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網状構造体
説明

網状構造体

【課題】クッション性に優れ、且つ圧縮時および圧縮状態からの回復時の音を低減した網状構造体を提供する。
【解決手段】100〜100000デシテックスの連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめて、接触部の大部分を融着させてなる三次元ランダムループ接合構造を備える網状構造体であって、該連続線状体が、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと、R−CONH−RあるいはR−CONH−(CH−NHCO−Rからなる構造を持つ置換アミド類とを含む組成物で構成されており、前記ポリエステル系熱可塑性エラストマーと前記置換アミド類との重量比が100:0.01〜20であることを特徴とする網状構造体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続線状体の三次元ランダムループ接合構造を有する網状構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
家具、ベッド、電車、自動車などのクッション用として、300デニール以上の連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめて、接触部の大部分を融着させてなる三次元ランダムループ接合構造体であるクッション用網状構造体が提案されている(たとえば、特開平7−68061号公報(特許文献1)を参照)。当該網状構造体の連続線状体は、たとえばポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが好適に用いられる。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されたような網状構造体は、圧縮時および圧縮状態からの回復時にランダムループ同士がこすれたような音やランダムループ同士がはじけたような音がするため、寝具に用いた場合、うるさくて寝づらいという問題が指摘されている。
【0004】
このような問題に対し、たとえば特開2010−43376号公報(特許文献2)には、曲げ弾性率15〜70MPa、表面硬度30〜45Dであるポリエステル共重合体からなる繊度が300デシテックス以上の連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめて、接触部の大部分を融着させてなる三次元ランダムループ接合構造体のランダムループ表面に、シリコーン系樹脂を含む樹脂が0.4〜4重量%付着しているポリエステル系弾性網状構造体が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献2に開示された網状構造体では、圧縮時および圧縮状態からの回復時にランダムループ同士がこすれたような音は低減されているものの、ランダムループ同士がはじけたような音は依然として残っており、静粛性の観点で改善の余地はあった。また、ランダムループ表面にシリコーン系樹脂を含む樹脂を付着させる工程は三次元ランダムループ接合構造体とは別工程であり、なおかつバッチ処方であるので、製造の点で問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−68061号公報
【特許文献2】特開2010−43376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、クッション性に優れ、且つ圧縮時および圧縮状態からの回復時の音を低減した網状構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが鋭意検討した結果、三次元ランダムループ接合構造を形成する連続線状体をポリエステル系熱可塑性エラストマーを含む特定の組成物で構成することで、クッション性を確保しつつ、圧縮時および圧縮状態からの回復時に発生する音が低減された網状構造体を提供できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0009】
本発明の網状構造体は、100〜100000デシテックスの連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめて、接触部の大部分を融着させてなる三次元ランダムループ接合構造を備える網状構造体であって、該連続線状体が、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと、R−CONH−RあるいはR−CONH−(CH−NHCO−Rからなる構造を持つ置換アミド類(R,Rは、それぞれ独立して炭素数6以上の脂環族基、芳香族基、飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基のいずれかの基であり、nは1〜20の整数である。)とを含む組成物で構成されており、前記ポリエステル系熱可塑性エラストマーと前記置換アミド類との重量比が100:0.01〜20であることを特徴とする。
【0010】
本発明の網状構造体において、連続線状体は中空断面または異形断面であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、圧縮時および圧縮状態からの回復時にもランダムループ同士がこすれたような音やランダムループ同士がはじけるような音の発生を大幅に低減しつつ、圧縮時の弾性を従来の網状構造体と同レベルに保持できる網状構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1(a)は本発明の好ましい一例の網状構造体1の一例の模式的な斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す網状構造体1の一部を拡大して示す図である。
【図2】連続線状体2の断面の例を模式的に示す図であり、図2(a)は中実の円形断面、図2(b)は中空の円形断面の場合を示している。
【図3】連続線状体2の異形断面の例を模式的に示す図である。
【図4】網状構造体1の製造の一例の一部を模式的に示す図である。
【図5】網状構造体1の製造の一例の一部を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1(a)は本発明の好ましい一例の網状構造体1の一例の模式的な斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す網状構造体1の一部を拡大して示す図である。本発明の網状構造体1は、繊度が100〜100000デシテックスの連続した線条(連続線状体2)を曲がりくねらせランダムにループを形成し(ランダムループ3)、ループ同士を接触させ、その接触した部分(接触部)を融着した三次元ランダムループ接合構造を備える。このような構造を備えることで、非常に大きい応力で網状構造体1を変形させた場合でも、網状構造体1全体が変形することで応力を吸収し、応力が解除されると、連続線状体2を形成する熱可塑性エラストマーのゴム弾性が発現して、元の形態に回復することができる。
【0014】
本発明の網状構造体を形成する連続線状体2の繊度は、100〜100000デシテックスの範囲内であり、好ましくは300〜50000デシテックスの範囲内、より好ましくは500〜30000デシテックスの範囲内である。連続線状体2の繊度が100デシテックス未満である場合には、抗圧縮強力が低くなり反発力が低下してしまう。また、線状体2の繊度が100000デシテックスを超える場合には、連続線状体2の個々の抗圧縮性は大きいが、構成本数が少なくなるため力の分散が悪くなってしまい、100kg/cm以上の著しく大きい圧縮力を受けた場合に、応力集中によるへたりが発生し、使用部分が制限される場合がある。
【0015】
なお、本発明において、連続線状体2としては、単一繊度の線条からなる連続線状体だけでなく、繊度の異なる線条からなる連続線状体2も使用し、見掛け密度との組合せで最適な構成とすることもできる。
【0016】
本発明の網状構造体1は、連続線状体2が、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと特定の置換アミド類とを含む組成物で構成されていることを特徴の1つとする。なお、本発明の網状構造体1における連続線状体2がこのような組成物で構成されていることは、たとえば連続線状体2の核磁気共鳴(NMR)スペクトルもしくは赤外吸収(IR)スペクトルを分析することで確認することができる。
【0017】
ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリアルキレンジオールをソフトセグメントとするポリエステルエーテルブロック共重合体、または脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエステルブロック共重合体が例示できる。
【0018】
ポリエステルエーテルブロック共重合体のより具体的な構成としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸または、これらのエステル形成性誘導体などから選ばれるジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約300〜5000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、またはエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体などから選ばれるポリアルキレンジオールのうち少なくとも1種とから構成される三元ブロック共重合体を用いることができる。
【0019】
ポリエステルエステルブロック共重合体としては、たとえば、上記のジカルボン酸の少なくとも1種と、上記のジオール成分の少なくとも1種と、平均分子量が約300〜5000のポリラクトンなどのポリエステルジオールのうち少なくとも1種とから構成される三元ブロック共重合体が例示される。
【0020】
熱接着性、耐加水分解性、伸縮性、耐熱性などを考慮すると、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、(1)ジカルボン酸としてテレフタル酸および/またはイソフタル酸、ジオール成分として1,4−ブタンジオール、ポリアルキレンジオールとしてポリテトラメチレングリコールからなる三元ブロック共重合体、または(2)ジカルボン酸としてテレフタル酸および/またはナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジオール成分として1,4−ブタンジオール、ポリエステルジオールとしてポリラクトンからなる三元ブロック共重合体を用いることが好ましく、(1)テレフタル酸および/またはイソフタル酸からなるジカルボン酸と、1,4−ブタンジオールからなるジオール成分と、ポリテトラメチレングリコールからなるポリアルキレンジオールとからなる三元ブロック共重合体を用いることが特に好ましい。また、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとして、ポリシロキサン系のソフトセグメントを導入したものも使うことができる。
【0021】
本発明において、置換アミド類は、連続線状体2の表面の滑り性を向上させ、連続線状体2同士の摩擦音が低減させることで、網状構造体1の圧縮時、圧縮状態からの回復時の音が低減させる目的で添加される。本発明に用いる置換アミド類は、R−CONH−RあるいはR−CONH−(CH−NHCO−Rからなる構造を有し、そのうちR,Rは、それぞれ独立して、炭素数6以上の脂環族基、芳香族基、飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基のいずれかの基を指す。炭素数6以上の脂環族基としては、たとえば、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[3.2.1]オクチル基、トリシクロ[3.3.1.13.7]デシル基などが挙げられ、炭素数6以上の芳香族基としては、たとえば、フェニル基、フェニルメチル基、トルイル基、キシリル基などが挙げられる。また、炭素数6以上の飽和脂肪族炭化水素基としては、ヘキシル基、ヘプチル基、カプリル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、パルミチル基、ステアリル基、イソステアリル基、ベヘリル基などが挙げられ、炭素数6以上の不飽和脂肪族炭化水素基としては、オレイル基、エルカリル基、リノレイル基、リノレニル基などが挙げられる。また上記nは1〜20の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。上記nが20を超える場合には、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとの相溶性が悪くなり、過剰にブルーミングするという不具合がある。
【0022】
本発明に用いる置換アミド類としては、高い滑り性向上効果を示すことから、オレイルオレイン酸アミド、ステアリルオレイン酸アミド、オレイルステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドが特に好適な例として挙げられる。
【0023】
本発明における連続線状体2を構成する組成物は、上述した熱可塑性エラストマーと置換アミド類との重量比が100:0.01〜20であることを特徴の1つとする。この熱可塑性エラストマーを100としたときの置換アミド類の重量比が0.01未満である場合には、網状構造体1の圧縮時および圧縮状態からの回復時の音を十分に低減することができなくなるためであり、また、熱可塑性エラストマーを100としたときの置換アミド類の重量比が20を超える場合には、弾発が小さくなり過ぎて適度なクッション性を保つことができなくなるためである。音の低減とクッション性の保持を好適に両立させるためには、熱可塑性エラストマーと置換アミド類との重量比は、100:0.05〜15であることが好ましく、100:0.1〜10であることがより好ましい。
【0024】
本発明における連続線状体2を構成する組成物には、目的に応じて種々の添加剤を配合することができる。添加剤としては、フタル酸エステル系、トリメリット酸エステル系、脂肪酸系、エポキシ系、アジピン酸エステル系、ポリエステル系の可塑剤、公知のヒンダードフェノール系、硫黄系、燐系、アミン系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニッケル系、サリチル系などの光安定剤、帯電防止剤、過酸化物などの分子調整剤、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物などの反応基を有する化合物、金属不活性剤、有機及び無機系の核剤、中和剤、制酸剤、防菌剤、蛍光増白剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、有機系、無機系の顔料などが挙げられる。
【0025】
本発明の網状構造体1を構成する連続線状体2は、示差走査型熱量計にて測定した融解曲線において、融点以下に吸熱ピークを有することが好ましい。融点以下に吸熱ピークを有する連続線状体2で構成された網状構造体1は、耐熱性および耐へたり性が吸熱ピークを有しない連続線状体で構成された網状構造体より著しく向上する。たとえば、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとして、ハードセグメントの酸成分に剛直性を有するテレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸などを90モル%以上(より好ましくは95モル%以上、特に好ましくは100モル%)含有するものとグリコール成分をエステル交換後、必要な重合度まで重合し、次いで、ポリアルキレンジオールとして、好ましくは平均分子量が500〜5000(より好ましくは1000〜3000)のポリテトラメチレングリコールを10〜70重量%(より好ましくは20〜60重量%)で共重合させた場合、ハードセグメントの酸成分に剛直性のあるテレフタル酸やナフタレン−2,6−ジカルボン酸の含有量が多いとハードセグメントの結晶性が向上し、塑性変形しにくく、かつ、耐熱性および耐へたり性が向上する。加えて、溶融熱接着後さらに融点より少なくとも10℃以上低い温度でアニーリング処理すると、より耐熱性および耐へたり性が向上する。圧縮歪みを付与してからアニーリングすると更に耐熱性および耐へたり性が向上する。このような処理をした網状構造体1の連続線状体2は、示差走査型熱量計(DSC)で測定した融解曲線に室温以上融点以下の温度で吸熱ピークをより明確に発現する。なお、アニーリングしない場合は融解曲線に室温以上融点以下に吸熱ピークを発現しない。このことから類推するに、アニーリングによりハードセグメントが再配列され、疑似結晶化様の架橋点が形成され、耐熱性および耐へたり性が向上しているのではないかとも考えられる(以下、このアニーリング処理を「疑似結晶化処理」ということがある。)。
【0026】
本発明の網状構造体1を構成する連続線状体2の断面形状は特には限定されないが、中実の円形断面(図2(a))、孔4を有する中空の円形断面(図2(b))を有してもよく、また、三角形状(図3(a))、Y字形状(図3(b))または星形状(図3(c))のような円形断面とは異なる異形断面を有していてもよい。中でも、連続線状体2の断面形状を中空断面および/または異形断面にすることで、抗圧縮性や嵩高性を付与でき、低繊度化したい場合には特に好ましい。なお、中空断面には、図2(b)に示した中空の円形断面以外にも、中空の三角断面、突起付きの中空形状なども含む。
【0027】
網状構造体1の抗圧縮性は用いる素材のモジュラスにより調整して、柔らかい素材では中空率(断面における中空部分の占める割合)および/または異形度(円形状に対する断面二次モーメント比)を高くし初期圧縮応力の勾配を調整でき、ややモジュラスの高い素材では中空率および/または異形度を低くして、網状構造体の座り心地が良好となるように抗圧縮性を付与する。連続線状体を中空断面および/または異形断面とすることによる他の効果として中空率および/または異形度を高くすることで、同一の抗圧縮性を付与した場合、より軽量化が可能となる。
【0028】
連続線状体2は、図1に示すように、連続線状体2の曲がりくねりによって、完全な輪状または完全な輪にはなっていない曲線状のランダムループ3を有している。そして、三次元ランダムループ接合構造を有する網状構造体1は、連続線状体2のランダムループ3が他の連続線状体2のランダムループ3と接合している接合部を有している。ここで、ランダムループ3の接合部は、連続線状体2のランダムループ3を互いに溶融状態で接触せしめて、接触部の大部分を融着させることによって形成されている。
【0029】
本発明の網状構造体1は、25%圧縮時硬さが10kg/φ200以上であることが好ましい。ここで、25%圧縮時硬さとは、網状構造体1を200mm径の円形状の圧縮板にて75%まで圧縮して得た応力−歪み曲線の25%圧縮時の応力である。25%圧縮時硬さが10kg/φ200未満である場合には、クッション性が損なわれてしまう。本発明の網状構造体1の25%圧縮時硬さは、15kg/φ200以上であることが好ましく、20kg/φ200以上であることがより好ましい。
【0030】
本発明の網状構造体1の25%圧縮時硬さの上限については特に限定されないが、50kg/φ200以下であることが好ましく、45kg/φ200以下であることがより好ましく、40kg/φ200以下であることが特に好ましい。網状構造体の25%圧縮時硬さが50kg/φ200を超える場合には、網状構造体が硬くなり過ぎ、クッション性が悪くなってしまう虞がある。
【0031】
本発明の網状構造体1は、クッション材としての機能が発現できる観点から、平均の見掛け密度が0.005〜0.20g/cmの範囲内であることが好ましく、0.01〜0.10g/cmの範囲内であることがより好ましく、0.03〜0.06g/cmの範囲内であることが特に好ましい。網状構造体1の平均の見掛け密度が0.005g/cm未満である場合には、反発力が失われ、クッション材には不適当である場合があるためであり、網状構造体の平均の見掛け密度が0.20g/cmを超えると反発力が高すぎて座り心地が悪くなってしまう場合があるためである。
【0032】
本発明の網状構造体は、たとえば繊度の異なる連続線状体を用いた網状構造体の複数層を積層してなる複数層構造としてもよい。この場合には、各層の見掛け密度を変えることにより好ましい特性を付与することができる。たとえば、表面側に配置された繊度の細い連続線状体からなる層(第1層)と、繊度の太い連続線状体からなる層(第2層)で網状構造体を構成する場合には、第1層の密度はやや高くして構成本数を多くし、連続線状体の一本が受ける応力を少なくして応力の分散を良くし、且つ臀部を支えるクッション性も向上させることで座り心地を向上させることができる。第2層は繊度を太くして少し硬くし、振動吸収と体型保持とを受け持つ層としてより緻密な層とするため、やや繊度の細い連続線状体で、且つ高密度とすることができる。これによりこのような網状構造体を用いた座席の場合には、座席のフレーム面から受ける振動、反発応力を第2層に均一に伝達し、全体が変形できるようにし、座り心地を良くすると共にクッションの耐久性も向上させることもできる。さらに、座席のサイドの厚みと張りを付与させるために部分的に繊度をやや細くして高密度化することもできる。
【0033】
このように、網状構造体1が複数層で構成される場合には、網状構造体1を構成する各層は、その目的に応じて、好ましい見掛け密度と繊度を任意に選択することができる。
【0034】
なお、網状構造体1が複数層で構成される場合の各層の厚みは、特に限定されないが、クッション体としての機能が発現されやすい3mm以上とするのが好ましく、5mm以上とするのが特に好ましい。
【0035】
本発明の網状構造体は、曲がりくねらせた連続線状体が途中で30°以上、好ましくは45°以上曲げられ実質的に平坦に形成され、接触部の大部分が融着している表層部を有することが好ましい。このことで、融着された接触部が大幅に増加するため、網状構造体に座った時の臀部の局部的な外力も臀部に異物感を与えずに構造面で受け止められ、面構造が全体で変形して内部の構造体全体も変形して応力を吸収し、応力が解除されるとポリエステル系熱可塑性エラストマーのゴム弾性が発現して、網状構造体は元の形態に回復することができる。網状構造体の表層部が実質的に平坦に形成されていない場合、臀部に異物感を与え、表面に局部的な外力が掛かかり、表層部の連続線状体および融着された接触部までに選択的に応力集中が発生する場合があり、応力集中による疲労が発生して耐へたり性が低下する場合がある。
【0036】
網状構造体が実質的に平坦に形成された表層部を有する場合、ワディング層を使用しないで、または、非常に薄いワディング層を積層し、側地で表面を覆い自動車用、鉄道用などの座席や椅子またはベッド用、ソファー用、布団用などのクッションマットにすることができる。
【0037】
網状構造体が実質的に平坦に形成された表層部を有さない場合は、網状構造体の表面に比較的厚め(好ましくは10mm以上)のワディング層を積層して側地で表面を覆って座席やクッションマットを形成する必要がある。必要に応じたワディング層との接着または側地との接着は、網状構造体が実質的に平坦な表層部を有する場合は容易であるが、実質的に平坦な表層部を有さない場合には凸凹のため接着が不完全になる。
【0038】
次に、図4および図5を参照して、三次元ランダムループ接合構造を有する本発明の網状構造体1の製造方法について述べるが、以下の方法は一例であって、これに限定するものではない。本発明の網状構造体1は、たとえば溶融紡糸によって作製される。
【0039】
まず、図4に示すように、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと特定の置換アミド類とを含む組成物11を一般的な溶融押出機12に投入し、融点より10〜80℃高い温度に加熱して溶融状態とし、複数のオリフィス14を持つ吐出装置13より下向きに吐出させる。
【0040】
オリフィス14の形状は特に限定されないが、オリフィス14を異形断面(たとえば、三角形、Y型、星型などの断面二次モーメントが高くなる形状)または中空断面(たとえば、三角中空、丸型中空、突起付きの中空などの形状)を有する形状とすることが好ましい。この場合には、溶融状態の連続線状体前駆体2aが流動緩和し難くなり、連続線状体前駆体2aの接触点での流動時間を長く保持することによって、連続線状体前駆体2aの接着点を強固にすることができる。また、この場合には、網状構造体1の見掛けの嵩を高くすることができるとともに、軽量化することができ、また抗圧縮性が向上し、弾発性も改良することができるため、得られた網状構造体1をへたりにくくすることができる。
【0041】
また、オリフィス14が中空断面を有する場合には、中空率が80%を超える場合には連続線状体前駆体2aの断面の中空部が潰れやすくなるため、オリフィス14に中空断面を採用する場合の中空率は、好ましくは軽量化の効果が発現できる10〜70%であり、より好ましくは20〜60%である。
【0042】
また、オリフィス14間のピッチは、3〜20mmであることが好ましく、5〜10mm以下であることがより好ましい。オリフィス14間のピッチが3〜20mmである場合、特に5〜10mmである場合には、連続線状体前駆体2aが形成するランダムループ同士を十分に接触させることができる。なお、網状構造体1を密な構造にするためには、オリフィス14間のピッチは短い方が好ましく、粗な構造とするためには、オリフィス14間のピッチは長い方が好ましい。
【0043】
なお、オリフィス14の列間のピッチあるいは孔間のピッチを変えた構成、または列間のピッチと孔間のピッチとの双方を変えた構成とすることなどによって、網状構造体1に異なる見掛け密度を設けることもできる。
【0044】
また、オリフィス14の断面積を変更することによって連続線状体前駆体2aの吐出時の圧力損失を付与した場合には、溶融状態のポリエステル系熱可塑性エラストマーと特定の置換アミド類とを含む組成物をノズルから一定の圧力で吐出した場合に、圧力損失の大きいオリフィス14ほど、連続線状体前駆体2aの吐出量が小さくなる。この原理を利用して、各オリフィス14から吐出される連続線状体前駆体2aによって形成される連続線状体2の異繊度化が可能となる。
【0045】
そして、図5に示すように、連続線状体前駆体2aは、複数のオリフィス14から、その融点よりも高い温度の雰囲気に吐出され、曲がりくねらせることにより溶融状態でランダムループを形成する。この際、ノズル面とポリエステル系熱可塑性エラストマーと特定の置換アミド類とを含む組成物を固化させる冷却媒体上に設置した引取りコンベアとの距離、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと特定の置換アミド類とを含む組成物の溶融粘度、オリフィスの孔径と吐出量などによりループ径と線状体の繊度が決まる。冷却媒体53が収容された冷却槽54に設けられた対向する一対の引き取りコンベア51,52のエンドレスネット55間に連続線状体前駆体2aを挟み込み、停留させることでループが発生し、オリフィスの孔間隔をループが接触できる孔間隔にしておくことで発生したループを互いに接触させる。このように互いにループを接触させることで、ループがランダムなループによる三次元形態を形成しつつ、ループの互いに接触した部分(接触部)は融着する。次いでランダムな三次元形態を形成しつつ接触部が融着した連続線状体を連続して冷却媒体53中に引込み固化させ網状構造体1が形成される。
【0046】
ここで、引き取りコンベア51,52において、溶融状態の三次元ランダムループ構造を有する網状構造体1の両側の外表面の曲りくねった連続線状体前駆体2aを好ましくは30°以上、より好ましくは45°以上折り曲げて変形させ、網状構造体1の外表面を実質的に平坦にすると同時に、曲げられていない連続線状体前駆体2aとの接触点で接着するように網状構造体1を形成することが好ましい。その後、連続して冷却媒体53(通常は室温の水を用いる方が冷却速度を早くでき、コスト面でも安くなるので好ましい。)で急冷して本発明の網状構造体1を得る。次いで水切り乾燥するが、冷却媒体53中に界面活性剤などを添加すると、水切りや乾燥がしにくくなったり、ポリエステル系熱可塑性エラストマーが膨潤したりすることがあり、好ましくない。
【0047】
また、一旦冷却後、網状構造体1をアニーリング処理することによって、疑似結晶化処理を行なうことが好ましい。疑似結晶化処理のための網状構造体1のアニーリング温度は、少なくともポリエステル系熱可塑性エラストマーの融点(Tm)よりも10℃以上低く、Tanδのα分散立ち上がり温度(Tαcr)以上であることが好ましい。この処理で、融点以下に吸熱ピークを持ち、擬似結晶化処理温度をしないもの(吸熱ピークを有しないもの)と比較して、網状構造体1の耐熱性および耐へたり性が著しく向上する。好ましい擬似結晶化処理温度は(Tαcr+10℃)から(Tm−20℃)である。単なる熱処理により疑似結晶化させると耐熱性および耐へたり性が向上する。さらには一旦冷却後、10%以上の圧縮変形を付与してアニーリング処理することで耐熱性および耐へたり性が著しく向上するのでより好ましい。また、一旦冷却後、乾燥工程を経する場合、乾燥温度をアニーリング温度とすることで同時に疑似結晶化処理を行うができる。また、乾燥工程とは別にアニーリング処理を行なってもよい。
【0048】
次いで所望の長さまたは形状に切断してクッション材に用いる。本発明の網状構造体をクッション材に用いる場合、その使用目的、使用部位により使用する樹脂、繊度、ループ径、嵩密度を選択する必要がある。たとえば、表層部のワディングに用いる場合は、ソフトなタッチと適度の沈み込みと張りのある膨らみを付与するために、低密度で細い繊度、細かいループ径にするのが好ましく、中層部のクッション体としては、共振振動数を低くし、適度の硬さと圧縮時のヒステリシスを直線的に変化させて体型保持性を良くし、耐久性を保持させるために、中密度で太い繊度、やや大きいループ径が好ましい。勿論、用途との関係で要求性能に合うべく他の素材、たとえば短繊維集合体からなる硬綿クッション材、不織布などと組合せて用いることも可能である。また、性能を低下させない範囲で製造過程から成形体に加工し、製品化する任意の段階で難燃化、防虫抗菌化、耐熱化、撥水撥油化、着色、芳香などの機能付与を薬剤添加などの処理加工ができる。
【実施例】
【0049】
以下に実施例で本発明を詳述する。なお、実施例中の評価は以下の方法で行った。
<樹脂特性>
(1)融点(Tm)
島津製作所TA50、DSC50型示差熱分析計を使用し、10gの試料を昇温速度20℃/分で20℃から250℃まで測定した吸発熱曲線から吸熱ピーク(融解ピーク)温度を求めた。
【0050】
(2)曲げ弾性率
射出成形機によって長さ125mm×幅12mm×厚み6mmの試験片を作成し、ASTM D790に準拠して測定した。
【0051】
<網状構造体の特性>
(1)25%圧縮硬さ
試料を30cm×30cmの大きさに切断し、オリエンテック社製テンシロンにてφ200mm圧縮板にて75%まで圧縮して得た応力−歪み曲線の25%圧縮時の応力で示す(n=3の平均値)。
【0052】
(2)見掛け密度
試料を15cm×15cmの大きさに切断し、4か所の高さを測定し、体積を求め、試料の重さを体積で徐した値で示す(n=4の平均値)。
【0053】
(3)線状体の繊度
網状構造体を20cm×20cmの大きさに切断し、10か所から線状体を採取する。10か所で採取した線状体の40℃での比重を密度勾配管を用いて測定する。更に、上記10か所で採取した線状体の断面積を顕微鏡で拡大した写真より求め、それより、線状体の長さ10000m分の体積を求める。得られた比重と体積を乗じた値を繊度(線状体10000m分の重量)とする(n=10の平均値)。
【0054】
(4)中空率
網状構造体から線状体を採取し、液体窒素で冷却した後に割断し、その断面を電子顕微鏡で倍率50倍にて観察し、得られた画像をCADシステムにて解析して樹脂部分の断面積(A)と中空部分の断面積(B)を測定し、{B/(A+B)}×100の式により中空率を算出した。
【0055】
(5)床つき感
50cm四方、厚み5cm、嵩密度0.040〜0.050g/cmの網状構造体に体重40〜100kgの範囲にあるパネラー30名(20歳以上40歳未満の男性:5名、20歳以上40歳未満の女性:5名、40歳以上60歳未満の男性:5名、40歳以上60歳未満の女性:5名、60歳以上80歳以下の男性:5名、60歳以上80歳以下の女性:5名)を座らせ、座ったときの「どすん」と床に当たった感じの程度を感覚的に下記の分類で定性評価し、点数付けを行った。
【0056】
感じない:2点、
殆ど感じない:1点、
やや感じる:−1点、
感じる:−2点。
【0057】
次に、得られた30名の点数結果を平均し、下記のように分類した。
2〜1点:◎、
1〜0点:○、
0〜−1点:△、
−1〜−2点:×。
【0058】
(6)消音性
50cm四方、厚み5cm、嵩密度0.040〜0.050g/cmの網状構造体に体重40〜100kgの範囲にあるパネラー30名(20歳以上40歳未満の男性:5名、20歳以上40歳未満の女性:5名、40歳以上60歳未満の男性:5名、40歳以上60歳未満の女性:5名、60歳以上80歳以下の男性:5名、60歳以上80歳以下の女性:5名)を座らせ、座ったときの圧縮音を感覚的に下記の分類で定性評価し、点数付けした。
【0059】
感じない:2点、
殆ど感じない:1点、
やや感じる:−1点、
感じる:−2点。
【0060】
次に、得られた30名の点数結果を平均し、下記のように分類した。
2〜1点:◎、
1〜0点:○、
0〜−1点:△、
−1〜−2点:×。
【0061】
<合成例1>
ジメチルテレフタレート(DMT)と1,4−ブタンジオール(1,4−BD)とポリテトラメチレングリコール(PTMG:平均分子量1000)とを少量の触媒と共に仕込み、常法によりエステル交換後、昇温減圧しつつ重縮合せしめ、DMT/1,4−BD/PTMG=100/84/16mol%のポリエステルエーテルブロック共重合エラストマーを生成させ、次いで抗酸化剤1%を添加混合練込み後ペレット化し、50℃48時間真空乾燥してポリエステル系熱可塑性エラストマー原料(A−1)を得た。その特性を表1に示す。
【0062】
<合成例2>
ジメチルテレフタレート(DMT)と1,4−ブタンジオール(1,4−BD)とポリテトラメチレングリコール(PTMG:平均分子量1000)とを少量の触媒と共に仕込み、常法によりエステル交換後、昇温減圧しつつ重縮合せしめ、DMT/1,4−BD/PTMG=100/72/28mol%のポリエステルエーテルブロック共重合エラストマーを生成させ、次いで抗酸化剤1%を添加混合練込み後ペレット化し、50℃48時間真空乾燥してポリエステル系熱可塑性エラストマー原料(A−2)を得た。その特性を表1に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
<実施例1>
100kgの合成例1で得られたポリエステル系熱可塑性エラストマー(A−1)、0.5kgのエチレンビスオレイン酸アミド(日本化成株式会社製「スリパックス−O」)、0.25kgのヒンダードフェノール系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブAO330」)および0.25kgの燐系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブPEP36」)をタンブラーにて5分間混合した後、スクリュー径φ57mmの二軸押出機でシリンダー温度220℃、スクリュー回転数130rpmにて溶融混練し、水浴にストランド状に押出して冷却後、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと特定の置換アミド類とを含む組成物のペレットを得た。得られた組成物を幅65cm、長さ5cmのノズル有効面に孔径1.0mmの丸型中実形状オリフィスを幅方向5.2mm、長さ方向6.0mmの間隔で配列したノズルより、240℃の温度で溶融して、単孔吐出量を2.0g/分で吐出させ、ノズル面30cm下に冷却水を配し、幅70cmのステンレス製エンドレスネットを平行に5cm間隔で一対の引取りコンベアを水面上に一部出るように配した上に引取り、接触部分を融着させつつ、両面を挟み込みつつ毎分0.5mの速度で冷却水中へ引込み固化させ、次いで100℃の熱風乾燥機中で15分疑似結晶化処理した後、疑似結晶化処理した後、所定の大きさに切断して網状構造体を得た。得られた網状構造体の特性を表2に示す。
【0065】
<実施例2>
100kgの合成例1で得られたポリエステル系熱可塑性エラストマー(A−1)、0.5kgのエチレンビスオレイン酸アミド(日本化成株式会社製「スリパックス−O」)、0.25kgのヒンダードフェノール系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブAO330」)および0.25kgの燐系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブPEP36」)をタンブラーにて5分間混合した後、スクリュー径φ57mmの二軸押出機でシリンダー温度220℃、スクリュー回転数130rpmにて溶融混練し、水浴にストランド状に押出して冷却後、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと特定の置換アミド類とを含む組成物のペレットを得た。得られた組成物を幅65cm、長さ5cmのノズル有効面に孔径1.0mmの丸型中空形状オリフィスを幅方向5.2mm、長さ方向6.0mmの間隔で配列したノズルより、240℃の温度で溶融して、単孔吐出量を2.0g/分で吐出させ、ノズル面30cm下に冷却水を配し、幅70cmのステンレス製エンドレスネットを平行に5cm間隔で一対の引取りコンベアを水面上に一部出るように配した上に引取り、接触部分を融着させつつ、両面を挟み込みつつ毎分1.18mの速度で冷却水中へ引込み固化させ、次いで100℃の熱風乾燥機中で15分疑似結晶化処理した後、疑似結晶化処理した後、所定の大きさに切断して網状構造体を得た。得られた網状構造体の特性を表2に示す。
【0066】
<実施例3>
100kgの合成例1で得られたポリエステル系熱可塑性エラストマー(A−1)、0.5kgのN−オレイルステアリン酸アミド(日本化成株式会社製「ニッカアマイド−OS」)、0.25kgのヒンダードフェノール系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブAO330」)および0.25kgの燐系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブPEP36」)をタンブラーにて5分間混合した後、スクリュー径φ57mmの二軸押出機でシリンダー温度220℃、スクリュー回転数130rpmにて溶融混練し、水浴にストランド状に押出して冷却後、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと特定の置換アミド類とを含む組成物のペレットを得た。得られた組成物を幅65cm、長さ5cmのノズル有効面に孔径3.0mmの丸型中空形状オリフィスを幅方向5.2mm、長さ方向6.0mmの間隔で配列したノズルより、240℃の温度で溶融して、単孔吐出量を2.5g/分で吐出させ、ノズル面30cm下に冷却水を配し、幅70cmのステンレス製エンドレスネットを平行に5cm間隔で一対の引取りコンベアを水面上に一部出るように配した上に引取り、接触部分を融着させつつ、両面を挟み込みつつ毎分1.15mの速度で冷却水中へ引込み固化させ、次いで100℃の熱風乾燥機中で15分疑似結晶化処理した後、疑似結晶化処理した後、所定の大きさに切断して網状構造体を得た。得られた網状構造体の特性を表2に示す。
【0067】
<実施例4>
100kgの合成例2で得られたポリエステル系熱可塑性エラストマー(A−2)、1.0kgのエチレンビスオレイン酸アミド(日本化成株式会社製「ニッカアマイド−OS」)、0.25kgのヒンダードフェノール系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブAO330」)および0.25kgの燐系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブPEP36」)をタンブラーにて5分間混合した後、スクリュー径φ57mmの二軸押出機でシリンダー温度220℃、スクリュー回転数130rpmにて溶融混練し、水浴にストランド状に押出して冷却後、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと特定の置換アミド類とを含む組成物のペレットを得た。得られた組成物を幅65cm、長さ5cmのノズル有効面に孔径3.0mmの丸型中空形状オリフィスを幅方向5.2mm、長さ方向6.0mmの間隔で配列したノズルより、240℃の温度で溶融して、単孔吐出量を2.5g/分で吐出させ、ノズル面30cm下に冷却水を配し、幅70cmのステンレス製エンドレスネットを平行に5cm間隔で一対の引取りコンベアを水面上に一部出るように配した上に引取り、接触部分を融着させつつ、両面を挟み込みつつ毎分0.77mの速度で冷却水中へ引込み固化させ、次いで100℃の熱風乾燥機中で15分疑似結晶化処理した後、疑似結晶化処理した後、所定の大きさに切断して網状構造体を得た。得られた網状構造体の特性を表2に示す。
【0068】
<実施例5>
100kgの合成例2で得られたポリエステル系熱可塑性エラストマー(A−2)、2.0kgのN−オレイルステアリン酸アミド(日本化成株式会社製「ニッカアマイド−OS」)、0.25kgのヒンダードフェノール系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブAO330」)および0.25kgの燐系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブPEP36」)をタンブラーにて5分間混合した後、スクリュー径φ57mmの二軸押出機でシリンダー温度220℃、スクリュー回転数130rpmにて溶融混練し、水浴にストランド状に押出して冷却後、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと特定の置換アミド類とを含む組成物のペレットを得た。得られた組成物を幅65cm、長さ5cmのノズル有効面に孔径3.0mmの丸型中空形状オリフィスを幅方向5.2mm、長さ方向6.0mmの間隔で配列したノズルより、240℃の温度で溶融して、単孔吐出量を2.5g/分で吐出させ、ノズル面30cm下に冷却水を配し、幅70cmのステンレス製エンドレスネットを平行に5cm間隔で一対の引取りコンベアを水面上に一部出るように配した上に引取り、接触部分を融着させつつ、両面を挟み込みつつ毎分1.20mの速度で冷却水中へ引込み固化させ、次いで100℃の熱風乾燥機中で15分疑似結晶化処理した後、疑似結晶化処理した後、所定の大きさに切断して網状構造体を得た。得られた網状構造体の特性を表2に示す。
【0069】
<実施例6>
100kgの合成例2で得られたポリエステル系熱可塑性エラストマー(A−2)、5.0kgのエチレンビスオレイン酸アミド(日本化成株式会社製「ニッカアマイド−OS」)、0.25kgのヒンダードフェノール系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブAO330」)および0.25kgの燐系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブPEP36」)をタンブラーにて5分間混合した後、スクリュー径φ57mmの二軸押出機でシリンダー温度220℃、スクリュー回転数130rpmにて溶融混練し、水浴にストランド状に押出して冷却後、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと特定の置換アミド類とを含む組成物のペレットを得た。得られた組成物を幅65cm、長さ5cmのノズル有効面に孔径3.0mmの丸型中空形状オリフィスを幅方向5.2mm、長さ方向6.0mmの間隔で配列したノズルより、240℃の温度で溶融して、単孔吐出量を2.5g/分で吐出させ、ノズル面30cm下に冷却水を配し、幅70cmのステンレス製エンドレスネットを平行に5cm間隔で一対の引取りコンベアを水面上に一部出るように配した上に引取り、接触部分を融着させつつ、両面を挟み込みつつ毎分1.20mの速度で冷却水中へ引込み固化させ、次いで100℃の熱風乾燥機中で15分疑似結晶化処理した後、疑似結晶化処理した後、所定の大きさに切断して網状構造体を得た。得られた網状構造体の特性を表2に示す。
【0070】
<比較例1>
100kgの合成例1で得られたポリエステル系熱可塑性エラストマー(A−1)、0.25kgのヒンダードフェノール系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブAO330」)および0.25kgの燐系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブPEP36」)をタンブラーにて5分間混合した後、スクリュー径φ57mmの二軸押出機でシリンダー温度220℃、スクリュー回転数130rpmにて溶融混練し、水浴にストランド状に押出して冷却後、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと特定の置換アミド類とを含む組成物のペレットを得た。得られた組成物を幅65cm、長さ5cmのノズル有効面に孔径1.0mmの丸型中空形状オリフィスを幅方向5.2mm、長さ方向6.0mmの間隔で配列したノズルより、240℃の温度で溶融して、単孔吐出量を2.5g/分で吐出させ、ノズル面30cm下に冷却水を配し、幅70cmのステンレス製エンドレスネットを平行に5cm間隔で一対の引取りコンベアを水面上に一部出るように配した上に引取り、接触部分を融着させつつ、両面を挟み込みつつ毎分1.20mの速度で冷却水中へ引込み固化させ、次いで100℃の熱風乾燥機中で15分疑似結晶化処理した後、疑似結晶化処理した後、所定の大きさに切断して網状構造体を得た。得られた網状構造体の特性を表2に示す。
【0071】
<比較例2>
100kgの合成例2で得られたポリエステル系熱可塑性エラストマー(A−2)、0.25kgのヒンダードフェノール系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブAO330」)および0.25kgの燐系酸化防止剤(ADEKA社製「アデカスタブPEP36」)をタンブラーにて5分間混合した後、スクリュー径φ57mmの二軸押出機でシリンダー温度220℃、スクリュー回転数130rpmにて溶融混練し、水浴にストランド状に押出して冷却後、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと特定の置換アミド類とを含む組成物のペレットを得た。得られた組成物を幅65cm、長さ5cmのノズル有効面に孔径1.0mmの丸型中空形状オリフィスを幅方向5.2mm、長さ方向6.0mmの間隔で配列したノズルより、240℃の温度で溶融して、単孔吐出量を2.5g/分で吐出させ、ノズル面30cm下に冷却水を配し、幅70cmのステンレス製エンドレスネットを平行に5cm間隔で一対の引取りコンベアを水面上に一部出るように配した上に引取り、接触部分を融着させつつ、両面を挟み込みつつ毎分1.22mの速度で冷却水中へ引込み固化させ、次いで100℃の熱風乾燥機中で15分疑似結晶化処理した後、疑似結晶化処理した後、所定の大きさに切断して網状構造体を得た。得られた網状構造体の特性を表2に示す。
【0072】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、高い振動吸収性を示す網状構造体に関するものであり、その特性を生かして車両用座席、寝具などに使用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 網状構造体、2 連続線状体、3 ランダムループ、4 孔、11 組成物、12 溶融押出機、13 吐出装置、14 オリフィス、51,52 引き取りコンベア、53 冷却媒体、54 冷却槽、55 エンドレスネット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
100〜100000デシテックスの連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめて、接触部の大部分を融着させてなる三次元ランダムループ接合構造を有する網状構造体であって、
該連続線状体が、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと、R−CONH−RあるいはR−CONH−(CH−NHCO−Rからなる構造を持つ置換アミド類(R,Rは、それぞれ独立して炭素数6以上の脂環族基、芳香族基、飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基のいずれかの基であり、nは1〜20の整数である。)とを含む組成物で構成されており、前記ポリエステル系熱可塑性エラストマーと前記置換アミド類との重量比が100:0.01〜20であることを特徴とする網状構造体。
【請求項2】
前記連続線状体が中空断面であることを特徴とする請求項1に記載の網状構造体。
【請求項3】
前記連続線状体が異形断面であることを特徴とする請求項1に記載の網状構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−91862(P2013−91862A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232840(P2011−232840)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000003160)東洋紡株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】