説明

給湯システム

【課題】施工の不手際などに起因してリモコンが正常に通信接続されていない場合でも、ユーザが湯を適切に使用することができる利便性に優れた給湯システムを提供する。
【解決手段】給湯システムAの給湯機1および湯水混合ユニット2の少なくとも一方は、それらの起動がなされてから所定時間内に、給湯機1に対するリモコン3の通信接続が正常であるか否かを判断する判断手段10,20を備えており、給湯機1および湯水混合ユニット2は、判断手段10,20がリモコン3の通信接続は正常でないと判断したときには応急運転モードとなって、湯水混合ユニット2は、給湯機1に送信される出湯温度の指示データとしてダミーデータを出力し、または前記指示データを非出力とする一方、給湯機1においては、前記指示データの内容または出力の有無とは無関係に、出湯温度を予め設定されている一定の温度に維持する制御が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯機から出湯される湯を、台所、浴室、洗面所などの複数の給湯先に対して異なる温度で同時に供給できるようにされた給湯システム、さらに詳しくは、目標給湯温度を設定するためのリモコンが適切に接続されていない場合にも好適に対処することが可能とされた給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の給湯システムの具体例としては、特許文献1,2に記載されたものがある。この給湯システムは、給湯機と、この給湯機から出湯した湯に水を混合させてその温度調整を行なう複数の湯水混合弁を有する湯水混合ユニットとを備えている。前記複数の湯水混合弁によって所望の温度に調整された湯は、たとえば台所、浴室、洗面所などの複数の給湯先に送られるようになっている。また、前記給湯機には、リモコンが通信線を介して接続されており、このリモコンは、台所、浴室、洗面所などの給湯先ごとの目標出湯温度を設定できるようになっている。
【0003】
このような構成の給湯システムによれば、給湯機から湯水混合ユニットに湯が供給された際に、複数の湯水混合弁を利用して異なる温度の湯を生成することが可能である。したがって、台所、浴室、洗面所などの複数の給湯先に対して、リモコンで設定されている目標出湯温度の湯を同時に供給することができ、便利である。
【0004】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地があった。
【0005】
すなわち、給湯システムを施工業者が設置する場合、種々の事情により、給湯機に対してリモコンを適切に接続できない場合がある。たとえば、業者がリモコンの種類を間違え、正規のリモコンを設置現場に搬入していなかったり、あるいは正規のリモコンを設置現場に搬入したものの、その後このリモコンを紛失し、または壊すなどして使用不能にする場合がある。また、施工業者がリモコンを適切に設置したつもりであっても、実際には、このリモコンと給湯機との配線接続が不適切な場合もある。
【0006】
これに対し、前記従来技術においては、給湯機にリモコンが適切に接続されていない場合に好適に対処するための手段はなんら講じられていない。給湯システムの給湯機や湯水混合ユニットは、給湯先に送られる湯の温度がリモコンによって設定された目標給湯温度となるように制御されるものであるため、前記リモコンが適切に接続されておらず、かつこのリモコンから目標給湯温度のデータを受けることができない場合には、給湯機や湯水混合ユニットを適正に運転させることが困難となる。
【0007】
このようなことから、従来においては、給湯システムの設置工事を行なった場合に、リモコンが適切に接続されない不備が生じると、ユーザはこの給湯システムを一切使用することができないものとなっていた。前記不備が発見された場合に、直ちにリモコンの接続工事を行なうことができればよいが、実際には、リモコンの入荷に日数を要したり、あるいは施工業者のタイムスケジュールの都合などによってそのような工事を直ちに行なうことができない場合もある。このような場合、ユーザが給湯システムを使用できない期間は長くなり、ユーザにとって非常に不便となるため、このようなことを解消することが望まれる。
【0008】
また、給湯システムを実際に使用していると、リモコンの接続が当初は適切であっても、その後に不適切になる場合もある。たとえば、鼠などの動物によって配線コードが噛まれたり、あるいは地震やその他の災害によって断線を生じるような場合がある。これに対し、前記従来技術においては、そのような場合に好適に対処するための手段も講じられていない。前記給湯システムでは、リモコンの接続が不適切になると、適正な出湯温度制御ができなくなるため、その際には給湯システムの運転を停止させておくことが望まれる。ところが、このように給湯システムの運転を停止させた場合であっても、その停止直後には給湯機の内部に未だ高温の湯が残存している場合がある。従来技術においては、そのような状態において、給湯先の給湯栓が開かれると、給湯機内に残存していた湯が高温のまま給湯先に供給されてしまう虞れがあり、このようなことを解消することも望まれる。
【0009】
なお、本出願人は、給湯機の一例として、特許文献3に記載のものを先に提案している。同文献に記載の給湯機は、リモコン接続の断線の有無を判断する機能を有しており、その断線時には好適な対応措置が採られるようにしている。しかしながら、同文献に記載されたものは、湯水混合ユニットを含まない給湯機自体に関する技術であるため、これを湯水混合ユニットを備えた給湯システムにそのまま適用して、前述した不具合を適切に解消することはできない。
【0010】
【特許文献1】特開平11−270868号公報
【特許文献2】特開2003−83603号公報
【特許文献3】特公平7−65808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、施工の不手際などに起因してリモコンが正常に通信接続されていない場合であっても、ユーザが湯を適切に使用することができる利便性に優れた給湯システムを提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0013】
本発明の第1の側面により提供される給湯システムは、出湯温度を変更可能な給湯機と、前記給湯機から出湯した湯に水を混合させてその温度調整を行なうための複数の湯水混合手段を有する湯水混合ユニットと、複数の給湯先のそれぞれに対応させて目標給湯温度を設定可能であり、かつ前記給湯機に対するデータ通信機能を有するリモコンと、を備えており、前記湯水混合ユニットは、前記給湯機との間でデータ通信が可能であるとともに、前記リモコンで設定された複数の目標給湯温度のデータに基づいて前記給湯機に出湯温度の指示データを送信可能とされている、給湯システムであって、前記給湯機および湯水混合ユニットの少なくとも一方は、それらの起動がなされてから所定時間内に、前記給湯機に対する前記リモコンの通信接続が正常であるか否かを判断する判断手段を備えており、前記給湯機および湯水混合ユニットは、前記判断手段が前記リモコンの通信接続は正常でないと判断したときには応急運転モードとなって、前記湯水混合ユニットは、前記給湯機に送信される出湯温度の指示データとしてダミーデータを出力し、または前記指示データを非出力とする一方、前記給湯機においては、前記指示データの内容または出力の有無とは無関係に、出湯温度を予め設定されている一定の温度に維持する制御が実行されるように構成されていることを特徴としている。
【0014】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
【0015】
第1に、給湯システムを設置する施工業者の不手際などに起因し、給湯機に対してリモコンが適切に通信接続されていない場合において、給湯機および湯水混合ユニットを起動させると、これらは応急運転モードとなる。リモコンが適切に通信接続されていない場合には、リモコンで設定されるべき給湯先ごとの目標給湯温度のデータを湯水混合ユニットが確認することはできないものの、この応急運転モードでは、湯水混合ユニットが給湯機に対する出湯温度の指示データとしてダミーデータを出力し、または前記指示データを非出力とする一方、給湯機においては、前記指示データの内容または出力の有無とは関係なく、予め設定された一定温度の湯が出湯される制御がなされる。したがって、湯水混合ユニットと給湯機とのデータ送受信に混乱を生じさせることなく給湯機をうまく稼働させて、給湯先に湯を供給することが可能となる。前記給湯機からの出湯温度を、たとえば42°C程度の適度な温度に設定しておけば、応急運転モード時に出湯される湯が台所や浴室などで湯を使用するユーザにとって高温過ぎて使用不能になるといったことは適切に回避可能である。このようなことから、ユーザは、リモコンの通信接続がなされていない状態であっても、湯を適切に使えることとなって便利である。
【0016】
第2に、リモコンが適切に通信接続されているか否かの判断は、前記判断手段によって行なわれており、この判断手段の判断結果にしたがって給湯機および湯水混合ユニットは応急運転モードに切り換わる。このため、ユーザがスイッチ操作を行なうなどして応急運転モードを設定する必要はなく、より便利となる。また、応急運転モードの設定が確実化され、その信頼性も高められる。
【0017】
第3に、リモコン接続が正常でない場合に応急運転モードが設定される制御は、給湯機や湯水混合ユニットが起動されることを契機として実行される。したがって、たとえば運転開始当初はリモコンの通信接続が正常であったにも拘わらず、その後に正常ではなくなった場合に、給湯機や湯水混合ユニットの運転を終了させてから、再起動させると、その再起動後に応急運転モードを設定することが可能となる。このため、給湯システムの使用開始時だけではなく、その後使用途中においてリモコンの通信接続不良が発生した場合にも、湯を有効に利用できるという優れた効果が得られる。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記応急運転モード時には、前記各湯水混合手段から水が未混合の湯、または水が少量混合の湯が流出するように、前記各湯水混合手段は、湯水混合を行なわず、または予め定められた所定の比率で湯水混合を行なう構成とされている。なお、応急運転モード時において、前記したような構成を実現するためのより具体的な手段としては、たとえば湯水混合手段として湯水混合弁を用いた場合に、この湯水混合弁に対する入湯・入水状態を湯側全開・水側全閉とする手段、あるいは湯水混合弁に水を供給する配管に開閉弁を設けておき、この開閉弁を閉じることによって湯水混合弁への水の供給を停止させる手段などを用いることができる。
【0019】
このような構成によれば、応急運転モード時に給湯機から出湯した湯の温度が、湯水混合ユニットを通過する際に大きく低下することはなく、給湯機からの出湯温度と略同一温度の湯を複数の給湯先に供給することが可能となる。より具体的には、給湯機からの出湯温度を、たとえば42°Cにしておくと、複数の給湯先のいずれに対しても42°Cまたはそれよりも僅かに低温の湯が供給されることとなり、42°Cを大きく下回る低温の湯が供給されないようにすることができる。したがって、各給湯先に適温の湯を供給するのにより好適となる。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記判断手段は、前記給湯機および湯水混合ユニットの起動後の前記所定時間が経過した後においても、前記リモコンの通信接続が正常であるか否かを判断しており、前記判断手段が、前記起動後の所定時間内には正常であると判断したにも拘わらず、その後に正常ではないと判断したときには、前記湯水混合ユニットは非常モードとなり、前記各湯水混合手段から湯が未混合の水、または湯が少量混合の水が流出するように、前記各湯水混合手段は、湯水混合を行なわず、または予め定められた所定の比率で湯水混合を行なう構成とされている。なお、非常モード時において、前記したような構成を実現するためのより具体的な手段としては、たとえば湯水混合手段として湯水混合弁を用いた場合に、この湯水混合弁に対する入湯・入水状態を水側全開・湯側全閉とする手段、あるいは湯水混合弁に給湯機からの湯を供給する配管に開閉弁を設けておき、この開閉弁を閉じることによって湯水混合弁への湯の供給を停止させる手段などを用いることができる。
【0021】
このような構成によれば、給湯システムの使用途中においてリモコンの通信接続不良が生じると、非常モードが設定される。この非常モードでは、給湯機内に仮に高温の湯が残存していても、この湯がそのまま給湯先に供給されることはない。給湯先には、前記湯が未混合の水、または前記湯が少量混合の水が供給されることとなり、ユーザが予期しない高温の湯が供給される不具合は防止される。また、前記構成によれば、リモコンの通信接続不良が生じると、給湯先では湯を要求しているにも拘わらず、低温の水のみが供給されることとなるため、ユーザは、この現象により給湯システムに異常が発生している旨を的確に察知することができるという効果も得られる。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記非常モード時において、前記判断手段が前記リモコンの通信接続が正常な状態に復帰したと判断したときには、前記湯水混合ユニットは、前記非常モードを解除し、前記各湯水混合手段は、前記リモコンによって設定された目標給湯温度に対応した湯水混合を行なうように構成されている。
【0023】
このような構成によれば、リモコンの通信接続の異常が一時的なものに過ぎず、その通信接続が正常になると、その後は給湯システムを利用して複数の給湯先ごとに所望温度の湯を供給することが可能となる。したがって、ユーザにとってより便利となる。
【0024】
本発明の第2の側面により提供される給湯システムは、出湯温度を変更可能な給湯機と、前記給湯機から出湯した湯に水を混合させてその温度調整を行なうための複数の湯水混合手段を有する湯水混合ユニットと、複数の給湯先のそれぞれに対応させて目標給湯温度を設定可能であり、かつ前記給湯機に対するデータ通信機能を有するリモコンと、を備えており、前記湯水混合ユニットは、前記給湯機との間でデータ通信が可能であるとともに、前記リモコンで設定された複数の目標給湯温度のデータに基づいて前記給湯機に出湯温度の指示データを送信可能とされている、給湯システムであって、前記給湯機に対する前記リモコンの通信接続が正常でないときに、前記給湯機および湯水混合ユニットを応急運転モードに設定するための設定手段を備えており、前記応急運転モード時には、前記湯水混合ユニットは、前記給湯機に送信される出湯温度の指示データとしてダミーデータを出力し、または前記指示データを非出力とする一方、前記給湯機においては、前記指示データの内容または出力の有無とは無関係に、出湯温度を予め設定されている一定の温度に維持する制御が実行されるように構成されていることを特徴としている。
【0025】
このような構成によれば、リモコンの通信接続が正常でない場合には、応急運転モードを設定することにより、本発明の第1の側面によって提供される給湯システムと同様に、複数の給湯先に湯を供給することが可能となり、ユーザにとってやはり便利である。
【0026】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る給湯システムの一実施形態を示している。本実施形態の給湯システムAは、給湯機1、湯水混合ユニット2、および複数のリモコン3(3A〜3C)を備えている。
【0029】
給湯機1は、たとえばガス燃焼式の給湯機であり、その基本的なハード構成は、従来既知のものと同様である。具体的には、この給湯機1は、缶体11内に送風ブロア16から燃焼用空気を送り込みながら、燃焼器12により燃料ガスを燃焼させるようになっている。この燃焼器12の上方には、水管13を有する熱交換器14が設けられている。水管13の入水口13aには、水道管などの給水管40Aが接続されている。熱交換器14の熱交換により得られた湯は、水管13の出湯口13bから出湯し、配管41を介して湯水混合ユニット2の給湯口21aに供給されるようになっている。
【0030】
給湯機1は、制御部10を備えている。この制御部10は、CPUやこれに付属する各種のメモリを具備して構成されており、また湯水混合ユニット2やリモコン3との通信を行なうための通信回路(図示略)も具備している。この制御部10は、出湯口13bからの出湯温度の変更制御を実行する。この制御は、燃焼器12に対する燃料ガスの供給量調整、あるいは熱交換器14を通過した湯に水を混合させるバイパス経路13cに設けられている流量調整弁15の開度を調整するなどして行なわれる。この給湯機1においては、後述する複数の給湯栓6A〜6Cのいずれかが開状態とされることにより水管13内に水流が生じ、かつその流量が予め定められた閾値を超えると、燃焼器12などが駆動するようになっている。また、前記流水量が前記の閾値以下に減少すると、燃焼器12などの駆動が停止されるようになっており、このような制御も制御部10が担当している。給湯機1が運転される際の制御部10の詳細な動作処理手順の内容については、後述する。
【0031】
複数のリモコン3としては、たとえば台所に設置されるメインのリモコン3Aと、浴室や洗面所に設置されるサブのリモコン3B,3Cとがある。これらのリモコン3は、いずれも目標給湯温度や給湯流量(最大給湯流量)などのデータを入力設定するための操作スイッチ30や、データ表示を行なうための表示部31を備えている。また、給湯機1の制御部10との間で通信線50を介してデータ通信を行なう機能も有している。通信線50には、給湯機1から各リモコン3に対して駆動電力を供給すべく直流電圧印加がなされており、前記データ通信方式としては、AM変調波が重畳されて伝送される重畳2芯方式が用いられている。各リモコン3において目標給湯温度などのデータが入力設定されると、このデータは、湯水混合ユニット2の後述する制御部20に送信される。ただし、サブのリモコン3B,3Cは、それらが設置されている浴室または洗面所についてのデータを設定し得るに過ぎないのに対し、メインのリモコン3Aにおいては、サブのリモコン3B,3Cで設定されたデータ内容を取り込んで記憶可能であり、また台所、浴室、洗面所のいずれの給湯先についても目標給湯温度などのデータを入力設定できるようになっている。リモコン3A〜3Cのうち、少なくともメインのリモコン3Aは、後述するように、給湯機1の制御部10に適正に接続されているときには、一定の手順にしたがって制御部10との間で略一定の周期で通信を行なう構成とされている。この通信は、給湯機1が主体となってリモコン3Aの通信接続が適正か否かを判断するために行なわれる。
【0032】
湯水混合ユニット2は、給湯口21aを有する湯用の配管21A、水道管などの給水管40Bが接続された入水口21bを有する水用の配管21B、これらの配管21A,21Bに流れる湯と水を所定の比率で混合させて所望温度の湯を生成するための複数の湯水混合弁23(23A〜23C)、およびこれら複数の湯水混合弁23の駆動制御を行なう制御部20を備えている。複数の湯水混合弁23の下流側には、複数の配管24A〜24Cが接続されており、またこれらの終端の接続口24a〜24cには、外部配管60A〜60Cが接続されている。これら外部配管60A〜60Cの終端には、台所、浴室、洗面所に配された複数の給湯栓6A〜6Cが取り付けられている。なお、配管24Cは、2つの接続口24cを有するように2つに分岐しており、たとえば家屋の1階および2階のそれぞれの洗面所への給湯が可能となっている。
【0033】
図2を参照して湯水混合ユニット2の構造をさらに詳述する。各湯水混合弁23の入湯・入水用の上流口には、配管21A,21Bの終端またはそれらの分岐配管が接続されている。各湯水混合弁23は、たとえば電動モータMの駆動によって弁本体23aを動作させることにより湯と水の混合割合を変更自在である。配管21A,21Bのうち、各湯水混合弁23よりも上流側には、一対の開閉弁22A,22B、入湯温度ならびに入水温度を検出するための一対の温度センサ70A,70B、および各湯水混合弁23からの逆流を防止する複数の逆止弁71が設けられている。各湯水混合弁23の下流側の配管24A〜24Cには、各湯水混合弁23から流出した湯の温度を検出するための温度センサ71、各湯水混合弁23から流出する湯の最大流量を制限するための過流出防止弁72、および流量センサ73が設けられている。前記した各種センサからの信号は制御部20に送信され、また前記した各種の弁(逆止弁を除く)は、制御部20により駆動制御される。
【0034】
制御部20は、給湯機1の制御部10と同様に、CPUやこれに付属する各種のメモリを具備して構成されており、また図1に示すように、給湯機1の制御部10との間で通信線51を介して通信を行なう通信回路も具備している。この通信方式も、先に述べたのと同様な重畳2芯方式である。ただし、湯水混合ユニット2には、たとえば商用電源から電力供給が行なわれるようになっており、通信線51を利用した電力供給は行なわれない。制御部20は、給湯機1とリモコン3との間で実行される通信状況を監視する機能を有しており、このことによって後述するように、リモコン3の通信接続が正常であるか否かの判断を行なうとともに、その判断結果に応じて通常運転モードから応急運転モード、あるいは非常モードに切り換わり、所定の信号処理や動作制御を実行するように構成されている。制御部20は、本発明でいう判断手段の一例に相当する。
【0035】
次に、前記した給湯システムAの作用、ならびに湯水混合ユニット2の制御部20の動作処理手順の一例について、図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0036】
まず、給湯機1および湯水混合ユニット2のそれぞれが電源投入されて起動すると、制御部20は、給湯機1とリモコン3Aとの間の通信状態の監視を始める(S1)。給湯機1およびリモコン3Aは、先に述べたとおり、それらが起動している期間中は、常時略一定の周期で通信を行なうようにされており、制御部20はその通信状況を監視することにより、給湯機1に対するリモコン3Aの通信接続が正常であるか否かを判断する。制御部20には、通線接続が正常である場合に実行されるべき通信内容のデータが予め記憶されており、制御部20は、そのデータと実際の通信状況とを比較することにより、前記通信接続が正常であるか否かを判断するようになっている。制御部20が、前記通信接続が正常であると判断したときには、この制御部20は通常運転モードとなる(S2:YES,S3)。
【0037】
なお、2つのサブのリモコン3B,3Cは、メインのリモコン3Aを補助するものに過ぎず、リモコン3Aが接続されていれば、リモコン3B,3Cが仮に未接続であっても、給湯栓6A〜6Cの全てについて目標給湯温度などのデータを入力設定可能である。このため、制御部20は、リモコン3B,3Cの通信接続が正常であるか否かについてはとくに判断する必要はない。本実施形態では、理解の容易のため、制御部20がリモコン3Aの通信接続のみを監視していることを前提として説明する。ただし、本発明は、これに限定されないことは勿論である。本発明では、制御部20がリモコン3Aに加えて、リモコン3B,3Cの通信接続が正常であるか否かについても判断し、たとえばそれらの1つでも通信接続が不良であると判断した場合には、後述するようにリモコン3Aが通信接続不良である場合と同様な処理を行なわせるようにすることもできる。
【0038】
前記通常運転モードにおいては、次のような制御がなされる。すなわち、リモコン3Aの通信接続が正常である場合には、リモコン3Aから湯水混合ユニット2に対して目標給湯温度などのデータが送信され、制御部20は、そのデータを取り込んで記憶する(S4)。次いで、給湯栓6A〜6Cのいずれかが開状態とされることにより、給湯を行なう必要が生じると、制御部20は、前記の記憶したデータに基づいて、給湯機1から出湯させる湯の温度を決定し、これを指示データとして給湯機1の制御部10に送信する(S5:YES,S6)。給湯機1の制御部10は、そのような指示データにしたがって給湯機1の各部を制御し、指示された温度の湯を出湯口13bから出湯させることとなり、この湯が湯水混合ユニット2に供給される。湯水混合ユニット2では、各リモコン3で設定されている目標給湯温度の湯が生成されるように、湯水混合弁23が制御される(S7)。
【0039】
次いで、前記とは異なり、給湯機1とリモコン3Aとの間で適正な通信が無く、しかもその状態が予め定められた時間(たとえば10秒前後〜数十秒程度)継続した場合、制御部20は、リモコン3Aの通信接続は正常でないと判断し、応急運転モードとなる(S2:NO,S9:YES,S10)。したがって、給湯システムAを施工する際に、施工業者がリモコン3Aを適切に通信接続していない場合には、応急運転モードが設定されることとなる。
【0040】
前記応急運転モードにおいては、次のような制御がなされる。すなわち、給湯栓6A〜6Cのいずれかが開状態とされて、給湯を行なう必要が生じると、制御部20は、給湯機1に対し、出湯温度の指示データとして、ダミーデータを送信する(S12)。この応急運転モードでは、既述したとおり、リモコン3Aが適正に通信接続されていないために、リモコン3Aで設定される目標給湯温度のデータを制御部20が取り込むことはできず、そのデータに基づいて給湯機1に対する出湯温度の指示データを送出することが困難であるため、前記データの代替として、制御部20はダミーデータを送信する。このダミーデータは、制御部20に予め記憶されている。ただし、ダミーであるためにその具体的な値はとくに限定されるものではなく、たとえば38°Cとするなど適当な値でよい。また、制御部20は、前記ダミーデータの送信を行なうとともに、各湯水混合弁23を湯側全開・水側全閉とし、湯に水が混合されない状態に設定する(S13)。
【0041】
給湯機1の制御部10の動作処理手順については、図3に示されていないが、この制御部10は、湯水混合ユニット2の制御部20が応急運転モードになると、これに伴って応急運転モードとなる。前述したとおり、給湯機1はリモコン3Aの通信接続が適正か否かを判断するための通信を実行する機能を有しており、この給湯機1の制御部10もリモコン3Aの通信接続が正常であるか否かを判断可能である。制御部10はその判断により応急運転モードとなる。したがって、この制御部10も、制御部20と同様に、本発明でいう判断手段の具体例に相当する。ただし、本発明においては、制御部10がリモコン3Aの通信接続が正常であるか否かを判断し、その判断結果を湯水混合ユニット2の制御部20に送信させるようにしてもよいし、あるいはそれとは反対に、制御部20の判断結果を給湯機1の制御部10に送信させるようにしてもよい。
【0042】
給湯機1の制御部10が応急運転モードになると、この制御部10は、制御部20から送信されてくるダミーデータを無視する。そして、給湯機1から出湯を行なわせる際には、この制御部10に予め設定されている温度、たとえば42°Cの一定温度で出湯がなされるように制御部10は給湯機1の各部を制御する。したがって、給湯機1から湯水混合ユニット2には、たとえば42°Cの一定温度の湯が供給される。これに対し、湯水混合ユニット2の各湯水混合弁23は、前記したように湯側全開・水側全閉であり、前記の湯に水は混合されない。したがって、湯水混合ユニット2から所定の給湯先には、42°Cの湯、または途中の放熱に起因してそれよりも僅かに温度が下がった湯が送られる。このような温度の湯であれば、台所、浴室、洗面所のいずれにおいても、ユーザは好適に使用することが可能である。なお、各湯水混合弁23が湯側全開・水側全閉ではなく、少量の水が湯に混合するようにされていてもかまわない。この場合であっても、前記したのと同様に、適温の湯を供給可能である。また、水用の配管21Bの開閉弁22Bを閉じれば、各湯水混合弁23に水が供給されないこととなって、各湯水混合弁23は湯に水を混合させない状態となる。したがって、開閉弁22Bを制御することによって、水が未混合の湯を供給させる構成とすることもできる。
【0043】
前記したように、この給湯システムAにおいては、リモコン3Aが給湯機1に適切に接続されていない場合であっても、給湯機1を応急運転させることによって適温の湯を給湯先に供給することが可能である。したがって、リモコン3Aを給湯機1に接続する修理がなされるまでの期間中、ユーザが湯を使用することができないという不便さはない。
【0044】
前記した例では、湯水混合ユニット2の制御部20が応急運転モードとなったときに、給湯機1に対する出湯温度の指示データとして、ダミーデータが出力されるようにしているが、本発明はこれに限定されない。本発明においては、給湯機1に対する出湯温度の指示データが出力されないようにすることもできる。この場合、給湯機1の制御部10は、指示データが出力されるか否かには関係なく、予め設定されている一定の温度で出湯がなされる制御を実行するように構成しておけばよい。
【0045】
次に、給湯システムAが使用されている途中でリモコン3Aの通信接続が異常になった場合の作用、ならびに制御部20の動作処理手順の一例について、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0046】
まず、制御部20は、通常運転モードの設定後においても、給湯機1とリモコン3Aとの間の通信状態の監視を継続して実行している(S20,S21)。この監視の結果、前記両者間において適正な通信が実行されていると、制御部20は、リモコン3Aの通信接続は正常であるとして、その後も通常運転モードを継続する(S22:YES,S28)。この場合、前述した図3のステップS3〜S8の制御が実行されることとなる。
【0047】
これに対し、給湯機1とリモコン3Aとの間の通信が所定時間内に一切確認されない状況が生じると、制御部20は、非常モードとなる(S22:NO,S23:YES,S24)。前記所定時間としては、たとえば400秒あるいはそれ以外の様々な値を用いることができるが、給湯機1とリモコン3Aとは少なくとも前記所定時間よりも短いサイクルで所定の通信を行なうようにプログラミングされており、前記所定時間中に所定の通信が一度も実行されない場合、制御部20は、リモコン3Aの通信接続は正常ではないと判断する。
【0048】
制御部20は、前記非常モードになると、各湯水混合弁23を水側全開・湯側全閉とし、各湯水混合弁23から湯が出湯しない状態とする(S25)。このような制御がなされると、仮に、非常モードが設定された時点で給湯機1の水管13内に高温の湯が残存していても、この高温の湯が湯水混合ユニット2を通過してそのまま給湯先に供給されることはない。したがって、ユーザが予期していない高温の湯が供給されることは適切に防止される。
【0049】
また、前記したように、各湯水混合弁23が水側全開・湯側全閉となれば、湯水混合ユニット2の湯用の配管21A内の湯は滞留したままとなり、仮に給湯栓6A〜6Cを開いても、給湯機1の水管13内に水流は生じない。このため、非常モード時においては、給湯機1が不必要に運転されることもない。なお、各湯水混合弁23が水側全開・湯側全閉になることに代えて、湯側が僅かに開き、少量の湯が水に混合するようにされていても、前記したのと同様な効果が得られる(水管13内に水流が生じても、その流量が閾値以下の少量であれば、燃焼器12の駆動は開始されない)。本発明では、各湯水混合弁23をそのような設定にしてもかまわない。また、湯用の配管21Aの開閉弁22Aを閉じれば、各湯水混合弁23に湯が供給されることもない。したがって、開閉弁22Aを制御することによって湯の流出を防止することもできる。
【0050】
制御部20は、前記した非常モード時においても、給湯機1とリモコン3Aとの間の通信状態を継続して監視している。そして、仮に、その後適正な通信状態が確認されると、制御部20は、非常モードを解除し、通常運転モードに復帰する(S26:YES,S27,S20)。したがって、給湯機1とリモコン3Aとの通信接続異常が一時的なものに過ぎない場合には、その異常が解消された時点で即座に通常運転に復帰することとなり、便利である。
【0051】
なお、前記した非常モード時においては、給湯栓6A〜6Cを開状態としても、水しか供給されないために、ユーザはこのことにより非常モードである旨を的確に察知することができる。この場合、修理を行なう必要があるが、この修理が完了するまでの期間中は、給湯システムを応急運転させればよい。すなわち、湯水混合ユニット2の電源を一旦落としてから再投入すると、制御部20が再起動することとなるため、この制御部20は、図3に示したステップS1,S2:NO,S9の手順を踏んで、応急運転モードとなる。この応急運転モードでは、前述したとおり、給湯先に一定温度の湯を供給することが可能であるために、ユーザはリモコン3Aの通信接続修理が完了するまでの期間中においても湯を好適に使うことができる。
【0052】
図5は、制御部20の他の動作手順の例を示すフローチャートである。本実施形態の動作手順は、湯水混合ユニット2に、制御部20を応急運転モードに設定するための操作スイッチ(図示略)が設けられた構成を前提としている。応急運転モードの設定手段としては、操作スイッチに代えて、たとえば制御部20の特定の入出力ポートを短絡させるといった手段を用いてもよいことは勿論である。
【0053】
本実施形態においては、湯水混合ユニット2が電源投入されて起動すると、制御部20は、前記操作スイッチがオンか否かを判断する。そして、前記操作スイッチがオンであると応急運転モードとなる(S30:YES,S31)。したがって、この場合には、その後図3のステップS11以降の動作が実行される。これに対し、前記操作スイッチがオフの場合には、図3のステップS1以降の動作が実行される。
【0054】
給湯システムAの設置工事が行なわれる場合、その施工業者はその設置工事の途中あるいは工事を終えた段階などにおいて、リモコン3Aが給湯機1に適切に接続されていないことを既に察知している場合がある。本実施形態においては、このような場合に施工業者あるいはユーザなどが、前記操作スイッチを予めオンにしておくと、湯水混合ユニット2を起動させた後に、制御部20を応急運転モードに早期に設定することができることとなる。操作スイッチをオンに設定し忘れた場合には、その後制御部20が通信状態を監視してから応急運転モードに移行するために、スイッチ操作のし忘れに起因してトラブルが発生することも適切に回避される。
【0055】
図5に示した実施形態から理解されるように、本発明では、給湯システムに応急運転モード設定手段を設けておき、リモコン3Aが適切に通信接続されないことが予め判明している場合には、前記設定手段を利用して応急運転モードとなるように構成することもできる。
【0056】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る給湯システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0057】
給湯機としては、ガス燃焼式のものに代えて、オイル燃焼式のものなどを用いることができることに加え、給湯機の種類は、瞬間式のものに限定されない。たとえば、ヒートポンプや太陽光などを利用して湯を生成して貯湯タンクに貯留し、必要に応じてその排出を行なう貯湯式の給湯機を用いることもできる。
【0058】
湯水混合ユニットの湯水混合手段としては、前記した湯水混合弁23とは異なる構造の湯水混合手段を用いることが可能である。この湯水混合手段は、複数設けられていればよく、その具体的な数も限定されない。リモコンは、少なくとも複数の給湯先のそれぞれに対応させて目標給湯温度を設定可能なものであればよく、その具体的な個数も限定されない。給湯機とリモコンとの間、および給湯機と湯水混合ユニットとの間の通信方式は、重畳2芯方式に限定されず、たとえばワイヤレス通信方式(赤外線通信などの光通信を含む)などの他の通信方式にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る給湯システムの一例を示す説明図である。
【図2】図1に示す給湯システムに用いられている湯水混合ユニットの説明図である。
【図3】図1および図2に示された湯水混合ユニットの制御部の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】図1および図2に示された湯水混合ユニットの制御部の動作処理手順の他の例を示すフローチャートである。
【図5】図1および図2に示された湯水混合ユニットの制御部の動作処理手順の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
A 給湯システム
1 給湯機
2 湯水混合ユニット
3(3A〜3C) リモコン
6A〜6C 給湯栓
10 制御部(判断手段)
20 制御部(判断手段)
23 湯水混合弁(湯水混合手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出湯温度を変更可能な給湯機と、
前記給湯機から出湯した湯に水を混合させてその温度調整を行なうための複数の湯水混合手段を有する湯水混合ユニットと、
複数の給湯先のそれぞれに対応させて目標給湯温度を設定可能であり、かつ前記給湯機に対するデータ通信機能を有するリモコンと、を備えており、
前記湯水混合ユニットは、前記給湯機との間でデータ通信が可能であるとともに、前記リモコンで設定された複数の目標給湯温度のデータに基づいて前記給湯機に出湯温度の指示データを送信可能とされている、給湯システムであって、
前記給湯機および湯水混合ユニットの少なくとも一方は、それらの起動がなされてから所定時間内に、前記給湯機に対する前記リモコンの通信接続が正常であるか否かを判断する判断手段を備えており、
前記給湯機および湯水混合ユニットは、前記判断手段が前記リモコンの通信接続は正常でないと判断したときには応急運転モードとなって、前記湯水混合ユニットは、前記給湯機に送信される出湯温度の指示データとしてダミーデータを出力し、または前記指示データを非出力とする一方、前記給湯機においては、前記指示データの内容または出力の有無とは無関係に、出湯温度を予め設定されている一定の温度に維持する制御が実行されるように構成されていることを特徴とする、給湯システム。
【請求項2】
前記応急運転モード時には、前記各湯水混合手段から水が未混合の湯、または水が少量混合の湯が流出するように、前記各湯水混合手段は、湯水混合を行なわず、または予め定められた所定の比率で湯水混合を行なう構成とされている、請求項1に記載の給湯システム。
【請求項3】
前記判断手段は、前記給湯機および湯水混合ユニットの起動後の前記所定時間が経過した後においても、前記リモコンの通信接続が正常であるか否かを判断しており、
前記判断手段が、前記起動後の所定時間内には正常であると判断したにも拘わらず、その後に正常ではないと判断したときには、前記湯水混合ユニットは非常モードとなり、前記各湯水混合手段から湯が未混合の水、または湯が少量混合の水が流出するように、前記各湯水混合手段は、湯水混合を行なわず、または予め定められた所定の比率で湯水混合を行なう構成とされている、請求項2に記載の給湯システム。
【請求項4】
前記非常モード時において、前記判断手段が前記リモコンの通信接続が正常な状態に復帰したと判断したときには、前記湯水混合ユニットは、前記非常モードを解除し、前記各湯水混合手段は、前記リモコンによって設定された目標給湯温度に対応した湯水混合を行なうように構成されている、請求項3に記載の給湯システム。
【請求項5】
出湯温度を変更可能な給湯機と、
前記給湯機から出湯した湯に水を混合させてその温度調整を行なうための複数の湯水混合手段を有する湯水混合ユニットと、
複数の給湯先のそれぞれに対応させて目標給湯温度を設定可能であり、かつ前記給湯機に対するデータ通信機能を有するリモコンと、を備えており、
前記湯水混合ユニットは、前記給湯機との間でデータ通信が可能であるとともに、前記リモコンで設定された複数の目標給湯温度のデータに基づいて前記給湯機に出湯温度の指示データを送信可能とされている、給湯システムであって、
前記給湯機に対する前記リモコンの通信接続が正常でないときに、前記給湯機および湯水混合ユニットを応急運転モードに設定するための設定手段を備えており、
前記応急運転モード時には、前記湯水混合ユニットは、前記給湯機に送信される出湯温度の指示データとしてダミーデータを出力し、または前記指示データを非出力とする一方、前記給湯機においては、前記指示データの内容または出力の有無とは無関係に、出湯温度を予め設定されている一定の温度に維持する制御が実行されるように構成されていることを特徴とする、給湯システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−200754(P2006−200754A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−9706(P2005−9706)
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【出願人】(503116659)ノーリツエレクトロニクステクノロジー株式会社 (155)
【Fターム(参考)】