説明

統合型廃棄物貯蔵用のシステム及び方法

本発明は、廃棄物流の組成及び特徴に基づく、廃棄物流用の統合型バンカー貯蔵システムを提供する。特に、本発明は、一組の材料特徴に基づいて個々の廃棄物流を生成するためのプロセスを提供する。本発明のシステム及び方法によると、バンカーに貯蔵された廃棄物からの個々の廃棄物流は、所与の供給比率で混合され、化学変換プロセス、例えばガス化から所望のアウトプットを生じることになる供給原料を生成する。所望により、供給原料に関する組成データは、第三者に対して証明することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、35U.S.C.§119(e)に基づいて、2008年6月26日に出願された、System And Method For Integrated Waste Storageと題する米国特許仮出願第61/075,988号の利益を請求するものであり、それは参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般には代替エネルギー、燃料、及び石油化学製品に関する。より具体的には、本発明は、統合型バンカー貯蔵システムに貯蔵された廃棄物材料からエネルギー及び/又は原料を回収することに関しており、エネルギー、燃料、又は石油化学製品への最適な転換のために、廃棄物流から供給原料を生成するためのプロセスを提供する。
【背景技術】
【0003】
加熱、輸送、及び石油化学製品の生産に有用な燃料源は、益々不足しつつあり、従ってより高価になりつつある。エネルギー及び石油化学製品を生産する分野等の産業は、それらの製品及びその他多数の生産に使用するための、費用効率の高い燃料供給原料代替物を積極的に探索している。加えて、化石燃料の価格がなおも上昇し続けているため、エネルギー及び石油化学製品生産用の燃料供給原料を移動させるための輸送費が急速に高騰している。
【0004】
これらエネルギー及び石油化学製品を生産する産業等は、通常、加熱及び電気用のエネルギーを生産するための燃焼及びガス化プロセスで使用するために、並びに下流産業における石油化学製品及び液体燃料の生産に使用される合成ガスを生成するために、石炭、石油、及び/又は天然ガス等の化石燃料に依存してきた。
【0005】
燃焼及びガス化は、燃料源内に貯蔵されているエネルギーを放出するために使用される熱化学プロセスである。燃焼は、過剰な空気又は過剰な酸素が存在する反応器内で生じる。燃焼は一般に蒸気を発生させるために使用され、次いで、蒸気は蒸気タービンによる電気の発生に用いられる。しかしながら、燃料の完全燃焼の爆発的な性質により、燃焼中に発生するガス中に著しい量の汚染物質が生成する。例えば、酸化雰囲気中での、例えば石炭の燃焼は、喘息の発作を引き起こす可能性がある地表面オゾンの前駆物質である窒素酸化物を放出する。石炭等の高濃度で硫黄を含有する化石燃料の燃焼は、二酸化硫黄の最大の発生源でもあり、二酸化硫黄は、ひいては非常に微小な粒子である硫酸塩を生成する。米国の発電所による微粒子汚染は、毎年30,000人を超える人々の命を奪っている。何十万人もの米国人が、発電所からの微粒子に関連する喘息発作、心臓障害、並びに上気道及び下気道障害に苦しんでいる。
【0006】
ガス化は空気の非存在下、又は化学量論に満たない量の酸素の存在下であっても、反応器中で生じる。酸素の非存在下、又は化学量論に満たない量の酸素の存在下で生じる熱化学反応は、窒素酸化物や硫黄酸化物の形成をもたらさない。
【0007】
ガス化は、気体状の燃料を多く含む生成物を発生させる。ガス化工程中に、燃料源を使用可能な燃料ガスに変換する2つのプロセスが生じる。第1段階である熱分解又は火炎熱分解では、供給原料は、600℃(1112°F)未満の温度で燃料の揮発性成分を放出する。これは、液化(devolatization)として知られているプロセスである。気化しない熱分解の副産物はチャー(炭)と呼ばれ、主として固定炭素及び灰から構成されている。第2のガス化段階では、熱分解後に残った炭素は、蒸気及び/又は水素のいずれかと反応して還元プロセスを起こす。純粋な酸素によるガス化は、窒素を事実上含まない一酸化炭素及び水素の高品質な混合物をもたらす。
【0008】
基本的に生じるガス化反応は、以下のようなものである:
【数1】

【0009】
これらの反応は全て可逆的であり、それらの速度は反応速度論に依存しており、反応器中の温度、圧力、及び反応物濃度の関数である。吸熱反応の必要条件を満たすために、直接的に又は間接的に熱を供給してもよい。
【0010】
様々なタイプのガス化装置が開発されている。これらは、上昇流固定床、下降流固定床、気泡流動床、及び循環流動床の4つの主要な種類に分類することができる。これらは、反応容器中で燃料源を支持する手段、燃料及び酸化剤の両方の流動方向、及び熱が反応器に供給される方法に基づいて区別されている。
【0011】
対向流ガス化(counterflow gasification)としても知られる上昇流ガス化装置は、ガス化装置の最も古く最も単純な形態であり、石炭ガス化に現在も使用されている。燃料は反応器の最上部に導入され、反応器の底にある火格子は反応床を支持する。空気又は酸素及び/又は蒸気の形態の酸化剤は、火格子の下に導入され、燃料及び木炭の床を通って上方に流れる。理想的なガス化装置では、木炭の完全変換が床底で起こり、CO及びHOを遊離させるだろう。このような高温ガス(約1000℃)は床を上方に通過し、H及びCOに還元され、750℃に冷却される。反応器を上昇し続けながら、還元ガス(H及びCO)は、下降する乾燥燃料を熱分解し、最終的には流入するあらゆる湿性燃料を乾燥させ、反応器を低温(約500℃)に保つ。上昇流ガス化の利点は以下の通りである:単純で熱効率が高いこと、水分が多く無機物含有量が高い燃料を取り扱うことができる低コストプロセスであること。上昇流ガス化の主な欠点は、合成ガスが10〜20重量%のタールを含有しており、エンジン、タービン、又は合成に使用する前に合成ガスを徹底的に浄化する必要があることである。
【0012】
並流ガス化(cocurrent−flow gasification)としても知られている下降流ガス化は、酸化剤及び産物ガスが燃料と同じく反応器を下向きに流動するという点を除いて、上昇流ガス化装置と同じ機械的配置を有する。主な違いは、このプロセスでは、形成されたタールの99.9%までを分解することができるということである。低水分の燃料(<20%)及び空気又は酸素は、反応器の最上部の反応ゾーンで点火される。火炎により熱分解ガス/蒸気が発生し、激しく燃焼して5〜15%の炭及び高温ガスを残す。このガスは下方に流れて、800〜1200℃で木炭と反応し、800℃未満に冷却される間により多くのCO及びHを生成する。最後に、変換されなかった炭及び灰は、火格子の底を通過して廃棄される。下降流ガス化の利点は以下の通りである:形成されたタールの99.9%までが消費され、最低限のタール除去しか必要ない又はタール除去が全く必要ないこと、無機物が炭/灰と共に残留し、サイクロンの必要性を低減すること。下降流ガス化の欠点は以下の通りである:供給原料の水分含有量を低くする(<20%)ために乾燥させる必要があること。反応器から出てくる合成ガスが高温であり、2次的な熱回収システムを必要とすること、4〜7%の炭素が変換されずに残ること。
【0013】
気泡流動床は、粒径、密度、及び熱的特徴により選択した砂又はアルミナの微小な不活性粒子で構成される。ガス(酸素、空気、又は蒸気)を強制的に粒子床に通す際に、粒子とガスとの間の摩擦力が、固形物の重量との均衡点に達する。このガス速度(最小流動化速度と呼ばれる)では、媒質を通るガスの気泡及びチャネリングが生じる場合があり、粒子が反応器に残り「沸騰状態」にあるように見える。流動化した粒子は、床に供給されたバイオマスを分解し、反応器全体にわたって良好な熱伝達を保証する傾向を示す。気泡流動床ガス化の利点は以下の通りである:均一なガスを産出すること;反応器全体にわたってほぼ均一な温度分布を示すこと;微粒子を含む広範囲の燃料粒子径を受容することができること;不活性物質、燃料、及びガスの間の高い熱伝達率が得られること;タール及び未変換炭素が少なく高変換が可能であること。気泡流動床ガス化の欠点は以下の通りである:気泡が形成されるため、ガス−固形物接触効率が低いこと、並びに摩耗及びダストエントレインメント率の増加、大きな気泡サイズが、床を通るガスの迂回をもたらす場合があること。
【0014】
循環流動床ガス化装置は、いわゆる輸送速度よりも速いガス速度で作働し、その結果としてガス流中で粒子の著しいエントレインメントが生じる。従って、反応器の最上部から出てくるガス中のエントレインメント粒子を、サイクロンで分離して反応器に戻さなければならない。循環流動床ガス化の利点は以下の通りである:高速反応に好適であること;床物質の熱容量が高いため、高い熱輸送速度が可能であること;タール及び未変換炭素が少ない高変換率が可能であること。また、熱媒体として機能する粒子を循環させることにより、ガス化に必要な熱を外部から伝達させることができるため、より高いエネルギー含量の合成ガスの生産が可能であること。循環流動床ガス化の欠点は以下の通りである:固形物が流れる方向に温度勾配が生じること;より小さな粒子が必要であること;高速度が、その結果として設備侵食をもたらす場合があること;及び熱交換が気泡流動床ほど効率的ではないこと。
【0015】
燃料源が一定で不変であると、その特定の燃料で所望の産物を生産するためにガス化装置を最適化して設計することが可能になるため、通常、これらガス化装置では、均質な燃料源が使用される。現在、ガス化装置で使用されている一般的なタイプの燃料は、木材、石炭、石油、及びバイオマスである。これら燃料源の幾つかは、益々高価になりつつあり、エネルギー及び石油化学供給業者は、代替的な燃料供給原料を求めている。
【0016】
大量に供給されるガス化用原料の一つの有望な供給源として、廃棄物が挙げられる。現在、都市固形廃棄物等の廃棄物は、廃棄されるか、又は熱及び/若しくはタービンで使用する蒸気を発生させるために焼却プロセスに使用されることが多い。焼却は燃焼プロセスであり、燃焼の好ましくない点については上述したとおりである。
【0017】
現在、環境が直面する最も重大な脅威の一つは、温室効果ガス(GHG)の大気中への放出である。二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、水蒸気、一酸化炭素、窒素酸化物、二酸化窒素、及びオゾン等のGHGは、入射する太陽放射線から熱を吸収するが、長波長の放射線を宇宙に向けて反射しない。大気中のGHGは、吸収した熱を捕捉して地球表面の温暖化をもたらす。米国では、GHG排出のほとんどが経済成長、発電に使用される燃料、並びに暖房及び冷房の必要性に影響を与える気象パターンにより大きく主導されるエネルギー消費からもたらされる。石油及び天然ガスに由来するエネルギー関連の二酸化炭素排出量は、米国における人為的なGHG総排出量の82パーセントに相当する。別の温室効果ガスであるメタンは、ごみ埋立地、炭鉱、石油及びガス操業、並びに農業からもたらされ、総排出量の9パーセントに相当する。一方で、亜酸化窒素(総排出量の5パーセント)は、化石燃料の燃焼、並びに特定の肥料の使用及び工業プロセスにより排出される。世界の二酸化炭素排出量は、2001年から2025年にかけて毎年1.9パーセント増加すると予想されている。これらの排出量の増加の多くは、中国及びインド等の新興経済国が経済発展のために化石エネルギーを燃料として供給する開発途上国世界で生じると予想されている。開発途上国の排出量は、2001年から2025年にかけて世界平均を上回る年間2.7パーセントで増加し、2018年頃までには工業国の排出量を上回ると予想されている。
【0018】
ごみ埋立地にガス接続システムが設置されていないか又は設置されているシステムが不十分である場合は、主には例えば都市固形廃棄物(MSW)等の廃棄物の分解中に放出されるメタンが原因となってごみ埋立地もGHG排出の重要な排出源となり得る。二酸化炭素と比較すると、メタンはGHGとして21倍も強力である。現在、ごみ埋立地は人為的排出のうち約4%の原因となっている。メタン排出量は、廃棄物の燃焼及びごみ埋立地からメタンを収集することにより大きく削減することができる。ごみ埋立地から収集したメタンは、エネルギー生産に直接使用することも、又は燃焼により消滅させる、つまりエネルギー生産を伴わない燃焼により除去することも、いずれも可能である。Combustion Of Waste May Reduce Greenhouse Gas Emissions, Science Daily(2007年12月8日)。
【0019】
生産される温室効果ガスの量の点で、人為的活動が環境に与える影響の一つの尺度は、二酸化炭素(CO)を単位として測定されるカーボンフットプリントである。カーボンフットプリントは、製品又はサービスの全ライフサイクルにわたって排出される二酸化炭素及び他のGHGの総量と見なすことができる。通常、カーボンフットプリントは、CO当量(通常はキログラム又はトンでの)として表され、異なるGHGの同じ地球温暖化に対する影響が示される。カーボンフットプリントは、ライフサイクルアセスメント法を使用して計算してもよく、又は化石燃料のエネルギー消費に直接起因する排出に制限してもよい。
【0020】
カーボンフットプリントのもう一つの定義は、1年間にわたる人の活動(主としてそのエネルギー消費)に起因するCOの総量である。この定義は個人炭素計算機(personal carbon calculator)の基礎となる。カーボンフットプリントという用語は、足跡(フットプリント)が人の活動の後に残されるものであることに由来している。カーボンフットプリントは、直接排出(典型的には家庭、並びに自動車、飛行機、鉄道及び他の公共交通機関による旅行を含む輸送で使用されるエネルギー)のみを考慮してもよく、又は商品及びサービスが消費された結果としてのCO排出を含む間接排出を、同時に産出される廃棄物と共に含めてもどちらでもよい。
【0021】
カーボンフットプリントは、以下のステップを適用することにより効率的及び効果的に削減することができる:(i)現在のカーボンフットプリントを正確に決定するライフサイクルアセスメント;(ii)エネルギー消費及び関連するCO排出に関するホットスポットの特定;(iii)エネルギー効率の最適化、従って生産プロセスからもたらされるCO排出の削減及び他のGHG排出の削減;及び(iv)エネルギー節約策で削減することができないCO排出を相殺する解決策の特定。最後のステップには、カーボンオフセット、及びCO排出削減を目指すプロジェクトへの参加が含まれる。
【0022】
カーボンオフセットの購入は、カーボンフットプリントを削減するもう一つの方法である。1カーボンオフセットは、1トンのCO当量の削減を表す。カーボンオフセットを販売する企業は、再生可能エネルギーの研究、農業及び埋立地ガスの捕捉、及び植林等のプロジェクトに投資する。
【0023】
排出権取引クレジットの購入や引き出しも発生し、それにより自発的で統制の取れた炭素市場間の繋がりが作り出される。排出権取引スキームは、自らのカーボンフットプリントを削減する組織及び企業に財政的特典を提供する。そのようなスキームは、キャップアンドトレード制度下で存在し、そこでは、特定の国、地域、又は領域の総炭素排出量が、ある値でキャッピングされ、組織には総排出量の一部分を排出する許可が交付される。その後、自らの排出目標量より少ない炭素を排出する組織は、自らの「超過」炭素排出量を販売することができる。
【0024】
多くの廃棄物の場合、破棄される物質とは、以下のステップを含む長い一連のステップの後に残されるもののことをいう:(i)原料の抽出及び加工;(ii)製品の製造;(iii)材料及び製品の市場への輸送;(iv)消費者による使用;及び(v)廃棄物管理。この「ライフサイクル」に沿った事実上全てのステップで、GHGに影響を与える可能性が存在する。廃棄物管理は、廃棄物になる製品又は材料を製造、輸送、使用、及び破棄することに伴うエネルギー消費(具体的には、化石燃料の燃焼)、及び廃棄物が破棄される埋立地の廃棄物からの排出に影響を与えることにより、GHGに影響を与える。
【0025】
従来より、ごみ埋立地に投棄しなければならない物質の量又は容積を削減するための手段として、種々のタイプの焼却を使用する試みがなされてきた。しかしながら、固形廃棄物問題に対する経済的に実現可能な改善策又は効果的な解決策はごくわずかしか提供されていない。無論、焼却により埋立地に投棄される廃棄物の容積は低減するが、大量のGHG排出をもたらすため、今や廃棄物となった製品の投棄によるカーボンフットプリントが減少することはない。発電用の燃料として、他の固体/液体燃料と混合して又はある形態の処理後に、固形廃棄物を直接利用する種々の試みがなされてきた。幾つかのプロジェクトは技術的に実現可能であることが判明しているが、環境上望ましいか又は経済的に魅力的であるかのどちらでもあるものはごくわずかである。ほとんどの廃エネルギー回収プロジェクトは、それにより置き換わる当初の埋立よりも多くの費用を自治体に負担させており、本質的な環境改善とはなっていない。
【0026】
焼却は、通常はMSWの容積を約90%低減し、元々のMSWの容積の残りの10%は埋め立てられることが多い。この焼却プロセスは、GHGであるCOを大量に生成する。通常は、焼却中に放出されるCO当量あたりの生産されるエネルギーの熱量は非常に低い。従って、エネルギー生産目的でのMSWの焼却は、比較的少ないエネルギー的見返りと引き換えに大気中にGHGを放出する。従って、GHGを回避するためには、MSW等の廃棄物の処理のための埋立及び焼却以外の新しい解決策が必要である。
【0027】
廃棄物として処分される物質のGHGへの影響は、それがどのように製造及び破棄されるかによって異なる。廃棄物管理のオプションとして最も重要なGHGは、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、及びペルフルオロカーボンである。これらのうち、二酸化炭素(CO)は、米国で排出されるGHGのうち他を凌ぐ身近な存在である。二酸化炭素排出のほとんどは、エネルギー消費、特に化石燃料の燃焼に起因する。二酸化炭素は、熱捕捉能力(地球温暖化係数又はGWPとしても知られている)を測定するための基準ガスである。1キログラム(kg)の二酸化炭素のGWPは1と定義される。メタンのGWPは21であり、1kgのメタンが21kgのCOと同じ温暖化能力を有することを意味している。亜酸化窒素のGWPは310である。パーフルオロカーボンは最も強力なGHGであり、CFのGWPは6,500であり、Cは9,200である。二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、及びパーフルオロカーボンの排出量は、通常「炭素当量」で表される。COは重量が12/44炭素であるので、1メートルトンのCOは、12/44又は0.27メートルトンの炭素当量(MTCE)と等しい。他のガスの各々の1メートルトン当たりのMTCE値は、そのGWPに12/44の係数を掛けることにより決定される(気象変動に関する政府間パネル(IPCC、The Intergovernmental Panel on Climate Change)、Climate Change 1995: The Science of Climate Change, 1996, p. 121)。より強力なGHGであるメタン(CH)は、有機廃棄物がごみ埋立地等の無酸素(嫌気性)環境中で分解する際に生成される。ごみ埋立地からのメタンは、米国におけるメタンの最大の排出源である。
【0028】
生分解性廃棄物を堆肥化及び消化する処理方法は、埋立と比べるとGHG排出を削減する。熱、電気、又は輸送燃料の生産にバイオガスを利用することができれば、消化植物中でのバイオガス生産は、堆肥化より多くの排出削減をもたらす。廃棄物成分の分離が供給源で既に生じており、化石燃料がバイオガスに置換される場合の効率は更に良好である。
【0029】
再利用された廃棄物が処理され、化石燃料に代えて使用される場合、通常は、より大きなGHG排出削減が得られる。置き換わった物質が生物性(生命体に由来する物質)の場合、排出の削減が必ずしも可能だとは限らない。他の要因、例えば廃棄物の処理、及び使用後の製品の状況もまた、排出バランスに影響を与える。例えば、リサイクルされた繊維製品で作られた油吸収シートの再利用は、未使用プラスチックを使用した場合と比べると排出量の削減に結びつく。別の例では、再利用プラスチックを建設資材の原料として使用することは、注入木材の使用よりも良好であることが見出された。これは、プラスチックの燃焼が注入木材よりも多くの排出を引き起こすためである。置き換わった物質が化石燃料由来であったり、又はコンクリートや鋼鉄であった場合、その結果は、プラスチックの再利用よりも好ましいであろう。
【0030】
環境に対するGHGの影響に鑑みて、様々なレベルの政府が、燃料をエネルギーに変換する際に大気中に放出されるGHGの削減を目的とした計画を検討しており、一部はそのような計画を開始している。そのようなイニシアチブの一つとして、地域温室効果ガスイニシアチブ(RGGI、Regional Greenhouse Gas Initiative)がある。RGGIは、北東部の発電所からの地球温暖化汚染を低減することを目的とした、市場を基盤とする計画である。このようなイニシアチブは、他にも米国の様々な地域及び連邦レベルで検討されている。RGGIは、米国北東部における、政府により義務付けられたGHG取引システムである。この計画は、例えば、石炭火力発電所が、GHG排出を平均で毎年2.5%積極的に削減することを必要とするだろう。これを実践するための一つの方法は、使用する燃料源を変更するか、又は排出物を浄化して汚染物質を除去することである。これに代わる手段は、他者により生じたカーボンクレジットを購入して自らの大気中への排出を相殺することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
従って、効率的に及びクリーンに燃焼し、エネルギーの生産及び/又は石油化学製品の生産用原料に使用することができる代替的な燃料が求められている。同時に、廃棄物のGHG排出を削減するための方法を実現する廃棄物管理システムが求められている。特に、物質の最終段階ライフサイクル管理に影響を与えることにより、そのカーボンフットプリントを低減させることが求められている。廃棄物に含まれているエネルギーを利用することにより、廃棄物の処理中に発生するGHG排出を削減し、商業的及び家庭的に生成される廃棄物を効果的に使用することが可能となる。
【0032】
従って、本発明の目的は、その内部に閉じ込められているエネルギー及び物質を回収し、化石燃料への需要を低減することによる、家庭廃棄物を処分するための改良された経済的なプロセスを提供することである。本発明の更なる目的は、エネルギーの生産及び/又は石油化学品の生産用からのアウトプットを制御するための、改良された供給原料を提供することである。本発明の別の目的は、炭素含有物質を熱変換するための改良された供給原料を提供して、従来技術のシステムの欠点を取り除くことである。
【0033】
本発明のさらなる目的は、廃棄物が化学的に変換される際のその物理的及び/又は化学的特性であって、エネルギー生産及び/又は石油化学品生産用原料の生産プロセスから得られるアウトプットに影響する特性に基づく廃棄物流用の統合型バンカー貯蔵システムを提供することである。本発明の別の目的は、廃棄物の化学物質含有量、及び化学的変換プロセスにおける供給原料混合物の成分としての廃棄物の使用することに基づく廃棄物流用の統合型バンカー貯蔵システムを提供することである。本発明のまた更なる目的は、廃棄物流のエネルギー含量に基づく、廃棄物流用の統合型バンカー貯蔵システムを供給することである。本発明の更なる目的は、最適な熱変換を達成するのに必要な原料流の所望のエネルギー含量に基づいて廃棄物流を貯蔵するためのプロセスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明は、廃棄物流の組成及び特徴に基づく、廃棄物流の統合型バンカー貯蔵システムを提供する。特に、本発明は、一連の物質特徴に基づいて個々の廃棄物流を生成するプロセスを提供する。本発明のシステム及び方法によると、バンカーに貯蔵された廃棄物からの個々の廃棄物流は、所与の供給比率で混合されて、化学変換プロセス、例えばガス化から所望のアウトプットを生じるであろう供給原料を生成する。
【0035】
本発明のある態様では、システムは、混合都市固形廃棄物流から分離された第1のタイプの廃棄物成分の第1のバンカー、及び混合都市固形廃棄物流から分離された第2のタイプの廃棄物成分の第2のバンカーを備える。第1のタイプの廃棄物成分は、廃棄物成分の化学的組成に基づいて、第2のタイプの廃棄物成分と区別される。廃棄物のタイプは、第1及び第2のバンカーからの廃棄物成分の組合せを含む混合供給原料が、(i)ガス化プロセスで前記混合供給原料が変換される際に、前記ガス化プロセスにより生産される水素と一酸化炭素ガスとの生産比率、並びに(ii)水素及び一酸化炭素の合計量の少なくとも1つにどのように影響を与えるかによっても区別される。
【0036】
本発明の別の態様では、システムは、固形廃棄物流から分離された第1のタイプの廃棄物成分の第1のバンカー、及び固形廃棄物流から分離された第2のタイプの廃棄物成分の第2のバンカーを備える。第1のタイプの廃棄物成分は、廃棄物成分の物理的特徴及び化学的特徴の少なくとも1つに基づいて、第2のタイプの廃棄物成分と区別される。廃棄物のタイプも、第1及び第2のバンカーからの廃棄物成分の組合せを含む混合供給原料が、化学変換プロセスにおいて前記混合供給原料が変換される際に、当該化学変換プロセスのアウトプットにどのように影響を与えるかに基づいて区別される。
【0037】
本発明の更なる態様では、固形廃棄物流は、混合都市固形廃棄物を含む。本発明の更に別の態様では、固形廃棄物流は、発生源で分別された流れを含む。所望により、発生源で分別された流れは再利用可能な物質を含んでいてもよく、発生源で分別された流れは、再利用の際の残留物を含んでいてもよい。
【0038】
本発明の更に別の態様では、第1のタイプの廃棄物成分は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terepthalate)、繊維、紙、新聞紙、木材、並びに脂肪、油類、及びグリース(FOG)のうちの1つを含む物質を含む。同様に、第2のタイプの廃棄物成分は、第1のタイプの廃棄物成分と異なっていてもよく、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、繊維、紙、新聞紙、木材、並びに脂肪、油類、及びグリース(FOG)のうちの1つを含む物質を含んでいてもよい。
【0039】
本発明のある態様では、第1のタイプの廃棄物成分は、廃棄物成分の炭素、水素、酸素、硫黄、窒素、塩素、及び灰含有量の少なくとも1つにおいて、第2のタイプの廃棄物成分と区別される。本発明の別の態様では、第1のタイプの廃棄物成分は、廃棄物成分の水分含有量に基づいて、第2のタイプの廃棄物成分と区別される。
【0040】
本発明の更なる態様では、方法は、第1及び第2のバンカーを準備することと、廃棄物成分の物理的特徴及び化学的特徴の少なくとも1つに基づいて、並びに第1及び第2のタイプの廃棄物成分が化学変換プロセスにおいて変換用の混合供給原料に混合される際に、廃棄物成分が化学変換プロセスのアウトプットにどのような影響を与えるかに基づいて、第1のタイプ及び第2のタイプの混合廃棄物成分を区別することとを含む。この方法は、第1のタイプの廃棄物成分を第1のバンカーに配置すること、及び第2のタイプの廃棄物成分を第2のバンカーに配置することも含む。
【0041】
本発明の更に別の態様では、この方法は、第1のタイプの廃棄物成分を第2のタイプの廃棄物成分と混合して混合供給原料を形成することを含む。所望により、この方法は、混合供給原料を圧縮することを含んでいてもよい。
【0042】
本発明のある態様では、所望の化学的組成を有する人工供給原料を生産する方法は、混合固形廃棄物流から分離された第1のタイプの廃棄物成分の第1のバンカーを準備すること、及び混合固形廃棄物流から分離された第2のタイプの廃棄物成分の第2のバンカーを準備することを含む。この方法は、第1のバンカーの廃棄物成分の化学的組成を決定すること、及び第2のバンカーの廃棄物成分の化学的組成を決定することも含む。この方法は、第1のバンカーの廃棄物成分と第2のバンカーの廃棄物成分との定量的比率を決定することを更に含み、廃棄物成分がその定量的比率で混合される際に、所望の化学的組成の人工供給原料を提供する。この方法は、第1のバンカー及び第2のバンカーの廃棄物成分をその定量的比率に従って混合し、所望の化学的組成の人工供給原料を提供することも含む。
【0043】
本発明の更なる態様では、第1のバンカーの廃棄物成分の化学的組成を決定すること、及び第2のバンカーの廃棄物成分の化学的組成を決定することのうち少なくとも1つは、都市固形廃棄物流に通常存在する廃棄物のタイプに関連する一連の化学的組成情報に基づく。所望により、都市固形廃棄物流に通常存在する廃棄物のタイプに関連する一連の化学的組成情報は、参照テーブルであってもよい。
【0044】
本発明の別の態様では、光学的選別器は、少なくとも1つのバンカーの廃棄物成分及び/又は混合供給原料に混合された廃棄物成分の容積及び重量のうち少なくとも1つに関するデータを収集する。所望により、このデータは、第三者に対して証明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1aおよび図1bは、廃棄物材料を分離及び選別するための例示的なプロセスを示す図である。
【図2】図2は、選別及び分離された廃棄物をガス化用の供給原料として処理するための例示的なフローダイアグラムを示す図である。
【図3】図3は、複数の供給源からの廃棄物供給材料を処理するためのフローダイアグラムを示す図である。
【図4】図4は、米国の地域社会で典型的な廃棄物組成の推定を示す図である。
【図5】図5は、廃棄物材料の発熱量に対する水分量の影響を例示する図である。
【図6】図6は、廃棄物供給原料の発熱量を示す図である。
【図7】図7は、廃棄物供給材料を処理して、ガス化に好適な所望のエネルギー含量を有する均質な燃料にするためのフローダイアグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
ガス化は、気体状の、燃料を多く含む生成物を発生させる熱化学プロセスである。ガス化装置がどのように設計されているかに関わらず、使用可能な燃料ガスを生産するためには、2つのプロセスが生じなければならない。第1段階では、熱分解により、600℃(1112°F)未満の温度で燃料の揮発性成分が放出される。気化しない熱分解の副産物は、通常は炭と呼ばれ、主として固定炭素及び灰で構成されている。第2のガス化段階では、熱分解後に残った炭素を、蒸気、水素、空気、又は純酸素のいずれかと反応させる。空気によるガス化は、窒素を多く含む低エネルギー含量の燃料ガスをもたらす。純酸素によるガス化は、窒素を事実上含まない一酸化炭素及び水素の高品質混合物をもたらす。蒸気によるガス化は、より一般的には「改質」と呼ばれており、水素及び二酸化炭素を多く含む「合成」ガス(syngas)をもたらす。通常は、炭素と酸素との発熱反応は、熱分解及び木炭ガス化反応を推進するのに必要な熱エネルギーを提供する。
【0047】
考慮しなければならない基本的ガス化反応には、以下のものが含まれる:
【数2】

【0048】
これらの反応は全て可逆的であり、それらの速度は反応速度論に依存しており、反応器中の温度、圧力、及び反応物濃度の関数である。廃棄物は、ガス化により合成ガスを生産するための供給原料の有望な供給源である。ガス化プロセスは、廃棄物中の固形又は液体炭化水素を液化及びガス化し、それらをエネルギー含有量が低いか中程度のガスに変換する。ガス化は、従来の廃棄物燃焼に対して幾つかの長所を有する。ガス化は、ダイオキシン並びにSO及びN0の形成を制限する還元環境中で起こる。更にガス化は、燃焼に必要な酸素の化学量論量のほんの一部しか必要としない。その結果、プロセスガスの容積が小さく、より小型でそれほど高価でないガス浄化設備及び熱交換器デバイスしか必要としない。ガス容積がより小さいということは、排出ガス中の不純物質の分圧がより高いことを意味し、これは化学熱力学:ΔG=−RTln(P/P)によると、吸着及び粒子捕捉をより完全に達成する上で有利である。最後に、ガス化は、混合サイクルタービン、往復機関と統合することができ、潜在的には、燃料エネルギーを従来の蒸気ボイラーより効率的に電気に変換する燃料電池と統合することができる燃料ガスを生成する。
【0049】
図面、より具体的には図Ia及び図Ibの符号100は、人工燃料用の供給原料として使用される廃棄物材料を分離及び選別するための例示的なプロセスを示している。廃棄物材料は、例えば、混合MSW流、発生源で分別された流れ(例えば、廃棄物発生源で再利用不能材料から分別された再利用可能材料の流れ)、及び/又は再利用流残留物、即ちある量の再利用可能材料が廃棄物流から除去された後の残りの材料の流れであってもよい。廃棄物材料は、廃棄物収集車によって単一の流れ又は複数の流れのいずれかとして大規模受付区域に運搬される。廃棄物流は、袋詰めの流れ、袋詰めされていない流れ、又は建築及び解体(C&D)の流れであってもよい。袋詰めされていない廃棄物材料には、例えば、混合廃棄物材料、単一流の廃棄物材料、及び段ボール古紙(OCC)が含まれる。廃棄物材料は、傾斜床102に投げ落とされ、その後ペイローダーによりコンベヤー上に押し出される。ある実施形態では、袋詰めされていない廃棄物材料は、利用者により事前に選別されている。別の実施形態では、袋詰めされていない廃棄物材料は、利用者側の収集サービスにより事前に選別されている。傾斜床102から、袋詰めされていない廃棄物材料を、コンベヤーにより事前選別ステーション104に移動させる。事前選別ステーション104は、袋詰めされていない廃棄物材料を、大型の鉄、大型のプラスチック(例えば、大型の硬質プラスチック)、及びプラスチック薄膜の小流に選別する。事前選別ステーション104からの小流の各々を、2つの流れ104a及び104bに更に細分する。事前選別ステーション104からのクリーンかつ選別された廃棄物材料は、第1の流れ104aに含まれ、その後バンカー106に移される。ある実施形態では、バンカー106は、第1の流れ104a中にある材料の各々に割り当てられた区画を備えていてもよい。
【0050】
事前選別ステーション104からの、不純物を含む選別された廃棄物材料は、第2の流れ104bとしてOCCスクリーン114に移される。OCCスクリーン114は、例えば、紙、袋、及び段ボール繊維を、流れ104bからふるい分ける。本発明のある態様では、OCCスクリーン114は、OCC円板型スクリーンであり、これは回転する複数の円板によってOCC等の大きな物体に波状運動を付与し、上方に移動させて流れ104bから取り除く。ある実施形態では、OCCスクリーン114は、OCCから混合紙及び事務用紙を取り除くために使用されるだろう。OCCスクリーン114には、例えば、1/2インチ厚の鋼鉄板で作られた鋸歯を有する楕円形の円板を使用することができる。円板の大きさは変更することができ、円板間の間隔又は円板の並び方は、廃棄物材料の流れに適合するように変えることができる。ある実施形態では、OCCスクリーン114は、OCC繊維、非OCC繊維、及び大きさが約8インチ×12インチの容器を取り除くための3つのデッキを備える。OCCスクリーン114によりネガティブに選別されたOCCの流れ114aは、ピッキングプラットフォーム118に移され、そこで繊維は細断され、OCCの流れ114aから取り除かれる。その後、ピッキングプラットフォーム118からの繊維断片、くず、及びOCCは、バンカー120に移される。
【0051】
傾斜床からの廃棄物が袋詰めの廃棄物材料を含む場合、コンベヤーは、袋詰めの廃棄物材料を袋破壊/破袋器に運搬する。破袋器に移動させる前に、計量器を使用してこの材料を計量してもよい。破袋器108は、袋を破って開け、廃棄物材料を分離及び選別工程のための他のユニットに移動させる。この工程の各ユニットは、特定のタイプの材料を廃棄物材料から取り除く。
【0052】
最初に、破袋器108からの材料を、ストリンガースクリーニングユニット(stringer screening unit)110に移動させる。ストリンガースクリーニングユニット110は、下流の設備を破損する可能性がある長い紐状物(例えば、糸、紐、ワイヤー、テープ、ロープ等)を取り除く。紐状物を取り除いた後、廃棄物材料はトロンメル112に移され、そこでサイズが大き過ぎる材料を取り除いて下流の選別設備の破損を防止する。トロンメルは、水平軸から下方に角度をつけて傾斜した回転する円柱状スクリーンである。例えば、円柱状スクリーンは8インチの穴を備えていてもよく、それにより8インチ未満の材料を穴から落下させ、8インチより大きな材料を円柱内に残留させることが可能になる。材料はトロンメルの上端から供給され、材料がドラムを下方に移動する間に分離が行われる。トロンメルの回転作用により、互いに付着していた材料は分離される。本発明のある実施形態では、袋詰めの廃棄物材料がトロンメルにピックによって直接供給されるように、選別工程を再配置してもよい。トロンメルピックは円柱状スクリーンの内部に取り付けられていてもよく、それを使用して穏やかに袋を開け、その後材料の大きさを変更せずに材料を分散させることができる。その後、トロンメルからの選別された廃棄物材料は、ストリンガーユニットを通過し、廃棄物材料から紐状物が取り除かれる。
【0053】
トロンメルスクリーン112からネガティブに選別された流れ112a(例えば、8インチより大きいトロンメル残留物)は、傾斜床102からの袋詰めされていない廃棄物材料と混合され、その後事前選別ステーション104にインプットとして提供される。例えば、ネガティブに選別された流れ112aは、8インチより大きく、繊維含有量が高い材料を含んでいてもよい。トロンメルスクリーン112からポジティブに選別された流れ112a(例えば、8インチより大きいトロンメル落下物)は、OCCスクリーン114からポジティブに選別された流れ114b(例えば、OCCスクリーン落下物)と混合され、その後円板型スクリーン116にインプットとして提供される。図示されていないが、トロンメルスクリーン112の後に追加的なピッキングプラットフォームを設けて、問題があるか、あるいは符号100の工程により処理することができない廃棄物物品を取り除くことができる。
【0054】
円板型スクリーン116は、インプット流114b中の繊維から容器を選別し、選別された材料をアウトプット流116a〜cに分割する。ある実施形態では、円板型スクリーン116は、OCCスクリーン114と類似しているが、円板間の間隔はそれよりも小さい。例えば、円板型スクリーン116は、サイズが約2.5インチ×3インチよりも小さい容器を落下させることができるような円板間の間隔を有する円板を備えていてもよい。他の実施形態では、参照により本明細書に組み込まれる、2008年9月19日に出願されたSystem And Method For Sorting Of Mixed Materials Using Air Currentsと題する米国特許仮出願第61/098,525号明細書で開示されているもの等のシステムを使用して、容器を繊維から選別するか、又は紙及び/若しくは繊維を他の材料から更に分離する。具体的には、空気ジェットをOCCスクリーン114の下に設置して、流れの残り部分から紙及び/又は繊維を取り除くことができる。円板型スクリーン及び/又は他の容器/繊維分離装置からのアウトプット流116aは、頭上式磁石ライン122にインプットとして提供される。アウトプット流116aは、トロンメル落下物、OCCスクリーン落下物、大部分のガラス材料、及び円板型スクリーン116の円板間の間隔から落下する容器を含んでいてもよい。
【0055】
ポジティブに選別されたアウトプット流116aは、頭上式磁石ライン122にインプットとして提供され、アウトプット流116aから鉄金属類を分離する。ネガティブに選別された材料は、2系統のアウトプット流116b〜cに更に分割され、これらも頭上式磁石ライン122にインプットとして提供され、アウトプット流116bから鉄金属類を分離する。アウトプット流116a〜cは、積載深を低減し、回収率を増加させ、異物混入レベルを低減する。頭上式磁石ライン122は、鉄金属類を拾い上げて、それらを鉄貯蔵バンカー124に落とすコンベヤー上にそれらを移動させるための、コンベヤー上に吊下された磁石ベルトを備える。頭上式磁石ライン122からの残りの非鉄材料の廃棄物流は、小流122a〜bに分割される。
【0056】
第1の小流122aは、バルク軽量材料、主に約3インチ×3インチ未満の大きさのガラスの破片、並びにプラスチック及び非鉄金属容器を含んでいてもよい。小流122aは、円板型スクリーン126にインプットとして提供され、ガラスを砕いてプラスチックから分離する。ある実施形態では、円板型スクリーン126は、小流122aからの3/8インチ未満の粒子を分離する。円板型スクリーン126からの分離されたガラス粒子は、バンカー128に貯蔵される。主にプラスチックを含む円板型スクリーン残留物126a、及び少量のガラス、及び空気中の使用可能な材料(airborne enabled material)を、除石器130(例えば、振動空気分級器)にインプットとして提供し、ガラス等のより高密度の材料及び空気中の使用可能な材料をプラスチックから分離する。廃棄物材料は、除石器130の振動スクリーンを通って移動し、ガラス等のより高密度の材料及び空気中の使用可能な材料は、スクリーンの開口部から落下し、残りのより軽い材料は、送風機から供給される空気によりスクリーン上に維持される。除石器130からの分離されたガラスを含むアウトプット流130bは、アウトプット流126b中のガラス粒子と混合され、その後貯蔵バンカー128に運ばれる。除石器130から落下した分離された風媒可能材料を含むアウトプット流130cは、貯蔵バンカー132に運ばれる。除石器130からの残りのアウトプット流130aは、光学的選別器146にインプットとして提供される(図1b)。
【0057】
繊維及び低減されたレベルのプラスチックを主に含む第2の小流122bは、光学的選別器134にインプットとして提供される。光学的選別器134を使用して、繊維ブラウン(fiber brown)からプラスチックを全て取り除く。光学的選別器134は、コンベヤーに光を照射し、プラスチック材料からの反射光を検出器で検出する。この情報を使用して、検出器はプラスチック材料を検知し、プラスチック材料をめがけて空気ジェットを当て、それをコンベヤーから取り除く。ある実施形態では、光学的選別器134は、8フィート幅のコンベヤー上のプラスチック材料を検出可能である。主に繊維を含む光学的選別器134からの残りの流れは、繊維ブラウンと残りの繊維とに分割される。取り除かれた繊維ブラウンは、バンカー136に貯蔵され、残りの繊維は、ピッキングプラットフォーム138にインプットとして提供され、そこでは、ブラウン、古新聞紙(ONP)、プラスチック、及びくずが取り除かれる。ある実施形態では、残りの繊維は、2系統インプットとしてピッキングプラットフォーム138に提供される。その後、ピッキングプラットフォーム138からのブラウン、ONP、及びくずは、バンカー140に移される。
【0058】
次に、連続する一組の光学的選別器を使用して、異なる色及び大きさのプラスチックを選別する。これらの連続する一組の光学的選別器の検出器は、異なる色及び大きさのプラスチックを識別可能である。光学的選別器134から押し出された(ejected)所定の大きさより大きなプラスチックは、光学的選別器142にインプットとして提供される。例えば、3インチより大きな押し出されたプラスチックは、光学的選別器142にインプットとして提供される。光学的選別器142は、流れから高密度ポリエチレン(HDPE)着色プラスチックを検出して取り除く。ある実施形態では、光学的選別器142は、8フィート幅のコンベヤー上の着色HDPEを検出可能である。押し出されたHDPE着色プラスチックを含むアウトプット流142aは、バンカー144に移され、貯蔵される。光学的選別器142は、残りのプラスチック中の所定の大きさのプラスチックを検出し、検出されたプラスチックを下方軌跡で押し出す。ある例では、3インチ未満の選別されたプラスチックが、下方軌跡で押し出される。別の例では、約3インチ〜約7インチの選別されたプラスチックが、下方軌跡で押し出される。その後、所定の大きさの押し出されたプラスチックを含むアウトプット流142bは、バンカー160に運ばれ、貯蔵される。所定の大きさより大きな残りのプラスチックは全て、光学的選別器148にインプットとして提供される。
【0059】
光学的選別器148は、流れからポリエチレンテレフタレート(PET)プラスチックを検出して取り除く。ある実施形態では、光学的選別器148は、8フィート幅のコンベヤー上のPETを検出可能である。押し出されたPETプラスチックを含むアウトプット流148aは、バンカー150に移され、貯蔵される。光学的選別器148は、残りのプラスチック中の所定の大きさのプラスチックを検出し、検出されたプラスチックを下方軌跡で押し出す。ある例では、3インチ未満の選別されたプラスチックが、下方軌跡で押し出される。別の例では、約3インチ〜約7インチの選別されたプラスチックが、下方軌跡で押し出される。所定の大きさの押し出されたプラスチックを含むアウトプット流148aは、アウトプット流142bと混合され、その後バンカー160に運ばれ、貯蔵される。所定の大きさより大きな残りのプラスチックは全て、光学的選別器154にインプットとして提供される。
【0060】
光学的選別器154は、HDPE未着色プラスチックを全て検出して流れから取り除く。ある実施形態では、光学的選別器154は、6フィート幅のコンベヤー上の未着色HDPEを検出可能である。押し出されたHDPE未着色プラスチックを含むアウトプット流154aは、バンカー156に移され、貯蔵される。光学的選別器154は、残りのプラスチック中の所定の大きさのプラスチックを検出し、検出されたプラスチックを下方軌跡で押し出す。ある例では、3インチ未満の選別されたプラスチックが、下方軌跡で押し出される。別の例では、約3インチ〜約7インチの選別されたプラスチックが、下方軌跡で押し出される。所定の大きさの押し出されたプラスチックを含むアウトプット流154bは、アウトプット流142bと混合され、その後バンカー160に運ばれ、貯蔵される。
【0061】
別の一組の連続する光学的選別器を使用して、異なる色及び大きさのプラスチックを、除石器130からのアウトプット流130aから選別する。光学的選別器146は、アウトプット流130cからの高密度ポリエチレン(HDPE)着色プラスチックを全て検出して取り除く。ある実施形態では、光学的選別器146は、4フィート幅のコンベヤー上のHDPE着色プラスチックを検出可能である。駆出HDPE着色プラスチックを含むアウトプット流146aは、アウトプット流142aと混合され、その後バンカー144に移され、貯蔵される。光学的選別器146は、残りのプラスチック中の所定の大きさのプラスチックを検出し、検出されたプラスチックを下方軌跡で駆出する。ある例では、3インチ未満の選別されたプラスチックが、下方軌跡で押し出される。別の例では、約3インチ〜約7インチの選別されたプラスチックが、下方軌跡で押し出される。所定の大きさの駆出プラスチックを含むアウトプット流146bは、アウトプット流142bと混合され、その後バンカー160に運ばれ、貯蔵される。所定の大きさより大きな残り全てのプラスチックを含むアウトプット流146cは、光学的選別器152にインプットとして提供される。
【0062】
光学的選別器152は、アウトプット流146cからの高ポリエチレンテレフタレート(PET)プラスチックを全て検出して取り除く。ある実施形態では、光学的選別器152は、4フィート幅のコンベヤー上のPETを検出可能である。駆出PETプラスチックを含むアウトプット流152aは、アウトプット流148aと混合され、その後バンカー150に移され、貯蔵される。光学的選別器152は、残りのプラスチック中の所定の大きさのプラスチックを検出し、検出されたプラスチックを下方軌跡で押し出す。ある例では、3インチ未満の選別されたプラスチックが、下方軌跡で押し出される。別の例では、約3インチ〜約7インチの選別されたプラスチックが、下方軌跡で押し出される。所定の大きさの押し出されたプラスチックを含むアウトプット流152bは、アウトプット流142bと混合され、その後バンカー160に運ばれ、貯蔵される。所定の大きさより大きな残り全てのプラスチックを含むアウトプット流152cは、光学的選別器158にインプットとして提供される。
【0063】
光学的選別器158は、アウトプット流152cからの高密度ポリエチレン(HDPE)未着色プラスチックを全て検出して取り除く。ある実施形態では、光学的選別器158は、4フィート幅のコンベヤー上のHDPE未着色プラスチックを検出可能である。押し出されたHDPE未着色プラスチックを含むアウトプット流158aは、アウトプット流154aと混合され、その後バンカー156に移され、貯蔵される。光学的選別器158は、残りのプラスチック中の所定の大きさのプラスチックを検出し、検出されたプラスチックを下方軌跡で押し出す。ある例では、3インチ未満の選別されたプラスチックが、下方軌跡で押し出される。別の例では、約3インチ〜約7インチの選別されたプラスチックが、下方軌跡で押し出される。所定の大きさの押し出されたプラスチックを含むアウトプット流158bは、アウトプット流130cと混合することにより再選別され、その後光学的選別器146にインプットとして提供される。所定の大きさより大きな残り全てのプラスチックを含むアウトプット流158cは、渦電流分離器162にインプットとして提供される。
【0064】
渦電流分離器162は、アウトプット流158cから非鉄金属を分離する。渦電流分離器は、アルミニウム等の非鉄金属をコンベヤーから押し出す回転磁石を備える。この分離器は、ドラム内の小型磁石が保持するのと同じ電荷を有する非鉄金属材料をインジェクトする。同じ電荷は反発し、非鉄材料は磁石から跳ね返ってシュートに落ちる。選別された非鉄材料を含むアウトプット流162aは、バンカー164に運ばれ、貯蔵される。渦電流分離器166からの残りの材料は、残留物としてバンカー166に破棄される。表示されていないが、除石器130等の追加的な除石器を、渦電流分離器166の後に備え、一般に重い材料から一般に軽い材料を分離することができる。また、種々の分離作業後に残った残留物を符号100番の工程に再循環させて、バンカーに移される材料の量を増加させることができる。上記で示されている選別及び分離技術に加えて又は組合せて、以下に記載の技術、装置、及びシステムを使用することができる:2008年9月25日に出願されたSystem And Method For Tagging Products For Use In Identification Of The Components Thereinと題する米国特許仮出願第61/100,038号明細書、2008年5月27日に出願されたSystems And Methods For Sorting Recyclables At A Material Recovery Facilityと題する米国特許出願第11/883,758号明細書、2006年7月17日に出願されたSystems And Methods For Sorting Recyclables At A Material Recovery Facilityと題する米国特許出願第11/487,372号明細書、2005年4月15日に出願されたSystems And Methods For Sorting, Collecting Data Pertaining To And Certifying Recyclables At A Material Recovery Facilityと題する米国特許出願第11/106,634号明細書、現在は2008年3月11日に交付された米国特許第7,341,156号明細書、2007年5月23日に出願されたSystems And Methods For Optimizing A Single−Stream Materials Recovery Facilityと題する米国特許出願第11/802,497号明細書、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0065】
市場のニーズ及び経済に応じて、上記で考察した各バンカーにある選別された材料は、梱包されて再利用施設に再販売されても、又は燃料を生産するための人工供給原料として更に処理されてもよい。選別された廃棄物は、繊維、プラスチック、脂肪/油類/グリース(FOG)、及びスラッジとしておおまかに分類することができる。これらの種類の選別された廃棄物の各々は、所定の組成を有する人工供給原料を生産して、化学変換操業から所望のアウトプットを達成するために使用することができる。本明細書中で使用される場合、所望のアウトプットには、化学変換操業の産物の1つ又は多くの態様が含まれていてもよい。例えば、所望のアウトプットには、これらに限定されないが、操業により生産された物質の総量、操業からのアウトプット全体中に存在する特定の物質の量、操業により生産された特定の物質の比率、操業からの全アウトプット中のある不純物の量、及び操業により生産された物質のより高い発熱量が含まれる。
【0066】
上記のように、ガス化ユニットでは、有利には、種々の人工供給原料を使用することができる。従って、例示の目的で、化学変換操業としてガス化を使用する本発明の実施形態を下記に記述する。しかしながら、他の化学変換操業は、本発明の範囲内にあると理解される。その後人工供給原料を例えばガス化ユニットで使用して、供給原料を合成ガス(syngas)に変換してもよい。その後、合成ガスをボイラーで使用して蒸気を発生させタービンを作働させてもよく、又はフィッシャー−トロプシュプロセスで使用して燃料を生産してもよい。
【0067】
図2の符号200は、選別及び分離された廃棄物をガス化用の供給原料として処理するための例示的なフローダイアグラムを示す。ステップ204では、バンカー202から取り出された各タイプの廃棄物が計量され、その水分含有量が水分センサー206により測定される。例えば、供給材料の水分含有量は、赤外線検出器又はマイクロ波検出器を使用して決定することができる。制御ユニット208は、各タイプの廃棄物の水分含有量に関する情報を水分センサー206から受信し、その後それに応じて廃棄物を取り出す速度を調節する。制御ユニット208は、所定の配合に基づいて取り出される廃棄物の量及びタイプを指定し、その配合は、ひいては種々のタイプの廃棄物の化学的及び物理的特徴に基づいている。例えば、そのタイプの廃棄物の発熱量及び/又は化学的組成を考慮に入れることができる。従って、廃棄物の絶対的元素(例えば、炭素、水素、硫黄、及び/又は窒素)含有量、並びに廃棄物中に存在する特定の化合物又は元素の比率を使用して、取り出される廃棄物の量及びタイプを決定することができる。ステップ204で取り出された廃棄物を計量した後、廃棄物を容器210に移して混合及び乾燥させる。例えば、容器210中での混合は、オーガにより実施される。本発明のある態様では、ガス化装置222又はフィッシャー−トロプシュ装置230のいずれかからの廃熱を、容器210での廃棄物乾燥に使用することができる。制御ユニット208は、水分センサー206から受信した水分情報を使用して、必要とされる廃熱を決定して、容器210の廃棄物混合物中の水分含有量を調整する。制御ユニット208は、所望の水分含有量に達するまで、ガス化装置224又はフィッシャー−トロプシュ装置230のいずれかからの廃熱を容器210に転送する。
【0068】
容器210からの混合及び水分調整された廃棄物材料は、シュレッダー212に移される。シュレッダー212は、所望のガス化装置アウトプットに応じた所定の大きさを得るために廃棄物材料を細断する。所望のガス化装置アウトプットは、制御ユニット208により決定され、シュレッダー212の細断速度は、制御ユニット208により調整される。細断サイズを小さくすると操業コストが増大する場合があるため、制御ユニット208は、廃棄物材料を細断するコストを考慮することもできる。ガス化装置に対する供給原料の必要条件に基づいて、制御ユニット208は、細断廃棄物をペレットに変換するかどうかをステップ214で決定する。制御ユニット208が、細断された廃棄物をペレットに変換しないことを決定した場合、細断された廃棄物は廃棄物供給器216に供給される。廃棄物供給器216は、細断された廃棄物を処理して、所望のガス化装置アウトプット値を達成するために最適な特徴を有する圧縮供給原料にして、圧縮廃棄物をガス化装置222に直接供給する。廃棄物供給器216は、反応器が最適レベルで稼働するように温度又は圧力差を維持することが求められる反応容器(任意のタイプの)に、圧縮廃棄物を運搬する工程を提供する。この工程は、反応器が、供給原料を一定の速度で反応器に受容することも可能にするだろう。この工程は、最小限の機械的可動部しか有しておらず、廃棄物の特性を利用して反応器を密閉する。
【0069】
更に、人工供給原料は、所望のガス化装置アウトプットを達成する能力を提供するだけでなく、人工供給原料は、そうでなければ廃棄物の不均質な収集物を、廃棄物が均質であるかのように使用することを可能にする。廃棄物を破壊及び再構築して人工供給原料にすることは、廃棄物の不均質性を変更するのではなく、むしろ本発明の実施形態により生じる人工供給原料を一貫したものにする。このような一貫性により、ガス化プロセスの制御可能性が増大する。人工供給原料がなければ、ガス化操業は、反応器供給材料の特徴にばらつきがあるため予測不能のアウトプット変動に遭遇する場合がある。人工供給原料は、廃棄物供給材料のばらつきを低減し、それにより反応供給材料系の安定性を増加させる。従って、本発明の実施形態は、種々の固形廃棄物及び液体の正確な混合レベルを、最適な反応及び燃料の必要条件に必要な放出特徴に最適化することを可能にする。更に、本発明の実施形態は、自然には生じない化学的組成を有する人工供給原料の生成を可能にし、それにより天然燃料のガス化で生じる望ましくない効果、例えばSO及びN0の形成を低減する。
【0070】
制御ユニット208が、細断された廃棄物をペレットに変換すべきであると決定した場合、シュレッダー212からの細断された廃棄物は、ペレタイザー218に移される。ペレタイザー218は、細断された廃棄物を、所定の速度で熱分解を起こすことが可能なペレットに変換する。ある実施では、Lundell社製850型圧縮器(Lundell Manufacturing Company,Inc社製、チェロキー、アイオワ州から入手可能)を、ペレタイザー218として使用することができる。Lundell社製圧縮器は、長さが約2インチ〜約6インチで、約45lb/ft〜約60lb/ftの容積密度を有するペレットを生産することができる。より長いか又はより短い長さ及びより大きいか又はより小さい容積密度を有するペレットを生産することができる他の圧縮方法を、ペレタイザー218の代りに使用することができ、それは本発明の範囲内に留まる。更に、上記に示されているペレット化技術に加えて又は組合せて、以下の文献に記載の技術、装置、及びシステムを使用することができる:2009年6月25日に出願されたEngineered Fuel Pellet Useful For Displacement Of Coal In Coal Firing Plantsと題する番号未定の米国特許出願、2009年6月25日に出願されたEngineered Fuel Pelletと題する番号未定の米国特許出願、2009年6月25日に申請されたEngineered Inert Fuel Pelletと題する番号未定の米国特許出願、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。ペレタイザー218からのペレットは、制御ユニット208による供給速度の必要条件に基づいてガス化装置222に供給される。ペレタイザー218からの超過ペレットは、識別子を含むように改変され、その後バンカー220に移され、貯蔵される。
【0071】
ガス化装置222に供給されるペレットは、熱分解変換を起こして合成ガスになる。赤外線検出器224は、合成ガスの組成を決定し、制御ユニット208に情報を伝達する。赤外線検出器224からの組成情報は、バンカー202から廃棄物を取り出す速度を調整し、廃棄物混合物中の水分含有量を調整して、所望のガス化アウトプットを得るために、制御ユニット208により使用される。ガス化装置222への供給速度も、少なくとも部分的にはペレットの消費速度によって決定することができ、例えば供給速度は、ガス化装置222に安定したレベルの材料を維持するために制御することができる。ガス化装置222により生産された合成ガスをボイラー226で使用し、蒸気を発生させてタービン232を作働させてもよく、又はフィッシャー−トロプシュプロセス230で使用して燃料を生産してもどちらでもよい。
【0072】
図3の符号300は、バンカーに貯蔵された各種の廃棄物を処理して、ガス化に好適であり、所望のガス化装置アウトプット、例えば所与のエネルギー含量のガス、炭素対水素含有量の指定モル比、及び/又は本明細書に示されている他の特徴を達成するための特定の組成及び特徴を有する供給原料を生産する例示的な方法を示す。図3は、所望のガス化装置アウトプット、例えば、合成ガスのエネルギー含量、合成ガスの水素対一酸化炭素比率、並びに/又は総水素及び一酸化炭素生産比率を達成するための供給原料の所望の組成及び特徴に基づいて供給原料に混合される各タイプの廃棄物の量を調整する方法も例示する。繊維、プラスチック、FOG、及びスラッジに選別され、バンカー202に貯蔵された廃棄物は、様々な組成及び水分含有量の成分を含有していてもよい。更に、混合廃棄物は、図3に例示されている以外のもの、例えば、紙、新聞紙、雑誌、特定タイプのプラスチック、紡織繊維、庭ゴミ、及びゴムといった特定タイプの廃棄物に選別することができる。各タイプの廃棄物の組成及び水分含有量は、それらの供給源及び季節性に基づいて変動する場合があるが、全体的な差異はそれほど大きくない。図4は、米国の地域社会における典型的なMSW組成の推定を示す。特に、図4は、米国の地域社会における再利用前の総MSW発生量が2億4600万トンに相当することを示している。
【0073】
生廃棄物の熱含量は、廃棄物中の可燃性有機物の濃度並びにその灰及び水分含有量に依存する。同様に、異なるタイプの廃棄物は、異なる化学的組成を有する。表1は、廃棄物の可燃性組成に関する例示的なデータを示す。
【0074】
【表1】

【0075】
ステップ302では、各廃棄物成分の組成が決定される。組成を決定する例示的な方法には、熱重量分析、即発ガンマ線中性子活性化分析(PGNAA、Prompt Gamma Neutron Activation Analysis)、二重エネルギーガンマ線減衰(Dual−Energy Gamma Attenuation)等が含まれる。供給組成は、参照テーブル(例えば、表1)から決定することもできる。次に、各タイプの廃棄物の水分含有量が、ステップ304で測定される。ある実施形態では、水分含有量は、赤外線検出器を使用して決定される。別の実施形態では、水分含有量は、マイクロ波検出器を使用して決定される。水分含有量及び組成が決定されると、各タイプの廃棄物の組成及び特徴が、ステップ306で決定される。廃棄物タイプのエネルギー含量を計算する例示的な方法には、熱量測定が含まれる。エネルギー含量は、1キログラム当たりのkJ(kJ/kg)で表すことができる。
【0076】
上記で組み込まれた米国特許第7,341,156号明細書に記載の技術、装置、及びシステムは、種々の参照テーブル及び/又は全体的な供給組成を決定するための他の情報源と共に使用することができる。この特許は、光学的選別装置を使用して各種混合廃棄物を分離する技術を開示している。加えて、光学的組成レコーダー及びコントローラーを使用して、処理される各種廃棄物、例えば紙及びプラスチックのタイプ、容積、及び品質に関するデータを収集及び蓄積する。従って、光学的選別器及び組成レコーダーがMSWの混合流を処理する際に、コントローラーは、特定のバンカーにある特定の材料の量及び品質を表すデータを蓄積する。その後、この情報及び参照テーブルの情報を使用して、特定のバンカーに現在貯蔵されている材料の平均組成を決定する。その後、この組成情報を、下記に示されているように使用して、所望の組成の供給原料を形成するために、特定のバンカーからどれだけの材料が必要かを決定することができる。
【0077】
例えば、異なるタイプのプラスチックは異なる化学組成を有しており、例えば、PETモノマーの化学式はC10であるが、LDPEモノマーの化学式はCであり、それらの物質は異なるエネルギー含量を有する。このように、選別工程(上記に示されている実施形態等の)は、異なるプラスチックタイプの物品を単一のバンカーに移動させるため、異なる物品がバンカーに加えられると全体の炭素対水素比率は変化する。同様に、異なる物品が加えられると全体のエネルギー含量は変化する。上記に示されている技術は、各バンカーの材料の全体的な組成及びエネルギー含量の決定を可能にする。従って、異なるタイプのプラスチック材料が全てプラスチック材料バンカーに移動されるため、コントローラーは、バンカーにある材料の全体的な組成及びエネルギー含量を決定する際に、プラスチックの量及びタイプを考慮する。その後、この全体的な組成情報を下記に示されているように使用して、所望の組成の供給原料を達成するために使用する混合プラスチックの量を決定することができる。本明細書に記載されているように、供給原料組成及び特徴の制御は、炭素対水素比率及びエネルギー含量に限定されず、これらに限定されないが、水素及び一酸化炭素総生産量、総不純物質含有量、総汚染物質含有量、特定化合物の含有量、灰特徴等が含まれ得る。
【0078】
ステップ308では、組成を含む廃棄物の各タイプの全体的な特徴に基づいて供給比率が設定され、最終供給原料比率に対応する全体的な所望の特徴が、ステップ310で計算される。ステップ312で、本方法は、計算された特徴が、所望のガス化アウトプットを達成するために必要な所望の特徴と等しいかどうかを決定する。ステップ312において、本方法が、ガス化に必要な所望の特徴と計算された特徴が等しいと決定した場合、ステップ316において、廃棄物タイプは、ステップ310で設定された供給比率に従って混合される。ステップ312において、本方法が、ガス化に必要な所望の特徴と計算された特徴が等しくないと決定した場合、ステップ314において、供給比率は、計算された特徴が、ガス化ユニットにより必要とされる供給材料の所望の特徴に相当するまで調整される。図示されていないが、混合廃棄物タイプは、上記に示されているようにペレタイザー等で圧縮することができる。
【0079】
本明細書中の開示は、上記で組み込まれた米国特許第7,341,156号明細書に記載の技術、装置、及びシステムと組合せて、人工供給原料の最終組成に関するデータを証明することも可能にし、その後それを第三者に提供することができる。上記のように、特定のバンカーにある材料の全体的組成は、例えば、光学的選別器及び組成レコーダーを使用して決定することができる。バンカーからの各タイプの廃棄物が既知の供給比率に従って混合される時、人工供給原料の最終組成は既知である。従って、本明細書中に記載のシステムの操業者は、合成ガス生産者、電力生産者、及び/人工供給原料を使用する他の業者等の第三者に対し、人工供給原料の組成を証明することができる。更に、各バンカーの内容物を同様に証明することができる。そのような証明は、供給原料の使用に先立って供給原料の組成及び特徴に関する情報を提供することにより、第三者が、人工供給原料を消費する化学変換プロセスの制御を向上させることを可能にする。加えて、証明データは、種々の人工供給原料の価格を確立し、供給原料生産量及び使用量を容積及び/又は重量ベースで計算することを容易にするために使用することができる。
【0080】
特定の供給原料の物理的特徴及び化学的組成は既知であるため、本明細書中に示されている技術は、供給原料を互いに比較して分類及びランク付けすることも可能にする。従って、燃焼中に放出される供給原料のエネルギー含量に従って供給原料をランク付け及び分類することができる。同様に、燃焼又はガス化中に生成される種々の汚染物質に基づいて、供給原料をランク付けすることができる。また更に、既存の分類法を供給原料に適用して、比較データを取得することができる。例えば、石炭を分類及びランク付けするために使用されるパーの式(Parr formulas)を供給原料に適用して、それにより関連する特定の特性を推定することが可能になる。パーの式は数式1〜3に示されている。
【0081】
【数3】

【0082】
本発明のある実施形態では、比較的高いエネルギー含量の人工供給原料を生産することが望しい。そのような実施形態では、廃棄物の供給材料は、全体的な供給原料のエネルギー含量の増加に寄与する少なくとも1つの成分と更に混合される。本発明の別の実施形態では、全体的な供給原料のエネルギー含量は、供給材料の少なくとも1つの成分の水分含有量を減少させることにより調整される。例えば、そのままのMSWは、平均でおよそ13,000kJ/kgのエネルギー含量又は瀝青炭の約半分のエネルギー含量を有し、そのままのMSWの水分含有量は平均で20%である。図5は、MSW及びその成分のエネルギー含量が、水分含有量と共にどのように変化するかに関する例を示す。表示されている点は実験値であり、実線は、種々の有機化合物の熱化学計算値を示す。図5は、混合プラスチック及びゴムが、都市固形廃棄物に最も高いエネルギー含量を寄与していることを示す。水分を含む食品及び庭ゴミはエネルギー含量が最も低く、燃焼又はガス化よりも堆肥用に適している。
【0083】
図6は、そのままのMSWを含む種々の材料の例示的なエネルギー含量を示す。下記は、都市固形廃棄物の可燃性成分の熱力学的特性に基づく、MSWの主要成分の例示的な分子式である:
混合紙:C9.64.60.0360.01
混合プラスチック:C8.61.7
混合食品廃棄物:C9.63.50.280.2
庭ゴミ:C9.23.80.010.04
【0084】
MSW中の有機廃棄物の混合物を最も緊密に近似する炭化水素式は、C10である。
【0085】
燃料の灰組成及び濃度は、ガス化容器中で凝塊形成をもたらす場合があり、ガス化装置の目詰り及びタール生成増加に結び付く。一般に、スラッギングは、灰含有量が5%未満である燃料では生じない。MSWは、石炭灰(5〜10%)及び木材廃棄物(1〜5%灰)と比べて、灰含有量(10〜12%)が高い。そのままのMSWは、それをより均質にすることにより、発電用により適した燃料に変換することができる。
【0086】
図7は、異なる日に種々の供給源から収容した廃棄物タイプを処理して、燃料ガスを生産するガス化に好適な所望のエネルギー含量を有する均質な燃料にする例示的な方法700を示す。ステップ702では、各種廃棄物は、図3のステップ310で決定される供給比率に基づいてバンカー202から取り出される。上記のように、取り出された廃棄物の大きさは、シュレッダーにより小さくすることができる。ステップ704では、細断された廃棄物が混合されて均質な混合物になる。ステップ706では、混合供給材料のエネルギー含量が供給材料成分の供給比率及びエネルギー含量に基づいて計算される。ステップ708では、計算されたエネルギー含量がガス化用の供給原料の所望のエネルギー含量と比較される。ステップ710では、混合供給材料のエネルギー含量が所望のエネルギー含量と等しくない場合には、廃棄物タイプの供給比率が混合供給材料エネルギー含量と所望のエネルギー含量との差異に基づいて調整される。
【0087】
ステップ712では、混合廃棄物タイプのエネルギー含量が所望のエネルギー含量と等しい場合は、混合廃棄物がガス化中に最適に気化するように圧縮される。本発明のある実施形態では、混合供給材料は、圧縮されて(例えばペレットに)より高密度の供給材料を達成する。これにより、ガス化装置の能力を増加させることができ、及び/又はガス化反応器での必要な滞留時間の低減を支援することができ、それにより完全な変換が可能になる。表2は、ガス化システム用のMSW供給材料の例示的な仕様を示す。本発明のある実施では、混合廃棄物供給原料は圧縮されてペレットにされる。熱拡散率については一定の数値範囲が示されているが、ペレット化された供給原料が十分な多孔度を有する場合は、記載されている範囲外であってもよい。
【0088】
【表2】

【0089】
ステップ718では、圧縮供給原料がガス化する。圧縮供給材料のガス化中及びガス化後に、生産された合成ガスのエネルギー含量がステップ720で決定される。ステップ720で計算された合成ガスのエネルギー含量は、ステップ722で、合成ガスの所望のエネルギー含量と比較される。生産されたエネルギー含量が所望のエネルギー含量未満である場合は、ステップ724で所望のエネルギー含量との差異が計算される。ステップ716では、望のエネルギー含量との差異が所定の閾値より大きいかどうかを本方法により決定する。例えば、閾値は、約5%から約20%の間で変動してもよい。所望の値との差異が所定の閾値よりも大きい場合、ステップ710では、この差異を使用して廃棄物タイプの供給比率が調整される。ステップ702では、ステップ710で調整された供給比率を使用して新しい廃棄物タイプが取り出される。差異が所定の閾値未満である場合、ステップ714で混合供給材料のエネルギー含量が添加物を加えることにより調整される。例示的な添加物には、脂肪、油類、グリース、庭ゴミ、スラッジ、グリセリン、タイヤ、クラムラバー、及び石油廃棄物等が含まれる。本発明のある実施形態では、差異が少なくとも10%未満である場合、ガス化反応器への圧縮供給材料(例えば、ペレット)の供給速度は、測定されたエネルギー含量の差異に基づいて調整される。ステップ720で計算された合成ガスのエネルギー含量が、ステップ722において所望のエネルギー含量と等しいと決定された場合、合成ガスは、ステップ726で燃料を生産するために更に処理される。上記のように、供給原料組成及び特徴を操作してエネルギー含量を制御することは、本発明のある実施形態の例に過ぎない。混合供給原料のその他の特徴を操作して、他の所望のガス化装置アウトプットを制御することができる。これら所望のアウトプットには、これらに限定されないが、合成ガス生産量中の一酸化炭素対水素比率、合成ガス生産量中の低汚染物含有量、及び/又は全体的な合成ガス生産量が含まれる。
【0090】
方法700の諸態様は、ガス化が所望の組成の合成ガスを生産するのに好適な化学的組成を有する均質な供給原料を達成するために改変することができる。上記したように、特定のバンカーにある材料の全体的化学組成は決定することができる。従って、方法700では、エネルギー含量を制御するのではなく、供給原料がガス化される際に所望の組成の合成ガスを生産する供給原料が得られるように、混合物の全体の化学組成を制御する。また更に、本明細書に示されている方法は、別のタイプの化学変換から所望のアウトプットをもたらすように、特定の組成及び特徴を有する供給原料を生産することができる。例えば、燃焼時に比較的大量の熱を産出するが、比較的低量の汚染物質(例えば、SO、NO、塩素等)を排出する供給原料を生産することができる。そのような実施では、特定の化学化合物(例えば、CaO、ZnO等)をステップ714で添加して、供給原料混合物中の潜在的汚染物質とその場(in−situ)で反応させることができる。
【0091】
以下の表は、本明細書中に記載の技術を使用して生成された人工供給原料の例を示す。以下のものは例に過ぎず、他の廃棄物タイプから構成され、異なる組成を有する他の供給原料もまた本発明の範囲内である。人工供給原料の物理的特徴及び化学的組成に加えて、本表は、特定の供給原料を生産するために混合された特定タイプの廃棄物の定量的比率、例えば重量パーセント、容積パーセント等を提供する。例えば、供給原料#1は、82重量%の新聞紙及び18重量%のプラスチックから生産されているので、定量的比率は82重量部の新聞紙対18重量部のプラスチックである。下記の表では、「AR」と表示された列のデータは、ガス化プロセス(下記でより詳細に示される)により受けた組成を表しており、「MF」と表示された列のデータは、水分を含まない組成を表す。
【0092】
例示的な供給原料をガス化し、アウトプット結果が得られた。この情報も、下記の表に含まれている。供給原料を、以下の手順によりガス化した。実験室規模の層化された下降流ガス化装置で、ガス化試験を実施した。ガス化装置は、内径が6インチで穴あき火格子から上の高さが24インチである。火格子の1”、7”、19”上及び4”下に、ガス化装置に沿ってK型熱電温度計が設置されている。リアルタイムの温度を、データ記録温度計(オメガ社製、HH309A)で記録する。2つのウォータースクラバーで構成されている合成ガス試料採取系統、及び真空ポンプを、合成ガス試料採取に使用し、試料をHP5890Aガスクロマトグラフで分析して、H2、N2、CO、CO2、及びCH4の容積分率を得る。乾燥ガス試験計量器を空気取入口に設置して、吸気速度を測定する。下記の表に示されているように、ガス化装置からのアウトプットは、混合されてガス化装置により処置される供給原料になる廃棄物のタイプを操作することにより影響を受ける場合がある。
【0093】
【表3】

【0094】
【表4】

【0095】
【表5】

【0096】
【表6】

【0097】
【表7】

【0098】
【表8】

【0099】
【表9】

【0100】
【表10】

【0101】
【表11】

【0102】
【表12】

【0103】
【表13】

【0104】
【表14】

【0105】
【表15】

【0106】
【表16】

【0107】
【表17】

【0108】
本発明の統合型廃棄物貯蔵システム及び方法並びにその付随する利点の多くが、先述の説明から理解されるだろう。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく又はその物質的利点を全て犠牲にすることなく、その部分の形態及び構築配置に種々の改変をなすことができ、本明細書で前述した形態は、その好ましい又は例示的な実施形態に過ぎないことは明白であろう。
【図1a】

【図1a−2】

【図1b】

【図1b−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合都市固形廃棄物流から分離された第1のタイプの廃棄物成分の第1のバンカー、及び
前記混合都市固形廃棄物流から分離された第2のタイプの廃棄物成分の第2のバンカーを備え、
前記第1のタイプの廃棄物成分が、前記廃棄物成分の化学的組成に基づいて、並びに、前記第1及び第2のバンカーからの廃棄物成分の組合せを含む混合供給原料が、(i)ガス化プロセスで前記混合供給原料が変換される際に前記ガス化プロセスにより生産される水素と一酸化炭素ガスとの生産比率、及び(ii)水素及び一酸化炭素の合計量のうちの少なくとも1つにどのように影響を与えるかに基づいて、前記第2のタイプの廃棄物成分と区別されるシステム。
【請求項2】
前記第1のタイプの廃棄物成分が、主としてプラスチック材料からなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2のタイプの廃棄物成分が、主として紙材料からなる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
混合固形廃棄物流から分離された第1のタイプの廃棄物成分の第1のバンカー、及び
前記混合固形廃棄物流から分離された第2のタイプの廃棄物成分の第2のバンカーを備え、
前記第1のタイプの廃棄物成分が、前記廃棄物成分の物理的特徴及び化学的特徴の少なくとも1つに基づいて、並びに、前記第1及び第2のバンカーからの廃棄物成分の組合せを含む混合供給原料が化学変換プロセスにおいて変換される際に前記化学変換プロセスのアウトプットにどのように影響を与えるかに基づいて、前記第2のタイプの廃棄物成分と区別されるシステム。
【請求項5】
前記固形廃棄物流が、混合都市固形廃棄物を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記固形廃棄物流が、発生源で分別された流れを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記発生源で分別された流れが再利用可能材料を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記発生源で分別された流れが再利用残留物を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記化学変換プロセスがガス化プロセスを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
前記混合供給原料により影響を受けるアウトプットが、水素と一酸化炭素ガスとの生産比率である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記混合供給原料により影響を受けるアウトプットが、合成ガスの総生産量である、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記化学変換プロセスが燃焼プロセスを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項13】
前記混合供給原料により影響を受けるアウトプットが、前記燃焼プロセスにより放出される熱の総量である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のタイプの廃棄物成分が、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、繊維、紙、新聞紙、木材、並びに脂肪、油類及びグリース(FOG)のうち1つを含む材料を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2のタイプの廃棄物成分が、前記第1の廃棄物成分と異なっており、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、繊維、紙、新聞紙、木材、並びに脂肪、油類及びグリース(FOG)のうち1つを含む材料を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のタイプの廃棄物成分が、前記廃棄物成分の炭素、水素、酸素、硫黄、窒素、塩素、及び灰含有量の少なくとも1つに基づいて、前記第2のタイプの廃棄物成分と区別される、請求項4に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のタイプの廃棄物成分が、前記廃棄物成分の水分含有量に基づいて、前記第2のタイプの廃棄物成分と区別される、請求項4に記載のシステム。
【請求項18】
前記第2のタイプの廃棄物成分から前記第1のタイプの廃棄物成分を分離するための分離システムを更に含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項19】
前記分離システムが、前記第1のタイプの廃棄物成分及び前記第2のタイプの廃棄物成分の少なくとも1つの容積及び重量の少なくとも1つに関するデータを収集するための光学的選別器を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記データが、第三者による使用のために証明される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
少なくとも前記第1のタイプの廃棄物成分及び前記第2のタイプの廃棄物成分を混合して前記混合供給原料にする混合システムを更に含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項22】
前記混合システムが、前記混合供給原料に混合される前記第1のタイプの廃棄物成分及び前記第2のタイプの廃棄物成分の少なくとも1つの容積及び重量の少なくとも1つに関するデータを収集するための光学的選別器を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記データが、第三者による使用のために証明される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
第1のバンカーを準備すること;
第2のバンカーを準備すること;
廃棄物成分の物理的特徴及び化学的特徴の少なくとも1つに基づいて、並びに、第1及び第2のタイプの廃棄物成分が混合されて化学変換プロセスにおいて変換されるための混合供給原料となる際に、前記廃棄物成分が前記化学変換プロセスのアウトプットにどのように影響を与えるかに基づいて、前記第1のタイプ及び前記第2のタイプの混合固形廃棄物成分を区別すること;
前記第1のバンカーに前記第1のタイプの廃棄物成分を配置すること;及び、
前記第2のバンカーに前記第2のタイプの廃棄物成分を配置することを含む方法。
【請求項25】
前記混合固形廃棄物流が都市固形廃棄物を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記固形廃棄物流が、発生源で分別された流れを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記発生源で分別された流れが再利用可能材料を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記発生源で分別された流れが再利用残留物を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記化学変換プロセスがガス化プロセスを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のバンカーに配置された廃棄物成分及び前記第2のバンカーに配置された廃棄物成分の少なくとも1つの容積及び重量の少なくとも1つに関するデータを収集することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記データが、第三者による使用のために証明される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記混合供給原料により影響を受けるアウトプットが、水素と一酸化炭素ガスとの生産比率である、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記混合供給原料により影響を受けるアウトプットが、合成ガスの総生産量である、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記化学変換プロセスが燃焼プロセスを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項35】
前記混合供給原料により影響を受けるアウトプットが、前記燃焼プロセスにより放出される熱の総量である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1のタイプの廃棄物成分が、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、繊維、紙、新聞紙、木材、並びに脂肪、油類及びグリース(FOG)の1つを含む材料を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項37】
前記第2のタイプの廃棄物成分が、前記第1の廃棄物成分と異なっており、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、繊維、紙、新聞紙、木材、並びに脂肪、油類及びグリース(FOG)の1つを含む材料を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1のタイプの廃棄物成分が、前記廃棄物成分の炭素、水素、酸素、硫黄、窒素、塩素、及び灰含有量の少なくとも1つに基づいて、前記第2のタイプの廃棄物成分と区別される、請求項24に記載の方法。
【請求項39】
前記第1のタイプの廃棄物成分が、前記廃棄物成分の水分含有量に基づいて、前記第2のタイプの廃棄物成分と区別される、請求項24に記載の方法。
【請求項40】
前記第2のタイプの廃棄物成分から前記第1のタイプの廃棄物成分を分離することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項41】
前記第1のタイプの廃棄物成分を前記第2のタイプの廃棄物成分と混合して、前記混合供給原料を形成することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項42】
前記第1のタイプ及び前記第2のタイプの混合廃棄物成分の化学的組成に関するデータを収集することを更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記データが、第三者による使用のために証明される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記混合供給原料を圧縮することを更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
所望の化学的組成の人工供給原料を生産する方法であって、
混合固形廃棄物流から分離された第1のタイプの廃棄物成分の第1のバンカーを準備すること;
前記混合固形廃棄物流から分離された第2のタイプの廃棄物成分の第2のバンカーを準備すること;
前記第1のバンカーの廃棄物成分の化学的組成を決定すること;
前記第2のバンカーの廃棄物成分の化学的組成を決定すること;
前記第1のバンカーの廃棄物成分と前記第2のバンカーの廃棄物成分との定量的比率であって、当該定量的比率で前記廃棄物成分が混合されていると前記所望の化学的組成の前記人工供給原料が得られるような定量的比率を決定すること;および
前記第1のバンカー及び前記第2のバンカーの廃棄物成分を前記定量的比率に従って混合して前記所望の化学的組成の前記人工供給原料を準備すること、を含む方法。
【請求項46】
前記混合固形廃棄物流が都市固形廃棄物を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記固形廃棄物流が、発生源で分別された流れを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記発生源で分別された流れが再利用可能材料を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記発生源で分別された流れが再利用残留物を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記混合廃棄物成分を圧縮供給原料に形成することを更に含む、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
前記第1のバンカーの廃棄物成分の化学的組成を決定すること、及び前記第2のバンカーの廃棄物成分の化学的組成を決定することのうち少なくとも1つが、前記都市固形廃棄物流に通常存在する廃棄物タイプに関連する一連の化学的組成情報に基づくものである、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
前記都市固形廃棄物流に通常存在する廃棄物タイプに関連する前記一連の化学的組成情報が参照テーブルである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1のバンカー及び前記第2のバンカーの混合廃棄物成分の化学的組成に関するデータを収集することを更に含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記データが、第三者による使用のために証明される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記混合廃棄物成分を添加物と混合することを更に含む、請求項45に記載の方法。
【請求項56】
前記添加物が、脂肪、油類、及びグリースの少なくとも1つである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記添加物が、庭ゴミ及びスラッジの少なくとも1つである、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記添加物が、タイヤ及びクラムラバーの少なくとも1つである、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記添加物が石油廃棄物である、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
前記第1のバンカーの廃棄物成分が主として新聞紙材料からなり、前記第2のバンカーの廃棄物成分が主としてプラスチック材料からなり、前記定量的比率が、約82重量部の前記第1のバンカーの廃棄物成分対約18重量部の前記第2のバンカーの廃棄物成分である、請求項45に記載の方法。
【請求項61】
前記第1のバンカーの廃棄物成分が主として雑誌材料からなり、前記第2のバンカーの廃棄物成分が主としてプラスチック材料からなり、前記定量的比率が、約36重量部の前記第1のバンカーの廃棄物成分対約64重量部の前記第2のバンカーの廃棄物成分である、請求項45に記載の方法。
【請求項62】
前記第1のバンカーの廃棄物成分が主として紙材料からなり、前記第2のバンカーの廃棄物成分が主として繊維製品からなり、前記定量的比率が、約24.5重量部の前記第1のバンカーの廃棄物成分対約75.5重量部の前記第2のバンカーの廃棄物成分である、請求項45に記載の方法。
【請求項63】
前記第1のバンカーの廃棄物成分が主として新聞紙材料からなり、前記第2のバンカーの廃棄物成分が主としてプラスチック材料からなり、前記定量的比率が、約91.8重量部の前記第1のバンカーの廃棄物成分対約2.2重量部の前記第2のバンカーの廃棄物成分であり、かつ、前記混合廃棄物成分に6.0重量部の庭ゴミを混合することを更に含む、請求項45に記載の方法。
【請求項64】
前記第1のバンカーの廃棄物成分が主として紙材料からなり、前記第2のバンカーの廃棄物成分が主としてゴム材料からなり、前記定量的比率が、約68.0重量部の前記第1のバンカーの廃棄物成分対約32.0重量部の前記第2のバンカーの廃棄物成分である、請求項45に記載の方法。
【請求項65】
前記第1のバンカーの廃棄物成分が主としてゴム材料からなり、前記第2のバンカーの廃棄物成分が主として紙材料からなり、前記定量的比率が、約80.0重量部の前記第1のバンカーの廃棄物成分対約20.0重量部の前記第2のバンカーの廃棄物成分であり、かつ、前記混合廃棄物成分に13.0重量部の水を混合することを更に含む、請求項45に記載の方法。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2011−526320(P2011−526320A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516656(P2011−516656)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/048638
【国際公開番号】WO2009/158486
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(511001149)キャセラ ウェイスト システムズ インク (3)
【Fターム(参考)】