説明

絞り装置及びレンズ鏡筒

【課題】絞り羽根及びカム板の摩耗を抑制して高性能化を実現すると同時に小型化を図る。
【解決手段】保持枠1は、筒状であり、開口部12が形成された底面部11及び底面部11の外周から+z方向に立設された側壁部13を備える。底面部11により回動可能に軸支されている。操作部材3は、絞り羽根2を介して底面部11に回動可能に取り付けられている。底面部11は、第1面S1、第2面S2、突起14の上面である第3面S3、及び第4面S4を備えている。第2面S2は、z方向の高さS2_Zが、第1面S1のz方向の高さS1_Zよりも低い。第3面S3は、操作部材3が摺動する。第3面S3の高さS3_Zは、第1面S1の高さS1_Zよりも高い。第4面S4は、高さS4_Zが第2面S2の高さS2_Zよりも低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズに透過する光量を調整する絞り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、レンズユニットは、性能(光学性能、高駆動レスポンス、省電力)を維持すると同時に小型化及び低コスト化が求められている。そのため、レンズユニットに設けられる絞り装置も同じ課題が求められている。
【0003】
特許文献1には、絞り羽根16の表面のダボ16aをカム板15に設けられた長孔15aに係合させ、絞り羽根16の裏面のダボ16bを回転リング17に係合させ、回転リング17を回転させることで、絞り羽根16を回転させ、絞り開口径を調節する絞り装置が開示されている。
【0004】
特許文献2には、絞り羽根102の突起102aをカム板102に設けられたカム溝106に係合させ、絞り羽根102のピンを絞り作動環103に係合させ、絞り作動環103を回動させることで、絞り羽根102を回動させ、絞り開口径を調節する絞り装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−102558号公報
【特許文献2】特許第3294951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2の絞り装置では、絞り羽根が摺動するカム板と絞り羽根とが摺動する摺動領域が大きいため、絞り羽根及びカム板を摩耗させるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、絞り羽根及びカム板の摩耗を抑制して高性能化を実現すると同時に小型化を図ることができる絞り装置及びレンズ鏡筒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一局面による絞り装置は、開口部が形成された底面部を備える筒状の保持枠と、前記底面部に、回動可能に軸支された複数の絞り羽根と、前記絞り羽根を回動させて前記開口部の開口量を調整する操作部材とを備え、前記底面部は、前記絞り羽根が摺動する第1面と、光軸方向の高さが前記第1面より低く、かつ、前記第1面の外周側を取り囲んで設けられた第2面と、前記第2面内において、前記絞り羽根が通過しない領域に配設され、前記底面部からの前記光軸方向の高さが前記第1面より高く、かつ、前記操作部材が摺動する第3面を持つ複数の突起とを備える。
【0009】
この構成によれば、操作部材が回動すると、それに応じて絞り羽根が回動し、開口部の開口量が調整される。ここで、固定筒の底面部には、絞り羽根が摺動する第1面よりも光軸方向の高さが低い、第2面が第1面の外周側を取り囲んで設けられている。そのため、絞り羽根は第2面と摺動しなくなり、底面部と絞り羽根とが摺動する摺動領域が減る結果、絞り羽根及び保持枠の摩耗を抑制することができる。そのため、高性能な絞り装置を提供することができる。
【0010】
また、第2面内には、光軸方向の高さが第1面よりも高い第3面を持つ突起が形成され、操作部材はこの第3面を摺動する。そして、この突起は、第2面内の操作部材が通過しない領域に設けられている。そのため、第2面の外側に操作部材を摺動させる突起を設ける必要がなくなり、底面部の径を短くすることができ、絞り装置の小型化を図ることができる。
【0011】
また、操作部材は、突起の上面である第3面と摺動するため、操作部材と底面部との摺動領域が減る結果、操作部材の摩耗を抑制することができる。
【0012】
(2)前記底面部は、前記光軸方向の高さが前記第2面より低く、かつ、前記第2面の外周側を取り囲んで設けられた第4面を更に備えることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、光軸方向の高さが第2面より低い第4面が第2面を取り囲んで設けられている。そのため、絞り羽根の可動範囲が第4面を跨いでも、絞り羽根と第4面とが接触しないため、絞り羽根の可動範囲を広げることができる。
【0014】
(3)前記絞り羽根は、前記底面部側に設けられた第1軸と、前記操作部材側に設けられた第2軸とを備え、前記第1面は、前記第1軸を軸支する軸孔を備え、前記操作部材は、前記第2軸が係合し、前記絞り羽根の動きを定めるカム孔を備えることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、絞り羽根は摺動面である第1面で軸支されているため、非摺動面で軸支される場合に比べて、がたつきなく回動させることができ、絞り装置の高性能化を図ることができる。また、絞り羽根は第2軸がカム孔に係合しているため、操作部材が回動することでカム孔を介して絞り羽根を回動させることができる。
【0016】
(4)前記保持枠の少なくとも一方の端部に設けられたレンズを更に備えることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、絞り装置にレンズを設けることで、高性能かつ小型化が図られたレンズユニットを提供することができる。
【0018】
(5)前記保持枠はダイカスト成形によって成形され、前記第1面及び前記第3面は、ダイカスト成形された保持枠を切削加工することで成形され、前記第2面は、前記ダイカスト成形された保持枠を切削加工せずに成形されることが好ましい。
【0019】
ダイカスト成形で成形された保持枠を切削加工することで、樹脂成形品よりも剛性が高く、より高精度の保持枠を形成できる。ダイカスト成形品は剛性が高いために保持枠の肉厚を薄くすることができる。更には切削のみで加工された保持枠と比較して、ダイカスト成形品は、複雑な形状であっても容易に製造することができる。そのため、より安価で小型の絞り装置を実現できる。
【0020】
また、第1面及び第3面(突起)は、ダイカスト成形によっておおよその形状が形成された後、切削加工によって形成されるため、第1面および第3面を平坦化することができ、第1面及び絞り羽根と、第3面及び操作部材との摩擦係数を低くすることができる。また、第2面は、絞り羽根及び操作部材が摺動しないため、ダイカスト成型で形成された面粗さで足り、切削加工を行う必要はない。また、第1面及び第3面の切削加工に、同軸加工である旋削加工を用いることができ、容易に低コストで加工できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、絞り羽根及びカム板の摩耗を抑制して高性能化を実現すると同時に絞り装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態による絞り装置の分解斜視図を示している。
【図2】図1の絞り装置の−z方向視の図である。
【図3】絞り羽根及び操作部材を取り外した状態における底面部の一部拡大図である。
【図4】絞り羽根が取り付けられた底面部の一部拡大図である。
【図5】図3に示す底面部の5−5方向からの断面図である。
【図6】図1に示す保持枠1の製造過程を説明する図である。
【図7】操作部材及び駆動リングを示した分解斜視図である。
【図8】操作部材及び駆動リングを取り付けたときの斜視図を示している。
【図9】本発明の実施の形態によるレンズ鏡筒の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の実施の形態による絞り装置の分解斜視図を示している。図2は、図1の絞り装置の−z方向視の図である。図2(A)は開口部12の開口量が最小の場合を示し、図2(B)は開口部12の開口量が最大の場合を示している。
【0024】
図1に示すように、絞り装置は、虹彩絞りであり、保持枠1、絞り羽根2、及び操作部材3を備えている。なお、図1において、z方向は光軸方向と平行な方向を示し、R方向は径方向を示している。ここで、径方向は、z方向と直交する平面において、z軸の交点である底面部11の中心O1から、中心O1と同軸の半径までの方向を示している。
【0025】
また、光軸方向の物体側と像面側とを特に区別する場合、光軸方向の物体側を+z方向と記述し、光軸方向の像面側を−z方向と記述する。また、中心O1から径方向の外側に向かう方向を外径方向と記述し、径方向の外側から中心O1に向かう方向を内径方向と記述する。
【0026】
保持枠1は、筒状であり、開口部12が形成された底面部11及び底面部11の外周から+z方向に立設された円筒状の側壁部13を備える。底面部11は、リング状であり、側壁部13の近傍に長孔112が形成されている。長孔112は、保持枠1の側壁部13と同軸の円周上に沿って形成され、底面部11と同軸上であり、操作部材3から−z方向に突出した操作レバー32が挿入される。底面部11には、絞り羽根2の−z方向側の面に立設された回動軸23(第1軸の一例:図2参照)が挿入される。なお、底面部11の詳細な形状については後述する。開口部12は、側壁部13と同軸の円形である。
【0027】
絞り羽根2は、鳥の嘴のような形状を有し、底面部11において同軸上に等間隔で複数個配置され、底面部11により回動可能に軸支されている。
【0028】
絞り羽根2の+z方向側の面の中央部のやや外周寄りの所定の位置には、+z方向に突出したカム軸21(第2軸の一例)を備えている。カム軸21は、操作部材3に形成されたカム孔31に挿入される。
【0029】
操作部材3は、保持枠1の内部に挿入されて、絞り羽根2を介して底面部11に回動可能に取り付けられている。操作部材3は、外周が保持枠1の側壁部13の内周と嵌合し、中心部に開口部12と略等しい開口を持つ、リング状である。
【0030】
操作部材3は、底面部11と同軸上に複数個配置されたカム孔31を備えている。図1の例では、カム孔31は9個であるが、本発明はこれに限定されず、10個以上又は8個以下にしてもよい。カム孔31は、長手方向が径方向に交差する方向を向く緩やかな曲線形状を有している。
【0031】
図1の例では、カム孔31は、−z方向視において、径方向を基準として外端31a(外径側の端部)から内端31b(内径側の端部)に向かう方向が右斜め下方向となるように形成されている。−z方向視において、操作レバー32を反時計回りに回動させると、図2(A)に示すように、その回動に伴って操作部材3が反時計回りに回動し、その回動に伴ってカム孔31によりカム軸21が内径側へと押され、絞り羽根2が回動軸23を中心に反時計回りに回動する。これにより、開口部12の開口径が漸次に減少し、開口部12の開口量が減少する。そして、カム軸21がカム孔31の内端31b付近まで移動すると、9枚の絞り羽根2は、開口部12の開口量を最小にする。
【0032】
一方、図2(B)に示すように、−z方向視において操作レバー32が時計回りに回動されると、その回動に伴って操作部材3が時計回りに回動し、その回動に伴ってカム孔31によりカム軸21が外径側へと押され、絞り羽根2が回動軸23を中心に時計回りに回動する。これにより、開口部12の開口径が漸次に増大し、開口部12の開口量が増大する。そして、カム軸21がカム孔31の外端31a付近まで移動すると、9枚の絞り羽根2は、底面部11に収納され、開口部12の開口量を最大にする。
【0033】
図3は、絞り羽根2及び操作部材3を取り外した状態における底面部11の一部拡大図である。図4は、絞り羽根2が取り付けられた底面部11の一部拡大図である。なお、図4は、絞り羽根2の全領域が底面部11に収容された状態を示している。図5は、図3に示す底面部11の5−5方向からの断面図である。なお、図5では、絞り羽根2及び操作部材3が取り付けられた底面部11の断面図が示されている。
【0034】
図3に示すように、底面部11は、第1面S1、第2面S2、第3面S3、及び第4面S4を備えている。第1面S1は、底面部11の内径側に設けられ、底面部11と同軸上のリング状の領域であり、図5に示すように絞り羽根2が摺動する。本実施の形態では、第1面S1の断面形状は、z方向と直交する面に平行である。また、第1面S1は、絞り羽根2が摺動する摺動面S1_1と、開口部12に向かうにつれて肉厚が薄くなるテーパー面S1_2とが設けられている。テーパー面S1_2を設けることで、絞り羽根2と第1面S1とが接触する領域が減少し、両部材の摩耗を抑制することができる。
【0035】
図3に示すように、第1面S1には、絞り羽根2の回動軸23が挿入され、絞り羽根2を回動可能に軸支する孔111が形成されている。これにより、絞り羽根23は、摺動面である第1面S1で軸支され、がたつきなく回動される。孔111は、同軸の円周上に等間隔で複数個設けられている。
【0036】
図3に示すように第2面S2は、第1面S1の外周側を取り囲んで設けられ、開口部12と同軸のリング状の領域である。第4面S4は、第2面S2の外周側を取り囲んで設けられ、開口部12と同軸のリング状の領域である。第4面S4の外周は保持枠1の側壁部13の内径側の面に隣接している。
【0037】
突起14は、第2面S2の外周に沿って第2面S2と同軸の円周上に等間隔で複数個設けられている。図4に示すように、突起14は、第2面S2内において、絞り羽根2が通過しない領域に設けられている。
【0038】
ここで、絞り羽根2が通過しない領域とは、図2(A)に示すように、開口部12の開口量が最小となるときから、図2(B)に示すように、開口部12の開口量が最大となるときまで絞り羽根2を移動させたときに絞り羽根2を面S11に射影した領域以外の領域を示す。
【0039】
第2面S2内において、突起14を絞り羽根2が通過しない領域に設けることで、突起14を絞り羽根2の外径側に設ける必要がなくなり、底面部11の径を小さくすることができ、絞り装置の小型化を図ることができる。
【0040】
図5に示すように第2面S2は、z方向の高さS2_Zが、第1面S1のz方向の高さS1_Zよりも低い。ここで、z方向の高さとは、底面部11の−z方向側の面S11を基準としたときの+z方向側の高さを示す。
【0041】
突起14の上面である第3面S3は、操作部材3が摺動する。突起14の高さS3_Zは、第1面S1の高さS1_Zよりも高い。つまり、第3面S3は、z方向の高さが第1面S1、第2面S2、及び第4面S4の中で一番高い。よって、突起14の第3面S3で操作部材3を当接させ、第1面S1で絞り羽根2を当接させることで、操作部材3と底面部11との間に絞り羽根2を取り付けることができる。そして、操作部材3は、面積が小さな第3面S3と摺動するため、操作部材3と第3面S3との摺動領域が小さくなり、操作部材と第3面S3との摩耗を抑制することができる。
【0042】
第3面S3の外周側の稜線は面取り或いは曲面化されていることが好ましい。この場合、操作部材3ががたついて傾いた際に、操作部材3の削れを防止することができる。
【0043】
なお、第3面S3と第1面S1とのz方向の高さの差DAは、絞り羽根2の肉厚よりも多少大きく設定されている。そのため、絞り羽根2と操作部材3との当接が回避され、両部材の摩耗を抑制することができる。
【0044】
第2面S2は、第1面S1よりもz方向の高さが低い。そのため、絞り羽根2は、第2面S2と摺動しなくなり、絞り羽根2と底面部11との摺動領域が減少する結果、絞り羽根2及び保持枠1の摩耗を抑制することができる。
【0045】
第4面S4の高さS4_Zは、少なくとも第1面S1の高さS1_Zよりも低い必要があり、第2面S2の高さS2_Zよりも低いことが好ましい。
【0046】
第4面S4の高さS4_Zを、第2面S2の高さS2_Zと同じ高さに設定すると、絞り羽根2が大きくがたついた場合に、絞り羽根2と第4面S4とが接触する虞がある。
【0047】
したがって、第4面S4の高さS4_Zを第2面S2の高さS2_Zよりも更に低くすることで、絞り羽根2と第4面S4との衝突をより抑制することができる。
【0048】
また、側壁部13の内周には、操作部材3のz方向へのずれを防止し、かつ、操作部在位を回転可能に保持する押さえリングRGが設けられている。
【0049】
図6は、図1に示す保持枠1の製造過程を説明する図である。図6では、保持枠1の底面部11を主体とする断面図が示されている。
【0050】
保持枠1は、まず、型に金属を流し込んでダイカスト成型される。金属部品は剛性が高く薄肉化が可能であるが、ダイカスト成形は、微細な形状を再現することは一般的に困難である。また、成形後の表面の面粗さは摺動面としては十分でない。そこで、微細形状を形成し、平滑な面を形成するために切削加工を行う。
【0051】
ダイカスト成形後の保持枠1の底面部11は、図6に示すように、所望の形状に対して不要部FDが存在している。保持枠1の側壁部13は、金型の抜きテーパーのため、面S11に向うにつれ内径側に肉厚になっている。保持枠1の内径(外径)を小さくするために、側壁部13の内径は絞り羽根2の通過領域の外形よりわずかに大きい程度に設定されている。そのため、第4面S4および突起14の側壁部141は、側壁部13の内径側のテーパー部に埋もれて形成されている。また、第1面S1、第3面S3の上部には、加工しろとしての不要部FDが形成されている。
【0052】
本実施の形態では、この不要部FDを取り除くために、ダイカスト成形後の保持枠1に切削加工を施している。
【0053】
ここで、第1面S1は絞り羽根2が摺動する面であり、第3面S3は操作部材3が摺動する面であるため、第1面S1及び第3面S3は、切削加工により所定の高さに削り出すと共に、平滑な面に形成する。一方、第2面S2は、どの部材とも摺動しないため、凸凹を有していても良く、切削加工により削り出す必要はない。また、突起14の側壁141,142に対して切削加工の必要はない。
【0054】
絞り羽根2の可動領域を確保するために、側壁部13の内径側を、先端部の肉厚と底面部11側の肉厚とが等しくなるように切削し、第4面S4を形成する。第4面S4は、第2面S2よりも高さが低くなるように切削する。これにより、絞り羽根2ががたついた場合でも第4面S4と接触する虞がなく、滑らかな摺動が可能となる。
【0055】
これらの切削加工は、回転切削運動と直線送り運動とを組み合わせた旋削加工で行うことが好ましい。第1面S1及び第4面S4は側壁部13の内周面と同軸のリング形状をしており、また、第3面S3も側壁部13の内周面と同軸の円周上に配置されている。したがって、被切削物である保持枠1を回転させて加工する旋削加工が可能であり、各面の高さ方向はバイトの軸方向の送り量で制御できる。そのため、非常に短時間に低コストで高精度に加工ができる。
【0056】
なお、保持枠1の少なくとも一方の端部にレンズを設けて、本絞り装置をレンズユニットとしてもよい。この場合、レンズユニットとしては、z方向に前後する可動レンズユニットとしてもよいし、移動させない固定レンズユニットとしてもよい。
【0057】
図7は、操作部材3及び駆動リング4を示した分解斜視図である。図8は、操作部材3及び駆動リング4を取り付けたときの斜視図を示している。なお、図7及び図8において、絞り羽根2と駆動リング4との間には、保持枠1が取り付けられるが、図示を省略している。
【0058】
駆動リング4は、像面側に設けられ、カメラ本体に対して光軸方向を中心として回動可能に取り付けられている。駆動リング4は、カメラ本体に設けられた撮像面に光を導くべく、中央部に開口部42が形成されている。駆動リング4は、操作レバー32が嵌め込まれる保持レバー41を備えている。そして、駆動リング4は、例えばカメラ本体に設けられた図略アクチュエータからの駆動力を駆動レバー43により受けて回動する。これにより、操作部材3が光軸方向を中心として回動する。
【0059】
図9は、本発明の実施の形態によるレンズ鏡筒の断面図である。レンズ鏡筒は、レンズL1,L2,L3を保持している。本実施の形態では、保持枠1はレンズL2とレンズL3とを保持している。
【0060】
底面部11から物体側と像面側とに円筒形状の側壁部13が立設されており、レンズL2,L3は側壁部13に嵌合し、保持されている。
【0061】
カメラ本体からの駆動力が駆動レバー43に伝達され、駆動リング4が回転する。駆動リング4の保持レバー41は操作部材3の操作レバー32と係止されているので、駆動リング4の回転により操作部材3が回転し、絞り径を可変にすることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 保持枠
2 絞り羽根
3 操作部材
11 底面部
12 開口部
14 突起
31 カム孔
111 孔
S1 第1面
S2 第2面
S3 第3面
S4 第4面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が形成された底面部を備える筒状の保持枠と、
前記底面部に、回動可能に軸支された複数の絞り羽根と、
前記絞り羽根を回動させて前記開口部の開口量を調整する操作部材とを備え、
前記底面部は、
前記絞り羽根が摺動する第1面と、
光軸方向の高さが前記第1面より低く、かつ、前記第1面の外周側を取り囲んで設けられた第2面と、
前記第2面内において、前記絞り羽根が通過しない領域に配設され、前記底面部からの前記光軸方向の高さが前記第1面より高く、かつ、前記操作部材が摺動する第3面を持つ複数の突起とを備える絞り装置。
【請求項2】
前記底面部は、前記光軸方向の高さが前記第2面より低く、かつ、前記第2面の外周側を取り囲んで設けられた第4面を更に備える請求項1記載の絞り装置。
【請求項3】
前記絞り羽根は、前記底面部側に設けられた第1軸と、前記操作部材側に設けられた第2軸とを備え、
前記第1面は、前記第1軸を軸支する軸孔を備え、
前記操作部材は、前記第2軸が係合し、前記絞り羽根の動きを定めるカム孔を備える請求項1又は2記載の絞り装置。
【請求項4】
前記保持枠の少なくとも一方の端部に設けられたレンズを更に備える請求項1〜3のいずれかに記載の絞り装置。
【請求項5】
前記保持枠はダイカスト成形によって成形され、
前記第1面及び前記第3面は、ダイカスト成形された保持枠を切削加工することで成形され、
前記第2面は、前記ダイカスト成形された保持枠を切削加工せずに成形される請求項1〜4のいずれかに記載の絞り装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の絞り装置を備えるレンズ鏡筒。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−191490(P2011−191490A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57285(P2010−57285)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】