給湯装置
【課題】 接続の簡易化を図った弁の提供とともに、設置工事の簡易化、低コスト化を図った熱源装置を提供することにある。
【解決手段】 給湯装置(給湯・追焚装置50)は、浴槽(100)の循環口(158)に接続された管路(102)と、管路に接続された切替え弁(切替弁2)とを備え、切替え弁が、少なくとも弁体(4)と該弁体を制御する弁制御部(10)とを備え、該弁制御部が外部の制御手段(制御装置12)に有線又は無線により接続されている。切替え弁は、弁体と、該弁体が設置された弁本体(16)と、弁本体に取り付けられたハウジング部(ハウジング32)と、ハウジング部に設置され制御手段から弁制御部に有線又は無線により制御情報を受け該制御情報に応じて前記弁体を制御する。
【解決手段】 給湯装置(給湯・追焚装置50)は、浴槽(100)の循環口(158)に接続された管路(102)と、管路に接続された切替え弁(切替弁2)とを備え、切替え弁が、少なくとも弁体(4)と該弁体を制御する弁制御部(10)とを備え、該弁制御部が外部の制御手段(制御装置12)に有線又は無線により接続されている。切替え弁は、弁体と、該弁体が設置された弁本体(16)と、弁本体に取り付けられたハウジング部(ハウジング32)と、ハウジング部に設置され制御手段から弁制御部に有線又は無線により制御情報を受け該制御情報に応じて前記弁体を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線又は有線により遠隔操作を可能にした弁を用いた装置に関し、例えば、シリアル通信による切替え制御が行える弁をドレン排出の流路切替え等に用いた給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水等を流す流路の開閉、流路切替え、流量調整には開閉弁、切替弁、制御弁等の弁が用いられる。これらの弁は外部の制御装置と配線接続し、制御装置から駆動信号を付与し、その操作を行う。このような弁は給湯・追焚装置や給湯・追焚・暖房装置等の熱源装置に多用されている。
【0003】
その熱源装置には高効率化のため、燃焼排気から潜熱を上水や浴槽水に熱交換する熱交換器が用いられている。このような熱交換器では、その高効率化が図られる反面、その熱交換でドレンが生成される。このドレンは強酸性であり、そのままでの機器外への排出に適さないため中和処理が施され、その排出箇所も選択される。
【0004】
このドレン排出について、中和後のドレンをドレン配管から浴室の床上に流すことが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−156256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、高効率化された熱源装置ではドレン排出を適正に行うことが要請されているが、従来、斯かる熱源装置に交換する場合にはドレン排出処理のための工事が必要であった。ドレンを浴槽側に導くにはドレン配管が必要であり、このドレン配管を浴槽水の追焚配管に兼用させれば、配管構成は簡略化され、既設の追焚配管があれば、新たな配管工事は不要となる。しかし、追焚配管をドレン配管に兼用させた場合には、追焚配管からドレンを排出させるには、流路切替えのために切替弁を設置し、浴槽の手前でドレンを排出させる必要がある。
【0007】
このような切替弁を浴室側に設置すると、従来の切替弁では、その切替弁と熱源装置側にある制御装置とを直接に接続することが必要であった。このため、高効率化された熱源装置への切替えに手間取ったり、工事価額を増大させていた。
【0008】
斯かる課題は熱源装置に止まるものではなく、切替弁とその制御装置とが離れて設置される場合には常に直接接続のための配線が必要であるという課題があった。
【0009】
そこで、本発明の第1の目的は、上記課題に鑑み、接続の簡易化を図った弁を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、上記弁を備えて設置工事の簡易化、低コスト化を図った熱源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の給湯装置は、切替え弁を、ドレン排出と給湯又は浴槽水の循環との切替えに利用し、外部の制御手段と有線又は無線により制御情報を送受可能に接続した構成である。
【0012】
そこで、本発明の給湯装置は、上記目的を達成するため、浴槽の循環口に接続された管路と、前記管路に接続された切替え弁とを備え、前記切替え弁が、少なくとも弁体と該弁体を制御する弁制御部とを備え、該弁制御部が外部の制御手段に有線又は無線により接続されている。
【0013】
斯かる構成によれば、切替え弁が弁制御部を備えているため、この弁制御部と外部の制御手段とを例えば、シリアル通信が可能となり、従前必要としていた切替え弁にのみ必要としていた外部の制御手段との配線接続が不要である。即ち、外部の制御手段とリモコン装置とを接続する伝送線路に切替え弁の弁制御部を接続すれば、切替え弁の制御が行える。また、浴槽の循環口に接続された管路に切替え弁が接続されることから、既設の配管を活用でき、設置工事の簡易化に寄与する。
【0014】
また、本発明の給湯装置は、上記目的を達成するため、前記切替え弁は、前記弁体と、該弁体が設置された弁本体と、前記弁本体に取り付けられたハウジング部と、前記ハウジング部に設置され前記制御手段から前記弁制御部に有線又は無線により制御情報を受け該制御情報に応じて前記弁体を制御してもよく、また、前記切替え弁は、前記浴槽を設置した防水パンにドレンを排出するドレン排出路に接続されていてもよい。斯かる構成によっても上記目的を達成できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の給湯装置によれば、次のような効果が得られる。
【0016】
(1) 本発明の給湯装置によれば、弁制御部を内蔵した構成であるから、外部の制御手段と弁制御部との間で制御情報の授受を行い、弁切替えを行うことができる。
【0017】
(2) 本発明の給湯装置によれば、外部の制御手段と弁制御部とは制御情報の授受のための既設の信号伝送路を利用して弁制御部を接続することができ、接続配線の簡略化を図ることができる。
【0018】
(3) 本発明の給湯装置によれば、熱交換で発生したドレンを浴槽水の追焚配管を用いて浴室側に排出する場合、その追焚配管に設置した弁をリモコン装置の伝送回路に接続して弁切替えを行うことができ、弁の設置工事の簡易化、低コスト化を図ることができる。
【0019】
(4) 本発明の給湯装置によれば、外部の制御手段と弁との電気配線を制御手段とリモコン装置とのシリアル配線と同様にシリアル化できるので、弁配線の簡略化を図ることができ、浴室内の配線系統の簡略化に寄与する。また、弁のメンテナンスを容易化することができる。
【0020】
そして、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面及び各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施の形態に係る切替弁の構成例を示す図である。
【図2】一部を切り欠いた切替弁を示す図である。
【図3】側面から見た切替弁を示す図である。
【図4】切替弁の制御データフォーマットを示す図である。
【図5】切替弁の切替えを示す図である。
【図6】切替弁の制御を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係る給湯・追焚装置を示す図である。
【図8】切替弁を設置した追焚配管部を示す図である。
【図9】切替弁を設置した追焚配管部を示す図である。
【図10】ドレンタンクのレベル検出を示す図である。
【図11】浴室リモコン装置を示す図である。
【図12】台所リモコン装置を示す図である。
【図13】制御系統を示す図である。
【図14】給湯・追焚装置の全体制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】ドレンの排出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】熱源制御の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔第1の実施の形態〕
【0023】
第1の実施の形態は、弁の構成及びその制御に関するものである。
【0024】
この第1の実施の形態について、図1を参照する。図1は、第1の実施の形態に係る切替弁の構成例を示す図である。
【0025】
この切替弁2は、本発明の弁の一例であって、水等の流体を流す流路に設置され、その流路の切替えに用いられる。この切替弁2には、図1に示すように、弁体4、ギヤードモータ(以下、「モータ」と称する)6、位置検出部8及び弁制御部10を備える。
【0026】
弁体4は、流路開閉又は流路切替えの手段であって、モータ6によって回転する。モータ6は、ギヤとモータとを一体化させて弁体4を回転させる回転駆動手段の一例であって、弁体4を回動させる手段であればよく、モータ6に限定されない。弁体4の回転位置は、位置検出部8で検出される。この位置検出部8は、弁体4の回転位置検出手段の一例であって、ホール素子を用いた回転検出器、エンコーダ、近接スイッチ等、回転位置を検出できるものであればよい。
【0027】
弁制御部10は、弁体4の制御手段であって、例えば、CPU(Central Processing Unit )等のプロセッサ、記憶手段等で構成される。この実施の形態では、弁制御部10は、弁体4を回転させるモータ6の制御手段を構成しており、モータ6に対して駆動信号を出力するとともに、位置検出部8からの位置検出信号を受け、例えば、制御装置12から受けた制御情報に基づき、所定の位置に弁体4を制御する。その弁体4の位置検出信号は、弁体4の位置を表す位置情報の一例である。
【0028】
切替弁2の外部には制御装置12が設置され、この制御装置12はコンピュータ等で構成される。弁制御部10と制御装置12とは、制御情報を送受するシリアル信号線路14を介して接続されている。このシリアル信号線路14は、制御情報を授受する伝送線路の一例である。
【0029】
斯かる構成では、制御装置12から切替弁2の制御情報がシリアル信号線路14を介して弁制御部10に入力されると、その制御情報を受けた弁制御部10がモータ6に駆動信号を付与する。モータ6によって回転する弁体4の回転位置は、位置検出部8によって検出され、その位置検出信号が弁制御部10に取り込まれる。この結果、弁制御部10は、制御装置12から付与された制御情報に応じて、弁体4を所定の位置に制御する。この制御により、切替弁2が所定方向に切り替えられる。
【0030】
この切替弁2の具体的な構成について、図2及び図3を参照する。図2は、一部を切り欠いた切替弁を示す図、図3は、側面から見た切替弁を示す図である。
【0031】
この切替弁2は三方弁の一例であって、図2に示すように、モータ6と、弁本体16と、取付板18とを備えている。モータ6は、ギヤとモータとを一体化した構成であり、この実施の形態では、図示の通り、取付板18の上面に設置されている。弁本体16は、取付板18の下面に設置され、この場合、三方弁であるから、第1、第2及び第3のポート20A、20B、20Cを備えている。これらポート20A、20B、20Cは、弁本体16の中央に形成された弁室22に連通されている。この弁室22は球形のキャビティであり、この弁室22には弁体4が設置されている。
【0032】
この弁体4には、弁体4の図中水平方向の角度に応じてポート20A−20C間を開、ポート20A、20B、20Cの全てを閉、ポート20B−20C間を開に切り替えるための遮断部24と、通路部26と、弁軸28とを備えている。図2に示す弁体4は、ポート20C−20B間の開放状態の位置である。
【0033】
このような切替え又は遮断の状態を回転によって実現するため、弁体4の弁軸28にはモータ6が連結されている。弁体4は、その上下部に配置された弁座部30を介して弁本体16に回動可能に支持されている。また、この弁軸28の近傍には、弁体4の位置を検出する位置検出部8が設置されている。
【0034】
モータ6及び取付板18は図3に示すように、ハウジング部32に内蔵されるとともに、このハウジング32の内部には既述の弁制御部10が設置されている。弁制御部10から引き出されたシリアル信号線路14は、ハウジング部32の側部から引き出されている。ポート20Bにはジョイント金具38が取り付けられ、図示しない管路と連結される。
【0035】
次に、切替弁の切替え制御について、図4、図5及び図6を参照する。図4は、制御装置と切替弁との間で授受されるデータフォーマットを示す図、図5は、切替弁の切替えを示す図、図6は、切替弁の切替え制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0036】
制御装置12から切替弁2の弁制御部10に対して制御情報40{図4の(A)}が送信され、これに対応する制御情報42{図4の(B)}が弁制御部10から制御装置12に送信される。制御情報40のデータフォーマットは、図4の(A)に示すように、発信元情報401、発信先情報402、右回転情報403、左回転情報404、目標情報405、406、予備情報407が含まれる。発信元情報401は制御情報40の発信元として例えば、制御装置12を識別する情報、発信先情報402は制御情報40の到達先として例えば、切替弁2を識別する情報である。右回転情報403は切替弁2であるから、弁体4の右回転を指示する指示情報であり、左回転情報404は弁体4の左回転を指示する指示情報である。目標情報405は例えば、ポート20A−20Cを開放する情報、目標情報406は例えば、ポート20B−20C間を開放する情報である。
【0037】
制御情報42のデータフォーマットは、図4の(B)に示すように、発信元情報421、発信先情報422、右回転情報423、左回転情報424、位置情報425、426、予備情報427が含まれる。発信元情報421は制御情報42の発信元として例えば、切替弁2を識別する情報、発信先情報422は制御情報42の到達先として例えば、制御装置12を識別する情報である。右回転情報423は切替弁2であるから、弁体4の右回転を表す回転情報であり、左回転情報424は弁体4の左回転を表す回転情報である。位置情報425は例えば、ポート20A−20Cを開放する位置情報、位置情報426は例えば、ポート20B−20C間を開放する位置情報である。
【0038】
そこで、このような切替弁2では、図5に示すように、弁体4の角度θがθ=0〔°〕に設定されると、ポート20A−20C間が開状態、弁体4を回動させ、その角度θがθ=90〔°〕に設定されると、全てのポート20A、20B、20Cが閉状態となる。さらに、弁体4を回動させ、その角度θがθ=180〔°〕に設定されると、ポート20B−20C間が開状態に切り替えられる。このような弁体4を右回転又は左回転によって、角度θを、θ=0〔°〕、θ=90〔°〕又はθ=180〔°〕に設定することにより、所望のポート間の切替え、即ち、流路の切替えが制御情報40、42の授受によって行うことができる。
【0039】
そして、この切替弁2の切替え制御は、外部の制御装置12と弁制御部10との制御情報の授受によって実現される。この切替え制御の処理手順は、図6に示すように、初期設定を行い(ステップS11)、応答用データとして弁体4の回転方向や位置等の設定情報を作成する(ステップS12)。切替弁2の弁制御部10では、データ受信を監視し(ステップS13)、データ受信があれば(ステップS13のYES)、切替弁用データか否かを判定し(ステップS14)、切替弁用データであれば(ステップS14のYES)、弁制御部10から応答情報が制御装置12に向けて送信される(ステップS15)。この応答情報は、切替弁2の弁体4の位置等を表す情報である。
【0040】
応答情報の送信後、制御情報に回転指令があるか否かを判定する(ステップS16)。データ受信がない場合(ステップS13のNO)、又はデータ受信があっても切替弁用データでない場合には(ステップS14のNO)、同様に、制御情報に回転指令があるか否かを判定する(ステップS16)。この判定の結果、回転指令がなければ(ステップS16のNO)、回転動作出力を解除(OFF)とし(ステップS17)、ステップS12に戻る。
【0041】
回転指令があれば(ステップS16のYES)、目標位置の指示があるか否かを判定し(ステップS18)、目標位置の指示があれば(ステップS18のYES)、現在位置が目標位置であるか否か、即ち、現在位置=目標位置であるか否かを判定する(ステップS19)。現在位置=目標位置であれば(ステップS19のYES)、ステップS17に移行し、回転動作出力を解除(OFF)とし(ステップS17)、ステップS12に戻る。
【0042】
目標位置の指示がない場合(ステップS18のNO)、弁体4の回転方向が右回転であるか否かを判定する(ステップS20)。現在位置=目標位置でない場合にも(ステップS19のNO)、同様に、弁体4の回転方向が右回転であるか否かを判定する(ステップS20)。右回転であれば(ステップS20のYES)、右回転出力を発し(ステップS21)、右回転でなければ(ステップS20のNO)、左回転出力を発し(ステップS22)、ステップS12に戻る。
【0043】
このような処理手順により、制御装置12からの制御情報に基づき、弁体4を移動させ、その移動位置が位置検出部8で検出され、弁制御部10がその検出情報を監視し、制御装置12からの制御情報に応じた位置に弁体4を制御することができる。
【0044】
〔第2の実施の形態〕
【0045】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態で述べた弁を用いた熱源装置について開示する。
【0046】
この第2の実施の形態について、図7を参照する。図7は、給湯・追焚装置の一例を示す図である。図7において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付してある。
【0047】
この給湯・追焚装置50は、熱源装置の一例であって、給湯機能部52、注湯機能部54、浴槽水追焚機能部56、ドレン回収排出機能部58等を備える。
【0048】
給湯機能部52は、上水Wに燃焼排気60の熱を熱交換して温水HWを出湯する機能部である。給湯管路62にあるシャワー等で給湯栓が開放されると、給水管路66に上水Wが流れ込む。給湯電磁弁64は、号数設定のための弁である。給水管路66に流れ込んだ上水Wは、温度センサ67によって給水温度、流量センサ70によって給水流量が検出される。これら検出情報は、制御装置12に伝送され、複数の給湯用バーナ72に着火される。給湯用バーナ72は燃料ガスGを燃焼し、燃焼室74に燃焼排気60を生じさせる。この燃焼排気60は、給湯用バーナ72側を上流とし、給気ファン76の給気とともに、燃焼室74の上方に流れ、排気される。
【0049】
上水Wは、二次熱交換器78を通して一次熱交換器80に流れ、燃焼排気60の熱と熱交換される。二次熱交換器78は燃焼排気60の潜熱を上水Wに熱交換し、一次熱交換器80は燃焼排気60の顕熱を上水Wに熱交換する手段である。一次熱交換器80の出側の温水HWは、一次熱交換器80の出側にある温度センサ68によって検出される。この検出温度が目標温度より高い場合には、給水管路66と給湯管路62との間に設置されたバイパス回路82にある水制御弁84が開かれ、上水Wと温水HWとを混合させ、この出湯温水HWの温度を目標温度に制御する。この出湯温水HWの温度は、給湯管路62にある温度センサ86によって検出される。出湯温水HWは、シャワー水等に供される。
【0050】
水制御弁84の開度は、温度センサ86の検出温度を参照して制御装置12によって決定される。これにより、温度センサ86の検出温度が目標温度に到達するに必要な量の上水Wが給湯管路62に供給される。
【0051】
また、バーナ72では、ガス供給管88にある元電磁弁90が開であることを条件に、ガス電磁弁92、94、96の開閉によってバーナ72の切替えが行われ、ガス比例弁98の開度に応じて燃料ガスGの供給量、即ち、燃焼量が制御される。
【0052】
注湯機能部54は、既述の給湯機能部52の給湯機能を包含し、給湯機能の熱交換で得られる温水HWを浴槽100に注湯する機能部であって、給湯管路62と追焚管路102とを接続する注湯管路104を通じて実現される。注湯管路104にある注湯電磁弁106が開かれると、給湯管路62に流れる温水HWが注湯管路104を通して追焚管路102に流れ込み、この追焚管路102を通して浴槽100に注湯される。この注湯量は、流量センサ108によって検出される。注湯管路104には逆止弁110が設置され、浴槽水BWが上水W側に流れ込むのを防止している。
【0053】
浴槽水追焚機能部56は、燃焼排気112の熱を浴槽水BWに熱交換し、浴槽水BWを追焚きする機能部である。制御装置12に浴槽水BWの追焚きを指示すると、二方弁114を開状態、切替弁116を追焚管路102に開放状態とし、追焚用ポンプ118が駆動される。このとき、浴槽100の浴槽水BWの水位は水位センサ119により検出され、追焚き可能か否かが制御装置12により判断される。追焚き可能であれば、追焚用ポンプ118の駆動により浴槽水BWが浴槽100から追焚管路102に流れ、追焚用熱交換器121に循環する。その浴槽水BWの流れが流水スイッチ120で検出され、その浴槽水BWの温度は温度センサ122によって検出される。これら検出情報は、制御装置12に伝送されることにより、ガス電磁弁124が開かれて追焚用バーナ126に燃料ガスGの供給とともに、着火される。バーナ126は燃料ガスGを燃焼し、燃焼室128に燃焼排気112を生じさせる。この燃焼排気112は、バーナ126側を上流とし、給気ファン130からの給気とともに、燃焼室128の上方に流れる。この燃焼排気112の熱は、追焚用熱交換器121により浴槽水BWに熱交換され、その浴槽水BWの温度は、浴槽100側の追焚管路102にある温度センサ132によって検出され、その検出情報が制御装置12に取り込まれ、異常加熱等が判断される。温度センサ122の検出温度が追焚目標温度に到達すれば、追焚きを完了し、バーナ126の燃焼停止、ポンプ118を停止させる。
【0054】
ドレン回収排出機能部58は、給湯又は注湯のための熱交換で発生したドレン134を回収し、中和後に排出させる機能部であって、この実施の形態では、ドレン排出に追焚管路102を利用している。燃焼排気60の潜熱を回収する二次熱交換器78にあっては、その熱交換により、燃焼排気60の水蒸気が凝縮し、ドレン134を生じる。このドレン134には、燃焼排気60中の不純物も含有している。このドレン134は、二次熱交換器78の下側に設置されたドレン受け136に回収され、ドレン管路138を通して中和器140に導かれ、中和後、ドレンタンク142に溜められる。ドレンタンク142は、排出までの間、貯留する貯留手段である。
【0055】
このドレンタンク142のドレン134は、ドレン排出管路144を通じて追焚管路102に導かれる。この実施の形態では、ドレン排出管路144は切替弁116を介して追焚管路102に連結されており、このドレン排出管路144には逆止弁146が設置され、浴槽水BWがドレンタンク142に逆流するのを防止している。
【0056】
このドレン134の排出のために追焚管路102を利用していることから、追焚管路102には、浴槽水BWの循環又は温水HWの注湯と、ドレン排出とを切り替えるための切替手段として切替弁2(図1)が設置されている。この切替弁2の排出側ポートにはドレン排出路148が連結され、ドレン134が防水パン150に排出される。即ち、切替弁2は、追焚管路102で構成される流路と、ドレン排出ポートとの分岐部に設置されている。
【0057】
そして、制御装置12は給湯・追焚装置50の筐体内に設置されており、この制御装置12には、第1のリモコン装置として浴室リモコン装置152、第2のリモコン装置として台所リモコン装置154がシリアル信号線路156で接続されているとともに、切替弁2の弁制御部10がシリアル信号線路14を介してシリアル信号線路156に接続されている。即ち、弁制御部10は、シリアル信号線路14により制御装置12に接続されている。この実施の形態では、切替弁2が浴槽100に設置された循環口158の近傍に設置されるので、その弁制御部10は、浴室内に設置された浴室リモコン装置152にあるシリアル信号線路156に接続されている。即ち、切替弁2と浴室リモコン装置152とは隣接して設置されている。
【0058】
次に、切替弁2の配置について、図8及び図9を参照する。図8は、切替弁が配置された循環口部から見た浴槽を示す図、図9は、切替弁の配線構造の一例を示す図である。図8及び図9において、図7と同一部分には同一符号を付してある。
【0059】
浴槽100は図8に示すように、浴室160の防水パン150に設置されている。浴槽100の壁部には循環口158が取り付けられ、この循環口158には追焚管路102が接続されている。管路102Aは戻り側の管路であり、管路102Bは追焚用熱交換器121に浴槽水BWを導く往き側の管路である。この循環口158の近傍に切替弁2が配置され、そのドレン排出路148が防水パン150の上面に開放されている。
【0060】
このように浴槽100が配置された浴室160の壁部162には、図9に示すように、浴室リモコン装置152が配置されている。この浴室リモコン装置152は、入浴中にユーザが容易にリモコン操作が可能な位置に配置されるのが一般的である。この浴室リモコン装置152の背面側にはシリアル信号線路156が引き出され、図示しない制御装置12に接続される。
【0061】
そこで、切替弁2の弁制御部10から引き出されたシリアル信号線路14は、壁部162に形成された配線口164から壁部162の背面側に導かれ、浴室リモコン装置152のシリアル信号線路156にコネクタ166によって接続すればよい。斯かる配線構造により、切替弁2は浴室リモコン装置152及び台所リモコン装置154(図7)と同様に、制御装置12にシリアル信号線路156によって連係され、既述の通り、制御情報を送受することができる。即ち、浴室リモコン装置152の近傍に設置され且つシリアル信号線路14で接続された切替弁2が制御装置12で制御される。
【0062】
次に、ドレンタンク142及びドレン134のレベル検出について、図10を参照する。図10は、レベルセンサを備えたドレンタンクを示す図である。図10において、図7と同一部分には同一符号を付してある。
【0063】
ドレンタンク142は、中和後のドレン134の貯留手段の一例であって、その底部にはドレン排出口168、その上部にはドレン流入口170が設置され、ドレン流入口170より上部にはオーバーフロー排出口172が設けられている。ドレン流入口170には中和器140から中和後のドレン134が流入する。ドレン排出口168にはドレン排出管路144が接続され、ドレン排出時、開放状態となる。ドレンタンク142のドレン収容量の限界レベルを超えると、オーバーフロー排出口172からドレン134が流出することになる。
【0064】
そして、ドレンタンク142には、ドレン134のレベルを電気的に検出するレベルセンサ174が設置されている。このレベルセンサ174は、共通電極176、低(L)水位検出電極178、高(H)水位検出電極180、上限(U)水位検出電極182が設置されている。共通電極176が最も長く、ドレンタンク142の底部側に伸びている。低水位検出電極178は、ドレン排出終了レベルを検出するため、その長さは共通電極176よりわずかに短い程度の長さである。高水位検出電極180は、ドレン排出開始レベルを検出するため、上限レベル(U)を検出する上限水位検出電極182より長く設定されている。そして、上限水位検出電極182は、オーバーフロー排出口172より低い位置に設定され、ドレン134の上限レベルを検出する。
【0065】
次に、リモコン装置及び制御装置について、図11、図12及び図13を参照する。図11は、浴室リモコン装置の前面パネル部の一例を示す図、図12は、台所リモコン装置の前面パネル部の一例を示す図、図13は、制御系統を示す図である。図11、図12及び図13において、図1、図7と同一部分には同一符号を付してある。
【0066】
浴室リモコン装置152の前面パネル部184には、図11に示すように、操作部186として、電源スイッチ1861、ふろ自動スイッチ1862、追焚スイッチ1863、給湯温度調整スイッチ1864、運転予約スイッチ1865、設定スイッチ1866等が備えられている。この操作部186の操作に基づき、既述のように、給湯・追焚装置50の制御装置12から各機能部に動作指示が送られる。また、表示部188として、表示画面1881やその他の状態表示1882等が設置されている。また、排水ランプ表示部190、音声報知部192が備えられている。
【0067】
台所リモコン装置154の前面パネル部194には、図12に示すように、操作部196として例えば、電源スイッチ1961、ふろ自動スイッチ1962、追焚スイッチ1963、給湯温度調整スイッチ1964、運転予約スイッチ1965、設定スイッチ1966等が備えられている。この操作部196を操作すると、既述のように、給湯・追焚装置50の制御装置12を介して各機能部に動作指示が送られる。表示部198として、表示画面1981、その他の状態表示1982等が設置されている。また、排水ランプ表示部199、音声報知部200が設置されている。
【0068】
これら浴室リモコン装置152、台所リモコン装置154及び切替弁2と接続される制御装置12はコンピュータによって構成され、図13に示すように、CPU(Central Processing Unit )202、記憶部204及びタイマ206が備えられている。CPU202は、水位センサ119、流水スイッチ120、レベルセンサ174、その他のセンサ207からの検出情報や、タイマ206からの時間情報を受け、プログラムの実行によって、切替弁2、二方弁114、追焚用ポンプ118、その他の機能部品208に制御出力を送出する。記憶部204にはROM(Read-Only Memory)210やRAM(Random-Access Memory)212が備えられ、ROM210には、OS(Operating System)や、給湯制御プログラム、浴槽水追焚制御プログラム、ドレン排出プログラム等のプログラムが格納されている。
【0069】
この制御装置12にシリアル信号線路156によって接続された浴室リモコン装置152はコンピュータによって構成され、制御部214、操作部186、排水ランプ表示部190、音声報知部192、その他の表示部188等が設置されている。この浴室リモコン装置152からの操作入力により制御情報が発せられ、この制御情報がシリアル信号線路156を通して制御装置12に通知される。
【0070】
この制御装置12にシリアル信号線路156によって接続された台所リモコン装置154はコンピュータによって構成され、制御部216、操作部196、排水ランプ表示部199、音声報知部200、その他の表示部198等が設置されている。この台所リモコン装置154からの操作入力により制御情報が発せられ、この制御情報がシリアル信号線路156を通して制御装置12に通知される。
【0071】
また、切替弁2は、シリアル信号線路156に既述のシリアル信号線路14を直結することにより、制御装置12に浴室リモコン装置152及び台所リモコン装置154とともに接続されている。即ち、切替弁2の開閉位置はシリアル通信によって制御装置12に伝達され、その開閉制御が制御装置12によって行われる。この切替弁2の構成は、図1に示した構成と同様であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0072】
次に、給湯・追焚装置の動作処理について、図14、図15及び図16を参照する。図14は、給湯・追焚装置の全体制御の処理手順を示すフローチャート、図15は、ドレンの排出処理の処理手順を示すフローチャート、図16は、熱源制御の処理手順を示すフローチャートを示す図である。
【0073】
図14に示すように、電源を投入すると、機種設定の読込み、出力の初期化、イニシャルテスト等のイニシャライズ処理を実行する(ステップS31)。次に、各種センサの検出信号、浴室リモコン装置152、台所リモコン装置154等からの外部指示等の読込みを行い(ステップS32)、ドレン排出処理の実行か否かを判定する(ステップS33)。ドレン排出処理を実行するか否かは、ドレンタンク142のドレンレベル、ドレン排出の指定時刻であるか否かにより判定する。ドレン排出処理を実行する場合には(ステップS33のYES)、ドレン134を浴室160の防水パン150に排出し、配管洗浄を実行する(ステップS34)。
【0074】
ドレン排出処理及び配管洗浄の後、又はドレン排出処理を実行しない場合には(ステップS33のNO)、給湯動作が実行されたか否かを判定する(ステップS35)。この給湯動作実行か否かの判断は、例えば、給湯栓の開閉状態を監視すればよく、その給湯栓の開閉による流量センサ70の検出によって行えばよい。
【0075】
給湯動作が実行された場合には(ステップS35のYES)、例えば、給水量や設定温度を制御する給湯制御を実行する(ステップS36)。給湯制御を行った後、又は給湯動作が実行されなかった場合には(ステップS35のNO)、自動湯張りの実行か否かの判断に移行する(ステップS37)。自動湯張りの実行か否かは、例えば、浴室リモコン装置152のふろ自動スイッチ1862又は台所リモコン装置154のふろ自動スイッチ1962が押下されたか否かにより判断する。自動湯張りが実行された場合には(ステップS37のYES)、自動湯張り制御に移行する(ステップS38)。
【0076】
自動湯張り制御の後、又は、自動湯張りが実行されなかった場合には(ステップS37のNO)、追焚き実行か否かの判断に移行する(ステップS39)。追焚き実行か否かは、例えば、浴室リモコン装置152の追焚スイッチ1863又は台所リモコン装置154の追焚スイッチ1963が押下されたか否かにより判断する。追焚きを実行する場合には(ステップS39のYES)、追焚用ポンプ118の動作や追焚用バーナ126等を制御する追焚制御に移行する(ステップS40)。追焚制御を行った後、又は追焚きが実行されなかった場合には(ステップS39のNO)、その他の動作を実行するか否かの判断に移行する(ステップS41)。その他の動作は、例えば、足し湯の要求があった場合等に実行される。上記以外のその他の動作を実行する場合には、同様に、その動作制御に移行し(ステップS42)、その制御を実行した後、又は、その他の動作が実行されない場合には(ステップS41のNO)、ステップS32に戻る。上記動作を繰り返して実行し、給湯動作、追焚動作とともに、ドレン排出処理が実行される。
【0077】
次に、ドレン排出処理では、図15に示すように、レベルセンサ174で検出されるドレン134の検出レベルが上限レベル(U)に達したか否かを判定する(ステップS51)。上限レベル(U)に達していれば(ステップS51のYES)、ドレン排出処理を開始しなければならない。
【0078】
そこで、ドレン排出には追焚管路102を使用するので、そのドレン排出に先立ち、追焚動作等、追焚管路102が使用中であるか否かを確認する(ステップS52)。この確認は、例えば、浴室リモコン装置152の追焚スイッチ1863又は台所リモコン装置154の追焚スイッチ1963等が押下されたか否かにより行えばよい。追焚管路102が使用中であれば(ステップS52のYES)、追焚管路102を使用する動作を一時中断させ(ステップS53)、即ち、ドレン排出を優先し、ドレン排出処理を実行する(ステップS54)。追焚管路102が使用中でなければ(ステップS52のNO)、即座にドレン排出処理を実行する(ステップS54)。
【0079】
この場合、追焚管路102を使用中に、強制的にその使用を中断させるので、排水ランプ表示部190、199の点滅や、音声報知部192、200の音声出力によりドレン排出を報知する。このようにすれば、ユーザが、ドレン排出処理のため、追焚動作が中断されたことを知ることができ、追焚動作の中断を故障と誤解することを防止できる。
【0080】
上限レベル(U)に達していなければ(ステップS51のNO)、追焚管路102が使用中であるか否かを確認し(ステップS55)、追焚管路102が使用中であれば(ステップS55のYES)、ステップ51に戻り、レベルが上限レベル(U)に達するのを待つ。追焚管路102が使用中でなければ(ステップS55のNO)、ドレンレベルが高レベル(H)に達したか否かをレベルセンサ174で判断する(ステップS56)。
【0081】
ドレンレベルが高レベル(H)に達していなければ(ステップS56のNO)、指定時刻であるか否かを判定し(ステップS57)、指定時刻であれば(ステップS57のYES)、コールドスタートか否かを判定し(ステップS58)、コールドスタートであれば(ステップS58のYES)、ドレン排出処理を行う(ステップS54)。指定時刻でなければ(ステップS58のNO)、ステップ51に戻る。
【0082】
ドレンレベルが高レベル(H)に達していれば(ステップS56のYES)、コールドスタートであるか否かを判定し(ステップS58)、コールドスタートであれば(ステップS58のYES)、ドレン排出処理を行う(ステップS54)。コールドスタートでなければ(ステップS58のNO)、ステップS51に戻る。
【0083】
このフローチャートにおいて、コールドスタートは、基本的には前回の燃焼終了から一定時間例えば、10分以上経過している場合の動作開始であり、一定時間例えば、10分以内の動作開始であれば、ホットスタートである。即ち、コールドスタートは熱交換器121が冷えた状態からの動作開始であり、ホットスタートは熱交換器121が熱い状態からの動作開始である。
【0084】
ドレン134は常温状態であり、熱交換器121から見れば、冷水である。このようなドレン134を熱交換器121に循環させると、熱交換器121の温度を低下させる原因になるから、ドレン排出はコールドスタート状態で行うことが有利である。
【0085】
そこで、ドレン排出処理に先立って、コールドスタートか否かを判断し、熱交換器121が冷えた状態でドレン排出処理や配管洗浄を行えば、熱交換器121を冷却させることはない。これに対し、ホットスタート状態でドレン排出処理(配管洗浄)をすると、熱交換器121を冷却させ、次に燃焼するときは出湯温度の立上りが遅くなり、しかも、温水HWで配管洗浄することは不経済である。そのため、コールドスタート条件の成立を待ってからドレン排出処理及び配管洗浄を行う。
【0086】
しかしながら、ドレンレベルが上限レベル(U)に達した場合には(ステップ51のYES)、その時点では、給湯燃焼が行われていたことが予想されるが、上限レベル(U)にあるドレンレベルに対し、コールドスタート状態に到達するまでドレン排出処理の実行を遅延させると、ドレン排出処理の機会を逸することになり、ドレンタンク142からドレン134が溢水するおそれがある。そこで、ドレンレベルが上限レベル(U)に達した場合にはコールドスタートチェック前にドレン排出処理を実行し、ドレン134の溢水を防止している。
【0087】
次に、ドレン排出処理にはドレン排出の処理と、配管洗浄の処理が含まれる。このドレン排出処理では、図16に示すように、二方弁114を閉にし(ステップS61)、切替弁2を防水パン150側に切り替え(ステップS62)、切替弁116をドレンタンク142側に切り替える(ステップS63)。これらの動作は、ほぼ同時に行われる。次に、追焚用ポンプ118をONさせると(ステップS64)、ドレンタンク142に溜まったドレン134は、ドレン排出管路144、切替弁116、ポンプ118、追焚管路102、切替弁2を介して防水パン150に排出される。その後、ドレンタンク142のドレンレベルが低レベル(L)に到達したか否かを判断し(ステップS65)、低レベル(L)まで下がると(ステップS65のYES)、追焚用ポンプ118を停止させ(ステップS66)、ドレン排出を終了する。
【0088】
このドレン排出の後、ドレン排出に用いられた追焚管路102の配管洗浄では、切替弁116を追焚き側に切り替え(ステップS67)、注湯処理を行う(ステップS68)。即ち、給湯管路62から注湯管路104に上水Wを流すことにより、追焚管路102内に滞留するドレン134を防水パン150側に排出させ、追焚管路102の管内を上水Wで洗浄する。この注湯処理の後、切替弁2を追焚き側に切り替え(ステップS69)、二方弁114を開状態にし(ステップS70)、この処理を終了する。
【0089】
この配管洗浄に移行する場合には、制御装置12からの給水指令や、水位センサ119の検出結果等から給湯機能が使用されているか否かを確認する。給湯機能が使用されている場合には(既述のホットスタート)、その給湯動作が終了するまで待機し、また、給湯動作が行われていない場合には(既述のコールドスタート)、注湯管路104の注湯電磁弁106を開き、上水Wを追焚管路102に流入させ(注水)、流量センサ108の検出流量が設定流量に到達すれば、注湯電磁弁106を閉じ、その注水を終了する。この注水が終了した後、切替弁2を追焚き側に切り替え、二方弁114を開き、追焚可能状態に切り替える。この配管洗浄には、温水HWを用いてもよい。
【0090】
この注水又は注湯は追焚用ポンプ118の次回動作のための呼び水の役割を果たす。この注湯又は注水の供給量は、追焚管路102の管路長や、給湯・追焚装置2の規格等により変更可能なようにしてもよい。
【0091】
このような配管洗浄を行えば、追焚管路102にドレン134を残留させることがなく、浴槽水BWの追焚きや浴槽100に対する注湯の際に、浴槽100にドレン134が流入するのを防止することができる。
【0092】
ところで、切替弁2を浴槽100側又は防水パン150側の流路に切り替えるには、既述の通り、制御装置12と切替弁2の弁制御部10とのシリアル通信によって実現され、そのシリアル通信には、制御情報(図4)が用いられる。図4の(A)に示すように、制御装置12から切替弁2へ送信される制御情報のデータフォーマットは既述の通り、発信元情報401等のデータに目標情報405、406が包含されている。ドレン排出の際には、目標情報405が「0」、目標情報406が「1」に切り替えられ、ポート20C−20B間が開放状態に維持される。
【0093】
この制御情報を受けた切替弁2は、制御装置12からの制御情報によって弁体4が回転し、ドレン排出の場合には、切替弁2はポート20C−20Bが開放状態となるので、既述の通り、目標情報405が「0」、目標情報406が「1」に維持される。
【0094】
そして、配管洗浄の後、追焚可能な状態では、切替弁2はポート20A−20Cが開放状態となるので、既述の通り、目標情報405が「1」、目標情報406が「0」になる。
【0095】
〔他の実施の形態〕
【0096】
(1) 上記実施の形態では、弁として切替弁2を例示したが、本発明の弁は、開閉弁、比例弁、三方弁等に適用でき、本発明は、上記実施の形態に限定されない。
【0097】
(2) 上記実施の形態では、熱源装置として給湯・追焚装置50を例示したが、暖房装置や給湯・追焚・暖房装置又は給湯装置に適用してもよく、本発明は上記実施の形態に限定されない。
【0098】
(3) 上記実施の形態では、シリアル通信が可能な切替弁2をドレン排出と追焚循環のための管路との流路切替えに用いているが、水制御弁84、注湯電磁弁106、二方弁114、切替弁116に適用してもよく、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
【0099】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0100】
この発明の給湯装置は、既述の弁の流路を切り替える切替弁を用いて構成され、既設の給湯・追焚装置や暖房装置等に適用でき、既設のシリアル配線を利用して弁切替えを実現でき、有用である。
【符号の説明】
【0101】
2 切替弁
4 弁体
10 弁制御部
12 制御装置
16 弁本体
20A、20B、20C ポート
50 給湯・追焚装置
102 追焚管路
142 ドレンタンク
144 ドレン排出管路
148 ドレン排出路
174 レベルセンサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線又は有線により遠隔操作を可能にした弁を用いた装置に関し、例えば、シリアル通信による切替え制御が行える弁をドレン排出の流路切替え等に用いた給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水等を流す流路の開閉、流路切替え、流量調整には開閉弁、切替弁、制御弁等の弁が用いられる。これらの弁は外部の制御装置と配線接続し、制御装置から駆動信号を付与し、その操作を行う。このような弁は給湯・追焚装置や給湯・追焚・暖房装置等の熱源装置に多用されている。
【0003】
その熱源装置には高効率化のため、燃焼排気から潜熱を上水や浴槽水に熱交換する熱交換器が用いられている。このような熱交換器では、その高効率化が図られる反面、その熱交換でドレンが生成される。このドレンは強酸性であり、そのままでの機器外への排出に適さないため中和処理が施され、その排出箇所も選択される。
【0004】
このドレン排出について、中和後のドレンをドレン配管から浴室の床上に流すことが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−156256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、高効率化された熱源装置ではドレン排出を適正に行うことが要請されているが、従来、斯かる熱源装置に交換する場合にはドレン排出処理のための工事が必要であった。ドレンを浴槽側に導くにはドレン配管が必要であり、このドレン配管を浴槽水の追焚配管に兼用させれば、配管構成は簡略化され、既設の追焚配管があれば、新たな配管工事は不要となる。しかし、追焚配管をドレン配管に兼用させた場合には、追焚配管からドレンを排出させるには、流路切替えのために切替弁を設置し、浴槽の手前でドレンを排出させる必要がある。
【0007】
このような切替弁を浴室側に設置すると、従来の切替弁では、その切替弁と熱源装置側にある制御装置とを直接に接続することが必要であった。このため、高効率化された熱源装置への切替えに手間取ったり、工事価額を増大させていた。
【0008】
斯かる課題は熱源装置に止まるものではなく、切替弁とその制御装置とが離れて設置される場合には常に直接接続のための配線が必要であるという課題があった。
【0009】
そこで、本発明の第1の目的は、上記課題に鑑み、接続の簡易化を図った弁を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、上記弁を備えて設置工事の簡易化、低コスト化を図った熱源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の給湯装置は、切替え弁を、ドレン排出と給湯又は浴槽水の循環との切替えに利用し、外部の制御手段と有線又は無線により制御情報を送受可能に接続した構成である。
【0012】
そこで、本発明の給湯装置は、上記目的を達成するため、浴槽の循環口に接続された管路と、前記管路に接続された切替え弁とを備え、前記切替え弁が、少なくとも弁体と該弁体を制御する弁制御部とを備え、該弁制御部が外部の制御手段に有線又は無線により接続されている。
【0013】
斯かる構成によれば、切替え弁が弁制御部を備えているため、この弁制御部と外部の制御手段とを例えば、シリアル通信が可能となり、従前必要としていた切替え弁にのみ必要としていた外部の制御手段との配線接続が不要である。即ち、外部の制御手段とリモコン装置とを接続する伝送線路に切替え弁の弁制御部を接続すれば、切替え弁の制御が行える。また、浴槽の循環口に接続された管路に切替え弁が接続されることから、既設の配管を活用でき、設置工事の簡易化に寄与する。
【0014】
また、本発明の給湯装置は、上記目的を達成するため、前記切替え弁は、前記弁体と、該弁体が設置された弁本体と、前記弁本体に取り付けられたハウジング部と、前記ハウジング部に設置され前記制御手段から前記弁制御部に有線又は無線により制御情報を受け該制御情報に応じて前記弁体を制御してもよく、また、前記切替え弁は、前記浴槽を設置した防水パンにドレンを排出するドレン排出路に接続されていてもよい。斯かる構成によっても上記目的を達成できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の給湯装置によれば、次のような効果が得られる。
【0016】
(1) 本発明の給湯装置によれば、弁制御部を内蔵した構成であるから、外部の制御手段と弁制御部との間で制御情報の授受を行い、弁切替えを行うことができる。
【0017】
(2) 本発明の給湯装置によれば、外部の制御手段と弁制御部とは制御情報の授受のための既設の信号伝送路を利用して弁制御部を接続することができ、接続配線の簡略化を図ることができる。
【0018】
(3) 本発明の給湯装置によれば、熱交換で発生したドレンを浴槽水の追焚配管を用いて浴室側に排出する場合、その追焚配管に設置した弁をリモコン装置の伝送回路に接続して弁切替えを行うことができ、弁の設置工事の簡易化、低コスト化を図ることができる。
【0019】
(4) 本発明の給湯装置によれば、外部の制御手段と弁との電気配線を制御手段とリモコン装置とのシリアル配線と同様にシリアル化できるので、弁配線の簡略化を図ることができ、浴室内の配線系統の簡略化に寄与する。また、弁のメンテナンスを容易化することができる。
【0020】
そして、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面及び各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施の形態に係る切替弁の構成例を示す図である。
【図2】一部を切り欠いた切替弁を示す図である。
【図3】側面から見た切替弁を示す図である。
【図4】切替弁の制御データフォーマットを示す図である。
【図5】切替弁の切替えを示す図である。
【図6】切替弁の制御を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係る給湯・追焚装置を示す図である。
【図8】切替弁を設置した追焚配管部を示す図である。
【図9】切替弁を設置した追焚配管部を示す図である。
【図10】ドレンタンクのレベル検出を示す図である。
【図11】浴室リモコン装置を示す図である。
【図12】台所リモコン装置を示す図である。
【図13】制御系統を示す図である。
【図14】給湯・追焚装置の全体制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】ドレンの排出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】熱源制御の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔第1の実施の形態〕
【0023】
第1の実施の形態は、弁の構成及びその制御に関するものである。
【0024】
この第1の実施の形態について、図1を参照する。図1は、第1の実施の形態に係る切替弁の構成例を示す図である。
【0025】
この切替弁2は、本発明の弁の一例であって、水等の流体を流す流路に設置され、その流路の切替えに用いられる。この切替弁2には、図1に示すように、弁体4、ギヤードモータ(以下、「モータ」と称する)6、位置検出部8及び弁制御部10を備える。
【0026】
弁体4は、流路開閉又は流路切替えの手段であって、モータ6によって回転する。モータ6は、ギヤとモータとを一体化させて弁体4を回転させる回転駆動手段の一例であって、弁体4を回動させる手段であればよく、モータ6に限定されない。弁体4の回転位置は、位置検出部8で検出される。この位置検出部8は、弁体4の回転位置検出手段の一例であって、ホール素子を用いた回転検出器、エンコーダ、近接スイッチ等、回転位置を検出できるものであればよい。
【0027】
弁制御部10は、弁体4の制御手段であって、例えば、CPU(Central Processing Unit )等のプロセッサ、記憶手段等で構成される。この実施の形態では、弁制御部10は、弁体4を回転させるモータ6の制御手段を構成しており、モータ6に対して駆動信号を出力するとともに、位置検出部8からの位置検出信号を受け、例えば、制御装置12から受けた制御情報に基づき、所定の位置に弁体4を制御する。その弁体4の位置検出信号は、弁体4の位置を表す位置情報の一例である。
【0028】
切替弁2の外部には制御装置12が設置され、この制御装置12はコンピュータ等で構成される。弁制御部10と制御装置12とは、制御情報を送受するシリアル信号線路14を介して接続されている。このシリアル信号線路14は、制御情報を授受する伝送線路の一例である。
【0029】
斯かる構成では、制御装置12から切替弁2の制御情報がシリアル信号線路14を介して弁制御部10に入力されると、その制御情報を受けた弁制御部10がモータ6に駆動信号を付与する。モータ6によって回転する弁体4の回転位置は、位置検出部8によって検出され、その位置検出信号が弁制御部10に取り込まれる。この結果、弁制御部10は、制御装置12から付与された制御情報に応じて、弁体4を所定の位置に制御する。この制御により、切替弁2が所定方向に切り替えられる。
【0030】
この切替弁2の具体的な構成について、図2及び図3を参照する。図2は、一部を切り欠いた切替弁を示す図、図3は、側面から見た切替弁を示す図である。
【0031】
この切替弁2は三方弁の一例であって、図2に示すように、モータ6と、弁本体16と、取付板18とを備えている。モータ6は、ギヤとモータとを一体化した構成であり、この実施の形態では、図示の通り、取付板18の上面に設置されている。弁本体16は、取付板18の下面に設置され、この場合、三方弁であるから、第1、第2及び第3のポート20A、20B、20Cを備えている。これらポート20A、20B、20Cは、弁本体16の中央に形成された弁室22に連通されている。この弁室22は球形のキャビティであり、この弁室22には弁体4が設置されている。
【0032】
この弁体4には、弁体4の図中水平方向の角度に応じてポート20A−20C間を開、ポート20A、20B、20Cの全てを閉、ポート20B−20C間を開に切り替えるための遮断部24と、通路部26と、弁軸28とを備えている。図2に示す弁体4は、ポート20C−20B間の開放状態の位置である。
【0033】
このような切替え又は遮断の状態を回転によって実現するため、弁体4の弁軸28にはモータ6が連結されている。弁体4は、その上下部に配置された弁座部30を介して弁本体16に回動可能に支持されている。また、この弁軸28の近傍には、弁体4の位置を検出する位置検出部8が設置されている。
【0034】
モータ6及び取付板18は図3に示すように、ハウジング部32に内蔵されるとともに、このハウジング32の内部には既述の弁制御部10が設置されている。弁制御部10から引き出されたシリアル信号線路14は、ハウジング部32の側部から引き出されている。ポート20Bにはジョイント金具38が取り付けられ、図示しない管路と連結される。
【0035】
次に、切替弁の切替え制御について、図4、図5及び図6を参照する。図4は、制御装置と切替弁との間で授受されるデータフォーマットを示す図、図5は、切替弁の切替えを示す図、図6は、切替弁の切替え制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0036】
制御装置12から切替弁2の弁制御部10に対して制御情報40{図4の(A)}が送信され、これに対応する制御情報42{図4の(B)}が弁制御部10から制御装置12に送信される。制御情報40のデータフォーマットは、図4の(A)に示すように、発信元情報401、発信先情報402、右回転情報403、左回転情報404、目標情報405、406、予備情報407が含まれる。発信元情報401は制御情報40の発信元として例えば、制御装置12を識別する情報、発信先情報402は制御情報40の到達先として例えば、切替弁2を識別する情報である。右回転情報403は切替弁2であるから、弁体4の右回転を指示する指示情報であり、左回転情報404は弁体4の左回転を指示する指示情報である。目標情報405は例えば、ポート20A−20Cを開放する情報、目標情報406は例えば、ポート20B−20C間を開放する情報である。
【0037】
制御情報42のデータフォーマットは、図4の(B)に示すように、発信元情報421、発信先情報422、右回転情報423、左回転情報424、位置情報425、426、予備情報427が含まれる。発信元情報421は制御情報42の発信元として例えば、切替弁2を識別する情報、発信先情報422は制御情報42の到達先として例えば、制御装置12を識別する情報である。右回転情報423は切替弁2であるから、弁体4の右回転を表す回転情報であり、左回転情報424は弁体4の左回転を表す回転情報である。位置情報425は例えば、ポート20A−20Cを開放する位置情報、位置情報426は例えば、ポート20B−20C間を開放する位置情報である。
【0038】
そこで、このような切替弁2では、図5に示すように、弁体4の角度θがθ=0〔°〕に設定されると、ポート20A−20C間が開状態、弁体4を回動させ、その角度θがθ=90〔°〕に設定されると、全てのポート20A、20B、20Cが閉状態となる。さらに、弁体4を回動させ、その角度θがθ=180〔°〕に設定されると、ポート20B−20C間が開状態に切り替えられる。このような弁体4を右回転又は左回転によって、角度θを、θ=0〔°〕、θ=90〔°〕又はθ=180〔°〕に設定することにより、所望のポート間の切替え、即ち、流路の切替えが制御情報40、42の授受によって行うことができる。
【0039】
そして、この切替弁2の切替え制御は、外部の制御装置12と弁制御部10との制御情報の授受によって実現される。この切替え制御の処理手順は、図6に示すように、初期設定を行い(ステップS11)、応答用データとして弁体4の回転方向や位置等の設定情報を作成する(ステップS12)。切替弁2の弁制御部10では、データ受信を監視し(ステップS13)、データ受信があれば(ステップS13のYES)、切替弁用データか否かを判定し(ステップS14)、切替弁用データであれば(ステップS14のYES)、弁制御部10から応答情報が制御装置12に向けて送信される(ステップS15)。この応答情報は、切替弁2の弁体4の位置等を表す情報である。
【0040】
応答情報の送信後、制御情報に回転指令があるか否かを判定する(ステップS16)。データ受信がない場合(ステップS13のNO)、又はデータ受信があっても切替弁用データでない場合には(ステップS14のNO)、同様に、制御情報に回転指令があるか否かを判定する(ステップS16)。この判定の結果、回転指令がなければ(ステップS16のNO)、回転動作出力を解除(OFF)とし(ステップS17)、ステップS12に戻る。
【0041】
回転指令があれば(ステップS16のYES)、目標位置の指示があるか否かを判定し(ステップS18)、目標位置の指示があれば(ステップS18のYES)、現在位置が目標位置であるか否か、即ち、現在位置=目標位置であるか否かを判定する(ステップS19)。現在位置=目標位置であれば(ステップS19のYES)、ステップS17に移行し、回転動作出力を解除(OFF)とし(ステップS17)、ステップS12に戻る。
【0042】
目標位置の指示がない場合(ステップS18のNO)、弁体4の回転方向が右回転であるか否かを判定する(ステップS20)。現在位置=目標位置でない場合にも(ステップS19のNO)、同様に、弁体4の回転方向が右回転であるか否かを判定する(ステップS20)。右回転であれば(ステップS20のYES)、右回転出力を発し(ステップS21)、右回転でなければ(ステップS20のNO)、左回転出力を発し(ステップS22)、ステップS12に戻る。
【0043】
このような処理手順により、制御装置12からの制御情報に基づき、弁体4を移動させ、その移動位置が位置検出部8で検出され、弁制御部10がその検出情報を監視し、制御装置12からの制御情報に応じた位置に弁体4を制御することができる。
【0044】
〔第2の実施の形態〕
【0045】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態で述べた弁を用いた熱源装置について開示する。
【0046】
この第2の実施の形態について、図7を参照する。図7は、給湯・追焚装置の一例を示す図である。図7において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付してある。
【0047】
この給湯・追焚装置50は、熱源装置の一例であって、給湯機能部52、注湯機能部54、浴槽水追焚機能部56、ドレン回収排出機能部58等を備える。
【0048】
給湯機能部52は、上水Wに燃焼排気60の熱を熱交換して温水HWを出湯する機能部である。給湯管路62にあるシャワー等で給湯栓が開放されると、給水管路66に上水Wが流れ込む。給湯電磁弁64は、号数設定のための弁である。給水管路66に流れ込んだ上水Wは、温度センサ67によって給水温度、流量センサ70によって給水流量が検出される。これら検出情報は、制御装置12に伝送され、複数の給湯用バーナ72に着火される。給湯用バーナ72は燃料ガスGを燃焼し、燃焼室74に燃焼排気60を生じさせる。この燃焼排気60は、給湯用バーナ72側を上流とし、給気ファン76の給気とともに、燃焼室74の上方に流れ、排気される。
【0049】
上水Wは、二次熱交換器78を通して一次熱交換器80に流れ、燃焼排気60の熱と熱交換される。二次熱交換器78は燃焼排気60の潜熱を上水Wに熱交換し、一次熱交換器80は燃焼排気60の顕熱を上水Wに熱交換する手段である。一次熱交換器80の出側の温水HWは、一次熱交換器80の出側にある温度センサ68によって検出される。この検出温度が目標温度より高い場合には、給水管路66と給湯管路62との間に設置されたバイパス回路82にある水制御弁84が開かれ、上水Wと温水HWとを混合させ、この出湯温水HWの温度を目標温度に制御する。この出湯温水HWの温度は、給湯管路62にある温度センサ86によって検出される。出湯温水HWは、シャワー水等に供される。
【0050】
水制御弁84の開度は、温度センサ86の検出温度を参照して制御装置12によって決定される。これにより、温度センサ86の検出温度が目標温度に到達するに必要な量の上水Wが給湯管路62に供給される。
【0051】
また、バーナ72では、ガス供給管88にある元電磁弁90が開であることを条件に、ガス電磁弁92、94、96の開閉によってバーナ72の切替えが行われ、ガス比例弁98の開度に応じて燃料ガスGの供給量、即ち、燃焼量が制御される。
【0052】
注湯機能部54は、既述の給湯機能部52の給湯機能を包含し、給湯機能の熱交換で得られる温水HWを浴槽100に注湯する機能部であって、給湯管路62と追焚管路102とを接続する注湯管路104を通じて実現される。注湯管路104にある注湯電磁弁106が開かれると、給湯管路62に流れる温水HWが注湯管路104を通して追焚管路102に流れ込み、この追焚管路102を通して浴槽100に注湯される。この注湯量は、流量センサ108によって検出される。注湯管路104には逆止弁110が設置され、浴槽水BWが上水W側に流れ込むのを防止している。
【0053】
浴槽水追焚機能部56は、燃焼排気112の熱を浴槽水BWに熱交換し、浴槽水BWを追焚きする機能部である。制御装置12に浴槽水BWの追焚きを指示すると、二方弁114を開状態、切替弁116を追焚管路102に開放状態とし、追焚用ポンプ118が駆動される。このとき、浴槽100の浴槽水BWの水位は水位センサ119により検出され、追焚き可能か否かが制御装置12により判断される。追焚き可能であれば、追焚用ポンプ118の駆動により浴槽水BWが浴槽100から追焚管路102に流れ、追焚用熱交換器121に循環する。その浴槽水BWの流れが流水スイッチ120で検出され、その浴槽水BWの温度は温度センサ122によって検出される。これら検出情報は、制御装置12に伝送されることにより、ガス電磁弁124が開かれて追焚用バーナ126に燃料ガスGの供給とともに、着火される。バーナ126は燃料ガスGを燃焼し、燃焼室128に燃焼排気112を生じさせる。この燃焼排気112は、バーナ126側を上流とし、給気ファン130からの給気とともに、燃焼室128の上方に流れる。この燃焼排気112の熱は、追焚用熱交換器121により浴槽水BWに熱交換され、その浴槽水BWの温度は、浴槽100側の追焚管路102にある温度センサ132によって検出され、その検出情報が制御装置12に取り込まれ、異常加熱等が判断される。温度センサ122の検出温度が追焚目標温度に到達すれば、追焚きを完了し、バーナ126の燃焼停止、ポンプ118を停止させる。
【0054】
ドレン回収排出機能部58は、給湯又は注湯のための熱交換で発生したドレン134を回収し、中和後に排出させる機能部であって、この実施の形態では、ドレン排出に追焚管路102を利用している。燃焼排気60の潜熱を回収する二次熱交換器78にあっては、その熱交換により、燃焼排気60の水蒸気が凝縮し、ドレン134を生じる。このドレン134には、燃焼排気60中の不純物も含有している。このドレン134は、二次熱交換器78の下側に設置されたドレン受け136に回収され、ドレン管路138を通して中和器140に導かれ、中和後、ドレンタンク142に溜められる。ドレンタンク142は、排出までの間、貯留する貯留手段である。
【0055】
このドレンタンク142のドレン134は、ドレン排出管路144を通じて追焚管路102に導かれる。この実施の形態では、ドレン排出管路144は切替弁116を介して追焚管路102に連結されており、このドレン排出管路144には逆止弁146が設置され、浴槽水BWがドレンタンク142に逆流するのを防止している。
【0056】
このドレン134の排出のために追焚管路102を利用していることから、追焚管路102には、浴槽水BWの循環又は温水HWの注湯と、ドレン排出とを切り替えるための切替手段として切替弁2(図1)が設置されている。この切替弁2の排出側ポートにはドレン排出路148が連結され、ドレン134が防水パン150に排出される。即ち、切替弁2は、追焚管路102で構成される流路と、ドレン排出ポートとの分岐部に設置されている。
【0057】
そして、制御装置12は給湯・追焚装置50の筐体内に設置されており、この制御装置12には、第1のリモコン装置として浴室リモコン装置152、第2のリモコン装置として台所リモコン装置154がシリアル信号線路156で接続されているとともに、切替弁2の弁制御部10がシリアル信号線路14を介してシリアル信号線路156に接続されている。即ち、弁制御部10は、シリアル信号線路14により制御装置12に接続されている。この実施の形態では、切替弁2が浴槽100に設置された循環口158の近傍に設置されるので、その弁制御部10は、浴室内に設置された浴室リモコン装置152にあるシリアル信号線路156に接続されている。即ち、切替弁2と浴室リモコン装置152とは隣接して設置されている。
【0058】
次に、切替弁2の配置について、図8及び図9を参照する。図8は、切替弁が配置された循環口部から見た浴槽を示す図、図9は、切替弁の配線構造の一例を示す図である。図8及び図9において、図7と同一部分には同一符号を付してある。
【0059】
浴槽100は図8に示すように、浴室160の防水パン150に設置されている。浴槽100の壁部には循環口158が取り付けられ、この循環口158には追焚管路102が接続されている。管路102Aは戻り側の管路であり、管路102Bは追焚用熱交換器121に浴槽水BWを導く往き側の管路である。この循環口158の近傍に切替弁2が配置され、そのドレン排出路148が防水パン150の上面に開放されている。
【0060】
このように浴槽100が配置された浴室160の壁部162には、図9に示すように、浴室リモコン装置152が配置されている。この浴室リモコン装置152は、入浴中にユーザが容易にリモコン操作が可能な位置に配置されるのが一般的である。この浴室リモコン装置152の背面側にはシリアル信号線路156が引き出され、図示しない制御装置12に接続される。
【0061】
そこで、切替弁2の弁制御部10から引き出されたシリアル信号線路14は、壁部162に形成された配線口164から壁部162の背面側に導かれ、浴室リモコン装置152のシリアル信号線路156にコネクタ166によって接続すればよい。斯かる配線構造により、切替弁2は浴室リモコン装置152及び台所リモコン装置154(図7)と同様に、制御装置12にシリアル信号線路156によって連係され、既述の通り、制御情報を送受することができる。即ち、浴室リモコン装置152の近傍に設置され且つシリアル信号線路14で接続された切替弁2が制御装置12で制御される。
【0062】
次に、ドレンタンク142及びドレン134のレベル検出について、図10を参照する。図10は、レベルセンサを備えたドレンタンクを示す図である。図10において、図7と同一部分には同一符号を付してある。
【0063】
ドレンタンク142は、中和後のドレン134の貯留手段の一例であって、その底部にはドレン排出口168、その上部にはドレン流入口170が設置され、ドレン流入口170より上部にはオーバーフロー排出口172が設けられている。ドレン流入口170には中和器140から中和後のドレン134が流入する。ドレン排出口168にはドレン排出管路144が接続され、ドレン排出時、開放状態となる。ドレンタンク142のドレン収容量の限界レベルを超えると、オーバーフロー排出口172からドレン134が流出することになる。
【0064】
そして、ドレンタンク142には、ドレン134のレベルを電気的に検出するレベルセンサ174が設置されている。このレベルセンサ174は、共通電極176、低(L)水位検出電極178、高(H)水位検出電極180、上限(U)水位検出電極182が設置されている。共通電極176が最も長く、ドレンタンク142の底部側に伸びている。低水位検出電極178は、ドレン排出終了レベルを検出するため、その長さは共通電極176よりわずかに短い程度の長さである。高水位検出電極180は、ドレン排出開始レベルを検出するため、上限レベル(U)を検出する上限水位検出電極182より長く設定されている。そして、上限水位検出電極182は、オーバーフロー排出口172より低い位置に設定され、ドレン134の上限レベルを検出する。
【0065】
次に、リモコン装置及び制御装置について、図11、図12及び図13を参照する。図11は、浴室リモコン装置の前面パネル部の一例を示す図、図12は、台所リモコン装置の前面パネル部の一例を示す図、図13は、制御系統を示す図である。図11、図12及び図13において、図1、図7と同一部分には同一符号を付してある。
【0066】
浴室リモコン装置152の前面パネル部184には、図11に示すように、操作部186として、電源スイッチ1861、ふろ自動スイッチ1862、追焚スイッチ1863、給湯温度調整スイッチ1864、運転予約スイッチ1865、設定スイッチ1866等が備えられている。この操作部186の操作に基づき、既述のように、給湯・追焚装置50の制御装置12から各機能部に動作指示が送られる。また、表示部188として、表示画面1881やその他の状態表示1882等が設置されている。また、排水ランプ表示部190、音声報知部192が備えられている。
【0067】
台所リモコン装置154の前面パネル部194には、図12に示すように、操作部196として例えば、電源スイッチ1961、ふろ自動スイッチ1962、追焚スイッチ1963、給湯温度調整スイッチ1964、運転予約スイッチ1965、設定スイッチ1966等が備えられている。この操作部196を操作すると、既述のように、給湯・追焚装置50の制御装置12を介して各機能部に動作指示が送られる。表示部198として、表示画面1981、その他の状態表示1982等が設置されている。また、排水ランプ表示部199、音声報知部200が設置されている。
【0068】
これら浴室リモコン装置152、台所リモコン装置154及び切替弁2と接続される制御装置12はコンピュータによって構成され、図13に示すように、CPU(Central Processing Unit )202、記憶部204及びタイマ206が備えられている。CPU202は、水位センサ119、流水スイッチ120、レベルセンサ174、その他のセンサ207からの検出情報や、タイマ206からの時間情報を受け、プログラムの実行によって、切替弁2、二方弁114、追焚用ポンプ118、その他の機能部品208に制御出力を送出する。記憶部204にはROM(Read-Only Memory)210やRAM(Random-Access Memory)212が備えられ、ROM210には、OS(Operating System)や、給湯制御プログラム、浴槽水追焚制御プログラム、ドレン排出プログラム等のプログラムが格納されている。
【0069】
この制御装置12にシリアル信号線路156によって接続された浴室リモコン装置152はコンピュータによって構成され、制御部214、操作部186、排水ランプ表示部190、音声報知部192、その他の表示部188等が設置されている。この浴室リモコン装置152からの操作入力により制御情報が発せられ、この制御情報がシリアル信号線路156を通して制御装置12に通知される。
【0070】
この制御装置12にシリアル信号線路156によって接続された台所リモコン装置154はコンピュータによって構成され、制御部216、操作部196、排水ランプ表示部199、音声報知部200、その他の表示部198等が設置されている。この台所リモコン装置154からの操作入力により制御情報が発せられ、この制御情報がシリアル信号線路156を通して制御装置12に通知される。
【0071】
また、切替弁2は、シリアル信号線路156に既述のシリアル信号線路14を直結することにより、制御装置12に浴室リモコン装置152及び台所リモコン装置154とともに接続されている。即ち、切替弁2の開閉位置はシリアル通信によって制御装置12に伝達され、その開閉制御が制御装置12によって行われる。この切替弁2の構成は、図1に示した構成と同様であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0072】
次に、給湯・追焚装置の動作処理について、図14、図15及び図16を参照する。図14は、給湯・追焚装置の全体制御の処理手順を示すフローチャート、図15は、ドレンの排出処理の処理手順を示すフローチャート、図16は、熱源制御の処理手順を示すフローチャートを示す図である。
【0073】
図14に示すように、電源を投入すると、機種設定の読込み、出力の初期化、イニシャルテスト等のイニシャライズ処理を実行する(ステップS31)。次に、各種センサの検出信号、浴室リモコン装置152、台所リモコン装置154等からの外部指示等の読込みを行い(ステップS32)、ドレン排出処理の実行か否かを判定する(ステップS33)。ドレン排出処理を実行するか否かは、ドレンタンク142のドレンレベル、ドレン排出の指定時刻であるか否かにより判定する。ドレン排出処理を実行する場合には(ステップS33のYES)、ドレン134を浴室160の防水パン150に排出し、配管洗浄を実行する(ステップS34)。
【0074】
ドレン排出処理及び配管洗浄の後、又はドレン排出処理を実行しない場合には(ステップS33のNO)、給湯動作が実行されたか否かを判定する(ステップS35)。この給湯動作実行か否かの判断は、例えば、給湯栓の開閉状態を監視すればよく、その給湯栓の開閉による流量センサ70の検出によって行えばよい。
【0075】
給湯動作が実行された場合には(ステップS35のYES)、例えば、給水量や設定温度を制御する給湯制御を実行する(ステップS36)。給湯制御を行った後、又は給湯動作が実行されなかった場合には(ステップS35のNO)、自動湯張りの実行か否かの判断に移行する(ステップS37)。自動湯張りの実行か否かは、例えば、浴室リモコン装置152のふろ自動スイッチ1862又は台所リモコン装置154のふろ自動スイッチ1962が押下されたか否かにより判断する。自動湯張りが実行された場合には(ステップS37のYES)、自動湯張り制御に移行する(ステップS38)。
【0076】
自動湯張り制御の後、又は、自動湯張りが実行されなかった場合には(ステップS37のNO)、追焚き実行か否かの判断に移行する(ステップS39)。追焚き実行か否かは、例えば、浴室リモコン装置152の追焚スイッチ1863又は台所リモコン装置154の追焚スイッチ1963が押下されたか否かにより判断する。追焚きを実行する場合には(ステップS39のYES)、追焚用ポンプ118の動作や追焚用バーナ126等を制御する追焚制御に移行する(ステップS40)。追焚制御を行った後、又は追焚きが実行されなかった場合には(ステップS39のNO)、その他の動作を実行するか否かの判断に移行する(ステップS41)。その他の動作は、例えば、足し湯の要求があった場合等に実行される。上記以外のその他の動作を実行する場合には、同様に、その動作制御に移行し(ステップS42)、その制御を実行した後、又は、その他の動作が実行されない場合には(ステップS41のNO)、ステップS32に戻る。上記動作を繰り返して実行し、給湯動作、追焚動作とともに、ドレン排出処理が実行される。
【0077】
次に、ドレン排出処理では、図15に示すように、レベルセンサ174で検出されるドレン134の検出レベルが上限レベル(U)に達したか否かを判定する(ステップS51)。上限レベル(U)に達していれば(ステップS51のYES)、ドレン排出処理を開始しなければならない。
【0078】
そこで、ドレン排出には追焚管路102を使用するので、そのドレン排出に先立ち、追焚動作等、追焚管路102が使用中であるか否かを確認する(ステップS52)。この確認は、例えば、浴室リモコン装置152の追焚スイッチ1863又は台所リモコン装置154の追焚スイッチ1963等が押下されたか否かにより行えばよい。追焚管路102が使用中であれば(ステップS52のYES)、追焚管路102を使用する動作を一時中断させ(ステップS53)、即ち、ドレン排出を優先し、ドレン排出処理を実行する(ステップS54)。追焚管路102が使用中でなければ(ステップS52のNO)、即座にドレン排出処理を実行する(ステップS54)。
【0079】
この場合、追焚管路102を使用中に、強制的にその使用を中断させるので、排水ランプ表示部190、199の点滅や、音声報知部192、200の音声出力によりドレン排出を報知する。このようにすれば、ユーザが、ドレン排出処理のため、追焚動作が中断されたことを知ることができ、追焚動作の中断を故障と誤解することを防止できる。
【0080】
上限レベル(U)に達していなければ(ステップS51のNO)、追焚管路102が使用中であるか否かを確認し(ステップS55)、追焚管路102が使用中であれば(ステップS55のYES)、ステップ51に戻り、レベルが上限レベル(U)に達するのを待つ。追焚管路102が使用中でなければ(ステップS55のNO)、ドレンレベルが高レベル(H)に達したか否かをレベルセンサ174で判断する(ステップS56)。
【0081】
ドレンレベルが高レベル(H)に達していなければ(ステップS56のNO)、指定時刻であるか否かを判定し(ステップS57)、指定時刻であれば(ステップS57のYES)、コールドスタートか否かを判定し(ステップS58)、コールドスタートであれば(ステップS58のYES)、ドレン排出処理を行う(ステップS54)。指定時刻でなければ(ステップS58のNO)、ステップ51に戻る。
【0082】
ドレンレベルが高レベル(H)に達していれば(ステップS56のYES)、コールドスタートであるか否かを判定し(ステップS58)、コールドスタートであれば(ステップS58のYES)、ドレン排出処理を行う(ステップS54)。コールドスタートでなければ(ステップS58のNO)、ステップS51に戻る。
【0083】
このフローチャートにおいて、コールドスタートは、基本的には前回の燃焼終了から一定時間例えば、10分以上経過している場合の動作開始であり、一定時間例えば、10分以内の動作開始であれば、ホットスタートである。即ち、コールドスタートは熱交換器121が冷えた状態からの動作開始であり、ホットスタートは熱交換器121が熱い状態からの動作開始である。
【0084】
ドレン134は常温状態であり、熱交換器121から見れば、冷水である。このようなドレン134を熱交換器121に循環させると、熱交換器121の温度を低下させる原因になるから、ドレン排出はコールドスタート状態で行うことが有利である。
【0085】
そこで、ドレン排出処理に先立って、コールドスタートか否かを判断し、熱交換器121が冷えた状態でドレン排出処理や配管洗浄を行えば、熱交換器121を冷却させることはない。これに対し、ホットスタート状態でドレン排出処理(配管洗浄)をすると、熱交換器121を冷却させ、次に燃焼するときは出湯温度の立上りが遅くなり、しかも、温水HWで配管洗浄することは不経済である。そのため、コールドスタート条件の成立を待ってからドレン排出処理及び配管洗浄を行う。
【0086】
しかしながら、ドレンレベルが上限レベル(U)に達した場合には(ステップ51のYES)、その時点では、給湯燃焼が行われていたことが予想されるが、上限レベル(U)にあるドレンレベルに対し、コールドスタート状態に到達するまでドレン排出処理の実行を遅延させると、ドレン排出処理の機会を逸することになり、ドレンタンク142からドレン134が溢水するおそれがある。そこで、ドレンレベルが上限レベル(U)に達した場合にはコールドスタートチェック前にドレン排出処理を実行し、ドレン134の溢水を防止している。
【0087】
次に、ドレン排出処理にはドレン排出の処理と、配管洗浄の処理が含まれる。このドレン排出処理では、図16に示すように、二方弁114を閉にし(ステップS61)、切替弁2を防水パン150側に切り替え(ステップS62)、切替弁116をドレンタンク142側に切り替える(ステップS63)。これらの動作は、ほぼ同時に行われる。次に、追焚用ポンプ118をONさせると(ステップS64)、ドレンタンク142に溜まったドレン134は、ドレン排出管路144、切替弁116、ポンプ118、追焚管路102、切替弁2を介して防水パン150に排出される。その後、ドレンタンク142のドレンレベルが低レベル(L)に到達したか否かを判断し(ステップS65)、低レベル(L)まで下がると(ステップS65のYES)、追焚用ポンプ118を停止させ(ステップS66)、ドレン排出を終了する。
【0088】
このドレン排出の後、ドレン排出に用いられた追焚管路102の配管洗浄では、切替弁116を追焚き側に切り替え(ステップS67)、注湯処理を行う(ステップS68)。即ち、給湯管路62から注湯管路104に上水Wを流すことにより、追焚管路102内に滞留するドレン134を防水パン150側に排出させ、追焚管路102の管内を上水Wで洗浄する。この注湯処理の後、切替弁2を追焚き側に切り替え(ステップS69)、二方弁114を開状態にし(ステップS70)、この処理を終了する。
【0089】
この配管洗浄に移行する場合には、制御装置12からの給水指令や、水位センサ119の検出結果等から給湯機能が使用されているか否かを確認する。給湯機能が使用されている場合には(既述のホットスタート)、その給湯動作が終了するまで待機し、また、給湯動作が行われていない場合には(既述のコールドスタート)、注湯管路104の注湯電磁弁106を開き、上水Wを追焚管路102に流入させ(注水)、流量センサ108の検出流量が設定流量に到達すれば、注湯電磁弁106を閉じ、その注水を終了する。この注水が終了した後、切替弁2を追焚き側に切り替え、二方弁114を開き、追焚可能状態に切り替える。この配管洗浄には、温水HWを用いてもよい。
【0090】
この注水又は注湯は追焚用ポンプ118の次回動作のための呼び水の役割を果たす。この注湯又は注水の供給量は、追焚管路102の管路長や、給湯・追焚装置2の規格等により変更可能なようにしてもよい。
【0091】
このような配管洗浄を行えば、追焚管路102にドレン134を残留させることがなく、浴槽水BWの追焚きや浴槽100に対する注湯の際に、浴槽100にドレン134が流入するのを防止することができる。
【0092】
ところで、切替弁2を浴槽100側又は防水パン150側の流路に切り替えるには、既述の通り、制御装置12と切替弁2の弁制御部10とのシリアル通信によって実現され、そのシリアル通信には、制御情報(図4)が用いられる。図4の(A)に示すように、制御装置12から切替弁2へ送信される制御情報のデータフォーマットは既述の通り、発信元情報401等のデータに目標情報405、406が包含されている。ドレン排出の際には、目標情報405が「0」、目標情報406が「1」に切り替えられ、ポート20C−20B間が開放状態に維持される。
【0093】
この制御情報を受けた切替弁2は、制御装置12からの制御情報によって弁体4が回転し、ドレン排出の場合には、切替弁2はポート20C−20Bが開放状態となるので、既述の通り、目標情報405が「0」、目標情報406が「1」に維持される。
【0094】
そして、配管洗浄の後、追焚可能な状態では、切替弁2はポート20A−20Cが開放状態となるので、既述の通り、目標情報405が「1」、目標情報406が「0」になる。
【0095】
〔他の実施の形態〕
【0096】
(1) 上記実施の形態では、弁として切替弁2を例示したが、本発明の弁は、開閉弁、比例弁、三方弁等に適用でき、本発明は、上記実施の形態に限定されない。
【0097】
(2) 上記実施の形態では、熱源装置として給湯・追焚装置50を例示したが、暖房装置や給湯・追焚・暖房装置又は給湯装置に適用してもよく、本発明は上記実施の形態に限定されない。
【0098】
(3) 上記実施の形態では、シリアル通信が可能な切替弁2をドレン排出と追焚循環のための管路との流路切替えに用いているが、水制御弁84、注湯電磁弁106、二方弁114、切替弁116に適用してもよく、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
【0099】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0100】
この発明の給湯装置は、既述の弁の流路を切り替える切替弁を用いて構成され、既設の給湯・追焚装置や暖房装置等に適用でき、既設のシリアル配線を利用して弁切替えを実現でき、有用である。
【符号の説明】
【0101】
2 切替弁
4 弁体
10 弁制御部
12 制御装置
16 弁本体
20A、20B、20C ポート
50 給湯・追焚装置
102 追焚管路
142 ドレンタンク
144 ドレン排出管路
148 ドレン排出路
174 レベルセンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の循環口に接続された管路と、
前記管路に接続された切替え弁と、
を備え、前記切替え弁が、少なくとも弁体と該弁体を制御する弁制御部とを備え、該弁制御部が外部の制御手段に有線又は無線により接続されている、
ことを特徴とする、給湯装置。
【請求項2】
前記切替え弁は、前記弁体と、該弁体が設置された弁本体と、前記弁本体に取り付けられたハウジング部と、前記ハウジング部に設置され前記制御手段から前記弁制御部に有線又は無線により制御情報を受け該制御情報に応じて前記弁体を制御する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記切替え弁は、前記浴槽を設置した防水パンにドレンを排出するドレン排出路に接続されている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の給湯装置。
【請求項1】
浴槽の循環口に接続された管路と、
前記管路に接続された切替え弁と、
を備え、前記切替え弁が、少なくとも弁体と該弁体を制御する弁制御部とを備え、該弁制御部が外部の制御手段に有線又は無線により接続されている、
ことを特徴とする、給湯装置。
【請求項2】
前記切替え弁は、前記弁体と、該弁体が設置された弁本体と、前記弁本体に取り付けられたハウジング部と、前記ハウジング部に設置され前記制御手段から前記弁制御部に有線又は無線により制御情報を受け該制御情報に応じて前記弁体を制御する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記切替え弁は、前記浴槽を設置した防水パンにドレンを排出するドレン排出路に接続されている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の給湯装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−167925(P2012−167925A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−120689(P2012−120689)
【出願日】平成24年5月28日(2012.5.28)
【分割の表示】特願2009−152616(P2009−152616)の分割
【原出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000170130)パーパス株式会社 (87)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月28日(2012.5.28)
【分割の表示】特願2009−152616(P2009−152616)の分割
【原出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000170130)パーパス株式会社 (87)
【Fターム(参考)】
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