説明

絵柄切り抜き方法および装置

【目的】本発明は、作業者が切り抜き作業に係わる作業時間を著しく短縮して、切り抜き作業の大部分の無人化を図ることを最も主要な目的としている。
【構成】本発明は、原稿の画像データを入力する画像入力手段と、画像データ入力手段により入力された画像データをその周囲から走査して当該画像データの色変化の程度を調べることによって、当該画像データにおける背景領域の色範囲を決定する背景色範囲決定手段と、背景色範囲決定手段により決定された背景領域の色範囲を用いて当該画像データ中の背景領域を決定する背景領域決定手段と、背景領域決定手段により決定された背景領域を用いて当該画像データ中の切り抜き領域データを決定する切り抜き領域決定手段と、切り抜き領域決定手段により決定された切り抜き領域データを出力する切り抜き領域出力手段とを備えて成ることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像データから、必要とする特定領域の絵柄の切り抜きを行なう絵柄切り抜き方法および装置に係り、特に作業者が切り抜き作業に係わる作業時間を著しく短縮して、切り抜き作業の大部分の無人化を図るようにした絵柄切り抜き方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えばレイアウトスキャナ等の画像処理装置において、画像データから、必要とする特定の画像領域を切り抜くための切り抜き装置としては、作業者がディスプレイ上に表示された画像を参照しながら、切り抜きたい領域の輪郭部分を、デジタイザ、あるいはマウス等のポインティング・デバイスを用いてトレースすることにより、切り抜き領域を指示する装置や、あるいは切り抜きたい領域と背景領域との色差や濃度差等を検出して、両者を分割できるように色信号や濃度信号のしきい値を設定して、背景領域を切り抜く装置が提案されてきている。
【0003】しかしながら、前者の切り抜き領域を指示する装置においては、複雑な形状の領域を切り抜こうとすると、トレース作業が非常に複雑になって作業者の負担が増大し、作業時間も長くかからざるを得ない。
【0004】一方、色信号や濃度信号により画像を切り抜く装置においても、作業者が画像を確認しながら、最適にしきい値をその都度設定する必要がある。以上、従来の装置においては、いずれもどのような画像を取り扱う場合においても、切り抜き作業の最初から最後までにわたって、必ず作業者が装置の前にいて適切な指示をしなければならないという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の切り抜き装置においては、作業者が切り抜き作業に係わる作業時間が非常に長く、切り抜き作業の無人化を図る上で問題があった。本発明は、上記のような問題を解消するために成されたもので、作業者が切り抜き作業に係わる作業時間を著しく短縮して、切り抜き作業の大部分の無人化を図ることが可能な絵柄切り抜き方法および装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、まず、請求項1に係る発明では、画像データから、必要とする特定領域の絵柄の切り抜きを行なう絵柄切り抜き方法において、原稿の画像データを入力するステップと、入力された画像データをその周囲から走査して当該画像データの色変化の程度を調べることによって、当該画像データにおける背景領域の色範囲を決定するステップと、決定された背景領域の色範囲を用いて当該画像データ中の背景領域を決定するステップと、決定された背景領域を用いて当該画像データ中から切り抜き領域データを決定するステップと、決定された切り抜き領域データを出力するステップとを備えて成る。
【0007】ここで、特に上記画像データの色変化の程度を調べる方法としては、画素間の色差、画素間の色差の差、画素間の彩度の差によって測るようにしている。この場合、画素間の色差は、背景領域の画素であると見なされた第1の画素とそれに隣接した第2の画素との間で求め、また画素間の色差の差は、背景領域内の画素と見なされた第1の画素およびそれに隣接する第2の画素の色差と、当該第2の画素とそれに隣接した第3の画素の色差との間の差によって求め、さらに彩度の差は、各ライン(カラム)において走査の段階で背景内の画素であると見なされた画素における彩度の平均値と背景領域に隣接した画素の間で求めるようにしている。
【0008】一方、請求項6に係る発明では、画像データから、必要とする特定領域の絵柄の切り抜きを行なう絵柄切り抜き装置において、原稿の画像データを入力する画像入力手段と、画像入力手段により入力された画像データをその周囲から走査して当該画像データの色変化の程度を調べることによって、当該画像データにおける背景領域の色範囲を決定する背景色範囲決定手段と、背景色範囲決定手段により決定された背景領域の色範囲を用いて当該画像データ中の背景領域を決定する背景領域決定手段と、背景領域決定手段により決定された背景領域を用いて当該画像データ中の切り抜き領域データを決定する切り抜き領域決定手段と、切り抜き領域決定手段により決定された切り抜き領域データを出力する切り抜き領域出力手段とを備えて成る。
【0009】また、請求項7に係る発明では、上記請求項6に係る絵柄切り抜き装置において、カラーディスプレイ等からなる表示手段と、切り抜き領域決定手段により決定された切り抜き領域が不十分なものである場合に、画像を表示手段に表示して、マウス、デジタイザ等のポインティング・デバイスで指示することにより切り抜き領域データに修正を加える手段とを付加して成る。
【0010】ここで、特に上記背景色範囲決定手段としては、画像データの色変化の程度を、画素間の色差、画素間の色差の差、画素間の彩度の差によって測るようにしている。
【0011】この場合、画素間の色差は、背景領域の画素であると見なされた第1の画素とそれに隣接した第2の画素との間で求め、また画素間の色差の差は、背景領域内の画素と見なされた第1の画素およびそれに隣接する第2の画素の色差と、当該第2の画素とそれに隣接した第3の画素の色差との間の差によって求め、さらに彩度の差は、各ライン(カラム)において走査の段階で背景内の画素であると見なされた画素における彩度の平均値と背景領域に隣接した画素の間で求めるようにしている。
【0012】
【作用】従って、本発明の絵柄切り抜き方法および装置においては、画像入力手段から入力された画像データから、背景色範囲決定手段によって、画像データの色差、彩度に基づく色変化の具合が調べられ、入力された画像データにおける背景領域の色範囲が決定される。
【0013】次に、この背景領域の色範囲を用いて、背景領域決定手段によって、画像データ中にある背景領域が決定される。次に、この背景領域を基にして、切り抜き領域決定手段によって、画像データ中からマスク作成に必要な切り抜き領域データが決定される。
【0014】そして、この切り抜き領域データは、切り抜き領域出力手段によって、他の媒体等へ出力される。以上により、画像入力手段、背景色範囲決定手段、背景領域決定手段、切り抜き領域決定手段、切り抜き領域出力手段によって、各種の処理が全て無人で行なわれるため、作業者が切り抜き作業に係わる作業時間を著しく短縮することが可能となり、切り抜き作業の大部分の無人化を図ることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明による絵柄切り抜き装置の構成例を示すブロック図である。すなわち、本実施例の絵柄切り抜き装置は、図1に示すように、画像入力手段1と、演算処理手段2と、記憶手段3と、出力手段4とから構成している。
【0016】ここで、画像入力手段1は、例えばカラー原稿を画像データとして取り込むためのスキャナ、あるいは外部システムからの画像データを通信ネットワークを利用して取り込むためのデータ通信装置等からなり、少なくとも画像データをRGBあるいはCMYK信号として色分解して取り込むためのものである。
【0017】また、演算処理手段2は、例えばコンピュータ等からなり、画像入力手段1により色分解された画像データをその周囲から走査して当該画像データの色変化の程度を調べることによって、当該画像データにおける背景領域の色範囲を決定する背景色範囲決定機能と、この決定された背景領域の色範囲を用いて当該画像データ中の背景領域を決定する背景領域決定機能と、この決定された背景領域を用いて当該画像データ中の切り抜き領域データを決定する切り抜き領域決定機能とを有するものである。
【0018】さらに、記憶手段3は、例えば半導体メモリ、磁気ディスク等からなり、画像入力手段1により色分解された画像データを格納しておくと共に、演算処理手段2により決定された背景領域の色範囲データ、背景領域データ、切り抜き領域データ等の各種処理データを格納しておくためのものである。
【0019】さらにまた、出力手段4は、演算処理手段2により決定された、あるいは記憶手段3に格納された切り抜き領域データを、他の外部システムへ出力するためのものである。
【0020】次に、以上のように構成した本実施例の絵柄切り抜き装置の作用について、図2に示すフロー図を用いて説明する。図1において、画像入力手段1では、外部システムからの少なくとも画像データが、RGBあるいはCMYK信号として色分解して取り込まれ(ステップSP1)、記憶手段3に格納される。
【0021】次に、演算処理手段2では、記憶手段3に格納された画像データに対して、まず、その周囲から走査して当該画像データの色変化の程度を調べることによって、当該画像データにおける背景領域の色範囲が決定される(ステップSP2)。
【0022】次に、この背景領域の色範囲を用いて、当該画像データ中の背景領域が決定される(ステップSP3)。最後に、この背景領域を用いて、当該画像データ中の切り抜き領域データが決定される(ステップSP4)。
【0023】そして、このようにして演算処理手段2で決定した背景領域の色範囲データ、背景領域データ、切り抜き領域データ等の各種処理データは、記憶手段3に格納されると共に、そのうちの切り抜き領域データは、出力手段4によって、他の外部システムへ出力される(ステップSP5)。
【0024】このようにして、画像入力手段1、演算処理手段2(背景色範囲決定、背景領域決定、切り抜き領域決定)、出力手段4によって、各種の処理が全て無人で行なわれる。
【0025】次に、上記演算処理手段2における背景色範囲の決定、背景領域の決定、切り抜き領域の決定の方法について、より具体的にかつ詳細に説明する。
(a)背景領域の色範囲の決定方法この背景領域の色範囲の求め方について、詳しく説明する。
【0026】本実施例による絵柄切り抜き装置では、入力の対象となる画像データとして、背景が統一された色になるように撮影された、切り抜きを目的として作られた画像データを取り扱う。
【0027】そこで、背景領域の色範囲を求めるために、図3に示すように、画像データの周囲(上下左右)から各ライン(カラム)上をその各ライン(カラム)に沿って直線的に内側へ向かって、詳細を後述する方法によって画素の色変化の程度を調べる。
【0028】すなわち、各ライン(カラム)上において、色変化の程度が基準内と判断された場合には、色変化の程度が基準を越えないまで画素の走査を続け、基準外と判断された場合には、その画素でそのライン(カラム)における走査を打ち切る(停止する)。走査の行なわれた画素のうち、色変化の程度が基準内と判断された画素は、背景領域にある画素であるとされる。そして、これらの画素の色値を含むように、背景領域の色範囲を求める。
【0029】また、雑音の影響を回避するために、図4に示すように、画素pが基準外と判断されても画素qを調べ、画素qが基準内と判断された場合には、画素の走査を続けることができる。図4において、Bで示される領域は、走査中のライン(カラム)において背景であると認められた画素を示している。
【0030】すなわち、走査の際に、次の画素rが背景に含まれるか否かを、色差および彩度の差を用いて決める。この時、値MJ により、画素rとそのライン(カラム)上におけるそれまでの走査の過程で、背景に含まれた画素からの距離が値(1+MJ )以内であれば、画素rが評価可能であることを規定する。
【0031】例えば、値MJ が1の場合では、隣接した画素が背景に含まれていないとされても、その画素を飛び越して次の画素との評価を行なうことができるようになる。なお、以下の説明では、暗にこの過程があるものとする。
【0032】次に、上記画素の色変化の程度の調べ方について、詳しく説明する。すなわち、背景が統一された色になるように撮影されているため、背景領域においては、色変化は比較的小さいものと推測される。従って、色変化が大きく起こるところに、背景と物体との境界が存在すると見なしてよい。
【0033】そこで、この大きく色変化の起こる箇所を見つけるために、画像データの色変化の程度を、2画素間の色差、3画素間の色差の差、彩度の差によって測る。この時、色空間としてCIELAB空間を用いる。
【0034】まず、2画素間の色差は、図5(a)に示すように、背景領域の画素であると見なされた画素pと、それに隣接した画素qとの間で求められる。すなわち、原則的に隣接した2画素間で求める。いま、隣接した2画素をp(L* p,* p,* p ),q(L* q,* q,* q,
とした時、その2画素間の色差ΔE(p,q)は、
【0035】
【数1】


により求められる。
【0036】次に、3画素間の色差の差は、図5(b)に示すように、背景領域内の画素と見なされた画素pおよび画素qの色差と、画素qとそれに隣接した画素rの色差との間の差によって求められる。すなわち、各ライン(カラム)上で連続した3画素をp,q,r(pおよびqは背景内の画素)とした時、その3画素間の色差の差ΔD(p,q,r)は、
【0037】
【数2】


により求められる。
【0038】次に、彩度の差は、図5(c)に示すように、各ライン(カラム)において、走査の段階で背景内の画素であると見なされた画素における彩度の平均値と隣接した画素qの間で求められる。すなわち、各ライン(カラム)上で背景となった画素の平均値と次の画素間で求める。いま、平均値を
【0039】
【数3】


次の画素を
【0040】
【数4】


とした時、彩度の差ΔC(p,q)は、
【0041】
【数5】


により求められる。
【0042】なお、以上の場合、各値ともに、CIELAB色空間上で求められ、それぞれ値10程度の基準値と比較される。すなわち、各値とも10程度以内であれば、色変化の程度が小さい(基準内)とみなされ、また基準値より大きければ色変化の程度が大きい(基準外)と見なされる。そして、基準内の場合に、その画素は背景であると判断する。図5(a)〜(c)において、Bで示される領域は、走査中のライン(カラム)において背景であると認められた画素を示している。
【0043】こうして各々のライン(カラム)において背景と認められた画素の持つLab値を基に、背景の色範囲が決定される。
(b)背景領域の決定方法上記のようにして決定された背景領域の色範囲を基に、画像データ内の背景領域を決定する。その決定の仕方は、画像データの周辺部にある背景領域であるとみなされた適当な一点を起点として、その画素から連結している画素を順に調べていき、背景色の範囲内の色値を持つ画素すべてを背景領域とする。
【0044】(c)切り抜き領域データの作成方法上記のようにして決定された背景領域を基に、画像データ内から切り抜き領域を算出し、この領域を示すための切り抜き領域データを作成して、出力手段4に出力する。
【0045】すなわち、切り抜き領域の決定の仕方は、画像データの中央部に近い背景領域とみなされなかった適当な一点を起点として、その画素から連結している画素を順に調べていき、背景領域とみなされなかった画素をすべて切り抜き領域とする。なお、この切り抜き領域データは、切り抜き画像を生成するためのマスクデータである。
【0046】上述したように、本実施例の絵柄切り抜き装置は、外部システムからの少なくとも画像データをRGBあるいはCMYK信号として色分解して取り込む画像入力手段1と、画像入力手段1により色分解された画像データをその周囲から走査して当該画像データの色変化の程度を調べることによって、当該画像データにおける背景領域の色範囲を決定する背景色範囲決定機能、この決定された背景領域の色範囲を用いて当該画像データ中の背景領域を決定する背景領域決定機能、この決定された背景領域を用いて当該画像データ中の切り抜き領域データを決定する切り抜き領域決定機能を有する演算処理手段2と、画像入力手段1により色分解された画像データを格納しておくと共に、演算処理手段2により決定された背景領域の色範囲データ、背景領域データ、切り抜き領域データ等の各種処理データを格納しておく記憶手段3と、演算処理手段2により決定された、あるいは記憶手段3に格納された切り抜き領域データを、他の外部システムへ出力する出力手段4とから構成したものである。
【0047】従って、画像入力手段1、演算処理手段2(背景色範囲決定、背景領域決定、切り抜き領域決定)、出力手段4によって、各種の処理が全て無人で行なわれるため、背景が統一された色になるように撮影された画像データにおいては、人手による作業はほとんど必要なく、切り抜き作業の大部分の無人化を図ることができる。
【0048】すなわち、本装置による切り抜き作業中は、作業者が切り抜き装置の前にいて、切り抜き作業または条件の指示を行なう必要がなく、作業者が関わるのは、切り抜き領域の確認および修正作業のみで、作業者が切り抜き作業に係わる作業時間の著しい短縮を図ることができる。特に、夜間等に、作業者が全くいない状況下で、切り抜き作業の大部分を無人で進めることができる。
【0049】これにより、作業者が切り抜き作業に係わる作業時間を著しく短縮することが可能となり、切り抜き作業の大部分の無人化を図ることが可能となる。尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、次のようにしても同様に実施できるものである。
【0050】(a)上記実施例において、画像入力手段1としては、外部システムからデータを受信する受信装置を用いて画像データを入力するようにしてもよいし、または外部システムにある画像ファイルをネットワークを利用して直接読みにいくことで画像データを入力するようにしてもよいし、あるいはスキャナにより写真原稿から直接に画像データを取り込むようにしてもよい。
【0051】(b)上記実施例において、出力手段4としては、外部システムへデータを送信する通信装置を用いて切り抜き領域データを出力するようにしてもよいし、あるいは磁気ディスク等の外部記憶装置に出力するようにしてもよい。
【0052】(c)上記実施例において、決定された切り抜き領域データが不十分なものであれば、画像をカラーディスプレイ等からなる表示装置に表示し、マウス、またはデジタイザ等のポインティング・デバイスで指示することによって、切り抜き領域データに修正を加えることができるようにしてもよい。
【0053】(d)上記実施例において、入力される画像データとしては、RGB色空間あるいはCMYK色空間で記述されたデータでなく、他の色空間、例えばCIELAB空間等の均等空間で記述されたデータであってもよい。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、原稿の画像データを入力する画像入力手段と、画像データ入力手段により入力された画像データをその周囲から走査して当該画像データの色変化の程度を調べることによって、当該画像データにおける背景領域の色範囲を決定する背景色範囲決定手段と、背景色範囲決定手段により決定された背景領域の色範囲を用いて当該画像データ中の背景領域を決定する背景領域決定手段と、背景領域決定手段により決定された背景領域を用いて当該画像データ中の切り抜き領域データを決定する切り抜き領域決定手段と、切り抜き領域決定手段により決定された切り抜き領域データを出力する切り抜き領域出力手段とを備えるようにしたので、作業者が切り抜き作業に係わる作業時間を著しく短縮して、切り抜き作業の大部分の無人化を図ることが可能な絵柄切り抜き方法および装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による絵柄切り抜き装置の一実施例を示すブロック図。
【図2】同実施例の絵柄切り抜き装置における作用を説明するためのフロー図。
【図3】同実施例の絵柄切り抜き装置における作用を説明するための概要図。
【図4】同実施例の絵柄切り抜き装置における作用を説明するための概念図。
【図5】同実施例の絵柄切り抜き装置における作用を説明するための概念図。
【符号の説明】
1…画像入力手段、2…演算処理手段、3…記憶手段、4…出力手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像データから、必要とする特定領域の絵柄の切り抜きを行なう絵柄切り抜き方法において、原稿の画像データを入力するステップと、前記入力された画像データをその周囲から走査して当該画像データの色変化の程度を調べることによって、当該画像データにおける背景領域の色範囲を決定するステップと、前記決定された背景領域の色範囲を用いて当該画像データ中の背景領域を決定するステップと、前記決定された背景領域を用いて当該画像データ中から切り抜き領域データを決定するステップと、前記決定された切り抜き領域データを出力するステップと、を備えて成ることを特徴とする絵柄切り抜き方法。
【請求項2】 前記画像データの色変化の程度を調べる方法としては、画素間の色差、画素間の色差の差、画素間の彩度の差によって測るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の絵柄切り抜き方法。
【請求項3】 前記画素間の色差は、背景領域の画素であると見なされた第1の画素とそれに隣接した第2の画素との間で求めるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の絵柄切り抜き方法。
【請求項4】 前記画素間の色差の差は、背景領域内の画素と見なされた第1の画素およびそれに隣接する第2の画素の色差と、当該第2の画素とそれに隣接した第3の画素の色差との間の差によって求めるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の絵柄切り抜き方法。
【請求項5】 前記彩度の差は、各ライン(カラム)において走査の段階で背景内の画素であると見なされた画素における彩度の平均値と背景領域に隣接した画素の間で求めるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の絵柄切り抜き方法。
【請求項6】 画像データから、必要とする特定領域の絵柄の切り抜きを行なう絵柄切り抜き装置において、原稿の画像データを入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により入力された画像データをその周囲から走査して当該画像データの色変化の程度を調べることによって、当該画像データにおける背景領域の色範囲を決定する背景色範囲決定手段と、前記背景色範囲決定手段により決定された背景領域の色範囲を用いて当該画像データ中の背景領域を決定する背景領域決定手段と、前記背景領域決定手段により決定された背景領域を用いて当該画像データ中の切り抜き領域データを決定する切り抜き領域決定手段と、前記切り抜き領域決定手段により決定された切り抜き領域データを出力する切り抜き領域出力手段と、を備えて成ることを特徴とする絵柄切り抜き装置。
【請求項7】 前記請求項6に記載の絵柄切り抜き装置において、カラーディスプレイ等からなる表示手段と、前記切り抜き領域決定手段により決定された切り抜き領域が不十分なものである場合に、画像を前記表示手段に表示して、マウス、デジタイザ等のポインティング・デバイスで指示することにより前記切り抜き領域データに修正を加える手段と、を付加して成ることを特徴とする絵柄切り抜き装置。
【請求項8】 前記背景色範囲決定手段としては、画像データの色変化の程度を、画素間の色差、画素間の色差の差、画素間の彩度の差によって測るようにしたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の絵柄切り抜き装置。
【請求項9】 前記画素間の色差は、背景領域の画素であると見なされた第1の画素とそれに隣接した第2の画素との間で求めるようにしたことを特徴とする請求項8に記載の絵柄切り抜き装置。
【請求項10】 前記画素間の色差の差は、背景領域内の画素と見なされた第1の画素およびそれに隣接する第2の画素の色差と、当該第2の画素とそれに隣接した第3の画素の色差との間の差によって求めるようにしたことを特徴とする請求項8に記載の絵柄切り抜き装置。
【請求項11】 前記彩度の差は、各ライン(カラム)において走査の段階で背景内の画素であると見なされた画素における彩度の平均値と背景領域に隣接した画素の間で求めるようにしたことを特徴とする請求項8に記載の絵柄切り抜き装置。

【図1】
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【図4】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【公開番号】特開平7−334675
【公開日】平成7年(1995)12月22日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−131853
【出願日】平成6年(1994)6月14日
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)