説明

継手

【課題】ホースなどの管体を簡単な操作で着脱することができる継手を提供する。
【解決手段】継手本体12には、ホース40の内管44A、44Bが挿入される支持部12A、12Bが設けられている。継手本体12の周面の突出部14の一方には、流体24が封入された2つのゴム製の第1袋状部18が配置されている。突出部14の他方には、支持部12Aと内管44Aとの間、及び支持部12Bと内管44Bとの間に、流体24が封入された環状体からなる2つのゴム製の第2袋状部20が配置されている。各々の第2袋状部20と第1袋状部18とは連結管22で連通されている。継手本体12にはナット16が設けられており、ナット16を突出部14側に締めることで第1袋状部18が押し潰される。これにより、流体24が連結管22を通って第2袋状部20に移動し、第2袋状部20が膨張して内管44A、44Bの壁部をそれぞれ押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の内管が設けられた管体を簡単な操作で装着及び離脱(着脱)することができる継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、継手を構成する金具をホースに固定する際には、金具に形成された金属製のパイプにホースを挿入し、加締機を用いてパイプをホースに加締めることによって固定している。また、ホースと継手とのシールには、継手の内側に配設されたOリングなどを使用している(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
しかし、このような金具では、金具をホースに固定するための専用の加締機が必要となると共に、固定する作業に手間がかかる。また、ホースに金具を一旦加締めてしまうと、その後、金具をホースから取り外して再使用することができない。さらに、Oリングは、へたりや扁平状の変形によって流体漏れが発生しやすいが、金具をホースに加締めているため修理することができない。
【0004】
また、ホースの内部に、2以上の流体を流動させる複数の内管が設けられている場合に、このホースを1つの金具に固定することができない。従来から、2以上の流体を用いる場合は、2以上の流体を流動させるホースをそれぞれ別々の金具に固定する必要があった。
【特許文献1】特開平8−103837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の内管が設けられたホースなどの管体を簡単な操作で装着及び離脱(着脱)することができる継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係る継手は、複数の内管を有する管体に着脱可能に固定される継手であって、複数の前記内管の内部にそれぞれ挿入される複数の支持部を有する継手本体と、前記継手本体の周面から張出し、前記管体の口部に当接して前記管体を位置決めする突出部と、前記突出部から延設され、前記管体の外周面と接触する外管と、前記管体の軸方向に移動可能に設けられ、固定可能な移動部材と、前記突出部と前記移動部材の間に設けられ、内部に流体が封入された伸縮性の第1袋状部と、複数の前記支持部と複数の前記内管との間に設けられ、内部に流体が封入されて前記第1袋状部と連通する複数の伸縮性の第2袋状部と、を有することを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、管体の複数の内管に継手本体の複数の支持部がそれぞれ挿入され、管体の口部が突出部に当接することによって管体が位置決めされる。突出部と管体の軸方向に移動する移動部材との間に、内部に流体が封入された伸縮性の第1袋状部が設けられており、移動部材を突出部の方向に移動させると、第1袋状部が押し潰される。複数の支持部と複数の内管との間には、第1袋状部と連通する複数の伸縮性の第2袋状部が設けられており、第1袋状部が押し潰されると、第1袋状部内の流体が第2袋状部に移動し、第2袋状部が膨張する。これにより、複数の第2袋状部が複数の内管の壁部をそれぞれ押圧し、管体が継手本体に保持される。
【0008】
また、管体を継手本体から離脱する際には、移動部材を突出部と離間する方向に移動させる。これにより、第2袋状部の内圧が下がり(内管の壁部への第2袋状部の押圧力が開放され)、管体を継手本体から引き抜くことが可能となる。したがって、簡単な操作によって管体を継手本体に着脱することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の継手において、前記第2袋状部材は、環状体からなり、複数の前記支持部と前記内管との間にそれぞれ配置され、複数の前記第2袋状部が連結管を通じて複数の前記第1袋状部に連通されていることを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、複数の支持部と複数の内管との間にそれぞれ環状体からなる第2袋状部が配置されており、複数の第1袋状部内の流体が連結管を通じて複数の環状体に移動し、環状体が膨張する。このため、複数の内管の壁部の周方向全体が環状体によって押圧され、内管の保持が確実となると共に、環状体によって内管と支持部とがシールされる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の継手において、前記移動部材が、前記継手本体の周面のネジ部に螺合されるナットであることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、継手本体の周面のネジ部に螺合されたナットを突出部の方向に締めることで、第1袋状部が押し潰され、複数の第2袋状部が膨張して複数の内管の壁部を押圧することにより、管体が保持される。また、管体を離脱する際には、ナットを回して元の位置に戻し、管体を継手本体から引き抜く。このため、継手の着脱操作が容易となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る継手は、上記のように構成したので、複数の内管が設けられたホースなどの管体に継手を簡単な操作により着脱することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の継手の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の継手10の第1実施形態を示す半裁断面図である。図2は、継手10をホース40に固定した状態を示す半裁断面図である。また、図3は、継手10に着脱可能に固定されるホース40を示す斜視図である。
【0016】
図3に示しように、ホース40は、円筒体の中央部に仕切部42を備えており、仕切部42の両側に異なる種類の流体が流れる2つの内管44A、44Bを備えた2流体タイプである。
【0017】
図1に示すように、継手10は、ホース40の内管44A、44Bにそれぞれ挿入される2つの円筒状の支持部12A、12Bが形成された継手本体12を備えている。この継手本体12には、周面から径方向に張出した突出部14が設けられており、ホース40の口部40Aを突出部14に当接させてホース40を位置決めするように構成されている。
【0018】
継手本体12の周面には、突出部14の一方(ホース40が装着される位置と反対側)に雄ネジ15が形成されており、雄ネジ15にナット16が螺合され、継手本体12の軸方向に移動可能となっている。
【0019】
突出部14の外径側には、ホース40の外周面と接触するように外管30が延設されている。
【0020】
継手本体12の周面には、突出部14とナット16との間に伸縮性の第1袋状部18が配置されている。また、突出部14のナット16と反対側であって支持部12Aとホース40の内管44Aとの間に環状体からなる伸縮性の第2袋状部20が配置されている。第2袋状部20の一部は、支持部12Aの周面に固着された保持部26に接着されている。第1袋状部18と第2袋状部20とは、伸縮性の連結管22によって連通されている。この連結管22は、突出部14の根元に形成された開孔14Aに貫通されている。
【0021】
また、支持部12Bの周面とホース40の内管44Bとの間にも環状体からなる伸縮性の第2袋状部20が配置されており、この第2袋状部20が突出部14とナット16との間に設けられた他の第1袋状部(図示省略)に連結管22によって連通されている。
【0022】
すなわち、継手10には、支持部12A、12Bにそれぞれ巻かれた環状体からなる2つの第2袋状部20と、2つの第2袋状部20にそれぞれ連結管22を介して連通される2つの第1袋状部18(1つは図示省略)が設けられている。
【0023】
第1袋状部18と第2袋状部20には、内部に粘性を有する流体24が封入されており、流体24が第1袋状部18と第2袋状部20との間を、連結管22を通じて移動可能となっている。そして、第1袋状部18から流体24が第2袋状部20に移動して第2袋状部20が膨張したとき、内管44A又は内管44Bの内壁を押圧してホース40を保持するように構成されている。
【0024】
第1袋状部18と第2袋状部20と連結管22の伸縮部分の材料としては、ゴムなどの弾性材料が用いられ、例えば、SBR、NBR、EPDM、シリコーンゴム、フッ素ゴム、IIR(ブチルゴム)、天然ゴムなどが用いられている。また、流体24としては、液体や粘度の高い流体などが使用可能である。例えば、流体24として、シリコーンオイル、鉱物系作動油、グリスなどが用いられる。また、継手10は、ステンレスなどの金属製であるが、必ずしも金属に限るものではなく、例えばプラスチック製でも良い。なお、ホース40としては、ゴム製、樹脂製などが用いられる。
【0025】
また、ナット16の外周面には、2つの第1袋状部18を外側から覆うように折り曲げられた保護部16Aが形成されている。また、支持部12A、12Bの第2袋状部20側の先端には、第2袋状部20の端部より外側で径方向に張出した突起部32A、32Bが形成されている。
【0026】
図5に示すように、第1袋状部18は長形球状体からなり、周面に小径の円筒状の雄ネジ部18Aが突設されている。この雄ネジ部18Aは、例えばプラスチックで形成されている。また、連結管22の内周面の一端部には、雄ネジ部18Aが締結される雌ネジ部22Aが設けられている。また、第2袋状部20は環状体からなり、側面に小径の円筒状の雄ネジ部20Aが突設され、連結管22の内周面の他端部に形成された雌ネジ部(図示省略)に締結されるようになっている。
【0027】
そして、図6に示すように、図示しない浴槽内に満たされた流体24中で第2袋状部20の雄ネジ部20Aを連結管22の雌ネジ部に締結し、第1袋状部18の雄ネジ部18Aを連結管22の雌ネジ部22Aに締結する。これにより、第1袋状部18と連結管22と第2袋状部20とが一体化されるとともに、これらの内部に流体24が充填される。このような第1袋状部18と連結管22と第2袋状部20とを一体化したものが継手10に2セット配設されている。
【0028】
次に、継手10の作用について説明する。
【0029】
図1及び図2に示すように、ホース40を継手10に装着する際には、外管30にホース40の外周面を接触させ、継手本体12の支持部12Aと支持部12Bの外側に、ホース40の内管44A、44Bを挿入する。そして、ナット16を突出部14の方向(矢印A方向)に締め付けることで、2つの第1袋状部18を押し潰す。これにより、図2に示すように、2つの第1袋状部18(1つは図示省略)内の流体24がそれぞれ連結管22を通って第2袋状部20に移動し、2つの第2袋状部20が膨張する。そして、2つの第2袋状部20がそれぞれ内管44A、44Bの壁部を押圧することにより、ホース40が継手本体12に保持される。第2袋状部20は環状体であるため、内管44A、44Bの内壁にしっかりと密着し、ホース40と継手本体12とをシールすることができる。
【0030】
一方、ホース40を継手10から離脱する際には、ナット16を突出部14から離れる方向に回して元に戻す。このとき、第2袋状部20の内圧が下がって内管44A、44Bの壁部への第2袋状部20の押圧力が開放され、ホース40を継手本体12から抜くことができる。
【0031】
このような継手10は、2種類の流体を流す内管44A、44Bを備えたホース40に簡単な操作で着脱することができる。また、継手10をホース40に固定するための専用の加締機が不要となり、作業の手間も軽減される。また、継手10をホース40から取り外して再使用することができる。さらに、2つの第2袋状部20で支持部12A、12Bとホース40とをシールするので、Oリングを使用した場合のへたりや扁平状の変形による流体漏れの発生を低減することができる。また、継手10の保持力が低下しても第2袋状部20及び第1袋状部18を交換すればよいので修理も容易となる。
【0032】
なお、上記実施形態では、第1袋状部と第2袋状部は、上記形状に限定するものではなく、第1袋状部から流体が移動して第2袋状部でホースを保持できるものであれば、適宜に設定可能である。
【0033】
なお、ホース40は2つの内管44A、44Bを有する2流体タイプであったが、この構成に限定するものではない。3以上の流体が流れる複数の内管を有するタイプのホースであっても本発明を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1実施形態の継手を示す半裁断面図である。
【図2】図1に示す継手をホースに装着した状態を示す半裁断面図である。
【図3】継手に用いられるホースを示す概略斜視図である。
【図4】(A)は図1に示す継手をホースに装着する前の状態、(B)は図1に示す継手をホースに装着した状態を示す断面図である。
【図5】図1に示す継手に用いられる第1袋状部、連結管、及び第2袋状部を示す分解斜視図である。
【図6】図1に示す継手に用いられる第1袋状部、連結管、及び第2袋状部の結合時の斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
10 継手
12 継手本体
12A 支持部
12B 支持部
14A 開孔
14 突出部
14A 開孔
15 雄ネジ
16 ナット(移動部材)
16A 保護部
18 第1袋状部
18A 雄ネジ部
20 第2袋状部
20A 雄ネジ部
22 連結管
22A 雌ネジ部
24 流体
26 保持部
30 外管
32A 突起部
40 ホース(管体)
42 仕切部
44A 内管
44B 内管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の内管を有する管体に着脱可能に固定される継手であって、
複数の前記内管の内部にそれぞれ挿入される複数の支持部を有する継手本体と、
前記継手本体の周面から張出し、前記管体の口部に当接して前記管体を位置決めする突出部と、
前記突出部から延設され、前記管体の外周面と接触する外管と、
前記管体の軸方向に移動可能に設けられ、固定可能な移動部材と、
前記突出部と前記移動部材の間に設けられ、内部に流体が封入された伸縮性の第1袋状部と、
複数の前記支持部と複数の前記内管との間に設けられ、内部に流体が封入されて前記第1袋状部と連通する複数の伸縮性の第2袋状部と、
を有することを特徴とする継手。
【請求項2】
前記第2袋状部材は、環状体からなり、複数の前記支持部と前記内管との間にそれぞれ配置され、複数の前記第2袋状部が連結管を通じて複数の前記第1袋状部に連通されていることを特徴とする請求項1に記載の継手。
【請求項3】
前記移動部材が、前記継手本体の周面のネジ部に螺合されるナットであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−170435(P2007−170435A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−365203(P2005−365203)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(390034452)ブリヂストンフローテック株式会社 (80)
【Fターム(参考)】