給湯装置およびその制御方法
【課題】循環タンク内の湯を無駄なく使用することができ、循環タンクからの戻り湯が給湯タンクに混入することを極力防止することが可能な給湯装置およびこの制御方法を提供する。
【解決手段】ヒートポンプ2、ヒートポンプ2によって加熱された高温の湯が貯湯される複数の給湯タンク3、給湯タンク3に接続している高温湯配管23を有してヒートポンプ2に接続している循環路9、循環路9から導かれる湯と高温湯配管23から導かれる高温の湯とを混合して循環路9に導出する混合弁5を備え、循環路9は、循環タンク4、循環タンク4内の湯温を検知する循環用温度検知手段TC−L、TC−U、循環用温度検知手段TC−L、TC−Uによって循環タンク4の高温側の湯を混合弁5または高温湯配管23に供給する循環路切替弁8、循環路切替弁8の切り替えに連動して循環タンク4の高温側の湯を高温湯配管23に合流させる循環路遮断弁7を有することを特徴とする。
【解決手段】ヒートポンプ2、ヒートポンプ2によって加熱された高温の湯が貯湯される複数の給湯タンク3、給湯タンク3に接続している高温湯配管23を有してヒートポンプ2に接続している循環路9、循環路9から導かれる湯と高温湯配管23から導かれる高温の湯とを混合して循環路9に導出する混合弁5を備え、循環路9は、循環タンク4、循環タンク4内の湯温を検知する循環用温度検知手段TC−L、TC−U、循環用温度検知手段TC−L、TC−Uによって循環タンク4の高温側の湯を混合弁5または高温湯配管23に供給する循環路切替弁8、循環路切替弁8の切り替えに連動して循環タンク4の高温側の湯を高温湯配管23に合流させる循環路遮断弁7を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置およびその制御方法、特に、循環路を備える給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、給湯装置の給湯口から暖かい湯をすぐ給湯することを可能とする循環加温機能や、暖かい湯の即時給湯に伴い、給湯用のタンクを高温状態に維持するために循環用のタンクが設けられている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
【0003】
特許文献1には、給湯の際に循環タンク内に貯湯されている湯を使い切ることが開示されている。
特許文献2には、循環タンクと循環加温回路とを設けることによって、温度の低い湯である循環タンクからの戻り湯の給湯タンク内への混入を防止することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−157471号公報
【特許文献2】特開2007−298226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、特許文献1に開示されている発明は、循環運転が長引くことによって戻り湯によって循環タンクがオーバーフローした際に、循環タンクからの戻り湯が給湯タンクに混入してしまう。ここで、給湯タンクは、上層に高温の湯が貯湯されており、下層に水が貯水される2層の温度勾配を有している。このような給湯タンク内に循環タンクからの温度の低い湯である戻り湯が混入した場合には、給湯タンク内の温度勾配層が乱されて給湯に影響するという問題があった。
【0006】
特許文献2に開示されている発明は、循環タンクからの戻り湯が給湯タンクに混入するリスクはないが、給湯することによって給湯タンクに貯湯されていた高温の湯を使い切った後であっても、循環タンク内に循環加温回路を循環させるための湯が貯湯されたままとなっている。この循環タンク内の湯を使い切れないという点で特許文献1の場合に比べてCOP(Coefficient Of Performance:成績係数、動作係数)が低下してしまい、給湯装置全体の効率が低くなるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、循環タンク内の湯を無駄なく使用することができ、循環タンクからの戻り湯が給湯タンクに混入することを極力防止することが可能な給湯装置およびこの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の給湯装置およびこの制御方法は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る給湯装置によれば、ヒートポンプと、該ヒートポンプによって加熱された高温の湯が貯湯される複数の給湯タンクと、複数の該給湯タンクに接続している高温湯配管を有して前記ヒートポンプに接続している循環路と、該循環路から導かれる湯と前記高温湯配管から導かれる高温の湯とを混合して前記循環路に導出する混合弁と、を備え、前記循環路は、循環タンクと、該循環タンク内の湯温を検知する循環用温度検知手段と、該循環用温度検知手段によって、前記循環タンクの高温側の湯を前記混合弁または前記高温湯配管に供給する循環路切替弁と、該循環路切替弁の切り替えに連動して、前記循環タンクの高温側の湯を前記高温湯配管に合流させる循環路遮断弁と、を有することを特徴とする。
【0009】
従来、循環タンク内の湯は混合弁の高温側、或は低温側にのみ供給されていた。そのため、混合弁で高温湯配管からの高温の湯と循環タンクからの湯とが混合された湯は、高温湯配管内の湯温より低い湯温とされて循環路を循環することとなり、循環タンクには、ヒートポンプによって加熱された高温の湯よりも低温の湯が常時貯湯されることとなっていた。
【0010】
そこで、循環路には、循環用温度検知手段によって、循環タンクの高温側の湯を混合弁低温側または高温湯配管に供給する循環路切替弁と、循環路切替弁の切り替えに連動して循環タンクの高温側の湯を高温湯配管に合流する循環路遮断弁とを設けることとした。これにより、循環用温度検知手段が検知する循環タンク内の湯温に応じて、循環タンクの高温側から混合弁低温側へ直接、または、循環タンクの高温側から高温湯配管を経て混合弁高温側へと循環タンクの湯を供給することができる。したがって、循環タンク内の湯を無駄なく使用することができる。
【0011】
さらに、本発明に係る給湯装置によれば、前記循環路は、複数の前記給湯タンクに接続している低温水配管を有して前記ヒートポンプに接続しており、前記低温水配管には、前記循環路切替弁および前記循環路遮断弁に連動して、前記循環路の前記循環タンクの低温側の湯を供給する連通弁を設けることを特徴とする。
【0012】
循環路が複数の給湯タンクに接続している低温水配管を有してヒートポンプに接続しており、低温水配管には、循環タンクの低温側からの湯を、循環路切替弁および循環路遮断弁に連動して、低温水配管に供給する連通弁を設けることとした。これにより、循環タンクが湯で満タンになった場合であっても、循環タンクの低温側から低温水配管に戻り湯が合流することを防止して、戻り湯を循環路内に循環させることができる。したがって、給湯タンクに戻り湯が混入しないので給湯タンク内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを防止することができる。
【0013】
さらに、本発明に係る給湯装置によれば、前記連通弁は、前記循環路切替弁および前記循環路遮断弁と連動する自動弁であることを特徴とする。
【0014】
連通弁として、循環路切替弁および循環路遮断弁と自動的に連動する自動弁を用いることとした。これにより、循環タンクが戻り湯で満タンになった場合であっても、給湯タンクからは高温の湯が給湯されて、循環タンク内の戻り湯は循環タンク内に収容することができる。したがって、給湯タンク内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを防止することができる。
【0015】
さらに、本発明に係る給湯装置によれば、前記連通弁は、手動弁であり、常時閉状態であることを特徴とする。
【0016】
連通弁として、常時閉状態の手動弁を用いることとした。これにより、給湯タンクからは高温の湯のみが給湯され、循環タンクは循環を循環する戻り湯の貯湯に専念させることができる。したがって、給湯タンク内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを防止することができる。
【0017】
さらに、本発明に係る給湯装置によれば、前記連通弁は、手動弁であり、常時微開状態であることを特徴とする。
【0018】
連通弁として、常時微開状態の手動弁を用いることとした。これにより、循環タンクが満水になった場合であっても、給湯タンクから高温の湯が給湯されて、循環タンク内の戻り湯を循環タンク内に収容することができる。したがって、給湯タンク内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを抑制することができる。
なお、微開状態とは、循環タンク内に貯湯されることなく循環運転が開始した場合であっても、循環運転と共に循環タンク内の水を湯に貯湯することが可能な程度に循環タンク内に貯水されていた水を給湯タンクに導くことができる開度をいう。
【0019】
さらに、本発明に係る給湯装置によれば、前記ヒートポンプの吐出側には、該ヒートポンプによって加熱された高温の湯を前記循環路または前記給湯タンクのどちらか一方に切り替えるヒートポンプ側切替弁を設けることを特徴とする。
【0020】
ヒートポンプによって加熱された高温の湯を循環路または給湯タンクのどちらか一方に切り替えるヒートポンプ側切替弁をヒートポンプの吐出側に設けることとした。これにより、ヒートポンプによって加熱された高温の湯を循環路に導いて、循環タンクを加温することができる。したがって、給湯する際に、所定温度の湯を即時給湯することができる。
【0021】
さらに、本発明に係る給湯装置の制御方法によれば、ヒートポンプと、該ヒートポンプよって加熱された高温の湯が貯湯される複数の給湯タンクと、複数の該給湯タンクに接続される高温湯配管を有して前記ヒートポンプに接続される循環路と、該循環路から導かれる湯と前記高温湯配管から導かれる高温の湯とを混合して前記循環路に導出する混合弁と、を備え、前記循環路は、循環タンクと、該循環タンク内の湯温を検知する循環用温度検知手段と、該循環用温度検知手段によって、前記循環タンクの高温側の湯を前記混合弁低温側または前記高温湯配管に供給する循環路切替弁と、該循環路切替弁の切り替えに連動して、前記循環タンクの高温側の湯を前記高温湯配管に合流させることを制御する循環路遮断弁と、を有する給湯装置の制御方法であって、前記循環用温度検知手段が前記循環タンク内の湯温が所定温度以下であると検知した場合には、前記循環路切替弁を前記循環タンクの高温側に切り替えると共に、前記循環路遮断弁を閉状態にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
循環路には、循環用温度検知手段によって、循環タンクの高温側の湯を混合弁低温側または高温湯配管に供給する循環路切替弁と、循環路切替弁の切り替えに連動して循環タンクの高温側の湯を高温湯配管に合流する循環路遮断弁とを設けることとした。これにより、循環用温度検知手段が検知する循環タンク内の湯温に応じて、循環タンクの高温側から混合弁低温側へ直接、または、循環タンクの高温側から高温湯配管を経て混合弁高温側へと循環タンクの湯を供給することができる。したがって、循環タンク内の湯を無駄なく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の給湯装置の概略構成図である。
【図2】本発明の給湯装置に係る湯および上水の流れを示す概略図である。
【図3】本発明の給湯装置に係る湯および上水の流れを示す概略図である。
【図4】本発明の給湯装置に係る湯および上水の流れを示す概略図である。
【図5】本発明の給湯装置に係る湯および上水の流れを示す概略図である。
【図6】本発明の給湯装置に係る湯および上水の流れを示す概略図である。
【図7】本発明の給湯装置に係る夜間貯湯運転の際に、給湯装置に設けられている弁およびヒートポンプの動作パターンを示す図表である。
【図8】第1実施形態に係る給湯装置に設けられている弁およびヒートポンプの動作パターンを示す図表である。
【図9】第2実施形態に係る給湯装置に設けられている弁およびヒートポンプの動作パターンを示す図表である。
【図10】第3実施形態に係る給湯装置に設けられている弁およびヒートポンプの動作パターンを示す図表である。
【図11】図8に示した運転状態の流れを示すフローチャートである。
【図12】図9に示した運転状態の流れを示すフローチャートである。
【図13】図10に示した運転状態の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
図1には、本発明の給湯装置の概略構成図が示されており、図2〜図6には、本発明の給湯装置に係る湯および上水の流れが示されている。
給湯装置1は、複数(例えば、9つ)の給湯タンク3と、循環タンク4と、CO2ヒートポンプ(以下、「ピートポンプ」という。)2と、混合弁5と、循環遮断弁6と、循環切替弁7と、給湯回路8と、循環回路(循環路)9とを備えている。
【0025】
給湯タンク3は、竪型の円筒状とされている。給湯タンク3は、ヒートポンプ2によって加熱されて高温となった湯を貯湯するものである。給湯タンク3は、複数、例えば9槽3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h、3i(図1には、最下流側の給湯タンク3aと最上流側の給湯タンク3iだけを示す)設けられている。各給湯タンク3間は、配管20によって直列に連結されている。
【0026】
最下流側の給湯タンク3aには、その下方部にサーミスターT1が設けられており、最上流側の給湯タンク3iには、その上方部にサーミスターT9が設けられている。これにより、最下流側の給湯タンク3a内の下方部に貯湯されている湯温または最上流側の給湯タンク3i内の上方部に貯湯されている湯温を検知している。
【0027】
循環タンク4は、後述する配管32または配管38から導かれた湯または上水(水)を貯湯するものである。循環タンク4は、給湯タンク3と同形、同構造とされて1槽程度が設けられている。
【0028】
循環タンク4の上方部には、サーミスター(循環用温度検知手段)TC−Uが、また下方部にはサーミスター(循環用温度検知手段)TC−Lが設けられている。これにより、循環タンク4内の上方部および下方部に貯湯されている湯温を各々検知している。
【0029】
ヒートポンプ2は、冷媒としてCO2を用いており、ヒートポンプ2に導かれた低温の湯または上水を加熱して高温の湯として導出するものである。ヒートポンプ2の上流側には、配管11が接続されており上水または低温の湯をヒートポンプ2に供給している。ヒートポンプ2の下流側には、ヒートポンプ2によって加熱されて例えば90℃の高温になった湯が導かれる配管12が接続されている。
【0030】
混合弁5は、給湯回路8の配管(高温水側配管)23から導かれた高温の湯と、循環回路9から導かれた低温の湯とを混合して所定の湯温に調整するものである。混合弁5によって所定の湯温に調整された湯は、循環回路9を構成している配管31へと導出される。
【0031】
循環遮断弁6は、循環タンク4に設けられているサーミスターTC−U、TC−Lが検知する温度によって、励磁されて開閉する電磁弁である。この循環遮断弁6の開閉動作は、後述する循環切替弁7の切り替え動作と連動している。循環遮断弁6は、循環タンク4の上方端と給湯回路8の配管23との間を接続している配管32上に設けられている。
【0032】
循環切替弁7は、三方弁である。循環切替弁7には、後述する配管33と配管34と配管35とが接続している。循環切替弁7は、前述したように、循環タンク4に設けられているサーミスターTC−U、TC−Lが検知する温度によって、循環遮断弁6の開閉動作と連動して切り替えが行われる。
【0033】
ヒートポンプ2の上流に設けられている配管11は、第1貯湯切替弁13に接続されている。第1貯湯切替弁13は、3方弁であり、他の2方には、循環タンク4からの低温の湯をヒートポンプ2に導く配管36と、給湯回路8からの上水または温度の低い湯をヒートポンプ2に導く配管21とが接続されている。
【0034】
ヒートポンプ2の下流に設けられている配管12は、第2貯湯切替弁(ヒートポンプ側切替弁)14に接続されている。第2貯湯切替弁14は、3方弁であり、その他の2方には、ヒートポンプ2により加熱された高温の湯を循環タンク4に供給する配管37と、加熱された高温の湯を給湯回路8に供給する配管22とが接続されている。
【0035】
給湯回路8は、配管22が接続されている切替弁15と、三方弁である切替弁15に接続されている配管23および配管24と、複数の給湯タンク3と、最上流側の給湯タンク3iと配管23との間を接続している配管25とを備えている。
【0036】
三方弁である切替弁15は、切り替わることによって配管22から導かれた高温の湯を配管23または配管24へと導く。通常、切替弁15は、配管23側に切り替えられている。配管23は、切替弁15と混合弁5との間を接続している。
【0037】
配管23には、最上流側の給湯タンク3iの上方端との間を接続している配管25が合流している。さらに、配管23には、配管25が合流している下流側であって混合弁5との間に、循環回路9の配管32が合流している。
【0038】
配管24は、切替弁15と最下流側の給湯タンク3aの下方端との間を接続している。また、最下流側の給湯タンク3aの下方端には、第1貯湯切替弁13との間を接続している配管21と、第1上水供給配管40とが接続されている。
【0039】
循環回路9は、混合弁5から温度の調整された湯が導出される配管31と、配管31から導かれた湯を昇圧する循環ポンプ17と、循環ポンプ17によって昇圧された湯が導出される配管42と、配管42が途中位置に合流している配管34と、循環タンク4と、循環タンク4の上方端と給湯回路8の配管23との間を接続している配管32と、配管32上に設けられている循環遮断弁6と、循環タンク4の下方端に接続されている配管38と、一端に混合弁5を有している配管34が接続されている循環切替弁7と、循環切替弁7と配管32との間を接続している配管33と、三方弁である循環切替弁7の残りの一端に接続されている配管35とを備えている。
【0040】
配管31には、混合弁5を通過して所定湯温とされた湯を外部に給湯する給湯口(図示せず)が設けられている。給湯口から給湯装置1の外部に給湯されなかった配管31中の残りの湯は、循環ポンプ17へと導かれる。
【0041】
循環ポンプ17の下流側には、配管42が接続されており、循環ポンプ17によって昇圧された湯が導出される。ここで、循環ポンプ17によって昇圧された湯は、循環回路9を循環して循環回路9の温度低下を防止している。
【0042】
循環ポンプ17によって昇圧された湯が導出される配管42は、配管34に合流している。配管34は、その一端が混合弁5に接続されており、他端が循環切替弁7に接続されている。
【0043】
配管32は、循環タンク4の上方端と給湯回路8の配管23との間を接続している。また、配管32には、その途中位置に循環遮断弁6が設けられている。循環遮断弁6の上流側の配管32には、ヒートポンプ2からの高温の湯を導く配管37が合流している。さらに、配管37が合流する合流点よりも上流側の配管32には、循環切替弁7との間を接続している配管33が合流している。
【0044】
循環切替弁7には、配管33と、混合弁5との間を接続している配管34と、配管35とが接続されている。配管35の他端には、第2上水供給配管41と配管39とが合流して接続されている。配管35および第2上水供給配管41に合流している配管39は、循環タンク4の下方端に接続している配管38に合流している。
【0045】
循環タンク4の下方端に接続されている配管38には、配管39と、ヒートポンプ2に接続されている配管36と、配管(低温水配管)43とが合流して接続されている。
【0046】
配管43は、循環回路9と給湯回路8とを接続している。配管43は、最下流側の給湯タンク3aの下方端に接続されている第1上水供給回路40に合流しており、その途中位置にタンク連通弁18が設けられている。タンク連通弁18は、自動連通弁であり、循環切替弁7および循環遮断弁6に連動して開度が制御される。このように、タンク連通弁18の開度が循環切替弁7および循環遮断弁6に連動して制御されることによって、配管38または配管39からの湯が配管43を経て第1上水供給配管40へと供給される。
【0047】
次に図1に示した構成の給湯装置1を流れる湯および上水の流れと、各弁およびヒートポンプの動作状況について図2から図8を用いて説明する。
図2から図6には、給湯装置1を流れる湯および上水の流れが示されており、図7および図8には、各弁およびヒートポンプの動作パターンが示されている。
ここで図7および図8の図表中に示す貯湯切替弁13、14の給湯側とは、図2から図6おける給湯回路8側の配管21、22側に貯湯切替弁13、14を切り替えることを意味し、循環側とは、循環回路9側の配管36、37側に貯湯切替弁13、14を切り替えることを意味する。また、循環切替弁7の循環側とは、配管33側に切り替えることを意味し、循環切替弁7の上水側とは、配管35側に切り替えることを意味する。また、図7の○印は、切替側を示し、×印は、非切替側を示す。さらに、−印は、変化がない状態または無検知であることを示す。
【0048】
図7の給湯タンク3および循環タンク4に示されている高温とは、設定温度(約65℃〜90℃)から15℃を引いた温度以上であり、およそ50℃〜75℃以下とされている。また、中温とは、設定温度から20℃を引いた温度以上であり、およそ45℃〜70℃以下とされ、かつ、後述する低温よりも高い温度とされている。さらに、低温とは、水温(第1上水供給配管40または第2上水供給配管41から供給される上水の温度)に20℃を加算した温度以下を示している。ここで、設定温度はさらに、給湯タンク3と循環タンク4とでは別々の設定となっており、給湯タンク3では、例えば給湯温度である90℃とされ、循環タンク4では、例えば65℃とされている。
【0049】
まず、夜間時における貯湯の流れについ説明する。
本実施形態の給湯装置1を夜間運転して貯湯のみを行う場合(図7中の1)には、ヒートポンプ2を起動し、貯湯切替弁13、14を給湯回路8側、すなわち配管21、22側に切り替える。また、混合弁5は、その開度を最小開度状態とする。
【0050】
ここで、混合弁5の開度が最小開度状態とは、給湯口から給湯される湯温が高温になりすぎてやけどすることを防止することが可能な程度に混合弁5に循環回路9からの低温の湯を混合できる開度を意味する。
【0051】
次に、夜間運転の際に給湯タンク3に貯湯を行う場合(図7中の2)について説明する。
給水配管に最も近い給湯タンク3a内の湯温が高温に達していない(図7中の2において×高温で示している)と給湯タンク3aに設けられているサーミスターT1が検知した場合には、貯湯切替弁13、14を配管21、22側に切り替え、混合弁5を最小開度状態として、ヒートポンプ2の運転を行う。
【0052】
ヒートポンプ2の運転によって高温となった湯は、図2中のIの矢印に示すように、貯湯切替弁14を経て配管22に導出される。配管22に導出された高温の湯は、三方弁15へと導かれて、配管23へと供給される。貯湯運転時には配管23に供給された高温の湯は、配管25へと導かれる。
【0053】
配管25に導かれた高温の湯は、最上流側の給湯タンク3iの上方端から給湯タンク3i内へと導かれる。これによって、給湯タンク3i内に貯湯されていた温度の低下した湯(高温ではない湯)が給湯タンク3i内の下方端から配管20を経て給湯タンク3h(図示せず)へと導かれる。同様にして、各給湯タンク3内の湯が上流側の給湯タンク3からその下流側の給湯タンク3へと順番に導かれて、最終的に最下流側の給湯タンク3aの下方端から湯が配管21へと導出される。
【0054】
配管21に導出された湯は、貯湯切替弁13を経てヒートポンプ2へと導かれて加熱される。これを繰り返すことによって、給湯回路8の給湯タンク3には、高温の湯が貯湯されることとなる。
【0055】
高温湯貯湯の進展に伴い、最上流側の給湯タンク3iの上方部に設けられているサーミスターT9から給湯タンク3aの下方部に設けられているサーミスターT1までが各々高温状態を検知した場合には、貯湯切替弁13、14が配管36、37側に切り替わり、循環タンク4への貯湯(図7中の3)に切換える。
【0056】
引続き循環タンク4への高温湯貯湯の進展に伴い、循環タンク4の上方部および下方部に設置されているサーミスターTC−UとサーミスターTC−Lとが順次高温状態を検知していき、サーミスターTC−Lの高温検知に伴い、貯湯切替弁13、14を配管21、22側に切換えヒートポンプ2が運転を停止する(図7中の4)。このようにして、夜間貯湯運転が停止する。
【0057】
次に、上記のように夜間運転によって給湯タンク3に貯湯した後に給湯装置1の循環回路9に湯を循環させる循環運転(図8中の53)について説明する。この際には、循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターTC−Uが高温を検知することにより、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、循環遮断弁6が開状態となり、タンク連通弁18が閉状態になり、混合弁5が温度制御状態となる。
【0058】
循環遮断弁6が開状態となるので、図2中のIIIの矢印で示すように、循環タンク4の上方端から循環タンク4内の高温の湯が配管32に導出されて配管23に合流する。配管23に合流した高温の湯は、配管32から導かれた湯と混合弁5において混合されて配管31へと導出される。
【0059】
配管31に導出された湯は、循環ポンプ17へと導かれて循環ポンプ17によって昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流する。配管34に合流した湯は、一部が混合弁5へと導かれて、残りが循環切替弁7へと導かれる。
【0060】
ここで、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、循環切替弁7に導かれた湯は、配管35へと導出される。配管35に導出された湯は、配管39および配管38を経て、循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。なお、ここで、配管43上に設けられているタンク連通弁18が閉状態であるため、配管43には湯が導かれない。
【0061】
循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれた湯によって、循環タンク4内に貯湯されていた湯が循環タンク4の上方端から配管32へと導出される。これを繰り返すことによって、循環運転が行われる。
【0062】
次に、循環運転の際に循環タンク4内の湯を高温にする(循環タンク4の加温)流れについて説明する。
循環タンク4内の上方部の湯温が高温から低下したとサーミスターTC−Uが検知した場合(図8中の54)について説明する。この際には、循環切替弁7が配管33側に切り替わり、循環遮断弁6が閉状態となる。また、タンク連通弁18が閉状態となり、混合弁5が最小開度状態となる。さらに、ヒートポンプ2が運転状態となって、貯湯切替弁13、14が配管36、37側に切り替わる。
【0063】
混合弁5には、循環回路9の配管42から湯が導かれて、図4中のIVの矢印で示すように、配管31に導出される。配管31に導出された湯は、循環ポンプ17へと導かれて循環ポンプ17によって昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流する。配管34に合流した湯は、循環遮断弁6およびタンク連通弁18が閉状態、及び循環切替弁13、14が循環タンク4側に切り替っていることから、ほとんどが混合弁5へと導かれる。
【0064】
また、ヒートポンプ2によって加熱された高温の湯が、貯湯切替弁14を経て配管37に導出される。配管37に導出された高温の湯は、図4中のIIの矢印で示すように、配管32に合流して循環タンク4の上方端から循環タンク4内に導かれる。
【0065】
循環タンク4の上方端から導かれた図4中のIIの矢印で示す高温の湯と、図4中のIVの矢印で示す湯によって、循環タンク4内に貯湯されていた湯が循環タンク4の下方端から配管38へと導出される。ここで、配管38に合流している配管43に設けられているタンク連通弁18が閉状態であるため、配管38に導出された湯は、配管36を経てヒートポンプ2へと導かれる。このようにして、循環運転と共に循環タンク4の加温が行われる。
【0066】
次に、循環運転と共に行われている循環タンク4の加温を停止する場合(図8中の55)について説明する。循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターTC−Uが高温を検知することによって、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、循環遮断弁6が開状態となる。また、タンク連通弁18が閉状態となり、混合弁5が温度制御状態となる。さらに、ヒートポンプ2が運転停止となり、貯湯切替弁13、14が配管36、37側となる。
【0067】
循環切替弁7が配管35側に切り替わり、循環遮断弁6が開状態、タンク連通弁18が閉状態となることによって、図2中のIIIの矢印で示すように、循環タンク4の上方端から配管32に循環タンク4内の高温の湯が導出される。配管32に導出された湯は、配管23に合流して混合弁35へと導かれる。
【0068】
混合弁5では、循環回路9の配管42からの湯と配管23からの湯とが導かれて混合される。混合弁5によって混合された湯は、図2中のIIIの矢印で示すように、配管31に導出される。配管31に導出された湯は、循環ポンプ17へと導かれて循環ポンプ17によって昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流する。配管34に合流した湯は、一部が混合弁5へと導かれて、残りが循環切替弁7へと導かれる。
【0069】
ここで、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、配管34に合流した湯の一部は、循環切替弁7を経て配管35へと導出される。配管35に導出された湯は、配管39および配管38を経て、循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。なお、ここで、配管43上に設けられているタンク連通弁18が閉状態であるため、配管43には湯が導かれない。
【0070】
なお、ヒートポンプ2の運転が停止しているので、循環切替弁14から配管37を経て、循環タンク4の上方端に高温の湯が導かれない。なお、前述したように、配管38から循環タンク4内に湯が導かれることによって、循環タンク4内の上方端から配管32に湯が導出される。このようにして、循環運転は行われるが、循環タンク4の加温は停止されることとなる。
【0071】
図8中の53の循環運転の際に最上流側の給湯タンク3iの湯が高温に達していないと最上流側の給湯タンク3iに設けられているサーミスターT9が検知した場合(図8中の56)について説明する。この際には、循環切替弁7は配管35側、循環遮断弁6が開状態、タンク連通弁18が閉状態、混合弁5が温度制御状態または最小開度状態とされる。また、ヒートポンプ2が運転し、貯湯切替弁13、14が配管21、22側に切り替わる。
【0072】
ヒートポンプ2が運転し、貯湯切替弁13、14が配管21、22側に切り替わることにより、図2中のIの矢印で示すように、ヒートポンプ2によって加熱されて高温となった湯が、貯湯切替弁14を経て配管22に導出される。配管22に導出された高温の湯は、三方弁15へと導かれて、配管23へと供給される。配管23に供給された高温の湯は、タンク連通弁18が閉状態であることから混合弁5へは向えず、配管25へと導かれる。
【0073】
配管25に導かれた高温の湯は、最上流側の給湯タンク3iの上方端から給湯タンク3i内へと導かれる。これによって、給湯タンク3i内に貯湯されていた湯が給湯タンク3i内の下方端から配管20を経て給湯タンク3hへと導かれる。同様にして、上流側の給湯タンク3からその下流側の給湯タンク3へと順番に湯が導かれることにより、最終的に最下流側の給湯タンク3aの下方端から配管21へと給湯タンク3a内に貯湯されていた高温ではない湯が導出される。配管21に導出された湯は、貯湯切替弁13を経てヒートポンプ2へと導かれて加熱される。
【0074】
一方、循環タンク4内に貯湯されていた湯は、循環遮断弁6が開状態とされてので、図2中のIIIの矢印で示すように、循環タンク4の上方端から配管32に導出されて配管23に合流する。配管23に合流した湯は、混合弁5に導かれて配管31へと導出される。
【0075】
配管31に導出された湯は、循環ポンプ17へと導かれて循環ポンプ17により昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流する。配管34に合流した湯は、一部が混合弁5へと導かれて、残りが循環切替弁7へと導かれる。
【0076】
ここで、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、循環切替弁7へと導かれた湯は、配管35へと導出される。配管35に導出された湯は、配管39および配管38を経て循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。ここで、配管43上に設けられているタンク連通弁18が閉状態であるため、配管43には湯が導かれない。
【0077】
循環タンク4の下方端から導かれた湯によって、循環タンク4内に貯湯されていた湯は、循環タンク4の上方端から配管32へと導出される。
このように図2中のIおよびIIIの矢印で示す流れを繰り返すことによって、循環運転と、給湯タンク3の加温が行われる。
【0078】
次に、循環運転と共に行われている給湯タンク3の加温を停止する(図8中の57)場合について説明する。最上流側の給湯タンク3iに設けられているサーミスターT9、或は、より第1上水供給配管40に近い位置に配置された給湯タンク3のサーミスタ−(図示せず)が高温を検知することによりヒートポンプ2の運転を停止する。なお、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、循環遮断弁6が開状態、タンク連通弁18が閉状態、混合弁5が温度制御状態または最小開度状態、貯湯切替弁13、14が配管21、22側とされる。これは、図8中の56と同様とされる。
【0079】
ヒートポンプ2の運転が停止することによって、高温の湯が給湯タンク3へと導かれなくなる。これにより、給湯タンク3の加温が停止する。
【0080】
一方、循環タンク4内に貯湯されていた湯は、循環遮断弁6が開状態とされるので、図2中のIIIの矢印で示すように、循環タンク4の上方端から配管32に導出されて配管23に合流する。配管23に合流した湯は、混合弁5に導かれて配管31へと導出される。
【0081】
配管31に導出された湯は、循環ポンプ17へと導かれて循環ポンプ17によって昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流する。配管34に合流した湯は、一部が混合弁5へと導かれて、残りが循環切替弁7へと導かれる。
【0082】
ここで、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、循環切替弁7へと導かれた湯は、配管35へと導出される。配管35に導出された湯は、配管39および配管38を経て循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。なお、ここで、配管43上に設けられているタンク連通弁18が閉状態であるため、配管43に湯は導かれない。
【0083】
循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれた湯によって、循環タンク4内に貯湯されていた湯は、循環タンク4の上方端から配管32へと導出される。
このようにして、給湯タンク3の加温を停止して、循環運転を行うことができる。
【0084】
次に、給湯装置1外に給湯する場合の流れについて説明する。
給湯を開始する際には、図8中の61に示すように、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、循環遮断弁6が開状態、タンク連通弁18が閉状態、混合弁5が温度制御状態とされる。この際、最上流側の給湯タンク3iおよび循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターT9、TC−Uが高温を検知している。
【0085】
給湯を開始することによって、図3中のVIの矢印で示すように、第1上水供給配管40から最下流側の給湯タンク3aの下方端に上水が供給される。第1上水供給配管40から最下流側の給湯タンク3a内に導かれた上水によって、給湯タンク3a内の上方端から給湯タンク3a内に貯湯されていた高温の湯が配管20を経てその上流側の給湯タンク3b(図示せず)へと導かれる。同様にして、下流側の給湯タンク3からその上流側の給湯タンク3へと順番に湯が導かれて、最上流側の給湯タンク3iに貯湯されていた高温の湯が、給湯タンク3iの上方端から配管25へと導出される。
【0086】
配管25に導出された高温の湯は、配管23に合流して、後述する図3中のVIIの矢印で示す湯と共に混合弁5へと導かれる。ここで、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、混合弁5には、配管23から導かれた湯と配管42からの湯とが供給されることとなる。
【0087】
給湯の際には、第2上水供給配管41から上水が配管39および配管35へと供給される。配管35に供給された上水は、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、図3中のVIIの矢印で示すように、混合弁5へと導かれる。
【0088】
また、配管39へと導かれた第2上水供給配管41からの上水は、配管38を経て循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。なお、配管38が合流している配管43上に設けられているタンク連通弁18は閉状態とされているので、配管43には上水が導かれない。
【0089】
循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれた上水によって循環タンク4内に貯湯されていた高温の湯は、循環タンク4の上方端から配管32へと導出される。ここで、配管32上に設けられている循環遮断弁6が開状態とされているので、配管32に導出された高温の湯は配管23に合流することとなる。このようにして混合弁5には、給湯タンク3iおよび循環タンク4から導かれた高温の湯と、配管34から導かれた上水が混合した湯とが導かれることとなる。
【0090】
混合弁5は、給湯口から給湯される設定温度に応じて、その開度が制御される、すなわち、配管34から混合弁5へと導かれた上水が混合している湯量が制御される。これによって、所定の湯温とされた湯は、混合弁5から配管31へと導出される。配管31に導出された所定の湯温の湯は、配管31に設けられている給湯口から給湯装置1外へと給湯されることとなる。
【0091】
次に、給湯中に、サーミスターT9が検知する最上流側の給湯タンク3iの湯は高温であるが、循環タンク4の上方部の湯が高温に達していないと循環タンク4の上部に設けられているサーミスターTC−Uが検知した場合(図8中の62)には、循環切替弁7が配管33側に切り替わり、循環遮断弁6が閉状態、タンク連通弁18が開状態、貯湯切替弁13、14が配管36、37側、循環タンク4の下部に設けられているサーミスタ−TC−Lが低温を検知しない間はヒートポンプ2が運転状態となる。なお、混合弁5は、温度制御状態である。
【0092】
貯湯切替弁13、14が配管36、37側に切り替わり、循環タンク4の下部に設けられているサーミスタ−TC−Lが低温を検知しない間ヒートポンプ2が運転することによって、図5中のIIの矢印で示すように、ヒートポンプ2によって加熱された高温の湯が貯湯切替弁14から配管37を経て循環タンク4の上方端に導かれる。循環タンク4に導かれた高温の湯は、循環タンク4の上方端から循環タンク4内へと導かれる。
【0093】
循環タンク4の上方端から高温の湯が循環タンク4内に導かれることによって、循環タンク4内に貯湯されていた高温ではない湯が循環タンク4の下方端から配管38へと導出される。配管38に導出された高温ではない湯は、配管36から貯湯切替弁13を経てヒートポンプ2へと導かれる。
【0094】
一方、第2上水供給配管41から配管35および配管39へと上水が導かれる。この際、循環切替弁7が配管33側に切り替わっているので、上水は、図5中のVIIIの矢印で示すように、配管39から配管38を経て循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。
【0095】
循環タンク4の下方端から循環タンク4内に上水が導かれることによって、循環タンク4内に貯湯されていた湯は、図5中のIXの矢印に示すように、循環タンク4の上方端から配管32へと導出される。ここで、配管32上に設けられている循環遮断弁6が閉状態であり、循環切替弁7が配管33側に切り替わっているため、配管32に導出された湯は、循環切替弁7を経て配管34に導出される。
【0096】
配管34に導出された湯は、配管42から導かれた湯と混合されて混合弁5へと導かれる。さらに、混合弁5には、図5のVIの矢印で示すように、給湯タンク3内に貯湯されていた高温の湯が配管23から導かれている。そのため、配管23からの高温の湯と、配管34によって導かれた上水が混合した湯とが混合弁5において混合されて、所定の湯温とされて配管31に導出される。配管31に導出された所定の湯温の湯は、配管31に設けられている給湯口から給湯装置1外へと給湯される。このようにして、給湯と共に、循環タンク4の加温が行われることとなる。
【0097】
以上の通り、本実施形態に係る給湯装置1によれば、以下の作用効果を奏する。
循環回路(循環路)9には、サーミスター(循環用温度検知手段)TC−U、TC−Lによって、循環タンク4の上方部(高温側)の湯を混合弁5または配管(高温湯配管)23に供給する循環切替弁7と、循環切替弁7の切り替えに連動して循環タンク4の上方部の湯を配管23に合流させる循環遮断弁6とを設けることとした。これにより、サーミスターTC−U、TC−Lが検知する循環タンク4内の湯温に応じて、循環タンク4の湯を、循環タンク4の上方部から配管33、循環切替弁7、配管34を経て混合弁5へ直接供給したり、循環タンク4の上方部から配管32、循環遮断弁6を経て配管23に合流させた後に混合弁5へと供給することができる。したがって、循環タンク4内の湯を使い切ることができる。
【0098】
循環タンク4の下方部(低温側)からの湯を循環回路9から供給回路8へと導く配管(低温水配管)43上には、タンク連通弁(連通弁)18を設けることとした。また、このタンク連通弁18は、循環切替弁7および循環遮断弁6に連動することとした。これにより、循環タンク4が満水になった場合であっても、循環タンク4の下方部から配管43へと循環タンク4からの戻り湯が合流することを防止して、戻り湯を循環回路9内に循環させることができる。したがって、給湯タンク3に循環タンク4の戻り湯が混入しないので給湯タンク3内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを防止することができる。
【0099】
タンク連通弁18として、循環切替弁7および循環遮断弁6と自動的に連動する自動弁を用いることとした。これにより、循環タンク4が満水になった場合であっても、給湯には給湯タンク3からの高温の湯が供給されて、循環タンク4からの戻り湯を循環回路9内に循環させて循環タンク4内に収容することができる。したがって、給湯タンク3内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを防止することができる。
【0100】
ヒートポンプ2によって加熱された高温の湯を循環回路9の循環タンク4、または、給湯タンク3のどちらか一方に供給するように切り替える貯湯切替弁(ヒートポンプ側切替弁)14をヒートポンプ2の吐出側の配管12に設けることとした。これにより、ヒートポンプ2によって加熱された高温の湯を循環回路9に導いて、循環タンク4を加温することができる。したがって、給湯する際に、所定温度の湯を即時に給湯することができる。
【0101】
なお、本実施形態では、三方弁15および配管24を含めて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、三方弁15および配管24が無いものとしてもよい。
【0102】
[第1実施形態の変形例1]
なお、本実施形態では、夜間運転の際に循環タンク4に貯湯することなく、循環運転(図8中の53参照)を行うものとして説明したが、変形例1として、循環運転と共に循環タンク4に貯湯することとしても良い。
【0103】
循環運転と共に循環タンク4に貯湯する場合(図8中の51)には、循環タンク4には既に上水が貯水されている。そのため、循環タンク4の下方部に設けられているサーミスターTC−Lが低温を検知することにより、循環切替弁7が配管33側に切り替わり、循環遮断弁6が閉状態となり、混合弁5が温度制御状態となり、タンク連通弁18が開状態となる。
【0104】
タンク連通弁18が開状態となり循環遮断弁6が閉状態となるため、循環タンク4内の低温の上水は、図6中のXの矢印で示すように、循環タンク4の下方端から配管38、43を経て、第1上水供給配管40に導かれる。第1上水供給配管40に導かれた低温の上水は、最下流側の給湯タンク3aの下方端から給湯タンク3a内に導かれる。
【0105】
最下流側の給湯タンク3a内に導かれた低温の上水によって、給湯タンク3a内の上方端から給湯タンク3a内に貯湯されていた高温の湯が配管20を経てその上流側の給湯タンク3b(図示せず)へと導かれ、同様に下流側の給湯タンク3からその上流側の給湯タンク3へと順番に導かれる。このようにして給湯タンク3に貯湯されていた高温の湯が、最上流側の給湯タンク3iの上方端から配管25へと導出される。配管25に導出された高温の湯は、配管23に合流して混合弁5へと導かれる。
【0106】
混合弁5では、循環回路9の配管34から導かれた高温ではない湯(或は水)と、配管23から導かれた高温の湯とが混合される。混合弁5によって混合された湯は、配管31を経て循環ポンプ17に導かれる。循環ポンプ17に導かれた湯は、循環ポンプ17によって昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流して、一部が混合弁5へと導かれ、残りが循環切替弁7へと導かれる。
【0107】
循環切替弁7に導かれた湯は、循環切替弁7が配管33側に切り替わっているので、配管33に導出されて循環タンク4の上方端から循環タンク4内に導かれる。このようにして、循環運転を行うと共に、循環タンク4内に中温の湯を貯湯することができる。
【0108】
図8中の51によって循環タンク4内の上方部から湯温が中温となっていき、循環タンク4内の下方部の湯温が低温ではなくなった場合(図8中の52)、すなわち、循環タンク4の下方部に設けられているサーミスターTC−Lが低温に達していない温度を検知し、循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターTC−Uが中温を検知した場合には、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、循環遮断弁6が開状態、タンク連通弁18が閉状態、ヒートポンプ2が運転状態となる。なお、混合弁5は温度制御状態とされている。
【0109】
タンク連通弁18が閉状態であり、循環遮断弁6が開状態となるため、循環タンク4内の中温の湯は、図2中のIIIの矢印で示すように、循環タンク4の上方端から配管32、循環遮断弁6を経て、配管23に合流する。配管23に合流した湯は、混合弁5に導かれる。
【0110】
混合弁5では、配管34から導かれた高温ではない湯(或は水)と、配管23から導かれた湯とが混合される。混合弁5によって混合された湯は、配管31を経て循環ポンプ17に導かれる。循環ポンプ17に導かれた湯は、循環ポンプ17によって昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流して、一部が混合弁5へと導かれ、残りが循環切替弁7へと導かれる。
【0111】
また、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、循環ポンプ17によって昇圧されて配管42から配管34に導かれた湯の一部は、配管35を経て配管29に導出される。配管39に導出された湯は、配管39を経て配管38に合流する。そのため、配管38に導かれた湯は、循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。
【0112】
また、ヒートポンプ2によって加熱された高温の湯は、貯湯切替弁14を経て配管37に導出される。配管37に導出された高温の湯は、図2中のIIの矢印で示すように、配管32に合流して循環タンク4の上方端から循環タンク4内に導かれる。
このように、循環運転を行うと共に、循環タンク4内に高温の湯を貯湯することができる。
【0113】
[第1実施形態の変形例2]
また、本実施形態の図8中の62の変形例として、変形例2のように、夜間貯湯運転時間より前で給湯運転が主となる時間帯には、循環タンク4に追加貯湯を行わないものとしても良い。
この場合(図8中の63)には、循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターTC−Uが高温でないことを検知することにより、図8中の62と同様に、循環切替弁7が配管33側に切り替わり、循環遮断弁6が閉状態となり、混合弁5が温度制御状態となり、タンク連通弁18が開状態となる。但し、図8中の62の場合と異なり、ヒートポンプ2が運転を停止する。
【0114】
ヒートポンプ2の運転が停止するので、図5中のIIの矢印で示すように、ヒートポンプ2から配管37を介して循環タンク4に高温の湯が供給されない。したがって、循環タンク4に追加貯湯が行われないこととなる。
【0115】
なお、循環タンク4に追加貯湯が行われないこと以外は、図8中の62の場合に説明した図5中のVIIIおよびIXの矢印で示した流れと同じである。
このようにして、所定の湯温の湯が配管31に設けられている給湯口から給湯装置1外へと給湯されるが、循環タンク4には追加貯湯が行われないこととなる。
【0116】
[第1実施形態の変形例3]
さらに、変形例3として、配管23上にフローメータ16を設けて、図8中の61に示した給湯開始の際に循環遮断弁6の開閉状態を制御しても良い。
フローメータ16が湯の流れを検知してスイッチがオン状態になった場合(図8中の64)には、図8中の61と同様に、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、タンク連通弁18が閉状態、混合弁5が温度制御状態とされる。この際、最上流側の給湯タンク3iおよび循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターT9、TC−Uが高温を検知している。なお、図8中の61の場合と異なり、循環遮断弁6が閉状態となる。
【0117】
フローメータ16は、給湯タンク3に接続されている配管25が合流している下流側と、配管32が合流している上流側との間の配管23上に設けられている。
【0118】
図8中の61に説明した場合と同様に、図3中のVIの矢印で示すように、給湯を開始して給湯タンク3から高温の湯が配管25を経て配管23へと導かれることによって、フローメータ16のスイッチがオン状態になる。
【0119】
フローメータ16のスイッチがオン状態になることによって、循環遮断弁6が閉状態になる。そのため、循環タンク4からの高温の湯は、配管32に導出されない。すなわち、配管32を経て配管23に循環タンク4内の高温の湯が合流しない。
なお、循環タンク4の高温の湯が配管23に合流しないこと以外は、図8中の61の場合に説明した図3中のVIおよびVIIの矢印で示す流れと同じである。
【0120】
また、湯が流れなくなったことを検知してフローメータ16のスイッチがオフ状態になった場合(図8中の65)には、図8中の61と同様に、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、タンク連通弁18が閉状態、循環遮断弁6が開状態、混合弁5が温度制御状態とされる。この際、最上流側の給湯タンク3iおよび循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターT9、TC−Uは高温を検知する。なお、図8中の64の場合と異なり、循環遮断弁6が開状態となる。
【0121】
配管23を通過する湯がフローメータ16により検知されなくなることにより、フローメータ16のスイッチがオフ状態になる。フローメータ16のスイッチがオフ状態になることによって、循環遮断弁6が開状態になる。そのため、循環タンク4からの高温の湯は、配管32を経て配管23に合流する。
【0122】
なお、上述した図7中の1、図7中の2、図7中の4および図8中の51から図8中の65の各運転は、図11に示すフローチャートのように、各々を組み合わせて用いても良い。
【0123】
[第2実施形態]
本実施形態の給湯装置は、タンク連通弁が手動であり常時閉状態とされている点で、第1実施形態と相違し、その他は同様である。したがって、同一の構成、湯および上水の流れについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
ここで、配管(低温水配管)43上に設けられているタンク連通弁(連通弁)18は、手動とされており、常時閉状態となっている。
【0124】
夜間貯湯の際の流れは、第1実施形態で説明した図7中の1、図7中の2および図7中の4について同様であるが、夜間貯湯の際に循環タンク4に貯湯を行う点が異なっている。
ここで、夜間運転を行って循環タンク4に貯湯を行う場合(図7中の3)の流れについて説明する。
循環タンク4内の湯温が高温に達していないと循環タンク4の下方部に設けられているサーミスターTC−Lが検知した場合には、貯湯切替弁(ヒートポンプ側切替弁)13、14が配管36、37側に切り替わり、ヒートポンプ2が運転状態となり、混合弁5は、最小開度状態となる。
【0125】
ヒートポンプ2が運転することによって高温の湯は、図2中のIIの矢印に示すように、貯湯切替弁14を経て配管37に導出される。配管37に導出された高温の湯は、循環タンク4の上方端から循環タンク4内へと導かれる。
【0126】
循環タンク4の上方端から循環タンク4内に導かれた高温の湯によって、循環タンク4内に貯湯されていた高温ではない湯が循環タンク4の下方端から配管38へと導出されて、貯湯切替弁13を経てヒートポンプ2へと導かれる。これを繰り返すことによって、循環タンク4の貯湯が行われる。
【0127】
次に、上記のように夜間運転によって給湯タンク3および循環タンク4を貯湯した後に給湯装置1の循環回路9に湯を循環させる循環運転(図9中の13)について説明する。この場合には、第1実施形態で説明した図8中の53および図2と同様に循環運転が行われる。
【0128】
次に、循環運転の際に循環タンク4内の湯を高温に昇温する(循環タンク4の加温)場合(図9中の14)について説明する。
循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターTC−Uが中温に低下したことを検知した場合、貯湯切替弁13、14が配管36、37側に切り替わり、循環切替弁7が配管33側に切り替わり、循環遮断弁6が閉状態、(タンク連通弁18は閉状態で固定)、混合弁5が最小開度状態となり、ヒートポンプ2が運転状態となる。各弁5、6、7、13、14、(弁18)およびヒートポンプ2の動作状態がサーミスターTC−Uが中温を検知することによって変わる以外は、第1実施形態で説明した図8中の54および図4と同様とされて、循環運転と共に循環タンク4の加温が行われる。
【0129】
次に、循環運転と共に行われている循環タンク4の加温を停止する場合(図9中の15)について説明する。この場合は、第1実施形態で説明した図8中の55および図2と同様、循環運転と共に行われていた循環タンク4の加温を終了する。
【0130】
次に図9中の13の循環運転の際に最下流側の給湯タンク3aの湯が高温に達していないと最下流側の給湯タンク3aに設けられているサーミスターT1が検知した場合(図9中の16)、および、図9中の16により加温された最上流側の給湯タンク3i内の湯が高温であるとサーミスターT9が検知した場合(図9中の17)であるが、これらも第1実施形態で説明した図8中の56、57、図2と同様とされる。
【0131】
次に、給湯装置1外に給湯する場合の流れについて説明する。
給湯を開始する際(図9中の21)も、第1実施形態で説明した図8中の61および図3と同様に給湯が行われる。
【0132】
次に給湯中に、サーミスターT9が検知する最上流側の給湯タンク3iの湯は高温であるが、循環タンク4内の上方部の湯が高温に達していないと循環タンク4に設けられているサーミスターTC−Uが検知した場合(図9中の22)には、循環切替弁7が配管33側に切り替わり、循環遮断弁6が閉状態、タンク連通弁18が閉状態、ヒートポンプ2が運転状態、貯湯切替弁13、14が配管36、37側に切り替わり、混合弁5が温度制御状態とされる。なお、タンク連通弁18が閉状態である以外、各弁5、6、7、13、14およびヒートポンプ2の作動状態は、第1実施形態で説明した図8中の62と同様である。
【0133】
湯の流れについても、第1実施形態で説明した図5とほぼ同様であるが、本実施形態では、タンク連通弁18が閉状態で固定となっているため、循環タンク4の下方端から配管38へと導出した高温ではない湯は配管43へと導かれず、配管38に合流している配管36から貯湯切替弁13を経てヒートポンプ2へと導かれる点が異なっている。このため、循環タンク4内に貯湯されていた高温に達していない湯は、給湯タンク3に混入することなくヒートポンプ2へと導かれ加熱されることとなる。したがって、給湯タンク3内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを防止することができる。
【0134】
以上の通り、本実施形態に係る給湯装置1によれば、以下の作用効果を奏する。
タンク連通弁(連通弁)18として、常時閉状態の手動弁を用いることとした。これにより、給湯タンク3からは高温の湯のみが給湯され、循環タンク4は循環回路(循環路)9を循環する戻り湯の貯湯に専念させることができる。
【0135】
[第2実施形態の変形例1]
なお、本実施形態においても第1実施形態の場合と同様に、変形例1として、夜間貯湯運転直前に循環タンク4に追加貯湯を行わないものとしても良い。
この場合(図9中の23)は、第1実施形態で説明した図8中の63と同様である。すなわち、図9中の22の状態からヒートポンプ2の運転を停止する。それ以下の各弁5、6、7、13、14、18の動作状態、サーミスターTC−U、T9の検知状態は、図9中の22と同様である。また、タンク連通弁18が閉状態となっている点以外は、第1実施形態で説明した図8中の63および図5と同様である。
【0136】
[第2実施形態の変形例2]
また、第1実施形態の場合と同様に、変形例2として、配管23上にフローメータ16を設けて、図9中の21に示した給湯開始の際に循環遮断弁6の開閉状態を制御しても良い。
この場合(図9中の24および図9中の25)は、第1実施形態で説明した図8中の64、図8中の65および図3と同様である。
【0137】
なお、上述した図7中の1から図7中の4および図9中の13から図9中の25の各運転は、図12に示すフローチャートのように、各々を組み合わせて用いても良い。
【0138】
[第3実施形態]
本実施形態の給湯装置は、タンク連通弁が手動であり常時微開状態とされている点で、第1実施形態と相違し、その他は同様である。したがって、同一の構成、湯および上水の流れについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
ここで、配管(低温水配管)43上に設けられているタンク連通弁(連通弁)18は、手動とされており、常時微開状態とされている。
【0139】
なお、微開状態とは、循環タンク4内に貯湯されることなく、循環タンク4内に上水(水)が貯水されている状態で循環運転が開始した場合であっても、循環運転と共に循環タンク4内の上水を湯にして貯湯することが可能な程度に循環タンク4内に貯水された上水を給湯タンク3に導く開度をいう。
【0140】
循環運転(図10中の31〜図10中の37)は、第1実施形態で説明した図8中の51〜図8中の57と基本的に同様であるが、タンク連通弁18が微開状態である点が異なっている。
ここでは、ヒートポンプ2の運転と組み合わせることにより、タンク連通弁18が微開状態であっても、接続する配管における圧力損失の関係により、配管38に導出された湯が給湯タンク3に混入することを抑制することができる。
【0141】
このように、本実施形態の場合には、第1実施形態とほぼ同様の運転が可能となる。そのため、タンク連通弁18が閉状態である第2実施形態と微開状態である本実施形態とは同一部品から構成され、季節毎に或は当該時期の予想運転状況により切換えて用いることができる。
【0142】
以上の通り、本実施形態に係る給湯装置1によれば、以下の作用効果を奏する。
タンク連通弁(連通弁)18として、常時微開状態の手動弁を用いることとした。これにより、循環タンク4が満水になった場合であっても、循環タンク4は循環回路(循環路)9を循環する戻り湯の貯湯に専念させることができる。したがって、給湯タンク3内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを抑制することができる。
【0143】
[第3実施形態の変形例1]
なお、本実施形態においても第1実施形態の場合と同様に、変形例1として、夜間貯湯運転直前には循環タンク4に追加貯湯を行わないものとしても良い(図10中の43)。
【0144】
[第3実施形態の変形例2]
さらに、変形例2として第1実施形態の場合と同様に、配管23上にフローメータ16を設けて、図10中の41に示した給湯開始の際に循環遮断弁6の開閉状態を制御しても良い(図10中の44および図10中の45)。
【0145】
上述した図7中の1、図7中の2、図7中の4および図10中の31から図10中の45の各運転は、図13に示すフローチャートのように、各々を組み合わせて用いても良い。
【符号の説明】
【0146】
1 給湯装置
2 ヒートポンプ
3 給湯タンク
4 循環タンク
5 混合弁
7 循環路遮断弁
8 循環路切替弁
9 循環路(循環回路)
23 高温湯配管(配管)
TC−L、TC−U 循環用温度検知手段(サーミスター)
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置およびその制御方法、特に、循環路を備える給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、給湯装置の給湯口から暖かい湯をすぐ給湯することを可能とする循環加温機能や、暖かい湯の即時給湯に伴い、給湯用のタンクを高温状態に維持するために循環用のタンクが設けられている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
【0003】
特許文献1には、給湯の際に循環タンク内に貯湯されている湯を使い切ることが開示されている。
特許文献2には、循環タンクと循環加温回路とを設けることによって、温度の低い湯である循環タンクからの戻り湯の給湯タンク内への混入を防止することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−157471号公報
【特許文献2】特開2007−298226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、特許文献1に開示されている発明は、循環運転が長引くことによって戻り湯によって循環タンクがオーバーフローした際に、循環タンクからの戻り湯が給湯タンクに混入してしまう。ここで、給湯タンクは、上層に高温の湯が貯湯されており、下層に水が貯水される2層の温度勾配を有している。このような給湯タンク内に循環タンクからの温度の低い湯である戻り湯が混入した場合には、給湯タンク内の温度勾配層が乱されて給湯に影響するという問題があった。
【0006】
特許文献2に開示されている発明は、循環タンクからの戻り湯が給湯タンクに混入するリスクはないが、給湯することによって給湯タンクに貯湯されていた高温の湯を使い切った後であっても、循環タンク内に循環加温回路を循環させるための湯が貯湯されたままとなっている。この循環タンク内の湯を使い切れないという点で特許文献1の場合に比べてCOP(Coefficient Of Performance:成績係数、動作係数)が低下してしまい、給湯装置全体の効率が低くなるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、循環タンク内の湯を無駄なく使用することができ、循環タンクからの戻り湯が給湯タンクに混入することを極力防止することが可能な給湯装置およびこの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の給湯装置およびこの制御方法は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る給湯装置によれば、ヒートポンプと、該ヒートポンプによって加熱された高温の湯が貯湯される複数の給湯タンクと、複数の該給湯タンクに接続している高温湯配管を有して前記ヒートポンプに接続している循環路と、該循環路から導かれる湯と前記高温湯配管から導かれる高温の湯とを混合して前記循環路に導出する混合弁と、を備え、前記循環路は、循環タンクと、該循環タンク内の湯温を検知する循環用温度検知手段と、該循環用温度検知手段によって、前記循環タンクの高温側の湯を前記混合弁または前記高温湯配管に供給する循環路切替弁と、該循環路切替弁の切り替えに連動して、前記循環タンクの高温側の湯を前記高温湯配管に合流させる循環路遮断弁と、を有することを特徴とする。
【0009】
従来、循環タンク内の湯は混合弁の高温側、或は低温側にのみ供給されていた。そのため、混合弁で高温湯配管からの高温の湯と循環タンクからの湯とが混合された湯は、高温湯配管内の湯温より低い湯温とされて循環路を循環することとなり、循環タンクには、ヒートポンプによって加熱された高温の湯よりも低温の湯が常時貯湯されることとなっていた。
【0010】
そこで、循環路には、循環用温度検知手段によって、循環タンクの高温側の湯を混合弁低温側または高温湯配管に供給する循環路切替弁と、循環路切替弁の切り替えに連動して循環タンクの高温側の湯を高温湯配管に合流する循環路遮断弁とを設けることとした。これにより、循環用温度検知手段が検知する循環タンク内の湯温に応じて、循環タンクの高温側から混合弁低温側へ直接、または、循環タンクの高温側から高温湯配管を経て混合弁高温側へと循環タンクの湯を供給することができる。したがって、循環タンク内の湯を無駄なく使用することができる。
【0011】
さらに、本発明に係る給湯装置によれば、前記循環路は、複数の前記給湯タンクに接続している低温水配管を有して前記ヒートポンプに接続しており、前記低温水配管には、前記循環路切替弁および前記循環路遮断弁に連動して、前記循環路の前記循環タンクの低温側の湯を供給する連通弁を設けることを特徴とする。
【0012】
循環路が複数の給湯タンクに接続している低温水配管を有してヒートポンプに接続しており、低温水配管には、循環タンクの低温側からの湯を、循環路切替弁および循環路遮断弁に連動して、低温水配管に供給する連通弁を設けることとした。これにより、循環タンクが湯で満タンになった場合であっても、循環タンクの低温側から低温水配管に戻り湯が合流することを防止して、戻り湯を循環路内に循環させることができる。したがって、給湯タンクに戻り湯が混入しないので給湯タンク内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを防止することができる。
【0013】
さらに、本発明に係る給湯装置によれば、前記連通弁は、前記循環路切替弁および前記循環路遮断弁と連動する自動弁であることを特徴とする。
【0014】
連通弁として、循環路切替弁および循環路遮断弁と自動的に連動する自動弁を用いることとした。これにより、循環タンクが戻り湯で満タンになった場合であっても、給湯タンクからは高温の湯が給湯されて、循環タンク内の戻り湯は循環タンク内に収容することができる。したがって、給湯タンク内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを防止することができる。
【0015】
さらに、本発明に係る給湯装置によれば、前記連通弁は、手動弁であり、常時閉状態であることを特徴とする。
【0016】
連通弁として、常時閉状態の手動弁を用いることとした。これにより、給湯タンクからは高温の湯のみが給湯され、循環タンクは循環を循環する戻り湯の貯湯に専念させることができる。したがって、給湯タンク内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを防止することができる。
【0017】
さらに、本発明に係る給湯装置によれば、前記連通弁は、手動弁であり、常時微開状態であることを特徴とする。
【0018】
連通弁として、常時微開状態の手動弁を用いることとした。これにより、循環タンクが満水になった場合であっても、給湯タンクから高温の湯が給湯されて、循環タンク内の戻り湯を循環タンク内に収容することができる。したがって、給湯タンク内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを抑制することができる。
なお、微開状態とは、循環タンク内に貯湯されることなく循環運転が開始した場合であっても、循環運転と共に循環タンク内の水を湯に貯湯することが可能な程度に循環タンク内に貯水されていた水を給湯タンクに導くことができる開度をいう。
【0019】
さらに、本発明に係る給湯装置によれば、前記ヒートポンプの吐出側には、該ヒートポンプによって加熱された高温の湯を前記循環路または前記給湯タンクのどちらか一方に切り替えるヒートポンプ側切替弁を設けることを特徴とする。
【0020】
ヒートポンプによって加熱された高温の湯を循環路または給湯タンクのどちらか一方に切り替えるヒートポンプ側切替弁をヒートポンプの吐出側に設けることとした。これにより、ヒートポンプによって加熱された高温の湯を循環路に導いて、循環タンクを加温することができる。したがって、給湯する際に、所定温度の湯を即時給湯することができる。
【0021】
さらに、本発明に係る給湯装置の制御方法によれば、ヒートポンプと、該ヒートポンプよって加熱された高温の湯が貯湯される複数の給湯タンクと、複数の該給湯タンクに接続される高温湯配管を有して前記ヒートポンプに接続される循環路と、該循環路から導かれる湯と前記高温湯配管から導かれる高温の湯とを混合して前記循環路に導出する混合弁と、を備え、前記循環路は、循環タンクと、該循環タンク内の湯温を検知する循環用温度検知手段と、該循環用温度検知手段によって、前記循環タンクの高温側の湯を前記混合弁低温側または前記高温湯配管に供給する循環路切替弁と、該循環路切替弁の切り替えに連動して、前記循環タンクの高温側の湯を前記高温湯配管に合流させることを制御する循環路遮断弁と、を有する給湯装置の制御方法であって、前記循環用温度検知手段が前記循環タンク内の湯温が所定温度以下であると検知した場合には、前記循環路切替弁を前記循環タンクの高温側に切り替えると共に、前記循環路遮断弁を閉状態にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
循環路には、循環用温度検知手段によって、循環タンクの高温側の湯を混合弁低温側または高温湯配管に供給する循環路切替弁と、循環路切替弁の切り替えに連動して循環タンクの高温側の湯を高温湯配管に合流する循環路遮断弁とを設けることとした。これにより、循環用温度検知手段が検知する循環タンク内の湯温に応じて、循環タンクの高温側から混合弁低温側へ直接、または、循環タンクの高温側から高温湯配管を経て混合弁高温側へと循環タンクの湯を供給することができる。したがって、循環タンク内の湯を無駄なく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の給湯装置の概略構成図である。
【図2】本発明の給湯装置に係る湯および上水の流れを示す概略図である。
【図3】本発明の給湯装置に係る湯および上水の流れを示す概略図である。
【図4】本発明の給湯装置に係る湯および上水の流れを示す概略図である。
【図5】本発明の給湯装置に係る湯および上水の流れを示す概略図である。
【図6】本発明の給湯装置に係る湯および上水の流れを示す概略図である。
【図7】本発明の給湯装置に係る夜間貯湯運転の際に、給湯装置に設けられている弁およびヒートポンプの動作パターンを示す図表である。
【図8】第1実施形態に係る給湯装置に設けられている弁およびヒートポンプの動作パターンを示す図表である。
【図9】第2実施形態に係る給湯装置に設けられている弁およびヒートポンプの動作パターンを示す図表である。
【図10】第3実施形態に係る給湯装置に設けられている弁およびヒートポンプの動作パターンを示す図表である。
【図11】図8に示した運転状態の流れを示すフローチャートである。
【図12】図9に示した運転状態の流れを示すフローチャートである。
【図13】図10に示した運転状態の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
図1には、本発明の給湯装置の概略構成図が示されており、図2〜図6には、本発明の給湯装置に係る湯および上水の流れが示されている。
給湯装置1は、複数(例えば、9つ)の給湯タンク3と、循環タンク4と、CO2ヒートポンプ(以下、「ピートポンプ」という。)2と、混合弁5と、循環遮断弁6と、循環切替弁7と、給湯回路8と、循環回路(循環路)9とを備えている。
【0025】
給湯タンク3は、竪型の円筒状とされている。給湯タンク3は、ヒートポンプ2によって加熱されて高温となった湯を貯湯するものである。給湯タンク3は、複数、例えば9槽3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h、3i(図1には、最下流側の給湯タンク3aと最上流側の給湯タンク3iだけを示す)設けられている。各給湯タンク3間は、配管20によって直列に連結されている。
【0026】
最下流側の給湯タンク3aには、その下方部にサーミスターT1が設けられており、最上流側の給湯タンク3iには、その上方部にサーミスターT9が設けられている。これにより、最下流側の給湯タンク3a内の下方部に貯湯されている湯温または最上流側の給湯タンク3i内の上方部に貯湯されている湯温を検知している。
【0027】
循環タンク4は、後述する配管32または配管38から導かれた湯または上水(水)を貯湯するものである。循環タンク4は、給湯タンク3と同形、同構造とされて1槽程度が設けられている。
【0028】
循環タンク4の上方部には、サーミスター(循環用温度検知手段)TC−Uが、また下方部にはサーミスター(循環用温度検知手段)TC−Lが設けられている。これにより、循環タンク4内の上方部および下方部に貯湯されている湯温を各々検知している。
【0029】
ヒートポンプ2は、冷媒としてCO2を用いており、ヒートポンプ2に導かれた低温の湯または上水を加熱して高温の湯として導出するものである。ヒートポンプ2の上流側には、配管11が接続されており上水または低温の湯をヒートポンプ2に供給している。ヒートポンプ2の下流側には、ヒートポンプ2によって加熱されて例えば90℃の高温になった湯が導かれる配管12が接続されている。
【0030】
混合弁5は、給湯回路8の配管(高温水側配管)23から導かれた高温の湯と、循環回路9から導かれた低温の湯とを混合して所定の湯温に調整するものである。混合弁5によって所定の湯温に調整された湯は、循環回路9を構成している配管31へと導出される。
【0031】
循環遮断弁6は、循環タンク4に設けられているサーミスターTC−U、TC−Lが検知する温度によって、励磁されて開閉する電磁弁である。この循環遮断弁6の開閉動作は、後述する循環切替弁7の切り替え動作と連動している。循環遮断弁6は、循環タンク4の上方端と給湯回路8の配管23との間を接続している配管32上に設けられている。
【0032】
循環切替弁7は、三方弁である。循環切替弁7には、後述する配管33と配管34と配管35とが接続している。循環切替弁7は、前述したように、循環タンク4に設けられているサーミスターTC−U、TC−Lが検知する温度によって、循環遮断弁6の開閉動作と連動して切り替えが行われる。
【0033】
ヒートポンプ2の上流に設けられている配管11は、第1貯湯切替弁13に接続されている。第1貯湯切替弁13は、3方弁であり、他の2方には、循環タンク4からの低温の湯をヒートポンプ2に導く配管36と、給湯回路8からの上水または温度の低い湯をヒートポンプ2に導く配管21とが接続されている。
【0034】
ヒートポンプ2の下流に設けられている配管12は、第2貯湯切替弁(ヒートポンプ側切替弁)14に接続されている。第2貯湯切替弁14は、3方弁であり、その他の2方には、ヒートポンプ2により加熱された高温の湯を循環タンク4に供給する配管37と、加熱された高温の湯を給湯回路8に供給する配管22とが接続されている。
【0035】
給湯回路8は、配管22が接続されている切替弁15と、三方弁である切替弁15に接続されている配管23および配管24と、複数の給湯タンク3と、最上流側の給湯タンク3iと配管23との間を接続している配管25とを備えている。
【0036】
三方弁である切替弁15は、切り替わることによって配管22から導かれた高温の湯を配管23または配管24へと導く。通常、切替弁15は、配管23側に切り替えられている。配管23は、切替弁15と混合弁5との間を接続している。
【0037】
配管23には、最上流側の給湯タンク3iの上方端との間を接続している配管25が合流している。さらに、配管23には、配管25が合流している下流側であって混合弁5との間に、循環回路9の配管32が合流している。
【0038】
配管24は、切替弁15と最下流側の給湯タンク3aの下方端との間を接続している。また、最下流側の給湯タンク3aの下方端には、第1貯湯切替弁13との間を接続している配管21と、第1上水供給配管40とが接続されている。
【0039】
循環回路9は、混合弁5から温度の調整された湯が導出される配管31と、配管31から導かれた湯を昇圧する循環ポンプ17と、循環ポンプ17によって昇圧された湯が導出される配管42と、配管42が途中位置に合流している配管34と、循環タンク4と、循環タンク4の上方端と給湯回路8の配管23との間を接続している配管32と、配管32上に設けられている循環遮断弁6と、循環タンク4の下方端に接続されている配管38と、一端に混合弁5を有している配管34が接続されている循環切替弁7と、循環切替弁7と配管32との間を接続している配管33と、三方弁である循環切替弁7の残りの一端に接続されている配管35とを備えている。
【0040】
配管31には、混合弁5を通過して所定湯温とされた湯を外部に給湯する給湯口(図示せず)が設けられている。給湯口から給湯装置1の外部に給湯されなかった配管31中の残りの湯は、循環ポンプ17へと導かれる。
【0041】
循環ポンプ17の下流側には、配管42が接続されており、循環ポンプ17によって昇圧された湯が導出される。ここで、循環ポンプ17によって昇圧された湯は、循環回路9を循環して循環回路9の温度低下を防止している。
【0042】
循環ポンプ17によって昇圧された湯が導出される配管42は、配管34に合流している。配管34は、その一端が混合弁5に接続されており、他端が循環切替弁7に接続されている。
【0043】
配管32は、循環タンク4の上方端と給湯回路8の配管23との間を接続している。また、配管32には、その途中位置に循環遮断弁6が設けられている。循環遮断弁6の上流側の配管32には、ヒートポンプ2からの高温の湯を導く配管37が合流している。さらに、配管37が合流する合流点よりも上流側の配管32には、循環切替弁7との間を接続している配管33が合流している。
【0044】
循環切替弁7には、配管33と、混合弁5との間を接続している配管34と、配管35とが接続されている。配管35の他端には、第2上水供給配管41と配管39とが合流して接続されている。配管35および第2上水供給配管41に合流している配管39は、循環タンク4の下方端に接続している配管38に合流している。
【0045】
循環タンク4の下方端に接続されている配管38には、配管39と、ヒートポンプ2に接続されている配管36と、配管(低温水配管)43とが合流して接続されている。
【0046】
配管43は、循環回路9と給湯回路8とを接続している。配管43は、最下流側の給湯タンク3aの下方端に接続されている第1上水供給回路40に合流しており、その途中位置にタンク連通弁18が設けられている。タンク連通弁18は、自動連通弁であり、循環切替弁7および循環遮断弁6に連動して開度が制御される。このように、タンク連通弁18の開度が循環切替弁7および循環遮断弁6に連動して制御されることによって、配管38または配管39からの湯が配管43を経て第1上水供給配管40へと供給される。
【0047】
次に図1に示した構成の給湯装置1を流れる湯および上水の流れと、各弁およびヒートポンプの動作状況について図2から図8を用いて説明する。
図2から図6には、給湯装置1を流れる湯および上水の流れが示されており、図7および図8には、各弁およびヒートポンプの動作パターンが示されている。
ここで図7および図8の図表中に示す貯湯切替弁13、14の給湯側とは、図2から図6おける給湯回路8側の配管21、22側に貯湯切替弁13、14を切り替えることを意味し、循環側とは、循環回路9側の配管36、37側に貯湯切替弁13、14を切り替えることを意味する。また、循環切替弁7の循環側とは、配管33側に切り替えることを意味し、循環切替弁7の上水側とは、配管35側に切り替えることを意味する。また、図7の○印は、切替側を示し、×印は、非切替側を示す。さらに、−印は、変化がない状態または無検知であることを示す。
【0048】
図7の給湯タンク3および循環タンク4に示されている高温とは、設定温度(約65℃〜90℃)から15℃を引いた温度以上であり、およそ50℃〜75℃以下とされている。また、中温とは、設定温度から20℃を引いた温度以上であり、およそ45℃〜70℃以下とされ、かつ、後述する低温よりも高い温度とされている。さらに、低温とは、水温(第1上水供給配管40または第2上水供給配管41から供給される上水の温度)に20℃を加算した温度以下を示している。ここで、設定温度はさらに、給湯タンク3と循環タンク4とでは別々の設定となっており、給湯タンク3では、例えば給湯温度である90℃とされ、循環タンク4では、例えば65℃とされている。
【0049】
まず、夜間時における貯湯の流れについ説明する。
本実施形態の給湯装置1を夜間運転して貯湯のみを行う場合(図7中の1)には、ヒートポンプ2を起動し、貯湯切替弁13、14を給湯回路8側、すなわち配管21、22側に切り替える。また、混合弁5は、その開度を最小開度状態とする。
【0050】
ここで、混合弁5の開度が最小開度状態とは、給湯口から給湯される湯温が高温になりすぎてやけどすることを防止することが可能な程度に混合弁5に循環回路9からの低温の湯を混合できる開度を意味する。
【0051】
次に、夜間運転の際に給湯タンク3に貯湯を行う場合(図7中の2)について説明する。
給水配管に最も近い給湯タンク3a内の湯温が高温に達していない(図7中の2において×高温で示している)と給湯タンク3aに設けられているサーミスターT1が検知した場合には、貯湯切替弁13、14を配管21、22側に切り替え、混合弁5を最小開度状態として、ヒートポンプ2の運転を行う。
【0052】
ヒートポンプ2の運転によって高温となった湯は、図2中のIの矢印に示すように、貯湯切替弁14を経て配管22に導出される。配管22に導出された高温の湯は、三方弁15へと導かれて、配管23へと供給される。貯湯運転時には配管23に供給された高温の湯は、配管25へと導かれる。
【0053】
配管25に導かれた高温の湯は、最上流側の給湯タンク3iの上方端から給湯タンク3i内へと導かれる。これによって、給湯タンク3i内に貯湯されていた温度の低下した湯(高温ではない湯)が給湯タンク3i内の下方端から配管20を経て給湯タンク3h(図示せず)へと導かれる。同様にして、各給湯タンク3内の湯が上流側の給湯タンク3からその下流側の給湯タンク3へと順番に導かれて、最終的に最下流側の給湯タンク3aの下方端から湯が配管21へと導出される。
【0054】
配管21に導出された湯は、貯湯切替弁13を経てヒートポンプ2へと導かれて加熱される。これを繰り返すことによって、給湯回路8の給湯タンク3には、高温の湯が貯湯されることとなる。
【0055】
高温湯貯湯の進展に伴い、最上流側の給湯タンク3iの上方部に設けられているサーミスターT9から給湯タンク3aの下方部に設けられているサーミスターT1までが各々高温状態を検知した場合には、貯湯切替弁13、14が配管36、37側に切り替わり、循環タンク4への貯湯(図7中の3)に切換える。
【0056】
引続き循環タンク4への高温湯貯湯の進展に伴い、循環タンク4の上方部および下方部に設置されているサーミスターTC−UとサーミスターTC−Lとが順次高温状態を検知していき、サーミスターTC−Lの高温検知に伴い、貯湯切替弁13、14を配管21、22側に切換えヒートポンプ2が運転を停止する(図7中の4)。このようにして、夜間貯湯運転が停止する。
【0057】
次に、上記のように夜間運転によって給湯タンク3に貯湯した後に給湯装置1の循環回路9に湯を循環させる循環運転(図8中の53)について説明する。この際には、循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターTC−Uが高温を検知することにより、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、循環遮断弁6が開状態となり、タンク連通弁18が閉状態になり、混合弁5が温度制御状態となる。
【0058】
循環遮断弁6が開状態となるので、図2中のIIIの矢印で示すように、循環タンク4の上方端から循環タンク4内の高温の湯が配管32に導出されて配管23に合流する。配管23に合流した高温の湯は、配管32から導かれた湯と混合弁5において混合されて配管31へと導出される。
【0059】
配管31に導出された湯は、循環ポンプ17へと導かれて循環ポンプ17によって昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流する。配管34に合流した湯は、一部が混合弁5へと導かれて、残りが循環切替弁7へと導かれる。
【0060】
ここで、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、循環切替弁7に導かれた湯は、配管35へと導出される。配管35に導出された湯は、配管39および配管38を経て、循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。なお、ここで、配管43上に設けられているタンク連通弁18が閉状態であるため、配管43には湯が導かれない。
【0061】
循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれた湯によって、循環タンク4内に貯湯されていた湯が循環タンク4の上方端から配管32へと導出される。これを繰り返すことによって、循環運転が行われる。
【0062】
次に、循環運転の際に循環タンク4内の湯を高温にする(循環タンク4の加温)流れについて説明する。
循環タンク4内の上方部の湯温が高温から低下したとサーミスターTC−Uが検知した場合(図8中の54)について説明する。この際には、循環切替弁7が配管33側に切り替わり、循環遮断弁6が閉状態となる。また、タンク連通弁18が閉状態となり、混合弁5が最小開度状態となる。さらに、ヒートポンプ2が運転状態となって、貯湯切替弁13、14が配管36、37側に切り替わる。
【0063】
混合弁5には、循環回路9の配管42から湯が導かれて、図4中のIVの矢印で示すように、配管31に導出される。配管31に導出された湯は、循環ポンプ17へと導かれて循環ポンプ17によって昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流する。配管34に合流した湯は、循環遮断弁6およびタンク連通弁18が閉状態、及び循環切替弁13、14が循環タンク4側に切り替っていることから、ほとんどが混合弁5へと導かれる。
【0064】
また、ヒートポンプ2によって加熱された高温の湯が、貯湯切替弁14を経て配管37に導出される。配管37に導出された高温の湯は、図4中のIIの矢印で示すように、配管32に合流して循環タンク4の上方端から循環タンク4内に導かれる。
【0065】
循環タンク4の上方端から導かれた図4中のIIの矢印で示す高温の湯と、図4中のIVの矢印で示す湯によって、循環タンク4内に貯湯されていた湯が循環タンク4の下方端から配管38へと導出される。ここで、配管38に合流している配管43に設けられているタンク連通弁18が閉状態であるため、配管38に導出された湯は、配管36を経てヒートポンプ2へと導かれる。このようにして、循環運転と共に循環タンク4の加温が行われる。
【0066】
次に、循環運転と共に行われている循環タンク4の加温を停止する場合(図8中の55)について説明する。循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターTC−Uが高温を検知することによって、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、循環遮断弁6が開状態となる。また、タンク連通弁18が閉状態となり、混合弁5が温度制御状態となる。さらに、ヒートポンプ2が運転停止となり、貯湯切替弁13、14が配管36、37側となる。
【0067】
循環切替弁7が配管35側に切り替わり、循環遮断弁6が開状態、タンク連通弁18が閉状態となることによって、図2中のIIIの矢印で示すように、循環タンク4の上方端から配管32に循環タンク4内の高温の湯が導出される。配管32に導出された湯は、配管23に合流して混合弁35へと導かれる。
【0068】
混合弁5では、循環回路9の配管42からの湯と配管23からの湯とが導かれて混合される。混合弁5によって混合された湯は、図2中のIIIの矢印で示すように、配管31に導出される。配管31に導出された湯は、循環ポンプ17へと導かれて循環ポンプ17によって昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流する。配管34に合流した湯は、一部が混合弁5へと導かれて、残りが循環切替弁7へと導かれる。
【0069】
ここで、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、配管34に合流した湯の一部は、循環切替弁7を経て配管35へと導出される。配管35に導出された湯は、配管39および配管38を経て、循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。なお、ここで、配管43上に設けられているタンク連通弁18が閉状態であるため、配管43には湯が導かれない。
【0070】
なお、ヒートポンプ2の運転が停止しているので、循環切替弁14から配管37を経て、循環タンク4の上方端に高温の湯が導かれない。なお、前述したように、配管38から循環タンク4内に湯が導かれることによって、循環タンク4内の上方端から配管32に湯が導出される。このようにして、循環運転は行われるが、循環タンク4の加温は停止されることとなる。
【0071】
図8中の53の循環運転の際に最上流側の給湯タンク3iの湯が高温に達していないと最上流側の給湯タンク3iに設けられているサーミスターT9が検知した場合(図8中の56)について説明する。この際には、循環切替弁7は配管35側、循環遮断弁6が開状態、タンク連通弁18が閉状態、混合弁5が温度制御状態または最小開度状態とされる。また、ヒートポンプ2が運転し、貯湯切替弁13、14が配管21、22側に切り替わる。
【0072】
ヒートポンプ2が運転し、貯湯切替弁13、14が配管21、22側に切り替わることにより、図2中のIの矢印で示すように、ヒートポンプ2によって加熱されて高温となった湯が、貯湯切替弁14を経て配管22に導出される。配管22に導出された高温の湯は、三方弁15へと導かれて、配管23へと供給される。配管23に供給された高温の湯は、タンク連通弁18が閉状態であることから混合弁5へは向えず、配管25へと導かれる。
【0073】
配管25に導かれた高温の湯は、最上流側の給湯タンク3iの上方端から給湯タンク3i内へと導かれる。これによって、給湯タンク3i内に貯湯されていた湯が給湯タンク3i内の下方端から配管20を経て給湯タンク3hへと導かれる。同様にして、上流側の給湯タンク3からその下流側の給湯タンク3へと順番に湯が導かれることにより、最終的に最下流側の給湯タンク3aの下方端から配管21へと給湯タンク3a内に貯湯されていた高温ではない湯が導出される。配管21に導出された湯は、貯湯切替弁13を経てヒートポンプ2へと導かれて加熱される。
【0074】
一方、循環タンク4内に貯湯されていた湯は、循環遮断弁6が開状態とされてので、図2中のIIIの矢印で示すように、循環タンク4の上方端から配管32に導出されて配管23に合流する。配管23に合流した湯は、混合弁5に導かれて配管31へと導出される。
【0075】
配管31に導出された湯は、循環ポンプ17へと導かれて循環ポンプ17により昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流する。配管34に合流した湯は、一部が混合弁5へと導かれて、残りが循環切替弁7へと導かれる。
【0076】
ここで、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、循環切替弁7へと導かれた湯は、配管35へと導出される。配管35に導出された湯は、配管39および配管38を経て循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。ここで、配管43上に設けられているタンク連通弁18が閉状態であるため、配管43には湯が導かれない。
【0077】
循環タンク4の下方端から導かれた湯によって、循環タンク4内に貯湯されていた湯は、循環タンク4の上方端から配管32へと導出される。
このように図2中のIおよびIIIの矢印で示す流れを繰り返すことによって、循環運転と、給湯タンク3の加温が行われる。
【0078】
次に、循環運転と共に行われている給湯タンク3の加温を停止する(図8中の57)場合について説明する。最上流側の給湯タンク3iに設けられているサーミスターT9、或は、より第1上水供給配管40に近い位置に配置された給湯タンク3のサーミスタ−(図示せず)が高温を検知することによりヒートポンプ2の運転を停止する。なお、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、循環遮断弁6が開状態、タンク連通弁18が閉状態、混合弁5が温度制御状態または最小開度状態、貯湯切替弁13、14が配管21、22側とされる。これは、図8中の56と同様とされる。
【0079】
ヒートポンプ2の運転が停止することによって、高温の湯が給湯タンク3へと導かれなくなる。これにより、給湯タンク3の加温が停止する。
【0080】
一方、循環タンク4内に貯湯されていた湯は、循環遮断弁6が開状態とされるので、図2中のIIIの矢印で示すように、循環タンク4の上方端から配管32に導出されて配管23に合流する。配管23に合流した湯は、混合弁5に導かれて配管31へと導出される。
【0081】
配管31に導出された湯は、循環ポンプ17へと導かれて循環ポンプ17によって昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流する。配管34に合流した湯は、一部が混合弁5へと導かれて、残りが循環切替弁7へと導かれる。
【0082】
ここで、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、循環切替弁7へと導かれた湯は、配管35へと導出される。配管35に導出された湯は、配管39および配管38を経て循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。なお、ここで、配管43上に設けられているタンク連通弁18が閉状態であるため、配管43に湯は導かれない。
【0083】
循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれた湯によって、循環タンク4内に貯湯されていた湯は、循環タンク4の上方端から配管32へと導出される。
このようにして、給湯タンク3の加温を停止して、循環運転を行うことができる。
【0084】
次に、給湯装置1外に給湯する場合の流れについて説明する。
給湯を開始する際には、図8中の61に示すように、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、循環遮断弁6が開状態、タンク連通弁18が閉状態、混合弁5が温度制御状態とされる。この際、最上流側の給湯タンク3iおよび循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターT9、TC−Uが高温を検知している。
【0085】
給湯を開始することによって、図3中のVIの矢印で示すように、第1上水供給配管40から最下流側の給湯タンク3aの下方端に上水が供給される。第1上水供給配管40から最下流側の給湯タンク3a内に導かれた上水によって、給湯タンク3a内の上方端から給湯タンク3a内に貯湯されていた高温の湯が配管20を経てその上流側の給湯タンク3b(図示せず)へと導かれる。同様にして、下流側の給湯タンク3からその上流側の給湯タンク3へと順番に湯が導かれて、最上流側の給湯タンク3iに貯湯されていた高温の湯が、給湯タンク3iの上方端から配管25へと導出される。
【0086】
配管25に導出された高温の湯は、配管23に合流して、後述する図3中のVIIの矢印で示す湯と共に混合弁5へと導かれる。ここで、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、混合弁5には、配管23から導かれた湯と配管42からの湯とが供給されることとなる。
【0087】
給湯の際には、第2上水供給配管41から上水が配管39および配管35へと供給される。配管35に供給された上水は、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、図3中のVIIの矢印で示すように、混合弁5へと導かれる。
【0088】
また、配管39へと導かれた第2上水供給配管41からの上水は、配管38を経て循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。なお、配管38が合流している配管43上に設けられているタンク連通弁18は閉状態とされているので、配管43には上水が導かれない。
【0089】
循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれた上水によって循環タンク4内に貯湯されていた高温の湯は、循環タンク4の上方端から配管32へと導出される。ここで、配管32上に設けられている循環遮断弁6が開状態とされているので、配管32に導出された高温の湯は配管23に合流することとなる。このようにして混合弁5には、給湯タンク3iおよび循環タンク4から導かれた高温の湯と、配管34から導かれた上水が混合した湯とが導かれることとなる。
【0090】
混合弁5は、給湯口から給湯される設定温度に応じて、その開度が制御される、すなわち、配管34から混合弁5へと導かれた上水が混合している湯量が制御される。これによって、所定の湯温とされた湯は、混合弁5から配管31へと導出される。配管31に導出された所定の湯温の湯は、配管31に設けられている給湯口から給湯装置1外へと給湯されることとなる。
【0091】
次に、給湯中に、サーミスターT9が検知する最上流側の給湯タンク3iの湯は高温であるが、循環タンク4の上方部の湯が高温に達していないと循環タンク4の上部に設けられているサーミスターTC−Uが検知した場合(図8中の62)には、循環切替弁7が配管33側に切り替わり、循環遮断弁6が閉状態、タンク連通弁18が開状態、貯湯切替弁13、14が配管36、37側、循環タンク4の下部に設けられているサーミスタ−TC−Lが低温を検知しない間はヒートポンプ2が運転状態となる。なお、混合弁5は、温度制御状態である。
【0092】
貯湯切替弁13、14が配管36、37側に切り替わり、循環タンク4の下部に設けられているサーミスタ−TC−Lが低温を検知しない間ヒートポンプ2が運転することによって、図5中のIIの矢印で示すように、ヒートポンプ2によって加熱された高温の湯が貯湯切替弁14から配管37を経て循環タンク4の上方端に導かれる。循環タンク4に導かれた高温の湯は、循環タンク4の上方端から循環タンク4内へと導かれる。
【0093】
循環タンク4の上方端から高温の湯が循環タンク4内に導かれることによって、循環タンク4内に貯湯されていた高温ではない湯が循環タンク4の下方端から配管38へと導出される。配管38に導出された高温ではない湯は、配管36から貯湯切替弁13を経てヒートポンプ2へと導かれる。
【0094】
一方、第2上水供給配管41から配管35および配管39へと上水が導かれる。この際、循環切替弁7が配管33側に切り替わっているので、上水は、図5中のVIIIの矢印で示すように、配管39から配管38を経て循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。
【0095】
循環タンク4の下方端から循環タンク4内に上水が導かれることによって、循環タンク4内に貯湯されていた湯は、図5中のIXの矢印に示すように、循環タンク4の上方端から配管32へと導出される。ここで、配管32上に設けられている循環遮断弁6が閉状態であり、循環切替弁7が配管33側に切り替わっているため、配管32に導出された湯は、循環切替弁7を経て配管34に導出される。
【0096】
配管34に導出された湯は、配管42から導かれた湯と混合されて混合弁5へと導かれる。さらに、混合弁5には、図5のVIの矢印で示すように、給湯タンク3内に貯湯されていた高温の湯が配管23から導かれている。そのため、配管23からの高温の湯と、配管34によって導かれた上水が混合した湯とが混合弁5において混合されて、所定の湯温とされて配管31に導出される。配管31に導出された所定の湯温の湯は、配管31に設けられている給湯口から給湯装置1外へと給湯される。このようにして、給湯と共に、循環タンク4の加温が行われることとなる。
【0097】
以上の通り、本実施形態に係る給湯装置1によれば、以下の作用効果を奏する。
循環回路(循環路)9には、サーミスター(循環用温度検知手段)TC−U、TC−Lによって、循環タンク4の上方部(高温側)の湯を混合弁5または配管(高温湯配管)23に供給する循環切替弁7と、循環切替弁7の切り替えに連動して循環タンク4の上方部の湯を配管23に合流させる循環遮断弁6とを設けることとした。これにより、サーミスターTC−U、TC−Lが検知する循環タンク4内の湯温に応じて、循環タンク4の湯を、循環タンク4の上方部から配管33、循環切替弁7、配管34を経て混合弁5へ直接供給したり、循環タンク4の上方部から配管32、循環遮断弁6を経て配管23に合流させた後に混合弁5へと供給することができる。したがって、循環タンク4内の湯を使い切ることができる。
【0098】
循環タンク4の下方部(低温側)からの湯を循環回路9から供給回路8へと導く配管(低温水配管)43上には、タンク連通弁(連通弁)18を設けることとした。また、このタンク連通弁18は、循環切替弁7および循環遮断弁6に連動することとした。これにより、循環タンク4が満水になった場合であっても、循環タンク4の下方部から配管43へと循環タンク4からの戻り湯が合流することを防止して、戻り湯を循環回路9内に循環させることができる。したがって、給湯タンク3に循環タンク4の戻り湯が混入しないので給湯タンク3内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを防止することができる。
【0099】
タンク連通弁18として、循環切替弁7および循環遮断弁6と自動的に連動する自動弁を用いることとした。これにより、循環タンク4が満水になった場合であっても、給湯には給湯タンク3からの高温の湯が供給されて、循環タンク4からの戻り湯を循環回路9内に循環させて循環タンク4内に収容することができる。したがって、給湯タンク3内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを防止することができる。
【0100】
ヒートポンプ2によって加熱された高温の湯を循環回路9の循環タンク4、または、給湯タンク3のどちらか一方に供給するように切り替える貯湯切替弁(ヒートポンプ側切替弁)14をヒートポンプ2の吐出側の配管12に設けることとした。これにより、ヒートポンプ2によって加熱された高温の湯を循環回路9に導いて、循環タンク4を加温することができる。したがって、給湯する際に、所定温度の湯を即時に給湯することができる。
【0101】
なお、本実施形態では、三方弁15および配管24を含めて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、三方弁15および配管24が無いものとしてもよい。
【0102】
[第1実施形態の変形例1]
なお、本実施形態では、夜間運転の際に循環タンク4に貯湯することなく、循環運転(図8中の53参照)を行うものとして説明したが、変形例1として、循環運転と共に循環タンク4に貯湯することとしても良い。
【0103】
循環運転と共に循環タンク4に貯湯する場合(図8中の51)には、循環タンク4には既に上水が貯水されている。そのため、循環タンク4の下方部に設けられているサーミスターTC−Lが低温を検知することにより、循環切替弁7が配管33側に切り替わり、循環遮断弁6が閉状態となり、混合弁5が温度制御状態となり、タンク連通弁18が開状態となる。
【0104】
タンク連通弁18が開状態となり循環遮断弁6が閉状態となるため、循環タンク4内の低温の上水は、図6中のXの矢印で示すように、循環タンク4の下方端から配管38、43を経て、第1上水供給配管40に導かれる。第1上水供給配管40に導かれた低温の上水は、最下流側の給湯タンク3aの下方端から給湯タンク3a内に導かれる。
【0105】
最下流側の給湯タンク3a内に導かれた低温の上水によって、給湯タンク3a内の上方端から給湯タンク3a内に貯湯されていた高温の湯が配管20を経てその上流側の給湯タンク3b(図示せず)へと導かれ、同様に下流側の給湯タンク3からその上流側の給湯タンク3へと順番に導かれる。このようにして給湯タンク3に貯湯されていた高温の湯が、最上流側の給湯タンク3iの上方端から配管25へと導出される。配管25に導出された高温の湯は、配管23に合流して混合弁5へと導かれる。
【0106】
混合弁5では、循環回路9の配管34から導かれた高温ではない湯(或は水)と、配管23から導かれた高温の湯とが混合される。混合弁5によって混合された湯は、配管31を経て循環ポンプ17に導かれる。循環ポンプ17に導かれた湯は、循環ポンプ17によって昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流して、一部が混合弁5へと導かれ、残りが循環切替弁7へと導かれる。
【0107】
循環切替弁7に導かれた湯は、循環切替弁7が配管33側に切り替わっているので、配管33に導出されて循環タンク4の上方端から循環タンク4内に導かれる。このようにして、循環運転を行うと共に、循環タンク4内に中温の湯を貯湯することができる。
【0108】
図8中の51によって循環タンク4内の上方部から湯温が中温となっていき、循環タンク4内の下方部の湯温が低温ではなくなった場合(図8中の52)、すなわち、循環タンク4の下方部に設けられているサーミスターTC−Lが低温に達していない温度を検知し、循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターTC−Uが中温を検知した場合には、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、循環遮断弁6が開状態、タンク連通弁18が閉状態、ヒートポンプ2が運転状態となる。なお、混合弁5は温度制御状態とされている。
【0109】
タンク連通弁18が閉状態であり、循環遮断弁6が開状態となるため、循環タンク4内の中温の湯は、図2中のIIIの矢印で示すように、循環タンク4の上方端から配管32、循環遮断弁6を経て、配管23に合流する。配管23に合流した湯は、混合弁5に導かれる。
【0110】
混合弁5では、配管34から導かれた高温ではない湯(或は水)と、配管23から導かれた湯とが混合される。混合弁5によって混合された湯は、配管31を経て循環ポンプ17に導かれる。循環ポンプ17に導かれた湯は、循環ポンプ17によって昇圧されて配管42に導出される。配管42に導出された湯は、配管34に合流して、一部が混合弁5へと導かれ、残りが循環切替弁7へと導かれる。
【0111】
また、循環切替弁7が配管35側に切り替わっているので、循環ポンプ17によって昇圧されて配管42から配管34に導かれた湯の一部は、配管35を経て配管29に導出される。配管39に導出された湯は、配管39を経て配管38に合流する。そのため、配管38に導かれた湯は、循環タンク4の下方端から循環タンク4内に導かれる。
【0112】
また、ヒートポンプ2によって加熱された高温の湯は、貯湯切替弁14を経て配管37に導出される。配管37に導出された高温の湯は、図2中のIIの矢印で示すように、配管32に合流して循環タンク4の上方端から循環タンク4内に導かれる。
このように、循環運転を行うと共に、循環タンク4内に高温の湯を貯湯することができる。
【0113】
[第1実施形態の変形例2]
また、本実施形態の図8中の62の変形例として、変形例2のように、夜間貯湯運転時間より前で給湯運転が主となる時間帯には、循環タンク4に追加貯湯を行わないものとしても良い。
この場合(図8中の63)には、循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターTC−Uが高温でないことを検知することにより、図8中の62と同様に、循環切替弁7が配管33側に切り替わり、循環遮断弁6が閉状態となり、混合弁5が温度制御状態となり、タンク連通弁18が開状態となる。但し、図8中の62の場合と異なり、ヒートポンプ2が運転を停止する。
【0114】
ヒートポンプ2の運転が停止するので、図5中のIIの矢印で示すように、ヒートポンプ2から配管37を介して循環タンク4に高温の湯が供給されない。したがって、循環タンク4に追加貯湯が行われないこととなる。
【0115】
なお、循環タンク4に追加貯湯が行われないこと以外は、図8中の62の場合に説明した図5中のVIIIおよびIXの矢印で示した流れと同じである。
このようにして、所定の湯温の湯が配管31に設けられている給湯口から給湯装置1外へと給湯されるが、循環タンク4には追加貯湯が行われないこととなる。
【0116】
[第1実施形態の変形例3]
さらに、変形例3として、配管23上にフローメータ16を設けて、図8中の61に示した給湯開始の際に循環遮断弁6の開閉状態を制御しても良い。
フローメータ16が湯の流れを検知してスイッチがオン状態になった場合(図8中の64)には、図8中の61と同様に、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、タンク連通弁18が閉状態、混合弁5が温度制御状態とされる。この際、最上流側の給湯タンク3iおよび循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターT9、TC−Uが高温を検知している。なお、図8中の61の場合と異なり、循環遮断弁6が閉状態となる。
【0117】
フローメータ16は、給湯タンク3に接続されている配管25が合流している下流側と、配管32が合流している上流側との間の配管23上に設けられている。
【0118】
図8中の61に説明した場合と同様に、図3中のVIの矢印で示すように、給湯を開始して給湯タンク3から高温の湯が配管25を経て配管23へと導かれることによって、フローメータ16のスイッチがオン状態になる。
【0119】
フローメータ16のスイッチがオン状態になることによって、循環遮断弁6が閉状態になる。そのため、循環タンク4からの高温の湯は、配管32に導出されない。すなわち、配管32を経て配管23に循環タンク4内の高温の湯が合流しない。
なお、循環タンク4の高温の湯が配管23に合流しないこと以外は、図8中の61の場合に説明した図3中のVIおよびVIIの矢印で示す流れと同じである。
【0120】
また、湯が流れなくなったことを検知してフローメータ16のスイッチがオフ状態になった場合(図8中の65)には、図8中の61と同様に、循環切替弁7が配管35側に切り替わり、タンク連通弁18が閉状態、循環遮断弁6が開状態、混合弁5が温度制御状態とされる。この際、最上流側の給湯タンク3iおよび循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターT9、TC−Uは高温を検知する。なお、図8中の64の場合と異なり、循環遮断弁6が開状態となる。
【0121】
配管23を通過する湯がフローメータ16により検知されなくなることにより、フローメータ16のスイッチがオフ状態になる。フローメータ16のスイッチがオフ状態になることによって、循環遮断弁6が開状態になる。そのため、循環タンク4からの高温の湯は、配管32を経て配管23に合流する。
【0122】
なお、上述した図7中の1、図7中の2、図7中の4および図8中の51から図8中の65の各運転は、図11に示すフローチャートのように、各々を組み合わせて用いても良い。
【0123】
[第2実施形態]
本実施形態の給湯装置は、タンク連通弁が手動であり常時閉状態とされている点で、第1実施形態と相違し、その他は同様である。したがって、同一の構成、湯および上水の流れについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
ここで、配管(低温水配管)43上に設けられているタンク連通弁(連通弁)18は、手動とされており、常時閉状態となっている。
【0124】
夜間貯湯の際の流れは、第1実施形態で説明した図7中の1、図7中の2および図7中の4について同様であるが、夜間貯湯の際に循環タンク4に貯湯を行う点が異なっている。
ここで、夜間運転を行って循環タンク4に貯湯を行う場合(図7中の3)の流れについて説明する。
循環タンク4内の湯温が高温に達していないと循環タンク4の下方部に設けられているサーミスターTC−Lが検知した場合には、貯湯切替弁(ヒートポンプ側切替弁)13、14が配管36、37側に切り替わり、ヒートポンプ2が運転状態となり、混合弁5は、最小開度状態となる。
【0125】
ヒートポンプ2が運転することによって高温の湯は、図2中のIIの矢印に示すように、貯湯切替弁14を経て配管37に導出される。配管37に導出された高温の湯は、循環タンク4の上方端から循環タンク4内へと導かれる。
【0126】
循環タンク4の上方端から循環タンク4内に導かれた高温の湯によって、循環タンク4内に貯湯されていた高温ではない湯が循環タンク4の下方端から配管38へと導出されて、貯湯切替弁13を経てヒートポンプ2へと導かれる。これを繰り返すことによって、循環タンク4の貯湯が行われる。
【0127】
次に、上記のように夜間運転によって給湯タンク3および循環タンク4を貯湯した後に給湯装置1の循環回路9に湯を循環させる循環運転(図9中の13)について説明する。この場合には、第1実施形態で説明した図8中の53および図2と同様に循環運転が行われる。
【0128】
次に、循環運転の際に循環タンク4内の湯を高温に昇温する(循環タンク4の加温)場合(図9中の14)について説明する。
循環タンク4の上方部に設けられているサーミスターTC−Uが中温に低下したことを検知した場合、貯湯切替弁13、14が配管36、37側に切り替わり、循環切替弁7が配管33側に切り替わり、循環遮断弁6が閉状態、(タンク連通弁18は閉状態で固定)、混合弁5が最小開度状態となり、ヒートポンプ2が運転状態となる。各弁5、6、7、13、14、(弁18)およびヒートポンプ2の動作状態がサーミスターTC−Uが中温を検知することによって変わる以外は、第1実施形態で説明した図8中の54および図4と同様とされて、循環運転と共に循環タンク4の加温が行われる。
【0129】
次に、循環運転と共に行われている循環タンク4の加温を停止する場合(図9中の15)について説明する。この場合は、第1実施形態で説明した図8中の55および図2と同様、循環運転と共に行われていた循環タンク4の加温を終了する。
【0130】
次に図9中の13の循環運転の際に最下流側の給湯タンク3aの湯が高温に達していないと最下流側の給湯タンク3aに設けられているサーミスターT1が検知した場合(図9中の16)、および、図9中の16により加温された最上流側の給湯タンク3i内の湯が高温であるとサーミスターT9が検知した場合(図9中の17)であるが、これらも第1実施形態で説明した図8中の56、57、図2と同様とされる。
【0131】
次に、給湯装置1外に給湯する場合の流れについて説明する。
給湯を開始する際(図9中の21)も、第1実施形態で説明した図8中の61および図3と同様に給湯が行われる。
【0132】
次に給湯中に、サーミスターT9が検知する最上流側の給湯タンク3iの湯は高温であるが、循環タンク4内の上方部の湯が高温に達していないと循環タンク4に設けられているサーミスターTC−Uが検知した場合(図9中の22)には、循環切替弁7が配管33側に切り替わり、循環遮断弁6が閉状態、タンク連通弁18が閉状態、ヒートポンプ2が運転状態、貯湯切替弁13、14が配管36、37側に切り替わり、混合弁5が温度制御状態とされる。なお、タンク連通弁18が閉状態である以外、各弁5、6、7、13、14およびヒートポンプ2の作動状態は、第1実施形態で説明した図8中の62と同様である。
【0133】
湯の流れについても、第1実施形態で説明した図5とほぼ同様であるが、本実施形態では、タンク連通弁18が閉状態で固定となっているため、循環タンク4の下方端から配管38へと導出した高温ではない湯は配管43へと導かれず、配管38に合流している配管36から貯湯切替弁13を経てヒートポンプ2へと導かれる点が異なっている。このため、循環タンク4内に貯湯されていた高温に達していない湯は、給湯タンク3に混入することなくヒートポンプ2へと導かれ加熱されることとなる。したがって、給湯タンク3内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを防止することができる。
【0134】
以上の通り、本実施形態に係る給湯装置1によれば、以下の作用効果を奏する。
タンク連通弁(連通弁)18として、常時閉状態の手動弁を用いることとした。これにより、給湯タンク3からは高温の湯のみが給湯され、循環タンク4は循環回路(循環路)9を循環する戻り湯の貯湯に専念させることができる。
【0135】
[第2実施形態の変形例1]
なお、本実施形態においても第1実施形態の場合と同様に、変形例1として、夜間貯湯運転直前に循環タンク4に追加貯湯を行わないものとしても良い。
この場合(図9中の23)は、第1実施形態で説明した図8中の63と同様である。すなわち、図9中の22の状態からヒートポンプ2の運転を停止する。それ以下の各弁5、6、7、13、14、18の動作状態、サーミスターTC−U、T9の検知状態は、図9中の22と同様である。また、タンク連通弁18が閉状態となっている点以外は、第1実施形態で説明した図8中の63および図5と同様である。
【0136】
[第2実施形態の変形例2]
また、第1実施形態の場合と同様に、変形例2として、配管23上にフローメータ16を設けて、図9中の21に示した給湯開始の際に循環遮断弁6の開閉状態を制御しても良い。
この場合(図9中の24および図9中の25)は、第1実施形態で説明した図8中の64、図8中の65および図3と同様である。
【0137】
なお、上述した図7中の1から図7中の4および図9中の13から図9中の25の各運転は、図12に示すフローチャートのように、各々を組み合わせて用いても良い。
【0138】
[第3実施形態]
本実施形態の給湯装置は、タンク連通弁が手動であり常時微開状態とされている点で、第1実施形態と相違し、その他は同様である。したがって、同一の構成、湯および上水の流れについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
ここで、配管(低温水配管)43上に設けられているタンク連通弁(連通弁)18は、手動とされており、常時微開状態とされている。
【0139】
なお、微開状態とは、循環タンク4内に貯湯されることなく、循環タンク4内に上水(水)が貯水されている状態で循環運転が開始した場合であっても、循環運転と共に循環タンク4内の上水を湯にして貯湯することが可能な程度に循環タンク4内に貯水された上水を給湯タンク3に導く開度をいう。
【0140】
循環運転(図10中の31〜図10中の37)は、第1実施形態で説明した図8中の51〜図8中の57と基本的に同様であるが、タンク連通弁18が微開状態である点が異なっている。
ここでは、ヒートポンプ2の運転と組み合わせることにより、タンク連通弁18が微開状態であっても、接続する配管における圧力損失の関係により、配管38に導出された湯が給湯タンク3に混入することを抑制することができる。
【0141】
このように、本実施形態の場合には、第1実施形態とほぼ同様の運転が可能となる。そのため、タンク連通弁18が閉状態である第2実施形態と微開状態である本実施形態とは同一部品から構成され、季節毎に或は当該時期の予想運転状況により切換えて用いることができる。
【0142】
以上の通り、本実施形態に係る給湯装置1によれば、以下の作用効果を奏する。
タンク連通弁(連通弁)18として、常時微開状態の手動弁を用いることとした。これにより、循環タンク4が満水になった場合であっても、循環タンク4は循環回路(循環路)9を循環する戻り湯の貯湯に専念させることができる。したがって、給湯タンク3内の温度勾配層が乱されて給湯に影響することを抑制することができる。
【0143】
[第3実施形態の変形例1]
なお、本実施形態においても第1実施形態の場合と同様に、変形例1として、夜間貯湯運転直前には循環タンク4に追加貯湯を行わないものとしても良い(図10中の43)。
【0144】
[第3実施形態の変形例2]
さらに、変形例2として第1実施形態の場合と同様に、配管23上にフローメータ16を設けて、図10中の41に示した給湯開始の際に循環遮断弁6の開閉状態を制御しても良い(図10中の44および図10中の45)。
【0145】
上述した図7中の1、図7中の2、図7中の4および図10中の31から図10中の45の各運転は、図13に示すフローチャートのように、各々を組み合わせて用いても良い。
【符号の説明】
【0146】
1 給湯装置
2 ヒートポンプ
3 給湯タンク
4 循環タンク
5 混合弁
7 循環路遮断弁
8 循環路切替弁
9 循環路(循環回路)
23 高温湯配管(配管)
TC−L、TC−U 循環用温度検知手段(サーミスター)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートポンプと、
該ヒートポンプによって加熱された高温の湯が貯湯される複数の給湯タンクと、
複数の該給湯タンクに接続している高温湯配管を有して前記ヒートポンプに接続している循環路と、
該循環路から導かれる湯と前高温湯配管から導かれる高温の湯とを混合して前記循環路に導出する混合弁と、を備え、
前記循環路は、
循環タンクと、
該循環タンク内の湯温を検知する循環用温度検知手段と、
該循環用温度検知手段によって、前記循環タンクの高温側の湯を前記混合弁または前記高温湯配管に供給する循環路切替弁と、
該循環路切替弁の切り替えに連動して、前記循環タンクの高温側の湯を前記高温湯配管に合流させる循環路遮断弁と、を有することを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記循環路は、複数の前記給湯タンクに接続している低温水配管を有して前記ヒートポンプに接続しており、
前記低温水配管には、前記循環路切替弁および前記循環路遮断弁に連動して、前記循環路の前記循環タンクの低温側の湯を供給する連通弁を設けることを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記連通弁は、前記循環路切替弁および前記循環路遮断弁と連動する自動弁であることを特徴とする請求項2に記載の給湯装置。
【請求項4】
前記連通弁は、手動弁であり、常時閉状態であることを特徴とする請求項2に記載の給湯装置。
【請求項5】
前記連通弁は、手動弁であり、常時微開状態であることを特徴とする請求項2に記載の給湯装置。
【請求項6】
前記ヒートポンプの吐出側には、該ヒートポンプによって加熱された高温の湯を前記循環路または前記給湯タンクのどちらか一方に切り替えるヒートポンプ側切替弁を設けることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の給湯装置。
【請求項7】
ヒートポンプと、
該ヒートポンプよって加熱された高温の湯が貯湯される複数の給湯タンクと、
複数の該給湯タンクに接続される高温湯配管を有して前記ヒートポンプに接続される循環路と、
該循環路から導かれる湯と前記高温湯配管から導かれる高温の湯とを混合して前記循環路に導出する混合弁と、を備え、
前記循環路は、
循環タンクと、
該循環タンク内の湯温を検知する循環用温度検知手段と、
該循環用温度検知手段によって、前記循環タンクの高温側の湯を前記混合弁または前記高温湯配管に供給する循環路切替弁と、
該循環路切替弁の切り替えに連動して、前記循環タンクの高温側の湯を前記高温湯配管に合流させることを制御する循環路遮断弁と、を有する給湯装置の制御方法であって、
前記循環用温度検知手段が前記循環タンク内の湯温が所定温度以下であると検知した場合には、前記循環路切替弁を前記循環タンクの高温側に切り替えると共に、前記循環路遮断弁を閉状態にすることを特徴とする給湯装置の制御方法。
【請求項1】
ヒートポンプと、
該ヒートポンプによって加熱された高温の湯が貯湯される複数の給湯タンクと、
複数の該給湯タンクに接続している高温湯配管を有して前記ヒートポンプに接続している循環路と、
該循環路から導かれる湯と前高温湯配管から導かれる高温の湯とを混合して前記循環路に導出する混合弁と、を備え、
前記循環路は、
循環タンクと、
該循環タンク内の湯温を検知する循環用温度検知手段と、
該循環用温度検知手段によって、前記循環タンクの高温側の湯を前記混合弁または前記高温湯配管に供給する循環路切替弁と、
該循環路切替弁の切り替えに連動して、前記循環タンクの高温側の湯を前記高温湯配管に合流させる循環路遮断弁と、を有することを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記循環路は、複数の前記給湯タンクに接続している低温水配管を有して前記ヒートポンプに接続しており、
前記低温水配管には、前記循環路切替弁および前記循環路遮断弁に連動して、前記循環路の前記循環タンクの低温側の湯を供給する連通弁を設けることを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記連通弁は、前記循環路切替弁および前記循環路遮断弁と連動する自動弁であることを特徴とする請求項2に記載の給湯装置。
【請求項4】
前記連通弁は、手動弁であり、常時閉状態であることを特徴とする請求項2に記載の給湯装置。
【請求項5】
前記連通弁は、手動弁であり、常時微開状態であることを特徴とする請求項2に記載の給湯装置。
【請求項6】
前記ヒートポンプの吐出側には、該ヒートポンプによって加熱された高温の湯を前記循環路または前記給湯タンクのどちらか一方に切り替えるヒートポンプ側切替弁を設けることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の給湯装置。
【請求項7】
ヒートポンプと、
該ヒートポンプよって加熱された高温の湯が貯湯される複数の給湯タンクと、
複数の該給湯タンクに接続される高温湯配管を有して前記ヒートポンプに接続される循環路と、
該循環路から導かれる湯と前記高温湯配管から導かれる高温の湯とを混合して前記循環路に導出する混合弁と、を備え、
前記循環路は、
循環タンクと、
該循環タンク内の湯温を検知する循環用温度検知手段と、
該循環用温度検知手段によって、前記循環タンクの高温側の湯を前記混合弁または前記高温湯配管に供給する循環路切替弁と、
該循環路切替弁の切り替えに連動して、前記循環タンクの高温側の湯を前記高温湯配管に合流させることを制御する循環路遮断弁と、を有する給湯装置の制御方法であって、
前記循環用温度検知手段が前記循環タンク内の湯温が所定温度以下であると検知した場合には、前記循環路切替弁を前記循環タンクの高温側に切り替えると共に、前記循環路遮断弁を閉状態にすることを特徴とする給湯装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−11399(P2013−11399A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144234(P2011−144234)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
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