説明

経鼻送達のためのペプチド医薬組成物

経鼻投与のための医薬製品は、ペプチド活性薬剤を含有し、該ペプチド活性薬剤の生物学的利用能を増強する化合物と共に処方される。特に、シトレート、脂肪酸、脂肪酸の糖エステルまたはアシルカルニチンを使用する。ある実施態様において、脂肪酸の糖エステルを、脂肪酸あるいはアシルカルニチンのいずれかと組み合わせて使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
この出願は、2009年4月2日に提出した米国仮出願番号第61/166,160号および2010年3月25日に提出した米国特許出願第12/732,081号での優先権を主張する。その全ての開示内容は、出典明示により本明細書に組込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、経鼻用の生物学的利用能増強剤を包含する製剤中にペプチド活性薬剤を含有する経鼻用医薬製品に関する。特に、シトレート、脂肪酸、脂肪酸の糖エステルまたはアシルカルニチンは、特定の経鼻用ペプチド製剤、特に本明細書中で説明した好ましい組合せにおいて使用される。
【背景技術】
【0003】
それらのサイズおよび分子構造を考慮して、ペプチドは、皮下または筋肉内注射により投与されることが多い。ペプチドは組織から吸収されにくく、体液により分解され易い傾向があるため、他の投与経路は技術的に困難であり得る。例えば、経口投与は、該ペプチド活性薬剤が胃や腸のプロテアーゼにより分解するため問題がある。
【0004】
経鼻送達もまた、活性薬剤の低い生物学的利用能により問題を抱えることが多い。経鼻送達が可能であったとしても、その製造コストは不適切に高くなる可能性がある。この理由は、ペプチドが鼻粘膜を通過することが難しいためにもたらされる低い生物学的利用能を考慮して、臨床学的効力を提供するために必要とされる有効成分が高濃度となるためである。
【0005】
米国特許第6,440,392号にて、経鼻用サケ・カルシトニン製剤は、特定濃度のクエン酸および/またはクエン酸塩を有することが開示されている。米国特許第5,759,565号において、塩化ベンザルコニウムを含有する経鼻用カルシトニン製剤が開示されている。しかし、鼻粘膜にて良好な耐容性を示す経鼻的に投与される製剤中のペプチドに関する生物学的利用能をさらに改善する必要性が残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(発明の要旨)
従って、本発明の目的は、経鼻投与された場合に、ペプチドの血中濃度において有意な増加をもたらす良好な生物学的利用能を提供するペプチド医薬組成物を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、鼻粘膜に投与された場合に良好な耐容性を示すペプチド医薬組成物を提供することである。
【0008】
一実施態様において、本発明は、
(1)ペプチド活性薬剤;および
(2)脂肪酸、脂肪酸の糖エステルおよびその混合物からなる群から選択される生物学的利用能増強剤、
を含む、ペプチド活性薬剤の経鼻送達用医薬組成物を提供する。
【0009】
別の実施態様において、本発明は、
(1)ペプチド活性薬剤;
(2)脂肪酸の糖エステル;および
(3)アシルカルニチン、
を含む、ペプチド活性薬剤の経鼻送達用医薬組成物を提供する。
【0010】
別の実施態様において、本発明は、
(1)ペプチド活性薬剤;
(2)オレイン酸;
(3)ラウリン酸スクロース;
(4)クエン酸、クエン酸塩ならびにクエン酸およびクエン酸塩の混合物からなる群から選択されるシトレートを基にした生物学的利用能増強剤;
を含むペプチド活性薬剤の経鼻送達用医薬組成物を提供するものであり、
ここで、該医薬組成物は、3.0よりも低くなく、かつ6.5よりも高くないpHにて緩衝された水溶液である。
【0011】
別の実施態様において、本発明は、
(1)ペプチド活性薬剤;
(2)L-ラウロイルカルニチン;
(3)ラウリン酸スクロース;
(4)クエン酸、クエン酸塩ならびにクエン酸およびクエン酸塩の混合物からなる群から選択されるシトレートを基にした生物学的利用能増強剤;
を含むペプチド活性薬剤の経鼻送達用医薬組成物を提供するものであり、
ここで、該医薬組成物は、3.0よりも低くなく、かつ6.5よりも高くないpHにて緩衝された水溶液である。
【0012】
本発明は、さらに下記の非限定的な好ましい実施態様により説明される。
【0013】
(本発明の詳細な説明)
ペプチド活性成分
本発明に関する経鼻送達に役立ち得るペプチド活性成分には、生理学的に活性であって、かつその分子構造の一部として、複数のアミノ酸および少なくとも1つのペプチド結合を有するあらゆる治療剤が包含される。天然のアミノ酸の他に、該アミノ酸は、D-アミノ酸または非天然アミノ酸であってもよく、この数例を以下に記述する。該分子構造は、他の置換基または改変体をさらに包含してもよい。例えば、サケ・カルシトニンは、そのC末端でアミド化されており、後記実験データの対象である好ましい副甲状腺ホルモンの切断型(truncate)である。いくつかのペプチドは、天然ではアミド化されない位置でアミド化されるか、または別の位置で改変されてもよい。
【0014】
本発明のペプチド活性化合物には、インスリン、バソプレッシン、カルシトニン(サケ・カルシトニンだけではなく、他のカルシトニンも同様に含まれる)が挙げられるが、これらに限定するものではない。他の例には、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、副甲状腺ホルモン(アミド化またはアミド化されていないその切断型、例えばPTH1-31-アミドまたはPTH1-34-アミドが挙げられる)、デスモプレシン、黄体形成ホルモン放出因子、エリスロポエチン、組織プラスミノーゲン活性化因子、ヒト成長ホルモン、アドレノコルチコトロピン(adrenocorticototropin)、様々なインターロイキン、エンケファリンなどが包含される。その他の多くのものが当分野において知られている。
【0015】
合成および天然のペプチドの双方は、本発明に従って経鼻送達され得る。即ち、ある実施態様において、該ペプチド活性化合物は、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)またはそのアナログ、デスモプレシン(DDAVP)、ロイプロリド、2,6−ジメチルチロシン−D−アルギニン−フェニルアラニン−リシンアミド(DMT-DALDA)、ペプチド擬体などであり得る。
【0016】
本発明にて使用するためのペプチドは、遊離形態、医薬上許容される塩または錯体形態、例えば医薬上許容し得る酸付加塩形態であってもよい。かかる塩および錯体は知られており、遊離塩形態と等価の活性および耐性を有する傾向がある。本発明に関する用途に対して好適な酸付加塩形態には、例えば、塩酸塩および酢酸塩が挙げられる。
【0017】
生物学的利用能の増強
生物学的利用能の増強は、脂肪酸、脂肪酸の糖エステル、アシルカルニチンおよびシトレートから選択される1以上の増強剤のクラスを用いて達成される。それらの組合せを使用することが好ましいが、アシルカルニチンと脂肪酸は一緒に使用されない。これはアシルカルニチンおよび脂肪酸の相互作用が望ましくないためである。各クラスに関する好ましい分子構造を以下に記述する。
【0018】
脂肪酸
理論にしばられないが、脂肪酸は、ペプチドと相互作用して、細胞膜を通過する能力を有利に増強する、即ち、細胞間輸送を増強すると考えられる。脂肪酸の疎水性領域は、この機能のために重要であると考えられており、水溶解度と矛盾しない可能な限り多くの連続する炭素原子を包含すべきであり、好ましくは少なくとも8つの連続する炭素原子、特に10-14個の炭素原子である。好ましい脂肪酸には、ラウリン酸およびオレイン酸が挙げられるが、これに限定するものではない。使用される場合、脂肪酸の好ましい濃度は、0.1〜4.0 mg/mL、特に0.5 〜2.0 mg/mLである。
【0019】
脂肪酸の糖エステル
理論にしばられないが、脂肪酸の糖エステルは、脂肪酸の糖エステルの形態を変えて、孔サイズを大きくし、それによって傍細胞輸送を望ましく増加させることができるという方法で、細胞と相互作用することができると考えられる。また、それらは細胞間輸送の利点を提供し得る。脂肪酸および脂肪酸の糖エステルを組み合わせて使用した場合に、生物学的利用能は、増強された細胞間輸送および増強された傍細胞輸送の組合せにより、特に増強され得る。脂肪酸と同様に、該疎水性領域もまた、好ましくは少なくとも8つの連続する炭素原子、特に10-14個の炭素原子を包含すべきである。該糖部分は水溶解性を促進し得る。好ましい脂肪酸の糖エステルは、ラウリン酸スクロース、ラウリン酸グルコースおよびラウリン酸フルクトースが挙げられるが、これらに限定されない。使用される場合に、脂肪酸の糖エステルの好ましい濃度は、0.1〜10.0 mg/mL、特に0.5〜5.0 mg/mLである。
【0020】
アシルカルニチン
アシルカルニチンは生物学的利用能を増強すると考えられており、好ましい実施態様において、脂肪酸の糖エステルと組合される。好ましいアシルカルニチンには、L-ラウロイルカルニチンおよびミリストイルカルニチンが挙げられるが、これに限定するものではない。用いられる場合には、アシルカルニチンの好ましい濃度は、0.1〜10.0 mg/mL、特に0.5〜5.0 mg/mLの間である。
【0021】
シトレート(citrates)
クエン酸(citric acid)、クエン酸塩(citric acid salt)およびその混合物からなる群から選択されるシトレート型の生物学的利用能増強剤は、好ましくは本明細書において議論した1以上の他の増強剤と組み合わせて使用される。理論にしばられないが、シトレート型増強剤は、傍細胞輸送を増強し得ると考えられる。好ましくは、全てのかかるシトレート型増強剤の濃度は、本発明で使用される場合、5 mMよりも低くなく、かつ50 mMよりも高くなく、より好ましくは10-25 mMであろう。理論にしばられないが、貯蔵安定性は、活性ペプチドのアミノ末端かまたは該リシル側鎖での活性ペプチドとシトレートとの相互作用が原因で、シトレートの高濃度で望ましくなく低下され得ると考えられる。
【0022】
他の好ましい例
上記した組成物は、本発明に従って、鼻粘膜へ、例えば液滴またはスプレー形態にて適用され得る。しかしながら、以下に説明するとおり、それらは、最も好ましくはスプレー形態、即ち細かく分割された液滴形態にて適用される。
【0023】
本発明の組成物は、もちろん、追加の成分、特に従来の医薬上使用可能な界面活性剤の分類に属する成分を包含してもよい。
【0024】
好ましくは、本発明の液体医薬組成物は、鼻粘膜へ適用するのに好適な医薬上許容し得る希釈剤または担体を含む。例えば、生理食塩水が使用され得る。
【0025】
本発明の組成物は、鼻腔経路を介して投与出来るように処方される。この目的のために、それらは、例えば、最小量の任意の追加成分または所望の賦形剤、例えば追加の保存剤または、例えば、繊毛刺激因子、例えばカフェインを含有してもよい。
【0026】
一般的に、経鼻投与のためには、弱酸性のpHが好まれる。好ましくは、本発明の組成物は、約3.0〜6.5のpHを有する。
【0027】
本発明の組成物は、好適な等張性および粘度を保持すべきである。それらは、約260〜約380mOsm/リットルの浸透圧を有するのが好ましい。経鼻用スプレーのための所望の粘度は、好ましくは0.98 cP未満である。
【0028】
また、本発明に関する組成物は、従来の界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤を用いる場合、本発明の組成物中に存在する量は、選択した特定の界面活性剤、特定の投与様式(例えば、液滴またはスプレー)および所望の効果により変わるであろう。しかし、一般的には、この存在量は、約0.1 mg/ml〜約10 mg/ml、好ましくは約0.5 mg/ml〜5 mg/ml、および最も好ましくは約1 mg/ml程度であろう。
【0029】
好ましくは、医薬上許容し得る保存剤を含む。当分野において多くのものが知られており、水性の経鼻用医薬品に関連して過去に使用されてきた。例えば、ベンジルアルコールまたはフェニルエチルアルコールまたはその混合物を用いることができる。一実施態様において、0.2%フェニルエチルアルコールおよび0.5%ベンジアルコールを組合せて使用する。
【0030】
投与されるペプチドの量、すなわち本発明の組成物中の活性成分の量は、もちろん選択された特定のペプチド、処置される症状、所望の投与頻度および所望の効果に依存する。
【0031】
各経鼻適用時に投与される全組成物の量は、好適には約0.05〜0.15 ml、通常約0.1 mlを含む。
【0032】
経鼻投与の目的のためには、本発明の組成物は、含有組成物を鼻粘膜に適用できる手段を備えた容器内、例えば鼻腔用アプリケーター装置内に保持されるのが好ましい。好適なアプリケーターには、当分野では良く知られており、液滴またはスプレー形態における液体組成物を鼻粘膜に投与するために適合したものが含まれる。投薬は、出来る限り正確に制御されるべきであるので、投与される量が正確に制御しやすいスプレーアプリケーターの使用が一般的に好ましい。好適なアドミニストレーター(administrators)には、例えば、噴霧装置、ポンプアトマイザーおよびエアロゾル・ディスペンサーが含まれる。後者の場合には、該アプリケーターは、経鼻用アプリケーターにおける使用のために好適な推進媒体と共に本発明の組成物を含有する。噴霧装置は、含有組成物を鼻粘膜に送達できるような好適なスプレーアダプターと共に提供される。かかる装置は、当分野では良く知られている。
【0033】
該容器、例えば経鼻用アプリケーターは、単回の経鼻投薬するのに十分な組成物を含有し得るか、またはある連続投薬、例えば数日または数週間の期間にわたる数回の連続投薬を提供するために十分な組成物を含有し得る。提供される個々の投薬量は、好ましくは上記に規定されているとおりである。
【0034】
以下に記載したものは、薬効データと共に本発明に関するいくつかの製剤に関する非限定的な実施態様である。
【0035】
実験計画:
225〜250 gの体重のメスSprague-Dawleyラットを、これらの試験に使用した。試験物質を投与する前にラットを絶食させたが、水は自由に摂取させた。ラットを、ケタミンおよびキシラジンを併用して麻酔し、カニューレを、血液サンプル採取のために頸動脈に挿管した。採取した各血液サンプルの容量は0.5 mLであった。
【0036】
20μLの用量を、エッペンドルフ・マイクロピペットの使い捨てチップを用いて左の鼻孔に接触させて、ピペットのプランジャーにゆっくりと圧をかけて投与した。血液サンプルを、投薬前、ならびに表に示したように85% 塩化ナトリウム中のPTH(1-34)NH2(1-2 mg/mL)含有製剤の投与10、20、40、60および120分後に採取した。PTH(1-34)NH2は副甲状腺ホルモン切断型であり、この分子構造は天然のヒト副甲状腺ホルモンの最初の34個のアミノ酸のみを含んでおり、ここで該C末端アミノ酸がアミド化されている。
【0037】
血漿中のPTH(1-34)NH2の濃度を、ELISAを用いて決定した。要するに、該アッセイとは、PTH(1-34)NH2に対するウサギ抗体により被覆された96ウェルのELISAプレート中でラットサンプルをインキュベートすることからなる。該プレートをインキュベートおよび洗浄した後、PTH(1-34)NH2に対するヤギ抗体を該プレートに添加した。未結合ヤギ抗体を洗い流した後に、結合した抗体を、ウサギ抗ヤギIgG-ホースラディッシュコンジュゲートおよび3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジンペルオキシド基質を用いて検出した。血液サンプル中のPTH(1-34)NH2量は、ウェル中の黄色の発色に正比例した。
【0038】
結果:
表1:PTH(1-34)NH2の鼻腔内吸収に対する増強剤の効果
ラットに、16mMリン酸ナトリウム/8mm クエン酸 (pH 4.8)含有0.85% 塩化ナトリウム中のPTH(1-34)NH2 (1-2mg/mL )および提示した終濃度の増強剤を経鼻投与した。
【表1】


*(n) ラットの匹数
** 1 mg の投薬に修正
【0039】
上記表において、「LLC」とは、L-ラウロイルカルニチンを意味し、「SL」とは、ラウリン酸スクロースを意味する。表1の結果は、0.1% Tween 80 を0.2% LLCに置き換えることにより、PTH(1-34)NH2の平均Cmaxを少なくとも3倍増加させたことを示し、LLC量を0.5%に増加することでは、PTH(1-34)NH2の平均Cmaxのさらなる増加はなかったということを示す。0.1% Tween 80を0.2% SLに置き換えると、PTH(1-34)NH2のCmaxは2倍に増加した。0.5%までSLを添加することでは、平均Cmaxのさらなる増加はなかった;しかし、1% SLを該製剤中に含めた場合、平均Cmaxは、ほぼ4倍増加した。
【0040】
表2:オレイン酸をラウリン酸スクロースと混合することに関する、PTH(1-34)NH2の鼻腔内吸収に対する効果
ラットに、20 mm クエン酸/クエン酸ナトリウム(pH 3.8)含有0.85 % 塩化ナトリウム中のPTH(1-34)NH2 (1mg/mL)および提示した終濃度の増強剤を経鼻投与した。オレイン酸ナトリウムを、クエン酸緩衝液の添加前に該製剤に添加した。
【表2】

** (n) ラットの匹数
** 1 mg の投薬に修正
【0041】
上記の表において、「SL」とはラウリン酸スクロースを意味する。表2にまとめた結果は、該製剤へのラウリン酸スクロースの添加が、PTH(1-34)NH2のCmaxをほぼ2倍増加したことを示しており、オレイン酸ナトリウムを包含することにより、PTH(1-34)NH2のCmaxを2.6倍増加したことを示す。pH3.8ではオレイン酸ナトリウムは、水に不溶性であるオレイン酸として存在する。この問題を解決するために、オレイン酸を、オレイン酸ナトリウムとして、クエン酸緩衝液の添加前に該製剤に添加した。
【0042】
本発明はその特定の態様と関連して記述しているが、多くの他の変形および改変および他の用途は、当業者には明らかであろう。従って、本発明は、本明明細書における特許請求の範囲に加えて本明細書における具体的な開示内容により制限されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)ペプチド活性薬剤;および
(2)脂肪酸、脂肪酸の糖エステルおよびその混合物からなる群から選択される生物学的利用能増強剤、
を含む、ペプチド活性薬剤の経鼻送達用医薬組成物。
【請求項2】
脂肪酸および脂肪酸の糖エステルの双方が存在する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
該脂肪酸が、その分子構造中に少なくとも8つの連続する炭素原子の疎水性領域を有する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
該脂肪酸が、その分子構造中に10〜14の連続する炭素種の疎水性領域を有する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
該医薬組成物は、3.0よりも低くなく、かつ6.5よりも高くないpHにて緩衝された水溶液である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
該組成物は、クエン酸、クエン酸塩およびその混合物からなる群から選択されるシトレート型の生物学的利用能増強剤をさらに含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項7】
全てのシトレートを基にした生物学的利用能増強剤を併せた濃度が、5 mMよりも低くなく、かつ50 mMよりも高くない、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項8】
該組成物は、クエン酸、クエン酸塩およびその混合物からなる群から選択されるシトレート型の生物学的利用能増強剤をさらに含む、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項9】
全てのシトレートを基にした生物学的利用能増強剤を併せた濃度が、5mMよりも低くなく、かつ50 mMよりも高くない、請求項8記載の医薬組成物。
【請求項10】
該ペプチドは、その分子構造の一部としてアミド基を含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項11】
該脂肪酸が、ラウリン酸およびオレイン酸からなる群から選択される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項12】
該糖エステルが、ラウリン酸スクロース、ラウリン酸グルコースおよびラウリン酸フルクトースからなる群から選択される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項13】
該脂肪酸が、オレイン酸であり、該糖エステルがラウリン酸スクロースである、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項14】
(1)ペプチド活性薬剤;
(2)脂肪酸の糖エステル;および
(3)アシルカルニチン、
を含む、ペプチド活性薬剤の経鼻送達用医薬組成物。
【請求項15】
該糖エステルがラウリン酸スクロースである、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項16】
該糖エステルがその分子構造中に少なくとも8つの連続する炭素原子の疎水性領域を有する、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項17】
該糖エステルが、その分子構造中に10〜14の連続する炭素種の疎水性領域を有する、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項18】
該医薬組成物が、3.0よりも低くなく、かつ6.5よりも高くないpHにて緩衝された水溶液である、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項19】
該組成物は、クエン酸、クエン酸塩およびその混合物からなる群から選択されるシトレート型の生物学的利用能増強剤をさらに含む、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項20】
全てのシトレートを基にした生物学的利用能増強剤を併せた濃度が、5 mMよりも低くなく、かつ50 mMよりも高くない、請求項20記載の医薬組成物。
【請求項21】
該組成物は、クエン酸、クエン酸塩およびその混合物からなる群から選択されるシトレート型の生物学的利用能増強剤をさらに含む、請求項16記載の医薬組成物。
【請求項22】
全てのシトレートを基にした生物学的利用能増強剤を併せた濃度が、5 mMよりも低くなく、かつ50 mMよりも高くない、請求項21記載の医薬組成物。
【請求項23】
該ペプチドが、その分子構造の一部としてアミド基を含む、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項24】
該アシルカルニチンが、L-ラウロイルカルニチンおよびミリストイルカルニチンからなる群から選択される、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項25】
該糖エステルが、ラウリン酸スクロース、ラウリン酸グルコースおよびラウリン酸フルクトースからなる群から選択される、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項26】
該アシルカルニチンが、L-ラウロイルカルニチンであり、該糖エステルがラウリン酸スクロースである、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項27】
下記のものを含むペプチド活性薬剤の経鼻送達用医薬組成物:
(1)ペプチド活性薬剤;
(2)オレイン酸;
(3)ラウリン酸スクロース;
(4)クエン酸、クエン酸塩ならびにクエン酸およびクエン酸塩の混合物からなる群から選択される、シトレートを基にした生物学的利用能増強剤;
ここで、該医薬組成物は、3.0よりも低くなく、かつ6.5よりも高くないpHにて緩衝された水溶液である。
【請求項28】
下記のものを含むペプチド活性薬剤の経鼻送達用医薬組成物:
(1)ペプチド活性薬剤;
(2)L-ラウロイルカルニチン;
(3)ラウリン酸スクロース;
(4)クエン酸、クエン酸塩ならびにクエン酸およびクエン酸塩の混合物からなる群から選択されるシトレートを基にした生物学的利用能増強剤;
ここで、該医薬組成物は、3.0よりも低くなく、かつ6.5よりも高くないpHにて緩衝された水溶液である。
【請求項29】
該ペプチド活性薬剤がPTH(1-34)NH2である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項30】
該ペプチド活性薬剤がPTH(1-34)NH2である、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項31】
該ペプチド活性薬剤がPTH(1-34)NH2である、請求項27記載の医薬組成物。
【請求項32】
該ペプチド活性薬剤がPTH(1-34)NH2である、請求項28記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2012−522787(P2012−522787A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503604(P2012−503604)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/029187
【国際公開番号】WO2010/114830
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(503195300)ユニジーン・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド (17)
【Fターム(参考)】