絶縁層及び接続孔の形成方法、配線構造及びその形成方法
【課題】 絶縁層及びヴィア形成において、形成された絶縁層の表面が非常に平滑となり、薄膜素子等を信頼性及び歩留り良く、高い自由度を以って形成でき、さらには微小なヴィア形成が可能である絶縁層及びヴィア(接続孔)の形成方法、及びそれを用いた多層配線基板並びにモジュール基板等の配線構造及びその形成方法を提供する。
【解決手段】 台座20を介してマスク基板21を配置し、この基板21とコア基板1との間に感光性エポキシ樹脂などの感光性絶縁材料3Aを介在させ、これをパターン露光して現像してヴィアホール7を形成する。この現像により、微小なヴィアホール7を形成できると同時に、マスク基板21のコア基板対向面21aによって絶縁材料(従って、絶縁層3)を平坦かつ滑らかな表面に、しかも常に設定された厚みに形成することができる。
【解決手段】 台座20を介してマスク基板21を配置し、この基板21とコア基板1との間に感光性エポキシ樹脂などの感光性絶縁材料3Aを介在させ、これをパターン露光して現像してヴィアホール7を形成する。この現像により、微小なヴィアホール7を形成できると同時に、マスク基板21のコア基板対向面21aによって絶縁材料(従って、絶縁層3)を平坦かつ滑らかな表面に、しかも常に設定された厚みに形成することができる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁層及び接続孔の形成方法、配線構造及びその形成方法に関し、特に、高密度実装を可能とするため、薄膜を用いたキャパシタ、抵抗、インダクタ等の受動素子を表面に形成したモジュール基板に有効な絶縁層及び微小なヴィア(接続孔)の作製方法、多層配線基板又はモジュール基板からなる配線構造及びその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、実装基板の小型化・高機能化を実現するため、基板においてはヴィアの微細化や配線ピッチの狭窄化などが検討され、さらにICパッケージの小型化や多ピン化、半導体ベアチップ実装、コンデンサや抵抗などの受動素子の小型化、表面実装化が検討され、実用化されてきている。
【0003】またその一方で、受動素子の小型化の進展により、製造及び実装時の困難性が増し、従来の手法では限界が見えつつある。その解決方法として、受動素子を直接プリント配線基板の表面又は内部に形成することが提案され、セラミック基板で厚膜抵抗体やキャパシタを表面形成したり、内蔵した例が幾つかあり、実用化されているものもある。
【0004】しかしながら、金属や絶縁体のペーストを用いた印刷などの厚膜を利用した抵抗体やキャパシタなどの受動素子は、パターン精度や厚み精度に難があり、再現性などのばらつきの問題など、信頼性に乏しいという問題がある。また、そのようなペーストを使用した場合には、塗布後に焼結させるために高温処理が必要とされ、特に有機基板などのように耐熱性に劣る基板に形成する場合には、そのまま適用することは困難である。
【0005】その解決方法として、抵抗体やキャパシタ材料に、スパッタや蒸着といった薄膜を使用した受動素子の例が近年報告されている。抵抗体やキャパシタの誘電体の薄膜や薄膜配線は、リソグラフィを利用して高精度にパターニングすることにより、極めて高精度に受動素子を形成することが可能になる。
【0006】この薄膜を利用した抵抗体の例を図12に概略図示するが、基板としての基体1に形成された表面電極2上に絶縁層3が形成され、この上に、左右に対向して形成された配線4−5の間に抵抗体6が形成され、薄膜抵抗素子Rをなしている。この抵抗体の材料としては、ニッケル−クロム(Ni−Cr)、窒化タンタル(TaN)、タンタル(Ta)などの様々な材料が挙げられる。なお、図中の5aは、絶縁層3のヴィアホール(以下、単にヴィアと称することがある。)7を介して上下配線を接続する部分(通常は上層配線材料)であり、また、抵抗素子Rの配線4、5は、絶縁層8のヴィア9の導電部10a、11aを介して取出され、ここに電極10、11が被着されている。
【0007】また、薄膜を利用したキャパシタの例を図13に概略図示するが、基板としての基体1の電極2上の絶縁層2の上に、上下に対向して形成された配線12−13の間に、誘電体14が形成され、キャパシタCを構成している。この誘電体の材料としては、酸化タンタル(Ta2O5、TaO)や窒化シリコン(Si3N4)、チタン酸バリウム(BaTiO)などが挙げられる。なお、図中の13a、15a、16aは導電部、15、16は電極であってキャパシタの配線12、13を取出すものである。
【0008】上記の抵抗体の材料の中では、TaN膜は、温度係数(TCR)が100PPM/℃以下と小さな値が得られることと、寿命特性などの安定性の面で優れていることから、一般的によく使用されている。一方キャパシタ材料として、酸化タンタル薄膜は、スパッタリングにより直接成膜できるが、Ta膜やTaN薄膜を陽極酸化してその表面に酸化物を成長させることにより、容易に形成できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のように、薄膜による受動素子を基板上の絶縁層上に形成しようとすると、このような薄膜の厚みは概して数百〜数千Åと非常に薄いため、絶縁層表面の粗さやうねり、反りといったものが問題となる。
【0010】例えば、図14(a)、(b)に示すように、基板(コア基板)1上の、パターニングされたグラウンドや電源などの表面電極2上に、絶縁層3を形成する場合、表面電極2は、例えば銅メッキや銅箔などをパターニングしたものが一般的であり、その厚みは少なくとも数μmから数十μm程度と大きい。従って、その上に、絶縁層3を塗布して形成すると、絶縁層3の厚みは概して数μ〜数十μ程度であるため、形成された絶縁層3の表面には、その下の電極2のパターンに応じた凹凸17が生じてしまう。さらに、基板1として例えば特に有機基板を用いると、反りやうねりが大きくなり、問題となる。
【0011】従って、その絶縁層3の上面に数百〜数千Åといった非常に薄い薄膜による受動素子や薄膜配線など、例えば抵抗体6や配線4、5を図14(c)のように施すと、絶縁層3の表面の凹凸17により受動素子が形成され難くなり、スパッタリングやフォトリソグラフィーによる加工の信頼性や歩留まりの低下を招いてしまう。このため、その凹凸12が存在する領域(即ち、電極2の有無の部分)は薄膜を形成しない方がよく、この部分はデッドスペースともなりうる。さらには、絶縁層3の上下の導通を行うために絶縁層にヴィア7を形成する場合、例えばポリイミドなどの感光性の絶縁材料を使用し、リソグラフィを利用して絶縁層3を形成すると共にヴィア7を形成するときには、凹凸12ある領域では小さなヴィアは形成しづらく、ヴィアの歩留まりが低下する可能性がある。
【0012】すなわち、絶縁層3を形成し、ヴィア7を形成するとき、及びその後には、絶縁層3の表面が非常に滑らかで平滑であることが望ましく、また形成されるヴィア7は高密度実装のために小さい方が望ましい。
【0013】本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、絶縁層及びヴィア形成において、形成された絶縁層の表面が非常に平滑となり、薄膜素子等を信頼性及び歩留り良く、高い自由度を以って形成でき、さらには微小なヴィア形成が可能である絶縁層及びヴィア(接続孔)の形成方法、及びそれを用いた多層配線基板並びにモジュール基板等の配線構造及びその形成方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、基体上に、絶縁層と、この絶縁層内の接続孔とを形成するに際し、前記基体上にスペーサを介して型材を配置する工程と、前記基体と前記型材との間に感光性絶縁材料を介在させる工程と、前記感光性絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材を剥離する工程と、前記の露光された絶縁材料を現像する工程とを有する、絶縁層及び接続孔の形成方法(以下、本発明の第1の方法と称する。)に係るものである。
【0015】また、本発明は、基体上に形成され、絶縁層と、この絶縁層内の接続孔と、この接続孔に被着された配線層とからなる少なくとも1層の配線構造であって、前記基体上にスペーサが形成され、このスペーサを埋設する如くに表面が平坦な前記絶縁層が被着され、この絶縁層に前記接続孔が形成されている配線構造(以下、本発明の配線構造と称する。)を提供するものである。
【0016】また、本発明は、基体上に、絶縁層と、この絶縁層内の接続孔と、この接続孔に被着された配線層とからなる配線構造を少なくとも1層形成するに際し、前記基体上にスペーサを介して型材を配置する工程と、前記基体と前記型材との間に感光性絶縁材料を介在させる工程と、前記感光性絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材を剥離する工程と、前記の露光された絶縁材料を現像する工程とを有する、配線構造の形成方法(以下、本発明の第2の方法と称する。)も提供するものである。
【0017】本発明の第1及び第2の方法、並びに本発明の配線構造によれば、基体上に絶縁層を形成するに際し、スペーサを介して型材を配置し、この型材と基体との間に感光性絶縁材料を介在させ、これをパターン露光して現像しているので、この現像により、微小な接続孔をヴィアホールとして形成できると同時に、型材の基体対向面によって絶縁材料(従って、絶縁層)を平坦かつ滑らかな表面に、しかも常に設定された厚みに形成することができる。
【0018】この結果、絶縁層上には薄膜抵抗等の薄膜素子など、及びこれを含む配線構造等を下地の凹凸の影響を受けることなしに信頼性及び歩留り良く、しかも配置の制約を少なくして高い自由度を以って形成することができる。そして、得られる配線構造は、上記スペーサを絶縁層に埋設した独特の構造を有したものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の第1及び第2の方法、並びに配線構造においては、前記絶縁層及び接続孔を形成するに際し、前記基体上の電極を含む面上に前記スペーサとなる突起を所定パターンに配置する工程と、前記面上に前記絶縁材料を被着する工程と、前記の被着された絶縁材料に対し、前記基体との対向面が平坦な前記型材を、前記突起によって前記基体と前記型材との間隔が規制される位置まで押込む工程と、前記型材を通して前記絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材の剥離後に、前記絶縁材料の非露光又は露光部分を除去する現像を行い、前記絶縁層に前記接続孔を形成する工程とを有することが望ましい。
【0020】この場合、前記突起を前記面上に一体に形成し、前記突起を含む面上に前記絶縁材料を塗布した後、遮光部を所定パターンに形成した前記型材を前記突起に接当するまで前記絶縁材料に対し押込み、前記露光によって選択的に硬化した前記絶縁材料の所定部分を現像によって除去することができる。
【0021】また、前記絶縁層及び接続孔を形成するに際し、前記基体上の電極を含む面上に前記スペーサとなる突起を所定パターンに配置する工程と、前記基体との対向面が平坦な前記型材を、前記突起によって前記基体と前記型材との間隔が規制される位置に配置する工程と、前記面と前記型材との間に前記絶縁材料を充填する工程と、前記型材を通して前記絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材の剥離後に、前記絶縁材料の非露光又は露光部分を除去する現像を行い、前記絶縁層に前記接続孔を形成する工程とを有することも望ましい。
【0022】この場合、前記突起を前記面上に一体に形成し、遮光部を所定パターンに形成した前記型材を前記突起に接当させ、しかる後に、前記面と前記型材との間に前記絶縁材料を充填し、前記露光によって選択的に硬化した前記絶縁材料の所定部分を現像によって除去することができる。
【0023】また、前記絶縁材料として光硬化型材料、例えばエポキシ系やアクリル系などの紫外線硬化型樹脂を用いるのがよい。
【0024】前記現像において、現像液としてアセトン等の有機溶剤を使用することができる。
【0025】前記型材が石英やガラスなどの透明光学材料や、透明樹脂材料であってよい。
【0026】前記スペーサは、感光性材料のパターニングによって形成することができ、例えば、フォトレジストの塗布やドライフィルムの被着後の露光及び現像によって形成してよい。
【0027】前記基体として再配置配線用のコア基板を使用するのがよい。
【0028】この場合、前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどのセラミック多層基板であってよく、またガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、テフロン、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板であってよい。
【0029】また、前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどセラミック多層基板、もしくはガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板であり、その少なくとも一方の面には、感光性もしくは非感光性エポキシ、或いは感光性もしくは非感光性ポリイミド、或いは感光性もしくは非感光性ベンゾ−シクロブテン、液晶ポリマーなどの樹脂素材とCuメッキなどにより、高密度配線が形成されているビルドアップ基板であってよい。
【0030】このようなコア基板上に上記配線構造を1層又は2層以上形成してなる配線基板は、ICやチップ部品などを表面上に接続固定してモジュール基板を作製するのに適用されるのがよい。
【0031】次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に説明する。
【0032】第1の実施の形態図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態による絶縁層及びヴィア形成工程を示すものである。本実施の形態においては、絶縁層としてUVレジン(紫外線硬化型樹脂)などの光硬化型樹脂を用いるものである。
【0033】まず、図1(a)に示すように、コア基板1上に電極2をパターニングして形成する。そして、この電極2の上に絶縁層を形成する際に、電極2上の絶縁層の厚みを制御するための台座20(スペーサ)を電極2上に形成する(図1(b))。
【0034】この台座20は、例えばフォトレジストの湿布やドライフィルムの被着などを行い、これをパターニングして形成するが、パターニング可能であって厚みに関して十分に精度の出るものであれば何でもよく、例えば電極2からの絶縁層厚みを10μmとしたいときには、台座20をその厚みに近い高さに設定してパターニングする。また、台座20を設ける箇所については、台座20を設けても問題とならない、基板1上の実際の回路パターン外にすることが望ましい。
【0035】その後、液状の硬化前の絶縁材料3A(例えば、感光性エポキシ樹脂)を塗布する(図1(c))。この塗布方法は、何のような方法でもよく、例えばスピンコートやロールコート、カーテンコートなどで全面に塗布してもよく(この段階では下地の影響で絶縁材料3Aの表面に凹凸17が生じる。)、また基板中央部に山盛り状に塗布してもよく、下記の工程においてマスク基板の圧着工程の際に絶縁材料3Aが基板1全体に拡がればよい。
【0036】即ち、型材としての紫外線透過性のマスク基板21を基板1上の全体に圧着して、凹凸17がなくなるように絶縁材料3Aを平坦化する(図1(d))、(図2(e))。このマスク基板21の基板1との対向面21aには、形成されるヴィアの所望の大きさに相当する遮光膜22をパターニングして設けている。マスク基板21は例えばガラス基板であり、絶縁材料3Aを硬化させる際に照射する光に対して透明である必要がある。また、そのマスク基板21の対向面21aは、形成される絶縁層の表面が平坦かつ滑らかに形成できるように平坦かつ滑らかであることが望ましい。また、遮光膜22は、例えばCrなどの薄膜金属膜であって絶縁材料13Aを硬化させる際に照射する光を遮光できればよい。
【0037】ここで、マスク基板21を基板1上に圧着する際には、気泡などが入らないようにする必要があり、また台座20による高さで電極2からの絶縁層の厚みを所望の厚みに設定できるように、マスク基板21を台座20に接当するまで絶縁材料3Aへ押込めて圧着することが望ましい。この圧着状態では、上記した絶縁材料3Aの表面凹凸17は完全になくなり、図1(e)のようにマスク基板21によって完全に平坦化される。
【0038】そして、この圧着状態において、絶縁材料3Aを硬化させるため、マスク基板21を通して、絶縁材料3Aを硬化させる光23を照射する(図2(f))。絶縁材料が例えばUVレジンであれば、UV光を照射する。この光照射後の絶縁層3においては、露光部(硬化部)24と非露光部(未硬化部)25が形成され、かつ台座20は硬化部3中に埋設されて一体化される(図2(g))。
【0039】そしてその後、絶縁層3を選択的に硬化させた後、マスク基板21を基板1から剥離する(図2(h))。この剥離工程では、絶縁層3からマスク基板21を簡単に剥離できることが望ましく、剥離を容易にするため、マスク基板21の表面には例えばフッ素コーティングやシリコーン樹脂を薄くコーティングさせて剥離性を向上させてもよい。
【0040】さらに、基板1上の絶縁層3の未硬化部25を除去して、ヴィアとなる孔7を形成する(図3(i))。この除去工程(現像工程)では、絶縁層3が例えばエポキシ系UVレジンなどであれば、例えばアセトンなどの有機溶剤により、硬化部24は残したまま未硬化部25を簡単に除去できる。現像液としてアセトンを使用するのであれば、その後に例えばIPA(イソプロピルアルコール)によりリンスすることが望ましい。
【0041】このような工程により、図3(i)に示すように、絶縁層3を形成すると同時にヴィア7を形成できる。このとき、電極2からの絶縁層3の厚みは、台座20の高さによって決定され、厳密に絶縁層厚みを制御可能となる。また露光の際にはマスク基板21を接触させて絶縁層3に対するコンタクト露光になるので、極めて良好な解像度を有して露光できるため、形成されるヴィア7は微小な径で形成可能である。そして、マスク基板21の表面21aが平坦で荒さが少ないものであれば、形成された絶縁層3の表面は非常に平坦かつ滑らかに形成可能となる。
【0042】さらに、絶縁層3の上には、上部電極26(既述した配線4や5など)をパターニングで形成して、絶縁層3の上下の配線をヴィア7を通じて接続することができる(図3(j))。この電極26は例えばメッキやスパッタ膜により信頼性良く形成できる。
【0043】以上に説明したように、簡単な工程で絶縁層3を形成できると共に、微小な径のヴィア7を絶縁層3の形成と同時に形成でき、さらには、絶縁層3の表面を平坦かつ滑らかに形成可能であって、その上面にスパッタ膜などの薄膜を配置の制約なしに高い自由度を以って電極26等として容易に形成できる。さらには、絶縁層3の厚みを台座20の高さにより非常に厳密にコントロール可能となる。
【0044】そして、上記の形成工程で得られた配線基板は、表面が平坦で厚みが均質な絶縁層3中に、台座20がそのまま埋め込まれた独特の構造を有したものとなる。
【0045】上記のような絶縁層及びヴィアの形成工程を用いて、図10に示すような多層配線基板を形成できる。コア基板1として、例えばFR−4相当の有機多層基板やセラミックなどの多層配線基板を使用し、図中の27は各層の絶縁層、28は配線層を示す)、その基板上に、キャパシタCおよび抵抗体Rなどの薄膜受動素子を公知の方法により形成し(図12、図13参照)、さらにそれを絶縁層8及び29、ヴィアホール7及び9、Cuメッキなどによる導電層10、11、15及び16などによって多層化した多層配線基板を形成可能である(以下、同様)。
【0046】さらには、図11に示すように、その多層配線基板上に、IC61やチップ部品62を搭載し、モジュール基板として使用することもできる(以下、同様)。なお、図示省略したが、このモジュール基板はコア基板側でプリント配線基板上に接続、固定することができる。
【0047】なお、上記のコア基板1の絶縁層27は、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなど、もしくはガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、液晶ポリマーなどであってよい。また、コア基板上の絶縁層3、8及び29は、感光性もしくは非感光性エポキシ、或いは感光性もしくは非感光性ポリイミド、或いは感光性もしくは非感光性ベンゾ−シクロブテン、液晶ポリマーなどであってよい。
【0048】これらのうち、絶縁層3、8及び29はいずれも、上記した図1〜図3に示した工程により形成することが望ましいことは明らかである(以下、同様)。また、絶縁層として、液晶ポリマー、例えば、芳香族系液晶ポリエステルを使用すると、これは、高周波ノイズに強く、また大きな強さと弾性率、高い荷重たわみ温度、連続使用温度、耐熱性や、低い吸水率も示すので、層間絶縁膜に好適といえる。
【0049】第2の実施の形態本実施の形態では、図4に示すように、上記の第1の実施の形態による方法において図1(d)〜図2(h)に示したマスク基板21について、その遮光膜22を絶縁材料3Aとは反対側、即ち上面側に形成していることが異なり、他は上記の第1の実施の形態と同様である。
【0050】従って、図4に示すように絶縁材料3Aに接するマスク基板21の面は遮光膜がないために、その面の平坦度は一層向上し、表面が更に平坦な絶縁層3を形成することができる。
【0051】第3の実施の形態本実施の形態では、図5(a)に示すように、上記の第1の実施の形態による方法において図1〜図2(h)に示したマスク基板21を用いる代りに、露光マスクでない平坦面31a付きの基板31を使用し、これを液状の未硬化の絶縁材料3Aに圧着する。
【0052】次いで、図5(b)に示すように、露光光33を所定パターンに、即ち、ヴィアホールとなる部分以外の領域が露光されるように選択的に照射し、図5(c)に示すように、図2(g)に示したと同様の硬化部24と未硬化部25とを有する絶縁層3を形成する。
【0053】次いで、図2(h)〜図3(j)で述べたと同様に、図5(d)において基板31を剥離した後、現像処理及び配線処理を行い、薄膜素子を形成する。
【0054】本実施の形態においても、簡単な工程で絶縁層3を形成できると共に、微小な径のヴィア7を絶縁層3の形成と同時に形成でき、さらには、絶縁層3の表面を平坦かつ滑らかに形成可能であって、その上面にスパッタ膜などの薄膜を電極26等として容易に形成できる。さらには、絶縁層3の厚みを台座20の高さにより非常に厳密にコントロール可能となる。そして、絶縁層3を形成するための基板31は露光マスクではなく、遮光部12が存在しないことから、絶縁層3の表面が一層平坦化し、また露光自体は光照射パターンをパルス制御等によって高精度に形成できることから、ヴィアホール7を上述の第1の実施の形態と同様の精度で形成することができる。
【0055】第4の実施の形態本実施の形態では、図6(a)に示すように、図1(a)で述べたと同様に電極2を所定パターンに形成した後は、電極2上に台座20を設けないで図6(b)に示すように絶縁材料3Aを塗布し、更に、図6(c)及び図7(d)に示すように、台座30を平坦面21aに設けた露光マスク基板21を絶縁材料3Aに対し押込め、密着させる。
【0056】この台座30は、上述の台座20と同等のサイズ及びパターンに設けられていてよいが、少なくともその高さを同一とするのが望ましい。即ち、これによって、絶縁層の厚さをほぼ均等にでき、また平坦面21aによる絶縁層の平坦化を行い易いからである。
【0057】次いで、図7(e)及び(f)に示すように、図2(f)及び(g)で述べたと同様に露光処理を行った後、図7(g)に示すように、マスク基板21を剥離する。この結果、台座30はマスク基板21と共に剥離されるために、絶縁層3には台座30に対応したホール37が生じることになる。
【0058】次いで、図8(h)及び(i)に示すように、現像処理によってヴィアホール7を形成した後に配線26を所定パターンに施す。このとき、上記のホール37も配線26によって塞がれるためにボイドなどが生じることはなく、却って配線26の接着強度を補強する作用もある。
【0059】本実施の形態においても、簡単な工程で絶縁層3を形成できると共に、微小な径のヴィア7を絶縁層3の形成と同時に形成でき、さらには、絶縁層3の表面を平坦かつ滑らかに形成可能であって上面にスパッタ膜などの薄膜を電極26等として容易にかつ任意の位置に形成できる。さらには、絶縁層3の厚みを台座30の高さにより非常に厳密にコントロール可能となる。しかも、その台座30は、電極2に設けるよりもマスク21に設ける方が、マスク作成時に形成できることから、その形成工程が容易となることがある。
【0060】第5の実施の形態本実施の形態では、図9(a)に示すように、図1(a)及び(b)で述べたと同様に電極2を所定パターンに形成した後に電極2上に台座20を設けるが、その後は絶縁材料3Aを塗布しないでマスク基板21を台座20に接当させる。
【0061】従って、この時点では、マスク基板21と基板1との間には、台座20によって規定された空隙40が形成されることになる。そして、この空隙40内に、図9(b)に示すように、減圧下での吸引又は毛管現象を利用して液状の絶縁材料3Aを注入し、完全に充填する。
【0062】次いで、図9(c)に示すように、露光光23を照射し、上記の第1の実施の形態と同様に、現像処理等を経て薄膜素子を形成する。
【0063】本実施の形態においても、簡単な工程で絶縁層3を形成できると共に、微小な径のヴィア7を絶縁層3の形成と同時に形成でき、さらには、絶縁層3の表面を平坦かつ滑らかに形成可能であって上面にスパッタ膜などの薄膜を電極26等として容易にかつ任意の位置に形成できる。さらには、絶縁層3の厚みを台座20の高さにより非常に厳密にコントロール可能となる。しかも、液状の絶縁材料3Aは、基板1上へのマスク基板21の接当後にこれらの間に充填しているため、上記の第1の実施の形態のように既に塗布した絶縁材料3Aへマスク基板21を圧着するための力は不要となり、基板1−21間の間隔を精度良く出し易く、また絶縁材料3Aの充填は材料の無駄なしに行えると共に、台座20と基板21との間には絶縁材料が侵入することが少なくなり、それらの間の密着性(従って、絶縁層3の厚み規定)も向上し易い。
【0064】以上に述べた実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて種々に変形可能である。
【0065】例えば、上記の第2の実施の形態において、遮光膜を基板21とは別の基板に設けてよい。即ち、基板21は上記の基板31(図5参照)と同様とし、これとは別にその上部に遮光マスクを設けてもよい。
【0066】また、絶縁材料3Aを設ける方法は、上述した方法に限られることはなく、例えば印刷によって所望の領域のみに設けることができる。また、マスク基板21に予め絶縁材料3A(この場合は、ある程度の粘度を有することが必要)を設けておき、これを基板1上に圧着するか、或いは、マスク基板21上に塗布した液状の絶縁材料3Aに対し基板1の方を上方から圧着することもできる。
【0067】また、上述の例では絶縁材料として、未硬化部(非露光部)が現像で除去されるネガ型材料を用いたが、これをポジ型材料に置き換えることもできる。この場合は、露光部分が現像処理で除去されてヴィアホールを形成することになるので、これに対応した露光マスクを作成する。
【0068】また、上述の例では、液状の絶縁材料を塗布等により基板上に設けたが、これを加熱(プリベーク)して溶媒を除去し、しかる後にマスク基板を圧着してもよい。また、上述の第5の実施の形態は、上述の第2〜第4の実施の形態に適用可能である。
【0069】なお、本発明は、上述の薄膜抵抗に限らず、薄膜コンデンサ等、他の薄膜素子にも適用可能である。
【0070】
【発明の作用効果】本発明は、上述したように、基体上に絶縁層を形成するに際し、台座20などのスペーサを介してマスク基板21などの型材を配置し、この型材とコア基板1などの基体との間に感光性エポキシ樹脂3Aなどの感光性絶縁材料を介在させ、これをパターン露出して現像しているので、この現像により微小な接続孔をヴィアホールとして形成できると同時に、型材の基体対向面によって絶縁材料(従って、絶縁層)を平坦かつ滑らかな表面に、しかも常に設定された厚みに形成することができる。
【0071】この結果、絶縁層上には薄膜抵抗等の薄膜素子など、及びこれを含む配線構造等を下地の凹凸の影響を受けることなしに信頼性及び歩留り良く、しかも配置の制約を少なくして高い自由度を以って形成することができる。そして、得られる配線構造は、上記スペーサを絶縁層に埋設した独特の構造を有したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による絶縁層及びヴィア形成の一工程を示す概略断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図10】本発明に基づいて形成された多層配線基板の概略断面図である。
【図11】同、モジュール基板の概略断面図である。
【図12】従来の薄膜抵抗の概略断面図である。
【図13】従来の薄膜コンデンサの概略断面図である。
【図14】基板電極上に薄膜抵抗を形成する従来の工程を順次示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…コア基板、3、8、27、29、38…絶縁層、3A…感光性絶縁材料、2、4、5、10、11、12、13、15、16、26…電極又は配線、6…抵抗体、7、9…ヴィア、14…誘電体、20、30…台座、21、31…マスク基板、21a、31a…平坦面、22…遮光膜、23、33…露光光、24…硬化部(露光部)、25…未硬化部(非露光部)、40…空隙、61…IC、62…チップ部品、C…薄膜コンデンサ素子、R…薄膜抵抗素子
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁層及び接続孔の形成方法、配線構造及びその形成方法に関し、特に、高密度実装を可能とするため、薄膜を用いたキャパシタ、抵抗、インダクタ等の受動素子を表面に形成したモジュール基板に有効な絶縁層及び微小なヴィア(接続孔)の作製方法、多層配線基板又はモジュール基板からなる配線構造及びその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、実装基板の小型化・高機能化を実現するため、基板においてはヴィアの微細化や配線ピッチの狭窄化などが検討され、さらにICパッケージの小型化や多ピン化、半導体ベアチップ実装、コンデンサや抵抗などの受動素子の小型化、表面実装化が検討され、実用化されてきている。
【0003】またその一方で、受動素子の小型化の進展により、製造及び実装時の困難性が増し、従来の手法では限界が見えつつある。その解決方法として、受動素子を直接プリント配線基板の表面又は内部に形成することが提案され、セラミック基板で厚膜抵抗体やキャパシタを表面形成したり、内蔵した例が幾つかあり、実用化されているものもある。
【0004】しかしながら、金属や絶縁体のペーストを用いた印刷などの厚膜を利用した抵抗体やキャパシタなどの受動素子は、パターン精度や厚み精度に難があり、再現性などのばらつきの問題など、信頼性に乏しいという問題がある。また、そのようなペーストを使用した場合には、塗布後に焼結させるために高温処理が必要とされ、特に有機基板などのように耐熱性に劣る基板に形成する場合には、そのまま適用することは困難である。
【0005】その解決方法として、抵抗体やキャパシタ材料に、スパッタや蒸着といった薄膜を使用した受動素子の例が近年報告されている。抵抗体やキャパシタの誘電体の薄膜や薄膜配線は、リソグラフィを利用して高精度にパターニングすることにより、極めて高精度に受動素子を形成することが可能になる。
【0006】この薄膜を利用した抵抗体の例を図12に概略図示するが、基板としての基体1に形成された表面電極2上に絶縁層3が形成され、この上に、左右に対向して形成された配線4−5の間に抵抗体6が形成され、薄膜抵抗素子Rをなしている。この抵抗体の材料としては、ニッケル−クロム(Ni−Cr)、窒化タンタル(TaN)、タンタル(Ta)などの様々な材料が挙げられる。なお、図中の5aは、絶縁層3のヴィアホール(以下、単にヴィアと称することがある。)7を介して上下配線を接続する部分(通常は上層配線材料)であり、また、抵抗素子Rの配線4、5は、絶縁層8のヴィア9の導電部10a、11aを介して取出され、ここに電極10、11が被着されている。
【0007】また、薄膜を利用したキャパシタの例を図13に概略図示するが、基板としての基体1の電極2上の絶縁層2の上に、上下に対向して形成された配線12−13の間に、誘電体14が形成され、キャパシタCを構成している。この誘電体の材料としては、酸化タンタル(Ta2O5、TaO)や窒化シリコン(Si3N4)、チタン酸バリウム(BaTiO)などが挙げられる。なお、図中の13a、15a、16aは導電部、15、16は電極であってキャパシタの配線12、13を取出すものである。
【0008】上記の抵抗体の材料の中では、TaN膜は、温度係数(TCR)が100PPM/℃以下と小さな値が得られることと、寿命特性などの安定性の面で優れていることから、一般的によく使用されている。一方キャパシタ材料として、酸化タンタル薄膜は、スパッタリングにより直接成膜できるが、Ta膜やTaN薄膜を陽極酸化してその表面に酸化物を成長させることにより、容易に形成できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のように、薄膜による受動素子を基板上の絶縁層上に形成しようとすると、このような薄膜の厚みは概して数百〜数千Åと非常に薄いため、絶縁層表面の粗さやうねり、反りといったものが問題となる。
【0010】例えば、図14(a)、(b)に示すように、基板(コア基板)1上の、パターニングされたグラウンドや電源などの表面電極2上に、絶縁層3を形成する場合、表面電極2は、例えば銅メッキや銅箔などをパターニングしたものが一般的であり、その厚みは少なくとも数μmから数十μm程度と大きい。従って、その上に、絶縁層3を塗布して形成すると、絶縁層3の厚みは概して数μ〜数十μ程度であるため、形成された絶縁層3の表面には、その下の電極2のパターンに応じた凹凸17が生じてしまう。さらに、基板1として例えば特に有機基板を用いると、反りやうねりが大きくなり、問題となる。
【0011】従って、その絶縁層3の上面に数百〜数千Åといった非常に薄い薄膜による受動素子や薄膜配線など、例えば抵抗体6や配線4、5を図14(c)のように施すと、絶縁層3の表面の凹凸17により受動素子が形成され難くなり、スパッタリングやフォトリソグラフィーによる加工の信頼性や歩留まりの低下を招いてしまう。このため、その凹凸12が存在する領域(即ち、電極2の有無の部分)は薄膜を形成しない方がよく、この部分はデッドスペースともなりうる。さらには、絶縁層3の上下の導通を行うために絶縁層にヴィア7を形成する場合、例えばポリイミドなどの感光性の絶縁材料を使用し、リソグラフィを利用して絶縁層3を形成すると共にヴィア7を形成するときには、凹凸12ある領域では小さなヴィアは形成しづらく、ヴィアの歩留まりが低下する可能性がある。
【0012】すなわち、絶縁層3を形成し、ヴィア7を形成するとき、及びその後には、絶縁層3の表面が非常に滑らかで平滑であることが望ましく、また形成されるヴィア7は高密度実装のために小さい方が望ましい。
【0013】本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、絶縁層及びヴィア形成において、形成された絶縁層の表面が非常に平滑となり、薄膜素子等を信頼性及び歩留り良く、高い自由度を以って形成でき、さらには微小なヴィア形成が可能である絶縁層及びヴィア(接続孔)の形成方法、及びそれを用いた多層配線基板並びにモジュール基板等の配線構造及びその形成方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、基体上に、絶縁層と、この絶縁層内の接続孔とを形成するに際し、前記基体上にスペーサを介して型材を配置する工程と、前記基体と前記型材との間に感光性絶縁材料を介在させる工程と、前記感光性絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材を剥離する工程と、前記の露光された絶縁材料を現像する工程とを有する、絶縁層及び接続孔の形成方法(以下、本発明の第1の方法と称する。)に係るものである。
【0015】また、本発明は、基体上に形成され、絶縁層と、この絶縁層内の接続孔と、この接続孔に被着された配線層とからなる少なくとも1層の配線構造であって、前記基体上にスペーサが形成され、このスペーサを埋設する如くに表面が平坦な前記絶縁層が被着され、この絶縁層に前記接続孔が形成されている配線構造(以下、本発明の配線構造と称する。)を提供するものである。
【0016】また、本発明は、基体上に、絶縁層と、この絶縁層内の接続孔と、この接続孔に被着された配線層とからなる配線構造を少なくとも1層形成するに際し、前記基体上にスペーサを介して型材を配置する工程と、前記基体と前記型材との間に感光性絶縁材料を介在させる工程と、前記感光性絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材を剥離する工程と、前記の露光された絶縁材料を現像する工程とを有する、配線構造の形成方法(以下、本発明の第2の方法と称する。)も提供するものである。
【0017】本発明の第1及び第2の方法、並びに本発明の配線構造によれば、基体上に絶縁層を形成するに際し、スペーサを介して型材を配置し、この型材と基体との間に感光性絶縁材料を介在させ、これをパターン露光して現像しているので、この現像により、微小な接続孔をヴィアホールとして形成できると同時に、型材の基体対向面によって絶縁材料(従って、絶縁層)を平坦かつ滑らかな表面に、しかも常に設定された厚みに形成することができる。
【0018】この結果、絶縁層上には薄膜抵抗等の薄膜素子など、及びこれを含む配線構造等を下地の凹凸の影響を受けることなしに信頼性及び歩留り良く、しかも配置の制約を少なくして高い自由度を以って形成することができる。そして、得られる配線構造は、上記スペーサを絶縁層に埋設した独特の構造を有したものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の第1及び第2の方法、並びに配線構造においては、前記絶縁層及び接続孔を形成するに際し、前記基体上の電極を含む面上に前記スペーサとなる突起を所定パターンに配置する工程と、前記面上に前記絶縁材料を被着する工程と、前記の被着された絶縁材料に対し、前記基体との対向面が平坦な前記型材を、前記突起によって前記基体と前記型材との間隔が規制される位置まで押込む工程と、前記型材を通して前記絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材の剥離後に、前記絶縁材料の非露光又は露光部分を除去する現像を行い、前記絶縁層に前記接続孔を形成する工程とを有することが望ましい。
【0020】この場合、前記突起を前記面上に一体に形成し、前記突起を含む面上に前記絶縁材料を塗布した後、遮光部を所定パターンに形成した前記型材を前記突起に接当するまで前記絶縁材料に対し押込み、前記露光によって選択的に硬化した前記絶縁材料の所定部分を現像によって除去することができる。
【0021】また、前記絶縁層及び接続孔を形成するに際し、前記基体上の電極を含む面上に前記スペーサとなる突起を所定パターンに配置する工程と、前記基体との対向面が平坦な前記型材を、前記突起によって前記基体と前記型材との間隔が規制される位置に配置する工程と、前記面と前記型材との間に前記絶縁材料を充填する工程と、前記型材を通して前記絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材の剥離後に、前記絶縁材料の非露光又は露光部分を除去する現像を行い、前記絶縁層に前記接続孔を形成する工程とを有することも望ましい。
【0022】この場合、前記突起を前記面上に一体に形成し、遮光部を所定パターンに形成した前記型材を前記突起に接当させ、しかる後に、前記面と前記型材との間に前記絶縁材料を充填し、前記露光によって選択的に硬化した前記絶縁材料の所定部分を現像によって除去することができる。
【0023】また、前記絶縁材料として光硬化型材料、例えばエポキシ系やアクリル系などの紫外線硬化型樹脂を用いるのがよい。
【0024】前記現像において、現像液としてアセトン等の有機溶剤を使用することができる。
【0025】前記型材が石英やガラスなどの透明光学材料や、透明樹脂材料であってよい。
【0026】前記スペーサは、感光性材料のパターニングによって形成することができ、例えば、フォトレジストの塗布やドライフィルムの被着後の露光及び現像によって形成してよい。
【0027】前記基体として再配置配線用のコア基板を使用するのがよい。
【0028】この場合、前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどのセラミック多層基板であってよく、またガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、テフロン、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板であってよい。
【0029】また、前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどセラミック多層基板、もしくはガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板であり、その少なくとも一方の面には、感光性もしくは非感光性エポキシ、或いは感光性もしくは非感光性ポリイミド、或いは感光性もしくは非感光性ベンゾ−シクロブテン、液晶ポリマーなどの樹脂素材とCuメッキなどにより、高密度配線が形成されているビルドアップ基板であってよい。
【0030】このようなコア基板上に上記配線構造を1層又は2層以上形成してなる配線基板は、ICやチップ部品などを表面上に接続固定してモジュール基板を作製するのに適用されるのがよい。
【0031】次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に説明する。
【0032】第1の実施の形態図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態による絶縁層及びヴィア形成工程を示すものである。本実施の形態においては、絶縁層としてUVレジン(紫外線硬化型樹脂)などの光硬化型樹脂を用いるものである。
【0033】まず、図1(a)に示すように、コア基板1上に電極2をパターニングして形成する。そして、この電極2の上に絶縁層を形成する際に、電極2上の絶縁層の厚みを制御するための台座20(スペーサ)を電極2上に形成する(図1(b))。
【0034】この台座20は、例えばフォトレジストの湿布やドライフィルムの被着などを行い、これをパターニングして形成するが、パターニング可能であって厚みに関して十分に精度の出るものであれば何でもよく、例えば電極2からの絶縁層厚みを10μmとしたいときには、台座20をその厚みに近い高さに設定してパターニングする。また、台座20を設ける箇所については、台座20を設けても問題とならない、基板1上の実際の回路パターン外にすることが望ましい。
【0035】その後、液状の硬化前の絶縁材料3A(例えば、感光性エポキシ樹脂)を塗布する(図1(c))。この塗布方法は、何のような方法でもよく、例えばスピンコートやロールコート、カーテンコートなどで全面に塗布してもよく(この段階では下地の影響で絶縁材料3Aの表面に凹凸17が生じる。)、また基板中央部に山盛り状に塗布してもよく、下記の工程においてマスク基板の圧着工程の際に絶縁材料3Aが基板1全体に拡がればよい。
【0036】即ち、型材としての紫外線透過性のマスク基板21を基板1上の全体に圧着して、凹凸17がなくなるように絶縁材料3Aを平坦化する(図1(d))、(図2(e))。このマスク基板21の基板1との対向面21aには、形成されるヴィアの所望の大きさに相当する遮光膜22をパターニングして設けている。マスク基板21は例えばガラス基板であり、絶縁材料3Aを硬化させる際に照射する光に対して透明である必要がある。また、そのマスク基板21の対向面21aは、形成される絶縁層の表面が平坦かつ滑らかに形成できるように平坦かつ滑らかであることが望ましい。また、遮光膜22は、例えばCrなどの薄膜金属膜であって絶縁材料13Aを硬化させる際に照射する光を遮光できればよい。
【0037】ここで、マスク基板21を基板1上に圧着する際には、気泡などが入らないようにする必要があり、また台座20による高さで電極2からの絶縁層の厚みを所望の厚みに設定できるように、マスク基板21を台座20に接当するまで絶縁材料3Aへ押込めて圧着することが望ましい。この圧着状態では、上記した絶縁材料3Aの表面凹凸17は完全になくなり、図1(e)のようにマスク基板21によって完全に平坦化される。
【0038】そして、この圧着状態において、絶縁材料3Aを硬化させるため、マスク基板21を通して、絶縁材料3Aを硬化させる光23を照射する(図2(f))。絶縁材料が例えばUVレジンであれば、UV光を照射する。この光照射後の絶縁層3においては、露光部(硬化部)24と非露光部(未硬化部)25が形成され、かつ台座20は硬化部3中に埋設されて一体化される(図2(g))。
【0039】そしてその後、絶縁層3を選択的に硬化させた後、マスク基板21を基板1から剥離する(図2(h))。この剥離工程では、絶縁層3からマスク基板21を簡単に剥離できることが望ましく、剥離を容易にするため、マスク基板21の表面には例えばフッ素コーティングやシリコーン樹脂を薄くコーティングさせて剥離性を向上させてもよい。
【0040】さらに、基板1上の絶縁層3の未硬化部25を除去して、ヴィアとなる孔7を形成する(図3(i))。この除去工程(現像工程)では、絶縁層3が例えばエポキシ系UVレジンなどであれば、例えばアセトンなどの有機溶剤により、硬化部24は残したまま未硬化部25を簡単に除去できる。現像液としてアセトンを使用するのであれば、その後に例えばIPA(イソプロピルアルコール)によりリンスすることが望ましい。
【0041】このような工程により、図3(i)に示すように、絶縁層3を形成すると同時にヴィア7を形成できる。このとき、電極2からの絶縁層3の厚みは、台座20の高さによって決定され、厳密に絶縁層厚みを制御可能となる。また露光の際にはマスク基板21を接触させて絶縁層3に対するコンタクト露光になるので、極めて良好な解像度を有して露光できるため、形成されるヴィア7は微小な径で形成可能である。そして、マスク基板21の表面21aが平坦で荒さが少ないものであれば、形成された絶縁層3の表面は非常に平坦かつ滑らかに形成可能となる。
【0042】さらに、絶縁層3の上には、上部電極26(既述した配線4や5など)をパターニングで形成して、絶縁層3の上下の配線をヴィア7を通じて接続することができる(図3(j))。この電極26は例えばメッキやスパッタ膜により信頼性良く形成できる。
【0043】以上に説明したように、簡単な工程で絶縁層3を形成できると共に、微小な径のヴィア7を絶縁層3の形成と同時に形成でき、さらには、絶縁層3の表面を平坦かつ滑らかに形成可能であって、その上面にスパッタ膜などの薄膜を配置の制約なしに高い自由度を以って電極26等として容易に形成できる。さらには、絶縁層3の厚みを台座20の高さにより非常に厳密にコントロール可能となる。
【0044】そして、上記の形成工程で得られた配線基板は、表面が平坦で厚みが均質な絶縁層3中に、台座20がそのまま埋め込まれた独特の構造を有したものとなる。
【0045】上記のような絶縁層及びヴィアの形成工程を用いて、図10に示すような多層配線基板を形成できる。コア基板1として、例えばFR−4相当の有機多層基板やセラミックなどの多層配線基板を使用し、図中の27は各層の絶縁層、28は配線層を示す)、その基板上に、キャパシタCおよび抵抗体Rなどの薄膜受動素子を公知の方法により形成し(図12、図13参照)、さらにそれを絶縁層8及び29、ヴィアホール7及び9、Cuメッキなどによる導電層10、11、15及び16などによって多層化した多層配線基板を形成可能である(以下、同様)。
【0046】さらには、図11に示すように、その多層配線基板上に、IC61やチップ部品62を搭載し、モジュール基板として使用することもできる(以下、同様)。なお、図示省略したが、このモジュール基板はコア基板側でプリント配線基板上に接続、固定することができる。
【0047】なお、上記のコア基板1の絶縁層27は、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなど、もしくはガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、液晶ポリマーなどであってよい。また、コア基板上の絶縁層3、8及び29は、感光性もしくは非感光性エポキシ、或いは感光性もしくは非感光性ポリイミド、或いは感光性もしくは非感光性ベンゾ−シクロブテン、液晶ポリマーなどであってよい。
【0048】これらのうち、絶縁層3、8及び29はいずれも、上記した図1〜図3に示した工程により形成することが望ましいことは明らかである(以下、同様)。また、絶縁層として、液晶ポリマー、例えば、芳香族系液晶ポリエステルを使用すると、これは、高周波ノイズに強く、また大きな強さと弾性率、高い荷重たわみ温度、連続使用温度、耐熱性や、低い吸水率も示すので、層間絶縁膜に好適といえる。
【0049】第2の実施の形態本実施の形態では、図4に示すように、上記の第1の実施の形態による方法において図1(d)〜図2(h)に示したマスク基板21について、その遮光膜22を絶縁材料3Aとは反対側、即ち上面側に形成していることが異なり、他は上記の第1の実施の形態と同様である。
【0050】従って、図4に示すように絶縁材料3Aに接するマスク基板21の面は遮光膜がないために、その面の平坦度は一層向上し、表面が更に平坦な絶縁層3を形成することができる。
【0051】第3の実施の形態本実施の形態では、図5(a)に示すように、上記の第1の実施の形態による方法において図1〜図2(h)に示したマスク基板21を用いる代りに、露光マスクでない平坦面31a付きの基板31を使用し、これを液状の未硬化の絶縁材料3Aに圧着する。
【0052】次いで、図5(b)に示すように、露光光33を所定パターンに、即ち、ヴィアホールとなる部分以外の領域が露光されるように選択的に照射し、図5(c)に示すように、図2(g)に示したと同様の硬化部24と未硬化部25とを有する絶縁層3を形成する。
【0053】次いで、図2(h)〜図3(j)で述べたと同様に、図5(d)において基板31を剥離した後、現像処理及び配線処理を行い、薄膜素子を形成する。
【0054】本実施の形態においても、簡単な工程で絶縁層3を形成できると共に、微小な径のヴィア7を絶縁層3の形成と同時に形成でき、さらには、絶縁層3の表面を平坦かつ滑らかに形成可能であって、その上面にスパッタ膜などの薄膜を電極26等として容易に形成できる。さらには、絶縁層3の厚みを台座20の高さにより非常に厳密にコントロール可能となる。そして、絶縁層3を形成するための基板31は露光マスクではなく、遮光部12が存在しないことから、絶縁層3の表面が一層平坦化し、また露光自体は光照射パターンをパルス制御等によって高精度に形成できることから、ヴィアホール7を上述の第1の実施の形態と同様の精度で形成することができる。
【0055】第4の実施の形態本実施の形態では、図6(a)に示すように、図1(a)で述べたと同様に電極2を所定パターンに形成した後は、電極2上に台座20を設けないで図6(b)に示すように絶縁材料3Aを塗布し、更に、図6(c)及び図7(d)に示すように、台座30を平坦面21aに設けた露光マスク基板21を絶縁材料3Aに対し押込め、密着させる。
【0056】この台座30は、上述の台座20と同等のサイズ及びパターンに設けられていてよいが、少なくともその高さを同一とするのが望ましい。即ち、これによって、絶縁層の厚さをほぼ均等にでき、また平坦面21aによる絶縁層の平坦化を行い易いからである。
【0057】次いで、図7(e)及び(f)に示すように、図2(f)及び(g)で述べたと同様に露光処理を行った後、図7(g)に示すように、マスク基板21を剥離する。この結果、台座30はマスク基板21と共に剥離されるために、絶縁層3には台座30に対応したホール37が生じることになる。
【0058】次いで、図8(h)及び(i)に示すように、現像処理によってヴィアホール7を形成した後に配線26を所定パターンに施す。このとき、上記のホール37も配線26によって塞がれるためにボイドなどが生じることはなく、却って配線26の接着強度を補強する作用もある。
【0059】本実施の形態においても、簡単な工程で絶縁層3を形成できると共に、微小な径のヴィア7を絶縁層3の形成と同時に形成でき、さらには、絶縁層3の表面を平坦かつ滑らかに形成可能であって上面にスパッタ膜などの薄膜を電極26等として容易にかつ任意の位置に形成できる。さらには、絶縁層3の厚みを台座30の高さにより非常に厳密にコントロール可能となる。しかも、その台座30は、電極2に設けるよりもマスク21に設ける方が、マスク作成時に形成できることから、その形成工程が容易となることがある。
【0060】第5の実施の形態本実施の形態では、図9(a)に示すように、図1(a)及び(b)で述べたと同様に電極2を所定パターンに形成した後に電極2上に台座20を設けるが、その後は絶縁材料3Aを塗布しないでマスク基板21を台座20に接当させる。
【0061】従って、この時点では、マスク基板21と基板1との間には、台座20によって規定された空隙40が形成されることになる。そして、この空隙40内に、図9(b)に示すように、減圧下での吸引又は毛管現象を利用して液状の絶縁材料3Aを注入し、完全に充填する。
【0062】次いで、図9(c)に示すように、露光光23を照射し、上記の第1の実施の形態と同様に、現像処理等を経て薄膜素子を形成する。
【0063】本実施の形態においても、簡単な工程で絶縁層3を形成できると共に、微小な径のヴィア7を絶縁層3の形成と同時に形成でき、さらには、絶縁層3の表面を平坦かつ滑らかに形成可能であって上面にスパッタ膜などの薄膜を電極26等として容易にかつ任意の位置に形成できる。さらには、絶縁層3の厚みを台座20の高さにより非常に厳密にコントロール可能となる。しかも、液状の絶縁材料3Aは、基板1上へのマスク基板21の接当後にこれらの間に充填しているため、上記の第1の実施の形態のように既に塗布した絶縁材料3Aへマスク基板21を圧着するための力は不要となり、基板1−21間の間隔を精度良く出し易く、また絶縁材料3Aの充填は材料の無駄なしに行えると共に、台座20と基板21との間には絶縁材料が侵入することが少なくなり、それらの間の密着性(従って、絶縁層3の厚み規定)も向上し易い。
【0064】以上に述べた実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて種々に変形可能である。
【0065】例えば、上記の第2の実施の形態において、遮光膜を基板21とは別の基板に設けてよい。即ち、基板21は上記の基板31(図5参照)と同様とし、これとは別にその上部に遮光マスクを設けてもよい。
【0066】また、絶縁材料3Aを設ける方法は、上述した方法に限られることはなく、例えば印刷によって所望の領域のみに設けることができる。また、マスク基板21に予め絶縁材料3A(この場合は、ある程度の粘度を有することが必要)を設けておき、これを基板1上に圧着するか、或いは、マスク基板21上に塗布した液状の絶縁材料3Aに対し基板1の方を上方から圧着することもできる。
【0067】また、上述の例では絶縁材料として、未硬化部(非露光部)が現像で除去されるネガ型材料を用いたが、これをポジ型材料に置き換えることもできる。この場合は、露光部分が現像処理で除去されてヴィアホールを形成することになるので、これに対応した露光マスクを作成する。
【0068】また、上述の例では、液状の絶縁材料を塗布等により基板上に設けたが、これを加熱(プリベーク)して溶媒を除去し、しかる後にマスク基板を圧着してもよい。また、上述の第5の実施の形態は、上述の第2〜第4の実施の形態に適用可能である。
【0069】なお、本発明は、上述の薄膜抵抗に限らず、薄膜コンデンサ等、他の薄膜素子にも適用可能である。
【0070】
【発明の作用効果】本発明は、上述したように、基体上に絶縁層を形成するに際し、台座20などのスペーサを介してマスク基板21などの型材を配置し、この型材とコア基板1などの基体との間に感光性エポキシ樹脂3Aなどの感光性絶縁材料を介在させ、これをパターン露出して現像しているので、この現像により微小な接続孔をヴィアホールとして形成できると同時に、型材の基体対向面によって絶縁材料(従って、絶縁層)を平坦かつ滑らかな表面に、しかも常に設定された厚みに形成することができる。
【0071】この結果、絶縁層上には薄膜抵抗等の薄膜素子など、及びこれを含む配線構造等を下地の凹凸の影響を受けることなしに信頼性及び歩留り良く、しかも配置の制約を少なくして高い自由度を以って形成することができる。そして、得られる配線構造は、上記スペーサを絶縁層に埋設した独特の構造を有したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による絶縁層及びヴィア形成の一工程を示す概略断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態による絶縁層及びヴィアの形成を工程順に示す概略断面図である。
【図10】本発明に基づいて形成された多層配線基板の概略断面図である。
【図11】同、モジュール基板の概略断面図である。
【図12】従来の薄膜抵抗の概略断面図である。
【図13】従来の薄膜コンデンサの概略断面図である。
【図14】基板電極上に薄膜抵抗を形成する従来の工程を順次示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…コア基板、3、8、27、29、38…絶縁層、3A…感光性絶縁材料、2、4、5、10、11、12、13、15、16、26…電極又は配線、6…抵抗体、7、9…ヴィア、14…誘電体、20、30…台座、21、31…マスク基板、21a、31a…平坦面、22…遮光膜、23、33…露光光、24…硬化部(露光部)、25…未硬化部(非露光部)、40…空隙、61…IC、62…チップ部品、C…薄膜コンデンサ素子、R…薄膜抵抗素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基体上に、絶縁層と、この絶縁層内の接続孔とを形成するに際し、前記基体上にスペーサを介して型材を配置する工程と、前記基体と前記型材との間に感光性絶縁材料を介在させる工程と、前記感光性絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材を剥離する工程と、前記の露光された絶縁材料を現像する工程とを有する、絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項2】 前記絶縁層及び接続孔を形成するに際し、前記基体上の電極を含む面上に前記スペーサとなる突起を所定パターンに配置する工程と、前記面上に前記絶縁材料を被着する工程と、前記の被着された絶縁材料に対し、前記基体との対向面が平坦な前記型材を、前記突起によって前記基体と前記型材との間隔が規制される位置まで押込む工程と、前記型材を通して前記絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材の剥離後に、前記絶縁材料の非露光又は露光部分を除去する現像を行い、前記絶縁層に前記接続孔を形成する工程とを有する、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項3】 前記突起を前記面上に一体に形成し、前記突起を含む面上に前記絶縁材料を塗布した後、遮光部を所定パターンに形成した前記型材を前記突起に接当するまで前記絶縁材料に対し押込み、前記露光によって選択的に硬化した前記絶縁材料の所定部分を現像によって除去する、請求項2に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項4】 前記絶縁層及び接続孔を形成するに際し、前記基体上の電極を含む面上に前記スペーサとなる突起を所定パターンに配置する工程と、前記基体との対向面が平坦な前記型材を、前記突起によって前記基体と前記型材との間隔が規制される位置に配置する工程と、前記面と前記型材との間に前記絶縁材料を充填する工程と、前記型材を通して前記絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材の剥離後に、前記絶縁材料の非露光又は露光部分を除去する現像を行い、前記絶縁層に前記接続孔を形成する工程とを有する、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項5】 前記突起を前記面上に一体に形成し、遮光部を所定パターンに形成した前記型材を前記突起に接当させ、しかる後に、前記面と前記型材との間に前記絶縁材料を充填し、前記露光によって選択的に硬化した前記絶縁材料の所定部分を現像によって除去する、請求項4に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項6】 前記絶縁材料として光硬化型材料を用いる、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項7】 前記絶縁材料がエポキシ系やアクリル系などの紫外線硬化型樹脂である、請求項6に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項8】 前記現像において、現像液としてアセトン等の有機溶剤を使用する、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項9】 前記型材が、石英やガラスなどの透明光学材料である、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項10】 前記型材が透明樹脂材料である、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項11】 前記スペーサを感光性材料のパターニングによって形成する、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項12】 前記基体として再配置配線用のコア基板を使用する、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項13】 前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどのセラミック多層基板である、請求項12に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項14】 前記コア基板が、ガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、テフロン(登録商標)、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板である、請求項12に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項15】 前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどセラミック多層基板、もしくはガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板であり、その少なくとも一方の面には、感光性もしくは非感光性エポキシ、或いは感光性もしくは非感光性ポリイミド、或いは感光性もしくは非感光性ベンゾ−シクロブテン、液晶ポリマーなどの樹脂素材とCuめっきなどにより、高密度配線が形成されているビルドアップ基板である、請求項12に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項16】 基体上に形成され、絶縁層と、この絶縁層内の接続孔と、この接続孔に被着された配線層とからなる少なくとも1層の配線構造であって、前記基体上にスペーサが形成され、このスペーサを埋設する如くに表面が平坦な前記絶縁層が被着され、この絶縁層に前記接続孔が形成されている配線構造。
【請求項17】 前記絶縁層が光硬化型材料からなる、請求項16に記載した配線構造。
【請求項18】 前記絶縁層がエポキシ系やアクリル系などの紫外線硬化型樹脂からなる、請求項16に記載した配線構造。
【請求項19】 前記スペーサが感光性材料からなる、請求項16に記載した配線構造。
【請求項20】 前記基体が再配置配線用のコア基板である、請求項16に記載した配線構造。
【請求項21】 前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどのセラミック多層基板である、請求項20に記載した配線構造。
【請求項22】 前記コア基板が、ガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、テフロン、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板である、請求項20に記載した配線構造。
【請求項23】 前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックアルミナイトライド、ムライトなどセラミック多層基板、もしくはガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板を基板として用い、その少なくとも一方の面には、感光性もしくは非感光性エポキシ、或いは感光性もしくは非感光性ポリイミド、或いは感光性もしくは非感光性ベンゾ−シクロブテン、液晶ポリマーなどの樹脂素材とCuメッキなどにより、高密度配線が形成されているビルドアップ基板である、請求項20に記載した配線構造。
【請求項24】 ICやチップ部品などを表面上に接続固定してモジュール基板を作製するのに適用される、請求項20に記載した配線構造。
【請求項25】 基体上に、絶縁層と、この絶縁層内の接続孔と、この接続孔に被着された配線層とからなる配線構造を少なくとも1層形成するに際し、前記基体上にスペーサを介して型材を配置する工程と、前記基体と前記型材との間に感光性絶縁材料を介在させる工程と、前記感光性絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材を剥離する工程と、前記の露光された絶縁材料を現像する工程とを有する、配線構造の形成方法。
【請求項26】 前記絶縁層及び接続孔を形成するに際し、前記基体上の電極を含む面上に前記スペーサとなる突起を所定パターンに配置する工程と、前記面上に前記絶縁材料を被着する工程と、前記の被着された絶縁材料に対し、前記基体との対向面が平坦な前記型材を、前記突起によって前記基体と前記型材との間隔が規制される位置まで押込む工程と、前記型材を通して前記絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材の剥離後に、前記絶縁材料の非露光又は露光部分を除去する現像を行い、前記絶縁層に前記接続孔を形成する工程とを有する、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項27】 前記突起を前記面上に一体に形成し、前記突起を含む面上に前記絶縁材料を塗布した後、遮光部を所定パターンに形成した前記型材を前記突起に接当するまで前記絶縁材料に対し押込み、前記露光によって選択的に硬化した前記絶縁材料の所定部分を現像によって除去する、請求項26に記載した配線構造の形成方法。
【請求項28】 前記絶縁層及び接続孔を形成するに際し、前記基体上の電極を含む面上に前記スペーサとなる突起を所定パターンに配置する工程と、前記基体との対向面が平坦な前記型材を、前記突起によって前記基体と前記型材との間隔が規制される位置に配置する工程と、前記面と前記型材との間に前記絶縁材料を充填する工程と、前記型材を通して前記絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材の剥離後に、前記絶縁材料の非露光又は露光部分を除去する現像を行い、前記絶縁層に前記接続孔を形成する工程とを有する、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項29】 前記突起を前記面上に一体に形成し、遮光部を所定パターンに形成した前記型材を前記突起に接当させ、しかる後に、前記面と前記型材との間に前記絶縁材料を充填し、前記露光によって選択的に硬化した前記絶縁材料の所定部分を現像によって除去する、請求項28に記載した配線構造の形成方法。
【請求項30】 前記絶縁材料として光硬化型材料を用いる、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項31】 前記絶縁材料がエポキシ系やアクリル系などの紫外線硬化型樹脂である、請求項30に記載した配線構造の形成方法。
【請求項32】 前記現像において、現像液としてアセトン等の有機溶剤を使用する、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項33】 前記型材が、石英やガラスなどの透明光学材料である、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項34】 前記型材が、透明樹脂材料である、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項35】 前記スペーサを感光性材料のパターニングによって形成する、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項36】 前記基体として再配置配線用のコア基板を使用する、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項37】 前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどのセラミック多層基板である、請求項36に記載した配線構造の形成方法。
【請求項38】 前記コア基板が、ガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、テフロン、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板である、請求項36記載した配線構造の形成方法。
【請求項39】 前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどセラミック多層基板、もしくはガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板であり、その少なくとも一方の面には、感光性もしくは非感光性エポキシ、或いは感光性もしくは非感光性ポリイミド、或いは感光性もしくは非感光性ベンゾ−シクロブテン、液晶ポリマーなどの樹脂素材とCuメッキなどにより、高密度配線が形成されているビルドアップ基板である、請求項36に記載した配線構造の形成方法。
【請求項40】 ICやチップ部品などを表面上に接続固定してモジュール基板を作製するのに適用する、請求項36に記載した配線構造の形成方法。
【請求項1】 基体上に、絶縁層と、この絶縁層内の接続孔とを形成するに際し、前記基体上にスペーサを介して型材を配置する工程と、前記基体と前記型材との間に感光性絶縁材料を介在させる工程と、前記感光性絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材を剥離する工程と、前記の露光された絶縁材料を現像する工程とを有する、絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項2】 前記絶縁層及び接続孔を形成するに際し、前記基体上の電極を含む面上に前記スペーサとなる突起を所定パターンに配置する工程と、前記面上に前記絶縁材料を被着する工程と、前記の被着された絶縁材料に対し、前記基体との対向面が平坦な前記型材を、前記突起によって前記基体と前記型材との間隔が規制される位置まで押込む工程と、前記型材を通して前記絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材の剥離後に、前記絶縁材料の非露光又は露光部分を除去する現像を行い、前記絶縁層に前記接続孔を形成する工程とを有する、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項3】 前記突起を前記面上に一体に形成し、前記突起を含む面上に前記絶縁材料を塗布した後、遮光部を所定パターンに形成した前記型材を前記突起に接当するまで前記絶縁材料に対し押込み、前記露光によって選択的に硬化した前記絶縁材料の所定部分を現像によって除去する、請求項2に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項4】 前記絶縁層及び接続孔を形成するに際し、前記基体上の電極を含む面上に前記スペーサとなる突起を所定パターンに配置する工程と、前記基体との対向面が平坦な前記型材を、前記突起によって前記基体と前記型材との間隔が規制される位置に配置する工程と、前記面と前記型材との間に前記絶縁材料を充填する工程と、前記型材を通して前記絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材の剥離後に、前記絶縁材料の非露光又は露光部分を除去する現像を行い、前記絶縁層に前記接続孔を形成する工程とを有する、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項5】 前記突起を前記面上に一体に形成し、遮光部を所定パターンに形成した前記型材を前記突起に接当させ、しかる後に、前記面と前記型材との間に前記絶縁材料を充填し、前記露光によって選択的に硬化した前記絶縁材料の所定部分を現像によって除去する、請求項4に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項6】 前記絶縁材料として光硬化型材料を用いる、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項7】 前記絶縁材料がエポキシ系やアクリル系などの紫外線硬化型樹脂である、請求項6に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項8】 前記現像において、現像液としてアセトン等の有機溶剤を使用する、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項9】 前記型材が、石英やガラスなどの透明光学材料である、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項10】 前記型材が透明樹脂材料である、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項11】 前記スペーサを感光性材料のパターニングによって形成する、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項12】 前記基体として再配置配線用のコア基板を使用する、請求項1に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項13】 前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどのセラミック多層基板である、請求項12に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項14】 前記コア基板が、ガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、テフロン(登録商標)、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板である、請求項12に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項15】 前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどセラミック多層基板、もしくはガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板であり、その少なくとも一方の面には、感光性もしくは非感光性エポキシ、或いは感光性もしくは非感光性ポリイミド、或いは感光性もしくは非感光性ベンゾ−シクロブテン、液晶ポリマーなどの樹脂素材とCuめっきなどにより、高密度配線が形成されているビルドアップ基板である、請求項12に記載した絶縁層及び接続孔の形成方法。
【請求項16】 基体上に形成され、絶縁層と、この絶縁層内の接続孔と、この接続孔に被着された配線層とからなる少なくとも1層の配線構造であって、前記基体上にスペーサが形成され、このスペーサを埋設する如くに表面が平坦な前記絶縁層が被着され、この絶縁層に前記接続孔が形成されている配線構造。
【請求項17】 前記絶縁層が光硬化型材料からなる、請求項16に記載した配線構造。
【請求項18】 前記絶縁層がエポキシ系やアクリル系などの紫外線硬化型樹脂からなる、請求項16に記載した配線構造。
【請求項19】 前記スペーサが感光性材料からなる、請求項16に記載した配線構造。
【請求項20】 前記基体が再配置配線用のコア基板である、請求項16に記載した配線構造。
【請求項21】 前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどのセラミック多層基板である、請求項20に記載した配線構造。
【請求項22】 前記コア基板が、ガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、テフロン、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板である、請求項20に記載した配線構造。
【請求項23】 前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックアルミナイトライド、ムライトなどセラミック多層基板、もしくはガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板を基板として用い、その少なくとも一方の面には、感光性もしくは非感光性エポキシ、或いは感光性もしくは非感光性ポリイミド、或いは感光性もしくは非感光性ベンゾ−シクロブテン、液晶ポリマーなどの樹脂素材とCuメッキなどにより、高密度配線が形成されているビルドアップ基板である、請求項20に記載した配線構造。
【請求項24】 ICやチップ部品などを表面上に接続固定してモジュール基板を作製するのに適用される、請求項20に記載した配線構造。
【請求項25】 基体上に、絶縁層と、この絶縁層内の接続孔と、この接続孔に被着された配線層とからなる配線構造を少なくとも1層形成するに際し、前記基体上にスペーサを介して型材を配置する工程と、前記基体と前記型材との間に感光性絶縁材料を介在させる工程と、前記感光性絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材を剥離する工程と、前記の露光された絶縁材料を現像する工程とを有する、配線構造の形成方法。
【請求項26】 前記絶縁層及び接続孔を形成するに際し、前記基体上の電極を含む面上に前記スペーサとなる突起を所定パターンに配置する工程と、前記面上に前記絶縁材料を被着する工程と、前記の被着された絶縁材料に対し、前記基体との対向面が平坦な前記型材を、前記突起によって前記基体と前記型材との間隔が規制される位置まで押込む工程と、前記型材を通して前記絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材の剥離後に、前記絶縁材料の非露光又は露光部分を除去する現像を行い、前記絶縁層に前記接続孔を形成する工程とを有する、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項27】 前記突起を前記面上に一体に形成し、前記突起を含む面上に前記絶縁材料を塗布した後、遮光部を所定パターンに形成した前記型材を前記突起に接当するまで前記絶縁材料に対し押込み、前記露光によって選択的に硬化した前記絶縁材料の所定部分を現像によって除去する、請求項26に記載した配線構造の形成方法。
【請求項28】 前記絶縁層及び接続孔を形成するに際し、前記基体上の電極を含む面上に前記スペーサとなる突起を所定パターンに配置する工程と、前記基体との対向面が平坦な前記型材を、前記突起によって前記基体と前記型材との間隔が規制される位置に配置する工程と、前記面と前記型材との間に前記絶縁材料を充填する工程と、前記型材を通して前記絶縁材料を所定パターンに露光する工程と、前記型材の剥離後に、前記絶縁材料の非露光又は露光部分を除去する現像を行い、前記絶縁層に前記接続孔を形成する工程とを有する、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項29】 前記突起を前記面上に一体に形成し、遮光部を所定パターンに形成した前記型材を前記突起に接当させ、しかる後に、前記面と前記型材との間に前記絶縁材料を充填し、前記露光によって選択的に硬化した前記絶縁材料の所定部分を現像によって除去する、請求項28に記載した配線構造の形成方法。
【請求項30】 前記絶縁材料として光硬化型材料を用いる、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項31】 前記絶縁材料がエポキシ系やアクリル系などの紫外線硬化型樹脂である、請求項30に記載した配線構造の形成方法。
【請求項32】 前記現像において、現像液としてアセトン等の有機溶剤を使用する、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項33】 前記型材が、石英やガラスなどの透明光学材料である、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項34】 前記型材が、透明樹脂材料である、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項35】 前記スペーサを感光性材料のパターニングによって形成する、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項36】 前記基体として再配置配線用のコア基板を使用する、請求項25に記載した配線構造の形成方法。
【請求項37】 前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどのセラミック多層基板である、請求項36に記載した配線構造の形成方法。
【請求項38】 前記コア基板が、ガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、テフロン、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板である、請求項36記載した配線構造の形成方法。
【請求項39】 前記コア基板が、アルミナ、ガラスセラミックス、アルミニウムナイトライド、ムライトなどセラミック多層基板、もしくはガラスエポキシ、ポリイミド、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、液晶ポリマーなどからなる有機多層基板であり、その少なくとも一方の面には、感光性もしくは非感光性エポキシ、或いは感光性もしくは非感光性ポリイミド、或いは感光性もしくは非感光性ベンゾ−シクロブテン、液晶ポリマーなどの樹脂素材とCuメッキなどにより、高密度配線が形成されているビルドアップ基板である、請求項36に記載した配線構造の形成方法。
【請求項40】 ICやチップ部品などを表面上に接続固定してモジュール基板を作製するのに適用する、請求項36に記載した配線構造の形成方法。
【図4】
【図12】
【図1】
【図2】
【図3】
【図8】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図7】
【図11】
【図13】
【図14】
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【図14】
【公開番号】特開2002−33583(P2002−33583A)
【公開日】平成14年1月31日(2002.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−218199(P2000−218199)
【出願日】平成12年7月19日(2000.7.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年1月31日(2002.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成12年7月19日(2000.7.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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