説明

結晶形態のイミダゾール誘導体

【課題】新規結晶形態のイミダゾール誘導体の提供。
【解決手段】本発明は、本質的に純粋なN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AおよびBに、そしてこのような結晶形態を含有する組成物の製造方法に、ならびにこのような結晶形態の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の結晶形態のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド(あるいは2−エチル−4,6−ジメチル−1−(4−{2−[({[(4−メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]エチル}フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジンと呼ばれる)に関する。
【0002】
【化1】

【0003】
特に本発明は、AおよびBとして既知の多形形態に、そしてこのような多形を含有する組成物の製造方法に、ならびにこのような多形の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドは、疼痛および炎症ならびにその他の炎症関連障害、例えば関節炎、特に変形性関節炎の治療または軽減に有用であるEP4受容体アンタゴニストとして、WO-A-02/32900に開示されている。
【0005】
慢性関節リウマチの治療におけるN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドの使用は、WO-A-02/32422にも開示されている。さらにIL−6関連疾患、例えばアルコール性肝硬変、アミロイド症、アテローム硬化症、心疾患、硬化症および臓器移植反応の治療におけるN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドの使用は、WO-A-03/086371に開示されている。
【0006】
WO-A-02/32900に記載されたN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドの従来既知の製造方法は、不安定な溶媒和物を生成しているが、これは、結晶形態Cの同形形態であり得る。
【0007】
安定性および生物学的利用能に関するような一貫した性能特徴を有する製剤処方物中に用いるために容易に、経済的に且つ再現可能的に調製され得る製薬上適切で、本質的に純粋な結晶性の結晶形態のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドを提供することは、本発明の一目的である。
【0008】
この目的は、多形形態Aおよび多形形態Bとして既知のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドの本質的に純粋な結晶性多形形態を提供する本発明、ならびにその各々の調製のための本発明の方法により達成された、ということが、ここで意外にも判明した。多形形態Aは、同定された形態のうち最も安定したものであることが判明した。それは無水、結晶性、非吸湿性、高融解性であり、そして固体剤形開発のための許容可能な固体状態特性を有する。多形形態Bは、製剤処方物に用いるのに安定且つ適切であることも判明した。
【発明の開示】
【0009】
したがって本発明は、2−θ°9.8、13.2、13.4、13.7、14.1、17.5、19.0、21.6、24.0および25.7+/-0.2での主要ピークを含むCuKα放射線を用いた照射により得られる粉末X線回析パターン(PXRD)により特性化される本質的に純粋な結晶性のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aを提供する。
【0010】
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aは、それが約160℃で吸熱性事象を示す示差走査熱量測定(DSC)によりさらに特性化される。
【0011】
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aは、2985、2920、2871、1706、1641、1596、1515、1456、1369、1340、1294、1249、1224、1164、1124、1091、1016、902、815、659、574および549 cm-1で吸光度帯域を示す赤外線(IR)スペクトル(KBr)によりさらに特性化される。
【0012】
本発明はさらに、2−θ°6.3、11.3、12.8、13.0、13.5、14.5、15.6、20.5、23.0および25.8+/-0.2での主要ピークを含むCuKα放射線を用いた照射により得られる粉末X線回析パターンにより特性化される本質的に純粋な結晶性のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Bを提供する。
【0013】
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Bは、それが約178℃で吸熱性事象を示す示差走査熱量測定(DSC)によりさらに特性化される。
【0014】
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Bは、3443、3296および1704 cm-1で独特の吸光度帯域を示す赤外線(IR)スペクトル(KBr)によりさらに特性化される。
【0015】
本質的に純粋な結晶性のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド結晶形態C、DおよびGがさらに記載される。これらの結晶形態は、N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AおよびBにさらに加工処理され得る合成中桿体としてのみみなされるというわけではないが、しかしそれらは、同一治療特性も有する、と理解される。しかしながらN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド結晶形態C、DおよびGは、主として前者結晶形態が低安定性であるため、製剤処方物を調製するに際して用いるために多形形態AおよびBと同じく適切であることはない。
【0016】
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド結晶形態C、DおよびGは、表1に詳述されるように、PXRDおよび示差走査熱量測定(DSC)により特性化される。
【0017】
【表1】

【0018】
「本質的に純粋な」という表現は、本明細書中で用いる場合、少なくとも95重量%純度を意味する。さらに好ましくは、「本質的に純粋な」とは、少なくとも98重量%純度を意味し、最も好ましくは少なくとも99重量%純度を意味する。
【0019】
本発明のさらなる態様として、薬剤として用いるためのN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AまたはBが提供される。
【0020】
本発明のさらなる態様として、EP4受容体アンタゴニストが指示される任意の疾患の治療のための、特に疼痛、炎症、変形性関節炎または慢性関節リウマチの治癒的、予防的または一時緩和的治療のための、薬剤の製造におけるN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AまたはBの使用が提供される。
【0021】
代替的態様として、EP4受容体アンタゴニストが指示される任意の疾患の治療のための、特に疼痛、炎症、変形性関節炎または慢性関節リウマチの治癒的、予防的または一時緩和的治療のための方法であって、このような治療を必要とする哺乳類、例えばヒトへの治療的有効量のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AまたはBの投与を包含する方法が提供される。
【0022】
本発明のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AまたはBは、疼痛の全般的治療に有用である。
【0023】
生理学的疼痛は、外部環境からの潜在的損傷性刺激による危険を警告するよう意図された重要な防御メカニズムである。当該系は、特定組の一次感覚神経を介して作動し、そして末梢伝達メカニズムを介した侵害刺激により活性化される(再検討のためにはMillan, 1999, Prog. Neurobiol., 57, 1-164参照)。これらの感覚繊維は、侵害受容体として既知であり、そして遅い伝導速度を有する特徴的に小さい直径の軸索である。侵害受容体は、侵害刺激の強度、持続時間および質を、そして脊髄へのそれらの局所解剖学的に組織化された突起により、刺激の位置をコードする。侵害受容体は、2つの主な型、即ちA−デルタ繊維(有髄)およびC繊維(非有髄)が存在する侵害受容性神経線維上に見出される。侵害受容体入力により生成される活性は、背角における複雑な処理後、直接的に、または脳幹中継核を介して、基底腹側視床に、そして次に皮質に伝達され、ここで、疼痛の感覚が生成される。
【0024】
疼痛は一般に、急性または慢性として分類され得る。急性疼痛は、突然始まり、そして短期間である(通常は12週間またはそれ未満)。それは通常は、特定の原因、例えば特定の損傷と関連しており、そしてしばしば鋭く且つ重度である。それは、外科手術、歯科作業、挫傷または捻挫に起因する特定の損傷後に起こり得る種類の疼痛である。急性疼痛は一般に、任意の持続性心理学的応答を生じない。これとは対照的に、慢性疼痛は長期疼痛であり、典型的には3ヶ月以上持続し、そして有意の心理学的および情動的問題を引き起こす。慢性疼痛の一般的例は、神経障害性疼痛(例えば疼痛性糖尿病性神経障害、ヘルペス感染後神経痛)、手根管症候群、背痛、頭痛、癌疼痛、関節痛および慢性術後痛である。
【0025】
疾患または外傷により、実質的損傷が身体組織に対して起きる場合、侵害受容体活性化の特質は変更され、そして末梢においては、損傷周囲に局所的に、そして侵害受容体が終結する場所では中心的に、増感が認められる。これらの作用は、疼痛の感覚増大をもたらす。急性疼痛では、これらのメカニズムは、修復工程をより良好に起こさせ得る防御行動を促進するのに有用であり得る。普通に予測されるのは、損傷が一旦治癒されれば、感覚が正常に戻る、ということである。しかしながら多くの慢性疼痛状態では、過敏性が治癒工程を大層長引かせ、そしてそれはしばしば神経系損傷のためである。この損傷はしばしば、適応不全および異所性活性に関連した感覚神経線維における異常を引き起こす(Woolf & Salter, 2000, Science, 288, 1765-1768)。
【0026】
臨床的疼痛は、不快および異常感受性が患者の症候の間で特色になる場合に、存在する。患者は全く異質である傾向があり、そして種々の疼痛症候を伴って存在し得る。このような症候としては、以下のものが挙げられる:1)特発性疼痛(鈍痛、灼熱痛または刺痛であり得る);2)侵害刺激に対する誇大疼痛応答(痛覚過敏);ならびに3)普通は無害の刺激により生じる疼痛(異痛症−Meyer et al., 1994, Textbook of Pain, 13-44)。種々の形態の急性および慢性疼痛を蒙っている患者は類似の症候を有し得るが、しかし根本的メカニズムは異なる場合があり、したがって異なる治療戦略を要し得る。したがって疼痛は、異なる病理生理学によって、多数の異なる亜型、例えば侵害受容性、炎症性および神経障害性疼痛にも分けられ得る。
【0027】
侵害受容性疼痛は、組織損傷により、または損傷を引き起こす可能性を有する強度の刺激により誘導される。疼痛求心性は、損傷の部位での侵害受容体による刺激の導入により活性化され、そしてそれらの終末のレベルで脊髄中のニューロンを活性化する。これは次に、脊髄路を上行して脳に中継され、ここで疼痛が感知される(Meyer et al., 1994, Textbook of Pain, 13-44)。侵害受容体の活性化は、2種類の求心性神経線維を活性化する。有髄A−デルタ繊維は、迅速に伝達し、そして鋭く且つ刺すような疼痛感覚に応答性であるが、一方、非有髄C繊維はより遅い速度で伝達し、そして鈍いまたはうずくような疼痛を伝達する。中等度〜重度の急性侵害受容性疼痛は、中枢神経系外傷、挫傷/捻挫、熱傷、心筋梗塞および急性膵炎、術後痛(任意の種類の外科的手法後の疼痛)、外傷後疼痛、腎仙痛、癌疼痛および背痛からの疼痛の顕著な特徴である。癌疼痛は、腫瘍関連疼痛(例えば骨痛、頭痛、顔面痛または内臓痛)、または癌両方に関連した疼痛(例えば化学療法後症候群、慢性術後痛症候群または放射線照射後症候群)のような慢性疼痛であり得る。癌疼痛は、化学療法、免疫療法、ホルモン療法または放射線療法に応答しても起こり得る。背痛は、椎間板ヘルニアまたは破裂、あるいは腰椎椎間関節、仙腸関節、傍脊柱筋または後縦靭帯の異常のためであり得る。背痛は自然に消散され得るが、しかし幾人かの患者においては、それが12週間以上継続する場合、それは、特に衰弱性であり得る慢性症状になる。
【0028】
神経障害性疼痛は一般的に、神経系における原発性病変または機能不全により開始されるかまたは引き起こされる疼痛、と定義される。神経損傷は外傷および疾患により引き起こされ得るので、したがって「神経障害性疼痛」という用語は、多様な病因を有する多数の障害を包含する。これらの例としては、末梢神経障害、糖尿病性神経障害、ヘルペス感染後神経痛、三叉神経痛、背痛、癌神経障害、HIV神経障害、幻肢痛、手根管症候群、中枢性卒中後疼痛、ならびに慢性アルコール中毒、甲状腺機能低下症、尿毒症、多発性硬化症、脊髄損傷、パーキンソン病、癲癇およびビタミン欠乏症に関連した疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。神経障害性疼痛は、それが防御的役割を有さない場合、病態性である。それはしばしば、元の原因が消散された後によく存在し、一般的に数年間持続し、有意に患者の生活の質を低減する(Woolf and Mannion, 1999, Lancet, 353, 1959-1964)。神経障害性疼痛の症候は、それらが、同一疾患を有する患者間でさえ、しばしば異質であるので、治療が困難である(Woolf & Decosterd, 1999, Pain Supp., 6, S141-147;Woolf and Mannion, 1999, Lancet, 353, 1959-1964)。それらの例としては、特発性疼痛(継続性であり得る)、ならびに発作性または異常誘発性疼痛、例えば痛覚過敏(侵害刺激に対する感受性増大)および異痛症(正常無害刺激に対する感受性)が挙げられる。
【0029】
炎症過程は、一連の複雑な生化学的および細胞的事象であり、組織損傷または異物の存在に応答して活性化され、これが腫脹および疼痛を生じる(Levine and Taiwo, 1994, Textbook of Pain, 45-56)。関節痛は、最も一般的な炎症性疼痛である。リウマチ様疾患は、先進国において最も一般的な慢性炎症性症状の1つであり、そして慢性関節リウマチは能力障害の一般的原因である。慢性関節リウマチの精確な病因は不明であるが、しかし最新仮説は、遺伝学的および微生物学的因子の両方が重要であり得る、ということを示唆する(Grennan & Jayson, 1994, Textbook of Pain, 397-407)。ほぼ1600万人の米国人が症候性変形性関節炎(OA)または変性関節疾患を有し、彼等のほとんどが60歳を上回る年齢であると概算されているが、これは集団の年齢が増大すると、4000万人に増大し、これを桁外れの大きさの公衆健康問題にすると予測される(Houge & Mersfelder, 2002, Ann Pharmacother., 36, 679-686; McCarthy et al., 1994, Textbook of Pain, 387-395)。変形性関節炎を有するほとんどの患者は、関連疼痛のために治療を捜し求めている。関節炎は、心理社会的および身体的機能に有意の影響を及ぼし、そして晩年における能力障害の主因であることが既知である。強直性脊椎炎も、脊椎および仙腸間接の関節炎を引き起こすリウマチ様疾患である。それは、人生を通じて起こる背痛の間欠性エピソードから、脊椎、末梢関節およびその他の身体器官を攻撃する重症慢性疾患へと変わる。
【0030】
別の種類の炎症性疼痛は内臓疼痛であり、例としては、炎症性腸疾患(IBD)に関連した疼痛が挙げられる。内臓疼痛は、腹腔の器官を包含する内臓に関連した疼痛である。これらの器官としては、性器、脾臓および消化系の一部が挙げられる。内臓に関連した疼痛は、消化性内臓疼痛および非消化性内臓疼痛に分けられ得る。疼痛を引き起こす一般的に遭遇する胃腸(GI)障害としては、機能性腸障害(FBD)および炎症性腸疾患(IBD)が挙げられる。これらのGI障害としては、例えばFBD、胃−食道逆流、消化不良、過敏性大腸症候群(IBS)および機能性腹痛症候群(FAPS)に関して、ならびにIBD、クローン病、回腸炎および潰瘍性結腸炎に関して、一般的に中等度にのみ制御される広範囲の疾患状態が挙げられる(これらは全て内臓疼痛を定期的に生じる)。他の種類の内臓疼痛としては、月経困難症、膀胱炎および膵炎ならびに骨盤疼痛に関連した疼痛が挙げられる。
【0031】
いくつかの型の疼痛は多数の病因を有し、したがって1つより多い領域に分類され、例えば背痛および癌疼痛は侵害性および神経障害性構成成分の両方を有する、ということに留意すべきである。
【0032】
その他の型の疼痛としては、以下のものが挙げられる:
・筋肉−骨格障害に起因する疼痛、例えば筋肉痛、繊維筋痛、脊椎炎、血清陰性(非リウマチ様)関節症、非関節性リウマチ、異栄養症、グリコーゲン分解、多発性筋炎および化膿性筋炎;
・心臓および血管疼痛、例えば狭心症、心筋梗塞、僧帽弁狭窄、心嚢炎、レイノー現象、水腫性硬化症および骨格筋虚血によりひき置きこされる疼痛;
・頭痛、例えば偏頭痛(例えば前兆を伴う偏頭痛および前兆を伴わない偏頭痛)、群発性頭痛、緊張型頭痛、混合性頭痛および血管障害に関連した頭痛;ならびに
・口腔顔面疼痛、例えば歯痛、眼痛、灼熱性口腔症候群および側頭下顎筋筋膜疼痛。
【0033】
本発明のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド 多形形態は、疼痛、発熱またはリウマチ様発熱に関連した炎症、インフルエンザまたはその他のウイルス感染、普通の風邪、腰および頚部痛、骨格痛、分娩後痛、月経困難症、頭痛、偏頭痛、歯痛、捻挫および挫傷、筋炎、神経痛、繊維筋痛、滑膜炎、関節炎、例えば慢性関節リウマチ、変性関節疾患(変形性関節炎)、痛風および強直性脊椎炎、滑液嚢炎、熱傷、例えば放射線照射および腐蝕性化学性損傷、日焼け、術後および歯科処置または骨折後の疼痛、免疫および自己免疫疾患、例えば全身性紅斑性狼瘡;AIDS(後天性免疫不全症候群)、胃腸癌、例えば結腸癌;細胞性悪性形質転換または転移性腫瘍増殖;糖尿病性網膜症、腫瘍新脈管形成;月経困難症に関連したプロスタノイド誘導性平滑筋収縮、早産、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、喘息または好酸球関連障害、高免疫グロブリン血症、キャッスルマン病、骨髄腫;アルツハイマー病、睡眠障害、内分泌障害;緑内障;骨損失;骨粗鬆症;骨形成の促進;パジェット病;消化性潰瘍、胃炎、局所性腸炎、潰瘍性結腸炎、憩室炎またはその他の胃腸病変における細胞防御;GI出血および化学療法を受けている患者;低プロトロンビン血症、血友病およびその他の出血問題から選択される凝固障害;腎臓疾患;血栓症;閉塞性血管性疾患;術前;および抗凝固からなる群から選択される障害または症状の治療のためにも有用であり得る。
【0034】
本発明のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態は、アルコール性肝硬変、アミロイド症、アテローム硬化症、心疾患、例えば狭心症、心筋梗塞、心筋症および心筋炎、硬化症、例えば多発性硬化症、ならびに臓器移植反応からなる群から選択されるIL−6関連疾患の治療においても有用である。
【0035】
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドの調製のための合成経路は、WO-A-02/32900に、ならびに下記の実施例の節に開示されている。
【0036】
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aは、酢酸エチル中のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドの溶液からの結晶化により調製され得る。
【0037】
あるいはN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aは、アセトン中のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドの溶液からの結晶化により調製され得る。
【0038】
あるいはN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aは、アセトニトリルおよび酢酸エチルの混合物中の多形形態Bの溶液からの結晶化により調製され得る。
【0039】
あるいはN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aは、多形形態Aのシーディング結晶を用いることにより、ジクロロメタンおよびアセトンの混合物中の多形形態Bの溶液からの結晶化により調製され得る。
【0040】
あるいはN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aは、エタノール中の多形形態Bの溶液からの結晶化により調製され得る。
【0041】
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Bは、ジクロロメタンおよびアセトン中のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドの溶液からの結晶化により調製され得る。
【0042】
あるいはN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Bは、アセトンをジクロロメタンに一部置換することにより、ジクロロメタン中のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドの溶液からの結晶化により調製され得る。
【0043】
本発明のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態は、単独で、または1つまたは複数のその他の薬剤と組合せて(またはその任意の組合せとして)投与され得る。一般にそれらは、1つまたは複数の製薬上許容可能な賦形剤と会合した処方物として投与される。「賦形剤」という用語は、本発明の化合物(単数または複数)以外の任意の成分を記載するために本明細書中で用いられる。賦形剤の選択は、大部分は、特定の投与方式、溶解性および安定性に及ぼす賦形剤の作用、ならびに剤形の性質といった因子によっている。
【0044】
したがって本発明のさらなる態様として、N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AまたはB、ならびに1つまたは複数の適切な賦形剤を含む製剤組成物が提供される。組成物は、疼痛、炎症、変形性関節炎または慢性関節リウマチの治療に適している。
【0045】
疑念を回避するために、「治療」に対する本明細書中での言及は、治癒的、一時緩和的および予防的治療への言及を含む。
【0046】
非ヒト動物投与に関しては、「製薬的」という用語は、本明細書中で用いる場合、「獣医学的」に置き換えられ得る。
【0047】
本発明の多形形態の送達に適した製剤組成物、ならびにそれらの製造方法は、当業者に容易に明らかになる。このような組成物およびそれらの製造方法は、例えばRemington‘s Pharmaceutical Sciences, 19th Edition(Mack Publishing Company, 1995)に見出され得る。
【0048】
経口投与
本発明の多形形態は、経口的に投与され得る。経口投与は、化合物が消化管に進入するよう嚥下を、および/または化合物が口から直接血流中に侵入する頬、舌または舌下投与を包含する。
【0049】
経口投与に適した処方物としては、固体、半固体および液体系、例えば錠剤;マルチ−またはナノ−粒子、液体または粉末を含有する軟質または硬質カプセル;ロゼンジ(例えば液体充填);咀嚼剤;ゲル;迅速分散剤形;皮膜;卵形剤;スプレー;および頬/粘膜付着性パッチが挙げられる。
【0050】
液体処方物としては、懸濁液、溶液、シロップおよびエリキシルが挙げられる。このような処方物は、軟質または硬質カプセル(例えばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製)中の充填剤として用いられ、そして典型的には担体、例えば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロースまたは適切な油、ならびに1つまたは複数の乳化剤および/または沈殿防止剤を含む。液体処方物は、例えばサッシェからの固体の再構成によっても調製され得る。
【0051】
本発明の多形形態は、迅速溶解、迅速崩壊剤形、例えばExpert Opinion in Therapeutic Patents, 11 (6), 981-986, by Liang and Chen (2001)に記載されたものにおいても用いられ得る。
【0052】
錠剤剤形に関しては、用量によって、薬剤は剤形の1重量%〜80重量%、さらに典型的には剤形の5重量%〜60重量%を構成し得る。薬剤のほかに、錠剤は一般に崩壊剤を含有する。崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微晶質セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%を構成する。
【0053】
結合剤は一般に、錠剤処方物に粘着性を付与するために用いられる。適切な結合剤としては、微晶質セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤は、希釈剤、例えばラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微晶質セルロース、デンプンおよび二塩基性リン酸カルシウム二水和物が挙げられる。
【0054】
錠剤は、界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80、ならびに滑沢剤、例えば二酸化ケイ素およびタルクも任意に含み得る。存在する場合、界面活性剤は錠剤の0.2重量%〜5重量%を構成し、そして滑沢剤は錠剤の0.2重量%〜1重量%を構成し得る。
【0055】
錠剤は一般に、滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、ならびにステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物も含有する。滑剤は一般に、錠剤の0.25重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜3重量%を構成する。
【0056】
その他の考え得る成分としては、酸化防止剤、着色剤、風味剤、防腐剤および味覚遮蔽剤が挙げられる。
【0057】
例示的錠剤は、約80重量%までの薬剤、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%〜約10重量%の滑剤を含有する。
【0058】
錠剤配合物は、直接的にまたはローラーにより圧縮されて、錠剤を形成し得る。錠剤配合物または配合物の一部分は、代替的に、錠剤成形前に湿式、乾式または融解造粒され、融解凝結され、あるいは押し出され得る。最終処方物は1つまたは複数の層を含み、そして被覆されることもあれば、被覆されないこともある。それは封入されることさえあり得る。
【0059】
錠剤の処方物は、Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Vol. 1, by H. Lieberman and L. Lachman (Marcel Dekker, New York, 1980)で考察されている。
【0060】
ヒトまたは獣医学的使用のための消耗性経口皮膜は、典型的には柔軟性水溶性または水膨潤性薄膜剤形であり、これは迅速溶解性または粘膜付着製であり得るし、典型的には本発明の多形形態、皮膜形成ポリマー、結合剤、溶媒、保湿剤、可塑剤、安定剤または乳化剤、粘度改質剤および溶媒を含む。処方物のいくつかの構成成分は、1機能より多くを遂行し得る。
【0061】
本発明の多形形態は、水溶性または水不溶性であり得る。水溶性化合物は、典型的には1重量%〜80重量%、さらに典型的には20重量%〜50重量%の溶質を含む。低可溶性化合物は、組成物のより大きい割合を、典型的には88重量%までの溶質を含み得る。あるいは本発明の多形形態は、多粒子ビーズの形態であり得る。
【0062】
皮膜形成ポリマーは、天然多糖、タンパク質または合成ヒドロコロイドから選択され得るが、典型的には0.01〜99重量%の範囲で、さらに典型的には30〜80重量%の範囲で存在する。
【0063】
その他の考え得る成分としては、酸化防止剤、着色剤、風味剤および風味増強剤、防腐剤、唾液分泌刺激剤、冷却剤、補助溶媒(例えば油)、エモリエント、膨化剤、消泡剤、界面活性剤および味覚遮蔽剤が挙げられる。
【0064】
本発明の皮膜は典型的には、剥脱可能裏張り支持体または紙上に被覆される水性薄膜の蒸発乾燥により調製される。これは、乾燥炉または横穴、典型的には併合コーター乾燥機中で、あるいは凍結乾燥または真空処理により実行され得る。
【0065】
経口投与のための固体処方物は、即時および/または調節放出であるよう処方され得る。調節放出処方物としては、遅延放出、持続放出、パルス化放出、制御放出、標的化放出およびプログラム化放出が挙げられる。
【0066】
本発明の目的のための適切な調節放出処方物は、米国特許第6,106,864号に記載されている。その他の適切な放出技法、例えば高エネルギー分散および浸透性および被覆粒子の詳細は、Pharmaceutical Technology On-line, 25(2), 1-14, by Verma et al (2001)に見出されるものである。制御放出を達成するためのチューインガムの使用は、WO 00/35298に記載されている。
【0067】
非経口投与
本発明の多形形態はまた、血流中に、筋肉中にまたは内部器官中に直接投与され得る。非経口投与のための適切な手段としては、静脈内、動脈内、腹腔内、鞘内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑膜内および皮下が挙げられる。非経口投与のための適切な用具としては、針(例えば微小針)注射器、無針注射器および注入技法が挙げられる。
【0068】
非経口処方物は典型的には、賦形剤、例えば塩、炭水化物および緩衝剤(好ましくはpH3〜9に)を含有し得る水溶液であるが、しかしいくつかの用途のためには、それらは、滅菌非水性溶液として、または適切なビヒクル、例えば滅菌無発熱物質水と一緒に用いられるべき乾燥形態としてより適切に処方され得る。
【0069】
例えば凍結乾燥による滅菌条件下での非経口処方物の調製は、当業者に周知の標準製薬技法を用いて容易に成し遂げられ得る。
【0070】
非経口投与のための処方物は、即時および/または調節放出であるよう処方され得る。調節放出処方物としては、遅延放出、持続放出、パルス化放出、制御放出、標的化放出およびプログラム化放出が挙げられる。したがって本発明の多形形態は、懸濁液として、あるいは活性化合物の調節放出を提供する埋め込みデポー剤としての投与のための固体、半固体または揺変性液体として処方され得る。このような処方物の例としては、薬剤被覆ステントならびに薬剤負荷ポリ(dl−乳酸−コグリコール酸)(PGLA)微小球半固体および懸濁液が挙げられる。
【0071】
局所投与
本発明の多形形態はまた、局所的、皮膚(皮膚内)的、または経皮的に、皮膚または粘膜に投与され得る。この目的のための局所的処方物としては、ゲル、非ドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、汗取りパウダー、仕上げ剤、発泡剤、皮膜、皮膚パッチ、ウエファー、移植片、スポンジ、繊維、包帯およびマイクロエマルションが挙げられる。リポソームも用いられ得る。局所担体としては、アルコール、水、鉱油、液体ペトロラタム、白色ペトロラタム、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。浸透増強剤が組入れられ得る(例えばJ Pharm Sci, 88(10), 955-958, by Finnin and Morgan (October 1999)参照)。
【0072】
局所投与のその他の手段としては、電気穿孔、イオン導入法、フォノフォレーシス、超音波導入法および顕微針または無針(例えばPowderjectTM、BiojectTM等)注射による送達が挙げられる。局所投与は、パッチ、例えば経皮イオン導入パッチを用いても達成され得る。
【0073】
局所投与のための処方物は、即時および/または調節放出であるよう処方され得る。調節放出処方物としては、遅延放出、持続放出、パルス化放出、制御放出、標的化放出およびプログラム化放出が挙げられる。
【0074】
本発明の多形形態は、典型的には乾燥粉末吸入器からの乾燥粉末(単独で、例えばラクトースとの乾燥配合物中で混合物として、または例えばリン脂質、例えばホスファチジルコリンと混合された混合構成成分粒子として)の形態で、適切な噴射剤、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンの使用を伴って、または伴わずに、加圧容器、ポンプ、噴霧器、アトマイザー(好ましくは微細霧を生成するために電気流体力学を用いたアトマイザー)またはネブライザーからのエーロゾル噴霧として、あるいは点鼻薬として、鼻内に、または吸入によっても投与され得る。鼻内使用のために、粉末は、生体接着剤、例えばキトサンまたはシクロデキストリンを含み得る。
【0075】
加圧容器、ポンプ、噴霧器、アトマイザーまたはネブライザーは、有効成分、溶媒としての噴射剤(単数または複数)、および任意の界面活性剤、例えばトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸またはオリゴ乳酸の分散、可溶化または放出延長のために例えばエタノール、水性エタノールまたは適切な代替的作用物質を含む本発明の多形形態の溶液または懸濁液を含入する。
【0076】
乾燥粉末または懸濁液処方物中で用いる前に、薬剤製品は、吸入による送達に適したサイズ(典型的には5ミクロン未満)に微粉状にされる。これは、任意の適切な微粉砕方法、例えば渦巻きジェット粉砕、流動床ジェット粉砕、ナノ粒子を生成するための超臨界流体処理、高圧均質化、または噴霧乾燥により達成され得る。
【0077】
吸入器または吹付け器中で用いるためのカプセル(例えばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースから作製される)、ブリスターおよびカートリッジは、本発明の化合物、適切な粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプン、ならびに性能改質剤、例えばl−ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムの粉末混合物を含有するよう処方され得る。ラクトースは、無水であるか、または一水和物の形態であり得るが、好ましくは後者である。他の適切な賦形剤としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースが挙げられる。
【0078】
微細霧を生成するために電気流体力学を用いたアトマイザー中で用いるための適切な溶液処方物は、一動作当たり1 μg〜20 mgの本発明の化合物を含有し、そして動作容積は1 μlから100 μlまで変わり得る。典型的処方物は、本発明の多形形態、プロピレングリコール、滅菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含み得る。プロピレングリコールの代わりに用いられ得る代替的溶媒としては、グリセロールおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0079】
適切な風味剤、例えばメタノールおよびレボメタノール、あるいは甘味剤、例えばサッカリンまたはサッカリンナトリウムは、吸入/鼻内投与を意図された本発明の処方物に付加され得る。
【0080】
吸入/鼻内投与のための処方物は、例えばPGLAを用いて、即時および/または調節放出であるよう処方され得る。調節放出処方としては、遅延放出、持続放出、パルス化放出、制御放出、標的化放出およびプログラム化放出が挙げられる。
【0081】
乾燥粉末吸入器およびエーロゾルの場合、投与量単位は、計測量を送達する弁により確定される。本発明による単位は、典型的には1 μg〜20 mgの式Iの化合物を含有する計測用量または「パフ」を投与するよう整えられる。総1日用量は、典型的には1 μg〜100 mgの範囲であり、これは1回用量で、またはさらに通常では、1日を通して分割用量として投与され得る。
【0082】
直腸/膣内投与
本発明の多形形態は、直腸にまたは膣に、例えば座薬、ペッサリーまたは浣腸の形態で投与され得る。ココアバターは伝統的座薬基剤であるが、しかし種々の代替物が、適宜、用いられ得る。
【0083】
直腸/膣投与のための処方物は、即時および/または調節放出であるよう処方され得る。調節放出処方としては、遅延放出、持続放出、パルス化放出、制御放出、標的化放出およびプログラム化放出が挙げられる。
【0084】
眼/耳投与
本発明の多形形態はまた、典型的には等張pH調整滅菌生理食塩水中の微粒化懸濁液または溶液の点薬の形態で、眼または耳に直接投与され得る。眼および耳投与に適したその他の処方物としては、軟膏、ゲル、生分解性(例えば吸収性ゲル、スポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えばシリコーン)移植片、ウエファー、レンズおよび粒状または小胞状系、例えばニオソームまたはリポソームが挙げられる。ポリマー、例えば架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースまたはメチルセルロース、あるいはヘテロ多糖ポリマー、例えばゲランゴムは、防腐剤、例えば塩化ベンズアルコニウムと一緒に組入れられ得る。このような処方物も、イオン導入法により送達され得る。
【0085】
眼/耳投与のための処方物は、即時および/または調節放出であるよう処方され得る。調節放出処方としては、遅延放出、持続放出、パルス化放出、制御放出、標的化放出およびプログラム化放出が挙げられる。
【0086】
その他の技法
本発明の多形形態は、上記の投与方式のいずれかに用いるために、それらの溶解性、溶解速度、味覚遮蔽性、生物学的利用能および/または安定性を改良するために、可溶性高分子物質、例えばシクロデキストリンおよびその適切な誘導体、またはポリエチレングリコール含有ポリマーと組合され得る。
【0087】
例えば薬剤−シクロデキストリン複合体は、ほとんどの剤形および投与経路のために一般に有用であることが判明している。包接および非包接複合体の両方が用いられ得る。薬剤との直接複合体生成に代わるものとして、シクロデキストリンが補助添加物として、即ち担体、希釈剤または可溶化剤として用いられ得る。これらの目的のために最も一般的に用いられるのは、α−、β−およびγ−デキストリンであり、その実例は、国際特許出願WO 91/11172、WO 94/02518およびWO 98/55148に見出され得る。
【0088】
キット構成パーツ
例えば特定の疾患または症状を治療する目的のために、活性化合物の組合せを投与するのが望ましい限り、そのうちの少なくとも1つが本発明の多型性継代を含有する2つまたはそれ以上の製剤組成物が、組成物の同時投与に適したキットの形態で便利に組合され得る、ということは、本発明の範囲内である。
【0089】
したがって本発明のキットは、そのうちの少なくとも1つが本発明の多形形態を含有する2またはそれ以上の別個の製剤組成物、ならびに上記の組成物を別々に保持するための手段、例えば容器、分割ボトルまたは分割ホイルパケットを包含する。このようなキットの一例は、錠剤、カプセル等の包装に用いられる周知のブリスターパックである。
【0090】
本発明のキットは、例えば経口および非経口のために異なる剤形を投与するのに、異なる投与間隔で別個の組成物を投与するのに、あるいは互いに対して別個の組成物を滴定するのに、特に適している。応諾を手助けするために、キットは典型的には投与のための使用説明書を含み、そしていわゆるメモリーエイドを装備され得る。
【0091】
投薬量
ヒト患者への投与に関しては、本発明の多形形態の総1日用量は、もちろん、投与方式によって、典型的には0.1 mg〜3000 mgの範囲である。例えば経口投与は1 mg〜3000 mgの総1日用量を要するが、一方、静脈内投与は0.1 mg〜300 mgを要するだけである。総1日用量は、1回用量で投与され得るし、そして医者の最良で、本明細書中に示された典型的範囲外であり得る。好ましくは総1日用量は、0.1 mg〜500 mgの範囲である。
【0092】
これらの投薬量は、約60 kg〜70 kgの体重を有する平均ヒト被験者を基礎にしている。医者は、その体重がこの範囲外である被験者、例えば幼児および高齢者に関する用量を容易に確定し得る。疑念を回避するために、「治療」に対する本明細書中での言及は、治癒的、一時緩和的および予防的治療への言及を含む。
【0093】
本発明の多形形態はまた、特に疼痛の治療のために、もう1つの薬理学的活性化合物と、あるいは2またはそれ以上のその他の薬理学的活性化合物と、任意に組合され得る。例えば上記のような本発明の多形形態は、以下のものから選択される1つまたは複数の作用物質と組合せて、同時的に、逐次的にまたは別個に投与され得る:
・オピオイド系鎮痛薬、例えばモルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、レボルファノール、レバルロルファン、メタドン、メペリジン、フェンタニル、コカイン、コデイン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、プロポキシフェン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィンまたはペンタゾシン;
・非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、例えばアスピリン、ジクロフェナク、ジフルシナール、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサル、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナミン酸、メフェナミン酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、ニメスリド、ニトロフルルビプロフェン、オルサラジン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スルファサラジン、スリンダク、トルメチンまたはゾメピラク;
・バルビツール酸系鎮静薬、例えばアモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタビタール、メフォバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、タルブタール、テアミラールまたはチオペンタール;
・鎮静作用を有するベンゾジアゼピン、例えばクロルジアゼポキシド、クロラゼペート、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパムまたはトリアゾラム;
【0094】
・鎮静作用を有するH1アンタゴニスト、例えばジフェンヒドラミン、ピリラミン、プロメタジン、クロルフェニラミンまたはクロルクリジン;
・鎮静薬、例えばグルテチミド、メプロバメート、メタクアロンまたはジクロラルフェナゾン;
・骨格筋弛緩薬、例えばバクロフェン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、メトカルバモールまたはオルフレナジン;
・NMDA受容体アンタゴニスト、例えばデキストロメトルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)またはその代謝産物デキストロルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)、ケタラミン、メマンチン、ピロロキノリンキニン、シス−4−(ホスホノメチル)−2−ピペリジンカルボン酸、ブジピン、EN−3231(モルフィデックス(登録商標)、モルヒネとデキストロメトルファンの組合せ処方物)、トピラメート、ネラメキサンまたはペルジンフォテル、例えばNR2Bアンタゴニスト、例えばイフェンプロジル、トラキソプロジルまたは(−)−(R)−6−{2hafunn[4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル]−1−ヒドロキシエチル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノン;
【0095】
・α−アドレナリン作動薬、例えばドキサゾシン、タムスロシン、クロニジン、クアンファシン、デキスメタトミジン、モダフィニルまたは4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−(5−メタンスルホンアミド−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノール−2−イル)−5−(2−ピリジル)キナゾリン;
・三環式抗うつ薬、例えばデシプラミン、イミプラミン、アミトリプチリンまたはノルトリプチリン;
・鎮痙薬、例えばカルバマゼピン、ラモトリジン、トピラトメートまたはバルプロエート;
【0096】
・タチキニン(NK)アンタゴニスト、特にNK−3、NK−2またはNK−1アンタゴニスト、例えば(αR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ[2,1−g][1,7]−ナフチリジン−6−13−ジオン(TAK−637)、5−[[(2R,3S)−2−[(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニル]−メチル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(MK−869)、アプレピタント、ラネピタント、ダピタントまたは3−[[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−メチルアミノ]−2−フェニルピペリジン(2S,3S);
・ムスカリン性アンタゴニスト、例えばオキシブチニン、トルテロジン、プロピベリン、塩化トロプシウム、ダリフェナシン、ソリフェナシン、テミベリンおよびイプラトロピウム;
【0097】
・COX−2選択的阻害薬、例えばセレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、デラコキシブ、エトリコキシブまたはルミラコキシブ;
・コールタール系鎮痛薬、特にパラセタモール;
・神経弛緩薬、例えばドロペリドール、クロルプロマジン、ハロペリドール、ペルフェナジン、チオリダジン、メソリダジン、トリフルオペラジン、フルフェナジン、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、ジプラシドン、クエチアピン、セルチンドール、アプリピラゾール、ソネピラゾール、ブロナンセリン、イロペリドン、ペロスピロン、ラクロプリド、ゾテピン、ビフェプルノックス、アセナピン、ルラシドン、アミスルプリド、バラペリドン、パリンドーレ、エプリバンセリン、オサネタント、リモナバント、メクリネルタント、ミラキシオン(登録商標)またはサリゾタン;
・バニロイド受容体アゴニスト(例えばレシンフェラトキシン)またはアンタゴニスト(例えばカプサゼピン);
・β−アドレナリン作動薬、例えばプロプラノロール;
・局所麻酔薬、例えばメキシレチン;
・コルチコステロイド、例えばデキサメタソン;
・5−HT受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、特に5−HT1B/1Dアゴニスト、例えばエレトリプタン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタンまたはリザトリプタン;
・5−HT2A受容体アンタゴニスト、例えばR(+)−α−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−1−[2−(4−フルオロフェニルエチル)]−4−ピペリジンメタノール(MDL−100907);
【0098】
・コリン作動性(ニコチン酸)鎮痛薬、例えばイソプロニクリン(TC−1734)、(E)−N−メチル−4−(3−ピリジニル)−3−ブテン−1−アミン(RJR−2403)、(R)−5−(2−アゼチジニルメトキシ)−2−クロロピリジン(ABT−594)またはニコチン;
・トラマドール(登録商標);
・PDEV阻害薬、例えば5−[2−エトキシ−5−(4−メトキシ−1−ピペラジニル−スルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル)、(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピラジノ[2‘,1’:6,1]−ピリド[3,4−d]インドール−1,4−ジオン(IC−351またはタダラフィル)、2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル)、5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−(5−アセチル−2−プロポキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−イソプロピル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、4−[(3−クロロ−4−メトキシベンジル)アミノ]−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド、3−(1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−6,7−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−N−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]−4−プロポキシベンゼンスルホンアミド;
【0099】
・α−2−δ配位子、例えばガバペンチン、プレガバリン、3−メチルガバペンチン、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリン、(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリン、[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル)−酢酸、3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、C−[1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−シクロヘプチル]−メチルアミン、(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチルシクロペンチル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナノン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸;
【0100】
・カンナビノイド;
・代謝調節型グルタミン酸亜型1受容体(mGluR1)アンタゴニスト;
・セロトニン再取込み阻害薬、例えばセルトラリン、セルトラリン代謝産物デメチルセルトラリン、フルオキセチン,ノルフルオキセチン(フルオキセチンデスメチル代謝産物)、フルボキサミン、パロキセチン、シタロプラム、シタロプラム代謝産物デスメチルシタロプラム、エスシタロプラム、d,l−フェンフルラミン、フェモキセチン、イフォキセチン、シアノドチエピン、リトキセチン、ダポキセチン、ネファゾドン、セリクラミンおよびトラゾドン;
【0101】
・ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)再取込み阻害薬、例えばマプロチリン、ロフェプラミン、ミトラゼピン、オキサプロチリン、フェゾラミン、トモキセチン、ミアンセリン、ブプロプリオン、ブプロプリオン代謝産物ヒドロキシブプロプリオン、ノミフェンシンおよびビロキサジュイン(ビバラン(登録商標))、特に選択的ノルアドレナリン再取込み阻害薬、例えばレボキセチン、特に(S,S)−レボキセチン;
・二重性セロトニン−ノルアドレナリン再取込み阻害薬、例えばベンラファキシン、ベンラファキシン代謝産物O−デスメチルベンラファキシン、クロミプラミン、クロミプラミン代謝産物デスメチルクロミプラミン、デュロキセチン、ミルナシプランおよびイミプラミン;
【0102】
・誘導性一酸化窒素シンターゼ(iNOS)阻害薬、例えばS−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−L−ホモシステイン、S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−4,4−ジオキソ−L−システイン、S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−2−メチル−L−システイン、(2S,5Z)−2−アミノ−2−メチル−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプタン酸、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)−ブチル]チオ]−5−クロロ−3−ピリジンカルボニトリル;2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)−ブチル]チオ]−4−クロロベンゾニトリル、(2S,4R)−2−アミノ−4−[[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−5−チアノールブタノール、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)−ブチル]チオ]−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボニトリル、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)−ブチル]チオ]−5−クロロベンゾニトリル、N−[4−[2−(3−クロロベンジルアミノ)エチル]フェニル]チオフェン−2−カルボキサミジンまたはグアニジノエチルジスルフィド;
【0103】
・アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、例えばドネペジル;
・ロイコトリエンB4アンタゴニスト;例えば1−(3−ビフェニル−4−イルメチル−4−ヒドロキシ−クロマン−7−イル)−シクロペンタンカルボン酸(CP−105696)、5−[2−(2−カルボキシエチル)−3−[6−(4−メトキシフェニル)−5E−ヘキセニル]オキシフェノキシ]−吉草酸(ONO−4057)またはDPC−11870;
・5−リポキシゲナーゼ阻害薬、例えばジロートン、6−[(3−フルオロ−5−[4−メトキシ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル])フェノキシ−メチル]−1−メチル−2−キノロン(ZD−2138)または2,3,5−トリメチル−6−(3−ピリジルメチル)−1,4−ベンゾキノン(CV−6504);
・ナトリウムチャンネル遮断薬、例えばリドカイン;
・5−HT3アンタゴニスト、例えばオンダンセトロン;
ならびにその製薬上許容可能な塩および溶媒和物。
【0104】
本発明は、疼痛、炎症、変形性関節炎または慢性関節リウマチの治癒的、予防的または一時緩和的治療における同時的、分離的または逐次的使用のための、N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AまたはB、ならびに1つまたは複数の治療薬、例えば上記のものを含む組合せに及ぶ。
【0105】
したがって本発明は、以下を提供する:
I.本質的に純粋な結晶性のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AおよびB;
II.本質的に純粋な結晶性のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AおよびBの製造方法;
III.本質的に純粋な結晶性のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AまたはB、および1つまたは複数の製薬上許容可能な賦形剤を含む製剤組成物;
IV.薬剤として用いるための、本質的に純粋な結晶性のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AおよびB;
V.疼痛、炎症、変形性関節炎または慢性関節リウマチの治療のための薬剤の製造における、本質的に純粋な結晶性のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AまたはBの使用;
VI.疼痛、炎症、変形性関節炎または慢性関節リウマチの治療方法であって、このような治療を必要とする動物、例えばヒトに、有効量の本質的に純粋な結晶性のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AまたはB、あるいはその製薬上許容可能な組成物を投与することを包含する方法。
【実施例】
【0106】
実施例
以下の実施例は参照のためであるに過ぎない。
【0107】
実施例1
2−エチル−5,7−ジメチル−3−(4−{2−[({[(4−メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]エチル}フェニル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
ステップ1. 4,6−ジメチル−3−ニトロ−2(1H)−ピリジノン
水酸化アンモニウム(水400 mL中25%NH3)中のニトロ酢酸エチル(80.0 g, 601 mmol)の混合物を室温で3日間撹拌し、次に、溶液を風乾により濃縮した。残渣を水(450 mL)中に溶解させた。溶液に、2,4−ペンタンジオン(73.1 g, 730 mmol)、ピリジン(16.2 mL, 200 mmol)および酢酸(11.4 mL, 200 mmol)を付加し、混合物をさらに7日間撹拌した。その結果生じた沈殿物を濾過により収集し、減圧下で乾燥して、表題化合物35.0 g(35%)を黄色固体として得た:
【0108】
【化2】

【0109】
ステップ2. 2−クロロ−4,6−ジメチル−3−ニトロピリジン
オキシ塩化リン(35 mL, 187.3 mmol)中の4,6−ジメチル−3−ニトロ−2(1H)−ピリジノン(ステップ1、 10.0 g, 29.7 mmol)の混合物を95℃で3時間撹拌し、次に、45℃に冷却した。余分量のオキシ塩化リンを、減圧下で45℃で、蒸留により除去した。残渣を室温に冷却し、ジクロロメタン(75 mL)で希釈した。その結果生じた溶液を0℃に冷却し、2 N塩酸(50 mL)を溶液中に滴下した。有機層を分離し、2 N塩酸(4×25 mL)、2 N水性NaOH(2×50 mL)およびブライン(50 mL)で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮して、表題化合物10.0 g(90%)を白色固体として得た:
【0110】
【化3】

【0111】
ステップ3. 2−{4−[(4,6−ジメチル−3−ニトロ−2−ピリジニル)アミノ]フェニル}エタノール
2−クロロ−4,6−ジメチル−3−ニトロピリジン(ステップ2、 1.3 g, 7.0 mmol)および4−アミノフェニルエチルアルコール(1.4 g, 10.2 mmol)の混合物を密封管中に入れて、150℃で3時間加熱した。反応混合物を冷却し、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン/酢酸エチル(2:1)を用いて溶離して、表題化合物1.6 g(80%)を橙色固体として得た:
【0112】
【化4】

【0113】
ステップ4. 2−{4−[(3−アミノ−4,6−ジメチル−2−ピリジニル)アミノ]フェニル}エタノール
酢酸エチル(15 mL)中の2−{4−[(4,6−ジメチル−3−ニトロ−2−ピリジニル)アミノ]フェニル}エタノール(ステップ3、 1.6 g, 5.6 mmol)の撹拌溶液に、10%Pd−C(160 mg)を付加した。混合物を、水素大気下で室温で6時間撹拌した。パラジウム触媒を濾過により除去し、エタノール(100 mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物1.3 g(92%)を淡黄色固体として得た:
【0114】
【化5】

【0115】
ステップ5. 2−[4−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)フェニル]エチルプロピオネート
トルエン(30 mL)中の2−{4−[(3−アミノ−4,6−ジメチル−2−ピリジニル)アミノ]フェニル}エタノール(ステップ4、 1.3 g, 5.1 mmol)の撹拌懸濁液に、0℃で塩化プロピオニル(990 mg, 10.7 mmol)を滴下し、反応混合物を還流温度で2時間加熱した。冷却後、混合物を水(50 mL)中に注ぎ入れ、酢酸エチル(100 mL)で抽出した。有機層を2 N水性NaOH(50 mL)およびブライン(50 mL)で洗浄し、次に乾燥した(MgSO4)。溶媒を除去して、表題化合物1.8 g(定量的)を褐色固体として得た:
【0116】
【化6】

【0117】
ステップ6. 2−[4−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)フェニル]エタノール
メタノール/THF(v/v, 1:1, 28 mL)中の2−[4−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)フェニル]エチルプロピオネート(ステップ5、 1.75 g, 5.1 mmol)の溶液に、4 N水性LiOH(4.6 mL, 18.4 mmol)を付加し、その結果生じた混合物を室温で撹拌した。3時間後、混合物を濃縮した。残渣を水(30 mL)中に溶解し、酢酸エチル(100 mL)で抽出した。有機層をブライン(50 mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)して、濃縮した。シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン/酢酸エチル(2:1〜0:1の勾配溶離)を用いて溶離して、表題化合物1.3 g(86%)を褐色固体として得た:
【0118】
【化7】

【0119】
ステップ7. 3−[4−(2−クロロエチル)フェニル]−2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
トルエン(40 mL)中の2−[4−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)フェニル]エタノール(ステップ6、 2.2 g, 7.4 mmol)の溶液に、塩化チオニル(2.0 mL, 23.6 mmol)を付加し、その結果生じた混合物を80℃で3時間撹拌した。揮発性構成成分を減圧下で除去し、残渣をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン/酢酸エチル(2:1〜1:1の勾配溶離)を用いて溶離して、表題化合物2.1 g(90%)を白色固体として得た:
【0120】
【化8】

【0121】
ステップ8. 2−[4−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)フェニル]エチルアジド
DMF(50 mL)中の3−[4−(2−クロロエチル)フェニル]−2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(ステップ7、 2.8 g, 9.0 mmol)およびKI(1.5 g, 9.0 mmol)の撹拌懸濁液に、アジ化ナトリウム(1.2 g, 18.0 mmol)を付加し、次にその結果生じた混合物を100℃で一晩撹拌した。反応混合物を水(100 mL)中に注ぎ入れ、酢酸エチル(100 mL)で抽出した。有機層を水(50 mL)およびブライン(50 mL)で洗浄し、次に乾燥した(Na2SO4)。溶媒除去後、粗製物質をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)を用いて溶離して、表題化合物2.35 g(85%)を白色固体として得た:
【0122】
【化9】

【0123】
ステップ9. 2−[4−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)フェニル]エチルアミン
メタノール(50 mL)中の2−[4−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)フェニル]エチルアジド(ステップ8、 2.35 g, 7.3 mmol)の溶液に、10%Pd−C(200 mg)を付加した。その結果生じた混合物を、水素大気下で4時間撹拌した。混合物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン(100:5:1)を用いて溶離して、表題化合物2.01 g(94%)を白色固体として得た:
【0124】
【化10】

【0125】
ステップ10. 2−エチル−5,7−ジメチル−3−(4−{2−[({[(4−メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]エチル}フェニル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
【0126】
【化11】

【0127】
ジクロロメタン(15 mL)中の2−[4−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)フェニル]エチルアミン(ステップ9、 1.2 g, 4.0 mmol)の溶液に、p−トルエンスルホニルイソシアネート(805 mg, 4.0 mmol)を付加した。その結果生じた混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を除去後、残渣をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン/メタノール(20:1)を用いて溶離して、表題化合物1.10 g(56%)を白色固体として得た:
【0128】
【化12】

【0129】
以下の実施例は、WO-A-02/32900に記載されたような、N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドの従来既知の製造方法を説明する。
【0130】
実施例2
2−エチル−4,6−ジメチル−1−(4−{2−[({[(4−メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]エチル}フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
ステップ1. 2−{4−[(2,6−ジメチル−3−ニトロ−4−ピリジニル)アミノ]フェニル}エタノール
4−クロロ−2,6−ジメチル−3−ニトロピリジン(Tanaka, A; et al. J. Med. Chem., 1999, 41, 4408)および4−アミノフェニルエチルアルコールから、実施例1のステップ3に記載した手法に従って、表題化合物を調製した。
【0131】
【化13】

【0132】
ステップ2. 2−{4−[(3−アミノ−2,6−ジメチル−4−ピリジニル)アミノ]フェニル}エタノール
2−{4−[(2,6−ジメチル−3−ニトロ−4−ピリジニル)アミノ]フェニル}エタノール(ステップ1)から、実施例1のステップ4に記載した手法に従って、表題化合物を調製した。
【0133】
【化14】

【0134】
ステップ3. 2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチルプロピオネート
2−{4−[(3−アミノ−2,6−ジメチル−4−ピリジニル)アミノ]フェニル}エタノール(ステップ2、 2.4 g, 9.3 mmol)、無水プロピオン酸(13 mL, 101 mmol)およびプロピオン酸(13 mL, 174 mmol)の混合物を、120℃で16時間撹拌した。冷却後、混合物を2 N水性NaOH(150 mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×150 mL)で抽出した。併合有機抽出物をブライン(50 mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)して、濃縮した。シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン/メタノール(20:1〜10:1の勾配溶離)を用いて溶離して、表題化合物2.3 g(69%)を褐色固体として得た:
【0135】
【化15】

【0136】
ステップ4. 2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エタノール
2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチルプロピオネート(ステップ3)から、実施例1のステップ6に記載した手法に従って、表題化合物を調製した。
【0137】
【化16】

【0138】
ステップ5. 1−[4−(2−クロロエチル)フェニル]−2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エタノール(ステップ4)から、実施例1のステップ7に記載した手法に従って、表題化合物を調製した。
TLC Rf=0.1 (酢酸エチル)。
【0139】
ステップ6. 1−[4−(2−アジドエチル)フェニル]−2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
1−[4−(2−クロロエチル)フェニル]−2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(ステップ5)から、実施例1のステップ8に記載した手法に従って、表題化合物を調製した。
【0140】
【化17】

【0141】
ステップ7. 2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチルアミン
1−[4−(2−アジドエチル)フェニル]−2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(ステップ6)から、実施例1のステップ9に記載した手法に従って、表題化合物を調製した。
【0142】
【化18】

【0143】
ステップ8. 2−エチル−4,6−ジメチル−1−(4−{2−[({[(4−メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]エチル}フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチルアミン(ステップ7)から、実施例1のステップ10に記載した手法に従って、表題化合物を調製した。
【0144】
【化19】

【0145】
実施例3
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態A(代替的に2−エチル−4,6−ジメチル−1−(4−{2−[({[(4−メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]エチル}フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジンと呼ばれる)
【0146】
ステップ1:粗製非晶質生成物
機械的撹拌機、温度計および2つの300 mL滴下漏斗を装備した20 L四首丸底フラスコを、水浴(水浴温度;18℃)中に浸漬した。フラスコ中で、3.5 LのCH2Cl2中の2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エタンアミン508 gおよびトリエチルアミン480 mLの溶液に、p−トシルイソシアネート270.4 mLを、28℃より低い内部温度を保持しながら、1.0時間の期間中、滴下漏斗のうちの1つから徐々に滴下した。その結果生じた溶液を室温で1時間撹拌し、次に、1.0 Mクエン酸水溶液6.0 Lを、22℃より低い内部温度を保持しながら、30分間の期間中、滴下した。その結果生じた混合物を室温で30分間激しく撹拌し、次に2.0 N水性NaOH溶液1.7 Lを滴下した。付加完了後、溶液のpH値を、5〜5.5であると確認した。次に層を分離させて、水性層を1.0 LのCH2Cl2で再抽出し、そして有機層を併合した。有機層をクエン酸の0.3 M水溶液3.0 Lおよび2.0 N水性NaOH溶液1.2 Lの混合物で洗浄した。相を分離後、水性層を1.0 LのCH2Cl2で再抽出し、そして有機層を併合した。その結果生じた有機層に300 gのNa2SO4および15.0 gの木炭を付加し、混合物を室温で12時間、静かに撹拌した。混合物をセライトパッド(1 kg)に通して濾過した後、濾液を、この実験の前に実施した70 gスケールパイロット反応の濾液と併合した。併合濾液を濃縮して、淡黄色非晶質固体の粗製生成物1.03 kgを得た。
【0147】
ステップ2. 多形形態Aへの転化およびその精製
機械的撹拌機、温度計および還流冷却器を装備した10 L丸底四首フラスコを、水浴中に浸漬した。フラスコ中で、5.15 Lの熱(40℃)アセトンを、粗製N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド(ステップ1、1.03 kg)に付加した。混合物を窒素大気下で50℃で7時間撹拌し、次に16時間かけて徐々に室温に冷却した。515 mLのアセトンを付加し、混合物を窒素大気下で室温で7時間撹拌した。結晶を濾紙を通して濾過し、515 mLのアセトンで洗浄して、窒素ガスを15時間流動させて乾燥して、表題化合物の結晶(859 g, 1.75 mol)を得て、これを以下の手法によりさらに精製した。
【0148】
機械的撹拌機、温度計および還流冷却器を装備した10 Lステンレス三首反応器を、水浴中に浸漬した。フラスコ中で、1.72 Lのアセトン中の上記の化合物859 gの混合物を、50℃で8時間撹拌し、次に14時間かけて室温に冷却した。反応混合物を50℃で8時間撹拌し、次に14時間かけて室温に冷却した。アリコートを取り出して、吸引により結晶を収集し、HPLC分析用の試料を調製して、結晶の純度を確定した。混合物を窒素大気下で室温で8時間撹拌した。結晶を濾紙を用いて濾し取り、172 mLのアセトンで洗浄し、窒素ガスを15時間流して乾燥し、そして減圧下で40℃で20時間乾燥した(837 g, 1.70 mol)。以下の手法により、生成物をさらに精製した。
【0149】
機械的撹拌機、温度計および還流冷却器を装備した12 L丸底四首フラスコを、水浴中に浸漬した。フラスコ中で、3.34 Lのアセトンを上記の結晶(836 g)に付加した。混合物を、窒素大気下で50℃で4時間撹拌し、次に15時間かけて室温に徐々に冷却した。アリコートを取り出して、吸引により結晶を収集し、HPLC分析用の試料を調製して、結晶の純度を確定した。反応混合物を50℃で9時間撹拌し、次に15時間かけて室温に冷却した。アリコートを取り出して、結晶を吸引により収集して、HPLC分析用試料を調製し、結晶の純度を確定した。反応混合物を50℃で8時間撹拌し、次に64時間かけて室温に冷却した。アリコートを取り出し、結晶を吸引により収集して、HPLC分析用試料を調製し、結晶の純度を確定した。反応混合物を50℃で9時間撹拌し、次に14時間かけて室温に冷却した。アリコートを取り出して、結晶を吸引により収集して、HPLC分析用試料を調製して、結晶の純度を確定した。混合物を窒素大気下で室温で6時間撹拌した。結晶を濾紙を通して濾過し、アセトン1.67 Lで洗浄し、窒素ガスを22時間流して乾燥し、そして減圧下で40℃で17時間乾燥して、表題化合物多形形態A(771 g, 1.57 mol)を得た。
【0150】
あるいは多形形態Aは、以下の手法に従って調製し得る。
【0151】
実施例4
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態A(代替的に2−エチル−4,6−ジメチル−1−(4−{2−[({[(4−メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]エチル}フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジンと呼ばれる)
清浄、乾燥12 L三首丸底フラスコに、2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エタンアミン(422 g, 1.43 mol)およびCH2Cl2(3.37 L)を投入した。CH2Cl2(851 mL)中に溶解したトシルイソシアネート(217 mL, 1.43 mol)を、21℃より低い温度を保持しながら反応物に付加し、少なくとも90分間撹拌した。HPLCにより反応を完了したとみなし、そして活性炭(DARCO KB-B, 4.2 g)を付加した。その結果生じたスラリーを、0.5ミクロンフィルターを通して、speck free5 L三首丸底フラスコ中に充填し、そしてフィルターをCH2Cl2(421 mL)で洗浄した。反応物を大気中で濃縮して、最小撹拌可能容積とし、58℃〜62℃の内部温度が達成され、最終容積が〜1.3 Lになるまで、speck freeアセトンを用いて置換を継続した。反応物を少なくとも30℃に冷却し、N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aのシードを付加した。反応物を、20℃〜25℃で少なくとも10時間、造粒させた。0℃〜5℃に反応物を冷却し、少なくとも2時間造粒後、反応物をspeck freeフィルター上で濾過した。固体をspeck freeアセトン(1.68 L)で2回洗浄し、0℃〜5℃に冷却した。湿潤ケークをspeck free12 L三首丸底に戻して、speck free酢酸エチル(4.4 L)を付加した。スラリーを少なくとも75℃に加熱して、少なくとも2時間保持した。反応物を少なくとも30℃に冷却し、固体をspeck freeフィルター上で濾過した。固体をspeck free酢酸エチル(1.6 L)で洗浄した。湿潤ケークを同一speck free12 L三首丸底に戻して、speck free酢酸エチル(4.4 L)を付加した。スラリーを少なくとも75℃に加熱して、少なくとも2時間保持した。反応物を少なくとも30℃に冷却し、固体をspeck freeフィルター上で濾過した。固体をspeck free酢酸エチル(1.6 L)で洗浄した。生成物を45℃〜50℃で少なくとも24時間乾燥して、289 gの表題物質多形形態A(収率41.4%、HPLCによる純度98.68%)を得た。
【0152】
上記の方法により生成される粒子サイズは、粉砕を必要としない粒子サイズを生じる。単純手動篩い分け法は、任意の塊を除去した。生成物(289 g)を、0.0278インチ開口を有するspeck free#25手動篩により、手動篩い分けした。277 gの物質を得た。
【0153】
あるいは多形形態Aは、以下の手法に従って、多形形態Bの転化により調製し得る:
【0154】
実施例5
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態A
アセトニトリル(79.50 L, 62.01 kg, 1510 mol)を、20〜30℃の温度を保持しながら、N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態B(5.300 kg, 10.78 mol)に付加した。混合物を75〜85℃の温度に加熱して、透明溶液を生じ、次に10〜50分間かけて、80℃から35〜45℃の温度に冷却した。最低撹拌可能容積に達するまで、物質を濃縮した。20〜30℃の温度を保持しながら酢酸エチル(79.50 L, 70.75 kg, 803.1 mol)を付加し、次に物質を濃縮して、濃縮物を収集した(約79.50 L)。20〜30℃の温度を保持しながら酢酸エチル(79.50 L, 70.75 kg, 803.1 mol)を付加し、次に物質を濃縮して、濃縮物を収集した(約79.50 L)。物質を80℃から15〜35℃の温度に冷却し、濾過して、酢酸エチルですすぎ、乾燥した。N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aを単離し、35〜45℃で12〜132時間乾燥して、4.929 kg(93.00%)を得た。
【0155】
実施例6
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態A
約30容積のエタノールを1 gのN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Bに付加した。物質を溶解して、周囲温度で溶液を生成した。約半分の溶媒を回転蒸発により、油がフラスコの側面に生成し始める時点まで蒸留した。溶液に多形形態A結晶のシードを入れて、周囲温度で一晩撹拌した。翌日、溶液を氷水浴中で冷却し、真空濾過した。収率は約63%であった。
【0156】
実施例7
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態B
不活性化ガラス裏打ち100 L反応器に、2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチルアミン(4.24 kg)を、その後CH2Cl2(34 L)を投入して、わずかに濁った溶液を得た。微量の対応する塩酸塩を除去するために、溶液を直列フィルターに通して濾過し、反応器/フィルターをCH2Cl2(4 L)ですすいだ。トルエンスルホニルイソシアネート(2.78 kg)を滴下漏斗に移して、当該ラインをCH2Cl2(2 L)ですすいだ。イソシアネート溶液を30分間かけて、17〜22℃の温度を保持しながら、出発物質の溶液に付加した。溶液の半分を付加後、濃厚懸濁液を生成した。調整の終了時に、透明黄色溶液を再び得た。滴下漏斗をCH2Cl2(1 L)ですすいだ。アリコートを取り出して、0.44% a/a(HPLC)の出発物質のほかに、97.41% a/a(HPLC)の物質を示した。物質溶液を樽に移して、直列濾過溶媒で反応器を清浄化した。粒子確定は、反応器が無粒子であることを示した。物質溶液を直列濾過し、反応器に移した。55℃ジャケット温度で450〜400 mbarでCH2Cl2を蒸留除去し、一方、直列濾過アセトン(46 L)を付加した。59 Lの溶媒の蒸留後、アセトンの第二部分(47 L)を徐々に付加した。IT=25℃で94 Lの蒸留後、物質は沈殿し始めた。合計121 Lの溶媒を蒸留除去後、N2で真空を解除して、アリコートを取り出した。NMRは、アセトンに比して、約0.24 mol%の残留CH2Cl2を示した。懸濁液を20℃で13時間撹拌し、次にそれを0℃に冷却して、この温度で2時間撹拌した。混合物を濾過し、フィルター・ケークを氷冷アセトン(2×10.5 L)で2回洗浄した。物質を70℃浴温度で11 mbarで約100時間乾燥した。
【0157】
あるいは多形形態BおよびAは、以下の手法に従って調製し得る:
【0158】
実施例8
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態A
【0159】
ステップ1:塩酸ベンジル4−(2,6−ジメチル−3−ニトロピリジン−4−イルアミノ)フェネチルカルバメート
清浄、乾燥、窒素パージ化1 L丸底フラスコに、臭化テトラ−N−ブチルアンモニウム(1.24 g, 3.85 mmol)および2−メチルテトラヒドロフラン(350 mL)を投入した。次に4−(2−アミノエチル)ベンゼンアミン(35.0 g, 257 mmol)を融解物として付加した。この後、30℃より低い温度を保持しながら、水(350 mL)中に溶解した水酸化ナトリウム(51.4 g, 1280 mmol)の溶液を付加した。次に反応物を−5℃〜5℃に冷却した。−5℃〜5℃に少なくとも30分間保持した後、ベンジルクロロホルメート(43.8 g, 257 mmol)を、−5℃〜5℃の温度を保持しながら付加した。反応物を0℃〜10℃に加熱し、そしてHPLCにより完了したとみなされるまで少なくとも30分間保持した。反応物を20℃〜30℃に暖めた後、反応物を少なくとも60分間静置して、次に相を分離した。水(350 mL)に溶解したクエン酸(54.0 g, 257 mmol)を、有機層に付加した。20℃〜30℃で少なくとも60分間撹拌後、相を少なくとも2時間静置させた。相を分離し、ベンジル4−アミノフェネチルカルバメートの有機溶液を取り出した。4−クロロ−2,6−ジメチル−3−ニトロピリジン(40.0 g, 214 mmol)をここで空のフラスコに付加して、その後、ベンジル4−アミノフェネチルカルバメートおよび2−プロパノール(350 mL)を含有する有機層を付加した。反応がHPLCにより完了したとみなされるまで、反応物を70℃〜80℃に少なくとも2時間加熱した。2−プロパノールを大気中で2−メチルテトラヒドロフランと置換して、最終容積を 約350 mLとした。次に反応物を15℃〜25℃に冷却して、試料をKFおよびGC頭隙に関して引き入れた。反応物を15℃〜25℃に少なくとも16時間保持し、反応物を濾過して、2−メチルテトラヒドロフラン(105 mL)で洗浄した。窒素を少なくとも2時間吹き付けて、窒素流出を伴った真空下で40℃〜50℃で少なくとも24時間乾燥した後、76.7 g(168 mmol)の塩酸ベンジル4−(2,6−ジメチル−3−ニトロピリジン−4−イルアミノ)フェネチルカルバメートを、収率78.4%で単離した。
【0160】
ステップ2:塩酸ベンジル4−(3−アミノ−2,6−ジメチルピリジン−4−イルアミノ)フェネチルカルバメート
清浄、乾燥、窒素パージ化1 L水素添加反応器に、5%Pt/C(625 mg)、塩酸ベンジル4−(2,6−ジメチル−3−ニトロピリジン−4−イルアミノ)フェネチルカルバメート(25.0 g, 54.7 mmol)およびメタノール(550 mL)を投入した。反応物を少なくとも15分間撹拌し、次に窒素および水素を順次パージした。次に、HPLCが出発物質が残存していないことを示すまで、反応物を22℃〜28℃で、18〜25 psiで水素で加圧した。反応物を窒素でパージして、触媒を水−湿潤セライト被覆フィルター上で濾過し、次にケークをメタノール(125 mL)で洗浄した。その結果生じた塩酸ベンジル4−(3−アミノ−2,6−ジメチルピリジン−4−イルアミノ)フェネチルカルバメートの溶液を清浄、乾燥、窒素パージ化1 L丸底フラスコに移した。メタノールを大気中で2−プロパノールと置換して、最終容積を 約125 mLとした。次に反応物を少なくとも60分間に亘って15℃〜25℃に冷却して、KFに関してサンプリングした。次に反応物を濾過して、2−プロパノール(75 mL)で洗浄した。窒素を少なくとも15分間ケークに吹き付けて、窒素流出を伴った真空下で40℃〜50℃で少なくとも12時間乾燥した後、21.0 g(49.2 mmol)の塩酸ベンジル4−(3−アミノ−2,6−ジメチルピリジン−4−イルアミノ)フェネチルカルバメートを、収率89.9%で単離した。
【0161】
ステップ3:塩酸2−(4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル)エタンアミン
清浄、乾燥、窒素パージ化1 L丸底フラスコに、塩酸ベンジル4−(3−アミノ−2,6−ジメチルピリジン−4−イルアミノ)フェネチルカルバメート(30.0 g, 70.3 mmol)、2−メチルテトラヒドロフラン(150 mL)、トリエチルアミン(14.9 g, 148 mmol)および無水プロピオン酸(11.9 g, 91.3 mmol)を全て20℃〜25℃で投入した。次に反応物を70℃〜80℃に少なくとも6時間加熱した。20℃〜25℃に冷却後、反応物をサンプリングし、HPLCにより完了したとみなされた。次に反応物を、30℃より低い温度を保持しながら、水(150 mL)に溶解した水酸化ナトリウム(8.4 g, 211 mmol)でクエンチした。反応物を20℃〜25℃で少なくとも30分間保持した後、反応物を少なくとも60分間静置した。相を分離し、約180 mLの最終容積が達成されるまで、2−メチルテトラヒドロフランを用いて大気中で微量トリエチルアミンを除去した。その結果生じたベンジル2−(4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル)エチルカルバメートの溶液を、10%Pt/C(1.5 g)およびメタノール(120 mL)を含有する清浄、窒素パージ化1 L水素添加反応器に移した。反応物を少なくとも15分間撹拌し、次に窒素および水素で順次パージした。反応物を45℃〜55℃に加熱して、次に水素で45〜55 psiに加圧した。その温度および圧で18時間撹拌後、反応物を冷却し、反応完了に関してサンプリングした。反応物をHPLCにより完了とみなし、水−湿潤セライト被覆フィルターを通して濾過した。次にフィルターをメタノール(195 mL)で洗浄し、その結果生じた2−(4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル)エタンアミンの溶液を、清浄、乾燥、窒素パージ化1 L丸底フラスコに移し、次に濃塩酸(6.3 mL, 73.8 mmol)を付加した。次に、低水レベルが達成されるまで、2−メチルテトラヒドロフランを用いて大気中でメタノールを除去した。次に溶媒レベルの調節をして、所望の4:1比の2−メチルテトラヒドロフラン:メタノール(全体で10容積)を達成した。次に反応物を60℃〜70℃に少なくとも2時間加熱した。少なくとも60分間に亘って15℃〜25℃に冷却後、反応物を少なくとも60分間、15℃〜25℃に保持した。次に反応物を濾過し、ケークを2−メチルテトラヒドロフラン(90 mL)で洗浄した。窒素を少なくとも2時間ケークに吹き付けた後、固体を同一反応器に戻して、2−メチルテトラヒドロフラン(240 mL)およびメタノール(60 mL)を付加した。反応物を60℃〜70℃に加熱し、その温度に少なくとも2時間保持した。反応物を最低60分間に亘って15℃〜25℃に冷却後、反応物を少なくとも60分間その温度に保持した。次に反応物を濾過し、2−メチルテトラヒドロフラン(90 mL)でケークを洗浄した。わずかな窒素流出を伴った真空下で40℃〜50℃で最低12時間乾燥した後、21.0 g(63.5 mmol)の塩酸2−(4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル)エタンアミンを、収率90.3%で単離した。
【0162】
ステップ4:N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態B
清浄、乾燥、窒素パージ化500 mL丸底フラスコに、塩酸2−(4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル)エタンアミン(40.0 g, 121 mmol)、ジクロロメタン(400 mL)および水(400 mL)で希釈した水酸化ナトリウム(9.7 g, 242 mmol)を、30℃より低い温度を保持するよう、投入した。反応物をこの温度で最低30分間保持し、次に少なくとも60分間静置させた。相を分離し、水性層をジクロロメタン(400 mL)とともに30℃より低い温度で少なくとも30分間撹拌し、次に少なくとも60分間静置させた。相を分離し、ジクロロメタンを用いて大気中で過剰水分を併合有機層から除去して、最終容積を約800 mLとした。反応物を濾過し、2 L丸底フラスコに移した。トルエンスルホニルイソシアネート(23.8 g, 121 mmol)を、10℃〜25℃に温度を保持しながら、最低30分間かけて濾液に付加した。反応物を10℃〜25℃に温度を最低30分間保持後、反応物をHPLCにより完了とみなした。アセトンを用いて、大気中でジクロロメタンを低レベルに置換して、最終反応容積を約240 mLとした。反応物を最低2時間に亘って20℃〜30℃に冷却し、反応物をサンプリングした。試料は、多形形態Bが存在することを示した。次に反応物を最低2時間、−5℃〜−25℃に冷却した。反応物を濾過し、−5℃〜−25℃に冷却したアセトン(80 mL, 2回)で洗浄した。ケークを、フィルター上で少なくとも12時間、窒素流下に保持した。この時間後、ケークは乾燥したとみなされ、49.6 gのN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Bを収率83.4%で収集した。
【0163】
ステップ5:N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態A
清浄、乾燥、窒素パージ化1 L丸底フラスコに、N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態B(30.0 g, 61.0 mmol)およびアセトニトリル(600 mL)を投入した。次に反応物を加熱して、静かにカラム還流し、均質性を達成した。少なくとも60分間還流で反応物を保持した後、反応物を約450 mLに濃縮した。次に反応物を90分未満で20℃〜30℃に冷却した。反応物を30℃で一晩保持し、サンプリングして、形態Aへの転化を示した。最終容積が約300 mLになるまで、アセトニトリルを真空下で酢酸エチルに置換した。反応物を加熱し、静かにカラム還流し、固体をその温度で少なくとも6時間造粒させた。反応物を18℃〜22℃に冷却し、その温度で少なくとも2時間撹拌させた。反応物を濾過し、酢酸エチル(90 mL)で洗浄した。40℃〜50℃で最低12時間、わずかな窒素流出を伴った真空化で乾燥後、27.0 g(54.9 mmol)のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aを収率90.0%で収集した。
【0164】
実施例9
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aの直接単離
清浄、乾燥、窒素パージ化250 mL丸底フラスコに、2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エタンアミン(11.0 g, 37.2 mmol)およびジクロロメタン(110 mL)を投入した。トルエンスルホニルイソシアネート(7.3 g, 37.2 mmol)を、10℃〜25℃の温度を保持しながら最低30分間に亘って付加した。10℃〜25℃の温度を最低30分間保持後、HPLCにより反応を完了とみなした。活性炭(DARCO, 110 mg)を付加し、少なくとも15分間撹拌した。反応物を濾過し、150 mL丸底フラスコに移した。アセトンを用いて、大気中でジクロロメタンを低レベルに置換して、最終反応容積を約30 mLとした。反応物を20℃〜30℃に冷却し、N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態A(219 mg)のシードを付加した。反応物を、20℃〜30℃で少なくとも12時間、造粒させた。次に反応物を−5℃〜5℃に少なくとも2時間冷却した。反応物を濾過し、−5℃〜5℃に冷却したアセトン(40 mL)で洗浄した。ケークをフィルター上の窒素流下に少なくとも12時間保持した。この後、1.8 g(3.66 mmol)のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aを収率9.8%で収集した。
【0165】
実施例10
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド結晶形態C
クロロホルムおよび酢酸エチルの混合物中のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドの溶液からの結晶化により、結晶形態Cを得た。
【0166】
実施例11
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド結晶形態D
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドの水スラリーからの結晶化により、結晶形態Dを得た。
【0167】
実施例12
N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド結晶形態G
VT−XPRDにより結晶形態Dを分析しながら、高温で、結晶形態Gを観察した。結晶形態Gは、周囲温度では観察されなかった。
【0168】
分析データ
X線粉末回析
多形形態AおよびB、ならびにWO 02/32900、実施例42、ステップ8からの参照試料の比較PXRD分析(本発明の実施例2および図6参照)を、Cu−Kα放射線照射を用いるRigaku RINT-TTRX線粉末回析計を用いて実施した。計器は、合焦点X線管を装備される。管電圧およびアンペア数を、それぞれ50 kVおよび300 mAに設定した。発散および散乱スリットを0.25°に設定し、受信スリットを0.15 mmに設定した。NaIシンチレーション検出器により、回析放射線を検出した。3〜30°2θからの4°/分(0.3秒/0.02°ステップ)でのθ2θ連続走査を用いた。ケイ素標準を分析して、機械アラインメントを検査した。データを収集し、Rigaku X線系を用いて分析した。データ獲得中に60 rpmで水平に回転されるアルミニウム試料ホルダー中にそれらを入れて、試料を分析用に調製した。
【0169】
図1〜5に示した多形形態AおよびB、ならびに結晶形態C、DおよびGのPXRD分析を、以下の方法に従って実施した:
【0170】
粉末X線回析分析
銅放射線、固定スリット(1.0、1.0、0.6 mm)およびKevexまたはSol-X固体状態検出器を装備したBrukerD5000回析計を用いて、粉末パターンを収集した。0.04度のステップサイズおよび1.0 秒のステップ時間を用いて、2θにおける3.0〜40.0度から、データを収集した。
【0171】
単結晶X線分析
銅放射線および黒鉛モノクロメーターを装備したBrukerX線回析計を用いて、室温でデータを収集した。直接的方法を用いて構造を解明した。Bruker AXS, Incにより提供されるSHELXTLコンピューターライブラリーは、全ての必要な結晶学的計算および分子表示を手助けした。
【0172】
単結晶データからのPXRDパターンの算定
単結晶および粉末試料間の結果を比較するために、単結晶結果から算定粉末パターンを得ることができる。SHELXTL*コンピューターライブラリーの一部として提供されるXFOGおよびXPOWコンピュータープログラムは、この計算を実施し得る。算定粉末パターンと実験的粉末パターンとの比較は、粉末試料が割り当てられた単結晶構造に対応するか否かを確証する。この手法を、N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態A、ならびに結晶形態で絵に関して実施した。2つのパターン間の整合は、粉末試料と対応する単結晶構造との間の一致を示した。
【0173】
* SHELXTLコンピューターライブラリーが開発され、長期間に亘ってアップグレードされてきた。進行中のこの仕事の最新バージョンを以下に示す:SHELXTLTM参照マニュアル、バージョン5.1、Bruker AXS,Madison, Wisconsin, USA (1997).
【0174】
上記の図に関して列挙されたピークを、表2に示す。ピーク強度は試料の形態および粒子サイズによっており、変化し得るし、低強度ピーク(強度10%未満)はいくつかの場合に存在しない。
【0175】
【表2】

【0176】
【表3】

【0177】
【表4】

【0178】
【表5】

【0179】
【表6】

【0180】
示差走査熱量測定
TA景気示差走査熱量計2920を用いて、示差走査熱量測定(DSC)を実施した。試料をアルミニウムDSCパン中に入れて、重量を正確に記録した。パンは、開けて操作されるかまたは蓋で被覆され、そして次にクリンプされた。各試料を25℃で平衡させて、100℃または350℃の最終温度まで、10℃/分の比率で、窒素パージ下で加熱した。開放パンを用いて一分析を実施し、175℃に加熱した。金属インジウムを、較正標準として用いた。報告値は概数であり、したがって近似的とみなされるべきである。
【0181】
FT−IR分光法
多形形態Bに関する赤外線スペクトルを、Ever-Glo中/遠IR光源、広範囲臭化カリウム(KBr)電光分束鏡および重水素化硫酸トリグリシン(DTGS)検出器を装備したMagna-IR860(登録商標)フーリエ変換赤外線(FT−IR)分光光度計(Thermo Nicolet)で獲得した。サンプリングのために、拡散反射率付属品(CollectorTM, Thermo Spectra-Tech)を用いた。各スペクトルは、4 cm-1のスペクトル分解能で収集された256同時付加スキャンを表す。試料調製は、直径3または13 mmカップ中に試料を入れることからなる。所々でアラインメント鏡を用いて、バックグラウンドデータ組を得た。互いに対するこれら2つのデータ組の比率を出すことにより、Log1/R(R=反射率)スペクトルを得た。ポリスチレンを用いて、波長較正を実施した。報告値は概数であり、したがって近似的とみなされるべきである。
【0182】
多形形態Aに関する赤外線スペクトルを、黒色被覆加熱電線ビーム光源、臭化カリウム(KBr)電光分束鏡上に被覆されたゲルマニウムおよび高感度パイロ電気検出器(DLATGS)を装備したShimadzuFTIR−8200PCフーリエ変換赤外線(FT−IR)分光光度計で獲得した。各スペクトルは、4 cm-1のスペクトル分解能で収集された40同時付加スキャンを表す。試料調製は、試料1 mgおよびKBr150 mgから調製されたKBr円板を配置することからなる。試料を含有しないKBrのブランク円板を用いて、バックグラウンドデータ組を得た。互いに対するこれら2つのデータ組の比率を出すことにより、Log1/R(R=反射率)スペクトルを得た。ポリスチレンを用いて、波長較正を実施した。報告値は概数であり、したがって近似的とみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態AのPXRDパターンを示す。
【図1a】N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aの算定PXRDパターンを示す。
【図2】N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態BのPXRDパターンを示す。
【図3】N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド結晶形態CのPXRDパターンを示す。
【図4】N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド結晶形態DのPXRDパターンを示す。
【図4a】N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド結晶形態Dの算定PXRDパターンを示す。
【図5】N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド結晶形態GのPXRDパターンを示す。
【図6】多形形態AおよびB、ならびにWO 02/32900、実施例42、ステップ8に記載されたN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドの製造方法から得られる参照物質のPXRDパターンの比較を示す(本発明の実施例2および図6参照)。この比較チャートは、多形形態AおよびBがWO 02/32900に記載された参照物質に対応せず、したがって異なる新規の多形形態である、ということを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2θ°9.8、13.2、13.4、13.7、14.1、17.5、19.0、21.6、24.0および25.7+/-0.2での主要ピークを含むCuKα放射線を用いた照射により得られる粉末X線回析パターンを特徴とする本質的に純粋な結晶性のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態A。
【請求項2】
約160℃で吸熱性事象を示す示差走査熱量測定(DSC)をさらに特徴とする請求項1記載のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態A。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Aを1つまたは複数の製薬上許容可能な賦形剤と一緒に含む製剤組成物。
【請求項4】
薬剤として用いるための請求項1または請求項2記載のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態A。
【請求項5】
疼痛、炎症、変形性関節炎または慢性関節リウマチの治癒的、一時緩和的または予防的治療のための薬剤の調製における請求項1または請求項2記載のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態A、あるいは請求項3記載の製剤組成物の使用。
【請求項6】
疼痛、炎症、変形性関節炎または慢性関節リウマチの治療方法であって、このような治療を必要とする動物、例えばヒトに有効量の請求項1または請求項2記載のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態A、あるいは請求項3記載の製剤組成物を投与することを包含する方法。
【請求項7】
2θ°6.3、11.3、12.8、13.0、13.5、14.5、15.6、20.5、23.0および25.8+/-0.2での主要ピークを含むCuKα放射線を用いた照射により得られる粉末X線回析パターンを特徴とする本質的に純粋な結晶性のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態B。
【請求項8】
約178℃で吸熱性事象を示す示差走査熱量測定(DSC)をさらに特徴とする請求項8記載のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態B。
【請求項9】
請求項7または請求項8記載のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態Bを1つまたは複数の製薬上許容可能な賦形剤と一緒に含む製剤組成物。
【請求項10】
薬剤として用いるための請求項7または請求項8記載のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態B。
【請求項11】
疼痛、炎症、変形性関節炎または慢性関節リウマチの治癒的、一時緩和的または予防的治療のための薬剤の調製における請求項7または請求項8記載のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態B、あるいは請求項9記載の製剤組成物の使用。
【請求項12】
疼痛、炎症、変形性関節炎または慢性関節リウマチの治療方法であって、このような治療を必要とする動物、例えばヒトに有効量の請求項7または請求項8記載のN−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド多形形態B、あるいは請求項9記載の製剤組成物を投与することを包含する方法。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4a】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−249089(P2006−249089A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−65731(P2006−65731)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】