説明

結束バンド

【課題】構造が複雑になるのを抑制しながら、バンド部を容易に増し締めすることが可能な結束バンドを提供する。
【解決手段】この結束バンド100(結束バンド)は、複数のバンド爪11aが設けられたバンド部11と、バンド部11の長手方向の一端に設けられた頭部31とを備え、頭部31は、バンド部11のバンド爪11aに係合してバンド部11を固定するロック爪322を有する頭部本体32と、頭部本体32に切断可能に接続され、頭部本体32に対して増し締め方向に引っ張られることにより頭部本体32から切断されてバンド部11を増し締め方向に送る増し締め部33とを含む

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、結束バンドに関し、特に、バンド部のバンド爪に係合してバンド部を固定する頭部を備えた結束バンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バンド部のバンド爪に係合してバンド部を固定する頭部を備えた結束バンドが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、複数の歯(バンド爪)が設けられた樹脂製バンド(バンド部)と、樹脂製バンドの長手方向の一端に取り付けられ、樹脂製バンドの歯に係合して樹脂製バンドを固定する戻止め爪(ロック爪)を有するバンド用留め具(頭部)とを備えた結束バンドが開示されている。この結束バンドのバンド用留め具は、戻止め爪が設けられた基体と、基体に対して回動可能なように基体の切欠に嵌め込まれたカバー体とにより構成されている。また、カバー体には、カバー体が基体に対して回動されることにより樹脂製バンドの歯に係合して樹脂製バンドを増し締め方向に刻み送りする爪車が設けられている。そして、上記特許文献1の結束バンドでは、カバー体を複数回繰り返して回動させることにより樹脂製バンドを増し締めすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−240618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の結束バンドでは、樹脂製バンド(バンド部)を増し締め可能である一方、カバー体を複数回繰り返して回動させる必要があるので、増し締め作業に手間がかかるという問題点がある。また、爪車をカバー体に設けるとともに、カバー体を基体の切欠に嵌め込んで基体に対して回動可能なように設ける必要があるので、結束バンドの構造が複雑になるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、構造が複雑になるのを抑制しながら、バンド部を容易に増し締めすることが可能な結束バンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一の局面による結束バンドは、複数のバンド爪が設けられたバンド部と、バンド部の長手方向の一端に設けられた頭部とを備え、頭部は、バンド部のバンド爪に係合してバンド部を固定するロック爪を有する頭部本体と、頭部本体に切断可能に接続され、頭部本体に対して増し締め方向に引っ張られることにより頭部本体から切断されてバンド部を増し締め方向に送る増し締め部とを含む。
【0008】
この発明の一の局面による結束バンドでは、上記のように、頭部本体に切断可能に接続するとともに、頭部本体に対して増し締め方向に引っ張られることにより頭部本体から切断されてバンド部を増し締め方向に送る増し締め部を設けることによって、増し締め時に、増し締め部を増し締め方向に引っ張って頭部本体から切断するだけでバンド部を増し締め方向に移動させることができるので、バンド部を容易に増し締めすることできる。また、バンド部を増し締め方向に送る増し締め部を頭部本体に切断可能に接続するだけの簡易な構造によりバンド部を増し締めすることができるので、バンド部を増し締めするために、結束バンドの構造が複雑になるのを抑制することができる。したがって、この結束バンドでは、構造が複雑になるのを抑制しながら、バンド部を容易に増し締めすることができる。
【0009】
上記一の局面による結束バンドにおいて、好ましくは、増し締め部は、切断可能な第1接続部を介して頭部本体に一体的に設けられている。このように構成すれば、増し締め部を頭部本体と別個に設ける場合とは異なり、部品点数の増加を抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、切断可能な第1接続部は、薄肉形状に形成されている。このように構成すれば、増し締め部を引っ張ることにより、薄肉形状の第1接続部を容易に切断することができるので、容易にバンド部を任意の締め付け力で増し締めすることができる。
【0011】
上記増し締め部が頭部本体に一体的に設けられている構成において、好ましくは、第1接続部は、増し締め部が増し締め方向に引っ張られる際に、増し締め部が頭部本体から完全に分離するように頭部本体から切断されるように構成されている。このように構成すれば、頭部本体に対する増し締め部の移動量を容易に大きくすることができるので、バンド部の増し締め量を容易に大きくすることができる。
【0012】
上記増し締め部が頭部本体に一体的に設けられている構成において、好ましくは、第1接続部は、バンド部を挟むようにバンド部に対して対称に配置されている。このように構成すれば、増し締め部を頭部本体から切断する際にバンド部を引っ張る方向の力を加えた場合に、バンド部を挟むように対称配置された第1接続部にバンド部を引っ張る方向に均等に切断力が働くので、容易に第1接続部を切断することができる。
【0013】
上記増し締め部が頭部本体に一体的に設けられている構成において、好ましくは、第1接続部は、バンド部の増し締め方向において、バンド部のバンド爪の長さよりも小さい長さを有する。このように構成すれば、第1接続部の長さが小さくなるので、増し締め部を引っ張った際に第1接続部が切断されるまでの第1接続部の伸び量を小さくすることができる。これにより、増し締め部を頭部本体から切断する際に増し締め部を頭部本体に対して少しの量引っ張るだけで容易に切断することができる。
【0014】
上記一の局面による結束バンドにおいて、好ましくは、増し締め部は、バンド部の増し締め方向における頭部本体の前側の位置に設けられている。このように構成すれば、増し締め部を頭部本体に対して増し締め方向に容易に引っ張ることができるので、容易に任意の締め付け力で増し締めすることができる。
【0015】
この場合、好ましくは、頭部本体には、増し締め部の増し締め方向の後ろの面をユーザの指が当接可能なように露出させる開口部が設けられている。このように構成すれば、ユーザは開口部に指を挿入して増し締め部を容易に把持することができるので増し締め部をより容易に引っ張ることができる。
【0016】
上記一の局面による結束バンドにおいて、好ましくは、増し締め部は、バンド爪と係合するとともに、頭部本体に対して増し締め方向に引っ張られることによりバンド部を増し締め方向に送る送り爪を含む。このように構成すれば、増し締め部の送り爪をバンド部のバンド爪に係合させて確実にバンド部を増し締め方向に送ることができる。
【0017】
上記増し締め部が送り爪を含む構成において、好ましくは、頭部本体のロック爪および増し締め部の送り爪は、それぞれ、爪部を有しており、送り爪の爪部およびロック爪の爪部は、互いに、略同一の爪形状を有している。このように構成すれば、送り爪の爪部をバンド部のバンド爪に容易に係合させることができるので、容易に、増し締め部の送り爪をバンド部のバンド爪に係合させて確実にバンド部を増し締め方向に送ることができる。
【0018】
上記増し締め部が送り爪を含む構成において、好ましくは、バンド部は、両面にそれぞれ複数のバンド爪を含み、送り爪とロック爪とは、それぞれ、バンド部を挟むようにバンド部の両面のそれぞれの面に係合するように増し締め部と頭部本体とに設けられている。このように構成すれば、バンド部の両面にバンド爪を設けた構成において、バンド部を任意の締め付け力で増し締めすることできる。
【0019】
上記一の局面による結束バンドにおいて、好ましくは、増し締め部は、切断可能な第1接続部と第1接続部よりも断面積が大きい第2接続部とを介して頭部本体に接続されており、増し締め部は、増し締め部が増し締め方向に引っ張られる際に、第1接続部が頭部本体から切断されるとともに第2接続部が頭部本体との接続を維持することによって、増し締め部は頭部本体に部分的に接続された状態となるように構成されている。このように構成すれば、増し締め部と頭部本体との接続を維持する第2接続部により、増し締め部を引っ張った際の頭部本体に対する増し締め部の1回の移動量を制限してバンド部を増し締め方向に送ることができるので、増し締め量の微調整を容易に行うことができる。また、第2接続部により増し締め部と頭部本体との接続が維持されるので、増し締め部が頭部本体から大きく離間するのが抑制されて増し締め後も増し締め部を頭部本体の近傍に配置することができる。
【0020】
この場合、好ましくは、増し締め部は、バンド爪と係合しバンド部を増し締め方向に送る送り爪を含み、送り爪は、撓み変形可能な薄肉部を有し、送り爪は、増し締め部が頭部本体から分離しないように第2接続部が頭部本体との接続を維持した状態で増し締め方向に引っ張られる際には、バンド部のバンド爪と係合してバンド部を増し締め方向に送り、増し締め部が頭部本体から分離しないように第2接続部が頭部本体との接続を維持した状態で増し締め方向と反対方向に移動される際には、薄肉部が撓み変形することによりバンド部のバンド爪との係合が解除されてバンド部の増し締め方向と反対方向に移動され、再度、増し締め部が増し締め方向に引っ張られることによりバンド部を再度増し締め方向に送ることができるように構成されている。このように構成すれば、増し締め部と頭部本体との接続を維持した状態で繰り返し増し締めを行うことができるので、増し締め部を頭部本体の近傍に配置しながら任意の増し締め量で増し締めを行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記のように、結束バンドの構造が複雑になるのを抑制しながら、バンド部を容易に増し締めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態による結束バンドの全体構成を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による結束バンドの頭部を拡大した図である。
【図3】本発明の第1実施形態による結束バンドの頭部の断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるバンド部が送られる際の頭部を示した断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態によるバンド部を増し締めする前の頭部の状態を示した断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態によるバンド部を増し締めする際の頭部の状態を示した断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態によるバンド部を増し締した後の頭部の状態を示した断面図である。
【図8】図5の500−500線に沿った断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による結束バンドの頭部を拡大した図である。
【図10】本発明の第2実施形態による結束バンドの頭部の断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態によるバンド部を増し締めする前の頭部の状態を示した斜視図である。
【図12】本発明の第2実施形態によるバンド部を増し締めした後の頭部の状態を示した断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態による結束バンドの頭部を拡大した図である。
【図14】本発明の第3実施形態による結束バンドの頭部の断面図である。
【図15】本発明の第3実施形態によるバンド部を増し締めする際の頭部の状態を示した断面図である。
【図16】本発明の第3実施形態による増し締め部を増し締め方向と反対方向に戻す際の頭部の状態を示した断面図である。
【図17】図15の600−600線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
図1〜図8を参照して、本発明の第1実施形態による結束バンド100の構成について説明する。
【0024】
本発明の第1実施形態による結束バンド100は、図1に示すように、電子機器のケーブルなどの結束に用いられる。具体的には、結束バンド100は、バンド部11と、バンド部11の長手方向の一方端に設けられている尾部21と、バンド部11の長手方向の他方端に設けられている頭部31とを備えている。また、バンド部11と、尾部21と、頭部31とは、ナイロン(登録商標)(ポリアミド系合成繊維)により一体的に形成されている。これにより、バンド部11と尾部21と頭部31とを、容易に一体的に形成することが可能である。また、結束バンド100は、全体が撓み変形可能なように構成されている。
【0025】
バンド部11は、図1に示すように、細長形状を有している。バンド部11は、撓み変形可能なように構成されている。また、バンド部11のX方向の幅は、図2に示すように、後述する増し締め部33の孔部331よりも小さい幅を有している。また、バンド部11の表面11bには、バンド爪11aが設けられていない。また、バンド部11の表面11bは平坦形状を有している。また、バンド部11の裏面11cには、複数のバンド爪11a(図3参照)が設けられている。
【0026】
複数のバンド爪11aは、図3に示すように、それぞれ、バンド部11の長手方向(Y方向)に沿って一定の間隔で設けられている。また、バンド爪11aは、鋸波形状(略直角三角形形状)の断面を有している。バンド爪11aは、図3〜図5に示すように、バンド部11の送り方向(Z1方向)に直交するロック面11dと、ロック面11dに対して傾斜した傾斜面11eとを有する。また、バンド爪11aのロック面11dは、高さh(図4参照)を有する。
【0027】
尾部21は、図1に示すように、バンド部11の一端側(Y2方向側)から延びるように形成されている。尾部21は、バンド部11を後述する頭部本体32の孔部321および増し締め部33の孔部331(図3参照)に通しやすくするために設けられている。尾部21は、平面的に見て、先端が丸形形状を有するように構成されている。尾部21は、撓み変形可能なように構成されている。尾部21は、バンド部11よりも小さい厚みを有している。尾部21のX方向の幅は、図2に示すように、後述する増し締め部33の孔部331よりも小さい幅を有している。また、尾部21には、バンド爪11aは設けられていない。
【0028】
ここで、本実施形態では、頭部31には、図2〜図7に示すように、バンド部11を固定する頭部本体32と、バンド部11を増し締め方向に送る増し締め部33と、頭部本体32と増し締め部33とを接続する接続部34とが設けられている。頭部31は、全体として略直方体形状を有している。なお、接続部34は、本発明の「第1接続部」の一例である。
【0029】
頭部本体32には、図3に示すように、バンド部11が通される孔部321と、バンド部11のバンド爪11aに係合してバンド部11を固定するロック爪322とが設けられている。
【0030】
孔部321は、図3に示すように、バンド部11の増し締め方向(Z1方向)に沿って形成されている。孔部321の内周面321aの下面321bは、図4に示すように、バンド部11が孔部321に通された状態で、バンド部11の表面11bと接触するように構成されている。また、孔部321の内周面321aの下面321bは、バンド部11の表面11bに対して摺動可能に構成されている。
【0031】
ロック爪322は、図3〜図5に示すように、孔部321の内周面321aの下面321b側(Y2方向側)に突出するように形成されている。また、ロック爪322には、爪部322aが3つ設けられている。また、爪部322aは、図5に示すように、バンド部11のバンド爪11aの形状に対応する鋸波形状(略直角三角形形状)に形成されている。具体的には、爪部322aは、バンド部11の送り方向(Z1方向)に直交するロック面322bと、ロック面322bに対して傾斜した傾斜面322cとを有する。また、3つの爪部322aは、それぞれ、バンド部11のバンド爪11aに係合するように構成されている。
【0032】
ロック爪322は、図5および図7に示すように、バンド爪11aに係合することによりバンド部11の増し締め方向と反対方向(Z2方向)にバンド部11が移動するのを規制して、バンド部11を頭部本体32に対して固定するように構成されている。また、ロック爪322は、爪部322aのロック面322bがバンド爪11aのロック面11dに係合するように構成されている。また、ロック爪322には、ロック爪322の根元部分に撓み変形可能な薄肉部322dが形成されている。また、ロック爪322は、図6に示すように、バンド部11が増し締め方向(Z1方向)に移動する際には、薄肉部322dが撓み変形されて、バンド爪11aの高さhだけ上側(Y1方向側)に回動されるように構成されている。また、ロック爪322は、バンド部11が増し締め方向(Z1方向)に移動する際には、ロック爪322の傾斜面322cがバンド爪11aの傾斜面11eに沿って移動することにより撓み変形するように構成されている。
【0033】
また、図2〜図7に示すように、頭部本体32には、増し締め部33の増し締め方向の後ろ(Z2方向)の面をユーザの指が当接可能なように露出させる開口部323が設けられている。開口部323は、頭部本体32の上側(Y1方向側)に設けられている。
【0034】
増し締め部33には、図3に示すように、バンド部11が通される孔部331と、バンド部11のバンド爪11aに係合してバンド部11を増し締め方向に送る送り爪332とが設けられている。増し締め部33は、接続部34を介して、頭部本体32に一体的に設けられている。増し締め部33は、図6および図7に示すように、頭部本体32に切断可能に接続されている。増し締め部33は、頭部本体32に対して増し締め方向に引っ張られることにより頭部本体32から切断されて、バンド部11を増し締め方向(Z1方向)に送るように構成されている。また、増し締め部33は、バンド部11を増し締め方向に任意の分量だけ送ることが可能なように構成されている。増し締め部33は、図3に示すように、バンド部11の増し締め方向(Z1方向)における頭部本体32の前側(Z1方向)の位置に設けられている。
【0035】
孔部331は、図3に示すように、バンド部11の増し締め方向(Z1方向)に沿って形成されている。孔部331の内周面331aの下面331bは、図4に示すように、バンド部11が孔部331に通された状態で、バンド部11の表面11bと接触するように構成されている。また、孔部331の内周面331aの下面331bは、バンド部11の表面11bに対して摺動可能に構成されている。
【0036】
送り爪332は、図3〜図5に示すように、増し締め部33に一体的に設けられている。また、送り爪332は、バンド部11の増し締め方向(Z1方向)における頭部本体32のロック爪322の前側(Z1方向側)の位置に設けられている。また、送り爪332は、孔部331の内周面331aの上面331cから孔部331の内周面331aの下面331b側(Y2方向側)に突出するように形成されている。また、送り爪332には、爪部332aが2つ設けられている。爪部332aは、バンド部11のバンド爪11aの形状に対応する鋸波形状(略直角三角形形状)に形成されている。具体的には、爪部332aは、バンド部11の送り方向(Z1方向)に直交する送り面332bと、送り面332bに対して傾斜した傾斜面332cとを有する。2つの爪部332aは、それぞれ、バンド部11のバンド爪11aに係合するように構成されている。また、送り爪332の爪部332aは、ロック爪322の爪部322aと略同一の形状を有している。
【0037】
送り爪332は、図5に示すように、爪部332aの送り面332bがバンド爪11aのロック面11dに係合するように構成されている。また、送り爪332には、送り爪332の根元部分に撓み変形可能な薄肉部332dが形成されている。また、送り爪332は、図4に示すように、増し締め部33が頭部本体32に接続された状態でバンド部11が増し締め部33に対して相対的に増し締め方向(Z1方向)に移動する際には、送り爪332の傾斜面332cがバンド爪11aの傾斜面11eに沿って移動するように構成されている。また、送り爪332は、バンド部11が増し締め部33に対して相対的に増し締め方向(Z1方向)に移動する際には、薄肉部332dが撓み変形されて、バンド爪11aの高さhだけ上側(Y1方向側)に回動されるように構成されている。
【0038】
また、送り爪332は、図5〜図7に示すように、増し締め部33が頭部本体32から切断されて頭部本体32に対して増し締め方向(Z1方向)に引っ張られることによりバンド部11を増し締め方向に送るように構成されている。詳細には、送り爪332は、送り爪332の送り面332bがバンド爪11aのロック面11dに係合してバンド部11を増し締め方向に送るように構成されている。また、送り爪332は、頭部本体32に対して相対的にバンド部11の増し締め方向(Z1方向)に移動される際には、バンド部11のバンド爪11aと係合して共に増し締め方向に移動されるように構成されている。
【0039】
接続部34は、図2〜図7に示すように、頭部本体32と増し締め部33との間に設けられている。また、接続部34は、図8に示すように、2つ設けられている。また、接続部34は、頭部31の左右方向(X方向)の両端部に設けられている。また、2つの接続部34は、バンド部11を挟むようにバンド部11に対して対称に設けられている。これにより、2つの接続部34には、増し締め部33を頭部本体32から切断する際に、接続部34を切断する力がバンド部11を引っ張る方向(Z1方向)に均等に働く。また、接続部34は、薄肉形状に形成されている。接続部34は、図5に示すように、バンド部11の増し締め方向(Z1方向)において、バンド部11の1つのバンド爪11aの長さL1よりも小さい長さL2を有する。接続部34は、図6および図7に示すように、増し締め部33が増し締め方向(Z1方向)に引っ張られる際に、増し締め部33が頭部本体32から完全に分離するように頭部本体32から切断されるように構成されている。
【0040】
次に、図4〜図7を参照して結束バンド100の増し締め手順について説明する。まず、図4および図5に示すように、頭部本体32および増し締め部33にZ2方向からZ1方向に向けてバンド部11を通す。これにより、ロック爪322の爪部322aおよび送り爪332の爪部332aがバンド爪11aに係合されてバンド部11が固定される。この状態で、図6に示すように、バンド部11自体を切断することなく増し締め部33を増し締め方向(Z1方向)に引っ張って頭部本体32から切断する。この際、ユーザは指を開口部323に挿入することにより増し締め部33を容易に把持することが可能である。そして、増し締め部33を把持した状態で頭部本体32に対して増し締め方向に引っ張ることにより、バンド部11が増し締め方向に送られる。この際、バンド部11のバンド爪11aは、増し締め部33の送り爪332に係合された状態で増し締め方向に送られる。また、バンド部11が1個のバンド爪11aの長さL1分だけ増し締め方向に送られる毎に、ロック爪322の薄肉部322dが撓み変形されて一時的にロック爪322とバンド爪11aとの係合が解除される。また、図7に示すように、バンド部11が1個のバンド爪11aの長さL1分だけ増し締め方向(Z1方向)に送られた後、ロック爪322は撓み変形する前の位置に戻される。そして、一時的に係合が解除されていたロック爪322とバンド爪11aとが再度係合される。これにより、増し締め部33を引っ張った分量だけバンド部11は任意の締め付け力で増し締めされる。
【0041】
第1実施形態では、上記のように、頭部本体32に切断可能に接続するとともに、頭部本体32に対して増し締め方向に引っ張られることにより頭部本体32から切断されてバンド部11を増し締め方向に送る増し締め部33を設けることによって、増し締め時に、増し締め部33を増し締め方向に引っ張って頭部本体32から切断するだけでバンド部11を増し締め方向に移動させることができるので、バンド部11を容易に増し締めすることできる。また、バンド部11を増し締め方向に送る増し締め部33を頭部本体32に切断可能に接続するだけの簡易な構造によりバンド部11を増し締めすることができるので、バンド部11を増し締めするために、結束バンド100の構造が複雑になるのを抑制することができる。したがって、この結束バンド100では、構造が複雑になるのを抑制しながら、バンド部11を容易に増し締めすることができる。
【0042】
第1実施形態では、上記のように、増し締め部33を、切断可能な接続部34を介して頭部本体32に一体的に設けることによって、増し締め部33を頭部本体32と別個に設ける場合とは異なり、部品点数の増加を抑制することができる。
【0043】
第1実施形態では、上記のように、切断可能な接続部34を、薄肉形状に形成することによって、増し締め部33を引っ張ることにより、薄肉形状の接続部34を容易に切断することができるので、容易にバンド部11を任意の締め付け力で増し締めすることができる。
【0044】
第1実施形態では、上記のように、接続部34を、増し締め部33を増し締め方向に引っ張る際に、増し締め部33が頭部本体32から完全に分離するように頭部本体32から切断するように構成することによって、頭部本体32に対する増し締め部33の移動量を容易に大きくすることができるので、バンド部11の増し締め量を容易に大きくすることができる。
【0045】
第1実施形態では、上記のように、バンド部11を挟むようにバンド部11に対して対称に接続部34を設けることによって、増し締め部33を頭部本体32から切断する際にバンド部11を引っ張る方向の力を加えた場合に、バンド部11を挟むように対称配置された接続部34にバンド部11を引っ張る方向に均等に切断力が働くので、容易に接続部34を切断することができる。
【0046】
第1実施形態では、上記のように、バンド部11の増し締め方向において、バンド部11のバンド爪11aの長さよりも小さい長さを有するように接続部34をように構成することによって、接続部34の長さが小さくなるので、増し締め部33を引っ張った際に接続部34が切断されるまで接続部34の伸び量を小さくすることができるので、増し締め部33を頭部本体32から切断する際に増し締め部33を頭部本体32に対して少しの量引っ張るだけで容易に切断することができる。
【0047】
第1実施形態では、上記のように、バンド部11の増し締め方向における頭部本体32の前側の位置に増し締め部33を設けることによって、頭部本体32に対して増し締め部33を増し締め方向に容易に引っ張ることができるので、容易に任意の締め付け力で増し締めすることができる。
【0048】
第1実施形態では、上記のように、増し締め部33の増し締め方向の後ろの面をユーザの指が当接可能なように露出させる開口部323を頭部本体32に設けることによって、ユーザは開口部323に指を挿入して増し締め部33を容易に把持することができるので増し締め部33をより容易に引っ張ることができる。
【0049】
第1実施形態では、上記のように、バンド爪11aと係合する増し締め部33を設けるとともに、頭部本体32に対して増し締め方向に引っ張られることによりバンド部11を増し締め方向に送る送り爪332を設けることによって、増し締め部33の送り爪332をバンド部11のバンド爪11aに係合させて確実にバンド部11を増し締め方向に送ることができる。
【0050】
第1実施形態では、上記のように、頭部本体32のロック爪322および増し締め部33の送り爪332に、それぞれ、爪部322aおよび爪部332aを設け、送り爪332の爪部332aおよびロック爪322の爪部322aを互いに略同一の爪形状に形成することによって、送り爪332の爪部322aをバンド部11のバンド爪11aに容易に係合させることができるので、容易に、増し締め部33の送り爪332をバンド部11のバンド爪11aに係合させて確実にバンド部11を増し締め方向に送ることができる。
【0051】
(第2実施形態)
以下、図9〜図12を参照して、本発明の第2実施形態による結束バンド200の構成について説明する。この第2実施形態では、第1実施形態と異なり、バンド部211が、表面211bおよび裏面211cの両面にそれぞれ複数のバンド爪211aを含む構成について説明する。
【0052】
図11および図12に示すように、第2実施形態による結束バンド200では、バンド部211は、頭部231の後述する孔部232aおよび孔部233aに挿入された場合に、バンド部211の表面211bおよび裏面211cの両面から後述する送り爪332eとロック爪322とによって挟まれるように構成されている。また、図9および図10に示すように、バンド部211の表面211bには、複数のバンド爪211aが設けられている。また、図10に示すように、バンド部211の裏面211cには、複数のバンド爪211aが設けられている。バンド部211の表面211bおよびバンド部211の裏面211cには、互いに、同一形状の複数のバンド爪211aが設けられている。
【0053】
頭部231には、図10に示すように、頭部本体232と増し締め部233とが設けられている。また、頭部本体232には、バンド部211が通される孔部232aが設けられている。孔部232aは、バンド部211の増し締め方向(Z1方向)に沿って形成されている。孔部232aの後側(Z2方向側)の端部には、ロック爪322が設けられている。ロック爪322は、図11および図12に示すように、バンド部211の裏面211cのバンド爪211aに係合するように構成されている。ロック爪322の構成は、上記第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0054】
また、増し締め部233には、図10に示すように、バンド部211が通される孔部233aが設けられている。孔部233aは、バンド部211の増し締め方向(Z1方向)に沿って形成されている。孔部233aは、増し締め方向(Z方向)から見て頭部本体232の孔部232aと略同一形状の断面を有している。また、孔部233aの前側(Z1方向側)の端部には、送り爪332eが設けられている。
【0055】
送り爪332eは、図10〜図12に示すように、孔部233aの内周面233bの下面233cから孔部233aの内周面233bの上面233d側(Y1方向側)に突出するように形成されている。送り爪332eは、図11および図12に示すように、バンド部211の表面211bのバンド爪211aに係合するように構成されている。また、バンド部211のバンド爪211aは、図11および図12に示すように、ロック爪322と送り爪332eとによって、バンド部211の両面(211b、211c)を挟まれるように係合される。
【0056】
送り爪332eには、図10〜図12に示すように、2つの爪部322fが設けられている。爪部322fは、バンド部211の表面211bのバンド爪211aの形状に対応する鋸波形状(略直角三角形形状)に形成されている。具体的には、爪部322fは、バンド部211の送り方向(Z1方向)に直交する送り面332gと、送り面332gに対して傾斜した傾斜面332hとを有している。2つの爪部332fは、図11および図12に示すように、それぞれ、バンド部211のバンド爪211aに係合するように構成されている。送り爪332eは、爪部322fの送り面322gがバンド爪211のロック面211dに係合するように構成されている。
【0057】
また、送り爪332eは、図12に示すように、増し締め部233が頭部本体232に対して増し締め方向(Z1方向)に引っ張られることにより増し締め部233が頭部本体232から切断されて、バンド部211を増し締め方向に送るように構成されている。また、増し締め部233は、バンド部211を増し締め方向に任意の分量だけ送ることが可能なように構成されている。また、送り爪332eは、送り爪332eの送り面322gがバンド爪211のロック面211dに係合してバンド部211を増し締め方向に送るように構成されている。また、送り爪332eは、増し締め部233が頭部本体232に対してバンド部211の増し締め方向に引っ張られる際には、バンド部211のバンド爪211aと係合して共に任意の分量だけ増し締め方向に移動されるように構成されている。
【0058】
また、頭部231が形成される際には、ロック爪322の前部に当接される金型(図示せず)を設けるとともに、送り爪332eの後部に当接される金型(図示せず)を設ける。これにより、頭部231を形成することが可能である。この際、金型を、それぞれ、Z方向に引き抜くことにより頭部231に孔部232aおよび孔部233aが形成される。これにより、結束バンド200が形成される際、金型の抜き方向が1方向(Z方向)だけであるため、結束バンド200の金型の構成および結束バンド200の製造工程を単純化することが可能である。
【0059】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0060】
第2実施形態では、上記のように、バンド部211の両面にそれぞれ複数のバンド爪211aを設け、バンド部211を挟むようにバンド部211の両面のそれぞれの面に係合するように、送り爪332eとロック爪322とを、それぞれ、増し締め部233と頭部本体232とに設けることによって、バンド部211の両面にバンド爪211aを設けた構成において、バンド部211を任意の締め付け力で容易に増し締めすることできる。
【0061】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0062】
(第3実施形態)
以下、図13〜図17を参照して、本発明の第3実施形態による結束バンド300の構成について説明する。
【0063】
この第3実施形態では、第1実施形態と異なり、増し締め後も頭部本体32と増し締め部333との接続状態が維持されるように構成された結束バンド300について説明する。なお、ロック爪322の構成は、上記第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0064】
図13〜図16に示すように、第3実施形態による結束バンド300では、頭部330には頭部本体32と増し締め部333とが設けられている。また、頭部本体32と増し締め部333との間には、図13に示すように、2つの第1接続部334aが設けられている。第1接続部334aは、図15および図16に示すように、増し締め部333が増し締め方向(Z1方向)に引っ張られる際には、増し締め部333が頭部本体32から完全に分離するように頭部本体32から切断される。
【0065】
また、図14〜図16に示すように、頭部本体32と増し締め部333との間には、頭部本体32と増し締め部333との接続が維持されるように第2接続部334bが設けられている。第2接続部334bは、増し締め部333が引っ張られることにより第1接続部334aが頭部本体32から切断された際に、頭部本体32と増し締め部333との接続を維持するように構成されている。第2接続部334bは、図17に示すように、X方向において、第1接続部334aのX方向の幅W2の2倍以上の大きさの幅W1を有している。また、第2接続部334bは、Y方向において、第1接続部334aのY方向の厚みt2と略同じ大きさの厚みt1を有している。これにより、第2接続部334bは、第1接続部334aより大きい断面積を有する。
【0066】
また、増し締め部333が増し締め方向(Z1方向)に引っ張られる際には、第2接続部334bは、増し締め部333が頭部本体32から分離しないように頭部本体32との接続を維持するように構成されている。これにより、増し締め部333を引っ張った場合には、第1接続部334aだけが切断されて第2接続部334bが切断されないので、増し締め部333は第2接続部334bを回動中心として回動される。すなわち、増し締め部333は、頭部本体32に対して部分的に切断される。これにより、増し締め部333は、増し締め後も頭部本体32の近傍に配置される。
【0067】
また、送り爪332jは、図15および図16に示すように、増し締め部333が回動されて、増し締め部333が頭部本体32に対して斜め下方向に引っ張られることによりバンド部11を増し締め方向(Z1方向)に送るように構成されている。また、送り爪332jには、爪部332kが2つ設けられている。爪部332kは、バンド部11のバンド爪11aの形状に対応する鋸歯形状(略直角三角形形状)に形成されている。具体的には、爪部332kは、バンド部11の送り方向(Z1方向)に直交する送り面332lと、送り面332lに対して傾斜した傾斜面332mとを有している。また、送り爪332jは、送り爪332jの送り面332lがバンド爪11aのロック面11dに係合してバンド部11を増し締め方向に送るように構成されている。また、送り爪332jは、頭部本体32に対して相対的にバンド部11の増し締め方向(Z1方向)に移動される際には、バンド部11のバンド爪11aと係合して共に移動されるように構成されている。送り爪332jは、増し締め部333が頭部本体32から分離しないように第2接続部334bが頭部本体32との接続を維持した状態で増し締め方向(Z1方向)に引っ張られる際には、バンド部11のバンド爪11aと係合してバンド部11を増し締め方向に送るように構成されている。
【0068】
送り爪332jは、図16に示すように、バンド部11の増し締め後に、ユーザにより増し締め部333が元の位置に戻される際には、バンド爪11aとの係合が解除されて増し締め方向と反対方向に移動されるように構成されている。また、送り爪332jには、送り爪332jの根元部分に撓み変形可能な薄肉部332nが設けられている。
【0069】
送り爪332jは、図16に示すように、増し締め部333が頭部本体32から分離しないように第2接続部334bが頭部本体32との接続を維持した状態でバンド部11の増し締め方向と反対方向(Z2方向)に移動する際には、薄肉部332nが撓み変形されて、バンド爪11aの高さhだけ上側(Y1方向側)に回動されるように構成されている。また、送り爪332jは、増し締め部333が増し締め方向と反対方向(Z2方向)に移動する際には、送り爪332jの薄肉部332nが撓み変形することによりバンド部11に対して離間する方向(Y1方向)に移動してバンド爪11aとの係合が解除されるように構成されている。また、送り爪332jは、増し締め部333が増し締め方向と反対方向(Z2方向)に移動する際には、送り爪332jの傾斜面332mがバンド爪11aの傾斜面11eに沿って移動することにより撓み変形するように構成されている。
【0070】
また、元の位置に移動された送り爪322jは、図15に示すように、再度、頭部本体32に対してバンド部11の増し締め方向(Z1方向)に移動可能なように構成されている。バンド部11の増し締め方向(Z1方向)に再度移動された送り爪332jは、バンド部11を再度増し締め方向に送ることが可能なように構成されている。
【0071】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0072】
第3実施形態では、上記のように、頭部本体32に切断可能に接続するとともに、頭部本体32に対して増し締め方向に引っ張られることにより頭部本体32から切断されてバンド部11を増し締め方向に送る増し締め部333を設けることによって、増し締め時に、増し締め部333を増し締め方向に引っ張って頭部本体32から部分的に切断するだけでバンド部11を増し締め方向に移動させることができるので、バンド部11を容易に増し締めすることできる。また、バンド部11を増し締め方向に送る増し締め部333を頭部本体32に切断可能に接続するだけの簡易な構造によりバンド部11を増し締めすることができるので、バンド部11を増し締めするために、結束バンド300の構造が複雑になるのを抑制することができる。したがって、この結束バンド300では、構造が複雑になるのを抑制しながら、バンド部11を容易に増し締めすることができる。
【0073】
第3実施形態では、上記のように、増し締め部333は、切断可能な第1接続部334aと第1接続部334aよりも断面積が大きい第2接続部334bとを介して頭部本体32に接続されており、増し締め部333は、増し締め部333が増し締め方向に引っ張られる際に、第1接続部334aが頭部本体32から切断されるとともに第2接続部334bが頭部本体32との接続を維持することによって、増し締め部333は頭部本体32に部分的に接続された状態となるように構成することによって、増し締め部333と頭部本体32との接続を維持する第2接続部334bにより、増し締め部333を引っ張った際の頭部本体32に対する増し締め部32の1回の移動量を制限してバンド部11を増し締め方向に送ることができるので、増し締め量の微調整を容易に行うことができる。また、第2接続部334bにより増し締め部333と頭部本体32との接続が維持されるので、増し締め部333が頭部本体32から大きく離間するのが抑制されて増し締め後も増し締め部333を頭部本体32の近傍に配置することができる。
【0074】
第3実施形態では、上記のように、バンド爪11aと係合しバンド部11を増し締め方向に送る送り爪332jを増し締め部333に設けるとともに、撓み変形可能な薄肉部332nを、送り爪332jに設け、送り爪332jは、増し締め部333が頭部本体32から分離しないように第2接続部334bが頭部本体32との接続を維持した状態で増し締め方向に引っ張られる際には、バンド部11のバンド爪11aと係合してバンド部11を増し締め方向に送るとともに、増し締め部333が頭部本体32から分離しないように第2接続部334bが頭部本体32との接続を維持した状態で増し締め方向と反対方向に移動する際には、薄肉部332nが撓み変形することによりバンド部11のバンド爪11aとの係合を解除してバンド部11の増し締め方向と反対方向に移動し、再度、増し締め部333を増し締め方向に引っ張ることによりバンド部11を再度増し締め方向に送ることができるように構成することによって、増し締め部333と頭部本体32との接続を維持した状態で繰り返し増し締めを行うことができるので、増し締め部333を頭部本体32の近傍に配置しながら任意の増し締め量で増し締めを行うことができる。
【0075】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0076】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0077】
また、上記第1〜第3実施形態では、送り爪の爪部を、2つ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つ、または、3つ以上の送り爪の爪部を設けてもよい。
【0078】
また、上記第1〜第3実施形態では、ロック爪の爪部を、3つ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つ、2つ、または、4つ以上のロック爪の爪部を設けてもよい。
【0079】
また、上記第1〜第3実施形態では、切断される接続部を、2つ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つ、または、3つ以上の第1接続部を設けてもよい。
【0080】
また、上記第3実施形態では、第2接続部を、1つ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、2つ以上の第2接続部を設けてもよい。
【0081】
また、上記第1および第2実施形態では、第1接続部を、増し締め部のX方向の両端に、それぞれ、1つずつ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、Y方向の両端に、それぞれ、1つずつ設けてもよい。
【0082】
また、上記第2実施形態では、ロック爪を頭部本体の孔部の内周面の上面に設けるとともに、送り爪を増し締め部の孔部の内周面の下面に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ロック爪を頭部本体の孔部の内周面の下面に設けるとともに、送り爪を増し締め部の孔部の内周面の上面に設けてもよい。
【0083】
また、上記第3実施形態では、第2接続部を、第1接続部の幅よりも大きく形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、断面積が第1接続部よりも大きければ、第2接続部を第1接続部の厚みよりも大きい厚みにして第1接続部の幅よりも小さい幅にしてもよい。
【0084】
また、上記第1〜第3実施形態では、結束バンドを、ナイロン(登録商標)(ポリアミド系合成繊維)により構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、結束バンドをナイロン(登録商標)以外の材料の、たとえば、ポリエステル等のバンド全体を撓ませられる材料により構成してもよい。
【符号の説明】
【0085】
11、211 バンド部
11a、211a バンド爪
31、231、330 頭部
32、232 頭部本体
33、233、333 増し締め部
34 接続部(第1接続部)
100、200、300 結束バンド
322 ロック爪
322a 爪部
323 開口部
332、332e、332j 送り爪
332a、332f、332k 爪部
332d、332n 薄肉部
334a 第1接続部
334b 第2接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバンド爪が設けられたバンド部と、
前記バンド部の長手方向の一端に設けられた頭部とを備え、
前記頭部は、前記バンド部のバンド爪に係合して前記バンド部を固定するロック爪を有する頭部本体と、前記頭部本体に切断可能に接続され、前記頭部本体に対して増し締め方向に引っ張られることにより前記頭部本体から切断されて前記バンド部を増し締め方向に送る増し締め部とを含む、結束バンド。
【請求項2】
前記増し締め部は、切断可能な第1接続部を介して前記頭部本体に一体的に設けられている、請求項1に記載の結束バンド。
【請求項3】
前記切断可能な第1接続部は、薄肉形状に形成されている、請求項2に記載の結束バンド。
【請求項4】
前記第1接続部は、前記増し締め部が増し締め方向に引っ張られる際に、前記増し締め部が前記頭部本体から完全に分離するように前記頭部本体から切断されるように構成されている、請求項2または3に記載の結束バンド。
【請求項5】
前記第1接続部は、前記バンド部を挟むように前記バンド部に対して対称に配置されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の結束バンド。
【請求項6】
前記第1接続部は、前記バンド部の増し締め方向において、前記バンド部の前記バンド爪の長さよりも小さい長さを有する、請求項2〜5のいずれか1項に記載の結束バンド。
【請求項7】
前記増し締め部は、前記バンド部の増し締め方向における前記頭部本体の前側の位置に設けられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の結束バンド。
【請求項8】
前記頭部本体には、前記増し締め部の増し締め方向の後ろの面をユーザの指が当接可能なように露出させる開口部が設けられている、請求項7に記載の結束バンド。
【請求項9】
前記増し締め部は、前記バンド爪と係合するとともに、前記頭部本体に対して増し締め方向に引っ張られることにより前記バンド部を増し締め方向に送る送り爪を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の結束バンド。
【請求項10】
前記頭部本体のロック爪および前記増し締め部の送り爪は、それぞれ、爪部を有しており、
前記送り爪の爪部および前記ロック爪の爪部は、互いに、略同一の爪形状を有している、請求項9に記載の結束バンド。
【請求項11】
前記バンド部は、両面にそれぞれ複数のバンド爪を含み、
前記送り爪と前記ロック爪とは、それぞれ、前記バンド部を挟むように前記バンド部の両面のそれぞれの面に係合するように前記増し締め部と前記頭部本体とに設けられている、請求項9または10に記載の結束バンド。
【請求項12】
前記増し締め部は、切断可能な第1接続部と前記第1接続部よりも断面積が大きい第2接続部とを介して前記頭部本体に接続されており、
前記増し締め部は、前記増し締め部が増し締め方向に引っ張られる際に、前記第1接続部が前記頭部本体から切断されるとともに前記第2接続部が前記頭部本体との接続を維持することによって、前記頭部本体に部分的に接続された状態となるように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の結束バンド。
【請求項13】
前記増し締め部は、前記バンド爪と係合しバンド部を増し締め方向に送る送り爪を含み、
前記送り爪は、撓み変形可能な薄肉部を有し、
前記送り爪は、前記増し締め部が前記頭部本体から分離しないように前記第2接続部が前記頭部本体との接続を維持した状態で増し締め方向に引っ張られる際には、前記バンド部のバンド爪と係合して前記バンド部を増し締め方向に送り、前記増し締め部が前記頭部本体から分離しないように前記第2接続部が前記頭部本体との接続を維持した状態で増し締め方向と反対方向に移動される際には、前記薄肉部が撓み変形することにより前記バンド部のバンド爪との係合が解除されて前記バンド部の増し締め方向と反対方向に移動され、再度、前記増し締め部が増し締め方向に引っ張られることにより前記バンド部を再度増し締め方向に送ることができるように構成されている、請求項12に記載の結束バンド。








【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−113330(P2013−113330A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257641(P2011−257641)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】