説明

結腸残留物標識付加システム

【課題】少なくともいくつかの結腸残留物の標識付加を必要とする所定の活動前の個人の準備に使用するための、容易で効果的な結腸残留物標識付加システムを提供すること。
【解決手段】所定の活動の前に個人の消化管内の少なくともいくつかの結腸残留物に標識を付加する結腸残留物標識付加システムであって、(a)1つまたは複数の食品を与えるステップであって、前記食品は、集合的に、i.少なくとも100カロリーと、ii.少なくとも0.5グラムの食物繊維と、iii.前記カロリーの少なくとも0.5%を脂肪から得ることと、iv.少なくとも重量で約1%の固形物と、を備えるステップと、(b)前記所定の活動の前に、1または複数回分の標識付加剤を与えるステップと、を備え、前記1つまたは複数の食品は、少なくとも20時間の期間を通じて与えられることを特徴とする結腸残留物標識付加システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療または診断手順を含みかつこれに限定されない所定の活動の前に個人の大便等の結腸残留物の標識付加に使用するためのシステム、処方、キットおよび方法に関する。一つの代替の実施形態においては、本発明は、十分な液体および栄養と共に、個別の1または複数回分の標識付加剤を提供し、個人が所定の活動の前に大便形成の量を最小にしながら日常の定期的な活動を行うことを可能にする。
【0002】
他の出願への相互参照
本出願は、2002年4月6日に出願された米国仮出願第60/370,661号の優先権を主張し、その全体を参考のために本明細書に引用する。
【背景技術】
【0003】
本明細書において用いられる用語「消化管」は、口、咽頭、食道、胃、小腸および大腸を含み、かつこれらに限定されない。また、本明細書において用いられる用語「結腸残留物」および「残留物」は、消化された食物から生じる物質および身体の消化システムに吸収されなかった他の体内老廃物のいかなる混合物をも含む。このような残留物は、固体、半固体または液状便を含み、かつこれらに限定されない。
【0004】
消化管からの大便の除去は、従来、結腸癌などの癌を含みかつこれらに限定されない胃腸の異常を効果的にスクリーニングするために必要とされてきた。結腸癌は、早期に発見された場合、十分に治療可能かつしばしば治癒可能であるため、前癌状態のポリープおよび完全に除去するために十分早い段階の結腸直腸癌を発見するためのスクリーニング検査は、非常に重要である。
【0005】
結腸スクリーニング手順は、例えば、バリウム注腸、S状結腸鏡検査および光ファイバー結腸鏡検査を含む。結腸スクリーニングにおける最新の技術的進歩は、仮想結腸鏡検査/CTコロノグラフィーである。この手順は、放射線画像のコンピュータ再構成を利用し、結腸の画像を2または3次元で形成する。従来から、仮想結腸鏡検査手順の前に、結腸から十分な量の大便を除去する必要があった。これは、コンピュータ断層撮影または他の放射線理学療法の画像においては、大便と結腸病変の区別が容易ではないため、病理と保持されている糞便片とを区別する医者の能力を妨げるおそれがあるからである。一つの代替の実施形態においては、本発明は、個人の消化管を撮像する前に、消化管(例えば結腸)内に存在する結腸残留物(例えば大便)に対して放射線不透性物質で標識付けするための方法である。よって、標識付けされた大便は、その後、例えば、画像の中で容易に識別できる。あるいは、標識付けされた大便は、識別され、かつ/または画像から電子的に除去することができる。
【0006】
ジョンソン(Johnson)らの米国特許第6,477,401号は、結腸スクリーニング用に、患者の未準備の結腸の結腸鏡画像を生成する方法に関するものである。この方法においては、少なくとも48時間の投与期間を通じて、患者に少なくとも10グラムの分量の大便マーカを提供することが必要である。
【0007】
本発明は、‘401特許で開示された方法とは明確に異なり、より有益である。例えば、本発明の一つの代替の実施形態において、個人の大便は24時間以内に十分に標識付けされる。これにより、所定の活動前の標識付加および/または食事レジメンに対する患者のコンプライアンスを改善する。また、‘401特許とは対照的に、一つの代替の実施形態において、本発明は、24時間の投与期間を通じた標識付加の分量を3回以下に制限する。これは、高濃度の標識付加剤を含んだ少量の液体を提供することにより達成される。さらに、本発明は、所定の活動前に個人に低残渣食を与えることにより、胃腸管(例えば結腸)に保持される大便の量を最小にする。これは、いくつかの利点をもたらす。例えば、場合によっては、医者は個人に所定の活動前に緩下剤の使用を要求する場合がある。本発明は大便の生成を最小にするので、患者は下剤とは対照的な弱い緩下剤を摂取するだけで済む。また、存在する大便の量が少ないため、例えば、特殊なソフトウェアを用いて、標識付けされた大便を個人の組織の画像から取り除く必要がない。すべてを考慮して、本発明は、‘401特許とは対照的に、より少ない液体および保持大便を有するより清潔な胃腸管(例えば結腸)を実現できる。本発明の他の利点は、本明細書に記載される。
【0008】
したがって、定期的な日常の活動を行うのに十分なレベルのカロリーおよび栄養を使用者に提供しながら、消化管内の結腸残留物に対して効果的に標識付けする結腸残留物標識付加レジメンが必要とされる。その上、容易に使用可能かつ便利であり、所定の活動前に液体または大便形成の量を最小にする標識付加レジメンが必要とされる。加えて、現在の標識付加レジメンは、完了が困難で苦しいものであることから、標識付加レジメンと共に使用され、同時に、使用者コンプライアンスを促進する食事レジメンが必要である。ノンコンプライアンスの結果は、重大となりうる。例えば、ノンコンプライアンスの結果、結腸スクリーニングが非効果的なものになることがある。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、少なくともいくつかの結腸残留物の標識付加を必要とする所定の活動前の個人の準備に使用するための、容易で効果的な結腸残留物標識付加システム、処方、キットおよび方法を提供することである。
【0010】
また、本発明の目的は、結腸スクリーニングを含みかつこれに限定されない所定の医療診断手順に向けて準備するための標識付加レジメンと共に使用される低残渣食システム、処方、キットおよび方法を提供することである。
【0011】
さらに、本発明の目的は、所定の活動前に消化管内の少なくともいくつかの結腸残留物に標識付加するためのレジメンの一部として摂ることができる、あらかじめ個別に包装された、すぐに食べられ、または準備が容易である様々な固体あるいは液体食品を提供することである。
【0012】
また、本発明の目的は、食品を摂取することにより消化管内の結腸残留物の少なくともいくつかが十分に標識付加され、消化管に医療的および/または診断的に有用な手順を実施できるような、効果的な量の標識付加剤を含んだ様々な食品を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、所定の活動の準備において結腸残留物標識付加レジメンと共に食事レジメンを受けている間に、定期的な日常の活動が行え、かつ使用者が栄養的な損害を被らないような十分なカロリーおよび栄養を含んだ低残渣食レジメンを提供することである。
【0014】
本発明の他の目的、特徴、および利点は、以下の本発明の詳細な記載および図面を考慮して、当業者に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の食品を含んだ容器の非限定的な例である。
【図2】本発明の食品を、1または複数回分の標識付加剤と共に備えたキットの非限定的な例である。
【図3】本発明の食事レジメンおよび標識付加レジメンの非限定的な図である。
【図4】本発明の代替の実施形態の非限定的な図である。
【図5】本発明の代替の実施形態の非限定的な図である。
【図6】本発明に従い個人の消化管を準備する場合に現れる大便標識付加の種類の例を示した、直腸の部分を含んだ腹部の断面の放射線画像である。
【図7】本発明に従い個人の消化管を準備する場合に現れる大便標識付加の種類の例を示した、直腸の部分を含んだ腹部の断面の放射線画像である。
【図8】本発明に従い個人の消化管を準備する場合に現れる大便標識付加の種類の例を示した、直腸の部分を含んだ腹部の断面の放射線画像である。
【図9】本発明に従い個人の消化管を準備する場合に現れる大便標識付加の種類の例を示した、直腸の部分を含んだ腹部の断面の放射線画像である。
【図10】本発明に従い個人の消化管を準備する場合に現れる大便標識付加の種類の例を示した、直腸の部分を含んだ腹部の断面の放射線画像である。
【図11】本発明に従い個人の消化管を準備する場合に現れる大便標識付加の種類の例を示した、直腸の部分を含んだ腹部の断面の放射線画像である。
【図12】本発明に従い個人の消化管を準備する場合に現れる大便標識付加の種類の例を示した、直腸の部分を含んだ腹部の断面の放射線画像である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、所定の活動に向けた個人の準備に使用するための結腸残留物標識付加システム、キット、処方および方法を提供する。所定の活動は、消化管内の少なくともいくつかの結腸残留物に標識付けを必要とする活動を含み、かつこれに限定されない。本明細書では、「標識付けされた消化管」という表現、またはこれに類似する表現は、標識付加剤で標識付けされた少なくともいくつかの結腸残留物を有し、残留物の少なくともいくつかが周囲の組織から区別できるようになっている消化管を含み、かつこれに限定されない。所定の活動は、標識付けされた消化管を撮像する任意の活動を含み、かつこれに限定されない。一実施形態においては、所定の活動は、医療診断手順を含んでもよく、かつこれに限定されない。医療診断手順は、仮想内視鏡検査などの胃腸スクリーニング(例えば結腸スクリーニング)を含み、かつこれに限定されない。仮想内視鏡検査は、CTコロノグラフィーおよびMRコロノグラフィーを含み、かつこれに限定されない。他の診断手順は、超音波、フラットパネル撮像技法、S字結腸鏡検査、内視鏡検査または光ファイバー結腸鏡検査を含むことができる。他の技法は、従来の方法、例えば米国特許第5,891,030号、米国特許第5,782,762号および米国特許第5,920,319号等に記載された方法などで行うことができる。上述の手順で生成された画像は、3次元(3D)画像であってもよい。この目的に、Vital ImagesのVoxel/Viewなどの市販されているソフトウェアプログラムを使用してもよい。あるいは、スクリーニング診断は、本明細書において識別される技法に従い処理される2次元(2D)コロノグラフィー画像を用いて得ることができる。一つの代替の実施形態において、本発明は、消化管の1つまたは複数の断面を撮像する前に、識別可能な材料で結腸残留物に標識付けする方法である。
【0017】
本発明は、また、所定の活動に向けた個人の準備に使用するための、組み合わされた低残渣食と結腸残留物標識付加システム、キット、処方および方法を提供する。本発明の食事レジメンは、1つまたは複数の食品を備える。これらの品は、任意の液体、固体または半固体の食品を含み、全体的または部分的に、本明細書に記載される栄養の必要量を提供する。このような食品は、スープ製品、プロテインサプリメント、穀物食品、でんぷん食品、フルーツまたは野菜食品、栄養ドリンクまたは飲料を含んでもよく、かつこれらに限定されない。
【0018】
国際出願第PCT/US01/32039号および米国出願第10/177,276号は、所定の活動に向けた個人の準備に使用するための、栄養食事システム、処方、キットおよび方法に関するものである。これらの出願の両方を、参考のために本明細書に引用する。この出願は、いくつかの栄養食事レジメンを開示している。これらの食事レジメンはそれぞれ、本明細書で述べるように、標識付加剤の必要量を食事レジメンに組み込むことで、本発明での使用に適したものとなる。
【0019】
使用にあたり、本発明の結腸標識付加剤は、好ましくは所定の活動前の約20〜36時間の期間、または20〜48時間の期間、または20〜36時間の期間、または24〜28時間の期間、より好ましくは約24時間の期間を通じて摂取される。さらに、本発明の食品は、所定の活動前に、適切な標識付加剤と共に、72時間の期間、48時間の期間、24〜36時間の期間、36〜48時間の期間および48〜72時間の期間を通じて摂取してもよい。
【0020】
A.標識付加レジメン
本発明の標識付加剤は、結腸残留物にラベル付けおよび/または標識付けし、所定の活動の間にこのような残留物を周囲の組織から区別できるようにする任意の合成物を含むことができる。適切な標識付加剤は、例えば硫酸バリウムなどのバリウム系合成物を含み、かつこれに限定されない。他の付加剤は、非イオン性またはイオン性ヨウ素などのヨウ素系合成物、または上述の合成物の任意の組み合わせを含んでもよい。
【0021】
本発明において、標識付加剤の分量は、液体、半液体、粉末または固体の形状で与えることができる。例えば、標識付加剤は、飲み物として摂取することができる。また、標識付加剤は、懸濁液として摂取され、またはタブレット、カプセルあるいはカプレットとして飲むことができる。他の代替の実施形態においては、所定の活動の前に個人に与えられる標識付加剤の合計量は、少なくとも1g、5g、10g、50g、70g、100g、150g、200g、300g、350g、400g、450g、500g、550g、600gまたはそれ以上とすることができる。好ましい量は、約15g〜30g、より好ましくは約20g〜約30gの範囲である。
【0022】
さらに、標識付加剤を、本明細書に記載する栄養食事システムの食品のいずれかに組み入れることができる。例えば、標識付加剤を、栄養価の有無にかかわらず、プディング、ヨーグルト状の食品、スープ栄養ドリンクまたは他の食品に加えることができる。標識付加剤を食品に含ませるための方法は、食品の準備または調理の間に付加剤を加えることが含まれ、あるいはその後に加えてもよい。例えば、標識付加剤は、あらかじめ作られたヨーグルト状食品、プディング、栄養ドリンクまたはスープに直接加えてもよい。1つまたは複数の食品における標識付加剤の量は、約0.01g〜約200g、0.01g〜約150g、0.01g〜約100g、0.01g〜約50g、0.01g〜約25g、0.01g〜約5g、0.01g〜約1g、0.01g〜約700mgの範囲とすることができる。全部で、所定の活動の前に個人によって摂取される標識付加剤の合計量は、少なくとも1g、5g、10g、50g、70g、100g、150g、200g、250g、300g、350g、400g、450g、500g、550g、600gまたはそれ以上とすることができる。他の代替の実施形態では、食品(標識付加剤を含む)は、20〜48時間の期間、または36〜48時間の期間、または48〜72時間の期間、または24〜28時間の期間を通じて摂取することができる。このような食品は、3〜5日の期間を通じて与えることもできる。
【0023】
本発明において、標識付加剤は、懸濁液で提供することができる。このような懸濁液は、水、糖ベースの合成物、クエン酸などの粘性剤、および懸濁化剤またはガムを含むことができる。一つの代替の実施形態においては、商用の製品Tagitol(登録商標)を本発明に使用することができる。Tagitol(登録商標)は、ニューヨーク州ウェストベリー(Westbury)のE−Z−EMにより販売されている。Tagitol(登録商標)は、硫酸バリウムの低密度の懸濁液である。これは、レモンライム味であり、分量250mlのボトルで提供される。
【0024】
本発明においては、個人は1〜10回分の標識付加剤を、1〜5日の期間を通じて受け取ることができる。各個別の分量は、0.1〜100%w/vの標識付加剤の範囲とすることができる。一つの代替の実施形態において、標識付加剤の分量レジメンは、以下のように、20〜36時間の期間、好ましくは24時間の期間にわたって与えられる。
【表9】

【0025】
【表10】

【0026】
【表11】

【0027】
他の代替の実施形態において、個人は、1、2、3、4、5、6、7、8、または9回分の標識付加剤を、約48時間、または36時間、好ましくは20〜24時間、最も好ましくは24時間の期間を通じて受け取ることができる。好ましくは、個人は、7、6、5、4、3または2回分よりも少ない分量を、48時間、または36時間、好ましくは20〜24時間、最も好ましくは24時間の期間を通じて受け取る。他の代替の実施形態においては、個人は、1または2回分のみを、所定の活動の前に、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1時間の期間を通じて受け取ることができる。
【0028】
各個別の分量は、約10ml〜約500ml、約10ml〜約400ml、約10ml〜約300ml、約10ml〜約250ml、約10ml〜約200ml、約10ml〜約100ml、約10ml〜約50mlの範囲とすることができる。一つの代替の実施形態において、各個別の分量は、約20ml〜約60ml、約20ml〜約50ml、約20ml〜約40ml、約20ml〜約30mlの範囲とすることができる。
【0029】
各個別分量は、約2%〜100%、約2%〜90%、約2%〜80%、約2%〜70%、約2%〜60%、約2%〜50%、約2%〜45%、約2%〜40%、約2%〜35%、約2%〜30%、または約2%〜25%w/v標識付加剤の範囲とすることができる。分量は、また、約10%〜80%、15%〜75%、20%〜70%、25%〜55%、30%〜60%、35%〜55%、または40%〜50%w/v標識付加剤の範囲とすることができる。さらに、分量は、約1.5%〜60%、1.5%〜50%、1.5%〜40%、1.5%〜30%、1.5%〜20%、1.5%〜10%の範囲とすることができる。
【0030】
他の代替の実施形態においては、個人は、7未満の分量を受け取ることができる。各個別分量は、2%w/v標識付加剤よりも多くを含む。また、各分量は、24時間の期間を通じて与えることもできる。
【0031】
上述の各分量は、液体懸濁液の形をとることができ、かつ/または、液体内に標識付加剤を浮遊させ、個人にこの液体を飲ませることによって与えることができる。本発明の手順は、標識付加剤を丸薬の形状で与えなくても実施することができる。また、標識付加剤は、本明細書に記載するように食品に組み入れることもできる。
【0032】
一つの代替の実施形態において、標識付加剤の最後の分量は、所定の活動の少なくとも12時間前に個人に与えられる。他の代替の実施形態においては、標識付加剤の最後の分量は、所定の活動の前の約16、15、14、13、12、11、10、9、8、または7時間前に与えることができる。この分量レジメンによって、個人は、所定の活動の前夜に、1または複数回分の標識付加剤を摂るために起きることなく、夜の間中寝ることができる。例えば、標識付加剤の最後の分量は、所定の活動の前夜に、個人の夕食と共に与えてもよい。
【0033】
一つの代替の実施形態において、標識付加剤は、糖ベースの合成物と混合することができる。このような合成物は、任意の単糖の合成物、あるいは、小腸に液体の分泌過多を起こさせることが可能な、任意の他の過渡的な化合物または薬剤を含むことができる。その効果は、小腸を部分的に液体で満たし、小腸の内容物の全体積を増加させ、これによりぜん動性の活動を増加させ、その結果、標識付加剤が急速に結腸へと運搬される。標識付加剤が結腸に到達すると、結腸残留物および体液と十分に混合する。この体積の運搬は、結腸に、その内容物を排泄させ、組織を通って下降してくる内容物のための空間をつくる。栄養システムの低残渣および繊維構造は、少なくともいくつかの残留物に標識を付加する。
【0034】
本発明で用いる糖ベースの混合物は、D−マンノース(D−mannose)、D−ガラクトース(galactose)、ナニオニックシード(nanionic seed)多糖類、1つのガラクトース(galactose)単位によりすべてのマンノースへ分岐する直鎖マングループ(mann grouping)、ベータ−D−マン(Beta−D−man)、アルファ−D−ガル(alpha−D−gal)、D−glcA、D−galA、L−gul、ベータ−D−マン(beta−D−man)、アルファ−D−ガル(alpha−D−gal)(4:1)、D−グルクロン酸(D−glucuronic acid)、D−ガラクツロン酸(D−galacturonic acid)、L−グルクロン酸(L−gluctonic acid)、ソルビトール(sorbitol)、マノトール(manotol)などの単糖類または多糖類を含むことができ、かつこれらに限られない。好ましい糖ベースの混合物は、ソルビトール(Sorbitol)またはマンニトール(Mannitol)である。
【0035】
標識付加剤と組み合わせるために好ましいソルビトール(Sorbitol)および/またはマンニトール(Mannitol)の量は、体積で約0.1%〜約3%または約1.5〜約2.5%であり、あるいはこれらの混合物に対する緩下剤濃度レベルのUSPモノグラフ基準(USP monograph standard)未満の任意の量である。例えば、好ましい標識付加レジメンは、40%の硫酸バリウムおよび1.5%または2.5%ソルビトールを含む懸濁剤の個人への投与を含むことができる。
【0036】
栄養食の低残渣および低繊維デザインは、結腸内に最小限の残留物を生じさせ、これにより、例えば医療診断手順の前に結腸を徹底的に洗浄する必要性を減少させる。結腸内に残る残留物は、標識付加され、周囲の組織から容易に区別できるようになる。
【0037】
一つの代替の実施形態において、本発明の食事レジメンを受けることにより、所定量の液体が胃腸管(GI tract)に運ばれる。さらに、個人が標識付加剤を摂り、これらすべての成分が、個人の液体摂取のコントロールに貢献する。栄養成分が、個人を十分に満足させる一方、これらは十分な量の液体を、標識付加剤と、標識付加剤内のソルビタルまたはソルビタル様の成分の増加ぜん動効果と組み合わせて導入する。液体の量をコントロールすることにより、身体は結腸の内容物を排泄し、小腸を通して移動する内容物のための空間を作る。
【0038】
米国特許第5,782,762号には、約3日間にわたって患者に造影剤(低密度バリウム、例えば1.5%w/vバリウムなど)を組み合わせた低残渣食を与えることによる、患者の結腸の準備が記載されている。この特許によると、この手順は、保持される大便を均質的に不透明にさせ、画像処理技術を用いて最終的な表示から糞便の画像を除去できるようにする。対照的に、本発明の一つの代替の実施形態においては、標識付加剤は大便に非均質的に浸透する。すなわち、標識付加剤は、大便の構造に基づいて非均一的に分配される。大便の密度は、大便の特定量内で変化する。これは、大便内の物質または廃棄物に基づいて、高密度から低密度へ変化する。
【0039】
B.水分補給
本発明の使用においては、個人が十分な水分補給を維持することが必要である。このような水分補給は、個人の通常の生理学的特性を維持し、かつ消化管に保持される液体の量をコントロールするのに十分なものである。
【0040】
このように、本発明の食事および標識付加レジメンは、水分補給レジメンと共に使用することができる。適切な水分補給レジメンは、少なくともいくらかの液体摂取を必要とするレジメンを含み、かつこれに限定されない。液体は、水またはフルーツドリンクを含み、かつこれに限定されない。本発明の水分補給部分は、通常の排泄(排尿)、呼吸および発汗を通して失われた水分に代わるよう構成されている。液体の摂取を制限することにより、患者の通常の生理学的特性が維持され、患者の腸内に存在する液体の量が減少する。この目的は、PEGのような強力な下剤またはいずれの塩類下剤も使用しないことにより補完することができる。
【0041】
過剰な水分摂取は、仮想結腸鏡検査などの医療診断手順中に、結腸の正常および病的セグメントを隠し、かつ/またはぼやけさせる液面を結腸内に発生させることがある。よって、本発明で使用するための適切な量の水分摂取は、身体が使用する液体に取って代わる一方で、結腸内の正常病的セグメントを隠し、かつ/またはぼやけさせ、さもなければ所定の活動の結果に悪影響を与えるような液面を作り出さないものである。
【0042】
一つの実施形態においては、約20〜24時間のレジメンに基づいて、食品および標識付加剤の分量により、少なくとも約1〜4リットルの液体、好ましくは約1〜3.5リットル、より好ましくは約1〜3リットルまたは1.5〜2リットルを集合的に提供することができる。食品および標識付加剤の分量が、これらの量の液体を提供しない場合、この時間の間に本発明を補足し、または個人に追加の液体を提供して、このような量を達成させることができる。個人の液体摂取を上述の規定量にコントロールまたは規則化することにより、所定の活動(例えば結腸スクリーニング)に向けた個人の胃腸管(例えば結腸)の準備を大きく向上させることが発見された。例えば、大便の領域において、液体の存在が大きいほど、標識付加剤の濃度が低くなり、この特定領域のハウンスフィールド値(HU:Hounsfield value)を低くする。大便の密度が高いほど、より少ない水分が存在し、大便内の標識付加剤の濃度を増加させる。標識付加剤の濃度が高いほど、この特定の大便領域のHUがより高くなる。HU値の増加により、大便と周囲の組織の区別が容易になり、標識付加されてない大便は、周囲の正常または異常組織の密度に類似した密度を有していることを認識させる。
【0043】
C.栄養
1.カロリー
本発明の食品は、本発明を利用する時間を通じて、適切なカロリー摂取レベルを集合的に個人に提供する。一つの代替の実施形態において、約20〜約36時間の食事レジメンに基づいて、食品は、少なくとも100カロリー、好ましくは約400〜約3,000の範囲のカロリー、より好ましくは約600〜約2,000の範囲のカロリーを集合的に提供することができる。一つの代替の実施形態において、約20〜36時間の食事レジメンに基づいて、食品は、約600を超えるカロリー、より好ましくは約1,000〜約1,800の範囲のカロリー、最も好ましくは約1,500〜約1,600の範囲のカロリーを集合的に提供することができる。他の代替の実施形態において、食品は、約1,000〜約2,000カロリー、約1,400〜約1,600カロリー、および約1,600カロリーの範囲を集合的に提供することができる。本発明の食品の合計カロリーは、平均的な体格の個人が、清澄流動食によって通常経験するようなめまい、疲労およびふらつきを経験することなく、日常の定期的な活動を行うのに好ましい十分なものである。
【0044】
2.食物繊維
本発明の食品は、本発明を利用する期間を通じて、適切な量の食物繊維を、個人に集合的に提供することができる。一つの代替の実施形態においては、約20〜36時間の食事レジメンに基づき、食品は、少なくとも0.5gの食物繊維、好ましくは約0.5g〜約50gの範囲の食物繊維、より好ましくは約0.5g〜約20gの範囲、さらに好ましくは約2g〜約15gの範囲、最も好ましくは約2g〜約6グラムを集合的に提供することができる。一つの代替の実施形態においては、約20〜約36時間の食事レジメンに基づき、食品は、約15g未満の食物繊維を集合的に提供することができる。また、代替の実施形態においては、約20〜約36時間の食事レジメンに基づき、食品は、約20〜約60gの食物繊維、または20g〜30g、30g〜40g、40g〜50g、50g〜60g、あるいは60g〜100gを集合的に提供することができる。少量の食物繊維を含む食事レジメンは、標識付加レジメンと共に使用した場合、個人によっては摂取が困難な場合がある多量の下剤ドリンクまたは高ナトリウム下剤洗浄ドリンクを摂取する必要性を除去できることが見出されている。低残渣、低繊維食において患者により摂取される食品の例は、米国出願第60/370,661号の表1に記載されている。また、この出願では、表12に、本発明で用いることができる24時間低繊維食の例が記載されている。
【0045】
本発明の食品は、また、個人が本発明を利用する期間を通じて、適切な量のたんぱく質、炭水化物、脂肪、ナトリウム、カリウム、糖、ビタミンまたはミネラルを、集合的に提供することができる。これらの栄養素の適切な量は、米国仮出願第60/370,661号の9〜16頁に述べられている。
【0046】
3.固形物
本発明の個別食品は、粒状物質を含む適切な量の固形物を個別または集合的に提供することができる。一つの代替の実施形態において、約20〜約36時間の食事レジメンに基づき、本発明は、乾燥状態で計量したほぼ1000グラムまでの固形物を提供することができる。他の実施形態においては、本発明は約10g〜約1000グラムの固形物を、好ましくは約100g〜約800g、より好ましくは約200g〜約700g、最も好ましくは約400g〜約600gを提供する。表12は、本発明の食事レジメンの一つの代替の実施形態の適切な合計重量を示す。
【0047】
【表12】

【0048】
本発明の他の代替の実施形態においては、約20〜約36時間の食事レジメンに基づき、食品は、少なくとも重量で約1%の固形物を、好ましくは約1%〜約70%、より好ましくは約10%〜約30%、最も好ましくは約20%〜約30%の範囲で集合的に含むことができる。他の実施形態においては、本発明の食品は、重量で約30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜80%、80%〜90%、および90%〜100%の固形物を集合的に提供することができる。他の実施形態においては、本発明の食品は、摂取された場合に消化管に自然なぜん動を生じさせるのに十分な固形物を、個別または集合的に提供する。
【0049】
D.本発明の食品
本発明は、1つまたは複数の食品を備える。食品は、スープ製品、プロテインサプリメント、穀物食品、でんぷん食品、フルーツまたは野菜、栄養ドリンク、および飲料を含み、かつこれらに限定されない。本発明に適した具体的な食品は、国際出願第PCT/US01/32039号および米国出願第10/177,276号に記載されており、これらは参考のために本明細書に引用される。本発明の各食品は、あらかじめ個別に包装してもよい。さらに、1つまたは複数の食品の栄養価を、ビタミンおよびミネラルを強化することにより高めてもよい。
【0050】
本発明での使用に適した食品は、消化管に残留物を形成しないもの、または所定の活動を妨げない、あるいは悪影響を与えない量の食物残留物を形成するものである。本発明の個別の食品は、固形、半固形または液体の形状とすることができ、スープ製品、プロテインサプリメント、穀物食品、でんぷん食品、フルーツまたは野菜食品、栄養ドリンクおよび飲料を含むことができ、かつこれらに限定されない。従来技術とは対照的に、本発明の液状食品は、透明または不透明とすることができる。本発明の各食品を、以下により詳細に述べる。
【0051】
本発明の食品に用いられる着色剤は、特に栄養ドリンクおよび飲料においては、食物残留物を個人の消化管から除去する目的に限定することができる。例えば、赤色の着色剤を含む食品は、光学式結腸鏡検査の準備をする個人には適さない場合がある。これは、赤色の着色剤が、このような手順のテスト結果に支障を及ぼす場合があるためである。
【0052】
以上述べたように、標識付加剤を食品に加えることができる。1つまたは複数のこのような食品を、本明細書に記載する食事キットに含めることができる。
【0053】
E.栄養/水分補給/標識付加を利用する際の相乗効果
所定の活動の前に、結腸の洗浄に緩下剤を使わなかった場合、保持された大便がスクリーニング手順を妨げるものと信じられていた。しかしながら、驚くべきことに、緩下剤レジメンは必要でないことが発見された。これは、食事レジメンが、管理可能な量の保持大便を提供するからであり、大便の量は、標識付加剤で十分に標識付加できるような量である。適切な栄養、水分補給および/または標識付加レジメンを組み合わせることにより、CTまたはMRコロノグラフィー(Colonography)は、結腸洗浄システムがなくとも実行可能であり、よって、患者コンプライアンスをさらに増加させる。所定の活動において、腸の洗浄が必要とされる場合、個人には、下剤とは対照的な弱い緩下剤を与えるだけですむ。さらに、適切な栄養、水分補給および/または標識付加レジメンを組み合わせることにより、標識付けした大便を画像から(電子的に、あるいは別の方法で)取り除くことなく、個人の胃腸管(例えば結腸)の画像を、異常(例えば癌)に関してスクリーニングすることができる。つまり、標識付加された大便が画像内に存在する状態で、画像を、異常の存在に関してスクリーニングすることができる。
【0054】
F.患者コンプライアンス
本発明の他の特性は、結腸鏡検査などの医療診断手順に向けて個人が準備をするための従来の技術に比べて、使用者コンプライアンスおよび生活の質が向上することを含む。例えば、本発明においては、与える必要がある標識付加剤の回数がより少なく、各回数の量は、従来技術で与えられていた量よりも少ない。また、本発明の標識付加レジメンは、例えば、48時間未満で完了すればよい。場合によっては、標識付加レジメンは、24時間以内で完了すればよい。また、本発明は、胃腸管(例えば結腸)に保持された大便の量を最小化する。これは、いくつかの利点を提供する。例えば、いくつかの状況では、医者は個人に、所定の手順の前に腸の洗浄を受けることを要求する場合がある。本発明は大便の生成を最小化するので、個人は下剤とは対照的である弱い緩下剤を摂るだけですむ。非限定的な弱い緩下剤が、例えば、出願シリアル番号第PCT/US01/32039号の37頁に記載されている。このように、本発明の標識付加レジメンは、より時間がかからず、所定の活動の準備をする個人にとってより快適であり、その結果、準備の過程において患者コンプライアンスを向上させる。
【0055】
本発明においては、個人は、本発明特許の低残渣食および水分補給レジメンを受ける際、少量の標識付加剤を飲めばよい。十分な標識付加は、50〜750mlの範囲のバリウム量で得ることができる。このバリウム量の減少により、患者コンプライアンスが増加する。患者コンプライアンスの第2の改善は、1または2日にわたって患者がバリウムを摂った場合に、標識付加の有効性に違いがなかったという事実に関係する。標識付加剤の摂取を1日に減らすことも、患者コンプライアンスを増加させる。
【0056】
これらの手順のコンプライアンスのレベルはいずれも、ある程度は個人の動機と意欲に依存しているが、それにもかかわらず、コンプライアンスは、食事または技術を利用する容易さはもとより、味、外見、そして一般的に食する品の好ましさなど、識別可能かつ制御可能な要因に影響されうるものである。
【0057】
G.本発明のシステムおよびキット
本発明のシステムおよび/またはキットは、個人が医療診断手順に向けた準備をするのに使われる従来の技術または製品における改善を表す。本発明は、結腸残留物を作るための標識付加剤と共に摂取するための様々な固体、半固体および液体食品を提供することにより、使用者コンプライアンスを促進するように設計されている。加えて、本発明は、使用者に、日常の活動をこなすのに十分なカロリー摂取および栄養を供給することにより、使用者の生活の質を向上させるように設計されている。また、残留物は、例えば、診断手順の間に周囲の組織から区別できるように、十分に標識付加される。
【0058】
一つの代替の実施形態において、本発明の栄養食事システムおよびキットは、1または複数回の個別の食事、例えば3回の食事に配分された1つまたは複数の食品を備える。本発明の適切な実施形態、システムおよびキットの例は、国際出願第PCT/US01/32039号および米国出願第10/177,276号に記載されており、これらは参考のために本明細書に引用される。
【0059】
本発明の一実施形態において、個人は、1つまたは複数のあらかじめ個別に包装された食品および標識付加剤を備えた本発明を得る。本発明は、また、単一の食事システムとして共に使用するために食品をコーディネートする指示はもとより、標識付加剤を食事システムとコーディネートする指示も備える。指示は、食品および/または標識付加剤を保持するコンテナの1つまたは複数の表面に配置することができ、あるいは指示を別の用紙もしくはこれらの組み合わせとして提供することができる。このような指示は、個人が時間をかけて食品および標識付加剤を摂取する頻度を規定することができる。
【0060】
指示は、また、例えば、食事レジメンを1つまたは複数回分の標識付加剤と共に使用するコーディネートのための指示を含んでもよい。例えば、特定の標識付加レジメンは、24時間を通じて、規定量の標識付加剤を飲むことを含む。このように、指示は、例えば、栄養食事レジメンと共に時間をかけて摂取する標識付加剤の量を規定することができる。例えば、指示は、医療診断手順などの所定の医療活動の前に、標識付加剤の1回分を朝に摂取し、1回分を午後に摂取し、1回分を夜に摂取するよう定めることができる。
【0061】
本発明は、また、食品およびコーディネート指示を配置するように構成された容器を提供することができる。これにより、各食品をキットに配置することができ、よってこのシステムに従うことを容易にし、使用者コンプライアンスを促進する。このような容器の非限定的な例を、図1に示す。図1において、容器(1)は、本発明の複数の食品を含んでいる。詳細には、栄養ドリンク(2)を、容器(1)の前部に位置するセクション(3)に配置する。第1スナック食品(4)を、隣のセクション(5)に配置する。他の栄養ドリンク(6)を、飲料(7)およびスープ製品(8)と共に、セクション(9)に配置する。第2スナック食品(15)を、次のセクション(10)に配置する。本発明の一実施形態においては、スナック食品(4)または(15)は、でんぷん食品、プロテインサプリメント、フルーツ食品または野菜食品を含んでもよい。他の栄養ドリンク(11)、飲料(12)、および穀物食品(13)を、容器の前部から最も遠いセクション(14)に配置する。
【0062】
表示を、容器および/または1つあるいは複数の食品の表面のうちの少なくとも1つに含ませることができる。表示は、文章またはイラストレーションあるいはその両方の形をとることができ、個人が食品をそれぞれ容易に区別する手助けをする。この特徴は、病気、虚弱の個人、または視力低下に悩んでいる個人、あるいは、通常の食品容器に見られるラベルを読むことに困難を覚えている個人に特に有用である。本発明の一実施形態において、表示は、大きな文字または容易に識別可能な色彩のイラストレーションを含むことができる。
【0063】
図5は、本発明の食事レジメンを、標識付加レジメンと共に用いる代替の実施形態を示す。第1食事(70)は、朝、例えばAM8:00頃に摂取される。第1食事は、1つの栄養ドリンクを含むことができる。これはまた、3〜5ozの白米飯と、水またはフルーツドリンクなどの200ml〜250mlの液体を含む。標識付加剤の第1分量(73)を、その後に摂取することができる。第2食事(72)は、正午またはその前後、例えばPM12:00に摂取することができる。第2食事(72)は、1つのスープ製品と、1つの栄養ドリンクおよび1つの飲料を含むことができる。第2食事の後に、個人は、標識付加剤の第2分量(74)を摂取することができる。第3食事(78)は、夕方近くまたは晩早く、例えばPM5:00頃に摂取することができる。第3食事(78)は、1つのスープ製品、1つの栄養ドリンクおよび1つの飲料を含むことができる。第3食事の後に、個人は、標識付加剤の第3分量を摂取することができる。第1および第2スナック(77,78)を、それぞれ第1および第2食事(70,72)の間ならびに第2および第3食事(72,75)の間に摂取してもよい。各スナックは、1つまたは複数のプロテインサプリメントまたはプロテインバーやライスケーキのようなでんぷん食品を含んでもよい。このようなスナックは、スープ製品、穀物食品、およびフルーツまたは野菜食品を含んでもよい。
【0064】
図2を参照すると、本発明の3回の食事を含む代表的なキットが示されている。第1食事(16)は、本発明の1部分(17)に配置され、第2食事(18)は、キット(17)の隣接するセクションに配置され、第3食事(19)は、隣接するセクション(17)に配置される。また、2つの食品、第1スナック(20)および第2スナック(21)が、隣の分割エリア(17)に配置される。この実施形態においては、本発明は約2000カロリーを含む。3回分の標識付加剤(28〜30)を、キット(17)に配置してもよい。しかしながら、キットは、1または複数回分の標識付加剤を含んでもよく、あるいは含まなくてもよいものと理解される。その代わりに、標識付加剤を別に生産してもよい。
【0065】
図2において、各食事は、1つまたは複数の食品の摂取を表している。例えば、第1食事は、1つの栄養ドリンク(22)を含んでもよい。第2食事は、1つのスープ製品(23)、1つの栄養ドリンク(24)、および1つの飲料(25)を含んでもよい。第3食事は、1つのスープ製品(26)、1つの栄養ドリンク(27)および1つの飲料(28)を含んでもよい。第1および第2スナック(20,21)は、1つのプロテインサプリメント(29)および1つのでんぷん食品(30)を、それぞれ含んでもよい。これらの品は、それぞれ第1および第2食事の間、ならびに第2および第3食事の間に摂取することができる。
【0066】
図3を参照すると、本発明の方法/システムまたはキットは、3回の食事に配分された1つまたは複数の食品を含むことができる。第1食事(31)は、例えば、AM8:00頃に摂取され、1つの栄養ドリンクを含むことができる。標識付加剤の第1分量(36)を、その後に摂取することができる。第1スナック(32)を提供することができ、第1スナック(32)は、1つのプロテインサプリメントおよび/または1つのでんぷん食品を含むことができる。第2食事(33)は、PM12:00頃に摂取することができ、1つのスープ製品、1つの栄養ドリンク、1つのフルーツ食品および1つの飲料を含むことができる。標識付加剤の第2分量(37)を、その後に摂取することができる。第3の食事(34)は、PM6:00頃に摂取することができ、1つのスープ製品、1つの栄養ドリンクおよび1つの飲料を含むことができる。標識付加剤の第3分量(38)を、その後に摂取することができる。第2スナック(35)を提供することができ、スナック(35)は、1つのプロテインサプリメントおよび/または1つのでんぷん食品を含むことができる。第1および第2スナック(32,35)は、それぞれ第1および第2食事(31,33)、ならびに第2および第3食事(33,34)の間に摂取することができる。
【0067】
他の実施形態においては、本発明は、所定の活動向けの個人の準備に使用するための方法である。これは、個人に、所定の活動前に摂取するための1つまたは複数の食品および標識付加剤を提供することにより達成される。本発明は、また、個人に、個別または集合的に品物を入手し、これらを摂取するように指示することにより実行することもできる。例えば、医者は、個人に、個別または集合的に1つまたは複数の食品および標識付加剤の分量を準備、購入または入手するように指示し、これらの品物を所定の活動の前および/またはレジメンに従って摂取するように指示することができる。
【0068】
他の実施形態においては、本発明の方法は、個人に、3回の別個の食事に配分された1または複数回分の標識付加剤および1つまたは複数の食品を提供するステップを備える。方法はまた、個人に、必要な食品を個別または集合的に準備、購入または入手してこれらの食事を作り、所定の食事レジームに従い、かつ/または所定の活動前に摂取するよう指示するステップを備えることもできる。
【0069】
他の実施形態においては、本発明の方法は、個人に、詳細には朝食、昼食および夕食の3つの特定の種類の食事に配分した1または複数回分の標識付加剤および1つまたは複数の食品を提供するステップを備える。
【0070】
図4を参照すると、本発明の方法の非限定的な実施形態が開示されている。第1に、ステップ(64)は、個人に、本発明の食事を、結腸鏡検査などの診断手順を含みかつこれに限定されない所定の活動前に、ほぼ24時間または1日にわたって受けさせることを含む。ステップ(64a)は、個人に、消化管からの食物残留物の除去において、少なくともいくつかの結腸残留物に標識付加するためのレジメンを受けさせることを含む。ステップ(65)は、結腸鏡検査を、ステップ(64)の約24〜36時間後に行わせることを含む。ステップ(65)においては、周囲の組織から区別できるように大便が十分に標識付加されたため、結腸鏡検査が成功している。
【0071】
さらに、図4を参照すると、ステップ(64)において、個人は、一般的に従来技術で既知の清澄流動食に関係する、例えば不十分なカロリーおよび栄養によるふらつきおよびめまいの症状などの有害な影響を経験しない。
【0072】
図6〜12は、個人の結腸の単一スライスのCTスキャン(Philips AV/FU)を示している。各図において、スライス厚は5mmであり、テーブル増分は7mmであり、再構成インデックスは2mmである。特に、図6〜8は、24時間の期間を通して3回分の標識付加剤を受け取った個人のコロノグラフィー画像である。3回の分量は、40%w/v硫酸バリウムを含む25ml、12.5ml、および12.5mlであった。個人は、コロノグラフィー手順の前に、腸の洗浄を受けた。図9〜10も、コロノグラフィー画像である。図9において、個人は、2.1%w/v硫酸バリウムの分量3×250mlを、24時間の期間を通じて与えられた。また、個人は、コロノグラフィーの前に腸の洗浄を受けた。図11〜12において、個人は、24時間の期間を通して分量3×250mの2.1%w/v硫酸バリウムを与えられた。この時間の間に、患者は、本発明に従って低残渣食を受けた。また、個人の液体摂取は、1.5〜2.0リットルに制限された。ここで、個人はコロノグラフィー手順の前に腸の洗浄を受けなかった。
【0073】
一般的に、放射線画像の評価において、放射線医師は、このような画像によって生成されたデータセットを調査しなければならない。放射線医師は、一般的に、画像をワークステーションで調べる。いくつかの場合では、画像は2D軸フォーマットで表示される。本発明の使用において、放射線医師は、大便内の標識付加剤の存在により、保持された大便とポリープとを区別することができる。本発明の利益の1つは、大便と異常の発見(例えばポリープ)との区別が容易に明白であり、かつ、検査に長い時間と労力を必要としないようなセッティングの作成に貢献することである。さらに、放射線医師は、放射線画像をスクリーニングして、画像を操作(例えば、標識付加された大便を画像から電子的に除去)することなく異常の存在を識別することができる。これは、大便が完全に標識付加されているからであり、標識付加された大便の通常の特徴は、軟組織の特徴から容易に区別可能であるためである。その結果、放射線医師は、本発明により準備された結腸の画像の評価に、より少ない時間を費やすことになり、画像調査におけるその専門的技術を必要とする他の問題に、より多くの時間をかけることが可能となる。画像の調査にかかる時間の削減は、放射線技師の「眼精疲労」がより少なくなる、ということにも等しく、全体的な能力と生産性を向上させる。
【0074】
また、コンピュータ支援診断(CAD:Computer Assisted Differentiation)システムの開発において、本発明の標識付加レジームを利用することができる。例えば、本発明により準備された結腸の画像は、保持残留物と結腸異常とを区別するCADアルゴリズムを強化することができる。例えば、標識付加された大便は、アルゴリズムに組み込むか、CAD調査のための画像から取り去ることができる。
【実施例】
【0075】
本発明は、以下の実施例を考察することにより、さらに理解されるであろう。これらの実施例は、本発明の使用における純然たる例示を意図するものである。
【0076】
(実施例1)
以下の試験は、単一の標識付加剤としてのバリウムの使用を、プレップレスCTC(prep less CTC)との関連において評価したものである。患者試験Iにおいては、単一の標識付加剤としてのバリウムを、減少させた下剤による洗浄と組み合わせて使用し、糞便残留物の最高密度の範囲を評価した。この試験における患者試験IIにおいては、これらの発見から導かれた仮定が、ファントム研究によって評価された。最後に、これらの観察に基づいて、我々は、単一の標識付加剤としてのバリウムで未準備の結腸内の大便に標識付けする方法を開発した。その目的は、電子的な洗浄の観点から、十分に高い標識付加大便の密度および十分に乾いた結腸を得るというものであった。
【0077】
患者試験I
本発明の包括的なテストを、専用の準備を行った後にCTCを受けた100人の患者に実行した。手順の2日前に、患者らは、従来の低残渣食に従うよう求められた。検査の前日に、患者らは、栄養的な腸洗浄を行うために、専用の低残渣食(Nutra Prep、E−Z−EM、ニューヨーク州ウェストベリー(Westbury)、USA)による3回の食事(朝食、昼食および夕食)を摂った。各食事にて、250mlの2.1%バリウム溶液(Tagitol、E−Z−EM)が与えられた。この日の最大の液体摂取は、3〜3.5リットルであった。患者らは、しかしながら、提示された水分補給レジメンに従う義務は負わせられなかった。夕食後、クエン酸マグネシウムおよび4個のビサコジル(Bisacodyl)タブレットを用いて下剤による結腸の洗浄が行われた。検査の朝、患者らは、ビサコジル座薬を挿入するよう求められた。検査日には、朝食は許可されなかった。この朝に、CTCが行われた。スコポラミンブチルブロミド(scopolaminebuthylbromide)によるリラクゼーション(ブスコパン(Buscopan)、ベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim)、パリ、フランス)および大気による結腸の膨張の後、スライス厚5mm、テーブル速度7mm、および再構成インデックス3mmによる結腸の単一スライスの螺旋CTが行われた。患者らは、仰臥位および伏臥位にてスキャンされた。2人の放射線医師(P.L.とS.G.)が、すべてのCTCを調査した。年齢、性別、検査日および結腸長さが記録された。結腸長さは、中央パス追跡を用いて測定された。結腸セグメントの虚脱またはけいれんが起こった場合、パスは虚脱部分を通して継続された。各結腸を調査し、残留大便および液体の量ならびに標識付加の効果を評価した。残留大便を測定し、最大の大きさを最小の大きさに優先(1=<5mm;2=69mm;3=>10mm)させて、大きさに応じて3つのカテゴリーに分けた。マカリ(Macari)らの放射線医学2001(Radiology 2001);218:274〜277に定められたプロトコルに従って、液体の量を、それが検出された結腸のセグメントの最大の前後方向の直径に対する比率に応じて(1=内腔の0%;2=<25%;3=25〜50%;4=内腔の>50%)測定した。各場合において、残留大便および液体の密度測定(H.U.)が行われた。試験の目的は、単一の標識付加剤としてのバリウムで得られる最高密度の範囲の評価であるため、視覚的に最良の標識付加残留物のROI密度測定が得られた。これは、セグメントを基として行われた。
【0078】
ファントム試験
2.1%の水状バリウム懸濁液を充填した直径5.5cmのプラスチックボトルを、水で満たされたプラスチックの箱に沈めた。このファントムを、その長手軸に沿って、上述のスキャンパラメータを用いて24時間毎にスキャンした。この方法で、バリウム懸濁液を含んだボトルの円形断面が得られた。各場合において、部分的な体積平均化を避けるために周辺1mmの環を除いて、ボトル断面の表面全体を覆う円を用いて軸スライスにおける密度を測定した。その都度、中間、最大および最小密度値ならびに標準変位(H.U.)を示すヒストグラムが得られた。これらの測定を比較した。2回の連続した測定後に著しい密度の変化がない場合は、測定を中止した。
【0079】
患者試験II
本発明の包括的テストを、専用の準備を行った後にCTCを受けた3人の患者の3つのグループにおいて行った。すべての患者は、上述のように、CTCの前日に専用の低残渣食に従うよう求められた。すべてのグループが、厳格な水分補給レジメンに従った。グループ1では、飲料は、朝食、昼食および夕食時の250mlの2.1%バリウム懸濁液で構成された。追加の750〜1250mlの水を、摂取することもできた。PM8時後は、いかなる液体の摂取も許されなかった。グループ2では、患者らは、250mlの4%バリウム懸濁液を朝食で摂り、250mlの2.1%バリウム懸濁液を昼食および夕食で摂った。グループ1と同量の追加の飲料が許可された。グループ3では、CTCの2日前に、栄養的洗浄が、朝食、昼食および夕食時の3アリコートの50mlの4%バリウム懸濁液で開始された。CTCの前日には、グループ1と同じレジメンが行われた。いずれの患者のグループでも、下剤による腸の洗浄は行われなかった。すべてのグループにおいて、患者試験Iと同じ方法を用いてCTCが行われた。残留大便および液体を、試験Iのように評価した。すべての患者において、すべての残留物の密度測定が行われた。
【0080】
結果
患者試験I
43人の女性および57人の男性患者がおり、年齢は36〜90歳の間で異なり、平均年齢は63歳であった。腸の長さは、126〜231cmの間で異なり、平均の長さは164cmであった。合計で600の結腸セグメントを検査した。
【0081】
1.糞便残留物
人口データ、結腸の長さ、検査日、結腸の清潔さ、および糞便残留物または液体の密度の間で、顕著な関係は検出されなかった。
【0082】
a.質と大きさ
14人の患者において、糞便残留物は検出されなかった。糞便残留物は、86人の患者の217のセグメント(36.2%)において検出された。これらの糞便残留物は、ほとんどが右側にあり、盲腸:66セグメント、上行結腸:59セグメントであった。24のセグメント(4%)で、残留物>10mmが観測された。6〜9mmの糞便残留物が、60のセグメント(10%)で検出された。133のセグメント(22%)で、残留物<5mmのみが検出された。
【0083】
b.標識付加の効果
7人の患者(9セグメント)で、標識付加されてない糞便残留物が見つかり、このうち5つのセグメントでは6〜9mmの大便を有し、2つのセグメントでは大便>1cmを有していた。
【0084】
標識付加大便の密度測定により、20H.U.から2890H.U.までの非常に広い範囲の密度が明らかになった。最高平均密度(H.U.)および標準偏差(standard deviation)を、以下の表に示す。
【0085】
【表13】

【0086】
33人の患者を表す59のセグメント(9,8%)では、密度が>500H.U.である少なくとも1つの糞便残留物が検出された。これらの残留物は、ほとんどが右側にあり、盲腸:16、上行結腸:17、横行結腸16であった。
【0087】
2.残留液体
残留液体は、82人の患者の272の結腸セグメント(45.3%)(盲腸:66、上行結腸:64、横行結腸:52、下行結腸:50、S字結腸:28、直腸:12)で検出された。これらのセグメントのうちの50において、少なくとも1つの軸スライスで、25%を超える結腸内腔が覆われていた。残留液体は、一度も密度>500H.U.に到達しなかった。5人以下の患者(5つのセグメント)が、密度>400H.U.の液面を有していた。70の結腸セグメント(34人の患者)に、標識付加されてない液面があった。3人の患者のみにおいて、この標識付加されてない液面は、少なくとも1つの軸スライスで、25%を超える結腸内腔を覆っていた。
【0088】
ファントム試験
ファントムの変化は、8週間の期間で観測された。開始時には、ボトル内のバリウム懸濁液は、400H.U.の平均密度を有し均質的であった。バリウムは、ボトルの底部に向けて徐々に沈降し、最後には最大密度2895H.U.を有する濃い層となった。ボトルの上部では、バリウム懸濁液はより薄くなり、最後には上部で6H.U.の最低密度を有する水状の溶液となった。溶液の平均密度の変化はなかった。
【0089】
患者試験II
すべての患者において、盲腸−上行結腸が、糞便残留物を有していた。下行結腸、S字結腸および直腸は、それぞれ4,5および3人の患者で空だった。すべてのセグメントにおいて、少なくとも1つの残留物>10mmがあった。糞便残留物の最大量は、盲腸−上行結腸に位置していた。
【0090】
標識付加の効果
標識付加大便(H.U.)の平均最高密度および標準変位を、以下の表に示す。
【0091】
【表14】

【0092】
2人の患者(グループ2および3)において、いくつかの非常に小さい(<5mm)標識付加されてない残留物が、結腸の右半分に存在した。2人の患者が、直腸に1cmの標識付加されてない残留物を有していた。この大便は空気を含んでおり、バリウムの環で囲まれていた。
【0093】
残留液体
3人の患者において、非常に小さい液面(結腸内腔の10%未満)が存在した。すべてのケースにおいて、この液体は、盲腸に位置していた。これはグループ2の2人の患者およびグループ3の1人の患者に関係していた。これらの液面は、それぞれ390、360および420H.U.の密度を有していた。
【0094】
患者試験Iにおいては、糞便標識付加剤としてのバリウムを、低残渣食およびクエン酸マグネシウムに基づく下剤による洗浄と組み合わせて用いた糞便標識付加の効果が評価された。本発明は、CTコロノグラフィーで用いられる下剤による洗浄と比較して、より緩やかな洗浄レジメンを用いているにもかかわらず、有効な標識付加を行う。この方法は、患者コンプライアンスが増加するという効果をもたらした(Lefere PA、Gryspeerdt SS、MD、Dewyspelaere J、Baekelandt M、Van Holsbeeck GB.
計算された断層撮影コロノグラフィーの前の洗浄方法としての食事による糞便標識付加:初期結果−ポリープ検出および患者受け入れ、放射線医学2002(Radiology 2002);224:393〜403)。
【0095】
患者試験IIにおいては、準備過程の間の下剤による洗浄は省かれた。ここで、低残渣食と水分補給コントロールレジメンの組み合わせが、CTコロノグラフィーの前日に与えられた。2.1%バリウム懸濁液に基づく標識付加は、結果として十分な大便標識付加をもたらした。下剤による洗浄を省いた結果、患者コンプライアンスが増加したことが明白である。
【0096】
(実施例2)
15人のボランティアが、通常の腹部CTを受けるよう計画された。3人の男性と6人の女性の患者がいた。年齢は、23から73歳の範囲であった(平均年齢:55.7歳)。すべての患者が、漠然とした腹部の痛みを患っていた。その準備に応じて、患者は2つの区分に分けられた。
【0097】
1.区分1
第1の区分は、9人の患者で構成された。すべての患者は、一個のキット(Nutra Prep、E−Z−EM、ニューヨーク州ウェストベリー(Westbury)、U.S.A.)で提供される専用の低残渣食で準備を行った。この食事法は、脂肪摂取をコントロールし糞便排出を減少させるための栄養的な腸洗浄を行うように考えられて設計されている。これは、バニラ味シェイク、フルーツジュース、スープ、アップルソース、ポテトポッパーおよび栄養バーを含んでいた。患者らは、食事法を検査の前日の朝に開始した。朝食に、患者らはバニラ味シェイク(約250ml)を摂った。患者らは、朝にもう1つ飲料(約250ml)を選択することができた。昼食には、患者らは、他の250mlの液体(バニラ味シェイク、フルーツジュースまたはスープ)を摂った。患者らは、追加のドリンク(約250ml)を午後に摂ることも許された。夕食には、患者らは他の250mlドリンク(バニラ味シェイクまたはスープ)を摂った。患者らは、これ以上の液体は摂らないように指示された。この結果、液体摂取は、750mlから1250mlの範囲となった。患者らは、準備キットの内容をすべて食する必要はなかった。
【0098】
糞便標識付加は、バリウム(Tagitol、E−Z−EM、ニューヨーク州ウェストベリー(Westbury)、U.S.A)を用いて行われた。3つの異なるバリウム摂取のレジメンが行われた。ここで、患者らは3人の患者の3つのグループに分けられた(表1)。グループ1は、250mlの2.1%バリウム懸濁液を朝食、昼食および夕食時に摂った。グループ2は、250mlの4%バリウム懸濁液を朝食時に摂り、その後1回分の250mlの2.1%バリウム懸濁液を昼食および夕食時に摂った。グループ3は、2日間にわたってバリウムを摂った。ここで、検査の2日前に、患者らは3回分の50mlの4%バリウム懸濁液を摂った。この日、患者らは普段の食事を摂ることを許された。検査の前日、患者らはグループ1と同じ標識付加レジメンに従った。この液体およびバリウム摂取の組み合わせの結果、検査の前日の液体摂取量の合計は1.5から2リットルの範囲となった。患者らは、PM9時以降、それ以上飲むこと、またどのようなドリンクを摂ることも許されなかった。どの患者のグループでも、下剤による洗浄は行われなかった。検査の朝は、患者は、口からは何も摂ることができなかった。
【0099】
2.区分2
この区分は、3人の患者の2つのグループで構成された。すべての患者は、一個のキット(Nutra Prep、E−Z−EM、ニューヨーク州ウェストベリー(Westbury)、U.S.A.)で提供される専用の低残渣食で準備を行った。この食事法は、脂肪摂取をコントロールし糞便排出を減少させるための栄養的な腸洗浄を行うように考えられて設計されている。これは、バニラ味シェイク、フルーツジュース、スープ、アップルソース、ポテトポッパーおよび栄養バーを含んでいる。食事法は、検査の前日の朝に開始された。朝食時に、患者はバニラ味シェイク(約250ml)を摂った。患者らは、1杯のカフェイン抜きコーヒー(約200ml)を摂ることもできた。患者らは、朝食時にあと2つのドリンク(約500ml)を摂ることも選択できた。昼食時には、患者らは他の250ml(バニラ味シェイク、フルーツジュースまたはスープ)を摂った。患者らは、午後にあと2つの追加ドリンク(約500ml)を摂ることも許された。夕食時に、患者らは他の250mlドリンク(バニラ味シェイクまたはスープ)も摂った。この後、患者らはこれ以上の液体を摂ることは許されなかった。この結果、液体摂取は1450から1950mlの範囲となった。患者らは、準備キットの内容をすべて食する必要はなかった。
【0100】
糞便標識付加は、40%重量/体積で薄められたバリウムで行われた。2つの異なるバリウム摂取のレジメンが用いられた。それに応じて、患者らは3人の患者の2つのグループ(グループ4および5)に分割された。CTCの前日に、グループ4は、朝食時に25mlのバリウム懸濁液を、昼食および夕食時に12.5mlをそれぞれ摂った。その結果、この日は50mlのバリウム摂取となった。グループ5は、バリウムの摂取をCTCの2日前に開始し、12.5mlを朝食、昼食および夕食時にそれぞれ摂った。その翌日に、グループ5はグループ4と同じバリウムレジメンに従った。
【0101】
すべての患者は、スライス厚5mm、テーブル速度7mm(約1.4ピッチ)、および再構成インデックス3mmにより検査された。その結果、7mmの効果的なスライス厚となった。100mAsおよび120kVにて、スキャンが得られた。得られた画像は、ワークステーション(Easy Vision、フィリップス(Philips)、ベスト(Best)、オランダ)に送信された。各患者の結腸が調査され、残留物の量および標識付加の効果が評価された。結腸は、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S字結腸、直腸の6つのセグメントに分割された。
【0102】
A.残留物の量
残留物の量を評価するために、(1)残留大便、(2)液体、(3)バリウム層の3つの異なる実体が考察された。この残留大便は、その大きさにより3つのカテゴリーに評価され分類された(0=残留大便なし、1=残留大便≦5mm、2=残留大便6〜9mm、3=残留大便≧10mm)。残留大便の質を評価するために、各セグメントにて大便ボールの数を評価した(A=空、B=1〜10、C>10)。液体は、結腸の依存部分において従来の水平な空気−液面として、結腸壁との接合部分におけるメニスカスを用いて定義された。マカリ(Macari)らの観察において、液体が検出された結腸のセグメントにおける最大の前後直径に対するその比率に応じて、液体の量が1〜4の基準で評価された(1=内腔の0%、2=<25%、3=25〜50%、4=>50%)。同時に、このセグメントにおける液体を有するスライスの数が記録された。バリウム層は、膨起形成および半円のひだにより成型され従属および非従属の結腸境界に均一に配分されたバリウムの層として、従来の空気−液面を用いず、かつ結腸壁との接合部分におけるメニスカスを用いずに定義された。このバリウム膜のセグメント的評価が行われた。その厚さにより、バリウム層は、残留大便と同じカテゴリーに分割された(0=バリウム膜なし、1=厚さ≦5mm、2=厚さ6〜9mm、3=厚さ≧1cm)。
【0103】
B.標識付加の効果
標識付加の効果を評価するために、2つの方法が用いられた。第1に、カルストロム(Callstrom)ら(19)に従い、密度≧150H.U.を有するすべての残留物(すなわち残留大便、液体、バリウム)を、軸スライスで電子的に標識付加(緑)した。各軸スライスに対し、標識付加されていない残留物を0%とし、完全に標識付加された残留物を100%とする、0%、25%、50%、75%および100%の同一の客観的な視覚標識付けスコアを用いた。このスコアは、セグメントごとに評価された。第2に、残留物(すなわち糞便残留物、液体、バリウム膜)の密度測定(ハウンスフィールド単位(Hounsfield Unit(H.U.))が、大きさごとの基準で、すべての患者に対して行われた。効果的なスライス厚は7mmであり、残留物≧7mmの密度のみが測定された。これは、部分的な体積平均化を避けるために行われた。
【0104】
残留物≧7mmに対して、関心領域(ROI:Region of interest)が用いられた。スウェンセン(Swensen)らに従い、このROIは、残留物の形に従う円または楕円であった。部分的な体積平均化を避けるために、2mmの周辺境界線は、ROIに含ませなかった。その都度、平均密度、最大および最小値ならびに標準偏差が記録された。すべての測定(すなわち平均密度、最大および最小密度、標準偏差)の平均値を、患者ごとおよびセグメントごとに計算した。患者グループごとに、最小密度値(最低および最高の最小値)の範囲が記録された。すべての密度測定が、ボーンウィンドウ(bone window)画像で行われた。
【0105】
結果
合計で90のセグメントが調査された。残留大便の大きさおよび質に関する結果を、それぞれ表2および表3に示す。
【0106】
A.区分1:残留大便のない6人の患者を表す、13のセグメント(24.07%)があった。患者5は、糞便残留物を有していなかった。6人の患者において、残留大便≦5mmのみの8のセグメント(14.8%)があった。8人の患者の29のセグメント(53.7%)において、結腸に10片を超える大便があった。22のセグメント(40.7%)が、10片を超える残留大便および残留大便≧1cmを有していた。これらのセグメントのうち、10(18.5%)は、盲腸−下行結腸に位置し、4(7.4%)は直腸に位置していた。
【0107】
B.区分2:残留大便のない5人の患者を表す、12のセグメント(33%)があった。大便≦5mmのみの3のセグメント(8.3%)があった。5人の患者を表す18のセグメント(50%)では、10片を超える大便があった。25のセグメント(69.4%)が、10片を超える残留大便および残留大便≧1cmを有していた。
【0108】
液面に関する結果を、表4に示す。区分1については、3人の患者が、結腸内腔の25%未満を覆う液面を有していた。その都度、この液面は、盲腸(3セグメントで約5.5%)に位置していた。これは、グループ2からの2人の患者およびグループ3からの1人の患者に関係している。区分2においては、液面が5セグメントに存在した。4のセグメントで、液体は25%未満の結腸内腔を覆っていた。他のセグメントでは、この液体は直腸に位置しており、50%を超える内腔を覆っていた。
【0109】
バリウム膜に関する結果を、表5に示す。区分1では、7人の患者が、バリウム膜を有するセグメント(33.3%)を合計で18有していた。8のセグメント(14.8%)において、バリウム層は、≦5mmのみの厚さを有していた。糞便残留物を有していなかった患者5は、1つ以外のすべてのセグメントでバリウム膜を有していた。糞便残留物、液体およびバリウム膜を考慮すると、5のセグメント(9.25%)は、完全に空であり、2のセグメント(3.7%)は、バリウム層≦5mmのみを有していた。7のセグメント(13%)では、≦5mmの残留物のみがあった。これは、合計で14のセグメント(25.9%)が非常に清潔であることを意味する(表6)。区分2では、5人の患者が、バリウム膜を有するセグメントを合計で10有していた。このバリウム膜は、3のセグメントで5mm未満を覆っていた。糞便残留物、液体およびバリウム膜を考慮すると、5のセグメント(%)は完全に空だった。3のセグメント(8.3%)では、残留物≦5mmのみがあった。これは、合計で14のセグメント(38.8%)が非常に清潔だったことを意味する(表6)。
【0110】
B.標識付加の効果
合計で486回のROI密度測定が行われた。大便の視覚標識付加スコアの結果を、表7に示す。これらのスコアは、71%のスコアしか得られなかったグループ2の下行結腸を除いて、すべてのグループにおいて90から100%の間で変化した。このグループでは、1人の患者(患者4)が、大便≦5mmのみを下行結腸に有していた。残留物は視覚ベースでは標識付加されているように見えたにもかかわらず、この大便は電子的には標識付加されていなかった。この患者においては、下行結腸のスコアは20%しかなかった。2人の患者が、直腸に1cmの標識付加されてない残留物を有していた。この標識付加されてない大便は、空気を含んでおり、かつバリウムの環で完全に覆われていたため、容易に認識可能であった。残留物≧7mmのROI密度測定の結果を、表8に示す。すべての患者のすべてのセグメントにおいて、高い密度が得られた。液面は、360から420H.U.の密度を有していた。
【0111】
表1は、異なるバリウム摂取のレジメンを表す。
【表1】

【0112】
表2は、残留大便:大きさごとの基準のセグメント配分を示す。ここで、0=残留大便なし、1=大便≦5mm、2=大便6〜9mm、3=大便≧1cm、患者1〜3:グループ1、患者4〜6:グループ2、患者7〜9:グループ3である。
【表2】

【0113】
表3は、残留大便:量に基づくセグメント配分を示す。ここで、A=残留大便なし、B=1〜10、C>10、患者1〜3:グループ1、患者4〜6:グループ2、患者7〜9:グループ3である。
【表3】

【0114】
表4は、液面のセグメント配分を示す。ここで、1=0%、2=<25%=少なくとも1つの軸スライスで、結腸内腔の25%未満が液体で覆われている、3=内腔の25〜50%、4=内腔の>50%、患者1〜3:グループ1、患者4〜6:グループ2、患者7〜9:グループ3である。
【表4】

【0115】
表5は、バリウム層のセグメント配分、厚さの識別を示す。ここで、0=バリウム層なし、1=厚さ≦5mm、2=厚さ6〜9mm、3=厚さ≧1cm、患者1〜3:グループ1、患者4〜6:グループ2、患者7〜9:グループ3である。
【表5】

【0116】
表6は、残留物なしのセグメント、残留大便≦5mmのみ有するセグメント、バリウム膜≦5mmのみ有するセグメントを示す。ここで、−:該当せず、1:空のセグメント、2:残留大便≦5mmを有するセグメント、3:バリウム層≦5mmを有するセグメントである。
【表6】

【0117】
表7は、電子標識付けの結果を示す。ここで、密度≧150H.U.を有するすべての大便を電子的に標識付けしている。
【表7】

【0118】
表8は、標識付加大便の密度を示す。
【表8】

【0119】
上述の試験は、CTコロノグラフィーの前日に低残渣食と水分補給コントロールを組み合わせることにより、1日を通じて50mlほどの少量で与えられる単独の糞便標識付加剤としてバリウムを用いた、結腸内の糞便残留物の有効な標識付加が得られたことを示している。このような結果は、所定の活動前に下剤による洗浄を受ける患者を対象として得られた。バリウム量の減少と短いバリウム投与期間(1日)の両方により、患者コンプライアンスが増加する。これは、下剤による洗浄の省略と併せて、患者の結腸直腸癌のスクリーニングプログラムへの参加を劇的に向上することができる。
【0120】
上述の実施形態および説明は詳細に開示されているが、これらは特許請求される発明の範囲の限定を意図するものではない。実際に、当業者は、本発明の要旨と範囲から逸脱することなく、対象の発明に様々な変更と修正を加えることができることを理解するであろう。例えば当業者は、本発明が、本明細書に述べた実施形態の変形を包含することを認識するであろう。したがって、異なる食品を、本明細書で述べた特定の食品の変わりに用いてもよく、キットのレイアウトを修正してもよい。また、食品は、それぞれの間で、互いに取り替えることができる。また、本発明は、本明細書で述べた要素を適切に備え、これらにより構成し、またはこれらにより基本的に構成することができる。さらに、本明細書で述べた本発明は、本明細書で具体的に開示されていないどのような要素を欠いていても、適切に実施することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の活動の前に個人の消化管内の少なくともいくつかの結腸残留物に標識を付加する結腸残留物標識付加システムであって、
(a)1つまたは複数の食品を与えるステップであって、前記食品は、集合的に、
i.少なくとも100カロリーと、
ii.少なくとも0.5グラムの食物繊維と、
iii.前記カロリーの少なくとも0.5%を脂肪から得ることと、
iv.少なくとも重量で約1%の固形物と、
を備えるステップと、
(b)前記所定の活動の前に、1または複数回分の標識付加剤を与えるステップと、
を備え、
前記1つまたは複数の食品は、少なくとも20時間の期間を通じて与えられることを特徴とする結腸残留物標識付加システム。
【請求項2】
前記標識付加剤は、硫酸バリウムまたはヨウ素であり、1つまたは複数の食品は、集合的に、
(a)約600を超えるカロリーと、
(b)約15グラム未満の食物繊維と、
(c)前記カロリーの約25%未満を脂肪から得ることと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項3】
前記1つまたは複数の食品は、集合的に、
(a)約600〜2,000カロリーと、
(b)約0.5グラム〜約10グラムの食物繊維と、
(c)約0.5%〜約20%の前記カロリーを脂肪から得ることと、
(d)重量で約10%〜約30%の固形物と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項4】
前記標識付加剤は、ソルビトール(Sorbitol)またはマンニトール(Mannitol)と組み合わされることを特徴とする請求項1に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項5】
前記1つまたは複数の食品は、栄養ドリンクと、飲料と、スープ製品と、でんぷん食品と、穀物食品と、プロテインサプリメントと、フルーツ食品と、野菜食品と、からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項6】
個人による液体摂取の合計が、約1〜2リットルであることを特徴とする請求項1に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項7】
所定の活動の前に個人の消化管内の少なくともいくつかの結腸残留物に標識を付加する結腸残留物標識付加システムであって、
(a)低残渣食を、少なくとも48時間の期間を通じて個人に与え、
(b)1または複数回分の標識付加剤を、少なくとも48時間の期間を通じて個人に与え、
(c)患者が少なくとも24時間、緩下剤または下剤の投与を免れた状態で、前記投与期間後に個人の胃腸管の1つまたは複数の断面を撮像し、
(d)個人の胃腸管の1つまたは複数の断面の放射線画像を生成し、前記画像は前記標識付加剤で標識付加された大便を示し、
(e)前記画像から識別された大便を除去および/または引き去ることなく、前記放射線画像をスクリーニングし、胃腸管に何らかの異常が存在しないかどうかを識別する、
ことを特徴とする結腸残留物標識付加システム。
【請求項8】
前記画像は、個人の結腸のS字結腸鏡検査、光ファイバー結腸鏡検査、CTコロノグラフィーまたはMRコロノグラフィーを含む所定の活動と関連して生成されることを特徴とする請求項7に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項9】
前記標識付加剤の投与は、5回未満であり、各回の量は25〜250mlの範囲であり、前記合計液体摂取は、20〜36時間の投与期間を通じて1〜3リットルであることを特徴とする請求項7に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項10】
前記標識付加剤の投与は、4回であり、1回の量は、少なくとも30%w/vの標識付加剤を含み、残り3回の量は、約200ml〜230mlの範囲であり、2%w/vを超える標識付加剤を含むことを特徴とする請求項7に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項11】
前記標識付加剤の投与は、3回であり、各回の量は、約20mlであり、約40%w/vの標識付加剤を含むことを特徴とする請求項7に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項12】
前記標識付加剤は、硫酸バリウムであることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項13】
所定の活動の前に個人の消化管内の少なくともいくつかの結腸残留物に標識を付加する結腸残留物標識付加システムであって、1つまたは複数の食品を個人が摂ることによって大便を標識付加させるのに十分な標識付加剤を含む1つまたは複数の食品を与えることを特徴とする結腸残留物標識付加システム。
【請求項14】
1つまたは複数の前記食品は、前記所定の活動前の少なくとも24時間の期間を通じて与えられることを特徴とする請求項13に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項15】
1つまたは複数の前記食品のそれぞれは、約0.01g〜150gの標識付加剤を含むことを特徴とする請求項13に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項16】
前記24時間の投与期間に個人が摂る前記標識付加剤の合計量は、少なくとも1gであることを特徴とする請求項14に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項17】
前記24時間の投与期間における個人の合計水分摂取は、1〜3リットルであることを特徴とする請求項13に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項18】
前記所定の活動は、光ファイバー結腸鏡検査、仮想結腸鏡検査、S字結腸鏡検査またはバリウム注腸であることを特徴とする請求項1または13に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項19】
1つまたは複数の前記食品は、第1食事、第2食事、および第3食事を構成することを特徴とする請求項7に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項20】
前記所定の活動の前に、緩下剤レジメンを提供することをさらに含むことを特徴とする請求項1、7または13に記載の結腸残留物標識付加システム。
【請求項21】
所定の活動の8時間より前に、最後の分量を個人に与えることを特徴とする請求項1または13に記載の結腸残留物標識付加システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−77159(P2010−77159A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288294(P2009−288294)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【分割の表示】特願2003−583203(P2003−583203)の分割
【原出願日】平成15年4月5日(2003.4.5)
【出願人】(308039159)ブラッコ ディアグノスティックス,インク. (1)
【Fターム(参考)】