていれば、端末を車両から持ち出せなくても、乗降場所が見つからなくて迷う可能性は低い。したがって、そのような場合は、上記のように、当該併設の駐車場を選定して当該乗降場所を使用する最適経路を採用する。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の経路探索装置において、前記経路探索手段は、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合でも、前記車両の乗員の所定の操作があったことに基づいて、最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所が所定の主要道路に面しているか否かに関わらず、当該乗降場所に徒歩で移動するために前記車両を駐車させる駐車場を選定することを特徴とする。このように、車両の乗員の操作によっては、当該乗降場所を使用する最適経路を採用することで、土地勘に自信のある乗員にも適した経路探索を行うことができる。
【0022】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1ないし10に記載の経路探索装置において、前記経路探索手段が算出した最適経路を前記車両が移動している間、当該最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所に徒歩で移動するために前記車両を駐車させる駐車場が満車になったか否かを判定し、満車になったと判定したことに基づいて、代替の駐車場を設定する代替駐車場設定手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
このように、車両が最適経路を移動している間も、その最適経路で車両を駐車させることになっている駐車場が満車になれば、代替の駐車場を設定することで、予定の駐車場にたどり着いても満車で入れないという事態の発生可能性を抑えることができる。
【0024】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係るセンタ1、車載固定端末2、携帯端末3の構成図である。
【図2】車載固定端末2および携帯端末3が実行する処理のフローチャートである。
【図3】センタ1が実行する処理のフローチャートである。
【図4】携帯端末用マルチモーダル経路候補探索処理のフローチャートである。
【図5】車両による最適駐車場43までの経路を示す図である。
【図6】満車情報監視サブルーチンの処理を示すフローチャートである。
【図7】満車情報受信時のサブルーチンの処理を示すフローチャートである。
【図8】車載固定端末用マルチモーダル経路候補探索処理のフローチャートである。
【図9】車両による最適駐車場44までの経路を示す図である。
【図10】車両による最適駐車場43までの経路を示す図である。
【0026】

【図11】第2実施形態において車載固定端末2および携帯端末3が実行する処理のフローチャートである。
【図12】第2実施形態においてセンタ1が実行する処理のフローチャートである。
【図13】本発明の第3実施形態において実行する車載固定端末用マルチモーダル経路候補探索処理のフローチャートである。
【図14】本発明の第4実施形態において実行する車載固定端末用マルチモーダル経路候補探索処理のフローチャートである。
【図15】第5実施形態において車載固定端末2および携帯端末3が実行する処理のフローチャートである。
【図16】第5実施形態においてセンタ1が実行する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係るセンタ1(経路探索装置の一例に相当する)および車載固定端末2、携帯端末3の構成を示す。本実施形態では、センタ1が、車載固定端末2または携帯端末3から経路探索要求を受けると、経路探索要求の要求元の端末(車載固定端末2または携帯端末3)で表示させるための最適な経路を探索して算出し、算出した結果の最適経路を当該要求元の端末に送信するようになっている。
【0028】
車載固定端末2は、車両内に取り付けられ、ユーザが車両から持ち出せないタイプの端末であり、例えば車両内に固定されたカーナビゲーション装置、車内固定型のPND(Personal Navigation Device)等である。
【0029】
携帯端末3は、ユーザが持ち運び可能で、車内においても使用可能で、かつ、車外に持ち出しても、徒歩の経路および公共交通機関の路線の経路を表示および案内可能な端末であり、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯可能通信型のPND等である。センタ1は、屋内、屋外、道路、車両内等、どこに設置されていてもよいが、車載固定端末2、携帯端末3と通信経路を介して通信可能なようになっている。通信経路は、無線通信経路であってもよいし、無線通信経路と有線の通信経路(例えばインターネット)の組み合わせであってもよい。
【0030】
本実施形態においては、センタ1が算出する最適経路は、公共交通機関(鉄道の列車、バス等)および公共交通機関でない車両を利用した最適経路である。例えば、車両の現在位置から出発し、鉄道の乗車駅の近くの駐車場まで車両で走行し、当該駐車場から当該駅まで徒歩で移動し、当該駅から目的地近くの降車駅まで列車で移動し、降車駅から目的地まで徒歩で移動する最適経路を算出する。このような、公共交通機関(鉄道の列車、バス等)および公共交通機関でない車両を利用した経路探索を、マルチモーダル経路探索という。
【0031】
またセンタ1は、車載固定端末2、携帯端末3から受けた経路探索要求に含まれる端末情報に基づいて、最適経路を表示する端末(経路探索要求の送信元の端末)が車両から外に持ち出せない車載固定端末2であるか車両から外に持ち出せる携帯端末3であるかを判定し、車載固定端末2である場合と携帯端末3である場合で異なる方法を採用して、最適な経路探索を行う。
【0032】
例えば、車載固定端末2から経路探索要求を受けた場合は、道路に面した比較的解り易い駐車場に車両を駐車させ、JRの駅等の乗り換えが容易な駅を利用する最適経路を算出して車載固定端末2に送信する。また例えば、携帯端末3から経路探索要求を受けた場合は、機器から経路を要求された場合は、地下駐車場や入り組んだ場所の駐車場も案内、地下鉄・私鉄・バスの乗車場所(駅、停留所等)を利用する最適経路を算出して携帯端末3に送信する。
【0033】
まず、センタ1、車載固定端末2、携帯端末3の構成について説明する。センタ1は、通信部11、記憶部12、制御部13を備えている。通信部11は、車載固定端末2、携帯端末3との通信を実現するための通信インターフェース回路である。記憶部12は、経路検索を行うために必要な各種データが記録された記憶媒体である。
【0034】
記憶部12が記憶する情報としては、公共交通機関情報、地図情報、交通情報、駐車場POI情報、駐車場満空・使用情報等がある。
【0035】
公共交通機関情報は、公共交通機関(列車、バス等)の運行スケジュール(何時にどの駅に到着する等)の情報である。地図情報は、道路の位置および接続関係の情報である。交通情報は、道路の混雑度合いを示す情報であり、定期的に更新される。駐車場POI情報は、駐車場および他のPOI(デパート、レストラン、駅、バス停)等の位置等を示す情報である。駐車場満空・使用情報は、各駐車場の使用状況(駐車スペースの何%が空いているか、何台分空いているか等)の情報であり、定期的に更新される。
【0036】
制御部13は、ROM等の記憶媒体に記録されたプログラムを実行することで各種処理を実現する処理装置である。制御部13が実行する処理としては、マルチモーダル探索処理および接続端末判定処理等がある。
【0037】
また、車載固定端末2は、通信部21、記憶部22、制御部23を備えている。通信部21は、センタ1と通信するための無線通信インターフェースである。記憶部22は、端末情報、地図情報、駐車場POI情報等が記録された記憶媒体である。端末情報は、車載固定端末2の端末種別を示す情報または車載固定端末2の識別子(ID等)であり、この端末情報により、車載固定端末2が車両から外に持ち出せない車載固定端末であることがわかる。地図情報、駐車場POI情報は、センタ1の制御部13が記憶しているものと同じものでよい。制御部23は、ROM等の記憶媒体に記録されたプログラムを実行することで各種処理を実現する処理装置である。制御部23が実行する処理としては、端末情報をセンタ1に送信する処理、センタ1から受信した最適経路のルート案内を行う処理等である。
【0038】
また、携帯端末3は、通信部31、記憶部32、制御部33を備えている。通信部31は、センタ1と通信するための無線通信インターフェースである。記憶部32は、端末情報、地図情報、駐車場POI情報、ランドマークPOI情報等が記録された記憶媒体である。端末情報は、携帯端末3の端末種別を示す情報または携帯端末3の識別子(ID等)であり、この端末情報により、車載固定端末2が車両から外に持ち出せると共に徒歩経路のナビゲーションも行える携帯端末であることがわかる。地図情報、駐車場POI情報は、センタ1の制御部13が記憶しているものと同じものでよい。ランドマークPOI情報は、徒歩のナビゲーションのみに必要な特定のランドマークの名称、位置等の情報である。制御部33は、ROM等の記憶媒体に記録されたプログラムを実行することで各種処理を実現する処理装置である。制御部33が実行する処理としては、端末情報をセンタ1に送信する処理、センタ1から受信した最適経路のルート案内を行う処理等である。
【0039】
次に、上記のようなセンタ1、車載固定端末2、携帯端末3から構成されるシステムの作動について説明する。図2に、車載固定端末2の制御部23および携帯端末3の制御部33の両方がプログラムに従って実行する処理を示し、図3に、センタ1の制御部13がプログラムに従って実行する処理を示す。
【0040】
まず、携帯端末3がセンタ1に経路探索要求を送信する場合の作動について説明する。この場合、携帯端末3を携帯して車両(公共交通機関の車両ではない)に搭乗している乗員が、携帯端末3に対して最終目的地を入力する。この入力は、携帯端末3の図示しない入力装置(例えばタッチパネル、メカニカルスイッチ)に対して行われる。すると携帯端末3の制御部33は、図2のステップ110で、入力された通りの最終目的地を決定し、ステップ120に進む。
【0041】
ステップ120では、通信部31を用いて、経路探索要求をセンタ1に送信する。ここで、当該経路探索要求に含める情報は、当該車両の現在位置(携帯端末3の現在位置)の情報である自車位置情報、ステップ110で決定した最終目的地の位置情報、および、記憶部32に記録された端末情報等である。なお、現在位置の情報は、例えば携帯端末3に搭載されたGPS受信機(図示せず)から取得する。ステップ120に続いては、ステップ130で、センタ1から最適経路の情報を受信するまで待つ。
【0042】
ステップ120では、通信部21を用いて、経路探索要求をセンタ1に送信する。ここで、当該経路探索要求に含める情報は、当該車両の現在位置の情報である自車位置情報、ステップ110で決定した最終目的地の位置情報、および、記憶部22に記録された端末情報等である。ステップ120に続いては、ステップ130で、センタ1から最適経路の情報を受信するまで待つ。
【0043】
この経路探索要求を受けたセンタ1では、制御部13が、通信部11を介してこの経路探索要求を取得し、図3のステップ210で、経路探索要求を受信したと判定し、続いてステップ220に進む。
【0044】
ステップ220では、受信した経路探索要求に含まれる端末情報に基づいて、経路探索要求の送信元の端末が車載固定端末であるか携帯端末であるかを識別する。なお、制御部13は、どのような端末情報が車載固定端末であることを示し、どのような端末情報が携帯端末であることを示すかの情報(図示せず)を、記憶部12またはROMから読み出して参照することで、このような識別を実現する。
【0045】
続いてステップ230で、ステップ220の識別結果に従って、経路探索要求の送信元の端末(すなわち、これから算出する最適経路を表示する端末)が携帯端末であるか否かを判定する。今回の場合、経路探索要求は携帯端末3から送信されているので、携帯端末であると判定し、ステップ240に進む。
【0046】
ステップ240では、携帯端末用マルチモーダル経路候補探索を行う。図4に、携帯端末用マルチモーダル経路候補探索の詳細を示す。携帯端末用マルチモーダル経路候補探索では、まずステップ242で、出発地から最終目的地までの最適な経路を算出する。
【0047】
ただし、ここで算出する経路は、現在の車両で現在位置(すなわち出発地点)から公共交通機関の乗降場所まで移動する経路Aと、当該乗降場所から当該公共交通機関に搭乗して以降の経路Bを結合した経路A+Bである。
【0048】
この経路A+Bの算出においては、記憶部12の公共交通機関情報、地図情報、交通情報を用いる。また、この経路A+Bの算出においては、ダイクストラ法等、経路毎にコストを算出し、コストが最小となる経路を最適経路A+Bとする方法を用いるが、コストの算出の際には、単位距離当たりの徒歩コスト、車両から他の移動手段(列車、バス)に乗り換えるコスト等の基準コストをあらかじめ定めておく。ステップ242の算出では、この基準コストの値は、デフォルトの値を採用する。
【0049】
例えば、ステップ242では、車両の現在位置から鉄道の駅42(図5参照)まで、当該車両で走行するような経路(図示せず)を含む最適経路A+Bを算出したとする。
【0050】
続いてステップ244では、最適駐車場の選定を行う。ここで、最適駐車場とは、ステップ242で算出した最適経路A+B中で現在の車両が次に搭乗する公共交通機関の乗降場所42に徒歩で移動するために、車両を駐車させる最適駐車場43である。この最適駐車場の選択方法は、乗降場所42から最寄りの(すなわち、徒歩時間が最短の)駐車場を採用する方法であってもよいし、乗降場所42から所定距離内で駐車料金が最も安価な駐車場を採用する方法であってもよい。また、記憶部22中の駐車場満空・使用情報を参照し、最も徒歩時間が短い駐車場が満車である場合は、更に2番目に徒歩時間が短い駐車場が満車である場合は、3番目に徒歩時間が短い駐車場を最適駐車場とするようになっていてもよい。
【0051】
続いてステップ246では、当該駐車場(最適駐車場43)を中間目的地に設定し、更にステップ248では、現在位置41から当該駐車場43まで車両で走行するのに最適な経路(図5中の太実線)と、当該駐車場43から乗降場所42までの徒歩で移動するのに最適な経路とから成る経路A’を探索して算出し、算出した経路A’を上記経路Aと置き換えることで、最適経路A+Bを最適経路A’+Bに修正する。
【0052】
このような図4の処理により、現在位置41から最適駐車場43までの車両の経路、最適駐車場43から駅42までの徒歩経路、および駅42から目的地までの列車、徒歩等の経路から成る最適経路A’+Bが算出される。
【0053】
図4の処理が終了すると、続いて図3のステップ250に進み、通信部11を用いて、算出した最適経路A’+Bの情報(移動手段、移動経路等)を、経路探索要求の送信元の携帯端末3に送信する。
【0054】
すると携帯端末3では、制御部33が通信部31を介してこの最適経路A’+Bの情報を受信し、ステップ130で受信したと判定してステップ140に進む。そしてステップ140では、この最適経路A’+Bの経路案内(携帯端末3の図示しないディスプレイへの経路の表示および経路に沿った右左折の通知等)を開始する。携帯端末3のユーザは、この経路案内に従って最適経路A’+Bを移動することができる。
【0055】
経路案内開始後は、ユーザが最適駐車場43に到着するまでは、センタ1が最適駐車場43の使用状況を監視し、必要に応じて携帯端末3に通知を行う。具体的には、センタ1の制御部13は、ステップ250で最適経路A’+Bを送信した後、ステップ290で、満車情報監視サブルーチンを実行する。図6に、満車情報監視サブルーチンの詳細を示す。
【0056】
この満車情報監視サブルーチンにおいて、制御部13は、まずステップ310で、最適経路A’+Bを案内する携帯端末3から最適駐車場43に到着した旨の通知を受信したか否かを判定する。到着していないと判定した場合は、ステップ320に進む。
【0057】
ステップ320では、最適駐車場43の駐車場情報を最新のものに更新する。最適駐車場43の最新の駐車場情報は、例えば最適駐車場43の最新の駐車場情報を定期的に送信する駐車場情報サーバから受信することで取得してもよい。これにより、最適駐車場43の現在の空き状況がわかる。
【0058】
続いてステップ330では、ステップ320で受信した駐車情報に従って、車両を駐車させると設定されている当該駐車場最適駐車場43が満車状態であるか否かを判定する。満車になっていなければ、処理をステップ310に戻す。
【0059】
したがって、携帯端末3のユーザが乗車する車両が最適駐車場43に到着するまでは、最適駐車場43が満車状態にならなければ、ステップ310〜330の処理が繰り返される。このとき、携帯端末3側では、制御部33が図2のステップ150の満車情報受信時のサブルーチン(図7に詳細を示す)において、ステップ410で、最適駐車場43の満車情報を受信していないと判定することでこのサブルーチンを終了し、続いて図2のステップ160で、最適駐車場43に到着していないと判定してステップ150に戻るという処理を繰り返す。そして、車両が最適駐車場43に到着したとき、ステップ160で到着したと判定し、ステップ170に進み、通信部31を用いて、最適駐車場43に到着した旨の通知をセンタ1に送信する。この通知を受信したセンタ1では、制御部13が、図6のステップ310で、到着の旨の通知を受信したと判定し、満車情報監視サブルーチンを終了する。
【0060】
一方、携帯端末3のユーザが乗車する車両が最適駐車場43に到着するまでに、最適駐車場43が満車状態になった場合は、センタ1の制御部13が、図6のステップ320で、最適駐車場43が満車になった旨の駐車場情報を取得し、続くステップ330で、最適駐車場43が満車になったと判定し、ステップ340に進む。
【0061】
そしてステップ340では、通信部11を用いて、最適駐車場43が満車である旨の満車情報を携帯端末3に送信し、その後ステップ350で、所定時間(例えば、3分)の間、代替駐車場要求を携帯端末3から受信するまで待つ。
【0062】
上記満車情報を受信した携帯端末3では、制御部33が、図7のステップ410で、当該満車情報を受信したと判定してステップ415に進み、図示しない報知装置(ディスプレイ、スピーカ)を用いて、最適駐車場43が満車になった旨をユーザに報知する。
【0063】
続いてステップ420では、ユーザから代替駐車場を選択する旨の要求を受けたか否かを判定する。ユーザは、携帯端末3の図示しない操作部に対して所定の操作を行うことで、代替駐車場を選択するか否かを入力することができる。
【0064】
ステップ420において、ユーザが代替駐車場を選択しない旨の入力を行った場合は、ステップ420でNOの判定となり図7のサブルーチンを終了し、続いて図2のステップ160で、最適駐車場43に到着していないと判定してステップ150に戻るという処理を繰り返す。したがって、経路案内の中間目的地である最適駐車場43は変更しないままとなる。そしてセンタ1の制御部13では、ステップ350で所定時間経過の後、代替駐車場要求を携帯端末3から受信しなかったと判定して処理をステップ310に戻す。また携帯端末3の制御部33では、車両が最適駐車場43に到着したとき、ステップ160で到着したと判定し、ステップ170に進み、通信部31を用いて、最適駐車場43に到着した旨の通知をセンタ1に送信する。この通知を受信したセンタ1では、制御部13が、図6のステップ310で、到着の旨の通知を受信したと判定し、満車情報監視サブルーチンを終了する。
【0065】
ステップ420において、ユーザが代替駐車場を選択する旨の入力を行った場合は、ステップ420でYESの判定となってステップ423に進み、通信部31を用いて代替駐車場要求をセンタ1に送信し、その後、センタ1から代替駐車場の情報を受信するまでステップ425で待つ。
【0066】
するとセンタ1の制御部13は、図6のサブルーチンのステップ350で代替駐車場要求を受信したと判定し、ステップ360に進み、現在の最適駐車場の代わりとなる代替駐車場を検索する。このときに検索する代替駐車場は、現在の最適駐車場43からの距離が最も短い駐車場とする。ただし、既に満車となっている駐車場は検索対象から除外する。続いてステップ370では、検索の結果得た代替駐車場の情報(位置情報等)を携帯端末3に送信し、処理をステップ310に戻す。
【0067】
この代替駐車場の情報を受信した携帯端末3の制御部33は、図7のステップ425から430に進み、受信した代替駐車場の情報をユーザに報知する。更にステップ435では、現在の最適駐車場43に代えて、受信した代替駐車場を最適駐車場とし、車両の現在位置からこの新たな最適駐車場(代替駐車場)に車両を駐車して駅42まで徒歩で移動する経路A’’を算出する。そしてステップ440では、この経路A’’の案内を開始し、図7のサブルーチンを終了する。
【0068】
その後制御部33は、図2のステップ160で、新たな最適駐車場(代替駐車場)に到着していないと判定してステップ150に戻るという処理を繰り返す。そして、車両が新たな最適駐車場(代替駐車場)に到着したとき、ステップ160で到着したと判定し、ステップ170に進み、通信部31を用いて、最適駐車場43に到着した旨の通知をセンタ1に送信する。この通知を受信したセンタ1では、制御部13が、図6のステップ310で、到着の旨の通知を受信したと判定し、満車情報監視サブルーチンを終了する。
【0069】
なお、図2のステップ170の後、携帯端末3の制御部33は、最終目的地までの残りの経路(最適駐車場から駅42までの経路、および、駅42から最終目的地までの経路)の案内を行う。
【0070】
次に、車載固定端末2がセンタ1に経路探索要求を送信する場合の作動について説明する。この場合は、既に説明した携帯端末3がセンタ1に経路探索要求を送信する場合の作動において、車載固定端末2の作動は、携帯端末3を車載固定端末2に読み替え、通信部31、記憶部32、制御部33をそれぞれ通信部21、記憶部22、制御部23に読み替えたものとなる。ただし、図2のステップ170の後、車載固定端末2は車外に持ち出せないので、車載固定端末2による経路案内は終了する。
【0071】
また、車載固定端末2がセンタ1に経路探索要求を送信する場合におけるセンタ1の作動も、制御部13による図3の処理において、ステップ230で、経路探索要求は車載固定端末2から送信されているので、経路探索要求の送信元の端末が携帯端末でない(車載固定端末である)と判定し、ステップ260に進み、その後、ステップ240、250に代えてステップ260、280を実行する点が異なっている。
【0072】
ステップ260では、車載固定端末用マルチモーダル経路候補探索を行う。図8に、携帯端末用マルチモーダル経路候補探索の詳細を示す。携帯端末用マルチモーダル経路候補探索では、まずステップ261で、経路検索の対象となる公共交通機関(すなわち、利用可能な公共交通機関)の路線を、図4の携帯端末用マルチモーダル経路候補探索処理の場合に対して変更する。具体的には、利用する公共交通機関からバスを除外する。これにより、バスを使用する路線は経路探索の対象から除外される。
【0073】
バスを経路探索の対象から外すのは、車載固定端末2は、車外に持ち出せないので、車両を駐車した駐車場から次の公共交通期間の乗降口までの徒歩移動は、端末の案内がなくなるからである。このような場合、列車の駅ほどは目立たず、見つけるのが比較的難しいバス停に徒歩で向かう必要をなくすよう、バスを利用対象から除外する。
【0074】
続いてステップ262では、図4の携帯端末用マルチモーダル経路候補探索処理の場合に比べて、経路検索時のコスト計算における、徒歩の単位距離当たりのコストを高く設定する。これにより、徒歩移動距離が長い経路は最適経路に選ばれ難くなる。このようにすることで、徒歩時に端末の案内がない場合に、長い徒歩移動を強いられ、その結果迷ってしまう可能性を低減することができる。
【0075】
続いてステップ263では、図4の携帯端末用マルチモーダル経路候補探索処理の場合に比べて、経路検索時のコスト計算における、乗り換え1回当たりのコストを高くする。ここでいう乗り換えとは、車から徒歩、徒歩から車、車から列車、列車から徒歩等、移動手段の切り替え全般をいう。移動手段の切り替えの回数が多いほど、案内なしで移動するのが困難になる。そこで、上記のように、最適経路を表示する端末が車載固定端末である場合、携帯端末である場合と比べて、移動手段の切り替えのコストを高くすることで、移動手段の切り替えのリスクを抑えた経路を最適経路として算出することができる。
【0076】
続いてステップ264では、ステップ261〜263のような設定に従って、車両の現在位置から最終目的地までの経路探索を行う。ここで算出する経路は、図4のステップ242と同様、現在の車両で現在位置(すなわち出発地点)から公共交通機関の乗降場所まで移動する経路Aと、当該乗降場所から当該公共交通機関に搭乗して以降の経路Bを結合した経路A+Bであるが、ステップ261〜263のような設定に従って探索を行っている点が図4のステップ242とは異なるので、経路Aの終端である公共交通機関の乗降場所が、ステップ242の場合と異なる場合がある。
【0077】
例えば、図4のステップ242では、同じ出発地および同じ最終目的地に対して、図9に示すように、当該乗降場所としてバス停45が選ばれたのに対し、図8のステップ264では、当該乗降場所として図10に示すように鉄道の駅42が選ばれることもある。ただし、図4のステップ242の場合も図8のステップ264の場合も、同じ乗降場所が選ばれる場合もある。
【0078】
続いてステップ265では、ステップ264で選んだ経路Aの終端としての乗降場所(バス停ではないので駅となる)は、所定の主要道路に面しているか否かを、記憶部12の地図情報に基づいて判定する。主要道路か否かについては、例えば高速道路、国道、県道等が主要道路であるとあらかじめ定めておく。
【0079】
ステップ265で主要道路に面していると判定した場合は、ステップ267に進み、図4のステップ244と同じ方法で、当該乗降場所に対する最適駐車場の選定を行う。ただし、図4のステップ242の場合と図8のステップ264の場合で、同じ乗降場所が選ばれた場合であっても、その同じ乗降場所に徒歩で向かうときに車両を駐車させる最適駐車場は、図4のステップ244の場合と図8のステップ267の場合とで異なる場合もある。これは、徒歩の単位距離当たりのコストが異なるからである。例えば、同じ出発地41、同じ目的地、同じ乗降場所42であっても、図4のステップ244では、比較的入り組んだ場所にある駐車場44を最適駐車場として選択し、一方図8のステップ267では、乗降場所までの距離が短い駐車場43を最適駐車場として選択する場合もある。
【0080】
ステップ274で、選定した当該最適駐車場を目的地に設定し、更にステップ276では、現在位置41から当該最適駐車場43まで車両で走行するのに最適な経路(図10中の太実線)と、当該駐車場43から乗降場所42までの徒歩で移動するのに最適な経路とから成る経路A’を探索して算出し、算出した経路A’を上記経路Aと置き換えることで、最適経路A+Bを最適経路A’+Bに修正し、図8の処理を終え、その後図3のステップ280で、通信部11を用いて、算出した最適経路A’+Bの情報(移動手段、移動経路等)を、経路探索要求の送信元の車載固定端末2に送信する。
【0081】
一方、ステップ265で主要道路に面していないと判定した場合は、主要道路に面していない駅は、端末で徒歩の案内を受けないユーザにとっては難しいという観点から、ステップ269に進む。
【0082】
ステップ269では、この経路Aの終端としての乗降場所に駐車場が併設されているかを、地図情報に基づいて判定し、併設されていれば、続いてステップ270で駐車場に空きがあるか否かを駐車場満空・使用情報に基づいて判定し、空きがあれば、ステップ274に進み、当該併設駐車場を目的地に設定する(ステップ276の後は上述の通り)。
【0083】
ステップ269で併設されていないと判定した場合、および、ステップ270で空きが無いと判定した場合、続いてステップ272に進み、乗り換え駅(経路Aの終端としての乗降場所)の再探索を行う。ただし、再探索の対象となる駅は、ステップ264の探索で算出した駅と(鉄道路線が)接続する駅で、かつ利用可能な駐車場を備える駅に限定する。続いてステップ274では、再探索の結果得た駅に備えられた駐車場を目的地に設定する(ステップ276の後は上述の通り)。このようにすることで、車外に持ち出せない車載固定端末2で案内を受けるユーザに対して、より徒歩経路が判りやすい駅を乗り換え駅として選ぶ。
【0084】
以上説明した通り、センタ1は、最適経路を表示する端末が車両から外に持ち出せない車載固定端末であるか車両から外に持ち出せる携帯端末であるかを判定し、同じ出発地点および同じ目的地に対して、車載固定端末であると端末判定手段が判定した場合と、携帯端末であると端末判定手段が判定した場合とで、出発地点から最終地点までの異なる最適経路を算出する。
【0085】
このように、同じ出発地点および同じ目的地に対して、最適経路を表示する端末が車載固定端末である場合と携帯端末である場合とで、異なる最適経路を算出することで、車両から他の公共交通機関に乗り換えた後でも当該端末を使用可能か否かに応じた最適経路を算出することができ、その結果、マルチモーダル経路探索の利便性が向上する。
【0086】
また、センタ1は、表示先の端末が車載固定端末である場合は、携帯端末である場合に比べて、利用する公共交通機関の種類を制限する。車両から他の公共交通機関に乗り換えた後に当該端末を使用不可能な場合は、公共交通期間の種類によっては、例えば乗降場所を探すのが難しい等の理由で、利用するのに不便となりがちなものがある。そこで、上記のように、最適経路を表示する端末が車載固定端末である場合、携帯端末である場合よりも、利用する公共交通機関の種類を制限することで、車載固定端末と携帯端末の特性に応じたマルチモーダル経路探索を行うことができる。
【0087】
また、センタ1は、表示先の端末が車載固定端末である場合は、携帯端末である場合に比べて、徒歩の単位距離当たりのコストを高くして、最適経路を探索する。車両から他の公共交通機関に乗り換えた後に当該端末を使用不可能な場合は、徒歩で歩くときに迷う可能性が比較的高い。そこで、上記のように、最適経路を表示する端末が車載固定端末である場合、携帯端末である場合と比べて、徒歩の単位距離当たりのコストを高くすることで、徒歩のリスクを抑えた経路を最適経路として算出することができる。
【0088】
また、センタ1は、表示先の端末が車載固定端末である場合は、携帯端末である場合に比べて、移動手段の切り替えのコストを高くして、最適経路を探索する。移動手段の切り替えの回数が多いほど、案内なしで移動するのが困難になる。そこで、上記のように、最適経路を表示する端末が車載固定端末である場合、携帯端末である場合と比べて、移動手段の切り替えのコストを高くすることで、移動手段の切り替えのリスクを抑えた経路を最適経路として算出することができる。
【0089】
また、センタ1は、同じ出発地点および同じ目的地に対して、表示先の端末が車載固定端末であると判定した場合と、携帯端末であると判定した場合とで、最適経路中で公共交通機関に搭乗する乗降場所の位置を異ならせる。車両から他の公共交通機関に乗り換えた後に当該端末を使用不可能な場合は、駐車場によっては、例えば車からの乗り継ぎが難しい等の理由で、利用するのに不便となりがちなものがある。したがって、上記のように、最適経路を表示する端末が車載固定端末である場合と携帯端末である場合とでは、公共交通機関に搭乗する乗降場所(例えば、駅、バス停)が異ならせることで、端末に応じた適切な乗降場所を選定することができる。
【0090】
また、センタ1は、同じ出発地点および同じ目的地に対して、表示先の端末が車載固定端末である場合、携帯端末である場合に比べて、最適経路中で車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所に徒歩で移動するために車両を駐車させる駐車場を異ならせる。車両から他の公共交通機関に乗り換えた後に当該端末を使用不可能な場合は、駐車場によっては、例えば公共交通機関の乗降場所を探すのが難しい等の理由で、利用するのに不便となりがちなものがある。したがって、上記のように、最適経路を表示する端末が車載固定端末である場合と携帯端末である場合とでは、最適経路中で車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所に徒歩で移動するために車両を駐車させる駐車場を異ならせることで、端末に応じた適切な駐車場を選定することができる。
【0091】
また、センタ1は、表示先の端末が車載固定端末である場合、最適経路中で車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所が所定の主要道路に面しているか否かを判定し、面していないと判定した場合、当該乗降場所に駐車場が併設されているか否かを判定し、併設されていると判定したことに基づいて、当該乗降場所に徒歩で移動するために車両を駐車させる駐車場として当該併設の駐車場を選定し、併設されていないと判定したことに基づいて、最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所を変更する。車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所が主要道路に面している場合は、車両から降りた乗員が当該乗降場所を探しやすく、そうでない場合は、探し難い。したがって、上記のようにすることで、車両から持ち出せない車載固定端末の特性に応じた公共交通機関の乗降場所を選定することができる。また、車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所が主要道路に面していない場合であっても、その乗降場所に駐車場が併設されていれば、端末を車両から持ち出せなくても、乗降場所が見つからなくて迷う可能性は低い。したがって、そのような場合は、上記のように、当該併設の駐車場を選定して当該乗降場所を使用する最適経路を採用する。
【0092】
また、センタ1は、算出した最適経路を車両が移動している間、当該最適経路中で車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所に徒歩で移動するために車両を駐車させる駐車場が満車になったか否かを判定し、満車になったと判定したことに基づいて、代替の駐車場を設定する。このように、車両が最適経路を移動している間も、その最適経路で車両を駐車させることになっている駐車場が満車になれば、代替の駐車場を設定することで、予定の駐車場にたどり着いても満車で入れないという事態の発生可能性を抑えることができる。
【0093】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、センタ1の制御部13が図2の処理に代えて図11の処理を実行する点、および、車載固定端末2の制御部23および携帯端末3の制御部33が図3に示した処理に代えて図12に示す処理を実行する点である。
【0094】
なお、図2と図11において、同一の処理を行うステップには、互いに同じステップ番号を付し、図3と図12において、同一の処理を行うステップにも、互いに同じステップ番号を付し、これらステップの説明は省略または簡略化する。
【0095】
以下、本実施形態の作動について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。まず、車載固定端末2または携帯端末3(以下、単に端末と記す)の制御部23または制御部33(以下、端末側制御部と記す)が、図11に示すように、最終目的地を設定して(ステップ110)経路探索要求を送信すると(ステップ120)、センタ1の制御部13は、図12に示すように、当該経路探索要求を受信したと判定して(ステップ210)、端末側の機器が車載固定端末か携帯端末かを識別する(ステップ220)。続いて制御部13は、ステップ240に進み、携帯端末用マルチモーダル経路候補探索処理(処理内容は第1実施形態と同じである)を実行する。その後制御部13は、ステップ645に進み、ステップ220の識別結果に従って、経路探索要求の送信元の端末が車載固定端末か否かを判定する。
【0096】
ステップ645で、車載固定端末でない(すなわち、携帯端末である)と判定した場合、制御部13は処理をステップ670に進め、ステップ240で算出した経路情報を端末(この場合は携帯端末3)に送信し、その後、ステップ290で、図3と同じ満車情報監視サブルーチンを実行する。この場合、端末(携帯端末3)側では、制御部33が、ステップ120の後、ステップ525で、問い合わせ信号の受信を所定の時間だけ待ち、所定の時間内に問い合わせ信号を受信しなかったことに基づいてステップ130に進み、ステップ130で経路情報の受信を待ち、センタ1から経路情報を受信するとステップ140で案内を開始する。ステップ140以降は第1実施形態と同じである。
【0097】
また、ステップ645で、車載固定端末であると判定した場合、制御部13は処理をステップ650に進め、ステップ240で算出した中間目的地の駐車場(最適駐車場)が込み入っているか否かを判定する。
【0098】
駐車場が込み入っているとは、当該駐車場から経路Bの始点としての乗降場所(駅、バス停等)までの経路が所定の基準以上に複雑であることをいう。例えば、当該駐車場から当該乗降場所までの経路に沿った距離Xと、当該駐車場から当該乗降場所までの直線距離Yに基づいて、比X/Yを算出し、算出した比X/Yが所定値(例えば3)以上であれば、駐車場が込み入っていると判定してもよい。
【0099】
ステップ650で込み入っていないと判定した場合は、ステップ670に処理を進め、ステップ240で算出した経路情報を端末(この場合は車載固定端末2)に送信し、その後、ステップ290で、図3と同じ満車情報監視サブルーチンを実行する。この場合、端末(車載固定端末2)側では、制御部23が、ステップ120の後、ステップ525で、問い合わせ信号の受信を所定の時間だけ待ち、所定の時間内に問い合わせ信号を受信しなかったことに基づいてステップ130に進み、ステップ130で経路情報の受信を待ち、センタ1から経路情報を受信するとステップ140で案内を開始する。ステップ140以降は第1実施形態と同じである。
【0100】
ステップ650で込み入っていると判定した場合は、ステップ655に進み、中間目的地の駐車場が込み入っているがそれでもよいかを問う問い合わせ信号を端末(車載固定端末2)に送信し問い合わせの応答を待つ。
【0101】
この問い合わせ信号を受信した車載固定端末2では、制御部23が図11のステップ525で問い合わせを受信したと判定し、ステップ528に進む。ステップ528では、車載固定端末2のユーザに対して、中間目的地の駐車場が込み入っているがそれでもよいかを問い合わせ、その回答(込み入っていても良いか否か)の入力を受け付ける。ユーザが回答を入力すると、入力された回答の信号をセンタ1に送信し、ステップ130に進む。
【0102】
この回答の信号を受信したセンタ1では、制御部13が、ステップ655から665に進み、受信した回答に基づいて、込み入った駐車場でも良いか否かを判定し、良いと判定すれば、ステップ670に処理を進め、ステップ240で算出した経路情報を端末(この場合は車載固定端末2)に送信する。ステップ670以降のセンタ1、車載固定端末2の作動は既に説明した通りである。
【0103】
ステップ665で良くないと判定した場合、続いてステップ260に進み、第1実施形態と同様、車載固定端末用マルチモーダル経路候補探索を行い、その後、ステップ670に処理を進め、ステップ260で算出した経路情報を端末(この場合は車載固定端末2)に送信する。ステップ670以降のセンタ1、車載固定端末2の作動は既に説明した通りである。
【0104】
このようにすることでも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、経路探索要求の送信元が車載固定端末2であり、目的値の駐車場が込み入っていたとしても、直ちに車載固定端末用マルチモーダル経路候補探索を行うのではなく、込み入った駐車場でも良いか否かをユーザに問い合わせた後、良くない場合に限り車載固定端末用マルチモーダル経路候補探索を行うことで、ユーザの意志を反映した駐車場選択を行うことができる。
【0105】
つまり、センタ1は、経路表示する端末が車載固定端末である場合でも、車両の乗員の所定の操作があったことに基づいて、最適経路中で車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所が所定の主要道路に面しているか否かに関わらず、当該乗降場所に徒歩で移動するために前記車両を駐車させる駐車場を選定する。このように、車両の乗員の操作によっては、当該乗降場所を使用する最適経路を採用することで、土地勘に自信のある乗員にも適した経路探索を行うことができる。
【0106】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態につい説明する。本実施形態は、第1、第2実施形態に対して、車載固定端末用マルチモーダル経路候補探索(図3、図12のステップ260)の処理内容を一部変更したものである。
【0107】
図13に、本実施形態における車載固定端末用マルチモーダル経路候補探索の処理をフローチャートで示す。なお、図8と図13において同じ内容の処理ステップには、同じステップ番号を付与し、それらの説明については省略または簡略化する。
【0108】
本実施形態の車載固定端末用マルチモーダル経路候補探索において、制御部13は、ステップ261〜264までは、第1実施形態と同じ処理を行い、ステップ264に続いては、ステップ710で、ステップ264で選択した乗り換え駅(経路Bの始点としての駅)の付近について、車載固定端末2のユーザが土地勘を持っているか否かを問い合わせる問い合わせ信号を車載固定端末2に送信する。この問い合わせ信号には、当該乗り換え駅の位置情報および名称情報も含める。
【0109】
この問い合わせ信号を受信した車載固定端末2では、制御部23が、車載固定端末2のユーザに対して、当該乗り換え駅の位置情報、名称情報、および、この乗り換え駅の付近の土地勘があるか否かの質問を表示する。ユーザがこの質問の回答を車載固定端末2に入力すると、制御部23は、この回答(土地勘があるか否か)の信号をセンタ1に送信する。そして、センタ1の制御部13は、ステップ720で、受信した回答が、「土地勘がある」を示しているか「土地勘がない」を示しているかを判定し、「土地勘がない」を示していると判定した場合、ステップ265に進み、第1実施形態と同様の処理で、最適経路を算出する。
【0110】
しかし、「土地勘がある」を示していると判定した場合は、乗り換え駅までの徒歩経路が複雑な駐車場でも問題がない可能性が高いので、ステップ730に進み、乗り換え駅の周辺の複数個の駐車場を選択し、選択した複数個の駐車場の位置情報等を、車載固定端末2に送信する。選択する基準は、乗り換え駅からの距離(例えば直線距離)が短い順に複数個選択するようになっていてもよいし、乗り換え駅からからの距離(例えば直線距離)が所定距離以下の駐車場のうちから、駐車料金が安い順に複数個選択するようになっていてもよい。
【0111】
この複数個の駐車場の位置情報等を受信した車載固定端末2では、制御部23が、車載固定端末2のユーザに対して、複数個の駐車場の位置情報等を表示し、1つの駐車場の選択を促す。ユーザが車載固定端末2に対して1つの駐車場の選択を入力すると、制御部23は、選択された駐車場を示す選択信号をセンタ1に送信する。そして、センタ1の制御部13は、ステップ740で、受信した選択信号が示す駐車場を、中間目的地の駐車場(最適駐車場)として設定し、ステップ276に進む。ステップ276以降は、第1実施形態と同じく、当該駐車場に車両で移動し、当該駐車場から乗り換え駅まで徒歩で移動する経路A’を算出し、最適経路A’+Bを算出する。
【0112】
このようにすることで、経路探索要求の送信元が車載固定端末2であっても、ユーザが乗り換え駅の周辺に土地勘があるなら、必ずしも主要道路に面していない駐車場でも、ユーザが選択すれば最適駐車場とすることができ、ユーザの意志や土地勘を反映した駐車場選択を行うことができる。
【0113】
つまり、センタ1は、経路表示する端末が車載固定端末である場合でも、車両の乗員の所定の操作があったことに基づいて、最適経路中で車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所が所定の主要道路に面しているか否かに関わらず、当該乗降場所に徒歩で移動するために前記車両を駐車させる駐車場を選定する。このように、車両の乗員の操作によっては、当該乗降場所を使用する最適経路を採用することで、土地勘に自信のある乗員にも適した経路探索を行うことができる。
【0114】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第3実施形態の車載固定端末用マルチモーダル経路候補探索の処理内容を一部変更したものである。具体的には、図13のステップ710、720、730、740の処理を、本実施形態では、図14に示すように、それぞれステップ750、760、770、780の処理に変更した。以下、これら変更部分のみついて説明する。
【0115】
制御部13は、ステップ264に続くステップ750では、ステップ264で選択した乗り換え駅(経路Bの始点としての駅)の付近について、車載固定端末2のユーザが土地勘を持っているか否か(より具体的には、込み入った駐車場でも良いか否か)を問い合わせる問い合わせ信号を車載固定端末2に送信する。この問い合わせ信号には、当該乗り換え駅の位置情報および名称情報も含める。
【0116】
この問い合わせ信号を受信した車載固定端末2では、制御部23が、車載固定端末2のユーザに対して、当該乗り換え駅の位置情報、名称情報、および、込み入った駐車場でも良いか否かの質問を表示する。ユーザがこの質問の回答を車載固定端末2に入力すると、制御部23は、この回答(込み入った駐車場でも良いか否か)の信号をセンタ1に送信する。そして、センタ1の制御部13は、ステップ760で、受信した回答が、「込み入った駐車場でも良い」を示しているか「込み入った駐車場は良くない(避ける)」を示しているかを判定し、「込み入った駐車場は良くない」を示していると判定した場合、ステップ265に進み、第1実施形態と同様の処理で、最適経路を算出する。
【0117】
しかし、「込み入った駐車場でも良い」を示していると判定した場合は、乗り換え駅までの徒歩経路が複雑な駐車場でも問題がない可能性が高いので、ステップ770に進み、乗り換え駅の周辺の適切な駐車場(例えば、乗り換え駅からの距離が所定距離以下の駐車場のうちで、駐車料金が最も安い駐車場)を1つ選択して中間目的地の駐車場(最適駐車場)として設定し、ステップ276に進む。ステップ276以降は、第1実施形態と同じく、当該駐車場に車両で移動し、当該駐車場から乗り換え駅まで徒歩で移動する経路A’を算出し、最適経路A’+Bを算出する。
【0118】
このようにすることで、経路探索要求の送信元が車載固定端末2であっても、ユーザが込み入った駐車場でよい旨を示すなら、必ずしも込み入った駐車場でも最適駐車場とすることができ、ユーザの意志や土地勘を反映した駐車場選択を行うことができる。
【0119】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態が第1実施形態と異なるのは、センタ1の制御部13が図2の処理に代えて図15の処理を実行する点、および、車載固定端末2の制御部23および携帯端末3の制御部33が図3に示した処理に代えて図16に示す処理を実行する点である。
【0120】
なお、図2と図15において、同一の処理を行うステップには、互いに同じステップ番号を付し、図3と図16において、同一の処理を行うステップにも、互いに同じステップ番号を付し、これらステップの説明は省略または簡略化する。
【0121】
以下、本実施形態の作動について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。まず、車載固定端末2または携帯端末3(以下、単に端末と記す)の制御部23または制御部33(以下、端末側制御部と記す)が、図15に示すように、ステップ110で最終目的地を設定すると、つづいてステップ815に進み、詳細経路利用設定を行う。
【0122】
詳細経路利用設定とは、車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所(経路Bの始点としての乗り換え駅)と、この乗り換え駅に徒歩で向かうために車両を駐車させる駐車場(最適駐車場)と、の間の経路が複雑であっても良い(すなわち、詳細経路でも良い)か否かを設定する処理である。詳細経路でも良いか否かは、端末のユーザの選択入力に従って
決定する。
【0123】
続いてステップ820では、経路探索要求をセンタ1に送信する。当該経路探索要求に含める情報は、第1実施形態と同じく、自車位置情報、最終目的地の位置情報、および、端末情報等であるが、更に、ステップ815において設定された詳細経路利用設定情報(詳細経路でも良いか否かの情報)も含める。ステップ820に続いては、ステップ130で経路情報の受信を待つ。
【0124】
一方、センタ1の制御部13は、経路探索要求を受信して(ステップ210)、経路探索要求の送信元が車載固定端末であると判定した後(ステップ230)、ステップ235に進み、受信した経路探索要求に含まれる詳細経路利用設定情報に従って、詳細経路でも良いか否かを判定する。そして、詳細経路でも良いと判定した場合は、送信元が車載固定端末2であるにも関わらずステップ240の携帯端末用マルチモーダル経路候補探索処理を実行し、詳細経路で良くないと判定した場合は、ステップ260で車載固定端末用マルチモーダル経路候補探索処理を行う。
【0125】
このようにすることで、経路を表示する端末が車載固定端末2であっても、ユーザの意図に応じて、車外に端末を持ち出せることを前提とした携帯端末用マルチモーダル経路候補探索処理を行うことができる。
【0126】
なお、上記各実施形態において、
センタ1の制御部13が、ステップ240、260を実行することで、経路探索手段の一例として機能し、ステップ230、645を実行することで端末判定手段の一例として機能し、ステップ272を実行することで代替駐車場設定手段の一例として機能する。
【0127】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。例えば、以下のような形態も許容される。
【0128】
例えば、第5実施形態においては、図15のステップ815の詳細経路利用設定において、バスを利用しても良いか否か、駐車場から乗降場所まで所定距離以上の長距離の徒歩を行っても良いか否か、乗り換えを行っても良いか否かを、ユーザに選択させ、その選択結果も詳細経路利用設定情報に含めてセンタ1に送信し、センタ1の制御部13は、図16のステップ240の携帯端末用マルチモーダル経路候補探索処理またはステップ260の車載固定端末用マルチモーダル経路候補探索処理で、その設定に従った経路探索を行うようになっていてもよい。
【0129】
また、上記の実施形態において、制御部13、23、33がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【0130】
また、上記実施形態では、センタ1は車載固定端末2、携帯端末3とは分離して設けられているが、車載固定端末2にセンタ1の機能を組み込むようになっていてもよいし、携帯端末3にセンタ1の機能を組み込むようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0131】
1 センタ
2 車載固定端末
3 携帯端末
42 乗り換え駅
43、44 駐車場
45 乗り換え用のバス停

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地点から目的地まで、公共交通機関および公共交通機関でない車両を利用した最適経路を探索して算出する経路探索手段と、
前記経路探索手段による探索の結果算出された最適経路を表示する端末が前記車両から外に持ち出せない車載固定端末であるか前記車両から外に持ち出せる携帯端末であるかを判定する端末判定手段と、を備え、
前記経路探索手段は、同じ出発地点および同じ目的地に対して、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合と、携帯端末であると前記端末判定手段が判定した場合とで、異なる最適経路を算出することを特徴とする経路算出装置。
【請求項2】
前記経路探索手段は、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合は、携帯端末であると前記端末判定手段が判定した場合に比べて、利用する公共交通機関の種類を制限することを特徴とする請求項1に記載の経路算出装置。
【請求項3】
前記経路探索手段は、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合は、携帯端末であると前記端末判定手段が判定した場合に比べて、徒歩の単位距離当たりのコストを高くして、最適経路を探索することを特徴とする請求項1または2に記載の経路探索装置。
【請求項4】
前記経路探索手段は、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合は、携帯端末であると前記端末判定手段が判定した場合に比べて、移動手段の切り替えのコストを高くして、最適経路を探索することを特徴とする請求項1または2に記載の経路探索装置。
【請求項5】
前記経路探索手段は、同じ出発地点および同じ目的地に対して、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合と、携帯端末であると前記端末判定手段が判定した場合とで、最適経路中で公共交通機関に搭乗する乗降場所の位置を異ならせることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の経路探索装置。
【請求項6】
前記経路探索手段は、同じ出発地点および同じ目的地に対して、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合、携帯端末であると前記端末判定手段が判定した場合に比べて、最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所に徒歩で移動するために前記車両を駐車させる駐車場を異ならせることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の経路探索装置。
【請求項7】
前記経路探索手段は、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合、最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所が所定の主要道路に面しているか否かを判定し、面していると判定したことに基づいて、当該乗降場所に徒歩で移動するために前記車両を駐車させる駐車場を選定し、面していないと判定したことに基づいて、最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所を変更することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の経路探索装置。
【請求項8】
前記経路探索手段は、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合、最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所が所定の主要道路に面しているか否かを判定し、面していないと判定した場合、当該乗降場所に駐車場が併設されているか否かを判定し、併設されていると判定したことに基づいて、当該乗降場所に徒歩で移動するために前記車両を駐車させる駐車場として当該併設の駐車場を選定し、併設されていないと判定したことに基づいて、最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所を変更することを特徴とする請求項7に記載の経路探索装置。
【請求項9】
前記経路探索手段は、車載固定端末であると前記端末判定手段が判定した場合でも、前記車両の乗員の所定の操作があったことに基づいて、最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所が所定の主要道路に面しているか否かに関わらず、当該乗降場所に徒歩で移動するために前記車両を駐車させる駐車場を選定することを特徴とする請求項8に記載の経路探索装置。
【請求項10】
前記経路探索手段が算出した最適経路を前記車両が移動している間、当該最適経路中で前記車両の次に搭乗する公共交通機関の乗降場所に徒歩で移動するために前記車両を駐車させる駐車場が満車になったか否かを判定し、満車になったと判定したことに基づいて、代替の駐車場を設定する代替駐車場設定手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし10に記載の経路探索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−251938(P2012−251938A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126450(P2011−126450)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】