結束装置
【課題】印刷済のフィルムを用いて効率的に被結束体を結束できる結束装置を提供する。
【解決手段】結束装置1は、印刷可能なフィルム8に印刷を行う印刷機構34,35を備えている。また、結束装置1のベース部材2とアーム部材3とは、離間及び接触するように相対的に移動可能で、離間した状態の相互空間には印刷機構34,35により印刷済のフィルム8が掛け渡される。ベース部材2の押圧プレート22とアーム部材3の押圧部材32とは、掛け渡されたフィルム8への被結束体7の押し当てにより、被結束体7のフィルム8に触れる側とは反対側で接触し、その接触の際に挟んだフィルム8を接合する。これにより、印刷したフィルム8を取り外すことなくそのまま用いて被結束体7を結束でき、一つの結束装置1で印刷作業と結束作業との双方を行うことができる。
【解決手段】結束装置1は、印刷可能なフィルム8に印刷を行う印刷機構34,35を備えている。また、結束装置1のベース部材2とアーム部材3とは、離間及び接触するように相対的に移動可能で、離間した状態の相互空間には印刷機構34,35により印刷済のフィルム8が掛け渡される。ベース部材2の押圧プレート22とアーム部材3の押圧部材32とは、掛け渡されたフィルム8への被結束体7の押し当てにより、被結束体7のフィルム8に触れる側とは反対側で接触し、その接触の際に挟んだフィルム8を接合する。これにより、印刷したフィルム8を取り外すことなくそのまま用いて被結束体7を結束でき、一つの結束装置1で印刷作業と結束作業との双方を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷可能層を有する長尺状のフィルムを用いて被結束体を結束する結束装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スーパーマーケット等の店舗においては、商品に予め付された売価を示すバーコードを精算装置に読み取らせることで売価の精算がなされる。このため、例えば「ほうれん草」「ねぎ」及び「見切り品」などのように、複数の食品を結束した状態で販売する商品においては、複数の食品をテープなどの結束用材で結束した上で、さらに、商品名、バーコード及び売価等の販売情報が印刷されたラベルを貼付するという煩雑な作業が必要となる。
【0003】
また近年、店舗において販売に供される食品には、通常の販売情報のみならず、アイキャッチ情報、商品説明情報及び生産履歴情報など、一のラベルへの記載可能量を超えるような多くの情報を付することが要求される。このため、上記のような複数の食品を結束状態で販売する商品にも、複数のラベルの貼付が必要となり、作業性の低下が問題となっている。
【0004】
このような問題に対応するため、近年、食品の結束に利用するための結束用材として、「サーマルポップラップ」と呼ばれる、表面に印刷可能な感熱層を有する長尺状のフィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。感熱層に各種の情報を印刷した当該フィルムを用いて食品を結束すれば、ラベルなどの貼付を伴うことなく、結束と同時に被結束体となった食品に対して各種の情報を付することが可能となる。
【0005】
【特許文献1】特開2004−189297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の印刷可能なフィルムを用いる場合は、まず、印刷装置でフィルムを印刷した上で、印刷済のフィルムを用いて被結束体としての食品を結束することになる。すなわち、印刷作業と結束作業との2つの作業が必要となる。このため、これら2つの作業を効率よく行うことが可能な装置が要望されていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、印刷済のフィルムを用いて効率的に被結束体を結束できる結束装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、印刷可能層を有する長尺状のフィルムを用いて被結束体を結束する結束装置であって、前記フィルムの前記印刷可能層に印刷を行う印刷手段と、離間及び接触するように相対的に移動可能で、離間した状態における相互空間に前記印刷手段により印刷済の前記フィルムが掛け渡される2つの相対可動部材と、を備え、前記2つの相対可動部材は、前記相互空間に掛け渡された前記フィルムへの前記被結束体の押し当てにより前記被結束体の前記フィルムに触れる側とは反対側で接触し、その接触の際に挟んだ前記フィルムを接合して前記被結束体を結束する。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の結束装置において、前記被結束体の結束に用いた前記フィルムを、結束に未使用の前記フィルムから切断する切断手段、をさらに備えている。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の結束装置において、前記2つの相対可動部材のうちの一方に配置され、結束に未使用の前記フィルムの一方の端部をロール状に保持する第1保持手段と、前記2つの相対可動部材のうちの他方に配置され、前記切断手段による切断後に、その切断箇所となった結束に未使用の前記フィルムの他方の端部を保持する第2保持手段と、をさらに備えている。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の結束装置において、前記2つの相対可動部材が離間する向きに、前記2つの相対可動部材の少なくとも一方を付勢する付勢手段、をさらに備えている。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の結束装置において、前記フィルムは、前記印刷可能層を有する第1主面とは逆の第2主面に粘着層を有し、前記2つの相対可動部材は、前記第2主面同士が重なるように前記フィルムを挟む。
【発明の効果】
【0013】
請求項1ないし5の発明によれば、フィルムを印刷し、その印刷したフィルムをそのまま用いて効率的に被結束体を結束することができる。
【0014】
また、特に請求項2の発明によれば、被結束体の結束に用いたフィルムを未使用のフィルムから切り離すことができ、結束した被結束体は結束装置に拘束されずに取り扱うことができる。
【0015】
また、特に請求項3の発明によれば、切断手段によるフィルムの切断後に、切断箇所となったフィルムの端部が保持されるため、2つの相対可動部材の相互空間にフィルムを容易に掛け渡すことができる。
【0016】
また、特に請求項4の発明によれば、2つの相対可動部材を自動的に離間させることができる。
【0017】
また、特に請求項5の発明によれば、フィルムを容易に接合できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る結束装置について説明する。
【0019】
<1.外観構成>
図1は、結束装置1の外観構成を示す図である。この結束装置1は、「サーマルポップラップ」と呼ばれる印刷可能な長尺状のフィルム8を印刷する印刷機能と、印刷済のフィルム8を用いて複数の食品を被結束体として結束する結束機能とを有している。結束装置1が対象とする被結束体の代表的な例としては、例えば「ほうれん草」「ねぎ」等の生鮮食料品や「見切り品」などである。
【0020】
図に示すように、結束装置1は、基底部として固定配置されるベース部材2と、ベース部材2の上部に配置されるアーム部材3とに大別される。ベース部材2とアーム部材3とは、接続軸4によって相互に接続され、アーム部材3は接続軸4を中心としてベース部材2に対し相対的に回転可能に支持される。また、ベース部材2とアーム部材3とに囲まれて、X軸方向に貫通する中央空間5が形成される。
【0021】
なお、以下の説明においては、方向及び向きを示す際に、適宜、図中に示す3次元のXYZ直交座標を用いる。このXYZ軸はベース部材2に対して相対的に固定される。ここで、X軸及びY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向(+Z側が上側)である。また、便宜上、Y軸方向を奥行方向とし、−Y側を前面側、+Y側を背面側とする。
【0022】
ベース部材2は、背面側(+Y側)に、接続軸4を介してアーム部材3を保持するアーム支持部21を備えている。一方で、ベース部材2は、その前面側(−Y側)に、操作パネル26、押圧プレート22及びガイドローラ25を備えている。
【0023】
操作パネル26は、各種の情報を表示するディスプレイ、及び、各種のボタンを備えて構成され、ユーザインターフェイスとして機能する。ユーザは、ディスプレイに表示された情報を参照しつつ、ボタンを介して必要な情報や指示を結束装置1に入力することが可能である。
【0024】
押圧プレート22は、XZ平面に沿い、かつ、上端部断面が半円形状に加工された板材で構成される。押圧プレート22の下方には上部開口した空洞としての凹部24が形成されており、押圧プレート22は、この凹部24からその上部が突き出るように配置されるとともに、上下方向(Z軸方向)に移動可能とされている。また、押圧プレート22の下部と凹部24との間にはコイルばね23が設けられ、押圧プレート22は、このコイルばね23により上向き(+Z側)に付勢される。図1では、この付勢力により、押圧プレート22が、その可動範囲の最上位置まで移動した状態となっている。
【0025】
また、凹部24の側面には、押圧プレート22の上下位置を検出するためのプレート位置センサ27が設けられている。プレート位置センサ27は、例えば、複数の反射型の光センサを上下方向に配置して構成され、各光センサによる検査結果に基づいて、押圧プレート22がその可動範囲のいずれの位置にあるかを検出する。
【0026】
ガイドローラ25は、軸方向がX軸方向に沿った円柱部材で構成され、押圧プレート22の背面側(+Y側)に隣接して配置される。このような配置により、ガイドローラ25と押圧プレート22とは、押圧プレート22がその可動範囲の最上位置まで移動した際において接触する(図1の状態)。ガイドローラ25は、ワンウェイベアリングを備えており、押圧プレート22と接触する側が下方に移動する向き(図中における左回転方向:矢印AR1の方向)への回転のみが可能とされている。
【0027】
一方、アーム部材3は、略L字状に屈曲した形状を有しており、おおよそY軸方向に延びる長手部材3aと、おおよそZ軸方向に延びる短手部材3bとに大別される。もちろん、アーム部材3全体の回転移動により、長手部材3aや短手部材3bが延びる方向は変化するが、以下の構成説明では、説明を簡単にするため、図1の状態に基づいて方向を示す。
【0028】
長手部材3aの背面側(+Y側)端部は、接続軸4を介してベース部材2と接続するための接続部31となっている。一方で、長手部材3aの前面側(−Y側)端部は屈曲され、短手部材3bが下方(−Z側)に延びるように形成される。
【0029】
この長手部材3aの長手方向の略中央部の上には、未使用のフィルム8を保持するためのフィルム保持部33が設けられている。未印刷のフィルム8は、その一端がフィルム保持部33にロール状に巻回された状態で回転自在に保持されるとともに、その他端がフィルム保持部33から自由に繰り出し可能とされる。
【0030】
また、短手部材3bには、その内部にフィルム8を印刷するための印刷機構としての印刷ヘッド34とプラテンローラ35とが設けられる。印刷ヘッド34は、複数の発熱素子をX軸方向に沿ってライン状に備えたサーマルヘッドで構成される。印刷ヘッド34は、複数の発熱素子の選択的な発熱により、印刷すべき情報をフィルム8に形成する。
【0031】
プラテンローラ35は、印刷ヘッド34の複数の発熱素子に対向配置され、印刷時において印刷面とは反対の面からフィルム8を支持する部材として機能する。プラテンローラ35は、ステッピングモータを備えている。このステッピングモータの駆動によって、プラテンローラ35は図中における左回転方向へ回転駆動し、印刷ヘッド34との間に挟んだ印刷中のフィルム8を搬送する。
【0032】
また、短手部材3bの下端部の前面側となる一部は突出し、ベース部材2の押圧プレート22に接触する押圧部材32を形成している。この押圧部材32の先端部はX軸方向に延び、その断面が半円形状となるように加工される。
【0033】
また、この押圧部材32の先端部近傍の背面(+Y側)には、フィルム8を切断するためのフィルムカッタ37が設けられている。フィルムカッタ37は、ヒータを備えており、接触されるフィルム8を発熱により効率的に切断する。
【0034】
一方、押圧部材32の付け根部分の背面側(+Y側)には、軸方向がX軸方向に沿った円柱部材で構成されたガイドローラ36が回転自在に設けられている。このガイドローラ36は、フィルム8の経路を案内することになる。
【0035】
フィルム保持部33から自由に繰り出し可能な側のフィルム8の端部は、ベース部材2まで掛け渡され、押圧プレート22とガイドローラ25との間の位置P2において、これらに挟み込まれて固定保持される。そして、フィルム8の中間部分は、プラテンローラ35及びガイドローラ36に案内された状態とされる。すなわち、フィルム保持部33から繰り出されたフィルム8の経路は、上流側から順に、印刷ヘッド34とプラテンローラ35との間の位置P1、及び、ガイドローラ36の背面側(+Y側)を経由し、ベース部材2側の位置P2まで至ることになる。
【0036】
また、ベース部材2とアーム部材3とを接続する接続軸4の近傍には、ねじりコイルばね41が設けられており、その一方の端部がベース部材2に、他方の端部がアーム部材3にそれぞれ固定されている。したがって、ベース部材2とアーム部材3とは、このねじりコイルばね41により、それらの前面側(−Y側)が相互に離間する向きに(押圧プレート22と押圧部材32とが離間する向きに)付勢される。この一方で、ベース部材2とアーム部材3との前面側(−Y側)の相互間に掛け渡されたフィルム8は、ベース部材2側の位置P2で固定保持されるとともに、アーム部材3側の位置P1においても印刷ヘッド34とプラテンローラ35との間に挟み込まれて固定保持される。これにより、ベース部材2とアーム部材3とは、ねじりコイルばね41による付勢力が与えられつつも、離間せずに図1の状態を保つことになる。
【0037】
<2.電気的構成>
また、ベース部材2の内部には、結束装置1の電気的な構成部を統括的に制御する制御部が設けられている。図2は、このような制御部10を含む結束装置1の電気的な構成を機能ブロックにて示す図である。
【0038】
制御部10は、マイクロコンピュータを備えて構成される。より具体的には、制御部10は、各種演算処理を行うCPU11、制御用プログラム等を記憶するROM12、演算処理の作業領域となるRAM13、及び、各種データを記憶する不揮発性メモリであるバッテリーバックアップされたSRAM14等を備えている。
【0039】
この制御部10は、上述したベース部材2の操作パネル26及びプレート位置センサ27、並びに、アーム部材3の印刷ヘッド34、プラテンローラ35及びフィルムカッタ37とそれぞれバスライン42を介して電気的に接続される。これにより、これらの電気的な構成部は、制御部10の制御下にて動作することとなる。
【0040】
制御部10の各種の制御機能は、ROM12内に予め記憶された制御用のプログラムに従ってCPU11が演算処理を行うことにより実現されることになる。また、フィルム8の印刷に用いられる画像データ等の印刷に必要な各種のデータは、SRAM14に予め記憶される。
【0041】
<3.フィルム>
次に、結束装置1において用いられる長尺状のフィルム8について説明する。図3はフィルムの一の主面8aの一部の様子を示し、図4は他の主面8bの一部の様子を示している。図3に示す主面8aは、フィルム保持部33における保持状態(ロール状態)において外側となる面であり、以下便宜上「オモテ面」8aという。一方、図4に示す主面8bは、保持状態において内側となる面であり、以下便宜上「ウラ面」8bという。フィルム8を構成する基材80としては、例えば、無色透明なOPPフィルム(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)などが採用される。
【0042】
図3に示すように、フィルム8のオモテ面8aにおいては、フィルム8の幅方向に沿って「アイマーク」と呼ばれるライン81が、フィルム8が延びる方向の所定の間隔ごとに形成される。このライン81は、印刷の位置決めなどに用いられる。
【0043】
これらのライン81の相互間には、フィルム8が延びる方向に長手方向が沿った略長方形状の白色の感熱層82が形成される。このような感熱層82は、感熱発色剤や顕色剤等を含む公知の感熱インクを基材80の表面に塗布して乾燥させることにより形成される。
【0044】
一方、図4に示すように、フィルム8のウラ面8bにおいては、フィルム8の幅方向の端部の双方に、フィルム8が延びる方向に沿って粘着層84が設けられている。このような粘着層84は、被結束体を固定するために利用されるものであり、基材80の表面に公知の粘着剤を塗布することで形成される。
【0045】
フィルム8のロール状態においては、ウラ面8bの粘着層84はオモテ面8aと重なることになる。このため、ロール状態からフィルム8の繰り出しが容易となるように、図3に示すように、ウラ面8bの粘着層84が形成される部分に重なるオモテ面8aの部分には、シリコーン系樹脂などの離型剤を含む離型層83が形成される。
【0046】
オモテ面8aの感熱層82は、これらの離型層83と重ならないように形成されることになる。この感熱層82は、熱エネルギーを与えることにより黒化する。このため、上述した印刷ヘッド34は、この感熱層82に対して選択的に熱エネルギーを与えることにより、各種情報をフィルム8に印刷することができることになる。したがって、感熱層82は印刷可能層であるともいえ、オモテ面8aは印刷可能面であるともいえる。
【0047】
図5は、感熱層82に印刷を行った後のオモテ面8aの一例を示す図である。感熱層82は、フィルム8が延びる方向に沿って比較的長く形成可能であるため、食品への貼付に利用される一般的なラベルと比較して、広い面積を有することになる。したがって、感熱層82には、一般的なラベルよりも多くの情報を印刷することが可能である。
【0048】
図5の例では、販売に必要な商品名、バーコード及び売価等を示す「販売情報」d1の他、消費者の目に付きやすいよう視覚効果を高めるための「アイキャッチ情報」d2、商品の特質や調理方法などを説明する「商品説明情報」d3、並びに、商品の生産者や生産履歴を示す「二次元コード」d4などが印刷されている。
【0049】
したがって、このようなフィルム8を用いて被結束体を結束すれば、他にラベル等の貼付をしなくとも、被結束体としての食品に対して多くの情報を付することができることになる。なお、フィルム8への印刷内容は図5の例に限定されるものではなく、他の文字情報や、図形、記号及び画像等が含まれていてもよい。また、フィルム8の感熱層82に、一色あるいは複数色(カラー)にて予め所定内容の印刷(プリ印刷)を行っておき、このプリ印刷がなされた感熱層82に対してさらに印刷ヘッド34により印刷を行うようにしてもよい。
【0050】
<4.結束動作>
図6は、結束装置1を用いて被結束体を結束する際の流れを示す図である。また、図7ないし図12は、この際における結束装置1の具体的な様子を示す図である。以下、図6ないし図12を参照して、結束装置1を用いて被結束体を結束する動作について説明する。
【0051】
まず、図7に示す状態の結束装置1に対し、ユーザが操作パネル26を介して、フィルム8の印刷指示を行う。この際、フィルム8に印刷する内容等に係る必要なデータの入力や選択がなされる(ステップS1)。
【0052】
このような印刷指示に応答し結束装置1では、制御部10の制御により、フィルム8に対する印刷が行われる。すなわち、印刷ヘッド34の発熱素子が選択的に発熱されることにより、フィルム8の感熱層82に、図5に示すような印刷内容が形成される(ステップS2)。
【0053】
この印刷の際には、図7に示すように、プラテンローラ35により、フィルム8がフィルム保持部33から繰り出されつつ、矢印AR2の方向に徐々に搬送される。この印刷の進行に伴い、フィルム8を固定保持する位置P1と位置P2との間に存在するフィルム8の長さが徐々に長くなる。このため、ねじりコイルばね41の付勢力によってアーム部材3がベース部材2に対して回転移動し、押圧プレート22と押圧部材32とが徐々に離間していく。
【0054】
そして、フィルム8への印刷が完了すると、図8に示すように、押圧プレート22と押圧部材32とが離間して、中央空間5を前面側(−Y側)に開口するように、それらの相互空間としての開口部51が形成される。これとともに、この開口部51に、印刷済のフィルム8が掛け渡された状態となる。
【0055】
より具体的には、ベース部材2側の位置P2と、アーム部材3側のガイドローラ36との間に、印刷済のフィルム8が弛みなく張られた状態となる。フィルム8は、アーム部材3側の位置P1及びベース部材2側の位置P2で固定保持され、掛け渡されたフィルム8には、ねじりコイルばね41による付勢力によって張力が与えられる。またこの際、印刷が行われた感熱層82のあるフィルム8のオモテ面8aは前面側(−Y側)に位置し、粘着層84を有するフィルム8のウラ面8bは中央空間5側(+Y側)に位置することになる。
【0056】
結束装置1が図8に示す状態となると、次に、ユーザは、被結束体7を中央空間5に入れて前面側(−Y側)に移動させ、開口部51に掛け渡された印刷済のフィルム8のウラ面8bに対して被結束体7を押し当てる(ステップS3)。
【0057】
これにより図9に示すように、開口部51に掛け渡されたフィルム8が前面側(−Y側)に引っ張られる。このフィルム8の移動に伴って、押圧プレート22と押圧部材32とが接触する向きに、アーム部材3がベース部材2に対して回転移動していく。
【0058】
そして、ユーザが被結束体7をさらに移動させるとアーム部材3がさらに回転移動し、図10に示すように、被結束体7の背面側(+Y側)(すなわち、被結束体7のフィルム8に触れる側(−Y側)とは反対側)で、押圧プレート22と押圧部材32とが接触することになる。このとき、ユーザは、アーム部材3の屈曲部分39を押し下げるなどして、積極的にアーム部材3を回転移動させてもよい。
【0059】
押圧プレート22と押圧部材32とは、ウラ面8b同士が重なるようにしてフィルム8を挟み込んで接触することになる。したがってこれにより、被結束体7の前面側(−Y側)はフィルム8に囲まれる一方、被結束体7の背面側(+Y側)は粘着層84の働きによりフィルム8同士が接着される(ステップS4)。その結果、被結束体7の周囲全体がフィルム8の粘着層84のあるウラ面8bに面した状態で囲まれ、被結束体7が結束されることになる。
【0060】
続いて、ユーザは、アーム部材3の屈曲部分39を押し下げて、この図10の状態からさらにアーム部材3を回転移動させる。これにより、図11に示すように、押圧部材32が押圧プレート22を押圧した状態で下方側に移動し、押圧プレート22がコイルばね23の付勢力に逆らってその可動範囲の最下位置まで移動する。
【0061】
この移動により、被結束体7の結合に利用されたフィルム8の接着部分の上流側近傍がフィルムカッタ37と接触し、その上流側の結束に未使用のフィルム8から切断される。これにより、図12に示すように、結束された被結束体7が切り離され、結束装置1に拘束されずに独立して取扱い可能となる。フィルムカッタ37のヒータの発熱は、プレート位置センサ27による押圧プレート22の下方への移動の検出に応答して、制御部10の制御によりなされることになる(ステップS5)。
【0062】
フィルム8が切断されると、ユーザはアーム部材3を開放する。図12に示すように、ユーザがアーム部材3を開放する直前の時点では、切断箇所となった結束に未使用のフィルム8の端部は、アーム部材3の押圧部材32とベース部材2のガイドローラ25との間の位置P3において挟み込まれて保持されている。
【0063】
そして、ユーザがアーム部材3を開放すると、押圧部材32は、ねじりコイルばね41の付勢力、及び、押圧プレート22に与えられるコイルばね23の付勢力によって上方に移動することになる。しかしながら、未使用のフィルム8の端部は、押圧部材32ともに移動せず、そのウラ面8bの粘着層84の働き、及び、ガイドローラ25のワンウェイベアリングの働きによりガイドローラ25への接着状態を維持する。そして、このフィルム8の端部は、押圧部材32の代わりに、上方に移動してきた押圧プレート22との間に再び挟み込まれて固定保持される。つまり、切断箇所となった結束に未使用のフィルム8の端部は、ベース部材2側に保持されることになる(ステップS6)。
【0064】
これにより、結束装置1は図7に示す状態に戻り、次の印刷指示を待機する状態となる。結束装置1が図7に示す状態となったことは、プレート位置センサ27による押圧プレート22の最上位置への移動の検出に基づいて、制御部10に認識されることになる。
【0065】
<5.まとめ>
以上説明したように、結束装置1は、フィルム8の感熱層82に印刷を行う印刷機構34,35を備えている。また、結束装置1のベース部材2とアーム部材3とは、離間及び接触するように相対的に移動可能で、離間した状態の相互空間としての開口部51には、印刷機構34,35により印刷済のフィルム8が掛け渡される。ベース部材2の押圧プレート22とアーム部材3の押圧部材32とは、開口部51に掛け渡されたフィルム8への被結束体7の押し当てにより、被結束体7のフィルム8に触れる側とは反対側で接触し、その接触の際に挟んだフィルム8を接合する。これにより、印刷済のフィルム8によって被結束体7が結束されるようになっている。したがって、印刷したフィルム8を取り外すことなくそのまま用いて被結束体7を結束でき、一つの結束装置1で印刷作業と結束作業との双方を効率的に行うことができることになる。
【0066】
また、結束装置1は、被結束体7の結束に用いたフィルム8を、結束に未使用のフィルム8から切断するフィルムカッタ37を備えているため、結束後の被結束体7は、結束装置1に拘束されずに取り扱うことができる。
【0067】
また、フィルムカッタ37による切断後には、その切断箇所となった結束に未使用のフィルム8の端部はベース部材2側の位置P2において保持されるため、ベース部材2とアーム部材3との相互間にフィルム8を容易に掛け渡すことができる。
【0068】
また、ベース部材2とアーム部材3とは、ねじりコイルばね41によって押圧プレート22と押圧部材32とが相互に離間する向きに付勢される。このため、押圧プレート22と押圧部材32とを自動的に離間させることができ、印刷済のフィルム8が掛け渡された状態の開口部51を容易に形成できることとなる。
【0069】
<6.他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0070】
上記実施の形態では、押圧プレート22と押圧部材32とは、接合が容易なように、フィルム8のウラ面8b同士が重なるように挟み込んで圧着することでフィルム8同士を接合していたが、フィルム8同士を有効に接合できれば接合手法は他の手法であってもよい。例えば、加熱によってフィルム8同士を溶着(熱シール)させるものであってもよい。また、フィルム8のオモテ面8aとウラ面8bとを重ねることで接合するものであってもよい。
【0071】
また、上記実施の形態では、ベース部材2とアーム部材3とは接続軸4を中心として相対的に回転移動するものであったが、離間及び接触するように相対的に移動可能であれば、直線的に相対移動するものであってもよい。また、離間及び接触する部分の配置方向は、上記実施の形態のような略上下方向のみならず、略水平方向であってもよい。
【0072】
また、上記実施の形態では、ねじりコイルばね41によってベース部材2とアーム部材3との双方を離間するように付勢していたが、相対的に移動可能な2つの相対可動部材のうちの一方を固定配置するものであれば、移動可能な他方のみを付勢してもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、印刷ヘッド34としてサーマルヘッドを採用していたが、インクジェットヘッドなどの他の方式の印刷ヘッドを採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】結束装置の外観構成を示す図である。
【図2】結束装置の電気的な構成を示す図である。
【図3】フィルムのオモテ面の様子を示す図である。
【図4】フィルムのウラ面の様子を示す図である。
【図5】印刷を行った後のフィルムのオモテ面の様子を示す図である。
【図6】結束装置を用いて被結束体を結束する際の流れを示す図である。
【図7】被結束体を結束する際における結束装置の様子を示す図である。
【図8】被結束体を結束する際における結束装置の様子を示す図である。
【図9】被結束体を結束する際における結束装置の様子を示す図である。
【図10】被結束体を結束する際における結束装置の様子を示す図である。
【図11】被結束体を結束する際における結束装置の様子を示す図である。
【図12】被結束体を結束する際における結束装置の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
2 ベース部材
3 アーム部材
7 被結束体
8 フィルム
22 押圧プレート
32 押圧部材
34 印刷ヘッド
35 プラテンローラ
37 フィルムカッタ
41 ねじりコイルばね
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷可能層を有する長尺状のフィルムを用いて被結束体を結束する結束装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スーパーマーケット等の店舗においては、商品に予め付された売価を示すバーコードを精算装置に読み取らせることで売価の精算がなされる。このため、例えば「ほうれん草」「ねぎ」及び「見切り品」などのように、複数の食品を結束した状態で販売する商品においては、複数の食品をテープなどの結束用材で結束した上で、さらに、商品名、バーコード及び売価等の販売情報が印刷されたラベルを貼付するという煩雑な作業が必要となる。
【0003】
また近年、店舗において販売に供される食品には、通常の販売情報のみならず、アイキャッチ情報、商品説明情報及び生産履歴情報など、一のラベルへの記載可能量を超えるような多くの情報を付することが要求される。このため、上記のような複数の食品を結束状態で販売する商品にも、複数のラベルの貼付が必要となり、作業性の低下が問題となっている。
【0004】
このような問題に対応するため、近年、食品の結束に利用するための結束用材として、「サーマルポップラップ」と呼ばれる、表面に印刷可能な感熱層を有する長尺状のフィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。感熱層に各種の情報を印刷した当該フィルムを用いて食品を結束すれば、ラベルなどの貼付を伴うことなく、結束と同時に被結束体となった食品に対して各種の情報を付することが可能となる。
【0005】
【特許文献1】特開2004−189297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の印刷可能なフィルムを用いる場合は、まず、印刷装置でフィルムを印刷した上で、印刷済のフィルムを用いて被結束体としての食品を結束することになる。すなわち、印刷作業と結束作業との2つの作業が必要となる。このため、これら2つの作業を効率よく行うことが可能な装置が要望されていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、印刷済のフィルムを用いて効率的に被結束体を結束できる結束装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、印刷可能層を有する長尺状のフィルムを用いて被結束体を結束する結束装置であって、前記フィルムの前記印刷可能層に印刷を行う印刷手段と、離間及び接触するように相対的に移動可能で、離間した状態における相互空間に前記印刷手段により印刷済の前記フィルムが掛け渡される2つの相対可動部材と、を備え、前記2つの相対可動部材は、前記相互空間に掛け渡された前記フィルムへの前記被結束体の押し当てにより前記被結束体の前記フィルムに触れる側とは反対側で接触し、その接触の際に挟んだ前記フィルムを接合して前記被結束体を結束する。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の結束装置において、前記被結束体の結束に用いた前記フィルムを、結束に未使用の前記フィルムから切断する切断手段、をさらに備えている。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の結束装置において、前記2つの相対可動部材のうちの一方に配置され、結束に未使用の前記フィルムの一方の端部をロール状に保持する第1保持手段と、前記2つの相対可動部材のうちの他方に配置され、前記切断手段による切断後に、その切断箇所となった結束に未使用の前記フィルムの他方の端部を保持する第2保持手段と、をさらに備えている。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の結束装置において、前記2つの相対可動部材が離間する向きに、前記2つの相対可動部材の少なくとも一方を付勢する付勢手段、をさらに備えている。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の結束装置において、前記フィルムは、前記印刷可能層を有する第1主面とは逆の第2主面に粘着層を有し、前記2つの相対可動部材は、前記第2主面同士が重なるように前記フィルムを挟む。
【発明の効果】
【0013】
請求項1ないし5の発明によれば、フィルムを印刷し、その印刷したフィルムをそのまま用いて効率的に被結束体を結束することができる。
【0014】
また、特に請求項2の発明によれば、被結束体の結束に用いたフィルムを未使用のフィルムから切り離すことができ、結束した被結束体は結束装置に拘束されずに取り扱うことができる。
【0015】
また、特に請求項3の発明によれば、切断手段によるフィルムの切断後に、切断箇所となったフィルムの端部が保持されるため、2つの相対可動部材の相互空間にフィルムを容易に掛け渡すことができる。
【0016】
また、特に請求項4の発明によれば、2つの相対可動部材を自動的に離間させることができる。
【0017】
また、特に請求項5の発明によれば、フィルムを容易に接合できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る結束装置について説明する。
【0019】
<1.外観構成>
図1は、結束装置1の外観構成を示す図である。この結束装置1は、「サーマルポップラップ」と呼ばれる印刷可能な長尺状のフィルム8を印刷する印刷機能と、印刷済のフィルム8を用いて複数の食品を被結束体として結束する結束機能とを有している。結束装置1が対象とする被結束体の代表的な例としては、例えば「ほうれん草」「ねぎ」等の生鮮食料品や「見切り品」などである。
【0020】
図に示すように、結束装置1は、基底部として固定配置されるベース部材2と、ベース部材2の上部に配置されるアーム部材3とに大別される。ベース部材2とアーム部材3とは、接続軸4によって相互に接続され、アーム部材3は接続軸4を中心としてベース部材2に対し相対的に回転可能に支持される。また、ベース部材2とアーム部材3とに囲まれて、X軸方向に貫通する中央空間5が形成される。
【0021】
なお、以下の説明においては、方向及び向きを示す際に、適宜、図中に示す3次元のXYZ直交座標を用いる。このXYZ軸はベース部材2に対して相対的に固定される。ここで、X軸及びY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向(+Z側が上側)である。また、便宜上、Y軸方向を奥行方向とし、−Y側を前面側、+Y側を背面側とする。
【0022】
ベース部材2は、背面側(+Y側)に、接続軸4を介してアーム部材3を保持するアーム支持部21を備えている。一方で、ベース部材2は、その前面側(−Y側)に、操作パネル26、押圧プレート22及びガイドローラ25を備えている。
【0023】
操作パネル26は、各種の情報を表示するディスプレイ、及び、各種のボタンを備えて構成され、ユーザインターフェイスとして機能する。ユーザは、ディスプレイに表示された情報を参照しつつ、ボタンを介して必要な情報や指示を結束装置1に入力することが可能である。
【0024】
押圧プレート22は、XZ平面に沿い、かつ、上端部断面が半円形状に加工された板材で構成される。押圧プレート22の下方には上部開口した空洞としての凹部24が形成されており、押圧プレート22は、この凹部24からその上部が突き出るように配置されるとともに、上下方向(Z軸方向)に移動可能とされている。また、押圧プレート22の下部と凹部24との間にはコイルばね23が設けられ、押圧プレート22は、このコイルばね23により上向き(+Z側)に付勢される。図1では、この付勢力により、押圧プレート22が、その可動範囲の最上位置まで移動した状態となっている。
【0025】
また、凹部24の側面には、押圧プレート22の上下位置を検出するためのプレート位置センサ27が設けられている。プレート位置センサ27は、例えば、複数の反射型の光センサを上下方向に配置して構成され、各光センサによる検査結果に基づいて、押圧プレート22がその可動範囲のいずれの位置にあるかを検出する。
【0026】
ガイドローラ25は、軸方向がX軸方向に沿った円柱部材で構成され、押圧プレート22の背面側(+Y側)に隣接して配置される。このような配置により、ガイドローラ25と押圧プレート22とは、押圧プレート22がその可動範囲の最上位置まで移動した際において接触する(図1の状態)。ガイドローラ25は、ワンウェイベアリングを備えており、押圧プレート22と接触する側が下方に移動する向き(図中における左回転方向:矢印AR1の方向)への回転のみが可能とされている。
【0027】
一方、アーム部材3は、略L字状に屈曲した形状を有しており、おおよそY軸方向に延びる長手部材3aと、おおよそZ軸方向に延びる短手部材3bとに大別される。もちろん、アーム部材3全体の回転移動により、長手部材3aや短手部材3bが延びる方向は変化するが、以下の構成説明では、説明を簡単にするため、図1の状態に基づいて方向を示す。
【0028】
長手部材3aの背面側(+Y側)端部は、接続軸4を介してベース部材2と接続するための接続部31となっている。一方で、長手部材3aの前面側(−Y側)端部は屈曲され、短手部材3bが下方(−Z側)に延びるように形成される。
【0029】
この長手部材3aの長手方向の略中央部の上には、未使用のフィルム8を保持するためのフィルム保持部33が設けられている。未印刷のフィルム8は、その一端がフィルム保持部33にロール状に巻回された状態で回転自在に保持されるとともに、その他端がフィルム保持部33から自由に繰り出し可能とされる。
【0030】
また、短手部材3bには、その内部にフィルム8を印刷するための印刷機構としての印刷ヘッド34とプラテンローラ35とが設けられる。印刷ヘッド34は、複数の発熱素子をX軸方向に沿ってライン状に備えたサーマルヘッドで構成される。印刷ヘッド34は、複数の発熱素子の選択的な発熱により、印刷すべき情報をフィルム8に形成する。
【0031】
プラテンローラ35は、印刷ヘッド34の複数の発熱素子に対向配置され、印刷時において印刷面とは反対の面からフィルム8を支持する部材として機能する。プラテンローラ35は、ステッピングモータを備えている。このステッピングモータの駆動によって、プラテンローラ35は図中における左回転方向へ回転駆動し、印刷ヘッド34との間に挟んだ印刷中のフィルム8を搬送する。
【0032】
また、短手部材3bの下端部の前面側となる一部は突出し、ベース部材2の押圧プレート22に接触する押圧部材32を形成している。この押圧部材32の先端部はX軸方向に延び、その断面が半円形状となるように加工される。
【0033】
また、この押圧部材32の先端部近傍の背面(+Y側)には、フィルム8を切断するためのフィルムカッタ37が設けられている。フィルムカッタ37は、ヒータを備えており、接触されるフィルム8を発熱により効率的に切断する。
【0034】
一方、押圧部材32の付け根部分の背面側(+Y側)には、軸方向がX軸方向に沿った円柱部材で構成されたガイドローラ36が回転自在に設けられている。このガイドローラ36は、フィルム8の経路を案内することになる。
【0035】
フィルム保持部33から自由に繰り出し可能な側のフィルム8の端部は、ベース部材2まで掛け渡され、押圧プレート22とガイドローラ25との間の位置P2において、これらに挟み込まれて固定保持される。そして、フィルム8の中間部分は、プラテンローラ35及びガイドローラ36に案内された状態とされる。すなわち、フィルム保持部33から繰り出されたフィルム8の経路は、上流側から順に、印刷ヘッド34とプラテンローラ35との間の位置P1、及び、ガイドローラ36の背面側(+Y側)を経由し、ベース部材2側の位置P2まで至ることになる。
【0036】
また、ベース部材2とアーム部材3とを接続する接続軸4の近傍には、ねじりコイルばね41が設けられており、その一方の端部がベース部材2に、他方の端部がアーム部材3にそれぞれ固定されている。したがって、ベース部材2とアーム部材3とは、このねじりコイルばね41により、それらの前面側(−Y側)が相互に離間する向きに(押圧プレート22と押圧部材32とが離間する向きに)付勢される。この一方で、ベース部材2とアーム部材3との前面側(−Y側)の相互間に掛け渡されたフィルム8は、ベース部材2側の位置P2で固定保持されるとともに、アーム部材3側の位置P1においても印刷ヘッド34とプラテンローラ35との間に挟み込まれて固定保持される。これにより、ベース部材2とアーム部材3とは、ねじりコイルばね41による付勢力が与えられつつも、離間せずに図1の状態を保つことになる。
【0037】
<2.電気的構成>
また、ベース部材2の内部には、結束装置1の電気的な構成部を統括的に制御する制御部が設けられている。図2は、このような制御部10を含む結束装置1の電気的な構成を機能ブロックにて示す図である。
【0038】
制御部10は、マイクロコンピュータを備えて構成される。より具体的には、制御部10は、各種演算処理を行うCPU11、制御用プログラム等を記憶するROM12、演算処理の作業領域となるRAM13、及び、各種データを記憶する不揮発性メモリであるバッテリーバックアップされたSRAM14等を備えている。
【0039】
この制御部10は、上述したベース部材2の操作パネル26及びプレート位置センサ27、並びに、アーム部材3の印刷ヘッド34、プラテンローラ35及びフィルムカッタ37とそれぞれバスライン42を介して電気的に接続される。これにより、これらの電気的な構成部は、制御部10の制御下にて動作することとなる。
【0040】
制御部10の各種の制御機能は、ROM12内に予め記憶された制御用のプログラムに従ってCPU11が演算処理を行うことにより実現されることになる。また、フィルム8の印刷に用いられる画像データ等の印刷に必要な各種のデータは、SRAM14に予め記憶される。
【0041】
<3.フィルム>
次に、結束装置1において用いられる長尺状のフィルム8について説明する。図3はフィルムの一の主面8aの一部の様子を示し、図4は他の主面8bの一部の様子を示している。図3に示す主面8aは、フィルム保持部33における保持状態(ロール状態)において外側となる面であり、以下便宜上「オモテ面」8aという。一方、図4に示す主面8bは、保持状態において内側となる面であり、以下便宜上「ウラ面」8bという。フィルム8を構成する基材80としては、例えば、無色透明なOPPフィルム(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)などが採用される。
【0042】
図3に示すように、フィルム8のオモテ面8aにおいては、フィルム8の幅方向に沿って「アイマーク」と呼ばれるライン81が、フィルム8が延びる方向の所定の間隔ごとに形成される。このライン81は、印刷の位置決めなどに用いられる。
【0043】
これらのライン81の相互間には、フィルム8が延びる方向に長手方向が沿った略長方形状の白色の感熱層82が形成される。このような感熱層82は、感熱発色剤や顕色剤等を含む公知の感熱インクを基材80の表面に塗布して乾燥させることにより形成される。
【0044】
一方、図4に示すように、フィルム8のウラ面8bにおいては、フィルム8の幅方向の端部の双方に、フィルム8が延びる方向に沿って粘着層84が設けられている。このような粘着層84は、被結束体を固定するために利用されるものであり、基材80の表面に公知の粘着剤を塗布することで形成される。
【0045】
フィルム8のロール状態においては、ウラ面8bの粘着層84はオモテ面8aと重なることになる。このため、ロール状態からフィルム8の繰り出しが容易となるように、図3に示すように、ウラ面8bの粘着層84が形成される部分に重なるオモテ面8aの部分には、シリコーン系樹脂などの離型剤を含む離型層83が形成される。
【0046】
オモテ面8aの感熱層82は、これらの離型層83と重ならないように形成されることになる。この感熱層82は、熱エネルギーを与えることにより黒化する。このため、上述した印刷ヘッド34は、この感熱層82に対して選択的に熱エネルギーを与えることにより、各種情報をフィルム8に印刷することができることになる。したがって、感熱層82は印刷可能層であるともいえ、オモテ面8aは印刷可能面であるともいえる。
【0047】
図5は、感熱層82に印刷を行った後のオモテ面8aの一例を示す図である。感熱層82は、フィルム8が延びる方向に沿って比較的長く形成可能であるため、食品への貼付に利用される一般的なラベルと比較して、広い面積を有することになる。したがって、感熱層82には、一般的なラベルよりも多くの情報を印刷することが可能である。
【0048】
図5の例では、販売に必要な商品名、バーコード及び売価等を示す「販売情報」d1の他、消費者の目に付きやすいよう視覚効果を高めるための「アイキャッチ情報」d2、商品の特質や調理方法などを説明する「商品説明情報」d3、並びに、商品の生産者や生産履歴を示す「二次元コード」d4などが印刷されている。
【0049】
したがって、このようなフィルム8を用いて被結束体を結束すれば、他にラベル等の貼付をしなくとも、被結束体としての食品に対して多くの情報を付することができることになる。なお、フィルム8への印刷内容は図5の例に限定されるものではなく、他の文字情報や、図形、記号及び画像等が含まれていてもよい。また、フィルム8の感熱層82に、一色あるいは複数色(カラー)にて予め所定内容の印刷(プリ印刷)を行っておき、このプリ印刷がなされた感熱層82に対してさらに印刷ヘッド34により印刷を行うようにしてもよい。
【0050】
<4.結束動作>
図6は、結束装置1を用いて被結束体を結束する際の流れを示す図である。また、図7ないし図12は、この際における結束装置1の具体的な様子を示す図である。以下、図6ないし図12を参照して、結束装置1を用いて被結束体を結束する動作について説明する。
【0051】
まず、図7に示す状態の結束装置1に対し、ユーザが操作パネル26を介して、フィルム8の印刷指示を行う。この際、フィルム8に印刷する内容等に係る必要なデータの入力や選択がなされる(ステップS1)。
【0052】
このような印刷指示に応答し結束装置1では、制御部10の制御により、フィルム8に対する印刷が行われる。すなわち、印刷ヘッド34の発熱素子が選択的に発熱されることにより、フィルム8の感熱層82に、図5に示すような印刷内容が形成される(ステップS2)。
【0053】
この印刷の際には、図7に示すように、プラテンローラ35により、フィルム8がフィルム保持部33から繰り出されつつ、矢印AR2の方向に徐々に搬送される。この印刷の進行に伴い、フィルム8を固定保持する位置P1と位置P2との間に存在するフィルム8の長さが徐々に長くなる。このため、ねじりコイルばね41の付勢力によってアーム部材3がベース部材2に対して回転移動し、押圧プレート22と押圧部材32とが徐々に離間していく。
【0054】
そして、フィルム8への印刷が完了すると、図8に示すように、押圧プレート22と押圧部材32とが離間して、中央空間5を前面側(−Y側)に開口するように、それらの相互空間としての開口部51が形成される。これとともに、この開口部51に、印刷済のフィルム8が掛け渡された状態となる。
【0055】
より具体的には、ベース部材2側の位置P2と、アーム部材3側のガイドローラ36との間に、印刷済のフィルム8が弛みなく張られた状態となる。フィルム8は、アーム部材3側の位置P1及びベース部材2側の位置P2で固定保持され、掛け渡されたフィルム8には、ねじりコイルばね41による付勢力によって張力が与えられる。またこの際、印刷が行われた感熱層82のあるフィルム8のオモテ面8aは前面側(−Y側)に位置し、粘着層84を有するフィルム8のウラ面8bは中央空間5側(+Y側)に位置することになる。
【0056】
結束装置1が図8に示す状態となると、次に、ユーザは、被結束体7を中央空間5に入れて前面側(−Y側)に移動させ、開口部51に掛け渡された印刷済のフィルム8のウラ面8bに対して被結束体7を押し当てる(ステップS3)。
【0057】
これにより図9に示すように、開口部51に掛け渡されたフィルム8が前面側(−Y側)に引っ張られる。このフィルム8の移動に伴って、押圧プレート22と押圧部材32とが接触する向きに、アーム部材3がベース部材2に対して回転移動していく。
【0058】
そして、ユーザが被結束体7をさらに移動させるとアーム部材3がさらに回転移動し、図10に示すように、被結束体7の背面側(+Y側)(すなわち、被結束体7のフィルム8に触れる側(−Y側)とは反対側)で、押圧プレート22と押圧部材32とが接触することになる。このとき、ユーザは、アーム部材3の屈曲部分39を押し下げるなどして、積極的にアーム部材3を回転移動させてもよい。
【0059】
押圧プレート22と押圧部材32とは、ウラ面8b同士が重なるようにしてフィルム8を挟み込んで接触することになる。したがってこれにより、被結束体7の前面側(−Y側)はフィルム8に囲まれる一方、被結束体7の背面側(+Y側)は粘着層84の働きによりフィルム8同士が接着される(ステップS4)。その結果、被結束体7の周囲全体がフィルム8の粘着層84のあるウラ面8bに面した状態で囲まれ、被結束体7が結束されることになる。
【0060】
続いて、ユーザは、アーム部材3の屈曲部分39を押し下げて、この図10の状態からさらにアーム部材3を回転移動させる。これにより、図11に示すように、押圧部材32が押圧プレート22を押圧した状態で下方側に移動し、押圧プレート22がコイルばね23の付勢力に逆らってその可動範囲の最下位置まで移動する。
【0061】
この移動により、被結束体7の結合に利用されたフィルム8の接着部分の上流側近傍がフィルムカッタ37と接触し、その上流側の結束に未使用のフィルム8から切断される。これにより、図12に示すように、結束された被結束体7が切り離され、結束装置1に拘束されずに独立して取扱い可能となる。フィルムカッタ37のヒータの発熱は、プレート位置センサ27による押圧プレート22の下方への移動の検出に応答して、制御部10の制御によりなされることになる(ステップS5)。
【0062】
フィルム8が切断されると、ユーザはアーム部材3を開放する。図12に示すように、ユーザがアーム部材3を開放する直前の時点では、切断箇所となった結束に未使用のフィルム8の端部は、アーム部材3の押圧部材32とベース部材2のガイドローラ25との間の位置P3において挟み込まれて保持されている。
【0063】
そして、ユーザがアーム部材3を開放すると、押圧部材32は、ねじりコイルばね41の付勢力、及び、押圧プレート22に与えられるコイルばね23の付勢力によって上方に移動することになる。しかしながら、未使用のフィルム8の端部は、押圧部材32ともに移動せず、そのウラ面8bの粘着層84の働き、及び、ガイドローラ25のワンウェイベアリングの働きによりガイドローラ25への接着状態を維持する。そして、このフィルム8の端部は、押圧部材32の代わりに、上方に移動してきた押圧プレート22との間に再び挟み込まれて固定保持される。つまり、切断箇所となった結束に未使用のフィルム8の端部は、ベース部材2側に保持されることになる(ステップS6)。
【0064】
これにより、結束装置1は図7に示す状態に戻り、次の印刷指示を待機する状態となる。結束装置1が図7に示す状態となったことは、プレート位置センサ27による押圧プレート22の最上位置への移動の検出に基づいて、制御部10に認識されることになる。
【0065】
<5.まとめ>
以上説明したように、結束装置1は、フィルム8の感熱層82に印刷を行う印刷機構34,35を備えている。また、結束装置1のベース部材2とアーム部材3とは、離間及び接触するように相対的に移動可能で、離間した状態の相互空間としての開口部51には、印刷機構34,35により印刷済のフィルム8が掛け渡される。ベース部材2の押圧プレート22とアーム部材3の押圧部材32とは、開口部51に掛け渡されたフィルム8への被結束体7の押し当てにより、被結束体7のフィルム8に触れる側とは反対側で接触し、その接触の際に挟んだフィルム8を接合する。これにより、印刷済のフィルム8によって被結束体7が結束されるようになっている。したがって、印刷したフィルム8を取り外すことなくそのまま用いて被結束体7を結束でき、一つの結束装置1で印刷作業と結束作業との双方を効率的に行うことができることになる。
【0066】
また、結束装置1は、被結束体7の結束に用いたフィルム8を、結束に未使用のフィルム8から切断するフィルムカッタ37を備えているため、結束後の被結束体7は、結束装置1に拘束されずに取り扱うことができる。
【0067】
また、フィルムカッタ37による切断後には、その切断箇所となった結束に未使用のフィルム8の端部はベース部材2側の位置P2において保持されるため、ベース部材2とアーム部材3との相互間にフィルム8を容易に掛け渡すことができる。
【0068】
また、ベース部材2とアーム部材3とは、ねじりコイルばね41によって押圧プレート22と押圧部材32とが相互に離間する向きに付勢される。このため、押圧プレート22と押圧部材32とを自動的に離間させることができ、印刷済のフィルム8が掛け渡された状態の開口部51を容易に形成できることとなる。
【0069】
<6.他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0070】
上記実施の形態では、押圧プレート22と押圧部材32とは、接合が容易なように、フィルム8のウラ面8b同士が重なるように挟み込んで圧着することでフィルム8同士を接合していたが、フィルム8同士を有効に接合できれば接合手法は他の手法であってもよい。例えば、加熱によってフィルム8同士を溶着(熱シール)させるものであってもよい。また、フィルム8のオモテ面8aとウラ面8bとを重ねることで接合するものであってもよい。
【0071】
また、上記実施の形態では、ベース部材2とアーム部材3とは接続軸4を中心として相対的に回転移動するものであったが、離間及び接触するように相対的に移動可能であれば、直線的に相対移動するものであってもよい。また、離間及び接触する部分の配置方向は、上記実施の形態のような略上下方向のみならず、略水平方向であってもよい。
【0072】
また、上記実施の形態では、ねじりコイルばね41によってベース部材2とアーム部材3との双方を離間するように付勢していたが、相対的に移動可能な2つの相対可動部材のうちの一方を固定配置するものであれば、移動可能な他方のみを付勢してもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、印刷ヘッド34としてサーマルヘッドを採用していたが、インクジェットヘッドなどの他の方式の印刷ヘッドを採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】結束装置の外観構成を示す図である。
【図2】結束装置の電気的な構成を示す図である。
【図3】フィルムのオモテ面の様子を示す図である。
【図4】フィルムのウラ面の様子を示す図である。
【図5】印刷を行った後のフィルムのオモテ面の様子を示す図である。
【図6】結束装置を用いて被結束体を結束する際の流れを示す図である。
【図7】被結束体を結束する際における結束装置の様子を示す図である。
【図8】被結束体を結束する際における結束装置の様子を示す図である。
【図9】被結束体を結束する際における結束装置の様子を示す図である。
【図10】被結束体を結束する際における結束装置の様子を示す図である。
【図11】被結束体を結束する際における結束装置の様子を示す図である。
【図12】被結束体を結束する際における結束装置の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
2 ベース部材
3 アーム部材
7 被結束体
8 フィルム
22 押圧プレート
32 押圧部材
34 印刷ヘッド
35 プラテンローラ
37 フィルムカッタ
41 ねじりコイルばね
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷可能層を有する長尺状のフィルムを用いて被結束体を結束する結束装置であって、
前記フィルムの前記印刷可能層に印刷を行う印刷手段と、
離間及び接触するように相対的に移動可能で、離間した状態における相互空間に前記印刷手段により印刷済の前記フィルムが掛け渡される2つの相対可動部材と、
を備え、
前記2つの相対可動部材は、前記相互空間に掛け渡された前記フィルムへの前記被結束体の押し当てにより前記被結束体の前記フィルムに触れる側とは反対側で接触し、その接触の際に挟んだ前記フィルムを接合して前記被結束体を結束することを特徴とする結束装置。
【請求項2】
請求項1に記載の結束装置において、
前記被結束体の結束に用いた前記フィルムを、結束に未使用の前記フィルムから切断する切断手段、
をさらに備えることを特徴とする結束装置。
【請求項3】
請求項2に記載の結束装置において、
前記2つの相対可動部材のうちの一方に配置され、結束に未使用の前記フィルムの一方の端部をロール状に保持する第1保持手段と、
前記2つの相対可動部材のうちの他方に配置され、前記切断手段による切断後に、その切断箇所となった結束に未使用の前記フィルムの他方の端部を保持する第2保持手段と、
をさらに備えることを特徴とする結束装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の結束装置において、
前記2つの相対可動部材が離間する向きに、前記2つの相対可動部材の少なくとも一方を付勢する付勢手段、
をさらに備えることを特徴とする結束装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の結束装置において、
前記フィルムは、前記印刷可能層を有する第1主面とは逆の第2主面に粘着層を有し、
前記2つの相対可動部材は、前記第2主面同士が重なるように前記フィルムを挟むことを特徴とする結束装置。
【請求項1】
印刷可能層を有する長尺状のフィルムを用いて被結束体を結束する結束装置であって、
前記フィルムの前記印刷可能層に印刷を行う印刷手段と、
離間及び接触するように相対的に移動可能で、離間した状態における相互空間に前記印刷手段により印刷済の前記フィルムが掛け渡される2つの相対可動部材と、
を備え、
前記2つの相対可動部材は、前記相互空間に掛け渡された前記フィルムへの前記被結束体の押し当てにより前記被結束体の前記フィルムに触れる側とは反対側で接触し、その接触の際に挟んだ前記フィルムを接合して前記被結束体を結束することを特徴とする結束装置。
【請求項2】
請求項1に記載の結束装置において、
前記被結束体の結束に用いた前記フィルムを、結束に未使用の前記フィルムから切断する切断手段、
をさらに備えることを特徴とする結束装置。
【請求項3】
請求項2に記載の結束装置において、
前記2つの相対可動部材のうちの一方に配置され、結束に未使用の前記フィルムの一方の端部をロール状に保持する第1保持手段と、
前記2つの相対可動部材のうちの他方に配置され、前記切断手段による切断後に、その切断箇所となった結束に未使用の前記フィルムの他方の端部を保持する第2保持手段と、
をさらに備えることを特徴とする結束装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の結束装置において、
前記2つの相対可動部材が離間する向きに、前記2つの相対可動部材の少なくとも一方を付勢する付勢手段、
をさらに備えることを特徴とする結束装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の結束装置において、
前記フィルムは、前記印刷可能層を有する第1主面とは逆の第2主面に粘着層を有し、
前記2つの相対可動部材は、前記第2主面同士が重なるように前記フィルムを挟むことを特徴とする結束装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−168857(P2007−168857A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−369328(P2005−369328)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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