説明

継ぎ目のない梱包用ベルト

【課題】継ぎ目を無くし、構造的な強度が改良されたベルトを提供する。
【解決手段】継ぎ目の無いエラストマーベルト10は補強層25、45、およびエラストマー層15を備え、補強層が渦巻状に巻き付けられて螺旋体に形成されたストリップによって形成される。ベルト構築マンドレルの外周面上に第1のエラストマー層15を適用するステップ、端部を互いに継ぎ合わせるステップと、第1の層15を覆って織物補強層を適用するステップであって、前記補強層25は、マンドレルに渦巻状に巻き付けられて連続的な継ぎ目のない螺旋体を形成しているストリップで構成されているステップと、前記織物補強層を覆って第2のエラストマー層35、55を適用するステップと、層を所望の幅を有するベルト10へと切断するステップと加硫するステップとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織物ベルトに関し、より詳細には、ゴムで被覆された織物ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
収穫物梱包機(crop bailing machine)、または梱包機(baler)は、通常、移動する細長いエラストマーのベルトを使用して1つ以上の方法で収穫物を操作する。乾草用ラウンド梱包機に関連して、1つ以上のそのようなエラストマーベルトは、一連の駆動ローラ、アイドラローラ、およびテンショナローラの上下を、蛇行構成で通過する。ベルトは、入ってくる収穫物の列を取り込み、直径が増大した渦巻きロールを形成するように機能する。
【0003】
梱包用ベルトに伴う1つの問題は、それらが通常、互いに継ぎ合わされた織物で製作されることである。継ぎ目は、ベルト内の構造的な弱さの原因となる可能性がある。最終的に、ベルトが運転中に消耗するので、ベルトは結局、継ぎ目のところで破断することになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、継ぎ目をなくした、改良された継ぎ目無しベルトが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、1つ以上の補強層、および1つ以上のエラストマー層で構成され、少なくとも1つの補強層が、渦巻状に巻き付けられて螺旋体を形成するストリップによって形成される、継ぎ目の無いエラストマーベルトを提供する。
【0006】
本発明は、第2の態様において、継ぎ目無しベルトを製作する方法を提供し、この方法は、ベルト構築マンドレルの外周面上に、第1のエラストマー層を適用するステップと、端部を互いに継ぎ合わせるステップと、第1の層の上に織物補強層を適用するステップであって、前記補強層は、マンドレルに渦巻状に巻き付けられて連続的な継ぎ目のない螺旋体を形成する、連続的なストリップで構成されているステップと、前記織物補強層の上に第2のエラストマー層を適用するステップと、層を、所望の幅を有する1つ以上のベルトへと切断するステップと、前記1つ以上のベルトを加硫するステップとを含む。
【0007】
添付の図面を参照しながら、本発明を例示の方法で説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、たとえば、梱包用ベルト、Vベルト、ポリVベルト、同期ベルト、あるいは、機能を実行しまたは動力を伝達するために使用される、何らかのベルトとしての使用に適した、本発明の継ぎ目無しベルト10を示す。継ぎ目無しベルト10は、エラストマー本体10を備え、本体10は、一体構造とすることができ、または、実質的に平行であり、同一または別々のエラストマー材料または弾性材料で構成される、第1の層15および第2の層25を備えることができる。使用することができるエラストマー材料の代表は、熱硬化性の天然または合成ゴム、熱可塑性のエラストマーおよびウレタンを含む。図2に示すように、第1のエラストマー層15は、ベルト構築マンドレル20の外周面21の周りに巻き付けられている。次いで、ゴム層15の端部22および24は、バット継ぎ目、ラップ継ぎ目、または当業者に知られた別の継ぎ目を用いて、互いに継ぎ合わされる。継ぎ目は、所望の角度で傾けることができ、またはマンドレルの長手軸と平行にすることができる。
【0009】
次に、織物補強材の第2の層が、任意の第1の層15を覆ってマンドレルに適用される。織物補強層25は、ポリエステル、ナイロン、ケブラーまたはアラミド、およびレーヨンなど、当業者に知られたいかなる適当な材料を備えることができる。織物補強層は、連続的で継ぎ目のない螺旋体を形成するようにマンドレルの周りに渦巻状に巻き付けられた、連続的なストリップ25を備える。螺旋の角度は、約10度以内であり、ストリップの幅およびベルトの長さに依存する。継ぎ目の無い補強層が図3に示されている。ストリップは、たとえば5インチ、1インチ、2インチなど、いかなる所望の幅とすることができる。ストリップは、任意的に重ねることができ、またはその幅より小さい幅で、わずかに離隔させることができる。
【0010】
ベルト10は、追加のエラストマー層35、55、および織物補強層45を備えることができる。追加の織物補強層45が使用される場合、追加の織物補強層もまた、好ましくは第1の補強層と反対の方向に、マンドレルに渦巻状に適用することができる。たとえば、第1の補強層は、構築中に左から右へとマンドレル上に適用されるなど、第1の角度方向を有することができる。第2の補強層は、右から左へと適用されるなど、第2の異なる方向を有することができる。層をこのような方法で適用することによって、ベルトが螺旋体の方へと追随する傾向を防止することができる。代替的に、織物補強材料の追加の層を、バット継ぎ目またはラップ継ぎ目を使用して、従来通りに適用することができる。しかし、従来の織物補強層がベルトの内側となり、最も外側、あるいは頂部および/または底部の織物補強層が、渦巻状のストリップで形成されることが好ましい。補強層は、必ずしも織物補強材に限定されない。伸張性コードの補強材を、本体内で使用することもできる。
【0011】
所望の数のエラストマー層および補強材の層がマンドレルに適用された後、ベルトスラブは、そのまま全体がマンドレルから取り外されるか、あるいは、スラブの幅および個々のベルトの幅によってのみ制約される、個別のベルトへと切断することができる。たとえば、スラブ幅は、56インチであり、7インチ幅の個々のベルトを、8本作り出すことができる。当業者に知られた切断方法による、分割が用いられる。ベルトスラブまたは個々のベルトは、マンドレルから取り外され、エラストマーを硬化させるために熱および圧力にさらされる。
【0012】
上記で説明したベルトおよび方法は、梱包用ベルトに限定されず、Vベルト、ポリVベルト、同期ベルト、平ベルト、あるいは、機能を実行しまたは動力を伝達するために使用される何らかのベルトなど、別のベルトの製造に使用することができる。
【0013】
本明細書の記載に照らせば、本発明の変形形態が可能である。いくつかの代表的な実施形態および詳細を、本発明を説明する目的で示してきたが、それらにおける様々な変更および修正を、本発明の技術的範囲から逸脱することなく行うことができることが、当業者には明らかであろう。したがって、特にここに記載された実施形態に変更を加えることができ、それは添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の意図された技術的範囲の全体に包含されることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】梱包用ベルトを示す斜視図である。
【図2】図1の梱包用ベルトを示す断面図である。
【図3】マンドレル上に構築されたベルトを示す図である。
【図4】マンドレル上に構築されたベルトをさらに示す図である。
【符号の説明】
【0015】
10 エラストマーベルト
15 第1のエラストマー層
20 マンドレル
21 外周面
22 端部
24 端部
25 補強層
35 第2のエラストマー層
45 補強層
55 第2のエラストマー層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の補強層、および1つ以上のエラストマー層を備え、前記少なくとも1つの補強層は、渦巻状に巻き付けられて螺旋体を形成しているストリップによって形成される、継ぎ目の無いエラストマーベルト。
【請求項2】
前記ストリップは、0.15インチから1.5インチの範囲の幅を有することを特徴とする請求項1に記載の継ぎ目の無いエラストマーベルト。
【請求項3】
前記ストリップが織物製であることを特徴とする請求項1に記載の継ぎ目の無いエラストマーベルト。
【請求項4】
継ぎ目無しベルトを製作する方法であって、
ベルト構築マンドレルの外周面上に、第1のエラストマー層を適用するステップと、
端部を互いに継ぎ合わせるステップと、
前記第1の層を覆って織物補強層を適用するステップであって、前記補強層が、前記マンドレルに渦巻状に巻き付けられて連続的な継ぎ目の無い螺旋体を形成している連続的なストリップで構成されている、ステップと、
前記織物補強層を覆って第2のエラストマー層を適用するステップと、
前記層を、所望の幅を有する1つ以上のベルトへと切断するステップと、
前記1つ以上のベルトを加硫するステップと、
を含む方法。
【請求項5】
前記ストリップは離隔されていることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ストリップが重ねられていることを特徴とする請求項4に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−174384(P2008−174384A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−286556(P2007−286556)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(507355364)ヴェヤンス・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】