説明

結核の治療、予防及び管理のためのPDE4モジュレーターの使用法及び含有組成物

結核及び他の関連疾患を治療、予防、及び管理する方法を開示する。本方法は、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、若しくはプロドラッグを、任意に第2活性剤及び/又は他の従来療法と組合せて、投与することを含む。また、そのような方法における使用に適した医薬組成物、単一単位剤形、及びキットを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1. 分野)
本明細書において、PDE4モジュレーターを用い、結核及び関連障害を治療、予防、及び/又は管理する方法が提供される。そのような治療、予防、及び/又は管理のための医薬組成物及び投与方式も、本明細書において提供される。
【背景技術】
【0002】
(2. 背景)
(2.1 結核)
結核(TB)は、最も一般的には肺における、マイコバクテリアによる慢性再発性感染症である。一旦感染が確立されると、臨床的TBは、数ヶ月以内に顕在化されるか、又は数年間発症しないことがある。TBは一般に、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(M. tuberculosis)、マイコバクテリウム・ボビス(M. Bovis)、又はマイコバクテリウム・アフリカヌム(M. africanum)により引き起こされる疾患のみをいうが、その他のマイコバクテリアがTB類似した疾患を引き起こすことがある。
【0003】
TBは、一次又は初感染症、潜伏性又は休眠期感染症、及び再発型又は成人型TBの病期を通じ進行する。原発性TB感染症の大部分は、認められないまま、潜在性又は休眠期感染症を生じる。原発性TBは、いずれかの時点で活動し始め、任意の臓器でTBの臨床徴候を生じることがある。
【0004】
TBは一般に、殺菌薬又は静菌薬を使用する化学療法により治療される。しかしTB治療は複雑であり、この感染症を一掃するには6ヶ月以上必要である。加えてTBを引き起こす菌株は一般に、薬物療法に耐性がある集団を含み、その結果症状の最初の改善後、再発が続く。従って、TB及び関連障害の有効な治療の必要性が依然存在する。
【0005】
(2.2 PDE4モジュレーター)
PDE4モジュレーターと呼ばれる化合物が、合成され試験されている。これらの化合物は、TNF-α及びIL-12の生成を強力に阻害し、LPS誘発型IL1βに対して適度の阻害作用を示す(L.G.Corralらの論文、J.Immunol., 163:380-386 (1999))。
【0006】
PDE4は、ヒト骨髄系細胞及びリンパ系細胞に見出される主なホスホジエステラーゼイソエンザイムのひとつである。この酵素は、遍在性セカンドメッセンジャーcAMPを分解しそれを低細胞内レベルで維持することによって、細胞活性を調節する際に、決定的な役割を果たす(同上)。PDE4活性の阻害は、cAMPレベルの増加をもたらし、それが、単球並びにリンパ球におけるTNF-α生成の阻害を含むケモカイン及びサイトカインの調節を引き起こす。
【発明の概要】
【0007】
(3. 概要)
対象に、治療的又は予防的有効量のPDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、若しくはプロドラッグを、任意に1種以上の従来型TB治療と組合せて投与することを含む、TB及び/又は他の障害を治療し、予防し、及び/又は管理する方法が、本明細書において提供される。
【0008】
一実施態様において、TBを治療、予防、及び/又は管理するために現在使用されている1種以上の化学療法薬又は他の療法と組合せた1種以上のPDE4モジュレーターの使用が、本明細書において提供される。
【0009】
同じく、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを、任意に1種以上の他の治療薬と組合せて含む、TB及び他の障害を治療、予防、及び/又は管理するために使用するのに適した医薬組成物、単一単位剤形、及びキットも、本明細書において提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(4. 詳細な説明)
本明細書において提供された化合物は、様々な種類のTB及び他の関連障害を効果的に治療、予防及び/又は管理するために、単独で又は他の薬剤と組合せて作用することができる。特定の理論により限定されるものではないが、PDE4阻害剤は、T細胞、B細胞、NK細胞、好中球、単球、マクロファージ、好塩基球、好酸球、及びマスト細胞を含む様々な白血球における細胞内cAMPレベルを上昇することにより、それらの作用を発揮すると考えられる。PDE4は、内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、及び神経細胞などの、非白血球においても発現され、これらも炎症に貢献すると考えられている。
【0011】
現在利用可能な抗結核薬は、活動的に増殖する生物を阻害する及び/又は殺傷するそれらの能力を介して作用し、その結果複製しない桿菌に対してはあまり有効ではない。特定の理論により限定されるものではないが、強力な宿主免疫応答は、一部の桿菌を複製しない状態に駆動し、これにより意図せずにその生物を抗結核薬の活性に対しより耐えることができるようにすると考えられる。更に特定の理論により限定されるものではないが、その宿主免疫応答の選択的調節は、桿菌に対する環境圧力を変更することができ、それらの生理的状態を抗結核薬に対する改善された反応性に再度方向付けると考えられる。
【0012】
対象に、治療的又は予防的有効量のPDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを、任意に1種以上の抗結核薬又は療法と組合せて投与することを含む、TB及び関連障害を治療、予防、及び又は管理する方法が、本明細書において提供される。
【0013】
1種以上のPDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、若しくはプロドラッグ、及び1種以上の他の治療薬を含有する、医薬組成物、単一単位剤形、及びキットも、本明細書において提供される。例えばキットは、本明細書において提供された1種以上の化合物及び1種以上の抗結核治療薬を含有することができる。
【0014】
特定のPDE4モジュレーターは、TB及び関連障害の従来型療法の治療的有効性を改善することができる。結果的に、治療的又は予防的有効量のPDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを、そのような療法又は治療薬を受け取る対象へ投与することを含む、従来型療法又は治療薬の治療的有効性を改善する方法も、本明細書において提供される。
【0015】
(4.1 定義)
本明細書において使用される用語「PDE4モジュレーター」は、他に特に指定しない限り、小型分子薬剤、例えばペプチド、タンパク質、核酸、オリゴ糖又は他の大型分子ではない小型有機分子を包含している。ある実施態様において、本化合物は、TNF-α産生を阻害する。化合物は、LPS誘導したIL1β及びIL12に対する阻害作用を有することもできる。一部の実施態様において、本化合物は、強力なPDE4阻害剤である。
【0016】
本明細書において使用される用語「医薬として許容し得る塩」とは、他に特に指定しない限り、無機酸及び有機酸を含む、医薬として許容し得る無毒の酸から調製された塩をいう。好適な無毒の酸は、非限定的に、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルコレン酸(glucorenic)、ガラクツロン酸、グリシド酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、リン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、及びp-トルエンスルホン酸などの無機酸及び有機酸を含む。一部の実施態様において、これらの塩は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、及び硫酸である。
【0017】
本明細書において使用される用語「溶媒和物」とは、他に特に指定しない限り、非共有分子間力により結合された、化学量論的又は非-化学量論的な量の溶媒を更に含む、本明細書に提供された化合物又はそれらの塩をいう。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
【0018】
本明細書において使用される用語「プロドラッグ」は、他に特に指定しない限り、生物学的条件(インビトロ又はインビボ)下で加水分解、酸化、又はそれ以外に反応し、本化合物を提供することができる化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例は、生加水分解可能な部分、例えば生加水分解可能なアミド、生加水分解可能なエステル、生加水分解可能なカルバミン酸塩又はエステル、生加水分解可能なカルボン酸塩又はエステル、生加水分解可能なウレイド、及び生加水分解可能なリン酸塩又はエステルアナログなどを含む化合物を含むが、これらに限定されるものではない。他のプロドラッグの例は、-NO、-NO2、-ONO、又は-ONO2部分を含む化合物である。プロドラッグは典型的には、「バーガーの医化学及び創薬(Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery)」、172-178, 949-982(Manfred E. Wolff編集, 第5版 1995)、及び「プロドラッグのデザイン(Design of Prodrugs)」(H. Bundgaard編集、Elselvier, ニューヨーク 1985)に記載されたもののような、周知の方法を使用し、調製することができる。
【0019】
本明細書において使用される用語「生加水分解可能なカルバミン酸塩又はエステル」、「生加水分解可能なカルボン酸塩又はエステル」、「生加水分解可能なウレイド」及び「生加水分解可能なリン酸塩又はエステル」は、他に特に指定しない限り、それぞれ、以下のいずれかの化合物のカルバミン酸塩又はエステル、カルボン酸塩又はエステル、ウレイド、及びリン酸塩又はエステルを意味する:1)化合物の生物学的活性を妨害しないが、例えば取り込み、作用期間、若しくは作用開始などの、有利なインビボ特性をその化合物に与えることができる;又は、2)生物学的に不活性であるが、インビボにおいて生物学的活性化合物へ転換される。生加水分解可能なカルバミン酸塩又はエステルの例は、低級アルキルアミン、置換されたエチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環式及び複素芳香族アミン、並びにポリエーテルアミンを含むが、これらに限定されるものではない。
【0020】
本明細書において使用される用語「立体異性体」は、他に特に指定しない限り、全ての鏡像異性的/立体異性的に純粋な及び鏡像異性的/立体異性的に豊富な本明細書に提供された化合物を包含している。
【0021】
本明細書において使用される用語「立体異性的に純粋」又は「鏡像異性的に純粋」は、他に特に指定しない限り、化合物が、ひとつの立体異性体を含むこと、及びその対抗する立体異性体又は鏡像異性体を実質的に含まないことを意味する。例えば化合物が、80%、90%、若しくは95%以上の1種の立体異性体及び20%、10%、若しくは5%以下の対抗する立体異性体を含む場合に、化合物は、立体異性的又は鏡像異性的に純粋である。場合によっては、本明細書に提供される化合物は、化合物が特定のキラル中心に関して約80%ee(鏡像異性体過剰率)以上の場合、好ましくは90%eeと等しいか又はそれよりも大きい場合、及びより好ましくは特定のキラル中心に関して95%eeである場合に、キラル中心に関して光学的に活性又は立体異性的/鏡像異性的に純粋(すなわち実質的にR-型又は実質的にS-型)であると考えられる。
【0022】
本明細書において使用される用語「立体異性的に豊富」又は「鏡像異性的に豊富」は、他に特に指定しない限り、ラセミ混合物に加え、本明細書に提供された化合物の立体異性体の他の混合物(例えば、R/S=30/70、35/65、40/60、45/55、55/45、60/40、65/35及び70/30)を包含している。
【0023】
本明細書において使用される用語「治療する」、「治療している」及び「治療」は、他に特に指定しない限り、疾患又は障害の重症度を軽減するか、或いは疾患又は障害の進行を遅延若しくは緩徐にするような、患者が特定された疾患又は障害に罹患されている間に生じる働きを意図している。
【0024】
本明細書において使用される用語「予防する」、「予防している」及び「予防」は、他に特に指定しない限り、疾患又は障害を阻害又はその重症度を軽減するような、患者が特定の疾患又は障害に罹患し始める前に生じる働きを意図している。
【0025】
本明細書において使用される用語「管理する」、「管理している」及び「管理」は、他に特に指定しない限り、既に疾患若しくは障害に罹患した患者において特定された疾患若しくは障害の再発を防止すること、並びに/又は疾患若しくは障害に罹患した患者が寛解である期間を延長することを包含している。これらの用語は、疾患又は障害の閾値、発症及び/又は期間を変更すること、或いは患者が疾患又は障害に反応する方法を変更することを包含している。
【0026】
本明細書において使用される用語、化合物の「治療的有効量」は、他に特に指定しない限り、疾患又は状態の治療又は管理において治療的恩恵を提供するのに十分な量、或いは疾患又は状態に関連した1種以上の症状を遅延又は最小化するのに十分な量である。化合物の治療的有効量は、疾患又は状態の治療又は管理において治療的恩恵を提供するような、単独の又は他の療法と併用した、治療薬の量を意味する。用語「治療的有効量」は、全般的療法を改善する量、疾患又は状態の症状又は原因を軽減若しくは回避する量、或いは別の治療薬の治療的効能を増強する量を包含し得る。
【0027】
本明細書において使用される用語、化合物の「予防的有効量」は、他に特に指定しない限り、疾患又は状態、或いは疾患又は状態に関連した1種以上の症状を予防するのに十分な量、或いはその再発を防止するのに十分な量である。化合物の予防的有効量は、疾患の予防において予防的恩恵を提供するような、単独の又は他の治療薬と併用した、治療薬の量を意味する。用語「予防的有効量」は、全般的予防を向上又は別の予防薬の予防効能を増強する量を包含する。
【0028】
(4.2 PDE4モジュレーター)
本明細書に提供された化合物は、ラセミ体のPDE4モジュレーター、立体異性的に純粋なPDE4モジュレーター、及び立体異性的に豊富なPDE4モジュレーター、並びに選択的サイトカイン阻害活性を有する立体異性的に且つ鏡像異性的に純粋な化合物、及びそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、及びプロドラッグを含む。ある実施態様において、化合物は、公知のCelgene社(NJ)のPDE4モジュレーターである。
【0029】
PDE4モジュレーターの例は、米国特許第5,605,914号及び第5,463,063号に開示されている環状イミド;米国特許第5,728,844号、第5,728,845号、第5,968,945号、第6,180,644号、及び第6,518,281号のシクロアルキルアミド及びシクロアルキルニトリル;米国特許第5,801,195号、第5,736,570号、第6,046,221号、及び第6,284,780号のアリールアミド(例えば実施態様は、N-ベンゾイル-3-アミノ-3-(3',4'-ジメトキシフェニル)-プロパンアミドである);米国特許第5,703,098号に開示されているイミド/アミドエーテル及びアルコール(例えば、3-フタルイミド-3-(3',4'-ジメトキシフェニル)プロパン-1-オール);米国特許第5,658,940号に開示されているスクシンイミド及びマレイミド(例えば、3-(3',4',5'6'-ペトラヒドロフタルイミド)-3-(3",4"-ジメトキシフェニル)プロピオン酸メチル);米国特許第6,214,857号及びWO 99/06041に開示されているイミド及びアミド置換アルカノヒドロキサム酸;米国特許第6,011,050号及び第6,020,358号に開示されている置換フェネチルスルホン;米国特許第7,173,058号に開示されているフルオロアルコキシ-置換1,3-ジヒドロ-イソインドリル化合物;米国特許第6,429,221号に開示されている置換イミド(例えば、2-フタルイミド-3-(3',4'-ジメトキシフェニル)プロパン);米国特許第6,326,388号に開示されている置換1,3,4-オキサジアゾール(例えば、2-[1-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)エチル]-5-メチルイソインドリン-1,3-ジオン);米国特許第5,929,117号、第6,130,226号、第6,262,101号、及び第6,479,554号に開示されている置換スチレンのシアノ及びカルボキシ誘導体(例えば、3,3-ビス-(3,4-ジメトキシフェニル)アクリロニトリル);WO 01/34606及び米国特許第6,667,316号に開示されている、2位でα-(3,4-二置換フェニル)アルキル基により置換され、かつ4及び/又は5位で窒素含有基により置換された、イソインドリン-1-オン及びイソインドリン-1,3-ジオン、例えば、シクロプロピル-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド、シクロプロピル-N-{2-[1(S)-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド、及びシクロプロピル-N-{2-[1(R)-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;並びに、WO 01/45702及び米国特許第6,699,899号に開示されている、イミド及びアミド置換アシルヒドロキサム酸(例えば、プロパン酸(3-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロパノイルアミノ))を含むが、これらに限定されない。その他のPDE4モジュレーターは、その内容全体が引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第7,312,241号に開示されているジフェニルエチレン化合物を含む。その他のPDE4モジュレーターは、2006年2月2日公開の米国特許公開第2006/0025457A1号及び米国特許第7,244,759号に開示されているイソインドリン化合物を含む。その他の特定のPDE4モジュレーターは、2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオン、及びその立体異性体を含む。(+)-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオンは、WO 03/080049に開示されている。本明細書で特定されたこれら特許及び特許出願のそれぞれの全体は、引用により本明細書中に取り込まれている。
【0030】
追加のPDE4モジュレーターは、その典型的な実施態様に3-(1,3-ジオキソベンゾ-[f]イソインドール-2-イル)-3-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)プロピオンアミド及び3-(1,3-ジオキソ-4-アザイソインドール-2-イル)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-プロピオンアミドを含む、合成された化合物の族に属する。
【0031】
その他のPDE4モジュレーターは、それぞれが引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第5,698,579号、第5,877,200号、第6,075,041号、及び第6,200,987号と、WO 95/01348に開示されている、非ポリペプチド環状アミドの種類に属する。代表的な環状アミドは、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含む:
【化1】

(式中、nは、1、2又は3の値を有し;
R5は、置換されていないo-フェニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルキル、及びハロからなる群からそれぞれ独立に選択された1〜4個の置換基で置換されたo-フェニレンであり;
R7は、(i)フェニル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、及びハロからなる群からそれぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、(ii)置換されていないベンジル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、及びハロからなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されたベンジル、(iii)ナフチル、並びに(iv)ベンジルオキシであり;
R12は、-OH、炭素原子が1〜12個のアルコキシ、又は下記式の通りであり、
【化2】


R8は、水素原子、又は炭素原子が1〜10個のアルキルであり;
R9は、水素原子、炭素原子が1〜10個のアルキル、-COR10、又は-SO2R10であり、ここでR10は水素原子、炭素原子が1〜10個のアルキル、又はフェニルである。)。
【0032】
一部の実施態様において、PDE4モジュレーターは、下記化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、若しくはプロドラッグである:
3-フェニル-2-(1-オキソイソインドリン-2-イル)プロピオン酸;
3-フェニル-2-(1-オキソイソインドリン-2-イル)プロピオンアミド;
3-フェニル-3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)プロピオン酸;
3-フェニル-3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)プロピオンアミド;
3-(4-メトキシフェニル)-3-(1-オキソインドリン-イル)プロピオン酸;
3-(4-メトキシフェニル)-3-(1-オキソインドリン-イル)プロピオンアミド;
3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(1-オキソインドリン-2-イル)プロピオン酸;
3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)プロピオンアミド;
3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(1-オキソインドリン-2-イル)プロピオンアミド;
3-(3,4-ジエトキシフェニル)-3-(1-オキソイソインドリン-イル)プロピオン酸;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸メチル;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-プロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-ブトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-プロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオンアミド;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-ブトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオンアミド;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-ブトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸メチル;又は、
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-プロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸メチル。
【0033】
その他の代表的な環状アミドは、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含む:
【化3】

(式中、Zは下記式の通りであり、
【化4】

上式で、R1は、置換されていない、或いはフェニルで置換された、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバミル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロにより置換されたフェニルで置換された、(i)3,4-ピリジン、(ii)ピロリジン、(iii)イミジゾール(imidizole)、(iv)ナフタレン、(v)チオフェン、又は(vi)炭素原子が2〜6個の直鎖若しくは分枝状アルカンの2価の残基であり、前記残基の2価の結合は、ビシナル環炭素原子上にあるものであり;
R2は、-CO-又は-SO2-であり;
R3は、(i)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ独立に選択された1〜3個の置換基で置換されたフェニル、(ii)ピリジル、(iii)ピロリル、(iv)イミダゾリル、(iv)ナフチル、(vi)チエニル、(vii)キノリル、(viii)フリル、又は(ix)インドリルであり;
R4は、アラニル、アルギニル、グリシル、フェニルグリシル、ヒスチジル、ロイシル、イソロイシル、リシル、メチオニル、プロリル、サルコシル、セリル、ホモセリル、トレオニル、チロニル、チロシル、バリル、ベンズイミドール-2-イル、ベンゾオキサゾール-2-イル、フェニルスルホニル、メチルフェニルスルホニル、又はフェニルカルバモイルであり;かつ
nは、1、2又は3の値を有する。)。
【0034】
その他の代表的な環状アミドは、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含む:
【化5】

(式中、R5は、(i)置換されていないo-フェニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ独立に選択された1〜4個の置換基で置換されたo-フェニレン、或いは(ii)ピリジン、ピロリジン、イミジゾール、ナフタレン、又はチオフェンの2価の残基であり、この2価の結合がビシナル環炭素原子上にあるものであり;
R6は、-CO-、-CH2-、又は-SO2-であり;
R7は、(i)R6が-SO2-である場合に水素原子、(ii)炭素原子1〜12個の直鎖、分枝、又は環状アルキル、(iii)ピリジル、(iv)フェニル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、(v)炭素原子が1〜10個のアルキル、(vi)置換されていないベンジル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されたベンジル、(vii)ナフチル、(viii)ベンジルオキシ、又は(ix)イミダゾール-4-イルメチルであり;
R12は、-OH、炭素原子が1〜12個のアルコキシ、又は下記式の通りであり
【化6】

nは、0、1、2又は3の値を有し;
R8'は、水素原子、又は炭素原子が1〜10個のアルキルであり;並びに
R9'は、水素原子、炭素原子が1〜10個のアルキル、-COR10、又は-SO2R10であり、ここでR10は水素原子、炭素原子が1〜10個のアルキル、又はフェニルである。)。
【0035】
その他の代表的なイミドは、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含む:
【化7】

(式中、R7は、(i)炭素原子が1〜12個の直鎖、分枝、又は環状アルキル、(ii)ピリジル、(iii)フェニル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、(iv)置換されていないベンジル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロからなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されたベンジル、(v)ナフチル、(vi)ベンジルオキシ、又は(vii)イミダゾール-4-イルメチルであり;
R12は、-OH、炭素原子が1〜12個のアルコキシ、-O-CH2-ピリジル、-O-ベンジル、又は下記式の通りであり
【化8】

nは、0、1、2又は3の値を有し;
R8'は、水素原子、又は炭素原子が1〜10個のアルキルであり;並びに
R9'は、水素原子、炭素原子が1〜10個のアルキル、-CH2-ピリジル、ベンジル、-COR10、又は-SO2R10であり、ここでR10は水素原子、炭素原子が1〜4個のアルキル、又はフェニルである。)。
【0036】
その他のPDE4モジュレーターは、そのそれぞれが引用により本明細書中に取り込まれているWO 99/06041及び米国特許第6,214,857号に開示されている、イミド及びアミド置換アルカノヒドロキサム酸を含む。そのような化合物の例は、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含むが、これらに限定されない:
【化9】

(式中、R1及びR2のそれぞれは、互いに独立に、水素原子、低級アルキルであるか、或いはR1及びR2は、それぞれが結合している図示の炭素原子と一緒になって、置換されていないo-フェニレン、o-ナフチレン、又はシクロヘキセン-1,2-ジイル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからなる群からそれぞれ独立に選択された1〜4個の置換基で置換されたo-フェニレン、o-ナフチレン、又はシクロヘキセン-1,2-ジイルであり;
R3は、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、炭素原子が1〜10個のアルキルチオ、ベンジルオキシ、炭素原子が3〜6個のシクロアルコキシ、C4-C6-シクロアルキリデンメチル、C3-C10-アルキリデンメチル、インダニルオキシ、及びハロからなる群から選択された1〜4個の置換基で置換されたフェニルであり;
R4は、水素原子、炭素原子が1〜6個のアルキル、フェニル、又はベンジルであり;
R4'は、水素原子、又は炭素原子が1〜6個のアルキルであり;
R5は、-CH2-、-CH2-CO-、-SO2-、-S-、又は-NHCO-であり;並びに
nは、0、1、又は2の値を有する。)。
【0037】
一部の実施態様において、PDE4モジュレーターは、下記の化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、若しくはプロドラッグである:
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-(1-オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-メトキシ-3-(1-オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
N-ベンジルオキシ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-フタルイミドプロピオンアミド;
N-ベンジルオキシ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(3-ニトロフタルイミド)プロピオンアミド;
N-ベンジルオキシ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(1-オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-フタルイミドプロピオンアミド;
N-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-フタルイミドプロピオンアミド;
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-(3-ニトロフタルイミド)プロピオンアミド;
N-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(1-オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-(4-メチル-フタルイミド)プロピオンアミド;
3-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-フタルイミドプロピオンアミド;
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-(1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-2-イル)プロピオンアミド;
N-ヒドロキシ-3-{3-(2-プロポキシ)-4-メトキシフェニル}-3-フタルイミドプロピオンアミド;
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(3,6-ジフルオロフタルイミド)-N-ヒドロキシプロピオンアミド;
3-(4-アミノフタルイミド)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシプロピオンアミド;
3-(3-アミノフタルイミド)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシプロピオンアミド;
3-(3-アセトアミドフタルイミド)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシプロピオンアミド;
N-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(1-オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
3-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-(1-オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;又は
N-ベンジルオキシ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(3-ニトロフタルイミド)プロピオンアミド。
【0038】
その他のPDE4モジュレーターは、オキソイソインジン基によりフェニル基上で置換された置換フェネチルスルホンを含む。そのような化合物の例は、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含む、引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第6,020,358号に開示されたものを含むが、これらに限定されない:
【化10】

(式中、で示される炭素原子はキラル中心を構成し;
Yは、C=O、CH2、SO2、又はCH2C=Oであり;R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、他のものとは独立に、水素原子、ハロ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、又は-NR8R9であり;或いは、隣接する炭素原子上のR1、R2、R3及びR4のいずれか2つは、示されたフェニレン環と一緒になって、ナフチリデンであり;
R5及びR6のそれぞれは、他方とは独立に、水素原子、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、シアノ、又は炭素原子が18個までのシクロアルコキシであり;
R7は、ヒドロキシ、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、ベンジル、又はNR8'R9'であり;
R8及びR9のそれぞれは、他方とは独立に、水素原子、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、又はベンジルであるか、或いはR8及びR9の一方が水素原子であり他方が-COR10又は-SO2R10であるか、或いはR8及びR9が一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、ここでX1は、-0-、-S-又は-NH-であり;かつ
R8'及びR9'のそれぞれは、他方とは独立に、水素原子、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、又はベンジルであり、或いはR8'及びR9'の一方が水素原子であり他方が-COR10'又は-SO2R10'であり、或いはR8'及びR9'が一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又は-CH2CH2X2CH2CH2-であり、ここでX2は-0-、-S-、又は-NH-である。)。
【0039】
便宜上、上記化合物をフェネチルスルホンとしたが、R7がNR8'R9'である場合にスルホンアミドも含まれることが理解されよう。
一部の実施態様において、本化合物は、YがC=O又はCH2のものである。
別の実施態様において、本化合物は、R1、R2、R3及びR4のそれぞれが他のものとは独立に、水素原子、ハロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、又は-NR8R9であるものであり、式中、R8及びR9のそれぞれは、他方とは独立に水素原子又はメチルであるか、或いはR8及びR9の一方が水素原子であり、他方は-COCH3である。
【0040】
他の実施態様において、本化合物は、R1、R2、R3及びR4のひとつが-NH2であり、R1、R2、R3及びR4の残りが水素原子であるものである。
他の実施態様において、本化合物は、R1、R2、R3及びR4のひとつが-NHCOCH3であり、R1、R2、R3及びR4の残りが水素原子であるものである。
他の実施態様において、本化合物は、R1、R2、R3及びR4のひとつが-N(CH3)2であり、R1、R2、R3及びR4の残りが水素原子であるものである。
他の実施態様において、本化合物は、R1、R2、R3及びR4のひとつがメチルであり、R1、R2、R3及びR4の残りが水素原子であるものである。
他の実施態様において、本化合物は、R1、R2、R3及びR4のひとつがフルオロであり、R1、R2、R3及びR4の残りが水素原子であるものである。
【0041】
他の実施態様において、本化合物は、R5及びR6のそれぞれが他方とは独立に、水素原子、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、シクロペントキシ、又はシクロヘキソキシであるものである。
他の実施態様において、本化合物は、R5がメトキシであり、R6がモノシクロアルコキシ、ポリシクロアルコキシ、及びベンゾシクロアルコキシであるものである。
他の実施態様において、本化合物は、R5がメトキシであり、R6がエトキシであるものである。
他の実施態様において、本化合物は、R7がヒドロキシ、メチル、エチル、フェニル、ベンジル、又はNR8'R9'であり、R8'及びR9'のそれぞれが他方とは独立に、水素原子又はメチルであるものである。
他の実施態様において、本化合物は、R7がメチル、エチル、フェニル、ベンジル、又はNR8'R9'であり、R8'及びR9'のそれぞれが他方とは独立に水素原子又はメチルであるものである。
他の実施態様において、本化合物は、R7がメチルであるものである。
他の実施態様において、本化合物は、R7がNR8'R9'であり、R8'及びR9'のそれぞれが他方とは独立に水素原子又はメチルであるものである。
【0042】
他のPDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第7,173,058号に開示された、フルオロアルコキシ置換1,3-ジヒドロ-イソインドリル化合物を含む。代表的な化合物は、下記式のもの、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化11】

(式中、Yは、-C(O)-、-CH2、-CH2C(O)-、-C(O)CH2-、又はSO2であり;
Zは、-H、-C(O)R3、-(C0-1-アルキル)-SO2-(C1-4-アルキル)、-C1-8-アルキル、-CH2OH、CH2(O)(C1-8-アルキル)又は-CNであり;
R1及びR2は、それぞれ独立に、-CHF2、-C1-8-アルキル、-C3-18-シクロアルキル又は-(C1-10-アルキル)(C3-18-シクロアルキル)であり、R1及びR2の少なくとも一方がCHF2であり;
R3は、-NR4R5、-アルキル、-OH、-O-アルキル、フェニル、ベンジル、置換フェニル、又は置換ベンジルであり;
R4及びR5は、それぞれ独立に-H、-C1-8-アルキル、-OH、-OC(O)R6であり;
R6は、-C1-8-アルキル、-アミノ(C1-8-アルキル)、-フェニル、-ベンジル、又は-アリールであり;
X1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立に、-H、-ハロゲン、-ニトロ、-NH2、-CF3、-C1-6-アルキル、-(C0-4-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、(C0-4-アルキル)-NR7R8、(C0-4-アルキル)-N(H)C(O)-(R8)、(C0-4-アルキル)-N(H)C(O)N(R7R8)、(C0-4-アルキル)-N(H)C(O)O(R7R8)、(C0-4-アルキル)-OR8、(C0-4-アルキル)-イミダゾリル、(C0-4-アルキル)-ピロリル、(C0-4-アルキル)-オキサジアゾリル、又は(C0-4-アルキル)-トリアゾリルであるか、或いはX1、X2、X3及びX4の2つを一緒に接合させて、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル環を形成することができ(例えば、X1及びX2、X2及びX3、X3及びX4、X1及びX3、X2及びX4、又はX1及びX4は、芳香族であってもよい3、4、5、6、又は7員環を形成することができ、それによってイソインドリル環と共に二環系を形成することができる。);並びに
R7及びR8は、それぞれ独立に、H、C1-9-アルキル、C3-6-シクロアルキル、(C1-6-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、(C1-6-アルキル)-N(R7R8)、(C1-6-アルキル)-OR8、フェニル、ベンジル、又はアリールである。)。
【0043】
他のPDE4モジュレーターは、その全てが引用により本明細書中に取り込まれている、米国特許第6,962,940号;国際公開公報WO 2003/080048及びWO 2003/080049;G.Muller他の米国特許第7,312,241号;並びに、2004年8月26日に公開された米国特許公開第2004/0167199A1号に開示されている、鏡像異性的に純粋な化合物が含まれる。ある実施態様において、本化合物は、2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオンの鏡像異性体、及び3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-プロピオンアミドの鏡像異性体である。
【0044】
ある実施態様において、本明細書に提供されたPDE4モジュレーターは、Celgene社(Warren, NJ)から入手可能な3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-プロピオンアミド、及びシクロプロパンカルボン酸{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メタンスルホニル-エチル]-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル}-アミドである。3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-プロピオンアミドは、下記の化学構造を有する:
【化12】

【0045】
他のPDE4モジュレーターは、そのそれぞれが引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第5,728,844号、第5,728,845号、第5,968,945号、第6,180,644号、及び第6,518,281号と、WO 97/08143及びWO 97/23457のシクロアルキルアミド及びシクロアルキルニトリルが含まれるが、これらに限定されない。代表的な化合物は、下記式のもの、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化13】

(式中、R1及びR2の一方は、R3-X-であり、他方は水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、又はR3-X-であり;
R3は、炭素原子が18個までのモノシクロアルキル、ビシクロアルキル、又はベンゾシクロアルキルであり;
Xは、炭素-炭素結合、-CH2-、又は-O-であり;
R5は、(i)置換されていないo-フェニレン、或いは低級アルキル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アシルアミノ、又は低級アルコキシで置換された、又は置換されていない、ニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、又はカルバモイルからそれぞれ独立に選択された1〜3個の置換基で置換されたo-フェニレン、(ii)ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンのビシナル2価残基であって、この2価の結合がビシナル環炭素原子上にあるもの、(iii)置換されていない炭素原子が4〜10個のビシナル2価シクロアルキル又はシクロアルケニル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、又はフェニルからなる群からそれぞれ独立に選択された1〜3個の置換基で置換された炭素原子が4〜10個のビシナル2価シクロアルキル又はシクロアルケニル、(iv)低級アルキルによる二置換ビニレン、又は(v)置換されていないエチレン、或いは低級アルキルで一置換の又は二置換のエチレンであり;
R6は、-CO-、-CH2-、又は-CH2CO-であり;
Yは、-COZ、-C≡N、-OR8、低級アルキル、又はアリールであり;
Zは、-NH2、-OH、-NHR、-R9、又は-OR9であり;
R8は、水素原子又は低級アルキルであり;
R9は、低級アルキル又はベンジルであり;並びに
nは、0、1、2、又は3の値を有する。)。
【0046】
一実施態様において、R1及びR2の一方がR3-X-であり、他方は水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、又はR3-X-であり;
R3は、炭素原子が10個までのモノシクロアルキル、炭素原子が10個までのポリシクロアルキル、又は炭素原子が10個までのベンゾ環状アルキルであり;
Xは、-CH2-、又は-O-であり;
R5は、(i)ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンのビシナル2価残基であって、この2価残基の2つの結合がビシナル環炭素原子上にあるもの、
(ii)置換されていない炭素原子が4〜10個のビシナル2価シクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はフェニルからなる群からそれぞれ独立に選択された1〜3個の置換基で置換された炭素原子が4〜10個のビシナル2価シクロアルキル、
(iii)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロで置換された、二置換ビニレン、
(iv)置換されていないエチレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ独立に選択された1〜2個の置換基で置換されたエチレンであり;
R6は、-CO-、-CH2-、又は-CH2CO-であり;
Yは、-COX、-C≡N、-OR8、炭素原子が1〜5個のアルキル、又はアリールであり;
Xは、-NH2、-OH、-NHR、-R9、-OR9、又は炭素原子が1〜5個のアルキルであり;
R8は、水素原子又は低級アルキルであり;
R9は、アルキル又はベンジルであり;並びに
nは、0、1、2、又は3の値を有する。)。
【0047】
別の実施態様において、R1及びR2の一方が、R3-X-であり、他方は水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、HF2CO、F3CO、又はR3-X-であり;
R3は、炭素原子が18個までのモノシクロアルキル、ビシクロアルキル、ベンゾシクロアルキル、テトラヒドロピラン、又はテトラヒドロフランであり;
Xは、炭素-炭素結合、-CH2-、-O-、又は-N=であり;
R5は、(i)置換されていないo-フェニレン、或いは低級アルキル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アシルアミノ、又は低級アルコキシで置換された、又は置換されていない、ニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、又はカルバモイルからそれぞれ独立に選択された1〜3個の置換基で置換されたo-フェニレン、(ii)ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンのビシナル2価残基であって、この2価の結合がビシナル環炭素原子上にあるもの、(iii)置換されていない炭素原子が4〜10個のビシナル2価シクロアルキル又はシクロアルケニル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、又はフェニルからなる群からそれぞれ独立に選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が4〜10個のビシナル2価シクロアルキル又はシクロアルケニル、(iv)低級アルキルによる二置換のビニレン、又は(v)置換されていないエチレン、或いは低級アルキルで一置換の又は二置換のエチレンであり;
R6は、-CO-、-CH2-、又は-CH2CO-であり;
Yは、-COX、-C≡N、-OR8、炭素原子が1〜5個のアルキル、又はアリールであり;
Xは、-NH2、-OH、-NHR、-R9、-OR9、又は炭素原子が1〜5個のアルキルであり;
R8は、水素原子又は低級アルキルであり;
R9は、アルキル又はベンジルであり;並びに
nは、0、1、2、又は3の値を有する。)。
【0048】
他の代表的化合物は、下記式のもの、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化14】

(式中、Yは、-C≡N又はCO(CH2)mCH3であり;
mは、0、1、2、又は3であり;
R5は、(i)置換されていないo-フェニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ独立に選択された1〜3個の置換基で置換されたo-フェニレン、(ii)ピリジン、ピロリジン、イミジゾール、ナフタレン、又はチオフェンの2価の残基であって、この2価の結合がビシナル環炭素原子上にあるもの、(iii)置換されていない炭素原子が4〜10個の2価のシクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、フェニル、又はハロからなる群から、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が4〜10個の2価のシクロアルキル、(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロで置換された、二置換ビニレン;又は、(v)置換されていないエチレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ独立に選択された、1〜2個の置換基で置換されたエチレンであり;
R6は、-CO-、-CH2-、-CH2CO-、又は-SO2-であり;
R7は、(i)炭素原子が1〜12個の直鎖又は分枝状アルキル、(ii)炭素原子が1〜12個の環状又は二環式アルキル、(iii)ピリジル、(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個の直鎖状、分枝状、環状、又は二環式アルキル、炭素原子が1〜10個の直鎖状、分枝状、環状、又は二環式アルコキシ、CH2RであってRが炭素原子が1〜10個の環状又は二環式アルキルであるもの、又はハロから、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル;(v)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからなる群からそれぞれ独立に選択された、1〜3個の置換基で置換されたベンジル、(vi)ナフチル、又は(vii)ベンジルオキシであり;並びに、
nは、0、1、2、又は3の値を有する。)。
【0049】
別の実施態様において、PDE4モジュレーターは、下記式のもの、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化15】

(式中、R5は、(i)ピリジン、ピロリジン、イミジゾール、ナフタレン、又はチオフェンの2価残基であって、この2価の結合がビシナル環炭素原子上にあるもの、(ii)置換されていない炭素原子が4〜10個の2価のシクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、フェニル、又はハロからなる群から、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が4〜10個の2価のシクロアルキル、(iii)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロで置換された、二置換ビニレン;又は、(iv)置換されていないエチレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ独立に選択された、1〜2個の置換基で置換されたエチレンであり;
R6は、-CO-、-CH2-、-CH2CO-、又は-SO2-であり;
R7は、(i)炭素原子が4〜12個の環状又は二環式アルキル、(ii)ピリジル、(iii)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個の直鎖状、分枝状、環状、又は二環式アルキル、炭素原子が1〜10個の直鎖状、分枝状、環状、又は二環式アルコキシ、CH2RであってRが炭素原子が1〜10個の環状又は二環式アルキルであるもの、又はハロから、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからなる群からそれぞれ独立に選択された、1〜3個の置換基で置換されたベンジル、(v)ナフチル、又は(vii)ベンジルオキシであり;
Yは、COX、-C≡N、OR8、炭素原子が1〜5個のアルキル、又はアリールであり;
Xは、-NH2、-OH、-NHR、-R9、-OR9、又は炭素原子が1〜5個のアルキルであり;
R8は、水素原子又は低級アルキルであり;
R9は、アルキル又はベンジルであり;並びに
nは、0、1、2、又は3の値を有する。)。
【0050】
他のPDE4モジュレーターは、そのそれぞれが引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第5,801,195号、第5,736,570号、第6,046,221号、及び第6,284,780号の、アリールアミド(例えば、ある実施態様ではN-ベンゾイル-3-アミノ-3-(3',4'-ジメトキシフェニル)-プロパンアミドである)を含むが、これらに限定されない。代表的な化合物は、下記式のもの、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化16】

(式中、Arは、(i)炭素原子が1〜12個の、直鎖状、分枝状、又は環状の非置換アルキル、(ii)炭素原子が1〜12個の、直鎖状、分枝状、又は環状の置換アルキル、(iii)フェニル、(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからなる群から、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル;(v)複素環;又は、(vi)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換された複素環であり;
Rは、-H、炭素原子が1〜10個のアルキル、CH2OH、CH2CH2OH、又はCH2COZであって、Zは、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、ベンジルオキシ、又はNHR1であって、R1は、H又は炭素原子が1〜10個のアルキルであり;かつ
Yは、i)置換されていないフェニル又は複素環、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロから、互いに独立にそれぞれ選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル又は複素環、又はii)ナフチルである。)。
【0051】
本化合物の他の例は、下記式のもの、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化17】

(式中、Arは、各置換基が、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、及びハロからなる群から、それぞれ他とは独立に選択された、3,4-二置換フェニルであり;
Zは、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、ベンジルオキシ、アミノ、又は炭素原子が1〜10個のアルキルアミノであり;並びに
Yは、(i)置換されていないフェニル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、及びハロからなる群から、互いに独立にそれぞれ選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、又は(ii)ナフチルである。)。
【0052】
他のPDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第5,703,098号に開示されている、イミド/アミドエーテル及びアルコール(例えば、3-フタルイミド-3-(3',4'-ジメトキシフェニル)プロパン-1-オール)を含むが、これらに限定されない。その例は、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化18】

(式中、R1は、(i)炭素原子が1〜12個の直鎖状、分枝状、又は環状の非置換アルキル;(ii)炭素原子が1〜12個の直鎖状、分枝状、又は環状の置換アルキル;(iii)フェニル;又は、(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルアミノ、ジ(アルキル)アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が3〜10個のシクロアルキル、炭素原子が5〜12個のビシクロアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、炭素原子が3〜10個のシクロアルコキシ、炭素原子が5〜12個のビシクロアルコキシ、及びハロからなる群から、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されたフェニルであり;
R2は、水素原子、炭素原子が1〜8個のアルキル、ベンジル、ピリジルメチル、又はアルコキシメチルであり;
R3は、(i)エチレン、(ii)ビニレン、(iii)炭素原子が3〜10個の分枝状アルキレン、(iv)炭素原子が3〜10個の分枝状アルケニレン、(v)置換されていない炭素原子が4〜9個のシクロアルキレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜6個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜6個のアシルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜12個のアルコキシ、及びハロからなる群からそれぞれ独立に選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が4〜9個のシクロアルキレン、(vi)置換されていない炭素原子が4〜9個のシクロアルケニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜6個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜6個のアシルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜12個のアルコキシ、及びハロからなる群からそれぞれ独立に選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が4〜9個のシクロアルケニレン、(vii)置換されていないo-フェニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜6個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜6個のアシルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜12個のアルコキシ、及びハロからなる群からそれぞれ独立に選択された1個以上の置換基で置換されたo-フェニレン、(viii)ナフチル、又は(ix)ピリジルであり;
R4は、-CX-、-CH2-又は-CH2CX-であり;
Xは、O又はSであり;並びに
nは、0、1、2、又は3である。)。
【0053】
他のPDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第5,658,940号に開示されている、スクシンイミド及びマレイミド(例えば、3-(3',4',5',6'-ペトラヒドロフタルイミド)-3-(3",4"-ジメトキシフェニル)プロピオン酸メチル)を含むが、これらに限定されない。その例は、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化19】

(式中、R1は、-CH2-、-CH2CO-、又は-CO-であり;
R2及びR3は一緒になって、(i)置換されていないエチレン、或いは炭素原子が1〜10個のアルキル又はフェニルで置換されたエチレン、(ii)炭素原子が1〜10個のアルキル及びフェニルからなる群から、それぞれ他方とは独立に選択された2個の置換基で置換されたビニレン、(iii)置換されていない炭素原子が5〜10個の2価のシクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたか置換されていないカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、ノルボルニル、フェニル、又はハロからなる群から、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が5〜10個の2価のシクロアルキルであり;
R4は、(i)炭素原子が4〜8個の直鎖状又は分枝状の非置換アルキル、(ii)置換されていない炭素原子が5〜10個のシクロアルキル又はビシクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個の分枝状、直鎖状、又は環状アルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、フェニル、又はハロからなる群から、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が5〜10個のシクロアルキル又はビシクロアルキル、(iii)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、炭素原子が3〜10個のシクロアルキル又はビシクロアルキル、炭素原子が3〜10個のシクロアルコキシ又はビシクロアルコキシ、フェニル、又はハロからなる群から、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、(iv)置換されていないピリジン又はピロリジン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、フェニル、又はハロからなる群からそれぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されたピリジン又はピロリジンであり;並びに
R5は、-COX、-CN、-CH2COX、炭素原子が1〜5個のアルキル、アリール、-CH2OR、-CH2アリール、又は-CH2OHであり、
ここでXは、NH2、OH、NHR、又はOR6であり、
Rは低級アルキルであり;並びに
R6は、アルキル又はベンジルである。)。
【0054】
他のPDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第6,429,221号に開示されている置換イミド(例えば、2-フタルイミド-3-(3',4'-ジメトキシフェニル)プロパン)を含むが、これらに限定されない。その例は、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化20】

(式中、R1は、(i)炭素原子が1〜12個の直鎖状、分枝状、又は環状アルキル、(ii)フェニル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個の直鎖状又は分枝状アルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、(iii)ベンジル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されたベンジル、又は(iv)-Y-Ph、ここでYが、炭素原子が1〜12個の直鎖状、分枝状、又は環状アルキルであり、Phが、フェニル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されたフェニルであり;
R2は、-H、炭素原子が1〜10個の分枝状又は非分枝状アルキル、フェニル、ピリジル、複素環、-CH2-アリール、又は-CH2-複素環であり;
R3は、i)エチレン、ii)ビニレン、iii)炭素原子が3〜10個の分枝状アルキレン、iv)炭素原子が3〜10個の分枝状アルケニレン、v)置換されていない炭素原子が4〜9個のシクロアルキレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ独立に選択された1〜2個の置換基で置換された炭素原子が4〜9個のシクロアルキレン、vi)置換されていない炭素原子が4〜9個のシクロアルケニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ独立に選択された1〜2個の置換基で置換された炭素原子が4〜9個のシクロアルケニレン、又はvii)置換されていないo-フェニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ独立に選択された1〜2個の置換基で置換されたo-フェニレンであり;並びに
R4は、-CX、又は-CH2-であり;
Xは、O又はSである。)。
【0055】
他のPDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第6,326,388号に開示された置換1,3,4-オキサジアゾール(例えば、2-[1-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)エチル]-5-メチルイソインドリン-1,3-ジオン)を含むが、これらに限定されない。その例は、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化21】

(式中、で示される炭素原子はキラル中心を構成し;
Yは、C=O、CH2、SO2又はCH2C=Oであり;
Xは、水素原子、又は炭素原子が1〜4個のアルキルであり;
R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、他のものとは独立に、水素原子、ハロ、トリフルオロメチル、アセチル、炭素原子が1〜8個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、-CH2NR8R9、-(CH2)2NR8R9、又は-NR8R9であり、或いは
隣接する炭素原子上のR1、R2、R3及びR4のいずれか2つは、示されるベンゼン環と一緒になって、ナフチリデン、キノリン、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾジオキソール、又は2-ヒドロキシベンゾイミダゾールであり;
R5及びR6のそれぞれは、他方とは独立に、水素原子、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜6個のアルコキシ、シアノ、ベンゾシクロアルコキシ、炭素原子が18個までのシクロアルコキシ、炭素原子が18個までのビシクロアルコキシ、炭素原子が18個までのトリシクロアルコキシ、又は炭素原子が18個までのシクロアルキルアルコキシであり;
R8及びR9のそれぞれは、他方とは独立に、水素原子、炭素原子が1〜8個の直鎖状又は分枝状アルキル、フェニル、ベンジル、ピリジル、ピリジルメチルであり、或いはR8及びR9の一方が水素原子であり他方が-COR10又は-SO2R10であるか、或いはR8及びR9が一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、-CH=NCH=CH-、又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、但しX1は、-0-、-S-、又は-NH-であり;
R10は、水素原子、炭素原子が1〜8個のアルキル、シクロアルキル、炭素原子が6個までのシクロアルキルメチル、フェニル、ピリジル、ベンジル、イミダゾリルメチル、ピリジルメチル、NR11R12、CH2R14R15、又はNR11R12であり、
但しR14及びR15は、互いに独立に、水素原子、メチル、エチル、又はプロピルであり;並びに
R11及びR12は、互いに独立に、水素原子、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、又はベンジルである。)。
【0056】
ある実施態様において、本化合物は、下記式のもの、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含む:
【化22】

(式中、で示される炭素原子はキラル中心を構成し;
Yは、C=O、CH2、SO2又はCH2C=Oであり;
Xは、水素原子、又は炭素原子が1〜4個のアルキルであり;
(i)R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、他のものとは独立に、水素原子、ハロ、トリフルオロメチル、アセチル、炭素原子が1〜8個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、-CH2NR8R9、-(CH2)2NR8R9、又は-NR8R9であり、或いは
(ii)隣接する炭素原子上のR1、R2、R3及びR4のいずれか2つは、これらが結合される示されたベンゼン環と一緒になって、ナフチリデン、キノリン、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾジオキソール、又は2-ヒドロキシベンゾイミダゾールであり;
R5及びR6のそれぞれは、他方とは独立に、水素原子、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜6個のアルコキシ、シアノ、ベンゾシクロアルコキシ、炭素原子が18個までのシクロアルコキシ、炭素原子が18個までのビシクロアルコキシ、炭素原子が18個までのトリシクロアルコキシ、又は炭素原子が18個までのシクロアルキルアルコキシであり;
(i)R8及びR9のそれぞれは、他方とは独立に、水素原子、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジル、ピリジルメチルであり、又は
(ii)R8及びR9の一方が水素原子であり他方が-COR10又は-SO2R10であり、ここでR10は、水素原子、炭素原子が1〜8個のアルキル、シクロアルキル、炭素原子が6個までのシクロアルキルメチル、フェニル、ピリジル、ベンジル、イミダゾリルメチル、ピリジルメチル、NR11R12、又はCH2NR14R15であり、R11及びR12は、互いに独立に、水素原子、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、又はベンジルであり、R14及びR15は、互いに独立に、水素原子、メチル、エチル、又はプロピルであり;
(iii)R8及びR9は、一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、-CH=NCH=CH-、又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、ここでX1は、-0-、-S-、又は-NH-である。)。
【0057】
他のPDE4モジュレーターは、各々引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第5,929,117号、第6,130,226号、第6,262,101号、及び第6,479,554号に開示されている、置換スチレンのシアノ及びカルボキシ誘導体(例えば、3,3-ビス-(3,4-ジメトキシフェニル)アクリロニトリル)を含むが、これらに限定されない。その例は、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化23】

(式中、(a)Xは、-O-又は-(CnH2n)-であり、但しnは、0、1、2、又は3の値を有し、R1は、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が10個までのモノシクロアルキル、炭素原子が10個までのポリシクロアルキル、又は炭素原子が10個までのベンゾ環式アルキルであり、或いは
(b)Xは、-CH=であり、R1は、炭素原子が10個までのアルキリデン、炭素原子が10個までのモノシクロアルキリデン、又は炭素原子が10個までのビシクロアルキリデンであり;
R2は、水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルキリデンメチル、低級アルコキシ、又はハロであり;
R3は、(i)置換されていないフェニル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜5個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が10個までのアルキル、炭素原子が10個までのシクロアルキル、炭素原子が10個までのアルコキシ、炭素原子が10個までのシクロアルコキシ、炭素原子が10個までのアルキリデンメチル、炭素原子が10個までのシクロアルキリデンメチル、フェニル、又はメチレンジオキシからそれぞれ独立に選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル;(ii)ピリジン、置換ピリジン、ピロリジン、イミジゾール、ナフタレン、又はチオフェン;(iii)置換されていない炭素原子数が4〜10個のシクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、フェニルからそれぞれ独立に選択された1以上の置換基で置換された炭素原子数が4〜10個のシクロアルキルであり;
R4及びR5のそれぞれは、個々に見て水素原子であるか、或いはR4及びR5は、一緒になって炭素-炭素結合であり;
Yは、-COZ、-C≡N、又は炭素原子が1〜5個の低級アルキルであり;
Zは、-OH、-NR6R6、-R7、又は-OR7であり;R6は、水素原子又は低級アルキルであり;並びに、R7は、アルキル又はベンジルである。)。
【0058】
一部の実施態様において、PDE4モジュレーターは、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含む:
【化24】

(式中、(a)Xは、-O-又は-(CnH2n)-であり、ここでnは、0、1、2、又は3の値を有し、R1は、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が10個までのモノシクロアルキル、炭素原子が10個までのポリシクロアルキル、又は炭素原子が10個までのベンゾ環式アルキルであり、或いは
(b)Xは、-CH=であり、R1は、炭素原子が10個までのアルキリデン、炭素原子が10個までのモノシクロアルキリデン、又は炭素原子が10個までのビシクロアルキリデンであり;
R2は、水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルキリデンメチル、低級アルコキシ、又はハロであり;
R3は、置換されていないピロリジン、イミダゾール、又はチオフェン、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はフェニルからなる群からそれぞれ独立に選択された1個以上の置換基で置換されたピロリジン、イミダゾール、又はチオフェンであり;
R4及びR5のそれぞれは、個々に見て水素原子であるか、或いはR4及びR5は、一緒になって炭素-炭素結合であり;
Yは、-COZ、-C≡N、又は炭素原子が1〜5個の低級アルキルであり;
Zは、-OH、-NR6R6、-R7、又は-OR7であり;R6は、水素原子又は低級アルキルであり;並びに、R7は、アルキル又はベンジルである。)。
【0059】
一部の実施態様において、本明細書に提供されているのは、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化25】

(式中、(a)Xは、-O-又は-(CnH2n)-であり、但しnは、0、1、2、又は3の値を有し、R1は、炭素原子が10個までのアルキル、炭素原子が10個までのモノシクロアルキル、炭素原子が10個までのポリシクロアルキル、又は炭素原子が10個までのベンゾ環式アルキルであるか、或いは
(b)Xは、-CH=であり、R1は、炭素原子が10個までのアルキリデン、又は炭素原子が10個までのモノシクロアルキリデンであり;
R2は、水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、又はハロであり;並びに
R3は、(i)置換されていないフェニル又はナフチル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、又は炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜5個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜10個のアルコキシ又はシクロアルコキシから、それぞれ独立に選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル又はナフチル、或いは(ii)置換されていない炭素原子が4〜10個のシクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はフェニルからなる群からそれぞれ独立に選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が4〜10個のシクロアルキルである。)。
【0060】
一実施態様において、本化合物は、下記式のものである:
【化26】

【0061】
他のPDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に取り込まれているWO 01/34606及び米国特許第6,667,316号に開示されている、2位でα-(3,4-二置換フェニル)アルキル基により置換され、かつ4位及び/又は5位で窒素含有基により置換された、イソインドリン-1-オン及びイソインドリン-1,3-ジオンを含むが、これらに限定されない。その例は、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化27】

(式中、X及びX'の一方は、=C=O又は=SO2であり、かつX及びX'の他方は、=C=O、=CH2、=SO2又は=CH2C=Oであり;
nは、1、2、又は3であり;
R1及びR2は、それぞれ独立に、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、シアノ、(C3-C18)シクロアルキル、(C3-C18)シクロアルコキシ、又は(C3-C18)シクロアルキル-メトキシであり;
R3は、SO2-Y、COZ、CN又は(C1-C6)ヒドロキシアルキルであり、ここで
Yは、(C1-C6)アルキル、ベンジル、又はフェニルであり;
Zは、-NR6R7、(C1-C6)アルキル、ベンジル、又はフェニルであり;
R6は、H、(C1-C4)アルキル、(C3-C18)シクロアルキル、(C2-C5)アルカノイル、ベンジル、又はフェニルであり、このそれぞれは、任意に、ハロ、アミノ、又は(C1-C4)アルキル-アミノで置換することができるものであり;
R7は、H又は(C1-C4)アルキルであり;
R4及びR5は一緒になって、-NH-CH2-R8-、NH-CO-R8-、又は-N=CH-R8-を提供し;
ここでR8は、CH2、O、NH、CH=CH、CH=N、又はN=CHであるか、或いは
R4及びR5の一方がHであり、R4及びR5の他方がイミダゾイル、ピロリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、又は式(A)の構造であり、
【化28】

上式で、zは、0又は1であり;
R9は、H;ハロ、アミノ、(C1-C4)アルキルアミノ、又は(C1-C4)ジアルキルアミノで任意に置換された(C1-C4)アルキル、(C3-C18)シクロアルキル、(C2-C5)アルカノイル、又は(C4-C6)シクロアルカノイル;フェニル;ベンジル;ベンゾイル;(C2-C5)アルコキシカルボニル;(C3-C5)アルコキシアルキルカルボニル;N-モルホリノカルボニル;カルバモイル;(C1-C4)アルキルで置換されたN-置換カルバモイル;又は、メチルスルホニルであり;並びに
R10は、H、(C1-C4)アルキル、メチルスルホニル、又は(C3-C5)アルコキシアルキルカルボニルであるか;又は
R9及びR10は一緒に、任意にアミノ、(C1-C4)アルキル-アミノ、又は(C1-C4)ジアルキル-アミノで置換された-CH=CH-CH=CH-、-CH=CH-N=CH-、又は(C1-C2)アルキリデンを提供するか;又は
R4及びR5は、共に式(A)の構造である。)。
【0062】
一実施態様において、(i)R3が、-SO2-Y、-COZ、又は-CNであり、かつ(ii)R4又はR5の一方が、水素原子である場合、zは0ではない。別の実施態様では、R9及びR10は一緒になって、アミノ、(C1-C4)アルキル-アミノ、又は(C1-C4)ジアルキル-アミノで置換された、-CH=CH-CH=CH-、-CH=CH-N=CH-、又は(C1-C2)アルキリデンである。別の実施態様では、R4及びR5は共に、式(A)の構造である。
【0063】
一部の実施態様において、化合物は、下記式のもの、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含む:
【化29】

【0064】
更なる例は:2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4,5-ジニトロイソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4,5-ジアミノイソインドリン-1,3-ジオン;7-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-3-ピロリノ[3,4-e]ベンゾイミダゾール-6,8-ジオン;7-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]ヒドロ-3-ピロリノ[3,4-e]ベンゾイミダゾール-2,6,8-トリオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-3-ピロリノ[3,4-f]キノキサリン-1,3-ジオン;シクロプロピル-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;2-クロロ-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;2-アミノ-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;2-N,N-ジメチルアミノ-N-{2-[-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}-2,2,2-トリフルオロアセトアミド;N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}メトキシカルボキサミド;4-[1-アザ-2-(ジメチルアミノ)ビニル]-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]イソインドリン-1,3-ジオン;4-[1-アザ-2-(ジメチルアミノ)プロパ-1-エニル]-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]イソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)イソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-ピロリルイソインドリン-1,3-ジオン;4-(アミノメチル)-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-イソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-(ピロリルメチル)イソインドリン-1,3-ジオン;N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1R-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1R-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1S-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1S-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;4-アミノ-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチルイソインドリン-1,3-ジオン;4-アミノ-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]イソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-4-ピロリルイソインドリン-1,3-ジオン;2-クロロ-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドール-4-イル}アセトアミド;2-(ジメチルアミノ)-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;4-アミノ-2-[1R-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチル]イソインドリン-1,3-ジオン;4-アミノ-2-[1R-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]イソインドリン-1,3-ジオン;2-[1R-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-4-ピロリルイソインドリン-1,3-ジオン;2-(ジメチルアミノ)-N-{2-[1R-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;シクロペンチル-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;3-(ジメチルアミノ)-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}プロパンアミド;2-(ジメチルアミノ)-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}プロパンアミド;N-{2-[(1R)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}-2-(ジメチルアミノ)アセトアミド;N-{2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}-2-(ジメチルアミノ)アセトアミド;4-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]ピロリル}-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン-1,3-ジオン;シクロプロピル-N-{2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;2-[1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4-ピロリルイソインドリン-1,3-ジオン;N-{2-[1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}-2-(ジメチルアミノ)アセトアミド;シクロプロピル-N-{2-[1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;シクロプロピル-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;2-(ジメチルアミノ)-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;シクロプロピル-N-{2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;シクロプロピル-N-{2-[(1R)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;(3R)-3-[7-(アセチルアミノ)-1-オキソイソインドリン-2-イル]-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;(3R)-3-[7-(シクロプロピルカルボニルアミノ)-1-オキソイソインドリン-2-イル]-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;3-{4-[2-(ジメチルアミノ)アセチルアミノ]-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル}-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;(3R)-3-[7-(2-クロロアセチルアミノ)-1-オキソイソインドリン-2-イル]-3-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;(3R)-3-{4-[2-(ジメチルアミノ)アセチルアミノ]-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル}-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;3-(1,3-ジオキソ-4-ピロリルイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4-(イミダゾリル-メチル)イソインドリン-1,3-ジオン;N-({2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}メチル)アセトアミド;2-クロロ-N-({2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}メチル)アセトアミド;2-(ジメチルアミノ)-N-({2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}メチル)アセトアミド;4-[ビス(メチルスルホニル)アミノ]-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4-[(メチルスルホニル)アミノ]イソインドリン-1,3-ジオン;N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシペンチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソペンチル] 1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;2-[(1R)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチル]-4-(ピロリルメチル)イソインドリン-1,3-ジオン;2-[(1R)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-4-(ピロリルメチル)イソインドリン-1,3-ジオン;N-{2-[1-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;2-[1-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-4-ピロリルイソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソブチル]-4-[ビス(メチルスルホニル)アミノ]イソインドリン-1,3-ジオン;並びに、それらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含むが、これらに限定されるものではない。
【0065】
更に別のPDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に取り込まれているWO 01/45702及び米国特許第6,699,899号に開示された、イミド及びアミド置換アシルヒドロキサム酸(例えば、プロパン酸(3-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロパノイルアミノ)を含むが、これらに限定されない。その例は、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグである:
【化30】

(式中、で示される炭素原子はキラル中心を構成し、
R4は、水素原子又は-(C=O)-R12であり、
R1及びR12のそれぞれは、互いに独立に、炭素原子が1〜6個のアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジルメチル、ピリジル、イミダゾリル、イミダゾリルメチル、又はCHR*(CH2)nNR*R0であり、
ここでR*及びR0は、他方とは独立に、水素原子、炭素原子が1〜6個のアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジルメチル、ピリジル、イミダゾイル、又はイミダゾリルメチルであり、かつn=0、1、又は2であり;
R5は、C=O、CH2、CH2-CO-、又はSO2であり;
R6及びR7のそれぞれは、他方とは独立に、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜6個のアルキル、炭素原子が1〜6個のアルコキシ、炭素原子が3〜8個のシクロアルコキシ、ハロ、炭素原子が18個までのビシクロアルキル、炭素原子が18個までのトリシクロアルコキシ、1-インダニルオキシ、2-インダニルオキシ、C4-C8-シクロアルキリデンメチル、又はC3-C10-アルキリデンメチルであり;
R8、R9、R10及びR11のそれぞれは、他のものとは独立に、
(i)水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、ハロであるか、又は
(ii)R8、R9、R10及びR11のひとつは、低級アルキルを含むアシルアミノであり、残りのR8、R9、R10及びR11は水素原子であるか、又は
(iii)R8及びR9が一緒になってベンゾ、キノリン、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾジオキソール、2-ヒドロキシベンゾイミダゾール、メチレンジオキシ、ジアルコキシ、又はジアルキルである場合、水素原子であるか、又は
(iv)R10及びR11が一緒になってベンゾ、キノリン、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾジオキソール、2-ヒドロキシベンゾイミダゾール、メチレンジオキシ、ジアルコキシ、又はジアルキルである場合、水素原子であるか、又は
(v)R9及びR10が一緒になってベンゾである場合、水素原子である。)。
【0066】
更に別のPDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第7,034,052号に開示された、7-アミド-イソインドリル化合物を含むが、これらに限定されない。その例は、下記式の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含む:
【化31】

(式中、Yは、-C(O)-、-CH2、-CH2C(O)-又はSO2であり;
Xは、Hであり;
Zは、(C0-4-アルキル)-C(O)R3、C1-4-アルキル、(C0-4-アルキル)-OH、(C1-4-アルキル)-O(C1-4-アルキル)、(C1-4-アルキル)-SO2(C1-4-アルキル)、(C0-4-アルキル)-SO(C1-4-アルキル)、(C0-4-アルキル)-NH2、(C0-4-アルキル)-N(C1-8-アルキル)2、(C0-4-アルキル)-N(H)(OH)、又はCH2NSO2(C1-4-アルキル)であり;
R1及びR2は、独立に、C1-8-アルキル、シクロアルキル、又は(C1-4-アルキル)シクロアルキルであり;
R3は、NR4R5、OH、又は0-(C1-8-アルキル)であり;
R4は、Hであり;
R5は、-OH、又は-OC(O)R6であり;並びに
R6は、C1-8-アルキル、アミノ-(C1-8-アルキル)、(C1-8-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、C3-6-シクロアルキル、フェニル、ベンジル、又はアリールである。)。
【0067】
他の実施態様において、下記式の化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグが、本明細書に提供されている:
【化32】

(式中、Yは、-C(O)-、-CH2、-CH2C(O)-、又はSO2であり;
Xは、ハロゲン、-CN、-NR7R8、-NO2、又は-CF3であり;
Zは、(C0-4アルキル)-SO2(C1-4-アルキル)、-(C0-4-アルキル)-CN、-(C0-4-アルキル)-C(O)R3、C1-4-アルキル、(C0-4-アルキル)OH、(C0-4-アルキル)O(C1-4-アルキル)、(C0-4-アルキル)SO(C1-4-アルキル)、(C0-4-アルキル)NH2、(C0-4-アルキル)N(C1-8-アルキル)2、(C0-4-アルキル)N(H)(OH)、(C0-4-アルキル)-ジクロロピリジン又は(C0-4-アルキル)NSO2(C1-4-アルキル)であり;
Wは、-C3-6-シクロアルキル、-(C1-8-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、-(C0-8-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)-NR7R8、(C0-8-アルキル)-NR7R8、(C0-4-アルキル)-CHR9-(C0-4-アルキル)-NR7R8であり;
R1及びR2は、独立に、C1-8-アルキル、シクロアルキル、又は(C1-4-アルキル)シクロアルキルであり;
R3は、C1-8-アルキル、NR4R5、OH、又はO-(C1-8-アルキル)であり;
R4及びR5は、独立に、H、C1-8-アルキル、(C0-8-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、OH、又は-OC(O)R6であり;
R6は、C1-8-アルキル、(C0-8-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、アミノ-(C1-8-アルキル)、フェニル、ベンジル、又はアリールであり;
R7及びR8は、それぞれ独立に、H、C1-8-アルキル、(C0-8-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、フェニル、ベンジル、アリールであるか、或いはこれらを接続する原子と一緒になって、3〜7員ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリール環を形成することができ;
R9は、C1-4アルキル、(C0-4-アルキル)アリール、(C0-4-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、(C0-4-アルキル)-複素環である。)。
【0068】
一実施態様において、Wは、下記式の通りである:
【化33】

【0069】
別の実施態様において、代表的化合物は、下記式のもの、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含む:
【化34】

(式中、R1、R2及びR3は、R1、R2及びR3の少なくともひとつがHではないことを条件に、独立に、H、又はC1-8-アルキルである。)。
【0070】
更に他のPDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に取り込まれている2006年2月2日に公開された米国特許公開第2006/0025457A1号に開示されているイソインドリン化合物を含むが、これらに限定されない。代表的な化合物は、下記の表1に列挙した化合物、並びにそれらの医薬として許容し得るプロドラッグ、塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、及び立体異性体を含む。
【0071】
【表1】


【0072】
別の実施態様において2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4,5-ジニトロイソインドリン-1,3-ジオン、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、若しくはプロドラッグも本明細書に提供される。一実施態様において、2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4,5-ジニトロイソインドリン-1,3-ジオン塩酸塩が、本明細書に提供される。
【0073】
更に他のPDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第7,244,259号に開示されているイソインドリン化合物を含むが、これらに限定されない。代表的な化合物は、下記の化学構造を有するシクロプロパンカルボン酸{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル-エチル]-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル}-アミド、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、プロドラッグ、及び立体異性体である。
【化35】

【0074】
更に他のPDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第6,911,464号に開示されたN-アルキル-ヒドロキサム酸-イソインドリル化合物を含むが、これらに限定されるものではない。代表的な化合物は、下記の化学構造を有するもの、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含む:
【化36】

(式中、Yは、-C(O)-、-CH2、-CH2C(O)-又はSO2であり;
R1及びR2は、独立に、C1-8-アルキル、CF2H、CF3、CH2CHF2、シクロアルキル、又は(C1-8-アルキル)シクロアルキルであり;
Z1は、H、C1-6-アルキル、-NH2-NR3R4又はOR5であり;
Z2は、H又はC(O)R5であり;
X1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、NO2、OR3、CF3、C1-6-アルキル、(C0-4-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、(C0-4-アルキル)-N-(R8R9)、(C0-4-アルキル)-NHC(O)-(R8)、(C0-4-アルキル)-NHC(O)CH(R8)(R9)、(C0-4-アルキル)-NHC(O)N(R8R9)、(C0-4-アルキル)-NHC(O)O(R8)、(C0-4-アルキル)-O-R8、(C0-4-アルキル)-イミダゾリル、(C0-4-アルキル)-ピロリル、(C0-4-アルキル)オキサジアゾリル、(C0-4-アルキル)-トリアゾリル又は(C0-4-アルキル)-複素環であり;
R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、H、C1-6-アルキル、O-C1-6-アルキル、フェニル、ベンジル、又はアリールであり;
R6及びR7は、独立に、H又はC1-6-アルキルであり;並びに
R8及びR9は、それぞれ独立に、H、C1-9-アルキル、C3-6-シクロアルキル、(C1-6-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、(C0-6-アルキル)-N(R4Rs)、(C1-6-アルキル)-OR5、フェニル、ベンジル、アリール、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)、ピロリジニル、モルホリノ、又はC3-7-ヘテロシクロアルキルである。)。
【0075】
更に他のPDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第7,312,241号に開示されたジフェニルエチレン化合物を含むが、これらに限定されない。代表的な化合物は、下記式のもの、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含む:
【化37】

(式中、R1は、-CN、低級アルキル、-COOH、-C(O)-N(R9)2、-C(O)-低級アルキル、-C(O)-ベンジル、-C(O)O-低級アルキル、-C(O)O-ベンジルであり;
R4は、-H、-NO2、シアノ、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アルコキシ、ハロゲン、-OH、-C(0)(R10)2、-COOH、-NH2、-OC(O)-N(R10)2であり;
R5は、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アルコキシ、或いは置換又は非置換アルケニルであり;
Xは、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換ピリジン、置換又は非置換ピロリジン、置換又は非置換イミジゾール、置換又は非置換ナフタレン、置換又は非置換チオフェン、或いは置換又は非置換シクロアルキルであり;
R9は、その出現のたびに独立に、-H、或いは置換又は非置換低級アルキルであり;並びに
R10は、その出現のたびに独立に、-H、或いは置換又は非置換低級アルキルである。)。
【0076】
別の実施態様では、代表的な化合物は、下記式のもの、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、及びプロドラッグを含む:
【化38】

(式中、R1及びR2は、独立に、-H、-CN、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アルケニル、置換又は非置換アルキニル、-COOH、-C(O)-低級アルキル、-C(O)O-低級アルキル、-C(O)-N(R9)2、置換又は非置換アリール、或いは置換又は非置換複素環であり;
Ra、Rb、Rc及びRdは、その出現のたびに独立に、-H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換アルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(O)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(O)CH(R10)(N(R9)2)又は-NHC(O)-R10-NH2であり;
R3は、-H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換アルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(O)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(O)CH(R10)(N(R9)2)、又は-NHC(O)-R10-NH2-であるか、或いはR3は、Ra又はR4のいずれかと一緒になって、-0-C(R16R17)O-若しくは-O-(C(R16R17))2-O-を形成し;
R4は、-H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換アルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(O)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(O)CH(R10)(N(R9)2)、又は-NHC(O)-R10-NH2であり;
R5は、-H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換アルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(0)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(O)CH(R10)(N(R9)2)又は-NHC(O)-R10-NH2であり;
R6は、-H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換アルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(O)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(O)CH(R10)(N(R9)2)、又は-NHC(O)-R10-NH2であり;
R7は、-H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換アルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(O)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(O)CH(R10)(N(R9)2)、又は-NHC(O)-R10-NH2であり;
R8は、-H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換複素環、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換アルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(O)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(0)CH(R10)(N(R9)2)、又は-NHC(O)-R10-NH2であるか、或いはR8は、Rc又はR7のいずれかと一緒になって、-0-C(R16R17)-O-又は-O-(C(R16R17))2-O-を形成し;
R9は、その出現のたびに独立に、-H、置換又は非置換低級アルキル、或いは置換又は非置換シクロアルキルであり;
R10は、その出現のたびに独立に、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換低級ヒドロキシアルキルであるか、或いは、R10とそこに結合する窒素は、置換又は非置換複素環を形成するか、或いはR10は、適切な場合-Hであり;並びに
R16及びR17は、その出現のたびに独立に、-H又はハロゲンである。)。
【0077】
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)プロピオン酸メチルエステル、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、若しくはプロドラッグである:
【化39】

【0078】
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、各々下記構造を有する、2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオン、及びシクロプロピル-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグである:
【化40】

。別の実施態様では、これらの化合物の立体異性体も包含される。
【0079】
本明細書に提供された化合物は、商業的に購入することができるか、又は本明細書で開示された特許若しくは特許文献に記載される方法に従って調製することができる。更に、光学的に純粋な組成物は、既知の分割剤又はキラルカラム、並びにその他の標準的な合成有機化学技法を使用して、非対称に合成するか又は分割することができる。
【0080】
様々なPDE4モジュレーターは、ひとつ以上のキラル中心を含み、かつ鏡像異性体のラセミ混合物又はジアステレオマーの混合物として存在することができる。一実施態様において、本明細書に提供されているのは、そのような化合物の立体異性的に純粋な形のものの使用に加え、これらの形の混合物の使用である。例えば等量の又は等量ではないPDE4モジュレーターの鏡像異性体を含む混合物を、本明細書に提供された方法及び組成物に使用してよい。本明細書に開示された特定の化合物の、精製された(R)又は(S)鏡像異性体は、その他方の鏡像異性体を実質的に含まない状態で使用することができる。
【0081】
示される構造と、その構造に与えられた名称との間に不一致がある場合、示された構造により重きを置くことに留意すべきである。加えて、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば太線又は破線で示されていない場合、構造又はその構造の一部は、その全ての立体異性体を包含すると解釈されるべきである。
【0082】
(4.3 治療、予防及び管理方法)
TB及び他の関連障害を、治療、予防及び/又は管理する方法が、本明細書において提供される。本明細書において使用される「TB」の治療、予防及び/又は管理は、TBの全ての形及びそれらの関連症状を治療、予防及び/又は管理することを包含している。TBの例は、肺性TB、並びに非限定的に、泌尿生殖器TB(例えば腎臓TB)、結核性髄膜炎、粟粒(military)TB、結核性腹膜炎、結核性心膜炎、結核性リンパ節炎、骨関節のTB、胃腸管TB及び肝臓のTBなどの肺外TB(遠隔TB病巣)を含むが、これらに限定されるものではない。
【0083】
一実施態様において、TBに関連した症状を治療、予防及び/又は管理する方法が、本明細書に提供されている。その例は、咳、呼吸困難、肺門リンパ節症、区域性無気肺、結節の腫脹、肺葉無気肺、肺空洞、発熱、絶え間ない頭痛、悪心、眠気、昏迷、昏睡、斜頸、衰弱、及び倦怠感を含むが、これらに限定されるものではない。
【0084】
同じく、TBに関連した他の障害を治療、予防及び/又は管理する方法も、本明細書に提供される。そのような障害は、その症状はTBの症状に似ている他のマイコバクテリア感染症を含むことが多い。その例は、トリ型結核菌複合体(MAC;マイコバクテリウム・アビウム(M. avium)及びマイコバクテリウム・イントラセルラーレ(M. intracellulare))、マイコバクテリウム・カンサシイ(M. kansasii)、マイコバクテリウム・ゼノピ(M. xenopi)、マイコバクテリウム・マリヌム(M. marinum)、マイコバクテリウム・ウルセランス(M. ulcerans)、マイコバクテリウム・レプラ(M. leprae)、及びマイコバクテリウム・フォルチュイツム複合体(マイコバクテリウム・フォルチュイツム(M. fortuitum)及びマイコバクテリウム・ケロネイ(M. chelonei))により引き起こされる障害を含むが、これらに限定されるものではない。これらのマイコバクテリアにより引き起こされる障害は、肺疾患、リンパ節炎、皮膚疾患、創傷、及び異物感染症を含むが、これらに限定されるものではない。
【0085】
一部の実施態様において、他の肉芽腫性疾患の治療、予防及び/又は管理も、本明細書に包含されている。そのような疾患の例は、ヒストプラスマ、クリプトコッカス、日本住血吸虫、及びリーシュマニアなどの、感染性物質が引き起こした疾患;ベリリウム中毒などの、アレルギー反応が引き起こした疾患;誤嚥性肺炎及び異物反応などの、非感染性物質が引き起こした疾患;慢性肉芽腫症などの、遺伝的に引き起こされた疾患;並びに、サルコイドーシス、クローン病及び猫ひっかき病などの、原因不明の疾患を含むが、これらに限定されるものではない。
【0086】
一部の実施態様において、本明細書に提供された方法は、1種以上のPDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを、TB又は他の関連障害に罹患した又は罹患する可能性のある対象(例えばヒト)に投与することを含む。ある実施態様において、PDE4モジュレーターは、TB及び他の障害の治療、予防及び/又は管理に関して現在公知の従来の化学療法薬と組合せて投与される。そのような物質の例は、イソニアジド、リファンピン、ピラジナミド、ストレプトマイシン、エタンブトール、カプレオマイシン、エチオナミド、サイクロセリン、レボフロキサシン(levafloxacin)、シプロフロキサシン、アミカシン、モキシフロキサシン、p-アミノサリチル酸、カナマイシン、バイオマイシン、エンビオマイシン(enciomycin)、プロチオナミド、リファブチン、クラリスロマイシン、リネゾリド、チオアセタゾン、アルギニン、ビタミンB、及びコルチコステロイドを含むが、これらに限定されるものではない。
【0087】
別の実施態様において、PDE4モジュレーターは、TB及び他の障害の治療、予防及び/又は管理に関して現在公知の従来の療法と組合せて投与される。そのような療法の例は、外科的切除を含むが、これらに限定されるものではない。
【0088】
一実施態様において、本明細書に提供された方法と組合せて使用されるPDE4モジュレーターは、{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオン}、シクロプロピル-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体である。一実施態様において、PDE4モジュレーターは、(+)-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオン}、又はそれらの医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物である。別の実施態様において、PDE4モジュレーターは、シクロプロピル-N-{2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド、又はそれらの医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物である。
【0089】
一実施態様において、PDE4モジュレーターは、経口で、かつ単回又は分割された日用量約1mg〜約10,000mgの量で投与される。ある実施態様において、日用量は、1日2回、均等に分けられた投薬量で投与される。一実施態様において、日用量範囲は、1日当たり約1mg〜約5,000mg、1日当たり約10mg〜約2,500mg、1日当たり約100mg〜約800mg、1日当たり約100mg〜約1,200mg、又は1日当たり約25mg〜約2,500mgであるべきである。患者の管理の際、本療法は、おそらく約1mg〜約2,500mgというより低い用量で開始すべきであり、必要な場合には、患者の全体的な反応に応じて、1日当たり約200mg〜約5,000mgまで、単回用量として又は分割用量として増やすべきである。
【0090】
一実施態様において、3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-プロピオンアミドを、2回に分割された用量として1日当たり約400、800、1,200、2,500、5,000又は10,000mgの量で投与することができる。一実施態様において、3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-プロピオンアミドを、毎日、1日置き、または他の投与間隔で、約400〜約1,200mg/日の量で投与する。
【0091】
別の実施態様において、2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオン、又はそれらの立体異性体を、単回又は2回に分割された用量として1日当たり約1、10、100、200、400、800、1,200、2,500、5,000、又は10,000mgの量で投与する。
【0092】
別の実施態様において、シクロプロピル-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド、又はそれらの立体異性体を、単回又は2回に分割された用量として1日当たり約1、10、100、200、400、800、1,200、2,500、5,000、又は10,000mgの量で投与する。
【0093】
一実施態様において、PDE4モジュレーターは、吸入により、かつ単回又は分割日用量約1mg〜約10,000mgの量で投与される。一実施態様において、日用量は、1日2回、均等に分けられた投薬量で投与される。ある実施態様において、日用量範囲は、1日当たり約1mg〜約5,000mg、1日当たり約10mg〜約2,500mg、1日当たり約100mg〜約800mg、1日当たり約100mg〜約1,200mg、又は1日当たり約25mg〜約2,500mgである。患者の管理の際、本療法は、おそらく約1mg〜約2,500mgというより低い用量で開始し、必要な場合には、患者の全体的な反応に応じて、1日当たり約200mg〜約5,000mgまで、単回用量として又は分割用量として増やすことができる。
【0094】
一実施態様において、3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-プロピオンアミドを、2回に分割された用量として1日当たり約400、800、1,200、2,500、5,000又は10,000mgの量で投与することができる。別の実施態様において、3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-プロピオンアミドを、毎日、1日置き、又は他の投与間隔で、約400〜約1,200mg/日の量で投与する。
【0095】
別の実施態様において、2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオン、又はそれらの立体異性体を、単回又は2回に分割された用量として1日当たり約1、10、100、200、400、800、1,200、2,500、5,000、又は10,000mgの量で投与する。
【0096】
別の実施態様において、シクロプロピル-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド、又はそれらの立体異性体を、単回又は2回に分割された用量として1日当たり約1、10、100、200、400、800、1,200、2,500、5,000、又は10,000mgの量で投与する。
【0097】
(4.3.1 併用療法)
ある実施態様において、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、若しくはプロドラッグと、1種以上の他の治療薬とを組合せて投与することを含む方法が、本明細書において提供される。PDE4モジュレーターの例は、本明細書に開示されており(例えば、セクション4.2を参照);並びに、第2活性剤の例も、本明細書に開示されている(例えば、セクション4.3を参照)。
【0098】
患者へのPDE4モジュレーター及び第2活性剤の投与は、同じか又は異なる投与経路によって、同時に又は順次行うことができる。特定の活性剤に用いられる特定の投与経路の適合性は、活性剤そのもの(例えば、血流に入る前に分解することなく経口投与することができるかどうか)、及び治療される疾患に応じて異なる。一実施態様において、PDE4モジュレーターの投与経路は、経口である。別の実施態様において、PDE4モジュレーターの投与経路は、鼻腔内である。本明細書に提供される第2活性剤又は成分の投与経路は、当業者に公知のものである。例えば「医師用卓上参考書(Physicians' Desk Reference)」, 594-597頁(57版、2003年)参照のこと。
【0099】
一実施態様において、第2活性剤は、経口、静脈内、筋肉内、皮下、粘膜内、又は経皮的に、1日1回又は2回、約1〜約3,500mg、約5〜約2,500mg、約10〜約500mg、又は約25〜約250mgの量で投与される。
【0100】
第2活性剤の特定の量は、使用される特定の薬剤、治療されるか又は管理される疾患又は障害のタイプ、その疾患又は障害の重症度及び病期、患者に同時に投与されるPDE4モジュレーター及びいずれかの任意の追加の活性剤の量に応じて異なることになる。第2活性剤の常用量で、出発することができる。例えば「医師用卓上参考書(Physicians' Desk Reference)」, (57版、2003年)参照。
【0101】
一実施態様において、PDE4モジュレーター及び第2活性剤は、PDE4モジュレーターが、他の物質と一緒に作用し、それ以外に投与された場合よりも増大した恩恵をもたらすことができるように、順番にかつ間隔をあけて、患者(例えば、ヒトなどの哺乳動物)へ投与される。例えば、この第2活性剤は、同時に又は異なる時点でいずれかの順番で順次投与することができるが;しかし同時に投与されない場合は、これらは、望ましい治療的又は予防的作用を提供するように、十分に近い時点で投与されなければならない。一実施態様において、PDE4モジュレーター及び第2活性剤は、重なった時間にそれらの作用を発揮する。第2活性剤の各々は、いずれか好適な形状及びいずれか適した経路で、個別に投与することができる。他の実施態様において、PDE4モジュレーターは、第2活性剤の投与前、投与時又は投与後に、投与される。
【0102】
様々な実施態様において、PDE4モジュレーター及び第2活性剤は、約1時間未満間を空けて、約1時間間を空けて、約1時間〜約2時間間を空けて、約2時間〜約3時間間を空けて、約3時間〜約4時間間を空けて、約4時間〜約5時間間を空けて、約5時間〜約6時間間を空けて、約6時間〜約7時間間を空けて、約7時間〜約8時間間を空けて、約8時間〜約9時間間を空けて、約9時間〜約10時間間を空けて、約10時間〜約11時間間を空けて、約11時間〜約12時間間を空けて、24時間を超えず間を空けて、48時間を超えず間を空けて投与される。他の実施態様において、PDE4モジュレーター及び第2活性剤は、同じ又は異なる経路を用い、同時に投与される。
【0103】
その他の実施態様において、PDE4モジュレーター及び第2活性剤は、約2〜4日間間を空けて、約4〜6日間間を空けて、約1週間間を空けて、約1〜2週間間を空けて、又は2週間以上間を空けて投与される。
【0104】
ある実施態様において、PDE4モジュレーター及び第2活性剤は、患者へ周期的に投与される。サイクリング療法は、ある期間の第一剤の投与、それに続くある期間の第二剤及び/又は第三剤の投与、並びにこの逐次投与の繰り返しに関与している。サイクリング療法は、1種以上のこの療法に対する耐性の発生を低下し、この療法の一つの副作用を回避若しくは軽減し、及び/又はこの治療効率を改善することができる。
【0105】
ある実施態様において、PDE4モジュレーター及び任意に第2活性剤は、約3週間未満の周期で、約2週毎に1回、約10日毎に1回、又は約毎週1回、投与される。1サイクルは、各サイクルで約90分間、各サイクル約1時間、各サイクル約45分間にわたる注入による、PDE4モジュレーター及び任意に第2活性剤の投与を含むことができる。各サイクルは、少なくとも1週間の休薬、少なくとも2週間の休薬、少なくとも3週間の休薬を含むことができる。投与サイクルの数は、約1〜約12サイクルであり、より典型的には約2〜約10サイクル、及びより典型的には約2〜約8サイクルである。
【0106】
更に別の実施態様において、本PDE4モジュレーターは、長い休薬期間を伴わない、連続注入又は頻回投与のいずれかによる、メトロノミック投与方式で投与される。そのようなメトロノミック投与は、休薬期間を伴わない一定間隔での投与に関与することができる。典型的にはPDE4モジュレーターは、より低い用量で使用される。そのような投与方式は、長期間にわたる比較的低い投与量の慢性的毎日投与を包含している。好ましい実施態様において、より低い用量の使用は、毒性のある副作用を最小化し、かつ休薬期間を排除することができる。ある実施態様において、PDE4モジュレーターは、約24時間から約2日間、約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月までの範囲で、慢性的に低用量で又は連続注入により送達される。そのような投与方式のスケジューリングは、当業者により最適化されることができる。
【0107】
その他の実施態様において、複数の治療コースが、同時に患者へ投与され、すなわち第2活性剤の個別用量は、依然PDE4モジュレーターが第2活性剤と一緒に作用することができる時間間隔内で個別に投与される。例えば、ひとつの成分は1週間に1回で、2週間毎に1回又は3週間毎に1回投与される他の成分と組合せて投与することができる。言い換えると、この投与方式は、治療薬が同時又は同日内に投与されない場合であっても、並行して実行される。
【0108】
前記第2活性剤は、PDE4モジュレーターと相加的に、又はより好ましくは相乗的に作用することができる。一実施態様において、PDE4モジュレーターは、同じ医薬組成物内で1種以上の第2活性剤と並行して投与される。別の実施態様において、PDE4モジュレーターは、個別の医薬組成物中で、1種以上の第2活性剤と並行して投与される。更に別の実施態様において、PDE4モジュレーターは、第2活性剤の投与の前に又は投与に続けて投与される。同じく同じ又は異なる投与経路、例えば経口と非経口による、PDE4モジュレーター及び第2活性剤の投与も、本明細書に提供される。ある実施態様において、PDE4モジュレーターが、非限定的に毒性及び耐性の発生を含む有害な副作用を生じる可能性がある、第2活性剤と並行して投与される場合、この第2活性剤は、有利なことに、その有害副作用が誘発される閾値を下回る投与量で投与されることができる。
【0109】
(4.3.2 他の従来型管理技術の使用)
TB及び他の疾患のための他の従来型療法と組合せた(例えば、前、同時又は後)、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、若しくはプロドラッグを投与することを含む、TB及び他の関連疾患の治療、予防及び/又は管理する方法も本明細書において提供される。他の従来型療法の例は、外科的切除を含むが、これに限定されるものではない。
【0110】
PDE4モジュレーター及び他の従来型療法の併用は、ある患者には予想外に有効である独自の治療方式を提供することがある。特定の理論により限定されるものではないが、PDE4モジュレーターは、他の従来型療法と並行して与えられる場合には、相加的又は相乗的作用を提供することができると考えられる。
【0111】
(4.4 医薬組成物及び単一単位剤形)
医薬組成物は、個別の単一単位剤形の調製に使用することができる。本明細書に提供された医薬組成物及び剤形は、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、若しくはプロドラッグを含む。本明細書に提供された医薬組成物及び剤形は、更に、1種以上の賦形剤を含むことができる。
【0112】
本明細書に提供された医薬組成物及び剤形は、1種以上の追加の活性成分を含むこともできる。その結果、本明細書に提供された医薬組成物及び剤形は、本明細書に提供される化合物(例えば、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、若しくはプロドラッグ、及び第2活性剤)を含む。追加の治療薬の例を、本明細書に開示している(例えば、セクション4.3を参照)。
【0113】
本明細書に提供された単一単位剤形は、患者に対する経口、粘膜(例えば鼻腔内、舌下、膣、頬、又は直腸)、又は非経口(例えば皮下、静脈内、ボ-ラス注入、筋肉内、又は動脈内)、経皮又は皮下投与に適切である。剤形の例には、錠剤;カプレット;軟質で弾性あるゼラチンカプセルなどのカプセル;カシェ剤;トローチ;ロゼンジ;分散剤;坐剤;散剤;エアロゾル(例えば鼻腔内スプレー又は吸入器);ゲル剤;懸濁剤(例えば水性又は非水性の液体懸濁剤、水中油乳剤、又は油中水液体乳剤)、液剤、及びエリキシルを含む、患者への経口又は経粘膜投与に適切な液体剤形;患者への非経口投与に適切な液体剤形;並びに、患者への非経口投与に適切な液体剤形を提供するために、再構成することのできる滅菌固形分(例えば結晶質又は非晶質固形分)を含むが、これらに限定されない。
【0114】
本明細書に提供された剤形の組成、形状、及びタイプは、典型的な場合、それらの用途に応じて変わることになる。例えば、疾患の急性治療に使用される剤形は、同じ疾患の慢性治療で使用される剤形が含むよりも多くの量の、1種以上の活性剤を含有することができる。同様に、非経口剤形は、同じ疾患を治療するのに使用される経口剤形が含むよりも少ない量の、1種以上の活性剤を含有することができる。特定の剤形が互いに異なることになる、これら及びその他の方法は、当業者に容易に明らかにされよう。例えば、「レミントンの薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」, 第18版, Mack Publishing, Easton PA(1990)を参照のこと。
【0115】
典型的な医薬組成物及び剤形は、1種以上の賦形剤を含む。適切な賦形剤は、製薬の業者に周知であり、適切な賦形剤の非限定的な例を本明細書に示す。特定の賦形剤が、医薬組成物又は剤形に組み込まれるのに適切か否かは、剤形を患者に投与する方法を含むがこれに限定されることのない、当技術分野で周知の様々な要因に左右される。例えば、錠剤などの経口剤形は、非経口剤形での使用に適していない賦形剤を含有することができる。特定の賦形剤が適切か否かも、剤形中の特定の活性成分に左右される可能性がある。例えば、一部の活性成分の分解は、ラクトースなどの一部の賦形剤によって又は水に曝されたときに、加速される可能性がある。第一級又は第二級アミンを含む活性成分は、そのような加速される分解を特に受け易い。その結果、ラクトース或いはその他の単糖類又は二糖類を含有するにしても僅かしか含有しない医薬組成物及び剤形が本明細書において提供される。本明細書で使用する「ラクトースを含まない」という用語は、例えあるにしても存在するラクトースの量が、活性成分の分解速度を実質的に増大させるのに不十分であることを意味する。
【0116】
ラクトースを含まない組成物は、当技術分野で周知であり且つ例えば米国薬局方(USP)25-NF20(2002)に列挙される賦形剤を含むことができる。一般に、ラクトースを含まない組成物は、活性成分、結合剤/充填剤、及び滑沢剤を、医薬品として適合性があり且つ医薬として許容し得る量で含む。ラクトースを含まない好ましい剤形は、活性成分、微結晶質セルロース、α化デンプン、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0117】
本発明は更に、活性成分を含んだ無水医薬組成物及び剤形を包含するが、それは水が、一部の化合物の分解を促進させる可能性があるからである。例えば水の添加(例えば5%)は、経時的な製剤の保存寿命や安定性などの特性を決定するために、長期保存をシミュレ-トする手段として、製薬の分野で広く認められる。例えば、Jens T. Carstensenの文献、「薬剤安定性:原理及び慣例(Drug Stability: Principles & Practice)」, 第二版, Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp.379-80を参照のこと。実際に、水及び熱は、一部の化合物の分解を加速させる。従って、水が製剤に及ぼす影響は、製剤の製造、取扱い、包装、貯蔵、輸送、及び使用時に水分及び/又は湿度に普通に触れるので、非常に著しいものになる可能性がある。
【0118】
無水医薬組成物及び剤形は、無水又は低水分含有の成分と、低水分又は低湿度条件を使用して、調製することができる。ラクトースと、第一級又は第二級アミンを含む少なくとも1種の活性成分とを含む、医薬組成物及び剤形は、製造、包装、及び/又は貯蔵時に水分及び/又は湿度との実質的な接触が予測される場合、無水であることが好ましい。
【0119】
無水医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように、調製し保存すべきである。従って無水組成物は、適切な処方キットに含めることができるように、水への曝露を防ぐことが知られている材料を使用して包装することが好ましい。適切な包装の例には、密封状態に封止された箔、プラスチック、単位用量容器(例えばバイアル)、ブリスターパック、及びストリップパックが含まれるが、これらに限定されない。
【0120】
更に、活性成分が分解することになる速度を低下させる1種以上の化合物を含んだ医薬組成物及び剤形も、本明細書において提供される。そのような化合物を、本明細書では「安定剤」と呼び、アスコルビン酸などの酸化防止剤、pH緩衝剤、又は塩緩衝剤を含むが、これらに限定されない。
【0121】
賦形剤の量及びタイプと同様に、剤形中の活性成分の量及び特定のタイプは、患者に投与される経路などであるがこれに限定することのない要因に応じて、異なる可能性がある。ある実施態様において、本明細書に提供される剤形は、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを、約1〜約10,000mgの量で含む。典型的な剤形は、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを、約1、2、5、10、25、50、100、200、400、800、1,200、2,500、5,000又は10,000mg含む。特定の実施態様では、好ましい剤形は、3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-プロピオンアミドを、約400、800又は1,200mgの量で含む。ある実施態様において、剤形は、第2活性剤を、例えば約1〜約3,500mg、約5〜約2,500mg、約10〜約500mg、又は約25〜約250mgの量で含む。当然ながら、第2活性剤の特定の量は、使用される特定の薬剤、治療され又は管理される疾患又は障害のタイプ、及びPDE4モジュレーターの量と、患者に同時に投与されるいずれかの任意の追加の活性剤に応じて変化することになる。
【0122】
(4.4.1 経口剤形)
経口投与に適した医薬組成物は、錠剤(例えばチュアブル錠)、カプレット、カプセル、及び液剤(例えば風味付きシロップ)などであるがこれらに限定されることのない、個別の剤形として存在することができる。そのような剤形は、所定量の活性剤を含有し、当業者に周知の製薬方法によって調製することができる。一般に、「レミントンの薬科学(Remington's Pharmaceutical Science)」, 第18版, Mack Publishing, Easton PA(1990)を参照のこと。
【0123】
本明細書に提供される経口剤形は、従来の医薬品配合技法に従い、少なくとも1種の賦形剤と完全な混合物として活性成分を組合せることにより調製される。賦形剤は、投与に望まれる調製形態に応じて、広く様々な形をとることができる。例えば、経口用液体又はエアロゾル剤形での使用に適した賦形剤は、水、グリコール、油、アルコール、着香剤、保存剤、及び着色剤を含むが、これらに限定されない。固体の経口剤形(例えば、散剤、錠剤、カプセル、及びカプレット)で使用するのに適した賦形剤の例は、デンプン、砂糖、微結晶質セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤を含むが、これらに限定されない。
【0124】
錠剤及びカプセルは、投与が容易であるので、最も有利な経口単位剤形であり、その場合固形賦形剤が使用される。一部の実施態様において、この剤形は、唾液との接触後迅速に溶解する、速溶経口錠剤又はフィルムであることができる。このような剤形は、小児及び高齢者に特に有用であり、そのような剤形の製造法は、当該技術分野において周知である。
【0125】
望ましいならば、錠剤を、標準的な水性又は非水性技法により被覆することができる。このような剤形は、任意の製薬法により調製することができる。一般に、医薬組成物及び剤形は、活性成分を、液体担体、微細に分割された固体担体、又はその両方と均一且つ完全に混合し、次いで必要な場合には生成物を所望の形に成形することによって調製される。
【0126】
例えば錠剤は、圧縮又は成型によって調製することができる。圧縮錠剤は、粉末や顆粒などの易流動性形態の任意に賦形剤と混合した活性成分を、適切な機械で圧縮することにより調製することができる。成型錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を、適切な機械で成型することにより作製することができる。
【0127】
経口剤形に使用することができる賦形剤の例に、結合剤、充填剤、崩壊剤、及び滑沢剤を含むが、これらに限定されない。医薬組成物及び剤形での使用に適した結合剤には、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、又はその他のデンプン、ゼラチン、アカシアなどの天然及び合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、その他のアルギン酸塩、粉末化トラガカント、グアールガム、セルロース及びその誘導体(例えばエチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばNo.2208、2906、2910)、微結晶質セルロース、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0128】
適切な形の微結晶質セルロースは、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corporation、American Viscose Division、Avicel Sales、Marcus Hook、PAから入手可能)として販売される材料、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。特定の結合剤は、AVICEL RC-581として販売されている微結晶質セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物である。適切な無水又は低水分の賦形剤又は添加剤には、AVICEL-PH-103(商標)及びStarch 1500 LMが含まれる。
【0129】
本明細書に提供される医薬組成物及び剤形での使用に適した充填剤の例は、タルク、炭酸カルシウム(例えば顆粒又は粉末)、微結晶質セルロース、粉末化セルロース、デキストラン、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。医薬組成物中の結合剤及び充填剤は、典型的な場合、医薬組成物又は剤形の約50〜約99重量%で存在する。
【0130】
崩壊剤は、水性環境に曝されたときに崩壊する錠剤を提供するために、組成物中に使用される。非常に多量の崩壊剤を含有する錠剤は、貯蔵中に崩壊する可能性があり、一方、非常に少量の崩壊剤を含有する錠剤は、所望の速度で又は所望の条件下で崩壊しない可能性がある。従って、活性成分の放出を不利益に変化させるように多過ぎもせず、且つ少な過ぎでもない十分な量の崩壊剤を使用して、本発明の固体経口剤形を形成すべきである。使用される崩壊剤の量は、製剤のタイプに応じて様々であり、当業者なら容易に理解される。典型的な医薬組成物は、崩壊剤を約0.5〜約15重量%、好ましくは崩壊剤を約1〜約5重量%含む。
【0131】
本明細書に提供された医薬組成物及び剤形において使用することができる崩壊剤は、アガーアガー、アルギン酸、炭酸カルシウム、微晶質セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、他のデンプン、α化デンプン、他のデンプン類、クレイ、他のアルギン、他のセルロース、ガム、及びそれらの混合物をを含むが、これらに限定されるものではない。
【0132】
本発明の医薬組成物及び剤形に使用することができる滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、その他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えばピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。追加の滑沢剤は、例えば、サイロイドシリカゲル(Baltimore、MDのW.R.Grace Co.により製造されたAEROSIL 200)、合成シリカの凝結エアロゾル(Plano、TXのDegssa Co.により販売されている)、CAB-O-SIL(Boston、MAのCabot Co.により販売された発熱原性二酸化ケイ素生成物)、及びこれらの混合物を含む。使用するなら、滑沢剤は、典型的な場合、この滑沢剤が組み込まれる医薬組成物又は剤形の約1重量%未満の量で使用する。
【0133】
一実施態様において、固体経口剤形は、PDE4モジュレーター、無水ラクトース、微結晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイド状無水シリカ、及びゼラチンを含む。
【0134】
(4.4.2 遅延放出剤形)
本活性剤は、制御された放出手段によって、又は当業者に周知の送達機器によって、投与することができる。その例は、それぞれが引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第3,845,770号、第3,916,899号、第3,536,809号、第3,598,123号、及び第4,008,719号、第5,674,533号、第5,059,595号、第5,591,767号、第5,120,548号、第5,073,543号、第5,639,476号、第5,354,556号、及び第5,733,566号に開示されているものを含むが、これらに限定されない。そのような剤形は、様々な割合で所望の放出プロフィールが得られるように、例えばヒドロプロピルメチルセルロース、その他のポリマーマトリックス、ゲル、透過性の膜、浸透系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はこれらの組合せを使用して、1種以上の活性剤の遅い又は制御された放出もたらすのに使用することができる。本明細書に記載されたものも含め、当業者に知られている適切な放出制御製剤は、本発明の活性剤と共に使用するために容易に選択することができる。従って本発明は、放出制御に適合させた錠剤、カプセル、ゲルカップ、及びカプレットなどであるがこれらに限定されることのない、経口投与に適した単一単位剤形を提供する。
【0135】
全ての放出制御医薬品には、非制御型の対応品によって実現されるよりも、薬物療法を改善するという共通の目標がある。理想的な場合、最適に設計された放出制御製剤の医療での使用は、最小限の時間で状態を治療し又は制御するために用いられる最小限の薬物によって特徴付けられる。放出制御製剤の利点には、薬物の活性の延長、投薬頻度の減少、及び患者の服薬遵守の増加が含まれる。更に放出制御製剤は、作用の開始時又は例えば薬物の血中濃度などのその他の特徴に、影響を及ぼすのに使用することができ、従って副(例えば有害)作用の出現に影響を及ぼすことができる。
【0136】
ほとんどの放出制御製剤は、所望の治療効果を即座にもたらす量の薬物(活性成分)を最初に放出し、このレベルの治療又は予防効果が維持される別の量の薬物を、長時間にわたって徐々にかつ連続的に放出するように設計される。この一定レベルの薬物を体内で維持するために、該薬物は、身体から代謝され排出される薬物の量に取って代わるような速度で剤形から放出されなければならない。活性成分の制御された放出は、pH、温度、酵素、水、又はその他の生理的条件、又は化合物を含むがこれらに限定されることのない様々な条件によって、刺激を受けることができる。
【0137】
(4.4.3 非経口剤形)
非経口剤形は、皮下、静脈内(ボーラス注入を含む)、筋肉内、及び動脈内を含むがこれらに限定されることのない様々な経路によって、患者に投与することができる。これらの投与は、典型的な場合、夾雑物に対する患者の自然の防御を迂回するので、非経口剤形は、滅菌され又は患者に投与する前に滅菌可能であることが好ましい。非経口剤形の例には、注入の用意が整った溶液、医薬として許容し得る注入用ビヒクルに溶解又は懸濁させる用意が整った乾燥生成物、注入の用意が整った懸濁剤、及び乳剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0138】
本非経口剤形をもたらすのに使用することができる適切なビヒクルは、当業者に周知である。その例は、注射用水(米薬局方);塩化ナトリウム注入液、リンゲル注入液、デキストロース注入液、デキストロース及び塩化ナトリウム注入液、乳酸リンゲル液などであるがこれらに限定されることのない水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどであるがこれらに限定されることのない水混和性ビヒクル;並びに、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジルなどであるがこれらに限定されることのない非水性ビヒクルを含むが、これらに限定されない。
【0139】
本明細書に開示される活性剤の1種以上の溶解度を増加させる化合物も、本明細書に提供された非経口剤形に組み込むことができる。例えば、シクロデキストリン及びその誘導体を、PDE4モジュレーター及びその誘導体の溶解度を増加させるのに使用することができる。例えば、引用により本明細書中に取り込まれている米国特許第5,134,127号を参照のこと。
【0140】
(4.4.4 局所及び粘膜剤形)
本明細書に提供された局所及び粘膜剤形は、スプレー、エアロゾル、溶液、エマルジョン、懸濁液、又は当業者に知られるその他の形を含むが、これらに限定されない。例えば、「レミントンの薬科学(Remington's Pharmaceutical Science)」, 第16版及び第18版, Mack Publishing, Easton PA(1980及び1990);及び、「医薬剤形への導入(Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms)」, 第4版, Lea & Febiger, Philadelphia(1985)を参照のこと。口腔内の粘膜組織を治療するのに適した剤形は、マウスウォッシュとして又は経口ゲルとして配合することができる。
【0141】
適切な賦形剤(例えば担体及び希釈剤)と、局所及び粘膜剤形を提供するのに使用することができるその他の材料は、製薬分野の業者に周知であり、所与の医薬組成物又は剤形が施用される特定の組織に応じて異なる。賦形剤の一部の例は、無毒性で医薬として許容し得る溶液、エマルジョン、又はゲルを形成するために、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。加湿剤又は湿潤剤も、望むなら医薬組成物及び剤形に添加することができる。そのような追加の成分の例は、当技術分野で周知である。例えば、「レミントンの薬科学(Remington's Pharmaceutical Science)」, 第16版及び第18版, Mack Publishing, Easton PA(1980及び1990)を参照のこと。
【0142】
医薬組成物又は剤形のpHも、1種以上の活性成分の送達が改善されるように調節することができる。同様に、溶媒担体の極性、そのイオン強度、又は張度を調節して、送達を改善することができる。ステアリン酸塩などの化合物を、医薬組成物又は剤形に添加して、送達が改善されるように1種以上の活性成分の親水性又は親油性を有利に変えることもできる。この点に関し、ステアリン酸塩は、製剤用の脂質ビヒクルとして、乳化剤又は界面活性剤として、更に送達強化剤又は浸透強化剤としての役割を果たすことができる。活性成分の、種々の塩、又は溶媒和物を使用して、得られる組成物の性質を更に調節することができる。
【0143】
(4.4.5 キット)
ある実施態様において、本明細書に提供された活性成分は、投与と同時に又は投与と同じ経路では患者に投与されない。従って、医療施術者が使用する場合に、患者へ適量の活性成分の投与を簡単にすることができるキットが、本明細書に提供される。
【0144】
一実施態様において、本キットは、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、立体異性体、若しくはプロドラッグの剤形を含む。キットは更に、追加の活性剤又はそれらの組合せを含むことができる。追加の活性剤の例は、本明細書において考察された治療(例えば、セクション4.3を参照)を含むが、これらに限定されるものではない。
【0145】
キットは更に、活性成分の投与に使用される機器を含む。そのような機器の例には、注射器、ドリップバッグ、パッチ、及び吸入器が含まれるが、これらに限定されない。
【0146】
本キットは更に、1種以上の活性成分の投与に使用することができる、医薬として許容し得るビヒクルを含むことができる。例えば活性成分を、非経口投与のために再構成されなければならない固体形態で提供する場合、キットは、非経口投与に適した微粒子を含まない滅菌溶液が形成されるように、活性成分を溶解することができる適切なビヒクルの密閉容器を含むことができる。医薬として許容し得るビヒクルの例は、注射用水(米薬局方);塩化ナトリウム注入液、リンゲル注入液、デキストロース注入液、デキストロース及び塩化ナトリウム注入液、乳酸リンゲル液などであるがこれらに限定されることのない水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどであるがこれらに限定されることのない水混和性ビヒクル;並びに、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジルなどであるがこれらに限定されることのない非水性ビヒクルを含むが、これらに限定されない。
【実施例】
【0147】
(5. 実施例)
ある実施態様は、下記の非限定的実施例により説明される。
【0148】
(5.1 薬理学的研究)
マウス又はウサギを、下記手順に従い、マイコバクテリウム・ツベルクローシスにより、エアロゾル感染させた。対照群においては、マイコバクテリウム・ツベルクローシス感染時に、動物を、抗生物質(例えばイソニアジド又はリファンピン)により処置した。第二群においては、下記PDE4モジュレーター投与方式を使用した:1)動物は感染前にPDE4モジュレーターにより前処置し、続いて感染時に抗生物質投与する;2)PDE4モジュレーター処置を感染と同時に施し、続いて感染時に抗生物質投与する;及び、3)動物は感染後にPDE4モジュレーターにより処置する。動物を感染後にPDE4モジュレーターにより処置する亜群においては、PDE4モジュレーターは、抗生物質による処置前、処置時、又は処置後に投与する。
【0149】
マイコバクテリウム・ツベルクローシスのイソニアジド-又はリファンピン-媒介したクリアランスの促進を、前述の各条件下で決定し、かつ抗生物質治療に対する改善された反応性に関連しているマイコバクテリウム・ツベルクローシス生理の変化に相関している宿主免疫パラメータ、抗生物質治療期間及び治療後の、より少ない組織損傷、及び顕著に少ない肉芽腫を、確定した。
【0150】
例えば、全ての桿菌集団の代謝状態のシフト又は代謝状態が変動している生物の相対的比率のシフトのために、マイコバクテリウム・ツベルクローシスの殺傷増強が生じるかどうかの決定は、マイコバクテリウム・ツベルクローシスに感染した動物の肺を用いて行った。
【0151】
本明細書に列記された特許、特許出願及び特許文献は全て、それらの全体が本明細書に組入れられている。更に本明細書の任意の参考文献の引用及び確定は、そのような参考文献が先行技術として利用可能であることを承認するものではない。本発明の完全な範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによって、より良く理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象に、治療的又は予防的有効量のPDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体を、抗結核薬と組合せて、投与することを含む、結核を治療し、予防し、又は管理する方法。
【請求項2】
前記抗結核薬が、イソニアジド、リファンピン、ピラジナミド、ストレプトマイシン、エタンブトール、カプレオマイシン、エチオナミド、サイクロセリン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、アミカシン、モキシフロキサシン、p-アミノサリチル酸、カナマイシン、バイオマイシン、エンビオマイシン、プロチオナミド、リファブチン、クラリスロマイシン、リネゾリド、チオアセタゾン、アルギニン、ビタミンB、又はコルチコステロイドである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記抗結核薬が、イソニアジド又はリファンピンである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記PDE4モジュレーターが、(+)-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオンである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記PDE4モジュレーターが、シクロプロピル-N-{2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミドである、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記PDE4モジュレーターが、シクロプロパンカルボン酸{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メタンスルホニル-エチル]-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル}-アミドである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記PDE4モジュレーターが、3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)プロピオン酸メチルエステルである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記PDE4モジュレーターが、式(I)、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体である、請求項1記載の方法:
【化1】

(式中、nは、1、2、又は3の値を有し;
R5は、置換されていないo-フェニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルキル、及びハロからなる群からそれぞれ独立に選択された1〜4個の置換基で置換されたo-フェニレンであり;
R7は、(i)フェニル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、及びハロからなる群から、それぞれ他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、(ii)置換されていないベンジル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、及びハロからなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されたベンジル、(iii)ナフチル、並びに(iv)ベンジルオキシであり;
R12は、-OH、炭素原子が1〜12個のアルコキシ、又は下記式の通りであり
【化2】

R8は、水素原子、又は炭素原子が1〜10個のアルキルであり;並びに、
R9は、水素原子、炭素原子が1〜10個のアルキル、-COR10、又は-SO2R10であり、ここでR10は水素原子、炭素原子が1〜10個のアルキル、又はフェニルである。)。
【請求項9】
前記PDE4モジュレーターが、下記式(II)、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体である、請求項1記載の方法:
【化3】

(式中、R1及びR2のそれぞれは、互いに独立に、水素原子、低級アルキルであり、或いはR1及びR2は、それぞれが結合している図示の炭素原子と一緒になって、置換されていないo-フェニレン、o-ナフチレン、又はシクロヘキセン-1,2-ジイル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、及びハロからなる群からそれぞれ独立に選択された1〜4個の置換基で置換されたo-フェニレン、o-ナフチレン、又はシクロヘキセン-1,2-ジイルであり;
R3は、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、炭素原子が1〜10個のアルキルチオ、ベンジルオキシ、炭素原子が3〜6個のシクロアルコキシ、C4-C6-シクロアルキリデンメチル、C3-C10-アルキリデンメチル、インダニルオキシ、及びハロからなる群から選択された1〜4個の置換基で置換されたフェニルであり;
R4は、水素原子、炭素原子が1〜6個のアルキル、フェニル、又はベンジルであり;
R4'は、水素原子、又は炭素原子が1〜6個のアルキルであり;
R5は、-CH2-、-CH2-CO-、-SO2-、-S-、又は-NHCO-であり;並びに
nは、0、1、又は2の値を有する。)。
【請求項10】
前記PDE4モジュレーターが、下記式(III)、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体である、請求項1記載の方法:
【化4】

(式中、*印で示される炭素原子は、キラル中心を構成し;
Yは、C=O、CH2、SO2、又はCH2C=Oであり;
R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、互いに独立に、水素原子、ハロ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、又は-NR8R9であるか;或いは、隣接炭素原子上のR1、R2、R3及びR4のいずれか2つは、図示のフェニレン環と一緒になって、ナフチリデンであり;
R5及びR6のそれぞれは、互いに独立に、水素原子、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、シアノ、又は炭素原子が最大18個のシクロアルコキシであり;
R7は、ヒドロキシ、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、ベンジル、又はNR8'R9'であり;
R8及びR9のそれぞれは、互いに独立に、水素原子、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、若しくはベンジルであるか、又はR8及びR9の一方は、水素原子であり、かつ他方は、-COR10若しくは-SO2R10であるか、又はR8及びR9は一緒に、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、若しくは-CH2CH2X1CH2CH2-(式中、X1は、-0-、-S-又は-NH-である。)であり;並びに
R8'及びR9'のそれぞれは、互いに独立に、水素原子、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、若しくはベンジルであるか、又はR8'及びR9'の一方は、水素原子であり、かつ他方は、-COR10'若しくは-SO2R10'であるか、又はR8'及びR9'は一緒に、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、若しくは-CH2CH2X2CH2CH2-(式中、X2は、-0-、-S-又は-NH-である。)である。)。
【請求項11】
前記PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体が、結核感染の前に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体が、結核感染に続けて投与される、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体が、抗結核薬の投与の前に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体が、抗結核薬と同時に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体が、抗結核薬の投与に続けて投与される、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体、及び抗結核薬が、同じ経路を用い投与される、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体、及び抗結核薬が、異なる経路を用い投与される、請求項1記載の方法。

【公表番号】特表2012−517441(P2012−517441A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549315(P2011−549315)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/023533
【国際公開番号】WO2010/093588
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(500026935)セルジーン コーポレイション (41)
【Fターム(参考)】