説明

絵柄あわせ衣類の組

【課題】
子育てや交友関係などのなかで、最も親密な抱き合うという行為において、双方で着用する衣類の絵柄を媒体にして、双方のコミュニケーションを豊かにしようとすること。
【解決手段】
抱き合ったりひっつき合うなど接近した場合に、双方で着用する衣類に配した絵柄が、一体化、連続化、あるいは一つの関連した模様を形成するように構成されていることを特徴とする。このように双方の衣類が密接するときにそれぞれの絵柄が合体して一つの絵柄になることで、双方の親密感やコミュニケーションを豊かにするようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親子や友人同士などとペアで装着する衣類の絵柄デザインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の親子がペアで着用する衣類には、同じ絵柄を親用と子供用にそれぞれのシャツに子供が好む可愛い動物や花などの絵柄、キャラクターデザイン、文字などがプリントあるいは刺繍などが同じように施されている場合が多い。それによって親子の一体感をつくりだすことを目的としている。
【0003】
しかしこれらの模様は主としてデザイン上の観点から用いられており、目立つ部分、たとえば前身頃の正面や袖などに配置してあるだけで、親と子の衣類に施されている絵柄などの模様を意図的に関連付けたものは殆ど提供されていない。
【0004】
日常の子育てにおいて、親が子を抱くというもっとも親密な関係にある時間が大切であるにも関わらず、従来のペアで着衣している衣服の絵柄は、衣類に施されている模様をみて、単に、模様に関して親子で話すことはできるが、スキンシップなどのコミュニケーションをはかったり、絵柄同士のストーリーを想像して会話を弾ませるということにはほとんど寄与していない。
【0005】
また絵柄を用いた知育や親子のコミュニケーションのために、パジャマなど子供用の衣服のみに絵柄を分割して配置し、子供が自分で折りたたむと一つの絵柄になるようにして衣服を折りたたむというしつけなど知育と親子のコミュニケーションのための子供用衣服のデザインは特許文献1で公知であるが、抱き合うといった親密な親子関係の場での利用ではない。
【特許文献1】特開2000−314020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
能力や性格の基礎をつくる大切な時期の子供に、常に身につける衣類を通して親子が抱き合うことやひっつき合うといったスキンシップや声掛けなどによるコミュニケーションがより豊かな環境を提案することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では関連ある一つあるいは複数の絵柄を親子双方の衣類に施すことで、親子がスキンシップした際に絵柄の部分が双方の衣服の密接で一体化され、一つの絵柄をあらわすようにした。
【発明の効果】
【0008】
親子が抱き合ったりくっつき合ったりすることで衣服が接しあい、分割されていた絵柄、もしくは関連性のある絵柄が一体化、連続化、あるいは一つの関連した模様を形成する。それを親子で驚き、単にスキンシップや会話をするだけでなく、楽しみながら一層抱き合い、声を掛け合い、絵柄同士の関係性やストーリーを親が語ったり、子供に投げかけることで、知育と親子のコミュニケーションを豊かにするとともに、子供の想像力も豊かにすることも出来る。
【0009】
また本を常に持ち歩くことは困難だが、衣類は常に身につけているものなので電車の中や公園などの場所でも子供に語りかけてあげることができる。
【0010】
このような子供とスキンシップをするということは、愛情表現の一種であり、子供に安心感を与えるとともに、抱きしめられて育ったという記憶を残すことができる。
さらに遊べる要素や楽しい会話を促すデザインを衣類に施すことで、より笑いや愛が溢れる環境を提案できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
具体的な実施例として、幼少向けの親子用Tシャツの組と親子3人用のシャツの組、親子用靴下のシャツの組及び、年長向けの親子用シャツの組の形態を示す。
【実施例1】
【0012】
図1は、親子用のTシャツの組とその実施例である。この図に示している親用Tシャツ1と子供用Tシャツ4を着用し、向い合って抱き合う仕草8をすると、親用Tシャツ1の顔の絵柄3と子供用Tシャツ4の顔の絵柄6が隠れ、親用Tシャツ1のハートの絵柄の一部2と子供用Tシャツ4のハートの絵柄の一部5の部分だけが抱き合っている様子8の胸元の絵柄9のようになり、ハートの図柄7が完成する。このとき親が「どんな形ができるのかな?」「ハートができたよ」などとスキンシップしながら声掛けをすることができる。
【実施例2】
【0013】
図2は、親子3人用の組とその実施例である。子供を挟んで家族3人で手を繋ぐと、男性用シャツ10の糸の絵柄11と子供用シャツ12の糸の絵柄13と女性用シャツ14の糸の絵柄15が親子が手を繋いでいる様子16のように連続するようになっている。外出時などに子供が急に走り出してどこかに行ってしまわないように「赤い糸を切らさないように、ちゃんと手を繋いでいてね」などと約束することができるまた子供が2人以上の場合は、子供用シャツを子供の人数分揃えれば、一人っ子以外の場合でも楽しむことができる。
【実施例3】
【0014】
図3は、親子用の靴下の組と一体化した際の絵柄を示したものである。親子がそれぞれの子供用靴下17と大人用靴下19を履きハートの絵柄18、20を接近させることで、一体化し、四ツバの絵柄21になる。このとき「ハートふたつで蝶々さん。じゃあ4つで何ができるのかな?」「みて、四ツバのクローバーが咲いたよ?」などと話しかけることができる。
【実施例4】
【0015】
図4は親子用シャツの組であり、図5は図4を親子がそれぞれ着用した際の実施例である。親子が手を繋いで大人用シャツの象の絵柄29と子供用シャツの象の絵柄36を接近させることで一体化した絵柄38となる。外出した際に「象さんが離れ離れになって迷子にならないように、ちゃんと手をつないでおいてあげてね」などと子供が急に手を離してどこかに行かないように約束することができる。
【0016】
子供用シャツのヒマワリの絵柄37と大人用シャツの双葉の絵柄25を接近させれば1本のヒマワリが咲いた様子39となる。子供用シャツの太陽の絵柄31を指しながら「これはどんなお花が咲くのかな?」「おひさま、たくさん浴びてヒマワリ咲きました」などと親が子供に話しかけることが出来る。同様に、大人用シャツのガーベラのような花の絵柄26やヒマワリのような花の絵柄27を大人用シャツの双葉の絵柄25や子供用シャツの葉の絵柄34に接近させることにより、どのような花がどのように咲いたのか、親子で空想して楽しむことができる。
【0017】
大人用シャツの雲の絵柄23から降り注ぐ雨の絵柄24の下に子供用シャツの腕の内側に描かれた虹の絵柄の一部32、33を接近させると、虹を架けた様子40のように楽しむことができる。「しとしと降ってきた雨が止んできました。太陽が差し込んで虹が架かっています」というように会話を楽しむことができる。
【0018】
上記したことはほんの一例であり、大人用シャツ22と子供用シャツ30を着用し親子が抱き合ったりくっつき合ったりする仕草41などスキンシップを通して物語を想像し、コミュニケーションを楽しむことができる。絵柄同士の接近、連続、一体化のさせ方は親子の工夫次第であり、物語も無限に生み出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、単に親子の衣服の絵柄配置でなく、ペットと、或いは親しい友人同士やサークルの仲間同士、演劇などの役者同士で着用する衣服に適用できる。いずれも装着者が相互に接近して衣服を密接させる行為によって、絵柄が一体化して、より効果の高い演技を行うなどの場合に応用できる。さらに、規模の大きな団体演技などでの利用が可能である。
【0020】
本発明の絵柄あわせはアウター用のTシャツなどの上着に好適に用いられる。しかしながらそれだけに限定されず、アウター用のズボンや、パジャマなどのインナー用にも適用することができる。また衣服のみならず、帽子や手袋、靴下、マフラーなど身につける衣類全般にも適用できる。
【0021】
絵柄同士のストーリーを展開させていく模様は、類似した模様を絵合わせる場合よりも想像力や観察力を要するため、年長の子を対象とすることが好ましい。また適用する年齢に応じて、関連付ける模様を、単純なものから想像性や観察力を要するものに変えるとよい。
【0022】
また前後身頃や袖など衣類に配する絵柄は、生地を染色、プリントして設けるほか、アップリケ等の後付けで設けてもよい。また安全ピンなどで好きなところに付け外しできるワッペンを用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】親子用のTシャツの組とその実施例(実施例1)
【図2】親子3人用のシャツの組とその実施例(実施例2)
【図3】親子用の靴下の組と一体化した際の絵柄(実施例3)
【図4】親子用シャツの組(実施例4)
【図5】図4を着用した際の実施例(実施例4)
【符号の説明】
【0024】
1 大人用Tシャツの正面図
2 大人用Tシャツのハートの絵柄の一部
3 大人用Tシャツのハートの絵柄に付随した顔の絵柄
4 子ども用Tシャツの正面図
5 子供用Tシャツのハートの絵柄の一部
6 子ども用Tシャツのハートの絵柄に付随した顔の絵柄
7 実施例1で完成されるハートの絵柄
8 親子がそれぞれ1、4を着用し向かい合って抱き合っている様子
9 8状態の時に胸元に完成されるハートの絵柄
10 男性用のシャツの正面図
11 男性用シャツの赤い糸の絵柄
12 子供用シャツの正面図
13 子供用シャツに描かれた赤い糸の絵柄
14 女性用シャツの正面図
15 女性用シャツに描かれた赤い糸の絵柄
16 親子が10、12、14をそれぞれ着用し手を繋いで赤い糸の絵柄を連続させている様子
17 子供用靴下の上面図
18 子供用靴下に描かれたハートの絵柄
19 大人用靴下の上面図
20 大人用靴下に描かれたハートの絵柄
21 子供用靴下と大人用靴下に描かれた18、20の絵柄が密接し一体化したときにできる四ツバの絵柄
22 大人用シャツの正面図
23 大人用シャツの雲の絵柄
24 大人用シャツの雨の絵柄
25 大人用シャツの双葉の絵柄
26 大人用シャツのガーベラのような花の絵柄
27 大人用シャツのヒマワリのような花の絵柄
28 大人用シャツの背面図
29 大人用シャツの象の絵柄
30 子供用シャツの正面図
31 子供用シャツの太陽の絵柄
32 子供用シャツの虹の一部である絵柄
33 子供用シャツの虹の一部である絵柄
34 子供用シャツの葉の絵柄
35 子供用シャツの背面図
36 子供用シャツの子象の絵柄
37 子供用シャツのヒマワリの絵柄
38 大人用シャツ22と子供用シャツ30を着用し親子が手を繋いでいる様子
39 大人用シャツの双葉の絵柄25に子供用シャツのヒマワリの絵柄37が接近し1本のヒマワリが咲いている様子
40 大人用シャツの雨の絵柄の下に子供用シャツの虹の絵柄の一部32、33を接近させ、虹を架けている様子
41 大人用シャツ22と子供用シャツ30を着用し親子で物語を想像している様子



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つあるいは複数の絵柄を複数の衣類に分割して配置し、それぞれの衣類を装着したものが接近し、それぞれの衣類が密接したときに分割していた絵柄が一つまたは複数のまとまった絵柄になるように絵柄を配置した衣類の組。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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