説明

給湯装置

【課題】利用者の手動要求がなくても適切に給湯状態を監視する給湯装置を提供する。
【解決手段】需要箇所に設置された湯水利用設備に湯水を生成又は追焚して供給する装置本体と、湯水利用設備における湯水の利用動作或いは装置本体における湯水の生成動作又は追焚動作を監視する監視手段61と、湯水利用設備に供給される湯水の温度を調整する温度調整手段とを備えた給湯装置であって、単位動作若しくは単位期間内での複数回の動作における湯水の利用量、生成量、追焚量、供給熱量若しくは動作時間の何れか一つ以上の積算上限値である制限条件を設定可能な制限条件設定手段51を備え、監視手段61により監視される湯水の利用動作、生成動作又は追焚動作に関し、制限条件設定手段51で設定された制限条件を満たす充足度合いを判定する制限条件判定手段53を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、需要箇所に設置された湯水利用設備に湯水を生成又は追焚して供給する装置本体と、前記湯水利用設備における湯水の利用動作或いは前記装置本体における湯水の生成動作及び追焚動作を監視する監視手段と、前記湯水利用設備に供給される湯水の温度を調整する温度調整手段とを備えた給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の給湯装置の定格熱効率は、例えばガス給湯暖房機で給湯95%、暖房87%まで向上しており、ほぼ限界値まで向上している。従って、今後さらなる省エネルギー性の向上を図るためには、熱量供給のための物理的な構成を改善するだけでなく、給湯温度や給湯量、暖房温度や暖房時間等の作動内容をも対象として、給湯装置の利用サイクル全体で省エネルギーに努める必要がある。
【0003】
そこで、従来技術において、利用者がエネルギー利用時に手動で要求した場合には給湯流量を制限して、エネルギー消費を抑制するエコ機能を搭載した給湯装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−116359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の従来技術では、利用者の手動要求によりエコ機能を開始しているため、利用者が手動要求を怠った場合にはエコ機能は発動されず、省エネルギーを実現することができなかった。
【0006】
また、上記の従来技術では、利用者が節約スイッチをオンにして以降に一定流量以上の給湯が検知されると流量を制限する構成であるため、節約スイッチをオンにする以前の利用は考慮されていない。従って、当該利用以前の他の利用者による利用を考慮すると、当該利用に対する流量制限が厳格に過ぎたり、或いは、緩慢に過ぎる場合がある。例えば、家族で同一の台所や浴室を共用する場合は、家族の一人一人(利用者毎)の個々の利用ではなく、家族全体(複数の利用者全体)での台所や浴室(同一の需要箇所)毎における利用を対象として給湯状態を監視し、必要に応じて給湯制限を行う方が、より適切に省エネルギーを実現できる場合がある。
【0007】
さらに、例えば1台のガス給湯暖房機が床暖房、浴室、台所の夫々に熱供給を行う場合のように、1台の給湯装置が複数の需要箇所にエネルギーを供給する場合についても、複数の需要箇所の夫々における利用者毎の個々の利用ではなく、複数の需要箇所全体での利用を対象として監視し、必要に応じて給湯制限を行う方が、より柔軟で効果的な省エネルギー活動を行える場合がある。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、利用者の手動要求がなくても適切に給湯状態を監視する給湯装置を提供する点にある。また、複数の需要箇所におけるエネルギーの利用を対象として、柔軟で効果的な省エネルギー活動を行える給湯装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明に係る給湯装置は、需要箇所に設置された湯水利用設備に湯水を生成又は追焚して供給する装置本体と、前記湯水利用設備における湯水の利用動作或いは前記装置本体における湯水の生成動作又は追焚動作を監視する監視手段と、前記湯水利用設備に供給される湯水の温度を調整する温度調整手段とを備えた給湯装置であって、その第1特徴構成は、単位動作若しくは単位期間内での複数回の動作における湯水の利用量、生成量、追焚量、供給熱量若しくは動作時間の何れか一つ以上の積算上限値である制限条件を設定可能な制限条件設定手段を備え、前記監視手段により監視される前記湯水の利用動作、生成動作又は追焚動作に関し、前記制限条件設定手段で設定された前記制限条件を満たす充足度合いを判定する制限条件判定手段を備えた点にある。
【0010】
本特徴構成によれば、給湯装置は、単位動作若しくは単位期間内での複数回の動作における湯水の利用量、生成量、追焚量、供給熱量若しくは動作時間を監視し、その積算値が制限条件設定手段で設定された積算上限値である制限条件を満たす充足度合いを判定する。即ち、利用者の手動要求に依ることなく、給湯装置が湯水利用設備及び装置本体の動作を監視し、監視された湯水利用設備及び装置本体の動作が所定の制限条件を満たす充足度合いを判定する。
しかも、制限条件判定手段は、単位動作若しくは単位期間内での複数回の動作を対象として制限条件を判定するため、利用者毎の個々の利用だけでなく、単位期間内における他の利用者による利用をも考慮に含めて、湯水利用設備及び装置本体の動作を監視できる。即ち、過去の湯水利用設備及び装置本体の動作を加味して、適切に湯水利用設備及び装置本体の動作を監視することができる。
また、制限条件判定手段は、制限条件を満たす充足度合いを判定するため、判定された充足度合いに基づいて給湯装置の制御を定めることで、状況に応じた段階的な制御を行うことができる。
例えば、制限条件を満たす充足度合いがある程度高まった段階(例:充足度合いが80%に達した場合)で利用者への通知(警告)を行ったり、また、利用者への通知(警告)後、さらにある程度充足度合いが高まった段階(例:充足度合いが90%に達した場合)で給湯流量を通常の60%に制限して湯水の供給を制限したり、それでもなお制限条件に達した場合(充足度合いが100%に達した場合)に湯水の供給を停止することができる。即ち、給湯装置の動作の停止だけでなく、警告や供給の制限といった状況に応じた段階的な制御を容易に行うことができる。
以上のように、本特徴構成によれば、利用者の手動要求がなくても適切に給湯状態(湯水利用設備及び装置本体の動作)を監視する給湯装置を提供することができる。
【0011】
本発明に係る給湯装置の第2特徴構成は、前記第1特徴構成において、複数の需要箇所の夫々に一つ以上の前記湯水利用設備が設置され、前記監視手段が前記湯水利用設備の夫々の利用動作を監視する構成で、監視された前記利用動作が前記制限条件を満たす充足度合いを前記制限条件判定手段が判定する点にある。
【0012】
本特徴構成によれば、複数の需要箇所の夫々に一つ以上の湯水利用設備が設置されている場合に、湯水利用設備の夫々の利用動作を監視して、複数の需要箇所全体を対象として利用動作を監視することができる。即ち、例えば1台の温水床暖房機が床暖房、浴室、台所の夫々に熱供給を行う場合のように、1台の給湯装置が複数の湯水利用設備に熱供給を行う場合において、複数の湯水利用設備の夫々における利用動作を監視することができる。また、複数の需要箇所(湯水利用設備)全体を対象として利用動作を監視することができる。これにより、複数の需要箇所(湯水利用設備)におけるエネルギーの利用を対象として、柔軟で効果的な省エネルギー活動を行える給湯装置を提供することができる。
【0013】
本発明に係る給湯装置の第3特徴構成は、前記第1又は第2特徴構成において、前記制限条件設定手段が、前記制限条件として、1日当たり、所定の時間帯当たり、所定の時間当たり、の何れか一つ以上について、前記湯水の利用量、生成量、追焚量、供給熱量若しくは動作時間の何れか一つ以上の積算上限値を設定することができる点にある。
【0014】
本特徴構成によれば、制限条件設定者にとって馴染み深く、しかもエネルギーの利用特性が反映されやすい時間単位である、1日、所定の時間帯、所定の時間、の何れか一つ以上を対象として、従来から使用頻度が高い慣用の計測量である給湯量(湯水の利用量、生成量、追焚量)、給湯熱量(供給熱量)若しくは給湯時間(動作時間)の何れか一つ以上の積算上限値を制限条件として設定することができる。
これにより、制限条件設定者にとって知見の深いエネルギー利用特性を反映する時間単位に基づいて、使い慣れた計測量で、エネルギー利用に制限条件(積算上限値)を設定することができる。従って、制限条件設定者にとって、制限条件を設定しやすく、使い勝手のよい給湯装置を提供することができる。
【0015】
本発明に係る給湯装置の第4特徴構成は、前記第1〜第3特徴構成において、前記監視手段により監視された前記湯水利用設備における湯水の利用動作或いは前記装置本体における湯水の生成動作又は追焚動作に関する情報を、監視した時間の情報と併せて動作実績として蓄積する実績蓄積手段を備え、前記制限条件設定手段が、前記実績蓄積手段に蓄積された前記動作実績に基づいて、前記制限条件を設定できる点にある。
【0016】
本特徴構成によれば、給湯装置の監視手段により監視された湯水利用設備における湯水の利用動作或いは装置本体における湯水の生成動作及び追焚動作に関する情報を、監視した時間の情報と併せて蓄積した動作実績に基づいて、制限条件を設定することができる。従って、制限条件設定者の主観的な認知や経験だけでなく、給湯装置が監視した動作実績という客観的な情報に基づいて制限条件を設定することができる。これにより、より客観性が高く、適切な制限条件を設定することができる。
【0017】
本発明に係る給湯装置の第5特徴構成は、前記第1〜第4特徴構成において、前記制限条件設定手段が、前記制限条件として、湯水温度の上限値を設定することができる点にある。
【0018】
本特徴構成によれば、制限条件として、湯水温度の上限値を設定することができるため、過度に高温の給湯が行われる場合に、制限条件判定手段を活用して、これを検出することができる。これにより、給湯装置の備える監視機能を、省エネルギー活動だけでなく、安全管理にも活用することができる。
【0019】
本発明に係る給湯装置の第6特徴構成は、前記第1〜第5特徴構成において、前記制限条件設定手段が、将来の特定の日、時間帯又は時間、の少なくともいずれか1つに対して、前記制限条件を予め設定できる点にある。
【0020】
本特徴構成によれば、湯水利用設備或いは装置本体の動作の監視が必要となることが事前に予測される将来の特定の日、時間帯又は時間、の少なくともいずれか1つに対して、制限条件を予め設定することができる。即ち、将来の特定の期間に対して、制限条件設定者が当該期間におけるエネルギー利用制限の必要性を認識したタイミングで、いつでも制限条件を設定することができる。従って、制限条件設定者にとって制限条件を設定しやすく、利便性の高い給湯装置を提供することができる。
【0021】
本発明に係る給湯装置の第7特徴構成は、前記第1〜第6特徴構成において、前記装置本体で生成される湯水の生成量、生成熱量若しくは生成時間を調整する生成状態調整手段を備え、前記制限条件判定手段が前記生成動作に関して前記制限条件を満たす充足度合いを判定し、判定された前記充足度合いに基づいて、前記生成状態調整手段により、前記湯水利用設備への前記湯水の生成量、生成熱量若しくは生成時間の何れか一つ以上を調整又は制限する生成制限を行う点にある。
【0022】
本特徴構成によれば、監視手段が監視した生成動作に関して制限条件を満たす充足度合いを制限条件判定手段で判定し、判定された充足度合いに基づいて、湯水利用設備への湯水の生成量、生成熱量若しくは生成時間の何れか一つ以上を調整又は制限して、生成制限を行う。従って、制限条件である積算上限値に達した場合に急遽湯水の供給を停止するという唐突なものでなく、判定された充足度合いに基づいて、例えば、充足度合いが制限条件の80%に達した場合は使用者に警告し、充足度合いが制限条件の90%に達した場合は、利用者に警告するとともに湯水の生成量を平時の60%とし、制限条件に達した場合は、利用者に通知するとともに湯水の生成を停止するといった段階的な生成制限を設けることができる。
このように、本特徴構成によれば、制限条件及び調整又は制限の内容を適切に設定することで、監視手段が監視した生成動作に基づいて、状況に応じた柔軟で効果性が高い省エネルギー活動を行う給湯装置を提供することができる。
【0023】
本発明に係る給湯装置の第8特徴構成は、前記第1〜第7特徴構成において、前記装置本体で追焚される湯水の追焚量、追焚熱量若しくは追焚時間を調整する追焚状態調整手段を備え、前記制限条件判定手段が前記追焚動作に関して前記制限条件を満たす充足度合いを判定し、判定された前記充足度合いに基づいて、前記追焚状態調整手段により、前記湯水利用設備への前記湯水の追焚量、追焚熱量若しくは追焚時間の何れか一つ以上を調整又は制限する追焚制限を行う点にある。
【0024】
本特徴構成によれば、監視手段が監視した追焚動作に関して制限条件を満たす充足度合いを制限条件判定手段で判定し、判定された充足度合いに基づいて、湯水利用設備への湯水の追焚量、追焚熱量若しくは追焚時間の何れか一つ以上を調整又は制限して、追焚制限を行う。これにより、前記した生成動作と同様に、追焚動作の状況に応じた段階的な追焚制限を行うことができる。従って、制限条件及び調整又は制限の内容を適切に設定することで、監視手段が監視した追焚動作に基づいて、状況に応じた柔軟で効果性が高い省エネルギー活動を行う給湯装置を提供することができる。
【0025】
本発明に係る給湯装置の第9特徴構成は、前記第1〜第8特徴構成において、前記制限条件判定手段が前記利用動作に関して前記制限条件を満たす充足度合いを判定し、判定された前記充足度合いに基づいて、前記湯水利用設備に関して、当該湯水利用設備で設定される設定動作条件に優先して当該湯水利用設備における前記利用動作を調整又は制限する動作制限対象設備と、当該湯水利用設備で設定される設定動作条件を優先して当該湯水利用設備における前記利用動作を調整及び制限しない設定動作条件優先設備とを、択一的に設定可能に構成されている点にある。
【0026】
本特徴構成によれば、制限条件判定手段が利用動作に関して制限条件を満たす充足度合いを判定し、判定された充足度合いに基づいて動作制限を行う動作制限対象設備と、動作制限を行わない設定動作条件優先設備とを、択一的に設定することができる。従って、省エネルギー活動の対象とする動作制限対象設備と現場での要求を優先する設定動作条件優先設備とを柔軟に設定することができる。これにより、柔軟性及び利便性の高い省エネルギー活動を実施することが可能な給湯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ガス給湯暖房機の全体構成図
【図2】ガス給湯暖房機の制御ブロック図
【図3】ガス給湯暖房機の制限条件及び給湯制限設定の制御フロー図
【図4】ガス給湯暖房機の給湯状態監視の制御フロー図
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る給湯装置の一実施形態であるガス給湯暖房機を、図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る給湯装置の一実施形態であるガス給湯暖房機1の全体構成図である。ガス給湯暖房機1から供給する湯水に係る動作として、装置本体1Aで湯水を生成して湯水利用設備Fに供給する生成動作及び湯水利用設備Fから湯水を装置本体1Aに戻すとともに装置本体1A内で追焚して湯水利用設備Fに供給して湯水利用設備Fで利用に供する追焚動作、ガス給湯暖房機1から供給された湯水を湯水利用設備Fで利用する利用動作があるが、理解を容易とするため、以下ではこのうち、給湯運転に伴う装置本体1Aでの湯水の生成動作及び湯水利用設備Fでの湯水の利用動作を中心として説明する。
【0029】
図1に示すガス給湯暖房機1は、一般家庭の需要箇所Pに設置された湯水利用設備Fである給湯栓4、暖房端末8、浴槽10に湯水を生成又は追焚して供給する給湯熱交換器6及び暖房熱交換器9を備えた装置本体1Aと、前記湯水利用設備Fに供給される湯水の給湯量や給湯温度、給湯時間をサーミスタや水量センサ、タイマからなる計測系Sにより計測した給湯情報を収集し、湯水利用設備Fにおける湯水の利用動作或いは前記装置本体1Aにおける湯水の生成動作又は追焚動作の状態を示す給湯状態を監視する監視手段としての給湯状態監視手段61、及び、バーナや調整弁、ファンからなる調整系Mの作動を制御して湯水利用設備Fに供給される湯水の給湯温度を調整する温度調整手段としての給湯温度調整手段(給湯状態調整手段75の一機能)、として作動する運転制御手段45とを備えた給湯装置である。
【0030】
図1に示すガス給湯暖房機1は、一般家庭用の水道管に接続された給水路2からの水をガス燃焼式の給湯バーナ3によって加熱して、加熱後の湯水を先端に給湯栓4を備えた給湯路5に供給する給湯熱交換器6と、ガス燃焼式の暖房バーナ7の燃焼によって熱媒を加熱して暖房端末8等に供給する暖房熱交換器9と、暖房熱交換器9にて加熱された熱媒によって浴槽10の湯水を加熱して浴槽10に供給する風呂熱交換器11とを備えた2缶3水式にて構成されている。
【0031】
給湯バーナ3及び暖房バーナ7の夫々には、一般家庭用の燃料ガスを供給するガス供給路12が接続され、燃料ガス供給量を調整する電磁式のガス比例弁13及び燃料ガスの供給を断続する断続弁14が各別に設けられている。また、給湯バーナ3及び暖房バーナ7の夫々には、燃焼用空気を供給する燃焼用ファン15も各別に設けられており、図示は省略するが、給湯バーナ3及び暖房バーナ7の夫々の近くには、給湯バーナ3及び暖房バーナ7の夫々に対する点火動作を実行する点火用のイグナイタ及び着火されたか否かを検出するフレームロッド等も各別に設けられている。
給湯熱交換器6及び暖房熱交換器9における加熱状態を調整するこれらの給湯バーナ3、暖房バーナ7、ガス比例弁13、断続弁14、燃焼用ファン15、イグナイタ、フレームロッド等は、湯水利用設備Fに供給される湯水の給湯状態を調整する調整系Mを構成している。
【0032】
給湯熱交換器6には、給水路2及び給湯路5が接続されており、給水路2には、給水温度を検出する給水サーミスタ16と給水量を検出する水量センサ17とが設けられている。給水路2と給湯路5とが給湯熱交換器6をバイパスするようにバイパス路18が備えられ、そのバイパス路18にバイパス弁19が設けられている。給湯路5には、上流側から順に、給湯熱交換器6の出口温度を検出する出口温度サーミスタ20と、バイパス路18から供給される水が混合した後の湯水の温度を検出する出湯サーミスタ21とが設けられており、出湯サーミスタ21は、給湯栓4への給湯温度を測定する給湯温度センサとしても機能している。また、給湯栓4への給湯量を調整する給湯栓給湯量調整弁71及び給湯栓4への給湯量を計測する給湯量センサ81が、給湯路5と湯張り路39との分岐点の下流であって給湯栓4の上流の給湯路5上に、上流から給湯栓給湯量調整弁71、給湯量センサ81の順に設けられている。さらに、給湯量センサ81で計測される給湯栓4への給湯の有無に基づいて、運転制御手段45に設けられたタイマ46により、給湯栓4への給湯時間が計測可能に設けられている。
【0033】
暖房熱交換器9には、加熱後の熱媒を暖房端末8に供給する熱媒往き路22と、暖房端末8から熱媒を戻す熱媒戻り路23とが接続されている。熱媒往き路22と熱媒戻り路23とは、暖房端末8をバイパスする第1熱媒バイパス路25及び第2熱媒バイパス路26にて接続されている。第1熱媒バイパス路25と第2熱媒バイパス路26との位置関係は、熱媒往き路22において第1熱媒バイパス路25の接続箇所が第2熱媒バイパス路26の接続箇所よりも上流側となり、熱媒戻り路23において第2熱媒バイパス路26の接続箇所が第1熱媒バイパス路25の接続箇所よりも上流側となっている。熱媒往き路22には、加熱後の熱媒の温度を検出する熱媒サーミスタ27が設けられており、その熱媒サーミスタ27の設置箇所よりも下流側に第1熱媒バイパス路25の接続箇所が位置している。熱媒戻り路23には、上流側から順に、膨張タンク28、熱媒循環ポンプ29が備えられており、膨張タンク28の設置箇所よりも上流側に第1熱媒バイパス路25の接続箇所が位置している。
【0034】
暖房端末8として、高温の熱媒(例えば80℃の熱媒)を供給する高温暖房端末8a(例えば浴室乾燥装置)とその高温暖房端末8aよりも低温の熱媒(例えば60℃の熱媒)を供給する低温暖房端末8b(例えば床暖房パネル)とが備えられている。高温暖房端末8aには、熱媒往き路22及び熱媒戻り路23が接続されており、低温暖房端末8bには、熱媒戻り路23において熱媒循環ポンプ29の設置箇所と暖房熱交換器9の接続箇所との間から分岐接続された低温熱媒往き路30、及び、熱媒戻り路23が接続されている。熱媒循環路24は、熱媒往き路22と熱媒戻り路23と低温熱媒往き路30とから構成されている。これにより、高温暖房端末8aに対しては暖房熱交換器9にて加熱された熱媒を熱媒往き路22にて供給しており、高温暖房端末8aからの熱媒を熱媒戻り路23にて暖房熱交換器9に戻している。また、低温暖房端末8bに対しては暖房熱交換器9にて加熱された熱媒を熱媒往き路22、第1熱媒バイパス路25、熱媒戻り路23、低温熱媒往き路30を順に通流させて供給しており、低温暖房端末8bからの熱媒を熱媒戻り路23にて暖房熱交換器9に戻している。
【0035】
暖房端末8の給湯情報の計測手段として、熱媒往き路22に設けられた熱媒サーミスタ27が、高温暖房端末8aへの給湯温度を計測する高温暖房給湯温度センサとして機能している。また、高温暖房端末8aへの給湯量を調整する高温暖房給湯量調整弁72a及び高温暖房端末8aへの給湯量を計測する高温暖房給湯量センサ82が、熱媒往き路22と第2熱媒バイパス路26との分岐点の下流であって高温暖房端末8aの上流の熱媒往き路22上に、上流から、高温暖房給湯量調整弁72a、高温暖房給湯量センサ82、の順に設けられている。
さらに、低温暖房端末8bへの給湯温度を計測する低温暖房給湯温度センサ83が、膨張タンク28に設けられている。また、低温暖房端末8bへの給湯量を調整する低温暖房給湯量調整弁72b、低温暖房端末8bへの給湯量を計測する低温暖房給湯量センサ84が、低温暖房端末8bの上流の低温熱媒往き路30上に、上流から低温暖房給湯量調整弁72b、低温暖房給湯量センサ84の順に設けられている。
加えて、高温暖房給湯量センサ82及び低温暖房給湯量センサ84の夫々で計測される高温暖房端末8a及び低温暖房端末8bの夫々へ給湯の有無に基づいて、運転制御手段45に設けられたタイマ46により、高温暖房端末8a及び低温暖房端末8bの夫々への給湯時間が計測可能に設けられている。
【0036】
第2熱媒バイパス路26には、上流側から順に、熱媒断続弁31、風呂熱交換器11が備えられている。熱媒断続弁31は、熱媒往き路22を通流する熱媒の第2熱媒バイパス路26への供給を断続する開閉弁にて構成されている。そして、熱媒断続弁31を開状態に切り換えることにより熱媒往き路22を通流する熱媒を第2熱媒バイパス路26に供給するバイパス状態に切り換え(図中点線矢印)、熱媒断続弁31を閉状態に切り換えることにより熱媒往き路22を通流する熱媒を第2熱媒バイパス路26に供給しない非バイパス状態に切り換え自在に構成されている。風呂熱交換器11は、暖房熱交換器9にて加熱されて第2熱媒バイパス路26に供給された熱媒にて風呂循環路32を通流する浴槽10の湯水を加熱する液々熱交換器にて構成されている。
【0037】
風呂熱交換器11には、加熱後の湯水を浴槽10に供給する風呂往き路33と浴槽10から湯水を供給する風呂戻り路34とが接続され、風呂往き路33と風呂戻り路34とから風呂循環路32が構成されている。風呂戻り路34には、上流側から順に、浴槽内の湯水の温度を検出する風呂サーミスタ35と、圧力を検出することによって浴槽10内の水位を検出する水位センサ36と、水流スイッチ37と、風呂循環ポンプ38とが設けられている。給湯路5から分岐して風呂戻り路34に接続された湯張り路39には、上流側から順に、湯張り弁40、空気層形成用ホッパ41、湯張り逆止弁42が設けられている。空気層形成用ホッパ41には、風呂戻り路34に接続されて湯水を排水する排水路43と、その排水路43を開閉する排水弁44とが設けられている。
また、浴槽10への給湯量を調整する風呂給湯量調整弁73、浴槽10への給湯温度及び給湯量を計測する風呂給湯温度センサ85及び風呂給湯量センサ86が、風呂熱交換器11の下流であって浴槽10の上流の風呂往き路33上に、上流から、風呂給湯量調整弁73、風呂給湯温度センサ85、風呂給湯量センサ86、の順に設けられている。また、風呂給湯量センサ86で計測される浴槽10への給湯の有無に基づいて、運転制御手段45に設けられたタイマ46により、浴槽10への給湯時間が計測可能に設けられている。
【0038】
〔リモコン〕
ガス給湯暖房機1の運転を制御する運転制御手段45が設けられており、この運転制御手段45は、ガス給湯暖房機1の運転を指令する人為操作式のガス給湯暖房機用リモコン91、93との間で各種の情報を通信可能に構成されている。ガス給湯暖房機用リモコン91、93は、台所及び浴室の夫々に設けられており、給湯設定温度や湯張り設定温度等を設定可能であるとともに、各種スイッチのオン操作により各種運転を要求可能に構成されている。
また、運転制御手段45は、暖房端末8の運転を指令する人為操作式の暖房端末用リモコン92(92a、92b)との間で各種の情報を通信可能に構成されている。暖房端末用リモコン92は、高温暖房端末8a及び低温暖房端末8bの夫々に対して設けられており、夫々乾燥温度や床温度等を設定可能であるとともに、各種スイッチのオン操作により各種運転を要求可能に構成されている。
【0039】
運転制御手段45は、台所に設けられたガス給湯暖房機用リモコン91の運転スイッチがオン操作されると制御可能な状態となり、給湯栓4が開操作されると給湯栓4から湯水を給湯する給湯運転を実行する。また、運転制御手段45は、浴室に設けられたガス給湯暖房機用リモコン93の湯張りスイッチがオン操作されて風呂湯張り要求が要求されると湯張り運転を実行し、追焚スイッチがオン操作されて風呂追焚要求が要求されると追焚運転を実行する。さらに、運転制御手段45は、暖房端末用リモコン92(92a、92b)の暖房運転スイッチがオン操作されて暖房端末8から運転要求が要求されると暖房運転を実行する。
【0040】
〔給湯運転〕
運転制御手段45は、給湯栓4を開いて水量センサ17による検出水量が所定量以上になり給湯要求が要求されていると判別すると、給湯バーナ3を燃焼させて給湯熱交換器6にて湯水を加熱させる給湯加熱作動を行う。つまり、運転制御手段45は、燃焼用ファン15の駆動を開始させた後、断続弁14を開弁し、ガス比例弁13の開度を調整してイグナイタにより給湯バーナ3に点火する。そして、運転制御手段45は、台所に設けられたガス給湯暖房機用リモコン91での給湯設定温度、給水サーミスタ16による検出水温、水量センサ17による検出水量等に基づいて、給湯温度を給湯設定温度とするための給湯バーナ3の目標燃焼量を求め、その求めた目標燃焼量となるようにガス比例弁13の開度及び燃焼用ファン15の回転速度を制御している。
運転制御手段45は、水量センサ17にて通水が検出されなくなると、ガス比例弁13及び断続弁14を閉弁させて燃料供給を停止して給湯バーナ3の燃焼を停止し且つ燃焼用ファン15も停止させて給湯運転を終了する。
【0041】
〔湯張り運転〕
運転制御手段45は、浴室に設けられたガス給湯暖房機用リモコン93の湯張りスイッチがオン操作されて風呂湯張り要求が要求されると、湯張り弁40を開弁して通水を開始させ、出湯サーミスタ21の検出温度が湯張り用の目標温度(湯張り設定温度)になるように、給湯バーナ3を燃焼させて給湯熱交換器6にて湯水を加熱させる給湯加熱作動を行う。そして、運転制御手段45は、水位センサ36にて検出される浴槽10の水位が設定水位に達すると、湯張り弁40を閉じて、給湯バーナ3の燃焼を停止し且つ燃焼用ファン15も停止させて給湯加熱作動を停止して湯張り運転を終了する。
【0042】
〔追焚運転〕
運転制御手段45は、浴室に設けられたガス給湯暖房機用リモコン93の追焚スイッチがオン操作されて風呂追焚要求が要求されると、風呂循環ポンプ38を作動させて、浴槽10内の湯水を風呂戻り路34及び風呂往き路33を通して循環させる。そのときに水流スイッチ37によりそのことが検出されると、運転制御手段45は、熱媒断続弁31を開弁させてバイパス状態に切り換えた状態で熱媒循環ポンプ29を作動させるとともに、暖房バーナ7を燃焼させて暖房熱交換器9にて熱媒を加熱させる暖房加熱作動を行う。運転制御手段45は、暖房加熱作動として、燃焼用ファン15の駆動を開始させた後、断続弁14を開弁し、ガス比例弁13の開度を調整してイグナイタにより暖房バーナ7に点火する。そして、運転制御手段45は、熱媒サーミスタ27の検出温度と目標温度(例えば80℃)との偏差等に基づいて、熱媒サーミスタ27の検出温度を目標温度(例えば80℃)とするための暖房バーナ7の目標燃焼量を求め、その求めた目標燃焼量となるようにガス比例弁13の開度及び燃焼用ファン15の回転速度を制御している。これにより、暖房熱交換器9にて加熱された熱媒を第2熱媒バイパス路26に供給して風呂熱交換器11において暖房熱交換器9にて加熱された熱媒にて風呂戻り路34にて供給された浴槽10の湯水を加熱し、風呂熱交換器11にて加熱された浴槽10の湯水を風呂往き路33にて浴槽10に供給している。
そして、運転制御手段45は、風呂サーミスタ35の検出温度が追焚設定温度に達すると、風呂循環ポンプ38及び熱媒循環ポンプ29を停止させるとともに、暖房バーナ7の燃焼を停止し且つ燃焼用ファン15も停止させて暖房加熱作動を停止して、追焚運転を終了する。
【0043】
〔暖房運転〕
運転制御手段45は、暖房端末8から運転要求が要求されると、熱媒断続弁31を閉弁させて非バイパス状態に切り換えた状態で熱媒循環ポンプ29を作動させるとともに、上述の追焚運転と同様に、暖房バーナ7を燃焼させて暖房熱交換器9にて熱媒を加熱させる暖房加熱作動を行う。ここで、運転制御手段45は、熱媒サーミスタ27の検出温度と目標温度(例えば80℃)との偏差等に基づいて、熱媒サーミスタ27の検出温度を目標温度(例えば80℃)とするための暖房バーナ7の目標燃焼量を求め、その求めた目標燃焼量となるようにガス比例弁13の開度及び燃焼用ファン15の回転速度を制御している。
そして、運転制御手段45は、高温暖房端末8aから運転要求が要求されていると、熱媒往き路22に備えられた熱媒供給断続弁(図示省略)を開弁させて、暖房熱交換器9にて加熱された熱媒を熱媒往き路22にて高温暖房端末8aに供給している。また、運転制御手段45は、低温暖房端末8bから運転要求が要求されていると、低温熱媒往き路30に備えられた熱媒供給断続弁(図示省略)を開弁させて、暖房熱交換器9にて加熱された熱媒を熱媒往き路22、第1熱媒バイパス路25、熱媒戻り路23、低温熱媒往き路30を順に通流させて低温暖房端末8bに供給している。
運転制御手段45は、暖房端末8からの運転要求が終了すると、熱媒循環ポンプ29を停止させるとともに、暖房バーナ7の燃焼を停止し且つ燃焼用ファン15も停止させて暖房加熱作動を停止して、暖房運転を終了する。
【0044】
〔運転制御〕
運転制御手段45は、給湯要求、風呂湯張り要求、風呂追焚要求、及び、暖房端末8からの運転要求の夫々が単独で要求されると、給湯運転、湯張り運転、追焚運転、及び、暖房運転の夫々を単独で実行する。
また、運転制御手段45は、給湯要求、風呂湯張り要求、風呂追焚要求、及び、暖房端末8からの運転要求の2つ以上が同時に要求されると、要求されている運転を同時に実行する。
なお、これらの給湯運転、湯張り運転、追焚運転、及び、暖房運転により得られる湯水を湯水利用設備Fである給湯栓4、暖房端末8、浴槽10で利用する動作を、本願では、湯水利用設備Fにおける湯水の利用動作と呼ぶ。また、上記給湯運転及び湯張り運転における装置本体1Aの動作を装置本体1Aにおける湯水の生成動作と呼び、追焚運転及び暖房運転における装置本体1Aの動作を装置本体1Aにおける湯水の追焚動作と呼ぶ。
【0045】
〔制御構成〕
以下では、図2に基づいて、給湯運転に伴うガス給湯暖房機1の制御構成について説明する。なお、以下では、給湯運転に伴う装置本体1Aでの湯水の生成動作及び湯水利用設備Fでの湯水の利用動作についての制御構成を中心として説明するが、湯張り運転に伴う湯水の生成動作や追焚運転或いは暖房運転に伴う湯水の追焚動作についても、同様の制御構成とすることができる。これらの湯張り運転に伴う湯水の生成動作や追焚運転或いは暖房運転に伴う湯水の追焚動作の制御構成については、各所で補足的に説明する。
【0046】
〔制限条件の設定〕
ガス給湯暖房機1は、1回の給湯動作として計測される単位給湯動作、若しくは、後述する単位期間内での複数回の給湯動作、における、給湯量、給湯熱量若しくは給湯時間、の何れか一つ以上の積算上限値である制限条件Cdを設定可能な制限条件設定手段51を備えている。制限条件Cdは、当該制限条件Cdの判定を行う判定タイミングと、制限条件Cdの内容(積算上限値)と、制限条件Cd(積算上限値)を満たす充足度合いに基づく給湯制限の内容とを含んで構成される。
なお、「制限条件Cd(積算上限値)を満たす充足度合いに基づく給湯制限の内容」とは、例えば、充足度合いが「80%」に達した場合は給湯制限として「利用者への通知(警告)」、充足度合いが「90%」に達した場合は「給湯流量を通常の60%に制限」、充足度合いが「100%」に達した場合は「湯水の供給の停止」、というように、充足度合いとそれに対応する給湯制限の内容の対をいう。特に設定がない場合は、充足度合いの80%に達した段階で利用者への通知(警告)を行うように設定されている。また、このような警告の設定は、解除することもできる。
なお、上記及び以下では、給湯運転に係るガス給湯暖房機1の制御構成について説明するため、制限条件Cdを給湯量、給湯熱量若しくは給湯時間、の何れか一つ以上の積算上限値としているが、他の運転、即ち、湯張り運転に伴う湯水の生成動作や追焚運転或いは暖房運転に伴う湯水の追焚動作についても制御を行うために、ガス給湯暖房機1は、単位動作若しくは単位期間内での複数回の動作における湯水の利用量、生成量、追焚量、供給熱量若しくは動作時間の何れか一つ以上の積算上限値である制限条件Cdを設定可能な制限条件設定手段51を備えている。以下では特に給湯運転に係るガス給湯暖房機1の制御構成について説明するが、他の運転についても制御構成は同様である。
【0047】
1回の給湯動作とは、給湯の開始が検知されてから当該給湯の終了が検知されるまでの継続的な給湯をいう。ガス給湯暖房機1では、湯水利用設備F(給湯栓4、高温暖房端末8a、低温暖房端末8b、浴槽10)の夫々への給湯の開始及び終了は、給湯量センサV(給湯量センサ81、高温暖房給湯量センサ82、低温暖房給湯量センサ84、風呂給湯量センサ86)の計測値を受けて、給湯状態監視手段61が給湯の開始及び終了を検知する。
【0048】
単位期間とは、給湯状態を監視する時間の単位であり、制限条件設定手段51で設定可能に構成されている。ガス給湯暖房機1では、単位期間として、1日当たり、所定の時間帯当たり、所定の時間当たり、の何れか一つ以上を設定することができる。
ガス給湯暖房機1では、「1日当たり」として、「特定日の0:00〜24:00(の24時間)」又は「当該給湯動作以前の24時間」のいずれかを設定できる。また、「所定の時間帯」として、「午前/午後」又は「早朝/朝/昼/夕/夜/深夜」のいずれかを設定できる。また、「所定の時間」として、特定の時間から1時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間、のいずれかを設定できる。
単位期間は、運転制御手段45に設けられたタイマ46で計測される。
【0049】
制限条件設定手段51は、運転制御手段45の一部を構成しており、利用者に湯水利用設備Fへの湯水の給湯状態に関する情報を表示及び音声出力するとともに利用者が操作可能且つ運転制御手段45と通信可能な入出力系I/O、即ち湯水利用設備F(給湯栓4、暖房端末8、浴槽10)の周辺に設置されるガス給湯暖房機用リモコン91、93、暖房端末用リモコン92、運転制御手段45の操作パネル94、からの入力により、制限条件Cdを設定可能に構成されている。
【0050】
また、制限条件設定手段51は、後述する給湯実績蓄積手段62に蓄積された給湯実績に基づいて制限条件Cdを設定可能に構成されている。なお、給湯実績蓄積手段62、給湯実績は夫々、本発明に係る実績蓄積手段、動作実績の一例である。
例えば、入出力系I/Oを介して過去1年間や過去1ヶ月、或いは昨年同月の時間帯別平均給湯量、平均給湯熱量、平均給湯時間を参照して、給湯実績蓄積手段62に蓄積された給湯実績に基づいて制限条件Cdを設定可能に構成されている。
【0051】
なお、上記では給湯運転について説明したが、湯張り運転に伴う湯水の生成動作や追焚運転或いは暖房運転に伴う湯水の追焚動作についても、同様に構成することができる。
即ち、給湯運転以外の他の運転に伴う湯水の生成動作や湯水の追焚動作についても、制限条件設定手段が、後述する実績蓄積手段に蓄積された動作実績に基づいて制限条件を設定可能に構成される。
【0052】
加えて、制限条件設定手段51は、将来の特定の日の単位期間に対しても制限条件Cdを設定可能に構成されている。即ち、制限条件設定手段51は、将来の特定の日、時間帯又は時間、に対して、制限条件Cdを予め設定することができる。
【0053】
設定された制限条件Cdは、制限条件記憶手段52に記憶される。制限条件記憶手段52に記憶された制限条件Cdは、当該制限条件Cdの判定を行う判定タイミングを含んでおり、後述するように、判定タイミングとして設定されたタイミングで制限条件判定手段53により制限条件Cdを満たす充足度合いが判定されて、給湯状態の判断に使用される。
例えば、判定タイミングが「単位給湯動作」に対する制限条件Cdであれば給湯の開始以降終了までの間において、判定タイミングが「所定の時間帯」に対する制限条件Cdであれば当該時間帯において、制限条件Cdを満たす充足度合いが判定されて、給湯状態の判断に使用される。
【0054】
〔給湯状態の監視〕
ガス給湯暖房機1では、常時、運転制御手段45が、給湯状態監視手段61により計測系Sから給湯情報を得て、湯水利用設備Fの夫々における給湯状態を監視している。そして、当該監視により得られた給湯状態に関する情報を、タイマ46で計測される時間情報と併せて、給湯実績として給湯実績蓄積手段62に蓄積している。また、給湯状態監視手段61により監視された給湯状態は、監視されたタイミングが判定タイミングに該当する場合は、後述の制限条件Cdの判定に用いられる。
【0055】
なお、上記では給湯運転について説明したが、湯張り運転に伴う湯水の生成動作や追焚運転或いは暖房運転に伴う湯水の追焚動作についても、同様に構成することができる。
即ち、ガス給湯暖房機1は、監視手段により監視された湯水利用設備Fにおける湯水の利用動作或いは装置本体1Aにおける湯水の生成動作又は追焚動作に関する情報を、監視した時間の情報と併せて動作実績として蓄積する実績蓄積手段を備えている。そして、監視されたタイミングが判定タイミングに該当する場合は、監視手段により監視された湯水利用設備Fにおける湯水の利用動作或いは装置本体1Aにおける湯水の生成動作又は追焚動作に関する情報は、後述する制限条件Cdの判定に用いられる。
【0056】
給湯状態監視手段61は、湯水利用設備Fの夫々への給湯温度を計測する温度センサ(給湯温度センサ(出湯サーミスタ21)、高温暖房給湯温度センサ(熱媒サーミスタ27)、低温暖房給湯温度センサ83、風呂給湯温度センサ85)、湯水利用設備Fの夫々への給湯量を計測する給湯量センサ(給湯量センサ81、高温暖房給湯量センサ82、低温暖房給湯量センサ84、風呂給湯量センサ86)、時間を計測するタイマ46、からなる計測系Sから計測情報を得て、湯水利用設備Fの夫々への給湯温度、給湯量、給湯熱量、給湯時間等の給湯状態を監視している。
【0057】
〔制限条件の判定〕
ガス給湯暖房機1は、給湯状態監視手段61により監視される給湯状態に関し、制限条件設定手段51で設定された制限条件Cdを満たす充足度合いを判定する制限条件判定手段53を備えている。
【0058】
制限条件判定手段53は、給湯状態監視手段61により監視される時間や給湯状態が、制限条件Cdに設定された判定タイミングに該当するかどうかを常時監視している。そして、制限条件Cdに設定された判定タイミングに該当する場合には、給湯状態監視手段61で監視される給湯状態が当該制限条件Cdを満たす充足度合いを判定する。
即ち、制限条件判定手段53は、監視手段(給湯状態監視手段61)により監視される湯水の利用動作、生成動作又は追焚動作に関し、制限条件設定手段51で設定された制限条件Cdを満たす充足度合いを判定するように構成されている。
【0059】
図1に示すガス給湯暖房機1では、複数の需要箇所Pの夫々に一つ以上の湯水利用設備F(給湯栓4、暖房端末8(高温暖房端末8a、低温暖房端末8b)、浴槽10)が設置され、給湯状態監視手段61がこれらの湯水利用設備Fの夫々の給湯状態を監視し、監視された給湯状態が制限条件Cdを満たす充足度合いを制限条件判定手段53が判定するように構成されている。即ち、複数の需要箇所Pの夫々に一つ以上の湯水利用設備Fが設置され、監視手段が湯水利用設備Fの夫々の利用動作を監視する構成で、監視された利用動作が制限条件Cdを満たす充足度合いを制限条件判定手段53が判定するように構成されている。
なお、当該構成において、制限条件Cdの内容は個々の湯水利用設備Fに限定される必要はない。制限条件Cdは、例えば「湯水利用設備F全体で1日当たり給湯600リットル以内」のように、湯水利用設備F全体や複数の湯水利用設備Fの給湯状態に対して設定することができる。
【0060】
〔給湯制限〕
ガス給湯暖房機1は、湯水利用設備Fに供給される湯水の給湯量、給湯熱量若しくは給湯時間を調整する給湯状態調整手段75を備えている。そして、制限条件Cdの判定において、制限条件判定手段53が監視された給湯状態に関して制限条件Cdを満たす充足度合いを判定し、判定された充足度合いに基づいて、給湯状態調整手段75により、湯水利用設備Fへの給湯量、給湯熱量若しくは給湯時間の何れか一つ以上を調整又は制限する給湯制限を行う。
【0061】
給湯状態調整手段75は、利用者に湯水利用設備Fへの湯水の給湯状態に関する情報を表示及び音声出力する入出力系I/Oの作動及び湯水利用設備Fに供給される湯水の給湯状態を調整する調整系Mの作動を制御可能に構成されている。即ち、利用者に湯水利用設備Fへの湯水の給湯状態に関する情報を出力するリモコンの画面表示や音声出力の作動や、湯水利用設備Fに供給される湯水の給湯量及び給湯時間を調整する給湯量調整弁及び湯水の給湯熱量を調整する給湯温度調整手段の作動を制御可能に構成されている。なお、給湯量調整弁は、湯水利用設備F(給湯栓4、暖房端末8(高温暖房端末8a、低温暖房端末8b)、浴槽10)の夫々に対応して、給湯栓給湯量調整弁71、暖房給湯量調整弁72(高温暖房給湯量調整弁72a、低温暖房給湯量調整弁72b)、風呂給湯量調整弁73、で構成される。
【0062】
給湯制限の内容は、制限条件Cdを満たす充足度合いに基づいて設定される。ガス給湯暖房機1では、給湯制限の内容として、警告、給湯の制限、給湯の停止、のいずれかを設定可能に構成されている。例えば「給湯栓において単位給湯動作において50リットル給湯」「浴槽において給湯開始から1時間で400リットル給湯」という制限条件Cdを満たす充足度合いに基づいて、充足度合いが制限条件Cdの80%に達した場合(例において「単位給湯動作において40リットル給湯」「1時間で320リットル給湯」した場合)は、入出力系I/Oから警告音及び警告表示による利用者への通知(警告)、充足度合いが制限条件Cdの90%に達した場合(例において「単位給湯動作において45リットル給湯」「1時間で360リットル給湯」した場合)は、入出力系I/Oからの警告とともに給湯流量を給湯栓・浴槽からの給湯指令流量の60%に制限して給湯(給湯の制限)、充足度合いが制限条件Cd(例において「単位給湯動作において50リットル給湯」「1時間で400リットル給湯」した場合)に達した場合は、入出力系I/Oからの警告とともに即時給湯停止(給湯の停止)、という給湯制限を設定することができる。
【0063】
また、ガス給湯暖房機1では、湯水利用設備Fの夫々について、給湯制限の対象からの除外が設定可能に構成されている。即ち、制限条件判定手段53が給湯状態に関して制限条件Cdを満たす充足度合いを判定し、判定された前記充足度合いに基づいて、湯水利用設備Fに関して、当該設備で設定される給湯条件に優先して給湯制限を行う給湯制限対象設備と、当該設備で設定される給湯条件を優先して給湯制限を行わない給湯条件優先設備とを、択一的に設定可能に構成されている。これにより、給湯制限対象設備を柔軟に設定することができる。例えば、湯水を直接人体に当てて利用する浴室については、給湯制限を行わない、と設定することが可能である。
【0064】
なお、上記では給湯運転について説明したが、湯張り運転に伴う湯水の生成動作や追焚運転或いは暖房運転に伴う湯水の追焚動作についても、同様に構成することができる。
即ち、湯水の生成動作を伴う運転に関しては、装置本体1Aで生成される湯水の生成量、生成熱量若しくは生成時間を調整する生成状態調整手段(給湯状態調整手段75の変形)を備え、制限条件判定手段53が生成動作に関して制限条件Cdを満たす充足度合いを判定し、判定された前記充足度合いに基づいて、生成状態調整手段により、湯水利用設備Fへの湯水の生成量、生成熱量若しくは生成時間の何れか一つ以上を調整又は制限する生成制限を行うように構成する。
また、湯水の追焚動作を伴う運転に関しては、装置本体1Aで追焚される湯水の追焚量、追焚熱量若しくは追焚時間を調整する追焚状態調整手段(給湯状態調整手段75の変形)を備え、制限条件判定手段53が追焚動作に関して制限条件Cdを満たす充足度合いを判定し、判定された前記充足度合いに基づいて、追焚状態調整手段により、湯水利用設備Fへの湯水の追焚量、追焚熱量若しくは追焚時間の何れか一つ以上を調整又は制限する追焚制限を行うように構成する。
さらに、制限条件判定手段53が利用動作に関して制限条件Cdを満たす充足度合いを判定し、判定された前記充足度合いに基づいて、湯水利用設備Fに関して、当該湯水利用設備Fで設定される設定動作条件に優先して動作制限を行う動作制限対象設備と、当該湯水利用設備Fで設定される設定動作条件を優先して動作制限を行わない設定動作条件優先設備とを、択一的に設定可能に構成する。
【0065】
〔給湯状態の監視の制御〕
図3及び図4に基づいて、ガス給湯暖房機1における制限条件及び給湯制限の設定、給湯状態の監視の制御について説明する。
【0066】
〔制限条件及び給湯制限の設定:随時〕
図3に示すように、ガス給湯暖房機1では、随時、給湯状態の監視内容である制限条件Cd及び制限条件Cdを満たす充足度合いに基づく給湯制限を設定することができる(S10)。先述したように、制限条件Cd及び給湯制限の内容は、リモコン等の入出力系I/Oを通じて、制限条件設定手段51から設定される。また、給湯制限は、制限条件Cdを満たす充足度合いと対応付けて設定される。制限条件Cd及び給湯制限は随時設定することができ、将来の特定の日、時間帯又は時間に対して設定することもできる。
【0067】
〔給湯状態の監視:常時〕
図4に示すように、ガス給湯暖房機1では、常時、給湯状態監視手段61が湯水利用設備Fの夫々における給湯状態を監視している(S20)。給湯状態監視手段61は、計測系Sから給湯状態に関する計測情報を得て、当該情報を時間情報と併せて、給湯実績として給湯実績蓄積手段62に蓄積する。
【0068】
上記のように、給湯状態は給湯状態監視手段61が常時監視しているが、制限条件Cdに設定された判定タイミングに該当し、単位給湯動作や単位期間が開始された場合は、制限条件判定手段53が制限条件Cdを判定する(S31:Yes→S32)。
制限条件Cdが設定された単位給湯動作とは、例えば、台所の給湯栓への給湯や浴室のシャワーへの給湯がある。また、制限条件Cdが設定された単位期間とは、例えば、「昼(12:00〜15:00)の時間帯」や「給湯開始から1時間」をいう。
このように、ガス給湯暖房機1では、制限条件Cdによる判定を行うタイミングであるかどうかは、制限条件Cdに設定された判定タイミング及び給湯状態監視手段61で監視される給湯状態や時間情報に基づいて、制限条件判定手段53が常時判定している。そして、このように、ガス給湯暖房機1では、制限条件Cdの判定を開始すべきタイミングかどうかを制限条件判定手段53が常時判定しているため(S31)、利用者の手動要求がなくても、制限条件Cdに設定された判定タイミングに該当する場合には、制限条件判定手段53により、給湯状態の監視(制限条件Cdの判定)を開始することができる。
一方、制限条件Cdが設定された判定タイミングに該当しない場合は、制限条件判定手段53は制限条件Cdを判定せず、ガス給湯暖房機1は、給湯状態監視手段61による給湯状態の監視を継続する(S31:No→S20)。
【0069】
制限条件判定手段53が制限条件Cdを判定する場合は、制限条件Cdを満たす充足度合いを判定し、判定された充足度合いに基づいて、給湯状態調整手段75により、給湯制限対象設備に対して、給湯制限を実施する。給湯制限は、給湯状態調整手段75により、入出力系I/O及び調整系Mの作動を制御して行う。運転制御手段45は、給湯状態調整手段75により制限条件Cdを満たす充足度合いに対応する給湯制限を実施した後、給湯状態の監視を継続する(S32→S33:Yes→S34→S20)。
一方、給湯条件優先設備に対しては給湯制限を実施せず、給湯状態の監視を継続する(S33:No→S20)。
【0070】
なお、上記では給湯運転について説明したが、湯張り運転に伴う湯水の生成動作や追焚運転或いは暖房運転に伴う湯水の追焚動作についても、同様に構成することができる。
即ち、上記において、給湯状態を湯水の生成動作或いは追焚動作、給湯制限を生成制限或いは追焚制限、給湯状態監視手段61を監視手段、給湯実績蓄積手段62を実績蓄積手段、単位給湯動作を単位動作、給湯状態調整手段75を生成状態調整手段或いは追焚状態調整手段、給湯制限対象設備を動作制限対象設備、給湯条件優先設備を設定動作条件優先設備、と読替える事で、湯張り運転に伴う湯水の生成動作や追焚運転或いは暖房運転に伴う湯水の追焚動作についても、制限条件及び生成制限或いは追焚制限の設定、生成動作或いは追焚動作の監視の制御を、同様に構成することができる。
【0071】
〔別の実施形態〕
以下、本発明の別実施形態について説明する。
【0072】
(1)上記実施形態では、制限条件設定手段に制限条件を入力する入出力系I/Oとして、湯水利用設備F(給湯栓、暖房端末、浴槽)の周辺に設置されるガス給湯暖房機用リモコン、暖房端末用リモコン、運転制御手段45の操作パネル、を例示したが、これらは例示に過ぎず、適宜改変が可能である。例えば、制限条件を家庭用パソコンから入力し、運転制御手段に通信するように構成されていてもよい。本発明の目的を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能である。
【0073】
(2)上記実施形態では、制限条件設定手段が、制限条件として、給湯量、給湯熱量、給湯時間(湯水の利用量、生成量、追焚量、供給熱量若しくは動作時間)の積算上限値を設定可能な構成を例示したが、これらの制限条件は例示に過ぎず、適宜改変が可能である。例えば、制限条件設定手段が、制限条件として、湯水温度の上限値を設定することができるように構成されていてもよい。
【0074】
(3)上記実施形態では、省エネルギー性や安全性の向上を目的として、制限条件として、給湯量、給湯熱量、給湯時間の積算上限値や給湯温度の上限値のように、計測値の上限値を設定する構成を例示したが、上限値の設定は例示に過ぎず、目的に応じて、適宜改変が可能である。
【0075】
(4)上記実施形態では、制限条件として、1日当たり、所定の時間帯当たり、所定の時間当たり、の何れか一つ以上について、給湯量、給湯熱量若しくは給湯時間の何れか一つ以上の積算上限値を設定することができる構成を例示したが、当該制限条件は例示に過ぎず、適宜改変が可能である。
例えば、上記で例示した、1日、所定の時間帯、所定の時間、のほか、1年、半年、3ヶ月、1月、1週間、の何れか一つ以上について、給湯量、給湯熱量若しくは給湯時間の何れか一つ以上の積算上限値を設定できる構成としてもよい。
【0076】
(5)上記実施形態では、給湯制限(生成制限、追焚制限)として、湯水利用設備への給湯量、給湯熱量若しくは給湯時間の何れか一つ以上を調整又は制限する構成を例示したが、当該制限条件は例示に過ぎず、適宜改変が可能である。例えば、給湯制限として、湯水利用設備への給湯温度を調整又は制限する構成としてもよい。
【0077】
(6)上記実施形態では、給湯状態を計測する構成として、計測系を構成するサーミスタや水量計、並びに、給湯状態を調整する構成として、調整系を構成するバーナや調整弁、ファンの配置の一例を示したが、上記に示した配置は例示に過ぎない。即ち、上記実施形態に示した機器の配置や構成は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 ガス給湯暖房機(給湯装置)
1A 装置本体
6 給湯熱交換器
8 暖房端末
10 浴槽
45 運転制御手段
46 タイマ
51 制限条件設定手段
53 制限条件判定手段
61 給湯状態監視手段(監視手段)
62 給湯実績蓄積手段(実績蓄積手段)
75 給湯状態調整手段(生成状態調整手段、追焚状態調整手段)
Cd 制限条件
F 湯水利用設備
P 需要箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
需要箇所に設置された湯水利用設備に湯水を生成又は追焚して供給する装置本体と、
前記湯水利用設備における湯水の利用動作或いは前記装置本体における湯水の生成動作又は追焚動作を監視する監視手段と、
前記湯水利用設備に供給される湯水の温度を調整する温度調整手段とを備えた給湯装置であって、
単位動作若しくは単位期間内での複数回の動作における湯水の利用量、生成量、追焚量、供給熱量若しくは動作時間の何れか一つ以上の積算上限値である制限条件を設定可能な制限条件設定手段を備え、
前記監視手段により監視される前記湯水の利用動作、生成動作又は追焚動作に関し、前記制限条件設定手段で設定された前記制限条件を満たす充足度合いを判定する制限条件判定手段を備えた給湯装置。
【請求項2】
複数の需要箇所の夫々に一つ以上の前記湯水利用設備が設置され、
前記監視手段が前記湯水利用設備の夫々の利用動作を監視する構成で、
監視された前記利用動作が前記制限条件を満たす充足度合いを前記制限条件判定手段が判定する請求項1記載の給湯装置。
【請求項3】
前記制限条件設定手段が、前記制限条件として、1日当たり、所定の時間帯当たり、所定の時間当たり、の何れか一つ以上について、前記湯水の利用量、生成量、追焚量、供給熱量若しくは動作時間の何れか一つ以上の積算上限値を設定することができる請求項1又は2記載の給湯装置。
【請求項4】
前記監視手段により監視された前記湯水利用設備における湯水の利用動作或いは前記装置本体における湯水の生成動作又は追焚動作に関する情報を、監視した時間の情報と併せて動作実績として蓄積する実績蓄積手段を備え、
前記制限条件設定手段が、前記実績蓄積手段に蓄積された前記動作実績に基づいて前記制限条件を設定できる請求項1〜3の何れか一項記載の給湯装置。
【請求項5】
前記制限条件設定手段が、前記制限条件として、湯水温度の上限値を設定することができる請求項1〜4の何れか一項記載の給湯装置。
【請求項6】
前記制限条件設定手段が、将来の特定の日、時間帯又は時間、の少なくともいずれか1つに対して、前記制限条件を予め設定できる請求項1〜5の何れか一項記載の給湯装置。
【請求項7】
前記装置本体で生成される湯水の生成量、生成熱量若しくは生成時間を調整する生成状態調整手段を備え、
前記制限条件判定手段が前記生成動作に関して前記制限条件を満たす充足度合いを判定し、判定された前記充足度合いに基づいて、前記生成状態調整手段により、前記湯水利用設備への前記湯水の生成量、生成熱量若しくは生成時間の何れか一つ以上を調整又は制限する生成制限を行う請求項1〜6のいずれか一項記載の給湯装置。
【請求項8】
前記装置本体で追焚される湯水の追焚量、追焚熱量若しくは追焚時間を調整する追焚状態調整手段を備え、
前記制限条件判定手段が前記追焚動作に関して前記制限条件を満たす充足度合いを判定し、判定された前記充足度合いに基づいて、前記追焚状態調整手段により、前記湯水利用設備への前記湯水の追焚量、追焚熱量若しくは追焚時間の何れか一つ以上を調整又は制限する追焚制限を行う請求項1〜7のいずれか一項記載の給湯装置。
【請求項9】
前記制限条件判定手段が前記利用動作に関して前記制限条件を満たす充足度合いを判定し、判定された前記充足度合いに基づいて、前記湯水利用設備に関して、当該湯水利用設備で設定される設定動作条件に優先して当該湯水利用設備における前記利用動作を調整又は制限する動作制限対象設備と、当該湯水利用設備で設定される設定動作条件を優先して当該湯水利用設備における前記利用動作を調整及び制限しない設定動作条件優先設備とを、択一的に設定可能に構成されている請求項1〜8のいずれか一項記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−202633(P2012−202633A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68816(P2011−68816)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)