説明

絶縁トランスを用いた信号伝送回路および電力変換装置

【課題】絶縁トランスの巻線抵抗による発熱を抑えつつ、低圧側と高圧側とを電気的に絶縁しながら信号の授受を行うとともに、1次側の電源電圧が低下した場合においても、2次側の出力の安全性を確保できるようにする。
【解決手段】変換回路KU1、KD1は、CPU4から出力されたゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号SU1、SD1をそれぞれ生成し、1次側の電源電圧が閾値以下になると、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち上がりエッジに応じたパルス信号SU1、SD1をそれぞれ阻止し、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち下がりエッジに応じたパルス信号SU1、SD1を繰り返し伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は絶縁トランスを用いた信号伝送回路および電力変換装置に関し、特に、絶縁トランスを介してスイッチング素子に信号を伝送する方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年の車両機器では、高効率化および省エネ対策を図るために、駆動力を生む電動機の駆動システムに、昇降圧コンバータおよびインバータの搭載が行われている。
図6は、従来の昇降圧コンバータを用いた車両駆動システムの概略構成を示すブロック図である。
図6において、車両駆動システムには、昇降圧コンバータ1102に電力を供給する電源1101、電圧の昇降圧を行う昇降圧コンバータ1102、昇降圧コンバータ1102から出力された電圧を3相電圧に変換するインバータ1103および車両を駆動する電動機1104が設けられている。なお、電源1101は、架線からの給電電圧または直列接続されたバッテリーから構成することができる。
【0003】
そして、車両駆動時には、昇降圧コンバータ1102は、電源1101の電圧(例:280V)を電動機1104の駆動に適した電圧(例:750V)に昇圧し、インバータ1103に供給する。そして、スイッチング素子をオン/オフ制御することにより、昇降圧コンバータ1102にて昇圧された電圧を3相電圧に変換して、電動機1104の各相に電流を流し、スイッチング周波数を制御することで車両の速度を変化させることができる。
【0004】
一方、車両の制動時には、インバータ1103は、電動機1104の各相に生じる電圧に同期してスイッチング素子をオン/オフ制御することにより、整流動作を行い、直流電圧に変換してから、昇降圧コンバータ1102に供給する。そして、昇降圧コンバータ1102は、電動機1104から生じる電圧(例:750V)を電源1101の電圧(例:280V)に降圧して電力の回生動作を行うことができる。
【0005】
図7は、図6の昇降圧コンバータの概略構成を示すブロック図である。
図7において、昇降圧コンバータ1102には、エネルギーの蓄積を行うリアクトルL、電荷の蓄積を行うコンデンサC、インバータ1103に流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子SW1、SW2、スイッチング素子SW1、SW2の導通および非導通を指示する制御信号をそれぞれ生成する制御回路1111、1112が設けられている。
【0006】
そして、スイッチング素子SW1、SW2は直列に接続されるとともに、スイッチング素子SW1、SW2の接続点には、リアクトルLを介して電源1101が接続されている。ここで、スイッチング素子SW1には、制御回路1111からの制御信号に従ってスイッチング動作を行うIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)1105が設けられ、IGBT1105に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードD1がIGBT1105に並列に接続されている。
【0007】
また、スイッチング素子SW2には、制御回路1112からの制御信号に従ってスイッチング動作を行うIGBT1106が設けられ、IGBT1106に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードD2がIGBT1106に並列に接続されている。そして、IGBT1106のコレクタは、コンデンサCおよびインバータ1103の双方に接続されている。
【0008】
図8は、昇圧動作時に図7のリアクトルLに流れる電流の波形を示す図である。
図8において、昇圧動作では、スイッチング素子SW1のIGBT1105がオン(導通)すると、IGBT1105を介してリアクトルLに電流Iが流れ、LI2/2のエネルギーがリアクトルLに蓄積される。
次に、スイッチング素子SW1のIGBT1105がオフ(非導通)すると、スイッチング素子SW2のフライホイールダイオードD2に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーがコンデンサCに送られる。
【0009】
一方、降圧動作では、スイッチング素子SW2のIGBT1106がオン(導通)するとIGBT1106を介してリアクトルLに電流Iが流れ、LI2/2のエネルギーがリアクトルLに蓄積される。
次に、スイッチング素子SW2のIGBT1106がオフ(非導通)すると、スイッチング素子SW1のフライホイールダイオードD1に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーが電源1101へ回生される。
ここで、スイッチング素子のオン時間(ON Duty)を変更することで、昇降圧の電圧を調整することが可能であり、概略の電圧値は以下の(1)式にて求めることができる。
L/VH=ON Duty(%) (1)
ただし、VLは電源電圧、VHは昇降圧後の電圧、ON Dutyはスイッチング素子SW1、SW2のスイッチング周期に対する導通期間の割合である。
【0010】
ここで、実際には負荷の変動、電源電圧VLの変動などがあるので、昇降圧後の電圧VHを監視し、昇降圧後の電圧VHが目標値となるように、スイッチング素子SW1、SW2のオン時間(ON Duty)の制御が行われている。
また、車体筐体に接地される制御回路1111、1112側は低圧であり、スイッチング素子SW1、SW2に接続されるアーム側は高圧となる。このため、スイッチング素子SW1、SW2の破壊などの事故が発生しても、人体が危険に晒されることがないようにするために、アーム側とは、絶縁トランスを用いて制御回路1111、1112と電気的に絶縁しながら信号の授受が行われる。
【0011】
そして、絶縁トランスによる信号伝送では、1次巻線に流れる電流の微分に相当する電圧が得られるので、ロジック信号を伝送する場合には、キャリア信号伝送方式または状態遷移信号伝送方式にいる信号処理が行われる。
ここで、キャリア信号伝送方式では、伝送されるロジック信号の論理に基づいて振幅変調された高周波キャリア信号にて1次巻線を励磁し、2次巻線の出力電圧をローパスフィルタにて平滑してロジック信号が取り出される。
【0012】
状態遷移信号伝送方式では、伝送されるロジック信号の状態遷移(ロジック信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ)を検出し、ロジック信号の立ち上がりでパルスを伝送するセット用絶縁トランスから得られるパルス信号でフリップフロップをセットし、ロジック信号の立ち下がりでパルスを伝送するリセット用絶縁トランスから得られるパルス信号でフリップフロップをリセットすることで、ロジック信号の状態が取り出される。
【0013】
一方、微細加工技術を適用して形成された絶縁トランスは、銅線を用いた巻線型トランスに比べて、巻線の導体断面積が小さく、許容直流電流は遥かに少ない。この許容直流電流は、電流が流れることによって巻線の導体抵抗により発生する消費電力に起因して発生するジュール熱に応じて規定されている。このため、微細加工技術を適用して形成された絶縁トランスを用いる場合、絶縁トランスに電流を流す期間を短くして大電流を流すことにより、平均電流を許容直流電流以下にする必要がある。
ここで、キャリア信号伝送方式では、ロジック信号がハイレベルの期間に常にキャリア信号にて絶縁トランスが励磁され、絶縁トランスの巻線抵抗による発熱を抑えることができないことから、微細加工技術を適用して形成された絶縁トランスによる信号伝送では状態遷移信号伝送方式を用いることが提案されている。
【0014】
図9は、空芯型絶縁トランスに適用される信号伝送回路の回路構成を示す図、図10は、図9の信号伝送回路の各部の信号波形を示す図である。
図9および図10において、信号伝送回路には、入力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジを検出する変換回路KU0、入力信号の立ち上がりエッジに応じたパルス電流を伝送するセット用絶縁トランスTL1およびパルス信号の立ち下がりエッジに応じたパルス電流を伝送するリセット用絶縁トランスTL2が設けられている。
【0015】
そして、変換回路KU0において、抵抗R1の一端はコンデンサC1を介して接地されるとともに、排他的論理和回路U1Aの一方の入力端子に接続され、抵抗R1の他端は信号源Gに接続されている。また、排他的論理和回路U1Aの他方の入力端子には信号源Gが接続される。また、否定論理積回路U3Aの一方の入力端子には、排他的論理和回路U1Aの出力端子がインバータU2Aを介して接続されるとともに、否定論理積回路U3Aの他方の入力端子には信号源Gが接続されている。さらに、否定論理積回路U3Bの一方の入力端子には、排他的論理和回路U1Aの出力端子がインバータU2Aを介して接続されるとともに、否定論理積回路U3Bの他方の入力端子には、インバータU2Bを介して信号源Gが接続されている。
【0016】
また、セット用絶縁トランスTL1には1次巻線M1および2次巻線M2が設けられ、リセット用絶縁トランスTL2には1次巻線M3および2次巻線M4が設けられている。
そして、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1の両端はダイオードD1を介して接続されるとともに、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1の一端は、Nチャンネル電界効果型トランジスタTr1のドレインに接続され、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1の他端は電源電位VCC1に接続されている。
【0017】
また、リセット用絶縁トランスTL2の1次巻線M3の両端はダイオードD2を介して接続されるとともに、リセット用絶縁トランスTL2の1次巻線M3の一端は、Nチャンネル電界効果型トランジスタTr2のドレインに接続され、セット用絶縁トランスTL2の1次巻線M1の他端は電源電位VCC1に接続されている。
そして、否定論理積回路U3Aの出力端子はインバータU2Cを介してNチャンネル電界効果型トランジスタTr1のゲートに接続されるとともに、否定論理積回路U3Bの出力端子はインバータU2Dを介してNチャンネル電界効果型トランジスタTr2のゲートに接続されている。
【0018】
そして、演算増幅器U4Aの非反転入力端子は、セット用絶縁トランスTL1の2次巻線M2の一端に接続されるとともに、抵抗R3を介して電源電位VCC2に接続され、演算増幅器U4Aの反転入力端子は、セット用絶縁トランスTL1の2次巻線M2の他端に接続されるとともに、抵抗R2を介して接地されている。
また、演算増幅器U4Bの非反転入力端子は、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4の一端に接続されるとともに、抵抗R5を介して電源電位VCC2に接続され、演算増幅器U4Bの反転入力端子は、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4の他端に接続されるとともに、抵抗R4を介して接地されている。
【0019】
また、演算増幅器U4Aの出力端子はフリップフロップU5Aのクロック端子CLKに接続され、演算増幅器U4Bの出力端子はフリップフロップU5Aのリセット端子CLRに接続されている。また、フリップフロップU5Aの入力端子Dは電源電位VCC2に接続されるとともに、フリップフロップU5Aの非反転出力端子Qは抵抗R6を介して接地されている。
【0020】
そして、信号源Gにて生成された入力信号S3(図10(a))は、抵抗R1およびコンデンサC1からなる遅延回路にて遅延させられ、入力信号S3と、この入力信号S3を遅延させた信号とが排他的論理和回路U1Aに入力され、排他的論理和回路U1Aにて排他論理和がとられることにより、入力信号S3の論理値“0”から論理値“1”への立ち上がりエッジまたは論理値“1”から論理値“0”への立ち下がりエッジに同期したエッジ信号S11が抽出される(図10(b))。そして、このエッジ信号S11は、インバータU2Aを介して否定論理積回路U3A、U3Bに入力されるとともに、否定論理積回路U3Aには入力信号S3が入力され、否定論理積回路U3BにはインバータU2Bを介して入力信号S3が入力される。
【0021】
そして、否定論理積回路U3Aにてエッジ信号S11と入力信号S3との否定論理積がとられることにより、立ち上がりエッジパルスS12が生成されるとともに(図10(c))、論理積回路U3Bにてエッジ信号S11と入力信号S3の反転信号との否定論理積がとられることにより、論理積回路U3Bにて立ち下がりエッジパルスS13が生成される(図10(d))。
【0022】
そして、否定論理積回路U3Aにて生成された立ち上がりエッジパルスS12はインバータU2Cを介してNチャンネル電界効果型トランジスタTr1のゲートに入力されるとともに、否定論理積回路U3Bにて生成された立ち下がりエッジパルスS13はインバータU2Dを介してNチャンネル電界効果型トランジスタTr2のゲートに入力され、入力信号S3の立ち上がりと立ち下がりとでは、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1およびリセット用絶縁トランスTL2の1次巻線M3に流れるパルス電流のタイミングが互いに異なるような動作を行うことができる。
【0023】
そして、立ち上がりエッジパルスS12がNチャンネル電界効果型トランジスタTr1のゲートに入力されると、Nチャンネル電界効果型トランジスタTr1がオンし、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1が励磁される。また、立ち下がりエッジパルスS13がNチャンネル電界効果型トランジスタTr2のゲートに入力されると、Nチャンネル電界効果型トランジスタTr2がオンし、リセット用絶縁トランスTL2の1次巻線M3が励磁される。
【0024】
そして、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1が励磁されると、セット用絶縁トランスTL1の2次巻線M2に起電力が発生し、セット用絶縁トランスTL1の2次巻線M2に発生した起電力は、演算増幅器U4Aに導かれる。また、リセット用絶縁トランスTL2の1次巻線M3が励磁されると、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4に起電力が発生し、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4に発生した起電力は、演算増幅器U4Bに導かれる。
【0025】
そして、入力信号S3の立ち上がりエッジでは、セット用絶縁トランスTL1の2次巻線M2の端子電圧のレベルの変化に伴って、演算増幅器U4AからパルスS9が送出され(図10(e))、入力信号S3の立ち下がりエッジでは、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4の端子電圧のレベルの変化に伴って、演算増幅器U4BからパルスS10が送出される(図10(f))。そして、これらのパルスS9、S10がフリップフロップU5Aに入力されると、演算増幅器U4AからのパルスS9にてフリップフロップU5Aがセットされるとともに、演算増幅器U4BからのパルスS10にてフリップフロップU5Aがリセットされ、送信側の入力信号S3が復元された出力信号S8がフリップフロップU5Aから出力される(図10(g))。
【0026】
また、特許文献1には、半導体集積回路の内部電源電圧のレベル低下を防止するために、内部電源電圧VDDのレベルが低下した際に動作し、外部電源電圧VCCから内部電源電圧VDDを強制的に発生する内部電源補償回路を半導体集積回路に設ける方法が開示されている。
また、特許文献2には、ゲートに電源電圧、ソースにリセット入力を与えながら、ドレイン出力電流によって電源電圧の低下をMOSトランジスタにて検出し、このMOSトランジスタの検出出力によりセットさせてリセット出力を保持させるとともに、リセット入力によりリセットさせてリセット出力の保持を解除させる方法が開示されている。
【特許文献1】特開平6−266452号公報
【特許文献2】特開昭63−27117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
しかしながら、図9の信号伝送回路では、1次側の電源電圧のみが低下または遮断され、変換回路KU0から立ち上がりエッジパルスS12が送出された後に立ち下がりエッジパルスS13を送出できなくなると、フリップフロップU5Aの出力がハイレベルを維持されたままになり、図7のIGBT1105、1106に電流が流れ続けるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、絶縁トランスの巻線抵抗による発熱を抑えつつ、低圧側と高圧側とを電気的に絶縁しながら信号の授受を行うとともに、1次側の電源電圧が低下した場合においても、2次側の出力の安全性を確保することが可能な絶縁トランスを用いた信号伝送回路および電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の絶縁トランスを用いた信号伝送回路によれば、入力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号を生成する変換回路と、前記入力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号を伝送する絶縁トランスと、前記絶縁トランスの2次巻線に発生する電圧パルスのタイミングに基づいて前記入力信号を復元する復元回路とを備え、前記変換回路は、1次側の電源電圧が閾値以下になると、前記入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれか一方に応じたパルス信号を阻止し、前記入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジの他方に応じたパルス信号を繰り返し伝送することを特徴とする。
【0029】
また、請求項2記載の絶縁トランスを用いた信号伝送回路によれば、入力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号を生成する変換回路と、前記入力信号の立ち上がりエッジに応じたパルス信号を伝送するセット用絶縁トランスと、前記入力信号の立ち下がりエッジに応じたパルス信号を伝送するリセット用絶縁トランスと、前記セット用絶縁トランスの2次巻線および前記リセット用絶縁トランスの2次巻線に発生する電圧パルスに基づいて前記入力信号を復元する復元回路とを備え、前記変換回路は、1次側の電源電圧が閾値以下になると、前記入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれか一方に応じたパルス信号が前記セット用絶縁トランスに送られるのを阻止し、前記入力信号の立ち下がりエッジまたは立ち下がりエッジの他方に応じたパルス信号を前記リセット用絶縁トランスに繰り返し伝送することを特徴とする。
【0030】
また、請求項3記載の絶縁トランスを用いた信号伝送回路によれば、前記変換回路は、1次側の電源電圧が閾値以下になると動作する発振回路を備え、前記入力信号を前記発振回路の出力信号に切り替えることを特徴とする。
また、請求項4記載の電力変換装置によれば、負荷へ流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子と、前記スイッチング素子の導通および非導通を指示する制御信号を生成する制御回路と、前記制御信号に基づいて前記スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動回路と、前記制御信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス電流を生成する変換回路と、前記制御信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号を伝送する絶縁トランスと、前記絶縁トランスの2次巻線に発生する電圧パルスのタイミングに基づいて前記入力信号を復元する復元回路とを備え、前記変換回路は、1次側の電源電圧が閾値以下になると、前記入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれか一方に応じたパルス信号を阻止し、前記入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジの他方に応じたパルス信号を繰り返し伝送することを特徴とすることを特徴とする。
【0031】
また、請求項5記載の電力変換装置によれば、負荷へ流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子と、前記スイッチング素子の導通および非導通を指示する制御信号を生成する制御回路と、前記制御信号に基づいて前記スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動回路と、前記制御信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス電流を生成する変換回路と、前記制御信号の立ち上がりエッジに応じたパルス電流を前記駆動回路側に伝送するセット用絶縁トランスと、前記制御信号の立ち下がりエッジに応じたパルス電流を前記駆動回路側に伝送するリセット用絶縁トランスと、前記セット用絶縁トランスの2次巻線および前記リセット用絶縁トランスの2次巻線に発生する電圧パルスに基づいて前記パルス信号を前記駆動回路側で復元する復元回路とを備え、前記変換回路は、1次側の電源電圧が閾値以下になると、前記入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれか一方に応じたパルス信号が前記セット用絶縁トランスに送られるのを阻止し、前記入力信号の立ち下がりエッジまたは立ち下がりエッジの他方に応じたパルス信号を前記リセット用絶縁トランスに繰り返し伝送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、入力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号を絶縁トランスにて伝送させることにより、入力信号がハイレベルの期間に常にキャリア信号にて絶縁トランスが励磁されるのを防止することができ、絶縁トランスの巻線抵抗による発熱を抑えることが可能となる。また、1次側の電源電圧が閾値以下になると、入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれか一方に応じたパルス信号を阻止し、入力信号の立ち下がりエッジまたは立ち下がりエッジの他方に応じたパルス信号を繰り返し伝送することにより、1次側の電源電圧のみが低下または遮断された場合においても、入力信号の立ち上がりエッジのみが復元され、入力信号の立ち下がりエッジが復元されない状態が継続するのを防止することができ、スイッチング素子が導通したまま負荷に電流が流れ続けるのを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態に係る信号伝送回路について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る信号伝送回路が適用される昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュール(IPM:Inteligent Power Module)の概略構成を示すブロック図である。
図1において、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールには、負荷へ流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子SWU、SWDおよびスイッチング素子SWU、SWDの導通および非導通を指示する制御信号をそれぞれ生成する制御回路1が設けられている。ここで、制御回路1は、CPU4または論理IC、あるいは論理ICとCPUが搭載されたシステムLSIなどで構成することができる。
【0034】
また、スイッチング素子SWU、SWDはそれぞれ上アーム2用および下アーム3用として動作するように直列に接続されている。そして、スイッチング素子SWUには、ゲート信号SU4に基づいてスイッチング動作を行うIGBT6が設けられ、IGBT6に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードDU1がIGBT6に並列に接続されている。また、IGBT6が形成されたチップには、チップの温度変化に起因するダイオードDU2のVF変化を測定原理として用いた温度センサ、および抵抗RU1、RU2を介してIGBT6のエミッタ電流を分流して主回路電流を検出する電流センサが設けられている。
【0035】
また、スイッチング素子SWDには、ゲート信号SD4に従ってスイッチング動作を行うIGBT5が設けられ、IGBT5に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードDD1がIGBT5に並列に接続されている。また、IGBT5が形成されたチップには、チップの温度変化に起因するダイオードDD2のVF変化を測定原理として用いた温度センサ、およびIGBT5のエミッタ電流を抵抗RD1、RD2を介して分流して主回路電流を検出する電流センサが設けられている。
【0036】
そして、上アーム2側には、温度センサからの過熱検知信号SU6および電流センサからの過電流検知信号SU5を監視しながら、IGBT6の制御端子を駆動するためのゲート信号SU4を生成する保護機能付きゲートドライバIC8が設けられるとともに、IGBT6の温度に対応したPWM信号を生成するアナログPWM変換器CUが設けられている。なお、保護機能付きゲートドライバIC8には、スイッチング素子SWD、SWUの状態信号を生成する自己診断回路を設けることができ、自己診断回路はスイッチング素子SWD、SWUの状態信号を生成することができる。
【0037】
また、下アーム3側には、温度センサからの過熱検知信号SD6および電流センサからの過電流検知信号SD5を監視しながら、IGBT5の制御端子を駆動するためのゲート信号SD4を生成する保護機能付きゲートドライバIC7が設けられるとともに、IGBT5の温度に対応したPWM信号を生成するアナログPWM変換器CDが設けられている。
【0038】
また、制御回路1には、CPU4から出力されたゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号SU1、SD1をそれぞれ生成する変換回路KU1、KD1および空芯型絶縁トランスTU1、TD1の2次巻線に発生する電圧パルスのレベルに基づいてゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0を復元する復元回路PU1、PD1が設けられている。
【0039】
ここで、変換回路KU1、KD1は、1次側の電源電圧が閾値以下になると、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち上がりエッジに応じたパルス信号SU1、SD1をそれぞれ阻止し、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち下がりエッジに応じたパルス信号SU1、SD1を繰り返し伝送することができる。ここで、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち下がりエッジに応じたパルス信号SU1、SD1を繰り返し伝送することができるようにするために、1次側の電源電圧が閾値以下になると動作する発振回路を変換回路KU1、KD1にそれぞれ設け、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0を発振回路の出力信号に切り替えるようにしてもよい。
【0040】
また、車体筐体に接地される制御回路1側と、高圧となる上アーム2側および下アーム3側との間には、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3がそれぞれ介挿され、制御回路1では、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3を用いて上アーム2側および下アーム3側と電気的に絶縁しながら信号の授受が行われる。
すなわち、上アーム2側において、ゲートドライブ用PWM信号SU0の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号SU1は、空芯型絶縁トランスTU1を介して復元回路PU1に入力される。また、保護機能付きゲートドライバIC8から出力されたアラーム信号SU2は、空芯型絶縁トランスTU2を介してCPU4に入力される。また、アナログPWM変換器CUから出力されたIGBTチップ温度PWM信号SU3は、空芯型絶縁トランスTU3を介してCPU4に入力される。
【0041】
一方、下アーム3側において、ゲートドライブ用PWM信号SD0の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号SD1は、空芯型絶縁トランスTD1を介して復元回路PD1に入力される。また、保護機能付きゲートドライバIC7から出力されたアラーム信号SD2は、空芯型絶縁トランスTD2を介してCPU4に入力される。また、アナログPWM変換器CDから出力されたIGBTチップ温度PWM信号SD3は、空芯型絶縁トランスTD3を介してCPU4に入力される。
【0042】
ここで、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3には、送信側の1次巻線および受信側の2次巻線がそれぞれ設けられている。そして、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3の2次巻線には、2次巻線を鎖交する外部磁束による起電圧を打ち消し合うとともに、2次巻線を鎖交する信号磁束による起電圧を強め合うよう構成された複数の巻線が設けられている。そして、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3の1次巻線と2次巻線とは絶縁層を介して互いに積層することができ、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3は、半導体プロセス技術などの微細加工技術によって形成することができる。
【0043】
また、空芯型絶縁トランスTU1には、CPU4から出力されたゲートドライブ用PWM信号SU0の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号SU1をそれぞれ別個に伝送するセット用絶縁トランスとリセット用絶縁トランスとを設けてもよく、空芯型絶縁トランスTD1には、CPU4から出力されたゲートドライブ用PWM信号SD0の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号SD1をそれぞれ別個に伝送するセット用絶縁トランスとリセット用絶縁トランスとを設けてもよい。
【0044】
そして、CPU4は、IGBT5、6の導通または非導通をそれぞれ指示するゲートドライブ用PWM信号SD0、SU0を生成し、変換回路KD1、KU1にそれぞれ入力する。そして、変換回路KU1、KD1は、ゲートドライブ用PWM信号SD0、SU0がCPU4からそれぞれ入力されると、1次側の電源電圧を監視しながら、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたゲートドライブ用パルス信号SU1、SD1をそれぞれ生成し、このゲートドライブ用パルス信号SU1、SD1に基づいて、絶縁トランスTD1、TU1の1次巻線に励磁電流が流れるように空芯型絶縁トランスTD1、TU1をそれぞれ駆動することができる。
【0045】
そして、変換回路KU1、KD1は、1次側の電源電圧が閾値以下になると、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち上がりエッジに応じたパルス信号SU1、SD1が空芯型絶縁トランスTU1、TD1に送られるのをそれぞれ阻止し、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち下がりエッジに応じたパルス信号SU1、SD1を空芯型絶縁トランスTU1、TD1にそれぞれ繰り返し送ることができる。
【0046】
そして、ゲートドライブ用パルス信号SD1、SU1に基づいて絶縁トランスTD1、TU1が駆動されると、空芯型絶縁トランスTD1、TU1は、このゲートドライブ用パルス信号SD1、SU1を復元回路PU1、PD1にそれぞれ絶縁伝送する。そして、復元回路PU1、PD1は、ゲートドライブ用パルス信号SD1、SU1が空芯型絶縁トランスTD1、TU1をそれぞれ介して絶縁伝送されると、このゲートドライブ用パルス信号SD1、SU1に基づいて元のゲートドライブ用PWM信号SD0、SU0をそれぞれ復元し、保護機能付きゲートドライバIC7、8にそれぞれ入力する。そして、保護機能付きゲートドライバIC7、8は、ゲートドライブ用PWM信号SD0、SU0にそれぞれ基づいてゲート信号SD4、SU4を生成し、IGBT5、6の制御端子をそれぞれ駆動することにより、IGBT5、6をそれぞれスイッチング動作させる。
【0047】
ここで、温度センサから出力された過熱検知信号SD6、SU6が保護機能付きゲートドライバIC7、8にそれぞれ入力されるとともに、電流センサから出力された過電流検知信号SD5、SU5が保護機能付きゲートドライバIC7、8にそれぞれ入力される。そして、保護機能付きゲートドライバIC7、8は、IGBT5、6が破壊しない閾値を超過した場合には、空芯型絶縁トランスTD2、TU2をそれぞれ介してCPU4にアラーム信号SD2、SU2を伝送する。そして、CPU4は、保護機能付きゲートドライバIC7、8からアラーム信号SD2、SU2をそれぞれ受け取ると、ゲートドライブ用PWM信号SD1、SU1の生成をそれぞれ停止することにより、IGBT5、6に流れる電流を遮断する。
【0048】
なお、保護機能付きゲートドライバIC7、8は、温度センサから出力された過熱検知信号SD6、SU6および電流センサから出力された過電流検知信号SD5、SU5に基づいて、IGBTが破壊しない閾値を下回ったと判断した場合、一定の時間が経過した後にアラーム信号SD2、SU2を解除する。
さらに、細かい監視を行う場合には、温度センサから出力された過熱検知信号SD6、SU6がアナログPWM変換器CD、CUにそれぞれ入力される。そして、アナログPWM変換器CD、CUは、過熱検知信号SD6、SU6のアナログ値をデジタル信号にそれぞれ変換することにより、IGBTチップ温度PWM信号SD3、SU3をそれぞれ生成し、空芯型絶縁トランスTD3、TU3をそれぞれ介してCPU4にIGBTチップ温度PWM信号SD3、SU3を伝送する。そして、CPU4は、IGBTチップ温度PWM信号SD3、SU3からIGBT5、6のチップ温度をそれぞれ算出し、予め設けられた数段階の閾値に応じて、IGBT5、6のスイッチング周波数の段階的な低下を行ったり、スイッチング停止を行ったりすることができる。
【0049】
ここで、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3の1次巻線と2次巻線とを微細加工技術によって形成することにより、1次巻線と2次巻線の巻径を小さくすることが可能となるとともに、1次巻線と2次巻線との間隔を小さくすることができる。このため、1次巻線と2次巻線との結合係数を高めつつ、1次巻線および2次巻線に磁束が鎖交する面積を小さくすることができ、外部磁束に起因するノイズとしての影響を軽減することが可能となるとともに、低圧側と高圧側とを電気的に絶縁しながら信号の授受を行うために、フォトカプラを用いる必要がなくなり、経時劣化を抑制しつつ、耐環境性を向上させることが可能となる。
【0050】
また、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号SU1、SD1を空芯型絶縁トランスTU1、TD1を介して伝送し、空芯型絶縁トランスTU1、TD1の2次側でゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0を復元することにより、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0のパルス幅が長い場合においても、空芯型絶縁トランスTU1、TD1の1次巻線および2次巻線に電流を流す期間を短くすることが可能となる。このため、空芯型絶縁トランスTU1、TD1の1次巻線と2次巻線とを微細加工技術によって形成したために、空芯型絶縁トランスTU1、TD1の1次巻線および2次巻線の導体断面積が小さくなった場合においても、空芯型絶縁トランスTU1、TD1の1次巻線に流れる平均励磁電流を許容直流電流以下にすることができ、ジュール熱に起因する1次巻線の溶断を防止することができる。
【0051】
また、1次側の電源電圧が閾値以下になると、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち上がりエッジに応じたパルス信号SU1、SD1をそれぞれ阻止し、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち下がりエッジに応じたパルス信号SU1、SD1を繰り返し伝送することにより、1次側の電源電圧のみが低下または遮断された場合においても、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち上がりエッジのみが復元され、ゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち下がりエッジが復元されない状態が継続するのを防止することができ、IGBT6、5が導通したまま電流が流れ続けるのを防止することが可能となる。
【0052】
図2(a)は、図1の空芯型絶縁トランスの概略構成の一例を示す断面図、図2(b)は、図1の空芯型絶縁トランスの概略構成の一例を示す平面図である。
図2において、半導体基板11には引き出し配線層12が埋め込まれるとともに、半導体基板11上には1次コイルパターン14が形成されている。そして、1次コイルパターン14は引き出し部13を介して引き出し配線層12に接続されている。そして、1次コイルパターン14上には平坦化膜15が形成され、平坦化膜15上には、2次コイルパターン17が形成され、2次コイルパターン17は保護膜18にて覆われている。そして、保護膜18には、2次コイルパターン17の中心を露出させる開口部19が形成され、開口部19を介して2次コイルパターン17の中心にボンディングワイヤを接続することにより、2次コイルパターン17からの引き出しを行うことができる。
【0053】
なお、例えば、1次コイルパターン14および2次コイルパターン17の巻線幅は5〜10μm、厚みは4〜5μm、巻線の最外径は500μmとすることができる。
そして、1次コイルパターン14に印加された電流により生成された磁束φ=L1*I1の大部分が2次コイルパターン17の鎖交磁束となり、2次コイルパターン17の両端には、dφ/dTに比例するM21*dI1/dTの電圧が得られる。ただし、L1は1次コイルパターン14の自己インダクタンス、I1は1次コイルパターン14に流れる電流、M21は1次コイルパターン14と2次コイルパターン17の相互インダクタンスである。
【0054】
図3は、図1の空芯型絶縁トランスに用いられる信号伝送回路の概略構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、図2の変換回路KU1を例にとって説明するが、変換回路KD1についても同様に構成することができる。
図3において、変換回路KU1には、1次側の電源電圧を監視する電源電圧監視回路21、周波数fの発振信号S2を生成する内部発振回路22、1次側の電源電圧が閾値以下になった場合に入力信号S3を発振信号S2に切り替える信号切替回路23、入力信号S3または発振信号S2の立ち上がりエッジに応じたパルス信号S4を生成する立ち上がりパルス生成回路24、入力信号S3または発振信号S2の立ち下がりエッジに応じたパルス信号S6を生成する立ち下がりパルス生成回路26および1次側の電源電圧が閾値以下になった場合に入力信号S3または発振信号S2の立ち上がりエッジに応じたパルス信号S4を阻止するゲート回路25が設けられている。なお、入力信号S3としては、図1のゲートドライブ用PWM信号SU0を用いることができる。
【0055】
そして、電源電圧監視回路21は、1次側の電源電圧VCCを監視し、1次側の電源電圧VCCが閾値を越える場合、内部発振回路22の動作を停止させるとともに、信号切替回路23にて入力信号S3を選択させ、さらにゲート回路25を導通状態に設定する。なお、電源電圧VCCの閾値としては、定格電圧範囲よりも若干小さいが、信号伝送が十分に可能な値を用いることができる。
【0056】
そして、入力信号S3が変換回路KU1に入力されると、信号切替回路23を介して立ち上がりパルス生成回路24および立ち下がりパルス生成回路26に入力信号S3が送られる。そして、立ち上がりパルス生成回路24は、入力信号S3を受け取ると、入力信号S3の立ち上がりエッジに応じたパルス信号S4を生成し、ゲート回路25に入力する。そして、ゲート回路25は、パルス信号S4を立ち上がりパルス生成回路24から受け取ると、そのパルス信号S4を反転させたパルス信号S5を出力する。
【0057】
また、立ち下がりパルス生成回路26は、入力信号S3を受け取ると、入力信号S3の立ち下がりエッジに応じたパルス信号S6を生成して外部に出力する。
一方、1次側の電源電圧VCCが閾値以下の場合、電源電圧監視回路21は、内部発振回路22を動作させるとともに、信号切替回路23にて発振信号S2を選択させ、さらにゲート回路25を阻止状態に設定する。
【0058】
そして、信号切替回路23にて発振信号S2が選択されると、立ち上がりパルス生成回路24および立ち下がりパルス生成回路26に発振信号S2が送られる。そして、立ち上がりパルス生成回路24は、発振信号S2を受け取ると、発振信号S2の立ち上がりエッジに応じたパルス信号S4を生成し、ゲート回路25に入力する。そして、ゲート回路25は、パルス信号S4を立ち上がりパルス生成回路24から受け取ると、そのパルス信号S4が出力されるのを阻止する。
また、立ち下がりパルス生成回路26は、発振信号S2を受け取ると、発振信号S2の立ち下がりエッジに応じたパルス信号S6を生成して外部に出力する。
【0059】
図4は、図1の空芯型絶縁トランスに用いられる信号伝送回路の回路構成を示す図、図5は、図4の信号伝送回路の各部の信号波形を示す図である。
図4および図5において、図3の電源電圧監視回路21にはツェナーダイオードZD1、抵抗R11〜R13およびコンパレータIC1、図3の内部発振回路22には否定論理積回路IC4、抵抗R14およびコンデンサC1、図3の信号切替回路23には否定論理積回路IC3、IC5、図3の立ち上がりパルス生成回路24には抵抗R15、コンデンサC2、排他的論理和回路IC7、インバータIC8および否定論理積回路IC10、立ち下がりパルス生成回路26にはインバータIC9、IC13および否定論理積回路IC11、図3のゲート回路25には否定論理積回路IC12を設けることができる。
【0060】
ここで、変換回路KU1において、抵抗R11とツェナーダイオードZD1とは互いに直列接続されるとともに、抵抗R13、R12は互いに直列接続され、電源電圧VCCは抵抗R11およびツェナーダイオードZD1を順次介して接地されるとともに、抵抗R13、R12を順次介して接地されている。
そして、コンパレータIC1の反転入力端子には抵抗R13、R12の接続点が接続され、コンパレータIC1の非反転入力端子には抵抗R11とツェナーダイオードZD1との接続点が接続されている。
【0061】
そして、否定論理積回路IC3の一方の入力端子には信号源Gが接続されるとともに、否定論理積回路IC3の他方の入力端子にはコンパレータIC1の出力端子が接続されている。また、否定論理積回路IC4の一方の入力端子にはインバータIC2を介してコンパレータIC1の出力端子が接続されるとともに、否定論理積回路IC4の他方の入力端子はコンデンサC1を介して接地されている。また、否定論理積回路IC5の一方の入力端子には否定論理積回路IC3の出力端子が接続されるとともに、否定論理積回路IC5の他方の入力端子には否定論理積回路IC4の出力端子が接続され、さらに否定論理積回路IC5の他方の入力端子は抵抗R14およびコンデンサC1を介して接地されている。
【0062】
そして、排他的論理和回路IC7の一方の入力端子には抵抗R15を介して否定論理積回路IC5の出力端子が接続されるとともに、コンデンサC2を介して接地されている。また、排他的論理和回路IC7の他方の入力端子には否定論理積回路IC5の出力端子が接続されている。また、否定論理積回路IC10の一方の入力端子には、排他的論理和回路IC7の出力端子がインバータIC8を介して接続されるとともに、否定論理積回路IC10の他方の入力端子には否定論理積回路IC5の出力端子が接続されている。さらに、否定論理積回路IC11の一方の入力端子には、排他的論理和回路IC7の出力端子がインバータIC8を介して接続されるとともに、否定論理積回路IC11の他方の入力端子には、インバータIC9を介して否定論理積回路IC5の出力端子が接続されている。
【0063】
そして、電源電圧VCCは抵抗R13、R12にて分圧され、その分圧値VbがコンパレータIC1にてツェナーダイオードZD1のツェナー電圧Vzと比較される。そして、時刻t1において、抵抗R13、R12にて分圧された電源電圧VCCの分圧値Vbがツェナー電圧Vzを越える場合(図5(a))、コンパレータIC1から出力される監視信号S1はハイレベルとなり(図5(b))、そのコンパレータIC1の出力がインバータIC2にて反転されて否定論理積回路IC4の一方の入力端子に入力され、否定論理積回路IC4の一方の入力端子はロウレベルとなる。そして、否定論理積回路IC4の一方の入力端子がロウレベルとなると、否定論理積回路IC4から出力される発振信号S2はハイレベルに固定され(図5(d))、否定論理積回路IC5の一方の入力端子はハイレベルになる。
【0064】
また、コンパレータIC1の出力は否定論理積回路IC3の一方の入力端子に入力され、否定論理積回路IC3の一方の入力端子がハイレベルになる。
そして、否定論理積回路IC3、IC5の一方の入力端子がそれぞれハイレベルの状態で、入力信号S3が変換回路KU1に入力されると(図5(c))、入力信号S3が否定論理積回路IC3、IC5にてそれぞれ反転され、元の入力信号S3が合成信号S7として出力される(図5(e))。
【0065】
そして、否定論理積回路IC3、IC5を通過した入力信号S3は、抵抗R15およびコンデンサC2からなる遅延回路にて遅延させられ、入力信号S3と、この入力信号S3を遅延させた信号とが排他的論理和回路IC7に入力され、排他的論理和回路IC7にて排他論理和がとられることにより、入力信号S3の論理値“0”から論理値“1”への立ち上がりエッジまたは論理値“1”から論理値“0”への立ち下がりエッジに同期したエッジ信号S11が抽出される。そして、このエッジ信号S11は、インバータIC8を介して否定論理積回路IC10、IC11に入力されるとともに、否定論理積回路IC10には元の入力信号S3が合成信号S7として入力され、否定論理積回路IC11にはインバータIC9を介して元の入力信号S3が合成信号S7として入力される。
【0066】
そして、時刻t1において、否定論理積回路IC10にてエッジ信号S11と合成信号S7との否定論理積がとられることにより、立ち上がりエッジパルスS4が生成されるとともに(図5(f))、時刻t2において、論理積回路IC11にてエッジ信号S11と合成信号S7の反転信号との否定論理積がとられることにより、論理積回路IC11にて立ち下がりエッジパルスS6が生成される(図5(h))。
【0067】
そして、立ち上がりエッジパルスS4は否定論理積回路IC12の一方の入力端子に入力され、コンパレータIC1から出力される監視信号S1がハイレベルになると、否定論理積回路IC12の他方の入力端子がハイレベルになることから、立ち上がりエッジパルスS4は否定論理積回路IC12にて反転されて否定論理積回路IC12から出力される(図5(g))。
【0068】
そして、否定論理積回路IC12から出力された信号S5はインバータU2Cにてさらに反転され、立ち上がりエッジパルスS12としてNチャンネル電界効果型トランジスタTr1のゲートに入力されるとともに、否定論理積回路IC11にて生成された立ち下がりエッジパルスS6はインバータIC13、U2Dを介してNチャンネル電界効果型トランジスタTr2のゲートに立ち下がりエッジパルスS13として入力される。
【0069】
そして、立ち上がりエッジパルスS12がNチャンネル電界効果型トランジスタTr1のゲートに入力されると、Nチャンネル電界効果型トランジスタTr1がオンし、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1が励磁される。また、立ち下がりエッジパルスS132がNチャンネル電界効果型トランジスタTr2のゲートに入力されると、Nチャンネル電界効果型トランジスタTr2がオンし、リセット用絶縁トランスTL2の1次巻線M3が励磁される。
【0070】
そして、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1が励磁されると、セット用絶縁トランスTL1の2次巻線M2に起電力が発生し、セット用絶縁トランスTL1の2次巻線M2に発生した起電力は、演算増幅器U4Aに導かれる。また、リセット用絶縁トランスTL2の1次巻線M3が励磁されると、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4に起電力が発生し、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4に発生した起電力は、演算増幅器U4Bに導かれる。
【0071】
そして、入力信号S3の立ち上がりエッジでは、セット用絶縁トランスTL1の2次巻線M2の端子電圧のレベルの変化に伴って、演算増幅器U4AからパルスS9が送出され、入力信号S3の立ち下がりエッジでは、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4の端子電圧のレベルの変化に伴って、演算増幅器U4BからパルスS10が送出される。そして、これらのパルスS9、S10がフリップフロップU5Aに入力されると、演算増幅器U4AからのパルスS9にてフリップフロップU5Aがセットされるとともに、演算増幅器U4BからのパルスS10にてフリップフロップU5Aがリセットされ、送信側の入力信号S3が復元された出力信号S8がフリップフロップU5Aから出力される(図5(i))。
【0072】
そして、時刻t4において、電源電圧VCCが低下し、抵抗R13、R12にて分圧された電源電圧VCCの分圧値Vbがツェナー電圧Vz以下になると(図5(a))、コンパレータIC1から出力される監視信号S1はロウレベルとなり(図5(b))、そのコンパレータIC1の出力がインバータIC2にて反転されて否定論理積回路IC4の一方の入力端子に入力され、否定論理積回路IC4の一方の入力端子はハイレベルとなる。そして、否定論理積回路IC4の一方の入力端子がハイレベルとなると、否定論理積回路IC4から出力される発振信号S2は所定の周期でハイレベルとロウレベルとを繰り返し(図5(d))、時刻t4において、否定論理積回路IC5の一方の入力端子はロウレベルになる。
【0073】
また、コンパレータIC1の出力は否定論理積回路IC3の一方の入力端子に入力され、否定論理積回路IC3の一方の入力端子がロウレベルになる。
そして、否定論理積回路IC3の一方の入力端子がロウレベルになると、否定論理積回路IC3の出力はハイレベルに固定され、入力信号S3が否定論理積回路IC3にて阻止されるとともに、否定論理積回路IC5の一方の入力端子がハイレベルになる。そして、否定論理積回路IC5の一方の入力端子がハイレベルの状態で、発振信号S2が否定論理積回路IC5の他方の入力端子に入力されると、発振信号S2が合成信号S7として出力される(図5(e))。
【0074】
そして、否定論理積回路IC5を通過した発振信号S2は、抵抗R15およびコンデンサC2からなる遅延回路にて遅延させられ、発振信号S2と、この発振信号S2を遅延させた信号とが排他的論理和回路IC7に入力され、排他的論理和回路IC7にて排他論理和がとられることにより、発振信号S2の論理値“0”から論理値“1”への立ち上がりエッジまたは論理値“1”から論理値“0”への立ち下がりエッジに同期したエッジ信号S11が抽出される。そして、このエッジ信号S11は、インバータIC8を介して否定論理積回路IC10、IC11に入力されるとともに、否定論理積回路IC10には元の発振信号S2が合成信号S7として入力され、否定論理積回路IC11にはインバータIC9を介して元の発振信号S2が合成信号S7として入力される。
【0075】
そして、時刻t4、t6、t8において、論理積回路IC11にてエッジ信号S11と合成信号S7の反転信号との否定論理積がとられることにより、論理積回路IC11にて立ち下がりエッジパルスS6が生成されるとともに(図5(h))、時刻t5、t7において、否定論理積回路IC10にてエッジ信号S11と合成信号S7との否定論理積がとられることにより、立ち上がりエッジパルスS4が生成される(図5(f))。
【0076】
そして、立ち上がりエッジパルスS4は否定論理積回路IC12の一方の入力端子に入力され、コンパレータIC1から出力される監視信号S1がロウレベルになると、否定論理積回路IC12の他方の入力端子がロウレベルになることから、否定論理積回路IC12の出力はハイレベルに固定され、立ち上がりエッジパルスS4の出力が阻止される(図5(g))。
【0077】
そして、否定論理積回路IC12から出力された信号S5はインバータU2Cにて反転され、Nチャンネル電界効果型トランジスタTr1のゲートがロウレベルになるとともに、否定論理積回路IC11にて生成された立ち下がりエッジパルスS6はインバータIC13、U2Dを介してNチャンネル電界効果型トランジスタTr2のゲートに立ち下がりエッジパルスS13として入力される。
【0078】
そして、Nチャンネル電界効果型トランジスタTr1のゲートがロウレベルになると、Nチャンネル電界効果型トランジスタTr1がオフし、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1の励磁が阻止される。また、立ち下がりエッジパルスS132がNチャンネル電界効果型トランジスタTr2のゲートに入力されると、Nチャンネル電界効果型トランジスタTr2がオンし、リセット用絶縁トランスTL2の1次巻線M3が励磁される。
【0079】
そして、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1の励磁が阻止されると、セット用絶縁トランスTL1の2次巻線M2に起電力が発生するのが阻止され。また、リセット用絶縁トランスTL2の1次巻線M3が励磁されると、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4に起電力が発生し、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4に発生した起電力は、演算増幅器U4Bに導かれる。
【0080】
そして、発振信号S2の立ち上がりエッジでは、セット用絶縁トランスTL1の2次巻線M2の端子電圧が固定され、演算増幅器U4AからのパルスS9の送出が阻止され、発振信号S2の立ち下がりエッジでは、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4の端子電圧のレベルの変化に伴って、演算増幅器U4BからパルスS10が送出される。そして、演算増幅器U4BからのパルスS10がフリップフロップU5Aに入力されると、フリップフロップU5Aがリセットされ、フリップフロップU5Aの出力がロウレベルに強制的に移行される(図5(i))。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態に係る信号伝送回路が適用される昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、図1の空芯型絶縁トランスの概略構成の一例を示す断面図、図2(b)は、図1の空芯型絶縁トランスの概略構成の一例を示す平面図である。
【図3】図1の空芯型絶縁トランスに用いられる信号伝送回路の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図1の空芯型絶縁トランスに用いられる信号伝送回路の回路構成を示す図である。
【図5】図4の信号伝送回路の各部の信号波形を示す図である。
【図6】従来の昇降圧コンバータを用いた車両駆動システムの概略構成を示すブロック図である。
【図7】図6の昇降圧コンバータの概略構成を示すブロック図である。
【図8】昇圧動作時に図7のリアクトルに流れる電流の波形を示す図である。
【図9】空芯型絶縁トランスに適用される信号伝送回路の回路構成を示す図である。
【図10】図9の信号伝送回路の各部の信号波形を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
1 制御回路
2 上アーム
3 下アーム
4 CPU
5、6 IGBT
7、8 保護機能付きゲートドライバIC
TU1〜TU3、TD1〜TD3 空芯型絶縁トランス
DU1、DU2、DD1、DD2、D1、D2 ダイオード
RU1、RU2、RD1、RD2、R1〜R6、R11〜R15 抵抗
CU、CD アナゴグPWM変換器
KU1、KD1 変換回路
PU1、PD1 復元回路
11 基板
12 引き出し配線層
13 引き出し部
14 1次コイルパターン
15 平坦化膜
17 2次コイルパターン
18 保護膜
19 開口部
21 電源電圧監視回路
22 内部発振回路
23 信号切替回路
24 立ち上がりパルス生成回路
25 ゲート回路
26 立ち下がりパルス生成回路
L11 セット用絶縁トランス
L12 リセット用絶縁トランス
ZD1 ツェナーダイオード
IC1 コンパレータ
IC2、IC8、IC9、IC13、U2C、U2D インバータ
IC3〜IC5、IC10〜IC12 否定論理積回路
C1、C2 コンデンサ
IC7 排他的論理和回路
Tr1、Tr2 Nチャンネル電界効果型トランジスタ
U4A、U4B 演算増幅器
U5A フリップフロップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号を生成する変換回路と、
前記入力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号を伝送する絶縁トランスと、
前記絶縁トランスの2次巻線に発生する電圧パルスのタイミングに基づいて前記入力信号を復元する復元回路とを備え、
前記変換回路は、1次側の電源電圧が閾値以下になると、前記入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれか一方に応じたパルス信号を阻止し、前記入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジの他方に応じたパルス信号を繰り返し伝送することを特徴とする絶縁トランスを用いた信号伝送回路。
【請求項2】
入力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号を生成する変換回路と、
前記入力信号の立ち上がりエッジに応じたパルス信号を伝送するセット用絶縁トランスと、
前記入力信号の立ち下がりエッジに応じたパルス信号を伝送するリセット用絶縁トランスと、
前記セット用絶縁トランスの2次巻線および前記リセット用絶縁トランスの2次巻線に発生する電圧パルスに基づいて前記入力信号を復元する復元回路とを備え、
前記変換回路は、1次側の電源電圧が閾値以下になると、前記入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれか一方に応じたパルス信号が前記セット用絶縁トランスに送られるのを阻止し、前記入力信号の立ち下がりエッジまたは立ち下がりエッジの他方に応じたパルス信号を前記リセット用絶縁トランスに繰り返し伝送することを特徴とする絶縁トランスを用いた信号伝送回路。
【請求項3】
前記変換回路は、1次側の電源電圧が閾値以下になると動作する発振回路を備え、前記入力信号を前記発振回路の出力信号に切り替えることを特徴とする請求項1または2記載の絶縁トランスを用いた信号伝送回路。
【請求項4】
負荷へ流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子の導通および非導通を指示する制御信号を生成する制御回路と、
前記制御信号に基づいて前記スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動回路と、
前記制御信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス電流を生成する変換回路と、
前記制御信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号を伝送する絶縁トランスと、
前記絶縁トランスの2次巻線に発生する電圧パルスのタイミングに基づいて前記入力信号を復元する復元回路とを備え、
前記変換回路は、1次側の電源電圧が閾値以下になると、前記入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれか一方に応じたパルス信号を阻止し、前記入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジの他方に応じたパルス信号を繰り返し伝送することを特徴とすることを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
負荷へ流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子の導通および非導通を指示する制御信号を生成する制御回路と、
前記制御信号に基づいて前記スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動回路と、
前記制御信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス電流を生成する変換回路と、
前記制御信号の立ち上がりエッジに応じたパルス電流を前記駆動回路側に伝送するセット用絶縁トランスと、
前記制御信号の立ち下がりエッジに応じたパルス電流を前記駆動回路側に伝送するリセット用絶縁トランスと、
前記セット用絶縁トランスの2次巻線および前記リセット用絶縁トランスの2次巻線に発生する電圧パルスに基づいて前記パルス信号を前記駆動回路側で復元する復元回路とを備え、
前記変換回路は、1次側の電源電圧が閾値以下になると、前記入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれか一方に応じたパルス信号が前記セット用絶縁トランスに送られるのを阻止し、前記入力信号の立ち下がりエッジまたは立ち下がりエッジの他方に応じたパルス信号を前記リセット用絶縁トランスに繰り返し伝送することを特徴とする電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−289257(P2008−289257A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130916(P2007−130916)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(503361248)富士電機デバイステクノロジー株式会社 (1,023)
【Fターム(参考)】