説明

結合装置

【課題】小さな空間要求を有する結合装置を提供する。
【解決手段】結合装置は、第1の接続領域(6)を有する第1の部分(2)と第2の接続領域(8)を有する第2の部分(3)とを備える。このような結合装置は、小さな空間要求を有する。このため、第1の接続領域(6)中に半径方向に広がる密閉リング(10)が、第1の部分(2)と第2の部分(3)の間に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の接続領域を有する第1の部分と第2の接続領域を有する第2の部分とを備える結合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようの結合装置は、例えば、線の2つの切断面を結合するために用いられる。従って、このような結合は、例えば冷却水ホースをエンジンまたはラジエータに接続するため、自動車エンジンの冷却水システムに用いられる。この場合、第1の接続領域は一般に、結合の相手側と解放可能なように構成される。第2の接続領域は例えば、冷却水ホースに確実に接続されるように構成される。
【0003】
特許文献1は、冷却システムの2つの切断面を接続するための結合装置を開示し、結合の2つの部分がお互いに溶接されることが可能である。冷却液の流れを制御する役目をする閉鎖装置は、結合の2つの部分の間に配置されている。第1の部分に輪状のシールが提供され、このシールは、第1の部分に挿入可能な挿入部分に関して密封を提供する役目をする。このような結合は比較的大きい軸の長さを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ特許公開20 2007 017 181 U1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動車のエンジン区画内では、空間は一般的に制限される。したがって、本発明は、小さな空間要求を有する結合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、第1の部分と第2の部分の間に配置される第1の接続領域中に半径方向に広がる密閉リングによって、最初に言及した型の結合装置について達成される。
【0007】
密閉リングは、第1の部分と第2の部分の両方と接触し、したがっていくつかの仕事を引き受ける。一方で、それは、第1の部分と第2の部分の接続を密封する役目を果たす。他方で、それは、第1の接続領域に挿入される挿入要素に関してシールを提供する。密閉リングは、第1の部分と第2の部分の間、つまり第1の部分の端に配置されているため、たとえ第1の部分が比較的短い形状であっても、比較的長い案内長が可能である。結合装置は、したがって、比較的短く形成することができ、その結果小さな空間のみを要求する。
【0008】
密閉リングは、第1の部分の中に形成される溝の中に配置され、溝の側壁は第2の部分の端面によって形成されることが好ましい。密封リングは、溝によって望ましい位置に保たれる。第2の部分の端面が溝の側壁を形成する事実は、第1の部分の中に対応するウェブなしで済ますことを可能にする。したがって、軸方向の長さはさらに短くできる。同時に、密封リングはさらに、第1の部分と第2の部分の間にシールを提供する。
【0009】
第1の部分が、強い結合、特に溶接によって第2の部分と接続されることは特に好ましい。強い結合による接続は、2つの部分に密閉密封された接続を達成する。適切な場合、第1の部分と第2の部分の間の接触領域を増加する接続配置でもある。例えば圧入の場合に要求されるような第1の部分と第2の部分の間の大きな重なりは、強い結合による接続の場合必要ない。この効果をすべて有する結合装置は比較的小型な手法で形成される。第1の部分は、異なった軸位置で第2の部分に接続されることも可能である。溶接の場合、このために異なったツールは必要ない。結合装置が作成されることができる変形の範囲は、したがって非常に大きい。第1の部分はまた、特別なツールを要求することなく、別に形成された第2の部分で提供されることもできる。
【0010】
結合対応物は第1の接続領域の中に挿入され、結合対応物のための停止片が第2の部分の中に提供されることは効果的である。したがって、結合対応物は第1の部分を通過し、第2の部分に到達する。したがって、結合対応物のための案内は、第1の部分によって提供されるだけでなく、第2の部分によっても提供される。結果として、第1の部分は、比較的短い形状であることができる。第1の部分と第2の部分の間に配置された密封リングと同様に、第1の部分と第2の部分の間のつよい結合、結果的に密閉密封された接続の理由で、結合対応物は第2の部分の中、離れて導入される必要はない。したがって、第2の部分は比較的短い軸方向の長さで作られることができる。
【0011】
第1の部分は、結合対応物がロッキングの手法で固定される固定装置を有することも好ましい。したがって、結合対応物は、解放可能なように第1の部分に接続される。これは修復作業で特に重要である。したがって、固定の接続は、不測の切り離しが発生しないことを確実にする。
【0012】
固定装置は、結合対応物の挿入の方向に関し垂直に動くことが可能なクリップを有することも好ましい。結果的に、固定装置が結合対応物を単に引くことによって解放されることをほとんど不可能にする。むしろ、結合対応物の動きが可能な方向に垂直な力が解放するためクリップに印加される必要がある。この場合、クリップは、結合対応物の動きの方向で第1の部分にぴったり合うように導かれる。
【0013】
第1の部分は、クリップの一端が導かれる少なくとも1つの傾斜面を有し、傾斜面はクリップの動きの方向に関して、鋭角に配置されることも好ましい。したがって、クリップの端は、引かれたとき傾斜面上外側に導かれるため、クリップの動きは、それを広げさせる。クリップの完全な取り外しは、結合対応物を取り除くために必要でない。クリップを完全に取り除くのではなく、比較的短い距離を動かすため、空間の小さな量がクリップを開くために十分である。
【0014】
クリップがU字形状であり、2つの端を有し、各端は傾斜面上で導かれることは特に好ましい。したがって、クリップは、引かれたとき対称的に広がる。結果として、クリップの非常に短い適切な動きが、結合対応物を解放するために十分である。同時に、第1の部分の結合対応物の確実な保持は、固定された状態で確実にされる。
【0015】
傾斜面は、2つの停止片で境界を示されることも好ましい。これらの停止片は閉じ込めを確保する手段とする役目を行い、その結果、クリップは、不注意で引くことができなく、失われない。
【0016】
好ましい実施形態では、第1の接続領域は第2の接続領域に関して垂直に広がっている。この形状は、空間が制約されているとき特に好ましい。第1の接続領域と第2の接続領域のあいだの90°以外の角度も考えられる。
【0017】
本発明は、好ましい実施形態を概要の図とともに、以下により詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】結合装置の断面図を示す。
【図2】結合装置の部分的な断面図を示す。
【図3】3次元表現での結合装置を示す。
【図4】結合装置の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、第1の部分2と第2の部分3を有する結合装置1を示す。第1の部分2と第2の部分3は、強く接着する手法でお互いに接続されている。この場合、2つの部分2、3は互いに溶接されている。さらに第1の部分2は、第2の部分3上の対応外形5と相互作用する接続外形4を有する。結果として、第1の部分2と第2の部分3の接続範囲は、サイズとともに増加し、密閉密封の接続が確実になる。
【0020】
第1の部分2は、結合対応物7が中に挿入される第1の接続領域6を有する。第2の部分3は、ホースの端が押し込まれる第2の接続領域8を有する。ホースを動かないようにするため、周辺リブ9が第2の接続領域8内に提供される。さらに、例えば、ホースはホースクランプの助けで接続領域8で動かなくすることもできる。
【0021】
密閉リング10は、第1の部分2と第2の部分3の間に提供され、密閉リング10は、溝11の中に配置され、溝11は、第1の部分2の中に形成される。溝11の側壁は、第2の部分の端面12によって形成される。密閉リング10は、第1の接続領域6の中、半径方向に伸び、その結果、結合対応物7に対して確実に横たわっている。本実施形態の場合、結合対応物7は、密閉リング10と合わさる溝を有している。
【0022】
結合対応物7は、接線方向に2つの長方形のくぼみ13を有している。クリップ14(図2)を有する固定装置は、それらのくぼみ13と相互に作用する。クリップ14は、結合対応物7の動作の方向に関して、垂直方向に移動可能である。クリップ14の動作は、図2の中で矢印15によって示されている。クリップ14は、U字型であり、それぞれ端18、19を有する2つの脚16、17を有している。クリップ14の端18、19は、それぞれ、傾斜面20、21上で導かれる。傾斜面は第1の部分2上に配置される。この場合、傾斜面20、21は、本質的に第1の部分2上の接線方向に配置される。
【0023】
図2は、最初に固定位置14aでのクリップ14を示し、その次に自由位置14bでのクリップ14を示す。固定位置14aの中で、脚16、17は、第1の部分2で開口22を突き出る。その結果、脚16、17は、結合対応物7内のくぼみ13とかみ合う。それゆえ、結合対応物7の軸方向の動作は妨げられる。開口22は、同時に第1の部分2内のクリップ14の軸方向固定の役目を果たす。固定位置14aでクリップ14の端18、19は必ずしも傾斜面20、21に対して横たわらない。端18、19は傾斜面20、21の停止片23、24によって固定される。
【0024】
自由位置14bでクリップ14は、固定位置14aに関して矢印15の方向に直線的に移動される。結果として、端18、19は傾斜面20、21にそって別々に押される。結果として、脚16、17は、くぼみ13の外に移動され、結合対応物7は第1の接続範囲6から軸方向に取り外される。クリップ14の除去は傾斜面20、21上で停止片25、26によって、妨げられる。結果として、クリップ14を失うことはほとんど不可能である。同時に、脚16、17が完全に開口22の外に出ないことを確実にし、その結果、クリップ14の軸方向の位置は固定されたままになる。
【0025】
クリップ14の比較的小さい動きが結合対応物7の動きの方向と垂直な方向にあるとき、脚16、17の比較的大きい広がりが発生することは、傾斜面20、21によって確実にされる。したがって、比較的小さな自由空間のみがクリップの動きに対して、結果的に固定装置の解放のために利用可能である。同時に動きの案内は傾斜面20、21によって発生するため、クリップの端18、19は、比較的単純な形状である。
【0026】
図3は、結合対応物7を除いた結合装置1を示す。クリップ14は固定の位置にある。脚16が第1の部分2の中の開口22を突き出てることが見て取れる。適切な場合、この脚16の見える部分は、結合対応物7のくぼみ13で固定される。クリップ14は、開口22の中ではなく溝27の中で、第1の部分2の中に導かれる。これは、ほとんど他の部分がクリップ14に捕まえられ、気づかずにそれを開く危険を不可能にする。同時に、比較的よい力の移動が、クリップ14から第1の部分2に起こることができる。
【0027】
図4は、結合装置1の側面図を示し、第1の接続範囲6は、第2の接続範囲8に関して垂直に配置されている。クリップ14の端18、19は、単純な曲げによって形成されていることが見て取れる。傾斜面20、21の理由で、そのような種類の単純な形状が適切である。
【0028】
第1の部分2と第2の部分3の間の強く接着された接続は、結合装置1を非常に小型の形状にすることを可能とする。さらに、これは、輪状のシール10が第1の部分2と第2の部分3の間に配置されることによって、支援され、第1の部分2と第2の部分3の両方によってその位置に保たれる。したがって、小さな軸方向の空間のみが密閉リング10のために要求される。同時に結合対応物7は、第1の部分2と第2の部分3の両方によって、導かれる手法で適合される。結合対応物7は、第2の部分3の中の停止片28によって非常に遠くに挿入されることが防がれる。第1の部分2と第2の部分3の案内長は一緒に加算されるため、各部分2、3が比較的小さな案内長を提供しても、適切な大きな案内長が得られる。このように、制限された空間の中で用いることができる非常に小型な結合装置1が最終的に得られる。
【0029】
傾斜面20、21の提供は、第1の部分2と解放のため小さな空間のみを要求する結合対応物7との間に固定接続を得ることを可能にさせる。結果として、結合装置1が使用される機会はさらに広がる。
【0030】
第1の部分2と第2の部分3の溶接した接続の提供は、第2の部分3が第1の部分2に関して、実質的に任意の望みの角度で配置されることを可能とする。第1の部分2は、固定装置であり、異なって形成された第2の部分3と結合することもできる。したがって、例えば、第1の接続範囲6と第2の接続範囲8との間の角度は可変である。
【0031】
要するに、強く接着した接続は、特別なツールを要求することなく、大きな範囲の変化の可能性を作成する。
【符号の説明】
【0032】
1 結合装置
2 第1の部分
3 第2の部分
4 接続外形
5 対応外形
6 第1の接続領域
7 結合対応物
8 第2の接続領域
9 周辺リブ
10 密閉リング
11 溝
12 端面
13 くぼみ
14 クリップ
15 矢印
16、17 脚
18、19 端
20、21 傾斜面
22 開口
23、24、25、26、28 停止片
27 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続領域を有する第1の部分と第2の接続領域を有する第2の部分とを備える結合装置において、
第1の接続領域(6)中に半径方向に広がる密閉リング(10)が、前記第1の部分(2)と前記第2の部分(3)の間に配置されることを特徴とする結合装置。
【請求項2】
前記密閉リング(10)は、前記第1の部分(2)の中に形成される溝(11)の中に配置され、該溝(11)の側壁は前記第2の部分(3)の端面(12)によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の結合装置。
【請求項3】
前記第1の部分(2)が、強い結合、特に溶接によって第2の部分(3)と接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の結合装置。
【請求項4】
結合対応物(7)は、前記第1の接続領域(6)の中に挿入され、該結合対応物(7)のための停止片(28)が前記第2の部分(3)の中に提供されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の結合装置。
【請求項5】
前記第1の部分(2)は、前記結合対応物(7)がロッキングの手法で固定される固定装置を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の結合装置。
【請求項6】
前記固定装置は、前記結合対応物(7)の挿入の方向に関し垂直に動くことが可能なクリップ(14)を有することを特徴とする請求項5に記載の結合装置。
【請求項7】
前記第1の部分(2)は、前記クリップ(14)の一端(18、19)が導かれる少なくとも1つの傾斜面(20、21)を有し、該傾斜面(20、21)は前記クリップ(14)の動き(15)の方向に関して、鋭角に配置されることを特徴とする請求項6に記載の結合装置。
【請求項8】
前記クリップ(14)がU字形状であり、2つの端(18、19)を有し、各端(18、19)は前記傾斜面(20、21)上で導かれることを特徴とする請求項7に記載の結合装置。
【請求項9】
前記傾斜面(20、21)は、2つの停止片(23、24、25、26)で境界を示されることを特徴とする請求項7または8に記載の結合装置。
【請求項10】
前記第1の接続領域(6)は、前記第2の接続領域(8)に関して垂直に広がっていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の結合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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