給湯システム
【課題】防災のための配管を簡便かつ低コストで施工可能とする、防災機能付きの給湯システムを提供する。
【解決手段】温水ラインに防災用放水装置が接続された給湯システム。
【解決手段】温水ラインに防災用放水装置が接続された給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厨房や浴室への給湯、また暖房等のために用いることのできる給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
厨房もしくは浴室への給湯、あるいは暖房等のために給湯システムが利用され、屋内に温水ラインが設けることが一般的に行われている(特許文献1参照)。
【0003】
一方、スプリンクラーによる消火やドレンチャーによる防火等のために屋内に防災用の水配管が設けられることも一般的に行われている(特許文献2および3参照)。
【特許文献1】特開2005−273997号公報
【特許文献2】特開2003−290372号公報
【特許文献3】特開2003−290380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、温水配管と防災用の水配管とは別々に設けられている。このため、施工が煩雑であり、コストの点でも高価となる。
【0005】
本発明の目的は、防災のための配管を簡便かつ低コストで施工可能とする、防災機能付きの給湯システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、温水ラインに防災用放水装置が接続された給湯システムが提供される。
【0007】
前記温水ラインが床暖房用温水ラインであり、該床暖房用温水ラインより下方に防災用放水装置が配されることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、防災のための配管を簡便かつ低コストで施工可能とする、防災機能付きの給湯システムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下図面を用いて本発明について説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0010】
図1に本発明の給湯システムの一形態を示す。外部から供給される水は、屋外に設けられた給湯器1によって温水とされる。給湯器は灯油やガスの燃焼器と貯湯槽を備える。なお給湯器は、屋内に設置してもよい。電気加熱による給湯器であってもよい。貯湯槽は必ずしも必要ではない。要するに、温水ラインに温水が供給可能であればよい。
【0011】
屋内に温水利用機器が設けられる。ただし、屋外に温水利用機器が設けられることを妨げるものではない。温水利用機器として、一階には、床暖房3−1、浴槽4、蛇口5が設けられる。二階には床暖房3−2が設けられる。これらの温水利用機器には、コントローラ2を介して給湯器1から温水が供給される。給湯器とコントローラを結ぶラインおよびコントローラと温水利用機器を結ぶラインが温水ラインである。
【0012】
なお、温水利用機器としては、上記のものに限らず、温水を利用する公知の機器を適宜用いることができる。また、コントローラは必ずしも必要ではない。給湯器から直接温水利用機器に給湯してもよい。
【0013】
二階に設けられた床暖房3−2用の温水ラインに、防災用放水装置としてスプリンクラーヘッド10を接続する。スプリンクラーヘッドは一階の天井部分に設置する。
【0014】
防災用放水装置としてドレンチャーを設置してもよい。通常、スプリンクラーは消火を目的とし、ドレンチャーは防火を目的とするが、いずれも防災用に放水を行う防災用放水装置である。
【0015】
スプリンクラーも、ドレンチャーも、公知の技術を適宜利用することができる。例えば、感熱開放弁をスプリンクラーの上流に適宜設け、熱を検知した際にスプリンクラーから放水するように構成することができる。
【0016】
本発明によれば、給湯設備と防災設備とを兼用しているので、これらの設備を個別に設置する場合より、配管を短くでき、施工が簡便となり、低コスト化が可能となる。
【0017】
特に、床暖房用温水ラインより下方(鉛直方向下方)に防災用放水装置を配する形態では、ある階の床暖房用温水ラインに接続した防災用放水装置によってその下の階に放水することが容易であり、防災専用の配管は極めて短くてすむので好ましい。
【0018】
スプリンクラーについてさらに詳細について説明する。スプリンクラーには閉鎖型と開放型がある。閉鎖型は通常時(スプリンクラー非作動時)にスプリンクラーヘッドの水の出口が閉じられており、開放型はスプリンクラーヘッドの水の出口が常に開いている。また閉鎖型には、湿式、乾式、予作動式がある。
【0019】
湿式スプリンクラー(閉鎖型)は、図11に示すようにスプリンクラーヘッド1110に至る配管内に通常時に水が充満している方式である。スプリンクラーヘッドの感熱部の可溶片が熱のために溶けてシール部分が開き、湿式流水検知装置(湿式弁)1121が作動して放水する。放水停止の際、制御弁1122を閉じる。一般ビル等において用いられ、冬期配水管の凍結のおそれのない部分に用いられる。
【0020】
乾式スプリンクラー(閉鎖型)は、図12に示すように、乾式流水検知装置(乾式弁)1221の二次側の配管部を加圧空気で満たし、スプリンクラーヘッド1210の感熱部の作動により加圧空気を放出し、乾式流水検知装置1221が作動して放水する方式である。放水停止の際、制御弁1222を閉じる。寒冷地工場など、冬期凍結のおそれのある部分等に用いられる。
【0021】
予作動式スプリンクラー(閉鎖型)は、図13に示すように、火災感知器1324等の作動により、予作動式流水検知装置(予作動弁)1321が開放し、スプリンクラー配管中に圧力水を送り、さらに加熱によるスプリンクラーヘッド1310の作動により放水を開始する。放水停止の際、制御弁1322を閉じる。バルブ自動開放機構1323は火災検知器1324から信号を受信し、予作動式流水検知装置(予作動弁)1321のディスクを開放する。予作動式では、ヘッドと火災感知器等の両方が作動しないかぎり放水しない。病院、共同住宅などに用いられる。
【0022】
開放型スプリンクラーは、図14に示すように、開放型(大気開放している)スプリンクラーヘッド1410を用い、火災感知器1424と連動して作動するか、または手動によって一斉開放弁1421を開いて放水する。放水停止の際、制御弁1422を閉じる。バルブ自動開放機構1423は火災検知器1424から信号を受信し、一斉開放弁1421を開放する。
【0023】
次に、本発明の給湯システムにおける床暖房とスプリンクラーラインの設置パターンの形態について説明する。
【0024】
図2に、給湯器201、床暖房203用の配管と、スプリンクラーヘッド210に水を供給する配管とを直列に接続する例を示す。直列であるため、湿式スプリンクラーが採用される。スプリンクラーヘッド下流のバルブ211は通常時は開いており、放水時には閉じられる。
【0025】
このように直列配置をする場合、図3に示すように、床暖房用配管とスプリンクラーヘッドへの水供給配管の組み合わせを複数設けることができる。図3に示した例では、給湯器301に床暖房用配管303−1が接続され、その下流にスプリンクラーヘッド310−1への水供給配管が設けられる。そのさらに下流に、床暖房用配管303−2とスプリンクラーヘッド310−2への水供給配管とがこの順に直列に配置される。最も下流のスプリンクラーヘッドの下流に設けられたバルブ311は通常時は開いており、放水時には閉じられる。
【0026】
以下図4〜図6を用いて、閉鎖型(湿式、乾式、予作動式の何れでもよい)および開放型のスプリンクラーのいずれも採用可能な例を示す。
【0027】
図4に示した例では、給湯器401と床暖房403とを結ぶ配管の途中に分岐部(三方弁411)が設けられ、分岐された配管にスプリンクラーヘッド410が接続される。通常時には床暖房用配管に水が流通し、スプリンクラーヘッド水供給用配管には水は流通しない。放水時には三方弁が床暖房側からスプリンクラーヘッド側に切り替わる。
【0028】
図5に示した例では、スプリンクラーヘッド水供給配管と床暖房用配管が並列に接続される。分岐部(三方弁511)により給湯器501から床暖房503に至るラインとスプリンクラーヘッド510に至るラインとに分岐され、これらのラインが合流部(三方弁512)にて合流する。通常時には床暖房用配管に水が流通し、スプリンクラーヘッド水供給用配管には水は流通しない。放水時には三方弁511が床暖房側からスプリンクラー側に切り替わる。この例では、随時スプリンクラーヘッド水供給用配管に水を流通させることにより、スプリンクラーヘッド水供給用配管中の水の汚濁を防止することができる。
【0029】
図6に示した例では、給湯器601から床暖房603に向かう配管の途中に分岐部(三方弁611)を設け、スプリンクラーヘッド610用水供給配管を分岐させる。そしてスプリンクラーヘッドから戻る配管を、床暖房用配管の上流に合流部(三方弁612)を設け、ここにスプリンクラーヘッド用水供給配管を合流させる。通常時には床暖房用配管に水が流通し、スプリンクラーヘッド水供給用配管には水は流通しない。放水時には三方弁611が床暖房側からスプリンクラー側に切り替わる。この例でも、随時スプリンクラーヘッド水供給用配管に水を流通させることにより、スプリンクラーヘッド水供給用配管中の水の汚濁を防止することができる。
【0030】
なお、図5に示した例に開放型スプリンクラーを適用する場合、例えば三方弁511とスプリンクラーヘッド510の間に、流水検知装置およびそれに接続する加圧空気源(図12参照)を設置することで、火災時に三方弁511をスプリンクラー側に切替えて送水することで放水できる。スプリンクラーライン中の水が汚濁した場合、三方弁511、512をスプリンクラー側に切替えて送水することで洗浄することができる。図6に示した例でも同様である。
【0031】
次に、本発明の給湯システムにおける水供給系の形態について、図7〜図9を用いて説明する。
【0032】
図7に示した例では、給湯器701が貯湯槽701a、加熱源701bおよびポンプ701cを備える。このポンプ1台で床暖房とスプリンクラーヘッド水供給用配管の両方に水を供給する。床暖房に要する水流量とスプリンクラーからの放水に要する水流量が比較的近い場合に適用できる。
【0033】
図8に示した例では、給湯器801が貯湯槽801a、加熱源801b、床暖房用ポンプ701cおよびスプリンクラー用ポンプ801dを備える。通常時は床暖房用ポンプを用い、放水時にはスプリンクラー用ポンプを用いる。この切り替えのために、三方弁801eおよび801fを用いる。床暖房に要する水流量とスプリンクラーからの放水に要する水流量とに大きな相違がある場合に適している。
【0034】
図9に示した例では、貯水槽915が設けられる。図7に示した例と同様、給湯器901は貯湯槽901a、加熱源901bおよびポンプ901cを備える。貯水槽を経て給湯器に水を供給するので、放水量が多い場合に好適である。
【0035】
次に、本発明の給湯システムにおける電力供給系の形態について図10を用いて説明する。
【0036】
図10に示すように、燃料電池システム1006から給湯システムのコントローラ1002および給湯システム内の補機類(ポンプや自動バルブ)1007に電力が供給される。コントローラからの信号によって補機類が制御される。この形態は、火災と停電とが同時に発生する場合でも放水が可能である。
【0037】
本発明の給湯システムは、防災機能を簡易に設けることができるため、例えば家庭用温水供給システムに好適に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によれば簡易に防災設備を設けることができる。従って、本発明の給湯システムは、一般家庭等の小規模な建物に特に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の給湯システムの例を説明するための模式図である。
【図2】本発明の給湯システムの別の例を説明するための模式図である。
【図3】本発明の給湯システムのさらに別の例を説明するための模式図である。
【図4】本発明の給湯システムのさらに別の例を説明するための模式図である。
【図5】本発明の給湯システムのさらに別の例を説明するための模式図である。
【図6】本発明の給湯システムのさらに別の例を説明するための模式図である。
【図7】本発明の給湯システムにおける水供給系の例を説明するための模式図である。
【図8】本発明の給湯システムにおける水供給系の別の例を説明するための模式図である。
【図9】本発明の給湯システムにおける水供給系のさらに別の例を説明するための模式図である。
【図10】本発明の給湯システムにおける電力供給系の例を説明するための模式図である。
【図11】湿式スプリンクラーを説明するための模式図である。
【図12】乾式スプリンクラーを説明するための模式図である。
【図13】予作動式スプリンクラーを説明するための模式図である。
【図14】開放型スプリンクラーを説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0040】
1、201、301、401、501、601、701、801、901:給湯器
2、1002:コントローラ
3、203、303、403、503、603:床暖房
4:浴槽
5:蛇口
10、210、310、410、510、610、1110、1210、1310、1410:スプリンクラーヘッド
211、311:バルブ
411、511、512、611、612:三方弁
701a、801a、901a:貯湯槽
701b、801b、901b:加熱源
701c、801c、801d、901c:ポンプ
801e、801f:三方弁
915:貯水槽
1006:燃料電池システム
1007:補機類
1121、1221、1321:流水検知装置
1421:一斉開放弁
1122、1222、1322、1422:制御弁
1290:加圧空気源
1323、1423:バルブ自動開放機構
1324、1424:火災感知器
【技術分野】
【0001】
本発明は、厨房や浴室への給湯、また暖房等のために用いることのできる給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
厨房もしくは浴室への給湯、あるいは暖房等のために給湯システムが利用され、屋内に温水ラインが設けることが一般的に行われている(特許文献1参照)。
【0003】
一方、スプリンクラーによる消火やドレンチャーによる防火等のために屋内に防災用の水配管が設けられることも一般的に行われている(特許文献2および3参照)。
【特許文献1】特開2005−273997号公報
【特許文献2】特開2003−290372号公報
【特許文献3】特開2003−290380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、温水配管と防災用の水配管とは別々に設けられている。このため、施工が煩雑であり、コストの点でも高価となる。
【0005】
本発明の目的は、防災のための配管を簡便かつ低コストで施工可能とする、防災機能付きの給湯システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、温水ラインに防災用放水装置が接続された給湯システムが提供される。
【0007】
前記温水ラインが床暖房用温水ラインであり、該床暖房用温水ラインより下方に防災用放水装置が配されることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、防災のための配管を簡便かつ低コストで施工可能とする、防災機能付きの給湯システムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下図面を用いて本発明について説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0010】
図1に本発明の給湯システムの一形態を示す。外部から供給される水は、屋外に設けられた給湯器1によって温水とされる。給湯器は灯油やガスの燃焼器と貯湯槽を備える。なお給湯器は、屋内に設置してもよい。電気加熱による給湯器であってもよい。貯湯槽は必ずしも必要ではない。要するに、温水ラインに温水が供給可能であればよい。
【0011】
屋内に温水利用機器が設けられる。ただし、屋外に温水利用機器が設けられることを妨げるものではない。温水利用機器として、一階には、床暖房3−1、浴槽4、蛇口5が設けられる。二階には床暖房3−2が設けられる。これらの温水利用機器には、コントローラ2を介して給湯器1から温水が供給される。給湯器とコントローラを結ぶラインおよびコントローラと温水利用機器を結ぶラインが温水ラインである。
【0012】
なお、温水利用機器としては、上記のものに限らず、温水を利用する公知の機器を適宜用いることができる。また、コントローラは必ずしも必要ではない。給湯器から直接温水利用機器に給湯してもよい。
【0013】
二階に設けられた床暖房3−2用の温水ラインに、防災用放水装置としてスプリンクラーヘッド10を接続する。スプリンクラーヘッドは一階の天井部分に設置する。
【0014】
防災用放水装置としてドレンチャーを設置してもよい。通常、スプリンクラーは消火を目的とし、ドレンチャーは防火を目的とするが、いずれも防災用に放水を行う防災用放水装置である。
【0015】
スプリンクラーも、ドレンチャーも、公知の技術を適宜利用することができる。例えば、感熱開放弁をスプリンクラーの上流に適宜設け、熱を検知した際にスプリンクラーから放水するように構成することができる。
【0016】
本発明によれば、給湯設備と防災設備とを兼用しているので、これらの設備を個別に設置する場合より、配管を短くでき、施工が簡便となり、低コスト化が可能となる。
【0017】
特に、床暖房用温水ラインより下方(鉛直方向下方)に防災用放水装置を配する形態では、ある階の床暖房用温水ラインに接続した防災用放水装置によってその下の階に放水することが容易であり、防災専用の配管は極めて短くてすむので好ましい。
【0018】
スプリンクラーについてさらに詳細について説明する。スプリンクラーには閉鎖型と開放型がある。閉鎖型は通常時(スプリンクラー非作動時)にスプリンクラーヘッドの水の出口が閉じられており、開放型はスプリンクラーヘッドの水の出口が常に開いている。また閉鎖型には、湿式、乾式、予作動式がある。
【0019】
湿式スプリンクラー(閉鎖型)は、図11に示すようにスプリンクラーヘッド1110に至る配管内に通常時に水が充満している方式である。スプリンクラーヘッドの感熱部の可溶片が熱のために溶けてシール部分が開き、湿式流水検知装置(湿式弁)1121が作動して放水する。放水停止の際、制御弁1122を閉じる。一般ビル等において用いられ、冬期配水管の凍結のおそれのない部分に用いられる。
【0020】
乾式スプリンクラー(閉鎖型)は、図12に示すように、乾式流水検知装置(乾式弁)1221の二次側の配管部を加圧空気で満たし、スプリンクラーヘッド1210の感熱部の作動により加圧空気を放出し、乾式流水検知装置1221が作動して放水する方式である。放水停止の際、制御弁1222を閉じる。寒冷地工場など、冬期凍結のおそれのある部分等に用いられる。
【0021】
予作動式スプリンクラー(閉鎖型)は、図13に示すように、火災感知器1324等の作動により、予作動式流水検知装置(予作動弁)1321が開放し、スプリンクラー配管中に圧力水を送り、さらに加熱によるスプリンクラーヘッド1310の作動により放水を開始する。放水停止の際、制御弁1322を閉じる。バルブ自動開放機構1323は火災検知器1324から信号を受信し、予作動式流水検知装置(予作動弁)1321のディスクを開放する。予作動式では、ヘッドと火災感知器等の両方が作動しないかぎり放水しない。病院、共同住宅などに用いられる。
【0022】
開放型スプリンクラーは、図14に示すように、開放型(大気開放している)スプリンクラーヘッド1410を用い、火災感知器1424と連動して作動するか、または手動によって一斉開放弁1421を開いて放水する。放水停止の際、制御弁1422を閉じる。バルブ自動開放機構1423は火災検知器1424から信号を受信し、一斉開放弁1421を開放する。
【0023】
次に、本発明の給湯システムにおける床暖房とスプリンクラーラインの設置パターンの形態について説明する。
【0024】
図2に、給湯器201、床暖房203用の配管と、スプリンクラーヘッド210に水を供給する配管とを直列に接続する例を示す。直列であるため、湿式スプリンクラーが採用される。スプリンクラーヘッド下流のバルブ211は通常時は開いており、放水時には閉じられる。
【0025】
このように直列配置をする場合、図3に示すように、床暖房用配管とスプリンクラーヘッドへの水供給配管の組み合わせを複数設けることができる。図3に示した例では、給湯器301に床暖房用配管303−1が接続され、その下流にスプリンクラーヘッド310−1への水供給配管が設けられる。そのさらに下流に、床暖房用配管303−2とスプリンクラーヘッド310−2への水供給配管とがこの順に直列に配置される。最も下流のスプリンクラーヘッドの下流に設けられたバルブ311は通常時は開いており、放水時には閉じられる。
【0026】
以下図4〜図6を用いて、閉鎖型(湿式、乾式、予作動式の何れでもよい)および開放型のスプリンクラーのいずれも採用可能な例を示す。
【0027】
図4に示した例では、給湯器401と床暖房403とを結ぶ配管の途中に分岐部(三方弁411)が設けられ、分岐された配管にスプリンクラーヘッド410が接続される。通常時には床暖房用配管に水が流通し、スプリンクラーヘッド水供給用配管には水は流通しない。放水時には三方弁が床暖房側からスプリンクラーヘッド側に切り替わる。
【0028】
図5に示した例では、スプリンクラーヘッド水供給配管と床暖房用配管が並列に接続される。分岐部(三方弁511)により給湯器501から床暖房503に至るラインとスプリンクラーヘッド510に至るラインとに分岐され、これらのラインが合流部(三方弁512)にて合流する。通常時には床暖房用配管に水が流通し、スプリンクラーヘッド水供給用配管には水は流通しない。放水時には三方弁511が床暖房側からスプリンクラー側に切り替わる。この例では、随時スプリンクラーヘッド水供給用配管に水を流通させることにより、スプリンクラーヘッド水供給用配管中の水の汚濁を防止することができる。
【0029】
図6に示した例では、給湯器601から床暖房603に向かう配管の途中に分岐部(三方弁611)を設け、スプリンクラーヘッド610用水供給配管を分岐させる。そしてスプリンクラーヘッドから戻る配管を、床暖房用配管の上流に合流部(三方弁612)を設け、ここにスプリンクラーヘッド用水供給配管を合流させる。通常時には床暖房用配管に水が流通し、スプリンクラーヘッド水供給用配管には水は流通しない。放水時には三方弁611が床暖房側からスプリンクラー側に切り替わる。この例でも、随時スプリンクラーヘッド水供給用配管に水を流通させることにより、スプリンクラーヘッド水供給用配管中の水の汚濁を防止することができる。
【0030】
なお、図5に示した例に開放型スプリンクラーを適用する場合、例えば三方弁511とスプリンクラーヘッド510の間に、流水検知装置およびそれに接続する加圧空気源(図12参照)を設置することで、火災時に三方弁511をスプリンクラー側に切替えて送水することで放水できる。スプリンクラーライン中の水が汚濁した場合、三方弁511、512をスプリンクラー側に切替えて送水することで洗浄することができる。図6に示した例でも同様である。
【0031】
次に、本発明の給湯システムにおける水供給系の形態について、図7〜図9を用いて説明する。
【0032】
図7に示した例では、給湯器701が貯湯槽701a、加熱源701bおよびポンプ701cを備える。このポンプ1台で床暖房とスプリンクラーヘッド水供給用配管の両方に水を供給する。床暖房に要する水流量とスプリンクラーからの放水に要する水流量が比較的近い場合に適用できる。
【0033】
図8に示した例では、給湯器801が貯湯槽801a、加熱源801b、床暖房用ポンプ701cおよびスプリンクラー用ポンプ801dを備える。通常時は床暖房用ポンプを用い、放水時にはスプリンクラー用ポンプを用いる。この切り替えのために、三方弁801eおよび801fを用いる。床暖房に要する水流量とスプリンクラーからの放水に要する水流量とに大きな相違がある場合に適している。
【0034】
図9に示した例では、貯水槽915が設けられる。図7に示した例と同様、給湯器901は貯湯槽901a、加熱源901bおよびポンプ901cを備える。貯水槽を経て給湯器に水を供給するので、放水量が多い場合に好適である。
【0035】
次に、本発明の給湯システムにおける電力供給系の形態について図10を用いて説明する。
【0036】
図10に示すように、燃料電池システム1006から給湯システムのコントローラ1002および給湯システム内の補機類(ポンプや自動バルブ)1007に電力が供給される。コントローラからの信号によって補機類が制御される。この形態は、火災と停電とが同時に発生する場合でも放水が可能である。
【0037】
本発明の給湯システムは、防災機能を簡易に設けることができるため、例えば家庭用温水供給システムに好適に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によれば簡易に防災設備を設けることができる。従って、本発明の給湯システムは、一般家庭等の小規模な建物に特に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の給湯システムの例を説明するための模式図である。
【図2】本発明の給湯システムの別の例を説明するための模式図である。
【図3】本発明の給湯システムのさらに別の例を説明するための模式図である。
【図4】本発明の給湯システムのさらに別の例を説明するための模式図である。
【図5】本発明の給湯システムのさらに別の例を説明するための模式図である。
【図6】本発明の給湯システムのさらに別の例を説明するための模式図である。
【図7】本発明の給湯システムにおける水供給系の例を説明するための模式図である。
【図8】本発明の給湯システムにおける水供給系の別の例を説明するための模式図である。
【図9】本発明の給湯システムにおける水供給系のさらに別の例を説明するための模式図である。
【図10】本発明の給湯システムにおける電力供給系の例を説明するための模式図である。
【図11】湿式スプリンクラーを説明するための模式図である。
【図12】乾式スプリンクラーを説明するための模式図である。
【図13】予作動式スプリンクラーを説明するための模式図である。
【図14】開放型スプリンクラーを説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0040】
1、201、301、401、501、601、701、801、901:給湯器
2、1002:コントローラ
3、203、303、403、503、603:床暖房
4:浴槽
5:蛇口
10、210、310、410、510、610、1110、1210、1310、1410:スプリンクラーヘッド
211、311:バルブ
411、511、512、611、612:三方弁
701a、801a、901a:貯湯槽
701b、801b、901b:加熱源
701c、801c、801d、901c:ポンプ
801e、801f:三方弁
915:貯水槽
1006:燃料電池システム
1007:補機類
1121、1221、1321:流水検知装置
1421:一斉開放弁
1122、1222、1322、1422:制御弁
1290:加圧空気源
1323、1423:バルブ自動開放機構
1324、1424:火災感知器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水ラインに防災用放水装置が接続された給湯システム。
【請求項2】
前記温水ラインが床暖房用温水ラインであり、該床暖房用温水ラインより下方に防災用放水装置が配された請求項1記載の給湯システム。
【請求項1】
温水ラインに防災用放水装置が接続された給湯システム。
【請求項2】
前記温水ラインが床暖房用温水ラインであり、該床暖房用温水ラインより下方に防災用放水装置が配された請求項1記載の給湯システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−111621(P2008−111621A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295774(P2006−295774)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】
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