説明

結露除去具

【課題】結露の除去を高い作業効率で的確に実行することができる結露除去具を提供する。
【解決手段】 結露除去具1は、結露除去対象面6を転動する結露除去ロール2と、この結露除去ロール2を先端のロール軸部3aで回転自在に支持する支軸3と、この支軸の基端部3bを固着した把持柄4とを備え、結露除去ロール2は、多孔質部材からなる内周側の第2吸水層21と、この第2吸水層21に巻回したマイクロファイバーからなる外周側の第1吸水層20とを備え、把持柄4を把持して外層23を結露除去対象面6に押し当てて移動させることで、結露除去対象面6の結露を優れた吸水能力と保水能力を有するマイクロファイバーからなる第1吸水層20によって効率よく的確に除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、浴室の天井に付着した水滴や居室の窓ガラス内面に付着した結露を吸い取ったり、汚れを拭取るための結露除去具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室の湿度と壁面の温度差との複合作用などによって天井に発生した水滴(以下の説明では、結露という。)や居室窓ガラス内外面の温度差によって窓ガラスの内面に発生した結露は、黒カビの原因となり、美観を損なうばかりでなく、アレルギーの原因となって健康に害をおよぼすおそれがある。このため、結露を除去する露取り具として、たとえば、特許文献1に記載のものが提供されている。
【0003】
この露取り具は、一方の側縁表面に限り突縁部を付設して前縁が傾斜するヘラ部および通孔を有する支持体を、前記通孔と合致し連通する中空把持部の前端に直交して装着し、該中空把持部の後端に貯留部を設けたものである。
【0004】
前記構成の露取り具によれば、中空把持部を把持してヘラ部の前縁を浴室の天井の下面や窓ガラスの内面などの結露除去対象面に押し付け、この状態で結露除去対象面に沿って露取り具を前進させることにより、天井の下面や窓ガラスの内面に発生した結露をヘラ部の前縁で擦り取って、これらを結露除去対象面から除去することができる。
【0005】
一方、スポンジローラを回転可能に軸支した持手の付いた窓用清掃用具のようなものも提供されている(たとえば、特許文献2。)。
【0006】
この窓用清掃用具は、持手の先端部に受体と支軸とを介してスポンジなどの吸水性素材からなるロールを装備したものである。
【0007】
前記構成の窓用清掃用具によれば、ロールに洗浄液を含浸させたのち、持手を把持してロールを窓ガラスなどの清掃対象面に押し付け、清掃対象面に沿って窓用清掃用具を前進させることにより、清掃対象面を清掃することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3012569号公報
【特許文献2】実用新案登録第3065322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記特許文献1に記載されている露取り具は、結露除去対象面、特に浴室の天井面や壁面上部に対し、ヘラ部前縁の押し付け強さを所定値以上にキープした状態で結露取り作業を行わなければならない。しかし、主婦等が上向きの姿勢で、露取り具を天井面に押し付けながら結露除去作業を継続して行うのは重労働であり、高齢者等では実際上不可能である。しかも、露取り具の天井面の押し付け強さが変動するので、ヘラ部前縁が結露除去対象面から離れると、ヘラ部の前縁による結露の擦り取り効果がなく、結露が結露除去対象面に残ることとなる。したがって、結露が残った領域に対して再度結露を除去する作業を実行することが要求されるので、結露除去作業効率が低くなる問題点を有している。
【0010】
そこで、前記特許文献2に記載されている窓用清掃用具を露取り具に転用することも考えられる。窓用清掃用具は、結露除去対象面に対するロールの押し付け強さが多少変動しても、スポンジ製のロールは、強弱の差があっても天井面や壁面と接触するので、ロールにより結露はある程度除去することができ、結露の拭き残しが少なくなり、前記特許文献1に記載されている露取り具と比較して、効率よく結露除去作業を実行することが可能である。
【0011】
ところが、前記窓用清掃用具のロールはスポンジ製であるため、吸水特性を有してはいるものの、吸水速度が遅く結露が天井面からぼたぼたと落下する難点を有する。しかも、スポンジの表面が荒いために、結露除去対象面に結露が残り、壁面の汚れを拭取ることができないため、壁面のカビの繁殖の原因となるおそれがある。
【0012】
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであって、結露の除去を高い作業効率で的確に実行することができる結露除去具の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明に係る結露除去具は、結露除去対象面を転動する結露除去ロールと、この結露除去ロールを先端のロール軸部で回転自在に支持する支軸と、この支軸の基端部を固着した把持柄と、を備えた結露除去具であって、
前記結露除去ロールが、多孔質部材からなる内周側の第2吸水層と、この第2吸水層に巻回されたマイクロファイバーからなる外周側の第1吸水層と、を備えてなることを特徴としている。
【0014】
前記構成の結露除去具によれば、把持柄を把持して結露除去ロールを結露除去対象面に押し当てて、結露除去対象面に沿って結露除去具を移動させることで、結露除去対象面の結露を結露除去ロールで吸水して除去することができる。
結露は、優れた吸水能力と保水能力を有するマイクロファイバーからなる第1吸水層により迅速に吸水され、かつ、該第1吸水層に保水される第1の作用によって除去される。前記第1の作用が継続されることで、第1吸水層の保水が飽和点近くになると、第1吸水層に保持されている水分をスポンジ等の多孔質部材からなる第2吸水層により吸水し、かつ、保水する第2の作用が開始されて、第1吸水層の飽和点到達を遅らせる。これにより、第1の作用による結露の除去時間が延長される。前記第2の作用に追従する第1の作用は、第2吸水層の保水が飽和点に到達するまで継続されて結露を除去する。第2吸水層の保水が飽和点に到達した後の結露の除去は、第1吸水層の保水が飽和点になるまで実行できる。
【0015】
前記結露除去ロールが、スポンジ等の多孔質部材からなる内周側の第2吸水層と、この第2吸水層に巻回されたマイクロファイバーからなる外周側の第1吸水層と、を備えていることによって、高価な第1吸水層の層厚を薄く制限した経済的に有利な構造が得られる。しかも、従来技術のようなヘラ部の前縁による擦り取りが不要になるので、結露除去対象面に対する第1吸水層の押し付け強さが多少変動しても、優れた吸水能力と保水能力を有する第1吸水層により結露の除去を高い作業効率で的確に実行することができる。また、第2吸水層の吸水作用と保水作用が加味されることで、第1吸水層の優れた吸水能力と保水能力とを、第2吸水層の保水が飽和点になる時間に相当して延長できる。このため、結露除去作業実行途中における頻繁な第1、第2吸水層の「絞り操作」が不要になって、結露の除去を高い作業効率で的確に実行することが可能になる。
【0016】
本発明に係る結露除去具は、前記第1吸水層が、前記第2吸水層側の内層と、この内層の外周に配置した外層との二層構造であることが望ましい。これによれば、外層と内層との協働により、優れた吸水能力と保水能力を発揮できるものでありながら、高価な第1吸水層の経時劣化や損傷などに際しては、外層のみの交換によって第1吸水層の機能回復が可能であるので経済的に有利である。
【0017】
また、前記把持柄が中空構造であり、かつ、その先端部に該把持柄の中空部に連通する水受け皿を着脱可能に取り付けることが望ましい。これによれば、第1、第2吸水層の両者が飽和点に達した後、さらに結露除去作業が継続されてことで結露除去ロールから水滴が滴下しても、この水滴を水受け皿で捕集し、把持柄の中空部を通して排水することができるので、結露除去作業者の水濡れが防止される。
【0018】
さらに、前記把持柄は、その長さを増大する補助柄の着脱が可能であることが望ましい。これによると、補助柄を装着して把持柄の長さを増大させることで、高い天井や高所の天窓などの結露を容易に除去することができる。
【0019】
前記把持柄の長さは、伸縮手段によって無段階に調節自在であってもよい。これによると、天井や天窓などの高さの如何を問わず、把持柄の長さを作業者の使い勝手のよい任意の長さに調節して、結露を容易に除去することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る結露除去具は、高価な第1吸水層の層厚を制限した経済的に有利な構成を実現できる。また、結露除去対象面に対する第1吸水層の押し付け強さが多少変動しても、優れた吸水能力と保水能力を有する第1吸水層により結露の除去を高い作業効率で的確に実行することができるとともに、第2吸水層の吸水作用と保水作用が加味されることで、第1吸水層の優れた吸水能力と保水能力とを、第2吸水層の保水が飽和点になる時間に相当して延長できるので、結露除去作業実行途中における頻繁な第1、第2吸水層の「絞り操作」が不要になって、結露の除去を高い作業効率で的確に実行することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る結露除去具の一実施形態を一部断面にして示す正面図である。
【図2】図1の右側面図である。
【図3】要部の拡大縦断面図である。
【図4】結露除去ロールを支軸から分離した状態を示す説明正面図である。
【図5】使用状態の変形例を示す概略説明図である。
【図6】把持柄の第1変形例を示す概略説明図である。
【図7】把持柄の第2変形例を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0022】
以下、本発明に係る結露除去具の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る結露除去具の一実施形態を一部断面にして示す正面図、図2は図1の右側面図、図3は要部の拡大縦断面図である。
【0023】
図1〜図3において、結露除去具1は、結露除去ロール2と、この結露除去ロール2を先端側のロール軸部3aで回転自在に支持する金属棒からなる支軸3と、支軸3の基端部3bを嵌入固着した樹脂成形体からなる筒状の把持柄4とを備える。なお、本実施例は、特許文献2のように、結露除去ロール2の両サイドに支軸3がないので、天井のコーナを拭く場合に、結露除去ロール2の前端部(図1、図3の左端部)で、スミまで拭くことができる。
【0024】
結露除去ロール2は、マイクロファイバーによって構成される半径方向の寸法が小さい筒状の第1吸水層20と、スポンジ(多孔質部材)によって構成されて、前端部(図1、図3の左端部)が閉塞壁21aによって閉塞された半径方向の寸法が第1吸水層20よりも大きい筒状第2吸水層21とを備え、第2吸水層21の外周に第1吸水層20が同時回転可能に巻回されており、第1吸水層20は、厚手で筒状の内層22と、この内層22の外周に同時回転可能に配置された薄手の外層23とを有する二層構造になっている。そして、外層23の前端部(図1、図3の左端部)は閉塞壁23aによって閉塞されて袋状を呈しており、かつ、後端部(図1、図3の右端部)はゴムバンド23bによって絞り込まれている。
【0025】
結露除去ロール2における第2吸水層21の内周には、図3に示すように、軸受部材6が内嵌し、この軸受部材6内の前端部(図3の左側)に、中軸5が回転可能に軸支し、この中軸5にロール軸部3aが嵌め込まれている。ロール軸部3aの後端部(図3の右側)には、内軸受部材6aが外嵌し、この内軸受部材6aもロール軸部3aに対して回転自在に支持されている。ロール軸部3aの後端には係止突起31が形成され、結露除去ロール2(軸受部材6及び内軸受部材6a)に、前記係止突起31が係合するスリット32が形成されている。ロール軸部3aを結露除去ロール2に押し込むことにより、係止突起31がスリット32に嵌まり込み、結露除去ロール2の回転が止まり、第1吸水層20により、結露除去対象面に付着した汚れを拭き取ることができる。
【0026】
把持柄4は、その上端部に複数の水受け皿取付片4aが上向きに突設され、これら水受け皿取付片4aによって、後述する水受け皿が着脱可能、かつ、中空部4bに連通するように取り付けられる。また、把持柄4の下端部には、中空部4bに連通する雌ねじ4cを設けてある。ただし、本発明では、水受け皿取付片4a、中空部4b、雌ねじ4c、水受け皿は必ずしも必要ではなく、把持柄4が中実な樹脂製のかたまりからなる柄であってもよい。
【0027】
前記構成の結露除去具1は、把持柄4を把持して、結露除去ロール2における第1吸水層20を図2に示す浴室の天井や居室の窓ガラス内面などの結露除去対象面6に押し当て、結露除去対象面6に沿って結露除去具1を矢印f1,f2方向に移動させることで、結露除去対象面6の結露(図示省略)を結露除去ロール2で吸水して除去することができる。
【0028】
第1吸水層20を構成しているマイクロファイバーは、8μm以下の極細のポリアミド樹脂繊維やポリエステル樹脂繊維からなり、ミクロ単位の各繊維の断面形状は放射状の三角断面を呈しているので無数の隙間を有し、これら無数の隙間は毛細管現象により多量の水分を取り込むとともに、取り込んだ水分を保持(保水)する特性を備えている。つまり、マイクロファイバーによって構成されている第1吸水層20は、優れた吸水能力と保水能力を有している。
【0029】
結露は、優れた吸水能力と保水能力を有するマイクロファイバーからなる第1吸水層20により吸水され、かつ、該第1吸水層20に保水される第1の作用によって容易に除去できる。前記第1の作用が継続されることで、第1吸水層20の保水が飽和点近くになると、第1吸水層20に保持されている水分をスポンジからなる第2吸水層21により吸水し、かつ、保水する第2の作用が開始されて、第1吸水層20の飽和点到達を遅らせる。詳しくは、第1吸水層20における薄手の外層23の保水が飽和点に達し、続いて第1吸水層20における厚手の内層22の保水が飽和点近くになると、厚手の内層22に保持されている水分を第2吸水層21により吸水し、かつ、保水する第2の作用が開始されて、第1吸水層20の飽和点到達を遅らせる。これにより、第1の作用による結露の除去時間が延長される。前記第2の作用に追従する第1の作用は、第2吸水層21の保水が飽和点に到達するまで継続されて結露を除去する。第2吸水層21の保水が飽和点に到達した後の結露の除去は、第1吸水層20の保水が飽和点になるまで実行できる。
【0030】
結露除去ロール2が、スポンジからなる内周側の第2吸水層21と、この第2吸水層21に巻回されたマイクロファイバーからなる外周側の第1吸水層20とを備えていることによって、高価な第1吸水層20の層厚を薄く制限した経済的に有利な構造が得られる。しかも、従来技術のようなヘラ部の前縁による擦り取りが不要になるので、結露除去対象面6に対する第1吸水層20の押し付け強さが多少変動しても、優れた吸水能力と保水能力を有する第1吸水層20により結露の除去を高い作業効率で的確に実行することができる。また、第2吸水層21の吸水作用と保水作用が加味されることで、第1吸水層20の優れた吸水能力と保水能力とを、第2吸水層21の保水が飽和点になる時間に相当して延長できる。このため、結露除去作業実行途中における頻繁な第1、第2吸水層20,21の頻繁な「絞り操作」が不要になって、結露の除去を高い作業効率で的確に実行することが可能になる。
【0031】
第1吸水層20が、第2吸水層21側の厚手の内層22と、この内層22の外周に配置した薄手の外層23との二層構造であることにより、外層23と内層22との協働により、優れた吸水能力と保水能力を発揮できるものでありながら、高価な第1吸水層20の経時劣化や損傷などに際しては、薄手の外層23のみの交換によって第1吸水層20の機能回復が可能であるので経済的に有利である。なお、本実施例では、第1吸水層20を内層22と外層23との二層構造としたが、このような二層構造である必要はなく、内層22だけであってもよい。内層22だけの場合、厚手のマイクロファイバーをスポンジからなる第2吸水層21に巻回して端部を縫製して固定しもよいし、多層のマイクロファイバーを外層23のように袋状にしてもよい。また、内層22は図4に示すように、厚手のマイクロファイバーを複数層から形成にしてもよいし、多数層と同じ厚さの1枚のマイクロファイバーで形成してもよい。
【0032】
第1吸水層20および第2吸水層21の保水が飽和点に到達すれば、結露除去ロール2を取り外して手で絞ればよい。第1吸水層20を構成しているマイクロファイバーは、前述した優れた吸水能力と保水能力を有するとともに、優れた排水能力をも併有しているので、飽和点まで保水した大量の水分でも、絞り操作で容易に排水することができる。また、絞り操作時に生じる結露除去ロール2の変形は、絞り操作の解除時に、スポンジからなる第2吸水層21の弾性によって略瞬時に消失して、結露除去ロール2を原形に回復させることができる。
【0033】
図5に示すように、把持柄4の先端部に突設されている複数の水受け皿取付片4aを利用して、該把持柄4の中空部4bに連通する樹脂製の水受け皿7を着脱可能に取り付けてもよい。水受け皿7が取り付けられると、結露除去作業時において、結露除去対象面6に対する結露除去ロール2の押し付け強さが過剰になったり、あるいは、第1、第2吸水層20,21の両者が飽和点に達した後、さらに結露除去作業が継続されることなどによって、結露除去ロール2から水滴が滴下しても、この水滴を水受け皿7で捕集し、把持柄4の中空部4bを通して排水することができるので、結露除去作業者の水濡れを防止できる。なお、把持柄4下端部の雌ねじ4cにカップリング8の一端部を螺着し、該カップリング8の他端部に可撓管(樹脂製のホース)9の先端部を接続すれば、滴下水滴による結露除去作業者の水濡れを確実に防止した状態で、特定の排水箇所に滴下水滴を排水することが可能となる。
【0034】
図5で説明した可撓管(樹脂製のホース)9に代えて、図6に示すように、把持柄4下端部の雌ねじ4cに長寸の補助柄10上端部の雄ねじ10aを螺着して、把持柄4の全長を補助柄10の長さに相当して増大すれば、結露除去対象面6が高い天井や高所の天窓などであっても、結露を容易に除去することができる。
【0035】
さらに、図7に示すように、把持柄4の長さは、伸縮手段11によって無段階に調節自在である。伸縮手段11は、内筒12と、外筒13および伸縮ロックナット14を備え、内筒12を軸方向のスライド自在に外筒13に挿通した内外二重構造になっており、把持柄4下端部の雌ねじ4cに内筒12上端部の雄ねじ12aを螺着することで把持柄4に結合される。また、伸縮ロックナット14の締付け操作によって、外筒13と内筒12の相対移動を阻止して把持柄4の全長を所定の長さに保持するとともに、伸縮ロックナット14の緩め操作によって、外筒13と内筒12の相対移動を可能にして、把持柄4の全長を伸縮自在としたものである。このように、把持柄4の全長が無段階に調節自在であると、天井や天窓などの結露除去対象面6の高さの如何を問わず、把持柄4の長さを作業者の使い勝手のよい任意の長さに調節して、結露を容易に除去することができる。
【0036】
なお、図5、図6および図7において、図1〜図4と同一部分には同一符号を付して、重複する構造と作用の説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0037】
浴室の湿度と温度差との複合作用などによって天井に付着した水滴を除去したり、冬季における居室窓ガラス内外面の温度差によって窓ガラスの内面に付着した結露を除去する露取り具として利用する。
【符号の説明】
【0038】
1 結露除去具
2 結露除去ロール
3 支軸
3a ロール軸部
3b 基端部
4 把持柄
4b 中空部
6 結露除去対象面
7 水受け皿
10 補助柄
11 伸縮手段
20 第1吸水層
21 第2吸水層
22 内層
23 外層
31 係止突起
32 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結露除去対象面を転動する結露除去ロールと、この結露除去ロールを先端のロール軸部で回転自在に支持する支軸と、この支軸の基端部を固着した把持柄と、を備えた結露除去具であって、
前記結露除去ロールが、多孔質部材からなる内周側の第2吸水層と、この第2吸水層に巻回されたマイクロファイバーからなる外周側の第1吸水層と、を備えてなることを特徴とする結露除去具。
【請求項2】
請求項1に記載した結露除去具において、
前記第1吸水層が、前記第2吸水層側の内層と、この内層の外周に配置した外層との二層構造である結露除去具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載した結露除去具において、
前記把持柄が中空構造であり、かつ、その先端部に該把持柄の中空部に連通する水受け皿を着脱可能に取り付けてなる結露除去具。
【請求項4】
請求項1,請求項2または請求項3に記載した結露除去具において、
前記把持柄は、その長さを増大する補助柄の着脱が可能である結露除去具。
【請求項5】
請求項1,請求項3,請求項4の何れの項に記載された結露除去具において、結露除去ロールの回転を止めるための機構を備えた結露除去具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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