説明

給水制御機構及び給水装置

【課題】
本発明は、一時的に給水を中断しても、残りの必要な給水量や給水時間を簡単に把握することができる新規な給水制御機構及びこの機構を備えてなる新規な給水装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
給水/止水命令を受けて、給水/止水を行う給水装置における給水制御機構であって、該制御機構は、少なくとも、任意に設定された給水量、又は給水時間を記憶するメモリ部、及び、給水命令後、前記設定された給水量、又は給水時間に達すると給水を停止する制御部を有し、特に、給水命令後、前記設定された給水量、又は給水時間に達する前に、止水命令を受けて止水した場合には、残りの給水量、又は給水時間を把握できる情報を前記メモリ部、又は他のメモリ部に記憶することを特徴とする給水制御機構、この給水制御機構を備えてなる給水装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として浴室、洗面所及び台所などの水回りに備えられて使用される給水装置における給水制御機構及びこの給水制御機構を備えてなる給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室、洗面所及び台所などの水回りには、給水/止水命令に応じて給水/止水を行う給水装置が配備されている。
【0003】
最近では、任意の給水時間を設定することにより、当該設定した給水時間に至った段階で自動的に止水する自動給水装置が開発されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−245159号公報
【0005】
前記特許文献1に記載の自動給水装置は、使用者が任意にタイマー時間を設定し、給水命令後、設定したタイマー時間を経過すると自動的に止水する制御機構を備えた自動給水装置であり、特に、設定したタイマー時間を経過して自動的に止水した場合、若しくは、設定したタイマー時間を経過する前に強制的に止水した場合に、タイマー時間の設定を使用者が設定した時間に戻すことを特徴とするものである。
【0006】
即ち、前記特許文献1に記載の自動給水装置は、止水動作に応じて、タイマー時間を設定した時間に戻す(リセットする)ものであり、これより、給水の都度、タイマー時間を設定する手間を省くことができるのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば、浴槽への自動給水(湯)を行う給水装置に対して、このような止水動作に応じてタイマー時間を設定した時間にリセットする機能を付与すると、浴槽への給水中に何らかの理由で一時的に給水を中断する必要が生じて止水した場合、その止水動作に応じてタイマー時間が設定した時間にリセットされる。そのため、その後にそのまま追加的に給水すると、過剰に給水された水が浴槽から溢れ出してしまうという問題が生じる。
【0008】
もっとも、この問題は、その都度タイマー時間を給水残量に応じて設定し直せば解決するのであるが、このような作業は非常に煩雑であるといえる。又、目視では必要な残量が明確に把握できない場合が多分にある。
【0009】
そこで、本発明者は、このような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、給水/止水命令を受けて、給水/止水を行う給水装置における給水制御機構であって、該制御機構は、少なくとも、任意に設定された給水量、又は給水時間を記憶するメモリ部、及び、給水命令後、前記設定された給水量、又は給水時間に達すると給水を停止する制御部を有し、特に、給水命令後、前記設定された給水量、又は給水時間に達する前に、止水命令を受けて止水した場合には、残りの給水量、又は給水時間を把握できる情報を前記メモリ部、又は他のメモリ部に記憶することを特徴とする本発明の給水制御機構を完成するに至ったのである。
【0010】
即ち、本発明者は、この種設定した給水量、又は給水時間を経過すると自動的に止水する制御機構を有する給水装置において、給水命令後、前記設定された給水量、又は給水時間に達する前に止水命令を受けて止水した場合に、残りの給水量、又は給水時間を把握できる情報を前記メモリ部、又は他のメモリ部に記憶する給水制御機構を備えれば、一時的に給水を中断する必要が生じて止水した場合にあっても、残りの給水量や給水時間を簡単に把握することができ、その結果、その後の追加的な給水作業等を容易に行うことが可能になるとの知見を得たのである。
【0011】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、一時的に給水を中断しても、残りの給水量や給水時間を簡単に把握することができる新規な給水制御機構及びこの機構を備えてなる新規な給水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上の課題を解決する手段である本発明の給水制御機構は、給水/止水命令を受けて、給水/止水を行う給水装置における給水制御機構であって、該制御機構は、少なくとも、任意に設定された給水量、又は給水時間を記憶するメモリ部、及び、給水命令後、前記設定された給水量、又は給水時間に達すると給水を停止する制御部を有し、特に、給水命令後、前記設定された給水量、又は給水時間に達する前に、止水命令を受けて止水した場合には、残りの給水量、又は給水時間を把握できる情報を前記メモリ部、又は他のメモリ部に記憶することを特徴とする。
【0013】
又、本発明の給水装置は、前記本発明の給水制御機構を備えたことを特徴とする。以下、本発明の給水制御機構及び給水装置について順に詳細に説明する。
【0014】
本発明の給水制御機構は、給水/止水命令を受けて、給水/止水を行う給水装置における給水制御機構であり、該制御機構は、少なくとも、任意に設定された給水量、又は給水時間を記憶するメモリ部、及び、給水命令後、前記設定された給水量、又は給水時間に達すると給水を停止する制御部を有する。
【0015】
本発明において、前記「給水/止水」とは、給水又は止水命令に応じた、給水装置における給水実行及び給水停止の動作を意味する。従って、「給水/止水命令」とは、これらの動作の切り替えを給水装置に与える電気的或いは機械的な命令である。通常、前記給水/止水命令は、その旨の命令を与える指示部の操作によって行われる。具体的に例えば、使用者が、ハンドル、レバー、ボタン、スイッチなどを操作したり、無線や有線などによる遠隔操作を行使したり、給水予約などのタイマーなどを設定したりすることなどによって行われる。
【0016】
又、前記「給水装置」としては、上水道として供給される水道水や、ポンプなどでくみ上げられて供給される井戸水等の地下水を原水とし、これを台所、トイレ及び浴室などに備えられたシャワーや蛇口などの1ないし複数箇所の給水末端に供給することができるものであれば、特に限定されるものではない。なお、お湯、軟水、或いは浄化水などの各種処理水を供給するために、給水装置内の適宜箇所に、熱交換器、軟水化装置、吸着剤、フィルタ、或いは殺菌装置などの設備を備えたものも本発明における「給水装置」に含まれる。
【0017】
更に、本発明の給水制御機構における前記「メモリ部」は、主として使用者が設定した給水量、又は給水時間(以下、これらをまとめて「設定給水量」と称する。)を記憶する部位である。一方、前記「制御部」は、給水命令を受けた後、前記メモリ部に記憶された設定給水量に応じて、給水を停止する役割を担う部位である。なお、本発明において「給水量」とは、給水される水の量的単位を意味し、一方、「給水時間」とは、給水実行に要する時間的単位を意味する。
【0018】
即ち、本発明の給水制御機構を給水装置に備えると、給水命令後、設定給水量に至った段階で自動的に止水する機能が付与されるのである。
【0019】
ところで、本発明の給水制御機構においては、一つの設定給水量のみならず、複数の設定給水量を前記メモリ部に記憶できるようにしても良い。この場合、使用者が、メモリ部に記憶された複数の設定給水量から一つを選択し、この選択に応じて、制御部が当該選択された設定給水量に至った段階で給水を停止することになる。
【0020】
又、本発明においては、特に、使用者が、前記メモリ部に記憶させた設定給水量を目視的及び/又は聴覚的に把握できるように、適宜、設定給水量をディスプレイ表示したり、音声で伝達したりする「表示部」を設けることが好ましい。更に、表示部に表示された設定給水量については、給水開始後には、現在の給水量(時間)或いは残りの給水量(時間)を経時的に追った値等を表示するようにしても良い。
【0021】
そして、本発明の給水制御機構においては、特に、給水命令後、設定給水量に達する前に、止水命令を受けて止水した場合に、残りの給水量、又は給水時間(以下、これらをまとめて「給水残量」と称する。)を把握できる情報を、前記メモリ部、又は他のメモリ部に記憶する機能が付与された点に最も大きな特徴を有する。
【0022】
即ち、本発明の給水制御機構は、このような機能が付与されているから、給水命令後、前記設定給水量に達する前に一時的に給水を停止する必要が生じて止水した場合にあっても、給水残量を簡単に把握することができるのであり、その結果、その後の追加的な給水作業等を容易に行うことが可能になるのである。
【0023】
本発明において、前記「給水残量を把握できる情報」とは、具体的に給水残量を導き出し得る情報のことをいう。即ち、正味の給水残量自体の情報に限られず、例えば、既に給水した量や給水停止までに要した時間(以下、これらをまとめて「既給水量」と称する。)などの情報も、前記「給水残量を把握できる情報」に含まれるのである。
【0024】
ここで、本発明の給水制御機構において、給水残量を把握できる情報を前記メモリ部、又は他のメモリ部に記憶する手段としては、特に限定されるものではない。具体的に例えば、給水開始を受けて既給水量を測定する「カウント部」を設けて、この測定された既給水量の値を前記メモリ部、又は他のメモリ部に記憶する方法や、前記「カウント部」と共に当該カウントされた既給水量の値を設定給水量から減じる計算を行う「演算部」を設け、前記演算部が計算した給水残量を前記メモリ部、又は他のメモリ部に記憶する方法などを挙げることができる。
【0025】
なお、「他のメモリ部」とは、専ら給水残量を把握できる情報のみを記憶するためのメモリ部を意味する。即ち、本発明の給水制御機構においては、前述の設定給水量を記憶させるためのメモリ部に給水残量を把握できる情報も記憶する役割を与える場合と、メモリ部とは別に、専ら給水残量を把握できる情報を記憶する他のメモリ部を併用する場合がある。
【0026】
もっとも、メモリ部、又は他のメモリ部に記憶された給水残量を把握できる情報は、必ずしも永久的に保存する必要はなく、一時的に保存されていれば一般的に充分といえる。そのため、本発明においては、この記憶された情報は、一定時間経過後に自動的に消去されるようにしても良い。
【0027】
又、本発明においては、特に、使用者が、給水残量を目視的及び/又は聴覚的に把握できるように、給水残量を把握できる情報を表示・伝達する機能を備えることが好ましい。この給水残量を把握できる情報の表示については、前述の設定給水量を表示・伝達する「表示部」に表示しても良いし、当該「表示部」とは別に、専ら給水残量を把握できる情報のみを表示・伝達する「他の表示部」を設けても良い。
【0028】
ところで、使用者が、設定給水量に達する前に一時的に給水を停止する必要が生じて止水し、その後、再度給水を要する場合にあっては、主として以下の給水パターンが予測される。即ち、(1)再度設定給水量の給水を行う場合、(2)給水残量を給水する場合、及び(3)別途異なる給水量の給水を行う場合である。
【0029】
この点につき、本発明の給水制御機構を給水装置に備えた場合においては、メモリ部に設定給水量が記憶されており、又、給水残量を把握できる情報がメモリ部又は他のメモリ部に記憶されているから、前記(1)や(2)の給水パターンに対応することが容易になる。即ち、使用者が、記憶されている設定給水量又は給水残量のいずれかを選択し、その選択結果を本発明の給水制御機構に伝達して給水すれば良い。
なお、前記(3)の給水パターンに対しては、使用者が再度設定給水量を設定し直したり、メモリ部に記憶された別の設定給水量を選択したりすることになる。
【0030】
しかしながら、再度給水命令を与える前に、毎回選択結果を給水制御機構に伝達する作業は一般的に煩雑であるといえる。
【0031】
そこで、本発明においては、再度給水命令が与えられた場合には、設定給水量、又は給水残量のいずれかを優先して給水を行うように、予め、或いは使用者の任意によりモード設定することができるようにすることが好ましい。
【0032】
即ち、メモリ部に記憶された設定給水量の給水を優先的に行うモード設定の場合は、給水命令後、設定給水量の給水を終えた時点で給水を停止するのである。この場合、メモリ部、又は他のメモリ部に記憶された給水残量を把握できる情報は、既に不要となっている場合が多いことから、給水命令を受けた時ないし一定時間経過後に、当該情報を消去するようにしても良い。
【0033】
一方、メモリ部、又は他のメモリ部に記憶された給水残量を把握できる情報から導き出される給水残量の給水を優先的に行うモード設定の場合は、給水命令後、給水残量の給水を終えた時点で給水を停止するのである。なお、給水残量がゼロないしはほぼゼロとなっている場合においては、例外的に、メモリ部に記憶された設定給水量の給水を行うようにしても良い。
【0034】
しかしながら、実際の使用状況下においては、設定給水量の給水を優先的に行う設定にあって、給水残量の給水を行いたい場合や、給水残量の給水を優先的に行う設定にあって、設定給水量の給水を行いたい場合もあり、このような場合、その都度、設定を変更する必要が生じる。
【0035】
そして、このような設定に反する給水を行う前に毎回設定を変更する作業も、一般的に煩雑であるといえる。
【0036】
そこで、本発明の給水制御機構においては、このような設定に反する給水を行いた場合には、その旨を給水制御機構に伝達して、任意の給水を行えるようにすることが好ましい。
【0037】
即ち、メモリ部に記憶された設定給水量の給水を優先的に行う設定にあって、給水残量の給水を行いたい場合には、メモリ部、又は他のメモリ部に記憶された給水残量を把握できる情報から導き出される給水残量の給水を行う別の命令を受けて、当該給水残量の給水を行うようにすれば良いのである。
【0038】
一方、メモリ部、又は他のメモリ部に記憶された給水残量を把握できる情報から導き出される給水残量の給水を優先的に行う設定にあって、設定給水量の給水を行いたい場合には、メモリ部に記憶された設定給水量の給水を行う別の命令を受けて、当該設定給水量の給水を行うようにすれば良いのである。
【0039】
なお、これら設定に反する給水を行いたい旨の命令を与える手段としては、特に限定されるものではないが、簡単な作業により行えるようにすることが好ましい。具体的に例えば、給水/止水の命令を与える指示部とは別に設定に反する給水を行いたい旨の命令を与える他の指示部を設けたり、給水/止水の命令を与えるスイッチなどの指示部を複数回連続で押したり、数秒間押し続けたりすることなど、通常の操作とは異なる指示部への操作により、係る命令が与えられるようする方法などを挙げることができる。
【0040】
次に、本発明の給水装置について詳細に説明する。
【0041】
本発明の給水装置は、前記本発明の給水制御機構を備えたことを特徴とするものである。
【0042】
即ち、本発明の給水装置は、前記本発明の給水制御機構を備えているから、一時的に給水を中断する必要が生じて止水した場合にあっても、必要な給水残量や給水時間を簡単に把握することができ、その結果、その後の追加的な給水作業等を容易に行うことが可能になるのである。
【0043】
なお、本発明の給水装置のその余については、前記本発明の給水制御機構において説明したものと同様であることから、繰り返しを避けるべく、ここでは説明を省略する。
【発明の効果】
【0044】
本発明は、前記構成を有し、一時的に給水を停止しても、必要な給水残量や給水時間を簡単に把握することができる新規な給水制御機構及び給水装置である。
【0045】
即ち、本発明の給水制御機構は、給水命令後、設定給水量に達する前に、止水命令を受けて止水した場合に、残りの給水量、又は給水時間を把握できる情報を前記メモリ部、又は他のメモリ部に記憶する機能が付与されたものであり、このような機能が付与されているから、給水命令後、前記設定給水量に達する前に一時的に給水を中断する必要が生じて止水した場合にあっても、給水残量を簡単に把握することができ、その結果、その後の追加的な給水作業等を容易に行うことが可能になるのである。
【0046】
又、本発明の給水装置は、前記本発明の給水制御機構を備えているから、一時的に給水を中断する必要が生じて止水した場合にあっても、必要な給水残量や給水時間を簡単に把握することができ、その結果、その後の追加的な給水作業等を容易に行うことが可能になるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明の給水制御装置及びこの給水制御機構を備えてなる本発明の給水装置を実施するための最良の形態を説明する。但し、本発明はこの形態に限定されるものではない。
【実施例1】
【0048】
図1は、本発明の給水制御機構を備えた本発明の給水装置1を示す模式図であり、この給水装置1は、給水装置1内に導入した原水を該装置内のイオン交換樹脂(図示せず。)に接触させて軟水化し、生成した軟水を給水末端2から吐水する軟水化機能を備えてなるものである。
【0049】
図2は、この給水装置1に備えられる本発明の給水制御機構における制御システムを示すフローチャートである。
【0050】
このフローチャートを追って説明すると、まず、システムをリセットしたスタート状態のとき、表示部4にデフォルト設定が点灯表示される。この状態で、使用者が設定ボタン5(5a、5b)を操作することにより設定給水量が決定される。決定された設定給水量は、給水装置1に備えられた給水制御機構におけるメモリ部に記憶される。なお、係る設定給水量は、表示部4において点灯表示され、一定時間経過した後に自動的に消灯する。
【0051】
次に、止水状態のときに使用者が給水/止水ボタン3を押すと、これが給水命令となり、給水装置1内の電磁弁(図示せず。)に開通電が与えられて給水が開始される。
この際、メモリ部に記憶されている給水残量は消去され、設定給水量の給水となる。
【0052】
又、給水命令を受けて、表示部4においては設定給水量が点滅表示されるが、所定時間経過後は、現段階の給水残量が経時的に点灯表示される。
【0053】
そして、給水開始後、途中で止水命令を受けることなく設定給水量に至った場合、自動的に電磁弁に閉通電が与えられて止水する。即ち、この給水装置1に備えられた給水制御機構には、給水命令後、設定給水量に至った段階で自動的に止水する制御部が付与されているのである。
【0054】
一方、給水開始後、設定給水量又は給水残量に至る前に給水を停止する必要が生じた場合には、使用者が給水/止水ボタン3を押すことにより、電磁弁に閉通電が与えられて止水する。
【0055】
この場合、止水した段階における給水残量が、表示部4において点滅表示されると共に、メモリ部に記憶される。
【0056】
即ち、この給水装置1は、給水命令を受けた場合、設定給水量を優先して給水を行うモード設定となっているが、給水命令後、設定給水量に達する前に止水した場合に、給水残量をメモリ部に記憶すると共に表示部4に点滅表示することから、一時的に給水を中断する必要が生じて止水した場合にあっても、残りの必要な給水残量を簡単に把握することができるのである。
【実施例2】
【0057】
図3は、本発明の給水装置1に備えられる本発明の他の給水制御機構における制御システムを示すフローチャートである。
【0058】
このフローチャートを追って説明すると、まず、システムをリセットしたスタート状態のとき、表示部4にデフォルト設定が点灯表示される。この状態で、使用者が設定ボタン5(5a、5b)を操作することにより設定給水量が決定される。決定された設定給水量は、給水装置1に備えられた給水制御機構におけるメモリ部に記憶される。なお、係る設定給水量は、表示部4において点灯表示され、一定時間経過した後に自動的に消灯する。
【0059】
次に、止水状態のときに使用者が給水/止水ボタン3を押すと、給水装置1内の電磁弁に開通電が与えられて給水が開始される。ここで、通常のボタン操作であれば、メモリ部に記憶されている給水残量が消去されると共に、設定給水量を基準とした給水量のカウントが開始される。
【0060】
一方、3秒間以上給水/止水ボタン3が連続的に押された場合には、給水装置1内の電磁弁に開通電が与えられて給水が開始されると共に、メモリ部に記憶されている給水残量を基準とした給水量のカウントが開始される。
【0061】
なお、いずれの場合においても、表示部4においては設定給水量又は給水残量が点滅表示され、所定時間経過後、現段階の給水残量が経時的に点滅表示される。
【0062】
そして、給水開始後、設定給水量又は給水残量に至った場合、自動的に電磁弁に閉通電が与えられて止水する。即ち、この給水装置1に備えられた給水制御機構には、給水命令後、設定給水量又は給水残量に至った段階で自動的に止水する制御部が付与されているのである。
【0063】
一方、給水開始後、設定給水量又は給水残量に至る前に給水を停止する必要が生じた場合には、使用者が給水/止水ボタン3を押すことにより、電磁弁に閉通電が与えられて止水する。
【0064】
この場合、止水した段階における給水残量が、表示部4において点滅表示されると共に、メモリ部に記憶される。
【0065】
即ち、この給水装置1は、給水命令を受けた場合、設定給水量を優先して給水を行うモード設定となっているが、給水命令後、設定給水量に達する前に、止水命令を受けて止水した場合に給水残量をメモリ部に記憶しており、又、3秒間以上給水/止水ボタン3が連続的に押された場合、メモリ部に記憶されている給水残量の給水となるから、一時的に給水を中断する必要が生じて止水した場合にあっても、その後の追加的な給水作業を容易に行うことが可能になるのである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本発明の給水制御機構を備えてなる本発明の給水装置の一例を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明の給水制御機構における制御システムの一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の給水制御機構における制御システムの他の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1 給水装置
2 給水末端
3 給水/止水ボタン
4 表示部
5 設定ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水/止水命令を受けて、給水/止水を行う給水装置における給水制御機構であって、該制御機構は、少なくとも、
任意に設定された給水量、又は給水時間を記憶するメモリ部、
及び、給水命令後、前記設定された給水量、又は給水時間に達すると給水を停止する制御部を有し、
特に、給水命令後、前記設定された給水量、又は給水時間に達する前に、止水命令を受けて止水した場合には、残りの給水量、又は給水時間を把握できる情報を前記メモリ部、又は他のメモリ部に記憶することを特徴とする給水制御機構。
【請求項2】
再度給水命令を受けた場合、任意に設定された給水量、又は給水時間を優先して給水を行う請求項1に記載の給水制御機構。
【請求項3】
残りの給水量、又は給水時間の給水を行う別の命令が与えられた場合、当該残りの給水量、又は給水時間の給水を行う請求項2に記載の給水制御機構。
【請求項4】
再度給水命令を受けた場合、残りの給水量、又は給水時間を優先的して給水を行う請求項1に記載の給水制御機構。
【請求項5】
任意に設定された給水量、又は給水時間の給水を行う別の命令が与えられた場合、当該設定された給水量、又は給水時間の給水を行う請求項4に記載の給水制御機構。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の給水制御機構を備えてなることを特徴とする給水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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