説明

経路誘導システム

【課題】 被誘導者を所定の領域内のどの場所からでも直感的に理解できるように目的地に誘導する経路誘導システムを提供することを課題とする。
【解決手段】 サーバが所定の領域内の総目的地情報と設置通信端末の位置情報とを予め登録し、被誘導者が識別IDと目的地とを登録して、上記所定の領域内の任意の設置通信端末から上記識別IDと目的地とを入力すると、上記サーバが、現在地から目的地までの経路を算出し、音声、画像のほか上記設置通信端末の方向指示器を誘導すべき方向に指示するように駆動させることで、領域内のどの地点からでも、被誘導者が直感的に理解できるように目的地に誘導することができるようになった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コンピュータを利用して、所定の領域内で被誘導者を所望の目的地に誘導する経路誘導システムに関する。
【背景技術】
【0002】
駅、イベント会場、遊園地、総合病院、商店街、ショッピングセンター、大駐車場などの大規模な施設内では、被誘導者が所望する目的地への誘導が必要になる。この目的地への誘導は、例えば、案内図の掲示や案内所の設置により、適宜被誘導者の参照、問い合わせに対応できるようにして行われている。
【0003】
しかしながら、案内図で把握した経路と実際の経路周辺の様子とではイメージが異なるため、目的地までの経路が複雑な場合は、次第に記憶した地図と実際の経路との間にギャップが生じ、再度案内図などを参照する手間が生じるおそれがあった。
【0004】
また、案内所で目的地までの経路を問い合わせる場合、口頭での説明が中心となるため、経路が複雑だと最後まで正確に記憶することができず、結局、再び別の案内所で経路を問い合わせるという手間が生じるおそれがあった。
【0005】
なお、上記案内図や案内所のほか、矢印等の掲示板を適当な間隔で複数配置して順路を構成し、最終目的地まで誘導するという方法もある。しかしながら、この場合には特定の目的地への誘導には適しているが、複数の目的地のすべての順路を構成することは、上記矢印等の掲示板が錯綜し、却って誘導が混乱するおそれがあった。
【0006】
そこで、第1の従来技術として、目的地となる市街地や施設内の分岐点に複数設置される通信端末と、この通信端末に接続されたホストコンピュータと、被誘導者が所持する携帯端末とから構成され、予め被誘導者が所望する出発地から目的地までの経路をホストコンピュータに記憶させ、上記携帯端末を所持した被誘導者が上記経路を通過するごとに、携帯端末から上記通信端末を通過した旨の信号がこの通信端末を介してホストコンピュータに送信され、ホストコンピュータは経路が正しいことを確認したうえで、予め記憶された上記経路から次に進むべき経路を決定し、上記通信端末に備えられたスピーカから被誘導者に向かって次の経路を音声出力して誘導するシステムが提案されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、第2の従来技術として、被誘導者が予定してる経路を予めメモリに記憶させ、被誘導者が所持する携帯ユニットが、経路途中に設置されている個人識別ユニット近傍に達すると、上記携帯ユニットから個人識別ユニットを介して制御部に個人識別情報が送信され、制御部が上記メモリに記録されている上記経路から被誘導者の次の移動先に誘導する方向を決め、誘導先を表示するシステムが提案されていた(特許文献2参照。)。
【0008】
さらに、第3の従来技術として、所定施設内にセンサ(追跡端末)を複数配置し、ID発信装置を携帯する被誘導者が、この追跡端末の検知領域内に入ると、追跡端末が上記ID発信装置から発信されるID情報を受信し、隣接する追跡端末及び誘導案内装置に上記ID情報と上記ID情報を受信した追跡端末ID情報及びこの追跡端末が上記ID情報を受信する前にID情報を受信した追跡端末ID情報とを送信し、上記被誘導者の所定施設内での移動に伴って、この処理を繰り返すことにより、最新の追跡端末が上記被誘導者の移動してきた経路を把握するともに、次の移動方向を予測し、誘導案内装置で音声情報や画像情報を表示する誘導システムが提案されていた(特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開平10−63986(特許請求の範囲、請求項1の記載)
【特許文献2】特2000−149150(特許請求の範囲、請求項1の記載)
【特許文献3】特2002−163760(特許請求の範囲、請求項1の記載)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記第1の従来技術では、予め被誘導者が所望する出発地から目的地までの経路をホストコンピュータに記憶させているため、被誘導者がこの記憶させた出発地とは異なる場所から目的地に向かわなければならない場合、または被誘導者が途中で経路を変更する必要がある場合は、誘導ができなくなるという不都合があった。
【0010】
実際、複雑な施設、例えば、出入り口が複数あるような場所では、被誘導者は必ずしもホストコンピュータに記憶させた際に想定していた出発地にたどり着くとは限らず、被誘導者がこの誘導システムを利用するために出発地を探さなければならないという事態も起こりかねない。
【0011】
また、被誘導者が途中でトイレに寄るなど、経路の変更は頻繁に生じることであり、途中の経路変更は誘導システムを構築するうえで必須の条件である。
【0012】
上記従来のシステムでも、被誘導者がホストコンピュータに記憶させた経路と異なる経路に進んだ場合は、最寄の通信端末から元に戻るように指示を与えられる。しかし、被誘導者が意図的に経路変更する場合は、上記のような指示では対応できない。
【0013】
上記第2の従来技術では、被誘導者が、所持する端末が、専用のユニットであり、誘導システムを利用する場合に被誘導者やシステムの導入者ににコスト的な負担を強いるという不都合があった。
【0014】
上記第3の従来技術では、被誘導者が追跡端末が設置されている範囲内で移動する限りは、どのような経路を経ても誘導案内をすることはできるが、被誘導者の移動先については未知であり、被誘導者がこのシステムを設置した意図とは異なる予想外の行動をとろうとした場合は、適切な誘導ができなくなるおそれがあった。
【0015】
なお、上記いずれの従来技術も誘導情報の提供形態は、音声または画像によるものであるが、たとえば、三叉路またはそれ以上に分岐している箇所では、音声や画像による誘導情報の提供では、直感的には被誘導者にとって理解しにくい可能性があった。
【0016】
また、上記いずれの従来技術も誘導する目的地は固定的な場所であったため、移動している人を追跡する場合や経路が混雑しているときには迂回路を誘導する場合など、状況に応じて臨機応変に目的地に誘導しなければならない場合には不向きであった。
【0017】
さらに、目的地に到達した後に、さらにこの目的地の詳細な周辺情報を入手し、入手した情報に関連する場所への誘導を所望する必要性が生じる場合もあるが、上記従来技術では、このような誘導までは手当てされていなかった。
【0018】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、被誘導者を所定の領域内のどの場所からでも直感的に理解が可能であり、状況に応じて臨機応変に目的地に誘導し、途中の経路変更にも対応できて、被誘導者などにコスト負担を強いることがない経路誘導システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するために、本発明にかかる経路誘導システムは、コンピュータを利用して、所定の領域内で被誘導者を目的地に誘導する経路誘導システムにおいて、上記領域内のすべての目的地の名称と位置データとから構成される総目的地情報と、上記領域内に存在する各設置通信端末識別IDと位置データとから構成される位置情報とを登録するマスタ情報登録手段と、被誘導者の通信端末から入力された被誘導者を識別するIDと被誘導者が所望する目的地とをIP網等の通信ネットワーク網を介して受信し、上記マスタ情報からこの受信した目的地に該当する目的地情報を読み出して被誘導者識別ID情報と目的地情報とを対応させて登録するID/目的地情報登録手段と、上記領域内の設置通信端末から上記被誘導者により送信された被誘導者識別IDと、この被誘導者識別IDとともに送信されたこの設置通信端末識別IDとをLAN/WANを介して受信する受信手段と、この設置通信端末識別IDを上記マスタ情報から読み出し、この設置通信端末識別IDに該当する設置通信端末の位置データから現在地を検出する現在地検出手段と、上記検出された現在地から上記登録された目的地までの経路を算出する経路算出手段と、算出された経路に基づき現在地から目的地に向かう方向を検出する方向検出手段と、この検出された方向から表示情報を生成する表示情報生成手段と、生成された表示情報をLAN/WANを介して上記設置通信端末に送信する送信手段とを備えたサーバを設けたことを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、被誘導者は、予め被誘導者識別IDと目的地をサーバに登録すれば、目的地の存在する領域の任意の場所から目的地までの経路の誘導を受けることができる。
【0021】
上記経路誘導は、被誘導者が、順次1以上の設置通信端末による上記表示情報に従って目的地に設置された設置通信端末に誘導され、この目的地に設置された設置通信端末からLAN/WANを介して上記被誘導者識別IDとともにこの目的地に設置された設置通信端末識別IDを送信すると、上記サーバが、上記ID/目的地情報登録手段によって登録された目的地情報を消去することによって終了するようにすればよい。
【0022】
また、目的地に到達する前に、経路誘導を終了させたい場合は、被誘導者が目的地以外に設置されている設置通信端末から上記サーバに目的地情報を消去を指示する信号を送信すると、この信号を上記受信手段によって受信したサーバは、上記ID/目的地情報登録手段によって登録された目的地情報を消去すればよい。
【0023】
上記通信端末または設置通信端末がICカード等ICチップを搭載した媒体のリーダ/ライタと接続可能なものである場合には、上記サーバをICカード等ICチップを搭載した媒体からこの通信端末または設置通信端末を介して被誘導者識別IDを受信する受信手段を備えたものにすればよい。
【0024】
ICカード等であれば、既に被誘導者が所持しているものでも利用できるので、本発明にかかる経路誘導システムを利用する場合に、専用の端末を使用する必要がなくなる。
【0025】
被誘導者が指定する言語によって文字または音声による誘導ができるように、上記被誘導者識別IDに被誘導者の指定言語情報を対応させることができるようにし、上記サーバが、ID/目的地情報登録手段によってこの指定言語情報を登録し、上記受信手段でこの言語情報を受信すると、上記表示情報のうち、文字、音声については、この指定された言語で表示情報が生成されるようにしてもよい。
【0026】
あらかじめ被誘導者識別IDとともに上記指定言語情報を登録しておけば、上記領域内では、設置通信端末上でいちいち言語を指定しなくても自動的に指定する言語での誘導をうけることができる。
【0027】
上記指定言語情報を上記ICカード等ICチップを搭載した媒体に登録し、上記サーバが、この媒体から上記設置通信端末を介して上記表示情報の表示要求を受信すると、設置通信端末に表示情報を送信し、この設置通信端末が、この送信された表示情報を読み込むとともに上記指定された言語に変換し、この設置通信端末に表示させるようにしてもよい。
【0028】
この構成によれば、上記言語情報を上記サーバで一括管理せず、上記媒体に分散管理させることができる。
【0029】
被誘導者が上記通信端末でIP網等の通信ネットワーク網を介して上記サーバに目的地を送信する場合に、上記サーバが、この通信端末上で、上記領域内の目的地が選択できるように列挙された目的地の一覧表が表示させ、被誘導者が所望する目的地をこの一覧表から選択すると、この選択された目的地から目的地情報を上記ID/目的地情報登録手段で登録するようにしてもよい。
【0030】
被誘導者が上記通信端末でIP網等の通信ネットワーク網を介して上記サーバに目的地を送信する場合に、サーバが、この通信端末上に上記領域の地図を表示させ、被誘導者によってこの地図上で目的地が指定されると、この指定された目的地を受信し、上記マスタ情報からこの受信した目的地に該当する目的地情報を読み出して上記ID/目的地情報登録手段で登録するようにしてもよい。
【0031】
被誘導者が上記通信端末でIP網等の通信ネットワーク網を介して上記サーバに目的地を送信する場合に、サーバが、この通信端末から音声によって特定された目的地を受信すると、この特定された目的地から目的地情報を上記ID/目的地情報登録手段で登録するようにしてもよい。
【0032】
従って、目的地を送信する場合、少なくとも、上記一覧表から選択する場合と、地図上から指定する場合と、音声で特定する場合の3つの方法が考えられる。
【0033】
上記経路算出手段は、たとえば、上記マスタ情報に登録されている位置データが、各設置通信端末が設置されている位置と、各設置通信端末が設置されている向きと、設置通信端末の設置が不可能な分岐点がある場合はこの分岐点の位置と、各設置通信端末間または上記設置通信端末の設置が不可能な分岐点と直近の設置通信端末間のルートと、上記各ルートの距離とから構成されるものであり、上記経路算出手段が、上記現在地に設置された設置通信端末を始点とし、上記目的地に設置された設置通信端末を終点として、この始点と終点との間に存在する上記各ルートの距離をダイクストラ法に基づいて自動的に経路を算出するようにすればよい。
【0034】
上記サーバが、上記設置通信端末上で現在地から目的地までの経路算出条件が選択できるように列挙された一覧表を表示させ、被誘導者がこの設置通信端末から上記経路算出条件を選択すると、上記経路算出手段がこの受信した経路算出条件に従って経路を算出するようにしてもよい。
【0035】
この場合、上記経路算出条件は、たとえば現在地から目的地までの最短の経路と高低差の少ない経路と判り易い経路と安全な経路とのいずれかを選択できるようにしたものが考えられる。
【0036】
上記経路算出条件として、最短の経路以外の条件が選択された場合、上記各ルートの距離の代わりに、ルートの高低差の多少、分岐点を多少、人通りの多少、街灯の多少などを予め数値化し、この数値に基づき上記ダイクストラ法によって算出すればよい。
【0037】
なお、上記算出されたルートの一部または全部が混雑しているかどうか被誘導者に告知するためには、所定の設置通信端末に動画像を撮影する動画像撮影手段を設け、上記サーバが、上記受信手段によって所定の時間内にこの動画像撮影手段によって撮影された動画像情報を受信し、受信した動画像情報を時間的に連続する少なくとも2つ以上の画像のフレーム間の差分情報から背景画像と移動画像とに分けて、移動画像を人として認識し抽出する移動画像抽出手段と、この認識された人の数をカウントする計数手段と、上記動画像撮影手段で撮影する範囲で混雑と判断する既定人数を記憶し、上記計数手段によってカウントされた人数が、上記既定人数以上の数になった場合には混雑と判断する混雑判断手段と、上記動画像撮影手段によって撮影する範囲が混雑であることを告知する混雑情報生成手段とを備え、この生成された混雑情報を上記送信手段によりLAN/WANを介して上記設置通信端末に表示させるために送信すればよい。
【0038】
あるいは、上記混雑情報生成手段が、上記所定の時間内に所定の設置通信端末で被誘導者識別IDが送信された数をカウントする計数手段と、この送信された数が記憶された既定数以上になると混雑と判断することによって混雑情報を生成するものであってもよい。
【0039】
なお、上記混雑情報生成手段によって告知される混雑情報に、上記混雑と判断されたルートを除外して上記経路算出手段で再度算出された迂回経路を表示する情報を含めるようにしてもよい。
【0040】
上記方向検出手段は、上記経路算出手段によって算出された経路のうち、上記始点となる現在地から最寄の分岐点までの経路を抽出し、上記位置データの設置通信端末7が設置されている位置および設置通信端末7の向きからこの抽出した経路の方向を検出すればよい。
【0041】
上記生成手段によって生成される表示情報には、たとえば、音声、文字、画像のいずれか1以上の情報が含まれている。
【0042】
また、上記設置通信端末が駆動手段によって所定の方向を指示する方向指示器を備えたものである場合、上記方向検出手段によって検出された方向にこの方向指示器を指示させるように上記駆動手段を作動させる命令情報が、上記生成手段によって生成される表示情報に含まれるようにしてもよい。
【0043】
上記のように設置通信端末に上記方向指示器によって方向を指示させさせることにより、被誘導者に対して三次元での誘導が可能となる。
【0044】
さらに、上記方向指示器の先端にLED等の発光部が設けられている場合、上記生成手段によって生成される表示情報に、上記方向指示器が方向を指示する際に上記発光部を点灯または点滅させる命令情報が含まれるようにしてもよい。
【0045】
上記生成手段によって生成される表示情報に、現在地の設置通信端末とともに、上記方向検出手段によって検出された方向に隣接する設置通信端末も同時に表示させるための音声、文字、画像、発光または方向指示のいずれか1以上の情報が含まれるようにしてもよい。この構成によれば、現在地の設置通信端末と誘導する方向に隣接する設置通信端末との双方によって被誘導者を誘導することができる。
【0046】
この場合、隣接する設置通信端末の表示は、被誘導者に進行方向を認識させる表示にすることが好ましい。たとえば、方向指示器による表示の場合は、現在地の設置通信端末は、進行方向を指し示すが、隣接する設置通信端末の方向指示器は、手招きするような動作にすればよい。
【0047】
上記設置通信端末から目的地を入力するためには、設置通信端末が、上記領域内の目的地が選択できるように列挙された目的地の一覧表から目的地を選択する選択手段と、領域内の地図からタッチパネル式に目的地を指定する指定手段と、音声によって目的地を特定する特定手段との少なくとも一つ以上の手段を備え、サーバが、この設置通信端末からLAN/WANを介してこれらのいずれかの手段によって送信された目的地と被誘導者識別IDを上記受信手段によって受信すると、この目的地と被誘導者識別IDとを上記ID/目的地登録手段に登録するようにすればよい。
【0048】
上記設置通信端末上で目的地の変更が要求できる変更要求手段が設けられ、被誘導者がこの設置通信端末からこの変更要求手段により目的地の変更を要求すると、LANまたはWANを介して上記サーバが、上記ID/目的地登録手段によって登録された目的地をこの新たな目的地に変更するようにしてもよい。
【0049】
被誘導者が所望する目的地までの経路が、上記設置通信端末を設置している複数の領域を経由する場合には、上記マスタ情報登録手段が、各領域の総目的地情報と設置通信端末の位置情報とをそれぞれ登録し、上記サーバが、被誘導者の通信端末から上記被誘導者識別IDと目的地とが登録されると、この登録された目的地が存在する領域以外の領域で次の領域に移動するための中間目的地を設定する中間目的地設定手段を備え、上記登録された目的地が存在する領域以外の領域では、上記経路算出手段が、上記中間目的地設定手段によって設定された中間目的地に基づいて経路を算出すればよい。
【0050】
上記サーバが、あらかじめ設置通信端末ごとに上記領域内における避難場所への誘導表示情報を登録する登録手段を備え、上記所定の領域内で火災や地震などの緊急事態が発生した場合に、この領域の管理者等によって最寄の設置通信端末からLAN/WANを介して送信される緊急用IDを受信すると、この領域内のすべての設置通信端末からサーバへの各種情報の送信を遮断し、LAN/WANを介して上記避難場所への誘導表示情報をすべての設置通信端末に送信する送信手段を備えたものであってもよい。
【0051】
この構成によれば、上記領域内で緊急事態が生じた場合は、避難場所への誘導が最優先される。
【0052】
なお、上記ICカード等ICチップを搭載した媒体から上記設置通信端末を介して電車、バス、船舶、飛行機等の交通機関のチケットの予約および精算ができるようにし、予約および精算が終了すると、上記ID/目的地登録手段が、チケットの引き渡し場所を上記目的地として登録するようにしてもよい。
【0053】
設置通信端末の周辺情報を提供するためには、上記サーバが、各設置通信端末の周辺情報を登録する周辺情報登録手段と、任意の設置通信端末から上記LAN/WANを介して被誘導者による上記周辺情報の閲覧要求を設置通信端末識別IDとともに上記受信手段により受信すると、周辺情報登録手段から該当する設置通信端末の周辺情報を読み出して閲覧画面を生成する閲覧画面生成手段とを備え、この生成された閲覧画面データを上記送信手段によってこの設置通信端末上で表示させるために送信するようにすればいよい。
【0054】
上記サーバが、任意の設置通信端末から上記被誘導者による上記周辺情報の閲覧要求とともに、自己の属性、嗜好情報をLAN/WANを介して上記受信手段により受信すると、上記周辺情報登録手段からこの属性、嗜好情報に関係する周辺情報を読み出す周辺情報検索手段を備え、この周辺情報検索手段で読み出された周辺情報によって上記閲覧画面を生成するようにしてもよい。この属性、嗜好情報は、たとえば、年齢、性別、出身地、居住地、趣味等の項目に分けたフォームから入力するものであればよく、各入力項目の記載内容に従って周辺情報検索手段による検索条件が指定されているものであればよい。
【0055】
また、上記サーバが、被誘導者識別IDとともに、過去の誘導履歴を蓄積する誘導履歴蓄積手段と、被誘導者による上記周辺情報の閲覧要求を上記受信手段により受信すると、この誘導履歴蓄積手段により被誘導者の過去の誘導履歴を読み出し、被誘導者の属性、嗜好を算出する属性等算出手段とを備え、算出された属性、嗜好に基づいて上記周辺情報検索手段により周辺情報読み出すようにしてもよい。この属性等算出手段は、たとえば各目的地に密接に関係する属性、嗜好をあらかじめ点数化し、上記誘導履歴蓄積手段から当該被誘導者の誘導履歴を読み出して、誘導した過去の目的地ごとの点数を属性、嗜好に分けて合計するものであればよく、上記周辺情報検索手段では、高得点の属性、嗜好を検索条件として検索すればよい。
【0056】
さらに、上記サーバが、上記被誘導者の通信端末から、IP網等の通信ネットワーク網を介して、被誘導者識別ID情報ともに、上記周辺情報のうち、被誘導者が指定する指定情報を上記受信手段により受信すると、被誘導者識別IDとこの指定情報とを対応させて登録するID/指定情報登録手段備え、上記閲覧画面生成手段で、上記周辺情報とともに、上記指定情報も閲覧できるようにしてもよい。
【0057】
この周辺情報または指定情報に関連する場所への誘導は、上記サーバが、上記閲覧画面で表示された周辺情報または指定情報のうち、閲覧した被誘導者が所望する周辺情報または指定情報の場所について設置通信端末からLAN/WANを介して経路誘導の要求を上記受信手段により受信すると、この被誘導者識別IDとともに上記所望する周辺情報または指定情報の場所を目的地として上記ID/目的地情報登録手段に登録し、上記現在地検出手段によってこの設置通信端末を現在地とし、上記経路誘導を行なうようにすればよい。
【0058】
設置通信端末が公衆電話機に接続され、閲覧画面で表示された周辺情報または指定情報から被誘導者が所望の情報を選択すると、この情報に関連する電話番号が表示され、この電話番号を押下すると自動ダイヤル発信されるようにしてもよい。たとえば、上記周辺情報が飲食店の場合、座席の予約や空き状況を直接電話して確認する場合利用することができる。
【0059】
さらに、上記サーバが、上記周辺情報または指定情報に関連する電話番号を設置通信端末に接続されたリーダ/ライタを介してICチップを搭載した携帯電話機で読み込んでダイヤル可能なように上記閲覧画面で表示させるようにしてもよい。この構成によれば、上記周辺情報や指定情報に関連する電話番号が携帯電話機でも取得することができる。
【0060】
上記周辺情報以外の情報も入手することができるようにするために、上記設置通信端末上に表示された周辺情報の閲覧画面から上記サーバを介してウェブサーバに接続し、インターネットによる検索ができるようにしてもよい。
【0061】
なお、上記サーバが、被誘導者の通信端末から上記被誘導者識別IDとともに、自己の通信端末でウェブページを閲覧するときのウィンドウの初期設定を収納したファイルをIP網等の通信ネットワーク網を介して上記受信手段で受信すると、このファイルが上記ID/指定情報登録手段によって登録され、上記設置通信端末からこのファイルを登録した被誘導者が、上記ウェブサーバへの接続を要求すると、上記ファイルを読み出して設置通信端末の画面に上記初期設定のウィンドウを表示させるようにしてもよい。このような構成にすれば、設置通信端末からインターネットを利用する場合に、被誘導者は、たとえば自宅のパソコンと同じ画面環境で閲覧ができる。
【0062】
上記サーバが、被誘導者識別IDのほかに、複数の被誘導者に共通のグループIDを付与するグループID登録手段と、グループIDを付与された各被誘導者が、所定の領域内の各設置通信端末から自己の被誘導者IDとこのグループIDとを送信する都度、各被誘導者が上記設置通信端末を通過したことを少なくも日時によって記録する被誘導者通過記録記憶手段と、グループIDを付与された被誘導者が、任意の設置通信端末からこのグループIDを付与された他の被誘導者を指定し、指定された被誘導者の通過記録の閲覧を要求すると、上記被誘導者通過記録記憶手段から指定された被誘導者の通過記録を読み出し、通過記録閲覧画面を生成する通過記録閲覧画面生成手段とを備え、この通過記録閲覧画面データを上記送信手段で上記閲覧要求をした設置通信端末に送信するようにしてもよい。この構成によれば、グループ内の被誘導者は、相互に他人の通過履歴を任意の設置通信端末から閲覧することができる。
【0063】
なお、上記グループID登録手段は、1の被誘導者が他の被誘導者に電子メールを送信するときに、上記サーバ宛にも電子メールを送信することによってサーバがこの電子メールのヘッダ情報から発信者及び受信者を上記共通のグループIDを付与する被誘導者と認識し、グループIDを登録するようにしてもよい。
【0064】
上記サーバが、上記通過記録閲覧画面を表示した設置通信端末から1の被誘導者によって入力されたが被誘導者IDとともに目的地を上記受信手段によって受信すると、上記ID/目的地情報登録手段によって登録し、グループIDを付与された他の被誘導者に対しても上記ID/目的地情報登録手段によってこの目的地が登録され、各自直近の設置通信端末から自己の被誘導者IDを送信することによって、その設置通信端末が上記現在地検出手段によって現在地として検出されるようにしてもよい。この構成によれば、たとえば、グループ内の被誘導者の通過履歴、すなわち、すべての被誘導者の現在地を確認してから集合する目的地を決定することができる。
【0065】
上記グループIDが付与される被誘導者の一部が、ICタグを所持することによって設置通信端末から所定の距離の範囲内を通過しただけで、上記被誘導者通過記録記憶手段によって記憶されるようにしてもよい。この構成によれば、ICタグを所持した者は、設置通信端末を通過するごとに、自己の被誘導者IDとこのグループIDとを送信しなくても上記被誘導者通過記録記憶手段によって通過記録が記録される。
【0066】
上記表示情報生成手段に、現在地検出手段によって検出した設置通信端末から目的地又は中間目的地までの距離を上記マスタ情報の位置データから読み出して生成される距離情報が含まれるようにしてもよい。
【0067】
また、サーバが、上記距離情報を所定の単位時間当たりの平均速度で除することによって現在地検出手段によって検出した設置通信端末から目的地又は中間目的地までの所要時間を算出する所要時間算出手段を備え、上記表示情報生成手段に、算出されたこの所要時間データが含まれるようにしてもよい。
【0068】
また、上記サーバが、被誘導者によって任意の設置通信端末から入力された目的地又は中間目的地への到着希望時間を上記受信手段によって受信すると、上記所要時間算出手段によって算出された所要時間に基づき上記到着希望時間に到着するために上記設置通信端末からの出発時間を算出する出発時間算出手段を備え、算出された出発時間データを上記設置通信端末に表示させるために上記送信手段によって送信するようにしてもよい。この構成によれば、到着希望時間に間に合うために現在地を何時に出発すればよいかがわかる。
【0069】
上記サーバが複数設けられ各サーバがそれぞれ異なる領域を管轄する場合、各サーバが、1のサーバが管轄する領域から他のサーバが管轄する領域への移動を誘導する誘導情報を登録する異領域間誘導情報登録手段と、上記ID/目的地情報登録手段によって登録される目的地情報に目的地サーバIDを付加し、目的地サーバIDが付与されたサーバ以外のサーバが管轄する領域内の設置通信端末から被誘導者識別IDをLAN/WANを介してこのサーバに送信すると、IP網等の通信ネットワーク網を介して上記目的地サーバIDが付与されたサーバにID/目的地情報の登録の有無を確認する確認手段と、上記異領域間誘導情報登録手段から異領域間誘導情報を読み出して上記目的地サーバIDが付与されたサーバ以外のサーバが管轄する領域から目的地サーバIDが付与されたサーバが管轄する領域に誘導する誘導情報を設置通信端末上に表示させる表示情報生成手段とを備えたものであってもよい。この構成によれば、互いに異なる領域を管轄するサーバ間でも連続した誘導が可能になる。
【発明の効果】
【0070】
以上の説明からも明らかなように、本は発明にかかる経路誘導システムは、サーバにあらかじめ登録されるのは被誘導者識別IDと目的地だけであり、出発地については、被誘導者が現在地から被誘導者識別IDを送信するたびに現在地を出発地として目的地への経路を算出するので、領域内のどの地点からでも目的地に誘導することができる。また、目的地の周辺情報などを提供し、目的地からこの周辺情報に基づき2次的な誘導も可能になった。さらに、複数の被誘導者の現在地を把握してから集合場所などを決定することもきるようになり、固定的な場所だけでなく、流動的な人の動きに応じた誘導が可能になった。従って、従来のように被誘導者がシステムによって予め設定された経路に拘束されることなく、被誘導者本位に複数の設置通信端末の連携による緻密な誘導が可能になった。
【0071】
また、ICカードで利用できるようになり、既存のカードを利用することができ、専用の端末を購入する必要がなくなったため、被誘導者やシステム導入者にコスト的な負担を強いることを抑えることができるようになった。
【0072】
誘導する方向を物理的な三次元の矢印で表示することができるので、従来の音声や二次元の画像などでは表現が難しかった三叉路などの複雑な経路を被誘導者にわかり易く直感的な方法で表示できるようになった。また、従来、案内所などでは、一人の被誘導者に長時間の説明が必要になる場合があり、他の被誘導者に迅速な誘導サービスを提供できないという弊害があったが、直感的な方法であるため、設置通信端末前でに被誘導者一人当たりの占有時間が短く、効率的でスムーズな誘導が可能になった。
【0073】
また、隣接する設置通信端末も連携させることできるのでより確実な経路誘導が可能になった。さらに、目的地の周辺情報を入手してその周辺情報に関しても経路誘導が可能になったため、より緻密な誘導ができるようになった。
【0074】
領域内でも目的地の登録が可能であり、また、本システムで誘導されている途中で経路変更が可能であるため、より柔軟な経路誘導が可能になった。
【0075】
誘導する経路が、単に目的地の最短距離の経路を示すだけではなく、被誘導者の多様なニーズに応じた経路選択が可能になった。
【0076】
被誘導者は、被誘導者識別IDの登録と最終目的地の登録だけで、一つの領域内だけではなく、複数の領域を介して最終目的地への経路の誘導を受けることができるので、旅行者などにも有用である。
【0077】
被誘導者は、被誘導者識別IDを登録する場合に、上記指定言語情報を予め登録するだけで、所望の言語での誘導を領域内のどの場所でも受けることができるので、外国人旅行者等には有用であり、また、外国人対応の案内所や案内板を各所にいちいち設置する必要がなくなる。
【0078】
緊急時には、避難路誘導端末となるので、設置した領域内の安全対策にも貢献しうる。
【0079】
駅のチケットなど商品の購入と購入した商品の受け取り場所の誘導もできるので、商品の販売促進にも貢献しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0080】
図1は、本発明にかかる経路誘導システムの一実施形態を示す基本構成図である。1は、本発明にかかる経路誘導システムを構成するサーバである。サーバ1内の構成は、本システムを稼動させるために必要な特徴的部分を示したものであり、このほかにCPU、メモリ、入出力インターフェースなどを備えている。
【0081】
サーバ1は、少なくとも経路誘導処理部10と送受信部12を有する。この経路誘導処理部10は、サーバ1が管理する領域の総目的地情報と管理する領域内に存在する設置通信端末の位置情報とを予め登録するマスタ情報登録部11を備えている。この総目的地情報は、すべての目的地の名称と位置データとから構成され、位置情報は、上記領域内に存在する各設置通信端末識別IDと位置データとから構成される。サーバ1が管理する領域の数は、単一でも複数でもよい。本実施の形態では、サーバ1が複数の領域(第一領域4、第二領域5および最終領域6)を管理する場合について説明する。
【0082】
本システムによって経路誘導を希望する被誘導者は、予め自己の通信端末2からIP網等の通信ネットワーク網3を介して自己の被誘導者識別IDと誘導を所望する目的地とを送信する。送信されたこの被誘導者識別IDと目的地とは、サーバ1の送受信部12を経てマスタ情報登録部11から該当する目的地情報を読出し、ID/目的地情報登録部13に登録される。上記通信端末2は、本実施の形態では、パーソナルコンピュータと携帯電話を記載しているが、これらに限定されるものではなく、たとえば携帯端末(PDA)などでもよい。この被誘導者IDは、以後、記載の有無に関わらず、被誘導者が設置通信端末とサーバ1との間の通信を確立させるためにサーバ1で必ず認証されるものとする。
【0083】
なお、本実施の形態では、通信端末2のうち、パーソナルコンピュータにICカード21のリーダ/ライタ22を接続させたものを示した。このICカード21には、通信端末2に接続されたリーダ/ライタ22を介して被誘導者識別IDと目的地とが記録される。図1では、以下このICカード21を利用した実施の形態で説明する。
【0084】
なお、本実施の形態では、ICカード21のように、カード状のものを示したが、ICチップを搭載した媒体であればカード状の形態に限定されるものではない。
【0085】
ところで、本実施の形態では、上述のとおり、サーバ1は複数の領域を管理しており、被誘導者の目的地は第一領域4、第二領域5を経由して最終領域6に存在する。これは、たとえば、被誘導者がいくつかの駅を乗り換えて最終目的地に行くようなときに、途中の乗り換え駅構内での誘導をする場合などが該当する。この場合、サーバ1では、マスタ情報登録部11から第一領域4から第二領域5に移動するための第1中間目的地情報と、第二領域5から最終領域6に移動するための第2中間目的地情報とを読み出して中間目的地設定部14で設定する。
【0086】
被誘導者が、第一領域4に行き、最寄の設置通信端末1−1でICカード21を読み込ませると、サーバ1は、この被誘導者識別IDと設置通信端末1−1の識別IDとをLAN/WAN41を介してサーバ1の送受信部12で受信する。受信された設置通信端末1−1の識別IDからマスタ情報登録部11で設置通信端末1−1の位置情報を読出し、この位置情報に基づき現在地情報検出部15で現在地を検出する。上記被誘導者識別IDと目的地と現在地とから、現在地から目的地までの経路を経路算出部16で算出する。経路算出部16で算出された経路に基づき現在地から目的地に向かう方向を方向検出部17で検出する。方向検出部17で検出された方向情報から表示情報生成部18で表示情報が生成される。
【0087】
この表示情報は、設置通信端末1−1が備えている機能に依存するが、たとえば、音声、文字、画像のいずれか1以上の情報が含まれ、さらに方向指示器を上記方向を指すように作動させる命令情報や光源を点灯または点滅させる命令情報も含まれる。
【0088】
上記生成された表示情報は、設置通信端末1−1で表示させるために送受信部12からLAN/WANを介して設置通信端末1−1に送信される。被誘導者が設置通信端末1−1で表示される方向にすすみ設置通信端末1−2…設置通信端末1−nに到達するまで、上記設置通信端末1−1とサーバ1との間の処理と同様の処理を繰り返し、非誘導者は第1中間目的地に誘導される。
【0089】
被誘導者は、第一領域4から第二領域5に移動し、設置通信端末2−1、設置通信端末2−2…設置通信端末2−nとの間で、LAN/WAN51を介してサーバ1と上記第一領域4の場合と同様の処理を繰り返し、第2中間目的地に到達する。
【0090】
最後に被誘導者は、第二領域5から最終領域6に移動し、設置通信端末d−1、設置通信端末d−2…設置通信端末d−nとの間で、LAN/WAN61を介してサーバ1と上記第一領域4、第二領域5の場合と同様の処理を繰り返し、最終目的地に到達する。ただし、上述のとおり、最終領域6の場合は、最終目的地は、サーバ1のID/目的地情報登録部13に登録されている。
【0091】
ところで、図1では、サーバ1が一つの場合を説明したが、サーバが複数設けられ各サーバがそれぞれ異なる領域を管轄する場合もありうる。この場合に、この異なる領域間の移動のための誘導を希望する場合もある。そこで、このような場合は、各サーバが、1のサーバが管轄する領域から他のサーバが管轄する領域への移動を誘導する誘導情報を登録する異領域間誘導情報登録部と、上記ID/目的地情報登録部13によって登録される目的地情報に目的地サーバIDを付加し、目的地サーバIDが付与されたサーバ以外のサーバが管轄する領域内の設置通信端末7から被誘導者識別IDを送信すると、IP網等の通信ネットワーク網3を介して上記目的地サーバIDが付与されたサーバにID/目的地情報の登録の有無を確認する確認部と、上記異領域間誘導情報登録部から異領域間誘導情報を読み出して上記目的地サーバIDが付与されたサーバ以外のサーバが管轄する領域から目的地サーバIDが付与されたサーバが管轄する領域に誘導する誘導情報を設置通信端末7上に表示させる表示情報生成部とを備えたものにすればよい。
【0092】
この異領域間誘導情報は、距離が離れた場所を結ぶための情報であることが多いと考えられるため、交通手段や時刻表などを提供するものであればよい。
【0093】
図2は、混雑状態を判断する機能が追加された経路誘導システムの基本構成図である。設置通信端末7には、画像撮影部701が設けられている。この画像撮影部701は、動画像が撮影可能な監視カメラなどであればよい。この画像撮影部701は、設置通信端末7近傍の所定の範囲内を撮影することが可能である。サーバ1は、設置通信端末7に対して所定の時間定期的にこの画像撮影部701によって動画像を撮影させる信号を送信する。撮影された動画像データは、LAN/WANを介してサーバ1に送信される。
【0094】
サーバ1では、撮影された動画像データは送受信部12で受信する。受信した動画像は、サーバ1が設置されているセンターなどでモニターによって目視で確認し、混雑状態を確認するものであってもよいが、本実施形態では下記の通り、自動的に人数を計数するものを説明する。送受信部12で受信した動画像は、移動画像抽出部101で、時間的に連続する少なくとも2つ以上の画像のフレーム間の差分情報から背景画像と移動画像とに分けて、移動画像を抽出し、人として認識する。この人と認識された移動画像を計数部102でカウントし人数を把握する。カウントされた人数は混雑判断部103で混雑しているかどうかを判断する。この混雑判断部103では、画像撮影部701で撮影可能な上記所定の範囲内で混雑と判断する人数を予め既定値として記憶し、上記カウントされた人数とこの既定値の人数とを比較し、カウントした人数が既定値の人数以上の数になった場合には混雑と判断する。混雑判断部103で混雑と判断されると、混雑情報生成部104で被誘導者に上記撮影した範囲が混雑していることを告知するための混雑情報が生成される。この混雑情報データは、サーバ1の送受信部12から、被誘導者がこの混雑と判断された範囲への誘導を受ける設置通信端末7にLAN/WANを介して送信される。
【0095】
なお、計数部102を上記のほか、所定の時間内に設置通信端末7で被誘導者識別IDが送信された数をカウントするものとし、混雑判断部103がこの送信された数を既定値の数以上になると混雑と判断するものとしてもよい。上記混雑情報生成部104によって告知される混雑情報に、上記混雑と判断されたルートを除外して経路誘導処理部10で再度算出された迂回経路を表示する情報を含めるようにしてもよい。
【0096】
図3は、周辺情報を提供する機能が追加された経路誘導システムの基本構成図である。サーバ1は、周辺情報登録部105に予め各設置通信端末7の周辺情報を登録する。各周辺情報は設置通信端末識別IDごとに登録されている。この周辺情報は、たとえば、各設置通信端末7近傍で誘導可能な駅、イベント会場、遊園地、総合病院、商店街、ショッピングセンター、大駐車場などの場所情報である。被誘導者が任意の設置通信端末7から、被誘導者識別IDとこの設置通信端末7の識別IDとともに周辺情報の閲覧要求をLAN/WANを介してサーバ1に送信すると、送受信部12で受信して設置通信端末識別IDの周辺情報を周辺情報登録部105から読み出す。読み出された周辺情報に基づき閲覧画面生成部106で閲覧画面を生成し、送受信部12からこの閲覧画面データを送信する。上記LAN/WANを介して上記設置通信端末7がこの閲覧画面データを受信し、被誘導者が閲覧できるように表示される。
【0097】
また、被誘導者が、任意の設置通信端末7から上記周辺情報の閲覧要求とともに、自己の属性、嗜好情報を上記LAN/WANを介してサーバ1に送信すると、サーバ1が、周辺情報検索部107により周辺情報登録部105からこの属性、嗜好情報に関係する周辺情報を読み出す。この周辺情報検索部107で読み出された周辺情報によって上記閲覧画面を生成する。
【0098】
この属性、嗜好情報の入力は、たとえば、年齢、性別、出身地、居住地、趣味等の項目に分けたフォームを設置通信端末7で表示させればよい。入力作業の軽減のためには、各項目ごとに選択テーブル(たとえば項目「性別」ならば「男性・女性」などのテーブル)が表示され、該当するものを選択ボタンなどで選択するようにすればよい。選択された内容に従って周辺情報検索部107による検索条件が決定される。
【0099】
また、被誘導者識別IDとともに、過去の誘導履歴を蓄積する誘導履歴蓄積部108から誘導履歴を読み出し、読み出された誘導履歴から属性等算出部109で算出されたこの被誘導者の属性、嗜好を周辺情報検索部107の検索条件としてもよい。属性等算出部109では、各目的地に密接に関係する属性、嗜好をあらかじめ点数化し、誘導履歴蓄積部108から当該被誘導者の誘導履歴を読み出して、誘導した過去の目的地ごとの点数を属性、嗜好に分けて合計する。この検索条件によれば、周辺情報検索部107では、上記合計された点数のうち、高得点の属性、嗜好から検索していけばよい。たとえば、過去の誘導履歴で「秋葉原」が圧倒的に多い場合は、この被誘導者の嗜好は電気製品について得点が高くなるため、周辺情報のうち、電気店を検索すればよいことになる。誘導履歴として蓄積される情報は、被誘導者が本システムを利用して誘導を受けた目的地および中間目的地などである。このように、誘導履歴から属性、嗜好を算出して周辺情報を検索すれば、過去に誘導された目的地で目的を達成されなかった場合でも、代替の目的地に誘導することが可能になる。
【0100】
さらに、サーバ1は、被誘導者の通信端末2により、IP網等の通信ネットワーク網3を介して、予め被誘導者識別ID情報と、いずれかの設置通信端末7から希望する周辺情報を指定する指定情報とを対応させて登録するID/指定情報登録部110を備えるようにしてもよい。ID/指定情報登録部110に指定情報が登録された場合は、上記閲覧画面生成部106で、周辺情報とともにこの指定情報も閲覧できる。
【0101】
上記閲覧画面で表示された周辺情報または指定情報のうち、閲覧した被誘導者が所望する周辺情報または指定情報の場所について設置通信端末7から経路誘導を選択する信号をサーバ1に送信すると、経路誘導処理部10により図1で説明した経路誘導を行なう。すなわち、サーバ1は、この被誘導者識別IDと上記所望する周辺情報または指定情報の場所とをID/目的地情報登録部13に登録し、現在地検出部15によってこの設置通信端末7を現在地とし、上記経路誘導を行なう。
【0102】
設置通信端末7を公衆電話機に接続し、閲覧画面で表示された周辺情報または指定情報から被誘導者が所望の情報を選択すると、この情報に関連する電話番号が表示され、この電話番号を押下すると自動ダイヤル発信されるようにしてもよい。この自動ダイヤル発信は、たとえば、設置通信端末7と公衆電話機とを赤外線通信装置(図示せず)を介して接続し、タッチパネル式の閲覧画面などから上記電話番号を押下操作すると、この赤外線通信装置を介してダイヤル発信が可能な状態になり、公衆電話機が上記電話番号を受信すると自動ダイヤルされるようにすればよい。上記周辺情報が飲食店の場合、座席の予約や空き状況を直接電話して確認するときなどに利用することができる。
【0103】
さらに、サーバ1が、上記周辺情報または指定情報に関連する電話番号を設置通信端末7に接続されたリーダ/ライタを介してICチップを搭載した携帯電話機で読み込んでダイヤル可能なように上記閲覧画面で表示させるようにしてもよい。このようにすれば、上記周辺情報や指定情報に関連する電話番号が携帯電話機でも取得することができる。
【0104】
なお、上記周辺情報以外の情報も入手することができるようにするためには、上記設置通信端末7上に表示された周辺情報の閲覧画面からサーバ1を介してウェブサーバ(図示せず)に接続ができるようにしてもよい。このような構成することによって、設置通信端末7からインターネットを利用することもできる。
【0105】
被誘導者は、サーバ1に自己の通信端末2から被誘導者識別IDとともに、自己の通信端末2でウェブページを閲覧するときのウィンドウの初期設定を収納したスキンなどのファイルを送信し、このファイルも上記ID/指定情報登録部13によって登録することもできる。この被誘導者は、設置通信端末7からウェブサーバへの接続を要求すると、上記ファイルを読み出して設置通信端末7の画面に上記初期設定のウィンドウを表示させるようにすることもできる。このような構成にすれば、設置通信端末7からインターネットを利用する場合に、被誘導者は、自宅のパソコンと同じ画面環境で閲覧ができる。
【0106】
図4は、複数の被誘導者をグループ化する機能が追加された経路誘導システムの基本構成図である。サーバ1は、複数の被誘導者がグループとして本システムを利用する場合、被誘導者識別IDのほかに、グループID登録部111でこの複数の被誘導者に共通のグループIDを付与する。グループIDを付与された各被誘導者は、所定の領域内の各設置通信端末7から自己の被誘導者IDとこのグループIDとを送信する都度、被誘導者通過記録記憶部112で設置通信端末7を通過したことを少なくも日時によって記録される。グループIDを付与された被誘導者は、任意の設置通信端末7からこのグループIDを付与された他の被誘導者を指定し、指定された被誘導者の通過記録の閲覧を要求すると、被誘導者通過記録記憶部112から指定された被誘導者の通過記録を読み出し、通過記録閲覧画面生成部113で通過記録閲覧画面が生成され、通過記録閲覧画面データを送受信部12から上記閲覧要求をした設置通信端末7に送信する。グループ内の被誘導者は、相互に他人の通過履歴を任意の設置通信端末7から閲覧することができる。
【0107】
なお、上記グループID登録部111は、たとえば、1の被誘導者の通信端末2aから他の被誘導者の通信端末2b、2cに電子メールを送信するときに、サーバ1宛にもccなどにより電子メールを送信することによってサーバ1がこの電子メールのヘッダ情報から発信者及び受信者を上記共通のグループIDを付与する被誘導者と認識し、グループIDを登録するようにすればよい。
【0108】
上記通過記録閲覧画面を表示した設置通信端末7から1の被誘導者が被誘導者IDとともに目的地を上記ID/目的地情報登録部13によって登録すると、グループIDを付与された他の被誘導者も上記ID/目的地情報登録手段でこの目的地が登録される。各被誘導者が直近の設置通信端末7から自己の被誘導者IDを送信すると、その設置通信端末7が現在地検出部15によって現在地として検出される。従って、各被誘導者は、上記直近の各設置通信端末7から経路誘導処理部10により一つの目的地に向けて誘導される。たとえば、グループ内の被誘導者の通過履歴、すなわち、すべての被誘導者の現在地を確認してから集合する目的地を決定することができる。特に、目的地が携帯電話などの通信が不可能か禁止されているようなエリアの場合に有用である。
【0109】
上記グループIDが付与される被誘導者の一部が、ICタグ(図示せず)を所持することによって設置通信端末7から所定の距離の範囲内を通過しただけで、被誘導者通過記録記憶部112によって記憶されるようにしてもよい。この場合、ICタグを所持した者は、設置通信端末7を通過するごとに、自己の被誘導者IDとこのグループIDとを送信しなくても被誘導者通過記録記憶部112によって通過記録が記録される。たとえば、子供や老人などにこのICタグを所持させれば、迷子になったときにおおよその現在地を把握することができる。
【0110】
図5(a)及び(b)は、設置通信端末7の外観を示した図である。ただし、これらの外観図は、例示であって本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、この形状に限定されるものではない。したがって設置通信端末7を設置する周囲の環境に合わせて外観のデザインを変えることは可能であり、また、図2、図3で説明した通り、機能に応じて監視カメラを接続したり、公衆電話機と接続することも可能である。
【0111】
図5(a)は、設置通信端末7の第1の実施形態である。設置通信端末7aは、円錐形状に形成された台座71aの頂部に支柱72aが垂直に取り付けられている。この支柱72aの上端は、円盤状のリーダ/ライタ部73aを介して方向指示器75aの支持支柱74aと接続されている。方向指示器75aの先端には、発光部76aが取り付けられている。方向指示器75aの支持支柱74aには、ディスプレイ77aが取り付けられている。このディスプレイ77aは、左右両端にスピーカ78aを備えている。なお、ディスプレイ77aは、文字や画像を表示するほか、タッチパネルとして情報を入力することもできる。
【0112】
設置通信端末7aは、所定の領域内の交差路等、誘導が必要と思われる箇所に適宜複数設置される。設置通信端末7は、LAN、無線LAN、WAN等を介して上記サーバ1との送受信が可能である。
【0113】
被誘導者識別IDと目的地とが記録された上記ICカード21をリーダ/ライタ部73aで読み込ませると、この設置通信端末7aが所在する現在地から被誘導者が所望する目的地に行くための方向に方向指示器75aが曲がり、同時に発光部76aが点灯または点滅する。さらに、ディスプレイ77aでその方向を文字情報で表示し、スピーカ78aにより音声でも誘導する。本実施の形態では、方向指示器76aが左方向を指示し、ディスプレイ77aで「目的地は左方向です」と表示している例を示した。
【0114】
なお、ディスプレイ77aで表示される文字、スピーカ78aで案内される音声は、被誘導者識別IDの登録の際に、外国語の誘導を希望する要求ができるようにしておけば、その被誘導者がICカード21をリーダ/ライタ部73aで読み込ませるだけで、外国語による案内を表示させることもできる。
【0115】
すなわち、被誘導者識別IDに被誘導者の指定言語情報を対応させることができるようにし、サーバ1が、ID/目的地情報登録部13によってこの指定言語情報を登録し、送受信部12でこの言語情報を受信すると、表示情報生成部18では、文字、音声については、この指定された言語で表示情報を生成する。
【0116】
なお、本実施の形態では、指定言語情報をサーバ1で登録するようにしているが、ICカード21を利用する場合は、指定言語情報をICカード21で登録しておいてもよい。指定言語情報をICカード21に登録することにより、サーバ1のデータを分散させることができ、サーバ1の負担を軽減することができる。
【0117】
また、本実施の形態では、ディスプレイ77aの表示は文字にしたが、文字の変わりに地図などの画像を表示するようにしてもよい。
【0118】
ところで、領域内において火災や地震などの緊急事態が発生した場合、この領域の管理者等が最寄の設置通信端末7のリーダ/ライタ部73aに緊急用のICカード(図示せず)を読み込ませると、LAN/WANを介して緊急用ID情報が送信される。
【0119】
サーバ1に予め各設置通信端末7aごとに避難場所への誘導表示情報を登録させておき、このサーバ1が、緊急時に上記緊急用ID情報を受信すると、この領域内のすべての設置通信端末7aからサーバ1への各種情報の送信が遮断される。各設置通信端末7aでは、ディスプレイ77とスピーカ78aで「避難場所は左方向です」という文字と音声での誘導を行う。さらに、方向指示器75aは左方向に曲がり、さらに発光部76aは緊急時に相応しい表示、たとえば赤色に点滅する。
【0120】
なお、設置通信端末7aからICカード21を介して電車、バス、船舶、飛行機等の交通機関のチケットの予約および精算ができるようにしてもよい。たとえば、ICカード21をリーダ/ライタ部73aで読み込ませると、ディスプレイ77a上に指示が表示され、上記チケットの予約および精算ができるようにする。そしてICカード21にチャージされた料金からチケット料金が徴収され、チケット予約および精算が終了すると、サーバ1のID/目的地情報登録部13が、このチケットの予約および精算をした上記ICカード21に付与されたIDとチケットの引き渡し場所を目的地とする目的地情報とを登録すると同時に、チケットの受け渡し場所方向に方向指示器75、ディスプレイ77a、スピーカ78aで誘導するようにしてもよい。
【0121】
図5(b)は、設置通信端末7の第2の実施形態である。なお、第1の実施形態と同じ名称の部位は同じ機能である。設置通信端末7bは、円盤状の台座71bの中央部に、垂直に取付けた所定の長さを有する支柱72bとから構成されている。支柱72bの長さ方向の略中央には、リーダ/ライタ部73bが取り付けられている。リーダ/ライタ部73bは、ドーム状の蓋片731bを有するケースに収納されている。リーダ/ライタ部73bは、蓋片731bの頂部が被誘導者と対向するように設置されている。リーダ/ライタ部73bの接触/非接触部732bは、蓋片731bの外周近傍で上部側に位置している。リーダ/ライタ部73bを図示しない支持片で支柱72bに対し所定の角度(例えば、45度)で、接触/非接触部732bが設置通信端末7bの前に立つ被誘導者側に傾斜させることにより、ICカードによる情報入力が容易になる。
【0122】
支柱72bの上部は、方向指示器75bの支持支柱74bが接続されている。支持支柱74bの内部は、中空になっておりLEDが配置されている。方向指示器75bは、透明の部材で矢印形状に形成されており、上記LEDによって方向指示器75b全体が発光するようになっている。方向指示器75bは、支持支柱74bの上部に取り付けられた断面台形状のガイドを介して支持支柱74bと接続されている。方向指示器75bは、内部にモータと連動したワイヤを内在させ、このモータを駆動源として自在に方向を指示するようになっている。
【0123】
設置通信端末7bのディスプレイ部77bは、支持支柱74bの下部でリーダ/ライタ部73bと同じ向きに設置されているタッチパネル式ディスプレイ771bと支柱72bの上部であってリーダ/ライタ部73bの接触/非接触部73bよりやや上部の簡易ディスプレイ772bとから構成されている。タッチパネル式ディスプレイ771bでは、目的地入力、混雑情報、周辺情報、被誘導者の通過履歴の表示、あるいは、インターネット検索などで使用される。一方、簡易ディスプレイ772bは、方向指示器75bの補助情報(たとえば矢印や文言よる方向指示の表示)を表示したり、設置通信端末73bの操作説明などの表示に使用される。
【0124】
支柱72bのリーダ/ライタ部73b及び簡易ディスプレイ772bが設置されている面の裏面には、スピーカ78bが設置されている。ここには、他に電源(図示しない)なども設けられている。
【0125】
なお、本実施の形態では、設置通信端末7bは、方向指示器75bを有する支持支柱74bを支柱72bの上部に接続したものであるが、支持支柱74bは、方向指示機構をユニット化したものであり、着脱自在になっている。従って、この設置通信端末7bは、方向指示する毎に駆動される方向指示器75bの耐久性を考慮して、支持支柱74b側のみを交換することが可能であり、また、設置する周囲の環境にあわせて様々なバリエーションの形態の方向指示器を取付けることも可能である。
【0126】
また、他の機能を有する部品、例えば、プリンターを装着し、リーダ/ライタ部73bでICカードを翳してICカードに記憶させた目的地に関する情報を読み取らせると目的地周辺の地理情報を紙で出力することもできる。
【0127】
図6は、設置通信端末7の機構の概念構成図である。なお、図6は、図5(a)は設置通信端末7の第1の実施形態の概念構成図であるが、第2の実施形態もディスプレイが2つ設置されていることを除けば基本的な構成は同じである。上記円盤状のリーダ/ライタ部73の内部には、この設置通信端末7の制御部710が内蔵している。制御部710は、制御部全体を統括制御するCPU711とLAN/WANを介してサーバ1との間で情報を送受信する送受信部712と入力情報を制御する入力制御部713と出力情報を制御する出力制御部714とから構成されている。上記出力制御部714は、各出力態様を制御するために、画像制御部714a、音声制御部714b、モータ駆動部714c、光源制御部714dから構成されている。
【0128】
リーダ/ライタ部73でICカード21を読み込ませると、入力制御部713でICカード21に記録されている被誘導者識別IDと目的地とを認識し、送受信部712からLAN/WANを介してサーバ1に送信される。
【0129】
サーバ1から表示情報がLAN/WANを介して送信されてくると、送受信部712で受信し、出力制御部714で各表示情報に振り分けられる。画像制御部714aでは、表示情報の命令とおりにディスプレイに文字情報等を表示させ、音声制御部714bでは、表示情報の命令とおりにスピーカ78から音声による誘導を行わせる。また、モータ駆動部714cでは、表示情報の命令とおりに方向指示器75を駆動させるためモータの駆動を制御する。同様に、光源制御部714dでは、表示情報の命令とおりに発光部76を点灯または点滅させる。
【0130】
なお、本実施の形態では、サーバ1にマスタ情報登録部11やID目的地情報登録部13などを設けているが、例えば情報量が少ない領域などでは、スループットの観点から、設置通信端末7自体にサーバ機能をもたせるようにしてもよい。また、設置通信端末7にサーバ機能を持たせる場合には、設置通信端末7の負荷を分散させるため、ICカード21に被誘導者識別IDのほか、目的地を特定させる目的地IDや上記指定言語情報に関する言語IDなども記録させるようにしてもよい。
【0131】
図7は、本システムの表示画面例を示したものである。200は、被誘導者の通信端末2の表示画面例であり、770は、設置通信端末7のディスプレイ77の表示画面例である。
【0132】
本実施の形態では目的地を目的地一覧表から画面上で選択するようにしたが、この形態に限定される趣旨ではない。従って、目的地の名称を直接入力するほか、地図や音声などによって目的地を入力する形態であってもよい。
【0133】
すなわち、地図の場合は、サーバ1が、通信端末2上に領域の地図を表示させ、被誘導者によってこの地図上で目的地が指定されると、この指定された目的地を受信し、上記マスタ情報からこの受信した目的地に該当する目的地情報を読み出してID/目的地情報登録部13で登録すればよい。
【0134】
また、音声の場合は、サーバ1が、通信端末2から音声によって特定された目的地を受信すると、この特定された目的地から目的地情報をID/目的地情報登録部13で登録すればよい。
【0135】
なお、本実施の形態では、以下のとおり、目的地の入力を通信端末2から行なう場合について説明するが、本発明にかかるシステムでは、設置通信端末7からでも被誘導者識別IDと目的地の入力は可能である。
【0136】
すなわち、設置通信端末7が、領域内の目的地が選択できるように列挙された目的地の一覧表から目的地を選択する選択手段と、領域内の地図からタッチパネル式に目的地を指定する指定手段と、音声によって目的地を特定する特定手段との少なくとも一つ以上の手段を備え、サーバ1が、これらのいずれかの手段によって送信された目的地を受信することができるようにすればよい。
【0137】
通信端末2から本システムにアクセスし、初期画面を立ち上げると、目的地の列挙の仕方を選択する画面201が表示される。本実施の形態では、選択ボタンとして「50音/英数字」ボタン201aと「キーワード入力」ボタン201bが表示されるようにした。ここでは、「50音/英数字」ボタン201aを選択したところを示した。なお、画面の右下には、英語標記に変更するボタン201cも表示されている。
【0138】
「50音/英数字」ボタン201aを選択すると、50音表示画面202が表示される。50音表示画面202で表示される50音一覧表のそれぞれの音は選択ボタン202aになっている。従って、所望する目的地の頭文字に該当する音のボタンをクリックするなどして選択すればよい。選択ボタン202aを選択すると、選択済みボタン202bとして色が変わるようになっている。ここでは、「か」を選択したところを示した。なお、英数字一覧表の画面に移動するためには、英数字一覧表表示ボタン202cを選択すればよい。
【0139】
50音表示画面202で「か」が選択されると、頭文字が「か」から始まる目的地の一覧画面203が表示される。目的地の一覧画面203で列挙されている各目的地の地名が各々選択ボタン203aになっている。従って、所望する目的地をクリックするなどして選択すればよい。選択ボタン203aを選択すると、選択済みボタン203bとして色が変わるようになっている。ここでは、「科学未来館」を選択したところを示した。なお、一画面で表示しきれない場合は、「NEXT」ボタン203cをクリックすれば、前ページが表示され、「BACK」ボタン203dをクリックすれば次ページが表示される。
【0140】
目的地の一覧画面203で「科学未来館」が選択されると、終了画面204が表示される。ここでは、終了画面204で「行き先が登録されました」というメッセージが表示されている。終了画面204が表示されると、サーバ1では、「科学未来館」が目的地として受信され、ID/目的地情報登録部13に登録される。
【0141】
科学未来館周辺の領域内に設置されている任意の設置通信端末7のディスプレイ77の初期画面771には「カードをカード読取部に近づけて下さい」などのメッセージが表示されている。目的地の登録を済ませた被誘導者は、ICカード21をこの設置通信端末7のリーダ/ライタ部73に読み込ませればよい。ここで、サーバ1では、被誘導者識別IDを読み取ることにより、被誘導者の目的地が「科学未来館」であることを認識しており、この設置通信端末7の所在地を現在地として目的地までの経路を算出することができるようになっている。
【0142】
初期画面771でICカード21を読み込ませると、経路算出条件の選択画面772が表示される。ここでは、経路算出条件として「最短経路」選択ボタン772aと「階段の少ない経路」772bが表示されている。経路算出条件は、たとえば、ほかに「わかりやすい経路」などあってもよい。ディスプレイ77は、タッチパネルになっているので、各選択ボタンは指でタッチすることによって選択することができる。ここでは、「最短経路」を選択したところを示した。
【0143】
「最短経路」が選択されると、サーバ1では、この経路算出条件に従って経路算出部16で最短経路を算出する。この最短経路の算出は、マスタ情報登録部11に登録されている位置データを、各設置通信端末7が設置されている位置と、各設置通信端末7が設置されている向きと、設置通信端末7の設置が不可能な分岐点がある場合はこの分岐点の位置と、各設置通信端末7間または上記設置通信端末7の設置が不可能な分岐点と直近の設置通信端末7間のルートと、上記各ルートの距離とから構成させ、経路算出部16によって、上記現在地に設置された設置通信端末7を始点とし上記目的地に設置された設置通信端末7を終点として、この始点と終点との間に存在する上記各ルートの距離に基づきダイクストラ法によって自動的に経路を算出すればよい。
【0144】
また、経路算出条件として、最短の経路以外の条件が選択された場合、上記各ルートの距離の代わりに、ルートの高低差の多少、分岐点の多少、人通りの多少、街灯の多少などを予め数値化し、この数値に基づき、上記ダイクストラ法によって算出すればよい。
【0145】
なお、経路の算出とともに、被誘導者は目的地又は中間目的地までの距離情報や所要時間情報の入手を希望する場合もある。そこで、たとえば、この距離情報については、サーバ1の表示情報生成部18で生成される情報に、現在地検出部15によって検出した設置通信端末7から目的地又は中間目的地までの距離を上記マスタ情報の位置データから読み出して生成される距離情報が含まれるようにすればよい。
【0146】
また、所要時間情報については、サーバ1が、上記距離情報を所定の単位時間当たりの平均速度で除することによって現在地検出部15によって検出した設置通信端末7から目的地又は中間目的地までの所要時間を算出する所要時間算出部(図示せず)を備え、上記表示情報生成部18に、算出されたこの所要時間データが含まれるようにすればよい。この所定の単位時間当たりの平均速度は、平均的な大人の歩く速度をを設定してもよいが、男性、女性、子供など、被誘導者の属性等により速度を選択できるようにしてもよい。
【0147】
また、上記サーバが、被誘導者によって任意の設置通信端末7から入力された目的地又は中間目的地への到着希望時間を受信すると、上記所要時間算出部によって算出された所要時間に基づき上記到着希望時間に到着するために設置通信端末7からの出発時間を算出する出発時間算出部(図示せず)を備え、算出された出発時間データを設置通信端末7に表示させるために送受信部12によって送信するようにしてもよい。この構成によれば、到着希望時間に間に合うために現在地を何時に出発すればよいかがわかる。
【0148】
方向検出部17でこの設置通信端末7、すなわち現在地から目的地である「科学未来館」に行く方向を決定し、表示情報生成部18で生成された表示情報をLAN/WANを介して設置通信端末7に送信し、ディスプレイ77で方向表示画面773を表示する。ここでは、方向表示画面773に「目的地は左方向です」と表示されている状態を示した。
【0149】
この方向検出部17は、経路算出部16によって算出された経路のうち、上記始点となる現在地から最寄の分岐点までの経路を抽出し、上記位置データの設置通信端末7が設置されている位置および設置通信端末7の向きからこの抽出した経路の方向を検出することによって方向を検出する。
【0150】
なお、設置通信端末7からも、上記通信端末2で行った目的地の選択が可能である。たとえば、目的地を読み込んでいないICカード21をリーダ/ライタ部73に読み込ませると、被誘導者の通信端末2の表示画面例200で示したような画面が表示され(図示せず)、設置通信端末7からでも目的地の選択ができるようすればよい。
【0151】
ところで、経路算出条件の選択画面772では、「コース変更」ボタン772cが表示されている。これは、被誘導者が目的地を変更する場合、この「コース変更」ボタン772cを選択すればよい。「コース変更」ボタン772cを選択すると、新たに目的地を選択するために、上記目的地の列挙の仕方を選択する画面201と同様の画面がディスプレイ77で表示される。
【0152】
図8は、設置通信端末7のディスプレイ77で周辺情報を表示した表示画面例である。図3で説明したとおり周辺情報は、閲覧画面生成部106で閲覧画面が生成され、送受信部12からこの閲覧画面データを送信し、上記LAN/WANを介して上記設置通信端末7がこの閲覧画面データを受信すると、ディスプレイ77に周辺情報表示画面774が表示される。本実施形態では、「ここは、○○区○○町1丁目です」というように、現在地の住所を表示している。また、周辺情報を検索する方法として「ジャンル別」「50音別」「指定情報」の項目が選択可能な状態で表示されている。各々の項目をタッチすることにより次画面に展開する。なお、周辺情報の入手が不要と判断したときは、画面右下の「戻る」をタッチすればよい。なお、「指定情報」は、図3でも説明したように被誘導者が予め「指定情報」を登録する必要がある。したがって、「指定情報」の登録がない場合には、「指定情報」をタッチしても次画面に展開しないか、最初から「指定情報」の項目を表示しないようにすればよい。本実施の形態では、「指定情報」を表示し、「事前の登録が必要です」と表示した。
【0153】
図8では、この「指定情報」を選択した場合の画面展開について説明する。「指定情報」をタッチすると、指定情報表示画面775になる。本実施の形態では、指定情報を「イタリア料理の店」とした。指定情報表示画面775では、上記「○○区○○町1丁目」のエリアで誘導可能なイタリア料理の店を3つ表示している。このうち、「1○○○」を選択すると、選択情報表示画面776に展開する。
【0154】
選択情報表示画面776では、店名の「1○○○」のほか、この店の住所、電話番号、メニュー、料金などが表示されている。この画面を見てこの店への誘導を希望する場合には、画面下部の「誘導しますか」の表示部分をタッチすればよい。「誘導しますか」をタッチすることにより、この店を目的地として本システムにより誘導を受けることができる。なお、この「誘導しますか」は、周辺情報表示画面774で周辺情報の検索により最終的に選択された情報の場合にも表示される。なお、選択情報以外の情報を入手したい場合は、「誘導しますか」の下に表示された「検索画面に戻る」をタッチし周辺情報表示画面774に戻って検索しなおせばよい。
【0155】
図8では、図示しないが、周辺情報表示画面774の検索方法として、図3で説明したように「インターネットに接続する」という項目を追加し、設置通信端末7からインターネット検索ができるようにしてもよい。この場合、被誘導者が予め自己の通信端末2でウェブページを閲覧するときのウィンドウの初期設定を収納したスキンなどのファイルを送信して登録しておけば、「インターネットに接続する」を選択したときに、このファイルを読み出して設置通信端末7の画面に上記初期設定のウィンドウを表示させるようにすることもできる。また、選択情報表示画面776の電話番号の表示は、この設置通信端末7が公衆電話機と接続できるものである場合は、タッチすることにより自動ダイヤル発信することができるようにしてもよい。
【0156】
図9は、設置通信端末7のディスプレイ77で通過記録閲覧画面を表示した例である。通過記録閲覧画面では、図4で説明した通り、グループIDを付与された被誘導者の各設置通信端末7の通過履歴が、グループIDを付与された被誘導者間でそれぞれ閲覧できる。グループIDを付与された被誘導者が、最寄の設置通信端末7からグループIDと自己の被誘導者識別IDを送信すると、閲覧選択画面777が表示される。閲覧選択画面777では、グループIDの表示(本実施形態で「グループID:××」と表示している部分)と、自分以外のグループIDを付与された被誘導者の氏名がリストアップされている。通過履歴を閲覧したい被誘導者の氏名をタッチすると、通過履歴表示画面778に展開する。
【0157】
本実施の形態では、通過履歴表示画面778は、選択した被誘導者の通過履歴を設置通信端末のナンバーごとに年月日及び時間によって記録しているが、このような記録方法に限定されるものではない。たとえば、各設置通信端末を付近のランドマーク名と共に表示したり、すべての設置通信端末全体の位置を示した地図を図示して通過した設置通信端末だけ点灯するようにし、点灯した箇所をタッチすると、通過した年月日と時間を表示するものであってもよい。また、被誘導者全員の履歴を全部表示するようにしてもよい。通過履歴表示画面778で誘導する目的地として選択したい設置通信端末7がある場合は、その選択を希望する履歴情報をタッチすると、誘導画面779に展開する。
【0158】
誘導画面779では、目的地として設置通信端末7の番号「No.4」が選択されたことを表示し、誘導情報として「右方向です」という表示が示されている。
【0159】
図10は、本発明にかかる経路誘導システムの基本処理フローチャートを示したものである。
【0160】
まず、サーバ1側で、サーバ1が管理する領域内の総目的地情報およびこの領域内の各設置通信端末7の設置情報をマスタ情報として予めマスタ情報登録部11に登録する(S1)。
【0161】
被誘導者は、自己の通信端末2からサーバ1に被誘導者識別IDと所望する目的地を送信する(S2)。この被誘導者識別IDと目的地とは、通信回線(通信ネットワーク網3)を介してサーバ1に送信され、ID/目的地登録部13でこの被誘導者識別IDが登録され(S3)、さらに、上記目的地は、マスタ情報登録部11から該当する目的地情報を読出して目的地情報登録(S4)が行なわれる。
【0162】
被誘導者が、上記領域内の任意の設置通信端末7から上記登録された被誘導者識別IDを送信すると、この設置通信端末7は、通信回線(LAN/WAN)を介して、設置通信端末7の識別IDとともにサーバ1に送信する(S5)。サーバ1では、設置通信端末7の識別IDを受信すると、マスタ情報登録部11からこの設置通信端末7の識別IDに該当する位置情報を読み出して現在地情報検出部15に送り現在地を検出する(S6)。
【0163】
設置通信端末7では、被誘導者の目的地に変更があるか否かの判断をする(S7)。目的地に変更がある場合は、被誘導者から設置通信端末7で新目的地が入力される(S8)。この新目的地は、通信回線(LAN/WAN)を介してサーバ1に送信される。サーバ1では、目的地に変更があったか否かの判断をし(S9)、変更があった場合には、再度目的地情報登録(S4)に戻る。
【0164】
被誘導者側では、目的地に変更がない場合には、設置通信端末7から経路算出条件を選択して入力する(S10)。選択された経路算出条件は、通信回線(LAN/WAN)を介してサーバ1に送信される。サーバ1では、経路算出条件を受信すると、この経路算出条件に基づき経路算出部16で上記現在地から目的地までの経路を算出する(S11)。経路が算出されると、方向検出部17で現在地から目的地に向かうためにどの方向に進めばよいかを検出する(S12)。検出された方向に基づき表示情報生成部18で表示情報が生成される(S13)。この表示情報は、音声、文字、画像のほか、設置通信端末7の方向指示器75の指示方向を所定の方向に向かせる駆動手段(モータ)に対する命令情報や方向指示器75の先端に取り付けられた発光部76を点灯または点滅させる命令情報も含まれる。
【0165】
生成された表示情報は、サーバ1の送受信部12から通信回線(LAN/WAN)を介して設置通信端末7に送信され、設置通信端末7は、この表示情報に基づき方向を誘導する(S15)。
【0166】
被誘導者は、誘導された方向に進み、さらに別の設置通信端末7がある場合には、上記S5に戻り目的地に到達すれば誘導が終了する(S16)。なお、図10では示していないが、目的地に設置された設置通信端末7からLAN/WANを介して被誘導者識別IDとともにこの目的地に設置された設置通信端末識別IDを送信すると、サーバ1は、上記ID/目的地情報登録部13によって登録された被誘導者識別ID情報と目的地情報とを消去する。また、被誘導者が目的地に到達する前に、誘導をキャンセルしたい場合は、目的地以外に設置されている設置通信端末7からサーバ1に被誘導者識別ID情報と目的地情報とを消去を指示する信号を送信すると、この信号を送受信部12によって受信したサーバ1は、上記ID/目的地情報登録部13によって登録された被誘導者識別ID情報と目的地情報とを消去する。上記信号は、たとえば設置通信端末7の画面上に誘導のキャンセルを選択するタッチパネル式ボタンなどを設け、これを被誘導者が押下するようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明によれば、所定の領域内で被誘導者を目的地に案内することができるので、案内サービス業等の分野で、経路誘導システムとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明にかかる経路誘導システムの一実施形態を示す基本構成図
【図2】混雑状態を判断する機能が追加された経路誘導システムの基本構成図
【図3】周辺情報を提供する機能が追加された経路誘導システムの基本構成図
【図4】複数の被誘導者をグループ化する機能が追加された経路誘導システムの基本構成図
【図5】(a)第1の実施形態による設置通信端末の外観図、(b)第2の実施形態による設置通信端末の外観図
【図6】設置通信端末の機構の概念構成図
【図7】表示画面例
【図8】周辺情報の表示画面例
【図9】通過記録閲覧の表示画面例
【図10】本発明にかかる経路誘導システムの基本処理フローチャート
【符号の説明】
【0169】
1 サーバ
2 通信端末
3 通信ネットワーク網
4 第一領域
5 第二領域
6 最終領域
7 設置通信端末


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを利用して、所定の領域内で被誘導者を目的地に誘導する経路誘導システムにおいて、上記領域内のすべての目的地の名称と位置データとから構成される総目的地情報と、上記領域内に存在する各設置通信端末識別IDと位置データとから構成される位置情報とを登録するマスタ情報登録手段と、被誘導者の通信端末から入力された被誘導者を識別するIDと被誘導者が所望する目的地とをIP網等の通信ネットワーク網を介して受信し、上記マスタ情報からこの受信した目的地に該当する目的地情報を読み出して被誘導者識別ID情報と目的地情報とを対応させて登録するID/目的地情報登録手段と、上記領域内の設置通信端末から上記被誘導者により送信された被誘導者識別IDと、この被誘導者識別IDとともに送信されたこの設置通信端末識別IDとをLAN/WANを介して受信する受信手段と、この設置通信端末識別IDを上記マスタ情報から読み出し、この設置通信端末識別IDに該当する設置通信端末の位置データから現在地を検出する現在地検出手段と、上記検出された現在地から上記登録された目的地までの経路を算出する経路算出手段と、算出された経路に基づき現在地から目的地に向かう方向を検出する方向検出手段と、この検出された方向から表示情報を生成する表示情報生成手段と、生成された表示情報をLAN/WANを介して上記設置通信端末に送信する送信手段とを備えたサーバを設けたことを特徴とする経路誘導システム。
【請求項2】
被誘導者が、順次1以上の設置通信端末による上記表示情報に従って目的地に設置された設置通信端末に誘導され、この目的地に設置された設置通信端末からLAN/WANを介して上記被誘導者識別IDとともにこの目的地に設置された設置通信端末識別IDを送信すると、上記サーバが、上記ID/目的地情報登録手段によって登録された目的地情報を消去することを特徴とする請求項1記載の経路誘導システム。
【請求項3】
被誘導者が目的地以外に設置されている設置通信端末から上記サーバに目的地情報とを消去を指示する信号を送信すると、この信号を上記受信手段によって受信したサーバは、上記ID/目的地情報登録手段によって登録された目的地情報を消去することを特徴とする請求項1または請求項2記載の経路誘導システム。
【請求項4】
上記通信端末または設置通信端末がICカード等ICチップを搭載した媒体のリーダ/ライタと接続可能であり、上記サーバが、ICカード等ICチップを搭載した媒体からこの通信端末または設置通信端末を介して被誘導者識別IDを受信する受信手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項5】
被誘導者が指定する言語によって文字または音声による誘導ができるように、上記被誘導者識別IDに被誘導者の指定言語情報と対応させることができるようにし、上記サーバが、ID/目的地情報登録手段によってこの指定言語情報を登録し、上記受信手段でこの言語情報を受信すると、上記表示情報のうち、文字、音声については、この指定された言語で表示情報が生成されることを特徴とする請求項1から請求項4記載の経路誘導システム。
【請求項6】
上記指定言語情報を上記ICカード等ICチップを搭載した媒体に登録し、上記サーバが、この媒体から上記設置通信端末を介して上記表示情報の表示要求を受信すると、設置通信端末に表示情報を送信し、この設置通信端末が、この送信された表示情報を読み込むとともに上記指定された言語に変換し、この設置通信端末に表示させることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項7】
被誘導者が上記通信端末でIP網等の通信ネットワーク網を介して上記サーバに目的地を送信する場合に、サーバが、この通信端末上で上記領域内の目的地が選択できるように列挙された目的地の一覧表を表示させ、被誘導者が所望する目的地をこの一覧表から選択すると、上記サーバが、この選択された目的地から目的地情報を上記ID/目的地情報登録手段で登録することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項8】
被誘導者が上記通信端末でIP網等の通信ネットワーク網を介して上記サーバに目的地を送信する場合に、サーバが、この通信端末上に上記領域の地図を表示させ、被誘導者によってこの地図上で目的地が指定されると、この指定された目的地を受信し、上記マスタ情報からこの受信した目的地に該当する目的地情報を読み出して上記ID/目的地情報登録手段で登録することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項9】
被誘導者が上記通信端末でIP網等の通信ネットワーク網を介して上記サーバに目的地を送信する場合に、サーバが、この通信端末から音声によって特定された目的地を受信すると、この特定された目的地から目的地情報を上記ID/目的地情報登録手段で登録することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項10】
上記マスタ情報に登録されている位置データが、各設置通信端末が設置されている位置と、各設置通信端末が設置されている向きと、設置通信端末の設置が不可能な分岐点がある場合はこの分岐点の位置と、各設置通信端末間または上記設置通信端末の設置が不可能な分岐点と直近の設置通信端末間のルートと、上記各ルートの距離とから構成されるものであり、上記経路算出手段が、上記現在地に設置された設置通信端末を始点とし、上記目的地に設置された設置通信端末を終点として、この始点と終点との間に存在する上記各ルートの距離をダイクストラ法に基づいて自動的に経路を算出するものであることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項11】
上記サーバが、上記設置通信端末上で現在地から目的地までの経路算出条件が選択できるように列挙された一覧表を表示させ、被誘導者がこの設置通信端末から上記経路算出条件をこの一覧表から選択すると、上記経路算出手段がこの受信した経路算出条件に従って経路を算出することを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項12】
上記経路算出条件が、現在地から目的地までの最短の経路と、高低差の少ない経路と、判り易い経路と、安全な経路とのいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項13】
上記経路算出条件として最短の経路以外の条件が選択された場合、上記各ルートの距離の代わりに、ルートの高低差の多少、分岐点を多少などを予め数値化し、この数値に基づき上記ダイクストラ法によって算出することを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項14】
所定の設置通信端末に動画像を撮影する動画像撮影手段を設け、上記サーバが、上記受信手段によって所定の時間内にこの動画像撮影手段によって撮影された動画像情報を受信し、受信した動画像情報を時間的に連続する少なくとも2つ以上の画像のフレーム間の差分情報から背景画像と移動画像とに分けて、移動画像を人として認識し抽出する移動画像抽出手段と、この認識された人の数をカウントする計数手段と、上記動画像撮影手段で撮影する範囲で混雑と判断する既定人数を記憶し、上記計数手段によってカウントされた人数が、上記既定人数以上の数になった場合には混雑と判断する混雑判断手段と、上記動画像撮影手段によって撮影する範囲が混雑であることを告知する混雑情報生成手段とを備え、この生成された混雑情報を上記送信手段によりLAN/WANを介して上記設置通信端末に表示させるために送信することを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項15】
上記混雑情報生成手段が、上記所定の時間内に所定の設置通信端末で被誘導者識別IDが送信された数をカウントする計数手段と、この送信された数が記憶された既定数以上になると混雑と判断することによって混雑情報を生成するものであることを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項16】
請求項14または請求項15記載の混雑情報生成手段によって告知される混雑情報に、上記混雑と判断されたルートを除外して上記経路算出手段で再度算出された迂回経路を表示する情報が含まれていることを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項17】
上記方向検出手段が、上記経路算出手段によって算出された経路のうち、上記始点となる現在地から最寄の分岐点までの経路を抽出し、現在地からこの抽出した経路の方向を検出するものであることを特徴とする請求項1から請求項16までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項18】
上記生成手段によって生成される表示情報に、音声、文字、画像のいずれか1以上の情報が含まれていることを特徴とする請求項1から請求項17までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項19】
上記設置通信端末が駆動手段によって所定の方向を指示する方向指示器を備えたものである場合、上記方向検出手段によって検出された方向にこの方向指示器を指示させるように上記駆動手段を作動させる命令情報が、上記生成手段によって生成される表示情報に含まれていることを特徴とする請求項1から請求項18までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項20】
上記方向指示器の先端にLED等の発光部が設けられている場合、上記生成手段によって生成される表示情報に、上記方向指示器が方向を指示する際に上記発光部を点灯または点滅させる命令情報が含まれていることを特徴とする請求項1から請求項19までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項21】
上記生成手段によって生成される表示情報に、現在地の設置通信端末とともに、上記方向検出手段によって検出された方向に隣接する設置通信端末も同時に表示させるための音声、文字、画像、発光または方向指示のいずれか1以上の情報が含まれていることを特徴とする請求項1から請求項20までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項22】
上記隣接する設置通信端末を表示させる表示情報が、被誘導者に進行方向を認識させる表示であることを特徴とする請求項1から請求項21までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項23】
上記設置通信端末が、上記領域内の目的地が選択できるように列挙された目的地の一覧表から目的地を選択する選択手段と、領域内の地図からタッチパネル式に目的地を指定する指定手段と、音声によって目的地を特定する特定手段との少なくとも一つ以上の手段を備え、サーバが、この設置通信端末からLAN/WANを介してこれらのいずれかの手段によって送信された目的地と被誘導者識別IDを上記受信手段によって受信すると、この目的地と被誘導者識別IDとを上記ID/目的地登録手段に登録することを特徴とする請求項1から請求項22までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項24】
上記設置通信端末上で目的地の変更が要求できる変更要求手段が設けられ、被誘導者がこの設置通信端末からこの変更要求手段により目的地の変更を要求すると、LANまたはWANを介して上記サーバが、上記ID/目的地登録手段によって登録された目的地をこの新たな目的地に変更することを特徴とする請求項1から請求項23までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項25】
被誘導者が所望する目的地までの経路が、上記設置通信端末を設置している複数の領域を経由する場合に、上記マスタ情報登録手段が、各領域の総目的地情報と設置通信端末の位置情報とをそれぞれ登録し、上記サーバが、被誘導者の通信端末から上記被誘導者識別IDと目的地とが登録されると、この登録された目的地が存在する領域以外の領域で次の領域に移動するための中間目的地を設定する中間目的地設定手段を備え、上記登録された目的地が存在する領域以外の領域では、上記経路算出手段が、上記中間目的地設定手段によって設定された中間目的地に基づいて経路を算出することを特徴とする請求項1から請求項24までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項26】
上記サーバが、あらかじめ設置通信端末ごとに上記領域内における避難場所への誘導表示情報を登録する登録手段を備え、上記所定の領域内で火災や地震などの緊急事態が発生した場合に、この領域の管理者等によって最寄の設置通信端末からLAN/WANを介して送信される緊急用IDを受信すると、この領域内のすべての設置通信端末からサーバへの各種情報の送信を遮断し、LAN/WANを介して上記避難場所への誘導表示情報をすべての設置通信端末に送信する送信手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項25までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項27】
上記ICカード等ICチップを搭載した媒体から上記設置通信端末を介して電車、バス、船舶、飛行機等の交通機関のチケットの予約および精算ができるようにし、予約および精算が終了すると、上記ID/目的地登録手段が、チケットの引き渡し場所を上記目的地として登録することを特徴とする請求項1から請求項26までのいずれかに記載の経路情報システム。
【請求項28】
上記サーバが、各設置通信端末の周辺情報を登録する周辺情報登録手段と、任意の設置通信端末から上記LAN/WANを介して被誘導者による上記周辺情報の閲覧要求を設置通信端末識別IDとともに上記受信手段により受信すると、周辺情報登録手段から該当する設置通信端末の周辺情報を読み出して閲覧画面を生成する閲覧画面生成手段とを備え、この生成された閲覧画面データを上記送信手段によってこの設置通信端末上で表示させるために送信することを特徴とする請求項1から請求項27までのいずれかに記載の経路情報システム。
【請求項29】
上記サーバが、任意の設置通信端末から上記被誘導者による上記周辺情報の閲覧要求とともに、自己の属性、嗜好情報をLAN/WANを介して上記受信手段により受信すると、上記周辺情報登録手段からこの属性、嗜好情報に関係する周辺情報を読み出す周辺情報検索手段を備え、この周辺情報検索手段で読み出された周辺情報によって上記閲覧画面を生成することを特徴とする請求項1から請求項28までのいずれかに記載の経路情報システム。
【請求項30】
上記サーバが、被誘導者識別IDとともに、過去の誘導履歴を蓄積する誘導履歴蓄積手段と、被誘導者による上記周辺情報の閲覧要求を上記受信手段により受信すると、この誘導履歴蓄積手段により被誘導者の過去の誘導履歴を読み出し、被誘導者の属性、嗜好を算出する属性等算出手段とを備え、算出された属性、嗜好に基づいて上記周辺情報検索手段により周辺情報読み出すことを特徴とする請求項1から請求項29までのいずれかに記載の経路情報システム。
【請求項31】
上記サーバが、上記被誘導者の通信端末から、IP網等の通信ネットワーク網を介して、被誘導者識別ID情報ともに、上記周辺情報のうち、被誘導者が指定する指定情報を上記受信手段により受信すると、被誘導者識別IDとこの指定情報とを対応させて登録するID/指定情報登録手段備え、上記閲覧画面生成手段で、上記周辺情報とともに、上記指定情報も閲覧できるようにしたことを特徴とする請求項1から請求項30までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項32】
上記サーバが、上記閲覧画面で表示された周辺情報または指定情報のうち、閲覧した被誘導者が所望する周辺情報または指定情報の場所について設置通信端末からLAN/WANを介して経路誘導の要求を上記受信手段により受信すると、この被誘導者識別IDとともに上記所望する周辺情報または指定情報の場所を目的地として上記ID/目的地情報登録手段に登録し、上記現在地検出手段によってこの設置通信端末を現在地とし、上記経路誘導を行なうことを特徴とする請求項1から請求項30までのいずれかに記載の経路情報システム。
【請求項33】
上記設置通信端末が公衆電話機に接続され、上記閲覧画面で表示された周辺情報または指定情報から被誘導者が所望の情報を選択すると、この情報に関連する電話番号が表示され、この電話番号を押下すると自動ダイヤル発信されることを特徴とする請求項1から請求項32までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項34】
上記サーバが、上記周辺情報または指定情報に関連する電話番号を設置通信端末に接続されたリーダ/ライタを介してICチップを搭載した携帯電話機で読み込んでダイヤル可能なように上記閲覧画面で表示させることを特徴とする請求項1から請求項33までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項35】
上記設置通信端末上に表示された周辺情報の閲覧画面から上記サーバを介してウェブサーバに接続し、インターネットによる検索ができるようにしたことを特徴とする請求項1から請求項34までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項36】
上記サーバが、被誘導者の通信端末から上記被誘導者識別IDとともに、自己の通信端末でウェブページを閲覧するときのウィンドウの初期設定を収納したファイルをIP網等の通信ネットワーク網を介して上記受信手段で受信すると、このファイルが上記ID/指定情報登録手段によって登録され、上記設置通信端末からこのファイルを登録した被誘導者が、上記ウェブサーバへの接続を要求すると、上記ファイルを読み出して設置通信端末の画面に上記初期設定のウィンドウを表示させることを特徴とする請求項1から請求項35までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項37】
上記サーバが、被誘導者識別IDのほかに、複数の被誘導者に共通のグループIDを付与するグループID登録手段と、グループIDを付与された各被誘導者が、所定の領域内の各設置通信端末から自己の被誘導者IDとこのグループIDとを送信する都度、各被誘導者が上記設置通信端末を通過したことを少なくも日時によって記録する被誘導者通過記録記憶手段と、グループIDを付与された被誘導者が、任意の設置通信端末からこのグループIDを付与された他の被誘導者を指定し、指定された被誘導者の通過記録の閲覧を要求すると、上記被誘導者通過記録記憶手段から指定された被誘導者の通過記録を読み出し、通過記録閲覧画面を生成する通過記録閲覧画面生成手段とを備え、この通過記録閲覧画面データを上記送信手段で上記閲覧要求をした設置通信端末に送信することを特徴とする請求項1から請求項36までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項38】
上記グループID登録手段が、1の被誘導者が他の被誘導者に電子メールを送信するときに、上記サーバ宛にも電子メールを送信することによってサーバがこの電子メールのヘッダ情報から発信者及び受信者を上記共通のグループIDを付与する被誘導者と認識し、グループIDを登録することを特徴とする請求項1から請求項37までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項39】
上記サーバが、上記通過記録閲覧画面を表示した設置通信端末から1の被誘導者によって入力されたが被誘導者IDとともに目的地を上記受信手段によって受信すると、上記ID/目的地情報登録手段によって登録し、グループIDを付与された他の被誘導者に対しても上記ID/目的地情報登録手段によってこの目的地が登録され、各自直近の設置通信端末から自己の被誘導者IDを送信することによって、その設置通信端末が上記現在地検出手段によって現在地として検出されることを特徴とする請求項1から請求項38までのいずれかに記載の経路情報システム。
【請求項40】
上記グループIDが付与される被誘導者の一部が、ICタグを所持することによって設置通信端末から所定の距離の範囲内を通過しただけで、上記被誘導者通過記録記憶手段によって記憶されることを特徴とする請求項1から請求項39までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項41】
上記表示情報生成手段に、現在地検出手段によって検出した設置通信端末から目的地又は中間目的地までの距離を上記マスタ情報の位置データから読み出して生成される距離情報が含まれることを特徴とする請求項1から請求項40までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項42】
上記サーバが、請求項41の距離情報を所定の単位時間当たりの平均速度で除することによって現在地検出手段によって検出した設置通信端末から目的地又は中間目的地までの所要時間を算出する所要時間算出手段を備え、上記表示情報生成手段に、算出されたこの所要時間データが含まれることを特徴とする請求項1から請求項41までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項43】
上記サーバが、被誘導者によって任意の設置通信端末から入力された目的地又は中間目的地への到着希望時間を上記受信手段によって受信すると、上記所要時間算出手段によって算出された所要時間に基づき上記到着希望時間に到着するために上記設置通信端末からの出発時間を算出する出発時間算出手段を備え、算出された出発時間データを上記設置通信端末に表示させるために上記送信手段によって送信することを特徴とする請求項1から請求項42までのいずれかに記載の経路誘導システム。
【請求項44】
上記サーバが複数設けられ各サーバがそれぞれ異なる領域を管轄する場合、各サーバが、1のサーバが管轄する領域から他のサーバが管轄する領域への移動を誘導する誘導情報を登録する異領域間誘導情報登録手段と、上記ID/目的地情報登録手段によって登録される目的地情報に目的地サーバIDを付加し、目的地サーバIDが付与されたサーバ以外のサーバが管轄する領域内の設置通信端末から被誘導者識別IDLAN/WANを介してこのサーバに送信すると、IP網等の通信ネットワーク網を介して上記目的地サーバIDが付与されたサーバにID/目的地情報の登録の有無を確認する確認手段と、上記異領域間誘導情報登録手段から異領域間誘導情報を読み出して上記目的地サーバIDが付与されたサーバ以外のサーバが管轄する領域から目的地サーバIDが付与されたサーバが管轄する領域に誘導する誘導情報を設置通信端末上に表示させる表示情報生成手段とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項43までのいずれかに記載の経路誘導システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−47274(P2006−47274A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−55223(P2005−55223)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【出願人】(000152228)株式会社内田洋行 (105)
【Fターム(参考)】