給湯システム用排熱回収装置
【課題】 使用済みの温水と給水源からの水との間で効率的に熱交換させることができる上に、使用済みの温水の流通に伴って付着したスケールを物理的に除去することのできる給湯システム用排熱回収装置を提供する。
【解決装置】 給水システム用排熱回収装置は、所定の間隔をあけて配置された複数の伝熱カセットと、隣り合う伝熱カセット同士を連結する複数の連結部と、前記複数の伝熱カセットの並ぶ並列方向の最も一端側にある伝熱カセットに接続され、一次側給水配管が接続可能に構成された一次側接続部と、前記複数の伝熱カセットの並ぶ並列方向の最も他端側にある伝熱カセットに接続され、二次側給水配管が接続可能に構成された二次側接続部とを備えた一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体は、少なくとも伝熱カセットが他方の熱回収体の伝熱カセットに対して相対的に位置変更可能に構成される。
【解決装置】 給水システム用排熱回収装置は、所定の間隔をあけて配置された複数の伝熱カセットと、隣り合う伝熱カセット同士を連結する複数の連結部と、前記複数の伝熱カセットの並ぶ並列方向の最も一端側にある伝熱カセットに接続され、一次側給水配管が接続可能に構成された一次側接続部と、前記複数の伝熱カセットの並ぶ並列方向の最も他端側にある伝熱カセットに接続され、二次側給水配管が接続可能に構成された二次側接続部とを備えた一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体は、少なくとも伝熱カセットが他方の熱回収体の伝熱カセットに対して相対的に位置変更可能に構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室や台所等の各所に給湯するに際し、湯沸器からの高温な湯と混合される給水源からの水を使用済みの温水で加熱するための給湯システム用排熱回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室や台所等の各所に適温の湯を供給する(給湯する)給湯システムとして、上水道等の給水源からの水を加熱して高温な湯にする湯沸器と、該湯沸器に接続された給湯配管系と、給水源に接続された給水配管系と、給湯配管系及び給水配管系を接続した混合弁とを備え、給水配管系からの水に給湯配管系からの高温な湯を混合弁で混合させて適温な湯にするように構成されたものが提供されている。
【0003】
そして、この種の給湯システムは、給水源の水の温度が低い場合、水を加熱するエネルギーの消費量が多くなる上に高温にした湯(加熱した水)の消費量が多くなるとして、使用済みの温水(例えば、浴室でのシャワーやカランの使用によって排出される湯)の熱で給水配管系の水の温度を高くした上で、該水を給湯配管系の湯と混合するようにしたものが提供されている。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
かかる給湯システムは、使用済みの温水から熱(排熱)を回収する排熱回収装置を備えている。前記排熱回収装置は、一般的に、熱交換効率の高い熱交換器が採用される。すなわち、排熱回収装置には、プレート式熱交換器や二重管式熱交換器が採用される。
【0005】
ここでプレート式熱交換器及び二重管式熱交換について概略説明すると、プレート式熱交換器は、複数の伝熱プレートが積層され、各伝熱プレートを境にして熱交換流体を流通させる第一流路と、熱交換流体と熱交換される被熱交換流体を流通させる第二流路とが交互に形成されている。そして、プレート式熱交換器は、第一流路を流通する熱交換流体と、第二流路を流通する被熱交換流体とが伝熱プレートを介して熱交換するようになっている。
【0006】
これに対し、二重管式熱交換器は、外管と、該外管に遊挿された内管とで構成され、該内管内に熱交換流体又は該熱交換流体と熱交換される被熱交換流体の何れか一方を流通させる第一流路が形成され、内管と外管との間に熱交換流体又は該熱交換流体と熱交換される被熱交換流体の何れか他方を流通させる第二流路が形成されている。そして、二重管式熱交換器は、第一流路を流通する熱交換流体又は被熱交換流体の何れか一方と、第二流路を流通する熱交換流体又は被熱交換流体の何れか他方とが内管を介して熱交換するようになっている。
【0007】
これに伴い、前記給湯システムは、前記排熱回収装置(プレート式熱交換器や二重管式熱交換器)の第一流路又は第二流路の何れか一方を給水配管系の一部とし、前記排熱回収装置の第一流路又は第二流路の何れか他方を使用済みの湯が排出される排水口と排水路とを繋ぐ排水系の一部としている。
【0008】
すなわち、前記給湯システムの給水配管系は、給水源に繋がる一次側給水配管と、混合弁に繋がる二次側給水配管とを備え、該一次側給水配管の下流端部が前記排熱回収装置の第一流路又は第二流路の何れか一方の給液口(給水口)に接続される一方、該二次側給水配管の上流端部が前記排熱回収装置の第一流路又は第二流路の何れか一方の排液口(排水口)に接続される。
【0009】
これに対し、前記給湯システムの排水系は、排水口に繋がる一次側排水配管と、排水路(排水管)に繋がる二次側排水配管とを備え、該一次側排水配管の下流端部が前記排熱回収装置の第一流路又は第二流路の何れか他方の給液口(給水口)に接続される一方、該二次側排水配管の上流端部が前記排熱回収装置の第一流路又は第二流路の何れか他方の排液口(排水口)に接続される。
【0010】
これにより、前記排熱回収装置は、第一流路又は第二流路の何れか一方で流通する給水源からの水と、第一流路又は第二流路の何れか他方で流通する使用済みの温水との間で熱交換させ、給水配管系内の水を加熱する(給水源からの水の温度を高くする)ようになっている。
【0011】
このように、上記構成の給湯システムは、使用済みの温水で給水配管系の水の温度を高くした上で、該水を給湯配管系の湯と混合できるため、湯沸器で給水源からの水を必要以上の温度に加熱したり湯沸器から多くの湯を供給したりする必要がなく、湯沸器でのエネルギーの消費を抑えることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実用新案登録第3149968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、浴室や台所等から排出される使用済みの温水は、油分や洗剤の成分等が含まれているため、当該油分や洗剤の成分等が排熱回収装置内における使用済みの湯を流通させる流路(第一流路又は第二流路の何れか他方の流路)を詰まらせてしまう虞がある。
【0014】
すなわち、使用済みの湯に含まれる油分や洗剤の成分等は、前記排熱回収装置の第一流路又は第二流路の何れか他方を画定する壁面(プレート式熱交換器の場合には伝熱プレートの表面、二重管式熱交換器の場合には内管の内面又は内管の外面と外管の内面)に、スケールとして付着乃至堆積し、使用済みの湯を流通させる流路(第一流路又は第二流路の何れか他方の流路)を詰まらせてしまう虞がある。
【0015】
これに伴い、第一流路又は第二流路の何れか他方を画定する壁面に付着したスケールを除去することが要求されるが、前記排熱回収装置に採用されるプレート式熱交換器や二重管式熱交換器は、使用済みの湯を流通させる流路(第一流路又は第二流路の何れか他方の流路)が密閉空間で構成されるため、該流路を画定する壁面に付着したスケールを物理的な洗浄(ブラシ等による洗浄)で除去することができない。
【0016】
そのため、この種の排熱回収装置は、一般的に洗浄力の強い薬液や液体洗剤を流通させることでスケールを除去(内部洗浄)することが推奨される。
【0017】
しかしながら、給湯システムの排水系(使用済みの湯を流通させる経路)は、排水路に繋がっているため、スケールの除去(内部洗浄)に薬液や液体洗剤を使用すると、薬液や液体洗剤が排水路に排出されることになり、水質汚染等の原因となる。
【0018】
そこで、本発明は、使用済みの温水と給水源からの水との間で効率的に熱交換させることができる上に、使用済みの温水の流通に伴って付着したスケールを物理的に除去することのできる給湯システム用排熱回収装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係る給湯システム用排熱回収装置は、湯沸器からの高温な湯が混合される給水源からの水を使用済みの温水と熱交換させて加熱するための給湯システム用排熱回収装置であって、給水源に繋がる一次側給水配管、及び湯沸器に繋がる給湯配管系に合流する二次側給水配管を接続可能に構成され、前記一次側給水配管から二次側給水配管に向けて給水源からの水が流通可能に構成された一対の熱回収体を備え、該一対の熱回収体のそれぞれは、所定の間隔をあけて配置された複数の伝熱カセットと、隣り合う伝熱カセット同士を連結する複数の連結部と、前記複数の伝熱カセットの並ぶ並列方向の最も一端側にある伝熱カセットに接続され、前記一次側給水配管が接続可能に構成された一次側接続部と、前記複数の伝熱カセットの並ぶ並列方向の最も他端側にある伝熱カセットに接続され、前記二次側給水配管が接続可能に構成された二次側接続部とを備え、前記複数の伝熱カセットのそれぞれは、互いに間隔をあけて対向する一対のプレート状伝熱部と、該一対のプレート状伝熱部間に形成された内部流路とを備えるとともに、前記プレート状伝熱部を隣り合う伝熱カセットのプレート状伝熱部と面対向させて配置され、前記複数の連結部のそれぞれは、隣り合う伝熱カセットの内部流路を流体的に連通させ、前記一次側接続部は、前記最も一端側にある伝熱カセットの内部流路と一次側給水配管系とを流体的に連通可能に構成され、前記二次側接続部は、前記最も他端側にある伝熱カセットの内部流路と二次側給水配管系とを流体的に連通可能に構成され、前記一対の熱回収体は、一方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部と他方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部とを面対向させるように、一方の熱回収体の伝熱カセット間のそれぞれに他方の熱回収体の伝熱カセットのそれぞれが遊挿された状態で、使用済みの温水が排出される排水口に繋がる排水路内に設置可能に構成され、前記一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体は、少なくとも伝熱カセットが他方の熱回収体の伝熱カセットに対して相対的に位置変更可能に構成されていることを特徴とする。
【0020】
上記構成の給湯システム用排熱回収装置は、前記一対の熱回収体を排水路内に設置した状態で、一方の熱回収体の伝熱カセットと他方の熱回収体の伝熱カセットとの間が排水路で上流側から下流側に流通する使用済みの温水の流路になる。
【0021】
これにより、前記給水システム用排熱回収装置は、排水路内に設置した状態で前記一対の熱回収体のそれぞれに給水源からの水を流通させると、各熱回収体の伝熱カセット及び連結部を流通する給水源からの水と排水路を流通する使用済みの温水とが熱交換し、給水源からの水を使用済みの温水の熱で加熱することができる。
【0022】
特に、前記一対の熱回収体は、一方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部と他方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部とを面対向させるように、一方の熱回収体の伝熱カセット間のそれぞれに他方の熱回収体の伝熱カセットのそれぞれが遊挿されるため、各伝熱カセットのプレート状伝熱部を介して給水源からの水と使用済みの温水との間で効率的に熱交換することができる。
【0023】
すなわち、一方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部と他方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部とを面対向させることで、伝熱カセット間に形成される流路を通過する使用済み温水と伝熱カセットの内部流路を流通する水とが熱交換する面積が大きくなるため、使用済みの温水から効率的に熱回収を行って給水源からの水を効率的に加熱することができる。
【0024】
そして、前記給湯システム用排熱回収装置は、上述の如く、一方の熱回収体の伝熱カセットと他方の熱回収体の伝熱カセットとの間が排水路で上流側から下流側に流通する使用済みの温水の流路になるため、排水路を流通する使用済みの温水に含まれる油分や洗剤の成分等がスケールとして伝熱カセットの表面に付着することになる。そして、前記スケールの付着量(堆積量)が多くなると熱交換効率が低下してしまうため、一対の熱回収体の伝熱カセット(プレート状伝熱部)に対してブラシ等の清掃具を用いて定期又は不定期に掃除を行うことになる。
【0025】
上記構成の給湯システム用排熱回収装置おいては、一方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部と他方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部とを面対向させるように、一方の熱回収体の伝熱カセット間のそれぞれに他方の熱回収体の伝熱カセットのそれぞれが遊挿された状態にされるため、一方の熱回収体の伝熱カセットと他方の熱回収体の伝熱カセットとの間にブラシ等の清掃具を挿入でき、各伝熱カセットのプレート状伝熱部を含む正面の清掃を行うことができる。
【0026】
特に、前記一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体は、少なくとも伝熱カセットが他方の熱回収体の伝熱カセットに対して相対的に位置変更可能に構成されているため、一方の熱回収体の伝熱カセット(プレート状伝熱部)及び他方の熱回収体の伝熱カセットにブラシ等の清掃具がアクセスし易い状態になる。
【0027】
具体的には、一方の熱回収体の伝熱カセットと他方の熱回収体の伝熱カセットとが伝熱カセットの並ぶ方向で相対的に位置変更可能な場合、一対の熱回収体の伝熱カセットを相対的に位置変更させることで、一方の熱回収体の伝熱カセットと他方の熱回収体の伝熱カセットの間隔が広がるため、組み合わされた一対の熱回収体の伝熱カセット間にブラシ等の清掃具を挿入し易くなる上に該清掃具を操作し易い状態になる。これに対し、一方の熱回収体の伝熱カセットと他方の熱回収体の伝熱カセットとが伝熱カセットの並ぶ方向と直交する方向で相対的に位置変更可能な場合、一対の熱回収体の伝熱カセットを相対的に位置変更させることで、何れか一方の熱回収体の伝熱カセット間から何れか他方の熱回収体の伝熱カセットが個別に又は全体的に引き出された状態になる。これにより、前記一方の熱回収体の伝熱カセットの周囲に他方の熱回収体の伝熱カセットが存在しなくなり、また、前記他方の熱回収体の伝熱カセットの周囲に一方の熱回収体の伝熱カセットが存在しなくなるため、一対の熱回収体のそれぞれの伝熱カセット(プレート状伝熱部)にブラシ等の清掃具をアクセスし易い状態になる。
【0028】
従って、前記給湯システム用排熱回収装置は、複数の伝熱カセットのそれぞれのプレート状伝熱部を含む表面を容易に且つ物理的に清掃することができ、プレート状伝熱部に対するスケールの付着を解消して給水源からの水と使用済みの温水との間で効率的に熱交換させることのできる状態に戻すことができる。
【0029】
本発明の一態様として、前記一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体の前記一次側接続部及び前記二次側接続部は、同心で設けられ、前記少なくとも何れか一方の熱回収体は、前記一次側接続部及び前記二次側接続部を中心にして回転可能に構成されてもよい。
【0030】
かかる構成を備えた給湯システム用排熱回収装置は、一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体(複数の伝熱カセット及び複数の連結部)を前記一次側接続部及び前記二次側接続部を中心にして回転させることで、該一方の熱回収体の伝熱カセットを他方の熱回収体の伝熱カセット間から引き出した状態にすることができる。これにより、前記給湯システム用排熱回収装置は、前記一方の熱回収体の伝熱カセットの周囲に他方の熱回収体の伝熱カセットが存在しなくなり、また、前記他方の熱回収体の伝熱カセットの周囲に一方の熱回収体の伝熱カセットが存在しなくなるため、一対の熱回収体のそれぞれの伝熱カセット(プレート状伝熱部)にブラシ等の清掃具をアクセスし易い状態になる。
【0031】
本発明の他態様として、前記一対の熱回収体のそれぞれは、前記複数の連結部として、隣り合う伝熱カセットの一端部同士を連結する第一連結部と、隣り合う伝熱カセットの他端部同士を連結する第二連結部とを備え、伝熱カセット間に第一連結部又は第二連結部の何れか一方のみが配置され、第一連結部及び第二連結部が前記複数の伝熱カセットの並ぶ方向で交互に配置されていることが好ましい。
【0032】
かかる構成を備えた給湯システム用排熱回収装置によれば、隣り合う伝熱カセットの内部流路が第一連結部又は第二連結部の何れか一方を介して連通した状態になる。そして、前記一対の熱回収体のそれぞれは、伝熱カセットの一端部同士を連結する第一連結部と、伝熱カセットの他端部同士を連結する第二連結部とが複数の伝熱カセットの並ぶ方向で交互に配置されることで、一端から他端に向けて水が流通する内部流路を形成した伝熱カセットと、他端から一端に向けて水が流通する内部流路を形成した伝熱カセットとが交互に配置されたものになる。
【0033】
これにより、一対の熱回収体のそれぞれは、給水源からの水が複数の伝熱カセットのそれぞれの内部流路の全域又は略前記で淀むことなく上流から下流に向けて流れ、排水路を流れる(伝熱カセット間を流れる)使用済みの温水との熱交換を効率的に行えるものになる。
【0034】
本発明の別の態様として、前記一対の熱回収体のうちの少なくとも何れか一方の熱回収体は、前記一次側接続部、前記二次側接続部、及び前記複数の連結部が同心で配置されるとともに、複数の伝熱カセットのそれぞれが連結部を中心にして回転可能に構成されてもよい。
【0035】
かかる構成を備えた給湯システム用排熱回収装置は、前記一方の熱回収体における複数の伝熱カセットの少なくとも何れか一つを、連結部を中心にして回転させることで、該一方の熱回収体の伝熱カセットを他方の熱回収体の伝熱カセット間から引き出した状態にすることができる。これにより、前記給湯システム用排熱回収装置は、前記一方の熱回収体の伝熱カセットの周囲に他方の熱回収体の伝熱カセットが存在しなくなり、また、前記他方の熱回収体の伝熱カセットの周囲に一方の熱回収体の伝熱カセットが存在しなくなるため、一対の熱回収体のそれぞれの伝熱カセット(プレート状伝熱部)にブラシ等の清掃具をアクセスし易い状態になる。
【0036】
この場合、前記一対の熱回収体のうちの少なくとも何れか一方の熱回収体の前記一次側接続部、前記二次側接続部、及び前記複数の連結部は、連結の対象となる伝熱カセットの一端部に連結され、前記少なくとも何れか一方の熱回収体における前記複数の伝熱カセットのそれぞれは、一対のプレート状伝熱部間の内部流路を該プレート状伝熱部の並ぶ方向で一次側内部流路と二次側内部流路とに仕切る仕切板を備え、該仕切板は、当該伝熱カセットの他端部側に一次側内部流路と二次側内部流路とを連通させる連通孔が設けられてもよい。
【0037】
かかる構成を備えた給湯システム用排熱回収装置は、前記一対の熱回収体のうちの少なくとも何れか一方の熱回収体における複数の伝熱カセットのそれぞれで給水源からの水が一次側内部流路を流れた上で二次側内部流路を流れるものになる。すなわち、前記少なくとも何れか一方の熱回収体は、各伝熱カセットの内部流路において、給水源からの水が一端側から他端側に向けて流れて他端側(連通孔)でターンした上で他端側から一端側に向け流れるものになる。従って、前記少なくとも何れか一方の熱回収体は、各伝熱プレートの内部流路が一往復する流路になるとともに、各伝熱プレートの内部流路が一端側にある連結部を介して流体的に接続されたものになる。
【0038】
これにより、前記一対の熱回収体のうちの少なくとも何れか一方の熱回収体は、給水源からの水が複数の伝熱カセットのそれぞれの内部流路の全域又は略前記で淀むことなく上流から下流に向けて流れることになる。従って、上記構成の熱回収体を備えた給湯システム用排熱回収装置は、排水路を流れる(伝熱カセット間を流れる)使用済みの温水との熱交換を効率的に行えるものになる。
【発明の効果】
【0039】
以上のように、本発明に係る給湯システム用排熱回収装置は、使用済みの温水と給水源からの水との間で効率的に熱交換させることができる上に、使用済みの温水の流通に伴って付着したスケールを物理的に除去することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明の第一乃至第三実施形態に係る排熱回収装置が採用される給湯システムの概略系統図である。
【図2】図2は、本発明の第一実施形態に係る排熱回収装置の全体斜視図である。
【図3】図3は、第一実施形態に係る排熱回収装置を構成する第一熱回収体及び第二熱回収体の斜視図であって、(a)は、第一熱回収体の斜視図であり、(b)は、第二熱回収体の斜視図である。
【図4】図4は、第一実施形態に係る排熱回収装置(第一熱回収体及び第二熱回収体)の概略横断面図であって、(a)は、水の流れを矢印で付記した第一熱回収体の横断面図を示し、(b)は、水の流れを矢印で付記した第二熱回収体の横断面図である。
【図5】図5は、第一実施形態に係る排熱回収装置の概略縦断面図であって、排水路内に設置した状態の縦断面図である。
【図6】図6は、本発明の第二実施形態に係る排熱回収装置の全体斜視図である。
【図7】図7は、第二実施形態に係る排熱回収装置(第一熱回収体及び第二熱回収体)の概略横断面図であって、(a)は、水の流れを矢印で付記した第一熱回収体の横断面図を示し、(b)は、水の流れを矢印で付記した第二熱回収体の横断面図である。
【図8】図8は、第二実施形態に係る排熱回収装置(第一熱回収体及び第二熱回収体)の全体斜視図であって、第一熱回収体を回転させた状態の全体斜視図である。
【図9】図9は、本発明の第三実施形態に係る排熱回収装置の全体斜視図である。
【図10】図10は、第三実施形態に係る排熱回収装置(第一熱回収体及び第二熱回収体)の概略横断面図である。
【図11】図11は、第三実施形態に係る排熱回収装置(第一熱回収体及び第二熱回収体)の伝熱カセット(第一伝熱カセット、第二伝熱カセット)の縦断面図である。
【図12】図12は、第三実施形態に係る排熱回収装置(第一熱回収体及び第二熱回収体)の全体斜視図であって、第一熱回収体及び第二熱交換体の一部の伝熱カセットを回転させた状態の全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の第一実施形態に係る給湯システム用排熱回収装置(以下、単に排熱回収装置という)について、添付図面を参照して説明する。
【0042】
まず、本実施形態に係る排熱回収装置の説明に先立ち、該排熱回収装置が採用される給湯システムの一例について説明する。
【0043】
かかる給湯システムは、図1に示す如く、浴槽BTを備えた浴室BRを設置することを前提としたもので、上水道等の給水源からの水を加熱して高温な湯にする湯沸器2と、該湯沸器2に接続された給湯配管系3と、給水源に接続された給水配管系4と、給湯配管系3及び給水配管系4を接続した混合弁5と、浴室BRを含む複数箇所と前記混合弁5とを繋ぐ配管系6とを備えている。
【0044】
前記湯沸器2は、給水源に繋がる配管が接続されており、常温の水が供給されるようになっている。なお、図1に示す概略系統図では、前記給水配管系4を分岐させた配管を湯沸器2に接続している。そして、湯沸器2は、供給された水を加熱して高温な湯にするようになっている。すなわち、湯沸器2は、給水源から供給される水を流通させつつ連続的に加熱する連続式のものや、給水源から供給される水を貯留して加熱する貯湯式のものが採用される。
【0045】
前記湯沸器2は、浴室BRや、台所、洗面所等の設置された止水栓(採番しない)が開栓されると、加熱された水(高温になった湯)を混合弁5に向けて順次送り出すように構成されている。
【0046】
前記給水配管系4は、給水源と混合弁5とを流体的に接続している。そして、該給水配管系4は、途中位置に浴室BRの排水口Dに繋がる排水路DRを流通する使用済みの温水の熱を回収する排熱回収装置42が設けられている。すなわち、前記給水配管系4は、給水源に繋がる一次側給水配管40と、給湯配管系3に合流する(混合弁5に繋がる)二次側給水配管41と、前記一次側給水配管40及び前記二次側給水配管41が接続され、浴室BRの排水口Dに繋がる排水路DR内に設置される排熱回収装置42とを備えている。
【0047】
本実施形態に係る給湯配管系3は、湯沸器2と混合弁5とを接続した配管である。前記混合弁5は、いわゆる三方弁で構成されている。
【0048】
そして、本実施形態に係る給湯システム1は、前記配管系6における浴室BR以外の箇所(台所や洗面所)に繋がる経路(後述する第二配管)62上での湯の流通の有無を検知する給湯検知装置7と、入浴に関連する情報を取得する入浴情報取得装置8と、浴室BR内の浴槽BTの下部に接続された排水系DPを開閉する開閉弁9と、給湯検知装置7及び入浴情報取得装置8の検知結果に基づいて開閉弁9を開閉させる制御装置10とを備えている。
【0049】
本実施形態に係る配管系6は、上述の如く、浴室BRを含む複数箇所に給湯可能に構成されている。すなわち、配管系6は、混合弁5に接続される主配管60と、該主配管60に接続された分岐継手(採番しない)と、分岐継手と浴室BRとを繋ぐ第一配管61と、分岐継手と浴室BR以外の箇所とを繋ぐ第二配管62とを備えている。なお、第二配管62は、途中で分岐されて台所や洗面所等に繋がっている。
【0050】
本実施形態に係る給湯検知装置7は、流量センサで構成されており、第二配管62上に設けられている。これにより、給湯検知装置(流量センサ)7は、浴室BR以外の箇所に給湯するときに第二配管62(経路)上で湯の流通の有無を検知できるようになっている。
【0051】
本実施形態に係る入浴情報取得装置8は、流体の流通に伴ってON信号を出力するフロースイッチで構成されており、第一配管61上に設けられている。これにより、入浴情報取得装置8(フロースイッチ)は、浴室BRに給湯するときに第一配管61(経路)上で湯の流通の有無を検知し、湯の流通がある状態でON信号を出すようになっている。
【0052】
前記排水系DPは、浴槽BT内に貯められた温水(湯)を排水路DRにおける排熱回収装置42の上流側に排出可能に構成されている。前記開閉弁9は、駆動源を備えた弁体で構成される。本実施形態に係る開閉弁9は、電動ボール弁で構成されており、制御装置10の指示で開閉するようになっている。
【0053】
前記制御装置10は、CPU等を含む制御基板で構成されている。そして、該制御装置10は、入浴情報取得装置8が取得した情報を基に入浴中であると判断すると、開閉弁9を閉状態にする一方、入浴情報取得装置8が取得した情報を基に入浴中でないと判断するとともに給湯検知装置7の検知結果を基に浴室BR以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通があると判断すると開閉弁9を開状態にするように構成されている。
【0054】
本実施形態において、前記入浴情報取得装置8は、上述の如く、前記配管系6における浴室BRに繋がる経路(第一配管61)上での湯の流通の有無を検知する検知センサ(フローセンサ)で構成されているため、制御装置10は、検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路上での湯の流通があると判断したときに入浴中であると判断し、検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路上での湯の流通がないと判断したときに入浴中でないと判断するように構成されている。
【0055】
すなわち、入浴者は入浴中に浴室BRのシャワーやカランで湯を使用するため、浴室BRに繋がる経路(第一配管)61上での湯の流通の有無で入浴中であるか否かが判ることから、本実施形態に係る給湯システム1は、制御装置10が検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路(第一配管)61上での湯の流通があると判断すると、入浴中であるとして、所定時間の間(例えば、入浴時間の間)浴槽BT内の湯が排出されることを防止し、制御装置10が検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路(第一配管)61上での湯の流通がないと判断するとともに給湯検知装置7の検知結果を基に浴室BR以外の箇所に繋がる経路(第二配管)62上での湯の流通があると判断すると、浴室BRに入浴者が居ない(入浴中ではない)状態で浴室BR以外の場所に給湯する状態であるとして、開閉弁9を開状態にするように構成されている。
【0056】
本実施形態に係る排熱回収装置42が採用される給湯システム1の全体構成は、以上の通りであり、続いて、本実施形態に係る排熱回収装置42について具体的に説明する。
【0057】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、浴室BRにおけるシャワーやカランの湯が浴室BRの排水口Dを介して排水路DRに排出され、また、浴槽BT内の湯が排水系DPを介して排水路DRに排出されることに着目したもので、使用済みの湯が排出される排水路DR内に設置されることを前提としている。
【0058】
これに伴い、前記排水路DRにおける排熱回収装置42を設置する領域の天部は、着脱可能な蓋Cで構成されており、該蓋Cを取り外すことで排水路DR内に設置された排熱回収装置42に対してアクセスできるようになっている。なお、図1において、蓋Cを含む排水路DR全体が浴槽BTの下方に配置されているが、実際には、排水路DRの少なくとも排熱回収装置42が設置される領域(蓋Cを含む領域)は、浴槽BTに対して横方向にずれた位置(上方に浴槽BTのない位置)に配置され、蓋Cの着脱を上方から行えるようになっている。
【0059】
そして、本実施形態に係る排熱回収装置42は、図2に示す如く、一次側給水配管40、及び二次側給水配管41を接続可能に構成され、前記一次側給水配管40から二次側給水配管41に向けて給水源からの水を流通可能に構成された一対の熱回収体43,44を備えている。なお、以下、一方の熱回収体を第一熱回収体43といい、他方の熱回収体を第二熱回収体44という。
【0060】
前記第一熱回収体43は、図2及び図3(a)に示す如く、所定の間隔をあけて配置された複数の伝熱カセット(以下、第一伝熱カセットという)430…と、隣り合う第一伝熱カセット430…同士を連結する複数の連結部431a,431bと、前記複数の第一伝熱カセット430…の並ぶ方向の最も一端側にある第一伝熱カセット430に接続され、前記一次側給水配管40が接続可能に構成された一次側接続部432と、前記複数の第一伝熱カセット430…の並ぶ方向の最も他端側にある第一伝熱カセット430に接続され、前記二次側給水配管41が接続可能に構成された二次側接続部433とを備えている。
【0061】
前記複数の第一伝熱カセット430…のそれぞれは、図4(a)及び図5に示す如く、互いに間隔をあけて対向する一対のプレート状伝熱部434,434と、該一対のプレート状伝熱部434,434間に形成された内部流路430aとを備えている。前記複数の第一伝熱カセット430…のそれぞれは、重ね合わされた四角形状をなす一対の伝熱プレートP,Pの外周同士が液密に封着されて形成されており、伝熱プレートP,P間(内部)に水を流通させる内部流路430aが形成されている
【0062】
前記複数の第一伝熱カセット430…のそれぞれは、前記プレート状伝熱部434を隣り合う第一伝熱カセット430のプレート状伝熱部434と面対向させて配置されている。
【0063】
すなわち、複数の第一伝熱カセット430…は、それぞれ起立した状態で配置されている。本実施形態において、各第一伝熱カセット430…は、伝熱プレートP,Pの外郭を構成する四辺のうちの対向する二辺が上下方向に伸びるように配置され、隣り合う相手方の第一伝熱カセット430…(伝熱プレートP,P)と面対向させている。
【0064】
前記第一熱回収体43において、前記連結部431a,431bは、図4(a)に示す如く、筒状に形成されており、隣り合う第一伝熱カセット430…間に介設された状態で両方の第一伝熱カセット430,430の内部流路430a,430a同士を連通させている。
【0065】
そして、前記第一熱回収体43は、第一伝熱カセット430の内部流路430aでの水の流通方向が第一伝熱カセット430…毎に切り替わるように連結部431a,431bが配置されている。
【0066】
より具体的には、本実施形態に係る第一熱回収体43は、前記複数の連結部431a,431bとして、第一伝熱カセット430…の幅方向の一端同士を連結する第一連結部431aと、第一伝熱カセット430…の幅方向の他端同士を連結する第二連結部431bとを備えている。そして、前記第一熱回収体43において、第一伝熱カセット430…間に前記第一連結部431a又は第二連結部431bの何れか一方のみが配置され、前記第一連結部431a及び第二連結部431bが前記複数の第一伝熱カセット430…の並ぶ方向で交互に配置されている。
【0067】
本実施形態に係る第一熱回収体43の連結部431a,431b(第一連結部431a及び第二連結部431b)は、図2及び図3(a)に示す如く、第一伝熱カセット430…の上端部同士を連結している。すなわち、第一連結部431aは、隣り合う第一伝熱カセット430…の幅方向の一端側の上端部同士を連結し、第二連結部431bは、隣り合う第一伝熱カセット430…の幅方向の他端側の上端部同士を連結している。これにより、第一熱回収体43は、図4(a)に示す如く、水の流通方向が幅方向の一端側から他端側に向く第一伝熱カセット430…と、水の流通方向が幅方向の他端側から一端側に向く第一伝熱カセット430…とが交互に配置され、第一伝熱カセット430…毎に流通方向を変更しながら水を流通させることができるようになっている。
【0068】
前記第一熱回収体43の一次側接続部432は、筒状に形成されており、複数の第一伝熱カセット430…の並ぶ方向における最も一端にある第一伝熱カセット430から外方に突設されている。すなわち、前記一次側接続部432は、最も一端にある第一伝熱カセット430の外側に向くプレート状伝熱部434に対して外方に向けて突出するように設けられている。これに対し、前記第一熱回収体43の二次側接続部433は、筒状に形成されており、複数の第一伝熱カセット430…の並ぶ方向における最も他端にある第一伝熱カセット430から外方に突設されている。すなわち、前記二次側接続部433は、最も他端にある第一伝熱カセット430の外側に向くプレート状伝熱部434に対して外方に向けて突出するように設けられている。
【0069】
そして、第一熱回収体43は、一次側接続部432に対して一次側給水配管40が接続され、二次側接続部433に対して二次側給水配管41が接続されている。本実施形態において、前記一次側給水配管40及び二次側給水配管41は、少なくとも第一熱回収体43の近傍がフレキシブル管で構成される。
【0070】
これにより、第一熱回収体43は、前記一次側給水配管40及び二次側給水配管41の変形(撓み)により位置変更(持ち上げ)可能に配置される。また、第一熱回収体43は、給水源からの水が一次側給水配管40から供給され、該供給された水(複数の第一伝熱カセット430…を通過した水)を二次側給水配管41に供給する(流出させる)ようになっている。
【0071】
前記第二熱回収体44は、図2及び図3(b)に示す如く、所定の間隔をあけて配置された複数の伝熱カセット(以下、第二伝熱カセットという)440…と、隣り合う第二伝熱カセット440…同士を連結する複数の連結部441a,441b(図4(b)参照)と、前記複数の第二伝熱カセット440…の並ぶ方向の最も一端側にある第二伝熱カセット440に接続され、前記一次側給水配管40が接続可能に構成された一次側接続部442と、前記複数の第二伝熱カセット440…の並ぶ方向の最も他端側にある第二伝熱カセット440に接続され、前記二次側給水配管41が接続可能に構成された二次側接続部443とを備えている。
【0072】
前記複数の第二伝熱カセット440…のそれぞれは、図4(b)及び図5に示す如く、互いに間隔をあけて対向する一対のプレート状伝熱部444,444と、該一対のプレート状伝熱部444,444間に形成された内部流路440aとを備えている。前記第二伝熱カセット440…のそれぞれは、重ね合わされた四角形状をなす一対の伝熱プレートP,Pの外周同士が液密に封着されて形成されており、伝熱プレートP,P(プレート状伝熱部444,444)間に水を流通させる内部流路440aが形成されている。そして、複数の第二伝熱カセット440…は、それぞれ起立した状態で配置されている。すなわち、各第二伝熱カセット440…は、伝熱プレートP,Pの外郭を構成する四辺のうちの対向する二辺が上下方向に伸びるように配置され、隣り合う相手方の第二伝熱カセット440…(伝熱プレートP,P)と面対向させている。
【0073】
前記第二熱回収体44において、前記連結部441a,441bは、図4(b)に示す如く、筒状に形成されており、隣り合う第二伝熱カセット440…間に介設された状態で両方の第二伝熱カセット440,440の内部流路440a,440a同士を連通させている。
【0074】
そして、前記第二熱回収体44は、第二伝熱カセット440の内部流路440aでの水の流通方向が第二伝熱カセット440…毎に切り替わるように連結部441a,441bが配置されている。
【0075】
より具体的には、本実施形態に係る第二熱回収体44は、前記複数の連結部441a,441bとして、第二伝熱カセット440…の幅方向の一端同士を連結する第三連結部441aと、第二伝熱カセット440…の幅方向の他端同士を連結する第四連結部441bとを備えている。そして、前記第二熱回収体44において、第二伝熱カセット440…間に前記第三連結部441a又は第四連結部441bの何れか一方のみが配置され、前記第三連結部441a及び第四連結部441bが前記複数の第二伝熱カセット440…の並ぶ方向で交互に配置されている。
【0076】
本実施形態に係る第二熱回収体44の連結部441a,441b(第三連結部441a及び第四連結部441b)は、図2及び図3(b)に示す如く、第二伝熱カセット440…の下端部同士を連結している。すなわち、第三連結部441aは、隣り合う第二伝熱カセット440…の幅方向の一端側の下端部同士を連結し、第四連結部441bは、隣り合う第二伝熱カセット440…の幅方向の他端側の下端部同士を連結している。これにより、第二熱回収体44は、図4(b)に示す如く、水の流通方向が幅方向の一端側から他端側に向く第二伝熱カセット440…と、水の流通方向が幅方向の他端側から一端側に向く第二伝熱カセット440…とが交互に配置され、第二伝熱カセット440…毎に流通方向を変更しながら水を流通させることができるようになっている。
【0077】
前記第二熱回収体44の一次側接続部442は、筒状に形成されており、複数の第二伝熱カセット440…の並ぶ方向における最も一端にある第二伝熱カセット440から外方に突設されている。すなわち、前記一次側接続部442は、最も一端にある第二伝熱カセット440の外側に向くプレート状伝熱部444に対して外方に向けて突出するように設けられている。これに対し、前記第二熱回収体44の二次側接続部443は、筒状に形成されており、複数の第二伝熱カセット440…の並ぶ方向における最も他端にある第二伝熱カセット440から外方に突設されている。すなわち、前記二次側接続部443は、最も他端にある第二伝熱カセット440の外側に向くプレート状伝熱部444に対して外方に向けて突出するように設けられている。
【0078】
そして、第二熱回収体44は、一次側接続部442に対して一次側給水配管40が接続され、二次側接続部443に対して二次側給水配管41が接続されている。本実施形態において、前記一次側給水配管40及び二次側給水配管41は、少なくとも第二熱回収体44の近傍がフレキシブル管で構成される。なお、本実施形態に係る一次側給水配管40及び二次側給水配管41のそれぞれは、排熱回収装置42の近傍で二股に分岐されており、第一熱回収体43(一次側接続部432、二次側接続部433)及び第二熱回収体44(一次側接続部442、二次側接続部443)に接続されている。
【0079】
これにより、第二熱回収体44は、前記一次側給水配管40及び二次側給水配管41の変形(撓み)により位置変更(持ち上げ)可能に配置される。また、第二熱回収体44は、給水源からの水が一次側給水配管40から供給され、該供給された水(複数の第二伝熱カセット440…を通過した水)を二次側給水配管41に供給する(流出させる)ようになっている。
【0080】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、図2及び図5に示す如く、第二伝熱カセット440…間に第一伝熱カセット430…が介装されるように、排水路DR内に設置された第二熱回収体44に第一熱回収体43が重ね合わされることで形成されている。これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42は、排水路DR内に配置されたときに、第一伝熱カセット430…と第二伝熱カセット440…との間の隙間が使用済みの温水を流通させる流路になるように構成されている。
【0081】
また、本実施形態に係る排熱回収装置42は、図2に示す如く、第二伝熱カセット440…の下端同士が連結部441a,441bによって連結される一方、第一伝熱カセット430…の上端部同士が連結部431a,431bによって連結されているため、第一熱回収体43及び第二熱回収体44は、図5に示す如く、上下方向にずれた状態で配置されている。すなわち、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第二伝熱カセット440…が排水路DRの底に載置される一方で、第一伝熱カセット430…が排水路DRの底から上方側に離間した状態で配置されている。
【0082】
これに伴い、本実施形態に係る排熱回収装置42(第一熱回収体43の第一伝熱カセット430…及び第二熱回収体44の第二伝熱カセット440…)は、排水路DRの上流側から下流側に向けて上下方向に蛇行した流路を形成している。これにより、排熱回収装置42(第一熱回収体43及び第二熱回収体44)は、内部流路440aを流通する水と排水路DR内で流れる温排水とを熱交換させ、前記内部流路440a内の水の温度を高めることができるようになっている。
【0083】
そして、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第二熱回収体44に対して上方側から第一熱回収体43を組み合わせることで形成されるとともに、第一熱回収体43及び第二熱回収体44にフレキシブル管で構成された一次側給水配管40及び二次側給水配管41が接続されることで、第一熱回収体43及び第二熱回収体44が上下方向で相対的に位置変更可能になっている。すなわち、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第一熱回収体43を引き上げて第二熱回収体44から分離できるようになっている。これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第一熱回収体43を引き上げたときに、第一熱回収体43の複数の第一伝熱カセット430…を第二熱回収体44の複数の第二伝熱カセット440,440間から全体的に引き出せるようになっている。
【0084】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、以上の通りであり、上述の如く、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を組み合わせた状態で、使用済みの温水が排出される排水口Dに繋がる排水路DR内に設置される。
【0085】
この状態で、上述の如く、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430と第二熱回収体44の第二伝熱カセット440との間の隙間は、排水路DRで上流側から下流側に流通する使用済みの温水の流路になる。
【0086】
そして、前記排熱回収装置42は、排水路DR内に設置した状態で前記第一熱回収体43及び第二熱回収体44のそれぞれに給水源からの水を流通させると、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を流通する給水源からの水と排水路DRを流通する使用済みの温水とが熱交換し、前記水を使用済みの温水の熱で加熱することになる。
【0087】
本実施形態に排熱回収装置42は、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430及び第二熱回収体44の第二伝熱カセット440が互いのプレート状伝熱部434,444(伝熱プレートP,P)を面対向させているため、第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間に形成される流路を通過する使用済み温水と、第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440の内部流路430a,440aを流通する水とが熱交換する面積が大きくなり、使用済みの温水から効率的に熱回収を行って給水源からの水を効率的に加熱することになる。
【0088】
また、本実施形態に係る排熱回収装置42は、前記第一熱回収体43及び第二熱回収体44のそれぞれが、前記複数の連結部431a,441a,431b,441bとして、隣り合う伝熱カセット(第一伝熱カセット430,第二伝熱カセット440)の一端部同士を連結する第一連結部431a,441aと、隣り合う伝熱カセット(第一伝熱カセット430,第二伝熱カセット440)の他端部同士を連結する第二連結部431b,441bとを備え、伝熱カセット(第一伝熱カセット430,第二伝熱カセット440)間に第一連結部431a,441a又は第二連結部431b,441bの何れか一方のみが配置され、第一連結部431a,441a及び第二連結部431b,441bが前記複数の伝熱カセット(第一伝熱カセット430,第二伝熱カセット440)の並ぶ方向で交互に配置されているため、第一熱回収体43及び第二熱回収体44のそれぞれは、給水源からの水が複数の伝熱カセット(第一伝熱カセット430,第二伝熱カセット440)のそれぞれの内部流路430a,440aの全域又は略前記で淀むことなく上流から下流に向けて流通方向を変更しつつ流れることになる。これにより、給水源からの水と排水路DRを流れる使用済みの温水(第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間を流れる使用済みの温水)との間で効率的に熱交換され、給水源からの水が短時間で加熱されることになる。
【0089】
そして、前記排熱回収装置42は、上述の如く、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430と第二熱回収体44の第二伝熱カセット440との間が排水路DRで上流側から下流側に流通する使用済みの温水の流路になるため、排水路DRを流通する使用済みの温水に含まれる油分や洗剤の成分等がスケールとして第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440のそれぞれの表面に付着することになる。
【0090】
このような事態になった場合、排水路DRの蓋C(図1参照)を外した上で、排水路DR内の排熱回収装置42(第一熱回収体43,第二熱回収体44)の各伝熱カセット430,440(プレート状伝熱部434,444)をブラシ等の清掃具で掃除する。
【0091】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、前記第一熱回収体43及び前記第二熱回収体44を相対的に位置変更させて前記第一熱回収体43の第一伝熱カセット430…を第二熱回収体44の第二伝熱カセット440…間から引き出すと、前記第一熱回収体43の第一伝熱カセット430,430間(周囲)に第二熱回収体44の第二伝熱カセット440…が存在しなくなり、前記第二熱回収体44の第二伝熱カセット440,440間(周囲)に第一熱回収体43の第一伝熱カセット430…が存在しなくなる。
【0092】
これにより、前記排熱回収装置42は、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430(プレート状伝熱部434)及び第二熱回収体44の第二伝熱カセット440(プレート状伝熱部444)にブラシ等の清掃具がアクセスし易い状態になる。
【0093】
従って、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440のそれぞれのプレート状伝熱部434,444を含む表面を容易に且つ物理的に清掃することができ、プレート状伝熱部434,444に対するスケールの付着を解消して給水源からの水と使用済みの温水との間で効率的に熱交換させることのできる状態に戻すことができる。
【0094】
次に、本発明の第二実施形態に係る排熱回収装置について説明する。なお、本実施形態に係る排熱回収装置は、第一実施形態と基本構成が共通しているため、第一実施形態と同一の構成又は相当する構成については、同一名称及び同一符号を付すこととする。また、第一実施形態と同一の構成については、第一実施形態を参照してここでの説明を割愛し、第一実施形態と異なる構成について説明することとする。
【0095】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、図6及び図7に示す如く、第一熱回収体43及び第二熱回収体44の配置を第一実施形態と同様にする(排水路DRの底に配置した第二熱回収体44に対して上方側から第一熱回収体43を組み合わせて第二伝熱カセット間に第一伝熱カセットを遊挿した状態にする)ことを前提としている。
【0096】
本実施形態において、図6及び図7(a)に示す如く、第一熱回収体43の一次側接続部432及び二次側接続部433は、同心になるように設けられている。そして、第一熱回収体43の前記一次側接続部432及び二次側接続部433は、連結の対象となる第一伝熱カセット430(最も一端側にある第一伝熱カセット430及び最も他端側にある第一伝熱カセット430)の一端側の上端部に連結されている。
【0097】
そして、本実施形態に係る第一熱回収体43は、一次側接続部432及び二次側接続部433を中心にして回転可能に設けられている。
【0098】
より具体的には、本実施形態において、一次側給水配管40及び二次側給水配管41は、剛性のある配管で構成され、排熱回収装置42の近傍が排水路DR内で固定されている。そして、図7(a)に示す如く、一次側接続部432と接続される一次側給水配管40の端部には、該一次側接続部432に外嵌可能な継手(以下、一次側継手という)400が取り付けられている。該一次側継手400は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、本実施形態に係る第一熱回収体43は、一次側接続部432が一次側継手400に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、一次側接続部432の外周と一次側継手400の内周との間がシール部材によって液密に保たれた状態になっている。
【0099】
また、図7(b)に示す如く、二次側接続部433と接続される二次側給水配管41の端部には、該二次側接続部433に外嵌可能な継手(以下、二次側継手という)410が取り付けられている。該二次側継手410は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、本実施形態に係る第一熱回収体43は、二次側接続部433が二次側継手410に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、二次側接続部433の外周と二次側継手410の内周との間がシール部材によって液密に保たれた状態になっている。
【0100】
そして、本実施形態に係る第一熱回収体43は、上述の如く、一次側接続部432及び二次側接続部433が同心であり、一次側接続部432が一次側継手400に回転可能に支持されるとともに、二次側接続部433が二次側継手410に回転可能に支持されているため、一次側接続部432及び二次側接続部433を中心にして全体が回転できるようになっている。
【0101】
これに対し、第二熱回収体44は、排水路DRの底に配置された上で、図7(b)に示す如く、一次側接続部442に対して一次側給水配管40が強固(回転不能)に接続され、二次側接続部443に対して二次側給水配管41が強固(回転不能)に接続されている。なお、本実施形態において、第二熱回収体44に接続される前記一次側給水配管40及び二次側給水配管41は、第一熱回収体43に接続される前記一次側給水配管40及び二次側給水配管41と同様に剛性のある配管であってもよいし、可撓性のあるフレキシブル管であってもよい。
【0102】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、以上の通りであり、第一実施形態の排熱回収装置42と同様に、排水路DR内に設置した状態で前記第一熱回収体43及び第二熱回収体44のそれぞれに給水源からの水を流通させると、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を流通する給水源からの水と排水路DRを流通する使用済みの温水とが熱交換し、前記水を使用済みの温水の熱で加熱することになる。
【0103】
そして、排水路DRを流通する使用済みの温水に含まれる油分や洗剤の成分等がスケールとして第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440のそれぞれの表面に付着した場合、第一実施形態と同様に、排水路DRの蓋C(図1参照)を外した上で、排水路DR内の排熱回収装置42(第一熱回収体43,第二熱回収体44)の各伝熱カセット430,440(プレート状伝熱部434,444)をブラシ等の清掃具で掃除する。
【0104】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、上述の如く、第一熱回収体43が一次側接続部432及び二次側接続部433を中心にして回転可能に設けられているため、図8に示す如く、第一熱回収体43全体(複数の第一伝熱カセット430及び複数の連結部431a,431b)を、前記一次側接続部432及び前記二次側接続部433を中心にして回転させることで、該第一熱回収体43の各第一伝熱カセット430…が第二熱回収体44の第二伝熱カセット440,440間から引き出された状態になる。
【0105】
これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42においても、第一熱回収体43が備える複数の第一伝熱カセット430…の周囲に第二熱回収体44が備える複数の第二伝熱カセット440…が存在しなくなり、また、第二熱回収体44が備える複数の第二伝熱カセット440…の周囲に第一熱回収体43が備える複数の第一伝熱カセット430…が存在しなくなる。
【0106】
これにより、前記排熱回収装置42は、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430(プレート状伝熱部434)及び第二熱回収体44の第二伝熱カセット440(プレート状伝熱部444)にブラシ等の清掃具がアクセスし易い状態になる。
【0107】
従って、本実施形態に係る排熱回収装置42においても、第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440のそれぞれのプレート状伝熱部434,444を含む表面を容易に且つ物理的に清掃することができ、プレート状伝熱部434,444に対するスケールの付着を解消して給水源からの水と使用済みの温水との間で効率的に熱交換させることのできる状態に戻すことができる。
【0108】
次に、本発明の第三実施形態に係る排熱回収装置について説明する。なお、第一実施形態の構成と同一の構成又は相当する構成については、同一名称及び同一符号を付すこととする。但し、連結部については、第一連結部及び第二連結部に区分けせずに、単に連結部とし、符号についても区分けせずに(a,bを付さずに)表記することとする。
【0109】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、図9及び図10に示す如く、第一熱回収体43及び第二熱回収体44の配置を第一及び第二実施形態と同様にする(第一熱回収体43と第二熱回収体44とを組み合わせて第二伝熱カセット440,440間に第一伝熱カセット430を遊挿した状態にする)ことを前提としている。
【0110】
本実施形態において、図10に示す如く、第一熱回収体43の連結部431、一次側接続部432及び二次側接続部433は、同心になるように設けられている。すなわち、本実施形態に係る第一熱回収体43において、連結部431、一次側接続部432及び二次側接続部433は、一列に配置されている。
【0111】
そして、本実施形態に係る第一熱回収体43において、前記複数の連結部431、前記一次側接続部432及び二次側接続部433は、連結の対象となる第一伝熱カセット430(最も一端側にある第一伝熱カセット430及び最も他端側にある第一伝熱カセット430)の一端側の中央部に連結されている。
【0112】
そして、本実施形態に係る連結部431のそれぞれは、隣り合う第一伝熱カセット430,430のうちの一方の第一伝熱カセット430に連結された第一筒体435と、隣り合う第一伝熱カセット430,430のうちの他方の第一伝熱カセット430に連結され、第一筒体435に外嵌された第二筒体436とを備えている。
【0113】
前記第二筒体436は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、前記第一筒体435は、第二筒体436の溝に内嵌されたシール部材が外周に圧接した状態になっている。すなわち、各連結部431は、第一筒体435の外周と第二筒体436の内周との間がシール部材によって液密になっている。そして、第一筒体435及び第二筒体436は、自己の中心回りで相対的に回転可能になっている。
【0114】
本実施形態において、一次側給水配管40及び二次側給水配管41は、第二実施形態と同様に、剛性のある配管で構成され、排熱回収装置42の近傍が排水路DR内で固定されている。そして、一次側接続部432と接続される一次側給水配管40の端部には、該一次側接続部432に外嵌可能な一次側継手400が取り付けられている。該一次側継手400は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、本実施形態に係る第一熱回収体43は、一次側接続部432が一次側継手400に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、一次側接続部432の外周と一次側継手400の内周との間がシール部材によって液密に保たれた状態になっている。
【0115】
また、二次側接続部433と接続される二次側給水配管41の端部には、該二次側接続部433に外嵌可能な二次側継手410が取り付けられている。該二次側継手410は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、本実施形態に係る第一熱回収体43は、二次側接続部433が二次側継手410に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、二次側接続部433の外周と二次側継手410の内周との間がシール部材によって液密に保たれた状態になっている。
【0116】
このように、本実施形態に係る第一熱回収体43は、隣り合う第一伝熱カセット430…が第一筒体435と、第一筒体435に対して同心で回転可能に外嵌された第二筒体436とで構成される連結部431を介して連結され、さらに、一次側接続部432が一次側継手400に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、二次側接続部433が二次側継手410に軸心回りで回転可能に支持されることで、各第一伝熱カセット430…が連結された連結部431を中心にして個別に回転できるようになっている。
【0117】
そして、本実施形態に係る第一熱回収体43において、複数の連結部431、前記一次側接続部432及び二次側接続部433が第一伝熱カセット430の一端側で一列をなすように配置されるため、各第一伝熱カセット430の内部流路430aは、流入した水が一端側から他端側に流れた後に再度一端側に戻るように形成されている。
【0118】
より具体的には、第一熱回収体43において、複数の第一伝熱カセット430…のそれぞれは、図11に示す如く、一対のプレート状伝熱部434,434間の内部流路430aを該プレート状伝熱部434,434の並ぶ方向で一次側内部流路430bと二次側内部流路430cとに仕切る仕切板Pcを備えている。すなわち、各第一伝熱カセット430…は、一対の伝熱プレートP,Pに外周が挟み込まれた仕切板Pcを備えている。
【0119】
前記仕切板Pcは、当該第一伝熱カセット430の他端部側に一次側内部流路430bと二次側内部流路430cとを連通させる連通孔Hが設けられている。
【0120】
これにより、各第一伝熱カセット430…は、給水源からの水が一次側内部流路430bを流れた上で二次側内部流路430cを流れるようになっている。すなわち、本実施形態に係る第一熱回収体43は、各第一伝熱カセット430…の内部流路430aにおいて、給水源からの水が一端側から他端側に向けて流れて該他端側(連通孔H)でターンした上で他端側から一端側に向けて流れるようになっている。
【0121】
従って、本実施形態に係る第一熱回収体43は、各第一伝熱カセット430…の内部流路430aが一往復する流路になるとともに、各第一伝熱カセット430…の内部流路430aが一端側にある連結部431を介して流体的に接続されたものになっている。
【0122】
図10に戻り、本実施形態に係る第二熱回収体44の連結部441、一次側接続部442及び二次側接続部443は、同心になるように設けられている。すなわち、本実施形態に係る第二熱回収体44において、連結部441、一次側接続部442及び二次側接続部443は、一列に配置されている。
【0123】
そして、本実施形態に係る第二熱回収体44において、前記複数の連結部441、前記一次側接続部442及び二次側接続部443は、連結の対象となる第二伝熱カセット440(最も一端側にある第二伝熱カセット440及び最も他端側にある第二伝熱カセット440)の他端側の中央部に連結されている。
【0124】
そして、本実施形態に係る連結部441のそれぞれは、隣り合う第二伝熱カセット440,440のうちの一方の第二伝熱カセット440に連結された第一筒体445と、隣り合う第二伝熱カセット440,440のうちの他方の第二伝熱カセット440に連結され、第一筒体445に外嵌された第二筒体446とを備えている。
【0125】
前記第二筒体446は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、前記第一筒体445は、第二筒体446の溝に内嵌されたシール部材が外周に圧接した状態になっている。すなわち、各連結部441は、第一筒体445の外周と第二筒体446の内周との間がシール部材によって液密になっている。そして、第一筒体445及び第二筒体446は、自己の中心回りで相対的に回転可能になっている。
【0126】
本実施形態において、一次側給水配管40及び二次側給水配管41は、第二実施形態と同様に、剛性のある配管で構成され、排熱回収装置42の近傍が排水路DR内で固定されている。そして、一次側接続部442と接続される一次側給水配管40の端部には、該一次側接続部442に外嵌可能な一次側継手400が取り付けられている。該一次側継手400は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、本実施形態に係る第二熱回収体44は、一次側接続部442が一次側継手400に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、一次側接続部442の外周と一次側継手400の内周との間がシール部材によって液密に保たれた状態になっている。
【0127】
また、二次側接続部443と接続される二次側給水配管41の端部には、該二次側接続部443に外嵌可能な二次側継手410が取り付けられている。該二次側継手410は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、本実施形態に係る第二熱回収体44は、二次側接続部443が二次側継手410に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、二次側接続部443の外周と二次側継手410の内周との間がシール部材によって液密に保たれた状態になっている。
【0128】
このように、本実施形態に係る第二熱回収体44は、隣り合う第二伝熱カセット440…が第一筒体445と、第一筒体445に対して同心で回転可能に外嵌された第二筒体446とで構成される連結部441を介して連結され、さらに、一次側接続部442が一次側継手400に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、二次側接続部443が二次側継手410に軸心回りで回転可能に支持されることで、各第二伝熱カセット440…が連結された連結部441を中心にして個別に回転できるようになっている。
【0129】
そして、本実施形態に係る第二熱回収体44において、複数の連結部441、前記一次側接続部442及び二次側接続部443が第二伝熱カセット440の他端側で一列をなすように配置されるため、各第二伝熱カセット440の内部流路440aは、流入した水が他端側から一端側に流れた後に再度他端側に戻るように形成されている。
【0130】
より具体的には、第二熱回収体44において、複数の第二伝熱カセット440…のそれぞれは、図11に示す如く、一対のプレート状伝熱部444,444間の内部流路440aを該プレート状伝熱部444,444の並ぶ方向で一次側内部流路440bと二次側内部流路440cとに仕切る仕切板Pcを備えている。すなわち、各第二伝熱カセット440…は、一対の伝熱プレートP,Pに外周が挟み込まれた仕切板Pcを備えている。
【0131】
前記仕切板Pcは、当該第二伝熱カセット440の他端部側に一次側内部流路440bと二次側内部流路440cとを連通させる連通孔Hが設けられている。
【0132】
これにより、各第二伝熱カセット440…は、給水源からの水が一次側内部流路440bを流れた上で二次側内部流路440cを流れるようになっている。本実施形態に係る第二熱回収体44は、各第二伝熱カセット440…の内部流路440aにおいて、給水源からの水が他端側から一端側に向けて流れて該一端側(連通孔H)でターンした上で一端側から他端側に向け流れるようになっている。
【0133】
従って、本実施形態に係る第二熱回収体44は、各第二伝熱カセット440…の内部流路440aが一往復する流路になるとともに、各第二伝熱カセット440…の内部流路440aが一端側にある連結部441を介して流体的に接続されたものになっている。
【0134】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、以上の通りであり、排水路DRに配置された上で一次側給水配管40から水を供給することで、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を流通する給水源からの水と排水路DRを流れる使用済みの温水とが効率的に熱交換することになる。本実施形態において、第一熱回収体43及び第二熱回収体44は、上述の如く、伝熱カセット(第一伝熱カセット430、第二伝熱カセット440)のそれぞれの内部流路430a,440aが一往復する流路になるとともに、伝熱カセット(第一伝熱カセット430、第二伝熱カセット440)のそれぞれの内部流路430a,440aが一列に並ぶ連結部431…を介して流体的に接続されているため、給水源からの水が上流側(一次側給水配管40側)から下流側(二次側給水配管41)に向けて排水路DRの幅方向に蛇行(複数回往復)しつつ流通することになる。
【0135】
これにより、第一熱回収体43及び第二熱回収体44のそれぞれにおいて、給水源からの水が伝熱カセット(第一伝熱カセット430、第二伝熱カセット440)のそれぞれの内部流路430a,440aの全域又は略前記で淀むことなく上流から下流に向けて流れ、排水路DRを流れる(第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間を流れる)使用済みの温水と効率的に熱交換されることになる。
【0136】
そして、排水路DRを流通する使用済みの温水に含まれる油分や洗剤の成分等がスケールとして第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440のそれぞれの表面に付着した場合、第一及び第二実施形態と同様に、排水路DRの蓋C(図1参照)を外した上で、排水路DR内の排熱回収装置42(第一熱回収体43,第二熱回収体44)の各伝熱カセット430,440(プレート状伝熱部434,444)をブラシ等の清掃具で掃除する。
【0137】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、上述の如く、第一熱回収体43の複数の第一伝熱カセット430…のそれぞれが連結部431を中心にして個別に回転できるため、図12に示す如く、複数の第一伝熱カセット430を個別に回転させることで、該第一伝熱カセット430…を第二熱回収体44の第二伝熱カセット440,440間から引き出した状態にすることができる。
【0138】
これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42においても、第一熱回収体43が備える複数の第一伝熱カセット430…の周囲に第二熱回収体44が備える複数の第二伝熱カセット440…が存在しなくなり、第二熱回収体44が備える複数の第二伝熱カセット440…の周囲に第一熱回収体43が備える複数の第一伝熱カセット430…が存在しなくなる。従って、本実施形態に係る排熱回収装置42においても、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430(プレート状伝熱部434)及び第二熱回収体44の第二伝熱カセット440(プレート状伝熱部444)にブラシ等の清掃具をアクセスさせ易い状態になる。
【0139】
また、本実施形態に係る排熱回収装置42においては、上述の如く、第二熱回収体44の複数の第二伝熱カセット440…のそれぞれについても連結部441を中心にして個別に回転できるため、複数の第二伝熱カセット440を個別に回転させることで、該第二伝熱カセット440…を第一熱回収体43の第一伝熱カセット430,430間から引き出した状態にすることができる。
【0140】
これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第二熱回収体44が備える複数の第二伝熱カセット440…の周囲に第一熱回収体43が備える複数の第一伝熱カセット430…が存在しなくなり、第一熱回収体43が備える複数の第一伝熱カセット430…の周囲に第二熱回収体44が備える複数の第二伝熱カセット440…が存在しなくなる。これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第二熱回収体44の第二伝熱カセット440を回転させることでも、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430(プレート状伝熱部434)及び第二熱回収体44の第二伝熱カセット440(プレート状伝熱部444)にブラシ等の清掃具をアクセスさせ易い状態になる。
【0141】
従って、本実施形態に係る排熱回収装置42においても、第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440のそれぞれのプレート状伝熱部434,444を含む表面を容易に且つ物理的に清掃することができ、プレート状伝熱部434,444に対するスケールの付着を解消して給水源からの水と使用済みの温水との間で効率的に熱交換させることのできる状態に戻すことができる。
【0142】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加え得ることは勿論のことである。
【0143】
上記第一実施形態において、伝熱カセット(第一伝熱カセット430、第二伝熱カセット440)を清掃する際に、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を上下方向で相対的に位置変更させることを前提に説明したが、これに限定されるものではなく、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を伝熱カセット430…,440…の並ぶ方向(横方向)で相対的に位置変更させ、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430と第二熱回収体44の第二伝熱カセット440との間隔を広げるようにしてもよい。
【0144】
すなわち、伝熱カセット(第一伝熱カセット430、第二伝熱カセット440)を清掃する際に、第一熱回収体43を伝熱カセット430…,440…の並ぶ方向(横方向)の一方側に位置変更させることで、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430の何れか一方の伝熱プレートP(プレート状伝熱部434)と該一方の伝熱プレートP(プレート状伝熱部434)と対向する第二熱回収体44の第二伝熱カセット440の他方の伝熱プレートP(プレート状伝熱部434)との間隔を広げたり、第一熱回収体43を伝熱カセット430…,440…の並ぶ方向(横方向)の他方側に位置変更させることで、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430の何れか他方の伝熱プレートP(プレート状伝熱部434)と該他方の伝熱プレートP(プレート状伝熱部434)と対向する第二熱回収体44の第二伝熱カセット440の一方の伝熱プレートP(プレート状伝熱部434)との間隔を広げたりするようにしてもよい。
【0145】
このように、第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間隔を広げることで、ブラシ等の清掃具が挿入し易くなる上に、第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間での清掃具の操作もし易くなり、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0146】
また、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を伝熱カセット430…,440…の並ぶ方向(横方向)で相対的に位置変更可能にするに当り、第一熱回収体43及び第二熱回収体44のそれぞれが全体的に位置変更するものに限定されるものではなく、第一熱回収体43及び第二熱回収体44の少なくとも伝熱カセット430,440が位置変更できればよい。このようにしても、第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間隔を広げることができ、ブラシ等の清掃具が挿入し易くなる上に、第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間での清掃具の操作もし易くなり、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0147】
上記第一実施形態及び第二実施形態において、隣り合う伝熱カセット430…、440…を連結する連結部431として、伝熱カセット430…の一端側同士を連結する第一連結部431aと、伝熱カセット430…の他端側同士を連結する第二連結部431bとを伝熱カセット430…の並ぶ方向で交互に配置したが、これに限定されるものではなく、例えば、第三実施形態と同様に、連結部431…を一列に配置するとともに伝熱カセット430,440内に仕切板Pcを設けて内部流路430a,440aを往復する流路に形成してもよい。
【0148】
上記第三実施形態において、第一熱回収体43及び第二熱回収体44の何れの伝熱カセット(第一伝熱カセット430…、第二伝熱カセット440…)も個別に回転できるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、第一熱回収体43又は第二熱回収体44の何れか一方の伝熱カセット(第一伝熱カセット430…、第二伝熱カセット440…)のみを個別に回転できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0149】
1…給湯システム、2…湯沸器、3…給湯配管系、4…給水配管系、5…混合弁、6…配管系、7…給湯検知装置、8…検知センサ(入浴情報取得装置)、9…開閉弁、10…制御装置、40…一次側給水配管、41…二次側給水配管、42…排熱回収装置、43…第一熱回収体(熱回収体)、44…第二熱回収体(熱回収体)、60…主配管、61…第一配管、62…第二配管、320a…内部流路、430b…一次側内部流路、430c…二次側内部流路、400…一次側継手(継手)、410…二次側継手(継手)、430…第一伝熱カセット(伝熱カセット)、431…連結部、431a,441a…第一連結部(連結部)、431b,441b…第二連結部(連結部)、432…一次側接続部、433…二次側接続部、434…プレート状伝熱部、435…第一筒体、436…第二筒体、440…第二伝熱カセット、440a…内部流路、441…連結部、441a…第三連結部(連結部)、441b…第四連結部(連結部)、440b…一次側内部流路、440c…二次側内部流路、442…一次側接続部、443…二次側接続部、444…プレート状伝熱部、445…第一筒体、446…第二筒体、BR…浴室、BT…浴槽、C…蓋、D…排水口、D…排水口、DP…排水系、DR…排水路、Dr…排水路、H…連通孔、P…伝熱プレート、Pc…仕切板
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室や台所等の各所に給湯するに際し、湯沸器からの高温な湯と混合される給水源からの水を使用済みの温水で加熱するための給湯システム用排熱回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室や台所等の各所に適温の湯を供給する(給湯する)給湯システムとして、上水道等の給水源からの水を加熱して高温な湯にする湯沸器と、該湯沸器に接続された給湯配管系と、給水源に接続された給水配管系と、給湯配管系及び給水配管系を接続した混合弁とを備え、給水配管系からの水に給湯配管系からの高温な湯を混合弁で混合させて適温な湯にするように構成されたものが提供されている。
【0003】
そして、この種の給湯システムは、給水源の水の温度が低い場合、水を加熱するエネルギーの消費量が多くなる上に高温にした湯(加熱した水)の消費量が多くなるとして、使用済みの温水(例えば、浴室でのシャワーやカランの使用によって排出される湯)の熱で給水配管系の水の温度を高くした上で、該水を給湯配管系の湯と混合するようにしたものが提供されている。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
かかる給湯システムは、使用済みの温水から熱(排熱)を回収する排熱回収装置を備えている。前記排熱回収装置は、一般的に、熱交換効率の高い熱交換器が採用される。すなわち、排熱回収装置には、プレート式熱交換器や二重管式熱交換器が採用される。
【0005】
ここでプレート式熱交換器及び二重管式熱交換について概略説明すると、プレート式熱交換器は、複数の伝熱プレートが積層され、各伝熱プレートを境にして熱交換流体を流通させる第一流路と、熱交換流体と熱交換される被熱交換流体を流通させる第二流路とが交互に形成されている。そして、プレート式熱交換器は、第一流路を流通する熱交換流体と、第二流路を流通する被熱交換流体とが伝熱プレートを介して熱交換するようになっている。
【0006】
これに対し、二重管式熱交換器は、外管と、該外管に遊挿された内管とで構成され、該内管内に熱交換流体又は該熱交換流体と熱交換される被熱交換流体の何れか一方を流通させる第一流路が形成され、内管と外管との間に熱交換流体又は該熱交換流体と熱交換される被熱交換流体の何れか他方を流通させる第二流路が形成されている。そして、二重管式熱交換器は、第一流路を流通する熱交換流体又は被熱交換流体の何れか一方と、第二流路を流通する熱交換流体又は被熱交換流体の何れか他方とが内管を介して熱交換するようになっている。
【0007】
これに伴い、前記給湯システムは、前記排熱回収装置(プレート式熱交換器や二重管式熱交換器)の第一流路又は第二流路の何れか一方を給水配管系の一部とし、前記排熱回収装置の第一流路又は第二流路の何れか他方を使用済みの湯が排出される排水口と排水路とを繋ぐ排水系の一部としている。
【0008】
すなわち、前記給湯システムの給水配管系は、給水源に繋がる一次側給水配管と、混合弁に繋がる二次側給水配管とを備え、該一次側給水配管の下流端部が前記排熱回収装置の第一流路又は第二流路の何れか一方の給液口(給水口)に接続される一方、該二次側給水配管の上流端部が前記排熱回収装置の第一流路又は第二流路の何れか一方の排液口(排水口)に接続される。
【0009】
これに対し、前記給湯システムの排水系は、排水口に繋がる一次側排水配管と、排水路(排水管)に繋がる二次側排水配管とを備え、該一次側排水配管の下流端部が前記排熱回収装置の第一流路又は第二流路の何れか他方の給液口(給水口)に接続される一方、該二次側排水配管の上流端部が前記排熱回収装置の第一流路又は第二流路の何れか他方の排液口(排水口)に接続される。
【0010】
これにより、前記排熱回収装置は、第一流路又は第二流路の何れか一方で流通する給水源からの水と、第一流路又は第二流路の何れか他方で流通する使用済みの温水との間で熱交換させ、給水配管系内の水を加熱する(給水源からの水の温度を高くする)ようになっている。
【0011】
このように、上記構成の給湯システムは、使用済みの温水で給水配管系の水の温度を高くした上で、該水を給湯配管系の湯と混合できるため、湯沸器で給水源からの水を必要以上の温度に加熱したり湯沸器から多くの湯を供給したりする必要がなく、湯沸器でのエネルギーの消費を抑えることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実用新案登録第3149968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、浴室や台所等から排出される使用済みの温水は、油分や洗剤の成分等が含まれているため、当該油分や洗剤の成分等が排熱回収装置内における使用済みの湯を流通させる流路(第一流路又は第二流路の何れか他方の流路)を詰まらせてしまう虞がある。
【0014】
すなわち、使用済みの湯に含まれる油分や洗剤の成分等は、前記排熱回収装置の第一流路又は第二流路の何れか他方を画定する壁面(プレート式熱交換器の場合には伝熱プレートの表面、二重管式熱交換器の場合には内管の内面又は内管の外面と外管の内面)に、スケールとして付着乃至堆積し、使用済みの湯を流通させる流路(第一流路又は第二流路の何れか他方の流路)を詰まらせてしまう虞がある。
【0015】
これに伴い、第一流路又は第二流路の何れか他方を画定する壁面に付着したスケールを除去することが要求されるが、前記排熱回収装置に採用されるプレート式熱交換器や二重管式熱交換器は、使用済みの湯を流通させる流路(第一流路又は第二流路の何れか他方の流路)が密閉空間で構成されるため、該流路を画定する壁面に付着したスケールを物理的な洗浄(ブラシ等による洗浄)で除去することができない。
【0016】
そのため、この種の排熱回収装置は、一般的に洗浄力の強い薬液や液体洗剤を流通させることでスケールを除去(内部洗浄)することが推奨される。
【0017】
しかしながら、給湯システムの排水系(使用済みの湯を流通させる経路)は、排水路に繋がっているため、スケールの除去(内部洗浄)に薬液や液体洗剤を使用すると、薬液や液体洗剤が排水路に排出されることになり、水質汚染等の原因となる。
【0018】
そこで、本発明は、使用済みの温水と給水源からの水との間で効率的に熱交換させることができる上に、使用済みの温水の流通に伴って付着したスケールを物理的に除去することのできる給湯システム用排熱回収装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係る給湯システム用排熱回収装置は、湯沸器からの高温な湯が混合される給水源からの水を使用済みの温水と熱交換させて加熱するための給湯システム用排熱回収装置であって、給水源に繋がる一次側給水配管、及び湯沸器に繋がる給湯配管系に合流する二次側給水配管を接続可能に構成され、前記一次側給水配管から二次側給水配管に向けて給水源からの水が流通可能に構成された一対の熱回収体を備え、該一対の熱回収体のそれぞれは、所定の間隔をあけて配置された複数の伝熱カセットと、隣り合う伝熱カセット同士を連結する複数の連結部と、前記複数の伝熱カセットの並ぶ並列方向の最も一端側にある伝熱カセットに接続され、前記一次側給水配管が接続可能に構成された一次側接続部と、前記複数の伝熱カセットの並ぶ並列方向の最も他端側にある伝熱カセットに接続され、前記二次側給水配管が接続可能に構成された二次側接続部とを備え、前記複数の伝熱カセットのそれぞれは、互いに間隔をあけて対向する一対のプレート状伝熱部と、該一対のプレート状伝熱部間に形成された内部流路とを備えるとともに、前記プレート状伝熱部を隣り合う伝熱カセットのプレート状伝熱部と面対向させて配置され、前記複数の連結部のそれぞれは、隣り合う伝熱カセットの内部流路を流体的に連通させ、前記一次側接続部は、前記最も一端側にある伝熱カセットの内部流路と一次側給水配管系とを流体的に連通可能に構成され、前記二次側接続部は、前記最も他端側にある伝熱カセットの内部流路と二次側給水配管系とを流体的に連通可能に構成され、前記一対の熱回収体は、一方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部と他方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部とを面対向させるように、一方の熱回収体の伝熱カセット間のそれぞれに他方の熱回収体の伝熱カセットのそれぞれが遊挿された状態で、使用済みの温水が排出される排水口に繋がる排水路内に設置可能に構成され、前記一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体は、少なくとも伝熱カセットが他方の熱回収体の伝熱カセットに対して相対的に位置変更可能に構成されていることを特徴とする。
【0020】
上記構成の給湯システム用排熱回収装置は、前記一対の熱回収体を排水路内に設置した状態で、一方の熱回収体の伝熱カセットと他方の熱回収体の伝熱カセットとの間が排水路で上流側から下流側に流通する使用済みの温水の流路になる。
【0021】
これにより、前記給水システム用排熱回収装置は、排水路内に設置した状態で前記一対の熱回収体のそれぞれに給水源からの水を流通させると、各熱回収体の伝熱カセット及び連結部を流通する給水源からの水と排水路を流通する使用済みの温水とが熱交換し、給水源からの水を使用済みの温水の熱で加熱することができる。
【0022】
特に、前記一対の熱回収体は、一方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部と他方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部とを面対向させるように、一方の熱回収体の伝熱カセット間のそれぞれに他方の熱回収体の伝熱カセットのそれぞれが遊挿されるため、各伝熱カセットのプレート状伝熱部を介して給水源からの水と使用済みの温水との間で効率的に熱交換することができる。
【0023】
すなわち、一方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部と他方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部とを面対向させることで、伝熱カセット間に形成される流路を通過する使用済み温水と伝熱カセットの内部流路を流通する水とが熱交換する面積が大きくなるため、使用済みの温水から効率的に熱回収を行って給水源からの水を効率的に加熱することができる。
【0024】
そして、前記給湯システム用排熱回収装置は、上述の如く、一方の熱回収体の伝熱カセットと他方の熱回収体の伝熱カセットとの間が排水路で上流側から下流側に流通する使用済みの温水の流路になるため、排水路を流通する使用済みの温水に含まれる油分や洗剤の成分等がスケールとして伝熱カセットの表面に付着することになる。そして、前記スケールの付着量(堆積量)が多くなると熱交換効率が低下してしまうため、一対の熱回収体の伝熱カセット(プレート状伝熱部)に対してブラシ等の清掃具を用いて定期又は不定期に掃除を行うことになる。
【0025】
上記構成の給湯システム用排熱回収装置おいては、一方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部と他方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部とを面対向させるように、一方の熱回収体の伝熱カセット間のそれぞれに他方の熱回収体の伝熱カセットのそれぞれが遊挿された状態にされるため、一方の熱回収体の伝熱カセットと他方の熱回収体の伝熱カセットとの間にブラシ等の清掃具を挿入でき、各伝熱カセットのプレート状伝熱部を含む正面の清掃を行うことができる。
【0026】
特に、前記一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体は、少なくとも伝熱カセットが他方の熱回収体の伝熱カセットに対して相対的に位置変更可能に構成されているため、一方の熱回収体の伝熱カセット(プレート状伝熱部)及び他方の熱回収体の伝熱カセットにブラシ等の清掃具がアクセスし易い状態になる。
【0027】
具体的には、一方の熱回収体の伝熱カセットと他方の熱回収体の伝熱カセットとが伝熱カセットの並ぶ方向で相対的に位置変更可能な場合、一対の熱回収体の伝熱カセットを相対的に位置変更させることで、一方の熱回収体の伝熱カセットと他方の熱回収体の伝熱カセットの間隔が広がるため、組み合わされた一対の熱回収体の伝熱カセット間にブラシ等の清掃具を挿入し易くなる上に該清掃具を操作し易い状態になる。これに対し、一方の熱回収体の伝熱カセットと他方の熱回収体の伝熱カセットとが伝熱カセットの並ぶ方向と直交する方向で相対的に位置変更可能な場合、一対の熱回収体の伝熱カセットを相対的に位置変更させることで、何れか一方の熱回収体の伝熱カセット間から何れか他方の熱回収体の伝熱カセットが個別に又は全体的に引き出された状態になる。これにより、前記一方の熱回収体の伝熱カセットの周囲に他方の熱回収体の伝熱カセットが存在しなくなり、また、前記他方の熱回収体の伝熱カセットの周囲に一方の熱回収体の伝熱カセットが存在しなくなるため、一対の熱回収体のそれぞれの伝熱カセット(プレート状伝熱部)にブラシ等の清掃具をアクセスし易い状態になる。
【0028】
従って、前記給湯システム用排熱回収装置は、複数の伝熱カセットのそれぞれのプレート状伝熱部を含む表面を容易に且つ物理的に清掃することができ、プレート状伝熱部に対するスケールの付着を解消して給水源からの水と使用済みの温水との間で効率的に熱交換させることのできる状態に戻すことができる。
【0029】
本発明の一態様として、前記一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体の前記一次側接続部及び前記二次側接続部は、同心で設けられ、前記少なくとも何れか一方の熱回収体は、前記一次側接続部及び前記二次側接続部を中心にして回転可能に構成されてもよい。
【0030】
かかる構成を備えた給湯システム用排熱回収装置は、一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体(複数の伝熱カセット及び複数の連結部)を前記一次側接続部及び前記二次側接続部を中心にして回転させることで、該一方の熱回収体の伝熱カセットを他方の熱回収体の伝熱カセット間から引き出した状態にすることができる。これにより、前記給湯システム用排熱回収装置は、前記一方の熱回収体の伝熱カセットの周囲に他方の熱回収体の伝熱カセットが存在しなくなり、また、前記他方の熱回収体の伝熱カセットの周囲に一方の熱回収体の伝熱カセットが存在しなくなるため、一対の熱回収体のそれぞれの伝熱カセット(プレート状伝熱部)にブラシ等の清掃具をアクセスし易い状態になる。
【0031】
本発明の他態様として、前記一対の熱回収体のそれぞれは、前記複数の連結部として、隣り合う伝熱カセットの一端部同士を連結する第一連結部と、隣り合う伝熱カセットの他端部同士を連結する第二連結部とを備え、伝熱カセット間に第一連結部又は第二連結部の何れか一方のみが配置され、第一連結部及び第二連結部が前記複数の伝熱カセットの並ぶ方向で交互に配置されていることが好ましい。
【0032】
かかる構成を備えた給湯システム用排熱回収装置によれば、隣り合う伝熱カセットの内部流路が第一連結部又は第二連結部の何れか一方を介して連通した状態になる。そして、前記一対の熱回収体のそれぞれは、伝熱カセットの一端部同士を連結する第一連結部と、伝熱カセットの他端部同士を連結する第二連結部とが複数の伝熱カセットの並ぶ方向で交互に配置されることで、一端から他端に向けて水が流通する内部流路を形成した伝熱カセットと、他端から一端に向けて水が流通する内部流路を形成した伝熱カセットとが交互に配置されたものになる。
【0033】
これにより、一対の熱回収体のそれぞれは、給水源からの水が複数の伝熱カセットのそれぞれの内部流路の全域又は略前記で淀むことなく上流から下流に向けて流れ、排水路を流れる(伝熱カセット間を流れる)使用済みの温水との熱交換を効率的に行えるものになる。
【0034】
本発明の別の態様として、前記一対の熱回収体のうちの少なくとも何れか一方の熱回収体は、前記一次側接続部、前記二次側接続部、及び前記複数の連結部が同心で配置されるとともに、複数の伝熱カセットのそれぞれが連結部を中心にして回転可能に構成されてもよい。
【0035】
かかる構成を備えた給湯システム用排熱回収装置は、前記一方の熱回収体における複数の伝熱カセットの少なくとも何れか一つを、連結部を中心にして回転させることで、該一方の熱回収体の伝熱カセットを他方の熱回収体の伝熱カセット間から引き出した状態にすることができる。これにより、前記給湯システム用排熱回収装置は、前記一方の熱回収体の伝熱カセットの周囲に他方の熱回収体の伝熱カセットが存在しなくなり、また、前記他方の熱回収体の伝熱カセットの周囲に一方の熱回収体の伝熱カセットが存在しなくなるため、一対の熱回収体のそれぞれの伝熱カセット(プレート状伝熱部)にブラシ等の清掃具をアクセスし易い状態になる。
【0036】
この場合、前記一対の熱回収体のうちの少なくとも何れか一方の熱回収体の前記一次側接続部、前記二次側接続部、及び前記複数の連結部は、連結の対象となる伝熱カセットの一端部に連結され、前記少なくとも何れか一方の熱回収体における前記複数の伝熱カセットのそれぞれは、一対のプレート状伝熱部間の内部流路を該プレート状伝熱部の並ぶ方向で一次側内部流路と二次側内部流路とに仕切る仕切板を備え、該仕切板は、当該伝熱カセットの他端部側に一次側内部流路と二次側内部流路とを連通させる連通孔が設けられてもよい。
【0037】
かかる構成を備えた給湯システム用排熱回収装置は、前記一対の熱回収体のうちの少なくとも何れか一方の熱回収体における複数の伝熱カセットのそれぞれで給水源からの水が一次側内部流路を流れた上で二次側内部流路を流れるものになる。すなわち、前記少なくとも何れか一方の熱回収体は、各伝熱カセットの内部流路において、給水源からの水が一端側から他端側に向けて流れて他端側(連通孔)でターンした上で他端側から一端側に向け流れるものになる。従って、前記少なくとも何れか一方の熱回収体は、各伝熱プレートの内部流路が一往復する流路になるとともに、各伝熱プレートの内部流路が一端側にある連結部を介して流体的に接続されたものになる。
【0038】
これにより、前記一対の熱回収体のうちの少なくとも何れか一方の熱回収体は、給水源からの水が複数の伝熱カセットのそれぞれの内部流路の全域又は略前記で淀むことなく上流から下流に向けて流れることになる。従って、上記構成の熱回収体を備えた給湯システム用排熱回収装置は、排水路を流れる(伝熱カセット間を流れる)使用済みの温水との熱交換を効率的に行えるものになる。
【発明の効果】
【0039】
以上のように、本発明に係る給湯システム用排熱回収装置は、使用済みの温水と給水源からの水との間で効率的に熱交換させることができる上に、使用済みの温水の流通に伴って付着したスケールを物理的に除去することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明の第一乃至第三実施形態に係る排熱回収装置が採用される給湯システムの概略系統図である。
【図2】図2は、本発明の第一実施形態に係る排熱回収装置の全体斜視図である。
【図3】図3は、第一実施形態に係る排熱回収装置を構成する第一熱回収体及び第二熱回収体の斜視図であって、(a)は、第一熱回収体の斜視図であり、(b)は、第二熱回収体の斜視図である。
【図4】図4は、第一実施形態に係る排熱回収装置(第一熱回収体及び第二熱回収体)の概略横断面図であって、(a)は、水の流れを矢印で付記した第一熱回収体の横断面図を示し、(b)は、水の流れを矢印で付記した第二熱回収体の横断面図である。
【図5】図5は、第一実施形態に係る排熱回収装置の概略縦断面図であって、排水路内に設置した状態の縦断面図である。
【図6】図6は、本発明の第二実施形態に係る排熱回収装置の全体斜視図である。
【図7】図7は、第二実施形態に係る排熱回収装置(第一熱回収体及び第二熱回収体)の概略横断面図であって、(a)は、水の流れを矢印で付記した第一熱回収体の横断面図を示し、(b)は、水の流れを矢印で付記した第二熱回収体の横断面図である。
【図8】図8は、第二実施形態に係る排熱回収装置(第一熱回収体及び第二熱回収体)の全体斜視図であって、第一熱回収体を回転させた状態の全体斜視図である。
【図9】図9は、本発明の第三実施形態に係る排熱回収装置の全体斜視図である。
【図10】図10は、第三実施形態に係る排熱回収装置(第一熱回収体及び第二熱回収体)の概略横断面図である。
【図11】図11は、第三実施形態に係る排熱回収装置(第一熱回収体及び第二熱回収体)の伝熱カセット(第一伝熱カセット、第二伝熱カセット)の縦断面図である。
【図12】図12は、第三実施形態に係る排熱回収装置(第一熱回収体及び第二熱回収体)の全体斜視図であって、第一熱回収体及び第二熱交換体の一部の伝熱カセットを回転させた状態の全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の第一実施形態に係る給湯システム用排熱回収装置(以下、単に排熱回収装置という)について、添付図面を参照して説明する。
【0042】
まず、本実施形態に係る排熱回収装置の説明に先立ち、該排熱回収装置が採用される給湯システムの一例について説明する。
【0043】
かかる給湯システムは、図1に示す如く、浴槽BTを備えた浴室BRを設置することを前提としたもので、上水道等の給水源からの水を加熱して高温な湯にする湯沸器2と、該湯沸器2に接続された給湯配管系3と、給水源に接続された給水配管系4と、給湯配管系3及び給水配管系4を接続した混合弁5と、浴室BRを含む複数箇所と前記混合弁5とを繋ぐ配管系6とを備えている。
【0044】
前記湯沸器2は、給水源に繋がる配管が接続されており、常温の水が供給されるようになっている。なお、図1に示す概略系統図では、前記給水配管系4を分岐させた配管を湯沸器2に接続している。そして、湯沸器2は、供給された水を加熱して高温な湯にするようになっている。すなわち、湯沸器2は、給水源から供給される水を流通させつつ連続的に加熱する連続式のものや、給水源から供給される水を貯留して加熱する貯湯式のものが採用される。
【0045】
前記湯沸器2は、浴室BRや、台所、洗面所等の設置された止水栓(採番しない)が開栓されると、加熱された水(高温になった湯)を混合弁5に向けて順次送り出すように構成されている。
【0046】
前記給水配管系4は、給水源と混合弁5とを流体的に接続している。そして、該給水配管系4は、途中位置に浴室BRの排水口Dに繋がる排水路DRを流通する使用済みの温水の熱を回収する排熱回収装置42が設けられている。すなわち、前記給水配管系4は、給水源に繋がる一次側給水配管40と、給湯配管系3に合流する(混合弁5に繋がる)二次側給水配管41と、前記一次側給水配管40及び前記二次側給水配管41が接続され、浴室BRの排水口Dに繋がる排水路DR内に設置される排熱回収装置42とを備えている。
【0047】
本実施形態に係る給湯配管系3は、湯沸器2と混合弁5とを接続した配管である。前記混合弁5は、いわゆる三方弁で構成されている。
【0048】
そして、本実施形態に係る給湯システム1は、前記配管系6における浴室BR以外の箇所(台所や洗面所)に繋がる経路(後述する第二配管)62上での湯の流通の有無を検知する給湯検知装置7と、入浴に関連する情報を取得する入浴情報取得装置8と、浴室BR内の浴槽BTの下部に接続された排水系DPを開閉する開閉弁9と、給湯検知装置7及び入浴情報取得装置8の検知結果に基づいて開閉弁9を開閉させる制御装置10とを備えている。
【0049】
本実施形態に係る配管系6は、上述の如く、浴室BRを含む複数箇所に給湯可能に構成されている。すなわち、配管系6は、混合弁5に接続される主配管60と、該主配管60に接続された分岐継手(採番しない)と、分岐継手と浴室BRとを繋ぐ第一配管61と、分岐継手と浴室BR以外の箇所とを繋ぐ第二配管62とを備えている。なお、第二配管62は、途中で分岐されて台所や洗面所等に繋がっている。
【0050】
本実施形態に係る給湯検知装置7は、流量センサで構成されており、第二配管62上に設けられている。これにより、給湯検知装置(流量センサ)7は、浴室BR以外の箇所に給湯するときに第二配管62(経路)上で湯の流通の有無を検知できるようになっている。
【0051】
本実施形態に係る入浴情報取得装置8は、流体の流通に伴ってON信号を出力するフロースイッチで構成されており、第一配管61上に設けられている。これにより、入浴情報取得装置8(フロースイッチ)は、浴室BRに給湯するときに第一配管61(経路)上で湯の流通の有無を検知し、湯の流通がある状態でON信号を出すようになっている。
【0052】
前記排水系DPは、浴槽BT内に貯められた温水(湯)を排水路DRにおける排熱回収装置42の上流側に排出可能に構成されている。前記開閉弁9は、駆動源を備えた弁体で構成される。本実施形態に係る開閉弁9は、電動ボール弁で構成されており、制御装置10の指示で開閉するようになっている。
【0053】
前記制御装置10は、CPU等を含む制御基板で構成されている。そして、該制御装置10は、入浴情報取得装置8が取得した情報を基に入浴中であると判断すると、開閉弁9を閉状態にする一方、入浴情報取得装置8が取得した情報を基に入浴中でないと判断するとともに給湯検知装置7の検知結果を基に浴室BR以外の箇所に繋がる経路上での湯の流通があると判断すると開閉弁9を開状態にするように構成されている。
【0054】
本実施形態において、前記入浴情報取得装置8は、上述の如く、前記配管系6における浴室BRに繋がる経路(第一配管61)上での湯の流通の有無を検知する検知センサ(フローセンサ)で構成されているため、制御装置10は、検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路上での湯の流通があると判断したときに入浴中であると判断し、検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路上での湯の流通がないと判断したときに入浴中でないと判断するように構成されている。
【0055】
すなわち、入浴者は入浴中に浴室BRのシャワーやカランで湯を使用するため、浴室BRに繋がる経路(第一配管)61上での湯の流通の有無で入浴中であるか否かが判ることから、本実施形態に係る給湯システム1は、制御装置10が検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路(第一配管)61上での湯の流通があると判断すると、入浴中であるとして、所定時間の間(例えば、入浴時間の間)浴槽BT内の湯が排出されることを防止し、制御装置10が検知センサ8の検知結果を基に浴室BRに繋がる経路(第一配管)61上での湯の流通がないと判断するとともに給湯検知装置7の検知結果を基に浴室BR以外の箇所に繋がる経路(第二配管)62上での湯の流通があると判断すると、浴室BRに入浴者が居ない(入浴中ではない)状態で浴室BR以外の場所に給湯する状態であるとして、開閉弁9を開状態にするように構成されている。
【0056】
本実施形態に係る排熱回収装置42が採用される給湯システム1の全体構成は、以上の通りであり、続いて、本実施形態に係る排熱回収装置42について具体的に説明する。
【0057】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、浴室BRにおけるシャワーやカランの湯が浴室BRの排水口Dを介して排水路DRに排出され、また、浴槽BT内の湯が排水系DPを介して排水路DRに排出されることに着目したもので、使用済みの湯が排出される排水路DR内に設置されることを前提としている。
【0058】
これに伴い、前記排水路DRにおける排熱回収装置42を設置する領域の天部は、着脱可能な蓋Cで構成されており、該蓋Cを取り外すことで排水路DR内に設置された排熱回収装置42に対してアクセスできるようになっている。なお、図1において、蓋Cを含む排水路DR全体が浴槽BTの下方に配置されているが、実際には、排水路DRの少なくとも排熱回収装置42が設置される領域(蓋Cを含む領域)は、浴槽BTに対して横方向にずれた位置(上方に浴槽BTのない位置)に配置され、蓋Cの着脱を上方から行えるようになっている。
【0059】
そして、本実施形態に係る排熱回収装置42は、図2に示す如く、一次側給水配管40、及び二次側給水配管41を接続可能に構成され、前記一次側給水配管40から二次側給水配管41に向けて給水源からの水を流通可能に構成された一対の熱回収体43,44を備えている。なお、以下、一方の熱回収体を第一熱回収体43といい、他方の熱回収体を第二熱回収体44という。
【0060】
前記第一熱回収体43は、図2及び図3(a)に示す如く、所定の間隔をあけて配置された複数の伝熱カセット(以下、第一伝熱カセットという)430…と、隣り合う第一伝熱カセット430…同士を連結する複数の連結部431a,431bと、前記複数の第一伝熱カセット430…の並ぶ方向の最も一端側にある第一伝熱カセット430に接続され、前記一次側給水配管40が接続可能に構成された一次側接続部432と、前記複数の第一伝熱カセット430…の並ぶ方向の最も他端側にある第一伝熱カセット430に接続され、前記二次側給水配管41が接続可能に構成された二次側接続部433とを備えている。
【0061】
前記複数の第一伝熱カセット430…のそれぞれは、図4(a)及び図5に示す如く、互いに間隔をあけて対向する一対のプレート状伝熱部434,434と、該一対のプレート状伝熱部434,434間に形成された内部流路430aとを備えている。前記複数の第一伝熱カセット430…のそれぞれは、重ね合わされた四角形状をなす一対の伝熱プレートP,Pの外周同士が液密に封着されて形成されており、伝熱プレートP,P間(内部)に水を流通させる内部流路430aが形成されている
【0062】
前記複数の第一伝熱カセット430…のそれぞれは、前記プレート状伝熱部434を隣り合う第一伝熱カセット430のプレート状伝熱部434と面対向させて配置されている。
【0063】
すなわち、複数の第一伝熱カセット430…は、それぞれ起立した状態で配置されている。本実施形態において、各第一伝熱カセット430…は、伝熱プレートP,Pの外郭を構成する四辺のうちの対向する二辺が上下方向に伸びるように配置され、隣り合う相手方の第一伝熱カセット430…(伝熱プレートP,P)と面対向させている。
【0064】
前記第一熱回収体43において、前記連結部431a,431bは、図4(a)に示す如く、筒状に形成されており、隣り合う第一伝熱カセット430…間に介設された状態で両方の第一伝熱カセット430,430の内部流路430a,430a同士を連通させている。
【0065】
そして、前記第一熱回収体43は、第一伝熱カセット430の内部流路430aでの水の流通方向が第一伝熱カセット430…毎に切り替わるように連結部431a,431bが配置されている。
【0066】
より具体的には、本実施形態に係る第一熱回収体43は、前記複数の連結部431a,431bとして、第一伝熱カセット430…の幅方向の一端同士を連結する第一連結部431aと、第一伝熱カセット430…の幅方向の他端同士を連結する第二連結部431bとを備えている。そして、前記第一熱回収体43において、第一伝熱カセット430…間に前記第一連結部431a又は第二連結部431bの何れか一方のみが配置され、前記第一連結部431a及び第二連結部431bが前記複数の第一伝熱カセット430…の並ぶ方向で交互に配置されている。
【0067】
本実施形態に係る第一熱回収体43の連結部431a,431b(第一連結部431a及び第二連結部431b)は、図2及び図3(a)に示す如く、第一伝熱カセット430…の上端部同士を連結している。すなわち、第一連結部431aは、隣り合う第一伝熱カセット430…の幅方向の一端側の上端部同士を連結し、第二連結部431bは、隣り合う第一伝熱カセット430…の幅方向の他端側の上端部同士を連結している。これにより、第一熱回収体43は、図4(a)に示す如く、水の流通方向が幅方向の一端側から他端側に向く第一伝熱カセット430…と、水の流通方向が幅方向の他端側から一端側に向く第一伝熱カセット430…とが交互に配置され、第一伝熱カセット430…毎に流通方向を変更しながら水を流通させることができるようになっている。
【0068】
前記第一熱回収体43の一次側接続部432は、筒状に形成されており、複数の第一伝熱カセット430…の並ぶ方向における最も一端にある第一伝熱カセット430から外方に突設されている。すなわち、前記一次側接続部432は、最も一端にある第一伝熱カセット430の外側に向くプレート状伝熱部434に対して外方に向けて突出するように設けられている。これに対し、前記第一熱回収体43の二次側接続部433は、筒状に形成されており、複数の第一伝熱カセット430…の並ぶ方向における最も他端にある第一伝熱カセット430から外方に突設されている。すなわち、前記二次側接続部433は、最も他端にある第一伝熱カセット430の外側に向くプレート状伝熱部434に対して外方に向けて突出するように設けられている。
【0069】
そして、第一熱回収体43は、一次側接続部432に対して一次側給水配管40が接続され、二次側接続部433に対して二次側給水配管41が接続されている。本実施形態において、前記一次側給水配管40及び二次側給水配管41は、少なくとも第一熱回収体43の近傍がフレキシブル管で構成される。
【0070】
これにより、第一熱回収体43は、前記一次側給水配管40及び二次側給水配管41の変形(撓み)により位置変更(持ち上げ)可能に配置される。また、第一熱回収体43は、給水源からの水が一次側給水配管40から供給され、該供給された水(複数の第一伝熱カセット430…を通過した水)を二次側給水配管41に供給する(流出させる)ようになっている。
【0071】
前記第二熱回収体44は、図2及び図3(b)に示す如く、所定の間隔をあけて配置された複数の伝熱カセット(以下、第二伝熱カセットという)440…と、隣り合う第二伝熱カセット440…同士を連結する複数の連結部441a,441b(図4(b)参照)と、前記複数の第二伝熱カセット440…の並ぶ方向の最も一端側にある第二伝熱カセット440に接続され、前記一次側給水配管40が接続可能に構成された一次側接続部442と、前記複数の第二伝熱カセット440…の並ぶ方向の最も他端側にある第二伝熱カセット440に接続され、前記二次側給水配管41が接続可能に構成された二次側接続部443とを備えている。
【0072】
前記複数の第二伝熱カセット440…のそれぞれは、図4(b)及び図5に示す如く、互いに間隔をあけて対向する一対のプレート状伝熱部444,444と、該一対のプレート状伝熱部444,444間に形成された内部流路440aとを備えている。前記第二伝熱カセット440…のそれぞれは、重ね合わされた四角形状をなす一対の伝熱プレートP,Pの外周同士が液密に封着されて形成されており、伝熱プレートP,P(プレート状伝熱部444,444)間に水を流通させる内部流路440aが形成されている。そして、複数の第二伝熱カセット440…は、それぞれ起立した状態で配置されている。すなわち、各第二伝熱カセット440…は、伝熱プレートP,Pの外郭を構成する四辺のうちの対向する二辺が上下方向に伸びるように配置され、隣り合う相手方の第二伝熱カセット440…(伝熱プレートP,P)と面対向させている。
【0073】
前記第二熱回収体44において、前記連結部441a,441bは、図4(b)に示す如く、筒状に形成されており、隣り合う第二伝熱カセット440…間に介設された状態で両方の第二伝熱カセット440,440の内部流路440a,440a同士を連通させている。
【0074】
そして、前記第二熱回収体44は、第二伝熱カセット440の内部流路440aでの水の流通方向が第二伝熱カセット440…毎に切り替わるように連結部441a,441bが配置されている。
【0075】
より具体的には、本実施形態に係る第二熱回収体44は、前記複数の連結部441a,441bとして、第二伝熱カセット440…の幅方向の一端同士を連結する第三連結部441aと、第二伝熱カセット440…の幅方向の他端同士を連結する第四連結部441bとを備えている。そして、前記第二熱回収体44において、第二伝熱カセット440…間に前記第三連結部441a又は第四連結部441bの何れか一方のみが配置され、前記第三連結部441a及び第四連結部441bが前記複数の第二伝熱カセット440…の並ぶ方向で交互に配置されている。
【0076】
本実施形態に係る第二熱回収体44の連結部441a,441b(第三連結部441a及び第四連結部441b)は、図2及び図3(b)に示す如く、第二伝熱カセット440…の下端部同士を連結している。すなわち、第三連結部441aは、隣り合う第二伝熱カセット440…の幅方向の一端側の下端部同士を連結し、第四連結部441bは、隣り合う第二伝熱カセット440…の幅方向の他端側の下端部同士を連結している。これにより、第二熱回収体44は、図4(b)に示す如く、水の流通方向が幅方向の一端側から他端側に向く第二伝熱カセット440…と、水の流通方向が幅方向の他端側から一端側に向く第二伝熱カセット440…とが交互に配置され、第二伝熱カセット440…毎に流通方向を変更しながら水を流通させることができるようになっている。
【0077】
前記第二熱回収体44の一次側接続部442は、筒状に形成されており、複数の第二伝熱カセット440…の並ぶ方向における最も一端にある第二伝熱カセット440から外方に突設されている。すなわち、前記一次側接続部442は、最も一端にある第二伝熱カセット440の外側に向くプレート状伝熱部444に対して外方に向けて突出するように設けられている。これに対し、前記第二熱回収体44の二次側接続部443は、筒状に形成されており、複数の第二伝熱カセット440…の並ぶ方向における最も他端にある第二伝熱カセット440から外方に突設されている。すなわち、前記二次側接続部443は、最も他端にある第二伝熱カセット440の外側に向くプレート状伝熱部444に対して外方に向けて突出するように設けられている。
【0078】
そして、第二熱回収体44は、一次側接続部442に対して一次側給水配管40が接続され、二次側接続部443に対して二次側給水配管41が接続されている。本実施形態において、前記一次側給水配管40及び二次側給水配管41は、少なくとも第二熱回収体44の近傍がフレキシブル管で構成される。なお、本実施形態に係る一次側給水配管40及び二次側給水配管41のそれぞれは、排熱回収装置42の近傍で二股に分岐されており、第一熱回収体43(一次側接続部432、二次側接続部433)及び第二熱回収体44(一次側接続部442、二次側接続部443)に接続されている。
【0079】
これにより、第二熱回収体44は、前記一次側給水配管40及び二次側給水配管41の変形(撓み)により位置変更(持ち上げ)可能に配置される。また、第二熱回収体44は、給水源からの水が一次側給水配管40から供給され、該供給された水(複数の第二伝熱カセット440…を通過した水)を二次側給水配管41に供給する(流出させる)ようになっている。
【0080】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、図2及び図5に示す如く、第二伝熱カセット440…間に第一伝熱カセット430…が介装されるように、排水路DR内に設置された第二熱回収体44に第一熱回収体43が重ね合わされることで形成されている。これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42は、排水路DR内に配置されたときに、第一伝熱カセット430…と第二伝熱カセット440…との間の隙間が使用済みの温水を流通させる流路になるように構成されている。
【0081】
また、本実施形態に係る排熱回収装置42は、図2に示す如く、第二伝熱カセット440…の下端同士が連結部441a,441bによって連結される一方、第一伝熱カセット430…の上端部同士が連結部431a,431bによって連結されているため、第一熱回収体43及び第二熱回収体44は、図5に示す如く、上下方向にずれた状態で配置されている。すなわち、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第二伝熱カセット440…が排水路DRの底に載置される一方で、第一伝熱カセット430…が排水路DRの底から上方側に離間した状態で配置されている。
【0082】
これに伴い、本実施形態に係る排熱回収装置42(第一熱回収体43の第一伝熱カセット430…及び第二熱回収体44の第二伝熱カセット440…)は、排水路DRの上流側から下流側に向けて上下方向に蛇行した流路を形成している。これにより、排熱回収装置42(第一熱回収体43及び第二熱回収体44)は、内部流路440aを流通する水と排水路DR内で流れる温排水とを熱交換させ、前記内部流路440a内の水の温度を高めることができるようになっている。
【0083】
そして、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第二熱回収体44に対して上方側から第一熱回収体43を組み合わせることで形成されるとともに、第一熱回収体43及び第二熱回収体44にフレキシブル管で構成された一次側給水配管40及び二次側給水配管41が接続されることで、第一熱回収体43及び第二熱回収体44が上下方向で相対的に位置変更可能になっている。すなわち、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第一熱回収体43を引き上げて第二熱回収体44から分離できるようになっている。これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第一熱回収体43を引き上げたときに、第一熱回収体43の複数の第一伝熱カセット430…を第二熱回収体44の複数の第二伝熱カセット440,440間から全体的に引き出せるようになっている。
【0084】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、以上の通りであり、上述の如く、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を組み合わせた状態で、使用済みの温水が排出される排水口Dに繋がる排水路DR内に設置される。
【0085】
この状態で、上述の如く、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430と第二熱回収体44の第二伝熱カセット440との間の隙間は、排水路DRで上流側から下流側に流通する使用済みの温水の流路になる。
【0086】
そして、前記排熱回収装置42は、排水路DR内に設置した状態で前記第一熱回収体43及び第二熱回収体44のそれぞれに給水源からの水を流通させると、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を流通する給水源からの水と排水路DRを流通する使用済みの温水とが熱交換し、前記水を使用済みの温水の熱で加熱することになる。
【0087】
本実施形態に排熱回収装置42は、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430及び第二熱回収体44の第二伝熱カセット440が互いのプレート状伝熱部434,444(伝熱プレートP,P)を面対向させているため、第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間に形成される流路を通過する使用済み温水と、第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440の内部流路430a,440aを流通する水とが熱交換する面積が大きくなり、使用済みの温水から効率的に熱回収を行って給水源からの水を効率的に加熱することになる。
【0088】
また、本実施形態に係る排熱回収装置42は、前記第一熱回収体43及び第二熱回収体44のそれぞれが、前記複数の連結部431a,441a,431b,441bとして、隣り合う伝熱カセット(第一伝熱カセット430,第二伝熱カセット440)の一端部同士を連結する第一連結部431a,441aと、隣り合う伝熱カセット(第一伝熱カセット430,第二伝熱カセット440)の他端部同士を連結する第二連結部431b,441bとを備え、伝熱カセット(第一伝熱カセット430,第二伝熱カセット440)間に第一連結部431a,441a又は第二連結部431b,441bの何れか一方のみが配置され、第一連結部431a,441a及び第二連結部431b,441bが前記複数の伝熱カセット(第一伝熱カセット430,第二伝熱カセット440)の並ぶ方向で交互に配置されているため、第一熱回収体43及び第二熱回収体44のそれぞれは、給水源からの水が複数の伝熱カセット(第一伝熱カセット430,第二伝熱カセット440)のそれぞれの内部流路430a,440aの全域又は略前記で淀むことなく上流から下流に向けて流通方向を変更しつつ流れることになる。これにより、給水源からの水と排水路DRを流れる使用済みの温水(第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間を流れる使用済みの温水)との間で効率的に熱交換され、給水源からの水が短時間で加熱されることになる。
【0089】
そして、前記排熱回収装置42は、上述の如く、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430と第二熱回収体44の第二伝熱カセット440との間が排水路DRで上流側から下流側に流通する使用済みの温水の流路になるため、排水路DRを流通する使用済みの温水に含まれる油分や洗剤の成分等がスケールとして第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440のそれぞれの表面に付着することになる。
【0090】
このような事態になった場合、排水路DRの蓋C(図1参照)を外した上で、排水路DR内の排熱回収装置42(第一熱回収体43,第二熱回収体44)の各伝熱カセット430,440(プレート状伝熱部434,444)をブラシ等の清掃具で掃除する。
【0091】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、前記第一熱回収体43及び前記第二熱回収体44を相対的に位置変更させて前記第一熱回収体43の第一伝熱カセット430…を第二熱回収体44の第二伝熱カセット440…間から引き出すと、前記第一熱回収体43の第一伝熱カセット430,430間(周囲)に第二熱回収体44の第二伝熱カセット440…が存在しなくなり、前記第二熱回収体44の第二伝熱カセット440,440間(周囲)に第一熱回収体43の第一伝熱カセット430…が存在しなくなる。
【0092】
これにより、前記排熱回収装置42は、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430(プレート状伝熱部434)及び第二熱回収体44の第二伝熱カセット440(プレート状伝熱部444)にブラシ等の清掃具がアクセスし易い状態になる。
【0093】
従って、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440のそれぞれのプレート状伝熱部434,444を含む表面を容易に且つ物理的に清掃することができ、プレート状伝熱部434,444に対するスケールの付着を解消して給水源からの水と使用済みの温水との間で効率的に熱交換させることのできる状態に戻すことができる。
【0094】
次に、本発明の第二実施形態に係る排熱回収装置について説明する。なお、本実施形態に係る排熱回収装置は、第一実施形態と基本構成が共通しているため、第一実施形態と同一の構成又は相当する構成については、同一名称及び同一符号を付すこととする。また、第一実施形態と同一の構成については、第一実施形態を参照してここでの説明を割愛し、第一実施形態と異なる構成について説明することとする。
【0095】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、図6及び図7に示す如く、第一熱回収体43及び第二熱回収体44の配置を第一実施形態と同様にする(排水路DRの底に配置した第二熱回収体44に対して上方側から第一熱回収体43を組み合わせて第二伝熱カセット間に第一伝熱カセットを遊挿した状態にする)ことを前提としている。
【0096】
本実施形態において、図6及び図7(a)に示す如く、第一熱回収体43の一次側接続部432及び二次側接続部433は、同心になるように設けられている。そして、第一熱回収体43の前記一次側接続部432及び二次側接続部433は、連結の対象となる第一伝熱カセット430(最も一端側にある第一伝熱カセット430及び最も他端側にある第一伝熱カセット430)の一端側の上端部に連結されている。
【0097】
そして、本実施形態に係る第一熱回収体43は、一次側接続部432及び二次側接続部433を中心にして回転可能に設けられている。
【0098】
より具体的には、本実施形態において、一次側給水配管40及び二次側給水配管41は、剛性のある配管で構成され、排熱回収装置42の近傍が排水路DR内で固定されている。そして、図7(a)に示す如く、一次側接続部432と接続される一次側給水配管40の端部には、該一次側接続部432に外嵌可能な継手(以下、一次側継手という)400が取り付けられている。該一次側継手400は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、本実施形態に係る第一熱回収体43は、一次側接続部432が一次側継手400に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、一次側接続部432の外周と一次側継手400の内周との間がシール部材によって液密に保たれた状態になっている。
【0099】
また、図7(b)に示す如く、二次側接続部433と接続される二次側給水配管41の端部には、該二次側接続部433に外嵌可能な継手(以下、二次側継手という)410が取り付けられている。該二次側継手410は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、本実施形態に係る第一熱回収体43は、二次側接続部433が二次側継手410に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、二次側接続部433の外周と二次側継手410の内周との間がシール部材によって液密に保たれた状態になっている。
【0100】
そして、本実施形態に係る第一熱回収体43は、上述の如く、一次側接続部432及び二次側接続部433が同心であり、一次側接続部432が一次側継手400に回転可能に支持されるとともに、二次側接続部433が二次側継手410に回転可能に支持されているため、一次側接続部432及び二次側接続部433を中心にして全体が回転できるようになっている。
【0101】
これに対し、第二熱回収体44は、排水路DRの底に配置された上で、図7(b)に示す如く、一次側接続部442に対して一次側給水配管40が強固(回転不能)に接続され、二次側接続部443に対して二次側給水配管41が強固(回転不能)に接続されている。なお、本実施形態において、第二熱回収体44に接続される前記一次側給水配管40及び二次側給水配管41は、第一熱回収体43に接続される前記一次側給水配管40及び二次側給水配管41と同様に剛性のある配管であってもよいし、可撓性のあるフレキシブル管であってもよい。
【0102】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、以上の通りであり、第一実施形態の排熱回収装置42と同様に、排水路DR内に設置した状態で前記第一熱回収体43及び第二熱回収体44のそれぞれに給水源からの水を流通させると、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を流通する給水源からの水と排水路DRを流通する使用済みの温水とが熱交換し、前記水を使用済みの温水の熱で加熱することになる。
【0103】
そして、排水路DRを流通する使用済みの温水に含まれる油分や洗剤の成分等がスケールとして第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440のそれぞれの表面に付着した場合、第一実施形態と同様に、排水路DRの蓋C(図1参照)を外した上で、排水路DR内の排熱回収装置42(第一熱回収体43,第二熱回収体44)の各伝熱カセット430,440(プレート状伝熱部434,444)をブラシ等の清掃具で掃除する。
【0104】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、上述の如く、第一熱回収体43が一次側接続部432及び二次側接続部433を中心にして回転可能に設けられているため、図8に示す如く、第一熱回収体43全体(複数の第一伝熱カセット430及び複数の連結部431a,431b)を、前記一次側接続部432及び前記二次側接続部433を中心にして回転させることで、該第一熱回収体43の各第一伝熱カセット430…が第二熱回収体44の第二伝熱カセット440,440間から引き出された状態になる。
【0105】
これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42においても、第一熱回収体43が備える複数の第一伝熱カセット430…の周囲に第二熱回収体44が備える複数の第二伝熱カセット440…が存在しなくなり、また、第二熱回収体44が備える複数の第二伝熱カセット440…の周囲に第一熱回収体43が備える複数の第一伝熱カセット430…が存在しなくなる。
【0106】
これにより、前記排熱回収装置42は、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430(プレート状伝熱部434)及び第二熱回収体44の第二伝熱カセット440(プレート状伝熱部444)にブラシ等の清掃具がアクセスし易い状態になる。
【0107】
従って、本実施形態に係る排熱回収装置42においても、第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440のそれぞれのプレート状伝熱部434,444を含む表面を容易に且つ物理的に清掃することができ、プレート状伝熱部434,444に対するスケールの付着を解消して給水源からの水と使用済みの温水との間で効率的に熱交換させることのできる状態に戻すことができる。
【0108】
次に、本発明の第三実施形態に係る排熱回収装置について説明する。なお、第一実施形態の構成と同一の構成又は相当する構成については、同一名称及び同一符号を付すこととする。但し、連結部については、第一連結部及び第二連結部に区分けせずに、単に連結部とし、符号についても区分けせずに(a,bを付さずに)表記することとする。
【0109】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、図9及び図10に示す如く、第一熱回収体43及び第二熱回収体44の配置を第一及び第二実施形態と同様にする(第一熱回収体43と第二熱回収体44とを組み合わせて第二伝熱カセット440,440間に第一伝熱カセット430を遊挿した状態にする)ことを前提としている。
【0110】
本実施形態において、図10に示す如く、第一熱回収体43の連結部431、一次側接続部432及び二次側接続部433は、同心になるように設けられている。すなわち、本実施形態に係る第一熱回収体43において、連結部431、一次側接続部432及び二次側接続部433は、一列に配置されている。
【0111】
そして、本実施形態に係る第一熱回収体43において、前記複数の連結部431、前記一次側接続部432及び二次側接続部433は、連結の対象となる第一伝熱カセット430(最も一端側にある第一伝熱カセット430及び最も他端側にある第一伝熱カセット430)の一端側の中央部に連結されている。
【0112】
そして、本実施形態に係る連結部431のそれぞれは、隣り合う第一伝熱カセット430,430のうちの一方の第一伝熱カセット430に連結された第一筒体435と、隣り合う第一伝熱カセット430,430のうちの他方の第一伝熱カセット430に連結され、第一筒体435に外嵌された第二筒体436とを備えている。
【0113】
前記第二筒体436は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、前記第一筒体435は、第二筒体436の溝に内嵌されたシール部材が外周に圧接した状態になっている。すなわち、各連結部431は、第一筒体435の外周と第二筒体436の内周との間がシール部材によって液密になっている。そして、第一筒体435及び第二筒体436は、自己の中心回りで相対的に回転可能になっている。
【0114】
本実施形態において、一次側給水配管40及び二次側給水配管41は、第二実施形態と同様に、剛性のある配管で構成され、排熱回収装置42の近傍が排水路DR内で固定されている。そして、一次側接続部432と接続される一次側給水配管40の端部には、該一次側接続部432に外嵌可能な一次側継手400が取り付けられている。該一次側継手400は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、本実施形態に係る第一熱回収体43は、一次側接続部432が一次側継手400に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、一次側接続部432の外周と一次側継手400の内周との間がシール部材によって液密に保たれた状態になっている。
【0115】
また、二次側接続部433と接続される二次側給水配管41の端部には、該二次側接続部433に外嵌可能な二次側継手410が取り付けられている。該二次側継手410は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、本実施形態に係る第一熱回収体43は、二次側接続部433が二次側継手410に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、二次側接続部433の外周と二次側継手410の内周との間がシール部材によって液密に保たれた状態になっている。
【0116】
このように、本実施形態に係る第一熱回収体43は、隣り合う第一伝熱カセット430…が第一筒体435と、第一筒体435に対して同心で回転可能に外嵌された第二筒体436とで構成される連結部431を介して連結され、さらに、一次側接続部432が一次側継手400に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、二次側接続部433が二次側継手410に軸心回りで回転可能に支持されることで、各第一伝熱カセット430…が連結された連結部431を中心にして個別に回転できるようになっている。
【0117】
そして、本実施形態に係る第一熱回収体43において、複数の連結部431、前記一次側接続部432及び二次側接続部433が第一伝熱カセット430の一端側で一列をなすように配置されるため、各第一伝熱カセット430の内部流路430aは、流入した水が一端側から他端側に流れた後に再度一端側に戻るように形成されている。
【0118】
より具体的には、第一熱回収体43において、複数の第一伝熱カセット430…のそれぞれは、図11に示す如く、一対のプレート状伝熱部434,434間の内部流路430aを該プレート状伝熱部434,434の並ぶ方向で一次側内部流路430bと二次側内部流路430cとに仕切る仕切板Pcを備えている。すなわち、各第一伝熱カセット430…は、一対の伝熱プレートP,Pに外周が挟み込まれた仕切板Pcを備えている。
【0119】
前記仕切板Pcは、当該第一伝熱カセット430の他端部側に一次側内部流路430bと二次側内部流路430cとを連通させる連通孔Hが設けられている。
【0120】
これにより、各第一伝熱カセット430…は、給水源からの水が一次側内部流路430bを流れた上で二次側内部流路430cを流れるようになっている。すなわち、本実施形態に係る第一熱回収体43は、各第一伝熱カセット430…の内部流路430aにおいて、給水源からの水が一端側から他端側に向けて流れて該他端側(連通孔H)でターンした上で他端側から一端側に向けて流れるようになっている。
【0121】
従って、本実施形態に係る第一熱回収体43は、各第一伝熱カセット430…の内部流路430aが一往復する流路になるとともに、各第一伝熱カセット430…の内部流路430aが一端側にある連結部431を介して流体的に接続されたものになっている。
【0122】
図10に戻り、本実施形態に係る第二熱回収体44の連結部441、一次側接続部442及び二次側接続部443は、同心になるように設けられている。すなわち、本実施形態に係る第二熱回収体44において、連結部441、一次側接続部442及び二次側接続部443は、一列に配置されている。
【0123】
そして、本実施形態に係る第二熱回収体44において、前記複数の連結部441、前記一次側接続部442及び二次側接続部443は、連結の対象となる第二伝熱カセット440(最も一端側にある第二伝熱カセット440及び最も他端側にある第二伝熱カセット440)の他端側の中央部に連結されている。
【0124】
そして、本実施形態に係る連結部441のそれぞれは、隣り合う第二伝熱カセット440,440のうちの一方の第二伝熱カセット440に連結された第一筒体445と、隣り合う第二伝熱カセット440,440のうちの他方の第二伝熱カセット440に連結され、第一筒体445に外嵌された第二筒体446とを備えている。
【0125】
前記第二筒体446は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、前記第一筒体445は、第二筒体446の溝に内嵌されたシール部材が外周に圧接した状態になっている。すなわち、各連結部441は、第一筒体445の外周と第二筒体446の内周との間がシール部材によって液密になっている。そして、第一筒体445及び第二筒体446は、自己の中心回りで相対的に回転可能になっている。
【0126】
本実施形態において、一次側給水配管40及び二次側給水配管41は、第二実施形態と同様に、剛性のある配管で構成され、排熱回収装置42の近傍が排水路DR内で固定されている。そして、一次側接続部442と接続される一次側給水配管40の端部には、該一次側接続部442に外嵌可能な一次側継手400が取り付けられている。該一次側継手400は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、本実施形態に係る第二熱回収体44は、一次側接続部442が一次側継手400に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、一次側接続部442の外周と一次側継手400の内周との間がシール部材によって液密に保たれた状態になっている。
【0127】
また、二次側接続部443と接続される二次側給水配管41の端部には、該二次側接続部443に外嵌可能な二次側継手410が取り付けられている。該二次側継手410は、内周面に環状の溝(採番しない)が設けられており、該溝にOリング等のシール部材(採番しない)が内嵌されている。これにより、本実施形態に係る第二熱回収体44は、二次側接続部443が二次側継手410に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、二次側接続部443の外周と二次側継手410の内周との間がシール部材によって液密に保たれた状態になっている。
【0128】
このように、本実施形態に係る第二熱回収体44は、隣り合う第二伝熱カセット440…が第一筒体445と、第一筒体445に対して同心で回転可能に外嵌された第二筒体446とで構成される連結部441を介して連結され、さらに、一次側接続部442が一次側継手400に軸心回りで回転可能に支持されるとともに、二次側接続部443が二次側継手410に軸心回りで回転可能に支持されることで、各第二伝熱カセット440…が連結された連結部441を中心にして個別に回転できるようになっている。
【0129】
そして、本実施形態に係る第二熱回収体44において、複数の連結部441、前記一次側接続部442及び二次側接続部443が第二伝熱カセット440の他端側で一列をなすように配置されるため、各第二伝熱カセット440の内部流路440aは、流入した水が他端側から一端側に流れた後に再度他端側に戻るように形成されている。
【0130】
より具体的には、第二熱回収体44において、複数の第二伝熱カセット440…のそれぞれは、図11に示す如く、一対のプレート状伝熱部444,444間の内部流路440aを該プレート状伝熱部444,444の並ぶ方向で一次側内部流路440bと二次側内部流路440cとに仕切る仕切板Pcを備えている。すなわち、各第二伝熱カセット440…は、一対の伝熱プレートP,Pに外周が挟み込まれた仕切板Pcを備えている。
【0131】
前記仕切板Pcは、当該第二伝熱カセット440の他端部側に一次側内部流路440bと二次側内部流路440cとを連通させる連通孔Hが設けられている。
【0132】
これにより、各第二伝熱カセット440…は、給水源からの水が一次側内部流路440bを流れた上で二次側内部流路440cを流れるようになっている。本実施形態に係る第二熱回収体44は、各第二伝熱カセット440…の内部流路440aにおいて、給水源からの水が他端側から一端側に向けて流れて該一端側(連通孔H)でターンした上で一端側から他端側に向け流れるようになっている。
【0133】
従って、本実施形態に係る第二熱回収体44は、各第二伝熱カセット440…の内部流路440aが一往復する流路になるとともに、各第二伝熱カセット440…の内部流路440aが一端側にある連結部441を介して流体的に接続されたものになっている。
【0134】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、以上の通りであり、排水路DRに配置された上で一次側給水配管40から水を供給することで、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を流通する給水源からの水と排水路DRを流れる使用済みの温水とが効率的に熱交換することになる。本実施形態において、第一熱回収体43及び第二熱回収体44は、上述の如く、伝熱カセット(第一伝熱カセット430、第二伝熱カセット440)のそれぞれの内部流路430a,440aが一往復する流路になるとともに、伝熱カセット(第一伝熱カセット430、第二伝熱カセット440)のそれぞれの内部流路430a,440aが一列に並ぶ連結部431…を介して流体的に接続されているため、給水源からの水が上流側(一次側給水配管40側)から下流側(二次側給水配管41)に向けて排水路DRの幅方向に蛇行(複数回往復)しつつ流通することになる。
【0135】
これにより、第一熱回収体43及び第二熱回収体44のそれぞれにおいて、給水源からの水が伝熱カセット(第一伝熱カセット430、第二伝熱カセット440)のそれぞれの内部流路430a,440aの全域又は略前記で淀むことなく上流から下流に向けて流れ、排水路DRを流れる(第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間を流れる)使用済みの温水と効率的に熱交換されることになる。
【0136】
そして、排水路DRを流通する使用済みの温水に含まれる油分や洗剤の成分等がスケールとして第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440のそれぞれの表面に付着した場合、第一及び第二実施形態と同様に、排水路DRの蓋C(図1参照)を外した上で、排水路DR内の排熱回収装置42(第一熱回収体43,第二熱回収体44)の各伝熱カセット430,440(プレート状伝熱部434,444)をブラシ等の清掃具で掃除する。
【0137】
本実施形態に係る排熱回収装置42は、上述の如く、第一熱回収体43の複数の第一伝熱カセット430…のそれぞれが連結部431を中心にして個別に回転できるため、図12に示す如く、複数の第一伝熱カセット430を個別に回転させることで、該第一伝熱カセット430…を第二熱回収体44の第二伝熱カセット440,440間から引き出した状態にすることができる。
【0138】
これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42においても、第一熱回収体43が備える複数の第一伝熱カセット430…の周囲に第二熱回収体44が備える複数の第二伝熱カセット440…が存在しなくなり、第二熱回収体44が備える複数の第二伝熱カセット440…の周囲に第一熱回収体43が備える複数の第一伝熱カセット430…が存在しなくなる。従って、本実施形態に係る排熱回収装置42においても、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430(プレート状伝熱部434)及び第二熱回収体44の第二伝熱カセット440(プレート状伝熱部444)にブラシ等の清掃具をアクセスさせ易い状態になる。
【0139】
また、本実施形態に係る排熱回収装置42においては、上述の如く、第二熱回収体44の複数の第二伝熱カセット440…のそれぞれについても連結部441を中心にして個別に回転できるため、複数の第二伝熱カセット440を個別に回転させることで、該第二伝熱カセット440…を第一熱回収体43の第一伝熱カセット430,430間から引き出した状態にすることができる。
【0140】
これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第二熱回収体44が備える複数の第二伝熱カセット440…の周囲に第一熱回収体43が備える複数の第一伝熱カセット430…が存在しなくなり、第一熱回収体43が備える複数の第一伝熱カセット430…の周囲に第二熱回収体44が備える複数の第二伝熱カセット440…が存在しなくなる。これにより、本実施形態に係る排熱回収装置42は、第二熱回収体44の第二伝熱カセット440を回転させることでも、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430(プレート状伝熱部434)及び第二熱回収体44の第二伝熱カセット440(プレート状伝熱部444)にブラシ等の清掃具をアクセスさせ易い状態になる。
【0141】
従って、本実施形態に係る排熱回収装置42においても、第一伝熱カセット430及び第二伝熱カセット440のそれぞれのプレート状伝熱部434,444を含む表面を容易に且つ物理的に清掃することができ、プレート状伝熱部434,444に対するスケールの付着を解消して給水源からの水と使用済みの温水との間で効率的に熱交換させることのできる状態に戻すことができる。
【0142】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加え得ることは勿論のことである。
【0143】
上記第一実施形態において、伝熱カセット(第一伝熱カセット430、第二伝熱カセット440)を清掃する際に、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を上下方向で相対的に位置変更させることを前提に説明したが、これに限定されるものではなく、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を伝熱カセット430…,440…の並ぶ方向(横方向)で相対的に位置変更させ、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430と第二熱回収体44の第二伝熱カセット440との間隔を広げるようにしてもよい。
【0144】
すなわち、伝熱カセット(第一伝熱カセット430、第二伝熱カセット440)を清掃する際に、第一熱回収体43を伝熱カセット430…,440…の並ぶ方向(横方向)の一方側に位置変更させることで、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430の何れか一方の伝熱プレートP(プレート状伝熱部434)と該一方の伝熱プレートP(プレート状伝熱部434)と対向する第二熱回収体44の第二伝熱カセット440の他方の伝熱プレートP(プレート状伝熱部434)との間隔を広げたり、第一熱回収体43を伝熱カセット430…,440…の並ぶ方向(横方向)の他方側に位置変更させることで、第一熱回収体43の第一伝熱カセット430の何れか他方の伝熱プレートP(プレート状伝熱部434)と該他方の伝熱プレートP(プレート状伝熱部434)と対向する第二熱回収体44の第二伝熱カセット440の一方の伝熱プレートP(プレート状伝熱部434)との間隔を広げたりするようにしてもよい。
【0145】
このように、第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間隔を広げることで、ブラシ等の清掃具が挿入し易くなる上に、第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間での清掃具の操作もし易くなり、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0146】
また、第一熱回収体43及び第二熱回収体44を伝熱カセット430…,440…の並ぶ方向(横方向)で相対的に位置変更可能にするに当り、第一熱回収体43及び第二熱回収体44のそれぞれが全体的に位置変更するものに限定されるものではなく、第一熱回収体43及び第二熱回収体44の少なくとも伝熱カセット430,440が位置変更できればよい。このようにしても、第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間隔を広げることができ、ブラシ等の清掃具が挿入し易くなる上に、第一伝熱カセット430と第二伝熱カセット440との間での清掃具の操作もし易くなり、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0147】
上記第一実施形態及び第二実施形態において、隣り合う伝熱カセット430…、440…を連結する連結部431として、伝熱カセット430…の一端側同士を連結する第一連結部431aと、伝熱カセット430…の他端側同士を連結する第二連結部431bとを伝熱カセット430…の並ぶ方向で交互に配置したが、これに限定されるものではなく、例えば、第三実施形態と同様に、連結部431…を一列に配置するとともに伝熱カセット430,440内に仕切板Pcを設けて内部流路430a,440aを往復する流路に形成してもよい。
【0148】
上記第三実施形態において、第一熱回収体43及び第二熱回収体44の何れの伝熱カセット(第一伝熱カセット430…、第二伝熱カセット440…)も個別に回転できるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、第一熱回収体43又は第二熱回収体44の何れか一方の伝熱カセット(第一伝熱カセット430…、第二伝熱カセット440…)のみを個別に回転できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0149】
1…給湯システム、2…湯沸器、3…給湯配管系、4…給水配管系、5…混合弁、6…配管系、7…給湯検知装置、8…検知センサ(入浴情報取得装置)、9…開閉弁、10…制御装置、40…一次側給水配管、41…二次側給水配管、42…排熱回収装置、43…第一熱回収体(熱回収体)、44…第二熱回収体(熱回収体)、60…主配管、61…第一配管、62…第二配管、320a…内部流路、430b…一次側内部流路、430c…二次側内部流路、400…一次側継手(継手)、410…二次側継手(継手)、430…第一伝熱カセット(伝熱カセット)、431…連結部、431a,441a…第一連結部(連結部)、431b,441b…第二連結部(連結部)、432…一次側接続部、433…二次側接続部、434…プレート状伝熱部、435…第一筒体、436…第二筒体、440…第二伝熱カセット、440a…内部流路、441…連結部、441a…第三連結部(連結部)、441b…第四連結部(連結部)、440b…一次側内部流路、440c…二次側内部流路、442…一次側接続部、443…二次側接続部、444…プレート状伝熱部、445…第一筒体、446…第二筒体、BR…浴室、BT…浴槽、C…蓋、D…排水口、D…排水口、DP…排水系、DR…排水路、Dr…排水路、H…連通孔、P…伝熱プレート、Pc…仕切板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯沸器からの高温な湯が混合される給水源からの水を使用済みの温水と熱交換させて加熱するための給湯システム用排熱回収装置であって、給水源に繋がる一次側給水配管、及び湯沸器に繋がる給湯配管系に合流する二次側給水配管が接続可能に構成され、前記一次側給水配管から二次側給水配管に向けて給水源からの水が流通可能に構成された一対の熱回収体を備え、該一対の熱回収体のそれぞれは、所定の間隔をあけて配置された複数の伝熱カセットと、隣り合う伝熱カセット同士を連結する複数の連結部と、前記複数の伝熱カセットの並ぶ並列方向の最も一端側にある伝熱カセットに接続され、前記一次側給水配管が接続可能に構成された一次側接続部と、前記複数の伝熱カセットの並ぶ並列方向の最も他端側にある伝熱カセットに接続され、前記二次側給水配管が接続可能に構成された二次側接続部とを備え、前記複数の伝熱カセットのそれぞれは、互いに間隔をあけて対向する一対のプレート状伝熱部と、該一対のプレート状伝熱部間に形成された内部流路とを備えるとともに、前記プレート状伝熱部を隣り合う伝熱カセットのプレート状伝熱部と面対向させて配置され、前記複数の連結部のそれぞれは、隣り合う伝熱カセットの内部流路を流体的に連通させ、前記一次側接続部は、前記最も一端側にある伝熱カセットの内部流路と一次側給水配管系とを流体的に連通可能に構成され、前記二次側接続部は、前記最も他端側にある伝熱カセットの内部流路と二次側給水配管系とを流体的に連通可能に構成され、前記一対の熱回収体は、一方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部と他方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部とを面対向させるように、一方の熱回収体の伝熱カセット間のそれぞれに他方の熱回収体の伝熱カセットのそれぞれが遊挿された状態で、使用済みの温水が排出される排水口に繋がる排水路内に設置可能に構成され、前記一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体は、少なくとも伝熱カセットが他方の熱回収体の伝熱カセットに対して相対的に位置変更可能に構成されていることを特徴とする給湯システム用排熱回収装置。
【請求項2】
前記一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体の前記一次側接続部及び前記二次側接続部は、同心で設けられ、前記少なくとも何れか一方の熱回収体は、前記一次側接続部及び前記二次側接続部を中心にして回転可能に構成されている請求項1に記載の給湯システム用排熱回収装置。
【請求項3】
前記一対の熱回収体のそれぞれは、前記複数の連結部として、隣り合う伝熱カセットの一端部同士を連結する第一連結部と、隣り合う伝熱カセットの他端部同士を連結する第二連結部とを備え、伝熱カセット間に第一連結部又は第二連結部の何れか一方のみが配置され、第一連結部及び第二連結部が前記複数の伝熱カセットの並ぶ方向で交互に配置されている請求項1又は2に記載の給湯システム用排熱回収装置。
【請求項4】
前記一対の熱回収体のうちの少なくとも何れか一方の熱回収体は、前記一次側接続部、前記二次側接続部、及び前記複数の連結部が同心で配置されるとともに、複数の伝熱カセットのそれぞれが連結部を中心にして回転可能に構成されている請求項1に記載の給湯システム用排熱回収装置。
【請求項5】
前記一対の熱回収体のうちの少なくとも何れか一方の熱回収体の前記一次側接続部、前記二次側接続部、及び前記複数の連結部は、連結の対象となる伝熱カセットの一端部に連結され、前記少なくとも何れか一方の熱回収体における前記複数の伝熱カセットのそれぞれは、一対のプレート状伝熱部間の内部流路を該プレート状伝熱部の並ぶ方向で一次側内部流路と二次側内部流路とに仕切る仕切板を備え、該仕切板は、当該伝熱カセットの他端部側に一次側内部流路と二次側内部流路とを連通させる連通孔が設けられている請求項4に記載の給湯システム用排熱回収装置。
【請求項1】
湯沸器からの高温な湯が混合される給水源からの水を使用済みの温水と熱交換させて加熱するための給湯システム用排熱回収装置であって、給水源に繋がる一次側給水配管、及び湯沸器に繋がる給湯配管系に合流する二次側給水配管が接続可能に構成され、前記一次側給水配管から二次側給水配管に向けて給水源からの水が流通可能に構成された一対の熱回収体を備え、該一対の熱回収体のそれぞれは、所定の間隔をあけて配置された複数の伝熱カセットと、隣り合う伝熱カセット同士を連結する複数の連結部と、前記複数の伝熱カセットの並ぶ並列方向の最も一端側にある伝熱カセットに接続され、前記一次側給水配管が接続可能に構成された一次側接続部と、前記複数の伝熱カセットの並ぶ並列方向の最も他端側にある伝熱カセットに接続され、前記二次側給水配管が接続可能に構成された二次側接続部とを備え、前記複数の伝熱カセットのそれぞれは、互いに間隔をあけて対向する一対のプレート状伝熱部と、該一対のプレート状伝熱部間に形成された内部流路とを備えるとともに、前記プレート状伝熱部を隣り合う伝熱カセットのプレート状伝熱部と面対向させて配置され、前記複数の連結部のそれぞれは、隣り合う伝熱カセットの内部流路を流体的に連通させ、前記一次側接続部は、前記最も一端側にある伝熱カセットの内部流路と一次側給水配管系とを流体的に連通可能に構成され、前記二次側接続部は、前記最も他端側にある伝熱カセットの内部流路と二次側給水配管系とを流体的に連通可能に構成され、前記一対の熱回収体は、一方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部と他方の熱回収体の伝熱カセットのプレート状伝熱部とを面対向させるように、一方の熱回収体の伝熱カセット間のそれぞれに他方の熱回収体の伝熱カセットのそれぞれが遊挿された状態で、使用済みの温水が排出される排水口に繋がる排水路内に設置可能に構成され、前記一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体は、少なくとも伝熱カセットが他方の熱回収体の伝熱カセットに対して相対的に位置変更可能に構成されていることを特徴とする給湯システム用排熱回収装置。
【請求項2】
前記一対の熱回収体の少なくとも何れか一方の熱回収体の前記一次側接続部及び前記二次側接続部は、同心で設けられ、前記少なくとも何れか一方の熱回収体は、前記一次側接続部及び前記二次側接続部を中心にして回転可能に構成されている請求項1に記載の給湯システム用排熱回収装置。
【請求項3】
前記一対の熱回収体のそれぞれは、前記複数の連結部として、隣り合う伝熱カセットの一端部同士を連結する第一連結部と、隣り合う伝熱カセットの他端部同士を連結する第二連結部とを備え、伝熱カセット間に第一連結部又は第二連結部の何れか一方のみが配置され、第一連結部及び第二連結部が前記複数の伝熱カセットの並ぶ方向で交互に配置されている請求項1又は2に記載の給湯システム用排熱回収装置。
【請求項4】
前記一対の熱回収体のうちの少なくとも何れか一方の熱回収体は、前記一次側接続部、前記二次側接続部、及び前記複数の連結部が同心で配置されるとともに、複数の伝熱カセットのそれぞれが連結部を中心にして回転可能に構成されている請求項1に記載の給湯システム用排熱回収装置。
【請求項5】
前記一対の熱回収体のうちの少なくとも何れか一方の熱回収体の前記一次側接続部、前記二次側接続部、及び前記複数の連結部は、連結の対象となる伝熱カセットの一端部に連結され、前記少なくとも何れか一方の熱回収体における前記複数の伝熱カセットのそれぞれは、一対のプレート状伝熱部間の内部流路を該プレート状伝熱部の並ぶ方向で一次側内部流路と二次側内部流路とに仕切る仕切板を備え、該仕切板は、当該伝熱カセットの他端部側に一次側内部流路と二次側内部流路とを連通させる連通孔が設けられている請求項4に記載の給湯システム用排熱回収装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−15231(P2013−15231A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146558(P2011−146558)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000152480)株式会社日阪製作所 (60)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000152480)株式会社日阪製作所 (60)
【Fターム(参考)】
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