説明

結晶性組成物、デバイスと関連方法

複数の粒子を有する多結晶金属窒化物を含む組成物が提供される。これらの粒子は、拝金粒子サイズ、傾斜角度、不純物含有、気孔率、密度、及び金属窒化物における金属の分子分率、のような特徴の一つかそれ以上の柱状構造を有する。金属窒化物は、窒素含有材料が第III族金属とチャンバー内で反応し、金属窒化物を生成して、少なくともチャンバー内の第III族金属の導入、窒素含有材料とハロゲン化水素のチャンバーへの流入の工程からなる方法を介して生成される。第III族金属が原材料材料として原材料注入口を通じてチャンバーに導入されて、第III族金属窒化物グループの準備の方法が提供される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶性組成物、結晶性組成物の製造装置、結晶性組成物を含むデバイス、及び結晶性組成物を製造及び/又は使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多結晶のIII族金属窒化物のような結晶性組成物のいくつかの準備段階において、比較的細かい粉末分子又は適度の厚みのフィルムが生成される。その粉末は、粒子間に感知できる機械的又は電気的接続をほとんどもしくは全く有しておらず、また力に結合、密集又は密着されていない。スパッタのターゲットとして使用するためには、多結晶金属のかたまりは、強力に結合、密集又は密着されているべきである。その粉末から成る製品は、好ましくない高残留気孔率及び/又は感湿性を有しているため容易に崩壊し溶融する。結晶性成長源としては、粒子は溶液の中に容易に崩壊し溶融すべきではない。
【0003】
従来、いくつかの化学的蒸着(CVD)工程は、結晶性金属窒化フィルムを生成するために使用される。これらのいくつか工程は、気相反応工程の拡大及び/又は精密制御における困難性から乏しい品質制御に悩まされる。そのような困難性は、もともと固形の物質を反応剤として使用すること又は極端な反応条件による場合もある。時々、フィルムは、好ましくないレベルの含有物、例えばアンモニア熱結晶成長(ammonothermal crystalline growth)を含み、そのフィルムを使用するのに比較的好ましくない状態にしてしまう場合もある。
【特許文献1】国際公開WO98/19964号公報
【特許文献2】米国特許公開2005−142391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの観点において、本発明は既存の結晶より改良された性質を有する結晶に関するものであり、結晶が第III族金属を開始剤として使用する方法によって生成される。一つの実施形態において、結晶は反応装置を使用して生成され、少なくとも一つの原料注入口が、そこを通過する溶融された第III族金属原料を流すために構成されている。本発明はまた、本発明の結晶性生成物を含んだデバイスに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの実施形態において、複数の粒子を持つ多結晶金属窒化物を含む組成物が提供される。その粒子は、10nmから1mmの平均粒子サイズを持つ柱状構造を有している。他の実施形態においては、金属窒化物は不純物含有が200ppm以下で、体積分率の気孔率が0.1から30%の範囲内で、見掛け密度が70から99.8%の範囲内、金属の原子分率が0.49から0.55の範囲内で特徴づけられている。
【0006】
一つの実施形態において、多結晶金属窒化構成物から生成された部材が提供される。他の実施形態において、多結晶金属窒化物から成る部材を含むデバイスが提供される。
【0007】
一つの実施形態において、多結晶金属窒化物の生成方法が開示されている。この工程は、チャンバーの中で第III族金属窒化物に接触するガス混合物を生成するためにガスが混合され、ハウジングにより規定されるチャンバーに、窒素含有ガス及びハロゲン化物含有ガスを流動させる工程と、金属窒化物を生成する工程から成る。チャンバーは、窒素含有ガスとハロゲン化物含有ガスの混合を促進する、リフル(riffled)表面、バッフル板、開口及びフリットの少なくとも一つを含む。
【0008】
更にその他の実施形態においては、本発明は多結晶金属窒化物を生成するための装置に関する。その装置は、通過する溶融された第III族金属原料、窒素含有ガス、ハロゲン化物含有ガスをそれぞれチャンバーに流入するために構成されたチャンバーと連通した注入口、例えば第一注入口、第二注入口及び原材料注入口、及び原料注入口を含む。その装置はまた、チャンバー内の温度又は圧力の一つかそれ以上を感知する操作可能なセンサを含んでいてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
明細書及び請求の範囲で使用されているように、近似を意味する言葉は、関連するであろう基本機能の変化の結果に影響しない許容範囲で変化する可能性のあるいかなる定量的表現を修正するために使用される場合がある。それに応じて、「約(about)」という表現によって修正された値は、特定された正確な値に限定されるものではない。少なくとも一つの例では、「約」により示される範囲は、測定器具類の精度への言及により決められる。
【0010】
ここで使用されているように、「使用されていない(free)」という表現は、他の語と併合される場合があり、そして、他に明確に定義されない限り、修正表現の「使用していない」と考えられる程度のごくわずかな量、または微量を含む場合がある。
【0011】
本発明の一つの実施形態により、多結晶金属窒化物の組成物が提供される。多結晶金属窒化物は複数の粒子を有しており、それらの粒子は柱状構造を有している。その粒子は、粒子面積、粒子の平均数又は量、粒子内の曲げ強度、又は互いに関連している粒子の傾斜角度の一つか又はそれ以上の性質で特徴付けられる。
【0012】
粒子面積は、平均粒子サイズまたは粒子の平均直径のいずれかを言う場合がある。粒子は柱状構造、例えば主軸、を有している。平均粒子サイズは主軸に沿った粒子の平均の長さを言う。主軸へ垂直であるのは一つかそれ以上の短軸であり、個々の粒子の平均直径は、短軸を参考にして決定付けられる。まとめると、個々の粒子の平均直径は、平均粒子直径を提供するために集約され平均される場合がある。ここで使用されている「平均」とは、平均値を言う。粒子の縦横比(アスペクト比)とは、平均粒子サイズの平均粒子直径に対する比である。一つの実施形態において、縦横比は約2から約5の範囲である。二つ目の実施形態においては、約5から約20である。三つ目の実施形態では、縦横比は20より大きい。
【0013】
一つの実施形態において、多結晶金属窒化物の平均粒子サイズは、10nmより大きい。一つの実施形態においては、他のいくつかの実施形態において粒子サイズが0.01から30μm範囲内なのに対して、平均粒子サイズは0.01μmから1mm範囲内である。他の実施形態では30から50μmである。更に他の実施形態では、50から100μmである。一つの実施形態では、100から500μm、500から1mm、又は1mmより大きい。一つの実施形態においては、平均粒子直径は10μmより大きい。一つの実施形態では、平均粒子直径は10から20μmの範囲内である。ひとつの実施形態では20から30μmの範囲内である。三つ目の実施形態では30から50μmである。四つ目の実施形態では、50から100μmである。更に他の実施形態では、100から500μm、500から1mm、又は1mmより大きい。
【0014】
粒子の平均量又は結晶性組成物の単位体積は、粒子平均又は粒度を意味する場合がある。組成物は、1cmに100以上の粒子の平均量又は単位体積を有する。一つの実施形態では、1cmに100から1000の範囲、1000から10,000、10,000から10、又は10以上の粒子の平均量又は単位体積を有する。
【0015】
粒子は、お互いの決定された角度により配向される場合がある。配向は、1度より大きい角度の傾斜角とみなされる。一つの実施形態において、粒子配向又は傾斜角は1から3度の範囲内、5から10度、10度から15度、15から30度、又は30度以上である。
【0016】
本発明の実施形態にしたがって生成された一つまたはそれ以上の結晶性部材に内在する又は特有の性質は、とりわけ、曲げ強度、密度、耐湿、気孔率を含む。その性質は、ASTM1499を含むが限定されない標準検査により測定されてもよい。
【0017】
一つの実施形態において、一つ又はそれ以上の結晶の薄フィルムの粒子内曲げ強度は20メガパスカル(MPa)以上である。一つの実施形態において、粒子内曲げ強度は20から50MPaの範囲内である。その他の実施形態では、50から60MPa、60から70MPa、70から75MPa、75から80MPa、80から90MPa、又は90Mpa未満である。曲げ強度は、粒子内曲げ強度接点及び/又は粒子内強度において粒子同士の関係を意図することがある。
【0018】
一つの実施形態における結晶性部材の見掛け密度は、1g/cm(g/cc又はg/cm)以上である。一つの実施形態において、密度は1から1.5g/cmの範囲内であり、1.5から2g/cm、2から2.5g/cm、2.5から3g/cm、又は3g/cm以上である。結晶性組成物密度は、例えば、気孔率またはそこにおける欠如、結晶充填処理やそのような機能でもよい。
【0019】
一つの実施形態で結晶部材は、標準検査条件において、見掛け密度が3.26g/cm未満の窒化アルミニウム(AlN)から成る。一つの実施形態では、AlN結晶性部材の見掛け密度は3.26から2.93でg/cmである。二つ目の実施形態では、2.93から2.88g/cmである。三つ目の実施形態では、2.88から2.5g/cm、2.5から1.96g/cm、又は1.96g/cm未満である。
【0020】
一つの実施形態で結晶部材は、標準検査条件において、見掛け密度が6.1g/cm未満のガリウム窒化物(GaN)である。一つの実施形態において、GaN結晶部材の見掛け密度は6.1から5.49でg/cmである。他の実施形態においては、5.49から4.88g/cmである。更に三つ目の実施形態においては4.88から4.27g/cm、4.27から4g/cm、または4g/cm未満である。
【0021】
一つの実施形態の多結晶性組成物の耐湿は、湿度100%の室温で0.001g/時間(hr)以上である。さらに一つの実施形態において、耐湿は0.001から0.01g/hrの範囲、0.01から0.1g/hr、また他の実施形態においては0.1g/hr未満である。組成物の耐湿は、湿度吸収への耐久性、組成物の吸湿性傾向、表面処理、表面積又は重さ、気孔率、及び/又は組成物の溶液内で分解の容易さ、を示している。粒子内曲げ強度はまた、組成物の溶液内においての分解の容易さにも貢献している。
【0022】
一つの実施形態では、多結晶性組成物の気孔率は30vol.%未満である。一つの実施形態においては、気孔率は30から10vol.%である。二つ目の実施形態においては、10から5vol.%であり、三つ目の実施形態では、5から1vol.%である。4つ目の実施形態では1から0.1vol.%であり、更に他の実施形態では、0.1vol.%未満である。
【0023】
金属窒化物の金属は、第III族金属を含む場合がある。適切な金属は、一つかそれ以上のアルミニウム、ガリウム、又はインジウムを含むことがある。「一つかそれ以上」とは、金属窒化物においての金属の組合せを示し、またアルミニウムガリウム窒化物(AlGaN)などを含む場合もある。
【0024】
一つの実施形態では、金属窒化物内の金属又は金属系の原子分率が選ばれるので、金属窒化物内に余剰金属がほとんど又は全く存在しない。一つの実施形態において、金属の原子分率は49%以上である。他の実施形態においては、原子分率は49から50%の範囲である。二つ目の実施形態は、50から51%、51から53%、53から55%、又は55%未満である。
【0025】
一つの実施形態では、金属窒化物組成物は不純物を含んでいる。不純物は、最終生成物において、例えば加工や処理の結果から得られる意図的ではなく又は/あるいは好ましくない含有物の場合がある。他の不純物は、原材料の混入物質の場合がある。いくつかの不純物は原材料に付随する。不純物が意図的に製品の機能を助長しないあるいは最終生成物の中で好ましくない影響を作り出す点において、不純物はドーパントとは区別されている。好ましくない影響とは、色、光吸収、電気特性(例えばキャリア移動度、耐久性、又は伝導性)、などを含むことがある。ドーパントに関しては、以下に開示してある。一つの実施形態において、不純物は金属原料から派生する余剰酸素を含む。一つの実施形態では、酸素含有量は100ppm未満である。他の実施形態においては、酸素含有量は100から70ppm、又は70から40ppmである。他の実施形態では、40から20ppm、又は20ppm未満である。100万分の1つまりppmは、他に言及がない限り「重量比」を意図する。
【0026】
不純物含有量は、いかなる一つの不純物であり、不純物の合計量を示さない。一つの実施形態において、多結晶性構成物の不純物含有量は200ppm未満である。他の実施形態において、不純物含有量は200から100ppm、100から50ppm、50から40ppm、40から30ppm、30から20ppm、10から5ppmの範囲内であり又は5ppm未満である。
【0027】
ドーパントとドーパント前駆物質(他に言及がない限り、以下ではまとめて「ドーパント」という)について、金属窒化物の電気性、磁石性、発光性特性は処理中に上述の組成物に一つまたはそれ以上のドーパントを添加することにより制御される。一つの実施形態において、適切なドーパントは一つまたはそれ以上のsまたはpブロックエレメントを含む。適切なsとpブロックエレメントは、例えばシリコン、ゲルマニウム、マグネシウム、又はスズの一つまたはそれ以上を含む。その他の適切なドーパントは、遷移族元素を含む。適切な遷移族元素は、例えば、亜鉛、スカンジウム、ジクロニウム、チタニウム、鉄、バナジウム、マンガン、クロミウム、コバルト、銅、ニッケル、又はハフニウムに一つか又はそれ以上を含むがこれに限定されない。ドーパントの例は、ランタニド、例えばプラセオジニウム、ユーロピアム、ツリウム、又はエルビウム、の一つまたはそれ以上を含む。
【0028】
一つの実施形態において、ふさわしいドーパントはn−type材料、またはp−type材料を生成する。他の実施形態においては、ドーパントは半絶縁材料、磁石性材料、又は発光性材料の一つかそれ以上を生成する。一つの実施形態においては、不純物を構成するよりはむしろ、酸素がドーパントとして意図的に添加される。
【0029】
一つの実施形態において、多結晶性組成物のドーパント凝縮レベルは1010atomos/cm以上である。一つの実施形態では、ドーパント凝縮は、1010から1015atomos/cm、1015から1016atomos/cm、1016から1017atomos/cm、1017から1018atomos/cm、1018から1021atomos/cm、または1021atomos/cm未満、のいかなる範囲である。
【0030】
一つの実施形態において、組成物は、例えば中間部材のような部材として生成される。例としては、ボール(Boule)又はインゴット、及び更に処理されたものを含む。ボールやインゴットの二次成形工程は、例えばウエハを生産する。ウエハは、その後例えば、スパッタリングターゲット、変換器、又は装置に使用するために、エッチング、研磨、切断又は裁断などの工程を経る。
【0031】
処理された部材の形は、最終使用の一つ又はそれ以上の必要性を参照して決定付けられる。例えば0.5mm以上の一つ又はそれ以上の長さ、高さ、幅のサイズの形である。その他の実施形態において、長さ、高さ、幅のサイズは0.5から1mm、1mm以上である。一つの実施形態では、厚さは5mm以上である。他の実施形態では、部材は二つあるいはそれ以上の長さ、高さ又は幅のサイズが0.5から1mm、1から5mm、5から10mm、または10mm以上である。
【0032】
一つの実施形態の部材の表面は比較的滑らかである。部材は、一つ又はそれ以上の表面を有し、100ナノメーター(nm)未満の二乗平均平方根ラフネスの表面である。一つの実施形態において、二乗平均平方根ラフネスは100から50nm、50から10nm、10から5nm、5から3nm、3から2nm、2から1nm、又は1nm未満の範囲内である。測定技術は原子間力顕微鏡、機械的又は光学的観測記録装置、相互焦点レーザースキャニング顕微鏡、角度分解分算装置、及び総合的分散装置の一つ又はそれ以上のを含むことがある。
【0033】
一つの実施形態において、部材は一つかまたはそれ以上の隣り合った層とは別の付随した層を含む。一つの実施形態の層は、一つか又はそれ以上の金属、絶縁体、又は半導体を含む。制限のない例では、GaN絶縁体が提供され、AlGaN層は絶縁体の表面にエピタキシャルに成長する。更に、n−doped GaN層は、AlGaN層上に蒸着される。付随の及び/又は代わりの層は、例えばエッチング及び/又は研磨の処理工程の後に添加されてもよい。一つの例において、伝導接点が例えばダイオードを製造するために添加される。
【0034】
一つの実施形態において、部材は一つか又はそれ以上の変換器に組み込まれる。選択的に、一つか又はそれ以上の構造が部材に固定される。好ましい構造は、陰極、陽極、伝導性リード、又は二つかそれ以上のそれらの組合せからなるグループから選ばれる。他の好まれるデバイスは、圧電変換器、光電気デバイス、又は電子デバイスを含む。好ましいデバイスの詳細な例としては、光起電ダイオード、発光ダイオード(LED)またはセンサ又は検出器の一つか又はそれ以上を含む場合がある。
【0035】
一つの実施形態において、装置は例えばハウジング、一つか又はそれ以上の供給源、及びコントロールシステムのようなサブシステムを含む。ハウジングは、一つか又はそれ以上の壁、要素、及び同類のものを含む。ハウジングの壁は、金属、耐火物質、又は溶融シリカから生成されてもよい。一つの実施形態において、ハウジングは内壁と、内壁から距離を置いた外壁とを有し、内壁の内表面がチャンバーを規定する。
【0036】
ハウジングの壁は、(例えば形やサイズなど)処理条件と所望された最終使用に基づき構成される。構成は、チャンバー内において、サイズ、要素の数、及びそれらの要素の相対的な位置決めに関係する場合もある。一つの実施形態において、ハウジングはシリンダー型で、外周が5cmから1mの範囲内で、長さは20cmから10mである。ハウジングは横方向または縦方向に引き伸ばされても良い。引き伸ばしの方向は、一つかまたはそれ以上の処理パラメーターに影響を及ぼす場合がある。例えば、以下に詳細が論じられているように、横方向の配置には、一連のるつぼは反応物の流れがるつぼからるつぼへ流れるように一連で配置される。配置についての一つの実施形態において、反応物の流れの濃度と構成は、関連した一連のるつぼの最初と最後のるつぼでは異なる。処理条件によって、例えばるつぼの配置、反応物の流れのリダイレクト、複数の反応物の流れの注入口、及び同類の他の構成変更が行われてもよい。
【0037】
一つの実施形態において、チャンバーの縁に沿って内壁の内表面にライナーが配置される。好ましくない含有物の素とならない材料である限り、好ましいライナー材料は、グラファイト又は他の材料、例えば金属などを含む場合がある。ライナーは、内壁の内表面への物質の付着の防止又は軽減させる機能がある。一つの実施形態において、洗浄工程中又はライナーの取替え時に内壁から堆積物質が剥がれやすくさせるためにライナーは着脱可能である。
【0038】
同心で外壁から間隔を置いている内壁の一つの実施形態において、外壁と内壁と空間は、環境調整流体がそこを流れるための内壁と外壁の間の通り道を意味する。環境調整流体の例は、ガス、液体又は超臨界流体を含む。循環に使用される適切な環境調整流体は不活性ガスを含む。一つの実施形態において、制御注入口外壁から空間まで延びている。バルブは、内壁と外壁の間を循環する通路に、制御流体が注入口から流れ込むのを制止する。一つの実施形態において、注入口は、環境調整流体を加熱及び/冷却したり流体に原動力を供給したりする循環システムの一つである。循環システムはコントロールシステムに連通したり反応したりする。バキュームシステムに使用されるためのフランジは、注入口に耐漏接合を提供するのに使用されてもよい。
【0039】
ハウジングの要素は、例えば一つ又はそれ以上の注入口(例えば原料注入口及びドーパント注入口)、排気口、フィルター、加熱素子、冷水壁、圧力反応構造、るつぼ、及びセンサを含んでもよい。ひとつの実施形態において、いくつかの要素は、ハウジングが一方で密封されていても、一つかそれ以上の壁を連結し、いくつかの要素は壁を通して伸びチャンバーと繋がる。注入口と排気口は、更にバルブを含む場合がある。
【0040】
一つの実施形態において、注入口と排気口は半導体製造に適切な材料、例えばステンレススチールで作られている。注入口及び/又は排気口は、関連した壁に接合、又は一つ又はそれ以上の金属間シールによって固定されている。選択的に、注入口及び/又は排気口は精製器を備えている場合もある。一つの実施形態において、精製器はゲッタ材料、例えば関連した窒化物、酸化物、炭化物を生成する含有物と反応する場合のアルジルコニウムアロイを含み、そのため最終生成物内の汚染の可能性を軽減する。一つの実施形態において、精製器は注入口の中、或いはチャンバーの入口の注入口の流れに逆らって配置される。汚染物の主要問題の大量のアンモニアを活用する反応は、アンモニアの含水気質による水の存在である。アンモニアタンクから流し出されたアンモニアの汚染物は、アンモニアタンクが空になると同時に急激に増える場合があり、アンモニアが70%に達するとタンクは取り替えられる。代わりに、ユースポイント精製器は注入口で活用される。ユースポイント精製器の使用はアンモニアにおける汚染物の制御を助けるので、アンモニア廃物を減らすことができる。選択的に、低いグレードのアンモニアは、ユースポイント精製器と共に必要なグレードの約99.9999%を得るために利用される。
【0041】
注入口と排気口の形状又は構造は、そこを流れる流体に作用するため又は制御するために変更される。例えば、注入口/排気口の内表面にはらせん状の溝がある場合がある。らせん状の溝はガスの流れを最後まで回転させ攪拌を助長する。一つの実施形態において、注入口は結合しているので、反応物は反応ゾーンまたはホットゾーンに到達する前に、事前に混合される。個々の注入口と排気口は、材料がチャンバーに流入又は流出できる開口を明確にする内表面を有している。バルブ開口は、完全に開いた状態から閉じた状態まで調整可能であるので、注入口と排気口とを通る流体の流れを制御する。
【0042】
注入口は、窒素含有ガス及びハロゲン化物含有ガスの混合物をるつぼの上流で促進し、チャンバーの量に一貫して均一な処理条件を促進するために構成される。一つの実施形態において、一つかまたはそれ以上の注入口は一つかそれ以上の調整板(baffles)、開口、フリット、および類似のもの混合を促進するために有していてもよい。開口、フリット及び調整板は、固体のハロゲン化アンモニウムの生成を抑止するあるいは最小限に抑えるチャンバー内のガスの流れを制御するために、チャンバーのホットゾーンあるいはるつぼの近くに配置される。
【0043】
一つの実施形態において、るつぼの内容物との反応の兆候より先に混合を完了するために、開口、フリット、及び調整板は、2cmから10cmの範囲の間隔をあけて一番近いるつぼの上流に配置されている。開口と調整板の存在は固体ハロゲン化アンモニウムの生成を抑止し、最小限に抑える混合を促し、ガスの逆流を防ぎ早いガス速度を促進する。
【0044】
一つ又はそれ以上のるつぼがチャンバー内に配置される。一つの実施形態において、チャンバー内のるつぼの数は6つである。チャンバーの構成により、るつぼはチャンバー内に横方向又は/あるいは縦方向に配置される。るつぼの形状とサイズは金属窒化物の最終使用、原材料の種類、及び処理条件により事前に決められる。多結晶組成物がスパッターターゲットとして有用にするには、るつぼのサイズはスパッターターゲットの所望サイズより比較的大きい。多結晶組成物の残留物はスパッターターゲット粒子を生成するために、例えばエッチングやカッティングにより除去される。そのような除去は、るつぼ材料との接触で生成された表面の汚染物質を排除する。
【0045】
るつぼは、構造的完全性と化学的不活性を維持する一方、結晶性組成物の生成に必要な温度を超える温度に耐えられるように選択される。温度は200度以上でもよい。一つの実施形態において、この幅は200から1200度である。他の実施例においては、1200度以上である。従って、耐熱性の材料がるつぼの使用が好ましい。一つの実施形態において、るつぼは酸化物、窒化物又はホウ化物を含む耐火組成物からなる。一つの例では、るつぼは、シリコン、アルミニウム、マグネシウム、ボロン、ジルコニウム、ベリリウム、グラファイト、モリブデン、タングステン、又はそれらに関連した酸化物、窒化物又はホウ化物の一つかそれ以上から生成される。一つの実施形態においては、着脱可能なグラファイトライナーが、多結晶組成物の容易な除去を手助けするために、るつぼ内部に配置される。
【0046】
ふさわしいセンサは、圧力センサ、温度センサ又はガス組成センサの一つかそれ以上を含む場合がある。センサはるつぼの中に配置され、るつぼ内のプロセスパラメーターとコントロールシステムとに伝達する。
【0047】
ふさわしい供給源は、エネルギー源、窒素含有ガス源、キャリアガス源、ハロゲン含有ガス源、原材料源(貯蔵所と示される場合もある)、環境制御流体源、または類似したものの一つかそれ以上を含む。
【0048】
エネルギー源はハウジングの近くに配置されており、壁を通じて、熱エネルギー、プラズマエネルギー、又は電離エネルギーをチャンバーに供給する場合がある。エネルギー源は、上に開示されている加熱素子に加えてまたは代わりに存在する。一つの実施形態において、エネルギー源は、ハウジングの外壁の外に向いている表面に沿って延びている場合がある。一つの実施形態において、エネルギー源は、マイクロ波エネルギー源、熱エネルギー源、プラズマ源、又はレーザー源の一つから選ばれる。一つの実施形態において、熱エネルギーはヒーターによって供給される。ふさわしいヒーターは、モリブデンヒーター、スプリット・ファーナス・ヒーター、スリー・ゾーン・スプリット・ファーナス・ヒーター、又は誘導ヒーターの一つまたはそれ以上を含む場合がある。
【0049】
センサはチャンバー内に配置される。センサは、チャンバー内の高温と向上したあるいは低下した圧力に耐えることができる。一つの例において、化学的に不活性なセンサが使用される。センサは、るつぼの近く及び/又は注入口に配置される。センサは、チャンバー内の温度、圧力、ガス組成及び凝縮のような肯定条件を監視する。
【0050】
窒素含有ガス源は、チャンバーと第一注入口を介して連通している。一つの実施形態の窒素含有ガス源は、窒素含有ガスを浄化及び/又は乾燥させるフィルター、精製器、又はドライヤーの一つかそれ以上を含む。一つの実施形態において、窒素含有ガス源はその源で生成される。精製器は、窒素含有ガスの純度レベルを半導体グレード純度の標準規格まであるいはそれ以上に維持する。ふさわしい窒素含有ガスはアンモニア、二原子ニトロゲン、及び類似のものを含む。炭素の存在が問題ではない場所で窒素含有有機物は使用される。
【0051】
関連したバルブの開口の制御は、チャンバーへの窒素含有ガスの流速を制御することができる。特定されない限り、流速は体積流量である。処理検討、サンプルサイズなどはガスのおおよその流速を決定し、通常10(標準)立方センチメートル/分より大きい。一つの実施形態において、窒素含有ガスの流速は10から100立方センチメートル/分の範囲である。二つ目の実施形態では、100から200立方センチメートル/分である。三つ目の実施形態では、200から500cm/分である。更に他の実施形態では、3000から4000cm/分、4000から5000cm/分、又は5000cm/分以上である。
【0052】
キャリアガス源は、注入口を介してチャンバーに通じており、一つの注入口を窒素含有ガスと共用している場合がある。窒素含有ガスをキャリアガスと事前に混合することで、窒素含有ガスを決められたレベルまで希釈する。窒素含有ガスは不活性なキャリアガスによって希釈されているため、チャンバー内の第一注入口に近接するあるハロゲン化固体化の可能性は軽減される。適切なキャリアガスは、アルゴン、ヘリウム、又は他の不活性ガスの一つかそれ以上を含んでいてもよい。一つの実施形態において、キャリアガス注入口が位置付けされているので、第一注入口から流出する窒素含有ガスの流れに作用する場合がある。一つの実施形態では、ドーパントは、多結晶組成物の含有物のためにキャリアガスに取り込まれる。
【0053】
ハロゲン化物含有ガス源は、第二注入口を介してチャンバーと通じている。窒素含有ガス源を同様に、ハロゲン化物含有ガス源も、ハロゲン化物含有ガスを浄化及び/又は乾燥させるフィルター、精製器、又はドライヤーの一つかそれ以上を含む。ハロゲン含有ガス源はその源で生成される。ふさわしいハロゲン化物含有ガスは、塩化水素及び類似のものを含む場合がある。
【0054】
関連バルブの開口の制御は、チャンバーへのハロゲン化物含有ガスの流速を制御することができる。考慮、サンプルサイズ、などの処理は、適切なガスの流速を決定付ける、一般的には、10(標準)cm/分以上である。一つの実施形態においては、ハロゲン含有ガスは流速の範囲が10から50cm/分、50から100cm/分、100から250cm/分、250から500cm/分、500から600cm/分、600から750cm/分、750から1000cm/分、1000から1200cm/分、及び1200cm/分以上から選ばれる。
【0055】
ハロゲン化物含有ガスは、第二注入口を介してハロゲン化物含有ガス源からチャンバーに流入する。窒素含有ガスと同様に、ハロゲン化物含有ガスは、事前にハロゲン化物含有ガスを定義づけられたレベルに希釈するためにキャリアガスと混合される。ハロゲン化物含有ガスの不活性キャリガスによる希釈はチャンバーに近い第二注入口におけるある一定のハロゲン化合物固体化の可能性を減少させる。そのような固体化は、そこを通る流れを減らすか又は阻止する場合がある。選択的に、キャリアガス注入口が配置されているので、キャリアガスの流れが、第二注入口から流出あるいはチャンバー内に流入するハロゲン化物含有ガスの流れに作用する。一つの実施形態では、ドーパントは、多結晶組成物の含有物のためにキャリアガスに取り込まれる。
【0056】
ハロゲン化物含有ガスと窒素含有ガスとは、多結晶組成物の性質を決定付ける順でチャンバー内に導入される。その導入方法は、組成物流体(ガス、液体、又は超臨界流体)それぞれの完全流速において同時導入を含む場合がある。その他のふさわしい導入方法は、一つまたはそれ以上の要素のパルシング(pulsing)、一つか又はそれ以上の要素の凝縮及び/又は流速の変化、又はスタガ(staggered)導入、例えばキャリアガスによるチャンバーの浄化、を含む。
【0057】
ハロゲン化物含有ガスと窒素含有ガスとの注入口が配置されているので、出口端はチャンバーのホットゾーンに位置する。一つの実施形態において、一つかそれ以上の注入口は、使用中に1気圧において341度C以上の温度になるチャンバーの領域に配置される。他の実施形態においては、341度Cから370度Cの範囲である。更に他の実施形態では370度C以上である。
【0058】
ハロゲン化物含有ガスの流速に対する窒素含有ガスの流速の範囲は、反応を最適化するために調整される。一つの実施形態において、ハロゲン化物含有ガスの流速に対する窒素含有ガスの流速の範囲は、30:1から15:1の範囲である。二つ目の実施形態においては、15:1から1:1である。三つ目の実施形態においては、1:1から1:10、1:10から1:15である。
【0059】
原料源は原料注入口を介してチャンバー内のるつぼに通じる場合がある。他の源と同様に、原料源は一つかそれ以上のフィルター、ドライヤー、及び/又は精製器を含んでもよい。特に原料源に関して、供給材料の純度は最終多結晶組成物の性質に偏った多大な影響または結果をもたらす場合がある。原料源は使用される前に生成され、大気接触と関連する含有物を最小限に抑えるあるいは減少させる不活性環境に保持される。もし、例えば、含水材料、あるいは酸化物を既に生成することができる材料を使用した場合、原料は水または酸素と接触しないように処理及び/又は保持される。更に、原材料は処理中に溶融しチャンバー内に流れ出ることがあるので、ひとつの実施形態では、継続する工程では、バッチ工程に対して使用できるかもしれないものより、異なる材料が使用される。相違点の例は以下に開示する。
【0060】
一つの実施形態において、ふさわしい原料は、ガリウム、インジウム又はアルミニウムの一つかそれ以上を含む。他の適切な原料は、シリコン、ゲルマニウム、又はホウ素の一つかそれ以上を含む。更にほかの実施形態では、適切な原料は、アルカリ土類、遷移金属元素、ランタニド、又はアクチニドから選ばれる。一つの実施形態において、原料の純度は99.9999%かそれ以上である。他の実施形態においては、純度は99.99999%以上である。原料は、ガス、液体溶媒、懸濁液、スラリー、または溶融液などでもよい。金属に残余した酸素は更に還元性雰囲気、例えば水素を含むものや真空下、の下加熱によって減少される。
【0061】
一つの実施形態において、製造に必要な全ての材料がチャンバー内に密封される一方、他の実施形態では、様々な材料が処理中に添加される。例えば、原料は原料注入口を介し、出口端から流出し、チャンバー内のるつぼに流入する場合がある。複数のるつぼ、多数の原料注入口、または複数の出口端を有する一つの注入口、有するいくつかの実施形態は、原材料を個々のるつぼに流すために使用される。一つの実施形態において、原材料注入口は直線運動貫通接続構造(linear motion feed-through structure)に実装される。そのような貫通接続構造は、るつぼからるつぼへの原料注入口の出口端の転換を許容する。
【0062】
原料注入口に流れ込む及び通過する流れと流速とは、バルブで制御される。バルブは制御システムの制御信号に反応しバルブを制御する。原料の流速が適用詳細パラメーターに応じて決定付けられるのに対して、適切な流速は0.1kg/時間より大きい。一つの実施形態においては、1kg/時間から5kg/時間、またはた5kg/時間以上である。
【0063】
ドーパント注入口は、ドーパントとチャンバーとを有している貯蔵部と連通している。貯蔵部は、半導体レベルの基準に適合した材料でできている。貯蔵部は、ドーパントを精製/乾燥させる設備を備えている場合がある。一つの実施形態において、貯蔵部にはライナーが備わっている。ライナーは、貯蔵部材料の腐食を防ぎ、あるいは貯蔵部によるドーパントの汚染の可能性を軽減する。
【0064】
ドーパント源は、処理中に添加される一つまたはそれ以上の他の材料とは区別されるかあるいは同位置に配置される。別々に添加された場合、ドーパントはドーパント注入口の出口端から出ることで、直接るつぼに流入する。記述したように、ドーパントは例えば原材料、キャリアガス、ハロゲン化物含有ガス、又は窒素含有ガスと事前に混合されて導入される。ドーパント計量は多結晶組成物においてのドーパント凝縮レベルを制御する。同様に、多結晶組成物へのドーパントの配置は、例えばドーパント添加のパルシング(pulsing)、サイクリング(cycling)、またはタイミングにより得られる。
【0065】
一つの実施形態において、適切なドーパントはドーパント前駆物質を含む。例えば、シリコンはSiClとして導入される場合がある。炭素が所望ドーパントの場合、炭素は炭化水素、例えばメタン、塩化メチレン、又は四塩化炭素として導入される。他の実施形態においては、ふさわしいドーパントはハロゲン化合物又は水素化物を含む。炭素が所望ドーパントあるいは重要ではない汚染物質の状況では、金属は有機金属組成物として導入される。例えば、マグネシウムはMg(Cとして導入され、亜鉛はZn(CH)、そして鉄はFe(Cとして導入される。ドーパント前駆物質の流速の範囲は10から100cm/分、又は100から500cm/分である。他の実施形態においては、500から700cm/分、750から1200cm/分、又は1200cm/分未満である。あるいは他の実施形態では、ドーパントは元素形態に、例えば、原材料の合金として添加される。他のふさわしいドーパントは、Si,O,GE,Mg,Zn,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zr,Sn,Hf,Pr,Eu,Er,またはTmの一つかそれ以上を含む場合がある。
【0066】
排気口とそれに対応しているバルブは、チャンバー内の物質の放出を制御する。一つの実施形態において、放出された物質は大気中に放出されるかあるいは物質を再利用するために捕らえられる。放出された物質は、組成物又は/あるいは温度が排気口の実装されたセンサで監視される場合がある。汚染物質は、チャンバー内を一方向に流れる物質を制御することにより軽減されているので、多結晶組成物は、排気口側の壁にある出口構造によりチャンバーから除去されている。
【0067】
一つの実施形態において、排気口は排気装置と連結されている。排気装置は、大気圧に対するチャンバー内で減圧を生成することができる。ふさわしいチャンバー圧は10−7ミリバール未満である。一つの実施形態において、チャンバー圧は、10−7ミリバールから10−5ミリバールの範囲、または10−5ミリバール以上である。一つの実施形態において、チャンバー圧は760Torrから約50Torrの範囲であり、50Torrから1Torr、1Torrから10−3Torr、10−3Torrから10−5Torr、または10−5未満である。排気は事前洗浄か処理中に使用される場合がある。
【0068】
一つの実施形態において、例えば、低温においてNHCLを生成するために凝縮するHClとアンモニアの多結晶GaNの生成には、ハロゲン化アンモニウムの処理に二つの基本方法が使用されても良い。一つの実施形態において、排気口は凝結しないようにと、流れに捕らわれないように、保温されている。二つ目の実施形態について、存在するできるだけ多量のハロゲン化アンモニウムを捕らえるための原子炉のセンサの下流付近で採用されている。
【0069】
一つの実施形態において、制御システムはコントローラー、コントローラーと連通する処理部、及びコントローラーがセンサ、バルブ、源、監視装置、測定装置、およびそれらのものとを連通させる有線又は無線連通システムを含む。コントローラーは、本発明の実施例に従った多結晶組成物の成長方法を実行するためにプログラム化されている。
【0070】
合成多結晶組成物は、金属窒化物である。いくつかの実施形態において、金属窒化物はn−dopedあるいはp−doped組成物の一つかそれ以上を得るためにドープされる。他の実施例において、金属窒化物は金属性、半導体性、半絶縁性、あるいは絶縁性材料である。更に其々の組成物は磁性あるいは発光性の材料である。
【0071】
装置の稼動とその様々な組織の機能は以下の図示された実施例と図によって説明される。
【0072】
図1は実施形態の装置100の図を示している。装置100は、壁104を有したハウジング102を含む。壁104はチャンバー108を規定する内表面106を有する。エネルギー源110は壁104に隣接して配置されている。第一注入口112と第二注入口114は壁104を突き抜けている。第1及び第2注入口112,114は、チャンバー108へ物質が流入又はチャンバーから流出する開口を規定する。排気口118は壁104を突きぬけてチャンバー108まで通じている。るつぼ120は、チャンバー108内に配置されている。ライナー(図示せず)が内表面106と壁104の内側を覆うために使用されても良い。
【0073】
エネルギー源110は、セラミックヒーターのような熱エネルギー源である。第1及び第2注入口112、114、排気口118は半導体レベルの製造にふさわしいステンレススチールからなる。一つの実施形態において、るつぼ120は窒化ホウ素からなり、不活性ライナーはグラファイトから成る。
【0074】
操作中、原料はるつぼ120に充填され、るつぼはチャンバー内に事前装備される。一つかそれ以上のドーパントが原料と共にるつぼに入れられる。装備後、るつぼ120は密閉装置(図示せず)により密閉される場合がある。
【0075】
窒素含有ガスが、第一注入口112を通じてチャンバー108に注入される。窒素含有ガスは、アンモニアを含み、また事前希釈のためのキャリアガスを含む。ハロゲン化物含有ガスは、第二注入口114を通じてチャンバー108に注入される。
【0076】
ハロゲン化物含有ガスの一つの例は、塩化水素である。ハロゲン化物含有ガスは、事前にキャリアガスにより希釈される。非反応ガス及び/又は他の廃棄物は、排気口118を通じてチャンバー108から除去される。チャンバー108は、注入口112、114から流入するガス、また排気口118から流出するガスによって、結晶性組成物構造の前に浄化(パージ)される。ガスの流出は、選択的に、十分な浄化が行われた時を示すように流出ガスの不純レベルを感知するために監視される。エネルギー源110が作動される。エネルギー源110の作動は、温度上昇の所定の上昇率でチャンバー108内の温度を所定のレベルまで上昇させる。チャンバー108内のるつぼ120の近接の範囲は、ホットゾーンと反応ゾーンに区別される(図示せず)。
【0077】
るつぼ120に既に入れられている原料は、ハロゲン化化合物含有ガスの存在下で、窒素含有ガスとの接触に反応し、また所定の温度において、金属の窒化物、つまり多結晶組成物を生成するために反応する。
【0078】
多結晶組成物が生成された後、排気口側のハウジング102が開かれる。排気口側を開けることで、排気口118に隣接したチャンバー側を開口することにより導入された汚染物質が、チャンバー108に局在させるのを助ける。排気口118の近くに汚染物質を集中させると、汚染物質がチャンバー108から浄化するために移動しなければならない距離を減少させ、汚染物質が成長した結晶、又は結晶性組成物成長表面、例えばるつぼ120の内表面と、接触することが少ない範囲への汚染物質のパスを制限する。更に、ハウジングの注入口側を開かないことは、その後に続く箇所で注入口の近くでの漏れの機会を減少する。この構成は、生成された結晶を汚染する汚染の機会を減らす。
【0079】
実施形態の装置200は図2に示されている。装置200は、ハウジング202とその近くにあるエネルギー源204を含む。ハウジング202は内壁206と外壁208を含む。注入口209は外壁208を突き抜けているが、内壁206の手前で止まっている。外壁208は外向きの表面を有する。内向き表面又は内壁206の内表面212はチャンバー214を規定する。
【0080】
内壁206は、外壁208から間隔を置き、入れ子になっている。一つの実施形態において、壁206と208の間隔は、その目的のために構成された注入口209を通じてその間隔に注入された環境制御流体を循環させるために使用される。内壁206が高品質結晶又は酸化アルミニウムのようなセラミック素材から成る一方、外壁208は、金属からなる。エネルギー源204は外壁208に近接している。
【0081】
第一注入口216、第二注入口218、材料注入口224、ドーパント注入口232、及び排気口226は内壁206と外壁208とを突き抜けている場合がある。複数のバルブ215、220、223、233は、源から対応する注入口216、218、224、232に延びている注入チューブに配置されている。個々の注入チューブは符号により特定付けられていない。そして排気口226はそこを通る流体の流れを許容するか阻止するバルブ227を有する場合がある。
【0082】
第一注入口216は、窒素含有ガス源217と連通している場合があり、窒素含有ガスをチャンバー214に流入する。窒素含有ガスはアンモニアを含むこともある。窒素含有ガスは、キャリアガスで希釈される。キャリアガスはアルゴンで、窒素含有ガス流とは別に制御可能である。第二注入口218は、ハロゲン化物含有ガス源219と連通している場合がある。第二注入口218は、ハロゲン化物含有ガス源219からチャンバー214にハロゲン化物含有ガスを流入させる。バルブ220はハロゲン化物含有ガス源219から、第二注入口218からチャンバー214へのハロゲン化物含有ガスの流れを制御する。ハロゲン化物含有ガスの例は、キャリアガスで希釈されてもよい塩化水素を含む。原料注入口224は、原料貯蔵部222と連通している。原料注入口224の出口端は、注入口224に残留した原料をるつぼ230に流すために位置している。バルブ223は、貯蔵部222から原料注入口224を通りチャンバー214への原料の流れを制御する場合もある。
【0083】
原料注入口を流れる第III族金属原料の例は、ガリウム、インジウム、アルミニウム、および類似のものを含む。一つの実施形態において、原材料は溶融されている。溶融された第III族金属原料を扱うために、一つの実施形態では、注入口224は溶融金属と接触した際に腐食又は分解させない金属から成る。一つの実施形態において、原料注入口224は高純度溶融シリコン又はアルミニウムから選ばれた材料から成る。一つの実施形態において、原料注入口224は、窒化ホウ素、ニホウ化チタン、及び酸化物、炭化物、窒化物及びそれらの混合物から選ばれた約0.15から10重量%の希土類金属組成物から成る。
【0084】
ドーパント源(図示せず)はドーパント注入口232を介してチャンバー214と連通している。バルブ233はドーパント源からチャンバー214へのドーパントの流れを開けたり止めたりするために電源が入/切される。図示された実施形態において、ドーパントはSiClを形成するシリコンを含む。
【0085】
排気口226は、余剰材料がチャンバー214から排出されるのを可能にする。バルブ227は開閉し、閉めることで追加材料がチャンバー214へ流れていくにつれ背圧が増加し、温度が上昇する。
【0086】
複数のるつぼ230がチャンバー214内に提供される。るつぼ230は、お互い横並びに配置される。センサ236と237は、チャンバー214内の圧力、温度、又は他の処理パラメーターを監視するために設置される。
【0087】
上述で開示されているように、環境制御流体は、注入口209を介して壁の隙間を流れる。注入口209は、壁の間の流体を循環させる循環システム(図示せず)と連通している。注入口209は、壁の間の循環を調整または最適化するバルブ211を含んでいる場合もある。真空システムのためのフランジ210は、漏れ防止接続を形成するために使用される。流体循環システムは、流体を加熱又は冷却する設備を備えている場合がある。チャンバー214はその中身に応じて、この構成により冷却又は加熱される。
【0088】
制御システムは、伝達ラインで示されるような様々な要素と連通するコントローラー234を有している場合がある。そのラインを通じて、コントローラー234は、センサ236,237から信号のような情報を受ける。コントローラー234は、開閉に対応するバルブ215、220、223、227、233の一つかそれ以上に信号を送る場合がある。バルブ211は、コントローラー234と連通してもよく、また循環システムからの環境制御流体の流れを制御するコントローラー234と連通しても良い。そのため、コントローラー234は、全体の反応条件を監視し制御する場合がある。
【0089】
稼動に先がけて、チャンバー214は真空にされてもよい。コントローラー234はチャンバー214を真空にするために、バルブ227と真空ポンプ(図示せず)を作動する。チャンバー214は不活性キャリアガスにより洗浄される。エネルギー源204は加熱するために作動され、それにより揮発性汚染物質を揮発させる。チャンバー214は、処理温度より高い50から150度Cの温度に加熱される場合があり、チャンバー214の内部組成物を完全に放出させるため、5分から24時間の間放置される。連続的な真空と浄化はチャンバー214から汚染物を除去する。
【0090】
稼働中は、コントローラー223は、貯蔵部222から原料注入口224を介して、るつぼ223に原料流入を開始するためにバルブ223を作動する。ドーパントは、対応するバルブ233の開口に対応して、ドーパント注入口232を介して、るつぼに流入する。コントローラー234は、対応するバルブの開閉の度合いの調節により、材料の流れの速度を調節する場合がある。コントローラー234は、センサ236,237と連通していてもよい。チャンバー内の圧力と温度、エネルギー源204、及び/又は排気バルブ227を調整するコントローラー234によりは決められたレベルまで上昇される。
【0091】
一旦所望の温度と圧力が得られると、窒素含有ガスは第一注入口216を通じてチャンバー214へ導入される。また、窒素含有ガスは、加熱サイクルの最初にチャンバーに導入される。ハロゲン化物含有ガスは第二注入口218を介して流入される。コントローラーは対応するバルブ215、220を制御することによりこれらのガスの流速を調整する場合がある。
【0092】
ドーパントを含む原材料は、ハロゲン化物含有ガスの存在において窒素含有ガスと反応する場合がある。その反応は、原材料が窒化金属を反応し生成するまで進められる。図示された実施形態では、GaNをドープしたシリコンが生成される。
【0093】
図3は実施例に従った装置300の概略図である。装置300は、ハウジング302、そのハウジングは壁304を有し、その壁は内表面306と外壁308を有する。壁304の内表面306は、窒化物を生成する反応が行われるチャンバー310を規定づける。装置300は、更にエネルギー源314、原材料源328、ドーパント源338、キャリアガス源(図示せず)、窒素含有ガス源318、及びハロゲン化物含有ガス源324を含む場合がある。管は、チャンバー310に、対応した注入口330、340、316、322を介して、様々な源328、338、318、324を接続している。其々の注入口330、340、316、322は、対応した源328、338、318、324とハウジング302の間に配置された対応したバルブ329、341、317、323を有する場合がある。結合した内表面306は、圧力センサ352と温度センサ354である。バルブ345に対応した排気口344は、壁304を突き抜けている。制御システムは、各々のバルブ317、323、329、341、345及びセンサ352と354と連通するコントローラー350を含む。
【0094】
るつぼ334はチャンバー310内に配置されており、そのるつぼは垂直構造を得るために上に積み重なるようになっている。るつぼの素材は溶融シリカである。ライナー335はるつぼ334に沿って配置されている。ライナーはグラファイトである。
【0095】
グラファイトライナー312は、内壁304の内表面306を覆う。ライナー312は、内壁304への材料の蒸着を減らしたり防いだりする。除去可能ライナー312は使用中の洗浄を促進する場合がある。外部ヒーター358は排気口344に隣接する。調節板362はチャンバー内に提供される。図に示された調整板は、決められた方法においてのミキシングを助長するフィン及び/又はブレードを含むダイアグラム表現である。
【0096】
稼動に先がけて、チャンバー310は排気口344を介して空にされる。空にされたチャンバー310は、不活性キャリアガスにより浄化される。一旦空にされ浄化されると、チャンバー310は密閉され、コントローラー350はチャンバー310に熱エネルギーを供給するため、外表面308に沿った外壁304に隣接したエネルギー源314を作動する。この方法における事前の加熱は、揮発性汚染物質を除去する場合がある。コントローラー350はバルブ329に信号を送り、原材料が原料源328から原料注入口330を通ってチャンバー310に流入させる。原料注入口330は、原材料の流れを促進する金属の融点より上の温度に維持される。一つの実施形態における原材料は、ガリウム、インジウム、アルミニウムの混合物を含む。ドーパントはマグネシウムを含む場合もあり、原材料の流速に添加され計量される。原料注入口330は、原料注入口330の開口からそれぞれのるつぼへ流入するように構成されている。
【0097】
現時点で材料は密封されたチャンバー310を浮遊しているため、排気口344が材料例えば未反応ガスの流出を許容する。チャンバー310からのガスの流量は、バルブ345に信号を送るコントローラー350により制御される。外部ヒーター358は、排気口344を事前に決められた温度に維持する。排気口344の加熱は、排気口における排気口344を通る流体を妨げるであろうハロゲン化アンモニウムのような固体の生成を減少させたり防止したりする。
【0098】
るつぼ内に配置された原材料とドーパントと、事前に決められた温度に維持されたチャンバーで、コントローラー350は、チャンバー310への流入を開始させる窒素含有ガスとハロゲン化物含有ガスとの流れを許容する適切なバルブを制御する。ガスは原材料に接触しそして反応し、存在するであろうドーパントによりドープされ、多結晶組成物を生成する。
【0099】
図4は、実施形態に従った注入口を詳細に記した装置400の概略図である。装置400は、壁404を有したハウジング402を有し、図示されているように、その壁404は内表面406と外向き表面408を有する。壁404は、軸409から放射状に間隔をあけている。エネルギー源410は、外表面408の近くに配置される。壁404の内表面406はチャンバー412を位置づける。
【0100】
装置400は、更に注入口416と418を有する。注入口416は、一つの実施形態において、一枚壁の管であり、壁404を通りチャンバー412まで延びている。注入口416は入れ子になっており、壁404の内表面406の内側に間隔をあけている。注入口416と壁404の内表面406の間隔は注入口418を規定する。更に、アパーチャー又は開口426は、注入口418内に提供される。るつぼ430はチャンバー412内に配置される。
【0101】
ハロゲン化物含有ガスが注入口416を通じて源(図示せず)からチャンバー412に導入され、窒素含有ガスが注入口418を通じて源(図示せず)からチャンバー412に導入される。注入口416と418は、注入口416に配置された調整板424が注入口からチャンバー412内に流入したガスの正しいミキシングを助けるために構成される。
【0102】
装置400は更に、図示されていないが、全体の反応を制御するコントローラー、チャンバーへ/からの原料の流れを調整又は/及び制御するためのバルブ、原料及び/又はドーパントをチャンバーへ導入する注入口、原料及び/又はドーパントがチャンバーへ流入する源、チャンバー内の温度、圧力、組成物を監視するセンサ、及び類似のものを含む場合がある。装置の作用は上述に記載された実施形態を参照して説明される。
【0103】
図5は、更に他の実施形態に従った注入口を詳細に記した装置450の横外略図である。装置450は、壁454を有したハウジング452を有し、その壁404は内表面456と外表面458を有する場合がある。壁454は、軸457から放射状に間隔をあけている。エネルギー源460は、外表面458の近くに配置される。壁454の内表面456はチャンバー464を位置づける。
【0104】
装置は更に注入口468を含む。注入口456は入れ子になっており、壁454の内表面406の内側に間隔をあけている。注入口468は、チャンバー464まで延びており、注入口468の出口はフリット470を含んでいる。注入口474は、注入口468と壁454の内表面456の間の空間に作られている。注入口468、474、調節板480からの事前に決められた距離がチャンバー内に配置される。調整板はさらに開口482を含んでいる場合がある。
【0105】
注入口468はハロゲン化物含有ガス源(図示せず)と連通しており、フリット470を介してチャンバー464にハロゲン化物含有ガスを流入する場合がある。フリットはハロゲン化物含有ガスをろ過することがあり、汚染物質が低減される。フリットはガスを広い範囲に拡散させる場合もある。窒素含有ガスは、注入口474を介してチャンバー464へ導入される。開口482付きの調整板480はガスの事前混合を促進することができる。装置450は原材料を含んだ少なくとも一つのるつぼからなってもよい。装置450は図示されていない構成物、例えば制御システム、チャンバーと制御システムとを連通するセンサ、ガスとチャンバーへ流入する原材料の流れを制御するバルブ、及び類似のもの、を更に含む場合がある。装置の作動は、上述された実施形態を参照して説明される。
【0106】
図6は、本発明の実施形態に従った金属窒化物の生成方法500を描いたフローチャートである。その方法は、まず真空されることから始まり、浄化及びさもなければ微量な汚染物質の除去するためのチャンバーの汚染物質の除去、そして汚染物質の付着を防ぐためのチャンバーの密封である(ステップ502)。チャンバー内の環境は、決められたレベルに調整される。チャンバーの温度は、800から1300度Cの間に維持され、圧力は周辺より高い。
【0107】
純金属の形である原材料がチャンバーに導入される(ステップ504)。融解金属を導入するのには、金属の中で金属含有貯蔵部からチャンバーへ流入させるのにフローチューブが使用される。もし必要であれば、注入チューブを通る金属を押し進めるために、例えば金属含有貯蔵部の超過気圧またはポンプなどの圧力が使用される。貯蔵部の温度と注入チューブは金属流速を促進するための金属融点以上に維持される。
【0108】
ドーパントはドーパント先駆物質としてチャンバーに導入される(ステップ506)。ドーパント先駆物質は、ドーパント源からチャンバーに流入される。
【0109】
チャンバー内の温度は、800度から1300度の間に上昇され、圧力は1mより大きい面積の少なくとも一つ以上まで、30分以上の間上昇される(ステップ508)。ステップ510では、窒素含有ガスがチャンバーに流入される。ガスは、窒素含有ガス源から注入口を通り、チャンバーへ流れる。窒素含有ガスの流速は、250cm/分(標準)である。
【0110】
ハロゲン化物含有ガスがチャンバーへ導入される(ステップ512)。選択的に、ステップ510と512は入れ替えられる。ハロゲン化物含有ガスの流速は、25cm/分より大きい場合がある。窒素含有ガスとハロゲン化物含有ガスの流速の比率は、約10:1である。
【0111】
金属は、金属窒化物を生成するために、ハロゲン化合物の存在の下、窒素含有ガスと反応する(ステップ514)。ハロゲン化合物は、所定の方法において、金属と窒素含有ガス間の反応に影響を及ぼす。
【0112】
反応は、水蒸気輸送及び/又はウィッキング効果を通じて処理される場合がある。金属窒化物クラストは、るつぼの中の溶融金属の上に生成されるときがある。そのクラストはやや多孔性である。金属は水蒸気輸送されるか、またはもし液体ならクラストの孔から逃げ、窒素含有ガスと反応する。反応は、追加の金属窒化物を堆積させ、クラストを追加する場合がある。反応は、事実上すべての金属が反応を受けるまで処理される。追加の金属は貯蔵部からチャンバーへ流入される場合がある。
【0113】
ステップ516でチャンバーは冷却される。余分な窒素含有とハロゲン化水素は、反応ゾーンから流出し、ハロゲン化アンモニウムがチャンバーの冷却された部分に凝縮されるであろう。一つの実施形態において、排出口は、ハロゲン化アンモニウムが下流での収集を促進するように熱く保持されているか、又はハロゲン化アンモニウムの凝縮を促進するために冷却壁部が組み込まれる。排気口側のチャンバーが、注入口側の漏れを最小限にするために開けられてもよい。金属窒化物は、排気口側から除去される。
【0114】
選択的に、金属窒化物はその後の工程で生成される(ステップ518)。一つの実施形態において、金属窒化物の少なくとも一つの表面は、一つかそれ以上の削り(scraping)、研磨(scouring)、または剥離(scaryfying)の対象となる。表面は更に、空気中または乾燥した酸素において酸化の対象となる場合があり、更に過塩素酸で沸騰される場合がある。スパッターターゲットとしての使用のために、金属窒化物は成形され、表裏面が下塗り(ground)、研磨(lapping)、及び/又は磨かれる(polishing)。後処理による余剰汚染物質は、洗浄、超音波分解、または両者により除去されてもよい。洗浄と超音波分解は、例えば有機溶液、酸、塩基、酸化剤(水素/酸化物など)、又は類似のものの中で実行される。金属窒化物は不活性、窒化、又は還元雰囲気でアニールされる場合がある。アニーリングは、摂氏800度Cから1200度Cで30分から200時間の間で純アンモニアにおいて実行される。
【0115】
他の工程は、結晶性組成物の成長のための、原材料として使用されるために施される。原材料としての使用は、金属窒化物が微粒子に粉砕される。粒子は、平均直径が0.3mmから10mmの範囲である。粉砕は、例えば圧縮破砕、ジョークラッシャー工法、ワイヤーソー工法、ボールミル粉砕、ジェットミル粉砕、レーザーカッティング、或いは冷凍破砕などで行われる。粉砕清浄作業の後には、粉砕工程、非反応金属および好ましくない酸化金属によって導入された偶発的な金属を除去する場合もある。
【0116】
粉砕よりむしろ、一つの実施形態において、薄白金(Pt)フィルムが多結晶金属窒化物材料の表面にスパッタされる。スパッタされた表面は、メタノール、フッ化水素、及び過酸化水素の溶液を使用してエッチングされてもよい。白金表面の過酸化物の触媒による還元は、金属窒化物上に電子正孔対を注入する。電子正孔対は、面内ドリフトの対象であり、またケミカルエッチングを助長する。その結果は金属窒化物にできた多孔であり、その多孔の配置と面積はスパッタリングとエッチング工程により制御される。
【0117】
提供された実施例は、本案件を教授に寄与するための結果の代表に過ぎない。したがって、これらの実施例は、添付の特許請求の範囲に定義されているように本発明を制限するものではない。
【0118】
<実施例1 多結晶窒化カリウム(GaN)の生成>
約100gのガリウム金属が3本のポリエチレンボトルに入れられる。そのポリエチレンボトルは、ガリウム金属を溶融するのに十分な温度に加熱された水に漬けられる。ガリウムの溶融点は、約摂氏29.8度である。
【0119】
溶融金属はシリンダー石英るつぼに移される。るつぼには、約12.5μmのグラファイト被フィルムが施されている。るつぼの外周直径は、4cm以下で、長さは20cm以下である。正味約297.2gのガリウムがるつぼに移される。液体金属はるつぼの中で最大厚さ約1cmの層を形成する。アルゴンガスが、液体ガリウム金属を冷却し金属を保護するために通過する。液体ガリウムは冷却に伴いるつぼの中で固化する。
【0120】
るつぼは、250μm厚グラファイトフォイルで被フィルムされた水平リアクターチューブ内に配置される。水平石英るつぼは、水平石英リアクターチューブを入れ子にしている。グラファイトフォイルで覆われた、内部に配置された石英チューブは、冷却中のひび割れの影響を受けやすい石英反応を保護する役目をする。ひび割れは、稼働中に内壁へのGaN蒸着及び石英とGaNとの熱膨張の不適当に起因する。
【0121】
反応炉は、真空にされ、高純アルゴンガスにより数回洗浄される。アルゴンガスの流速は、50cm/分に維持される。高純無水アンモニアは、100cm/分の速度でチューブ型注入口を通じて反応炉に導入される。反応炉の内部の温度は、リンドバーグ・スプリット炉(Lindberg split furnace)を使用して上昇される。アルゴン/アンモニウムガス混合の流速は約2時間続く。その間、温度は浸漬温度が約980度Cに達するまで徐々に上昇する。浸漬温度が一旦到達すると、アルゴン流入は停止され、アンモニアの流速が200cm/分まで上げられる。高純塩化水素(HCl)ガスは、流速25cm/分で反応炉に導入される。
【0122】
アンモニアとHClガスは、直接添加される前に現場の精製装置で精製される。Aeronex Model SS−500KF−Y−4Rは、アンモニアを精製するために使用し、Aeronex Model 45−03493がHClを精製するために使用される。Aeronexは、Mykrolis Corporation(カリフォルニア州サンディエゴ)において商業的に入手できる。精製は水分、酸素、及びその他の不純物のレベルを軽減する。反応炉を24時間摂氏980度の温度に浸漬した後、HClガス流入は停止される。反応炉は摂氏980度の浸漬温度に20分保持される。炉は2時間をかけて徐々に摂氏300度まで下げられる。その後アルゴンガスが流速50cm3/分で再導入され、アンモニアガス流入は停止される。反応炉は、アラゴンブランケットの元、常温まで冷却される。
【0123】
るつぼ内のガリウムは、るつぼの上部を占める多結晶窒化ガリウムのクラストに転換する。金属ガリウムは目視されない。正味重量は345.7gとなり、それは16.3%の重量増加を表す。ガリウムが完全に化学量論GaNに変換され、修復又はハロゲン化ガリウムとして蒸発による損失がない場合、理論的な重量増加は20.1%である。
【0124】
多結晶窒化ガリウムクラストの一部は、化学分析と他の特徴のために準備される。多結晶窒化ガリウムの分析はガス成分分析(Interstitial gas analysis: IGA)により行われ、酸素含有は16ppm(w/w)を示した。GaNの水素含有量は3ppm未満を示し、それは計器の検出限界内である。多結晶窒化ガリウムはまた、グロー放電質量分析(glow discharge mass spectronery(GDMS))により分析され、表1は三つの例の結果を要約している。
【0125】
図7に示されるSEMイメージは、多結晶窒化ガリウムの断面図を表している。300倍拡大された成長表面は図8に示される。多結晶窒化ガリウムは、成長方向にC軸に近接して並んだ柱状構造を有していることがわかる。
【0126】
二つの三角形プリズムが多結晶窒化ガリウムから切り出され、表面と角は平たんである。見掛け密度は、プリズムの重さと面積を測ることで決定付けられる。二つのピースは、理論価値が93.8と93.3%に対応して、見掛け密度5.72と5.69g/立方センチメートルである。
【0127】
<実施例2−多結晶窒化カリウム(GaN)の生成>
実施例2は、大きな装填量と長いるつぼ以外の部分で実施例1と類似している。約500gのガリウムが実施例1の300gに対応して使用される。また、浸漬温度は、実施例1では摂氏980度なのに対し、実施例2では1000度まで引き上げられる。
【0128】
金属窒化物は5本のポリエチレンボトルに入れられ、一つのボトルには100gの金属窒化物が入れられる。金属窒化物は溶融され、正味497.3gのガリウムのために石英るつぼに移される。実施例1で説明されたステップに従い、固化したガリウムとるつぼは反応炉に配置される。
【0129】
るつぼ内のガリウムは多結晶窒化ガリウムのクラストに変換する。クラストは、目に見える金属窒化物を有していない。正味重量は565.9gであり、13.8%の重量増加を示している。多結晶窒化ガリウムの酸素と水素がIGAで分析され、酸素含有量が64ppm、水素含有量は3ppm未満である。他の生成された素子の存在をGDMS分析は表1に含まれている。
【0130】
<実施例3−多結晶窒化カリウム(GaN)の生成>
本実施例は、装填が少ないという以外で、実施例1と2に類似している。実施例2の300gに対して、約200gのガリウムが使用される。他の変更点は、短い浸漬温度時間(20時間対24時間)、及び高いNHとHCl流速を含む。流速は、NHが600cm/分、HClが30cm/分に対して、アンモニアが200cm/分とHClが25cm/分である。
【0131】
るつぼ内のガリウムは多結晶窒化ガリウムのクラストに変換する。クラストは、目に見える金属窒化物を有していない。総重量は231.3gであり、15.7%の重量増加を示している。多結晶窒化ガリウムクラストのいくつかは、化学分析と他の特性化のために分解される。IGAによる多結晶窒化ガリウムの分析は、71ppmの酸素と3ppm未満の水素を示す。他の素子のGDMS分析は表1に示す。
【0132】
表1:多結晶GaNのIGA/GDMS分析
【表1】

【0133】
<実施例4−多結晶窒化カリウム(GaN)の生成>
実施例1から実施例3が、一つのるつぼでの小型の実験用反応炉における多結晶窒化カリウムの合成/生成を描いている一方、実施例4は規模を大きくした反応炉による稼動を描写したものである。反応炉の外周は15cmで、59mmの外周を有する其々の4つの小型水晶インナーチューブが配置される。実施例1のようなグラファイトフォイルインナーは反応炉に配置される。二つずつのるつぼがそれぞれ四つのインナー水晶チューブのなかに、3ゾーンシームクラフト・スプリット炉(3−Zone THERMCRAFT split furnace)に沿って配置される。
【0134】
実施例4は、他に述べない限り、実施例3の工程に従う。反応炉は真空にされ、純度99.999%のアルゴンガスにより数回浄化される。アルゴンガス流速は、1400cm/分に維持され、純度99.99995%のアンモニアは1200cm/分で導入される。反応炉は、アルゴン/アンモニア混合流入の中で、約4時間摂氏1000度の浸漬温度で加熱される。浸漬温度に到達したとき、アルゴン流速は200cm/分に軽減され、アンモニア流速は2400cm/分まで上昇され、また純度99.999%の窒化水素(HCl)ガスは200cm/分の速さで導入される。アンモニアとHClガスとは現場の精製器(アンモニアにはAeronex Model CES500KFSK4R、HClにはAeronex Model CE500KFC4R)が使用される。摂氏1000度で24時間の浸漬期間の後、HCl流入は停止され、炉は5時間かけて650度まで冷却される。アルゴン流入は流速600cm/分でアンモニアラインを介して導入され、その後アンモニア流入は停止され、反応炉は、アルゴンブランケットのなかで室温に戻される。
【0135】
るつぼ内のガリウムは多結晶窒化ガリウムのクラストに変換する。クラストは、目に見える金属窒化物を有していない。多結晶窒化ガリウムクラストのいくつかは、化学分析と他の特性化のために分解される。酸素分析は、IGAとLECOを用い複製サンプルで行われる。IGAでは71ppmと63ppmの酸素が示され、LECOでは30ppmと63ppmの酸素が示された。
【0136】
強度検査試料は、多結晶窒化ガリウムから準備される。多結晶窒化ガリウムクラストは、切り出され、細かくされ、研磨されそして磨かれ直径約1.25cmで0.75m厚のディスクにされる。試料は見掛け密度を得るのに重きを置かれている。結果は表2に要約されている。見掛け密度は、5.36から5.41g/立方センチメートルの範囲であり、87.8から90.4%の理論密度と、9.6から12.2%の見掛け気孔率に対応している。
【0137】
表2:多結晶GaNの見掛け密度の結果
【表2】

【0138】
試料は、ASTM C1499に明記されているリングオンリングの単調等二軸テスト方法(Monotonic Equibiaxial Test Method)を使用して検査される。使用される検査機は、インストロンシリアス IXスクリュータイプ(INSTRON Serious IX screw type)であり、負荷速度が30から35MPa/秒である。支持リングと負荷リングはそれぞれ11.91mmと6mmである。両リングとも0.25mmの接触半径を有する。摩擦を軽減するために、0.127mm厚のグラファイトフォイルディスクが、試料とリングの間に配置される。それぞれの試料に対する最高負荷は、毎0.005ミリ秒の間隔で試験中に記録される負荷データから得られる。各試料の強度は標準に従って算出される。合計8試料の試験結果は(二つの多結晶窒化ガリウム合成から4つずつ)表3に示される。GaNの曲げ強度のグラフは図9に示されている。
【0139】
表3:多結晶GaNの強度検査の結果
【表3】

【0140】
ここに説明される実施形態は構成、構造、システム、及び特許請求の範囲に引用される発明の要素に対応した要素を有した方法の例である。確かな特性と実施例のみがここに描写、説明されている一方で、多数の修正や変更は当事者により起こりうる。添付の請求の範囲は、そのようなすべての修正や変更も対象にしている。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の一つの実施形態による装置の横概略図である。
【図2】本発明の一つの実施形態に従った装置の横概略図である。
【図3】本発明の一つの実施形態による装置の横概略図である。
【図4】本発明の一つの実施形態に従った装置の横概略図である。
【図5】本発明の一つの実施形態による装置の横概略図である。
【図6】本発明の一つの実施形態による結晶性組成物の製造方法のフローチャートである
【図7】多結晶ガリウム窒化物の断面を示したSEMイメージである。
【図8】多結晶ガリウム窒化物の成長表面を示したSEMイメージである。
【図9】ガリウム窒化物の曲げ強度のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
柱状構造を有する複数の粒子を含む多結晶金属窒化物と、以下の1つ又は2以上を備えていることを特徴とする組成物。
10nmから1mmの範囲内の平均粒子サイズを有する粒子、
不純物含量が200ppm未満の金属窒化物、
体積分率における気孔率が0.1%から30%の範囲内である金属窒化物、
金属窒化物と対応している理論密度値の70%から99.8%の範囲内の見掛け密度を有する金属窒化物、又は、
0.49から0.55の範囲内である金属窒化物内の金属の分子分率。
【請求項2】
前記金属が、アルミニウム、インジウム、又はガリウムの一つかそれ以上からなる請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
複数の粒子の平均量の範囲が、1立方センチメートルあたり100から10,000であって、金属窒化物の気孔率の体積分率が、0.1%から10%の範囲内である、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
平均粒子直径が1mmから10μmの範囲内である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記金属窒化物の不純物含有が15から100ppmの範囲内であり、前記不純物が酸素からなる、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の構成。
【請求項6】
前記金属窒化物の酸素含量が20ppm未満である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記多結晶金属窒化物の前記見掛け密度が前記理論密度値の85%から95%の範囲であって、前記金属窒化物の前記金属の前記分子分率が0.50から0.51の範囲である、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
n−type材料、p−type材料、半絶縁材料、磁性材料、及び発光性材料の一つかまたはそれ以上を生成可能な1又は複数のドーパントを備える請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ドーパント濃縮が1立方センチメートルにつき1016原子以上である請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記多結晶金属窒化物が20MPa以上の内粒子曲げ強度を有する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
長さ、高さ、または幅の一つ又は2以上が1mm以上の寸法の外形を有する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の組成物からなる部材。
【請求項12】
前記部材の二乗平均平方根ラフネスが1nm未満の一つかそれ以上の表面を有する請求項11に記載の部材。
【請求項13】
前記部材が、ウエハと規定されるようにエッチングされ、研磨、切断、又は裁断の一つ又は2以上の表面を有する請求項11又は請求項12に記載の部材。
【請求項14】
請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の部材の電子装置であって、その部材に1又は2以上装着される構成が、
陽極、陰極、電気伝導リード、又はそれら2つ以上の組合せからなるグループから選択され、且つ
変換機、ダイオード、探知機、又はセンサの1以上として操作可能な電子装置。
【請求項15】
原料として多結晶の金属窒化物材料を第III族金属から製造する製造装置であって、
チャンバーを規定する内表面を有するハウジング、
前記ハウジングに近接し、前記チャンバーにエネルギーの供給が可能なエネルギー源、
前記チャンバーと連通し、前記チャンバーに窒素含有ガスを流入するために構成された第一注入口、
前記チャンバーと連通し、前記チャンバーにハロゲン化物含有ガスの流入が可能な第二注入口、
前記窒素含有ガスと前記ハロゲン化物含有ガスとの混合物を生成するリフル表面、調整板、開口、及びフリットの少なくとも一つ、
前記窒素含有ガスと前記ハロゲン化物含有ガスとの混合流入の完全な下流側になるように、前記第III族金属原料を受け取ることが可能であり、第一及び第二注入口に関連して前記チャンバー内に配置されているるつぼ、
前記チャンバーと前記チャンバーの外とを連通し、前記チャンバー内からチャンバー外へガスを放出する操作が可能な排気口、
一以上の注入口への流れを止めることができるバルブ、及び
一以上のセンサ、バルブ又はエネルギー源と連通しているコントローラー、
を備えている製造装置。
【請求項16】
前記るつぼを構成している耐火組成物が、酸化物、窒化物又はシリコンホウ化物、アルミニウム、マグネシウム、ボロン、ジルコニウム、ベリリウム、グラファイト、モリブデン、タングステン、又はレニウム、又はそれらの混合物から成る請求項15に記載の製造装置。
【請求項17】
少なくとも一つの注入口に連通するユースポイント精製器を備え、前記ハウジングが垂直炉又は水平炉であることを更に含んだ請求項15又は請求項16のいずれかに記載の製造装置。
【請求項18】
前記るつぼが、前記チャンバーに配置された複数のるつぼの一つであり、前記複数のるつぼが互いに関連した位置に垂直にまたは平行に配置された請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項19】
前記チャンバーと連通していて、少なくとも第III族金属を原材料原料として前記チャンバーに流入させるように構成されている原材料注入口を更に備える請求項15から請求項18のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項20】
前記第III族の金属原材料原料が溶融されていて、
前記原材料注入口が溶融石英、アルミナ、窒化ホウ素の混合物、ニホウ化チタン、のグループから選ばれた材料と、酸化物、炭化物、窒化物及びそれらの化合物の一つから選ばれた約0.15から10重量%の希土類金属化合物とからなる請求項15から請求項19のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項21】
溶融状の第III族金属の原材料原料が注入口から複数のチャンバーに流入するように、前記原材料注入口が複数の配置された出口を有し、且つそれぞれのるつぼは対応したそれぞれの複数の出口に配置されている請求項15から請求項21のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項22】
第III族金属から多結晶金属窒化物を生成する方法であって、
窒素含有材料をハウジングで規定されたチャンバーへ流入し、
前記第III族金属を前記チャンバー内のるつぼに原材料材料として提供し、
前記チャンバーを所定温度へ加熱し、及び所定圧力への加圧し、
前記窒素含有材料と混合させるためハロゲン化水素を前記チャンバーへの流入し、
前記窒素含有材料と前記第III族金属とを反応させ、
本来金属を有している前記るつぼ内での金属窒化物を生成することを含む方法。
【請求項23】
前記第III族金属が、アルミニウム、ガリウム、及びインジウム、の一以上からなり、窒素含有材料の流入のステップがアンモニアの流入である請求項22に記載の方法。
【請求項24】
排気口換気温度を約200度C以上に維持することを更に含む請求項22又は請求項23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記金属窒化物の表面のスクレーピング、洗浄(Scouring)、または除去(scarifying)、
前記金属窒化物の表面を空気中または乾燥酸素大気中での酸化、及び過塩素酸での前記金属窒化物の沸騰、
の1以上での前記金属窒化物の処理する請求項22から請求項24のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−520678(P2009−520678A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547331(P2008−547331)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/047743
【国際公開番号】WO2007/078844
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】