説明

経路通知装置

【課題】車両が移動経路に沿って最短走行時間で走行するような、車両の効果的な運行計画を案内する経路通知装置を提供すること。
【解決手段】ECU8は、データベース7に記憶された予測所要時間から、車両が出発地を検索時刻Ti(時)に出発した場合における、設定された各移動経路の予測走行時間を算出する。そして、算出した各予測走行時間のうち、最短走行時間に対応する検索時刻Ti(時)の時間帯を車両の出発時間帯として案内する。これにより、ユーザーは車両が移動経路に沿って最短走行時間で走行するような、車両の出発時間帯について把握することができる。すなわち、車両が移動経路に沿って最短走行時間で走行するような、車両の効果的な運行計画を案内することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が移動経路に沿って最短走行時間で走行するような、車両の出発時間帯について案内する経路通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザーに対して車両の出発を促す装置が公知である。例えば、特許文献1の装置では、設定した移動経路に沿って車両が現在位置から目的地へ到達するまでの予測所要時間を算出するとともに、算出した予測所要時間と、目的地への到達が予定されている予定時刻とから、車両が出発すべき予測出発時刻を算出する。現在時刻が算出した予測出発時刻に近づくと、ユーザーに対して車両の出発を促す出発案内を報知する。
【特許文献1】特開2005−172560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ユーザーにとっては、出発地を出発する時刻や目的地に到達する時刻よりも、走行時間を重視し、走行時間が短くなる効率的な運行計画を立てたいと思う場合もある。しかし、前述した従来装置の場合、現在時刻が予測出発時刻に近づくと、ユーザーに対して車両の出発を促すだけであるので、効率的な運行計画を立てることはできなかった。
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、効率的な運行計画をユーザーが立てることが可能となる経路通知装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の経路通知装置では、出発地から目的地までの車両の移動経路を探索するとともに、探索した移動経路に関する情報を通知する経路通知装置であって、予め設定された複数の時間帯において、車両が移動経路に含まれる各道路を通行する場合の予測所要時間を取得する取得手段と、取得手段が取得した予測所要時間から、車両が複数の時間帯において出発地を出発した場合の、移動経路の予測走行時間を算出する算出手段と、算出手段が算出した各予測走行時間のうち最短となる予測走行時間に対応する、車両が出発地を出発する出発時間帯を案内する案内手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
このように、本発明の経路通知装置では、取得手段は、予め設定された複数の時間帯において、車両が移動経路に含まれる各道路を通行する場合の予測所要時間を取得し、算出手段は、取得手段が取得した予測所要時間から、車両が複数の時間帯において出発地を出発した場合の、移動経路の予測走行時間を算出する。案内手段は、算出手段が算出した各予測走行時間のうち最短となる予測走行時間に対応する、車両が出発地を出発する出発時間帯を案内する。これにより、ユーザーは案内された出発時間帯を運行計画の出発時間帯とすることで、最短走行時間で目的地に到達できる効率的な運行計画を立てることができる。
【0007】
請求項2に記載のように、経路通知装置は、出発地から目的地までの複数の移動経路を探索するものであり、取得手段は、複数の時間帯において車両が複数の移動経路に含まれる各道路を通行する場合の予測所要時間を取得し、算出手段は、取得手段が取得した予測所要時間から、複数の時間帯において車両が出発地を出発した場合の、複数の移動経路の各々における予測走行時間を算出し、案内手段は、複数の移動経路の各々における、算出手段が算出した各予測走行時間のうち最短となる予測走行時間に対応する出発時間帯を、一覧表示して案内することが望ましい。これにより、車両が複数の移動経路の各々に沿って最短走行時間で走行するような車両の出発時間帯を、ユーザーは一見しただけで把握することができる。
【0008】
請求項3に記載のように、複数の時間帯は、一日を予め設定された設定時間毎に分割して設定されることが望ましい。これにより、ユーザーは一日を設定時間毎に分割した各時間帯のうちのいずれを出発時間帯とすれば、車両が移動経路に沿って最短走行時間で走行できるかを把握することができる。
【0009】
請求項4に記載のように、複数の時間帯は、一週間が設定時間毎に分割されていることが望ましい。これにより、ユーザーは一週間を設定時間毎に分割した各時間帯のうちのいずれを出発時間帯とすれば、車両が移動経路に沿って最短走行時間で走行できるかを把握することができる。
【0010】
請求項5に記載のように、複数の時間帯は、一ヶ月が設定時間毎に分割されていることが望ましい。これにより、ユーザーは一ヶ月を設定時間毎に分割した各時間帯のうちのいずれを出発時間帯とすれば、車両が移動経路に沿って最短走行時間で走行できるかを把握することができる。
【0011】
請求項6に記載のように、複数の時間帯は、一年が設定時間毎に分割されていることが望ましい。これにより、ユーザーは一年を設定時間毎に分割した各時間帯のうちのいずれを出発時間帯とすれば、車両が移動経路に沿って最短走行時間で走行できるかを把握することができる。
【0012】
請求項7に記載のように、設定時間をユーザーが設定する設定手段を設けることが望ましい。これにより、ユーザーは設定時間を任意に設定できるため、車両のより効果的な運行計画を案内することができる。
【0013】
請求項8に記載のように、案内手段は、最短となる予測走行時間についても案内することが望ましい。これにより、ユーザーは車両が移動経路に沿って走行する場合の最短走行時間についても把握することができる。
【0014】
請求項9に記載のように、出発地をユーザーが指定する指定手段を設けることが望ましい。これにより、ユーザーは行動予定に応じて車両の出発地を指定することができる。
【0015】
また、本経路通知装置は、請求項10に記載のように車両用のナビゲーション装置に組み込まれて動作することが望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における経路通知装置の全体構成を示すブロック図である。本経路通知装置は、車両用ナビゲーション装置に組み込まれて動作する。
【0017】
図1において、位置検出器1は、地磁気センサ1A、ジャイロスコープ1B、距離センサ1C、GPS受信機1Dから構成され、車両の現在位置および進行方向の検出を行う。
【0018】
地磁気センサ1Aは、例えばパーマロイ等の環状の強磁性体に、これを励磁するための励磁巻線と、方向検出用の直交する2つの検出巻線とが巻かれた構成を持つ。そして、励磁巻線に交流電圧を印加することによって2つの検出巻線に発生する電圧を計測し、これに基づいて車両の進行方向を絶対方位として検出する。
【0019】
ジャイロスコープ1Bは、例えば水晶振動子を備え、当該振動子を振動させた際に発生する、コリオリ力に基づく振動から、車両のヨー角速度(ヨーレート)を検出する。
【0020】
距離センサ1Cは、例えば車両に搭載された図示しない車輪や車軸の回転信号に基づいて、車両の移動距離を検出する。
【0021】
GPS受信機1Dは、人工衛星である図示しないGPS衛星から送信される位置測定用のGPS信号を受信し、車両が現在走行している地点の緯度や経度、高度を検出する。
【0022】
位置検出器1は、前述した4つの機器の検出結果を相互に補間することによって、車両の現在位置および進行方向を高い精度で検出する。もちろん、要求される検出精度によっては、前述の4つの機器を全て備える必要はない。なお、車両の現在位置および進行方向に関しては、例えば三次元ジャイロによって、車両の左右方向および高さ方向における加速度を検出し、当該検出結果にも基づいて検出することとしても良い。また、ステアリングセンサ等、他のセンサによる検出信号にも基づいて行うこととしてもよい。
【0023】
地図データ記憶器2は、例えば記憶媒体としてハードディスクを有し、道路情報、建造物情報、各地域の住所情報や郵便番号情報等を含む地図データと、地図画像を表示するための地図画像データとを記憶する。地図データおよび地図画像データに関しては、CD−ROMやDVD−ROM等に記憶することとしても良い。
【0024】
操作スイッチ3は、複数のメカニカルなスイッチから構成され、各種ナビゲーション動作の開始や終了を指示する。さらに、操作スイッチ3は、ユーザーの行動予定に応じて車両の出発地や目的地を指定する。
【0025】
また、操作スイッチ3は、一日を複数の時間帯に分割した場合の各時間帯の時間幅Td(時間)を指定する際にユーザーによって操作される。この時間幅Td(時間)は、設定時間に対応するものであり、車両が設定された複数の移動経路を走行する場合の最短走行時間を検索する際に利用される。前述の各種ナビゲーション動作の指示および各種指定に関しては、音声認識を利用して行うこととしても良い。
【0026】
リモコン4は、例えば各種機能スイッチを備えた多機能リモコンであり、リモコンセンサ5を介して、上述した操作スイッチ3とほぼ同様の操作を行うことができる。
【0027】
タッチディスプレイ6は、操作キーを表示する表示パネルと、当該表示パネルに表示された操作キーへのタッチを検出するタッチパネルを備えたタッチスイッチから構成され、地図画像の表示を含む各種ナビゲーション表示を行う。また、タッチされた位置に表示されている各種操作キーと対応する動作の実行を指示することができ、上述した操作スイッチ3とほぼ同様の操作を行うことができる。さらに、タッチディスプレイ6は、車両が各移動経路に沿って最短走行時間で走行するための、当該車両の出発時間帯を一覧表示して案内する案内画像を表示する。前述の各種表示に関しては、車載用のヘッドアップディスプレイ等を用いることとしても良い。このタッチディスプレイ6は、案内手段の一部分を構成するものである。
【0028】
なお、操作スイッチ3、リモコン4、タッチディスプレイ6は、設定手段および指定手段として機能している。
【0029】
データベース7は、一日を複数の時間帯に分割した各時間帯において、車両が各移動経路に含まれる各道路を通行する際の予測所要時間を記憶するデータベースである。この予測所要時間は、予め交通量調査等によって調査されたデータに基づいて定められるものである。前述の予測所要時間に関しては、図示しない通信機を利用して車外の情報センターから取得することとしても良い。
【0030】
ECU8は、公知のコンピュータから構成され、地図画像表示を含む各種ナビゲーション動作を実行する。具体的には、ECU8は、位置検出器1が検出した車両の現在位置および進行方向に基づいて、地図データ記憶器2から車両の現在位置周辺の地図画像データを読み出し、車両の現在位置を示すマークを重畳した地図画像をタッチディスプレイ6に表示させるとともに、スピーカ9から各種音声案内を行わせる。また、ECU8は、操作スイッチ4、リモコン5、またはタッチディスプレイ6から出発地および目的地が指定されると、地図データ記憶器2に記憶された地図データを用いて、出発地から目的地までの複数の移動経路を設定するとともに、タッチディスプレイ6に表示された地図画像上における移動経路の表示色を変化させる。そして、当該移動経路に沿って車両が走行するよう、スピーカ9から案内音声を出力する。
【0031】
さらに、ECU8は、出発地から目的地までの複数の移動経路が設定されると、車両が各移動経路に沿って走行する場合の最短走行時間を算出するとともに、算出した最短走行時間で走行するための車両の出発時間帯について案内を行う。
【0032】
具体的には、ECU8は、出発地から目的地までの複数の移動経路が設定されると、車両が各移動経路を走行する際の最短走行時間の検索にあたり、まず検索終了時刻Tm(時)を24時に設定する。次に、ECU8は、検索時刻Ti(時)を0時から時間幅Td(時間)ずつ加算しながら、検索時刻Ti(時)が検索終了時刻Tm(時)と一致するまで、各検索時刻Ti(時)において車両が出発地を出発した場合の各移動経路の予測走行時間を、データベース7に記憶された予測所要時間を用いて算出する。算出した各検索時刻Ti(時)における各移動経路の予測走行時間は、当該検索時刻Ti(時)とリンクして後述するメモリ10に記憶する。最後に、ECU8は、メモリ10に記憶された各移動経路ごとに、当該移動経路における予測走行時間のうち最短となる予測走行時間(最短走行時間)と、これにリンクして記憶された検索時刻Ti(時)とを読み出す。そして、各移動経路における最短走行時間とリンクして記憶された検索時刻Ti(時)の時間帯を出発時間帯とし、最短走行時間と共に一覧表示した案内画像をタッチディスプレイ6に表示させる。このECU8は、取得手段、算出手段と、案内手段の残りの部分を構成するものである。
【0033】
メモリ10は、ECU8が算出した各移動経路の各検索時刻Ti(時)における予測走行時間と、当該検索時刻Ti(時)とをリンクして記憶する。メモリ10に関しては、例えばメモリカード等を利用する。
【0034】
図2は、本実施形態の経路通知装置において、設定された複数の移動経路の各々に沿って最短走行時間で車両が走行するための、車両の出発時間帯について案内を行う処理に関するフローチャートである。本フローチャートの処理は、出発地から目的地までの複数の移動経路が設定されるたびに実行される。
【0035】
ステップ201では、ECU8は、車両が各移動経路を走行する際の最短走行時間の検索にあたり、検索終了時刻Tm(時)を24時に設定する。ステップ202では、検索時刻Ti(時)を0時に設定する。
【0036】
ステップ203では、データベース7に記憶された予測所要時間から、車両が出発地を検索時刻Ti(時)に出発した場合の各移動経路の予測走行時間を算出し、当該検索時刻Ti(時)とリンクしてメモリ10に記憶する。
【0037】
ステップ204では、検索時刻Ti(時)に時間幅Td(時間)を加算する。ステップ205では、検索時刻Ti(時)が検索終了時刻Tm(時)よりも大きいか否かを判定する。検索時刻Ti(時)が検索終了時刻Tm(時)よりも大きい場合は、ステップ206へ進む。検索時刻Ti(時)が検索終了時刻Tm(時)よりも小さい場合は、ステップ203へ戻り、上述の処理を繰り返す。
【0038】
ステップ206では、メモリ10に記憶された各移動経路ごとに、当該移動経路の最短走行時間と、これにリンクして記憶された検索時刻Ti(時)とを読み出す。そして、当該検索時刻Ti(時)の時間帯を出発時間帯として、最短走行時間と共に一覧表示する案内画像をタッチディスプレイ6に表示させて、処理を終了する。これにより、ユーザーは車両が複数の移動経路の各々に沿って走行する場合の、当該移動経路の最短走行時間および当該最短走行時間に対応する車両の出発時間帯について、一見しただけで把握することができる。
【0039】
次に、本経路通知装置が表示する案内画像について具体的に説明する。
【0040】
図3は、設定された各移動経路に沿って車両が走行する場合の最短走行時間、および当該最短走行時間に対応する出発時間帯について、タッチディスプレイ6に一覧表示した案内画像を示す図である。
【0041】
図3において、「設定経路」は、設定された複数の移動経路の種類を示すものであり、「推奨」、「有料道路」、「一般優先」、「距離優先」、「別ルート」の4種類の移動経路がある(「推奨」と「有料道路」は同一の移動経路である)。そして、設定された各移動経路に対して、「全行程(移動経路の距離)」、「有料道路(移動経路に含まれる有料道路の距離)」、「料金(移動経路の走行にあたって必要となる料金)」、「所要時間(現時点から出発した場合に要すると考えられる時間)」の4つの項目が示されている。ここまでは、公知の車両用ナビゲーション装置が有する機能によって行ったものである。さらに、図3の右側には「最短時間(出発時間帯)」の項目がある。この項目に表示されている最短時間と出発時間帯が、本経路通知装置によって算出された、最短走行時間および当該最短走行時間に対応する車両の出発時間帯である。
【0042】
このように、本実施形態の経路通知装置では、ECU8は、データベース7に記憶された予測所要時間から、車両が出発地を検索時刻Ti(時)に出発した場合における、設定された各移動経路の予測走行時間を算出する。そして、算出した各予測走行時間のうち、最短走行時間に対応する検索時刻Ti(時)の時間帯を車両の出発時間帯として案内する。これにより、ユーザーは案内された出発時間帯を運行計画の出発時間帯とすることで、最短走行時間で目的地に到達できる効率的な運行計画を立てることができる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の経路通知装置では、一週間の各曜日を複数の時間帯に分割した各時間帯において、設定された複数の移動経路を車両が走行する場合の予測走行時間を算出し、各移動経路の最短走行時間に対応する出発曜日および出発時刻を案内する。上述した点が、本実施形態のポイントである。
【0044】
タッチディスプレイ6は、設定された複数の移動経路の各々に沿って車両が最短走行時間で走行するための、当該車両の出発曜日や出発時間帯を一覧表示して案内する案内画像を表示する。
【0045】
データベース7は、一週間の各曜日を複数の時間帯に分割した各時間帯において、車両が各移動経路に含まれる各道路を通行する際の予測所要時間を記憶するデータベースである。
【0046】
ECU8は、出発地から目的地までの複数の移動経路が設定されると、各移動経路に沿って車両が走行する場合の最短走行時間を算出するとともに、算出した最短走行時間で走行するための車両の出発曜日や出発時間帯について案内を行う。
【0047】
具体的には、ECU8は、出発地から目的地までの複数の移動経路が設定されると、車両が各移動経路を走行する際の最短走行時間の検索にあたり、まず検索終了時刻Tm(時)を168時(24時間×7日=168時間)に設定する。次に、ECU8は、検索時刻Ti(時)を0時からTd(時間)ずつ加算しながら、検索時刻Ti(時)が検索終了時刻Tm(時)と一致するまで、各検索時刻Ti(時)において車両が出発地を出発した場合の各移動経路の予測走行時間を、データベース7に記憶された予測所要時間を用いて算出する。算出した各検索時刻Ti(時)における各移動経路の予測走行時間は、当該検索時刻Ti(時)とリンクして後述するメモリ10に記憶する。最後に、ECU8は、メモリ10に記憶された各移動経路ごとに、当該移動経路における予測走行時間のうち最短となる予測走行時間(最短走行時間)と、これにリンクして記憶された検索時刻Ti(時)とを読み出す。そして、当該検索時刻Ti(時)の属する曜日と時間帯を出発曜日および出発時間帯とし、最短走行時間と共に一覧表示する案内画像としてタッチディスプレイ6に表示させる。
【0048】
その他の構成に関しては、前述の実施形態の場合と同様であるため、説明を省略する。以下に、その動作について説明する。
【0049】
図4は、本実施形態の経路通知装置において、設定された複数の移動経路の各々に沿って最短走行時間で車両が走行するための、車両の出発曜日および出発時間帯について案内を行う処理に関するフローチャートである。
【0050】
本フローチャートの処理は、前述の図2のフローチャートの処理における、検索終了時刻Tm(時)を24時に設定するステップ201に代えて、検索終了時刻Tm(時)を168時に設定するステップ401を設ける。また、各移動経路の最短走行時間および出発時間帯を一覧表示する案内画像をディスプレイ6に表示するステップ206に代えて、各移動経路の最短走行時間、出発曜日、出発時間帯を一覧表示する案内画像をディスプレイ6に表示するステップ406を設ける。ステップ402〜405の処理は、前述した図2のフローチャートにおけるステップ202〜205の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0051】
ステップ401では、ECU8は、車両が各移動経路を走行する際の最短走行時間の検索にあたり、検索終了時刻Tm(時)を168時に設定する。
【0052】
ステップ406では、メモリ10に記憶された各移動経路ごとに、当該移動経路の最短走行時間と、これにリンクして記憶された検索時刻Ti(時)とを読み出す。そして、当該検索時刻Ti(時)の属する曜日および時間帯を出発曜日および出発時間帯として、最短走行時間と共に一覧表示する案内画像をタッチディスプレイ6に表示させて、処理を終了する。これにより、ユーザーは車両が複数の移動経路の各々に沿って走行する場合の、当該移動経路の最短走行時間および当該最短走行時間に対応する車両の出発曜日および出発時間帯について、一見しただけで把握することができる。
【0053】
次に、本経路通知装置が表示する案内画像について具体的に説明する。
【0054】
図5は、設定された各移動経路に沿って車両が走行する場合の最短走行時間、および当該最短走行時間に対応する出発曜日および出発時間帯について、タッチディスプレイ6に一覧表示した案内画像を示す図である。
【0055】
図5の右側には、「最短時間(出発曜日 出発時間帯)」の項目がある。この項目に表示されている最短時間、出発曜日、出発時間帯が、本経路通知装置によって算出された、最短走行時間および当該最短走行時間に対応する車両の出発曜日と出発時間帯である。図3の場合と比較すると、各移動経路における最短走行時間と出発時間帯に対し、出発曜日が加わっているのが理解される。
【0056】
このように、本実施形態の経路通知装置では、ECU8は、データベース7に記憶された予測所要時間から、車両が出発地を検索時刻Ti(時)に出発した場合における、設定された各移動経路の予測走行時間を算出する。そして、算出した各予測走行時間のうち、最短走行時間に対応する検索時刻Ti(時)の属する曜日および時間帯を、車両の出発曜日および出発時間帯として案内する。このようにしても、ユーザーは案内された出発時間帯を運行計画の出発時間帯し、最短走行時間で目的地に到達できる効率的な運行計画を立てることができる。
【0057】
前述した第2の実施形態では、一週間の各曜日を複数の時間帯に分割した各時間帯において、設定された複数の移動経路を車両が走行する場合の予測走行時間を算出し、各移動経路の最短走行時間に対応する出発曜日および出発時間帯を案内した。しかしながら、これに限定されるものではなく、各移動経路の最短走行時間に対応する出発曜日のみを案内することとして良い。ユーザーの運行計画によっては、車両が各移動経路に沿って最短走行時間で走行するような、車両の出発曜日についてのみ把握したい場合もあるからである。
【0058】
前述した各実施形態では、車両が各移動経路に沿って走行する場合の最短走行時間を、一日分または一週間分について検索した。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば1ヶ月分や1年分について検索し、各移動経路の最短走行時間に対応する出発日および出発時間帯を案内することとしても良い。これにより、ユーザーの運行計画が何日も先である場合や何ヶ月も先である場合においても、ユーザーは1ヶ月や1年のうちで、車両が移動経路に沿って最短走行時間で走行できるような、車両の出発日および出発時間帯を把握できる。
【0059】
前述した各実施形態では、本経路通知装置は車両用ナビゲーション装置に組み込まれて動作した。しかしながら、これに限定されるものではなく、車両の移動経路を通知する機能を備えた装置であれば、好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施形態における経路通知装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の経路通知装置において、設定された複数の移動経路の各々に沿って最短走行時間で車両が走行するための、車両の出発時間帯について案内を行う処理に関するフローチャートである。
【図3】第1の実施形態の経路通知装置において、設定された各移動経路に沿って車両が走行する場合の最短走行時間、および当該最短走行時間に対応する出発時間帯について、タッチディスプレイに一覧表示した案内画像を示す図である。
【図4】第2の実施形態の経路通知装置において、設定された複数の移動経路の各々に沿って最短走行時間で車両が走行するための、車両の出発曜日および出発時間帯について案内を行う処理に関するフローチャートである。
【図5】第2の実施形態の経路通知装置において、設定された各移動経路に沿って車両が走行する場合の最短走行時間、および当該最短走行時間に対応する出発曜日および出発時間帯について、タッチディスプレイに一覧表示した案内画像を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1…位置検出器、 1A…地磁気センサ、 1B…ジャイロスコープ、 1C…距離センサ、 1D…GPS受信機、 2…地図データ記憶器、 3…操作スイッチ、 4…リモコン 5…リモコンセンサ、 6…タッチディスプレイ、 7…データベース、 8…ECU、 9…スピーカ、 10…メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地までの車両の移動経路を探索するとともに、探索した移動経路に関する情報を通知する経路通知装置であって、
予め設定された複数の時間帯において、前記車両が前記移動経路に含まれる各道路を通行する場合の予測所要時間を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した予測所要時間から、前記車両が前記複数の時間帯において前記出発地を出発した場合の、前記移動経路の予測走行時間を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した各予測走行時間のうち最短となる予測走行時間に対応する、前記車両が前記出発地を出発する出発時間帯を案内する案内手段とを備えることを特徴とする経路通知装置。
【請求項2】
前記経路通知装置は、前記出発地から前記目的地までの複数の移動経路を探索するものであり、
前記取得手段は、前記複数の時間帯において前記車両が前記複数の移動経路に含まれる各道路を通行する場合の予測所要時間を取得し、
前記算出手段は、前記取得手段が取得した予測所要時間から、前記複数の時間帯において前記車両が前記出発地を出発した場合の、前記複数の移動経路の各々における予測走行時間を算出し、
前記案内手段は、前記複数の移動経路の各々における、前記算出手段が算出した各予測走行時間のうち最短となる予測走行時間に対応する前記出発時間帯を、一覧表示して案内することを特徴とする請求項1記載の経路通知装置。
【請求項3】
前記複数の時間帯は、一日を予め設定された設定時間毎に分割して設定されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の経路通知装置。
【請求項4】
前記複数の時間帯は、一週間が設定時間毎に分割されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の経路通知装置。
【請求項5】
前記複数の時間帯は、一ヶ月が設定時間毎に分割されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の経路通知装置。
【請求項6】
前記複数の時間帯は、一年が設定時間毎に分割されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の経路通知装置。
【請求項7】
前記設定時間をユーザーが設定する設定手段を設けることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれかに記載の経路通知装置。
【請求項8】
前記案内手段は、前記最短となる予測走行時間についても案内することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の経路通知装置。
【請求項9】
前記出発地をユーザーが指定する指定手段を設けることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の経路通知装置。
【請求項10】
前記経路通知装置は、車両用のナビゲーション装置に組み込まれて動作することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の経路通知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−26289(P2008−26289A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202582(P2006−202582)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】