説明

給油情報提供装置

【課題】カーナビゲーションを使用することなく、携帯端末を使用して自動車燃料販売店情報を収集する。
【解決手段】携帯端末5を使用して通信基地局1から自動車燃料販売店2、3、4の自動車燃料販売店情報を取得する給油情報提供装置100は、携帯端末5は、携帯端末5の現在地と自動車燃料販売店情報に関する情報取得範囲11、14とを送信し、通信基地局1に自動車燃料販売店の情報の取得を要求する情報取得要求を無線で送信する手段を有する。また、通信基地局1側に設置され携帯端末5からの情報取得要求に従って、携帯端末5が指定した情報取得範囲11、14内の自動車燃料販売店情報を収集し、携帯端末5に送信するサーバ6を有する。そして、サーバ6から送信された自動車燃料販売店情報を携帯端末5内のディスプレイ5aに表示する携帯端末5の表示手段S9を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車燃料販売店の営業時間、及び料金等の様々な自動車燃料販売店情報を携帯端末を使用して提供する給油情報提供装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1の給油指示装置が知られている。これは、 複数の販売店の燃料価格、燃料残量や燃費予測、予定走行ルート等を考慮して、最適な給油手法を運転者に通知する給油指示装置を提供するものである。
【0003】
そのために特許文献1では、 運転者が車両に搭載されたナビゲーションユニットに目的地を指定すると、ナビゲーションユニットは、走行ルート上の自動車燃料販売店の位置・価格・営業時間等の情報を、基地局を介してサーバから取得する。同時に、車両の燃料状態を検知する。
【0004】
そして、走行ルート上の次の自動車燃料販売店の燃料価格が最安値か、次の自動車燃料販売店からの満タン航続距離内に最安値の自動車燃料販売店が存在するか、あるいは、次の自動車燃料販売店で給油しない場合の実航続距離内に最安値の自動車燃料販売店が存在するか、あるいは、目的地までの間に最安値の自動車燃料販売店が存在するか等の各条件を判断する。その結果、次の自動車燃料販売店での給油の必要性の有無と予定給油量とを指示している。
【0005】
また、特許文献2の給油指示装置が知られている。これは、給油所の燃料代単価についての情報を、利用者による入力操作を介さずに収集し提示できる経路案内装置に関するものである。
【0006】
この特許文献2においては、携帯電話・PHS情報取込み部やビーコン情報取込み部から取り込んだ全国の自動車燃料販売店の燃料代単価と、その自動車燃料販売店の位置情報などを含むコンテンツを収集している。また、経路判定手段により判定された経路上の自動車燃料販売店の位置、及びその自動車燃料販売店で販売している燃料の燃料代単価を表示するようにしている。
【0007】
また、特許文献3として、携帯電話等の移動端末に対して、その端末位置、及びその場の状況等を、ユーザの目的に応じて情報配信するシステムにおいて、アクセス制限のために参照する条件として、端末位置だけでなく天気、水温、気温などの気象・海象条件を参照して、海上安全情報やその配信態様を決定して海上安全情報を配信するシステムを提供するものが知られている。
【0008】
この特許文献3では、沿海エリアを航行している船舶には、GPS(Global Positioning System)機能とブラウザ機能を備えた携帯電話を所持したユーザが乗船している。海岸エリアには無線基地局が設置されている。そして、無線基地局と携帯電話とは無線通信接続が可能である。携帯電話網を含む通信網には、無線基地局、沿海・海岸情報センター、及び情報サイトが接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−294458号公報
【特許文献2】特開2002−195843号公報
【特許文献3】特開2005−101992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1及び特許文献2に記載の公知技術は、カーナビゲーションシステムを利用して、自動車燃料販売店の情報を運転者に提供するシステムである。そして、走行経路との関係で自動車燃料販売店の位置を探索するものであるが、カーナビゲーションシステムを装着していない車両では本サービスは利用することができないという問題がある。
【0011】
また、特許文献3の携帯電話は、もっぱら海上交通のためのもので、陸上の道路を走行する車両のための自動車燃料販売店情報つまり給油情報を収集することは出来ない。
【0012】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、カーナビゲーションシステムを使用することなく、携帯端末を使用して自動車燃料販売店情報を収集することの出来る給油情報提供装置を得ることにある。
【0013】
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、通信基地局と無線で通信を行なう携帯端末を使用して通信基地局から自動車燃料販売店の自動車燃料販売店情報を取得する給油情報提供装置であって、携帯端末の現在地と自動車燃料販売店情報を取得する範囲である情報取得範囲とを携帯端末から通信基地局に送信することにより、通信基地局に自動車燃料販売店の情報の取得を要求する携帯端末の送信手段、通信基地局側に設置され送信手段からの要求に従って、送信手段から指定された情報取得範囲内の自動車燃料販売店情報を取得し、携帯端末に送信する制御手段、及び制御手段から送信された自動車燃料販売店情報を携帯端末のディスプレイに表示する携帯端末の表示手段を備えたことを特徴としている。
【0015】
この発明によれば、携帯端末の現在地と自動車燃料販売店情報に関する情報取得範囲とを携帯端末から通信基地局に送信することにより、通信基地局に自動車燃料販売店の情報の取得を要求する携帯端末の送信手段、通信基地局側に設置され送信手段からの要求に従って、送信手段から指定された情報取得範囲内の自動車燃料販売店情報を取得し、携帯端末に送信する制御手段、及び制御手段から送信された自動車燃料販売店情報を携帯端末のディスプレイに表示するから、この種の情報提供サービスに対応するナビゲーションシステムが備えられていなくても、一般的に普及している携帯端末を使用して、自動車燃料販売店情報の取得が可能である。よって、燃料残量が少なくなったときに、いかなる場所においても、携帯端末から所望の自動車燃料販売店情報を取得することができる。また、携帯端末側から情報取得範囲を指定しているから携帯端末での表示、及び携帯端末を操作するものの意向に見合った情報が得られる。
【0016】
請求項2に記載の発明では、送信手段から現在地と情報取得範囲とを送信するときに、通信基地局側にて情報検索するときの検索の優先順位をあわせて送信し、該検索の優先順位は、自動車燃料の料金に関するもの、現在地から自動車燃料販売店までの距離に関するもの、及び自動車燃料販売店の営業時間に関するものの少なくともいずれかであることを特徴としている。
【0017】
この発明によれば、検索の優先順位を送信し、該検索の優先順位は、自動車燃料の料金に関するもの、現在地から自動車燃料販売店までの距離に関するもの、及び自動車燃料販売店の営業時間に関するものの少なくともいずれかであるから、携帯端末を操作して得たい情報の種類を特定でき、ディスプレイの大きさが比較的小さい携帯端末においても必要な情報を優先して取得できる。
【0018】
請求項3に記載の発明では、検索の優先順位が、自動車燃料の料金に関するものであり、通信基地局が取得した自動車燃料販売店情報を料金の安い順番に並び替えて通信基地局から携帯端末に送信することを特徴としている。
【0019】
この発明によれば、自動車燃料販売店情報を料金の安い順番に並び替えてから携帯端末に送信するから、携帯端末側での操作を行ない易くすることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明では、検索の優先順位が、現在地から自動車燃料販売店までの距離に関するものであり、通信基地局が取得した自動車燃料販売店情報を、現在地までの距離が近い順に並び替えて通信基地局から携帯端末に送信することを特徴としている。
【0021】
この発明によれば、現在地までの距離が近い順に並び替えてから携帯端末に送信するから、携帯端末側での操作を行ない易くすることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明では、検索の優先順位が、自動車燃料販売店の営業時間に関するものであり、通信基地局が受信した自動車燃料販売店情報を、営業時間が長い順に並び替えて通信基地局から携帯端末に送信することを特徴としている。
【0023】
この発明によれば、営業時間が長い順に並び替えてから携帯端末に送信するから、携帯端末側での操作を行ない易くすることができる。
【0024】
請求項6に記載の発明では、送信手段は、自動車燃料販売店情報の取得対象となる情報取得範囲を特定するエリア情報を通信基地局に送信し、通信基地局側の制御手段は、エリア情報に従って、取得する自動車燃料販売店情報を絞込むことを特徴としている。
【0025】
この発明によれば、送信手段は、自動車燃料販売店情報の取得対象となる情報取得範囲を特定するエリア情報を通信基地局に送信し、通信基地局側の制御手段は、エリア情報に従って、取得する自動車燃料販売店情報を絞込むから、表示画面が小さい携帯端末で表示し易い情報が得られる。
【0026】
請求項7に記載の発明では、エリア情報は、現在地から所定半径の範囲、または現在地から指定された方位の範囲であることを特徴としている。
【0027】
この発明によれば、エリア情報は、現在地から所定半径の範囲、または現在地から指定された方位の範囲であるから、携帯端末を操作する自動車の運転者が位置する場所等に対応して取得する情報を選別することができ、表示画面が小さい携帯端末で表示し易い絞り込んだ情報が得られる。
【0028】
請求項8に記載の発明では、送信手段は、情報取得範囲とともに携帯端末から通信基地局に自動車燃料販売店の営業時間に関する絞込み情報を通信基地局へ送信し、通信基地局側に設置された制御手段は、送信手段から送信された絞込み情報に基づいて、指定の時点において営業している自動車燃料販売店に関する自動車燃料販売店情報を絞り込み、携帯端末に送信することを特徴としている。
【0029】
この発明によれば、送信手段は、情報取得範囲とともに携帯端末から通信基地局に自動車燃料販売店の営業時間に関する絞込み情報を通信基地局へ送信し、通信基地局側に設置された制御手段は、送信手段から送信された絞込み情報に基づいて、指定の時点において営業している自動車燃料販売店に関する自動車燃料販売店情報を絞り込み、携帯端末に送信するから、自動車を運転していないときにおいても、手元の携帯端末から、指定の時点において営業している自動車燃料販売情報を、容易に取得することができる。
【0030】
請求項9に記載の発明では、制御手段から送信された自動車燃料販売店情報を携帯端末内のディスプレイに表示し、かつ、表示された自動車燃料販売店に対して携帯端末から電子メールを送信する手段を有し、該電子メールを受け取った自動車燃料販売店の自動返信電子メールで個別自動車燃料販売店情報を携帯端末のディスプレイに表示することを特徴としている。
【0031】
この発明によれば、制御手段から送信された自動車燃料販売店情報を携帯端末内のディスプレイに表示し、かつ、表示された自動車燃料販売店に対して携帯端末から電子メールを送信する手段を有し、該電子メールを受け取った自動車燃料販売店の自動返信電子メールで個別自動車燃料販売店情報を携帯端末のディスプレイに表示するから、更に詳細な個別自動車燃料販売店情報、またはサービスの提供を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態における給油情報提供装置のシステム構成図である。
【図2】図1に示した給油情報提供装置全体の基本的な処理フローを示すフローチャートである。
【図3】上記実施形態における携帯端末を給油情報提供装置に係るネットワークに接続したときに表れた画像を示す携帯端末のディスプレイにおける模式画像図である。
【図4】上記実施形態において、携帯端末の現在地からどのエリアの自動車燃料販売店の情報を収集するかの入力を行なうときの画像を示す携帯端末のディスプレイにおける模式画像図である。
【図5】上記実施形態において、携帯端末で検索の優先順位を通信基地局に通報する携帯端末のディスプレイにおける模式画像図である。
【図6】上記実施形態において、携帯端末で検索すべき情報の優先順位を選択した後の、更に情報を絞込むための情報を通信基地局に通報する携帯端末のディスプレイにおける模式画像図である。
【図7】上記実施形態において、携帯端末で指示した検索の優先順位に従って通信基地局から通報された自動車燃料販売店のリストアップ画像を示す携帯端末のディスプレイにおける模式画像図である。
【図8】上記実施形態において、通信基地局から通報された自動車燃料販売店の詳細自動車燃料販売店情報の画像例を示す携帯端末のディスプレイにおける模式画像図である。
【図9】上記実施形態における通信基地局から通報された自動車燃料販売店からの返信電子メールの内容を示す携帯端末のディスプレイにおける模式画像図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(一実施形態)
以下、本発明の一実施形態について図1ないし図9を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の給油情報提供装置100の一実施形態を示す構成図である。図1において、通信基地局1は複数の近隣の自動車燃料販売店2、3、4と無線で情報交換している。
【0034】
携帯電話から成る特に携帯端末5は、その携帯端末5の位置を少なくとも通信基地局1との関係で取得する周知の位置情報取得機能を有する。また通信基地局1内には、本件給油情報提供装置に係るサーバの情報端末6が備えられている。このサーバの情報端末6は周辺の自動車燃料販売店2、3、4の情報を収集し、携帯端末5に送信する制御手段を成している。
【0035】
この制御手段を成す情報端末6は、近隣の自動車燃料販売店2、3、4からの情報を収集し、表示している。なお、図1において通信基地局1は実際には多数存在するが模式的に1つだけを図示している。また、携帯端末5は、全画面表示のディスプレイ5aを有し、タッチスイッチ5bで操作するものを以下において説明する。
【0036】
図2は、図1に示した給油情報提供装置全体の基本的な処理フローを示すフローチャートである。図2において、制御が開始されると、ステップS1において、自動車の運転者は、携帯端末5のWebメニューから、自動車燃料販売店2、3、4の情報を選択する。このときに、携帯端末5の現在地点、情報取得範囲、検索の優先順位の情報も通信基地局1に送信する。
【0037】
ステップS2において、通信基地局1は、受信した現在地点、情報取得範囲、及び検索の優先順位から検索対象となる自動車燃料販売店2、3、4の検索を実行し、その自動車燃料販売店2、3、4に自動車燃料販売店情報を要求する。次に、ステップS3において、通信基地局1から自動車燃料販売店情報を要求された自動車燃料販売店2、3、4は営業時間、ガソリン価格等の情報を通信基地局1に応答する。
【0038】
次にステップS4において、自動車の運転者から要求された検索の優先順位に応じた処理を実行する。すなわち、検索の優先順位が現在地から自動車燃料販売店2、3、4までの距離である場合は、ステップS5において、受信した自動車燃料販売店情報を、現在地までの距離が近い順に並び替える。
【0039】
検索の優先順位が自動車燃料の料金(価格)である場合は、ステップS6において、受信した自動車燃料販売店情報を料金の安い順番に並び替える。また、検索の優先順位が自動車燃料販売店2、3、4の営業時間の場合は、ステップS7において、受信した自動車燃料販売店情報を営業時間が長い順に並び替える。
【0040】
次に、ステップS8において、通信基地局1は並び替えた自動車燃料販売店情報を携帯端末5に送信する。そして、ステップS9において、携帯端末5は受信した自動車燃料販売店情報を自身のディスプレイ5a(図1)に表示する。すなわちステップS9は、携帯端末5の表示手段の一部を構成している。
【0041】
以下、更に具体的に、携帯端末5のディスプレイ5aの表示例を説明しながら、上記各ステップS1〜S9を更に詳細に説明する。
(ステップS1)
自動車の運転者は、携帯端末5のWeb機能を利用して、自動車燃料販売店2、3、4の情報を通信基地局1に、図3の携帯端末5のディスプレイ5aによって要求する。つまり、図3は、携帯端末5を給油情報提供装置100(図1)に係るネットワークに接続したときに表れた画像を示す携帯端末5のディスプレイ5aにおける模式画像図である。
【0042】
この図3の画面上のYESタッチスイッチ5cの操作によって、携帯端末5の現在地情報を携帯端末が取得して、通信基地局1内の給油情報提供装置を統括する情報端末6を持つサーバに、取得した現時地情報を送信し、自動車燃料販売店情報を入手したい旨を通告する。
【0043】
なお、携帯端末5の現在地の位置情報は、携帯端末5からの送信電波を利用した携帯端末5の周知の位置検索機能を用いてもGPS(Global Positioning System)情報を用いてもよい。これらの位置検索機能の例として、特許第3478257号公報、及び特許第3779017号公報を利用することもできる。
【0044】
また、図3の画面上のYESタッチスイッチ5cを押すと、エリア情報11(図4)の画面に切り替わる。図4は、携帯端末5の現在地からどのエリアの自動車燃料販売店2、3、4の情報を収集するかのエリア情報11の入力を行なうときの画像を示す携帯端末5のディスプレイ5aにおける模式画像図である。図4の例では、現在地から半径5kmの範囲内の自動車燃料販売店2、3、4の自動車販売店情報の収集を要求するエリア情報11から成る空間的な情報取得範囲を入力している。
【0045】
このように、エリア情報11から成る情報取得範囲は、携帯端末5のディスプレイ5aに表示された現在位置を中心とした半径の中から最適な半径を選択する。または、現在位置からの方位12を選択する。この方位12は東・西・南・北の4方向を基準として、周角を8等分したものであり、方位ボタン5dをタッチすることで選択できる。
【0046】
例えば図4のようなディスプレイ5aの表示画面の中から東・西・南・北・北東・南東・北西・南西の8方向のいずれか一つの方位ボタン5dを選択すると、概略選択された方位12の10km先までの自動車燃料販売店2、3、4の情報を取得したい旨の要求情報、すなわち情報取得範囲として通信基地局1内の情報端末6を持つサーバによって受信される。
(ステップS2)
上述のように、通信基地局1は受信した現在地点、エリア情報11から成る情報取得範囲の要求から、検索対象となる自動車燃料販売店2、3、4を検索し、検索された自動車燃料販売店2、3、4に自動車燃料販売店情報を要求する。これらの処理は、通信基地局1内の本件装置に係るサーバ内のプログラムで実行される。
(ステップS3)
次に、図2のステップS3において、通信基地局1から自動車燃料販売店情報を要求された自動車燃料販売店2、3、4は、営業時間、ガソリン価格などの情報を通信基地局1に応答する。
(ステップS4、S5、S6、S7)
図4の画面での操作の後に、自動的に、図5の画面に切り替わる。図5は、携帯端末5で検索の優先順位を通信基地局1に通報するディスプレイ5aの画像を示す模式画像図である。この図5の画面において、1.の距離を選択すると、図2のステップS5の処理が実行される。2.の料金を選択すると、図2のステップS6の処理が実行される。3.の営業時間を選択すると、図2のステップS7の処理が実行される。
【0047】
今営業中の自動車燃料販売店2、3、4のみを情報収集する等の絞込みを行なうときは、図5の1.2.3のいずれかを選択した後に絞込みボタン5eを押す。これにより、図6の各種の絞込み情報14を羅列した画面に切り替わる。この絞込み情報14は時間的な情報取得範囲を示している。よって、情報取得範囲は、空間的な情報取得範囲としての上記エリア情報11(図4)と、時間的な情報取得範囲としての上記絞込み情報14(図6)とから成る。
【0048】
今、現時点で営業しているものをリストアップするだけでは、明日の朝において自動車燃料販売店2、3、4で給油したい場合に対応できない等の問題がある。この図6は、携帯端末5で検索の優先順位を選択した後に更に絞込みたいときに絞込み情報を通信基地局1に通報する画像を示す携帯端末5のディスプレイ5aにおける模式画像図である。
【0049】
図6において、収集する自動車燃料販売店情報の優先アイテム(1.)を選択したときは、今時点から60分まで営業中の自動車燃料販売店の情報を収集するよう通信基地局1のサーバに依頼する。
【0050】
図6において、収集する自動車燃料販売店情報の優先アイテム(2.)を選択したときは、明日の朝8時までにおいて営業中の自動車燃料販売店2、3、4の情報収集を依頼する。図6において、収集する自動車燃料販売店情報の優先アイテム(3.)を選択したときは、今夜24時まで営業中の自動車燃料販売店情報の収集を依頼する。
【0051】
図6において、収集する自動車燃料販売店情報の優先アイテム(4.)を選択したときは、今週土曜日営業中の自動車燃料販売店情報の収集を依頼する。図6において、収集する自動車燃料販売店情報の優先アイテム(5.)を選択したときは、今週日曜日営業中の自動車燃料販売店情報の収集を依頼する。
(ステップS8、S9)
次に、図2のステップS8において、通信基地局1は並び替えた自動車燃料販売店情報を携帯端末5に送信し、ステップS9において、図7の画面のように携帯端末5で指示した検索の優先順位の順に自動車販売店情報10を並び替えて表示する。
【0052】
ここで図7は、携帯端末5で指示した検索の優先順位にしたがって通信基地局1から通報された自動車燃料販売店2、3、4のリストアップ画像を示す携帯端末5のディスプレイ5aにおける模式画像図である。
【0053】
この図7にリストアップされた自動車燃料販売店2、3、4の名称を名称タッチスイッチ5fで選択すると、リストアップされた店の中から好ましい店を更に選択して、その店の詳細自動車燃料販売店情報を得ることが出来る。
【0054】
その店の営業時間等の情報は詳細自動車燃料販売店情報から閲覧する。詳細自動車燃料販売店情報としては、店の名前、住所、電話番号、地図、ガソリン単価、営業時間、休日情報、その店の得点等である。
【0055】
つまり、名称タッチスイッチ5fの操作により、携帯端末5は詳細自動車燃料販売店情報を通信基地局1から受信して携帯端末5のディスプレイ5aに図8のように表示する。ここにおいて、図8は、通信基地局1から通報された自動車燃料販売店2、3、4の詳細自動車燃料販売店情報の画像例を示す携帯端末5のディスプレイ5aにおける模式画像図である。
【0056】
図8のように、詳細自動車燃料販売店情報には、その自動車燃料販売店2、3、4の所在地を表す地図5g、現在の自動車燃料の料金5h、営業時間、休日情報等が表示される。また、「戻る」と表示された戻りタッチスイッチ5c1を押すと、再び図7のリストが表示される。なお、地図5g中に現在地の情報を表示させてもよい。
【0057】
図9は、通信基地局1から通報された自動車燃料販売店からの返信電子メール15の内容(個別自動車燃料販売店情報)を示す携帯端末5のディスプレイ5aにおける模式画像図である。図8において、「詳細情報を電子メールで受け取る」と記入された電子メールタッチスイッチ5c2を押すと、図9のように、先方の自動車燃料販売店2、3、4から自動返信電子メールが届き、通信基地局1のサーバが関与しないイベント情報などの更に詳細な個別自動車燃料販売店情報が電子メールで受信できる。また、電子メールタッチスイッチ5c2によりワンタッチでメールを送信することが出来る。
【0058】
また、この自動返信電子メールに保存された画面を給油時に見せることで会員サービスが受けられる。図8の電子メールタッチスイッチ5c2は、自動車燃料販売店2、3、4に対して携帯端末5から電子メールを送信する手段を構成する。16は、二次元バーコードであり、セルフサービスの給油所等、無人の場合に機械に読み取らせて会員サービスを受ける時に使用する。
【0059】
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の実施形態では、タッチスイッチを用いて操作する全画面の携帯端末5を示したが、図1の通常の押しボタン5b1で操作する小型ディスプレイ5a1付の携帯端末51を使用するようにしてもよい。
【0060】
上述の実施形態において、検索の優先順位は、自動車燃料の料金に関するもの、現在地から自動車燃料販売店までの距離に関するもの、及び自動車燃料販売店の営業時間に関するものの少なくともいずれかとしたが、これらをアンド条件で組み合わせたものを検索の優先順位としてもよい。この場合は、例えば料金が所定範囲内の安いものであって、しかも、比較的近距離の自動車燃料販売店を知ることが出来る。
【0061】
また、上記一実施形態では、エリア情報11から空間的な情報取得範囲と共に絞込み情報14から時間的な情報取得範囲を携帯端末5の送信手段から送信したが、エリア情報は通信基地局1側で選択することとし、絞り込み情報からの時間的な情報取得範囲のみと現在地を携帯端末5の送信手段から送信するようにしてもよい。
【0062】
この場合、通信基地局1側のサーバは、現在地から予め定めた所定半径の中から該当する自動車燃料販売店2、3、4を検索する。この所定半径は、現在地を含む地域に応じて変えてもよい。また、所定数の自動車燃料販売店2、3、4が検索されるまで、所定半径を拡大してもよい。
【0063】
また、通信基地局1側の制御手段を成すサーバ及びその情報端末6は、通信基地局1内に無くてもよく、通信基地局1と通信可能な管理センター内にあってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 通信基地局
2、3、4 自動車燃料販売店
5、51 携帯端末
5a 携帯端末の全画面表示のディスプレイ
5a1 携帯端末の小型ディスプレイ
5b タッチスイッチ
5b1 押しボタンスイッチ
5c YESタッチスイッチ
5c1 戻りタッチスイッチ
5c2 携帯端末から電子メールする手段となる電子メールタッチスイッチ
5d 方位ボタン
5e 絞込みボタン
5f 名称タッチスイッチ
5g 詳細自動車燃料販売店情報を成す地図
5h 詳細自動車燃料販売店情報を成す現在の自動車燃料の料金
6 通信基地局側の制御手段を成すサーバの情報端末
10 自動車販売店情報
11、14 情報取得範囲としてのエリア情報11、及び絞込み情報14
12 現在地から指定した方位
15 自動車燃料販売店からの返信電子メールの内容(個別自動車燃料販売店情報)
16 二次元バーコード
100 給油情報提供装置
S1 情報取得要求を無線で送信する手段
S9 携帯端末の表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信基地局と無線で通信を行なう携帯端末を使用して前記通信基地局から自動車燃料販売店の自動車燃料販売店情報を取得する給油情報提供装置であって、
前記携帯端末の現在地と前記自動車燃料販売店情報を取得する範囲である情報取得範囲とを前記携帯端末から前記通信基地局に送信することにより、前記通信基地局に前記自動車燃料販売店の情報の取得を要求する前記携帯端末の送信手段、
前記通信基地局側に設置され前記送信手段からの前記要求に従って、前記送信手段から指定された前記情報取得範囲内の前記自動車燃料販売店情報を取得し、前記携帯端末に送信する制御手段、及び
前記制御手段から送信された前記自動車燃料販売店情報を前記携帯端末のディスプレイに表示する前記携帯端末の表示手段を備えたことを特徴とする給油情報提供装置。
【請求項2】
前記送信手段から前記現在地と前記情報取得範囲とを送信するときに、前記通信基地局側にて情報検索するときの検索の優先順位をあわせて送信し、
該検索の優先順位は、自動車燃料の料金に関するもの、前記現在地から前記自動車燃料販売店までの距離に関するもの、及び前記自動車燃料販売店の営業時間に関するものの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の給油情報提供装置。
【請求項3】
前記検索の優先順位が、前記自動車燃料の前記料金に関するものであり、前記通信基地局が取得した前記自動車燃料販売店情報を前記料金の安い順番に並び替えて前記通信基地局から前記携帯端末に送信することを特徴とする請求項2に記載の給油情報提供装置。
【請求項4】
前記検索の優先順位が、前記現在地から前記自動車燃料販売店までの前記距離に関するものであり、前記通信基地局が取得した前記自動車燃料販売店情報を、前記現在地までの前記距離が近い順に並び替えて前記通信基地局から前記携帯端末に送信することを特徴とする請求項2に記載の給油情報提供装置。
【請求項5】
前記検索の優先順位が、前記自動車燃料販売店の前記営業時間に関するものであり、前記通信基地局が受信した自動車燃料販売店情報を、前記営業時間が長い順に並び替えて前記通信基地局から前記携帯端末に送信することを特徴とする請求項2に記載の給油情報提供装置。
【請求項6】
前記送信手段は、前記自動車燃料販売店情報の取得対象となる前記情報取得範囲を特定するエリア情報を前記通信基地局に送信し、
前記通信基地局側の前記制御手段は、前記エリア情報に従って、取得する自動車燃料販売店情報を絞込むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の給油情報提供装置。
【請求項7】
前記エリア情報は、前記現在地から所定半径の範囲、または前記現在地から指定された方位の範囲であることを特徴とする請求項6に記載の給油情報提供装置。
【請求項8】
送信手段は、前記情報取得範囲として前記携帯端末から前記通信基地局に前記自動車燃料販売店の営業時間に関する絞込み情報を前記通信基地局へ送信し、
前記通信基地局側に設置された前記制御手段は、送信手段から送信された前記絞込み情報に基づいて、指定の時点において営業している前記自動車燃料販売店に関する前記自動車燃料販売店情報を絞り込み、前記携帯端末に送信することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の給油情報提供装置。
【請求項9】
前記制御手段から送信された前記自動車燃料販売店情報を前記携帯端末内の前記ディスプレイに表示し、かつ、表示された前記自動車燃料販売店に対して前記携帯端末から電子メールを送信する手段を有し、該電子メールを受け取った前記自動車燃料販売店の自動返信電子メールで個別自動車燃料販売店情報を前記携帯端末の前記ディスプレイに表示することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の給油情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−259315(P2011−259315A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133314(P2010−133314)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】