説明

給湯器

【課題】バーナと熱交換器の双方を小型化して給湯器全体を小型化し、即湯性に優れ、設置自由度の高い給湯器を提供する。
【解決手段】複数のバーナ1aを備えた燃焼器5aと、燃焼器5aの複数のバーナ1aの各々に供給される可燃性ガスGのガス流量を調整する可燃性ガス流量調整手段7と、燃焼器5aによって燃焼された可燃性ガスGとそこに供給される水Wとの間で熱交換を行う熱交換器35と、を具備し、燃焼器5aは、各バーナ先端1Aaで輝炎を含まない半球状の拡散火炎を形成するように、可燃性ガス流量調整手段7によって各バーナ1aに供給されるガス流量が調整され、各バーナ先端1Aaからの噴出速度が調整された可燃性ガスGを燃焼させ、熱交換器35は、断面扁平の複数の熱交換用チューブ31を有し、複数の熱交換用チューブ31がその扁平面が対向するように所定の間隔を置いて並列に配置され、隣接する熱交換用チューブ31の間が燃焼された燃焼排ガスのガス流路31Bとされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は給湯器に関し、特に、小型で設置自由度の高い給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、都市ガス等を燃料とするバーナと熱交換器を備え、熱交換器においてバーナの燃焼に伴う高温の燃焼排ガスとそこに供給される水との間で熱交換を行って温水とし、その温水を給湯栓から出湯して使用できるようにした給湯器が知られている。従来の給湯器は、給湯器で温められた温水からの放熱量を少なくして温水の温度低下を抑制するように設計され、台所や浴室といった温水使用箇所で温水が使用されている。
【0003】
近年、温水を給湯栓部へ給湯するための配管などに使用される断熱材の技術開発によって、上記するような給湯器で温められた温水からの放熱が格段に抑制されるようなってきた。そこで、その給湯器は建物の外側、または台所や浴室といった温水使用箇所近くに配置され、給湯器から給湯栓部までの配管を上記するような断熱材で覆い、当該給湯器で建物内部の全ての給湯を行うことで、給湯器の使用利便性向上とその建物の給湯システムの効率化が行われている。
【0004】
しかしながら、上記するような建物の外側、または台所や浴室といった温水使用箇所近くに配置した給湯器で建物内の全ての給湯を行う場合には、たとえばトイレの温水便座や洗面台などといった温水の使用量や使用頻度の少ない場所においても、給湯するための配管を断熱材で覆ったり、断熱性に優れた配管を使用したりする施工が多くなり、施工が複雑になるばかりでなく、配管設置コストの高騰に繋がる可能性がある。そこで、そのような使用量や使用頻度の少ない場所においては、従来の給湯器を用いることなく、建物内外部のスペースを有効活用しつつ、簡単に設置できる、すなわち設置自由度が高い小型の給湯器を用いて効率的に給湯することが望まれている。
【0005】
上記するような問題に対し、給湯器の小型化を目的とした従来技術として、特許文献1には、平面燃焼方式等の燃焼用空気強制給気式ガスバーナを下向きに設置し、熱交換器の吸熱フィンブロックを構成する各フィン板を顕熱回収域のフィンブロックと潜熱回収域のフィンブロックとに跨がる1枚の継目の無い部材で製作し、火炎が下向きに形成された燃焼域に顕熱回収域を配置すると共に燃焼域の下流の燃焼排ガス通過域に潜熱回収域を配置した給湯器が開示されている。
【0006】
特許文献1に開示されている給湯器によれば、ガス燃焼によって発生する顕熱及び潜熱を1基の熱交換器で回収でき、負荷に伴い火炎長が変化する燃焼において燃焼域を小さくして潜熱回収型の給湯器をある程度まで小型化することが可能となる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来の給湯器においては、当該給湯器を構成する熱交換器の熱交換効率を高めるためにフィン板を設ける必要があり、熱交換器を更に小型化することが困難である。また、給湯器を構成するバーナにおいては、その火力に応じて火炎長が変化するため、火炎長が大きい場合を考慮するとバーナと熱交換器との距離を狭めることができず、給湯器全体の体格を大きくせざるを得ないといった課題がある。
【0008】
一方で、たとえば熱交換器のみの小型化を目的としたフィンレス構造の熱交換器の従来技術として、特許文献2には、断面扁平な中空管からなる複数の熱交換用チューブを並列に配置し、隣接する熱交換チューブの間を被熱交換媒体の流路とした熱交換器が開示されている。
【0009】
また、バーナのみに着目すれば、火炎長が小さくかつ火炎長の変化の少ないバーナの従来技術として、特許文献3には、極めて小さい管状のバーナを使用し、バーナ先端から噴出される可燃性ガスのフルード数とレイノルズ数を所定の範囲内となるように調整して、バーナ先端で輝炎を含まない半球状の微小火炎(マイクロフレーム)を形成し得るバーナが開示されている。
【0010】
図16は、上記する特許文献2に開示されている従来の熱交換器35'の一例を示したものである。その詳細な構成については特許文献2に開示されているが、熱交換器35'の基本構成としては、金属材料によって中央部の断面が扁平な中空管として形成されて並列に配置された複数の熱交換用チューブ31'を有し、複数の熱交換用チューブ31'内に流れる熱交換媒体と複数の熱交換用チューブ31'外を流れる被熱交換媒体との熱交換によって熱交換媒体を冷却または加熱する熱交換器である。この複数の熱交換用チューブ31'は、端部またはこの端部の近傍に中央部より断面の厚みが大きな拡幅部34'が形成されており、隣接する熱交換用チューブ31'の扁平面31A'の間に被熱交換媒体の流路31B'が形成されるように複数の熱交換用チューブ31'を拡幅部34'で接合して構成されている。なお、複数の熱交換用チューブ31'の端部には一対のヘッダー32',33'が取り付けられ、このヘッダー32',33'にはそれぞれヘッダー32',33'に熱交換媒体を流入および流出させるための接続路32A',33A'が設けられている。
【0011】
上記する従来の熱交換器35'によれば、複数の断面扁平な熱交換用チューブ31'をその扁平面31A'が対向するように所定の間隔を置いて並列に配置することで、隣接する熱交換用チューブ31'の間を流れる被熱交換媒体と熱交換用チューブ31'との接触面積を大きくすることができ、熱交換用チューブ31'内を流過する熱交換媒体との熱交換効率を格段に向上させることができる。これにより、熱交換用チューブ31'の大きさを小さくしつつ、たとえば熱交換効率を高めるためのフィン板などを排除することができ、熱交換器35'を格段に小型化かつ軽量化することができる。
【0012】
また、図17および図18は、上記する特許文献3に開示されている従来の燃焼器5',5a'の一例をそれぞれ示したものである。その詳細な構成については特許文献3に開示されているが、図17に示す熱交換器5'の基本構成としては、輝炎を含まない半球状の微小火炎であるマイクロフレームをバーナ先端1A'に形成するバーナ1'と、この複数のバーナ1'をその燃焼面12'で支持する筐体11'とから構成されている(図17(a)参照)。また、筐体11'の側面11B'には可燃性ガス供給口14'が設けられ、その内部には可燃性ガス供給口14'から供給された可燃性ガスを一時的に貯留する可燃性ガス室17'が設けられている(図17(b)参照)。
【0013】
また、図18に示す燃焼器5a'の基本構成としては、上記する従来の燃焼器5'の構成に加えて、バーナ1a'は内筒2a'と外筒3a'を有する二重管構造を有し、筐体11a'の側面11Aa'には空気供給口13a'が設けられ(図18(a)参照)、その内部には空気供給口13a'から供給された空気を一時的に貯留する空気室16a'が設けられている。なお、空気室16a'と可燃性ガス室17a'とは燃焼面12a'と平行に設けられた隔壁15a'によって分離されており、外筒3a'の下端3Aa'は空気室16a'まで延設され、内筒2a'の下端2Aa'は隔壁15a'を貫通して可燃性ガス室17a'まで延設されている(図18(b)参照)。
【0014】
上記する従来の燃焼器5',5a'によれば、燃焼器5',5a'の各バーナ先端1A',1Aa'から噴出される可燃性ガスのフルード数(Fr)とレイノルズ数(Re)が所定の範囲内となるように調整することで、たとえば内径1mm程度の管状バーナ1',1a'の先端1A',1Aa'に輝炎を含まない数mm程度の半球状の微小火炎(マイクロフレーム)を形成することができる。このようなマイクロフレームは、可燃性ガスを細径管から少しずつ噴出して消炎ぎりぎりまで火炎を小さくした際に形成される球状の微小火炎であることから、蝋燭の炎に比較してゆらぎが少なく、発生熱量の時間変動が非常に小さいといった特徴を有している。また、半球状の火炎であることから、通常の火炎(層流火炎)と比較して発熱密度の高い火炎を形成することができるといった特徴も有している。さらに、微小火炎であることから、重力場すなわちバーナ1',1a'の向きに関わらずバーナ先端1A',1Aa'に半球状の火炎を形成することができるといった特徴を有していることが知られている。すなわち、上記する燃焼器5',5a'によれば、発生熱量の時間変動が非常に小さく、発熱密度の高い数mm程度の微小火炎を各バーナ先端1A',1Aa'に形成することができるとともに、各バーナ1',1a'の向きを任意に設定することができる。
【0015】
なお、バーナ先端1A',1Aa'にマイクロフレームを形成し得る可燃性ガスのフルード数(Fr)とレイノルズ数(Re)としては、可燃性ガスの噴出速度をU(m/sec)、バーナの内径をL(m)、重力加速度をg(m/sec)、動粘性係数をυ(m/sec)としたときに、Fr=U(Lg)−1/2>1かつRe=ULυ−1<100であることも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2002−181383号公報
【特許文献2】特開2008−39322号公報
【特許文献3】特開2009−192213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、特許文献2には、主としてコンピュータや家電機器などで用いられる熱交換器において、その小型化と熱交換効率の向上を目的とした熱交換器に関する構成のみが開示されており、極めて高温の燃焼排ガスを用いて熱交換器内部を流れる水との間で熱交換を行い、その熱交換器を流れる水を温水として使用する給湯器に当該熱交換器を適用する場合に、バーナ等の他の構成要素との関係における適正な構成や配置については一切開示されていない。
【0018】
また、特許文献3に開示されているバーナにおいても、熱交換器と組み合わせた給湯器に関する構成については開示されておらず、熱交換器等の他の構成要素との関係において、火炎長が短く、発熱密度が高く、重力場すなわちバーナの向きに関わらずバーナ先端に半球状の火炎を形成し得るといったマイクロフレームに特有の特徴を効果的に発揮し得るバーナの給湯器における適正な構成や配置については一切開示されていない。
【0019】
本発明は上記した課題に鑑みてなされたものであり、給湯器において大きな領域を占めるバーナと熱交換器について、上記する図16〜図18に基づいて説明したそれぞれ小型化と軽量化を実現し得るバーナと熱交換器を適用し、バーナと熱交換器の給湯器に対する適正な構成および配置を構築して、給湯器全体を小型化し、即湯性に優れ、設置自由度の高い給湯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記目的を達成すべく、本発明の給湯器は、複数のバーナを備えた燃焼器と、該燃焼器の複数のバーナの各々に供給される可燃性ガスのガス流量を調整する可燃性ガス流量調整手段と、前記燃焼器によって燃焼された可燃性ガスの燃焼後の燃焼排ガスとそこに供給される水との間で熱交換を行う熱交換器と、を具備する給湯器であって、前記燃焼器は、各バーナ先端で輝炎を含まない半球状の拡散火炎を形成するように、前記可燃性ガス流量調整手段によって各バーナに供給されるガス流量が調整され、各バーナ先端からの噴出速度が調整された可燃性ガスを燃焼させる燃焼器であり、前記熱交換器は、断面扁平の複数の熱交換用チューブを有し、該複数の熱交換用チューブがその扁平面が対向するように所定の間隔を置いて並列に配置され、隣接する熱交換用チューブの間が前記燃焼器によって燃焼された可燃性ガスの燃焼後の燃焼排ガスのガス流路とされている熱交換器であることを特徴とすることを特徴とする。
【0021】
既述したように、上記する燃焼器によれば、各バーナ先端にマイクロフレームを形成することができ、各バーナの向きを任意に設定することができるため、火炎長を短くして燃焼器を小型化しながら、燃焼器のバーナの向きを任意に選択して設置することができる。また、上記する熱交換器によれば、フィン板などを排除して熱交換器を格段に小型化かつ軽量化することができる。
【0022】
したがって、上記する態様によれば、小型かつ軽量な熱交換器に対して、すすなどの有害物質の排出を抑制し、発熱密度が高く、火炎長の変化の少ない微小火炎(マイクロフレーム)を形成可能な燃焼器を適用することで、給湯器全体の体格を小型化することができるとともに、燃焼器におけるバーナの向きを任意に選択することができるため、上記する小型の熱交換器の配置に合わせて燃焼器を配置することができ、給湯器を所望の形状に形成することができ、その設置自由度を効果的に高めることができる。
【0023】
また、本発明の給湯器の好ましい態様では、前記給湯器は、少なくとも前記燃焼器と前記熱交換器とを収容すると共に、その内部に空気を吸気するための吸気口とその内部から少なくとも燃焼後の燃焼排ガスを排気するための排気口とを備えた筐体を備えることを特徴とする。また、前記燃焼器の近傍には、該燃焼器の各バーナに空気を供給するためのファンが設けられているとともに、前記燃焼器は前記熱交換器の上方に配置され、前記吸気口は前記ファンの近傍に配置され、前記排気口は前記熱交換器よりも下方に配置されていることを特徴とする。
【0024】
上記する態様によれば、ファンを用いた強制給気型給湯器において、燃焼器によって燃焼され、熱交換器の熱交換用チューブの間を通って熱交換された燃焼排ガスが燃焼器よりも下方に設けられた排気口から排気される。また、燃焼排ガス中で飽和湿度を超える水蒸気が熱交換用チューブの表面で結露した凝縮水(ドレン)も排気口を介して筐体の外部へ排出されるため、燃焼排ガスと凝縮水の流れる方向を一致させて、凝縮水を効率的に排気口から排出することができ、熱交換器における熱交換特性の低下を効果的に抑制することができる。
【0025】
また、本発明の給湯器の別の好ましい態様では、前記燃焼器は前記熱交換器の下方に配置され、前記吸気口は前記燃焼器よりも下方に配置され、前記排気口は前記熱交換器よりも上方に配置されていることを特徴とする。
【0026】
上記する態様によれば、上記するようなファンなどを使用しなくても、筐体内への空気の吸気と筐体からの燃焼排ガスの排気とを自然対流を利用して行うことができるため(自然給気型給湯器)、給湯器の部品点数を削減して給湯器を格段に小型化することができる。
【0027】
また、本発明の給湯器の別の好ましい態様では、前記燃焼器と前記熱交換器は前記筐体内で横方向に並べて収容されており、前記吸気口は前記筐体の燃焼器側に配置され、前記排気口は前記筐体の熱交換器側であって前記燃焼器から離れた位置に配置されていることを特徴とする。
【0028】
この形態によれば、燃焼器と熱交換器を筐体内で横方向に並べて配置することで、たとえば縦方向に並べて配置する場合と比較して給湯器の上下方向の大きさを抑制することができ、給湯器の設置自由度をさらに高めることができる。
【0029】
ここで、前記複数のバーナは、前記燃焼器の平面からなる燃焼面に所定の間隔を置いて配置されていることを特徴とする。また、前記燃焼部は少なくとも2基の燃焼器を備えており、この2基の燃焼器はそれぞれの燃焼面が対向するように配置されていることを特徴とする。
【0030】
このように燃焼部に前記2基の燃焼器を設けることで、可燃性ガスの燃焼面積を増加させ、燃焼部の加熱量を効果的に大きくすることができるとともに、2基の燃焼器をそれぞれの燃焼面が対向するように配置することで、その燃焼器のバーナ間に燃焼後の燃焼排ガスのガス流路を形成することができ、たとえば高温の燃焼排ガスと筐体との接触を抑制して燃焼排ガスの外部放熱を抑制することでき、燃焼器における熱損失を効果的に抑制することができる。
【0031】
また、前記燃焼部の前記燃焼器には反対方向へ向いた少なくとも2面の燃焼面が設けられていることを特徴とする。
【0032】
このように燃焼部の燃焼器に反対方向へ向いた前記2面の燃焼面を設けることで、燃焼器1基に対する燃焼面積を効率的に増加させることができる。また、2基の燃焼器を設ける場合と比較して燃焼器の大きさを小型化することができ、給湯器全体を効果的に小型化することができる。
【発明の効果】
【0033】
以上の説明から理解できるように、本発明の給湯器によれば、マイクロフレームを形成可能なバーナを有する燃焼器と伝熱面積の大きな熱交換用チューブを有する熱交換器を用いることで、建物内外部のスペースを有効活用でき、小型であって、即湯性に優れ、設置自由度の高い給湯器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による給湯器の実施の形態1の全体構成を概略的に示す全体斜視図。
【図2】図1に示す給湯器を示す図であり、(a)はその内部構成を概略的に示す縦断面図、(b)は図2(a)のA2−A2矢視図。
【図3】本発明による給湯器の実施の形態2を示す図であり、(a)はその内部構成を概略的に示す縦断面図、(b)は図3(a)のA3−A3矢視図。
【図4】本発明による給湯器の実施の形態3の全体構成を概略的に示す全体斜視図。
【図5】図4に示す給湯器を示す図であり、(a)はその内部構成を概略的に示す縦断面図、(b)は図5(a)のA5−A5矢視図。
【図6】本発明による給湯器の実施の形態4を示す図であり、(a)はその内部構成を概略的に示す縦断面図、(b)は図6(a)のA6−A6矢視図。
【図7】本発明による給湯器の実施の形態5の全体構成を概略的に示す全体斜視図。
【図8】図7に示す給湯器の内部構成を概略的に示す縦断面図。
【図9】本発明による給湯器の実施の形態6の全体構成を概略的に示す全体斜視図。
【図10】図9に示す給湯器の内部構成を概略的に示す縦断面図。
【図11】実施例の給湯器で用いた燃焼器の全体構成を概略的に示す斜視図。
【図12】図11に示す燃焼器の寸法を説明する図であり、(a)はその正面図、(b)はその側面図。
【図13】実施例の給湯器で用いた熱交換器を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はその側面図。
【図14】実施例の給湯器で用いたブロアファンを示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその正面図、(c)はその側面図。
【図15】実施例の給湯器を示す図であり、(a)はその内部構成を概略的に示す縦断面図、(b)は図15(a)のA15−A15矢視図。
【図16】従来の熱交換器の一例を分解して示した分解斜視図。
【図17】従来の燃焼器の一例を示す図であり、(a)はその全体構成を示す全体斜視図、(b)は図17(a)のA17−A17矢視図。
【図18】従来の燃焼器の他例を示す図であり、(a)はその全体構成を示す全体斜視図、(b)は図18(a)のA18−A18矢視図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に基づき説明する。
【0036】
[実施の形態1]
図1は本発明による給湯器の実施の形態1の全体構成を概略的に示したものであり、図2は図1に示す給湯器を示したものであり、図2(a)はその内部構成を概略的に示す縦断面図、図2(b)は図2(a)のA2−A2矢視図である。なお、本実施の形態1で用いる燃焼器5aは、図18に示す燃焼器5a'と同様の構成を有するものであり、熱交換器35は、図16に示す熱交換器35'と同様の構成を有するものであることから、燃焼器5a'と熱交換器35'と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0037】
図1に示す給湯器100は、複数のバーナ1aを備えた燃焼器5aと、燃焼器5aに接続され、燃焼器5aの複数のバーナ1aの各々に可燃性ガスGを供給するための可燃性ガス供給路6と、可燃性ガス供給路6を流れる可燃性ガスGの流量を調整する可燃性ガス流量調整手段(ガス電磁弁)7とを備えた燃焼部10と、燃焼部10の燃焼器5aの各バーナ1aの先端1Aaから噴出する可燃性ガスGに点火するための点火装置20と、複数の熱交換用チューブ31を有する熱交換器35と、熱交換器35に接続され、熱交換器35の複数の熱交換用チューブ31の各々に水Wを供給するための給水路36と、複数の熱交換用チューブ31の各々から温水を給湯栓部60へ給湯するための給湯路37とを備えた熱交換部30と、熱交換部30の給水路36、熱交換器35および給湯路37に水Wを流過させるためのポンプ装置40と、少なくとも燃焼部10の燃焼器5aと熱交換部30の熱交換器35とを収容する筐体50とから大略構成されている。ここで、筐体50の上面50Aにはその内部に空気を吸気するための吸気口51が設けられ、筐体50の下面50Bにはその内部から燃焼後の燃焼排ガスを排気するための排気口52が設けられている。
【0038】
また、複数の熱交換用チューブ31の各々に水Wを供給するための給水路36には、水Wの流量を調整するための水流量調整手段(水電磁弁)38が設けられており、燃焼部10には、燃焼器5aの近傍、具体的には燃焼器5aの上方にこの燃焼器5aの各バーナ1aに空気Aを供給するためのファン8が取り付けられている。なお、吸気口51は、ファン8の近傍であれば、たとえば筐体50の前面50Cや側面等に設けることができる。また、筐体50の前板50Cに燃焼器5aの火力を調整するための火力調整手段(不図示)を設けてもよい。また、点火装置20とポンプ装置40は一般の給湯器などで使用される適宜のものを適用することができると共に、筐体50は適宜の材料で構成することができる。また、給水路36を流れる水が十分な水圧を有していれば、ポンプ装置40を用いなくてもよい。
【0039】
図2(a),(b)に示すように、燃焼器5aは熱交換器35の上方で、そのバーナ先端1Aaが前方を向くように筐体50の後板50Dに取り付けられており、熱交換器35は、複数の熱交換用チューブ31が筐体50の左右方向へ積層するように筐体50の前後方向の略中心に配置されている。また、筐体50の後板50Dおよび前板50Cの内壁には凸板53A,53Bが設けられている。したがって、燃焼部10の燃焼器5aによって可燃性ガスGが燃焼されて高温となった燃焼後の燃焼排ガスは、燃焼器5aの前方を通り、その凸板53A,53Bによって燃焼器5aの下方に配置された熱交換器35の熱交換用チューブ31側へ誘導され、その後熱交換用チューブ31同士の間を通って筐体50の下面50Bに設けられた排気口52を介して筐体50の外部へ排出される。
【0040】
なお、図2(b)に示すように、燃焼器5aの複数のバーナ1aは、その先端1Aaが筐体11aの平面状の燃焼面12aから極短い所定の距離だけ突出するように所定の間隔を置いて略均一に配置されている。また、筐体11aとファン8とは側面11Aaに設けられた空気供給口13aを介して連通し、ファン8から供給された空気Aは筐体11a内の空気室16aに供給される。また、筐体11aと可燃性ガス供給路6とは側面11Baに設けられた可燃性ガス供給口14aを介して連通し、可燃性ガス供給路6から供給された可燃性ガスGは筐体11a内の可燃性ガス室17aに供給される。なお、空気室16aと可燃性ガス室17aとは隔壁15aによって分離されている。そして、可燃性ガス室17aで一時的に貯留された可燃性ガスGは、内筒2aの内部空間を通ってバーナ1aの先端1Aaで噴出されて燃焼され、空気室16aで一時的に貯留された空気Aは、内筒2aと外筒3aとの間の空間を通ってバーナ1aの先端1Aaで噴出されるようになっている。
【0041】
また、上記するポンプ装置40の駆動によって給水路36を通って供給される水Wは、水流量調整手段38によってその流量が調整されて各熱交換用チューブ31へ供給され、熱交換用チューブ31を流過する間に隣接する熱交換用チューブ31の間のガス流路31Bを流れる高温の燃焼排ガスと熱交換されて温水となり、給湯路37へ排出されて給湯栓部60で使用される。
【0042】
このように、バーナ1a、特にバーナ1aを構成する内筒2を細径管で形成し、可燃性ガス供給路6に設けられた可燃性ガス流量調整手段7を用いて可燃性ガス供給路6を流れる可燃性ガスGの流量を調整し、各バーナ1aの先端1Aaから噴出される可燃性ガスGのフルード数(Fr)とレイノルズ数(Re)が所定の範囲内となるようにその噴出速度を調整することで、輝炎を含まない半球状の微小拡散火炎を用いて可燃性ガスGを燃焼させることができるため、燃焼器5aと燃焼器5aの周囲の構成要素(たとえば熱交換器35や筐体50の内壁)との距離を格段に縮めることができる。また、断面扁平な複数の熱交換用チューブ31を積層して熱交換器35を形成したことで、熱交換効率を高めるためのフィン板等が不要となり、熱交換器35自体も小型化されており、給湯器100全体の体格を格段に小型化かつ軽量化することができる。特に、本実施の形態1においては、燃焼器5aの燃焼面12aが前方に向いて配置され、その下方に設置された熱交換器35の熱交換用チューブ31が筐体50の左右方向へ積層されて配置されたことによって、前後方向の厚みD1(図1参照)が極めて小さい給湯器100となっている。なお、本実施の形態1における燃焼器5aの燃焼面12aを上方もしくは下方に向けて配置し、熱交換器35の熱交換用チューブ31の水の流れ方向が前後方向となるように配置することで、上下方向の厚みが極めて小さい燃焼器を形成することもできる。
【0043】
また、この給湯器100では、燃焼部10の燃焼器5aで燃焼された燃焼排ガスは、熱交換器35の隣接する熱交換用チューブ31の間のガス流路31Bを下方に向かって流れていくため、たとえば燃焼排ガス中で飽和湿度を超える水蒸気が熱交換用チューブ31の表面で結露した場合にも、その燃焼排ガスの流れ方向と凝縮水(ドレン)の流れる方向を一致されることができ、凝縮水を筐体50の下方の排気口52の方向へ誘導することができる。したがって、凝縮水が発生する場合にも当該凝縮水を効率的に筐体50の外部へ排出することができ、熱交換器35における熱交換特性の低下を抑制することができる。さらに、凝縮水の熱交換用チューブ31での滞留時間を短縮することができ、熱交換用チューブ31の酸化を効果的に抑制することもできる。
【0044】
なお、本実施の形態1の給湯器100においては、燃焼器5aによって燃焼された高温の燃焼排ガスと熱交換器35を流れる水とで効率的に熱交換を行うために、筐体50の後板50Dおよび前板50Cの内壁に凸板53A,53Bを設け、高温の燃焼排ガスと熱交換器35を流れる水とを対向する方向へ流過させる形態を適用しているが、たとえば筐体50の後板50Dおよび前板50Cの間隔を熱交換器35の前後方向の大きさと同等とするなど、高温の燃焼排ガスと熱交換器35を流れる水とを対向する方向へ流過させて所望の熱交換効率を実現することができれば、上記するような凸板53A,53Bに代えてその他の構成を適用してもよい。
【0045】
なお、給湯器100に用いる燃焼器5aや熱交換器35の基数は加熱量や使用される水量に応じて適宜変更することができ、たとえば燃焼器5aを左右方向や上下方向に複数並べて配置することができる。さらに、本実施の形態1の給湯器100を所望の角度だけ傾けて使用することができ、たとえば筐体50の後板50Dが下方に向くように倒して配置し、燃焼器5aと熱交換器35を横方向に並べて使用することもできる。
【0046】
なお、本実施の形態1の給湯器100で使用する燃焼器5aの大きさとしては、上下方向が約150mm、左右方向が約150mm、前後方向が約20mmであり、熱交換器35の大きさとしては、上下方向が約80mm、左右方向が約100mm、前後方向が約10mmであり、さらに、ファン8の大きさとしては、上下方向(フレームサイズ)が約75〜160mm、前後方向が約30〜40mmであることから、給湯器100全体の大きさとしては、上下方向が約305〜390mm、左右方向が約150mm、前後方向が約40mmとなり、従来の給湯器と比較して相対的に小型となる。
【0047】
[実施の形態2]
図3は、本発明による給湯器の実施の形態2を示したものであり、図3(a)はその内部構成を概略的に示す縦断面図、図3(b)は図3(a)のA3−A3矢視図である。なお、本実施の形態2で用いる燃焼器5は、図17に示す燃焼器5'と同様の構成を有するものであり、熱交換器35は、図16に示す熱交換器35'と同様の構成を有するものであることから、燃焼器5'と熱交換器35'と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0048】
本実施の形態2の給湯器200は空気の自然対流を利用した自然給気型給湯器であり、図1,2に基づき説明した実施の形態1の強制給気型給湯器100に対して、主として燃焼部110の構成と燃焼部110と熱交換部130の配置が相違しており、他の構成はほぼ同等の形態を有している。したがって、給湯器100と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略すると共に、以下では相違する点についてのみ詳細に説明する。
【0049】
図3(a)に示す給湯器200は、燃焼部110と、燃焼部110の燃焼器5の各バーナ1の先端1Aから噴出する可燃性ガスGに点火するための点火装置20と、熱交換部130と、熱交換部130の給水路136、熱交換器35および給湯路137に水Wを流過させるためのポンプ装置40と、少なくとも燃焼部110の燃焼器5と熱交換部130の熱交換器35とを収容する筐体150とから大略構成されており、燃焼器5は熱交換器35の下方に配置されている。また、筐体150の下面150Bにはその内部に空気を吸気するための吸気口151が設けられ、筐体150の上面150Aにはその内部から燃焼後の燃焼排ガスを排気するための排気口152が設けられている。なお、本実施の形態2においては、自然給気によって空気Aを筐体150の内部に吸気するため実施の形態1で用いたファン8を使用していない。
【0050】
図3(b)に示すように、燃焼器5は熱交換器35の下方で、そのバーナ先端1Aが前方を向くように筐体150の後板150Dに取り付けられており、熱交換器35は、複数の熱交換用チューブ31が筐体150の左右方向に積層するように筐体150の前後方向の略中心に配置されている。また、筐体150の後板150Dおよび前板150Cの内壁には、実施の形態1の給湯器100と同様に、凸板153A,153Bが設けられている。したがって、燃焼部110の燃焼器5によって可燃性ガスGが燃焼されて高温となった燃焼排ガスは、燃焼器5の前方を通ってその上方の熱交換器35側へ自然と流れていき、その凸板153A,153Bによって熱交換器35の熱交換用チューブ31側へ誘導され、熱交換器35で熱交換されて筐体150の上面150Aの略中央に設けられた排気口152を介して筐体150の外部へ自然排出される。
【0051】
なお、図3(b)に示すように、燃焼器5の複数のバーナ1はその先端1Aが筐体11の平面状の燃焼面12から極短い所定の距離だけ突出するように所定の間隔を置いて略均一に配置されている。また、筐体11と可燃性ガス供給路106とは側面11Bに設けられた可燃性ガス供給口14を介して連通し、可燃性ガス供給路106から供給された可燃性ガスGは筐体11内の可燃性ガス室17に供給される。そして、可燃性ガス室17で一時的に貯留された可燃性ガスGは、バーナ1の内部空間を通ってその先端1Aで噴出されて燃焼される。
【0052】
このようにバーナ1を中空管構造とし、燃焼部110を熱交換部130の下方に配置し、自然給気を利用して燃焼部110の燃焼と熱交換部130での熱交換とを行うことで、実施の形態1の給湯器100と比較してその全体構成を簡略化することができ、給湯器200をさらに小型化かつ軽量化することができる。
【0053】
[実施の形態3]
図4は、本発明による給湯器の実施の形態3の全体構成を概略的に示したものであり、図5は、図4に示す給湯器を示したものであり、図5(a)はその内部構成を概略的に示す縦断面図、図5(b)は図5(a)のA5−A5矢視図である。なお、本実施の形態3で用いる燃焼器5aa,5abはそれぞれ、図18に示す燃焼器5a'と同様の構成を有するものであり、熱交換器35は、図16に示す熱交換器35'と同様の構成を有するものであることから、燃焼器5a'と熱交換器35'と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0054】
本実施の形態3の給湯器300は、図1,2に基づき説明した実施の形態1の給湯器100に対して、主として燃焼部210の構成が相違しており、他の構成はほぼ同等の形態を有している。したがって、給湯器100と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略すると共に、以下では相違する点についてのみ詳細に説明する。
【0055】
本実施の形態3の給湯器300は、図4に示すように、ファン208を用いた強制給気型給湯器であり、この燃焼部210の燃焼器は少なくとも2基の燃焼器5aa,5abから構成されている。給湯器300は、燃焼部210と、燃焼部210の燃焼器5aa,5abの各バーナ1aa,1abの先端1Aaa,1Aabから噴出する可燃性ガスGに点火するための点火装置20と、熱交換部230と、熱交換部230の給水路236、熱交換器35および給湯路237に水Wを流過させるためのポンプ装置40と、少なくとも燃焼部210の燃焼器5aa,5abと熱交換部230の熱交換器35とを収容する筐体250とから大略構成されており、燃焼器5aa,5abの近傍、具体的には燃焼器5aa,5abの上方にファン208が取り付けられ、燃焼器5aa,5abの下方に熱交換器35が配置されている。また、ファン208の近傍、具体的には筐体250の上面250Aにはその内部に空気Aを吸気するための吸気口251が設けられ、筐体250の下面250Bにはその内部から燃焼後の燃焼排ガスを排気するための排気口252が設けられている。また、熱交換器35の複数の熱交換用チューブ31の各々に水Wを供給するための給水路236には、水Wの流量を調整するための水流量調整手段(水電磁弁)238が設けられ、熱交換器35を流過して温水となった水は、給湯路237を通って給湯栓部60に送られるようになっている。なお、図示するように、この燃焼部210の燃焼器は2基の燃焼器5aa,5abから構成されているため、燃焼部210の可燃性ガス供給路206は筐体250内で2つの可燃性ガス供給路206a,206bに分岐しており、それぞれの可燃性ガス供給路206a,206bが燃焼器5aa,5abに接続されている。
【0056】
上記する2基の燃焼器5aa,5abは、図5(b)に示すように、筐体250の後板250Dおよび前板250Cにそれぞれ取り付けられていて、それぞれのバーナ1aa,1abの先端1Aaa,1Aab、すなわちそれぞれのバーナ1aa,1abが配置されている筐体11aa,11abの燃焼面12aa,12abが対向するように配置されており、燃焼器5aa,5abの燃焼面12aa,12abの間の空間は、可燃性ガスGが燃焼器5aa,5abによって燃焼されて高温となった燃焼排ガスのガス流路となっている。なお、このように燃焼部210の燃焼器を2基の燃焼器5aa,5abで構成する際においても、1つのファン208から双方の燃焼器5aa,5abへそれぞれの空気供給口13aa,13abを介して空気Aを供給することができる。
【0057】
また、本実施の形態3の給湯器300においても、筐体250の後板250Dおよび前板250Cの内壁に凸板253A,253Bが設けられていて、燃焼器5aa,5abによって燃焼されて高温となった燃焼排ガスは、その凸板253A,253Bによって熱交換器35の熱交換用チューブ31側へ誘導されるようになっている。
【0058】
このように2基の燃焼器5aa,5abを設けたとしても、火炎長が短いことで筐体250の前後方向の厚みD2(図4参照)を抑制することができ、さらに筐体250内での燃焼面積を増加させることができるとともに、筐体250の内壁に燃焼排ガスを熱交換器35側へ誘導する凸板253A,253Bを設けることで、可燃性ガスGの燃焼後の高温の燃焼排ガスと熱交換器35を流れる水とを対向する方向へ流過させ、高温の燃焼排ガスを効率的に熱交換に用いることができ、給湯器300の熱交換効率を効果的に高めることができる。
【0059】
また、上記する2基の燃焼器5aa,5abに加えてたとえば給湯器300の筐体250の側面にもバーナ先端が内側を向くように燃焼器を設け、4基の燃焼器によって可燃性ガスGを燃焼させることで、さらに燃焼面積を増加させて給湯器の単位体積当たりの燃焼量を高めることができる。
【0060】
[実施の形態4]
図6は、本発明による給湯器の実施の形態4を示したものであり、図6(a)はその内部構成を概略的に示す縦断面図、図6(b)は図6(a)のA6−A6矢視図である。なお、本実施の形態4で用いる燃焼器5bは、図18に示す燃焼器5a'を一部改良したものであり、熱交換器35は、図16に示す熱交換器35'と同様の構成を有するものであることから、燃焼器5a'と熱交換器35'と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0061】
本実施の形態4の給湯器400は、図4,5に基づき説明した実施の形態3の給湯器300に対して、主として燃焼部310の燃焼器5bの構成が相違しており、他の構成はほぼ同等の形態を有している。したがって、給湯器300と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略すると共に、以下では相違する点についてのみ詳細に説明する。
【0062】
本実施の形態4の給湯器400では、図6(b)に示すように、燃焼部310の燃焼器5bが反対方向へ向いた少なくとも2面の燃焼面12ba,12bbを有しており、それぞれの燃焼面12ba,12bbにその先端1Aba,1Abbが給湯器400の前後方向(図中の左右方向)へ向くようにして複数のバーナ1ba,1bbが平面的に配置されている。そして、この燃焼器5bが筐体350の前後方向の略中心に配置されることで、燃焼面12baと筐体350の後板350Dとの間の空間、および燃焼面12bbと筐体350の前板350Cとの間の空間が可燃性ガスGの燃焼後の燃焼排ガスのガス流路となっている。したがって、燃焼器5bによって燃焼された高温の燃焼排ガスは、当該空間を流れた後、その下方の後板350Dおよび前板350Cに設けられた凸板353A,353Bによって熱交換器35の熱交換用チューブ31側へ誘導され、さらにその下方の排気口352を介して筐体350の外部へ排出される。
【0063】
ここで、上記する燃焼器5bの筐体11bは、隔壁15ba,15bbによって3つの空間に分割されており、その中心の空間が燃焼面12baに配置されたバーナ1baおよび燃焼面12bbに配置されたバーナ1bbの双方に可燃性ガスGを供給するための可燃性ガス室17bとなっている。すなわち燃焼面12baに配置されたバーナ1baと燃焼面12bbに配置されたバーナ1bbとは可燃性ガス室17bを共有しており、可燃性ガス供給路306から供給された可燃性ガスGは筐体11bに設けられた可燃性ガス供給口17bを介して可燃性ガス室17bへ供給され、燃焼面12baに配置されたバーナ1baと燃焼面12bbに配置されたバーナ1bbとの燃焼に使用される。なお、可燃性ガス室17bの前後には、燃焼面12baに配置されたバーナ1baと燃焼面12bbに配置されたバーナ1bbのそれぞれに空気Aを供給するための空気室16ba,16bbが設けられており、空気供給口13ba,13bbを介して燃焼器5bの上方に取り付けられたファン308と連通されている。
【0064】
このように燃焼部310の燃焼器5bが反対方向へ向いた2面の燃焼面12ba,12bbを備え、燃焼面12baに配置されたバーナ1baと燃焼面12bbに配置されたバーナ1bbとで燃焼器5bの筐体11bの可燃性ガス室17bを共有することで、たとえば図4に示すように筐体350内で可燃性ガス供給路306を分岐させる必要がなく、燃焼器5bの燃焼面積を確保しつつ、実施の形態3の給湯器300と比較して可燃性ガス供給路306の構成を簡素化し、給湯器400の前後方向の厚みD3(図6(b)参照)を小さくすることができる。
【0065】
なお、筐体350の前後方向へ向いた2面の燃焼面12ba,12bbに加えて、たとえば筐体350の左右方向へ向いた2面の燃焼面(不図示)を別途燃焼器5bに設けることにより、さらに燃焼面積を増加させて給湯器の単位体積当たりの燃焼量を高めることができる。
【0066】
[実施の形態5]
図7は、本発明による給湯器の実施の形態5の全体構成を概略的に示したものであり、図8は、図7に示す給湯器の内部構成を概略的に示した縦断面図である。なお、本実施の形態5で用いる燃焼器5aは、図18に示す燃焼器5a'と同様の構成を有するものであり、熱交換器35は、図16に示す熱交換器35'と同様の構成を有するものであることから、燃焼器5a'と熱交換器35'と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0067】
本実施の形態5の給湯器500は、図1,2に基づき説明した実施の形態1の給湯器100に対して、主として燃焼部410と熱交換部430の配置が相違しており、他の構成はほぼ同等の形態を有している。より具体的には、本実施の形態5の給湯器500は、実施の形態1の給湯器100を90°傾けたものとほぼ同等の形態を有している。したがって、給湯器100と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略すると共に、以下では相違する点についてのみ詳細に説明する。
【0068】
図7に示す給湯器500は、ファン408を用いた強制給気型給湯器であり、実施の形態1の給湯器100と同様、燃焼部410と、燃焼部410の燃焼器5aの各バーナ1aの先端1Aaから噴出する可燃性ガスGに点火するための点火装置20と、熱交換部430と、熱交換部430の給水路436、熱交換器35および給湯路437に水Wを流過させるためのポンプ装置40と、少なくとも燃焼部410の燃焼器5aと熱交換部430の熱交換器35とを収容する筐体450とから大略構成されているものの、燃焼器5aと熱交換器35は筐体450内で横方向に並べて収容されており、吸気口451が筐体450の下面450Bの燃焼器5a側に配置され、排気口452が筐体450の熱交換器35側であって燃焼器5aから離れた側面に配置されている。なお、排気口452は、筐体450の上面450Aや下面450Bに形成してもよい。
【0069】
具体的には、図8に示すように、燃焼部410は図中左側に配置され、熱交換部430は図中右側に配置され、筐体450内で燃焼部410の燃焼器5aと熱交換部430の熱交換器35とが、筐体450の前板450Cから後板450Dへ延びる仕切り板453を介して横方向に並べて収容されている。なお、仕切り板453と筐体450の上面450Aとは可燃性ガスGの燃焼後の燃焼排ガスが通ることができるように所定の距離を置いて配置されている。
【0070】
この給湯器500の燃焼器5a側では、図7に示すように、筐体450の前板450Cから可燃性ガス流量調整手段407を介して可燃性ガス供給路406が延出し、給湯器500の熱交換器35側では、筐体450の前板450Cから給水路436と給湯路437が延出し、給水路436と筐体450と間には給水路436を流れる水の流量を調整するための水流量調整手段(水電磁弁)438が取り付けられている。また、図8に示すように、燃焼器5aの下方にはこの燃焼器5aの各バーナ1aに空気Aを供給するためのファン408が取り付けられており、ファン408と燃焼器5aの筐体11aの空気室16aとは、ファン408から延びる中空管409で接続されている。また、この実施の形態5の給湯器500においても、筐体450の上板および下板の内壁には凸板453A,453Bが設けられている。
【0071】
したがって、可燃性ガス供給路406および可燃性ガス供給口14aを介して燃焼器5aの筐体11aの可燃性ガス室17aへ供給され、燃焼器5aによって可燃性ガスGが燃焼されて高温となった燃焼排ガスは、仕切り板453と筐体450の上面450Aとの間を通って熱交換器35側へ流れ、凸板453A,453Bによって熱交換器35の熱交換用チューブ31側へ誘導され、熱交換器35によって熱交換されて燃焼器5aと離れた位置に設けられた排気口452から排気される。なお、上記する仕切り板453の大きさを変更することで、燃焼部410側から熱交換部430側へ流れる可燃性ガスGの燃焼後の燃焼排ガスの流れを制御することができる。
【0072】
このように、燃焼器5aと熱交換器35を筐体450内で横方向に並べて収容し、燃焼器5aをバーナ1aの先端1Aa、すなわち燃焼面12aが上方へ向くように配置し、さらに熱交換器35の熱交換用チューブ31を筐体450の前後方向へ積層させて配置することで、上記実施の形態1〜4と比較して、給湯器500の上下方向の高さH1(図7参照)を格段に小さくことができ、給湯器500の設置自由度をさらに高めることができる。
【0073】
[実施の形態6]
図9は、本発明による給湯器の実施の形態6の全体構成を概略的に示したものであり、図10は、図9に示す給湯器の内部構成を概略的に示した縦断面図である。なお、本実施の形態6で用いる燃焼器5aは、図18に示す燃焼器5a'と同様の構成を有するものであり、熱交換器35は、図16に示す熱交換器35'と同様の構成を有するものであることから、燃焼器5a'と熱交換器35'と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0074】
本実施の形態6の給湯器600は、図7,8に基づき説明した実施の形態5の給湯器500に対して、主として燃焼部510の構成が相違しており、他の構成はほぼ同等の形態を有している。したがって、給湯器500と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略すると共に、以下では相違する点についてのみ詳細に説明する。
【0075】
図9に示す給湯器600は、実施の形態5の給湯器500と同様、燃焼部510と、燃焼部510の燃焼器5aの各バーナ1aの先端1Aaから噴出する可燃性ガスGに点火するための点火装置20と、熱交換部530と、熱交換部530の給水路536、熱交換器35および給湯路537に水Wを流過させるためのポンプ装置40と、少なくとも燃焼部510の燃焼器5aと熱交換部530の熱交換器35とを収容する筐体550とから大略構成され、燃焼器5aと熱交換器35が筐体550内で横方向に並べて収容されており、吸気口551が筐体550の下面550Bの燃焼器5a側に配置され、排気口552が筐体550の上面550Aの熱交換器35側であって燃焼器5aから離れた位置に配置されている。なお、排気口552は、筐体550の下面550Bや側面に形成してもよい。また、燃焼器5aの下方にはこの燃焼器5aの各バーナ1aに空気Aを供給するためのファン508が取り付けられている(図10参照)。
【0076】
ここで、給湯器600においては、実施の形態5の給湯器500と同様に、熱交換器35の熱交換用チューブ31が前後方向に積層されており、筐体550の前板550Cから給水路536と給湯路537が延出し、給水路536と筐体550との間には給水路536を流れる水の流量を調整するための水流量調整手段(水電磁弁)538が取り付けられている。一方で、可燃性ガス供給路506は、筐体550の側面(図10中左側)から延出し、可燃性ガス供給路506と筐体550との間には可燃性ガス流量調整手段507が取り付けられている。
【0077】
また、筐体550の内部には、図10に示すように、燃焼器5aと熱交換器35との間に設けられた仕切り板553に加えて、筐体550の上板および下板の内壁に凸板553A,553Bが設けられている。
【0078】
したがって、可燃性ガス供給路506および可燃性ガス供給口14aを介して燃焼器5aの筐体11aの可燃性ガス室17aへ供給され、燃焼器5aによって可燃性ガスGが燃焼されて高温となった燃焼排ガスは、仕切り板553と筐体550の上面550Aとの間を通って熱交換部530側へ流れ、凸板553A,553Bによって熱交換器35の熱交換用チューブ31側へ誘導され、熱交換器35の熱交換用チューブ31を流れる水Wと熱交換されて筐体550の上方に設けられた排気口552から排気される。
【0079】
[一般に使用可能な給湯器の検証とその外形寸法の解析結果]
本発明者等は、一般に使用可能な給湯器(実施例)を設計し、その給湯器で使用される燃焼器や熱交換器、および給湯器全体の外形寸法を解析した。なお、本実施例では、流量1.0L/minの水について20℃から45℃までの25℃昇温可能な給湯器を一般に使用可能な給湯器として設計した。
【0080】
なお、本実施例の給湯器で使用した燃焼器5aは、図18に示す燃焼器5a'と同様の構成を有するものであり、熱交換器35は、図16に示す熱交換器35'と同様の構成を有するものであることから、燃焼器5a'と熱交換器35'と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0081】
まず、本発明者等は、本実施例の給湯器1000で使用可能な燃焼器5aAを設計した。ここで、流量1.0L/minの水を20℃から45℃まで昇温させるために必要な熱量(出力)は1500kcal/h、すなわち約1740W(約6285kJ/h)である。それに対して、流量が2.78L/min(20℃)の都市ガスと、流量が44.6L/min(20℃)の空気とを空気比が1.5となるように混合した場合、本実施例の燃焼器5aAの個々のバーナは7Wの熱量を出力することができることから、本実施例で使用する燃焼器5aAでは289本のバーナを用いた。なお、289本のバーナを使用することによって289×7=2023Wの熱量を出力可能である。
【0082】
そして、上記する289本のバーナを燃焼器5aAの燃焼面12aAに略均一に配置した。
【0083】
図11は、実施例の給湯器1000で用いた燃焼器5aAの全体構成を概略的に示したものである。図示するように、前記燃焼器5aAの燃焼面12aAは、燃焼器5aAの上下方向の略中央であってその左右方向の僅かながら右寄りに設け、その燃焼面12aAの上下方向および左右方向にそれぞれ17本のバーナを配列した。
【0084】
なお、本実施例で使用する燃焼器5aAのバーナは、バーナ内径が約0.7mm、バーナ外径が約1.0mmであって、バーナ同士を3.0mm以上離間して配置することが好ましい。したがって、上記するように燃焼器5aAの燃焼面12aAの上下方向および左右方向にそれぞれ17本のバーナを配列したことで、その燃焼面12aAの上下方向および左右方向の寸法は約80mmであった。
【0085】
また、図18に基づき説明したように、本実施例で使用する燃焼器5aAのバーナでマイクロフレームを形成するために燃焼器5aAの筐体の内部には所定の容積を有する空気室や可燃性ガス室が設けられている。そのため、燃焼器5aA全体の正面視寸法は、上下方向および左右方向でそれぞれ約150mmであり(図12(a)参照)、さらに、燃焼器5aAの前記空気室や可燃性ガス室の前後方向の寸法がそれぞれ約10mmであることから、燃焼器5aAの前後方向の寸法は約20mmであった(図12(b)参照)。なお、燃焼器5aAには、その一側面に前記空気室に空気を供給するための空気供給口が設けられ、他の側面に前記可燃性ガス室に可燃性ガスを供給するための可燃性ガス供給口が設けられている。
【0086】
次に、本発明者等は、本実施例の給湯器1000で使用可能な熱交換器35Aを設計した。ここで、上記するように、流量1.0L/minの水を20℃から45℃まで昇温させるために必要な熱量(出力)は約1740Wであることから、3000W程度の熱交換を行うことができる熱交換器35Aを設計した。
【0087】
図13は、実施例の給湯器1000で用いた熱交換器35Aを示したものであり、図13(a)はその正面図、図13(b)はその側面図を示したものである。図示する熱交換器35Aでは、左右方向の厚さが約0.5mm、上下方向の高さが約80mm、前後方向の幅が約10mmの熱交換用チューブを1.2mm間隔で積層して熱交換器35Aを設計した。したがって、熱交換器35A全体の寸法は、左右方向で約100mm、上下方向で約80mm、前後方向で約10mmであった。また、熱交換器35Aの給水路と給湯路の中心間の間隔は約70mmであった。
【0088】
なお、本発明者等は、上記する熱交換器35Aが水道水圧程度の水を流過させることができることを確認している。
【0089】
また、燃焼器に空気を供給するためのブロアファンとしては、風量(約0.25〜1.8m2/min)に応じてフレームサイズが約75〜160mm、厚みが約30〜40mm等の寸法からなるものが存在する。そのうち、本実施例では、上記するような流量が44.6L/min(20℃)の空気を燃焼器5aAに供給することができるパルスセンサ付きブロアファン(山洋電気製 San Ace B76)を使用した(図14(a)参照)。なお、このブロアファンのフレームサイズ(上下方向の寸法に相当)は76mm(図14(b)参照)、厚み(前後方向の寸法に相当)は30mm(図14(c)参照)であった。
【0090】
本発明者等は、主として上記する燃焼器5aAと熱交換器35Aとファンを筐体内に配置して本実施例の給湯器1000を設計した。ここで、本実施例の給湯器1000は、図1,2に基づき説明した実施の形態1の給湯器100を基本構成とし、その実施の形態1の給湯器100に対して主としてファンの配置を変更したものである。
【0091】
図15は、実施例の給湯器1000を示したものであり、図15(a)はその内部構成を概略的に示す縦断面図、図15(b)は図15(a)のA15−A15矢視図である。
【0092】
図15(a)に示すように、燃焼器5aAの燃焼面12aAが前方を向くようにして給湯器1000の筐体内の上方に燃焼器5aAを配置し、その下方に熱交換器35Aとファンを左右に並べて配置した。ここで、熱交換器35Aは、その熱交換用チューブが給湯器1000の筐体の左右方向に積層されるように配置した。また、ファンと燃焼器5aAとの空気供給口は別途のアタッチメントで接続した。なお、実施の形態1の給湯器100に対してファンの配置を燃焼器5aAの下方に変更した場合であっても、ファンが燃焼器5aAの近傍に配置されていれば燃焼器5aAの各バーナに効率的に空気を供給することができる。
【0093】
また、熱交換器35Aの下方に燃焼排ガスやドレイン水を外部に排出するための排気口を配置し、前記ファンの近傍に空気の吸気口(不図示)を配置し、燃焼器5aAへ接続された可燃性ガス供給路の上流側に可燃性ガスのガス流量を調整する可燃性ガス流量調整手段(不図示)を配置した。
【0094】
燃焼器5aAと熱交換器35Aとファンを図15(a)に示すように配置した結果、給湯器1000全体の正面視寸法は、給湯器1000の筐体内部に配置する断熱材の厚みを考慮して、左右方向で約200mm、上下方向で約250mmであった。
【0095】
また、図12(b)に示すように燃焼器5aAの筐体の前後方向の寸法は約20mmであるものの、燃焼器5aAの燃焼面12aAからバーナ先端の突出量が3.0mm以上、より好ましくは6.0mmであること、バーナで形成されるマイクロフレームの大きさの出力に応じた変動等を考慮して、図15(b)に示すように、給湯器1000の内部空間の前後方向の寸法は約40mmとした。すなわち、給湯器1000の前後方向の寸法は、この40mmに対して断熱材等の厚みを付加した寸法となる。
【0096】
なお、実施例の給湯器1000においても、熱交換器35Aによる熱交換効率を高めるために、実施の形態1の給湯器100と同様、給湯器1000の筐体の後板および前板の内壁に凸板を設け、燃焼器5aAによって燃焼されて高温となった燃焼後の燃焼排ガスが、凸板によって熱交換器35Aの熱交換用チューブ側へ誘導され、高温の燃焼排ガスと熱交換器35Aを流れる水とが対向する方向へ流過する構成とした。
【0097】
この実施例の給湯器1000によれば、流量1.0L/minの水を20℃から45℃まで昇温させることができ、従来一般に使用される給湯器と比較して小型でありながら、同等の熱交換効率を維持することができることが確認された。
【0098】
以上のように、本発明の給湯器によれば、バーナやバーナを構成する内筒を細径管で形成し、可燃性ガス供給路に設けられた可燃性ガス流量調整手段を用いて可燃性ガス供給路を流れる可燃性ガスの流量を調整し、各バーナの先端から噴出される可燃性ガスのフルード数(Fr)やレイノルズ数(Re)が所定の範囲内となるように調整することで、当該バーナ先端に輝炎を含まない半球状の拡散火炎を形成し得る小型の燃焼器と、断面扁平な複数の熱交換用チューブで形成される小型の熱交換器を給湯器に適正に配置することで、給湯器全体を格段に小型化し、その即湯性や設置自由度を効果的に高めることができる。
【符号の説明】
【0099】
1,1a,1aa,1ab,1ba,1bb…バーナ
1A,1Aa,1Aaa,1Aab,1Aba,1Abb…バーナ先端
2a…バーナの内筒
3a…バーナの外筒
5,5a,5aa,5ab,5b…燃焼器
6,106,206,206a,206b,306,406,506…可燃性ガス供給路
7,107,207,307,407,507…可燃性ガス流量調整手段
8,208,308,408,508…ファン
10,110,210,310,410,510…燃焼部
11,11a,11aa,11ab,11b…燃焼器の筐体
12,12a,12aa,12ab,12ba,12bb…燃焼器の燃焼面
13a,13aa,13ab,13ba,13bb…空気供給口
14,14a,14b…可燃性ガス供給口
15a,15ba,15bb…隔壁
16a,16ba,16bb…空気室
17,17a,17b…可燃性ガス室
20…点火装置
30,130,230,330,430,530…熱交換部
31…熱交換用チューブ
31B…ガス流路
35…熱交換器
36,136,236,336,436,536…給水路
37,137,237,337,437,537…給湯路
38,138,238,338,438,538…水流量調整手段(水電磁弁)
40…ポンプ装置
50,150,250,350,450,550…筐体
50A,150A,250A,350A,450A,550A…筐体の上面
50B,150B,250B,350B,450B,550B…筐体の下面
50C,150C,250C,350C,450C,550C…筐体の前板
50D,150D,250D,350D,450D,550D…筐体の後板
51,151,251,351,451,551…吸気口
52,152,252,352,452,552…排気口
53A,53B,153A,153B,253A,253B,353A,353B,453A,453B,553A,553B…凸板
453,553…仕切り板
60…給湯栓部
100,200,300,400,500,600,1000…給湯器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバーナを備えた燃焼器と、該燃焼器の複数のバーナの各々に供給される可燃性ガスのガス流量を調整する可燃性ガス流量調整手段と、前記燃焼器によって燃焼された可燃性ガスの燃焼後の燃焼排ガスとそこに供給される水との間で熱交換を行う熱交換器と、を具備する給湯器であって、
前記燃焼器は、各バーナ先端で輝炎を含まない半球状の拡散火炎を形成するように、前記可燃性ガス流量調整手段によって各バーナに供給されるガス流量が調整され、各バーナ先端からの噴出速度が調整された可燃性ガスを燃焼させる燃焼器であり、
前記熱交換器は、断面扁平の複数の熱交換用チューブを有し、該複数の熱交換用チューブがその扁平面が対向するように所定の間隔を置いて並列に配置され、隣接する熱交換用チューブの間が前記燃焼器によって燃焼された可燃性ガスの燃焼後の燃焼排ガスのガス流路とされている熱交換器であることを特徴とする給湯器。
【請求項2】
前記給湯器は、少なくとも前記燃焼器と前記熱交換器とを収容すると共に、その内部に空気を吸気するための吸気口とその内部から少なくとも燃焼後の燃焼排ガスを排気するための排気口とを備えた筐体を備えることを特徴とする請求項1に記載の給湯器。
【請求項3】
前記燃焼器の近傍には、該燃焼器の各バーナに空気を供給するためのファンが設けられているともに、前記燃焼器は前記熱交換器の上方に配置され、前記吸気口は前記ファンの近傍に配置され、前記排気口は前記熱交換器よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の給湯器。
【請求項4】
前記燃焼器は前記熱交換器の下方に配置され、前記吸気口は前記燃焼器よりも下方に配置され、前記排気口は前記熱交換器よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の給湯器。
【請求項5】
前記燃焼器と前記熱交換器は前記筐体内で横方向に並べて収容されており、前記吸気口は前記筐体の燃焼器側に配置され、前記排気口は前記筐体の熱交換器側であって前記燃焼器から離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の給湯器。
【請求項6】
前記複数のバーナは、前記燃焼器の平面からなる燃焼面に所定の間隔を置いて配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の給湯器。
【請求項7】
前記給湯器は少なくとも2基の燃焼器を備えており、この2基の燃焼器はそれぞれの燃焼面が対向するように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の給湯器。
【請求項8】
前記燃焼器には反対方向へ向いた少なくとも2面の燃焼面が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の給湯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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