説明

結晶化ガラス物品およびその製造方法

【課題】熱的耐久性および機械的強度に優れ、かつ、外観として高級感があり、優れた意匠性を付与することが可能な結晶化ガラス物品およびその製造方法を提供する。
【解決手段】結晶性ガラス小体を集積し、熱処理により融着一体化かつ結晶化させてなる結晶化ガラス物品であって、LiO−Al−SiO系結晶を20〜70質量%を含み、かつ、RO−Al−SiO系結晶(R=Mg、Ca、Sr、Ba)またはR’O−Al−SiO系結晶(R’=Na、K)を1〜75質量%を含むことを特徴とする結晶化ガラス物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にガスコンロ等に使用される調理器用ガラストッププレート、厨房設備の天板等の装飾材、または暖房器具構成部材等に用いることができ、かつ優れた意匠性を付与することが可能な結晶化ガラス物品およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ガスコンロ等に使用される調理器用ガラストッププレート、厨房設備の天板等の装飾材、または暖房器具構成部材等に用いる結晶化ガラス物品として、熱的耐久性、化学的耐久性、機械的強度等の特性に優れており、かつ、天然石、陶板、タイルとは異なる新しい外観を有するものが追求されている。このような意匠性多様化の要求にしたがって、種々の外観を有する結晶化ガラス物品が開発、提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、軟化点より高い温度で熱処理すると軟化変形しながら結晶が析出するガラス小体の表面に無機顔料を付着させ、熱処理をすることにより融着一体化させ結晶を析出させるとともに、各ガラス小体の界面に着色層を現出させてなる結晶化ガラス物品が開示されている。また、特許文献2には、軟化点より高い温度で熱処理すると軟化変形しながら結晶が析出する板状ガラスの表面に、異色の同材質のガラス小体を散在させ、熱処理後に融着一体化させてなる、模様入り結晶化ガラスが開示されている。さらに、特許文献3には、黒色低膨張結晶化ガラスの表面に、無機顔料を含むホウ珪酸ガラスフリットからなる装飾被膜が形成された装飾低膨張結晶化ガラス板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−157432号公報
【特許文献2】特開平2−92840号公報
【特許文献3】特開平9−183631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている結晶化ガラス物品および特許文献2に開示されている模様入り結晶化ガラスは、線熱膨張係数が60×10−7/K以上と大きな値を示すため、熱的耐久性が不十分であり、調理器用ガラストッププレート等の高温用途に使用した場合、破損問題が発生するおそれがある。
【0006】
特許文献3に記載の装飾低膨張結晶化ガラス板は、熱的耐久性は問題ないが、装飾被膜の剥離の問題が生じやすい。また、ガラス表面の反射率が低いため、例えば装飾材としては明るさに乏しく、意匠性にも乏しい。
【0007】
そこで、本発明は、熱的耐久性および機械的強度に優れ、かつ、外観として高級感があり、優れた意匠性を付与することが可能な結晶化ガラス物品およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、結晶性ガラス小体を集積し、熱処理により融着一体化かつ結晶化させてなる結晶化ガラス物品であって、LiO−Al−SiO系結晶を20〜70質量%を含み、かつ、RO−Al−SiO系結晶(R=Mg、Ca、Sr、Ba)またはR’O−Al−SiO系結晶(R’=Na、K)を1〜75質量%を含むことを特徴とする結晶化ガラス物品に関する。
【0009】
結晶性ガラス小体を集積し、熱処理により融着一体化かつ結晶化させるためには、結晶性ガラス小体表面の軟化流動性を確保するため、析出結晶量を低減させる必要がある。しかしながら、析出結晶量を低減させると、線熱膨張係数が大きくなって、熱的耐久性が低下する傾向がある。
【0010】
本発明の結晶化ガラス物品は、結晶化処理によりLiO−Al−SiO系結晶を20〜70質量%、および、RO−Al−SiO系結晶(R=Mg、Ca、Sr、Ba)またはR’O−Al−SiO系結晶(R’=Na、K)を1〜75質量%と、2種以上の結晶を特定量析出させてなるものであるため、低膨張であり熱的耐久性に優れ、機械的強度にも優れる。しかも、これらの結晶は結晶性ガラス小体の内部から析出するため、ガラス表面から結晶が析出する場合と比較して、ガラス小体表面の軟化流動性に優れ、各ガラス小体界面において気孔が残存しにくくなる。その結果、本発明の結晶化ガラス物品は、優れた表面平滑性と適度な表面光沢性を有する。よって、ガスコンロ等に使用される調理器用ガラストッププレート、厨房設備の天板等の装飾材、または暖房器具構成部材(例えば、暖房器具の天板や壁材)等として好適である。また、本発明の結晶化ガラス物品は、各結晶性ガラス小体を互いに融着一体化させてなるものであるため、後述するように、各ガラス小体界面に着色層を設けたり、ガラス小体自体を着色させたりすることにより、種々の外観を有する意匠性に優れた結晶化ガラス物品とすることが可能となる。
【0011】
本発明の結晶化ガラス物品が優れた低線熱膨張係数を有するメカニズムを以下に説明する。
【0012】
LiO−Al−SiO系結晶、および、RO−Al−SiO系結晶またはR’O−Al−SiO系結晶は、いずれも異方的な線熱膨張特性を有する(すなわち、結晶軸によって線熱膨張係数が異なる)ことが知られている。そのため、これらの結晶を含有する結晶化ガラスでは、結晶化処理の冷却過程において、結晶の負膨張軸側と正膨張を有するマトリクスガラスとの界面にせん断応力が発生する。それに伴って、マトリクスガラス中に空隙が生じる。当該空隙により、結晶化ガラスにおけるマトリクスガラスおよび結晶の正膨張の寄与が低減される一方、結晶の負膨張の寄与が強調され、低線熱膨張係数を達成することが可能となる。一般的に、結晶化ガラスの線熱膨張係数は、結晶およびマトリクスガラスそれぞれの平均線熱膨張係数と体積分率によって加成的に決定されるが、本発明の結晶化ガラス物品は、加成則から予測される線熱膨張係数よりも低い線熱膨張係数を有する。
【0013】
また、本発明の結晶化ガラス物品おいて、マトリクスガラス中に存在する空隙は、比熱の向上にも寄与する。したがって、本発明の結晶化ガラス物品は、例えば暖房器具構成部材として用いた場合、高い保温効果を得ることができる。
【0014】
なお、本発明において、「結晶性ガラス」とは、熱処理により結晶が析出するガラスをいう。
【0015】
第二に、本発明の結晶化ガラス物品は、30〜380℃における線熱膨張係数が30×10−7/K以下であることが好ましい。
【0016】
ここで、「30〜380℃における線熱膨張係数」はディラトメータを用いて測定した値を指す。
【0017】
第三に、本発明の結晶化ガラス物品は、β−スポジュメン固溶体およびカリ長石固溶体を含有することが好ましい。
【0018】
第四に、本発明の結晶化ガラス物品は、結晶の平均粒径が0.5μm以上であることが好ましい。
【0019】
第五に、本発明の結晶化ガラス物品は、結晶性ガラス小体が、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜72%、Al 14〜30%、LiO 1.5〜10%、NaO 0〜10%、KO 1〜10%、TiO 0〜3%、ZrO 0〜3%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、ZnO 0〜5%、B 0〜3%、P 0〜1%を含有することが好ましい。
【0020】
第六に、本発明の結晶化ガラス物品は、結晶性ガラス小体100質量部に対して、0.1〜3質量部の金属酸化物粉末または無機顔料粉末を付着させてなる結晶性ガラス小体を用いる着色層を現出させてなることが好ましい。
【0021】
当該構成によれば、互いに融着した各結晶化ガラス小体の界面に、金属酸化物粉末または無機顔料粉末からなる、意匠性に優れた網目模様を現出させてなる結晶化ガラス物品を得ることが可能となる。
【0022】
第七に、本発明の結晶化ガラス物品は、結晶性ガラス小体の少なくとも一部が、ガラス組成中に着色成分を0.1〜5質量%含有することが好ましい。
【0023】
当該構成によれば、着色した結晶化ガラス物品を得ることができる。特に、着色成分を含有する結晶性ガラス小体と着色成分を含有しない結晶性ガラスを混合して用いることにより、着色部分と非着色部分が混在した斑模様を有する結晶化ガラス物品を得ることが可能となる。
【0024】
第八に、本発明の結晶化ガラス物品は、調理器用トッププレート、厨房設備装飾材または暖房器具構成部材に用いられることが好ましい。
【0025】
第九に、本発明は、前記いずれかの結晶化ガラス物品を製造するための方法であって、耐火性型枠内に結晶性ガラス小体を集積し、結晶性ガラス小体の軟化点以上の温度で熱処理を行い、融着一体化かつ結晶化させることを特徴とする製造方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の結晶化ガラス物品は、結晶性ガラス小体を集積し、熱処理により融着一体化かつ結晶化させてなる結晶化ガラス物品であって、LiO−Al−SiO系結晶を20〜70質量%を含み、かつ、RO−Al−SiO系結晶(R=Mg、Ca、Sr、Ba)またはR’O−Al−SiO系結晶(R’=Na、K)を1〜75質量%を含むことを特徴とする。
【0027】
LiO−Al−SiO系結晶の含有量は20〜70質量%、特に30〜60質量%であることが好ましい。LiO−Al−SiO系結晶の含有量が少なすぎると、線熱膨張係数が大きくなって、熱的耐久性に劣る傾向がある。一方、LiO−Al−SiO系結晶の含有量が多すぎると、焼成温度が例えば1300℃以上といった高温になりやすく、通常の焼成炉に適さなくなる。また、結晶化ガラス物品の表面平滑性が得られにくくなる。
【0028】
LiO−Al−SiO系結晶としては、β−スポジュメン固溶体やβ−石英固溶体等が挙げられる。
【0029】
RO−Al−SiO系結晶またはR’O−Al−SiO系結晶の含有量は1〜75質量%、5〜60質量%、10〜50質量%、特に20〜45質量%であることが好ましい。RO−Al−SiO系結晶およびR’O−Al−SiO系結晶の含有量が少なすぎると、所望の低線熱膨張係数が得られにくくなる。一方、RO−Al−SiO系結晶およびR’O−Al−SiO系結晶の含有量が多すぎると、機械的強度が低下する傾向がある。なお、これらの結晶を2種以上含有する場合は、合量で上記範囲を満たすことが好ましい。
【0030】
LiO−Al−SiO系結晶、RO−Al−SiO系結晶およびR’O−Al−SiO系結晶の合量は、35質量%以上、特に40質量%以上であることが好ましい。これらの結晶の合量が少なすぎると、線熱膨張係数が大きくなって、所望の熱的耐久性が得られにくくなる。一方、上限については特に限定されないが、結晶性ガラス小体表面を十分に軟化流動性させるためには、現実的には99質量%以下、特に95質量%以下である。
【0031】
なお、RO−Al−SiO系結晶の具体例としては、次のものが挙げられる。MgO−Al−SiO系結晶として、コーディエライト等;CaO−Al−SiO系結晶として、輝石等;SrO−Al−SiO系結晶として、スローソン石等;BaO−Al−SiO系結晶として、重土長石等が挙げられる。
【0032】
また、R’O−Al−SiO系結晶の具体例としては、次のものが挙げられる。NaO−Al−SiO系結晶として、曹長石およびネフェリン等;KO−Al−SiO系結晶として、正長石、サニディンおよび微斜長石等のカリ長石が挙げられる。
【0033】
なお、上記のRO−Al−SiO系結晶およびR’O−Al−SiO系結晶の具体例として列挙した各結晶は、固溶体であっても構わない。
【0034】
LiO−Al−SiO系結晶、RO−Al−SiO系結晶およびR’O−Al−SiO系結晶の平均粒径は、それぞれ0.5μm以上、特に1μm以上であることが好ましい。これらの結晶の平均粒径が小さすぎると、結晶とマトリクスガラスの界面に発生する応力が小さくなり、マトリクスガラス中に空隙が形成されにくくなる。結果として、所望の低線熱膨張係数が得られにくくなる。なお、上限については特に限定されないが、これらの結晶の平均粒径が大きすぎると、結晶とマトリクスガラスの界面においてクラックが発生しやすくなり、機械的強度が低下する傾向があるため、300μm以下、200μm以下、特に100μm以下であることが好ましい。
【0035】
なお、結晶の平均粒径は、結晶化ガラス表面の走査型電子顕微鏡観察から得られた反射電子像に基づいて算出されたものである。
【0036】
具体的には、結晶の平均粒径は、次のようにして算出される。まず、反射電子像を画像処理システムを用いて二値化し、各結晶粒子の面積を計測する。次に、当該面積から、dni=√4/π・Aの式により真円換算した直径(dni)を算出する。なお、Aは反射電子像の画像解析によって計算した結晶粒子の面積である。続いて、dn=Σdni/nの式により、粒子数n個に対する平均粒径(d)を算出する。
【0037】
結晶化ガラス物品の線熱膨張係数は30×10−7/K以下、特に20×10−7/K以下であることが好ましい。例えば、ガスレンジガラストップにおいてガスフレームの影響により最も高温になるバーナー口の温度は200℃以上になる。その際、バーナー口から離れた低温のガラストッププレート外周には引張り応力が発生する。結晶化ガラス物品の線熱膨張係数が大きすぎると、当該引張り応力も大きくなり(例えば、約30MPa以上)、破損に至るおそれがある。なお、下限については特に限定されないが、低すぎる場合は結晶析出量が多くなりすぎる、あるいは、結晶粒径が大きくなりすぎて、結晶性ガラス小体表面の軟化流動性が低下しやすくなる。結果として、結晶性ガラス小体が互いに融着一体化しにくくなり、結晶化ガラス物品の機械的強度が低下する傾向がある。したがって、結晶化ガラス物品の線熱膨張係数は0×10−7/K以上、特に3×10−7/K以上であることが好ましい。
【0038】
本発明において、結晶化ガラス物品の線熱膨張係数は、結晶性ガラス小体の熱処理工程の条件、特に冷却速度が大きく影響する。冷却速度を変化させることにより、結晶構造や、ガラスマトリクスにおける空隙量を制御することができ、所望の線熱膨張係数を得ることが可能となる。例えば、30×10−7/K以下の線熱膨張係数を得るためには、熱処理工程にて最高温度に達した後、200℃/時間以下の速度で冷却することが好ましい。
【0039】
結晶性ガラス小体の組成としては、LiO−Al−SiO系結晶、および、RO−Al−SiO系結晶またはR’O−Al−SiO系結晶を、既述した所定量析出可能なものであれば特に限定されない。具体的には、結晶性ガラス小体としては、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜72%、Al 14〜30%、LiO 1.5〜10%、NaO 0〜10%、KO 1〜10%、TiO 0〜3%、ZrO 0〜3%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、ZnO 0〜5%、B 0〜3%、P 0〜1%を含有するものを使用することが好ましい。
【0040】
各成分の含有量をこのように限定した理由を以下に説明する。なお、以下の各成分の含有量に関する説明において、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味する。
【0041】
SiOは、ガラスの主な構成成分であるとともに、結晶構成成分でもある。SiOの含有量は55〜72%、特に60〜70%であることが好ましい。SiOの含有量が少なすぎると、結晶の析出が不安定になる傾向がある。一方、SiOの含有量が多すぎると、軟化点が高くなって結晶性ガラス小体の表面流動性が低下するとともに、溶融性が低下して成形が困難になる傾向がある。さらに、マトリクスガラスの線熱膨張係数が低下して、析出結晶との平均線熱膨張係数差が小さくなり、マトリクスガラス中に空隙が形成されにくくなる。その結果、所望の低線熱膨張係数が得られにくくなる。
【0042】
Alも結晶構成成分である。Alの含有量は14〜30%、特に16〜25%であることが好ましい。Alの含有量が14%より少なすぎると、結晶が粗大化して、結晶化ガラス物品の表面平滑性や機械的強度が低下する傾向がある。一方、Alの含有量が多すぎると、溶融性が低下するとともに、液相温度が高くなって成形時に失透が発生しやすくなる。
【0043】
LiOも結晶構成成分である。LiOの含有量は1.5〜10%、特に3〜7%であることが好ましい。LiOの含有量が少なすぎると、均一な結晶が得られにくくなる。一方、LiOの含有量が多すぎると、結晶性が強くなって結晶性ガラス小体の表面流動性が低下し、結晶化ガラス物品の表面平滑性が低下する傾向がある。また、所望の結晶化度を得るための熱処理制御が困難になる傾向がある。
【0044】
OはKO−Al−SiO系結晶を構成する成分である。また、LiO−Al−SiO系結晶の結晶性を制御するための成分でもある。さらに、ガラス相の割合を調整することにより軟化点を調整し、ガラス小体の表面流動性にも影響を与える。KOの含有量は1〜10%、特に3〜7%であることが好ましい。KOの含有量が少なすぎると、KO−Al−SiO系結晶が析出しにくくなる。一方、KOの含有量が多すぎると、LiO−Al−SiO系結晶の析出量が少なくなり、所望の線熱膨張係数が得られにくくなる。
【0045】
NaOはNaO−Al−SiO系結晶の構成成分である。また、LiO−Al−SiO系結晶の結晶性を制御するための成分でもある。さらに、ガラス相の割合を調整することにより軟化点を調整し、ガラス小体の表面流動性にも影響を与える。NaOの含有量は0〜10%、特に0〜7%であることが好ましい。NaOの含有量が多すぎると、LiO−Al−SiO系結晶の析出量が少なくなり、所望の線熱膨張係数が得られにくくなる。
【0046】
なお、KOおよびNaOの合量は、上記効果に鑑み、1〜20%、特に3〜10%であることが好ましい。
【0047】
MgOはMgO−Al−SiO系結晶の構成成分である。また、LiO−Al−SiO系結晶の結晶性を制御するための成分でもある。さらに、ガラス相の割合を調整することにより軟化点を調整し、ガラス小体の表面流動性にも影響を与える。MgOの含有量は0〜10%、0.1〜9%、1〜8%、特に2〜7%であることが好ましい。MgOの含有量が多すぎると、LiO−Al−SiO系結晶の析出量が少なくなり、所望の線熱膨張係数が得られにくくなる。
【0048】
CaOはCaO−Al−SiO系結晶の構成成分である。また、LiO−Al−SiO系結晶の結晶性を制御するための成分でもある。さらに、ガラス相の割合を調整することにより軟化点を調整し、ガラス小体の表面流動性にも影響を与える。CaOの含有量は0〜10%、特に0〜7%であることが好ましい。CaOの含有量が多すぎると、LiO−Al−SiO系結晶の析出量が少なくなり、所望の線熱膨張係数が得られにくくなる。
【0049】
SrOはSrO−Al−SiO系結晶の構成成分である。また、LiO−Al−SiO系結晶の結晶性を制御するための成分でもある。さらに、ガラス相の割合を調整することにより軟化点を調整し、ガラス小体の表面流動性にも影響を与える。SrOの含有量は0〜10%、特に0〜7%であることが好ましい。SrOの含有量が多すぎると、LiO−Al−SiO系結晶の析出量が少なくなり、所望の線熱膨張係数が得られにくくなる。
【0050】
BaOはBaO−Al−SiO系結晶の構成成分である。また、LiO−Al−SiO系結晶の結晶性を制御するための成分でもある。さらに、ガラス相の割合を調整することにより軟化点を調整し、ガラス小体の表面流動性にも影響を与える。BaOの含有量は0〜10%、0.1〜9%、1〜8%、特に2〜7%であることが好ましい。BaOの含有量が多すぎると、LiO−Al−SiO系結晶の析出量が少なくなり、所望の線熱膨張係数が得られにくくなる。
【0051】
なお、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合量は、上記効果に鑑み、1〜20%、特に3〜10%であることが好ましい。
【0052】
TiOおよびZrOは、結晶析出の際に核となる成分であり、結晶の粗大化を抑制する作用と、結晶を安定して析出させる作用を有する。ただし、その含有量が多くなりすぎると、LiO−Al−SiO系結晶が優先して析出するようになり、RO−Al−SiO系結晶およびR’O−Al−SiO系結晶が析出し難くなる。また、結晶化速度が速くなって失透しやすくなり、結晶性ガラス小体の表面流動性が低下する傾向がある。
【0053】
また、TiOおよびZrOは、ルチル結晶(TiO)、ジルコニア結晶(ZrO)、または、ジルコニウムチタネート結晶(ZrTiO)の構成成分でもある。これらの結晶は比較的高屈折率を有するため、TiOおよびZrOの含有量を多くすることにより、白色度の高い結晶化ガラス物品が得られやすくなる。逆に、TiOおよびZrOの含有量を少なくすることにより、ルチル結晶、ジルコニア結晶およびジルコニウムチタネート結晶が析出しにくくなり、透明性に優れた結晶化ガラス物品が得られやすくなる。
【0054】
以上に鑑み、TiOの含有量は0〜3%、0〜2%、特に0〜1.5%であることが好ましい。ZrOの含有量は0〜3%、0〜2%、0〜1.4%、特に0.1〜1%であることが好ましい。また、TiOおよびZrOの合量は0〜5%、0〜3%、0〜2%、0〜1.4%、特に0.1〜1%であることが好ましい。
【0055】
ZnOはガーナイト結晶の構成成分である。ガーナイト結晶は比較的高屈折率を有するため、ZnOを積極的に添加することにより、白色度の高い結晶化ガラス物品が得られやすくなる。ただし、ZnOの含有量が多すぎると、ガーナイト結晶の析出が多くなって、LiO−Al−SiO系結晶、RO−Al−SiO系結晶およびR’O−Al−SiO系結晶の析出量が低下する傾向がある。したがって、ZnOの含有量は0〜5%、特に0〜4%であることが好ましい。
【0056】
はLiO−Al−SiO系結晶の結晶性を制御するための成分である。さらに、ガラス相の割合を調整することにより軟化点を調整し、ガラス小体の表面流動性にも影響を与える。Bの含有量は0〜3%、特に0〜2%であることが好ましい。Bの含有量が多すぎると、LiO−Al−SiO系結晶の析出量が少なくなり、所望の線熱膨張係数が得られにくくなる。
【0057】
は結晶の粗大化を抑制する作用を有する成分である。ただし、その含有量が多すぎると、失透性が強くなる傾向がある。よって、Pの含有量は0〜1%、特に0〜0.8%であることが好ましい。
【0058】
なお、結晶化ガラス物品を構成する結晶化ガラスも、上記組成を有することが好ましい。
【0059】
結晶性ガラス小体として、金属酸化物粉末または無機顔料粉末を付着させたものを用いることにより、互いに融着した各ガラス小体の界面に、金属酸化物粉末または無機顔料粉末からなる着色層を現出させることができる。
【0060】
この場合の金属酸化物粉末または無機顔料粉末の添加量は、結晶性ガラス小体100質量部に対して、3質量部以下、特に1質量部以下であることが好ましい。金属酸化物粉末または無機顔料粉末の添加量が多すぎると、結晶性ガラス小体の表面流動性が阻害され、各ガラス小体の界面に気孔が残存して融着が不十分となり、結果として、結晶化ガラス物品の機械的強度に劣る傾向がある。また、結晶化ガラス物品の表面粗度が大きくなりやすい。下限については特に限定されないが、鮮明な着色層を現出させるために0.1質量部以上、特に0.3質量部以上であることが好ましい。
【0061】
金属酸化物粉末としては、酸化コバルト(青色)、酸化ニッケル(緑色)、酸化鉄(褐色)、酸化バナジウム(黄褐色)などが挙げられる。
【0062】
無機顔料粉末としては、Zr−Si−Fe(淡赤褐色)、Zr−Si−Pr(淡黄色)、Zr−Si−V(淡青色)等のジルコン系顔料;Zn−Cr−Ni−Al(褐色)、Al−Co−Zn(青色)、Fe−Cr−Zn(濃褐色)等のスピネル系顔料;Sn−Si−Ca−Cr−Zn(ピンク色)等のスフェイン系顔料などが挙げられる。
【0063】
これらの金属酸化物粉末および無機顔料粉末は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いても構わない。
【0064】
また、結晶性ガラス小体の少なくとも一部が、ガラス組成中に着色成分を5質量%以内で含有させることにより、着色部分が形成されてなる結晶化ガラス物品を得ることができる。
【0065】
着色成分の含有量は、結晶性ガラス小体のガラス組成中に5質量%以下、3質量%以下、特に1質量%以下であることが好ましい。着色成分の含有量が多すぎると、結晶性ガラス小体におけるその他の成分の含有量が相対的に低減して、例えば析出結晶量の低下により線熱膨張係数が高くなりすぎるなど、各物性に影響を与えるおそれがある。下限については特に限定されないが、十分な着色の効果を得るために0.01質量%以上、特に0.05質量%以上であることが好ましい。
【0066】
着色成分としては、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化バナジウム等が用いられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いても構わない。
【0067】
なお、ガラス組成中に着色成分を含有する結晶性ガラス小体と着色成分を含有しない結晶性ガラス小体を混合して用いる場合、その混合比は特に限定されず、目的とする結晶化ガラス物品の模様に応じて適宜選択すればよい。例えば、(ガラス組成中に着色成分を含有する結晶性ガラス小体):(ガラス組成中に着色成分を含有しない結晶性ガラス小体)の比が、質量比で、5:95〜95:5、10:90〜90:10、特に30:70〜70:30であることが好ましい。
【0068】
次に、本発明の結晶化ガラス物品の製造方法について説明する。
【0069】
本発明の結晶化ガラス物品は、耐火性型枠内に結晶性ガラス小体を集積し、結晶性ガラス小体の軟化点以上の温度で熱処理を行い、融着一体化かつ結晶化させることにより製造することができる。ここで、結晶性ガラス小体としては、既に結晶が一部析出したガラス小体を使用しても構わない。また、既述の通り、結晶性ガラス小体に金属酸化物粉末または無機顔料粉末を混合、付着させた後に、耐火性型枠内に集積することにより、各ガラス小体界面に着色層を現出させるなる結晶化ガラス物品を得ることができる。
【0070】
結晶性ガラス小体を作製する方法としては、例えば、所望の組成になるよう調合した原料粉末を溶融した後、溶融ガラスを水中に流し込み、熱衝撃によって粉砕(水砕)することにより得る方法が挙げられる。または、溶融ガラスを板状(例えば厚さ5mm以下)に成形したガラスを、アルミナ製等のミルによって粉砕した後、必要に応じて、篩にて分級する方法が挙げられる。
【0071】
結晶性ガラス小体の粒度、形状は特に限定されず、目的とする結晶化ガラス物品の模様に応じて、適宜選択すればよい。ただし、結晶性ガラス小体の粒度が大きすぎると、各ガラス小体が融着一体化しにくくなったり、各ガラス小体の界面に気孔が残存して、結晶化ガラス物品の機械的強が低下する傾向がある。また、金属酸化物粉末または無機顔料粉末と均一に混合することが困難になり、所望の模様が得られにくくなる。一方、結晶性ガラス小体の粒度が小さすぎると、取扱いが困難になるとともに、金属酸化物粉末または無機顔料粉末と混合した際に、所望の模様(例えば斑模様)が得られにくくなる。したがって、結晶性ガラス小体の粒度は0.1〜8mm、0.2〜4mm、特に0.3〜2mmであることが好ましい。
【0072】
結晶性ガラスと金属酸化物粉末または無機顔料粉末の混合は、V型混合機、コンクリートミキサーなどを用いた公知の方法により行うことができる。なお、ポリビニルアルコールなどのバインダーを適宜添加しても構わない。
【0073】
耐火性型枠の材質としては、焼成温度以上の耐熱性を有しているものであれば特に限定されず、例えば、ムライト・コージェライト、石膏、SiC等が挙げられる。
【0074】
なお、耐火性型枠内にセラミックファイバーシート、アルミナシートなどの離型材を載置した後、結晶性ガラス小体を集積することが好ましい。
【0075】
焼成温度は、結晶性ガラス小体の軟化点以上、特に粘度が104.5〜105.5ポイズ(104.5〜105.5dPa・s)を示す温度域であることが好ましい。具体的には、ガラス組成にもよるが、焼成温度は1000℃以上、特に1100℃以上であることが好ましい。焼成温度が低すぎると、結晶化ガラス物品の表面平滑性が低下して、機能性および意匠性に劣る傾向がある。一方、焼成炉への負担や燃料コストを考慮すると、焼成温度は1200℃以下であることが好ましい。
【0076】
上記焼成温度で所定時間保持したのち、冷却することにより結晶化ガラス物品が得られる。ここで、冷却速度は300℃/時間以下、特に200℃/時間以下であることが好ましい。これにより、所定量のLiO−Al−SiO系結晶、および、RO−Al−SiO系結晶またはR’O−Al−SiO系結晶が析出し、所望の線熱膨張係数が得られやすくなる。
【0077】
なお、焼成炉は特に限定されず、例えばローラーハースキルンやシャトルキルン等が挙げられる。
【実施例】
【0078】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0079】
(実施例1〜3)
(a)結晶性ガラス物品の製造
表1に示す各ガラス組成となるように調合したガラス原料を所定温度で12時間溶融した後、溶融ガラスを水中に投入し、結晶性ガラス小体を得た。結晶性ガラス小体の線熱膨張係数およびガラス転移点をディラトメータ(Bruker AXS社製)にて測定した。
【0080】
結晶性ガラス小体を粉砕した後、篩にて分級し、粒度0.5〜2mmのザラメ状の結晶性ガラス小体を得た。この結晶性ガラス小体に対して、表1に示す無機顔料を所定量添加し、さらに、バインダーとしてポリビニルアルコールを少量添加し、混合した。
【0081】
アルミナシートを敷き詰めたムライト・コージェライト製の棚板上に、アルミナ粉末が塗布された内寸が600mm×800mm×深さ20mmのムライト・コージェライト製型枠を設置した。無機顔料粉末が表面に付着した前記結晶性ガラス小体10kgを、型枠内に高さが均等になるように集積し、ローラーハースキルン(ガス炉)を用いて焼成した。焼成条件としては、300℃/時間で昇温、1170℃で1時間保持し、500℃まで200℃/時間で冷却し、その後、室温まで炉冷した。このようにして、厚さ約10mmの結晶化ガラス物品を得た。
【0082】
なお、結晶化ガラス物品における析出結晶量を確認するために、下記の測定を行った。前記結晶性ガラス小体の一部を耐火性容器内に集積した後に、前記と同様の焼成条件により結晶化ガラスを作製した。得られた結晶化ガラスについて、理学製X線回折装置を用い、多重ピーク分離法により析出結晶量の測定を行った。結果を表1に示す。
【0083】
(b)結晶化ガラス物品の物性の測定
結晶化ガラス物品について、以下の各物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0084】
線熱膨張係数およびガラス転移温度は、ディラトメータを用いて測定した。
【0085】
耐熱性は以下のようにして評価した。所定の形状に加工した結晶化ガラス物品を、ハーマン社製ガスビルトインコンロ(110−H551型)に設置した。コンロ上に直径250mmの鍋を載せた状態で、ハイカロリーバーナーをフルパワーにして30分間加熱した際に、破損しなかったものを「合格」、クラック等が生じ破損したものを「不合格」とした。また、結晶化ガラス物品における発生応力を、解析ソフト(ANSYS:構造解析)を用いて、シミュレーションによる輻射伝熱解析を行って求めた。
【0086】
曲げ強度には、ASTM C880−78に準じた4点曲げ強度にて評価した。
【0087】
(実施例4)
表1に示すガラス組成となるように調合したガラス原料について、実施例1と同様の方法によりザラメ状結晶性ガラス小体を作製した。なお、本実施例では、結晶性ガラス小体の粒度は0.5〜4mmとなるように調整した。
【0088】
金属酸化物粉末および無機顔料粉末を添加せずに、得られた結晶性ガラス小体のみを用いて、実施例1と同様の方法により結晶化ガラス物品を得た。なお、得られた結晶化ガラス物品の研磨面においては、各ガラス小体が互いに界面で融着している状態が確認できた。
【0089】
得られた結晶化ガラス物品について、実施例1と同様にして、各物性を評価した。結果を表1に示す。
【0090】
(比較例1)
表1に示すガラス組成を有するように調合したガラス原料を所定温度で12時間溶融した後、溶融ガラスを水中に投入し、結晶性ガラス小体を得た。得られた結晶性ガラス小体を篩にて分級し、粒度0.5〜2.0mmのザラメ状結晶性ガラス小体を得た。次に、表1に記載の無機顔料粉末を、結晶性ガラス小体100質量部に対して所定量添加し、さらに、バインダーを少量添加した後によく混合した。
【0091】
アルミナシートを敷き詰めたムライト・コージェライト製の棚板上に、アルミナ粉が塗布された内寸が450mm×650mm×深さ20mmのムライト・コージェライト製型枠を設置した。無機顔料粉末が表面に付着した結晶性ガラス小体5.6kgを、型枠内に高さが均等になるように集積し、シャトルキルンを用いて焼成した。焼成条件としては、100℃/時間で昇温、1100℃で1時間保持し、500℃まで100℃/時間で冷却し、その後、室温まで炉冷した。このようにして、厚さ約10mmの結晶化ガラス物品を得た。
【0092】
得られた結晶化ガラス物品について、実施例1と同様に物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0093】
(比較例2)
表1に示すガラス組成となるように調合したガラス原料を所定温度で12時間溶融した後、溶融ガラスをロールにて厚さ5mmの板状に成形した。
【0094】
得られた結晶性ガラス板を、アルミナ粉を塗布したムライト・コージェライト製棚板上に載置し、ローラーハースキルンを用いて焼成した。焼成条件としては、100℃/時間で昇温、1070℃で1時間保持し、500℃まで100℃/時間で冷却し、その後、室温まで炉冷した。
【0095】
得られた結晶化ガラス物品について、実施例1と同様に物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0096】
【表1】

【0097】
表1から明らかなように、実施例1〜4の結晶化ガラス物品は、良好な耐熱性および適正な強度を有し、かつ、優れた意匠性を有していた。一方、比較例1および2の結晶化ガラス物品は、特に耐熱性に劣っており、例えば調理器用トッププレート等の高温条件下で使用される部材として適していないことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明の結晶化ガラス物品は、特にガスコンロトッププレート等の調理器用トッププレート、厨房器具天板、テーブルトップ等の厨房設備装飾材、暖房器具構成部材、その他各種内外装材として好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶性ガラス小体を集積し、熱処理により融着一体化かつ結晶化させてなる結晶化ガラス物品であって、LiO−Al−SiO系結晶を20〜70質量%を含み、かつ、RO−Al−SiO系結晶(R=Mg、Ca、Sr、Ba)またはR’O−Al−SiO系結晶(R’=Na、K)を1〜75質量%を含むことを特徴とする結晶化ガラス物品。
【請求項2】
30〜380℃における線熱膨張係数が30×10−7/K以下であることを特徴とする請求項1に記載の結晶化ガラス物品。
【請求項3】
β−スポジュメン固溶体およびカリ長石固溶体を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の結晶化ガラス物品。
【請求項4】
結晶の平均粒径が0.5μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結晶化ガラス物品。
【請求項5】
結晶性ガラス小体が、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜72%、Al 14〜30%、LiO 1.5〜10%、NaO 0〜10%、KO 1〜10%、TiO 0〜3%、ZrO 0〜3%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、ZnO 0〜5%、B 0〜3%、P 0〜1%を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の結晶化ガラス物品。
【請求項6】
結晶性ガラス小体100質量部に対して、0.1〜3質量部の金属酸化物粉末または無機顔料粉末を付着させてなる結晶性ガラス小体を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の結晶化ガラス物品。
【請求項7】
結晶性ガラス小体の少なくとも一部が、ガラス組成中に着色成分を0.1〜5質量%含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の結晶化ガラス物品。
【請求項8】
調理器用トッププレート、厨房設備装飾材または暖房器具構成部材に用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の結晶化ガラス物品。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の結晶化ガラス物品を製造するための方法であって、耐火性型枠内に結晶性ガラス小体を集積し、結晶性ガラス小体の軟化点以上の温度で熱処理を行い、融着一体化かつ結晶化させることを特徴とする製造方法。

【公開番号】特開2012−201526(P2012−201526A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65583(P2011−65583)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】