説明

結腸洗浄組成物

【課題】結腸洗浄組成物の提供。
【解決手段】水溶液1L当りに、ポリエチレングリコール30ないし350g、アスコルビン酸、アスコルビン酸の塩、又はその混合物からなる群から選択されるアスコルビン酸成分3ないし20g、アルカリ金属スルフェート又はアルカリ土類金属スルフェート、好ましくは1ないし15g、及び、所望により、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び炭酸水素ナトリウムから選択される1種以上の電解質を含み、及び好ましくはまた、香味料を含む組成物は、内視鏡検査、特に結腸鏡検査のための調整において、消化管を洗浄するのに効果的である。それは、慣用のリン酸ナトリウムに基づく消化管洗浄組成物より安全であるため、リン酸ナトリウムに基づく組成物では危険であり得る患者にも使用でき、かつ慣用のPEGに基づく組成物より良好に容認され、より良好な患者の服薬遵守を導きかつ外来患者に効果的に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胃腸系を洗浄するための洗浄組成物としても知られる、起立性洗浄溶液、結腸排泄薬又は結腸洗浄組成物、及びこのような組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般背景
結腸洗浄は、多くの診断及び外科処置の前において、例えば、結腸鏡検査、バリウム浣腸検査又は結腸手術の前において重要である。それはまた、より短い腸の手術後の感染症を防止するためにも有用である。結腸洗浄は結腸清浄としても知られている。
【0003】
様々な結腸洗浄方法が知られている。食事操作、緩下薬、瀉下薬及び浣腸が、慣用的に使用されている(トーマス,G.他、Gastroenterology、1982年、82、435−437頁)。リン酸ナトリウム溶液(クラークストン,W.K.他、Gastrointestinal Endoscopy、1996年、43、43−48頁)及びクエン酸マグネシウム及び/又はピコ硫酸ナトリウム溶液(レゲブ,A.他、Am.J.Gastroenterol、1998年、93、1478−1482頁)もまた使用されてきた。
【0004】
これらの方法は様々な欠点を有する。食事操作及び緩下薬は時間がかかり;浣腸は患者にとって不快であり;そして、危険な塩及び水損失が、瀉下薬、浣腸によって及びリン酸ナトリウム溶液によって引き起こされ得る。
【0005】
ホスホソーダ(登録商標:Phospho−soda)の登録商標名で、C.B.フリート カンパニー インコーポレーテッド(アメリカ合衆国,バージニア州 24506,リンクバーグ,ピーオーボックス 11349,ムーライ プレース 4615)から入手可能なリン酸ナトリウム溶液は、腸内の水の保持を増加させる超浸透性溶液であるため排便を促進させる。ホスホソーダは、緩衝水溶液5mL当りに、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物2.4g及び二塩基性リン酸ナトリウム7水和物0.9gを含む。典型的には、20ないし45mLが、多量の水と共に成人患者に使用される。もしも水が使用されないならば、増加した血清ナトリウム及びホスフェート量が、結果として、重大な腎臓問題を引き起こし得る。これらの副作用の危険性のため、ホスホソーダの投与間の医療監視を管理する必要がある。
【0006】
結腸洗浄に対する他の試みとしては、多量の電解質溶液を、飲むことによって又は鼻経胃チューブを通して注入することによって摂取する起立性腸洗浄がある。このような洗浄溶液はまた、腸洗浄溶液として知られている。該溶液の消費は、多量の誘発された下痢を引き起こし、そしてそれによって結腸の洗浄をもたらす。該方法は、一般的には、慣用の試みよりも早い。早い洗浄溶液の主な成分は塩化ナトリウムである。しかしながら、塩水ベースの洗浄溶液のかなりのパーセントが患者の消化管の血流中に吸収される場合、血管内の容量の急速な増加は、特定の患者に重大な合併症を引き起こす。
【0007】
1980年、デービス及び共同研究者は洗浄溶液の開発が最少量の水及び電解質の吸収又は分泌と関連していることを報告している(デービス G.R.他、Gastroenterology、1980年、78、991−995頁)。該溶液は硫酸ナトリウム及びポリエチレングリコールを含む。硫酸イオンは消化管中にほとんど吸収されない。結果として、塩化物又は重炭酸塩よりむしろ硫酸塩が消化管中の洗浄溶液中に存在する主な対アニオンになる場合、ナトリウム吸収が著しく減少する。硫酸ナトリウム(40.0mM
、5.68g/L)に加えて、デービス他によって記載された溶液は塩化ナトリウム(25mM、1.463g/L)、塩化カリウム(10mM、0.745g/L)、重炭酸ナトリウム(20mM、1.680g/L)、ポリエチレングリコール(PEG4000''カーボワックス''、64g/L)及び水を含む。該溶液は、4Lの量で投与される。該溶液は、胃腸系の洗浄において効果的であることを示し、そしてそれは、ゴリテリー(登録商標:GoLYTELY)(アメリカ合衆国,マサチューセッツ州,ブライントゥリー,ブライントゥリー ラボラトリーズ インコーポレーテッド)の登録商標名で商品化されている。1996年8月後及び本願出願時にも入手可能な、クリーンプレプ(登録商標:Klean Prep)としても知られる市販で入手可能なゴリテリー組成物は、4Lまでを作るために、硫酸ナトリウム(40.0mM、5.685g/L)、塩化ナトリウム(25mM、1.464g/L)、塩化カリウム(10mM、0.743g/L)、重炭酸ナトリウム(20mM、1.685g/L)及びPEG3350ポリエチレングリコール(59g/L)を含む乾燥粉末形態で提供される。ゴリテリーはまた、水溶液としても提供される。
【0008】
ゴリテリー溶液は効果的であるとはいえ、非常に塩からい味のため、患者の服薬遵守に不都合に影響を及ぼす。典型的には、組成物は、4L以上の水溶液として存在し、指示した量の全てを消費することが重要である。このような多量の液体の消費もまた服薬遵守に不都合に影響を及ぼし得る。
【0009】
その後、フォードトラン他(国際公開第87/00754号パンフレット)は、硫酸ナトリウムは含まないが、その代わりとして比較的高濃度のポリエチレングリコール(75ないし300g/L)を有する減少硫酸ナトリウム溶液(RSS)を開発した。国際公開第87/00754号パンフレットに開示された好ましい溶液は、PEG3350(120g/L)、重炭酸ナトリウム(1.68g/L)、塩化カリウム(0.74g/L)及び塩化ナトリウム(1.46g/L)を含み、そして、それもまた、4Lの量で投与される。国際公開第87/00754号パンフレットの好ましい溶液に非常に類似した溶液は、ヌリテリー(登録商標:NuLYTELY)という名称で(最初は、ゴリテリー−RSSという名称で)ブライントゥリー ラボラトリーズ インコーポレーテッド(アメリカ合衆国,マサチューセッツ州,ブライントゥリー)によって商品化されている。ヌリテリー組成物は、PEG3350(105g/L)、重炭酸ナトリウム(1.43g/L)、塩化カリウム(0.37g/L)及び塩化ナトリウム(2.80g/L)を含み、そして、それは、4Lまでを作るために乾燥粉末形態で提供される。
【0010】
診療所における結腸洗浄において効果的であるとはいえ、ゴリテリー溶液及びヌリテリー溶液の両方は、多量に、典型的には4L摂取されなければならない。このような量の消化管洗浄溶液の摂取は、一般的及び物理的に不快であるか又はまたは多くの患者にとって不可能でさえあり、結果として吐き気をもたらし得りかつ時間がかかる。ヌリテリー中には硫酸ナトリウムが存在しないにもかかわらず、ヌリテリー及びゴリテリーの両方が不快な塩辛い味を有する。特に、患者が医師の管理下にない場合、不快な味が患者の服薬遵守の問題を悪化させる。
【0011】
国際公開第89/05659号パンフレット(ボロディ)中に、ポリエチレングリコール、電解質及び0.25ないし50g/Lのアスコルビン酸(ビタミンC)又はその塩を含む起立性洗浄溶液が記載されている。アスコルビン酸又はその塩の存在は、必要とされる溶液の量を3L以下まで減少させると言われる。約3gのアスコルビン酸が腸に吸収され得る(ホーニング,D.他、Int.J.Vit.Nutr.Res.、1980年、50、309)とは言え、更なるアスコルビン酸は、下痢の一因となること及び細菌ガス発生及び細菌再生を阻害することが国際公開第89/05659号パンフレット中で報告されている。アスコルビン酸はまた、その気持ちのよい酸味が塩からいポリエチレングリ
コールの通例のいやな味を遮断するため、洗浄溶液の摂取を容易にすると言われる。
【0012】
ボロディによって記載された溶液は、無機電解質(塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム及び硫酸ナトリウム)と一緒に30ないし60g/Lの濃度でポリエチレングリコール(好ましくは、PEG3350又はPEG4000)を含む。記載されたいずれの溶液においても、PEGの量は、溶液の浸透度が約289mOsmol/kg(即ち、等浸透圧)となるように調整されると記載されている。溶液の浸透度は慣用の実験技術を使用して測定され得る。溶液成分の情報から浸透度を計算することも可能である。浸透度計算の詳細は以下に示す。
【0013】
ボロディによって記載された配合物は、グリコプレプ C(登録商標:GLYCOPREP C)(ファーマテル)の登録商標名で10年以上前からオーストラリア国の市場で入手可能であった。グリコプレプ C乾燥組成物は、PEG3350(53g/L)、塩化ナトリウム(2.63g/L)、塩化カリウム(0.743g/L)、硫酸ナトリウム(5.6g/L)、アスコルビン酸(6g/L)、アスパルテーム(0.360g/L)、クエン酸(0.900g/L)及びレモン香味料(0.90g/L)を含む。3Lの溶液が、一般的に投与される。
【0014】
アスコルビン酸の添加が改善された腸製剤を与えることに対してある程度の成果あげたとは言え、製剤は約3Lの量が摂取されなければならない。このような量の消化管洗浄溶液の摂取は、まだ一般的及び物理的に不快であるか又はある患者にとっては不可能でさえあり、結果として吐き気をもたらし得り、かつ時間がかかる。従って、より少量で効果的な気持ちのよい味の洗浄溶液が必要である。
【0015】
結腸清浄は、結腸鏡検査、バリウム浣腸検査、S状結腸鏡検査及び結腸手術を含む多くの手術及び診断手段の前において重要である。結腸清浄は、患者自身又は手術又は診断手段が行われる病院又は医院に行く前に家で医師の監視なしに患者自身によって行われ得ることが望ましい。満足のいく結腸清浄剤が達成されるならば、患者の服薬遵守が医師の管理なしに確実であることが重要である。
【0016】
従来技術の組成物を表1にまとめる。この表において、指示された量は水溶液1L当りに存在する量である。計算した溶液の浸透度(mOsmol/kg)もまた、推奨される投与量(L)と一緒に表中に示す。
表1:従来技術の結腸洗浄治療薬の組成
【表1】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】国際公開第87/00754号パンフレット。
【特許文献2】国際公開第87/00754号パンフレット。
【特許文献3】国際公開第87/00754号パンフレット。
【特許文献4】国際公開第89/05659号パンフレット。
【特許文献5】国際公開第89/05659号パンフレット。
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】トーマス,G.他、Gastroenterology、1982年、82、435−437頁。
【非特許文献2】クラークストン,W.K.他、Gastrointestinal Endoscopy、1996年、43、43−48頁。
【非特許文献3】レゲブ,A.他、Am.J.Gastroenterol、1998年、93、1478−1482頁。
【非特許文献4】デービス G.R.他、Gastroenterology、1980年、78、991−995頁。
【非特許文献5】ホーニング,D.他、Int.J.Vit.Nutr.Res.、1980年、50、309。
【発明の概要】
【0019】
本発明の記載
驚くべきことに、アルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェート、アスコルビン酸及び/又はその1種以上の塩、比較的高濃度のPEG、及び所望により、更なる電解質を含む洗浄溶液は、少量で投与されても効果的な洗浄作用を有し、かつ味がよいことが今や発見された。本発明の組成物を含む洗浄溶液は、約2Lの量で使用される場合、十分な結腸洗浄を達成する。慣用の洗浄溶液は3ないし4Lの量で使用されるべきである。
【0020】
PEGは、電解質の吸収不良を促進することによって、PEG含有溶液の下痢を引き起こす効果の一因となることがことが知られていた。しかしながら、驚くべきことに、アルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェート、アスコルビン酸及び/又はその1種以上の塩、比較的高濃度のPEG、及び所望により、更なる電解質を含む洗浄溶液は、強力な洗浄又は浄化作用を有することが今や発見された。このため、より少量の溶液が必要とされ、及びまた、該溶液は味がよいものとなることが発見された。該洗浄溶液は、約2Lの量で使用される場合、例えば、結腸鏡検査のための十分な結腸洗浄を達成する。
【0021】
本発明は、水との混合のための乾燥組成物であって、該乾燥組成物は、作られる水溶液1L当り以下の成分
a)ポリエチレングリコール80ないし350g、
b)アスコルビン酸、アスコルビン酸の1種以上の塩、又はアスコルビン酸とアスコルビン酸の1種以上の塩との混合物3ないし20g、
c)アルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェート、又はアルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェートの混合物1ないし15g、及び、d)所望により、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び炭酸水素ナトリウムから選択される1種以上の電解質、
を含み、該組成物の成分は、1Lまでの水溶液が300ないし700mOsmol/kgの範囲内の浸透度を有するように選択される乾燥組成物を提供する。
【0022】
本発明はまた、本発明の乾燥組成物の水溶液を含み、該成分が上記濃度を有し、該組成物が上記定義の範囲内の浸透度を有し、かつ該組成物の容量が0.5Lないし5Lである洗浄溶液も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の溶液は等浸透圧ではなく、言換えれば、それらは、消化管の血管系中の血液と
同等の浸透圧を有さない。しかしながら、該溶液は、ほぼ等浸透圧であり、言換えれば、患者から排泄された該溶液は、実質的に、摂取された溶液と同等のイオン含有量を有する。従って、患者の血液中のイオン量に実質的な正味の変化はない。
【0024】
溶液の浸透度は、溶液中に溶解された非浸透粒子の数である。溶液中の単位として結合して完全に残る物質において(例えば、中性有機分子)、溶液の浸透度とモル濃度は基本的に同じである。溶解した場合、解離する物質において(例えば、イオン塩)、浸透度は溶解後の溶液中の個々の溶解した種のモル数である。
【0025】
溶液の浸透度は、標準実験技術を使用して測定され得る。それはまた、溶液の成分の情報からも計算され得る。例えば、ゴリテリー溶液の浸透度は、以下のように計算され得る:
PEG : 60g、MW=3350、溶液中1モル当り1つの種:
寄与率=60/3350*1=18.0mOsmol/kg
Na2SO4 : 5.7g、MW=142、溶液中1モル当り3つの種:
寄与率=5.7/142*3=120.4mOsmol/kg
NaHCO3 : 1.93g、MW=84、溶液中1モル当り2つの種:
寄与率=1.93/84*2=46.0mOsmol/kg
NaCl : 1.46g、MW=58.5、溶液中1モル当り2つの種:
寄与率=1.46/58.5*2=50.0mOsmol/kg
KCl : 0.75g、MW=74.5、溶液中1モル当り2つの種:
寄与率=0.75/74.5*2=20.1mOsmol/kg
総浸透度=255mOsmol/kg
【0026】
いくつかの場合において、計算された浸透度は測定された浸透度と一致しない。
たいていは、溶液中に溶解していない種の数が、典型的な挙動から仮定されるため、必ずしも正確ではないという事実と関連した様々な理由がある。例えば、多くの成分が存在する場合、それらは凝集し得り、そして、独立して溶解した種の数を計算したものより少なくする。更なる例として、溶液のpHに依存して、有機酸及び塩基は、不完全に解離又は結合し得る。
【0027】
100g/L以上の濃度でPEGを含む洗浄溶液は、前記されている(ヌリテリー)。洗浄溶液は等浸透圧でなければならない、言換えれば、消化管中の管液と同等の浸透度を有さなければならないと一般的に仮定されている。従って、洗浄溶液が等浸透圧であるため、高濃度のPEGは低濃度の電解質塩を伴う。例えば、硫酸ナトリウムは、ヌリテリー溶液から省かれる。驚くべきことに、等浸透圧であることが洗浄溶液のために必要でないこと、及び更に、PEG、アルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェート、又はアルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェートの混合物、電解質及び、アスコルビン酸及び/又はその1種以上の塩を含む高浸透圧溶液は、従来技術の等浸透圧溶液より効果的な洗浄溶液であることが今や発見された。
【0028】
健常被験者において、2Lの量を投与すると、本発明の高浸透圧洗浄溶液は、硫酸ナトリウム及びアスコルビン酸がない以外は同様の組成、即ち、同濃度のPEG、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを有する等浸透圧溶液と比較して、便排泄重量及び便排泄容量を50%増加させることが発見された。副作用は見られなかった。本発明の高浸透圧洗浄溶液はまた、等浸透圧でかつより低濃度の硫酸ナトリウムを含む従来技術の組成物より、その投与された量において、より効果的であることも発見された。
【0029】
好ましくは、本発明の洗浄溶液の浸透度は、330mOsmol/kg以上、より好ましくは350mOsmol/kg以上、更により好ましくは400mOsmol/kg、
例えば、460mOsmol/kg以上である。好ましくは、本発明の洗浄溶液の浸透度は、600mOsmol/kg以下、より好ましくは550mOsmol/kg以下、更により好ましくは500mOsmol/kg以下、例えば470mOsmol/kg以下である。例えば、浸透度は、下限が、330、350、400及び460mOsmol/kgのいずれかから選択され、かつ上限が、600、550、500及び470mOsmol/kgのいずれかから独立して選択される範囲内であり得る。
【0030】
前記で、等浸透圧であることが洗浄溶液のために必要であると考えられ、洗浄溶液を等浸透圧に調整するための努力が為されてきたが、驚くべきことに、高い浸透度は、安全であるだけではなく、従来技術の溶液よりより効果的であること、及びより少量の摂取液のため、患者がほとんど吐くことがないことが今や発見された。浸透度がPEGに起因する場合、高いPEG濃度と増加した浸透度の二重効果が、副作用が少なく、及びまた、より高い安全性のより早いペースで洗浄溶液を流す。結果として生じる排泄物の量の測定から、我々は2つの効果の組合せが相乗的であることを発見した。
【0031】
本発明の組成物中に使用されるポリエチレングリコール(PEG)は、好ましくは2000以上の平均分子量を有する。好ましくは、PEGは2500以上の平均分子量を有する。好ましくは、PEGは4500以下の平均分子量を有する。例えば、PEGは、PEG3350又はPEG4000であり得る。所望により、本発明の組成物中に使用されるPEGは、2種以上の異なるPEGを含み得る。本発明の組成物は、好ましくは1L当り90g以上のPEG、より好ましくは1L当り100g以上のPEGを含む。好ましくは、本発明の組成物は、1L当り250g以下のPEG、より好ましくは1L当り150g以下のPEG、更により好ましくは1L当り140g以下のPEG、更により好ましくは1L当り125g以下のPEGを含む。例えば、本発明の組成物は、下限が、1L当り90又は100gであり、かつ上限が、独立して、1L当り350、250、150又は125gである範囲内の濃度においてPEGを含み得る。例えば、本発明の組成物は、1L当り100又は125gのPEGを含み得る。最も好ましくは、本発明の組成物は1L当り100gのPEGを含む。
【0032】
好ましくは、アルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェート、又はアルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェートの混合物は、本発明の洗浄組成物中に、1L当り2g以上の量で、より好ましくは1L当り3g以上の量で、更により好ましくは1L当り5g以上の量で存在する。好ましくは、アルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェート、又はアルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェートの混合物は、本発明の洗浄組成物中に、1L当り10g以下の量で、より好ましくは1L当り9g以下の量、更により好ましくは1L当り7.5g以下の量で存在する。例えば、アルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェート、又はアルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェートの混合物は、下限が、1L当り2、3及び5gのいずれかから選択され、かつ上限が、1L当り10、9及び7.5gのいずれかから独立して選択される範囲内の量で存在し得る。例えば、アルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェート、又はアルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェートの混合物は、1L当り5g又は7.5g、最も好ましくは1L当り7.5gの量で存在する。
【0033】
アルカリ金属又はアルカリ土類金属は、例えば、ナトリウム、マグネシウム又はカルシウムであり得る。ナトリウムが一般的には好ましいが、マグネシウム又はカルシウムも使用され得る。
【0034】
本発明の組成物は、好ましくは、塩化ナトリウムを含む。塩化ナトリウムは、好ましくは、1L当り0.5g以上の量で、より好ましくは1L当り1g以上の量で、更により好
ましくは1L当り2g以上の量で存在する。塩化ナトリウムは、好ましくは、1L当り7g以下の量で、より好ましくは1L当り5g以下の量で、更により好ましくは1L当り4g以下の量で存在する。例えば、塩化ナトリウムは、下限が、1L当り0.5、1及び2gのいずれかから選択され、かつ上限が、1L当り7、5及び4gのいずれかから独立して選択される範囲内の濃度で存在し得る。
【0035】
本発明の組成物は、好ましくは、塩化カリウムを含む。好ましくは、塩化カリウムは、1L当り0.2g以上の量で、より好ましくは1L当り0.5g以上の量で、最も好ましくは1L当り0.7g以上の量で存在する。好ましくは、塩化カリウムは、1L当り4g以下の量で、より好ましくは1L当り2g以下の量で、最も好ましくは1L当り1.3g以下の量で存在する。例えば、塩化カリウムは、下限が、1L当り0.2、0.5及び0.7gのいずれかから選択され、かつ上限が、1L当り4、2及び1.3gのいずれかから独立して選択される範囲内の濃度で存在し得る。
【0036】
本発明の組成物は、重炭酸ナトリウムを含み得る。重炭酸ナトリウムと酸間の反応のために、アスコルビン酸及び塩を含む組成物へ水を添加すると、CO2が生成されるため、ガスの気泡を出すことを伴って、重炭酸イオンは一般的に破壊される。少量の水分、例えば、大気水分が存在する場合、同様の反応が乾燥粉末組成物中で起こり得る。被覆されたアスコルビン酸が使用される場合、乾燥粉末組成物中での重炭酸塩とアスコルビン酸間の反応は避けられ得る。該反応はまた、重炭酸塩とアスコルビン酸が接触状態しないように個々の単位を2つに分離するように乾燥組成物を包装することによっても避けられ得る。
【0037】
用語''アスコルベート成分''は、ここでは、アスコルビン酸、その1種以上の塩、又は本発明の組成物中で使用されるアスコルビン酸の混合物を示すものとして使用される。アスコルベート成分は、溶液1L当り3ないし20gの量で本発明の組成物中に存在する。好ましくは、アスコルベート成分は、1L当り4g以上の量で、より好ましくは1L当り5g以上の量で存在する。好ましくは、アスコルベート成分は、1L当り15g以下の量で、より好ましくは1L当り10g以下の量で存在する。例えば、アスコルベート成分は、下限が、1L当り4又は5gであり、かつ上限が、独立して、1L当り15又は10gである範囲内の量で存在し得る。例えば、アスコルベート成分は、1L当り5ないし10g、例えば1L当り5又は10gの量で存在する。
【0038】
好ましいアスコルビン酸の塩は、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸マグネシウム及びアスコルビン酸カルシウムである。特に好ましいアスコルビン酸の塩は、アスコルビン酸ナトリウムである。好ましくは、アスコルベート成分は、アスコルビン酸及びその1種以上の塩の両方を含む。好ましくは、アスコルビン酸及びその塩は、1:9ないし9:1の範囲内の重量比で存在する。アスコルビン酸及びその塩は、実際には、水和物として提供され得る。水和物が使用されるならば、ここで言及された重量及び/又は重量比は、水和水を除いたアスコルビン酸又はその塩の重量及び/又は重量比である。好ましくは、アスコルビン酸及びその塩は、2:8ないし8:2、より好ましくは3:7ないし7:3、更により好ましくは4:6ないし6:4の範囲内、例えば、4.7:5.9の重量比で存在する。
【0039】
血漿重炭酸塩イオン量は、平衡量の重炭酸塩を含まない0.9%塩水又は7.2%マンニトールに基づく洗浄溶液の下記の使用を弱め得ることが他の者によって以前に発見されている。より低い血漿重炭酸塩の量は、血液pHの減少(アシドーシス)及びその結果として生じる血流中のCO2輸送能力の減少に関連した危険で有害な臨床事象をもたらし得る。アシドーシスは、虚弱、失見当、昏睡、そして最終的には死をも導き得る。しかしながら、本発明に従って、血漿重炭酸塩が低下することは、アスコルビン酸及びその1種以
上の塩の両方を含む組成物の使用によって非常に減少されることが今や発見された。アスコルビン酸塩の存在は、溶液に浸透容量に寄与し、及びまた、重炭酸塩量の持続を助ける。これは、本発明の組成物の更なる利点である。
【0040】
本発明の組成物は、好ましくは香味がある。本発明の組成物中に使用される香味料は、好ましくは塩からさを遮断すべきであり、比較的甘いべきであるが、あまり過度ではなく、かつ組成物中で安定であるべきである。香味料は、より味の良い溶液を作るため、患者の服薬遵守を促進する。好ましい香味料は、レモン、例えば、ウンゲラー レモン香味料粉末(英国 シーエイチ1 4エルピー,チェスター,シーランドロードのウンゲラー リミテッドから入手可能)、ストロベリー、例えばウンゲラー ストロベリー香味料粉末、グレープフルーツ、例えばウンゲラー グレープフルーツ香味料粉末、ブラックカーラント、例えばウンゲラー ブラックカーラント香味料粉末、パイナップル、例えばIFF(インターナショナル フレーバー アンド フレグランス)パイナップル香味料粉末、及び、バニラ/レモン及びライム、例えばIFFバニラ及びギバウジン ロウレ レモン(Givaudin Roure Lemon)及びライム フラブ−オ−ロック(Lime Flav−o−lok)を含む。これら及び更なる適当な香味料は、インターナショナル フレーバー アンド フレグランス インコーポレーテッド(英国,シービー9 8エルジー,スフォーク,ハーバーヒル,ドゥッデリーヒル)、ウンゲラー アンド カンパニー(英国
シーエイチ1 4エルピー,チェスター,シーランドロード)又はフィーメニッヒ(ミドルセックス ユービー2 5エヌエヌ,ソウトホール,ハイス ロード,フィーメニッヒ ユーケー リミテッド)から入手可能である。より好ましい香味料は、レモン、キウイ、ストロベリー及びグレープフルーツである。最も好ましい香味料はレモンである。
【0041】
好ましくは、本発明の組成物は甘味料を含む。結腸への未吸収糖の配送が細菌のための基体を提供するため、糖ベースの甘味料は適当ではない。このような糖は、細菌によって代謝させられ、水素及びメタンのような爆発性のガスを形成し得る。電気機器が結腸鏡検査又は他の方法中に使用される場合、結腸中の爆発性のガスの存在は非常に危険であり得る。好ましい甘味料は、アスパルテーム、アセスルファム K及びサッカリン、又はそれらの組合せを含む。クエン酸もまた、味強化剤として存在し得る。
【0042】
本発明の乾燥組成物中のアスコルビン酸及び/又はアスコルビン酸の塩は、被覆され得る。被覆は、アスコルビン酸及び/又はその塩の安定性を維持することを助ける。さもなければ、上記したように、アスコルビン酸及びその塩は、水分の存在下でほとんど安定ではない。
【0043】
本発明に従った乾燥組成物は、粉末形態、粒状形態又はいずれかの他の適当な物理形態であり得る。本発明の乾燥組成物は、1回分の投与形態、例えば、サシェ(sachet)形態で提供され得る。好ましくは、乾燥組成物は、アスコルビン酸及び/又はその塩が、他の成分と別々に包装される、2種以上の成分形態で提供される。例えば、1回分の投与形態、例えば、サシェ形態の第1成分は、例えば、ポリエチレングリコール、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、甘味料及び香味料を含み得り、例えば、1回分の投与形態、例えば、サシェ形態の第2成分は、例えば、アスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウムを含む。
【0044】
本発明の組成物は、例えば、0.5又は1Lの溶液を各々含む、例えば、1種以上の容器中の水溶液として提供され得る。
【0045】
本発明はまた、哺乳動物の結腸の洗浄方法であって、該方法は、
1L当り以下の成分
a)ポリエチレングリコール80ないし350g、
b)アスコルビン酸、アスコルビン酸の1種以上の塩、又はアスコルビン酸とアスコルビン酸の1種以上の塩との混合物3ないし20g、
c)アルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェート、又はアルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェートの混合物1ないし15g、及び、d)所望により、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び炭酸水素ナトリウムから選択される1種以上の電解質、
を含み、該組成物の成分は、洗浄液が300ないし700mOsmol/kgの範囲内の浸透度を有するように選択される洗浄液を哺乳動物に経口投与することからなり、投与される液の体積は、ヒト成人で1.5ないし3L、ヒト成人以外の哺乳動物ではそれに比例した量である方法を提供する。
【0046】
本発明の溶液の正確な投与量は、治療する患者に依存し得る。例えば、小さい子供の治療においては、より少量の洗浄溶液が適当であり、結腸の輸送時間が長い患者には、より多量の洗浄溶液が適当である。
【0047】
本発明の方法は、結腸、直腸又は肛門又は腹の他の部分の診断、治療又は手術手順を行う前に結腸を洗浄するために使用され得る。診断又は手術手順は、例えば、結腸鏡検査、バリウム浣腸検査、S状結腸鏡検査又は結腸手術であり得る。
【0048】
本発明の方法はまた、例えば、急性の胃腸感染症、例えば細菌又はウィルス性の胃腸感染症の治療において使用され得る。このような治療の意図は、患者がほとんど毒素を吸収さず、かつ下痢、毒性、食欲不振、吐き気又は嘔吐の期間がより短いように、感染結腸から大便を除去することにある。下痢、痙攣及び倦怠感に依存して、瀉下製薬の使用は、腸から、悪化させるもの(offending)、感染結腸の腸の微生物叢を除去するため、短期間で感染が改善する。
【0049】
好ましくは、溶液の総量は1ないし4時間かけて投与される。1ないし4時間は、連続期間又は不連続期間であり得る。不連続投与においては、溶液の一部、典型的には、約半分が、診断、治療又は手術手順が行われる前の晩に投与され、溶液の残りは該方法の当日に投与され得る。
【0050】
本発明の方法において使用される組成物は、本発明の組成物に関して上記の好ましい特徴を有する。
【0051】
本発明は、更に、水との混合のための乾燥組成物であって、該乾燥組成物は、作られる水溶液1L当り以下の成分
−ポリエチレングリコール30ないし350g、
−アスコルビン酸及びアスコルビン酸の1種以上の塩3ないし20g、及び、
−所望により、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム及びアルカリ金属スルフェート又はアルカリ土類金属スルフェートから選択される1種以上の電解質を含む乾燥組成物を提供する。
【0052】
本発明はまた、上記乾燥組成物の溶液を提供する。
【0053】
驚くべきことに、アスコルビン酸及びアスコルビン酸の1種以上の塩を含む結腸洗浄溶液は、アスコルビン酸は含むがその塩は含まない洗浄溶液より、副作用が少ないことが発見された。
【0054】
更に、アスコルビン酸及びアスコルビン酸の1種以上の塩を含む結腸洗浄溶液は、アスコルビン酸は含むがその塩は含まない溶液より、結腸洗浄作用において更により効果があ
ることが発見された。アスコルビン酸の塩は含むがアスコルビン酸は含まない洗浄溶液はまた、アスコルビン酸及びその1種以上の塩の両方を含む溶液より、効果が少ないことが発見された。
【0055】
血漿重炭酸塩及び他のアニオンの量は、アスコルビン酸のみを含む洗浄溶液の使用間、減少し得る。アスコルビン酸の1種以上の塩の存在は、溶液の浸透容量に寄与し、及びまた、重炭酸塩量の持続を助ける。血漿重炭酸塩の量の減少は、アスコルビン酸及びその1種以上の塩の両方を含む組成物の使用によって大きく減少する。
【0056】
アスコルビン酸のいかなる適当な塩も使用され得る。好ましいアスコルビン酸の塩は、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸マグネシウム及びアスコルビン酸カルシウムである。特に好ましいアスコルビン酸の塩は、アスコルビン酸ナトリウムである。好ましくは、塩はアスコルビン酸ナトリウムである。
【0057】
好ましくは、アスコルビン酸及びその塩は、1:9ないし9:1の範囲内の重量比で存在する。アスコルビン酸又はその塩は、実際には、水和物として提供され得る。水和物が使用されるならば、ここで言及された重量及び/又は重量比は、水和水を除いたアスコルビン酸及びその塩の重量及び/又は重量比である。好ましくは、アスコルビン酸及びその塩は、2:8ないし8:2、より好ましくは3:7ないし7:3、更により好ましくは4:6ないし6:4の範囲内、例えば、4.7:5.9の重量比で存在する。
【0058】
好ましくは、アスコルビン酸及びその1種以上の塩を含む本発明の組成物は、更に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム及び硫酸ナトリウムから選択された1種以上の電解質を含む。好ましくは、本発明の組成物は、硫酸ナトリウムを含む。
【0059】
上記したように本発明の組成物は、水溶液として又は溶液を作るための乾燥組成物として提供され得る。このような乾燥配合物においては、アスコルビン酸及び/又はアスコルビン酸の塩は被覆され得る。このような被覆は、アスコルビン酸又はその塩の安定性を維持することを助ける。さもなければ、アスコルビン酸及びその塩は、水分の存在下でほとんど安定ではない。
【0060】
乾燥組成物は、1回分の投与形態、例えば、サシェ形態で提供され得る。乾燥組成物は、アスコルビン酸及び/又はその塩が、他の成分と別々に包装される、2種以上の成分形態で提供され得る。例えば、第1の1回分の投与形態、例えば、第1サシェ形態は、ポリエチレングリコール、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、甘味料及び香味料を含み得り、第2の1回分の投与形態、例えば、第2サシェ形態は、アスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウムを含み得る。
【0061】
本発明は、更に、哺乳動物の結腸の洗浄方法であって、該方法は、
1L当り以下の成分
−ポリエチレングリコール30ないし350g、
−アスコルビン酸及びアスコルビン酸の塩の混合物3ないし20g、及び、
−所望により、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム及びアルカリ金属スルフェート又はアルカリ土類金属スルフェートから選択される1種以上の電解質を含む製剤を哺乳動物に経口投与することからなり、投与される組成物の体積は、ヒト成人で1.5ないし4L、ヒト成人以外の哺乳動物ではそれに比例した量である方法を提供する。溶液の正確な投与量は、治療する患者に依存し得る。例えば、小さい子供の治療においては、より少量の洗浄溶液が投与され、結腸の輸送時間が長い患者には、より多量の洗浄溶液が投与される。
【0062】
本発明の方法は、結腸、直腸又は肛門又は腹の他の部分の診断、治療又は手術手順を行う前に結腸を洗浄するために使用され得る。診断又は手術手順は、例えば、結腸鏡検査、バリウム浣腸検査、S状結腸鏡検査又は結腸手術であり得る。本発明の方法はまた、急性の胃腸感染症、例えば細菌又はウィルス性の胃腸感染症の治療において使用され得る。
【0063】
好ましくは、溶液の総量は1ないし4時間かけて投与される。1ないし4時間は、連続期間であり得るか、又は不連続期間であり得る。1つの投与方法において、溶液の一部、典型的には、約半分が、診断、治療又は手術手順が行われる前の晩に投与され、溶液の残りは該方法の当日に投与され得る。
【0064】
本発明の方法において使用されるアスコルビン酸及びアスコルビン酸塩含有製剤は、相当する本発明のアスコルビン酸及びアスコルビン酸塩含有製剤に関して、上記したような好ましい特徴を有する。
【0065】
本発明は、更に、
a)時間t1をかけて、PEGを含む結腸洗浄溶液(体積 VPEG)0.5ないし3.0Lまでを投与し、
b)時間t2をかけて、透明液(体積 Vcf)0.3ないし2.0Lまでを投与する連続段階からなる投与レジュメに従い哺乳動物の結腸を洗浄するための薬剤の製造のためのPEGの使用を提供する。
【0066】
本発明はまた、
a)時間t1をかけて、PEGを含む洗浄溶液(体積 VPEG)0.5ないし3.0Lまでを
b)時間t2をかけて、透明液(体積 Vcf)0.3ないし2.0Lまでを
連続段階において哺乳動物に経口投与することからなる哺乳動物の結腸の洗浄方法を提供する。
【0067】
1は、好ましくは2時間以下、より好ましくは1時間30分以下、典型的には約1時間である。t1は、好ましくは15分以上、より好ましくは30分以上である。同様に、t2は、好ましくは2時間以下、より好ましくは1時間30分以下、典型的には約1時間である。t2は、好ましくは15分以上、より好ましくは30分以上である。
【0068】
好ましくは、VPEGは、500mL以上であり、より好ましくは、VPEGは、800mL以上である。好ましくは、VPEGは、2000mL以下であり、より好ましくは、VPEGは、1500mL以下である。例えば、VPEGは、約1000mLである。好ましくは、Vcfは、300mL以上、より好ましくは400mL以上である。好ましくは、Vcfは、1500mL以下、好ましくは1000mL以下である。例えば、Vcfは、約500mLである。実際には、医師の監督下で、糞排泄物が透明になり、かつもはやいかなる固体物質も含まなくなるまで、透明液が与えられ得る。
【0069】
本発明の方法を使用することにより、驚くべきことに、結腸洗浄溶液のみが投与される通常の洗浄方法と比べて、回収される大便の重量が増加することが発見された。本発明は、更なる電解質と一緒の、PEGを含む高浸透圧溶液の使用が、起立性洗浄力を得るために、患者が更なる水を飲むことを必要とし得ることを意味する新しい時代のスタートを到来させる。飲む必要がある有効成分溶液の量の顕著な減少は、水、レモネード及び他のものを含む、患者が選択するいかなる液体でも行え得る。
【0070】
総摂取浸透容量(total ingested osmotic load)が結腸洗
浄作用の成功の決定において重要であることは、本発明者達によって公理とみなされた。本発明の方法の使用により、必要とされる浸透容量の摂取がより短時間ででき、洗浄効果の開始がより急速になる。
【0071】
透明液の使用により、終点を含む、結腸洗浄の進行が、糞排泄物の視覚による検査によって、評価することが可能になる。糞排泄物が透明である場合、更なる液が、患者に摂取される必要はない。透明液は、結腸排泄物の検査ができるいかなる液体でもあり得る。典型的には、透明液は、例えば、水、レモネード、コーラ飲料、コーディアル飲料、透明なフルーツジュース、及び透明なアルコール含有飲料、例えば、ビールを含む水ベースの飲料である。繊維は、本発明に従った結腸の洗浄に干渉するため、透明液は、実質的な量のダイエット繊維を含まず、基本的には、いかなるダイエット繊維も含まないことが望ましい。従って、フルーツジュース、例えば、オレンジジュース及びキウィジュース、及びフルーツ''スカッシュ''は、使用前に漉すべきである。透明なフルーツコーディアル、例えば、ライムコーディアルが、一般的に適当である。グルコースを含む飲料を避けることが望ましいことを考慮して、消化管中に蓄積される爆発性の水素又はメタンの濃縮物の危険性を減少させるように、糖を含まない又は少ししか含まない''ダイエット''飲料、例えば、糖尿病患者用の液体飲料、ダイエット コーク(登録商標:diet Coke)、ダイエットレモネード、ダイエット用炭酸飲料又はダイエット用コーディアルが特に適当である。
【0072】
一般的に、投与される洗浄溶液の量が多いほど、収集される大便の量は多くなる。従来技術に関する紹介で言及したように、4Lの結腸洗浄溶液が、一般的に、3ないし4時間かけて投与される。結腸洗浄溶液は、一般的に、不快な味を有し、多くの患者は、典型的に必要な多量の溶液を摂取することが困難である。本発明の更なる態様に従って、高い効果的な結腸洗浄は、まず、洗浄溶液を、従来技術で記載された容量よりも少ない容量で投与し、その後、透明液を投与することによって達成され得ることが今や発見された。
【0073】
本発明の方法において使用される適当な結腸洗浄溶液は、特に、上記した本発明の結腸洗浄溶液を含む。
【0074】
摂取されなければならない洗浄溶液の容量が、従来技術の方法のものよりも少量であるために、患者の服薬遵守は改善される。同じ総量の組成物成分を有するが、容量(VPEG+Vcf)の洗浄溶液の摂取と比較して、効力は、驚くべきことに減少しない。水のみでは、洗浄溶液として作用しない。それは、通常、消化管中に簡単に吸収される。
【0075】
好ましくは、結腸は、結腸、直腸又は肛門又は腹の他の部分の診断、治療又は手術手順を行う前に洗浄される。診断又は手術手順は、例えば、結腸鏡検査、バリウム浣腸検査、S状結腸鏡検査又は結腸手術であり得る。
【0076】
本発明の2段階態様の変形として、
a)時間t1をかけて、第1PEG含有結腸洗浄溶液(体積 VPEG)0.5ないし3.0Lまでを投与し、
b)時間t2をかけて、透明液(体積 Vcf)0.3ないし2.0Lまでを投与し、そして
c)時間t3をかけて、第2PEG含有結腸洗浄溶液(体積 V2PEG)0.5ないし3.0Lまでを投与する連続段階からなる投与レジュメに従い患者の結腸を洗浄するための薬剤の製造のためのPEGの使用を提供する。
【0077】
本発明はまた、
a)時間t1をかけて、第1PEG含有結腸洗浄溶液(体積 VPEG)0.5ないし3.
0Lまでを投与し、
b)時間t2をかけて、透明液(体積 Vcf)0.3ないし2.0Lまでを投与し、そして
c)時間t3をかけて、第2PEG含有結腸洗浄溶液(体積 V2PEG)0.5ないし3.0Lまでを投与する連続段階からなる投与レジュメに従い患者の結腸を洗浄する方法を提供する。
【0078】
結腸洗浄溶液が、総等量(即ち、VPEG+V2PEG)を1回で投与される場合と比較して、多量の水の摂取によって2回に分けて投与される場合、効果及び患者の服薬遵守が更に増加すること発見された。
【0079】
好ましくは、VPEGは、500mL以上であり、より好ましくは、VPEGは、800mL以上である。好ましくは、VPEGは、2000mL以下であり、より好ましくは、VPEGは、1500mL以下である。例えば、VPEGは、約1000mLである。好ましくは、V2PEGは、500mL以上であり、より好ましくは、V2PEGは、800mL以上である。好ましくは、V2PEGは、2000mL以下であり、より好ましくは、V2PEGは、1500mL以下である。例えば、V2PEGは、約1000mLである。好ましくは、Vcfは、300mL以上、より好ましくは400mL以上である。好ましくは、Vcfは、1500mL以下、好ましくは1000mL以下である。例えば、Vcfは、約500mLである。
【0080】
1は、好ましくは15分以上、より好ましくは30分以上である。t1は、好ましくは2時間以下、より好ましくは1時間30分以下である。典型的には、t1は、約1時間である。同様に、t2は、好ましくは15分以上、より好ましくは30分以上である。t2は、好ましくは2時間以下、より好ましくは1時間30分以下である。典型的には、t2は、約1時間である。t3は、好ましくは15分以上、より好ましくは30分以上である。t3は、好ましくは2時間以下、より好ましくは1時間30分以下である。典型的には、t3は、約1時間である。
【0081】
好ましくは、結腸洗浄溶液の第2投与量の投与は、時間t4をかけて、透明液(V2cf)の第2投与量で行われる。好ましくは、V2cfは、500mL以上、より好ましくは800mL以上である。好ましくは、V2cfは、2000mL以下、好ましくは1500mL以下である。例えば、V2cfは、約1000mLである。実際には、医師の監督下で、糞排泄物が透明になり、かつもはやいかなる固体物質も含まなくなるまで、透明液が与えられ得る。t4は、好ましくは30分以上、より好ましくは1時間分以上である。t4は、好ましくは3時間以下、より好ましくは2時間30分以下である。典型的には、t4は、約2時間である。
【0082】
排泄される大便の量は、本発明に従った、透明液が投与される段階の付加によって、非常に増加する。患者に対する治療の許容性が非常に増加する。9人の志願被験者のうち、8人は、多い投与量で1回で洗浄溶液を投与するよりも、一定の水で2回に分けて洗浄溶液を投与することを好んだ。
【0083】
本発明の方法で使用される適当な結腸洗浄組成物は、特に、上記本発明の組成物を含む。
【0084】
組成物は、2つ以上の成分形態で提供され得る。例えば、第1成分は、第1PEG含有結腸洗浄溶液を作るための組成物であり得り、第2成分は、第2PEG含有結腸洗浄溶液を作るための組成物であり得る。好ましくは、1つ又は両方の成分はアスコルビン酸及び/又はその塩を含む。2つの成分は、好ましくは、例えば、サシェ又は他の適当な容器中に組成物を含む1回分の投与形態である。このような配合において、アスコルビン酸及び
/又はその塩は、好ましくは、他の成分と別に包装される。例えば、第1サシェは、ポリエチレングリコール、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、甘味料及び香味料を含み得り、第2サシェは、アスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウムを含み得り、これらのサシェが、第1結腸洗浄液を作るために一緒になる。提供されるのならば、第3サシェは、ポリエチレングリコール、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、甘味料及び香味料を含み、第4サシェは、アスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウムを含み得り、これらのサシェが、第2結腸洗浄液を作るために一緒になる。
【0085】
本発明の組成物を提供するための種々の2つ以上の成分系は、一般的に、1回分の投与形態中に関連した組成物を含む。1回分の投与量は、一般的に、水と共に定義した量を作るために適当な乾燥組成物の量である。該量は、例えば、上記した2段階又は多段階方法で使用するための、いかなる適当な量でもあり得り、それぞれの1回分の投与量は、定義した洗浄段階の1つで使用するための溶液の総量を作るために適当であり得る。さもなければ、1回分の投与量は、定義した量、例えば、洗浄溶液1Lを作るために適当であり得る。
【0086】
キットの形態の乾燥組成物、例えば、該組成物及びその使用のための取扱説明書を含むボックス(box)の提供は、患者にとって便利である。該組成物は、好ましくは、上記したような1回分の投与成分の形態である。
【0087】
本発明はまた、便秘、腸ガス、再発性の痙攣症状又は肛門直腸過敏症状の患者の治療のための、アスコルビン酸及び/又はその1種以上の塩、アルカリ金属スルフェートもしくはアルカリ土類金属スルフェート、比較的高濃度のPEG、及び所望により、更なる電解質を含む溶液の使用を提供する。PEGは、分割投与において、1日当り200g以上、好ましくは1日当り200g以上、好ましくは1日当り300g以上の投与量で消費される。それは、水性媒体中に分散され得り、かつ1日当り1ないし4回、好ましくは1日当り1ないし2回投与され得る固体形態で提供され得る。1日当りの投与回数は、便秘のつらさに依存する。
【0088】
本発明の組成物(NRL994)とポリエチレングリコール+電解質(PEG+E)組成物、クリーンプレプ(登録商標:Klean Prep)(ゴリテリーとしても知られる)及びリン酸ナトリウム溶液(NaP、フレッツとしても知られる)の効力、安全性及び患者の服薬遵守を比較した第III相臨床試験(Phase III clinical
trial)は、PEG+E組成物及びNaP組成物の効力と同等の効力を証明する(実施例6参照)。
【0089】
更に、本発明の組成物は、PEG+Eより良好に服薬遵守され、そしてその服薬遵守は改善された味及びより少ない摂取量に関連している。更に、NRL994は、危険因子を増す患者群(入院患者)においてPEG+Eと同様の安全性を示した。更に、NaPとの比較において、本発明の組成物は、臨床的に重大な電解質変性又は電解質障害なく、改善された安全面を示した。総合的に、本発明の組成物は、NaPと同等の患者の服薬遵守を伴う効果的でかつ安全な腸の洗浄方法を提供する。更に、本発明の組成物は、NaPで必要な、慣用の結腸鏡検査を受ける若くて非常に健康な被験者への使用制限が避けられる。
【0090】
従って、本発明の組成物は、PEG+E又は、特に、NaPが不適当又は危険だと考えられ得る患者群、例えば、外来患者、若い患者及び年をとった患者、及びそれら、特にNaPを処方するのが不適当であり得る臨床状態の患者を治療するために使用され得る。
【実施例】
【0091】
実施例1:モビコル(Movicol)、モビコル+アスコルビン酸及びモビコル+アス
コルビン酸+硫酸ナトリウムの2L溶液の効果の比較

6人の健常被験者に、A)モビコル、B)モビコル+アスコルビン酸及びC)モビコル+アスコルビン酸+硫酸ナトリウムの各々を2Lの投与量で与え、排泄した大便の量を測定した。モビコルは、ノージン リミテッドの登録商標であり、そしてそれは下記の表2に示した配合の生成物と共に使用される。試験は、配合物A及びBを用い、2つの試験継続期間で、2重盲検交差試験を行った。
各被験者は、配合物A及びBを、順不同で各々1度ずつ与えられた。配合物が最初に投与されたことに関しては、被験者及び投与する医療専門家に隠された。3つ目の指定のない研究期間は、配合物Cの研究のために加えた。モビコルの組成を表2に示す。3つの配合物の組成を表3に示す。

表2:モビコル1L当りの組成
【表2】

*香味料 SN292403 レモン/ライム ナチュラル トゥルシル J2076は、インターナショナル フレーバー アンド フレグランス(IFF)から入手可能。

表3:配合物A、B及びCの1L当りの組成
【表3】

表3に示した浸透度の値は、配合物の組成情報に基づいて計算した値である。モビコルは、171mOsmol/kgの計算浸透度を有する。計算において、ポリエチレングリコールは、イオン性不純物を含まないと仮定し、pHは、アスコルビン酸が基本的に、完全に関係するものとして仮定した。
配合物間の味の差を最小にするために、サッカロースが配合物A中に含まれる。アスコルビン酸は、腸の配合製剤の香味強化効果を有する。
各被験者は、各々の配合物2Lを、15分当り250mLの速度で2時間かけて与えられた。治療の開始後、大便を8時間かけて回収した。排泄された大便の量を表4に示す。表4:配合物比較実験の結果
【表4】

表5:配合物比較実験の統計学的有意性(p)
【表5】

表4及び5に示すように、モビコル配合物への10g/Lのアスコルビン酸の添加は、大便重量及び大便量の、統計学的に有意な増加を導く。
更に、モビコル配合物への10g/Lのアスコルビン酸及び5.6g/Lの硫酸ナトリウムの添加は、大便重量及び大便量の、更により統計学的に有意な増加を導く。調製物Cは、調製物Aの大便重量及び大便量のほぼ2倍の排出を生じさせる。調製物Bと調製物Cの結果を比較すると、大便重量及び大便量は、約50%増加する(大便重量の統計学的有意性 p=0.002 大便量の統計学的有意性 p=0.003)。
アスコルビン酸を含む溶液は、適度に許容された。調製物A(アスコルビン酸なし)を飲む間、3人の被験者が吐き気をもよおし、一方、調製物Bを飲む間、2人の被験者のみが吐き気をもよおし、そして調製物Cを飲む間、2人の被験者のみが吐き気をもよおした。溶液B及びCは、両方とも、溶液Aよりもより味の良いものであると考えられた。驚くべきことに、溶液Cは、溶液Bより味が良くないとは考えられなかった。更に、溶液Cが高浸透圧性であるという事実にかかわらず、不都合な副作用は示されなかった。
他の又は重大な不都合な副作用は観察されなかった。アスコルビン酸を含む溶液の摂取後、血液中のカリウム量のわずかな増加が記録され、被験者にアスコルベミア(ascorbemia)の正味な増加が観察された。
結論として、モビコル配合物への10g/Lのアスコルビン酸の添加は、大便重量及び大便量の、実質的でかつ統計学的に有意な増加を導く。
重量及び大便量は、モビコル/アスコルビン酸組成物への硫酸ナトリウム5.6g/Lの添加によって、統計学的に有意に更に劇的に増加した。つまり、モビコル、アスコルビン酸及び硫酸ナトリウムを含む溶液は、最も効果的な洗浄溶液であり、そして、驚くべきことに、その改善された効力は、いかなる不都合な副作用又は味の妥協も伴わない。
更に、本発明の組成物の性質を、一般に入手可能な組成物と比較した試験はまた、本発明の組成物及び方法が驚くべき優れた性質を有するものであることを示した。
【0092】
実施例2:本発明の組成物の比較
本発明の洗浄溶液の効力に基づく効果を調査するために、PEG、硫酸ナトリウム及びアスコルビン酸成分の量を、独立して変えて、試験を行った。6つの組成物を調査した。配合物を、組成物AないしFを含む水溶液として作った。配合物1L当りの組成物AないしFの各々の成分の量を表6に示す。
表6:本発明の組成物AないしF
【表6】

注意 全ての組成物はレモン香味がある。レモン香味料は、RSSL ファーマ得られるウンゲラー レモン SDFであった。

組成物E(PEG100g、硫酸ナトリウム5g、アスコルビン酸5g、アスコルビン酸ナトリウム5g、電解質及び香味料含有)は、研究のための対照組成物である。
被験者には目的及び研究手段が知らされ、そして告知に基づく同意が得られた。病歴は各被験者から得られ、そして物理的実験が行われた。30人の被験者を補充した。合計で、各組成物を10回試験するため、各被験者に無作為に2つの異なる治療組成物を割当てた。各組成物の試験に1日かけ、そして各被験者による2つの試験は、7ないし15日の''ウォッシュアウト''期間で分けた。
尿サンプルを、臨床試験の前日中に各被験者から回収した。被験者は、試験前日の晩は断食することを指示され、そして試験当日、彼等は、午前8時に病院に到着した。各被験者は、割当てられた組成物2Lを2時間かけて飲んだ(2つの125mLグラスで約15分毎)。大便量及び大便重量を、飲み始めからその後8時間の間まで評価した。被験者は、一般的に試験期間の間、食べることは許されないが、のどの渇きを訴えた及び/又は脱水症状が現われた被験者は、研究の開始後、4時間は水を飲むことが許された。
体重、血圧及び脈拍速度は、治療前及び治療の開始後8時間、又は研究者の判断が必要やいなや測定された。血液サンプルを、血清電解質、尿素、クレアチン、ヘマトクリット及び全タンパク質の分析のために、治療の開始後4時間採取した。2番目の血液サンプルは、その後のアスコルビン酸評価のために冷凍した。尿は、治療の開始から治療期間の終わりまで回収した。尿中の電解質もまた、試験日間に回収した量に基づき評価した。他の尿サンプルは、その後のアスコルビン酸評価のために冷凍した。
被験者は、溶液の総量を飲み終えた直後、製剤の味の評価を示した。
被験者が脱落した場合、不従順である場合、又は被験者に研究に関係しない重大な不都合な事態が起こった場合、30組の有用なデータが得られるように被験者を代えた。同様に、腸輸送に影響を及ぼし得る又は研究薬物に干渉し得るいずれかの薬物を試験中に必要とするいかなる被験者もまた代えた。全体で、6人の被験者を研究中に代えなければならなかった。
各被験者は、無作為に、第1試験のために6つの組成物のうちの1つを、第2試験のために6つ組成物のうち別の1つを与えられた。このように、各被験者は、自制心があり、研究の成果は増加した。各PEG組成物は同様の視覚的外観を有し、水中に溶解後も、組成物の体積及び外観は同様であった。組成物は、異なる味を有した。
最大量の大便が、研究開始後4時間で排泄された。

本発明の組成物の効力の結果
研究中に回収された大便の重量及び量を表7に示す。
表7:総大便重量及び総大便量
【表7】

大便量平均は、1.9ないし2.6Lの範囲であった。
表7に示すように、6つの組成物における大便量平均は、1.9ないし2.6Lの範囲であった。この平均値を考慮すると、組成物D、F及びCは、組成物Aより多量の大便を生じさせる組成物B及びEより多量の大便を生じさせた。各サンプル内のばらつきは、予期されたものより大きく(平均標準偏差 443mL)、従って、組成物間の全体比較は、統計学的に有意差がなかった(p<0.217)。同様の結果が大便重量についても観察された(p<0.318)。4人の被験者は(治療A、B、C及びFの各1人)、試験の実施要領を厳守しなかった。組成物B及び組成物Fの場合には、被験者の一人において治療摂取中に少量の嘔吐が起こり、そして、組成物A及び組成物Cの場合には、量を減少させた組成物溶液が、被験者の一人に摂取された(各々、1000cc及び1500cc)。これらの治療例を除いて、結果を分析した場合、統計学的解釈は変化しなかった。
被験者が治療溶液を摂取するのにかかる時間を記録した。その結果を表8に示す。
表8:配合物摂取のための時間
【表8】

配合物摂取時間と大便量の間に相互関係はなかった(r=−0.125、p<0.340)。
被験者は、0=非常によい、1=悪くはない、2=耐えられる、3=耐えられないの0ないし3のスケールで、塩味、酸味及び甘味について溶液の味の評価を尋ねられた。味応答の結果を表9に示す。

表9:味評点
【表9】

塩味(P<0.459)又は甘味(P<0.238)について評価した場合、溶液間に
あまり差はなかった。しかしながら、種々の溶液の酸味の評価は、非常に異なり(P<0.039)、組成物Aは最も酸味が少なく、組成物Bは最も酸味があった。組成物Aは、ほとんどアスコルビン酸を含まないため、最も酸味が少ないことは予期され得た。
効力に関しては、組成物間に、全体的な統計学的に有意な差はない。これは、主として、ばらつき具合が大きいためである。しかしながら、アスコルビン酸(アスコルビン酸又はアスコルビン酸とアスコルビン酸ナトリウムの混合物)10gの添加は、最良の結果を与えた。つまり、治療C及びDは、最も効果的な溶液であるという結論に達した。

臨床実験評価
大便を、イオン含有量について分析した。組成物Dにおける結果を表10に示す。
表10:組成物Dにおける大便のイオン分析結果
【表10】

6つの異なる治療のイオン分析間に統計学的に有意な差はなかった。
ヘマトクリット(%)を治療前及び治療後に測定した。組成物Dにおける結果を表11に示す。
表11:組成物Dにおける治療前及び治療後のヘマトクリット(%)
【表11】

異なる組成物におけるヘマトクリット(%)間の複数の比較は、統計学的に有意な差がないことを示した。同様の結果が組成物A、B、C、E及びFにおいて得られた。
血液中のナトリウム、カリウム、塩化物及び重炭酸塩の濃度を、組成物の摂取前及び摂取後に測定した。結果を、表12、13、14及び15に示す。

表12:血液中のナトリウム濃度の変化(mmol/L)
【表12】

表12に示すように、境界線上の重大な差が、組成物Bと組成物Cの間で観察された(p=0.053)。統計学的に有意な差は、組成物Bと組成物Fの間(p=0.016)、及び組成物Eと組成物Fの間(p=0.039)で見られた。組成物Fは、最も大きな、血液中のナトリウム量の増加を引き起こした。

表13:血液中のカリウム濃度の変化(mmol/L)
【表13】

複数の比較は、組成物間に有意な差がないことを示した。

表14:血液中の塩化物濃度の変化(mmol/L)
【表14】

表14に示すように、統計学的に有意な境界線上の差が、組成物Aと組成物Dの間で観察された(p=0.056)。有意な差は、組成物Aと組成物Fの間(p=0.010)、組成物Bと組成物Fの間(p=1.036)、組成物Dと組成物Eの間(p=0.031)及び組成物Eと組成物Fの間(p=0.005)で観察された。組成物Fは、最も大きな、血液中の塩化物量の増加を引き起こした。

表15:血液中の重炭酸塩濃度の変化(mmol/L)
【表15】

複数の比較は、組成物Aと組成物Dの間(p=0.010)及び組成物Eと組成物Fの間(p=0.035)の間に有意な差を示した。
血液尿素、クレアチン血(creatinemia)及びタンパク血(protidemia)を測定した。組成物Dにおける結果を表16に示す。

表16:組成物Dにおける血液尿素、クレアチン血及びタンパク血の変化
【表16】

組成物間の複数の比較は、有意な差がないことを示した。同様の結果が、組成物A、B、C、E及びFにおいて得られた。
全ての生物学的パラメーターがにおける多変量分析の差は、有意性のない結果を示した。
尿はまた、ナトリウム、カリウム及び塩化物含有量について分析された。組成物Dを与えられた被験者の群における結果を表17に示す。
表17:組成物Dにおける尿中のナトリウム、カリウム及び塩化物含有量の変化
【表17】

わずかな、統計学的に有意でない、尿中のナトリウム、カリウム及び塩化物の量の増加が観察された。組成物治療群間に、統計学的に有意な差はなかった。同様の結果が、組成物A、B、C、E及びFにおいて得られた。
アスコルブリア(ascorburia)もまた測定した。結果を、表18及び19に
示す。

表18:アスコルブリア(μmol/L)
【表18】

表19:アスコルブリア(μmol)
【表19】

アスコルブリアのμmol/L又はμmolに関して(各々、pc 0.303及びpc 0.641)、組成物間では有意な差はなかった。予期したように、組成物Aは、溶液がほとんどアスコルビン酸又はナトリウム塩を含まないため、最も低いアスコルブリア量を示した。
結論として、全ての生化学的変化は、臨床意義がなく、全ての組成物は、臨床学的かつ生化学的に認容性が高かった。

本発明の組成物に注意を向けた実験の結論

表20:組成物AないしFにおける結果の概要
【表20】

表20のデータから分かるように、硫酸ナトリウムを7.5gを含む組成物(A、B、C、D及びE)は、硫酸ナトリウムを5gしか含まない組成物(E)より多量の大便を生じさせた。有意性でない差が、ポリエチレングリコールを100g(C)及びポリエチレングリコールを125g(F)含む同等の溶液間で観察された。アスコルビン酸及び/又はアスコルビン酸ナトリウムを含む組成物(B、C、D、E及びF)は、アスコルビン酸又はアスコルビン酸ナトリウムを含まない組成物(A)より多量の大便を生じさせた。アスコルビン酸10gを含む組成物(D)、又はアスコルビン酸5gにアスコルビン酸ナトリウム5gを含む組成物(C、E及びF)は、アスコルビン酸5gのみを含む組成物(B)より多量の大便を生じさせた。ポリエチレングリコール100g、硫酸ナトリウム7.5g及びアスコルビン酸10gを含む製剤(D)は、血漿重炭酸塩量の臨床的に重大な低
下を誘発した。低下は、ポリエチレングリコール100g、硫酸ナトリウム7.5g、アスコルビン酸5g、アスコルビン酸ナトリウム5gを含む組成物(C)場合においては観察されなかった。
尿の量が減少したにもかかわらず(8時間かけて200ないし300mL)、全ての被験者において、重量損失は約1kgであった。わずかな脱水で説明されるように、タンパク血及びヘマトクリットは増加した。ナトリウム血及びカリウム血もまたわずかに増加した。大便中のポリエチレングリコール濃度は、治療群D及びFのみで評価した。PEGの量から概算した大便量を、回収した大便において評価した。
【0093】
実施例3:水を散在させた結腸洗浄組成物の摂取の研究
10人の被験者が研究のために登録され、告知に基づく同意が、その開始前に書面により得られた。各被験者は、実施例2で定義された組成物Dを2L与えられた。該組成物は、洗浄期間によって2つの異なる場合に分けられる、2つの異なる投与方法に従って投与された。投与方法1においては、被験者は、実施例2の場合と同様に、2Lの組成物Dを2時間以内に飲んだ。投与方法2においては、被験者は、1Lの組成物を1時間かけてのみ、続いて500mLの水を1時間かけてのみ、続いて2回目の1Lの組成物を1時間かけてのみ、続いて1000mLの水を2時間かけて飲んだ。大便は、投与開始後から8時間かけて回収した。2つの投与方法によって得られた大便重量の比較を表21に示す。
表21:投与方法に従った大便重量の比較
【表21】

*被験者の人数
組成物Dの投与後に排泄された大便の重量は、方法1と比べ、方法2を使用することにより約300mL増加した。視覚的類似スケール(visual analogue scale)(VAS)(0mm=良好な評価、100mm=非常に悪い評価)に基づき、治療の許容性に関する彼等の印象の評価を尋ねると、その許容性は表22に示すように評価された。

表22:投与方法に従った許容性VASの比較
【表22】

2つの投与方法においてより良好な許容性の方を選ぶVASスケールに基づき、10mmの統計学的に有意な減少(p<0.0276)が観察された。9人の被験者のうち、8人は2番目の投与方法を好んだ。
【0094】
実施例4:内視鏡検査を受ける患者における結腸洗浄溶液の効力及び安全性の評価

30人の患者(男性12人、女性18人、平均年齢51+/−11歳)に、溶液1L中に表23に示す材料を含む結腸洗浄組成物2Lを与えた。
表23:内視鏡検査実験の結腸洗浄溶液
【表23】

結腸洗浄溶液は以下に示す方法で与えられた:
第1時間:1Lの溶液の経口摂取。
第2時間:0.5mLの水の経口摂取。
第3時間:1Lの溶液の経口摂取。
第4時間:少なくとも0.5mLの水の1.5時間以内の経口摂取。
結腸のきれいさは、結腸鏡検査医に4点スケール(全ての結腸区分が非常に良好=等級4、全ての結腸区分が良好=等級3、少なくとも1つの結腸区分が全体的に又は部分的に除去可能な残余便を有する=等級2又は1、少なくとも1つの結腸区分が重く固い大便を有する。)で評価された。その後、その評点を、等級3又は4をAとして、等級1又は2をBとして、そして等級0をCとして評価した。研究者は、結腸製剤の質を、20人の患者が良好又は非常に良好、6人の患者が少なくとも1部はまあまあ、3人の患者が悪い、1人の患者が非常に悪いとしたことから判断し、20人がA、9人がBそして1人がCであるという最終評点を導いた。
大便の平均重量は2866+/−667gであり、結腸鏡検査中に結腸から除去された流体の平均量は130+/−124mLであった。製剤の消化耐性は、26人の患者が良好、2人の患者がまあまあ、そして2人の患者が悪いとした。1人の患者のみがおびたたしい嘔吐を体験した。血液中の塩化物イオン濃度又は重炭酸塩イオン濃度の統計学的に有意でない変化が、治療期間中にわたり観察された。
【0095】
実施例5:配合例

香味付き製品配合1
表23:ウンゲラーレモン組成物
【表24】

タリンはソーマチンを含む味強化剤である(英国、メルセイデのタリン フード カンパニーから入手可能)。NHDC(ネオヘスペリジン ジヒドロクロリド)は甘味料である(スペイン国、カージズ、11300 ラ リネア デ ラ コンセプション、ピーオーボックス 103、エベサから入手可能)。ナトロソール250Mは、へークレス インコーポレーテッド ビア アクアロンから入手可能なヒドロキシエチルセルロースである。

香味付き製品配合2
表24:ウンゲラーストロベリー組成物製品
【表25】

香味付き製品配合3
表25:IFFグレープフルーツ香味組成物
【表26】

香味付き製品配合4
表26:ウンゲラーブラックカーラント組成物
【表27】

香味付き製品配合5
表27:IFFパイナップル香味
【表28】

香味付き製品配合6
表28:IFFバニラ+ギバウジン−ロウレ レモン及びライム フラブ−オ−ロック組成物
【表29】

以下の実施例において、アスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウム成分は、それらの安定性を改善するため、他の成分と別々に包装された。

a)クエン酸含有組成物
組成物は、2つのサシェで提供された。2つのサシェの含有物は、水の添加により1Lまでの結腸洗浄溶液を作るために一緒になる。

サシェ1
PEG3350 : 100.000g
硫酸ナトリウム : 7.500g
塩化ナトリウム : 2.691g
塩化カリウム : 0.930g
無水クエン酸 : 1.565g
アセスルファム K : 0.350g
レモン香味料 : 2.015g
サシェ1成分の総重量 115.051g

サシェ2
アスコルビン酸 : 4.700g
アスコルビン酸ナトリウム : 5.900g
サシェ2成分の総重量 : 10.600g

b)アスパルテーム含有組成物
組成物は、2つのサシェで提供された。2つのサシェの含有物は、水の添加により1Lまでの結腸洗浄溶液を作るために一緒になる。

サシェ1
PEG3350 : 100.000g
硫酸ナトリウム : 7.500g
塩化ナトリウム : 2.691g
塩化カリウム : 1.015g
アスパルテーム : 0.233g
アセスルファム K : 0.117g
レモン香味料(ウンゲラーV3938−1NA1) 0.340g
サシェ1成分の総重量 111.896g

サシェ2(1L当りのg)
アスコルビン酸 : 4.700g
アスコルビン酸ナトリウム : 5.900g
サシェ2成分の総重量 : 10.600g
【0096】
比較例
様々な研究が行われ、十分な結腸清浄を達成するために必要とされる従来技術の溶液の量を減少させた。刺激性の緩下薬、例えば、ビサコジル、ピコスルフェート又はセンナがゴリテリー溶液へ添加される。それらは、腸の清浄を達成するために効果的であるが、血漿電解質障害の危険性が増加する。更なる実験において、超濃縮ゴリテリー溶液(1L分の粉末2つで1Lのみしか作らなかった)は、腸の清浄に効果的であるが、該溶液は味がよくない、即ち、試験患者は、溶液の味が良くないため、溶液の摂取が非常に困難であることが分かった。医療専門家による直接指示がない場合、まずさの度合は、患者の服薬の不遵守を導くだろう。
【0097】
実施例6:臨床試験
第III相臨床試験を、ポリエチレングリコール+電解質組成物(PEG+E)の安全性と同等の安全性、及びリン酸ナトリウム溶液の患者許容性と等しい患者許容性を証明することを目的として行った(この2つ製剤は、結腸鏡検査前の消化管洗浄のために一般に使用されている。)。

臨床試験1
研究センター:
ドイツ国の、合計して12の胃腸病学専門研究所を含む臨床試験マルチセンター。
目的:
結腸鏡検査を受ける予定の患者において、腸製剤の全ての質に関し、経口消化管洗浄溶液NRL994(下記参照)が、現在の標準治療薬(PEG+E、クリーンプレプ(登録商標:Klean Prep)、下記参照)より劣っていないことを証明するため。
方法論:
研究は、2つの平行治療群を用い、無作為、単盲検、比較対照(active−controlled)、多中心性(multi−centric)、非劣性第III相試験で行った。患者は、電気内視鏡検査の1又は2日前の病院入院患者であった。両方の研究製剤は、投与量を2等分して摂取された:1回目の半分の洗浄溶液が摂取される場合、消化管清浄は介入前の晩に開始された;腸調整は、結腸鏡検査の朝に、2回目の半分の投与量を用いて続けられた。内視鏡検査の終了後、研究に関する患者の参加は終了した。
被験者の数:
完全な結腸鏡検査を受ける予定の病院入院患者362人が登録された。
被験者の判断基準
結腸鏡検査又はNRL994による治療に禁忌がなく、結腸手術の経験がなく、結腸鏡検査を受ける予定の18ないし85歳の、告知に基づき書面により同意した男性又は女性の入院患者。
試験製品NRL994、投与量、投与方法
試験製品:1回分の投与量のNRL994は、PEG3350 100g、硫酸ナトリウム7.5g、アスコルビン酸4.7g、アスコルビン酸ナトリウム5.9g、塩化ナトリウム46mmol及び塩化カリウム12.46mmolからなる。該製品は、レモン香味料(2.015g)、無水クエン酸(1.565g)及びアセスルファムカリウム(0.35g)で香味つけされている(該製品は、実施例4で使用されたものと同様のものである。表23参照。)。1回分の投与量の粉末は水1000mL中に希釈される。
総投与量:各1Lで2回投与(合計2L)。
方法論:各々、投与量1LのNRL994を1時間以内に飲み込み、続いて更なる透明な液体500mLを飲み込む。
治療継続時間:
NRL994の摂取は、夜間は休んで、それぞれ1Lずつの投与量で2回に分けて行われた:1回目の投与量は、研究前の午後又は晩(22:00まで)に摂取されなければならず、2回目の投与量は結腸鏡検査の朝(6:00以前)に摂取されなければならなかった。摂取後と結腸鏡検査の開始の間に、少なくとも1時間の時間間隔が必要とされた。

対照治療、投与量、投与方法
対照製品:PEG+E(クリーンプレプ(登録商標:Klean Prep))は、PEG3350 59g、硫酸ナトリウム5.7g、塩化ナトリウム1.5g、塩化カリウム0.7g及び重炭酸ナトリウム1.7gからなる。該製品は、バニラ香味料及び甘味料で香味つけされている1回分の投与量の粉末は水1000mL中に希釈される。
総投与量:各1Lで4回投与(合計4L)。
方法論:1Lは1時間以内に飲み込まれなければならない(15分当り250mL)。
治療継続時間:
PEG+E(クリーンプレプ(登録商標:Klean Prep))の摂取もまた、夜間は休んで、投与量を4回に分けて行った:2つの投与量(2L)は、研究前の午後又は晩(22:00まで)に摂取されなければならず、更なる2つの投与量(2L)は結腸鏡検査の朝(5:00以前)に摂取されなければならなかった。摂取後と結腸鏡検査の開始の間に、少なくとも1時間の時間間隔が必要とされた。
同時投薬:
消化管洗浄作用を有することが知られる他の製剤の同時投与(消化管洗浄溶液、効力のある緩下薬、浣腸)は許されなかった。
服薬遵守の評価:
患者はNRL994溶液又はPEG+E溶液(クリーンプレプ(登録商標:Klean
Prep))の調製及び使用方法の詳細な取扱説明書を提供された;最も多くの場合において、投薬は看護婦の監督下で行われた。更に、患者の服薬遵守は、分配されたサシェの数と使用されたサシェの数を比較することによって評価された。摂取されたNRL994溶液又はPEG溶液(クリーンプレプ(登録商標:Klean Prep))の量及びいずれかの残った量は、各患者によって記録された。
評価基準:
予定:
日−2又は日−1:臨床検査及び実験検査に基づく適性の評価;
日−1:午後に腸調整の開始(NRL994の1回目の投与量又はPEG+E[クリーンプレプ(登録商標:Klean−Prep)]の1回目の2つの投与量);
日−0:朝に腸の調整の完了(NRL994の2回目の投与量又はPEG+E[クリーンプレプ(登録商標:Klean−Prep)]の最後の2つの投与量)、続いて、最後の投与量の摂取を完了したから少なくとも1時間後に結腸鏡検査の実施。

効力の評価基準:
基本的な効力基準は、結腸鏡検査中に記録されたビデオテープに基づき、何も知らない独立した胃腸病学の専門調査員団によって判断された消化管洗浄の全体的な質である。他の基準点は、定義された消化管区分当りの消化管洗浄の程度、局所の内視鏡医による消化管洗浄の全体的な質、消化管洗浄溶液の全体的な使用及び結腸鏡検査を行うための全体的な容易さである。患者の受け取り方は、以下のパラメーターのための日誌カードによって記録された:味の評価、全体的な味の評価、摂取量及び食事制限に関する患者の満足度、全体的な患者の許容性及び患者の服薬遵守。更に、安全性及び耐性が評価された。

統計学的方法:
本研究の主たる目的は、少量のNRL994の消化管洗浄効果が多量の標準消化管洗浄薬(PEG+E)の消化管洗浄効果より劣っていないことを証明することである。2つの治療群の間の成功確率における差の片側信頼区間97.5%の下限が−15%を超えないならば、NRL994の非劣性が結論として出される。
治験実施計画書に適合した対象集団のみの分析(per−protocol analysis)(PPA)及び割り付け重視分析(Intention−to−treat analysis)(ITT)を行った。前者は、全く独立した専門調査員団の評価のみに基づき、後者においては、専門調査員団が見落とした結果は、結腸鏡医の評価に置き換えられた;どちらの評価も得られた患者は、治療の失敗として扱われた。更に、修飾割り付け重視分析(mITT)が、このデータセットに割当てられた患者のための異なる定義の治療服薬遵守を使用して行われた。
主たる効力分析は、治験実施計画書に適合した対象集団に基づき、独立した専門調査員団による評価から計算された成功評価を使用して行われた。
パラメトリックデータは、有用な標準要約統計値の平均によって分析された(平均、SD、メジアン、最小、最大);分類データにおいて、度数表が計算された。

結果の概要
この研究は、効力パラメーター(消化管洗浄)のための非劣性研究であった。合計362人の患者が登録された。2人の患者は、無作為化の前の研究及び研究薬物の摂取を中止した。更なる1人の患者が、PEG+E中のバニラ香味料に対するアレルギーのため、無作為化後に取り消された。合計359人の患者(NRL994:n=180及びPEG+E:n=179)が少なくとも多少の量の研究投薬を受けた(ITT人口)。含まれた患
者の平均年齢は、約60歳であった(NRL994:58.0±16.0歳)。ITT及びPP分析は、結腸洗浄の成功率がPEG+E 94.8%に対しNRL994 88.9%であることより、結腸洗浄におけるPEG+Eに対するNRL994の非劣性を示した。
総合的な効力の結果は、NRL994の少量の摂取(2L)は、臨床的に、標準の多量(4L)のPEG+E製剤を使用した腸調整に対し非劣性(±15%)であり、そしてそれはゴールドスタンダードと考えられる。患者は、味及び摂取量を含む患者の受け取り方を評価するいくつかのパラメーターに基づき、PEG+EよりNRL994を一貫してかつ統計学的に有意に深く好んだ。NRL994は、PEG+Eと同様に安全で、かつ一般的に良好な認容性を有した。重大な不都合な事態は観察されなかった。最も頻繁に観察された不都合な事態は、治療に関連した倦怠感、むかつき、腹痛及び嘔吐であった。NRL994とPEG+Eの間に差は見られなかった。
要するに、NRL994は、PEG+Eと同じくらい効果的かつ安全であり、そして、重要なことに、より少ない摂取量に関連して、改善された患者の服薬遵守を提供する。

臨床試験2:
研究者:17人の専門病院の内視鏡医;17人の研究者の間で選択された4人の専門論評家。
研究センター:フランス国にある17の専門病院の内視鏡センター。
目的:結腸鏡検査前の消化管洗浄におけるNRL994溶液とNaP溶液の同等の効力を評価すること及び安全性を比較すること。
方法論:
2つの平行治療群における無作為、単盲検(研究者)、多中心性(multi−centric)、比較対照試験、そして、評価者は、事前に主たる効力の変化については知らされていない。
患者の数:男性181人、女性171人、合計352人。
被験者の判断基準
結腸鏡診断又は治療のために内視鏡ワーム(endoscoptic warm)を送られる18ないし75歳の外来及び入院患者のうち、告知に基づき書面により同意した男性又は女性。

除外基準:
・年齢が<18歳又は>75歳の人、
・レイウスの人、
・腸閉塞又は腸穿孔を受けた人、
・毒性又は先天性巨大結腸の人、
・結腸切除をした人、
・クローン病又は潰瘍性大腸炎(結腸炎)の患者、
・うっ血性心不全、NHYAIII又はIV、
・クレアチンが>170μM/Lにより腎不全になった人、
・ポリエチレングリコール又はNaホスフェート及び/又はビタミンCに対する過敏症が知られる人、
・G6PD欠乏症、フェニルケトン尿症が知られる人、
・研究薬物調査に同時参加する人又は90日以内の研究登録に参加する人
・妊娠中の女性、又は妊娠予定の女性、信頼性のある避妊手段を使用せず妊娠している可能性のある女性、
・以下の条件又は状態にある被験者、研究者により、試験によって非常に危険な状態になり得る判断された被験者、研究結果を混乱させ得る被験者、又は試験に非常に干渉し得る被験者。

試験製品、投与量、投与方法:
試験製品:NRL994(上記参照)。

総投与量:NRL994を各1Lで2回投与(合計2L)。

方法論:各1Lを1時間以内に飲んだ。更に、少なくとも1000mL(又は以上)の、牛乳以外のいずれかの更なる透明液を、NRL994を2L飲んだ後に摂取した。

対照治療、投与量、投与方法
対照製品:NaP溶液(フリート ホスホ ソーダ(登録商標:Fleet Phospho soda))。
投与量及び方法論:治療薬(1パック)は、各々45mLの2つのフラスコ内容物からなる。各々のフラスコ内容物は、緩衝水溶液中に一塩基性リン酸ナトリウム一水和物21.6gと二塩基性リン酸ナトリウム7水和物8.1gを含む。各々のフラスコ内容物を水125mLに溶解した。まず、各NaP溶液の摂取が行われ、続いて250mL(又は必要に応じてそれ以上)の透明な飲料(牛乳以外)の摂取が行われた。45mLのNaP溶液の2回の摂取間には少なくとも12時間の猶予がなければならない。更に、750mLの又は必要に応じたそれ以上以上の透明液(牛乳以外)は2回の摂取間に飲まなければならない。

治療継続時間:
両方の治療は、結腸鏡検査の前日に行われ得る。

評価基準:
主たる基準は、結腸鏡検査中に記録されたビデオテープに基づき、割当てられた製剤を知らない、内視鏡医評論家調査員団の内視鏡医によって判断された全体的な消化管洗浄の質であった。他の効力基準点は、局所の内視鏡医による消化管洗浄の全体的な質及び総合的評価であった。患者の受け取り方は、以下のパラメーターのための日誌カードによって記録された:腸調整に関する全体的な患者の満足度、飲んだ量、消化洗浄溶液の飲みやすさ、食事制限に応ずるか、同じ腸製剤を再度進んで飲むか及び味。更に、安全性及び耐性が評価された。

統計値:臨床試験1と同様。

結果の概要:
この研究は、効力パラメーター(消化管洗浄)のための等価研究であった。合計352人の患者が登録された。各グループからの6人の患者が、全ての分析から除外された。合計340人の患者が(NRL994:n=169及びNaP:n=171)が少なくとも多少の量の研究投薬を受けた(安全性のためのITT人口)。含まれた患者の平均年齢は、両方のグループにおいて約53歳であった。ITT及びPP分析は、結腸洗浄の成功率がNaP63.9%に対しNRL994 72.5%であることより、結腸洗浄においてNRL994とNaPが等価であることを示した(NaPを超えてNRLにおいて観察されたプラスは、+6.8%であった。)。つまり、効力結果は、NRL994の2L摂取が、NaP溶液を使用した腸製剤と臨床的に等価であることを示した。

NRL994腸製剤における許容性パラメーターは、改善された味、個人活性に基づく効果、食事長所(diet recommendation)及び同じ腸製剤を再度進んで摂取するかに関して、NaPと比較して十分な利点を証明した。NaPは、服薬遵守及び腸調整溶液の飲みやすさにおいて好まれた。

重大な不都合な事態は、NRL994グループにおいては観察されなかったが、NaPグループにおいては、臨床的に重大な高カリウム血症が2件あった。研究薬物に対し、関連した不都合な事態を少なくとも1つは有する患者の数は、NRL994グループ(3.0%)に対してNaPグループ(患者の11.1%)において非常に高かった。特に、NaPグループは、かなりの件数のリン酸(塩)過剰血症及び高カリウム血症を示したので、NaPと関連した危険性があるため、実施研究における参加から除外された脆弱な患者においては、危険性が指示される。
つまり、NRL994は、NaPと同等の効果を有するが、NaPと比べ、患者の気楽さ及び安全性に関して十分な利点を提供する。

結論:
両方の第III相試験は、MRL994の効力が、現在の臨床実施において頻繁に使用されているポリエチレングリコール+電解質(PEG+E)又はリン酸ナトリウム(NaP)に基づく溶液と同等であることを証明した。更に、NRL994は、PEG+Eより良好に許容され、そしてその良好な許容性は、改善された味及びより少ない摂取量に関連している。加えて、NRL994は、危険因子を増す患者群(入院患者)においてPEG+Eと同様の安全性を示した。更に、NaPとの比較において、NRL994は、臨床的に重大な電解質変性又は電解質障害なく、改善された安全面を示した。総合的に、NRL994は、NaPと同等の患者の服薬遵守を伴う、効果的でかつ安全な腸の洗浄方法を提供する。更に、NRL994は、NaPで必要な、慣用の結腸鏡検査を受ける若くて非常に健康な被験者への使用制限が避けられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)時間t1(ここでt1は2時間までの時間を表す。)をかけて、PEGを含む結腸洗浄溶液(体積 VPEG)0.5ないし3.0Lまでを投与し、
b)時間t2(ここでt2は2時間までの時間を表す。)をかけて、透明液(体積 Vcf)0.3ないし2.0Lまでを投与する
連続段階を含む投与レジュメに従う、哺乳動物の結腸の洗浄に使用するためのPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項2】
1が15分間以上である請求項記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項3】
2が15分間以上である請求項又は記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項4】
PEGが500mL以上である請求項ないしのいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項5】
PEGが2000mL以下である請求項ないしのいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項6】
cfが1500mL以下である請求項ないしのいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項7】
前記透明液が、結腸排出量の検査を可能にする液である請求項ないしのいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項8】
前記透明液が、水、レモネード、コーラ飲料、コーディアル飲料、透明なフルーツジュース、及び透明なアルコール含有飲料、ビールを含む水ベースの飲料である請求項記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項9】
a)時間t1(ここでt1は2時間までの時間を表す。)をかけて、第1PEG含有結腸洗浄溶液(体積 VPEG)0.5ないし3.0Lまでを投与し、
b)時間t2(ここでt2は2時間までの時間を表す。)をかけて、透明液(体積 Vcf)0.3ないし2.0Lまでを投与し、そして
c)時間t3(ここでt3は2時間までの時間を表す。)をかけて、第2PEG含有結腸洗浄溶液(体積 V2PEG)0.5ないし3.0Lまでを投与する
連続段階を含む投与レジュメに従う、哺乳動物の結腸の洗浄に使用するためのPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項10】
1が15分間以上である請求項記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項11】
1が約1時間である又は10記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項12】
2が15分間以上である請求項ないし11のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項13】
2が約1時間である請求項ないし12のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項14】
3が15分間以上である請求項ないし13のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項15】
3が約1時間である請求項ないし14のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項16】
PEGが500mL以上である請求項ないし15のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項17】
PEGが2000mL以下である請求項ないし16のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項18】
PEGが約1000mLである請求項ないし17のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項19】
cfが1500mL以下である請求項ないし18のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項20】
cfが約500mLである請求項ないし19のいずれか1項に記載の
PEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項21】
V2PEGが500mL以上である請求項ないし20のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項22】
V2PEGが2000mL以下である請求項ないし21のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項23】
V2PEGが約1000mLである請求項ないし22のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項24】
前記投与レジュメが、
d)時間t4をかけて、透明液(体積 V2cf)500ないし1500mLまでを投与する、更なる段階を含む請求項ないし23のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項25】
4が好ましくは30分以上である請求項24記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項26】
V2cfが500mL以上である請求項24又は25記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項27】
糞排泄物が透明になり、かつもはやいかなる固体物質も含まなくなるまで前記透明液が投与される、請求項ないし26のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項28】
前記投与レジュメが、結腸、直腸又は肛門又は腹の他の部分の診断、治療又は手術手順を行う前に結腸を洗浄するために使用される請求項ないし27のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項29】
前記診断又は手術手順が、結腸鏡検査、バリウム浣腸検査、S状結腸鏡検査又は結腸手術である請求項28記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項30】
前記透明液が、結腸排出量の検査を可能にする液である請求項ないし29のいずれか1項に記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項31】
前記透明液が、水、レモネード、コーラ飲料、コーディアル飲料、透明なフルーツジュース、及び透明なアルコール含有飲料、ビールを含む水ベースの飲料である請求項30記載のPEG含有結腸洗浄溶液。
【請求項32】
a)時間t1(ここでt1は2時間までの時間を表す。)をかけて、PEGを含む結腸洗浄溶液(体積 VPEG)0.5ないし3.0Lまでを投与し、
b)時間t2(ここでt2は2時間までの時間を表す。)をかけて、透明液(体積 Vcf)0.3ないし2.0Lまでを投与する
連続段階を含む投与レジュメに従う、哺乳動物の結腸を洗浄するための薬剤を製造するためのPEGの使用。
【請求項33】
a)時間t1(ここでt1は2時間以下の時間を表す。)をかけて、第1PEG含有結腸洗浄溶液(体積 VPEG)0.5ないし3.0Lまでを投与し、
b)時間t2(ここでt2は2時間以下の時間を表す。)をかけて、透明液(体積 Vcf)0.3ないし2.0Lまでを投与し、そして
c)時間t3(ここでt3は2時間以下の時間を表す。)をかけて、第2PEG含有結腸洗浄溶液(体積 V2PEG)0.5ないし3.0Lまでを投与する
連続段階を含む投与レジュメに従う、患者の結腸を洗浄するための薬剤を製造するためのPEGの使用。
【請求項34】
2成分からなり、第1成分は第1PEG含有結腸洗浄溶液を作るための組成物であり、第2成分は第2PEG含有結腸洗浄溶液を作るための組成物である結腸洗浄組成物。

【公開番号】特開2012−25732(P2012−25732A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115046(P2011−115046)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【分割の表示】特願2007−245456(P2007−245456)の分割
【原出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【出願人】(509286307)ノージーン ビーブイ (4)
【Fターム(参考)】