説明

結合水の減少したスラリーおよび防音パネル

パネルに存在する結合水の量を減らし、パーライト粒子の孔中に吸収された水を減らすのに有効であり、処理されたパーライトをスラリー中に混合させそして容易に含湿でき、処理の危険およびコストを低下させ、得られたパネルの物理的性質がマイナスに影響されないパネルの提供。そのパネルは、1つ以上の増量材;1つ以上の結合剤;および水を含み、該1つ以上の増量材の少なくとも1つは、フィルム形成性の熱可塑性ポリマーのコーティングにより少なくとも部分的にカバーされている膨張したパーライトである、パネルを製造するスラリー用組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防音または天井のパネルに関する。さらに詳細には、本発明は、より少ない水を有する防音(acoustical)パネルに関し、それゆえ乾燥するのに従来のパネルに比べて容易である。
【背景技術】
【0002】
防音パネル、天井タイルまたは天井パネルとしても知られている防音タイルは、直ぐに設置でき、安価で軽量である天井を作ることができるので、建築業界で良く知られている。タイルは、最もしばしば注型プロセスまたはウォーターフェルティングプロセスの何れかによって、増量材および結合剤のスラリーから製造される。
【0003】
このようなスラリーのウォーターフェルティングにおいて、繊維、結合剤および他の成分の分散物は、移動する多孔性の支持体、例えば脱水のためのFourdrinierまたはOliverマット形成機の支持体の上に流される。分散物は、重力により先ず脱水され、次にプレスおよび真空吸引手段により脱水される。湿ったベースマットは、加熱された対流乾燥オーブンで乾燥され、そして乾燥された材料には、望ましい大きさへの切断、分断および/または穴あけを行って音響吸収性を付与し、そして任意に例えばペンキによりトップコートして、防音タイルおよびパネルを得る。
【0004】
防音タイルは、また特許文献1に記載されたような含水パルプ成型または注型プロセスにより製造される。繊維、増量材、着色料および結合剤を含む成型用組成物は、タイルの本体を成型または注型するのに準備される。この混合物は、紙で裏打ちされた金属フォイル、または紙によりカバーされている好適なトレーの上に置かれ、次にスクリードバーまたはローラーにより、所望の厚さの組成物が形成される。修飾された表面例えば長い裂け目は、スクリードバーまたはローラーにより形成される。パルプにより満たされたトレーは、次にオーブンに入れられて組成物を乾燥または硬化する。乾燥されたシートは、トレーから取り出され、一面または両面は滑らかな面に処理され、望ましい厚さが得られそしてゆがみが防止される。シートは次に望ましいサイズのパネルに切断される。
【0005】
非常に軽量な増量材は、防音タイルの製造に使用するのに好ましい。それは、それらが、かさ高材として働き、そのため密度が低くしかも全体としてより軽い製品にするのを助けるからである。より軽い最終製品は、輸送重量を減らしそして取り扱いおよび設置を容易にすることから、望ましい。膨張したパーライドは、かさ高さをもたらしそして軽量なために、好ましい増量材である。
【0006】
膨張したパーライトは、主として相互接続した連続気泡からなる内部構造を有する。この構造により、毛管作用によるパーライト粒子の内部への水の吸収が生ずる。防音天井タイル分散物中の水は、本質的に2つの態様で存在することが分かっている。遊離水は、組織から機械的に除かれる水として定義され、真空の有無に関係なく金網を経る排水、そしてプロセスのプレス工程における排水を含む。結合水は、水素結合または毛管作用の何れかにより粒子特にパーライト粒子の内部内に含まれ、そして機械的に例えば吸引またはプレスにより除くことができない水として定義される。この結合水は、ベースマットを加熱して水の分圧を増大させ、それから水を除くことによって排除される。しかし、ベースマットおよび穴に保持されているすべての水を加熱することは、特に化石燃料の高い値段を考慮するとき、比較的費用がかかる。水保持値(「WRV」)は、例えばサンプルの乾燥重量の%として結合水の重量を表すものと定義される。
【0007】
シリコーン化合物の使用は、膨張したパーライトを処理してベースマットに存在する結合水の量を減らすことが知られている。本明細書で参考として引用される特許文献2は、結合水を減らすために、シリコーンポリマー、シロキサン、反応性シランモノマーおよび他の珪素化合物により処理された膨張したパーライトを利用する防音パネルを記述している。しかし、パーライトを処理するためにシリコーン化合物を使用するには、いくつかの不利な点が存在する。シリコーン化合物は高価である。それらのコストは、典型的な熱可塑性ポリマーのコストの約4倍である。また、シリコーンポリマーの使用に伴う取り扱いおよび健康に関連する危険が存在する。さらに、シリコーンコーティングによりパーライトを処理した結果、パネルの物理的な性質に不利に影響する。珪素化合物が膨張したパーライトを被覆するのに使用されるとき、パネルの約20%の強度が、典型的な例では失われる。市販の珪素処理パーライト(STP)は、湿らしたり、水中に分散させるのが極めて困難であり、スラリー中にそれらをブレンドするのが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】US1769519
【特許文献2】US5964934
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
防音パネルに存在する結合水の量を減らすことが、膨張したパーライトの処理に求められている。処理は、パーライト粒子の孔中に吸収された水を減らすのに有効でなければならないが、さらに処理されたパーライトをスラリー中に混合させそして容易に湿るようでなければならない。処理の危険およびコストは、低下されねばならず、そして得られたパネルの物理的性質が、マイナスに影響されてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらおよび他の目的は、建築用パネルを提供する本発明により満足させられる。さらに詳細には、建築用パネルの製造のためのスラリー組成物は、1つ以上の増量材、1つ以上の結合剤および水を含む。増量材の少なくとも1つは、熱可塑性のフィルム形成性ポリマーのコーティングにより少なくとも部分的にカバーされた膨張したパーライトである。いくつかの態様では、熱可塑性のフィルム形成性ポリマーは、親水性ポリマー、例えばアクリルポリマーまたはビニルアクリルポリマーを含む。他の態様では、疎水性または立体障害ポリマー、例えばスチレンおよびスチレンアクリルポリマーが使用される。いくつかの態様では、結合剤または増量材として焼成したまたは未焼成の石膏が用いられる。
【0011】
建築用パネルを製造する方法の1つは、パーライトの膨張、次にフィルム形成性の熱可塑性ポリマーのコーティングによる膨張したパーライトの被覆を含む。膨張したパーライトがフィルム形成性の熱可塑性ポリマーのコーティングにより被覆された後、それは水および結合剤と結合してスラリーを形成する。スラリーはパネルに成形されそして乾燥される。
【0012】
本発明のいくつかの態様は、膨張したパーライトへ結合した硫酸カルシウム2水和物の結晶の固体マトリックスを含む建築用パネルに関する。膨張したパーライトは、フィルム形成性の熱可塑性ポリマーのコーティングを含む。
【0013】
膨張したパーライトのためのコーティングとして熱可塑性のフィルム形成性ポリマーのエマルションを使用することは、いくつかの理由で有益である。パーライトの水分保持の顕著な減少が生じ、それは、予め乾燥されたボード製品に含まれる水の量の低下になる。より少ない量の水がパーライトの粒子の内部に侵入しているため、熱により排除されることを必要とする水の量は、より少なくなる。水分を排除するための熱の使用は、燃料のコストの点から経済的ではない。蒸発できる水の量(すなわち、乾燥機の必要性)を減らすスラリー組成物を見いだすことは、得られるパネルを作るのに必要な燃料の量を減少させることになる。燃料の減少は、キルンの温度を下げることにより、またはキルン内の建築用パネルの滞留時間を短くすることにより、例えば乾燥機を通過するライン速度を速めることにより、行うことができる。キルンにより規定される製造ラインにおいて、ライン速度全体を速めることが実現できる。
【0014】
熱可塑性のフィルム形成性ポリマーのエマルションは、またシリコーン油に比べて比較的安価である。シリコーン類の約4分の1の値段で、原料を顕著に節約できる。フィルム形成性の熱可塑性ポリマーで被覆されたパーライドを用いて製造されるボードの物理的性質は、またシリコーン油で被覆されたパーライトを用いて製造された同様なボードよりも改善されている。
【0015】
本発明とその態様とを下記に示す。
(1)1つ以上の増量材、ここで該1つ以上の増量材の少なくとも1つは、フィルム形成性の熱可塑性ポリマーのコーティングにより少なくとも部分的にカバーされている膨張したパーライトである;1つ以上の結合剤;および水を含む建築用パネルを製造するスラリー用組成物。
(2)該ポリマーのコーティングが、親水性ポリマー、疎水性ポリマーおよびこれらの混合物からなる群の少なくとも1つを含む上記(1)の組成物。
(3)該コーティングが、アクリルポリマー、ビニルアクリルポリマーおよびこれらの混合物からなる群の少なくとも1つを含む該親水性ポリマーを含む上記(2)の組成物。
(4)該疎水性ポリマーが、スチレンポリマー、スチレンアクリルポリマーおよびこれらの混合物からなる群の少なくとも1つを含む上記(2)の組成物。
(5)該1つ以上の結合剤が、繊維、澱粉、ラテックス結合剤、硫酸カルシウム2水和物結晶およびこれらの混合物からなる群の1つを含む上記(1)の組成物。
(6)該ラテックス結合剤が、約10℃から約110℃に及ぶガラス転移温度を有する上記(5)の組成物。
(7)該ラテックス結合剤が、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリルエマルション、塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、スチレン/アクリルコポリマー、カルボキシル化スチレン/ブタジエンおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる上記(5)の組成物。
【0016】
(8)膨張したパーライトを製造し;該膨張したパーライトをフィルム形成性の熱可塑性ポリマーにより被覆し;水、1つ以上の増量材、1つ以上の結合剤および被覆された膨張パーライトを組み合わせてスラリーを形成し;該スラリーをパネルに成形し;該スラリーを乾燥させることを含む建築用パネルの製法。
(9)該被覆工程が噴霧を含む上記(8)の方法。
(10)膨張したパーライト(フィルム形成性の熱可塑性ポリマーのコーティングを含むコーティングを含む)に結合した硫酸カルシウム2水和物結晶の固体マトリックスを含む建築用パネル。
(11)硫酸カルシウム2水和物および膨張したパーライトが、澱粉、石膏、繊維、ラテックス結合剤およびこれらの組み合わせからなる群の1つによりともに結合している上記(10)の建築用パネル。
(12)硫酸カルシウム2水和物の結晶が、硫酸カルシウム2水和物結晶の連結したマトリックスにより膨張したパーライトへ結合している上記(10)の建築用パネル。
(13)フィルム形成性の熱可塑性ポリマーのコーティングにより少なくとも部分的にカバーされている膨張したパーライトを含む被覆されたパーライト。
(14)該コーティングが、アクリルポリマー、ビニルアクリルポリマーおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる親水性ポリマーを含む上記(13)の組成物。
(15)該コーティングが、スチレンポリマー、スチレンアクリルポリマーおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる疎水性ポリマーを含む上記(13)の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の生成物、方法および組成物は、建築用パネル、防音パネル、天井タイルなどと通常いわれるパネルまたはタイルに関することを目的とする。以下の記述において、本発明は、本発明の1つの態様として建築用パネルに関するものとされる。本発明の多くの態様は防音性に関するが、それは本発明の必須な条件ではない。建築用パネルは、壁および他の箇所においても有用であり、そのため天井への使用に制限されることを目的とするものではない。特に指示されていない限り、組成物は、乾いた成分の重量に基づいた重量により計算される。
【0018】
本発明の新規な建築用タイルにおける主要な成分は、1つ以上の増量材である。結合水の量を減らすためにフィルム形成性の熱可塑性ポリマーのコーティングにより処理された膨張したパーライトが、いくつかの態様で1つの増量材として用いられる。防音パネル用の組成物中で膨張したパーライトを用いることは周知である。それらは、それらの低コストおよび低密度すなわち約3−10ポンド/ftのために、しばしば好ましい成分である。膨張したパーライトは、全体の製品の密度を減らすかさ高さを生じさせる。
【0019】
パーライトは、黒曜石と同様に加熱により膨張する能力を有する任意のガラス質岩から形成され、特に流紋岩の組成の火山ガラス質物質を含む。パーライトは、一般に65−75%のシリカ、10−20%のアルミナ、2−5%の水および少量のソーダ、カリおよび石灰を含む。その軟化点に加熱されたとき、パーライト中の水は、水蒸気になり、急速に膨張し、岩をポップコーンのように膨張させる。パーライトの体積は、約10倍に増大し、軽量の毛羽状の粒子を形成する。
【0020】
膨張したパーライトを製造する従来の方法では、パーライト鉱石は、先ず細かいサイズに砕かれる。細かく砕かれたパーライト鉱石を加熱された空気中に導入することにより、パーライトは膨張する。典型的な例では、パーライト膨張装置は、空気を華氏約1750度(954℃)に加熱する。パーライトは、加熱された空気中に随伴され、それを加熱しそして膨張させる。膨張後、パーライトの密度の変化により、膨張器から加熱空気とともにパーライトが流出する。膨張したパーライトは、極めて多量の結合水を保持できる多数の割れ目、裂け目および空所を有する。結合水は、真空またはプレスの何れかによりパーライト粒子から機械的に除くことのできない水である。それは、毛管作用または水素結合により、結合された箇所に保持され、排除には加熱しなければならない。結合水を排除するためにパーライトを加熱することは、燃料の消費の点から経済的ではない。
【0021】
結合水を制限するために、膨張されたパーライトは、パーライトの空所、裂け目および割れ目に入る水を防止するフィルム形成性の熱可塑性ポリマーにより少なくとも部分的に被覆される。開口は、水が入るのを物理的に阻止する熱可塑性のフィルム形成性ポリマーにより満たされることがない。むしろ、熱可塑性のフィルム形成性ポリマーは、コーティングが薄くても、パーライト粒子の内部への水の進入を十分に阻止する性質を有するように選ばれる。空所は、イオン性の電荷により分子レベルで、水をはじき返すので、水により満たされることがない。
【0022】
コーティングには、多くの種々の熱可塑性のフィルム形成性ポリマーが有用である。親水性ポリマー、疎水性ポリマーまたはこれらの混合物が使用される。表1は、結合水を減らすのに有用な親水性から疎水性に及ぶ一連の熱可塑性のフィルム形成性ポリマーを示す。疎水性ポリマーの例は、Omnova SolutionからのスチレンブタジエンであるGENFLO 3317、およびRohm and HaasからのスチレンアクリルであるLUCIDENE 615を含む。親水性ポリマーの例は、Rohm and HaasからのビニルアクリルであるROVACE 9100を含む。いくつかの態様は、水の分子を中に入れない手段として、立体障害を使用する他のタイプの熱可塑性のフィルム形成性ポリマーを利用する。熱可塑性のフィルム形成性ポリマーの長い側鎖は、立体障害のポリマーが存在するとき、裂け目および空所の空間が水により占められるのを困難にする。熱可塑性のフィルム形成性ポリマーの多くは、約10−約110℃のガラス転移温度を有する。有用な熱可塑性のフィルム形成性ポリマーの任意の組み合わせにより作られたコーティングも含まれる。
【0023】
【表1】

【0024】
表1の熱可塑性のフィルム形成性ポリマーは、最も疎水性のものから最も親水性のものまでランクされる。ランクは、Rame−Hartモデル100−00Contact Angle Goniometerを用いて決定された。それぞれの熱可塑性のフィルム形成性ポリマーの薄いフィルムを、ピペットを用いて顕微鏡のスライド上に拡げ、次にオーブン中で乾燥してフィルムを作った。それぞれの熱可塑性のフィルム形成性ポリマーのサンプルについて、1滴の水をフィルムの上にたらした。水滴は親水性のポリマーのフィルムを容易に湿らせ、ポリマーとの接触を最大にしそして低い接触角を生じた。水滴は、疎水性ポリマーのフィルムを容易には湿らすことがなく、ポリマーの接触を最低にし、そのため対応する大きい接触角をもち、球状のままであった。
【0025】
熱可塑性のフィルム形成性ポリマーは、一般に、約40−約55%が固体のエマルションの形で入手できる。液状の熱可塑性のフィルム形成性ポリマーのエマルションが水により希釈されるとき、コーティング溶液が形成される。いくつかの希釈されたコーティング溶液は、重量基準(全希釈溶液重量により除された熱可塑性のフィルム形成性ポリマーの固体の重量)で約2−約55%のポリマー固体を含む。希釈されたコーティング溶液の固体%は、典型的な例では、噴霧システムのために許容できる量の液体を得るように選ばれる。パーライトを被覆することは、好ましくは、計量された量の希釈したコーティング溶液をパーライトの上に噴霧することにより行われる。いくつかの態様では、パーライトを、実験用のセメントミキサーに入れ、攪拌し、その間コーティングがその上に噴霧される。未使用のコーティング溶液の重量を知ることは、膨張したパーライトにより保持されているコーティング溶液の量をモニターするのに有用である。
【0026】
任意の成分は、パネルのスラリーへ直接添加される。通常添加される成分は、以下に簡単に記述される。パネルは、また特定の性質が望まれるとき、被覆できる。他の成分および処理は、建築用パネルまたはそれらのコーティングの当業者にとり周知と思われる。コーティングの他の成分および濃度は、コーティングを適用しようとする目的に、極めて依存する。
【0027】
好ましくは、少なくとも1つの追加の成分は、繊維例えばセルロース繊維であり、それは未処理の強さ(green strength)をもたらすのに役立つ。セルロース繊維は、また結合剤として働き、そしてまた細かい粉末を保持するのを助ける。いくつかのタイプのセルロース繊維が、これらの組成物中で評価されている。防音タイル処方物において新聞紙または他の中古の紙を使用することは周知であり、そしてハンマーミル処理新聞紙およびハイドロパルプ新聞紙の両者が評価されている。新聞紙は、値段の点から好ましい。精製された紙繊維および木材繊維もセルロース繊維の源として使用できるが、より長い軟材またはクラフト繊維を用いて作られた天井タイルは、設置箇所でナイフで切断するのが、難しいことが分かっている。その上、クラフト繊維は、セルロース繊維の高価な源である。使用時に、セルロース繊維は、乾燥パネルの75重量%以内の量で存在する。好ましくは、セルロース繊維は、30重量%より少ない量でパネルに存在する。より好ましくは、セルロース繊維の重量は、約1−約30%、または約12−約28%である。他の繊維、例えばガラスまたはプラスッチクの繊維も有用である。ミネラルウールは、いくつかのタイプの建築用パネルにおいて通常使用される繊維である。
【0028】
石膏は、本発明のパネルにおいて他の好ましい増量材である。石膏の源の1つは、粉末石膏として知られている粗製の硫酸カルシウム2水和物である。予め焼成されて半水和物となりさらに再水和された石膏を含むリサイクル材料も使用できる。別に、いくつかの態様では、石膏の源は、パネル形成中再水和されて2水和物結晶の連結マトリックスを形成する焼成された石膏である。焼成石膏は、セルロース繊維材料とともに焼成されて、硫酸カルシウム結晶と連結したセルロース繊維の複合材料を形成する。石膏およびセルロース繊維の両者の他の源は、廃棄またはスクラップ石膏ウォールボードである。このプロセスにより作られたパネルは、US5320677に詳述されており、それは本明細書に参考として引用される。スクラップは、砕かれそしてスラリーに添加されるか、またはそれは共焼成プロセス用の原料になる。防音パネルへ石膏を添加すると、多くの利点があり、例えば表面硬度および防火性が改善される。
【0029】
他の増量材も本発明の組成物に有用である。無機増量材例えば粘土、雲母、ウォラストナイト、シリカ、パーライトおよび炭酸カルシウムも好適である。
パネルの他の成分は結合剤である。いくつかの態様では、セルロース繊維は、結合剤として働くのに十分な接着を生ずるが、いくつかの態様では、組成物中に二次的結合剤を含ませることも望ましい。他の結合剤例えばラテックス結合剤は、所望ならば、澱粉とともにまたは澱粉なしで使用できる。いくつかの態様では、硫酸カルシウム半水和物は、結合剤として機能し、パネルをともに保持する2水和物結晶を連結するマトリックスを形成する。
【0030】
澱粉は、コスト的に非常に有利であり、好ましい結合剤である。建築用パネルに結合剤として澱粉を使用することは周知である。澱粉ゲルは、澱粉粒子を水に分散し、そして澱粉が十分に煮沸処理されさらに澱粉スラリーが粘度の高いゲルに増粘されるまで澱粉スラリーを加熱することによって、製造できる。セルロース繊維の一部は、煮沸処理前に澱粉スラリー中に配合できる。澱粉スラリーの煮沸温度は、厳密にモニターされて澱粉顆粒の十分な膨張を確実に行う。とうもろこし澱粉の代表的な煮沸温度は、華氏約180度(82℃)から華氏約195度(90℃)である。澱粉は、またそれがベースマットの乾燥のプロセス中ゲルを形成するので、澱粉を予備煮沸することなく結合剤として使用できる。
【0031】
ラテックス結合剤は、澱粉の代わりに使用されるか、または澱粉結合剤に加えて使用できる。いくつかの態様例えば防音天井タイル処方物で有用なラテックス結合剤の多くは、US5250153に開示されており、該特許文献は本明細書において参考として引用される。ミネラルウールに基づく防音タイル中にラテックス結合剤を用いることは、当業者にとり周知である。これらのラテックス結合剤は、約10℃(華氏50度)から約110℃(華氏230度)に及ぶガラス転移温度を有する。ラテックス結合剤の例は、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリルエマルション、塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、スチレン/アクリルコポリマーおよびカルボキシル化スチレン/ブタジエンを含む。
【0032】
いくつかの態様では、建築用パネルは、水和された石膏によりともに結合される。焼成された石膏がスラリー中に存在するとき、それは水和して硫酸カルシウム2水和物結晶の連結したマトリックスを形成する。マトリックスが形成されると、膨張したパーライトのいくらかは、2水和物結晶間の格子中に連結されるようになり、2つの物質をともに結合する。本発明の態様の天井タイルは、また澱粉、硫酸カルシウム半水和物またはラテックス結合剤なしで作ることができるが、しかしそれらの少なくとも1つが存在することが好ましい。好ましい態様では、組成物は澱粉およびセルロース繊維の両者を含む。建築用パネルのいくつかの態様は、主な結合剤として硫酸カルシウム2水和物マトリックス、そして二次的結合剤として澱粉、繊維、ラテックス結合剤の少なくとも1つを利用する。
【0033】
建築用パネル中の他の任意の成分は粘土であり、それは耐火性を改善するのに使用される。炎に曝されたとき、粘土は燃焼することがなく、むしろ熱エネルギーのいくらかを用いて焼結する。組成物は、任意に、約4−約25重量%の粘土を含む。多くの種々のタイプの粘土が使用でき、Gleason、TexasからのBall Clay、Sledge,Miss.のKT ClayからのCTS−1およびCTS−2、Gleason、TXからのSpinks ClayおよびHickory、KYからのオールドHickory Clayを含む。他の市販の粘土、例えばベントナイトおよびカオリンも防音タイル処方物に有用である。さらに、いくつかの態様の防音組成物は、またこのタイプの処方物にとり周知の他の成分を含むことができる。軽量の凝集物、界面活性剤および凝集剤も有用であり、そして当業者にとり周知である。凝集剤の使用は、任意であり、小さい繊維および粒子の凝集を促進する。それらは、一般に、約0.1−約1.0%の量で使用される。有用な凝集剤は、BUFLOC 594(BuckmanLaboratories、Memphis、TN)である。
【0034】
ほとんどの場合、外側のコーティングが、建築用パネルの表面に適用されて、できた製品に、何らかの性質を付与する。この説明のために、「外側のコーティング」は、パネルの乾燥した表面に適用されるコーティングであり、そしてそれをパーライトコーティングから区別するのに使用される。しばしば、多数の異なる外側のコーティングが単一のパネルに使用されて、性質の或る組み合わせを生ずる。いくつかの態様では、パネルの1つ以上の表面上の外側のコーティングは、色彩、優れた外観のためにデザインされる。パネルの「面」は、生活空間への隣接を目指す建築用パネルの表面と定義される。多くの態様のパネルの裏(「裏」は、パネルの「面」の反対の表面として定義される)に適用される外側のコーティングは、外観よりも音響を変性することを目的とする。理想的には、建築用パネルは、音響吸収材として働いて、パネルを通過して隣接する生活空間に入る音響を最低にし、そしてパネルが設置されている室内または他の空間へ音響が反響して戻るのを最低にする。音響を弱める性質が望まれるとき、これらの態様は、好ましくは、パネルを通る音響の透過を防止するようにデザインされたパネルの裏のコーティングを含む。
【0035】
多数の有用な成分は、また用途に応じて外側のコーティングへ添加される。顔料、例えば白さのための二酸化チタンは、普通用いられる成分であり、そして好ましくは製造されるパネルの50重量%より少ない量で使用される。1%以内の量の分散剤は、乾いた成分を懸濁物として保つのを助ける。増粘剤、例えばセルロース増粘剤は、コーティング重量の10%以内の量で使用される。0.5%以内の泡消し剤は、混合中の空気の随伴を減らすために使用される。これらの成分は、すべて水中に溶解するかまたは分散する。
【0036】
表面仕上げ材は、建築用パネルの主な表面へ接着される。それらは、製造中にパネルを強くする。建築用パネルの表面の性質は、任意に表面仕上げ材により変性される。パネルの美観は、修飾的な仕上げが容易になされる表面仕上げの使用により改善できる。このような表面仕上げの例は紙である。パネルに隣接する生活空間の音響の特性は、表面仕上げ材により変化できる。例えば、ガラスファイバーは、音響的に透明であり、そして建築用パネルの芯および隣接する生活空間に音響を移動させるが、一方紙は音響を反響する。
【0037】
水の量は、外側のコーティングの使用に応じて極めて変化するが、好ましくはコーティングの重量の約20−約98%が水である。より好ましくは、水はコーティング重量の約30−約95%である。顔料または粘土を含む外側のコーティングは、好ましくは、約20−約50%の水を含み、一方殺生物剤または他の流体の成分を主として含むようにデザインされた外側のコーティングは、好ましくはコーティングの重量の約85−約98%を占める。
【0038】
パネルは、建築用パネルの任意の周知の製法に従って少なくとも1/8インチの厚さに製造される。建築用パネルのいくつかの態様は、石膏ウォールボードを作るのに使用されるプロセス、例えば本明細書で参考として引用されるUS6893752の方法に類似したプロセスにより製造される。プロセスは、増量材、結合剤および水のスラリーを混合することによって始まる。液体の形の成分は、通常、乾いた成分が添加される前に、計量された量の水とともに混合される。ラテックス結合剤が液体のエマルションの形で供給されるとき、それらは、乾いた成分の添加前に水とともに混合される。
【0039】
乾いた成分は、混合前に計量される。これらの成分は、任意に水への添加前にドライブレンドされる。乾いた成分が、水およびその中に混合される任意の液体の成分へ添加された後、均質なコンシステンシーのスラリーが得られるまで、水性組成物は混合される。一度形成されると、スラリーは混合容器から移されてパネルを形成する。
【0040】
もし注型プロセスが用いられるならば、スラリーは、所望のサイズおよび形状の型に移され、そこで水は1つ以上の成分により吸収されるか、または蒸発する。吸収は、物理的吸収例えば毛管作用、化学的吸収例えば水和、またはこれら両者を含む。パネルは、任意に、一度パネルがともに保持している十分な量の水が吸収されたか、または蒸発したならば、型から取り出される。型からの取り出し後、パネルは、好ましくはオーブン中で水を除くことにより、さらに乾燥される。
【0041】
建築用パネルを作る他の周知の方法は、フェルティングプロセス、例えば本明細書で参考として引用されるUS6413379に記載されているものによる。スラリーは、形成用テーブルの幅に沿ってスラリーを配分するヘッドボックス中に注がれる。ヘッドボックスから、スラリーは、濾過ケーキがその上に形成されるフェルティングコンベヤーの上に付着する。濾過ケーキは、コンベヤーの多孔性の形成用表面を通過するスラリーからの水の分離により、脱水される。約90%の未結合の水が、フェルティングコンベヤーにより濾過ケーキから除かれる。脱水は、好ましくは真空操作により助けられて余分の水を除く。結合剤として硫酸カルシウム半水和物が使用される場合には、半水和物が冷やされそして2水和物へ転換される前に、実際上できる限り多くの水が好ましくは除かれる。濾過ケーキの形成およびその脱水は、本明細書において参考として引用されるUS5320677に記載されている。
【0042】
脱水された濾過ケーキは、含水プレスされて水含量をさらに減らし、そして望ましい形状、厚さおよび/または密度に圧縮される。濾過ケーキがなお成形できる間、好ましくは含水プレスされて、望ましいサイズおよび厚さのボードまたはパネルにされる。もし特殊な表面のテキスチュアーまたは積層された表面仕上げがボードに付与されるならば、表面は、好ましくはこの工程中またはその後変性される。含水プレス工程は、好ましくは、圧力を次第に上げて製品の一体性を保ちつつ、行われる。
【0043】
製品がその形状を保持するのに十分な脱水が完了した後、ボードは、所望ならば切断されそして形を整えられ、さらに乾燥のためにキルンへ送られる。硫酸カルシウム半水和物が結合剤として使用される場合、製品を華氏約110度から華氏約125度の間の継続する温度で乾燥することが望ましい。未煮沸澱粉が結合剤として使用される場合、製品の芯の温度を少なくとも華氏170度(77℃)に達する条件、より好ましくは華氏約170度(77℃)と華氏約200度(93℃)との間の芯の温度に達する条件の下、製品を乾燥するのが望ましい。
【0044】
所望ならば、開口、ピンホールまたは凹みを、パネルの前面に形成して音響を吸収する。開口は、切れ目を入れること、亀裂を生じさせること、つつくこと、または当業者に周知の任意の他の手段によりベースマットに凹みを生じさせることにより作られる。パネルが注型されるとき、注型品に凹みを生じさせるように型を成形するのが有利である。オーブンによる乾燥後、パネルは、所望ならば、コーティング、例えばパネルが目的とする特定の用途に好適な前記のものにより被覆される。
【実施例1】
【0045】
被覆されたパーライトのサンプルは、Silbrico Corp.Hodgkins、ILからのNo.3パーライトを用いて製造された。3つのスチレン/アクリルポリマーをRohm and Haas、Philadelphia、PAから入手したが、それらは表2に記述される。他に述べられていない限り、述べられているすべての重量はグラムによる。
【0046】
【表2】

【0047】
被覆されたパーライトは、小さいセメントミキサー中に1000.0gのパーライトを注入することにより作られた。5%の熱可塑性のフィルム形成性ポリマー溶液を、無空気噴霧器に注入しそして噴霧器の風袋を差し引いた。ミキサーの運転を開始し、溶液をパーライト上に噴霧した。周期的に、噴霧器を計量し、そして適切な量の熱可塑性のフィルム形成性ポリマー溶液を使用するまで、噴霧を続けた。被覆されたサンプルおよび各コーティングの量を表3にリストする。サンプルを、次に熱可塑性のフィルム形成性ポリマーがフィルムとなるのに十分な温度で乾燥した。表に示されるサンプルのナンバーは、次のテストに使用される被覆されたパーライトそのものを示す。
【0048】
【表3】

【実施例2】
【0049】
処理された膨張したパーライトの水保持値(「WRV」)は、以下のベースマットの小さいサンプルを作ることによってテストされた。
(1)No.40Whatman 12.5cm濾紙および600mLのガラスビーカーを予め計量した。
(2)パーライトの15.0グラムのサンプルを計量した。
(3)パーライトを300mLの水を添加した。スパチュラにより攪拌した。30秒間静置した(時間厳守)。
(4)攪拌しつつスラリーを濾紙をつけたブフナー漏斗へ添加した。水瓶によりビーカーを湿らせた。
(5)20インチHgの真空を60秒間適用した(時間厳守)。
【0050】
(6)真空を止め、重量を計ったビーカーへ含水パッドを移し、そして含水パッドおよびビーカーを計量した。
(7)105℃のオーブン中で乾燥して一定の重量にした。
(8)オーブンで乾燥したパッドおよびビーカーを計量した。含水パッドの水分量を計算した。
この手順を3回繰り返し、そして平均値を、処理されたパーライトの各サンプルについて報告した。すべてのテストの結果の要約を表4に示す。1つを除いてすべての被覆されたパーライトは、コントロール(未被覆)サンプルに比べて、改善された(すなわち低い)水保持値を示す。10の湿潤値は、被覆されたパーライトサンプルのすべてが、テストプロセス中水により容易に湿潤されたことを示す。
【0051】
【表4】

【実施例3】
【0052】
テストの次の相において、Tappiボードとして知れられている小実験室スケール防音タイルを、実験室において作り、存在する結合水の量を測定した。Tappiボードは、以下にリストされる手順に従って、上述の処理されたパーライトのそれぞれを用いて製造された。
【0053】
(Tappiボード製造手順)
(1)水を計量しそして混合バケツに入れる。
(2)紙繊維、ミネラルウール、パーライト、澱粉、炭酸カルシウムおよびラテックス結合剤(もし適用可能ならば)を添加する。最大の設定で3.0分間混合する。
(3)凝集剤を添加しそしてさらに15秒間混合する。
(4)ワイヤ上の不織スクリムをTappi箱に入れ、そしてスクリムをカバーする高さにTappi箱を水で満たす。
(5)スラリーをTappi形成器に加える。底のバルブを開けそしてスラリーを排出させる。
(6)5秒間20インチHgの真空にする。
【0054】
(7)形成されたマットを風袋を計ったプレートに移し、そして形成されたマット(含水重量)を計量する。
(8)それぞれの側面でプラスチックスクリムと有孔のプレートとの間に挟まれた水圧プレスにマットを置く。
(9)述べられた厚さにプレスする。プレスから取り出し、ワイヤおよびプレートを除き、そしてマットを風袋を計ったプレートへ移す。プレスされたマットを計量する(プレス重量)。
(10)プレスされたマットをTappi形成器に戻し、そして20インチHgの真空をさらに5秒間適用する。
(11)形成されたマットを風袋を計ったプレートへ移し、そして形成されたマットを計量する(含水重量)。
(12)オーブンへ移す。オーブンの温度が華氏600度に達するまで、華氏600度でパネルを乾燥する。ボードを次に華氏350度で3時間乾燥する。乾燥したパネルを計量する(乾燥重量)。
ボードに関する目標値は、厚さが0.6インチであり、密度が12.5Lb/ftであった。ボードの組成は表5に示される。
【0055】
【表5】

【0056】
使用される澱粉は、Westchester,ILのCorn Products Internationalから入手したとうもろこし澱粉であった。ハイドロパルプ新聞紙は、USG Cloquest工場から供給され、炭酸カルシウムは、Cutler Magnerから得られ、そしてミネラルウールは、USG Red Wing工場から得られた。
【0057】
上記の実験室のベースマットにおける被覆されたパーライトのそれぞれの評価は、表6に示される。これらの結果は、このタイプの防音天井製品における熱可塑性のフィルム形成性ポリマー被覆パーライトを用いる利点を立証している。「除去された水%」と題された最後の欄は、このような熱可塑性のフィルム形成性ポリマーのコーティングの使用によって除くことができる追加の水を明らかに立証する。
【0058】
【表6】

【実施例4】
【0059】
MORテストは、上記の実施例3で得られたボードについて行われた。テストは、100ポンド付加セルを用いて、実験室用INSTRON材料試験器(Instron Corporation,Norwood、MA)で行われた。チャート速度に関する設定は、Bx(左)およびBy(右)であり、10cm/分のチャート速度を得た。クロスヘッド速度に関する設定は、Dx(左)およびDy(右)であり、5cm/分のクロスヘッド速度を得た。20ポンドの実物大の設定を使用した。サンプルは、テスト前24時間華氏70度、相対湿度50%の条件の下に置かれた。
【0060】
2インチのボール硬度は、実験室用INSTRON材料試験器で行われた。チャート速度に関する設定は、Bx(左)およびBy(右)であり、10cm/分のチャート速度であった。クロスヘッド速度に関する設定は、10:1の減速装置を用いてBx(左)およびBy(右)であり、0.5cm/分のクロスヘッド速度を得た。これらの伝動装置を用いて、0.25インチのボールの圧こんは、チャートの5.0インチに相当する。0.25インチのボールの圧こんは、ボールに設けられた0.250インチの輪を用いて決められた。250kgの付加セルは、100kgの原寸の設定で使用された。サンプルは、テスト前に24時間、華氏70度、50%相対湿度の条件におかれた。これらのテストの結果は、表7に示される。これらの結果は、熱可塑性のフィルム形成性パーライト被覆パーライトの使用が、得られたパネルの物理的性質に悪影響をおよぼさなかったことを立証する。
【0061】
【表7】

【実施例5】
【0062】
表8に示される追加のポリマーのタイプは、パーライトに対するコーティングとしてテストされた。5%ポリマー固体の溶液は、実施例1に従って作られ、そしてSilbricoからのNo.3パーライト1000gを被覆した。
【0063】
【表8】

膨張したパーライトを、実施例1の方法に従って上記の熱可塑性のフィルム形成性ポリマーにより処理した。WRVは、実施例2の方法に従って測定されそして以下に示される。
【0064】
【表9】

Tappiボードは、実施例3の方法に従ってサンプル12−23の被覆された膨張したパーライトを用いて作られた。水除去値は、上記の実施例3に述べられた方法に従って測定され、そして表10で報告される。
【0065】
【表10】

【実施例6】
【0066】
実施例4に記載されたMOR硬度のテストをボード12−23について行った。結果は以下の表11に示す。
【0067】
【表11】

【0068】
前記のように、熱可塑性のフィルム形成性ポリマー被覆パーライトの使用は、Tipple Moistureにおける低下を促進し、ポリマーのコーティングがパーライトの粒子に水が入るのを防止するのに有効であったことを示す。さらに、熱可塑性のフィルム形成性ポリマーのコーティングの使用は、得られるボードの物理的性質に対して悪影響をあたえなかった。
【0069】
本発明の結合水の減った防音パネルおよびスラリーの特別な態様が示され説明されたが、変化および改変が、その広い側面でそして請求の範囲に示される本発明から離れることなく、それについてできることは、当業者により理解されるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の増量材、ここで該1つ以上の増量材の少なくとも1つは、フィルム形成性の熱可塑性ポリマーのコーティングにより少なくとも部分的にカバーされている膨張したパーライトである;
1つ以上の結合剤;および

を含むことを特徴とする建築用パネルを製造するスラリー用組成物。
【請求項2】
該ポリマーのコーティングが、親水性ポリマー、疎水性ポリマーおよびこれらの混合物からなる群の少なくとも1つを含む請求項1の組成物。
【請求項3】
該コーティングが、アクリルポリマー、ビニルアクリルポリマーおよびこれらの混合物からなる群の少なくとも1つを含む該親水性ポリマーを含む請求項2の組成物。
【請求項4】
該疎水性ポリマーが、スチレンポリマー、スチレンアクリルポリマーおよびこれらの混合物からなる群の少なくとも1つを含む請求項2の組成物。
【請求項5】
該結合剤が、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリルエマルション、塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、スチレン/アクリルコポリマー、カルボキシル化スチレン/ブタジエンおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる請求項1−4の何れか1つの項の組成物。
【請求項6】
膨張したパーライトを製造し;
該膨張したパーライトをフィルム形成性の熱可塑性ポリマーにより被覆し;
水、1つ以上の増量材、1つ以上の結合剤および被覆された膨張したパーライトを組み合わせてスラリーを形成し;
該スラリーをパネルに成形し;
該スラリーを乾燥させることを特徴とする建築用パネルの製法。
【請求項7】
膨張したパーライトに結合した硫酸カルシウム2水和物結晶の固体マトリックスを含み、該膨張したパーライトは、フィルム形成性の熱可塑性ポリマーのコーティングを含むコーティングを含むことを特徴とする建築用パネル。
【請求項8】
硫酸カルシウム2水和物結晶および膨張したパーライトが、澱粉、石膏、繊維、ラテックス結合剤およびこれらの組み合わせからなる群の1つにより、ともに結合している請求項7の建築用パネル。
【請求項9】
フィルム形成性の熱可塑性ポリマーのコーティングにより少なくとも部分的にカバーされている膨張したパーライトをからなることを特徴とする被覆されたパーライト。
【請求項10】
該ポリマーのコーティングが、親水性ポリマー、疎水性ポリマーおよびこれらの混合物からなる群の少なくとも1つを含む請求項9の被覆されたパーライト。

【公表番号】特表2010−532795(P2010−532795A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514929(P2010−514929)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/065901
【国際公開番号】WO2009/009238
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(508062096)ユーエスジー インテリアズ インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】