経鼻配送装置
【課題】物質、特に粒状物質、例えば粉末状物質を、患者の鼻腔に配送することに適した経鼻配送システム、特に局所的配送及び鼻から脳への配送(N2B)の双方用の経鼻粉体配送システムを提供すること。
【解決手段】配送装置は、患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を受け入れるための、入口及び出口を有する容器室を備えた容器受けユニット16と、患者の鼻腔に嵌合するためのものであると共に容器室の出口に流体連通したノーズピースを有するノーズピースユニット17と、容器室の入口に流体連通したマウスピース77を有すると共に、そこを通して使用時に患者が呼気して、容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を配送するマウスピースユニットと、容器からの物質を飛沫同伴する際の呼息内の湿度の影響を緩和するための湿度緩和手段とを備える。
【解決手段】配送装置は、患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を受け入れるための、入口及び出口を有する容器室を備えた容器受けユニット16と、患者の鼻腔に嵌合するためのものであると共に容器室の出口に流体連通したノーズピースを有するノーズピースユニット17と、容器室の入口に流体連通したマウスピース77を有すると共に、そこを通して使用時に患者が呼気して、容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を配送するマウスピースユニットと、容器からの物質を飛沫同伴する際の呼息内の湿度の影響を緩和するための湿度緩和手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質、特に粒状物質、例えば粉末状物質を、患者の鼻腔に配送するための経鼻配送装置及び方法、特に各々がシングルドーズの物質を含有する複数の容器、例えばカプセル、ブリスター及びバイアルとの使用に適用されるマルチドーズ型装置に関する。
【0002】
現在の経鼻配送システムは、局所的疾病を十分に扱うことができるが、経鼻エアウエイの上側部分への物質の配送、特に嗅覚領域及び副鼻洞小口を標的とした配送には適していない。
【0003】
アストラゼネカ社(AstraZeneca AB)によって経鼻配送に適用されるように開発されているターボヘイラー(RTM)は、成功していない。粒子の大部分は、鼻腔の前方領域に堆積される。更に、鼻腔は、経鼻吸引中に狭くなって、経鼻エアウエイの後方領域内、特に狭く充血した鼻内の堆積効率を低減する。これまでの研究で実証されているように、小さな粒子が肺へ吸引されるかなりのリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かくして、本発明の目的は、物質、特に粒状物質、例えば粉末状物質を、患者の鼻腔に配送することに適した経鼻配送システム、特に局所的配送及び鼻から脳への配送(N2B)の双方用の経鼻粉体配送システムを提供することにある。
【0005】
1つの実施形態において、本発明の目的は、シングルドーズ又はマルチドーズ型装置、例えばデュオドーズ型装置を使用した双方向経鼻配送に対して備えることにある。この場合、好適な粒子サイズ、サイズ分布、表面特性及び処方を有する活性薬剤物質を含有したカプセル又はブリスターを利用して、一般的な鼻粘膜への最適配送及び/又は鼻腔の特定領域への標的化された配送を達成する。双方向経鼻配送は、出願人の先行WO−A−00/51672に開示されており、その内容は参照によりここに組み入れられる。
【0006】
もう1つの実施形態において、本発明の目的は、鼻腔の選択された領域への、特に前方弁エリアへの配送を防止することにある。この場合、2つの別々の配送チャネル、即ち、薬剤物質及び空気用の中央チャネルと、鼻腔内の粒子の堆積パターンを修正及び最適化するように作用する外側チャネルとを利用する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの形態において、本発明は、患者の鼻腔に物質を配送するための経鼻配送装置を提供する。この配送装置は、患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を受け入れるための、入口及び出口を有する容器室を備えた容器受けユニットと、患者の鼻腔に嵌合するためのものであると共に容器室の出口に流体連通したノーズピースを有するノーズピースユニットと、容器室の入口に流体連通したマウスピースを有すると共に、そこを通して使用時に患者が呼気して、容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を配送するマウスピースユニットと、容器からの物質を飛沫同伴する際の呼息内の湿度の影響を緩和するための湿度緩和手段とを備える。この手段は、例えば、交換可能な容器包含部材内に容器を設けることにより、容器室とマウスピースユニットの間の流体接続を常時閉鎖する感圧弁と、容器室上流の温度調節器とによって、与えられる。
【0008】
もう1つの形態において、本発明は、患者の鼻腔に物質を配送するための経鼻配送装置を提供する。この配送装置は、患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を受け入れるための、入口及び出口を有する容器室を備えた容器受けユニットと、患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースを有し、容器室の出口に流体連通しているノーズピースユニットと、容器室の入口に流体連通したマウスピースを有すると共に、そこを通して使用時に患者が呼気して、容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を配送するマウスピースユニットと、容器室又は下流の結露を低減するための湿度低減要素とを備える。
【0009】
別の形態において、本発明は、患者の鼻腔に物質を配送するための経鼻配送装置を提供する。この配送装置は、患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を受け入れるための、入口及び出口を有する容器室を備えた容器受けユニットと、患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースを有し、容器室の出口に流体連通しているノーズピースユニットと、容器室の入口に流体連通したマウスピースを有すると共に、そこを通して使用時に患者が呼気して、容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を配送するマウスピースユニットとを備える。
【0010】
更に別の形態において、本発明は、患者の鼻腔に物質を配送するための経鼻配送装置を提供する。この配送装置は、本体部材と、本体部材によって支持されて、複数の物質含有容器を搬送するキャリアと、患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースを有したノーズピースユニットと、使用時に患者がそこを通して呼気するためのマウスピースを有したマウスピースユニットと、各動作毎に、複数の物質含有容器を開放するように動作する作動機構であって、開放された物質含有容器のそれぞれに対し、連続した呼気サイクルで、マウスピースを流体接続するための弁ユニットを有する作動機構とを備える。
【0011】
異なる別の形態において、本発明は、患者の鼻腔に物質を配送する方法を提供する。この方法は、患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を、入口及び出口を有する容器室内に配設する工程と、容器室の出口に流体連通したノーズピースを患者の鼻腔に嵌合させる工程と、容器室の入口に流体連通したマウスピースを通して患者が呼気して、容器室を通して空気流を配送し、また容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を患者の鼻腔内に配送するようにする工程と、呼気された空気流から容器室の上流で湿度を引き抜いて、容器室又は下流の結露を低減する工程とを備える。
【0012】
更に異なる別の形態において、本発明は、患者の鼻腔に物質を配送する方法を提供する。この方法は、患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を、入口及び出口を有する容器室内に配設する工程と、容器室の出口に流体連通したノーズピースを患者の鼻腔に嵌合させる工程と、容器室の入口に流体連通したマウスピースを通して患者が呼気して、容器室を通して空気流を配送し、また容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を患者の鼻腔内に配送するようにする工程とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1(a)】本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図1(b)】本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図1(c)】本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図1(d)】本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図1(e)】本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図1(f)】本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図2(a)】本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図2(b)】本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図2(c)】本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図2(d)】本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図2(e)】本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図2(f)】本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図3(a)】本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図3(b)】本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図3(c)】本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図3(d)】本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図3(e)】本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図3(f)】本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図4(a)】本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図4(b)】本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図4(c)】本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図4(d)】本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図4(e)】本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図4(f)】本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態が、添付図面を参照して、例としてのみ説明される。
【0015】
図1(a)〜(f)は、本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【0016】
この配送装置は、ハウジング15と、カプセルCを受け入れるためのカプセル受けユニット16と、患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースユニット17と、患者がそれを通して呼気するマウスピースユニット19と、カプセル穿孔機構20とを備える。カプセル穿孔機構は、カプセルCがカプセル受けユニット16に包含されたときに穿孔するように動作し、これにより配送装置を動作させるように準備する。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0017】
ハウジング15は、ノーズピースユニット17を受ける第1の、ノーズピース開口21を、この実施形態では、ハウジング15の上端に有し、またカプセル穿孔機構20のアクチュエータ釦81がそこを通して延びる第2の、横方向開口22を、この実施形態では、ハウジング15の横方向壁内に有する。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0018】
カプセル受けユニット16は、カプセル受け部材23、この実施形態では、ハウジング15のノーズピース開口21に対向して配設された長尺で直立した室を備える。このカプセル受け部材は、カプセルCを、この実施形態では、ノーズピースユニット17のカプセル包含部材49内に包含されている状態で受け入れるためのものである。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0019】
この実施形態では、カプセル受け部材23は、入口24と出口25を有し、そこを通る空気流に備える。カプセル受け部材23の上側の、下流端によって規定される出口25は、ノーズピースユニット17のカプセル包含部材49を受け入れることに適用され、カプセル包含部材49は、カプセル受け部材23内に封止嵌合される。
【0020】
カプセル受けユニット16は更に、カプセル受け部材23の入口24に流体連通した感圧弁26を備える。この感圧弁は、カプセル受け部材23を通る空気流を、その上流に所定の圧力が発生されるまで防止するものである。この実施形態では、感圧弁26は、カプセル受け部材23の入口24に配置されている。
【0021】
この実施形態では、感圧弁26は、フラップ部材27を備える。このフラップ部材は、ピボット28を中心としてヒンジ動作可能であって、常時は弾性要素29、ここではスプリングによって、閉鎖された、封止位置にバイアスされている。このため、弾性要素29のバイアス力に打ち勝つには所定の圧力が必要とされる。
【0022】
ノーズピースユニット17は、ハウジング15のノーズピース開口21に嵌合するように構成された主本体部材45と、この主本体部材45から外向き延びて患者の鼻孔にフィットするためのノーズピース47と、主本体部材45から内向きに延びてカプセルCを包含するカプセル包含部材49とを備える。カプセルの中身は、患者の鼻腔に配送されるべきものである。この実施形態では、カプセルCは、粒状物質、例えば粉末状物質、典型的には医薬物質を含有した通常のゼラチンカプセルである。
【0023】
この実施形態では、ノーズピース47は、患者の鼻孔への挿入用に実質的に切頭円錐形の外側セクション53を有して、それとの間に流体緊密封止を与えるようにする。また、ノーズピースは、内側チャネル55を有する。このチャネルは、ここでは実質的に円筒形のセクションで、そこを通して物質が患者の鼻腔に配送される。この実施形態では、ノーズピース47は、患者の鼻孔との間に流体緊密封止を与える場合、出願人の先行WO−A−00/51672に開示されているように、患者の経鼻エアウエイを通しての双方向配送に備える。しかしながら、もう1つの実施形態では、ノーズピース47は、封止嵌合を与える必要がないので、鼻腔への配送は包含するが、双方向配送を包含する必要はない。
【0024】
この実施形態では、ノーズピース47は、トラップ要素57、典型的には目打ちされた又は網状の要素を有する。これは、所定のサイズより大きな異物、例えばカプセルCの一部が、ノーズピース47を通って患者の鼻腔内に入ることを防止するためである。
【0025】
カプセル包含部材49は、この実施形態では、円筒形の形状の長尺な流路63を有する。この流路内では、カプセルCがそれに沿って軸方向に方位付けされ、空気流がそこを通して配送されるときに、その中で回転可能にされる。また、カプセル包含部材は、流路63の一方の、下流側の、端部に流体連通した入口開口65を有する。この入口開口65は、空気流がそこを通して配送されるときに流れ制限を与えると共に、空気流が流路63を通して配送される前に、カプセルCの一方の、下側の、端部に対する座部として作用する。
【0026】
カプセル包含部材49は更に、複数の、この実施形態では、第1及び第2の穿孔開口71,73を、その横方向壁に有する。これは、カプセルCが、その軸方向の長さに沿って離された複数の箇所で穿孔されることを可能にするためである。この実施形態では、カプセルCの下端が流路63の入口開口65内に着座させられているときに、カプセルCが、それによって含有された1ドーズ分の物質の高さより上の箇所で穿孔されるように、第1の、下側の開口71は配置されている。このようにして、カプセルCによって含有された1ドーズ分の物質は、空気流が流路63を通して配送されるまで、流路63中に放出されることはない。
【0027】
この実施形態では、ノーズピースユニット17は、配送装置の各動作後に交換される交換可能なユニットとして設けられている。この実施形態では、ノーズピースユニット17は、気密パッケージング、例えばアルミ箔パッケージに包装され得る。
【0028】
1つの代替実施形態では、カプセル包含部材49だけが交換可能であって、各動作後に交換される。この場合、ノーズピース47は、カプセル包含部材49の他方の、下流端に封止嵌合される。この実施形態では、カプセル包含部材49は、気密パッケージング、例えばアルミ箔パッケージに包装され得る。
【0029】
別のもう1つの代替実施形態では、ノーズピースユニット17は、再使用可能なユニットとして設けられている。この場合、カプセル包含部材49は、ノーズピース47から分離可能であって、配送装置の動作後にカプセルCの交換を可能にする。この実施形態では、カプセルCは、気密パッケージング、例えばアルミ箔パッケージに包装され得る。
【0030】
マウスピースユニット19は、この実施形態では患者の唇で把持されるようなマウスピース77を備える。このマウスピースを通して患者が呼気することによって、カプセル受けユニット16を通して飛沫同伴用の空気流を配送する。また、マウスピースユニットは、空気室78、この実施形態では長尺な管状セクションを備える。この空気室は、マウスピース77とカプセル受けユニット16の感圧弁26とを流体的に接続する。
【0031】
この実施形態では、空気室78は、カプセル受けユニット16のカプセル受け部材23より大きな容積を持ち、好ましくはカプセル受け部材23の少なくとも2倍の容積を持つ。
【0032】
この実施形態では、空気室78は、ここでは呼気された空気流を冷却するための凝縮器として形成された温度調節器79を、少なくともその上流端に組み込んでいる。この構成によって、呼気される空気流は、呼気の間に冷却され、そして空気室78によって包含された所定容積の冷却された空気は、感圧弁26の解放の前に利用可能となる。
【0033】
この実施形態では、温度調節器79は、迷路構造を持つ。もう1つの実施形態では、温度調節器79は、微生物学的フィルタとしても作用することができるフィルタ要素によって設けられる。
【0034】
1つの実施形態では、温度調節器79は、その中に収集された凝縮物を、配送装置が使用されていないときに、乾燥するための手段を含むことができる。
【0035】
1つの実施形態では、空気室78は、取り外し可能であって、クリーニング又は交換を可能にする。
【0036】
この配置は、カプセルCから物質を配送する場合に、配送装置の信頼性のある動作に備えるものであることが見出されている。本発明者は、呼気された湿った空気を直接カプセルCに与えると、時にカプセルCの必要な回転が妨げられ、それによりカプセルによって包含された物質の適切な放出が妨げられることを確認した。一定容積の冷却された空気を与え、そしてその容積の冷却された空気がバーストで最初に配送されることを計画することによって、カプセルCの必要な回転が繰り返し見られる。
【0037】
カプセル穿孔機構20は、ハウジング15の横方向開口22を通して延びるアクチュエータ釦81を備えて、患者による動作を可能にする。カプセル穿孔機構はまた、複数の、この実施形態では、アクチュエータ釦81によって支持されてその前方に延びた第1及び第2のカプセル穿孔要素83,85を備える。このため、アクチュエータ釦81を、図1(a)に示すような後退位置から、図1(b)に示すような伸長位置まで押し下げると、穿孔要素83,85は、カプセル包含部材49の横方向壁の穿孔開口71,73のそれぞれを通して駆動され、カプセルCに穿孔する。
【0038】
この実施形態では、カプセル穿孔機構20は、アクチュエータ釦81を後退位置へ向けて外側にバイアスするように作用する弾性要素87を有する。このため、アクチュエータ釦81を押し下げてカプセルCに穿孔した後に、アクチュエータ釦81は後退位置へ戻される。この実施形態では、弾性要素87は、アクチュエータ釦81の一体的部分として形成されているが、他の実施形態では、別体の要素、例えば圧縮スプリングによって設けられる。
【0039】
この配送装置の動作が以下で説明される。
【0040】
先ず、図1(a)に示すように、配送装置を手にとり、そしてノーズピースユニット17をハウジング15に挿入して、患者は、図1(b)に示すように、カプセル穿孔機構20のアクチュエータ釦81を押し下げて、カプセル包含部材49に包含されたカプセルCに穿孔する。
【0041】
アクチュエータ釦81を押し下げることによって、カプセルCは、カプセル穿孔要素83,85によって、その軸方向の長さに沿って離された2つの箇所で穿孔される。この実施形態では、第1の、下側の穿孔要素83は、カプセルCによって包含された物質の高さより少し上の箇所でカプセルCに穿孔するように作用する(カプセルCは部分的にのみ満たされている)。そして、第2の、上側の穿孔要素85は、カプセルCの上側の、遠端に穿孔するように作用する。
【0042】
それからアクチュエータ釦81は解放され、このことにより、アクチュエータ釦81は、図1(c)に示すように、バイアス要素87のバイアスによって後退位置へ戻される。このようにして、配送装置は準備され、使用に備える。
【0043】
それから患者は、図1(d)に示すように、ノーズピース53を自らの鼻孔の一方へ挿入し、マウスピース77を自らの唇で把持し、マウスピース77を通して呼気を始める。最初に、この呼気は、感圧弁26による抵抗を受け、これによりカプセル包含部材49を通り、そしてカプセルCを超える空気流の配送が防げられる。
【0044】
患者が十分な力で呼気して、所定の圧力よりも大きな圧力を感圧弁26の上流に発生すると、図1(e)に示すように、感圧弁26は開放されて、カプセル包含部材49を通る空気の突然の流れを、空気のバーストとして生ずる。
【0045】
空気のバーストは、カプセル包含部材49の入口開口65によって規定される座部からカプセルCを上昇させ、そしてカプセルCの回転を開始するように作用する。この回転は、カプセルC内から物質が放出されるように作用する。継続した呼気によって、カプセルCは、回転を続ける。
【0046】
呼気の後に、図1(f)に示すように、感圧弁26は、閉鎖された、封止位置へ戻され、そして今は空になったカプセルCは、休止位置へ戻される。
【0047】
配送装置のこの動作は、新たなカプセルCについても繰り返される。上述したように、この実施形態では、ノーズピースユニット17全体が交換されるが、他の実施形態では、カプセル包含部材49又はカプセルCだけのいずれかが交換される。
【0048】
図2(a)〜(f)は、本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【0049】
この実施形態の配送装置は、上述した第1の実施形態の配送装置と非常に良く似ているので、説明の不必要な重複を避けるために、違いだけが詳細に説明される。
【0050】
この実施形態の配送装置が上述した第1の実施形態と異なるのは、ノーズピース53が第1及び第2のチャネル55a,55b、この実施形態ではカプセル包含部材49の縦軸に中心を持つ同心環状チャネルを有する点である。この場合、第1の、内側チャネル55aは、カプセル包含部材49の下流端に流体的に接続され、カプセルCに包含された物質がそこを通して配送される。また、第2の、外側チャネル55bは、導管チャネル91によって、マウスピース77に対し、この実施形態では空気室78の上流で流体的に接続されている。
【0051】
この配置によって、集束された粉体エアゾールが、内側チャネル55aの出口端から配送され、そしてマウスピース77から配送される同軸的な空気流によって飛沫同伴される。この配置は、経鼻エアウエイの特定領域、特に後部領域、例えば嗅覚領域を標的化する場合に特に有利である。この飛沫同伴する空気流はカプセルCを超えないので、飛沫同伴する空気流の湿度は、重要ではない。
【0052】
図3(a)〜(f)は、本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【0053】
この配送装置は、中央支持スピンドル105を有するハウジング101と、中身が患者の鼻腔に配送される複数の物質含有カプセルCを搬送すると共に、ハウジング101に対し移動可能に配設された、この実施形態では支持スピンドル105を中心としてハウジング101に対し回転可能に搭載されたキャリア109と、患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースユニット119と、患者がそれを通して呼気するマウスピースユニット121と、この実施形態では同時に一対のカプセルCに穿孔し、これにより配送装置を動作用に準備するように動作可能なカプセル穿孔機構123とを備える。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0054】
この実施形態では、カプセルCは、粒状物質、例えば粉末状物質、典型的には医薬物質を含有した通常のゼラチンカプセルである。
【0055】
キャリア109は、本体部材131、この実施形態では環状要素と、各々がカプセルCを包含した複数のカプセル包含部材133とを備える。これらカプセル包含部材は、隣接する対として、支持スピンドル105を中心として対称的に配設されている。このため、キャリア109が新たな位置に対し逐次位置決めされるときに、新たな対のカプセル包含部材133は、カプセル穿孔機構123に対し位置決めされる。
【0056】
この実施形態では、カプセル包含部材133は各々、この実施形態では円筒形の形状の長尺な流路139を規定する管状要素137を備える。この流路内では、カプセルCがそれに沿って軸方向に方位付けされ、空気流がそこを通して配送されるときに、その中で回転可能にされる。また、カプセル包含部材は各々、管状要素137の対向する下側及び上側端部を封止する第1及び第2の封止部材141,142を備える。
【0057】
この実施形態では、カプセル包含部材133は各々、複数の、この実施形態では、第1及び第2の穿孔開口143,144を、その横方向壁に有する。これは、カプセルCが、その軸方向の長さに沿って離された複数の箇所で穿孔されることを可能にするためである。この実施形態では、カプセルCが、それによって含有された1ドーズ分の物質の高さより上の箇所で穿孔されるように、第1の、下側の開口143は配置されている。このようにして、カプセルCによって含有された1ドーズ分の物質は、空気流が流路139を通して配送されるまで、流路139中に放出されることはない。
【0058】
ノーズピースユニット119は、本体部材145を備える。この本体部材は、ハウジング101に対し移動可能に、この実施形態では旋回可能に結合されて、ノーズピースユニット119が仕舞い込まれた図3(a)に示す第1の、非動作位置と、図3(c)に示す第2の、動作位置の間を移動可能である。このノーズピースユニットはまた、本体部材145の外側に延びて、患者の鼻孔に嵌合するためのノーズピース147を備える。
【0059】
この実施形態では、本体部材145は、ノーズピースユニット119が動作位置にあるときに、隣りの対のカプセル包含部材133の流路139をノーズピース147に流体的に接続する流れチャネル149を有する。
【0060】
この実施形態では、本体部材145は、ノーズピースユニット119が動作位置にあるときに、隣りの対のカプセル包含部材133の上側封止部材142を切断することに適用される第1及び第2のカッター151を有する。
【0061】
この実施形態では、本体部材145は、キャッチ部材155を有する。このキャッチ部材は、ノーズピースユニット119が動作位置から又は動作位置へある程度まで旋回されるときに、ここでは前向きの先細表面を与えるダイヤモンド形の断面を持つ。このキャッチ部材は、カプセル穿孔部材123を部分的に動作させ、またノーズピースユニット119を動作位置にラッチするように作用する。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0062】
この実施形態では、ノーズピース147は、患者の鼻孔への挿入用に実質的に切頭円錐形の外側セクション157を有して、それとの間に流体緊密封止を与えるようにする。また、ノーズピースは、内側チャネル159を有し、そこを通して物質が患者の鼻腔に配送される。この実施形態では、ノーズピース147は、患者の鼻孔との間に流体緊密封止を与える場合、出願人の先行WO−A−00/51672に開示されているように、患者の経鼻エアウエイを通しての双方向配送に備える。しかしながら、もう1つの実施形態では、ノーズピース147は、封止嵌合を与える必要がないので、鼻腔への配送は包含するが、双方向配送を包含する必要はない。
【0063】
マウスピースユニット121は、本体部材165を備える。この本体部材は、ハウジング101に対し移動可能に、この実施形態では旋回可能に結合されて、マウスピースユニット121が仕舞い込まれた図3(a)に示す第1の、非動作位置と、図3(c)に示す第2の、動作位置の間を移動可能である。このマウスピースユニットはまた、本体部材165の外側に延びるマウスピース167を備える。このマウスピースは、この実施形態では患者の唇に把持され、そこを通して患者が呼気して、空気流を飛沫同伴する。このマウスピースユニットは更に、弁ユニット169を備える。この弁ユニットは、流体的に動作して、連続した呼気サイクルで、マウスピース167を隣りの対のカプセル包含部材133のそれぞれに接続する。
【0064】
この実施形態では、弁ユニット169は、マウスピース167内に発生された圧力を検出するように動作する圧力センサと、2つの流れチャネルを有した電気−機械弁とを備える。この電気−機械弁は、例えば流体的に切換可能であって、マウスピース167を先ず一対のカプセル包含部材133の一方に接続し、それから周囲圧力への復帰によって表される最初の呼気サイクルの後に、この対のカプセル包含部材133の他方に接続する。
【0065】
この実施形態では、本体部材165は、マウスピースユニット121が動作位置にあるときに、隣りの対のカプセル包含部材133の下側封止部材141を切断することに適用される第1及び第2のカッター171を有する。
【0066】
この実施形態では、本体部材165は、キャッチ部材175を有する。このキャッチ部材は、マウスピースユニット121が動作位置から又は動作位置へある程度まで旋回されるときに、ここでは前向きの先細表面を与えるダイヤモンド形の断面を持つ。このキャッチ部材は、カプセル穿孔部材123を部分的に動作させ、またマウスピースユニット121を動作位置にラッチするように作用する。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0067】
カプセル穿孔部材123は、第1及び第2の穿孔ユニット181を備える。これらの穿孔ユニットは、逆向きの背中合わせの関係で配設され、ノーズピースユニット119及びマウスピースユニット121が仕舞い込まれた非動作位置から動作位置へ移動することによって作動される。
【0068】
穿孔ユニット181の各々は、アクチュエータ釦182と、複数の、この実施形態では、アクチュエータ釦182によって支持されてその前方に延びた第1及び第2のカプセル穿孔要素183,185を備える。このため、アクチュエータ釦182を、図3(a)に示すような後退位置から、図3(b)に示すような伸長位置まで押し下げると、穿孔要素183,185は、カプセル包含部材133の横方向壁の穿孔開口143,144のそれぞれを通して駆動され、カプセルCに穿孔する。
【0069】
この実施形態では、カプセル穿孔ユニット181は各々、それぞれのアクチュエータ釦182を後退位置へ向けて内側にバイアスするように作用する弾性要素187を有する。このため、アクチュエータ釦182を押し下げてカプセルCに穿孔した後に、アクチュエータ釦81は後退位置へ戻される。
【0070】
この実施形態では、アクチュエータ釦182は各々、ここではV字型の断面を有する第1及び第2の凹部189,191をその裏面に有する。これらの凹部は、ノーズピースユニット及びマウスピースユニット119,121の本体部材145,165上のキャッチ155,175のそれぞれに係合して、それらを動作位置にラッチするするように構成されている。
【0071】
この配送装置の動作が以下で説明される。
【0072】
先ず、患者は、キャリア109を位置決めして、図3(a)に示すように、次の対のカプセル包含部材133をカプセル穿孔部材123に向けるようにする。
【0073】
それから患者は、ノーズピースユニット119とマウスピースユニット121を、この実施形態ではそれらをハウジング101に対して旋回させることによって、図3(b)及び(c)に示すように、それぞれの動作位置へ移動させる。
【0074】
ノーズピースユニット119とマウスピースユニット121をそれぞれの動作位置へ移動させる場合、ノーズピースユニット119の本体部材145上のキャッチ部材155とマウスピースユニット121の本体部材165上のキャッチ部材175は、穿孔ユニット181の対向するアクチュエータ釦182のそれぞれの端部の間に係合して、図3(b)に示すように、アクチュエータ釦182を外向きにバイアスすると共に、カプセル包含部材133に包含されたカプセルCに穿孔する。
【0075】
アクチュエータ釦182を押し下げることによって、カプセルCは、カプセル穿孔要素183,185によって、その軸方向の長さに沿って離された2つの箇所で穿孔される。この場合、穿孔要素183,185は、カプセル包含部材133の管状要素137の横方向壁の穿孔開口143,144を通して延びている。この実施形態では、第1の、下側の穿孔要素183は、カプセルCによって包含された物質の高さより少し上の箇所でカプセルCに穿孔するように作用する(カプセルCは部分的にのみ満たされている)。そして、第2の、上側の穿孔要素185は、カプセルCの上側の、遠端に穿孔するように作用する。
【0076】
ノーズピースユニット119とマウスピースユニット121をそれぞれの動作位置へ更に移動させると、ノーズピースユニット119の本体部材145上のキャッチ部材155と、マウスピースユニット121の本体部材165上のキャッチ部材175は、図3(c)に示すように、穿孔ユニット181の対向するアクチュエータ釦182の裏面のそれぞれの凹部189,191に係合する。この場合、アクチュエータ釦182は、バイアス要素187のバイアスを受けて後退位置へ戻され、これによりノーズピースユニット119とマウスピースユニット121は、それぞれの動作位置にラッチされる。
【0077】
また、ノーズピースユニット119とマウスピースユニット121の動作位置への移動によって、ノーズピースユニット119の本体部材145上のカッター151は、カプセル包含部材133の上側封止部材142を破断するように作用する。また、マウスピースユニット121の本体部材165上のカッター171は、カプセル包含部材133の下側封止部材141を破断するように作用する。
【0078】
それから患者は、図3(d)に示すように、ノーズピース147を自らの鼻孔の一方へ挿入し、マウスピース167を自らの唇で把持し、マウスピース167を通して呼気を始める。
【0079】
この第1の呼気サイクルにおいて、弁ユニット169は、呼気された空気流を一対のカプセル包含部材133の一方を通して案内するように構成されている。この空気流は、カプセルCを持ち上げると共にカプセルCの回転を起こすように作用する。この回転は、カプセルC内から物質を放出するように作用する。連続した呼気によって、カプセルCは回転を続ける。
【0080】
呼気の後に、今は空になったカプセルCは休止位置に戻り、そして、マウスピース167内の圧力の不存在によって検出されるように、弁ユニット169は、再構成される。この場合、マウスピース167は、一対のカプセル包含部材133の他方に対し流体的に接続され、これにより後続の呼息によって発生される空気流は、一対のカプセル包含部材133の他方を通して案内される。
【0081】
1つの動作モードでは、図3(e)に示すように、ノーズピース147は、患者の鼻孔の他方に挿入され、そして患者はマウスピース167を自らの唇で把持して、マウスピース167を通して呼気する。
【0082】
この第2の、後続の呼気サイクルにおいて、弁ユニット169は、呼気された空気流を一対のカプセル包含部材133の他方を通して案内するように構成されている。この空気流は、カプセルCを持ち上げると共にカプセルCの回転を起こすように作用する。この回転は、カプセルC内から物質を放出するように作用する。連続した呼気によって、カプセルCは回転を続ける。
【0083】
この動作モードでは、同じか全く異なる物質が、患者の鼻腔の各々に配送される。
【0084】
呼気の後に、今は空になったカプセルCは休止位置に戻る。
【0085】
一対のカプセル包含部材133内のカプセルCが異なる物質を含有していて、これらの物質が双方とも一方の鼻腔に配送される他の動作モードでは、ノーズピース147は、患者の他方の鼻孔に移動されることはない。
【0086】
この配送装置の使用後に、ノーズピースユニット119とマウスピースユニット121は、それぞれの仕舞い込まれた非動作位置へ、この実施形態では、図3(f)に示すように、それらをハウジング101に対して旋回させることによって戻される。
【0087】
ノーズピースユニット119とマウスピースユニット121を非動作位置へ移動させる場合、ノーズピースユニット119の本体部材145上のキャッチ部材155と、マウスピースユニット121の本体部材165上のキャッチ部材175は、穿孔ユニット181の対向するアクチュエータ釦182の裏面の凹部189,191との係合から解放される。
【0088】
配送装置のこの動作は、それから続いて次の対のカプセルCに対して繰り返され得る。
【0089】
図4(a)〜(f)は、本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【0090】
この配送装置は、中央支持スピンドル205を有するハウジング201を備える。キャリア209は、患者の鼻腔にその中身が配送される複数の物質含有ブリスターBを搬送すると共に、ハウジング201に対し移動可能に配設され、この実施形態では支持スピンドル205を中心としてハウジング201に対し回転可能に搭載されている。インターフェースアセンブリ211は、患者に対するインターフェースを与える。ラッチ機構223は、このインターフェースアセンブリ211を動作位置にラッチするように作用する。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0091】
この実施形態では、ブリスターBは、粒状物質、例えば粉末状物質、典型的には医薬物質を含有した通常のブリスターである。
【0092】
キャリア209は、本体部材231、この実施形態では環状要素と、複数のブリスターBとを備える。これらブリスターは、隣接する対として、支持スピンドル205を中心として対称的に配設されている。このため、キャリア209が新たな位置に対し逐次位置決めされるときに、新たな対のブリスターBは、インターフェースアセンブリ211の動作位置に対して位置決めされる。
【0093】
インターフェースアセンブリ211は、本体部材235を備える。この本体部材は、ハウジング201に対し移動可能に、この実施形態では旋回可能に結合されて、インターフェースアセンブリ211が仕舞い込まれた図4(a)に示す第1の、非動作位置と、図4(c)に示す第2の、動作位置の間を移動可能である。ノーズピースユニット219は、本体部材235の外側に延びて、患者の鼻孔に嵌合するためのノーズピース247を有する。マウスピースユニット221は、この実施形態では患者の唇で把持されるように、本体部材235の外側に延びたマウスピース249を有し、それを通して患者は呼気して、飛沫同伴する空気流を配送する。弁ユニット251は、流体的に動作して、連続的な呼気サイクルで、マウスピース249を隣りの対の開放されたブリスターBのそれぞれに接続する。
【0094】
この実施形態では、本体部材235は、インターフェースアセンブリ211が動作位置にあるときに、隣りの対のブリスターBをノーズピース249に対し流体的に接続する流れチャネル259を有する。
【0095】
この実施形態では、本体部材235は、インターフェースアセンブリ211が動作位置にあるときに、隣りの対のブリスターBの封止部材を切断することに適用される第1及び第2のカッター261を有する。
【0096】
この実施形態では、本体部材235は、キャッチ部材265を有する。このキャッチ部材は、インターフェースアセンブリ211が動作位置から又は動作位置へある程度まで旋回されるときに、ここでは前向きの先細表面を与えるダイヤモンド形の断面を持つ。このキャッチ部材は、インターフェースアセンブリ211を動作位置にラッチするように作用する。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0097】
この実施形態では、ノーズピース247は、患者の鼻孔への挿入用に実質的に切頭円錐形の外側セクション267を有して、それとの間に流体緊密封止を与えるようにする。また、ノーズピースは、内側チャネル269を有し、そこを通して物質が患者の鼻腔に配送される。この実施形態では、ノーズピース247は、患者の鼻孔との間に流体緊密封止を与える場合、出願人の先行WO−A−00/51672に開示されているように、患者の経鼻エアウエイを通しての双方向配送に備える。しかしながら、もう1つの実施形態では、ノーズピース247は、封止嵌合を与える必要がないので、鼻腔への配送は包含するが、双方向配送を包含する必要はない。
【0098】
この実施形態では、弁ユニット251は、マウスピース249内に発生された圧力を検出するように動作する圧力センサと、2つの流れチャネルを有した電気−機械弁とを備える。この電気−機械弁は、例えば流体的に切換可能であって、マウスピース249を先ず一対のブリスターBの一方に接続し、それから周囲圧力への復帰によって表される最初の呼気サイクルの後に、この対のブリスターBの他方に接続する。
【0099】
ラッチ機構223は、逆向きの背中合わせの関係で配設された第1及び第2のラッチ要素281を備える。これらラッチ要素は各々、ラッチ本体282と、このラッチ本体282をラッチ位置に向けて前方へバイアスするように作用する弾性要素287とを有する。
【0100】
この実施形態では、ラッチ本体282は各々、ここではV字型の断面を有する凹部289をその裏面に有する。この凹部は、インターフェースアセンブリ211が動作位置にあるときに、インターフェースアセンブリ211の本体部材235上のキャッチ265と係合するように作用する。
【0101】
この配送装置の動作が以下で説明される。
【0102】
先ず、患者は、キャリア209を位置決めして、図4(a)に示すように、次の対のブリスターBをインターフェースアセンブリ211の動作位置に向けるようにする。
【0103】
それから患者は、インターフェースアセンブリ211を、この実施形態ではそれらをハウジング201に対して旋回させることによって、図4(b)及び(c)に示すように、動作位置へ移動させる。
【0104】
インターフェースアセンブリ211を動作位置へ移動させる場合、インターフェースアセンブリ211の本体部材235上のキャッチ部材265は、ラッチユニット281のラッチ本体282のそれぞれの端部の間に係合して、図4(b)に示すように、ラッチ本体282を外向きにバイアスする。
【0105】
インターフェースアセンブリ211を動作位置へ更に移動させると、インターフェースアセンブリ211の本体部材235上のキャッチ部材265は、図4(c)に示すように、ラッチユニット281の対向するラッチ本体282の裏面のそれぞれの凹部289に係合する。この場合、ラッチ本体282は、バイアス要素287のバイアスを受けて後退位置へ戻され、これによりインターフェースアセンブリ211は動作位置にラッチされる。
【0106】
また、インターフェースアセンブリ211の動作位置への移動によって、インターフェースアセンブリ211の本体部材235上のカッター261は、隣の対のブリスターBの封止部材を破断するように作用する。
【0107】
それから患者は、図4(d)に示すように、ノーズピース247を自らの鼻孔の一方へ挿入し、マウスピース249を自らの唇で把持し、マウスピース249を通して呼気を始める。
【0108】
この第1の呼気サイクルにおいて、弁ユニット251は、呼気された空気流を一対のブリスターBの一方を通して案内するように構成されている。この空気流は、ブリスターBからの物質を飛沫同伴するように作用する。
【0109】
呼気の後に、ブリスターBは空になり、そして、マウスピース249内の圧力の不存在によって検出されるように、弁ユニット251は再構成される。この場合、マウスピース249は、一対のブリスターBの他方に対し流体的に接続され、これにより後続の呼息によって発生される空気流は、一対のブリスターBの他方を通して案内される。
【0110】
1つの動作モードでは、図4(e)に示すように、ノーズピース247は、患者の鼻孔の他方に挿入され、そして患者はマウスピース249を自らの唇で把持して、マウスピース249を通して呼気する。
【0111】
この第2の、後続の呼気サイクルにおいて、弁ユニット251は、呼気された空気流を一対のブリスターBの他方を通して案内するように構成されている。この空気流は、ブリスターBからの物質を飛沫同伴するように作用する。
【0112】
この動作モードでは、同じか全く異なる物質が、患者の鼻腔の各々に配送される。
【0113】
呼気の後に、ブリスターBは空にされる。
【0114】
ブリスターBが異なる物質を含有していて、これらの物質が双方とも一方の鼻腔に配送される他の動作モードでは、ノーズピース247は、患者の他方の鼻孔に移動されることはない。
【0115】
この配送装置の使用後に、インターフェースアセンブリ211は、仕舞い込まれた非動作位置へ、この実施形態では、図4(f)に示すように、それらをハウジング201に対して旋回させることによって戻される。
【0116】
インターフェースアセンブリ211を仕舞い込まれた位置へ移動させる場合に、インターフェースアセンブリ211の本体部材235上のキャッチ部材265は、ラッチユニット281の対向するラッチ本体282の裏面の凹部289との係合から解放される。
【0117】
配送装置のこの動作は、それから続いて次の対のブリスターBに対して繰り返され得る。
【0118】
最後に、本発明は、その好ましい実施形態について説明されてきたが、添付された請求の範囲によって規定される発明の範囲から逸脱することなく、多くの異なる手法で変形され得るものであることは理解されるであろう。
【0119】
1つの変形例では、配送装置は、複数のカプセル包含部材49を有する回転可能なキャリッジを有するように変形され得る。これらカプセル包含部材は各々、カプセル受けユニット16のカプセル受け部材23に対し連続的に位置決めされている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質、特に粒状物質、例えば粉末状物質を、患者の鼻腔に配送するための経鼻配送装置及び方法、特に各々がシングルドーズの物質を含有する複数の容器、例えばカプセル、ブリスター及びバイアルとの使用に適用されるマルチドーズ型装置に関する。
【0002】
現在の経鼻配送システムは、局所的疾病を十分に扱うことができるが、経鼻エアウエイの上側部分への物質の配送、特に嗅覚領域及び副鼻洞小口を標的とした配送には適していない。
【0003】
アストラゼネカ社(AstraZeneca AB)によって経鼻配送に適用されるように開発されているターボヘイラー(RTM)は、成功していない。粒子の大部分は、鼻腔の前方領域に堆積される。更に、鼻腔は、経鼻吸引中に狭くなって、経鼻エアウエイの後方領域内、特に狭く充血した鼻内の堆積効率を低減する。これまでの研究で実証されているように、小さな粒子が肺へ吸引されるかなりのリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かくして、本発明の目的は、物質、特に粒状物質、例えば粉末状物質を、患者の鼻腔に配送することに適した経鼻配送システム、特に局所的配送及び鼻から脳への配送(N2B)の双方用の経鼻粉体配送システムを提供することにある。
【0005】
1つの実施形態において、本発明の目的は、シングルドーズ又はマルチドーズ型装置、例えばデュオドーズ型装置を使用した双方向経鼻配送に対して備えることにある。この場合、好適な粒子サイズ、サイズ分布、表面特性及び処方を有する活性薬剤物質を含有したカプセル又はブリスターを利用して、一般的な鼻粘膜への最適配送及び/又は鼻腔の特定領域への標的化された配送を達成する。双方向経鼻配送は、出願人の先行WO−A−00/51672に開示されており、その内容は参照によりここに組み入れられる。
【0006】
もう1つの実施形態において、本発明の目的は、鼻腔の選択された領域への、特に前方弁エリアへの配送を防止することにある。この場合、2つの別々の配送チャネル、即ち、薬剤物質及び空気用の中央チャネルと、鼻腔内の粒子の堆積パターンを修正及び最適化するように作用する外側チャネルとを利用する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの形態において、本発明は、患者の鼻腔に物質を配送するための経鼻配送装置を提供する。この配送装置は、患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を受け入れるための、入口及び出口を有する容器室を備えた容器受けユニットと、患者の鼻腔に嵌合するためのものであると共に容器室の出口に流体連通したノーズピースを有するノーズピースユニットと、容器室の入口に流体連通したマウスピースを有すると共に、そこを通して使用時に患者が呼気して、容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を配送するマウスピースユニットと、容器からの物質を飛沫同伴する際の呼息内の湿度の影響を緩和するための湿度緩和手段とを備える。この手段は、例えば、交換可能な容器包含部材内に容器を設けることにより、容器室とマウスピースユニットの間の流体接続を常時閉鎖する感圧弁と、容器室上流の温度調節器とによって、与えられる。
【0008】
もう1つの形態において、本発明は、患者の鼻腔に物質を配送するための経鼻配送装置を提供する。この配送装置は、患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を受け入れるための、入口及び出口を有する容器室を備えた容器受けユニットと、患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースを有し、容器室の出口に流体連通しているノーズピースユニットと、容器室の入口に流体連通したマウスピースを有すると共に、そこを通して使用時に患者が呼気して、容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を配送するマウスピースユニットと、容器室又は下流の結露を低減するための湿度低減要素とを備える。
【0009】
別の形態において、本発明は、患者の鼻腔に物質を配送するための経鼻配送装置を提供する。この配送装置は、患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を受け入れるための、入口及び出口を有する容器室を備えた容器受けユニットと、患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースを有し、容器室の出口に流体連通しているノーズピースユニットと、容器室の入口に流体連通したマウスピースを有すると共に、そこを通して使用時に患者が呼気して、容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を配送するマウスピースユニットとを備える。
【0010】
更に別の形態において、本発明は、患者の鼻腔に物質を配送するための経鼻配送装置を提供する。この配送装置は、本体部材と、本体部材によって支持されて、複数の物質含有容器を搬送するキャリアと、患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースを有したノーズピースユニットと、使用時に患者がそこを通して呼気するためのマウスピースを有したマウスピースユニットと、各動作毎に、複数の物質含有容器を開放するように動作する作動機構であって、開放された物質含有容器のそれぞれに対し、連続した呼気サイクルで、マウスピースを流体接続するための弁ユニットを有する作動機構とを備える。
【0011】
異なる別の形態において、本発明は、患者の鼻腔に物質を配送する方法を提供する。この方法は、患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を、入口及び出口を有する容器室内に配設する工程と、容器室の出口に流体連通したノーズピースを患者の鼻腔に嵌合させる工程と、容器室の入口に流体連通したマウスピースを通して患者が呼気して、容器室を通して空気流を配送し、また容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を患者の鼻腔内に配送するようにする工程と、呼気された空気流から容器室の上流で湿度を引き抜いて、容器室又は下流の結露を低減する工程とを備える。
【0012】
更に異なる別の形態において、本発明は、患者の鼻腔に物質を配送する方法を提供する。この方法は、患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を、入口及び出口を有する容器室内に配設する工程と、容器室の出口に流体連通したノーズピースを患者の鼻腔に嵌合させる工程と、容器室の入口に流体連通したマウスピースを通して患者が呼気して、容器室を通して空気流を配送し、また容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を患者の鼻腔内に配送するようにする工程とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1(a)】本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図1(b)】本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図1(c)】本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図1(d)】本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図1(e)】本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図1(f)】本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図2(a)】本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図2(b)】本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図2(c)】本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図2(d)】本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図2(e)】本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図2(f)】本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図3(a)】本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図3(b)】本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図3(c)】本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図3(d)】本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図3(e)】本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図3(f)】本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図4(a)】本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図4(b)】本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図4(c)】本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図4(d)】本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図4(e)】本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【図4(f)】本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態が、添付図面を参照して、例としてのみ説明される。
【0015】
図1(a)〜(f)は、本発明の第1の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【0016】
この配送装置は、ハウジング15と、カプセルCを受け入れるためのカプセル受けユニット16と、患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースユニット17と、患者がそれを通して呼気するマウスピースユニット19と、カプセル穿孔機構20とを備える。カプセル穿孔機構は、カプセルCがカプセル受けユニット16に包含されたときに穿孔するように動作し、これにより配送装置を動作させるように準備する。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0017】
ハウジング15は、ノーズピースユニット17を受ける第1の、ノーズピース開口21を、この実施形態では、ハウジング15の上端に有し、またカプセル穿孔機構20のアクチュエータ釦81がそこを通して延びる第2の、横方向開口22を、この実施形態では、ハウジング15の横方向壁内に有する。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0018】
カプセル受けユニット16は、カプセル受け部材23、この実施形態では、ハウジング15のノーズピース開口21に対向して配設された長尺で直立した室を備える。このカプセル受け部材は、カプセルCを、この実施形態では、ノーズピースユニット17のカプセル包含部材49内に包含されている状態で受け入れるためのものである。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0019】
この実施形態では、カプセル受け部材23は、入口24と出口25を有し、そこを通る空気流に備える。カプセル受け部材23の上側の、下流端によって規定される出口25は、ノーズピースユニット17のカプセル包含部材49を受け入れることに適用され、カプセル包含部材49は、カプセル受け部材23内に封止嵌合される。
【0020】
カプセル受けユニット16は更に、カプセル受け部材23の入口24に流体連通した感圧弁26を備える。この感圧弁は、カプセル受け部材23を通る空気流を、その上流に所定の圧力が発生されるまで防止するものである。この実施形態では、感圧弁26は、カプセル受け部材23の入口24に配置されている。
【0021】
この実施形態では、感圧弁26は、フラップ部材27を備える。このフラップ部材は、ピボット28を中心としてヒンジ動作可能であって、常時は弾性要素29、ここではスプリングによって、閉鎖された、封止位置にバイアスされている。このため、弾性要素29のバイアス力に打ち勝つには所定の圧力が必要とされる。
【0022】
ノーズピースユニット17は、ハウジング15のノーズピース開口21に嵌合するように構成された主本体部材45と、この主本体部材45から外向き延びて患者の鼻孔にフィットするためのノーズピース47と、主本体部材45から内向きに延びてカプセルCを包含するカプセル包含部材49とを備える。カプセルの中身は、患者の鼻腔に配送されるべきものである。この実施形態では、カプセルCは、粒状物質、例えば粉末状物質、典型的には医薬物質を含有した通常のゼラチンカプセルである。
【0023】
この実施形態では、ノーズピース47は、患者の鼻孔への挿入用に実質的に切頭円錐形の外側セクション53を有して、それとの間に流体緊密封止を与えるようにする。また、ノーズピースは、内側チャネル55を有する。このチャネルは、ここでは実質的に円筒形のセクションで、そこを通して物質が患者の鼻腔に配送される。この実施形態では、ノーズピース47は、患者の鼻孔との間に流体緊密封止を与える場合、出願人の先行WO−A−00/51672に開示されているように、患者の経鼻エアウエイを通しての双方向配送に備える。しかしながら、もう1つの実施形態では、ノーズピース47は、封止嵌合を与える必要がないので、鼻腔への配送は包含するが、双方向配送を包含する必要はない。
【0024】
この実施形態では、ノーズピース47は、トラップ要素57、典型的には目打ちされた又は網状の要素を有する。これは、所定のサイズより大きな異物、例えばカプセルCの一部が、ノーズピース47を通って患者の鼻腔内に入ることを防止するためである。
【0025】
カプセル包含部材49は、この実施形態では、円筒形の形状の長尺な流路63を有する。この流路内では、カプセルCがそれに沿って軸方向に方位付けされ、空気流がそこを通して配送されるときに、その中で回転可能にされる。また、カプセル包含部材は、流路63の一方の、下流側の、端部に流体連通した入口開口65を有する。この入口開口65は、空気流がそこを通して配送されるときに流れ制限を与えると共に、空気流が流路63を通して配送される前に、カプセルCの一方の、下側の、端部に対する座部として作用する。
【0026】
カプセル包含部材49は更に、複数の、この実施形態では、第1及び第2の穿孔開口71,73を、その横方向壁に有する。これは、カプセルCが、その軸方向の長さに沿って離された複数の箇所で穿孔されることを可能にするためである。この実施形態では、カプセルCの下端が流路63の入口開口65内に着座させられているときに、カプセルCが、それによって含有された1ドーズ分の物質の高さより上の箇所で穿孔されるように、第1の、下側の開口71は配置されている。このようにして、カプセルCによって含有された1ドーズ分の物質は、空気流が流路63を通して配送されるまで、流路63中に放出されることはない。
【0027】
この実施形態では、ノーズピースユニット17は、配送装置の各動作後に交換される交換可能なユニットとして設けられている。この実施形態では、ノーズピースユニット17は、気密パッケージング、例えばアルミ箔パッケージに包装され得る。
【0028】
1つの代替実施形態では、カプセル包含部材49だけが交換可能であって、各動作後に交換される。この場合、ノーズピース47は、カプセル包含部材49の他方の、下流端に封止嵌合される。この実施形態では、カプセル包含部材49は、気密パッケージング、例えばアルミ箔パッケージに包装され得る。
【0029】
別のもう1つの代替実施形態では、ノーズピースユニット17は、再使用可能なユニットとして設けられている。この場合、カプセル包含部材49は、ノーズピース47から分離可能であって、配送装置の動作後にカプセルCの交換を可能にする。この実施形態では、カプセルCは、気密パッケージング、例えばアルミ箔パッケージに包装され得る。
【0030】
マウスピースユニット19は、この実施形態では患者の唇で把持されるようなマウスピース77を備える。このマウスピースを通して患者が呼気することによって、カプセル受けユニット16を通して飛沫同伴用の空気流を配送する。また、マウスピースユニットは、空気室78、この実施形態では長尺な管状セクションを備える。この空気室は、マウスピース77とカプセル受けユニット16の感圧弁26とを流体的に接続する。
【0031】
この実施形態では、空気室78は、カプセル受けユニット16のカプセル受け部材23より大きな容積を持ち、好ましくはカプセル受け部材23の少なくとも2倍の容積を持つ。
【0032】
この実施形態では、空気室78は、ここでは呼気された空気流を冷却するための凝縮器として形成された温度調節器79を、少なくともその上流端に組み込んでいる。この構成によって、呼気される空気流は、呼気の間に冷却され、そして空気室78によって包含された所定容積の冷却された空気は、感圧弁26の解放の前に利用可能となる。
【0033】
この実施形態では、温度調節器79は、迷路構造を持つ。もう1つの実施形態では、温度調節器79は、微生物学的フィルタとしても作用することができるフィルタ要素によって設けられる。
【0034】
1つの実施形態では、温度調節器79は、その中に収集された凝縮物を、配送装置が使用されていないときに、乾燥するための手段を含むことができる。
【0035】
1つの実施形態では、空気室78は、取り外し可能であって、クリーニング又は交換を可能にする。
【0036】
この配置は、カプセルCから物質を配送する場合に、配送装置の信頼性のある動作に備えるものであることが見出されている。本発明者は、呼気された湿った空気を直接カプセルCに与えると、時にカプセルCの必要な回転が妨げられ、それによりカプセルによって包含された物質の適切な放出が妨げられることを確認した。一定容積の冷却された空気を与え、そしてその容積の冷却された空気がバーストで最初に配送されることを計画することによって、カプセルCの必要な回転が繰り返し見られる。
【0037】
カプセル穿孔機構20は、ハウジング15の横方向開口22を通して延びるアクチュエータ釦81を備えて、患者による動作を可能にする。カプセル穿孔機構はまた、複数の、この実施形態では、アクチュエータ釦81によって支持されてその前方に延びた第1及び第2のカプセル穿孔要素83,85を備える。このため、アクチュエータ釦81を、図1(a)に示すような後退位置から、図1(b)に示すような伸長位置まで押し下げると、穿孔要素83,85は、カプセル包含部材49の横方向壁の穿孔開口71,73のそれぞれを通して駆動され、カプセルCに穿孔する。
【0038】
この実施形態では、カプセル穿孔機構20は、アクチュエータ釦81を後退位置へ向けて外側にバイアスするように作用する弾性要素87を有する。このため、アクチュエータ釦81を押し下げてカプセルCに穿孔した後に、アクチュエータ釦81は後退位置へ戻される。この実施形態では、弾性要素87は、アクチュエータ釦81の一体的部分として形成されているが、他の実施形態では、別体の要素、例えば圧縮スプリングによって設けられる。
【0039】
この配送装置の動作が以下で説明される。
【0040】
先ず、図1(a)に示すように、配送装置を手にとり、そしてノーズピースユニット17をハウジング15に挿入して、患者は、図1(b)に示すように、カプセル穿孔機構20のアクチュエータ釦81を押し下げて、カプセル包含部材49に包含されたカプセルCに穿孔する。
【0041】
アクチュエータ釦81を押し下げることによって、カプセルCは、カプセル穿孔要素83,85によって、その軸方向の長さに沿って離された2つの箇所で穿孔される。この実施形態では、第1の、下側の穿孔要素83は、カプセルCによって包含された物質の高さより少し上の箇所でカプセルCに穿孔するように作用する(カプセルCは部分的にのみ満たされている)。そして、第2の、上側の穿孔要素85は、カプセルCの上側の、遠端に穿孔するように作用する。
【0042】
それからアクチュエータ釦81は解放され、このことにより、アクチュエータ釦81は、図1(c)に示すように、バイアス要素87のバイアスによって後退位置へ戻される。このようにして、配送装置は準備され、使用に備える。
【0043】
それから患者は、図1(d)に示すように、ノーズピース53を自らの鼻孔の一方へ挿入し、マウスピース77を自らの唇で把持し、マウスピース77を通して呼気を始める。最初に、この呼気は、感圧弁26による抵抗を受け、これによりカプセル包含部材49を通り、そしてカプセルCを超える空気流の配送が防げられる。
【0044】
患者が十分な力で呼気して、所定の圧力よりも大きな圧力を感圧弁26の上流に発生すると、図1(e)に示すように、感圧弁26は開放されて、カプセル包含部材49を通る空気の突然の流れを、空気のバーストとして生ずる。
【0045】
空気のバーストは、カプセル包含部材49の入口開口65によって規定される座部からカプセルCを上昇させ、そしてカプセルCの回転を開始するように作用する。この回転は、カプセルC内から物質が放出されるように作用する。継続した呼気によって、カプセルCは、回転を続ける。
【0046】
呼気の後に、図1(f)に示すように、感圧弁26は、閉鎖された、封止位置へ戻され、そして今は空になったカプセルCは、休止位置へ戻される。
【0047】
配送装置のこの動作は、新たなカプセルCについても繰り返される。上述したように、この実施形態では、ノーズピースユニット17全体が交換されるが、他の実施形態では、カプセル包含部材49又はカプセルCだけのいずれかが交換される。
【0048】
図2(a)〜(f)は、本発明の第2の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【0049】
この実施形態の配送装置は、上述した第1の実施形態の配送装置と非常に良く似ているので、説明の不必要な重複を避けるために、違いだけが詳細に説明される。
【0050】
この実施形態の配送装置が上述した第1の実施形態と異なるのは、ノーズピース53が第1及び第2のチャネル55a,55b、この実施形態ではカプセル包含部材49の縦軸に中心を持つ同心環状チャネルを有する点である。この場合、第1の、内側チャネル55aは、カプセル包含部材49の下流端に流体的に接続され、カプセルCに包含された物質がそこを通して配送される。また、第2の、外側チャネル55bは、導管チャネル91によって、マウスピース77に対し、この実施形態では空気室78の上流で流体的に接続されている。
【0051】
この配置によって、集束された粉体エアゾールが、内側チャネル55aの出口端から配送され、そしてマウスピース77から配送される同軸的な空気流によって飛沫同伴される。この配置は、経鼻エアウエイの特定領域、特に後部領域、例えば嗅覚領域を標的化する場合に特に有利である。この飛沫同伴する空気流はカプセルCを超えないので、飛沫同伴する空気流の湿度は、重要ではない。
【0052】
図3(a)〜(f)は、本発明の第3の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【0053】
この配送装置は、中央支持スピンドル105を有するハウジング101と、中身が患者の鼻腔に配送される複数の物質含有カプセルCを搬送すると共に、ハウジング101に対し移動可能に配設された、この実施形態では支持スピンドル105を中心としてハウジング101に対し回転可能に搭載されたキャリア109と、患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースユニット119と、患者がそれを通して呼気するマウスピースユニット121と、この実施形態では同時に一対のカプセルCに穿孔し、これにより配送装置を動作用に準備するように動作可能なカプセル穿孔機構123とを備える。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0054】
この実施形態では、カプセルCは、粒状物質、例えば粉末状物質、典型的には医薬物質を含有した通常のゼラチンカプセルである。
【0055】
キャリア109は、本体部材131、この実施形態では環状要素と、各々がカプセルCを包含した複数のカプセル包含部材133とを備える。これらカプセル包含部材は、隣接する対として、支持スピンドル105を中心として対称的に配設されている。このため、キャリア109が新たな位置に対し逐次位置決めされるときに、新たな対のカプセル包含部材133は、カプセル穿孔機構123に対し位置決めされる。
【0056】
この実施形態では、カプセル包含部材133は各々、この実施形態では円筒形の形状の長尺な流路139を規定する管状要素137を備える。この流路内では、カプセルCがそれに沿って軸方向に方位付けされ、空気流がそこを通して配送されるときに、その中で回転可能にされる。また、カプセル包含部材は各々、管状要素137の対向する下側及び上側端部を封止する第1及び第2の封止部材141,142を備える。
【0057】
この実施形態では、カプセル包含部材133は各々、複数の、この実施形態では、第1及び第2の穿孔開口143,144を、その横方向壁に有する。これは、カプセルCが、その軸方向の長さに沿って離された複数の箇所で穿孔されることを可能にするためである。この実施形態では、カプセルCが、それによって含有された1ドーズ分の物質の高さより上の箇所で穿孔されるように、第1の、下側の開口143は配置されている。このようにして、カプセルCによって含有された1ドーズ分の物質は、空気流が流路139を通して配送されるまで、流路139中に放出されることはない。
【0058】
ノーズピースユニット119は、本体部材145を備える。この本体部材は、ハウジング101に対し移動可能に、この実施形態では旋回可能に結合されて、ノーズピースユニット119が仕舞い込まれた図3(a)に示す第1の、非動作位置と、図3(c)に示す第2の、動作位置の間を移動可能である。このノーズピースユニットはまた、本体部材145の外側に延びて、患者の鼻孔に嵌合するためのノーズピース147を備える。
【0059】
この実施形態では、本体部材145は、ノーズピースユニット119が動作位置にあるときに、隣りの対のカプセル包含部材133の流路139をノーズピース147に流体的に接続する流れチャネル149を有する。
【0060】
この実施形態では、本体部材145は、ノーズピースユニット119が動作位置にあるときに、隣りの対のカプセル包含部材133の上側封止部材142を切断することに適用される第1及び第2のカッター151を有する。
【0061】
この実施形態では、本体部材145は、キャッチ部材155を有する。このキャッチ部材は、ノーズピースユニット119が動作位置から又は動作位置へある程度まで旋回されるときに、ここでは前向きの先細表面を与えるダイヤモンド形の断面を持つ。このキャッチ部材は、カプセル穿孔部材123を部分的に動作させ、またノーズピースユニット119を動作位置にラッチするように作用する。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0062】
この実施形態では、ノーズピース147は、患者の鼻孔への挿入用に実質的に切頭円錐形の外側セクション157を有して、それとの間に流体緊密封止を与えるようにする。また、ノーズピースは、内側チャネル159を有し、そこを通して物質が患者の鼻腔に配送される。この実施形態では、ノーズピース147は、患者の鼻孔との間に流体緊密封止を与える場合、出願人の先行WO−A−00/51672に開示されているように、患者の経鼻エアウエイを通しての双方向配送に備える。しかしながら、もう1つの実施形態では、ノーズピース147は、封止嵌合を与える必要がないので、鼻腔への配送は包含するが、双方向配送を包含する必要はない。
【0063】
マウスピースユニット121は、本体部材165を備える。この本体部材は、ハウジング101に対し移動可能に、この実施形態では旋回可能に結合されて、マウスピースユニット121が仕舞い込まれた図3(a)に示す第1の、非動作位置と、図3(c)に示す第2の、動作位置の間を移動可能である。このマウスピースユニットはまた、本体部材165の外側に延びるマウスピース167を備える。このマウスピースは、この実施形態では患者の唇に把持され、そこを通して患者が呼気して、空気流を飛沫同伴する。このマウスピースユニットは更に、弁ユニット169を備える。この弁ユニットは、流体的に動作して、連続した呼気サイクルで、マウスピース167を隣りの対のカプセル包含部材133のそれぞれに接続する。
【0064】
この実施形態では、弁ユニット169は、マウスピース167内に発生された圧力を検出するように動作する圧力センサと、2つの流れチャネルを有した電気−機械弁とを備える。この電気−機械弁は、例えば流体的に切換可能であって、マウスピース167を先ず一対のカプセル包含部材133の一方に接続し、それから周囲圧力への復帰によって表される最初の呼気サイクルの後に、この対のカプセル包含部材133の他方に接続する。
【0065】
この実施形態では、本体部材165は、マウスピースユニット121が動作位置にあるときに、隣りの対のカプセル包含部材133の下側封止部材141を切断することに適用される第1及び第2のカッター171を有する。
【0066】
この実施形態では、本体部材165は、キャッチ部材175を有する。このキャッチ部材は、マウスピースユニット121が動作位置から又は動作位置へある程度まで旋回されるときに、ここでは前向きの先細表面を与えるダイヤモンド形の断面を持つ。このキャッチ部材は、カプセル穿孔部材123を部分的に動作させ、またマウスピースユニット121を動作位置にラッチするように作用する。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0067】
カプセル穿孔部材123は、第1及び第2の穿孔ユニット181を備える。これらの穿孔ユニットは、逆向きの背中合わせの関係で配設され、ノーズピースユニット119及びマウスピースユニット121が仕舞い込まれた非動作位置から動作位置へ移動することによって作動される。
【0068】
穿孔ユニット181の各々は、アクチュエータ釦182と、複数の、この実施形態では、アクチュエータ釦182によって支持されてその前方に延びた第1及び第2のカプセル穿孔要素183,185を備える。このため、アクチュエータ釦182を、図3(a)に示すような後退位置から、図3(b)に示すような伸長位置まで押し下げると、穿孔要素183,185は、カプセル包含部材133の横方向壁の穿孔開口143,144のそれぞれを通して駆動され、カプセルCに穿孔する。
【0069】
この実施形態では、カプセル穿孔ユニット181は各々、それぞれのアクチュエータ釦182を後退位置へ向けて内側にバイアスするように作用する弾性要素187を有する。このため、アクチュエータ釦182を押し下げてカプセルCに穿孔した後に、アクチュエータ釦81は後退位置へ戻される。
【0070】
この実施形態では、アクチュエータ釦182は各々、ここではV字型の断面を有する第1及び第2の凹部189,191をその裏面に有する。これらの凹部は、ノーズピースユニット及びマウスピースユニット119,121の本体部材145,165上のキャッチ155,175のそれぞれに係合して、それらを動作位置にラッチするするように構成されている。
【0071】
この配送装置の動作が以下で説明される。
【0072】
先ず、患者は、キャリア109を位置決めして、図3(a)に示すように、次の対のカプセル包含部材133をカプセル穿孔部材123に向けるようにする。
【0073】
それから患者は、ノーズピースユニット119とマウスピースユニット121を、この実施形態ではそれらをハウジング101に対して旋回させることによって、図3(b)及び(c)に示すように、それぞれの動作位置へ移動させる。
【0074】
ノーズピースユニット119とマウスピースユニット121をそれぞれの動作位置へ移動させる場合、ノーズピースユニット119の本体部材145上のキャッチ部材155とマウスピースユニット121の本体部材165上のキャッチ部材175は、穿孔ユニット181の対向するアクチュエータ釦182のそれぞれの端部の間に係合して、図3(b)に示すように、アクチュエータ釦182を外向きにバイアスすると共に、カプセル包含部材133に包含されたカプセルCに穿孔する。
【0075】
アクチュエータ釦182を押し下げることによって、カプセルCは、カプセル穿孔要素183,185によって、その軸方向の長さに沿って離された2つの箇所で穿孔される。この場合、穿孔要素183,185は、カプセル包含部材133の管状要素137の横方向壁の穿孔開口143,144を通して延びている。この実施形態では、第1の、下側の穿孔要素183は、カプセルCによって包含された物質の高さより少し上の箇所でカプセルCに穿孔するように作用する(カプセルCは部分的にのみ満たされている)。そして、第2の、上側の穿孔要素185は、カプセルCの上側の、遠端に穿孔するように作用する。
【0076】
ノーズピースユニット119とマウスピースユニット121をそれぞれの動作位置へ更に移動させると、ノーズピースユニット119の本体部材145上のキャッチ部材155と、マウスピースユニット121の本体部材165上のキャッチ部材175は、図3(c)に示すように、穿孔ユニット181の対向するアクチュエータ釦182の裏面のそれぞれの凹部189,191に係合する。この場合、アクチュエータ釦182は、バイアス要素187のバイアスを受けて後退位置へ戻され、これによりノーズピースユニット119とマウスピースユニット121は、それぞれの動作位置にラッチされる。
【0077】
また、ノーズピースユニット119とマウスピースユニット121の動作位置への移動によって、ノーズピースユニット119の本体部材145上のカッター151は、カプセル包含部材133の上側封止部材142を破断するように作用する。また、マウスピースユニット121の本体部材165上のカッター171は、カプセル包含部材133の下側封止部材141を破断するように作用する。
【0078】
それから患者は、図3(d)に示すように、ノーズピース147を自らの鼻孔の一方へ挿入し、マウスピース167を自らの唇で把持し、マウスピース167を通して呼気を始める。
【0079】
この第1の呼気サイクルにおいて、弁ユニット169は、呼気された空気流を一対のカプセル包含部材133の一方を通して案内するように構成されている。この空気流は、カプセルCを持ち上げると共にカプセルCの回転を起こすように作用する。この回転は、カプセルC内から物質を放出するように作用する。連続した呼気によって、カプセルCは回転を続ける。
【0080】
呼気の後に、今は空になったカプセルCは休止位置に戻り、そして、マウスピース167内の圧力の不存在によって検出されるように、弁ユニット169は、再構成される。この場合、マウスピース167は、一対のカプセル包含部材133の他方に対し流体的に接続され、これにより後続の呼息によって発生される空気流は、一対のカプセル包含部材133の他方を通して案内される。
【0081】
1つの動作モードでは、図3(e)に示すように、ノーズピース147は、患者の鼻孔の他方に挿入され、そして患者はマウスピース167を自らの唇で把持して、マウスピース167を通して呼気する。
【0082】
この第2の、後続の呼気サイクルにおいて、弁ユニット169は、呼気された空気流を一対のカプセル包含部材133の他方を通して案内するように構成されている。この空気流は、カプセルCを持ち上げると共にカプセルCの回転を起こすように作用する。この回転は、カプセルC内から物質を放出するように作用する。連続した呼気によって、カプセルCは回転を続ける。
【0083】
この動作モードでは、同じか全く異なる物質が、患者の鼻腔の各々に配送される。
【0084】
呼気の後に、今は空になったカプセルCは休止位置に戻る。
【0085】
一対のカプセル包含部材133内のカプセルCが異なる物質を含有していて、これらの物質が双方とも一方の鼻腔に配送される他の動作モードでは、ノーズピース147は、患者の他方の鼻孔に移動されることはない。
【0086】
この配送装置の使用後に、ノーズピースユニット119とマウスピースユニット121は、それぞれの仕舞い込まれた非動作位置へ、この実施形態では、図3(f)に示すように、それらをハウジング101に対して旋回させることによって戻される。
【0087】
ノーズピースユニット119とマウスピースユニット121を非動作位置へ移動させる場合、ノーズピースユニット119の本体部材145上のキャッチ部材155と、マウスピースユニット121の本体部材165上のキャッチ部材175は、穿孔ユニット181の対向するアクチュエータ釦182の裏面の凹部189,191との係合から解放される。
【0088】
配送装置のこの動作は、それから続いて次の対のカプセルCに対して繰り返され得る。
【0089】
図4(a)〜(f)は、本発明の第4の実施形態に係る経鼻配送装置を描いている。
【0090】
この配送装置は、中央支持スピンドル205を有するハウジング201を備える。キャリア209は、患者の鼻腔にその中身が配送される複数の物質含有ブリスターBを搬送すると共に、ハウジング201に対し移動可能に配設され、この実施形態では支持スピンドル205を中心としてハウジング201に対し回転可能に搭載されている。インターフェースアセンブリ211は、患者に対するインターフェースを与える。ラッチ機構223は、このインターフェースアセンブリ211を動作位置にラッチするように作用する。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0091】
この実施形態では、ブリスターBは、粒状物質、例えば粉末状物質、典型的には医薬物質を含有した通常のブリスターである。
【0092】
キャリア209は、本体部材231、この実施形態では環状要素と、複数のブリスターBとを備える。これらブリスターは、隣接する対として、支持スピンドル205を中心として対称的に配設されている。このため、キャリア209が新たな位置に対し逐次位置決めされるときに、新たな対のブリスターBは、インターフェースアセンブリ211の動作位置に対して位置決めされる。
【0093】
インターフェースアセンブリ211は、本体部材235を備える。この本体部材は、ハウジング201に対し移動可能に、この実施形態では旋回可能に結合されて、インターフェースアセンブリ211が仕舞い込まれた図4(a)に示す第1の、非動作位置と、図4(c)に示す第2の、動作位置の間を移動可能である。ノーズピースユニット219は、本体部材235の外側に延びて、患者の鼻孔に嵌合するためのノーズピース247を有する。マウスピースユニット221は、この実施形態では患者の唇で把持されるように、本体部材235の外側に延びたマウスピース249を有し、それを通して患者は呼気して、飛沫同伴する空気流を配送する。弁ユニット251は、流体的に動作して、連続的な呼気サイクルで、マウスピース249を隣りの対の開放されたブリスターBのそれぞれに接続する。
【0094】
この実施形態では、本体部材235は、インターフェースアセンブリ211が動作位置にあるときに、隣りの対のブリスターBをノーズピース249に対し流体的に接続する流れチャネル259を有する。
【0095】
この実施形態では、本体部材235は、インターフェースアセンブリ211が動作位置にあるときに、隣りの対のブリスターBの封止部材を切断することに適用される第1及び第2のカッター261を有する。
【0096】
この実施形態では、本体部材235は、キャッチ部材265を有する。このキャッチ部材は、インターフェースアセンブリ211が動作位置から又は動作位置へある程度まで旋回されるときに、ここでは前向きの先細表面を与えるダイヤモンド形の断面を持つ。このキャッチ部材は、インターフェースアセンブリ211を動作位置にラッチするように作用する。この点は、以下で更に詳細に説明される。
【0097】
この実施形態では、ノーズピース247は、患者の鼻孔への挿入用に実質的に切頭円錐形の外側セクション267を有して、それとの間に流体緊密封止を与えるようにする。また、ノーズピースは、内側チャネル269を有し、そこを通して物質が患者の鼻腔に配送される。この実施形態では、ノーズピース247は、患者の鼻孔との間に流体緊密封止を与える場合、出願人の先行WO−A−00/51672に開示されているように、患者の経鼻エアウエイを通しての双方向配送に備える。しかしながら、もう1つの実施形態では、ノーズピース247は、封止嵌合を与える必要がないので、鼻腔への配送は包含するが、双方向配送を包含する必要はない。
【0098】
この実施形態では、弁ユニット251は、マウスピース249内に発生された圧力を検出するように動作する圧力センサと、2つの流れチャネルを有した電気−機械弁とを備える。この電気−機械弁は、例えば流体的に切換可能であって、マウスピース249を先ず一対のブリスターBの一方に接続し、それから周囲圧力への復帰によって表される最初の呼気サイクルの後に、この対のブリスターBの他方に接続する。
【0099】
ラッチ機構223は、逆向きの背中合わせの関係で配設された第1及び第2のラッチ要素281を備える。これらラッチ要素は各々、ラッチ本体282と、このラッチ本体282をラッチ位置に向けて前方へバイアスするように作用する弾性要素287とを有する。
【0100】
この実施形態では、ラッチ本体282は各々、ここではV字型の断面を有する凹部289をその裏面に有する。この凹部は、インターフェースアセンブリ211が動作位置にあるときに、インターフェースアセンブリ211の本体部材235上のキャッチ265と係合するように作用する。
【0101】
この配送装置の動作が以下で説明される。
【0102】
先ず、患者は、キャリア209を位置決めして、図4(a)に示すように、次の対のブリスターBをインターフェースアセンブリ211の動作位置に向けるようにする。
【0103】
それから患者は、インターフェースアセンブリ211を、この実施形態ではそれらをハウジング201に対して旋回させることによって、図4(b)及び(c)に示すように、動作位置へ移動させる。
【0104】
インターフェースアセンブリ211を動作位置へ移動させる場合、インターフェースアセンブリ211の本体部材235上のキャッチ部材265は、ラッチユニット281のラッチ本体282のそれぞれの端部の間に係合して、図4(b)に示すように、ラッチ本体282を外向きにバイアスする。
【0105】
インターフェースアセンブリ211を動作位置へ更に移動させると、インターフェースアセンブリ211の本体部材235上のキャッチ部材265は、図4(c)に示すように、ラッチユニット281の対向するラッチ本体282の裏面のそれぞれの凹部289に係合する。この場合、ラッチ本体282は、バイアス要素287のバイアスを受けて後退位置へ戻され、これによりインターフェースアセンブリ211は動作位置にラッチされる。
【0106】
また、インターフェースアセンブリ211の動作位置への移動によって、インターフェースアセンブリ211の本体部材235上のカッター261は、隣の対のブリスターBの封止部材を破断するように作用する。
【0107】
それから患者は、図4(d)に示すように、ノーズピース247を自らの鼻孔の一方へ挿入し、マウスピース249を自らの唇で把持し、マウスピース249を通して呼気を始める。
【0108】
この第1の呼気サイクルにおいて、弁ユニット251は、呼気された空気流を一対のブリスターBの一方を通して案内するように構成されている。この空気流は、ブリスターBからの物質を飛沫同伴するように作用する。
【0109】
呼気の後に、ブリスターBは空になり、そして、マウスピース249内の圧力の不存在によって検出されるように、弁ユニット251は再構成される。この場合、マウスピース249は、一対のブリスターBの他方に対し流体的に接続され、これにより後続の呼息によって発生される空気流は、一対のブリスターBの他方を通して案内される。
【0110】
1つの動作モードでは、図4(e)に示すように、ノーズピース247は、患者の鼻孔の他方に挿入され、そして患者はマウスピース249を自らの唇で把持して、マウスピース249を通して呼気する。
【0111】
この第2の、後続の呼気サイクルにおいて、弁ユニット251は、呼気された空気流を一対のブリスターBの他方を通して案内するように構成されている。この空気流は、ブリスターBからの物質を飛沫同伴するように作用する。
【0112】
この動作モードでは、同じか全く異なる物質が、患者の鼻腔の各々に配送される。
【0113】
呼気の後に、ブリスターBは空にされる。
【0114】
ブリスターBが異なる物質を含有していて、これらの物質が双方とも一方の鼻腔に配送される他の動作モードでは、ノーズピース247は、患者の他方の鼻孔に移動されることはない。
【0115】
この配送装置の使用後に、インターフェースアセンブリ211は、仕舞い込まれた非動作位置へ、この実施形態では、図4(f)に示すように、それらをハウジング201に対して旋回させることによって戻される。
【0116】
インターフェースアセンブリ211を仕舞い込まれた位置へ移動させる場合に、インターフェースアセンブリ211の本体部材235上のキャッチ部材265は、ラッチユニット281の対向するラッチ本体282の裏面の凹部289との係合から解放される。
【0117】
配送装置のこの動作は、それから続いて次の対のブリスターBに対して繰り返され得る。
【0118】
最後に、本発明は、その好ましい実施形態について説明されてきたが、添付された請求の範囲によって規定される発明の範囲から逸脱することなく、多くの異なる手法で変形され得るものであることは理解されるであろう。
【0119】
1つの変形例では、配送装置は、複数のカプセル包含部材49を有する回転可能なキャリッジを有するように変形され得る。これらカプセル包含部材は各々、カプセル受けユニット16のカプセル受け部材23に対し連続的に位置決めされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の鼻腔に物質を配送するための経鼻配送装置であって、
患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を包含した容器包含部材を受け入れるための容器室を備えた容器受けユニットと、
患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースを有し、容器室の出口に流体連通しているノーズピースユニットと、
容器室の入口に流体連通したマウスピースを有すると共に、そこを通して使用時に患者が呼気して、容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を配送するマウスピースユニットと
を備え、
前記容器室は、入口及び出口を有し、
前記容器包含部材は、容器が配設される流路を有し、そこを通して空気流が配送されるときに容器が流路内部で回転可能にされる
ことを特徴とする配送装置。
【請求項2】
マウスピースユニットは更に、マウスピースを容器室の入口に流体接続する空気室を備える請求項1に記載の配送装置。
【請求項3】
空気室は、長尺な管状セクションを有する請求項2に記載の配送装置。
【請求項4】
空気室は、容器室より大きな容積を持つ請求項2又は3に記載の配送装置。
【請求項5】
空気室は、容器室の少なくとも2倍の容積を持つ請求項4に記載の配送装置。
【請求項6】
空気室は、そこを通して呼気される空気流の温度を調節するための温度調節器を組み込んでいる請求項2〜5のいずれかに記載の配送装置。
【請求項7】
温度調節器は、呼気された空気流を冷却するように動作する請求項6に記載の配送装置。
【請求項8】
温度調節器は、少なくとも空気室の上流端に配置されている請求項6又は7に記載の配送装置。
【請求項9】
温度調節器は、空気室を実質的に満たしている請求項8に記載の配送装置。
【請求項10】
温度調節器は、迷路型凝縮器を備える請求項6〜9のいずれかに記載の配送装置。
【請求項11】
容器室の入口に流体連通した感圧弁を更に備え、感圧弁の上流に所定の圧力が発生されるまで容器室の入口を閉鎖するように構成されている請求項1〜10のいずれかに記載の配送装置。
【請求項12】
感圧弁は、閉鎖された封止位置に常時バイアスされているフラップ部材を備える請求項11に記載の配送装置。
【請求項13】
フラップ部材は、ピボットを中心としてヒンジ動作可能であり、また感圧弁は、フラップ部材を閉鎖位置に常時バイアスする弾性要素を有する請求項12に記載の配送装置。
【請求項14】
感圧弁は、容器室の入口に隣接して配置されている請求項11〜13のいずれかに記載の配送装置。
【請求項15】
容器受けユニットは、前記感圧弁を備える請求項11〜14のいずれかに記載の配送装置。
【請求項16】
ノーズピースユニットは、取り外し可能である請求項1〜15のいずれかに記載の配送装置。
【請求項17】
ノーズピースユニットは更に、容器を包含して、使用時に容器室に嵌合される容器包含部材を備える請求項16に記載の配送装置。
【請求項18】
容器を包含して、使用時に容器室に嵌合される交換可能な容器包含部材を更に備える請求項1〜15のいずれかに記載の配送装置。
【請求項19】
ノーズピースユニットは、交換可能である請求項16〜18のいずれかに記載の配送装置。
【請求項20】
容器包含部材は、再使用可能で、ノーズピースと別に交換可能である請求項16〜18のいずれかに記載の配送装置。
【請求項21】
容器は、交換可能であり、そしてノーズピースと容器包含部材は、再使用可能である請求項16〜18のいずれかに記載の配送装置。
【請求項22】
容器包含部材は、流路の一方の上流端に流体連通した入口開口を有し、この入口開口は、そこを通して空気流が配送されるときに流れ制限を与える請求項1〜21のいずれかに記載の配送装置。
【請求項23】
入口開口は、空気流が流路を通して配送される前に、容器の下端に対する座部を与える請求項22に記載の配送装置。
【請求項24】
容器室に受け入れられた容器を開放するように動作する容器開放機構を更に備える請求項1〜23のいずれかに記載の配送装置。
【請求項25】
容器開放機構は、容器に穿孔してそれを開放するようにするための少なくとも1つの穿孔要素を有する請求項24に記載の配送装置。
【請求項26】
容器開放機構は、容器の長さに沿って離れた複数の箇所で容器に穿孔するための複数の穿孔要素を有する請求項25に記載の配送装置。
【請求項27】
容器は、部分的にのみ満たされており、また容器開放機構は、第1及び第2の穿孔要素を有し、穿孔要素の一方は、容器が満たされているレベルよりも上の高さで容器に穿孔するように構成され、そして穿孔要素の他方は、容器の上側領域に穿孔するように構成されている請求項26に記載の配送装置。
【請求項28】
容器は、カプセルである請求項1〜27のいずれかに記載の配送装置。
【請求項29】
物質は、粒状物質を含む請求項1〜28のいずれかに記載の配送装置。
【請求項30】
粒状物質は、粉末状物質を含む請求項29に記載の配送装置。
【請求項31】
患者の鼻腔に物質を配送するための経鼻配送装置であって、
本体部材と、
本体部材によって支持されて、複数の物質含有容器を搬送するキャリアと、
患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースを有したノーズピースユニットと、
使用時に患者がそこを通して呼気するためのマウスピースを有したマウスピースユニットと、
各動作毎に、複数の物質含有容器を開放するように動作する作動機構であって、開放された物質含有容器のそれぞれに対し、連続した呼気サイクルで、マウスピースを流体接続するための弁ユニットを有する作動機構と
を備えることを特徴とする配送装置。
【請求項32】
作動機構は、物質含有容器の2つを開放するように動作する請求項31に記載の配送装置。
【請求項33】
ノーズピースユニットは、本体部材に対し取り外し可能に取り付けられて、非動作位置と動作位置の間を移動可能であり、動作位置において、ノーズピースは、物質含有容器の少なくとも1つと流体連通する請求項31又は32に記載の配送装置。
【請求項34】
マウスピースユニットは、本体部材に対し取り外し可能に取り付けられて、非動作位置と動作位置の間を移動可能であり、動作位置において、マウスピースは、物質含有容器の少なくとも1つと流体連通する請求項31〜33のいずれかに記載の配送装置。
【請求項35】
ノーズピースユニットとマウスピースユニットは、本体部材に対し取り外し可能に取り付けられたアクチュエータアセンブリ内に一緒に設けられている請求項33及び34に記載の配送装置。
【請求項36】
物質含有容器は、ブリスターである請求項31〜35のいずれかに記載の配送装置。
【請求項37】
物質含有容器は、カプセルである請求項31〜35のいずれかに記載の配送装置。
【請求項1】
患者の鼻腔に物質を配送するための経鼻配送装置であって、
患者の鼻腔に配送されるべき物質を含有した物質含有容器を包含した容器包含部材を受け入れるための容器室を備えた容器受けユニットと、
患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースを有し、容器室の出口に流体連通しているノーズピースユニットと、
容器室の入口に流体連通したマウスピースを有すると共に、そこを通して使用時に患者が呼気して、容器からの物質を飛沫同伴すると共にノーズピースを通して同物質を配送するマウスピースユニットと
を備え、
前記容器室は、入口及び出口を有し、
前記容器包含部材は、容器が配設される流路を有し、そこを通して空気流が配送されるときに容器が流路内部で回転可能にされる
ことを特徴とする配送装置。
【請求項2】
マウスピースユニットは更に、マウスピースを容器室の入口に流体接続する空気室を備える請求項1に記載の配送装置。
【請求項3】
空気室は、長尺な管状セクションを有する請求項2に記載の配送装置。
【請求項4】
空気室は、容器室より大きな容積を持つ請求項2又は3に記載の配送装置。
【請求項5】
空気室は、容器室の少なくとも2倍の容積を持つ請求項4に記載の配送装置。
【請求項6】
空気室は、そこを通して呼気される空気流の温度を調節するための温度調節器を組み込んでいる請求項2〜5のいずれかに記載の配送装置。
【請求項7】
温度調節器は、呼気された空気流を冷却するように動作する請求項6に記載の配送装置。
【請求項8】
温度調節器は、少なくとも空気室の上流端に配置されている請求項6又は7に記載の配送装置。
【請求項9】
温度調節器は、空気室を実質的に満たしている請求項8に記載の配送装置。
【請求項10】
温度調節器は、迷路型凝縮器を備える請求項6〜9のいずれかに記載の配送装置。
【請求項11】
容器室の入口に流体連通した感圧弁を更に備え、感圧弁の上流に所定の圧力が発生されるまで容器室の入口を閉鎖するように構成されている請求項1〜10のいずれかに記載の配送装置。
【請求項12】
感圧弁は、閉鎖された封止位置に常時バイアスされているフラップ部材を備える請求項11に記載の配送装置。
【請求項13】
フラップ部材は、ピボットを中心としてヒンジ動作可能であり、また感圧弁は、フラップ部材を閉鎖位置に常時バイアスする弾性要素を有する請求項12に記載の配送装置。
【請求項14】
感圧弁は、容器室の入口に隣接して配置されている請求項11〜13のいずれかに記載の配送装置。
【請求項15】
容器受けユニットは、前記感圧弁を備える請求項11〜14のいずれかに記載の配送装置。
【請求項16】
ノーズピースユニットは、取り外し可能である請求項1〜15のいずれかに記載の配送装置。
【請求項17】
ノーズピースユニットは更に、容器を包含して、使用時に容器室に嵌合される容器包含部材を備える請求項16に記載の配送装置。
【請求項18】
容器を包含して、使用時に容器室に嵌合される交換可能な容器包含部材を更に備える請求項1〜15のいずれかに記載の配送装置。
【請求項19】
ノーズピースユニットは、交換可能である請求項16〜18のいずれかに記載の配送装置。
【請求項20】
容器包含部材は、再使用可能で、ノーズピースと別に交換可能である請求項16〜18のいずれかに記載の配送装置。
【請求項21】
容器は、交換可能であり、そしてノーズピースと容器包含部材は、再使用可能である請求項16〜18のいずれかに記載の配送装置。
【請求項22】
容器包含部材は、流路の一方の上流端に流体連通した入口開口を有し、この入口開口は、そこを通して空気流が配送されるときに流れ制限を与える請求項1〜21のいずれかに記載の配送装置。
【請求項23】
入口開口は、空気流が流路を通して配送される前に、容器の下端に対する座部を与える請求項22に記載の配送装置。
【請求項24】
容器室に受け入れられた容器を開放するように動作する容器開放機構を更に備える請求項1〜23のいずれかに記載の配送装置。
【請求項25】
容器開放機構は、容器に穿孔してそれを開放するようにするための少なくとも1つの穿孔要素を有する請求項24に記載の配送装置。
【請求項26】
容器開放機構は、容器の長さに沿って離れた複数の箇所で容器に穿孔するための複数の穿孔要素を有する請求項25に記載の配送装置。
【請求項27】
容器は、部分的にのみ満たされており、また容器開放機構は、第1及び第2の穿孔要素を有し、穿孔要素の一方は、容器が満たされているレベルよりも上の高さで容器に穿孔するように構成され、そして穿孔要素の他方は、容器の上側領域に穿孔するように構成されている請求項26に記載の配送装置。
【請求項28】
容器は、カプセルである請求項1〜27のいずれかに記載の配送装置。
【請求項29】
物質は、粒状物質を含む請求項1〜28のいずれかに記載の配送装置。
【請求項30】
粒状物質は、粉末状物質を含む請求項29に記載の配送装置。
【請求項31】
患者の鼻腔に物質を配送するための経鼻配送装置であって、
本体部材と、
本体部材によって支持されて、複数の物質含有容器を搬送するキャリアと、
患者の鼻腔に嵌合するためのノーズピースを有したノーズピースユニットと、
使用時に患者がそこを通して呼気するためのマウスピースを有したマウスピースユニットと、
各動作毎に、複数の物質含有容器を開放するように動作する作動機構であって、開放された物質含有容器のそれぞれに対し、連続した呼気サイクルで、マウスピースを流体接続するための弁ユニットを有する作動機構と
を備えることを特徴とする配送装置。
【請求項32】
作動機構は、物質含有容器の2つを開放するように動作する請求項31に記載の配送装置。
【請求項33】
ノーズピースユニットは、本体部材に対し取り外し可能に取り付けられて、非動作位置と動作位置の間を移動可能であり、動作位置において、ノーズピースは、物質含有容器の少なくとも1つと流体連通する請求項31又は32に記載の配送装置。
【請求項34】
マウスピースユニットは、本体部材に対し取り外し可能に取り付けられて、非動作位置と動作位置の間を移動可能であり、動作位置において、マウスピースは、物質含有容器の少なくとも1つと流体連通する請求項31〜33のいずれかに記載の配送装置。
【請求項35】
ノーズピースユニットとマウスピースユニットは、本体部材に対し取り外し可能に取り付けられたアクチュエータアセンブリ内に一緒に設けられている請求項33及び34に記載の配送装置。
【請求項36】
物質含有容器は、ブリスターである請求項31〜35のいずれかに記載の配送装置。
【請求項37】
物質含有容器は、カプセルである請求項31〜35のいずれかに記載の配送装置。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図1(c)】
【図1(d)】
【図1(e)】
【図1(f)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図2(d)】
【図2(e)】
【図2(f)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図3(d)】
【図3(e)】
【図3(f)】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図4(d)】
【図4(e)】
【図4(f)】
【図1(b)】
【図1(c)】
【図1(d)】
【図1(e)】
【図1(f)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図2(d)】
【図2(e)】
【図2(f)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図3(d)】
【図3(e)】
【図3(f)】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図4(d)】
【図4(e)】
【図4(f)】
【公開番号】特開2012−71156(P2012−71156A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252063(P2011−252063)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【分割の表示】特願2007−531824(P2007−531824)の分割
【原出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(302014273)オプティノーズ アズ (16)
【氏名又は名称原語表記】OPTINOSE AS
【住所又は居所原語表記】Lokkaskogen 18C, N−0773 Oslo, Norway
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【分割の表示】特願2007−531824(P2007−531824)の分割
【原出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(302014273)オプティノーズ アズ (16)
【氏名又は名称原語表記】OPTINOSE AS
【住所又は居所原語表記】Lokkaskogen 18C, N−0773 Oslo, Norway
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