説明

絶縁体圧接接触および接触装置

【課題】順々に複数の導体の複数の配線について適切である、絶縁体圧接接触および接触装置の提供。
【解決手段】絶縁体圧接接触1は、クランピング力に寄与する2つの対向する接触ブレード3.1、3.2を有するカッター部3を2つのフォーク部と共に備え、このクランピング力によって2つの接触ブレードが、接触ブレード同士の間に導体が挿入されるとすぐに互いに押付けられ、互いから押し離される。1つのフォークは導体が挿入される側で作用し、他方のフォークは反対側で作用するため、2つの接触ブレードは4点で互いに押される。フォーク部はカッター部3に対して角度が付いており、2つのフォーク部は各々が、独立した弾性ばねを構成する。接触されることになる導体の厚みにまで接触ブレードが互いに離れた結果、フォーク部が実質的に弾性的に変形するが塑性的には変形しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁体圧接接触を用いる、絶縁された導体の電気的接触に関する。詳細には、本発明は絶縁体圧接接触および絶縁体圧接接触を有する接触装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルストランド(絶縁された、ストランドのケーブル導体またはワイヤ)の電気的接触のためには、先行するステップにおいて絶縁が取除かれた導体の接触領域にクランプされて当該接触領域との電気的接触を形成し得る導電性の端子がしばしば用いられる。これらに加えて、絶縁貫通技術も周知である。これらは、接触部位にて電気的絶縁体を突き破り得るとともに、先に絶縁を取除く処理をしなくてもその下に存在する導体と接触し得るように設計される導電性接触要素を用いる必要がある。この点において最も公知であるのは、絶縁体圧接接触(insulation displacement contact;IDC)である。IDCでは、ケーブルストランドは、分岐したブレードが設けられた領域が存在する接触領域において、絶縁体が切断されるまで2つのブレードの間で押圧される。これにより、導体が接触されるだけでなく、同時にケーブルストランドがしっかりと保持される。さらに周知であるのは、いわゆる貫通接触である。貫通接触を用いると、絶縁体は少なくとも1つの接触点により孔が開けられる。
【0003】
貫通接触は別個の独立したケーブルストランドホルダを必要とするが、絶縁体圧接接触は自身で調心し、幅広くテストされ、かつ実績が証明されている。しかしながら、たとえば米国特許第6,866,536号明細書の導入段落に記載されるような公知の絶縁体圧接接触は通常、直径が正確かつ事前に規定されるとともにこの直径の両側の範囲が小さい導体と共に用いる場合でしか適切ではない。公知の絶縁体圧接接触はさらに、相当な大きさの設置高さを必要とし、殆どの実施例では、導体1つずつにしか接触を作ることができない。さらに、公知の絶縁体圧接接触は一般的に、ケーブルストランドがブレードの間に挿入される際にかなり塑性的に変形され得るので、導体の単一の配線または最大でもほんの少しの配線処置にしか適切ではない。この塑性的な変形の程度は、多くの場合、ケーブルストランドと、それと共に導体とがIDCのブレードの間にどれだけ深く挿入されるかに依存するので、再利用可能性の度合は、既に制限されているのに、さらに予想不可能な値となる。
【0004】
2つの導体の同時接触に適切である絶縁体圧接接触を有する電気端子が、DE 1990 98 25またはDE 20 2005 012 792 Uに開示される。この目的のために、絶縁体圧接接触は、鋏の(または浚渫シャベルのような)形状の曲線が設けられた絶縁体圧接接触(折り曲げられ、型打ちした構成要素)として形成される。これによって作られる鋏の深さ(曲線が設けられた絶縁体圧接接触の長さに対応する)は、2つの導体を含むことを可能にするには十分大きい。したがって、この解決策には、従来の絶縁体圧接接触とは対照的に、導体に作用するばね力が、導入される深さの関数ではないという利点がある。これにより、まず2つの同じ太さの(断面で)導体の同時導入が可能になる。しかしながら、この設計には、より大きい材料強度が想定されるか、または接触の強度が全体のサイズに関連して相対的に制限されるという不利な点がある。さらに、プレートの太さによってばね力が与えられるので、このばね力は、材料の太さおよび選択によってのみ操作され得るという殆ど柔軟性がないパラメータであるという不利な点もある。さらに、これらの絶縁体圧接接触の1つの設置高さは相対的に大きく、そのためDE 20 2005 012 792 Uにおいて記載される端子での利用には適切であるが、周知のプラグシステムと共に用いられる際には問題となる。さらに、この設計は、連続延在ケーブルストランドの配線には適切ではない。
【0005】
EP 0 344 526は、絶縁体の中にセットされるクリップを有するケーブルジャックのための端子ブロックを示す。このクリップは、一方では端子接触を示し、他方では分離またはクランピング機構を示す。一実施例では、二分された接続構成要素が、端子接触と端子接触に対するV字形状のクランプ機構との間に近位方向に接続する。この構成は、しかしながら、クランピング機構による弾性のばね力の導入については適切ではなく、導体の挿入の間に塑性的な変形が起こることになる。さらに、クランプはかなりの設置高さを必要とする。さらに、発生する塑性的な変形のため、それらは一般的に、導体の単一の配線または最大でも非常に僅かな配線処置にしか適切ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,866,536号明細書
【特許文献2】DE 1990 98 25
【特許文献3】DE 20 2005 012 792 U
【特許文献4】EP 0 344 526
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、当該技術水準の不利な点を克服し、かつ特に順々に複数の導体(異なる導体断面を有するのが有利である)の複数の配線について適切である、結合のための絶縁体圧接接触を提供することである。異なる直径を有するケーブルストランドを共に配線することが実際に可能となる解決策が好ましい。本発明のさらなる目的は、対応する接触装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的は、特許請求の範囲において規定される本発明によって満足される。
本発明に係る絶縁体圧接接触は、全体として、両方がクランピング力の原因となる2つの対向する接触ブレードを有するカッター部を2つのフォーク部の隣に備え、このクランピング力によって2つの接触ブレードが(配線時に)、接触ブレード同士の間に導体が挿入されるとすぐに互いに対して押され、それによって互いから押し離されるという点で実質的に特徴付けられる。ここにおいて、配線方向に関して、すなわちたとえばブレードの刃先と平行に延び、かつ導体がブレードに押込まれつつブレード同士の間で動かされる方向において、一方のフォークは近位に(すなわち導体が挿入される側で)係合し、他方のフォークは遠位に(すなわち反対側で)係合するため、2つの接触ブレードは4点で互いに押付けられる。フォーク部はカッター部に対して角度が付いており、すなわちカッター部と同一の面に延びていない。
【0009】
フォーク部がカッター部と角度をなすということは、フォーク部が必然的に部分的または全体的に平坦であらねばならないことを意味しない。さらに、フォーク部とカッター部の少なくとも一方がフォークに対して180°の角度をなし、それによってフォークと平行であることをも除外されない。むしろここでは、「角度をなす」は、それぞれのフォーク部およびカッター部が共通の面に延在せず、好ましくは同一方向において互いに平行に延在もしない(すなわち、それぞれのフォーク部は平行面において角度が付いておらず、同一方向に戻らない)ことを意味するに過ぎない。以下に詳細に説明されるように、好ましくは(異なる構造では)2つのフォーク部は少なくとも90°折り曲げられているため、カッター部の物理的寸法の設置高さはこれらに対応し、これらを少なくとも実質的に超えない。
【0010】
2つのフォーク部は各々が弾性ばねの機能を有し、好ましくは、導体が適切に調整され
て挿入される場合にカッター部によって連結され、たとえば補助的なクランプとして個々に機能しないよう構成される。個々に機能すると、ばね作用、および以下により詳細に説明される理想的なばね形態もが妨げられることになる。
【0011】
フォーク部は、その各々がばねクランプとして一方側から働くように構成される。2つのフォーク部の各々はしたがって、独立した弾性ばねを自ら構成する。これは、接触されることになる導体の1つの厚みにまで接触ブレードが押し離される際、近位折り曲げ線(すなわちカッター部が第1のフォーク部に同化する線)の区域および遠位折り曲げ線(すなわちカッター部が第2のフォーク部に同化する線)の領域において、第1および第2のフォークが実質的に弾性的に変形し、塑性的には変形しないか、またはそうでなければ弾性的な変形と比較して非常にわずかに変形するかのいずれか一方であることを意味する。
【0012】
これはまた、一般に導体の挿入時に、接触ブレードは、開口角度が挿入深さと共に増大してV字型となるように開口しない(またはせいぜい実質的には開口しない)ことを意味する。逆に、好ましくは挿入時、接触ブレードは互いにほぼ平行であり続ける(または最終的に、導体が遠位領域に位置決めされると遠位側に向かって若干開口した構造を取ることさえある)。フォークばねの撓みはしたがって本質的に、導体の直径にのみ依存し、接触ブレード同士の間の導体の位置に依存しない。
【0013】
このため、第1および第2のフォークによって形成される2つのばねのばね定数は同様のオーダの大きさ(基準点として考えた場合、それぞれの折り曲げ線の区域における撓みに必要な力)であり、すなわち、ばね定数は最大3倍異なり(すなわち1/3F1<F2<3F1)、好ましくは最大2倍異なり、特に好ましくは実質的に同一であり、すなわち最大1.5倍互いに異なる。理想的には、2つのばね定数は実際的に同じであり、すなわち最大約20%互いに異なる。
【0014】
これらの基準は、第1のフォークの先枝部が第2のフォークの先枝部とほぼ同一の長さである場合に特に良好に実現され得る。たとえば、これらの長さは最大50%、特に好ましくは最大30%互いに異なる。
【0015】
好ましい実施例によると、2つのフォークの形は、フォークの長さに対して弾性区域ができるだけ大きいように最適化され、これはまた、フォークが比較的大量のポテンシャルエネルギを格納できることを意味する。従来の絶縁体圧接接触は、ブレード同士の間のブリッジの領域に、2つの平行なフォーク先枝部が形成される領域が隣接するほぼ円周の内側輪郭線を有する。従来の絶縁体圧接接触の外側輪郭線はしばしば、端縁が丸く断面が矩形である。しかし、ブリッジの区域において非常に強い力が出現し、これによって永久的な(塑性の)変形がもたらされるため、そのような形は最適ではないことが判明している。本発明はそのような形を除外しないが、これとは異なる2つのフォークの形状が勧められる。好ましくは、フォークは、撓む際に(弾性的な)変形がブリッジにおいて発生しないだけでなく、むしろフォークの全長がポテンシャルエネルギの格納に寄与するように形成される。特に、以下の設計基準の少なくとも1つ、好ましくは1つよりも多くが実現されることが好ましい。
【0016】
・対応するフォークの内側輪郭線は頂点を通る対称面に関して対称であり、対称面から、内側輪郭線と対称面から45°の角度でフォーク面に対して垂直な平面との交差点までの距離として規定される距離mはm≦3d/8のようなものであり、dは、フォーク先枝部同士の間の最大距離の箇所における内側輪郭線上の対向点同士の間の距離である。
【0017】
・対応するフォークの外側輪郭線は頂点を通る対称面に関して対称であり、対称面から、外側輪郭線と外側輪郭線の頂点およびフォーク面に対して垂直な平面を通って対称面か
ら45°の角度である平面との交差点までの距離として規定される距離nはp/4≦n<p/2のようなものであり、pは、フォーク先枝部同士の間の最大距離の箇所における外側輪郭線上の対向点同士の間の距離である。
【0018】
・対応するフォークは、頂点においてゼロでない曲率半径rSiを備える内側輪郭線を有し、曲率円に対して径方向に測定される曲率半径rSiの距離だけ頂点から離れた内側輪郭線の接線は、互いに対して0°とは異なる角度をなし、この角度は好ましくは少なくとも10°、少なくとも20°または少なくとも30°である。換言すれば、対称面に対して垂直に、かつ頂点における曲率円の中点を通るように線を引くと、この線は2点で内側輪郭線と交差することになる。これら2点における内側輪郭線の接線はそれ自身が交差してゼロでない角度をなすことになり、この角度は好ましくは少なくとも10°、少なくとも20°または少なくとも30°に達する。たとえば、内側輪郭線はほぼ楕円形に延び、すなわち頂点の区域において最大曲率で曲がる。
【0019】
・フォーク先枝部の幅は、距離の関数として頂点から着実に減少する。
・外側輪郭線は、たとえば内側輪郭線と類似の進路に延び(これも楕円形であってもよい)、頂点においてゼロでない曲率半径rSaを備え、対称面に対して垂直に、かつ頂点における曲率円の中点を通るように線を引くと、この線は2点で外側輪郭線と交差することになる。これら2点における外側輪郭線の接線はそれ自身が交差してゼロでない角度をなすことになり、この角度は好ましくは少なくとも10°、少なくとも20°または少なくとも30°に達する。
【0020】
・対応するフォークの外側輪郭線は、内側輪郭線の進路と類似の進路を定性的に有し、たとえばこの2つは異なる楕円パラメータを有して実質的に楕円形である。
【0021】
・内側および/または外側輪郭線をパラメータ化した場合、パラメータ化変数に対して座標の第1の導関数および好ましくは第2の導関数も一定である。
【0022】
上述の最初の2つの設計基準は、輪郭線が対称であると仮定している。対応する(内側または外側)輪郭線が対称面に関して必ずしも対称であるとは限らない一般的な場合、距離mおよび/またはnは以下のように規定される。絶縁体圧接接触の未完成品において、それらの線は、内側および/または外側頂点の接線に対して45°の角度を備える内側および/または外側輪郭線によって交差される。それぞれの交差点から当該接線の垂線までの距離は、上記の条件が当てはまる値mおよび/またはnに対応する。非対称の場合、2本の45°の直線によって異なる値m1,m2,n1,n2がもたらされ得、その場合上記の条件はこれら2つの値のうち1つまたは両方にそれぞれ有効であり得る。また、対応する条件は内側輪郭線にのみ当てはまり外側輪郭線には当てはまらないこともあり得、その逆も同様である。
【0023】
本発明に係る方策は、十分長いカッター部を用いることによって2つの導体を同時に接続可能である、すなわち、1つの位置にクランプされている導体は、接触ブレード同士の間の別の場所に挿入された第2の導体に十分なクランピング力を加えることができることを妨げないという第1の直接的な利点を有する。これは状況によっては、2つの導体の直径が全く同じではない場合にも当てはまる。
【0024】
本発明に係る方策の第2の利点は、異なる直径の導体が配線可能であり、実際は可逆であるという利点から生じる。したがって、第1の厚い導体、およびこれの除去後に第2のより薄い導体を確実に保持することができる。なぜなら、本発明に係る方策によって、承認された直径範囲内の直径を有する導体のみを配線した場合、塑性の変形は実際的に全く起こらないからである。
【0025】
フォーク部は好ましくは、カッター部の全長にわたって挿入された導体が可逆にクランプ可能であるよう、すなわち全長にわたってクランピング力が十分であるが大き過ぎず、意図されたサイズの導体を挿入することによって絶縁体圧接接触が実質的に弾性的に変形するよう設計される。
【0026】
また、角度が付いたフォーク部を有する設計によって、設置高さが比較的限られている接触装置(たとえばプラグ、アダプタ、ジャックなど)の使用が可能となる。これは特に、フォーク部が互いに少なくとも90°の角度を付けられている場合の事例であり、その場合設置高さ全体がカッター部の高さに対応し得る。全体的に、これによって設置高さと弾性との最適な関係がもたらされ、設置高さが限られているにも拘らず、ブレードは、比較的大量に弾性的に変形して互いに対して変位することができる。
【0027】
また、本発明に従って設計される接触要素の形状によって、絶縁体圧接接触を、反対方向に位置する絶縁体圧接開口を有する完全なユニットとして、または異なる箇所における2つの絶縁体圧接接触部を有する二重接触要素として形成することも可能となる。
【0028】
好ましくは、絶縁体圧接接触は、連続延在導体をポキッと折ったり切断さえする必要なく当該導体に接触できるように設計される。特に、接触されることになる導体は好ましくは、実質的に(力をかけられて)絶縁体圧接接触の接触ブレードによってのみ接触されるべきであり、それによってフォーク部を、弾性ばねとしての自身の機能に最適に形成することができる。
【0029】
特に好ましい実施例によると、2つのフォーク部の一方は90°よりも大きい角度が付いているのに対して、他方は約90°の角度が付いている。第1の、90°よりも大きい角度が付いているフォーク部はこの場合、カッター部の近端に隣接する第1の部分(すなわち「上部の」フォーク部)に対応する。この好ましい実施例では、連続延在導体の配線が可能であり、2つのフォーク部のフォークブリッジは両方とも導体「の下」に延びる。
【0030】
第1の変形例では、第1および第2のフォーク部は、カッター部面に対してカッター部の同一の側にあるようにカッター部に対して角度が付いている。この構造により、さらなるスペースを必要とせずに、第1のフォーク部に90°よりも少し大きい角度、たとえば約100から140°の角度を付けるだけでよいことが可能となる。これによって、特に有利な応力を加えない力の分配が達成され、それ自身が剛性のブレードの使用が可能となる。この構造は寸法付けに関しても有利であり、フォークサイズが増大するにつれて絶縁体圧接接触は全体として一方向におけるサイズが増大するに過ぎないため、比較的大きい第1および第2のフォークをなお使用可能である。
【0031】
第2の変形例では、第1および第2のフォーク部はカッター部面の異なる側にある。この変形例は、第1のフォーク部に180°または別の比較的大きな角度、たとえば150°から190°の角度が付いている場合に特に有利である。絶縁体圧接接触は全体としてしたがって、たとえばほぼ垂直に角度が付いている(第2の)フォークを有する弓の形を有し、弓部は第1のフォークおよびカッター部によって形成される。上記と同様に、これも絶縁体圧接接触が全体として比較的小さい場合の利点であり、ケーブルストランドを、弓部の上に置かれ、かつブレードに接近する配線キャップによってブレード同士の間で押すことができる。また、フォーク先枝部同士の間の小さなスペースでは邪魔になってしまう要素が配線に不要となり、すなわちブレード同士の間で休止するのは導体のみでよい。
【0032】
第1のフォーク部に約180°の大きな角度が付いている場合、2つのブレードが互いから押し離されると第1のフォーク部にはトルクも加えられる。したがって第2の変形例
では、カッター部は好ましくは(第3の)ばね要素として設計される。これによって、ポテンシャルエネルギをカッター部にも格納することができ、それによって絶縁体圧接接触の塑性の変形をさらに打消すことができるというさらなる利点が得られる。
【0033】
絶縁体圧接接触は金属製であり、1片である。好ましくは、本発明に係る絶縁体圧接接触は、型打ちされ折り曲げられた構成要素(シート)から製造される。接触ブレードの撓み、および撓みに逆らって作用する対応するばね力はしたがってシート面において作用し、シート面に対して垂直に作用しない。これにより、とりわけ、関連のばね定数をフォーク先枝部の幅およびフォークブリッジ区域の構成によってほぼ任意に決定することができ、すなわち、ばね定数はシートの厚みにのみ依存するのではなく、むしろ独立した自由なパラメータであるという利点が得られる。さらに、信頼性のある比較的経済的な製造方法に立ち返ることができる。
【0034】
また、カッター部は全体として実質的に平坦である、すなわち、少なくとも刃先およびたとえばカッター部全体が湾曲せずに平面に延びることが好ましい。
【0035】
絶縁体圧接接触は、特に比較的厚い導体の配線に用いる際に、近位方向に突き出た接触スパイクを備えてもよく、これを用いて配線時に、より厚いケーブルストランドの絶縁体に進入することになる。この処置により、絶縁体を貫通するのに必要な径方向の力をきれいな切断に制限することができ、これは、最新技術と比較して弾性が増大する傾向にある本発明に係る進歩によって特に良好に達成される。
【0036】
さらに、接触ブレードは、各実施例において、自身の切断作用を高めるために自身の挿入区域に穴を開けることによって鋭利にされ得る。
【0037】
本発明の種類の接触装置は、1つの筐体の上および/または内部に配置される、本発明に係る複数の絶縁体圧接接触を備える。絶縁体圧接接触は、さらなる要素(分岐した導体のケーブルストランドもしくは装置の接触など)を直接接触するために働き、その場合ジャックまたはプラグ接触も形成し(ジャックまたはプラグ接触の場合、対応する配電盤接触も意味する)、または絶縁体圧接接触はジャックもしくはプラグ接触によって筐体内で接触され、および/もしくは接触可能である。筐体は1片である必要はなく、絶縁体圧接接触と一方側のケーブルストランドとの間および/または絶縁体圧接接触と他方側のジャックもしくはプラグ接触との間の電気接続は、筐体の部品を接合することによって確立され得ると想像され得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に従った絶縁体圧接接触の斜視図である。
【図2】図1に従った絶縁体圧接接触の未完成品の上面図(すなわち折り曲げ前の製造処理の間の平面形状である絶縁体圧接接触または半完成品の上面図)である。
【図3】小さい直径を有する導体の配線を示す図である。
【図4】より大きな直径を有する導体の配線を示す図である。
【図5】段差が設けられた接触領域を有する、図1に従った絶縁体圧接接触の変形例を用いる導体の配線を示す図である。
【図6】ケーブルをある長さに切断するためのカッターを有する絶縁体圧接接触のさらなる変形例の上面図である。
【図7】ケーブルストランドの挿入深さの関数としてばね力を示す概略的なグラフの図である。
【図8】本発明に従った絶縁体圧接接触のフォークの内側輪郭の曲率のコースを示す図である。
【図9】IDCの設計についての基準を例示する図である。
【図10】本発明に従った接触装置の概略図である。
【図11】複数のディストリビュータバンクに特に適切である、本発明に従ったさらなる絶縁体圧接接触の図である。
【図12】複数のディストリビュータバンクに特に適切である、本発明に従ったさらなる絶縁体圧接接触の図である。
【図13】本発明に従ったさらなる絶縁体圧接接触の図である。
【図14】本発明に従ったさらなる絶縁体圧接接触の図である。
【図15】ジャック接触部が存在しない、図13および図14に従った絶縁体圧接接触の未完成品の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、図面を用いて本発明の好ましい実施例をより詳細に説明する。図面において、同一の参照番号は同様または類似の要素を示す。
【0040】
図2および図15に示されるものは、たとえば所望の3D形状に折り曲げられる前の半完成品として存在する未完成品の平坦な形である図1および図13/図14のそれぞれに示される絶縁体圧接接触に対応する。図2および図15では、折り曲げ線(現実では、これらの線の周りの領域)が示され、一方の側のカッター部と他方の側のフォーク部との間の遷移を規定する。
【0041】
図1−図4に示される絶縁体圧接接触1は、2つのブレード3.1,3.2を有するカッター部3を含む。ブレードの領域において、導体7.1の絶縁体7.2を貫通するよう切るように設計される対向する刃先3.3,3.4が存在する。この文書において、「ブレード」とは、カッター部を構成する要素の全体の長さを示し、したがって刃先が存在する領域の長さのみを示すのではない。
【0042】
2つのフォーク先枝部4.1,4.2を有する第1のフォーク4は、カッター部3の近位側上に接続する(図1、3、および図4aにおいてのような3D図が示される図では、カッター部の近位側は上側に対応し、遠位側は下側に対応し、ケーブルストランドは「上から」挿入される)。遠位側では、カッター部は、それぞれ2つのフォーク先枝部5.1,5.2を有する第2のフォーク5の中に統合する。第1のフォーク4によって形成されるこのフォーク部は、90°より大きく、ここでは約115°の角度でカッター部に対して角度付けされる。第1のフォーク部の端部領域4.4は、スペースの理由から、フォーク部のメイン領域から離れるよう若干折り曲げられる。第2のフォーク5によって形成される第2のフォーク部は、カッター部に対して約90°の角度を含む。この構成は、連続して延在し、切断されない導体の配線を可能にする。これは、図10を参照して以下により詳細に説明される。
【0043】
示される実施例において、ジャック接触部6は、第2のフォーク部から連続し、依存可能な電気接触をプラグのプラグ接触が確立し得るように接触装置における幾何学的位置に適切な態様で形成される。
【0044】
ケーブルストランド7(絶縁体7.2を有する導体7.1)の挿入により、2つのブレード3.1,3.2は互いに押し離される。二重矢印で図3において概略的に示されるように、この押離しは、弾性的な反作用力F1,2に対して4点で作用する。この弾性的な反作用力は、第1および第2のフォークのフォーク先枝部によって加えられる。この弾性的な反作用力は、フォーク先枝部が互いに押し離される際に、それらのそれぞれの面において弾性的にフォーク4,5が変形することにより生ずる。
【0045】
示される実施例において、2つのブレード3.1,3.2の各々はさらに、接触スパイ
ク3.5,3.6を含む。図4においてわかり得るように、これらの接触スパイクはより太いケーブルストランド7の配線の間、ケーブルストランドの絶縁体に進入し貫通する。これにより、絶縁体圧接接触により伝わる半径方向(ケーブルストランドに対して)の力と、これとともに、配線処理の間に互いから離れるブレードの最大のたわみとが低減され得るという前向きな効果が与えられる。言うなれば、必ず最大でも絶縁体の内部のみが半径切断運動において貫かれるだけである。したがって、この特徴により、配線され得るとともに可逆的にそうされ得る厚さの範囲をさらに増加させる。
【0046】
図5に示される絶縁体圧接接触の変形例は、図1に従った絶縁体圧接接触とは、以下の点で異なる。すなわち、刃先に段差が設けられ、したがって上部近位部では、刃先は下部においてよりも、互いからより遠くなる。これにより、恐らく扱うことが可能なケーブルストランドの厚さの範囲はさらに大きくなり得る。すなわち、細いケーブルは底部へと完全に押圧され、より太いケーブルは上側の領域に留まる。
【0047】
図6に従った変形例は、ケーブルストランド7をある長さに切断するための長さ切断ブレード8が与えられるという特徴をさらに有する。この変形例は、非連続延在ケーブルの利用と組合せると有利である。ジャック接触部6では(他の実施例では、プラグ接触部でもあり得る)、さらなる機能のための他の要素が与えられ得る。たとえば、はんだ付けピン、ばねなどである。
【0048】
図7において、ケーブルストランドの挿入距離sの関数として導体上にブレードによって加えられる力Fが概略的に実線で示される。図7においては、絶縁体圧接接触について、図1−図4に示される記載が想定される。近位領域においてブレードが傾斜する形により、ブレードは互いから離れるよう始めは安定して押圧され、これにより、力において、類似した、たとえば線形の上昇がフックの法則に従って作り出される。しかしながら、ブレードの刃先が互いに対して平行である領域内に導体が存在し、かつIDCとの接触点にて絶縁体が貫通されるとすぐに、力Fは一定のままになる。これは、2つのフォークが、さらなる挿入によっても、さらに変形しないからである。
【0049】
これにより、本発明に従った絶縁体圧接接触は公知の絶縁体圧接接触(V技術)と顕著に異なる。公知の絶縁体圧接接触は、鋏の対の形であり、それらのブレードの間に対象物が挿入され、この挿入の最中には、絶えず開かれてさらに広くなる。当該技術水準に従ったカッターの対応する力の曲線が点線で図7に概略的に示される。この力は挿入距離の関数として安定して増加する。この結果、当該技術水準の絶縁体圧接接触の頂点の領域において、力は非常に高速に上昇するとともに、通常の導体断面の場合でさえ弾性範囲を上回り、高速かつ避けられない塑性的な変形が起こることになる。弾性的(可逆的)な変形と塑性的(非可逆的)な変形との境目は、実際のところ、通常流動的であり、さらには絶縁体圧接接触の形状設計に依存するが、図7において破線で示される。
【0050】
本発明に従った絶縁体圧接接触の好ましい実施例はさらに、可能な限り小さい領域においてフォークのばね領域を可能な限り大きくするさらなる手段を通じて最適化される。図8に示されるように、これらのフォークは好ましくは、一定の断面領域の頂点および該頂点に結合される平行なフォーク先枝部の領域において丸い内側輪郭線が存在することにより、当該技術水準において実現される形と異なる。特に、その曲率は好ましくは、少なくとも頂点の領域においては一定ではなく、頂点からの距離の関数として減少する。
【0051】
これは、他のものの中で、以下の基準が満たされたという点において示される。半径rsiを有する曲率円(図8において点線で示される)が頂点において描かれ、接線(および/または接線面31.1,31.2)が、頂点からrsiの距離(すなわち図8および9におけるx方向)に内側輪郭線に対して描かれ、これらの接線の間の角度は0にはならない
。この角度は、たとえば少なくとも10°に達し、または少なくとも30°に達し、示される例では、60°より大きい何らかの角度であり、好ましくはその最大値は約100°である。
【0052】
外側輪郭線について、同じように考えることが有効であり得る。外側輪郭線については、間に丸形の端縁を有する3つの長方形の側によって近似され得る形状から逸脱する場合、特に有利である。
【0053】
図8においてさらにわかり得るのは、フォーク先枝部の幅が頂点からの距離の関数、すなわち図8におけるx座標の関数として減少することである。
【0054】
図9は、内側輪郭線21.1および外側輪郭線21.2についてのさらなる基準を示す。当該基準は、できる限り小さいスペースにおけるフォークの弾性ばね範囲の最大限の最適化を表わす。仮想的な面41および42は、対称面40に対して45°の角度(さらに、想像面に垂直)となるように設計され、それぞれ内側輪郭線21.1および外側輪郭線21.2の頂点を通るよう位置決めされる。
【0055】
一方の側、すなわち内側頂点を通る仮想面41の、内側輪郭線21.1との交点と、他方の側、すなわち対称面40との間の距離mは、古典的な解決策では、2つのフォーク先枝部の最も広い幅の点での半分の距離d/2を示す。本発明の好ましい実施例に従うと、mはこの値より小さい。たとえば、最小値がd/12、特に好ましくは、最小値がd/8、そのためm≦3d/8が当てはまる。この基準はさらに、対称面からの内側輪郭線の最大距離が既に頂点近くにあるのではなく、そこから変位しているということを意味する。
【0056】
mの値についての現実的な下限はたとえば、d/12であり、特に好ましくは最小値がd/8である。
【0057】
一方の側、すなわち外側頂点を通る仮想面42の、外側輪郭線21.2との交点と、他方の側、すなわち対称面40との間の距離nについても同様に、独立して、基準が存在する。「古典的」な解決策では、これはp/2に達する。p/2は、対称面からの外側輪郭線の最大距離である。本発明の好ましい実施例に従うと、nはp/2よりさらに小さく、特に好ましくは、nは7p/16以下である。nについての下限としては、たとえばp/4の値がとられ得る。
【0058】
絶縁体圧接接触の未完成品では、面41,42が、対応する線41,42に取って代わられる。これらの線41,42は、対応する頂点の接線43および/または44に対して45°の角度で存在する。次いで、その交点から、頂点を通る接線43および/または44の垂線40への距離が計測される。この規定は、対称的に形状決めされていない絶縁体圧接接触についても有効である。
【0059】
図10は、上述したような絶縁体圧接接触1を有する接触装置を概略的に示す。図10において、一方の側のカッター部3と他方の側のフォーク4,5との間の選択された角度に基づき、連続延在ケーブルストランド7が接触され得るということがさらに理解され得る。
【0060】
複数の絶縁体圧接接触1に加えて、この装置は筐体12を含む。この筐体は、プラグ14のプラグ接触13が筐体内部に突出し得、絶縁体圧接接触1のジャック接触部6が接触され得るように設計される。
【0061】
このような接触装置11の筐体を構成する方法、ならびに導体を案内する手段(案内リ
ッジなど)および配線を補助するもの(たとえば傾斜可能または並進的に移動可能な配線キャップなど)は当業者にとって公知であり、ここではさらなる詳細は扱われない。言うまでもなく、他の実施例も想像され得、当該他の実施例では、絶縁体圧接接触は傾斜可能または移動可能な要素の中および/または上に設計され得るとともに、配線処理では、動かないケーブルストランドに対して移動し得る。
【0062】
図11および図12に従った絶縁体圧接接触は、たとえば複数ソケットのコネクタ片のための接触装置として特別に設計されるという点で、図1から図4のものとは異なる。ジャック接触領域6において、複数のジャック接触孔6.1−6.4が設計される。当該孔には、それぞれ1個の円筒状のプラグ接触が挿入され得る。これらジャック接触孔の領域におけるスリットにより、プラグ接触自身が堅牢である場合に必要な弾性が与えられる。プラグ片において、図10および図11で示されるタイプの絶縁体圧接接触が、2つもしくは3つ、またはプラグの標準に依存してさらに多く存在する。この構成は、異なる絶縁体圧接接触のジャック接触孔6.1−6.4が、普及したタイプのプラグに対応するよう設計された構成であり得る。
【0063】
ジャック接触孔の代わりに、またはこれらに加えて、たとえばはんだ付けアイレットまたはピン、貫通点などといった他の接続手段も想像され得る。
【0064】
図13−図15に従った絶縁体圧接接触は、以下の点において図1−図4のものとは異なる。すなわち、他のものの中で、第1および第2のフォークが、カッター部によって規定される面の異なる側上にて角度付けされる。この態様では、図13および図14に示され得るように、第2のフォーク部は約180°に角度付けされ得、そのためカッター部3および第2のフォーク部5は共に2つの弓脚部を有する弓部を形成し、第1のブレード3.1と共に第1のフォーク脚部5.1は第1の弓脚部を形成し、第1のブレード3.2と共に第1のフォーク脚部は第2の弓脚部を形成する。これらの弓脚部の間に、接触されることになる導体を有するケーブルストランドが挿入されなければならない。これは、たとえば当該弓部の上に置かれ得る配線キャップの助けを借りて達成され得る。図13−図15に従った絶縁体圧接接触の形態はしたがって、相対的により小さい絶縁体圧接接触の設計に特に適切であり、そのため、たとえばデータ用導体の配線に特に適切である。特に、本発明に従った接触装置は、データ用導体のプラグまたはジャックとして、たとえばRJ−45プラグまたはジャックとして設計され得る。
【0065】
図13から図15に従った絶縁体圧接接触のさらなる特徴は、カッター部において見られ得る切欠3.8に存在する。この切欠の結果、ブレード3.1,3.2は同時にフォークと同様の態様でばね要素として機能する。したがって、それらは全体として絶縁体圧接接触の弾性に貢献し得るとともに、それに加えて、2つのフォーク4,5が互いに対して角度付けされることにより引き起こされる捻り力を吸収し得る。
【符号の説明】
【0066】
1 絶縁体圧接接触、3.1,3.2 ブレード、3 カッター部、4 第1のフォーク、5 第2のフォーク、6 ジャック接触部、7 ケーブルストランド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルストランド(7)の配線用の絶縁体圧接接触(1)であって、2つの接触ブレード(3.1、3.2)を備え、前記接触ブレード同士の間に、前記ケーブルストランドの絶縁体(7.2)で囲まれた導体(7.1)を、カッター部(3)の遠端の方向における配線方向の前記絶縁体圧接接触に対する動きによって挿入することができ、それによって前記接触ブレードが前記絶縁体に食込んで前記導体に接触する絶縁体圧接接触であって、
第1のフォーク部(4)および第2のフォーク部(5)を備え、前記カッター部(3)は前記接触ブレード(3.1、3.2)を備え、前記接触ブレードは前記カッター部の領域全体にわたって互いに分離されおり、
前記第1のフォーク部および前記第2のフォーク部は各々が前記カッター部に対して角度が付いており、
前記第1のフォーク部は第1のフォーク(4)を備え、前記第2のフォーク部は第2のフォーク(5)を備え、前記第1のフォークのフォーク先枝部(4.1、4.2)の端は前記カッター部の近端に隣接し、前記第1のフォークは前記接触ブレードの近端が離れるように動くと反対の弾性のばね力を与え、前記第2のフォークのフォーク先枝部(5.1、5.2)の端は前記カッター部の遠端に隣接し、前記第2のフォークは前記接触ブレードの遠端が離れるように動くと反対の弾性のばね力(F1、2)を与えることを特徴とする、絶縁体圧接接触。
【請求項2】
前記第1のフォーク(4)によって前記カッター部(3)の前記近端に及ぼされる弾性力と前記第2のフォーク(5)によって前記カッター部の前記遠端に及ぼされる弾性力とは、最大3倍、好ましくは最大2倍、特に好ましくは最大1.5倍異なることを特徴とする、請求項1に記載の絶縁体圧接接触。
【請求項3】
前記第1および/または前記第2のフォークの前記フォーク先枝部(4.1、4.2;5.1、5.2)は非平行に延びることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の絶縁体圧接接触。
【請求項4】
前記第1のフォーク(4)および/または前記第2のフォーク(5)について、前記絶縁体圧接接触の未完成品において、一方側の、内側輪郭線(21.1)と頂点を通過して前記頂点の接線に対して45°の角度である線(41)との交差点と、他方側の、当該接線に対する垂線との間の距離mについて、関係m≦3d/8が当てはまり、dは、前記フォーク先枝部同士の間の最大距離の箇所における前記内側輪郭線上の点同士の間の距離であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の絶縁体圧接接触。
【請求項5】
前記第1のフォーク(4)および/または前記第2のフォーク(5)について、前記絶縁体圧接接触の未完成品において、一方側の、外側輪郭線(21.2)と頂点を通過して前記頂点の接線に対して45°の角度である線(42)との交差点と、他方側の、当該接線に対する垂線との間の距離nについて、関係p/4≦n<p/2が当てはまり、pは、前記フォーク先枝部同士の間の最大距離の箇所における前記外側輪郭線上の点同士の間の距離であることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の絶縁体圧接接触。
【請求項6】
前記第1および第2のフォーク部(4、5)は、カッター部面に対して前記カッター部(3)の同一の側にあるように前記カッター部に対して角度が付いていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の絶縁体圧接接触。
【請求項7】
前記第1および第2のフォーク(4、5)は、カッター部面に対して前記カッター部(3)の異なる側にあるように前記カッター部に対して角度が付いていることを特徴とする
、請求項1〜6のいずれか1つに記載の絶縁体圧接接触。
【請求項8】
前記カッター部(3)は、前記第1のフォーク部(4)および前記第2のフォーク部(5)に加えて付加的なばね要素を形成することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の絶縁体圧接接触。
【請求項9】
直線の連続延在ケーブルストランドに接触できるように、前記第1のフォーク部は前記カッター部から90°よりも大きい角度が付いており、前記第2のフォーク部は前記カッター部から約90°の角度が付いていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の絶縁体圧接接触。
【請求項10】
前記接触ブレード(3.1、3.2)は各々が、接触されることになる前記ケーブルストランド(7)のケーブル絶縁体(7.2)に進入するための、近位に突き出た接触スパイク(3.5、3.6)を備えることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の絶縁体圧接接触。
【請求項11】
前記接触ブレード(3.1、3.2)同士の間のクランピング力は、前記配線方向における前記ケーブルストランド(7)の位置とほとんど無関係であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の絶縁体圧接接触。
【請求項12】
前記導体(7.1)の配線の際、前記接触ブレード(3.1、3.2)は互いから押し離される間ほぼ平行であるため、近位場所の前記接触ブレードと遠位場所の前記接触ブレードとの間の間隙は、前記配線方向における前記ケーブルストランド(7)の位置とほとんど無関係であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の絶縁体圧接接触。
【請求項13】
前記接触ブレード(3.1、3.2)は、さまざまな直径のケーブルを受けるために段の付いた刃先を備えることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の絶縁体圧接接触。
【請求項14】
たとえばはんだ付けピン、接触ばね、長さカッターまたは端子などの要素が、さらなる機能のために少なくとも1つのフォーク上に一体形成されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の絶縁体圧接接触。
【請求項15】
筐体(12)、複数のケーブルストランドを案内するための案内手段、および前記筐体に収容される複数のジャックまたはプラグ接触を備える接触装置(11)であって、
先行する請求項のいずれか1つに記載の複数の絶縁体圧接接触(1)を特徴とし、
前記ジャックまたはプラグ接触は各々が前記絶縁体圧接接触の1つと電気接触しているかもしくは電気接触してもよく、または前記ジャックまたはプラグ接触は各々が前記絶縁体圧接接触の1つによって形成される、接触装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−21143(P2010−21143A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163356(P2009−163356)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(505095039)ライヒレ・ウント・デ−マッサーリ・アクチェンゲゼルシャフト (5)
【氏名又は名称原語表記】REICHLE & DE−MASSARI AG
【Fターム(参考)】