説明

継ぎ目のないゴム被覆ローラの製造方法及びその製造装置

【課題】弾性体被覆ローラの弾性体層に生じる段差や、表面の粒子の不連続を解消する。
【解決手段】 芯材1を回転自在に支持し、その芯材1と並行にカウンターローラ5を回転自在に支持する。芯材1の外周に未加硫のゴム11を巻き付けるとともにその巻き付けた未加硫のゴム11にカウンターローラ5を押し当て、それぞれ軸周り回転することにより未加硫のゴム11を芯材1の外周1a全周に押し広げ、その後、加硫工程を経て芯材1の外周1a全周に弾性体層2を形成する弾性体被覆ローラ10の製造方法を採用した。芯材1とカウンターローラ5によって押圧された未加硫のゴム11が、その押圧力により混練りされるので、芯材1の外周1a全周に継ぎ目のない弾性体層2が円筒状に形成され、段差や表面の粒子の不連続を解消し得る。また、混練りにより内部に介在するエアが排出されるので、弾性体層2に気泡や凹凸が発生することを防止し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙や布、フィルム、シート等のシート状物やフラットな板状物を、その面方向に沿って送り出す際に使用するゴム被覆ローラ、特に、複写機、ファクシミリ、プリンター等の各種事務用機器、電子装置に用いられる搬送ローラ、給紙ローラ、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ等の製造方法、及びその製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、シート状物や板状物を扱う生産ラインや、あるいは各種事務用機器、電子装置には各種ローラが備えられる。
この種のローラは、上記シート状物又は板状物を滑ることなく送り出しできるように、芯材の外周面全周にシリコーンゴム、天然ゴム、SBR等のゴム組成物や、ポリウレタン等の軟質樹脂といった高い摩擦係数を有する弾性体層が形成されている。
【0003】
弾性体層としてゴム組成物を用いる場合には、例えば、金属製の芯材又は剛性の高い樹脂製の芯材の周囲に、接着剤等を介して未加硫のゴムシートを巻き(図4(a)参照)、その後、加硫工程を経て所定厚の弾性体層(ゴム層)を有するゴム被覆ローラが製造される。ゴム被覆ローラとして、例えば、特許文献1にその構成が記載されている。
【特許文献1】特開2002−87676号公報(第13頁、第5〜6図)
【0004】
このとき、ゴムシートの巻き始めと巻き終わりの部分との継ぎ目において、その外周面に段差が生じやすい。例えば、図6に示すように、弾性体層2の継ぎ目4に段差があると、芯材1,1で送り出した素材(シート状物)7の表面に、前記段差部分に触れた痕跡(変形)8を生じさせることがある。
これは、上記段差部分を挟んでその前後で、前記シート状物7に作用する押圧力が大きく変化する、あるいは不連続に変化するためであると考えられる。したがって、ゴム被覆ローラの表面には段差が生じていないことが求められる。
【0005】
また、芯材1の全長が長い場合、図4(b)に示すように、ゴムシートをその芯材1の長さ方向へつなぎ合わせたことにより、継ぎ目が周方向に沿って形成される場合もある。
【0006】
そこで、弾性体層2の表面を研磨又は研削することにより、その段差を取り除いてフラットにする手法が広く採用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、弾性体被覆ローラで送り出す素材が、特に薄いフィルム等である場合、上記弾性体層の表面に介在する段差がわずかであっても、上記痕跡(変形)が生じてしまう。薄いフィルム等は変形しやすく、また、一たび変形すると、元の状態に戻りにくいからである。
したがって、このような薄い素材を扱う場合、ローラの弾性体層に対し、場合によっては数μm以下の高い精度で段差を解消することが要求される場合もある。
このような高精度の研磨、研削を行うことは、手間のかかる作業であり、弾性体被覆ローラの製造コストを高める要因ともなっている。
【0008】
また、芯材1の周囲に未加硫のゴム11を巻く際には、図5(a)又は(b)に示すように、ゴム11を芯材1の外周全周に巻いた後、その巻き始めと巻き終わりとの継ぎ目4を、図5(a)に示すように、周方向に対し所定幅vで重ねる。なお、巻き始めの部分は、そのエッジが周方向に沿って斜めに成形される場合もある。
一般に、ゴム11の素材は、図5(b)に示すように、その厚さ方向に粒子の径が異なる状態となっているので、すなわち、ゴム11の表面に近い部分と裏面に近い部分とでは、その粒子の径が異なる状態である。
このため、上記のように弾性体層2の表面を研磨、研削すると、図5(c)に示すように、その継ぎ目4を挟んで粒子の不連続が生じてしまうという問題もある。このような粒子の不連続は、前記段差の場合と同様、送り出された素材に痕跡(変形)を生じさせるので好ましくない。
【0009】
そこで、この発明は、ゴム被覆ローラの表面に生じる段差や、その表面の粒子の不連続を解消することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、この発明は、芯材の外周全周に、ゴム組成物からなる弾性体層を一体に形成した弾性体被覆ローラの製造方法において、前記芯材をその軸周り回転自在に支持し、その芯材と並行にカウンターローラを配置して軸周り回転自在に支持し、前記芯材の外周に未加硫のゴムを巻き付けるとともにその巻き付けた未加硫のゴムに前記カウンターローラを押し当て、前記芯材とカウンターローラとをそれぞれ軸周り回転することにより前記未加硫のゴムを芯材の外周全周に押し広げ、その後、前記未加硫のゴムに対する加硫工程を経て前記芯材の外周全周に前記弾性体層を形成する構成を採用した。
【0011】
上記の構成によれば、芯材の外周に巻く未加硫のゴムは、芯材とカウンターローラとの間で押し広げられて、継ぎ目のない円筒状部材に成形される。このため、段差や、表面の粒子の不連続を解消することができる。
なお、芯材の外周に巻く未加硫のゴムは、押出機等から押出されたゴム材料であってもよいし、あるいはシート状のゴム材料であってもよい。また、芯材とカウンターローラとの距離は、両者の外周面同士が最も近接する位置において、その間隔を、上記弾性体層に求められる厚さに基づいて決定する。
【0012】
上記ゴム組成物として、シリコーンゴムを採用することができる。一般に、シリコーンゴムは耐久性が高く加工性もよいので、シリコーンゴムを採用することにより、ゴム組成物は、芯材の外周全周にスムースに押し広げられるようになる。
【0013】
上記の構成において、上記芯材の外周と上記未加硫のゴムとの間に接着剤を介在させる構成を採用してもよい。このようにすれば、芯材と弾性体層との一体性が高まる。また、芯材の外周に未加硫のゴムを巻き付けている際に、そのゴムが脱落することを防止し得る。
【0014】
また、上記弾性体層の下に、ゴム組成物からなる下地層を介在させてもよい。すなわち、弾性体層が、上記芯材の外周に接着剤を介して形成されたゴム組成物からなる下地層の外周に形成されるものであり、前記下地層のゴム組成物と前記弾性体層を構成する上記未加硫のゴムとが双溶性を有し、その双溶性により上記加硫工程で前記下地層と前記弾性体層とが固着されるようにしたものである。
このようにすれば、下地層と弾性体層とはゴムの双溶性により固着するので、未加硫のゴムを巻き付ける際に、そのゴムが脱落することを防止し得る。また、下地層と芯材との間に介在する接着剤が弾性体層内に侵入しないので、弾性体層の品質を良好なものにし得る。
【0015】
また、上記芯材の回転速度を上記カウンターローラの回転速度よりも速くすれば、未加硫のゴムが芯材側に誘導されるので、カウンターローラ側にゴムが付着することをより確実に防止し得る。カウンターローラ側にゴムが付着すると、芯材周囲のゴムに対する押し付け力が不均一となるので、このような構成をとることが望ましいといえる。
【0016】
上記各弾性体被覆ローラの製造方法に使用する製造装置として、以下の構成を採用することができる。すなわち、芯材をその軸周り回転自在に支持し、その芯材と並行にカウンターローラを配置して軸周り回転自在に支持し、前記カウンターローラは、前記芯材の外周に巻き付けた未加硫のゴムに押し当てられて、その状態で前記芯材とカウンターローラとをそれぞれ軸周り回転することにより前記未加硫のゴムを芯材の外周全周に押し広げる機能を備えた弾性体被覆ローラの製造装置の構成である。
【発明の効果】
【0017】
この発明は、芯材とカウンターローラとを軸周り回転自在に支持し、その芯材の外周に未加硫のゴムを巻き付けて、そのゴムをカウンターローラにより芯材の外周全周に押し広げたので、弾性体被覆ローラの弾性体層の継ぎ目がなくなる。このため、その弾性体層に生じる段差や、表面の粒子の不連続を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態では、弾性体層2の素材としてシリコーンゴムを、また、芯材1及びカウンターローラ5の表面素材は、それぞれ鉄などの金属素材である。なお、カウンターローラ5の表面はクロームメッキ処理が施され、ゴムの付着を防止している。
【0019】
装置の構成は、固定のフレーム(図示せず)に芯材1がその軸周り回転自在に支持されている。芯材1は、円柱状又は円筒状(パイプ状)であり、その外周1a全周に亘って平滑面となっている。また、その芯材1の軸方向両端に、支持用の突起3,3が設けられている。
【0020】
また、その芯材1と並列してカウンターローラ5が配置され、その軸方向が前記芯材1の軸方向と並行な状態で、前記固定のフレームに軸周り回転自在に支持されている。
カウンターローラ5は円柱状又は円筒状を成し、その外周5a全周に亘って平滑面となっている。また、そのカウンターローラ5の軸方向両端に、支持用の突起6,6が設けられている。
【0021】
この芯材1及びカウンターローラ5は、それぞれ駆動力によって図1に示す矢印A,Bの方向へ回転可能であり、その回転速度は、それぞれ必要に応じて調整できるようになっている。
【0022】
また、芯材1とカウンターローラ5との距離は、両者の外周1a,5a同士が最も近接する位置において、所定の間隔w1が確保されている。
この所定の間隔w1は、上記芯材1の外周1a全周に形成する弾性体層2の厚さに基づいて決定する。弾性体層2は、芯材1の周囲に未加硫のゴム11を巻いた後、所定の加硫工程等を経て形成されるので、その加硫の際に前記ゴム11に生じる収縮等を考慮して、完成時に、弾性体層2が予め定められた厚さw2になるように、前記所定の間隔w1を設定する。
【0023】
この弾性体被覆ローラの製造方法、及びこの製造装置の作用について、以下説明する。
芯材1及びカウンターローラ5を、それぞれ駆動力によって図1に示す矢印A,Bの方向へ回転させる。未加硫のゴム11を図1(a)及び図2(a)に矢印Cで示す方向に差し入れることにより、その芯材1の外周1aに巻き付けていく。
【0024】
このとき、芯材1の周囲を溶剤等で洗浄してその洗浄面に接着剤12を塗布し、上記未加硫のゴム11は、その接着剤12を介して芯材1の外周に巻き付けられる。また、上記芯材1の回転速度を上記カウンターローラ5の回転速度よりも速く設定しているので、ゴム11が芯材1の外周1aに馴染みやすい。
なお、未加硫のゴム11を最初に差し入れる際は、そのゴム11が芯材1に馴染むように、芯材1とカウンターローラ5間の隙間(上記所定の間隔w1を有する隙間)を通過したゴム11を、芯材1の外周1aに沿って手作業等で引張るなどして誘導してもよい。
【0025】
芯材1の外周1aに巻き付けられた未加硫のゴム11は、その芯材1と同時に回転するカウンターローラ5の外周5aによって、芯材1の外周1a全周に押し広げられる。このとき、両外周1a,5aに押圧された未加硫のゴム11がその押圧力により混練りされるので、芯材1の外周1a全周に継ぎ目のないゴム層(弾性体層2)が円筒状に形成される。
また、その混練りにより、未加硫のゴム11の内部に介在するエアが排出されるので、弾性体層2に気泡や凹凸が発生することを防止し得る。
【0026】
その後、芯材1の軸方向両端部から外側にはみ出した未加硫のゴム11を、その芯材1の端面に沿って切断し、芯材1をフレームから取り外して加硫工程へと移行する。この加硫工程は、使用するゴム組成物や求められる弾性体層2の強度等に応じて周知の手法を採用することができるので、説明を省略する。
【0027】
このようにして形成された弾性体層2は、芯材1の外周1a全周に継ぎ目のない円筒状に形成されているので、従来のような段差を生じない。したがって、ローラで送り出した素材の表面に、前記段差部分に触れた痕跡(変形)を生じさせることがない。
また、加硫工程を経た後、必要に応じて弾性体層2の表面を研削、研磨することも可能である。このような研削、研磨を行っても弾性体層2には継ぎ目が存在しないので、その弾性体2の表面に、従来のような粒子の不連続を生じさせることがなく、その全長全周に亘って、より均一な粒子が分布するようになる。
【0028】
また、従来の手法(図4参照)によれば、例えば、求められるロールのゴムの肉厚(弾性体層2の厚さ)が厚い場合、未加硫のゴムシート11を何層にも重ねて形成しなければならない。供給されるゴムシート11は、概ねその厚さが定められているからである。ゴムシート11をこのように複数層に重ねると、その重ねたシート11,11間や継ぎ目4に気泡や異物が混入する可能性が高くなる。気泡や異物の混入は、その検査に熟練を要し、ロールが大型になればその検査、成形が困難である。
また、継ぎ目4等に薬品等が侵入して弾性体層2を劣化、破壊してしまう場合も想定される。
【0029】
その点、本発明の手法によれば、弾性体層2の厚さは、カウンターローラ5との離隔を調整することにより、自由に設定することができ、また、形成された弾性体層2に継ぎ目4がないことから、これらの問題をすべて解消することができる。また、継ぎ目4がなければ、加硫工程において、包帯等により未加硫のゴム11をその外周側から締付けてラッピングする必要性もない。未加硫のゴム11の継ぎ目4が開いて芯材1から脱落してしまう危惧がないからである。
【0030】
上記の実施形態では、弾性体層2の素材としてシリコーンゴムを採用したが、ゴムの粘度を所定の範囲内に管理することにより、他のゴム組成物を採用することも可能である。
【0031】
また、他の実施形態として、図3に示すように、弾性体層2の下に、ゴム組成物からなる下地層13を介在させてもよい。
下地層13は、芯材1の外周1a全周に接着剤14を介して形成されたものであり、その形成方法としては、例えば、未加硫のゴム素材を芯材1の外周1a全周に接着剤14で貼り付けた態様が考えられる。未加硫のゴム素材としてシート状のものを採用すれば貼り付け容易である。その貼り付けた下地層13のゴムに対する所定の加硫工程を経た後、その外周に未加硫のゴム11を巻き付けて、前述の各手法と同様に弾性体層2を形成する。
【0032】
このとき、前記加硫工程を経た下地層13のゴム組成物と、その加硫工程の後、下地層13の外周に巻き付ける未加硫のゴム11(弾性体層2を構成する上記未加硫のゴム11)とが双溶性を有しているので、その双溶性により、次なる加硫工程において、前工程で既に加硫処理された下地層13と未処理の弾性体層2(未加硫のゴム11)とが一体に固着するようになっている。
下地層13と弾性体層2とが加硫一体化するので弾性体層2は強固である。また、未加硫のゴム11を巻き付ける際の接着剤12の塗布を省略し得る。また、未加硫のゴム11を巻く際に、内面側に接着剤12がなければ、弾性体層2内に接着剤12の一部が混入することを防止し、弾性体層2の品質を良好なものにし得る。
【0033】
この下地層13と弾性体層2の素材としては、弾性体層2を構成する未加硫のゴム11に対する加硫を行った際に、両者が加硫一体化する性質を有する組合わせの素材であればよく、特に両者を同一の素材とすることも可能である。
【0034】
また、上記各実施形態では、円柱状、又は円筒状(パイプ状)の芯材1を用いたが、円錐状、又は円錐台状の周面を備えた芯材1を用いることも可能である。この種の芯材1は、その周面の外径が、芯材1の軸方向に沿って徐々に大きくなる、又は徐々に小さくなるテーパ面を備え、その外周に弾性体層2を形成することとなる。このため、並列して配置するカウンターローラ5の周面も、同じく軸方向同一方向に沿って徐々に大きくなる、又は徐々に小さくなるテーパ面を備えた構成とすることが望ましい。
このとき、芯材1のテーパ面(母線)とその芯材1の軸心との角度、カウンターローラ5のテーパ面(母線)とそのカウンターローラ5の軸心との角度、は同一とすることが望ましい。さらに、両テーパ面の外径は、軸方向各位置において対向する部位同士が同一であることがさらに望ましい。未加硫のゴム11を押し広げる際に、そのゴム素材に周方向への大きなねじれ力を生じさせないようにするためである。
【0035】
なお、仮に、液状ゴムの吹き付けによる弾性体層の形成手法(例えば、特開平9−179378号公報等)を採用すれば、芯材1の外周に継ぎ目のない円筒状の弾性体層2を形成することも可能である。しかし、液状ゴムは、使用できる組成が限られており、この手法によれば、所望の強度、性能を有する弾性体層2を形成できない場合が多い。また、液状ゴムは高価であり、硬化に要する時間も多大である。
この点、上記記載したように、カウンターローラ5で未加硫のゴム11を芯材1の外周1a全周に押し広げる手法によれば、高強度な材料も使用でき材料の選択肢が広がる。このため、所望の強度、性能を有する弾性体層2を、継ぎ目のない状態で形成することが可能である。また、安価に短時間に製作することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】一実施形態を示し、(a)は未加硫のゴムを巻き始めた状態、(b)は巻き終えた状態を示す正面図
【図2】図1の斜視図
【図3】他の実施形態を示し、(a)は未加硫のゴムを巻き始めた状態、(b)は巻き終えた状態を示す正面図
【図4】従来例の製造方法を示す斜視図
【図5】従来例の製造方法を示す要部拡大断面図
【図6】従来例の弾性体被覆ローラを使用したシート状物の送り出し状態を示す説明図
【符号の説明】
【0037】
1 芯材
1a,5a 外周
2 弾性体層
3,6 突起
4 継ぎ目
5 カウンターローラ
7 シート状物
8 痕跡(変形)
10 弾性体被覆ローラ
11 未加硫のゴム
12,14 接着剤
13 下地層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材1の外周1a全周に、ゴム組成物からなる弾性体層2を一体に形成した弾性体被覆ローラ10の製造方法において、
上記芯材1をその軸周り回転自在に支持し、その芯材1と並行にカウンターローラ5を配置してその軸周り回転自在に支持し、前記芯材1の外周に未加硫のゴム11を巻き付けるとともにその巻き付けた未加硫のゴム11に前記カウンターローラ5を押し当て、前記芯材1とカウンターローラ5とをそれぞれ軸周り回転することにより前記未加硫のゴム11を芯材1の外周1a全周に押し広げ、その後、前記未加硫のゴム11に対する加硫工程を経て前記芯材1の外周1a全周に上記弾性体層2を形成するゴム被覆ローラの製造方法。
【請求項2】
上記ゴム組成物は、シリコーンゴムであることを特徴とする請求項1に記載のゴム被覆ローラの製造方法。
【請求項3】
上記芯材1の外周1aと上記未加硫のゴム11との間に接着剤12を介在させることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム被覆ローラの製造方法。
【請求項4】
上記弾性体層2は、上記芯材1の外周に接着剤14を介して形成されたゴム組成物からなる下地層13の外周に形成され、前記下地層13のゴム組成物と前記弾性体層2を構成する上記未加硫のゴム11とは双溶性を有し、その双溶性により上記加硫工程で前記下地層13と前記弾性体層2とを固着することを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム被覆ローラの製造方法。
【請求項5】
上記芯材1の回転速度を上記カウンターローラ5の回転速度よりも速くしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のゴム被覆ローラの製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のゴム被覆ローラの製造方法に使用する製造装置であって、芯材1をその軸周り回転自在に支持し、その芯材1と並行にカウンターローラ5を配置して軸周り回転自在に支持し、前記カウンターローラ5は、前記芯材1の外周1aに巻き付けた未加硫のゴム11に押し当てられて、その状態で前記芯材1とカウンターローラ5とをそれぞれ軸周り回転することにより前記未加硫のゴム11を芯材1の外周全周に押し広げる機能を備えたゴム被覆ローラの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−1514(P2008−1514A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175487(P2006−175487)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(593123834)
【出願人】(506219281)
【Fターム(参考)】