説明

結ばれた縫合糸のエンドエフェクタ

【課題】結ばれたエンドエフェクタ、および結び目付きエンドエフェクタを作製する方法を提供すること。
【解決手段】長手方向軸を規定する本体部分;ならびに該本体部分から形成されたエンドエフェクタ10であって、該エンドエフェクタは、形状記憶材料を含有し、そして第一の延長部および第二の延長部を備え、該第一の延長部および該第二の延長部は、該エンドエフェクタが永続的構成にある場合に、該長手方向軸から外向きに逆方向に延び、そして該第一の延長部および該第二の延長部は、該エンドエフェクタが一時的位置にある場合に、該長手方向軸に実質的に沿って延びる、エンドエフェクタ、を備える、縫合糸。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2009年10月1日に出願された米国特許出願番号12/571,806の一部継続出願であり、この米国特許出願は、2008年10月9日に出願された米国仮出願番号61/104,085の利益および優先権を主張する。これらの各々の全開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、医療手順において使用するための縫合糸に関する。より特定すると、本開示は、縫合糸のための結ばれたエンドエフェクタに関する。
【背景技術】
【0003】
医療用縫合糸は、種々の材料から形成され得、そして無限の用途において使用され得る。この縫合糸の近位端は、組織に貫入するために、尖った先端を有し得るか、または針を備え得る。この縫合糸の遠位端は、この縫合糸が組織を通して引かれる際にこの組織内に係合させて維持するための、アンカーまたはエンドエフェクタを備え得る。エンドエフェクタは、多数のサイズおよび構成で利用可能である。代表的に、エンドエフェクタは、この縫合糸からは独立して形成され、そして後に、この縫合糸の遠位端に取り付けられる。
【0004】
多くの例において、医師は、縫合糸を組織内に繋留するために、この縫合糸に結び目を結ぶことを好み得る。医師は、この実施が簡便であることを見出し得るが、縫合糸の端部に形成される結び目は、この縫合糸が組織を通して引き抜かれることを防止するために常に適切であるわけではない(例えば、この結び目が滑る場合、または組織を係合するためには小さすぎる場合)。さらに、結び目(特に、多くの手順における使用のために必要とされる細い縫合糸材料)は、退屈であり、そして時間を浪費する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、結ばれたエンドエフェクタ、および結び目付きエンドエフェクタを作製する方法が、必要とされ続けている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
長手方向軸を規定する本体部分;ならびに
該本体部分から形成されたエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、形状記憶材料を含有し、そして第一の延長部および第二の延長部を備え、該第一の延長部および該第二の延長部は、該エンドエフェクタが永続的構成にある場合に、該長手方向軸から外向きに逆方向に延び、そして該第一の延長部および該第二の延長部は、該エンドエフェクタが一時的位置にある場合に、該長手方向軸に実質的に沿って延びる、エンドエフェクタ、
を備える、縫合糸。
(項目2)
上記エンドエフェクタが、上記本体部分と一体的に形成されている、上記項目に記載の縫合糸。
(項目3)
上記エンドエフェクタが、上記永続的構成にある場合に、上記長手方向軸に対して実質的に平行である、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目4)
上記エンドエフェクタが上記永続的構成にある場合に、該エンドエフェクタが実質的にT字型を規定する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目5)
上記エンドエフェクタが上記一時的構成にある場合に、該エンドエフェクタが上記長手方向軸に対して実質的に平行である、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目6)
上記エンドエフェクタが上記一時的構成にある場合に、該エンドエフェクタが実質的にY字型を規定する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目7)
上記第一の延長部および上記第二の延長部が、複数の巻きを備える、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目8)
上記形状記憶ポリマーが、分解性材料、非分解性材料、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目9)
上記形状記憶ポリマーが、ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリオレフィンコポリマー、フッ素化ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアミン、ポリイミン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリブタエステル、ポリウレタン、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ハロゲン化ビニルポリマー、ハロゲン化ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリクロロフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアリールエーテルケトン、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族、ポリビニルエステル、ビニルモノマーのコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリホスファジン、ポリイミド、エポキシ樹脂、アラミド、レーヨン、スパンデックス、シリコーン、ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される非分解性材料を含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目10)
上記形状記憶ポリマーが、脂肪族ポリエステル、ポリアミド、ポリアミン、ポリアルキレンオキサレート、ポリ(酸無水物)、ポリアミドエステル、コポリ(エーテル−エステル)、ポリ(カーボネート)、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、ポリイミドカーボネート、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリホスファゼン、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリウレタン、ポリマー薬物、生物学的に修飾された生体吸収性ポリマー、およびこれらのコポリマー、ホモポリマー、ならびに組み合わせからなる群より選択される生体吸収性材料を含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目11)
上記形状記憶ポリマーが、ラクチド、グリコリド、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン、トリメチレンカーボネート、トリメチレンカーボネートのアルキル誘導体、δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−デカラクトン、ヒドロキシブチレート、ヒドロキシバレレート、1,4−ジオキセパン−2−オン、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン、2,5−ジケトモルホリン、ピバロラクトン、α,α−ジエチルプロピオラクトン、エチレンカーボネート、エチレンオキサレート、3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、6,8−ジオキサビシクロオクタン−7−オンのホモポリマーおよびコポリマー、ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される脂肪族ポリエステルを含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目12)
上記形状記憶ポリマーが、ポリ(アミノ酸)、コラーゲン、エラスチン、フィブリン、フィブリノゲン、絹、アルブミン、ラミニンおよびフィブロネクチンの配列を含むペプチド、ヒアルロン酸、デキストラン、アルギネート、キチン、キトサン、セルロース、グリコサミノグリカン、ガット、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、三酢酸セルロース、硫酸セルロースナトリウム塩、ニトロセルロース、キトサン、ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される生分解性ポリマーを含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目13)
上記形状記憶ポリマーが、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジメタクリレート、オリゴ(ε−カプロラクトン)ブチルアクリレート、(アクリル酸n−ブチル)、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール/オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールコポリマー、ポリカプロラクトンジメタクリレートポリ(アクリル酸ブチル)ブレンド、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーを含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目14)
上記形状記憶ポリマーが、ポリジオキサノンとポリラクチドとのブロックコポリマーを含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目15)
上記ポリジオキサノンが、上記コポリマーの約5mol%〜約20mol%の量で存在し、そして上記ポリラクチドが、該コポリマーの約80mol%〜約95mol%の量で存在する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目16)
上記形状記憶ポリマーが、トリメチレンカーボネートとポリラクチドとのブロックコポリマーを含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目17)
上記トリメチレンカーボネートが、上記コポリマーの約5mol%〜約20mol%の量で存在し、そして上記ポリラクチドが、該コポリマーの約80mol%〜約95mol%の量で存在する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目18)
長手方向軸を規定する本体部分;ならびに
該本体部分から一体的に形成されたエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、形状記憶材料を含有し、そして第一の延長部および第二の延長部を備え、該第一の延長部および該第二の延長部は、該エンドエフェクタが永続的構成にある場合に、該長手方向軸に実質的に沿って延び、そして該第一の延長部および該第二の延長部は、該エンドエフェクタが一時的位置にある場合に、該長手方向軸から外向きに逆方向に延びる、エンドエフェクタ、
を備える、縫合糸。
(項目19)
上記エンドエフェクタが、上記一時的構成にある場合に、上記長手方向軸に対して実質的に平行である、上記項目に記載の縫合糸。
(項目20)
上記エンドエフェクタが上記一時的構成にある場合に、該エンドエフェクタが実質的にT字型を規定する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目21)
上記エンドエフェクタが上記永続的構成にある場合に、該エンドエフェクタが上記長手方向軸に対して実質的に平行である、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目22)
上記エンドエフェクタが上記永続的構成にある場合に、該エンドエフェクタが実質的にY字型を規定する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目23)
上記第一の延長部および上記第二の延長部の少なくとも一部分が、形状記憶材料を含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸。
(項目24)
長手方向軸を規定する本体部分;ならびに
該本体部分から一体的に形成された、形状記憶材料を含有するエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、該長手方向軸から外向きに逆方向に延びる第一の延長部および第二の延長部を備え、該第一の延長部および該第二の延長部のいずれかまたは両方は、該エンドエフェクタが一時的構成から永続的構成へと移行する際に硬くなる、エンドエフェクタ、
を備える、縫合糸。
(項目25)
長手方向軸を規定する本体部分;ならびに
該本体部分から一体的に形成された、形状記憶材料を含有するエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、該長手方向軸から外向きに逆方向に延びる第一の延長部および第二の延長部を備え、該第一の延長部および該第二の延長部のいずれかまたは両方は、該エンドエフェクタが一時的構成から永続的構成へと移行する際にたるむ、エンドエフェクタ、
を備える、縫合糸。
(項目26)
長手方向軸を規定する本体部分であって、該本体部分は、遠位部分および近位部分を備え、該遠位部分は、エンドエフェクタを備え、そして該近位部分は、針を備え、該エンドエフェクタは、形状記憶材料を含有し、該エンドエフェクタが永続的構成にある場合、該エンドエフェクタは、組織を通る縫合糸の該遠位部分の動きを制限する、本体部分、
を備える、縫合糸。
【0007】
(摘要)
結ばれたエンドエフェクタを備える縫合糸が提供される。この縫合糸は、長手方向軸を規定する本体部分、およびこの本体部分から形成されたエンドエフェクタを備える。このエンドエフェクタは、第一の延長部および第二の延長部を備え、これらの延長部は、このエンドエフェクタが永続的構成にある場合に、この長手方向軸から外向きに逆方向に延びる。このエンドエフェクタの延長部は、このエンドエフェクタが一時的形状にある場合に、この長手方向軸に実質的に沿って延びる。ある実施形態において、このエンドエフェクタの少なくとも一部分は、形状記憶材料を含有する。
【0008】
(要旨)
エンドエフェクタを有する縫合糸が提供される。この縫合糸は、長手方向軸を規定する本体部分、およびこの本体部分から形成されたエンドエフェクタを備える。このエンドエフェクタは、形状記憶材料を含有する。このエンドエフェクタは、第一の延長部および第二の延長部を備え、これらの延長部は、このエンドエフェクタが永続的構成にある場合に、この長手方向軸から外向きに逆方向に延びる。このエンドエフェクタの延長部は、このエンドエフェクタが一時的形状にある場合に、この長手方向軸に実質的に沿って延びる。
【0009】
ある実施形態において、このエンドエフェクタは、この本体部分と一体的に形成される。このエンドエフェクタは、この永続的構成にある場合に、この長手方向軸に対して実質的に垂直であり得る。このエンドエフェクタは、このエンドエフェクタが永続的構成にある場合に実質的にT字型を規定し得、そしてこのエンドエフェクタが一次的にある場合にこの長手方向軸に対して実質的に平行であり得る。あるいは、このエンドエフェクタは、このエンドエフェクタが一時的構成にある場合に実質的にY字型を規定し得る。第一の延長部および第二の延長部は、複数の巻きを備え得る。形状記憶ポリマーは、分解性材料、非分解性材料、およびこれらの組み合わせであり得る。
【0010】
形状記憶特徴を有するエンドエフェクタを有する縫合糸もまた提供される。この縫合糸は、長手方向軸を規定する本体部分、およびこの本体部分から一体的に形成されたエンドエフェクタを備える。このエンドエフェクタは、形状記憶材料を含有し得、そして第一の延長部および第二の延長部を備え得、これらの延長部は、このエンドエフェクタが永続的構成にある場合に、この長手方向軸に実質的に沿って延びる。このエンドエフェクタの延長部は、このエンドエフェクタが一時的位置にある場合に、この長手方向軸から外向きに逆方向に延び得る。
【0011】
さらに、エンドエフェクタを備える縫合糸が提供される。この縫合糸は、長手方向軸を規定する本体部分、およびこの本体部分から一体的に形成された、形状記憶材料を含有するエンドエフェクタを備える。このエンドエフェクタは、第一の延長部および第二の延長部を備え得、これらの延長部は、この長手方向軸から外向きに逆方向に延びる。第一の延長部および第二の延長部のうちのいずれかまたは両方は、このエンドエフェクタが一時的構成から永続的構成に移行する際に、硬くなり得る。
【0012】
他の実施形態において、縫合糸は、長手方向軸を規定する本体部分、およびこの本体部分から一体的に形成された、形状記憶材料を含有するエンドエフェクタを備える。このエンドエフェクタは、第一の延長部および第二の延長部を備え得、これらの延長部は、この長手方向軸から外向きに逆方向に延びる。第一の延長部および第二の延長部のうちのいずれかまたは両方は、このエンドエフェクタが一時的構成から永続的構成に移行する際に、たるみ得る。
【0013】
なおさらに、縫合糸は、長手方向軸を規定する本体部分を備える。この本体部分は、遠位部分および近位部分を備える。この遠位部分は、エンドエフェクタを備え、そしてこの近位部分は、針を備える。このエンドエフェクタは、形状記憶材料を含有する。このエンドエフェクタが永続的構成にある場合、このエンドエフェクタは、組織を通るこの縫合糸の遠位端の移動を制限する。
【0014】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本開示の実施形態を図示し、そして上に与えられた本開示の一般的な説明、および以下に与えられる実施形態の詳細な説明と一緒になって、本開示の原理を説明する役に立つ。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、結ばれたエンドエフェクタ、および結び目付きエンドエフェクタを作製する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本開示の1つの実施形態によるエンドエフェクタの背面図である。
【図2】図2は、図1のエンドエフェクタの正面図である。
【図3A】図3Aは、第一の構成にある本開示の代替の実施形態の正面図である。
【図3B】図3Bは、第二の構成にある本開示の代替の実施形態の正面図である。
【図4】図4は、第一の構成にある本開示の別の実施形態の正面図である。
【図4A】図4Aは、代替の第二の構成にある図4の縫合糸の正面図である。
【図4B】図4Bは、代替の第二の構成にある図4の縫合糸の正面図である。
【図4C】図4Cは、代替の第二の構成にある図4の縫合糸の正面図である。
【図5】図5〜図17は、図1および図2のエンドエフェクタを形成する方法の連続的な工程を示す。
【図6】図5〜図17は、図1および図2のエンドエフェクタを形成する方法の連続的な工程を示す。
【図7】図5〜図17は、図1および図2のエンドエフェクタを形成する方法の連続的な工程を示す。
【図8】図5〜図17は、図1および図2のエンドエフェクタを形成する方法の連続的な工程を示す。
【図9】図5〜図17は、図1および図2のエンドエフェクタを形成する方法の連続的な工程を示す。
【図10】図5〜図17は、図1および図2のエンドエフェクタを形成する方法の連続的な工程を示す。
【図11】図5〜図17は、図1および図2のエンドエフェクタを形成する方法の連続的な工程を示す。
【図12】図5〜図17は、図1および図2のエンドエフェクタを形成する方法の連続的な工程を示す。
【図13】図5〜図17は、図1および図2のエンドエフェクタを形成する方法の連続的な工程を示す。
【図14】図5〜図17は、図1および図2のエンドエフェクタを形成する方法の連続的な工程を示す。
【図15】図5〜図17は、図1および図2のエンドエフェクタを形成する方法の連続的な工程を示す。
【図16】図5〜図17は、図1および図2のエンドエフェクタを形成する方法の連続的な工程を示す。
【図17】図5〜図17は、図1および図2のエンドエフェクタを形成する方法の連続的な工程を示す。
【図18】図18は、本開示による縫合糸の代替の実施形態の斜視図である。
【図18A】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18B】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18C】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18D】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18E】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18F】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18G】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18H】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18I】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18J】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18K】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18L】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18M】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18N】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18O】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18P】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18Q】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18R】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【図18S】図18A〜図18Sは、本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタの種々の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
最初に図1および図2を参照すると、本開示によるエンドエフェクタの1つの実施形態が、一般にエンドエフェクタ10として示されている。図示においては、エンドエフェクタ10は、縫合糸12の遠位端12bに形成されているが、エンドエフェクタ10は、縫合糸12の長さに沿ったいずれの箇所にも形成することができる。
【0018】
縫合糸12は、当業者の知識の範囲内である任意の材料(例えば、分解性材料、非分解性材料、天然材料、合成材料、形状記憶材料、金属、合金、およびこれらの組み合わせ)から形成され得る。より具体的には、縫合糸12は、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリマー薬物、ポリヒドロキシブチレート、ラクトン、タンパク質、ガット、コラーゲン、カーボネート、これらのホモポリマー、これらのコポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される分解性材料から形成され得る。縫合糸12を形成するために利用され得る他の実施形態において、適切な分解性材料としては、天然コラーゲン性材料または合成樹脂(例えば、アルキレンカーボネート(例えば、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネートなど);カプロラクトン;ジオキサノン;グリコール酸;乳酸から誘導されるもの);これらのホモポリマー;これらのコポリマー;およびこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、グリコリドとラクチドとをベースとするポリエステル(特に、グリコリドとラクチドとのコポリマー)が、縫合糸12を形成するために利用され得る。
【0019】
なお他の実施形態において、縫合糸12を形成するのに適切な材料としては、グリコール酸、乳酸、グリコリド、ラクチド、ジオキサノン、トリメチレンカプロラクトン、および上記のものの様々な組み合わせを有する、ホモポリマー、コポリマー、および/またはブレンドが挙げられる。例えば、いくつかの実施形態において、グリコリドとトリメチレンカーボネートとのコポリマーが、縫合糸12を形成するために利用され得る。このようなコポリマーを形成するための方法は、当業者の知識の範囲内であり、そして例えば、米国特許第4,300,565号および同第5,324,307号(これらの各々の全開示は、本明細書中に参考として援用される)に開示される方法が挙げられる。グリコリドとトリメチレンカーボネートとの適切なコポリマーは、このコポリマーの約60重量%〜約75重量%、ある実施形態において、このコポリマーの約65重量%〜約70重量%の量のグリコリドを有し得、トリメチレンカーボネートは、このコポリマーの約25重量%〜約40重量%、ある実施形態において、このコポリマーの約30重量%〜約35重量%の量で存在する。
【0020】
縫合糸12を形成するのに適切な他の材料としては、ラクチドとグリコリドとのコポリマーが挙げられ、ラクチドは、このコポリマーの約6重量%〜約12重量%の量で存在し、そしてグリコリドは、このコポリマーの約88重量%〜約94重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、ラクチドは、このコポリマーの約7重量%〜約11重量%で存在し、グリコリドは、このコポリマーの約89重量%〜約98重量%の量で存在する。いくつかの他の実施形態において、ラクチドは、このコポリマーの約9重量%の量で存在し、グリコリドは、このコポリマーの約91重量%の量で存在する。
【0021】
いくつかの実施形態において、縫合糸12を形成するのに適切な材料は、グリコリドと、ジオキサノンと、トリメチレンカーボネートとのコポリマーを含有する。このような材料としては、例えば、このコポリマーの約55重量%〜約65重量%、ある実施形態において、このコポリマーの約58重量%〜約62重量%、いくつかの実施形態において、このコポリマーの約60重量%の量のグリコリド;このコポリマーの約10重量%〜約18重量%、ある実施形態において、このコポリマーの約12重量%〜約16重量%、いくつかの実施形態において、このコポリマーの約14重量%の量のジオキサノン;およびこのコポリマーの約17重量%〜約35重量%、ある実施形態において、このコポリマーの約22重量%〜約30重量%、いくつかの実施形態において、このコポリマーの約26重量%の量のトリメチレンカーボネートを有するコポリマーが挙げられ得る。
【0022】
縫合糸12を形成するのに適切な他の材料としては、グリコリドと、ラクチドと、トリメチレンカーボネートと、ε−カプロラクトンとのコポリマーが挙げられる。このような材料としては、例えば、このコポリマーの約14重量%〜約20重量%、ある実施形態において、このコポリマーの約16重量%〜約18重量%、いくつかの実施形態において、このコポリマーの約17重量%の量のε−カプロラクトン;このコポリマーの約4重量%〜約10重量%、ある実施形態において、このコポリマーの約6重量%〜約8重量%、いくつかの実施形態において、このコポリマーの約7重量%の量のラクチド;このコポリマーの約4重量%〜約10重量%、ある実施形態において、このコポリマーの約6重量%〜約8重量%、いくつかの実施形態において、このコポリマーの約7重量%の量のトリメチレンカーボネート;およびこのコポリマーの約60重量%〜約78重量%、ある実施形態において、このコポリマーの約66重量%〜約72重量%、いくつかの実施形態において、このコポリマーの約69重量%の量のグリコリドを有するランダムコポリマーが挙げられ得る。
【0023】
縫合糸12を形成するために利用され得る適切な非分解性材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン);ポリエチレンとポリプロピレンとのコポリマー、およびポリエチレンとポリプロピレンとのブレンド;ポリアミド(例えば、ナイロン)、ポリアミン;ポリイミン;ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン)、ポリエーテル−エステル(例えば、ポリブタエステル(polybutester));ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,4−ブタンジオール;ポリウレタン;ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。他の適切な非分解性材料は、絹、綿、麻、炭素繊維などを含み得る。このポリプロピレンは、アイソタクチックポリプロピレン、またはアイソタクチックポリプロピレンとシンジオタクチックポリプロピレンもしくはアタクチックポリプロピレンとの混合物であり得る。
【0024】
縫合糸12は、当業者の知識の範囲内である任意の技術(例えば、押し出し、成形、および/またはゲル紡糸)を使用して形成され得る。いくつかの実施形態において、縫合糸12は、1つより多いフィラメントから作製された糸を含み得、このフィラメントは、同じ材料または異なる材料の複数のフィラメントを含み得る。縫合糸12が複数のフィラメントから作製される場合、縫合糸12は、任意の公知の技術(例えば、編組、製織または編成)を使用して作製され得る。縫合糸12はまた、不織縫合糸を製造するために組み合わせられ得る。縫合糸12は、縫合糸形成プロセスの一部として、延伸され得るか、配向され得るか、捲縮され得るか、撚糸され得るか、混繊され得るか、または空気で絡められて、糸を形成し得る。1つの実施形態において、マルチフィラメント縫合糸が、編組により製造され得る。編組は、当業者の知識の範囲内である任意の方法によりなされ得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、縫合糸12は、形状記憶ポリマー材料から形成され得る。形状記憶ポリマー材料は、永続的形状および一時的形状を有する。一般に、一時的形状とは、外科医が縫合糸12を患者の身体に導入する能力を増強する構成の形状である。永続的形状は、エネルギー(例えば、熱または光)を与えるとインビボで呈され、縫合糸12を組織内に保持することを増強する構成の形状である。
【0026】
形状記憶ポリマーとは、縫合糸12などの物体に形成される場合に、機械的な力により一時的に変形し得、次いで、エネルギーにより刺激を受ける場合に元の形状に復帰し得る、ポリマーのクラスである。形状記憶ポリマーは、それらの微細構造中の少なくとも二相の分離した微小ドメインによって、形状記憶特性を示す。第一のドメインは、硬い、共有架橋構造または他の様式で鎖の動きが制限された構造からなり、この構造は、その物体の元の形状を保持するためのアンカーとして働く。第二のドメインは、切り替え可能な柔らかい構造であり、この構造は、変形し得、次いで固定されて、二次形状または一時的形状を得る。
【0027】
熱で刺激される形状記憶ポリマーの場合、転移温度(TTrans)が存在し、この温度において、加熱中に形状変化が起こる。従って、これらの形状記憶ポリマーは、分子レベルで材料特性を変更すること、および加工パラメータを変化させることによって、調整され得る。物体の一次形状は、ソフトドメインが可撓性でありかつハードドメインが完全には形成されない温度で、熱および圧力を用いて形成され得る。次いで、この物体は、ハードドメインがより完全に形成され、そしてソフトドメインが硬くなるように、冷却され得る。二次形状または一時的形状は、この物体を機械的に変形させることにより形成され得、この変形は、TTransに近い温度またはより高温で、最も容易に達成される。次いで、この物体に導入される機械的応力は、この物体をTTrans未満の温度まで冷却して、ソフトドメインを硬い状態に固化させることによって、適所にロックされる。一旦、この物体がTTransより高温であるTまで加熱されると、そのソフトドメインが軟化し、そして弛緩してその元の構成に戻り、そしてその物体は、その一次形状または元の形状(本明細書中で時々、その永続的形状と称される)まで戻る。形状記憶材料がその永続的形状を回復する温度は、ある実施形態において、その永続温度(Tperm)と称され得る。
【0028】
縫合糸12を構成するために使用され得る、形状記憶特性を有するポリマーとしては、例えば、合成材料、天然材料(例えば、生物学的材料)およびこれらの組み合わせが挙げられ、これらの材料は、生分解性および/または非生分解性であり得る。本明細書中で使用される場合、用語「生分解性」は、生体吸収性材料と生体再吸収性材料との両方を包含する。「生分解性」とは、その物質が身体条件下で分解するかまたは構造的一体性を失うか(例えば、酵素分解、加水分解)あるいは身体内の生理学的条件下で(物理的もしくは化学的に)分解(例えば、溶解)し、その結果、その分解生成物が身体により排出可能または吸収可能になることを意味する。
【0029】
縫合糸12を形成するために使用され得る適切な非分解性材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(超高分子量ポリエチレンが挙げられる)およびポリプロピレン(アタクチック、アイソタクチック、シンジオタクチック、およびこれらのブレンドが挙げられる));ポリエチレングリコール;エチレンオキシド;超高分子量ポリエチレン;ポリエチレンとポリプロピレンとのコポリマー;ポリイソブチレンとエチレン−αオレフィンとのコポリマー;フッ素化ポリオレフィン(例えば、ポリフルオロエチレン、ポリフルオロプロピレン、フルオロPEG、およびポリテトラフルオロエチレン);ポリアミド(例えば、ナイロン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、およびポリカプロラクタム);ポリアミン;ポリイミン;ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレート);ポリエーテル;ポリテトラメチレンエーテルグリコール;ポリブタエステル、(ブチレンテレフタレートとポリテトラメチレンエーテルグリコールとのコポリマーが挙げられる);1,4−ブタンジオール;ポリウレタン;アクリルポリマー;メタクリル類;ハロゲン化ビニルポリマーおよびコポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル);ポリビニルアルコール;ポリビニルエーテル(例えば、ポリビニルメチルエーテル);ポリハロゲン化ビニリデン(例えば、ポリフッ化ビニリデンおよびポリ塩化ビニリデン);ポリクロロフルオロエチレン;ポリアクリロニトリル;ポリアリールエーテルケトン;ポリビニルケトン;ポリビニル芳香族(例えば、ポリスチレン);ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル);ビニルモノマー同士のコポリマーおよびビニルモノマーとオレフィンとのコポリマー(例えば、エチレン−メタクリル酸メチルコポリマー);アクリロニトリル−スチレンコポリマー;ABS樹脂;エチレン−酢酸ビニルコポリマー;アルキド樹脂;ポリカーボネート;ポリオキシメチレン;ポリホスファジン;ポリイミド;エポキシ樹脂;アラミド;レーヨン;レーヨン−トリアセテート;スパンデックス;シリコーン;ならびにこれらのコポリマーおよび組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、非生分解性のポリマーおよびモノマーが、互いに組み合わせられ得る。
【0030】
縫合糸12を形成するのに適切な生体吸収性ポリマーとしては、脂肪族ポリエステル;ポリアミド;ポリアミン;ポリアルキレンオキサレート;ポリ(酸無水物);ポリアミドエステル;コポリ(エーテル−エステル);ポリ(カーボネート)(チロシン由来のカーボネートが挙げられる);ポリ(ヒドロキシアルカノエート)(例えば、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、およびポリ(ヒドロキシブチレート));ポリイミドカーボネート;ポリ(イミノカーボネート)(例えば、ポリ(ビスフェノールA−イミノカーボネート)など);ポリオルトエステル;ポリオキサエステル(アミノ基を含むものが挙げられる);ポリホスファゼン;ポリ(プロピレンフマレート);ポリウレタン;ポリマー薬物(例えば、ポリジフルニソール、ポリアスピリン、およびタンパク質治療剤);生物学的に修飾された(例えば、タンパク質、ペプチド)生体吸収性ポリマー;およびこれらのコポリマー、ブロックコポリマー、ホモポリマー、ブレンド、ならびに組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
適切な脂肪族ポリエステルとしては、ラクチド(乳酸、D−ラクチド、L−ラクチドおよびメソラクチドが挙げられる);グリコリド(グリコール酸が挙げられる);ε−カプロラクトン;p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン);トリメチレンカーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン);トリメチレンカーボネートのアルキル誘導体;δ−バレロラクトン;β−ブチロラクトン;γ−ブチロラクトン;ε−デカラクトン;ヒドロキシブチレート;ヒドロキシバレレート;1,4−ジオキセパン−2−オン(その二量体である1,5,8,12−テトラオキサシクロテトラデカン−7,14−ジオンが挙げられる);1,5−ジオキセパン−2−オン;6,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン;2,5−ジケトモルホリン;ピバロラクトン;α,α−ジエチルプロピオラクトン;エチレンカーボネート;エチレンオキサレート;3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン;3,3−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン;6,8−ジオキサビシクロオクタン(dioxabicycloctane)−7−オンのホモポリマーおよびコポリマー;ならびにこれらのポリマーブレンドおよびコポリマーが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0032】
他の適切な生分解性ポリマーとしては、ポリ(アミノ酸)(コラーゲン(I、IIおよびIII)、エラスチン、フィブリン、フィブリノゲン、絹、およびアルブミンなどのタンパク質が挙げられる);ラミニンおよびフィブロネクチンの配列を含むペプチド(RGD);多糖類(例えば、ヒアルロン酸(HA)、デキストラン、アルギネート、キチン、キトサン、およびセルロース);グリコサミノグリカン;ガット;ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。コラーゲンは、本明細書中で使用される場合、天然コラーゲン(例えば、動物由来のコラーゲン、ゼラチン化コラーゲン)、または合成コラーゲン(例えば、ヒト組換えコラーゲンもしくは細菌組換えコラーゲン)を包含する。
【0033】
さらに、合成により修飾された天然ポリマー(例えば、セルロース誘導体および多糖類誘導体(アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、およびキトサンが挙げられる))が、縫合糸12を形成するために利用され得る。適切なセルロース誘導体の例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、三酢酸セルロース、および硫酸セルロースナトリウム塩が挙げられる。これらは本明細書中でまとめて、ある実施形態において、「セルロース」と称され得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、縫合糸12は、分解性材料と比分解性材料との両方の組み合わせを含有し得る。分解性材料および/または非分解性材料は、本明細書中に記載されるような形状記憶特性を有し得る。
【0035】
いくつかの実施形態において、縫合糸12を形成するための形状記憶ポリマーは、異なる熱特性を有する2つの成分のコポリマー(例えば、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジメタクリレートとアクリル酸ブチル(ポリ(ε−カプロラクトン)ジメタクリレート−ポリ(アクリル酸n−ブチル)が挙げられる)、またはジオールエステルとエーテル−エステルジオール(例えば、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール/オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールコポリマー))であり得る。これらのマルチブロックオリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール/オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールコポリマーは、線状の鎖に一緒に連結された2つのブロックセグメント(すなわち、「ハード」セグメントおよび「スイッチ」セグメント)を有する。このような材料は、例えば、Lendlein,「Shape Memory Polymers−Biodegradable Sutures」,Materials World,第10巻,第7号,29−30頁(2002年7月)に開示されており、その全開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0036】
なお他の実施形態において、縫合糸12は、生体吸収性材料のブレンドから形成され得、これらとしては、乳酸および/またはグリコール酸、これらのホモポリマーまたはこれらのコポリマーとブレンドされたウレタン、ならびにカプロラクトンとブレンドされたアクリレート(例えば、ポリカプロラクトンジメタクリレートポリ(アクリル酸ブチル)ブレンド)、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
適切な形状記憶ポリマーならびにこれらを用いて永続的形状および一時的形状を形成するための手段の他の例は、Lendleinら,「Shape Memory Polymers as stimuli−sensitive implant materials」,Clinical Hemorheology and Microcirculation,32(2005)105−116、Lendleinら,「Biodegradable, Elastic Shape Memory Polymers for Potential Biomedical Applications」,Science,第269巻(2002)1673−1676、ならびにLendleinら,「Shape−Memory Polymers」,Angew.Chem.Int.Ed.,41(2002)2035−2057に記載されており、これらの各々の全開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0038】
以下の表1は、形状記憶効果を示し、そして縫合糸12を形成するために使用され得る組成物をさらに説明する。各組成物のブロックコポリマーは、アニーリングされたワイヤの形式であり、示されるソフトセグメントおよびハードセグメントを有し、ガラス転移温度(T)は、示差走査熱量分析により、TTransに等しいと測定された。
【0039】
【表1】

表1のコポリマーは、Tに近付く場合に部分的なシフトを起こし得、そしてTTransは、これらの材料が水溶液中にある場合に低下し得る。これらのポリマーは水の吸収およびバルク加水分解により分解するので、ポリマーマトリックスに浸入する水分子が可塑剤として働き得、乾燥空気中においてよりも低温で、ソフトセグメントを軟化させ得る。従って、水溶液中でTTrans低下を示すポリマーは、乾燥状態での温度偏差(例えば、輸送中および保存中)によって一時的形状を維持し得る。そして移植の際に、体温でその永続的形状に形状シフトし得る。
【0040】
従って、ある実施形態において、この形状記憶ポリマーは、ポリジオキサノンとポリラクチドとのブロックコポリマーを含有し得、このポリジオキサノンは、このコポリマーの約5mol%〜約20mol%、ある実施形態において、このコポリマーの約15mol%〜約19mol%の量で存在し、そしてこのポリラクチドは、このコポリマーの約80mol%〜約95mol%、ある実施形態において、このコポリマーの約81mol%〜約85mol%の量で存在する。他の実施形態において、この形状記憶ポリマーは、トリメチレンカーボネートとポリラクチドとのブロックコポリマーを含有し得、このトリメチレンカーボネートは、このコポリマーの約5mol%〜約20mol%、ある実施形態において、このコポリマーの約15mol%〜約19mol%の量で存在し、そしてこのポリラクチドは、このコポリマーの約80mol%〜約95mol%、ある実施形態において、このコポリマーの約81mol%〜約85mol%の量で存在し得る。
【0041】
Transは、ブロックセグメントのモル比、ポリマーの分子量、およびハードセグメントを形成させる時間を変化させることによって、調整され得ることが想定される。ある実施形態において、TTransは、種々の量のソフトセグメントの低分子量オリゴマーを、このコポリマーにブレンドすることにより調整され得る。このようなオリゴマーは、ソフトドメインに分離され得、TTransの下方シフトを起こすための可塑剤として働き得る。
【0042】
さらに、縫合糸12を形成するコポリマーは、乳化剤、可溶化剤、湿潤剤、味改変剤、可塑剤、活性剤、水溶性不活性充填剤、防腐剤、緩衝剤、着色剤、および安定剤を含有し得る。この処方物への可塑剤の添加は、可撓性を改善し得る。可塑剤または可塑剤混合物は、ポリエチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、スクロース、コーンシロップ、フルクトース、ジオクチル−ナトリウムスルホスクシネート、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、1,2−プロピレングリコール、グリセロールのモノ酢酸エステル、ジ酢酸エステルもしくはトリ酢酸エステル、または天然ゴムであり得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、結晶性分解性塩または鉱物が、このブロックコポリマー組成物に添加されて、形状記憶特性を改善し得るポリマー複合体を作製し得る。ポリラクチドホモポリマーおよび結晶性ヒドロキシアパタイトを使用するこのような複合体の例は、Zhengら,「Shape memory properties of poly (D,L−lactide/hydroxyapatite composites」,Biomaterials,27(2006)4288−4295に記載されており、その全開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0044】
他の形状記憶材料(形状記憶金属およびニチノールなどの金属合金が挙げられる)もまた、縫合糸12を形成するために使用され得る。
【0045】
ある実施形態において、成形プロセスが、縫合糸12を製造するために利用され得る。プラスチック成形方法は、当業者の知識の範囲内であり、そして融解成形、溶液成形などが挙げられるが、これらに限定されない。射出成形、押し出し成形、圧縮成形および他の方法もまた、融解成形技術として使用され得る。一旦、適切な寸法および構成で鋳型に入れられると、縫合糸12を形成するために使用されるポリマー材料は、適切な温度(例えば、永続温度(Tperm)であり、この温度は、ある実施形態において、外科手術用エンドエフェクタ(すなわち、縫合糸12および/またはエンドエフェクタ10)を形成するために利用される形状記憶ポリマー材料の融点であり得る)まで加熱され得る。縫合糸12の加熱は、例えば、約40℃〜約180℃、ある実施形態において、約80℃〜約150℃が挙げられる適切な温度で、約2分間〜約60分間、他の実施形態において、約15分間〜約20分間であり得、永続的な形状および寸法を与える。
【0046】
予め記憶された形状で成形された縫合糸12および/またはエンドエフェクタ10の変形処理のための温度は、亀裂を生じることなく容易な変形を可能にする温度であり、形状記憶のために採用される温度(例えば、Tperm)を超えるべきではない。元の形状記憶のための温度を超える温度での変形処理は、この物体に、新たな変形後の形状を記憶/プログラムさせ得る。
【0047】
所望の形状を有する縫合糸12および/またはエンドエフェクタ10が形成された後に、縫合糸12および/またはエンドエフェクタ10は、Ttransより高温で変形させられて、代替の一時的構成を得ることができる。
【0048】
変形のために適切な温度は、利用される形状記憶ポリマーに依存して変動するが、一般に、そのポリマーの転移温度(Ttrans)より高温であり得るが、Tpermより低温であり得る。ある実施形態において、形状記憶ポリマーは、そのTpermから、より低い温度(Ttransより高温なままである)まで冷却され得、そしてある実施形態においては手でおよび/または機械的手段によって、変形させられ得る。他の実施形態において、この縫合糸は、室温(約20℃〜約25℃)で変形させられて、その一時的形状を得ることができるが、この温度は、使用される特定のポリマーに依存して異なり得る。次いで、このエンドエフェクタは、このエンドエフェクタを形成するために利用される材料のTtrans未満の温度まで冷却され得、この時点で、縫合糸12は、使用の準備ができる。Ttransは通常、室温より高温であるので、いくつかの実施形態において、室温まで冷却することは、一時的形状でロックするために充分である。
【0049】
変形が達成され得る様式に関して特定の制限は存在しない。変形は、手で達成されても、縫合糸および/またはエンドエフェクタに所望の一時的構成を提供するために選択された適切なデバイスによって達成されても、いずれでもよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、縫合糸および/またはエンドエフェクタの形状をその一時的形状に維持するために、この縫合糸は、永続的形状への転移を引き起こさない温度で保存されるべきである。いくつかの実施形態において、この縫合糸は、冷蔵庫で保存され得る。
【0051】
他の実施形態において、本開示の形状記憶ポリマー材料は、その永続的形状より直径が小さいかまたは大きい一時的形状に、圧縮または拡張され得る。以下でさらに詳細に議論されるように、この様式で、結ばれたエンドエフェクタは、所望の用途に依存して、締められたり緩められたりされ得る。
【0052】
このように調製された縫合糸および/またはエンドエフェクタは、エネルギーの付与の際に(例えば、加熱(患者の体内への配置、または規定された温度での外部熱の付与のいずれかによる加熱、ある実施形態においては利用される形状記憶ポリマーのTtransより高温への加熱)の際に)、その永続的形状を回復する。この縫合糸および/またはエンドエフェクタは、生体内で利用されるので、体熱(約37℃)での加熱が可能である。このような場合、形状プログラミングのための温度は、可能な限り、永続的形状の回復が非常にゆっくりと起こり得るように、低いべきである。ある実施形態において、永続的形状の回復は、組織への挿入の約1秒後〜約5秒後に起こり得る。
【0053】
しかし、いくつかの実施形態において、形状の回復を体温よりわずかに高い温度で起こす目的で、より高い形状記憶温度が望ましくあり得る。従って、いくつかの場合において、縫合糸および/またはエンドエフェクタを変形状態から解放して永続的形状を回復することは、加熱によって達成され得る。約30℃〜約50℃、ある実施形態において、約39℃〜約43℃の温度で加熱すると、その一時的形状が解放され得、そして記憶された永続的が回復され得る。加熱のための温度が高くなるほど、永続的形状の回復のための時間が短くなる。この加熱のための手段は、限定されない。加熱は、気体または液体の加熱媒体、加熱デバイス、超音波、電気的誘導などを使用することにより、達成され得る。もちろん、生体が関与する用途においては、火傷を引き起こさない加熱温度を利用するように注意が払われなければならない。液体加熱媒体の例としては、生理食塩水溶液、アルコール、これらの組み合わせなどが挙げられる。
【0054】
同様に、他の実施形態において、電気的に活性なポリマー(電気活性ポリマーとしてもまた公知であり、電気の印加の際に構成を変更し得る)が、縫合糸および/またはエンドエフェクタを形作るために利用され得る。電気活性ポリマーの適切な例としては、ポリ(アニリン)、置換ポリ(アニリン)、ポリカルバゾール、置換ポリカルバゾール、ポリインドール、ポリ(ピロール)、置換ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、置換ポリ(チオフェン)、ポリ(アセチレン)、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(エチレンジオキシピロール)、ポリ(p−フェニレンビニレン)など、または上記電気活性ポリマーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。上記電気活性ポリマーのブレンドまたはコポリマーまたは複合体もまた、使用され得る。
【0055】
エネルギー(例えば、熱)の付与の際に形状記憶材料が起こし得る形状の変化と同様に、いくつかの実施形態において、電気活性ポリマーは、低電圧電源(例えば、バッテリ)からの電気の印加の際に、形状変化を起こし得る。このような変化を起こすために印加され得る電気の適切な量は、利用される電気活性ポリマーと共に変動するが、約5ボルト〜約30ボルト、他の実施形態において、約10ボルト〜約20ボルトであり得る。電気の印加の結果として、電気活性ポリマーから構成された縫合糸および/またはエンドエフェクタの形状が変化する。
【0056】
電気活性ポリマーは、永続的形状および一時的形状との用語が形状記憶ポリマーに関連して上に記載された場合と同様の永続的形状および一時的形状を有さないが、本明細書中で使用される場合、用語「永続的形状」は、電気活性ポリマーに適用される場合、電気活性ポリマーが電気の印加の際に採用する形状を意味し、そして用語「一時的形状」は、電気活性ポリマーに適用される場合、電気活性ポリマーが電気の非存在下で採用する形状を意味する。
【0057】
本開示の縫合糸を形成するために使用されるフィラメントは、当業者の知識の範囲内である任意の技術(例えば、押し出し、成形および/または溶媒キャスティング)を使用して形成され得る。
【0058】
ある実施形態において、本開示の縫合糸は、1つより多くのフィラメントから作製された糸を含み得、これらのフィラメントは、同じ材料または異なる材料の複数のフィラメントを含み得る。
【0059】
本明細書中で使用される場合、用語「繊維」、「フィラメント」および「糸」の各々は、縫合糸を全体的にかまたは部分的に構成するために使用され得る。用語「繊維」は、その文脈において、一般に、その直径または幅よりおよそ3桁大きい長さを有する、天然構造体または合成構造体を指定するために使用される。用語「フィラメント」は、代表的に、無限または極端な長さの「繊維」を記載するために使用され、そして「糸」は、一般的な用語として、編成、製織、編組または他の様式での織り込みに対して適切な形態の、撚糸または非撚糸の「繊維」または「フィラメント」の連続的なストランドに対して使用される。
【0060】
ある実施形態において、本開示の縫合糸は、コア/シース構成を有し得、繊維は、コア/シース構成を有し得、糸は、コア/シース構成を有し得、またはこれらの両方である。本明細書中に記載される任意の材料(上記形状記憶材料を含む)が、コアもしくはシース、またはこれらの両方を形成するために利用され得る。
【0061】
本開示の縫合糸は、モノフィラメントであってもマルチフィラメント(例えば、編組されたもの)であってもよい。これらの適切な材料から縫合糸を作製するための方法は、当業者の知識の範囲内である(例えば、押し出しおよび成形)。これらのフィラメントは、当業者の知識の範囲内である任意の技術(例えば、混紡、撚糸、編組、製織、絡ませおよび編成)を使用して組み合わせられて、マルチフィラメント縫合糸を作製し得る。例えば、フィラメントが組み合わせられて糸を形成し得るか、またはこれらのフィラメントが編組され得る。別の例において、フィラメントが組み合わせられて糸を形成し得、次いで、これらのマルチフィラメント糸が編組され得る。本開示を読む当業者は、フィラメントが組み合わせられ得る他の方法を予測する。繊維はまた、組み合わせられて、不織マルチフィラメントの大直径縫合糸を製造し得る。特定の実施形態において、本開示による縫合糸を形成する際に有用なマルチフィラメント構造体は、編組により製造され得る。編組は、当業者の知識の範囲内である任意の方法によりなされ得る。例えば、縫合糸および他の医療デバイスのための編組構成物は、米国特許第5,019,093号;同第5,059,213号;同第5,133,738号;同第5,181,923号;同第5,226,912号;同第5,261,886号;同第5,306,289号;同第5,318,575号;同第5,370,031号;同第5,383,387号;同第5,662,682号;同第5,667,528号;および同第6,203,564号に記載されており、これらの各々の全開示は、本明細書中に参考として援用される。さらに、この縫合糸は、モノフィラメントである部分およびマルチフィラメントである部分を備え得る。
【0062】
一旦、この縫合糸が構成されると、この縫合糸は、当業者の知識の範囲内である任意の手段によって滅菌され得る。
【0063】
治療薬は、エンドエフェクタを含有する、本開示の縫合糸とともに利用され得る。治療薬は以下に挙げられるが、これに限定されない。医薬品、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ポリサッカライド、ムテイン、免疫グロブリン、抗体、サイトカイン(例えば、リンフォカイン、モノカイン、ケモカイン)、血液凝固因子、造血因子、インターロイキン(1〜18)、インターフェロン(β−IFN、α−IFNおよびγ−IFN)、エリトロポイエチン、ヌクレアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子(例えば、GCSF、GM−CSF、MCSF)、インスリン、抗腫瘍薬および腫瘍抑制薬、血液タンパク質、フィブリン、トロンビン、フィブリノーゲン、合成トロンビン、合成フィブリン、合成フィブリノーゲン、ゴナドトロピン(例えば、FSH、LH、CG、など)、ホルモンおよびホルモンアナログ(例えば、成長ホルモン、黄体化ホルモン放出因子)、ワクチン(例えば、腫瘍性抗原、細菌性抗原およびウィルス性抗原);ソマトスタチン;抗原;血液凝固因子;成長因子(例えば、神経発育因子、インスリン様成長因子);骨形成タンパク質(bone morphogenic proteins)、TGF−B、タンパク質阻害剤、タンパク質アンタゴニスト、およびタンパク質アゴニスト;核酸、例えばアンチセンス分子、DNA、RNA、RNAi;オリゴヌクレオチド;ポリヌクレオチド;細胞、ウィルス、およびリボザイム。
【0064】
いくつかの実施形態において、治療薬は以下の医薬品を少なくとも1つ含有し、医薬品の併用ならびに医薬品の他の形態(例えば、他の塩形態、遊離酸形態、遊離塩基形態、プロドラッグおよび水和物)を含有する:鎮痛薬/解熱薬(例えば、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ブプレノルフィン、塩酸プロポキシフェン、プロポキシフェンナプシレート、塩酸メペリジン、塩酸ヒドロモルホン、モルヒネ、オキシコドン、コデイン、酒石酸水素ジヒドロコデイン、ペンタゾシン、酒石酸水素ヒドロコドン、レボルファノール、ジフルニサル、サリチル酸トロラミン、塩酸ナルブフィン、メフェナム酸、ブトルファノール、サリチル酸コリン、ブタルビタール(butalbital)、クエン酸フェニルトロキサミン、クエン酸ジフェンヒドラミン、メトトリメプラジン、塩酸シンナメドリン(cinnamedrine hydrochloride)、およびメプロバメート);ぜん息治療薬(例えば、ケトチフェンおよびトラキサノクス);抗生物質(例えば、ネオマイシン、ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、セファロスポリン、アンピシリン、ペニシリン、テトラサイクリン、およびシプロフロキサシン);抗うつ薬(例えば、ネオパム、オキシペルチン、ドキセピン、アモキサピン、トラゾドン、アミトリプチリン、マプロチリン、フェネルジン、デシプラミン、ノルトリプチリン、トラニルシプロミン、フルオキセチン、ドキセピン、イミプラミン、イミプラミンパモエート、イソカルボキサジド、トリミプラミン、およびプロトリプチリン);抗糖尿病薬(例えば、ビグアナイド類およびスルホニル尿素誘導体類);抗真菌薬(例えば、グリセオフルビン、ケトコナゾール、イトラコナゾール(itraconizole)、アンホテリシンB、ナイスタチン、およびカンジシジン);抗高血圧薬(例えば、プロプラノロール(propanolol)、プロパフェノン、オキシプレノロール(oxyprenolol)、ニフェジピン、レセルピン、トリメタファン、フェノキシベンザミン、塩酸パルジリン、デセルピジン、ジアゾキシド、硫酸グアネチジン(guanethidine monosulfate)、ミノキシジル、レシンナミン、ニトロプルシドナトリウム、インドジャボク(rauwolfia serpentina)、アルセロキシロン、およびフェントラミン);抗炎症薬(例えば、(非ステロイド性) インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン、イブプロフェン、ラミフェナゾン、ピロキシカム、(ステロイド性)コルチゾン、デキサメタゾン、フルアザコート、セレコキシブ、ロフェコキシブ、ヒドロコルチゾン、プレドニソロン、およびプレドニゾン);抗新生物薬(例えば、シクロホスファミド、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、メトトレキサート、フルオロウラシル、ゲムシタビン、カルボプラチン、カルムスチン(BCNU)、メチル−CCNU、シスプラチン、エトポシド、カンプトテシンおよびその誘導体、フェネステリン、パクリタキセルおよびその誘導体、ドセタキセルおよびその誘導体、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ゴセレリン、ロイプロリド、タモキシフェン、インターフェロンα、レチノイン酸(ATRA)、ナイトロジェンマスタードアルキル化剤、ならびにピポスルファン);抗不安薬(例えば、ロラゼパム、ブスピロン、プラゼパム、クロルジアゼポキシド、オキサゼパム、クロラゼペート二カリウム塩、ジアゼパム、ヒドロキシジンパモエート、塩酸ヒドロキシジン、アルプラゾラム、ドロペリドール、ハラゼパム、クロルメザノン、およびダントロレン);免疫抑制薬(例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、ミゾリビン、およびFK506(タクロリムス));抗片頭痛薬(例えば、エルゴタミン、プロプラノロール(propanolol)、ムチン酸イソメテプテン、およびジクロラルフェナゾン);鎮静薬/催眠薬(例えば、バルビツール酸類(例えば、ペントバルビタール、ペントバルビタールおよびセコバルビタール);およびベンゾジアゼピン(benzodiazapine)類(例えば、塩酸フルラゼパム、トリアゾラムおよびミダゾラム));抗狭心症薬(例えば、β−アドレナリン遮断薬;カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ニフェジピン、およびジルチアゼム);およびニトレート類(例えば、ニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、ペンタエリスリトールテトラニトレート(pentearythritol tetranitrate)、およびエリトリチルテトラニトレート);抗精神病薬(例えば、ハロペリドール、コハク酸ロクサピン、塩酸ロクサピン、チオリダジン、塩酸チオリダジン、チオチキセン、フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、トリフルオペラジン、クロルプロマジン、パーフェナジン、クエン酸リチウム、およびプロクロルペラジン);抗躁病薬(例えば、炭酸リチウム);抗不整脈薬(例えば、ブレチリウムトシレート、エスモロール、ベラパミル、アミオダロン、エンカイニド、ジゴキシン、ジギトキシン、メキシレチン、リン酸ジソピラミド、プロカインアミド、硫酸キニジン、キニジングルコネート(quinidine gluconate)、キニジンポリガラクトロネート(quinidine polygalacturonate)、酢酸フレカイニド、トカイニド、およびリドカイン);抗関節炎薬(例えば、フェニルブタゾン、スリンダク、ペニシラミン(penicillanine)、サルサラート、ピロキシカム、アザチオプリン、インドメタシン、メクロフェナメート(meclofenamate)、金チオリンゴ酸ナトリウム、ケトプロフェン、オーラノフィン、金チオグルコース、およびトルメチンナトリウム);抗痛風薬(例えば、コルヒチン、およびアロプリノール);抗血液凝固薬(例えば、ヘパリン、ヘパリンナトリウム、およびワルファリンナトリウム);血栓溶解薬(例えば、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、およびアルテプラーゼ);抗線維素溶解薬(例えば、アミノカプロン酸);血液レオロジー剤(例えば、ペントキシフィリン);抗血小板薬(例えば、アスピリン);抗痙攣薬(例えば、バルプロ酸、ジバルプロックスナトリウム、フェニトイン、フェニトインナトリウム、クロナゼパム、プリミドン、フェノバルビタール(phenobarbitol)、カルバマゼピン、アモバルビタールナトリウム、メトスクシミド、メタルビタール、メフォバルビタール、メフェニトイン、フェンスクシミド、パラメタジオン、エトトイン、フェナセミド、セコバルビタールナトリウム(secobarbitol sodium)、クロラゼペート二カリウム塩、およびトリメタジオン);抗パーキンソン病薬(例えば、エトスクシミド);抗ヒスタミン薬/かゆみ止め薬(例えば、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、マレイン酸ブロムフェニルアミン、塩酸シプロヘプタジン、テルフェナジン、フマル酸クレマスチン、トリプロリジン、カルビノキサミン、ジフェニルピラリン、フェニンダミン、アザタジン、トリペレナミン、マレイン酸d−クロルフェニラミン、メトジラジン、および);カルシウム調節に有用な薬剤(例えば、カルシトニン、および副甲状腺ホルモン);抗菌薬(例えば、硫酸アミカシン、アズトレオナム、クロラムフェニコール、パルミチン酸クロラムフェニコール(chloramphenicol palirtate)、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、パルミチン酸クリンダマイシン、リン酸クリンダマイシン、メトロニダゾール、塩酸メトロニダゾール、硫酸ゲンタマイシン、塩酸リンコマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸バンコマイシン、硫酸ポリミキシンB、コリスチンメタナトリウム、および硫酸コリスチン);抗ウィルス薬(例えば、インターフェロンα、βまたはγ、ジドブジン、塩酸アマンタジン、リバビリン、およびアシクロビル);抗微生物薬(例えば、セファロスポリン類(例えば、セファゾリンナトリウム、セフラジン、セファクロル、セファピリンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフロキシム アキセチル(cefuroxime e azotil)、セフォタキシムナトリウム、セファドロキシル一水和物、セファレキシン、セファロチンナトリウム、塩酸セファレキシン一水和物、セファマンドールナファート、セフォキシチンナトリウム、セフォニシドナトリウム、セフォラニド、セフトリアキソンナトリウム、セフタジジム、セファドロキシル、セフラジンおよびセフロキシムナトリウム);ペニシリン類(例えば、アンピシリン、アモキシシリン、ペニシリンGベンザチン、シクラシリン、アンピシリンナトリウム、ペニシリンGカリウム、ペニシリンVカリウム、ピペラシリンナトリウム、オキサシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン、クロキサシリンナトリウム、チカルシリン二ナトリウム、アゾロシリンナトリウム、カルベニシリンインダニルナトリウム、ペニシリンGプロカイン、メチシリンナトリウムおよびナフシリンナトリウム);エリスロマイシン類(例えば、コハク酸エリスロマイシンエチル、エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート(erythromycin estolate)、ラクトビオン酸エリスロマイシン、ステアリン酸エリスロマイシンおよびコハク酸エリスロマイシンエチル);およびテトラサイクリン類(例えば、塩酸テトラサイクリン、塩酸ドキシサイクリン(doxycycline hyclate)および塩酸ミノサイクリン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン));抗感染症薬(例えば、GM−CSF);気管支拡張薬(例えば、交感神経作用薬(例えば、塩酸エピネフリン、硫酸メタプロテレノール、硫酸テルブタリン、イソエタリン、メシル酸イソエタリン、塩酸イソエタリン、硫酸アルブテロール、アルブテロール、ビトルテロルメシレート、塩酸イソプレテレノール、硫酸テルブタリン、酒石酸水素エピネフリン、硫酸メタプロテレノール、エピネフリンおよび酒石酸水素エピネフリン);抗コリン作用薬(例えば、臭化イプラトロピウム);キサンチン類(例えば、アミノフィリン、ジフィリン、硫酸メタプロテレノール、およびアミノフィリン);肥満細胞安定化剤(例えば、クロモリンナトリウム);吸入用コルチコステロイド(例えば、二プロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)および二プロピオン酸ベクロメタゾン一水和物);サルブタモール;臭化イプラトロピウム;ブデソニド;ケトチフェン;サルメテロール;キナフォエート;硫酸テルブタリン;トリアムシノロン;テオフィリン;ネドクロミルナトリウム;硫酸メタプロテレノール;アルブテロール;フルニソリド;プロピオン酸フルチカゾン);ステロイド化合物およびホルモン(例えば、アンドロゲン類(例えば、ダナゾール、テストステロンシピオネート、フルオキシメステロン、エチルテストステロン、エナント酸テストステロン、メチルテストステロン、フルオキシメステロン、およびテストステロンシピオネート);エストロゲン類(例えば、エストラジオール、エストロピペート(estropipate)、および抱合卵胞ホルモン);プロゲスチン類(例えば、酢酸メトキシプロゲステロン、および酢酸ノルエチンドロン);コルチコステロイド類(例えば、トリアムシノロン、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、酢酸デキサメタゾン、プレドニゾン、酢酸プレドニゾロン懸濁物、トリアムシノロンアセトニド、メチルプレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、トリアムシノロンヘキサセトニド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシプロネート、プレドニゾロン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロンテブテート、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、およびコハク酸
ヒドロコルチゾンナトリウム;および甲状腺ホルモン(例えば、レボチロキシンナトリウム);血糖降下薬(例えば、ヒトインスリン、精製ウシインスリン、精製ブタインスリン、グリブリド、クロルプロパミド、グリピジド、トルブタミド(tolbutarnide)、およびトラザミド);脂質低下薬剤(例えば、クロフィブレート、デキストロサイロキシンナトリウム、プロブコール、プラバスタチン(pravastitin)、アトルバスタチン、ロバスタチン、およびナイアシン);タンパク質(例えば、DNase、アルギナーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、およびリパーゼ);核酸(例えば、治療に有用な任意のタンパク質(例えば、本明細書に記載される任意のタンパク質が挙げられる)をコードするセンスまたはアンチセンス核酸);赤血球生成刺激に有用な薬剤(例えば、エリトロポイエチン);抗潰瘍/抗逆流剤(例えば、ファモチジン、シメチジン、および塩酸ラニチジン);制吐剤/鎮吐剤(例えば、塩酸メクリジン、ナビロン、プロクロルペラジン、ジメンヒドリネート、塩酸プロメタジン、チエチルペラジン、およびスコポラミン);ならびに本明細書中に記載される組成物および方法において有用な他の生理活性剤は以下が挙げられる。ミトーテン、ハロニトロソ尿素、アントラサイクリン(anthrocyclines)、エリプチシン(ellipticine)、セフトリアキソン、ケトコナゾール、セフタジジム、オキサプロジン、アルブテロール、バラシクロビル、尿性卵胞性刺激ホルモン、ファムシクロビル、フルタミド、エナラプリル、メトホルミン(mefformin)、イトラコナゾール、ブスピロン、ガバペンチン、ホシノプリル、トラマドール、アカルボース、ロラゼパム(lorazepan)、ホリトロピン、グリピジド、オメプラゾール、フルオキセチン、リシノプリル、トラマドール(tramsdol)、レボフロキサシン、ザフィルルーカスト、インターフェロン、成長ホルモン、インターロイキン、エリトロポイエチン、顆粒球刺激因子、ニザチジン、ブプロピオン、ペリンドプリル、エルブミン(erbumine)、アデノシン、アレンドロネート、アルプロスタジル、ベナゼプリル、ベタキソロール、硫酸ブレオマイシン、デキスフェンフルラミン、ジルチアゼム、フェンタニル、フレカイニド、ゲムシタビン、酢酸グラチラマー(glatiramer acetate)、グラニセトロン、ラミブジン、マンガフォジピール三ナトリウム(mangafodipir trisodium)、メサラミン、フマル酸メトプロロール、メトロニダゾール、ミグリトール、モエキシプリル(moexiprill)、モンテルカスト、酢酸オクトレオチド、オロパタジン、パリカルシトール(paricalcitol)、ソマトロピン、コハク酸スマトリプタン(sumatriptan succinate)、タクリン、ベラパミル、ナブメトン、トロバフロキサシン(trovafloxacin)、ドラセトロン(dolasetron)、ジドブジン、フィナステリド、トブラマイシン、イスラジピン、トルカポン(tolcapone)、エノキサパリン、フルコナゾール、ランソプラゾール、テルビナフィン、パミドロネート、ジダノシン、ジクロフェナク、シサプリド、ベンラファキシン、トログリタゾン、フルバスタチン、ロサルタン、イミグルセラーゼ、ドネペジル、オランザピン、バルサルタン、フェキソフェナジン、カルシトニン、および臭化イプラトロピウム。いくつかの実施形態において、薬物は、水溶性であり得る。他の実施形態において、薬物は、水溶性でなくてもよい。
【0065】
縫合糸12は、当業者の知識の範囲内である任意の技術(例えば、押し出し、成形、および/またはゲル紡糸)を使用して形成され得る。いくつかの実施形態において、縫合糸12は、1つより多いフィラメントから作製された糸を含み得、このフィラメントは、同じ材料または異なる材料の複数のフィラメントを含み得る。縫合糸12が複数のフィラメントから作製される場合、縫合糸12は、任意の公知の技術(例えば、編組、製織または編成)を使用して作製され得る。縫合糸12はまた、不織縫合糸を製造するために組み合わせられ得る。縫合糸12は、縫合糸形成プロセスの一部として、延伸され得るか、配向され得るか、捲縮され得るか、撚糸され得るか、混繊され得るか、または空気で絡められて、糸を形成し得る。1つの実施形態において、マルチフィラメント縫合糸が、編組により製造される。編組は、当業者の知識の範囲内である任意の方法によりなされ得る。
【0066】
図1および図2をなお参照すると、エンドエフェクタ10は、組織または他の材料を通る縫合糸12の完全な受容を防止するように構成される。エンドエフェクタ10は、縫合糸12の遠位端12bに形成された、実質的にT字型の結び目を形成する。エンドエフェクタ10は、縫合糸12の長手方向軸「X」に対して垂直に延びる軸「Y」を規定する。エンドエフェクタ10は、第一の延長部20および第二の延長部30を備え、これらの延長部は、縫合糸12から軸「Y」に沿って逆方向に垂直に延びて、T字型を形成する。第一の延長部20および第二の延長部30の各々は、複数の巻き22a〜22c、および32a〜32cからそれぞれ形成され、これによって、起伏した部材を形成する。本明細書中で使用される場合、「巻き」とは、「2本の枝(limb)の、少なくとも360°の巻き付けまたは織り合わせ」として定義され、そして「起伏した」とは、「波様または波形の形状を有すること」として定義される。示されるように、第一の延長部20および第二の延長部30は各々、3つの巻き22a〜22c、32a〜32cをそれぞれ備える。しかし、第一の延長部20および第二の延長部30は、任意の数の巻き22、32をそれぞれ備え得ることが想定される。第一の延長部20の巻きの数は、第二の延長部30の巻きの数と等しいことは必ずしも必要ではないことが、さらに想定される。縫合糸12の近位端12aは、1つ以上の針(図示せず)を備え得、そして/または1つ以上の棘を備え得る。
【0067】
図3A〜図4Cを参照すると、上で議論されたように、本開示の縫合糸は、全体的にかまたは部分的に、形状記憶ポリマー材料から形成される。このような材料は、第一の構成または永続的構成、および第二の構成または一時的構成を備える。この一時的構成からこの永続的構成への移行は、半径方向の拡張または収縮、軸方向の伸長または短縮、および/あるいは縫合糸の長さに沿った縫合糸の再配向をもたらし得る。
【0068】
ここで図3Aおよび図3Bを参照すると、縫合糸112は、結ばれたエンドエフェクタ110の少なくとも一部分が形状記憶ポリマー材料からなるように構成される。例えば、縫合糸112の、結ばれたエンドエフェクタ110のそれぞれの延長部120、130の巻き122、132に対応する部分は、少なくとも部分的に、形状記憶ポリマー材料からなり得る。縫合糸112の形状記憶ポリマー材料が、半径方向に拡張するように、および/または縫合糸の長さに沿って軸方向に短縮するように構成される場合、結ばれたエンドエフェクタ110は、延長部120、130の動きを可能にするために、緩く結ばれ得る。一時的構成(図3A)から永続的構成(図3B)への移行中に、結ばれたエンドエフェクタ110は、締まり、これによって、より硬い、すなわちより堅固な結び目を作製する。あるいは、縫合糸112を形成する形状記憶ポリマー材料が、半径方向に収縮するように、および/または縫合糸の長さに沿って軸方向に伸長するように構成される場合、結ばれたエンドエフェクタ110は緩み得、これによって、よりたるんだ、すなわちより柔軟な結び目を作製し、この結び目は、組織を通してより容易に方向付けられ得る。
【0069】
ここで図4〜図4Cを参照すると、縫合糸212は、結ばれたエンドエフェクタ210の延長部220、230が可撓性であり、そして/または長手方向軸「x」に対して実質的に平行に配置されるように配置された、形状記憶ポリマー材料の部分を備えるように構成され得る。すなわち、その結果、この形状記憶部分が一時的構成にある場合、結ばれたエンドエフェクタ210は、実質的に「Y」字型(図4A)を呈し、そして永続的構成への移行の際に、エンドエフェクタ210は、実質的に「T」字型(図4)を呈する。代替の実施形態において、結ばれたエンドエフェクタ210は、実質的に反転した「Y」字型(図4B)を有し得るか、一方の延長部が近位に向き、他方の延長部が遠位に向く形状(図4C)を有し得るか、またはその代わりに、延長部220、230は、縫合糸212の遠位端214aに柔軟に配置されて、方向付けられるように自由に動き得る。この様式で、縫合糸212の形状記憶部分が一時的構成(図4A、図4B、図4C)にある場合、結ばれたエンドエフェクタ210は、組織を通してより容易に受容され得、そしてこの一時的構成から永続的構成への移行の際に、結ばれたエンドエフェクタ210は、この組織内でロックされ、これによって、組織を通るエンドエフェクタ210の動きを制限する。あるいは、縫合糸212は、エンドエフェクタ210が一時的構成において実質的に「T」字型を呈し、そして永続的構成への移行の際に、結ばれたエンドエフェクタ210の延長部220、230がたるむか、または長手方向軸「x」に実質的に沿うように配向して、実質的に「Y」字型(図4A)、実質的に反転した「Y」字型(図4B)、一方の延長部が遠位に向いて他方の延長部が近位に向く形状(図4C)になるか、あるいは延長部220、230が縫合糸212の遠位端214aに柔軟に配置されるように、構成される。この様式で、縫合糸212は、一旦、結ばれたエンドエフェクタ210が一時的構成から永続的構成へと移行すると、組織を通してより容易に引かれるように構成される。
【0070】
エンドエフェクタ310を形成する方法が、図5〜図17を参照しながらここで記載される。最初に図5を参照すると、縫合糸312が、所望の長さに切断される。この縫合糸の長さは、縫合糸312が使用される用途に依存して変動し得る。エンドエフェクタ310のサイズもまた、縫合糸312の長さに影響を与え得る。より多くの巻き322、332(図8)がエンドエフェクタ310のそれぞれの延長部320、330に形成されるほど、必要とされる縫合糸312の長さまたはサイズが大きくなる。縫合糸312の太さもまた、縫合糸312の長さに影響を与える。あるいは、縫合糸312は、その自由端に、巻きのスプール(図示せず)を形成され得、そしてエンドエフェクタ310の形成後にある長さに切断され得る。次いで、縫合糸312の第一の短い端部314aが、縫合糸312の第二の長い端部314bの上に交差させられて、第一のループ313を形成する。第一のループ313は、第一の端部314aを第一のループ313に通して複数回巻き付けることを可能にするために充分なサイズであるべきである。「短い」および「長い」は、それぞれ第一の端部314aおよび第二の端部314bをいうために使用されるが、いくつかの実施形態において、短い端部314aは、実際には、長い端部314bと等しい長さであっても、より長くてもよい。
【0071】
図6を参照すると、次いで、縫合糸312の第一の端部314aは、縫合糸312の周りでループ313内で「n」回巻き付けられて、「n」個の巻き322を形成する。図示において、第一の端部314aは、縫合糸312の周りに3回巻き付けられて、3つの巻き322a〜322cを形成する。上で議論されたように、縫合糸312の第一の端部314aは、縫合糸312の周りでループ313内で、3回より多く巻き付けられても、3回より少なく巻き付けられてもよい。
【0072】
ここで図7を参照すると、第一のループ313は次に、固定具50に隣接して配置される。固定具50は、第一のループ313と第一の端部314aとの間のV字型のノッチに受容される。以下でより詳細に議論されるように、固定具50は、その長さに沿って延びるチャネル52を備える。
【0073】
図8を参照すると、縫合糸312の第一の端部314aは次に、固定具50の周りに巻き付けられて、第二のループ315を形成する。次いで、第一の端部314aは、縫合糸312の周りでループ313内で「m」回巻き付けられて、「m」個の巻き332を形成する。図示において、第一の端部314aは、縫合糸312の周りに3回巻き付けられて、3つの巻き332a〜332cを形成する。上で議論されたように、第一の端部314aは、縫合糸312の周りに3回より多く巻き付けられても3回より少なく巻き付けられてもよく、そして必ずしも、第一のループ313の反対側に形成された巻き322の数「n」に等しくなくてもよい。
【0074】
ここで図9および図10を参照すると、縫合糸312の第一の端部314aおよび第二の端部314bは次に、矢印「A」および「B」により示されるように逆方向に引かれ(図9)、これによって、第一のループ313および第二のループ315を固定具50の周りに締め付ける(図10)。
【0075】
上記のように、固定具50は、その長さに沿って形成されたチャネル52を備えて、縫合糸の端部314a、314bが第二のループ315を通過することを可能にする。ここで図11を参照すると、縫合糸312の第一の端部314aは、第一の端部314aを固定具50のチャネル52に通すことによって、第二のループ315に通される。しかし、第一の端部314aを第二のループ315に通すことは、チャネル52の使用および/または存在なしでも達成され得ることが想定される。第一の端部314aは、図示において、第二のループ315に上から通されて、第三のループ317を形成する。代替の実施形態において、縫合糸312の第一の端部314aは、第二のループ315に下から通され得る。
【0076】
ここで図12を参照すると、縫合糸312の第二の端部314bは次に、第一の端部314aが通されたのとは逆方向に、第二のループ315に通され、存在する場合にはチャネル52に通される。図示において、縫合糸312の第二の端部314bは、第二のループ315に下から通されて、第四のループ319を形成する。別の実施形態において、第二の端部314bは、第一の端部314aが第二のループ315に通されたのと同じ方向で、第二のループ315に供給され得る。この様式で、第二の端部314bは、第二のループ315に上から下へと通される。短い端部314aおよび長い端部314bが第二のループ315に通される方向は、エンドエフェクタ310の最終的な構成を決定する。なお別の実施形態において、第二の端部314bは、第二のループ315に上から下へ、または下から上へと通され得、そして短い端部314aは、短い端部314aを第二のループ315に通さずに、外側の巻き332cの隣接部で切断され得る。
【0077】
図13および図14を参照すると、縫合糸312は次に、固定具50から取り外され(図13)、そして第三のループ317および第四のループ319が次いで、縫合糸312の長手方向軸に対して垂直な軸に沿って、矢印「C」および「D」に示されるように逆方向に引かれて(図14)、第一のループ313および第二のループ315を、短い端部314aおよび長い端部314bの周りに締め付ける。
【0078】
ここで図15を参照すると、次に、短い端部314aおよび長い端部314bは、矢印「E」および「F」に示されるように逆方向に引かれて、第三のループ317および第四のループ319をそれぞれの巻き322a〜322c、332a〜332cの周りに締め付ける。
【0079】
ここで図16および図17を参照すると、次いで、第一の端部314aは、所望により、エンドエフェクタ310に近い位置で、またはエンドエフェクタ310から遠い位置で切断され得る。代替の実施形態において、第一の端部314aは切断されないままにされ得、これによって、医師に、縫合糸312を回収するための手段を提供し得る。
【0080】
本開示の局面から利益を得ることができる代替のエンドエフェクタは、Ruffらに対する米国特許出願公開第2005/0267531号(その全開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載されている。最初に図18を参照すると、1つの実施形態において、単一方向の棘付き縫合糸490は、縫合糸本体492(その外周から棘494が延びている)、尖った端部496、および反対側のエンドエフェクタ498を備える。アンカー498は、縫合糸492から半径方向外向きに、縫合糸本体492の長手方向軸に対して実質的に垂直な面内で延びる棒を備える。この構成は一般に、棘付き縫合糸490に「T」字型の形状を与える。図18A〜図18Sを参照すると、エンドエフェクタ498は、他の形状および構成を備え得る。図18A〜図18Lに示されるエンドエフェクタの各々は、棘494よりも長い距離で縫合糸本体492から半径方向外向きに延びる枝を有する。図18A〜図18Dにそれぞれ図示される棘付き縫合糸400、402、404、406のエンドエフェクタ498は、1つまたは複数の枝408を有し、これらの枝は、この縫合糸の端部の外周で、ほぼ等しく間隔を空けている。図18E〜図18Gに示される棘付き縫合糸410、412、414の実施形態は、縫合糸本体492の端部で周囲の一部分のみから延びる複数の枝408を備えるエンドエフェクタ498を有する。図18H〜図18Jは、それぞれの枝422〜423、424〜426、427〜430の各々が異なる長さである、棘付き縫合糸416、418、420の実施形態を示す。
【0081】
図18K〜図18Sは、一端における棘付き縫合糸のさらなる実施形態である。図18Kは、縫合糸の他端に向かって凹状である枝436を有するエンドエフェクタ434を有する棘付き縫合糸432を示す。図18Lは、縫合糸の尖った端部から離れる方向に凹状である枝442を有するエンドエフェクタ440を有する棘付き縫合糸438を示す。図18Mは、図18に示されるようなアンカー446を有し、棒から縫合糸の他端に向かって延びる複数のセグメント448をさらに備える、棘付き縫合糸444を示す。図18Nは、半球状のエンドエフェクタ452を有する棘付き縫合糸450を示す。図18Oは、ハンゴンソウ(coneflower)に類似のエンドエフェクタ456を有する棘付き縫合糸454を示す。図18Pは、本体492のループ(それ自体と交差してクリップを形成する)によって形成されたエンドエフェクタ460を有する棘付き縫合糸458を示し、ここで組織は、このクリップの間に受容され得る。図18Qは、縫合糸本体492のフックにより形成されたエンドエフェクタ464を有する棘付き縫合糸462を示す。図18Rは、「M」字に類似するエンドエフェクタを有する棘付き縫合糸466を示し、ここでこの縫合糸の本体492は、この「M」の真ん中の棒から延びる。図18Sは、縫合糸470の他端に向かって延びる反対側の棘494より大きい1つの棘472を有する、棘付き縫合糸470を示す。図18〜図18Sの種々のエンドエフェクタ設計によって実証されるように、多くのアンカー設計が、棘付き縫合糸と一緒に使用するための可能であり、そして本発明の範囲内である。上記のように、一時的形状において、エンドエフェクタは、細長本体に対して実質的に平行に配置され得る。エンドエフェクタが、図18〜図18Sに図示されるような永続的形状にある場合、これらのエンドエフェクタは、この縫合糸の遠位部分が組織を通って動くことを防止する。
【0082】
図18〜図18Sに示されるエンドエフェクタは、棘付き縫合糸の本体492と一体的に形成され得るか、または他の様式で、この縫合糸の端部に取り付けられ得る。
【0083】
本開示の例示的な実施形態が、添付の図面を参照しながら本明細書中に記載されたが、本開示はこれらの正確な実施形態に限定されないこと、ならびに種々の他の変更および改変が、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく当業者によりなされ得ることが、理解されるべきである。例えば、上記縫合糸の任意のものが、エンドエフェクタの遠位に形成されたループを備えて、組織内からのこの縫合糸の引き抜きを可能にし得ることが想定される。
【符号の説明】
【0084】
10 エンドエフェクタ
12 縫合糸
12a 近位端
12b 遠位端
20 第一の延長部
30 第二の延長部
22a〜22c、32a〜32c 巻き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸を規定する本体部分;ならびに
該本体部分から形成されたエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、形状記憶材料を含有し、そして第一の延長部および第二の延長部を備え、該第一の延長部および該第二の延長部は、該エンドエフェクタが永続的構成にある場合に、該長手方向軸から外向きに逆方向に延び、そして該第一の延長部および該第二の延長部は、該エンドエフェクタが一時的位置にある場合に、該長手方向軸に実質的に沿って延びる、エンドエフェクタ、
を備える、縫合糸。
【請求項2】
前記エンドエフェクタが、前記本体部分と一体的に形成されている、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項3】
前記エンドエフェクタが、前記永続的構成にある場合に、前記長手方向軸に対して実質的に平行である、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項4】
前記エンドエフェクタが前記永続的構成にある場合に、該エンドエフェクタが実質的にT字型を規定する、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項5】
前記エンドエフェクタが前記一時的構成にある場合に、該エンドエフェクタが前記長手方向軸に対して実質的に平行である、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項6】
前記エンドエフェクタが前記一時的構成にある場合に、該エンドエフェクタが実質的にY字型を規定する、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項7】
前記第一の延長部および前記第二の延長部が、複数の巻きを備える、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項8】
前記形状記憶ポリマーが、分解性材料、非分解性材料、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項9】
前記形状記憶ポリマーが、ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリオレフィンコポリマー、フッ素化ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアミン、ポリイミン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリブタエステル、ポリウレタン、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ハロゲン化ビニルポリマー、ハロゲン化ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリクロロフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアリールエーテルケトン、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族、ポリビニルエステル、ビニルモノマーのコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリホスファジン、ポリイミド、エポキシ樹脂、アラミド、レーヨン、スパンデックス、シリコーン、ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される非分解性材料を含有する、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項10】
前記形状記憶ポリマーが、脂肪族ポリエステル、ポリアミド、ポリアミン、ポリアルキレンオキサレート、ポリ(酸無水物)、ポリアミドエステル、コポリ(エーテル−エステル)、ポリ(カーボネート)、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、ポリイミドカーボネート、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリホスファゼン、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリウレタン、ポリマー薬物、生物学的に修飾された生体吸収性ポリマー、およびこれらのコポリマー、ホモポリマー、ならびに組み合わせからなる群より選択される生体吸収性材料を含有する、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項11】
前記形状記憶ポリマーが、ラクチド、グリコリド、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン、トリメチレンカーボネート、トリメチレンカーボネートのアルキル誘導体、δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−デカラクトン、ヒドロキシブチレート、ヒドロキシバレレート、1,4−ジオキセパン−2−オン、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン、2,5−ジケトモルホリン、ピバロラクトン、α,α−ジエチルプロピオラクトン、エチレンカーボネート、エチレンオキサレート、3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、6,8−ジオキサビシクロオクタン−7−オンのホモポリマーおよびコポリマー、ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される脂肪族ポリエステルを含有する、請求項10に記載の縫合糸。
【請求項12】
前記形状記憶ポリマーが、ポリ(アミノ酸)、コラーゲン、エラスチン、フィブリン、フィブリノゲン、絹、アルブミン、ラミニンおよびフィブロネクチンの配列を含むペプチド、ヒアルロン酸、デキストラン、アルギネート、キチン、キトサン、セルロース、グリコサミノグリカン、ガット、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、三酢酸セルロース、硫酸セルロースナトリウム塩、ニトロセルロース、キトサン、ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される生分解性ポリマーを含有する、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項13】
前記形状記憶ポリマーが、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジメタクリレート、オリゴ(ε−カプロラクトン)ブチルアクリレート、(アクリル酸n−ブチル)、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール/オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールコポリマー、ポリカプロラクトンジメタクリレートポリ(アクリル酸ブチル)ブレンド、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーを含有する、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項14】
前記形状記憶ポリマーが、ポリジオキサノンとポリラクチドとのブロックコポリマーを含有する、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項15】
前記ポリジオキサノンが、前記コポリマーの約5mol%〜約20mol%の量で存在し、そして前記ポリラクチドが、該コポリマーの約80mol%〜約95mol%の量で存在する、請求項14に記載の縫合糸。
【請求項16】
前記形状記憶ポリマーが、トリメチレンカーボネートとポリラクチドとのブロックコポリマーを含有する、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項17】
前記トリメチレンカーボネートが、前記コポリマーの約5mol%〜約20mol%の量で存在し、そして前記ポリラクチドが、該コポリマーの約80mol%〜約95mol%の量で存在する、請求項16に記載の縫合糸。
【請求項18】
長手方向軸を規定する本体部分;ならびに
該本体部分から一体的に形成されたエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、形状記憶材料を含有し、そして第一の延長部および第二の延長部を備え、該第一の延長部および該第二の延長部は、該エンドエフェクタが永続的構成にある場合に、該長手方向軸に実質的に沿って延び、そして該第一の延長部および該第二の延長部は、該エンドエフェクタが一時的位置にある場合に、該長手方向軸から外向きに逆方向に延びる、エンドエフェクタ、
を備える、縫合糸。
【請求項19】
前記エンドエフェクタが、前記一時的構成にある場合に、前記長手方向軸に対して実質的に平行である、請求項18に記載の縫合糸。
【請求項20】
前記エンドエフェクタが前記一時的構成にある場合に、該エンドエフェクタが実質的にT字型を規定する、請求項18に記載の縫合糸。
【請求項21】
前記エンドエフェクタが前記永続的構成にある場合に、該エンドエフェクタが前記長手方向軸に対して実質的に平行である、請求項18に記載の縫合糸。
【請求項22】
前記エンドエフェクタが前記永続的構成にある場合に、該エンドエフェクタが実質的にY字型を規定する、請求項18に記載の縫合糸。
【請求項23】
前記第一の延長部および前記第二の延長部の少なくとも一部分が、形状記憶材料を含有する、請求項18に記載の縫合糸。
【請求項24】
長手方向軸を規定する本体部分;ならびに
該本体部分から一体的に形成された、形状記憶材料を含有するエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、該長手方向軸から外向きに逆方向に延びる第一の延長部および第二の延長部を備え、該第一の延長部および該第二の延長部のいずれかまたは両方は、該エンドエフェクタが一時的構成から永続的構成へと移行する際に硬くなる、エンドエフェクタ、
を備える、縫合糸。
【請求項25】
長手方向軸を規定する本体部分;ならびに
該本体部分から一体的に形成された、形状記憶材料を含有するエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、該長手方向軸から外向きに逆方向に延びる第一の延長部および第二の延長部を備え、該第一の延長部および該第二の延長部のいずれかまたは両方は、該エンドエフェクタが一時的構成から永続的構成へと移行する際にたるむ、エンドエフェクタ、
を備える、縫合糸。
【請求項26】
長手方向軸を規定する本体部分であって、該本体部分は、遠位部分および近位部分を備え、該遠位部分は、エンドエフェクタを備え、そして該近位部分は、針を備え、該エンドエフェクタは、形状記憶材料を含有し、該エンドエフェクタが永続的構成にある場合、該エンドエフェクタは、組織を通る縫合糸の該遠位部分の動きを制限する、本体部分、
を備える、縫合糸。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図18F】
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【図18G】
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【図18H】
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【図18I】
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【図18J】
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【図18K】
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【図18L】
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【図18M】
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【図18N】
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【図18O】
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【図18P】
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【図18Q】
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【図18R】
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【図18S】
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【公開番号】特開2011−194238(P2011−194238A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64846(P2011−64846)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】