説明

網終端装置

【課題】 設置した状態で機能変更が行える、また、空き帯域を利用して自装置のメンテナンスを行える網終端装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、ISDN回線を終端し、ISDN回線とユーザ端末との間で信号の受け渡しを行う網終端装置において、ISDN回線を終端する回線手段部1と端末に対しインタフェースを行う端末側インタフェース部2とを分離し、回線手段部1及び端末側インタフェース部2が授受する信号を制御プロセッサ3を経由させるか否かを切り替える切り替え回路4と、端末の通信とは独自に自装置の通信を行い、回線がP−P回線であっても、端末設置後にBチャネルが空いている状態であれば、Iフレームの番号を修正することによって、回線を通しての本装置のメンテナンスおよびメモリ5に格納した装置の機能を記述するプログラムを書き換えを行う制御プロセッサ3とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は網終端装置に関し、例えば、ポイント−ポイント接続設定のISDN( Integrated Services Digital Network)回線に接続され、プログラムにより機能を変更できる網終端装置(DSU:Digital Service Unit)に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来の網終端装置(DSU)は、網側の回線を終端する回線終端部(U点インタフェース)と、ユーザ側の端末に対してインタフェースを行う端末側インタフェース部(T点インタフェース)とが一体に構成されてその機能も固定であり、一旦設置された後に機能変更を行う網終端装置は殆ど存在しなかった。
【0003】また、プログラムに基づいて処理を行い、プログラムの変更により機能変更を行える網終端装置であっても、機能変更は製造時に工場で行われ、設置後に変更を行う機能を有していなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近のネットワークサービスの向上等に伴い、網終端装置に対しても付加機能を持たせるものが増えてきており、一度設置した後に機能アップ等によりプログラム等の変更を行う必要性が高まってきている。
【0005】しかしながら、従来の網終端装置には、プログラムの変更によって機能変更を行えないか、または機能変更を行えても通信回線によるダウンロードでプログラムの変更を行えないため、一度設置した後は取り外して回収する等の方法によってしか機能変更できないという課題があった。
【0006】また、網側の回線がISDN回線である場合に、ISDN回線にはP−MP回線(ポイント−マルチポイント接続形態)とP−P回線(ポイント−ポイント接続形態)とがあり、ここで、特にP−P回線では網と通信できる端末は1台のみであるため、網終端装置に接続された端末(宅内装置)が呼制御用のレイヤ2リンクを網との間に張ると、その端末以外が網と通信することはできない。従って、P−P回線で通信中のときには、Bチャネルが2つ利用できるにも関わらず、Bチャネルの空きチャネル(一般的にはチャネルに限定せず帯域であっても良い)を利用してプログラムのダウンロード等の自装置のメンテナンスが行えないという課題があった。
【0007】そのため、設置した状態で機能変更が行える、また、空き帯域を利用して自装置のメンテナンスを行える網終端装置が求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するため、第1の本発明は、少なくとも網側及び又はユーザ側とのインタフェース処理に必要な情報を記憶する記憶手段と、制御手段が前記記憶手段の記憶情報に基づいて制御することよって、網側及びユーザ側に対しインタフェース処理を行い、一方の側から他方の側へデータ信号の受け渡しを行うインタフェース手段とを備える網終端装置において、(1)前記インタフェース手段は、網側に対しインタフェース処理を行う網側インタフェース部と、ユーザ側に対しインタフェース処理を行うユーザ側インタフェース部とを有し、(2)前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された情報を変更する場合に、前記網側インタフェース部及び又は前記ユーザ側インタフェース部に、前記記憶手段の記憶情報を変更するための情報を授受させ、受信した変更情報に基づいて、前記記憶手段に記憶している情報を変更することを特徴とする。
【0009】また、第2の本発明は、制御手段が制御することよって、網側及びユーザ側に対しインタフェースを行い、一方の側から他方の側へデータ信号の受け渡しを行うインタフェース手段を備え、前記制御手段が、自装置のメンテナンスを行うための情報を、網側及び又はユーザ側に対して前記インタフェース手段に授受させる網終端装置において、(1)網側及びユーザ側に対してインタフェースを行うデータ信号には、各側に対して送信する順番及び受信する順番に所定規則で番号が付されており、(2)前記インタフェース手段は、網側に対しインタフェースを行う網側インタフェース部と、ユーザ側に対しインタフェースを行うユーザ側インタフェース部とを有し、(3)前記制御手段は、前記網側インタフェース部及び又は前記ユーザ側インタフェース部に、前記メンテナンス情報を送信させる場合に、各側において所定規則になるように番号を付して送信させ、一方、このメンテナンス情報の送受信によって、一方の側から受けたデータ信号に付された番号をそのままで他方の側へ渡すと、他方の側のデータ信号の番号が所定規則にならなくなる場合には、他方の側のデータ信号が所定規則になるように番号を修正してからそのデータ信号を他方の側へ渡すことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明による網終端装置を、ポイント−ポイント接続設定のISDN(Integrated Services Digital Network)回線に接続され、プログラムにより機能を変更できる網終端装置に適用した一実施形態について、図面を参照しながら詳述する。
【0011】(A) 構成の説明図1は、この実施形態の網終端装置(DSU)の構成を示すブロック図である。図1において、この実施形態の網終端装置は、回線終端部(U点インタフェース部)1と、端末側インタフェース部(T点インタフェース部)2と、制御プロセッサ(CPU)3と、切り替え回路4と、メモリ5とを有する。
【0012】回線終端部1は、ISDN回線(U点インタフェース)に接続され、後述する制御プロセッサ3の制御に基づく通信手順で、回線から本装置宛てに与えられた信号を受信するとともに、この受信信号を呼制御信号(Dチャネル信号)と通信信号(Bチャネル信号)とに分離し、一方逆に、Dチャネル信号とBチャネル信号とが与えられるとこれらの信号を合成し、制御プロセッサ3の制御に基づく通信手順で、この合成信号を網(送信先の目的の装置)へ送信するものである。なお、前述の通信手順には、単に回線に対し信号を通常に授受する手順だけではなく、信号が欠落した場合の再送信や、回線が輻輳した場合の遅延制御など、様々なサービス機能を有する手順も含まれる。
【0013】端末側インタフェース部2は、ユーザ側の宅内配線(T点インタフェース)に接続され、制御プロセッサ3の制御に基づく通信手順で、端末(例えば、ディジタル電話機やG4ファクシミリ、ターミナルアダプタ等の宅内装置)から与えられた信号を受信するとともに、この受信信号をDチャネル信号とBチャネル信号とに分離し、一方逆に、Dチャネル信号とBチャネル信号とが与えられるとこれらの信号を合成し、制御プロセッサ3の制御に基づく通信手順で端末へ送信するものである。なお、ここでの通信手順にも、回線終端部1と同様に、単に端末に対し信号を通常に授受する手順だけではなく、信号が欠落した場合の再送信などの様々なサービス機能を有する手順も含まれる。
【0014】なお、前述の回線終端部1及び端末側インタフェース部2の説明では、“通信手順”という言葉を用いて、回線及び端末に対するインタフェースを具体的に説明したが、勿論“通信手順”の言葉に限定されることなく、回線終端部1及び端末側インタフェース部2は、もっと広い概念で回線及び端末に対しデータ通信を行う(“インタフェース”を行う)ものであっても良い。
【0015】制御プロセッサ3は、本装置のメンテナンス(プログラム変更等によるダウンロードを含む)のための通信(発信または着信)の必要が生じると、後述する切り替え回路4の経路をb側に切り替えて(なお、後述するように、通常は常にb側に切り替わっているので切り替える必要はない)、回線終端部1あるいは端末側インタフェース部2で分離されたDチャネル信号を処理するものである。また、制御プロセッサ3は、メモリ5に記憶されているプログラムに基づいて、回線終端部1および端末側インタフェース部2のインタフェース制御を行うものである。ここで、回線終端部1で分離されたDチャネル信号から、プログラム変更のためのダウンロード制御信号が与えられた場合には、この制御信号に基づいて回線終端部1で分離されたBチャネル信号から変更するプログラム情報を取り込み、さらに、取り込んだプログラム情報に基づいて、メモリ5に記憶されているプログラムを変更(追加や削除の概念も含む)するものである。
【0016】切り替え回路4は、回線終端部1あるいは端末側インタフェース部2で分離されたDチャネル信号を制御プロセッサ3を通して接続するか(図中「b側」)、回線終端部1と端末側インタフェース部2との間で直接接続するか(図中「a側」)を制御プロセッサ3の指令により切り替えるものである。なお、通常は常にb側に切り替えられており、a側に切り替えられる場合としては、制御プロセッサが故障した場合や、回線終端部1及び端末側インタフェース部2に対して全く制御を行わない場合など非常時の場合に限られる。また、このような非常時の場合に制御プロセッサ3からDチャネル信号を切り離し、回線と端末とを直接接続することによって、制御プロセッサ3の障害のために回線と端末間で通信ができなくなることを防ぐことができる。
【0017】メモリ5は、フラッシュROMまたはEEPROMあるいは、バックアップされたRAM等であっても良く、回線終端部1及び端末側インタフェース部2における回線及び端末に対するインタフェース処理及び本装置のメンテナンス処理に必要な情報を少なくとも含むプログラムを記憶するものである。ここで、図2にメモリ5のメモリマップを示す。メモリ5の構造として、固定部分(書き換えない部分)として回線からのプログラム等のダウンロード処理(ダウンロード中のT点及びU点側に対するインタフェース処理を含む)部のエリアと、また、そのの書換え用プログラムのためのエリアとから構成される。
【0018】(B) 動作の説明次に、以上のような構成を有する網終端装置の動作を、回線(網)に対しポイント−ポイント接続設定された端末の通信中に(なお、この状態は、本実施形態においるメンテナンス処理の一番厳しい動作状態になる)、回線に対しメンテナンス(プログラム変更を含む)処理を行う場合を例にして、図1〜図4を参照しながら説明する。
【0019】まず、プログラム変更等によるダウンロードを含む自己のメンテナンスのための通信を行わない場合には、本装置は回線と端末との間でデータ信号の受け渡しのみを行い、端末と網間でポイント−ポイント接続設定の通信が行われることになる。
【0020】ここで、補足的な説明になるが、メンテナンス処理の一番厳しい動作状態としたポイント−ポイント接続設定の通信について、簡単に説明する。
【0021】ISDN回線ではDチャネルで行われる網との呼制御のための信号はレイヤ1(物理レイヤ)、レイヤ2(リンクレイヤ)、レイヤ3(ネットワークレイヤ)からなる階層をもっている。ここでレイヤ2は伝送エラーなどの誤り訂正や受信ビジー状態の制御などのためにIフレームと呼ばれる送信番号(実際には0〜127を繰り返す連番号)を持ったフレームを使用する。また、ポイント−ポイント接続設定とは、この網終端装置のユーザ側に端末を1台しか接続しない設定である。
【0022】すなわち、回線(網)に対しポイント−ポイント接続設定された状態においては、網に対して授受する信号のIフレームの送信番号は一種類であり、仮に複数種類の送信番号が送信されれば、同一番号の複数の信号が授受されてその信号は無効になってしまう。
【0023】そのため、以下に説明するように、この実施形態では、自己のメンテナンスのための信号によって、同一番号の複数の信号が網側に対し授受されないように、また、網側のIフレームの番号と端末のIフレームの番号とがそれぞれ連番号になるように、制御プロセッサ3においてIフレームの番号を修正している。そこで次に、自己のメンテナンスを行う場合について説明する。
【0024】本装置に自己のメンテナンスのための通信の必要が生じると(なお、回線からダウンロードの制御信号が与えられた場合を含む)、制御プロセッサ3は切り替え回路4の経路をa側からb側に切り替える(なお、通常はb側になっているので切り替える必要はない)。そしてDチャネル信号を制御プロセッサ3に一旦取り込むことで、網と端末間の通信を維持したまま、制御プロセッサ3は自己のメンテナンスのための呼制御信号を網側と接続することができる。そして本装置とメンテナンスを行う遠隔との通信が成立した場合には、回線のBチャネル信号を使用して、遠隔地とメンテナンス情報の送受信や機能変更のためのプログラムのダウンロード等を行う。
【0025】例えば、図3は、回線からダウンロードの制御信号が与えられ、その制御信号に基づいてプログラムを変更する場合の動作を示すフローチャートである。図3において、本装置に対しダウンロードを行う遠隔装置から、ISDN回線のDチャネルを利用してダウンロード制御信号が与えられると(SP1)、その制御信号は回線終端部1によって受信及び分離されて制御プロセッサ3に与えられる(SP2)。制御プロセッサ3では、そのダウンロード制御信号が認識され(SP3)、その後、ダウンロードを行う遠隔装置と制御信号をやり取りしながら、遠隔装置からBチャネルを利用して与えられる変更プログラムが取り込まれ(SP4)、メモリ5に記憶されているプログラムがその変更プログラムに変更されることになる(SP5)。
【0026】ところで、回線がP−P回線(ポイント−ポイント接続設定)であった場合、回線終端部1と端末側インタフェース部2との間は切り替え回路4で分離され、呼制御信号を一旦制御プロセッサ3に取り込むことで、端末と網との間で行われていた通信を端末と本装置間の通信、本装置と網との通信に分離する。そして本装置自身のための通信以外に端末のための通信を網と本装置間で代行して行う。
【0027】図4は、P−P回線の通信中に本装置自身のための通信を行う場合のIフレーム番号の修正方法の説明図である。図4において、端末から網へP−P回線で送信番号“m”まで送信し(SP11〜SP14)、ここで、本装置が網へ送信する場合には、その信号番号“n”はm+1であり(SP15)、その後端末からの次のフレーム“m+1”は網へはn+1(=m+2)に修正されて渡される(SP16)。一方、網から端末へ送信番号“p”の信号が受信されて(SP17)、次に網から本装置へ受信される信号の送信番号“o”はp+1となり(SP18)、その後網からの次のフレーム“p+1”はo+1に修正されて渡される(SP19)。
【0028】このようにして、網に対して授受するIフレームの番号と、端末に対して授受するIフレームの番号とが番号順になり、P−P回線の通信中においても、本装置と網との間で通信を行うことが可能となる。
【0029】(C) 効果の説明以上のように、この一実施形態によれば、回線終端部1と端末側インタフェース部2とを分離し、切り替え回路4によって回線手段部1及び端末側インタフェース部2が授受する信号を制御プロセッサを経由させるか否かを切り替え、制御プロセッサ3が端末の通信とは独自に自己の通信をすることを可能としたため、回線がP−P回線であっても、端末設置後にBチャネルが1回線空いている状態であれば、端末の使用状況にかかわらず、回線を通しての本装置のメンテナンスおよびメモリに格納した装置の機能を記述するプログラムの書き換えが可能となる。
【0030】(D) 他の実施形態前記一実施形態では、制御用信号(Dチャネ信号)の伝達経路を切り替え回路4によって切り替えたが、これはCPU障害やメモリ障害、プログラム障害などの場合に回線終端部1と端末側インタフェース部2を直接接続して、端末の通信を保証するためのものであり、機能上は切り替え回路4を常にCPU3を経由するようにしても良い。すなわち、この場合、切り替え回路4は設けなくても良い。
【0031】また、前記一実施形態では、回線(網)に対しポイント−ポイント接続設定された端末の通信中にメンテナンスを行う動作を示したが、上述したようにこの状態は一番厳しい動作状態であり、ポイント−ポイント接続設定に限定することなく、また、端末の通信中に限定することなく、本装置が網に対し通信できる状態であれば、同様なメンテナンスを行うことができることは勿論である。例えば、ポイント−マルチポイント接続設定であれば、端末とは別にIフレームの番号を設定できるので、前述したようなフレーム番号の修正処理は不要になる。
【0032】さらに、前記一実施形態では、回線に対しメンテナンスを行う動作を示したが、同様の動作で端末に対しメンテナンスを行うものであっても良く、また、その双方に対しメンテナンスを行うものであっても良い。
【0033】さらにまた、前記一実施形態では、ISDNの回線に接続された網終端装置に本発明を適用したものを示したが、ISDNに限定することなく、一般の所定の通信手順で通信を行うネットワーク回線であれば、同様に本発明を適用できる。
【0034】また、前記一実施形態では、メモリ5に書き換えできないエリアと書き換えできるエリアとを設け、書き換えできないエリアにプログラムのダウンロードを含むプログラムを書き込むものを示したが、この書き換えエリア部分をメモリ5から分離して制御プロセッサ3と融合させ、一体としてこのようなダウンロード等の処理を行う制御プロセッサ3としても良い。さらに、この処理をプログラムに基づいて行うものに限定しなくても勿論良い。
【0035】さらに、前記一実施形態では、プログラムを変更する部分の処理内容については特に説明しなかったが、一般的には、通信手順(又はプロトコル)の基本的な部分は変更せずに(これを変更すると次の通信が前の通信手順でできなくなるため)、機能を追加する処理部分や細部の処理部分が主に変更されることになる。但し、通信手順を変更し、次の通信からは変更した通信手順で通信を行うのであれば、通信手順を変更しても勿論良い。
【0036】
【発明の効果】以上のように、第1の本発明によれば、少なくとも網側及び又はユーザ側とのインタフェース処理に必要な情報を記憶する記憶手段と、制御手段が前記記憶手段の記憶情報に基づいて制御することよって、網側及びユーザ側に対しインタフェース処理を行い、一方の側から他方の側へデータ信号の受け渡しを行うインタフェース手段とを備える網終端装置において、(1)前記インタフェース手段は、網側に対しインタフェース処理を行う網側インタフェース部と、ユーザ側に対しインタフェース処理を行うユーザ側インタフェース部とを有し、(2)前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された情報を変更する場合に、前記網側インタフェース部及び又は前記ユーザ側インタフェース部に、前記記憶手段の記憶情報を変更するための情報を授受させ、受信した変更情報に基づいて、前記記憶手段に記憶している情報を変更するので、自装置を設置した状態で、網側及び又はユーザ側からの変更情報に基づいて、前記記憶手段に記憶された情報を変更でき、自装置の機能変更を行うことができるようになる。
【0037】また、第2の本発明によれば、制御手段が制御することよって、網側及びユーザ側に対しインタフェースを行い、一方の側から他方の側へデータ信号の受け渡しを行うインタフェース手段を備え、前記制御手段が、自装置のメンテナンスを行うための情報を、網側及び又はユーザ側に対して前記インタフェース手段に授受させる網終端装置において、(1)網側及びユーザ側に対してインタフェースを行うデータ信号には、各側に対して送信する順番及び受信する順番に所定規則で番号が付されており、(2)前記インタフェース手段は、網側に対しインタフェースを行う網側インタフェース部と、ユーザ側に対しインタフェースを行うユーザ側インタフェース部とを有し、(3)前記制御手段は、前記網側インタフェース部及び又は前記ユーザ側インタフェース部に、前記メンテナンス情報を送信させる場合に、各側において所定規則になるように番号を付して送信させ、一方、このメンテナンス情報の送受信によって、一方の側から受けたデータ信号に付された番号をそのままで他方の側へ渡すと、他方の側のデータ信号の番号が所定規則にならなくなる場合には、他方の側のデータ信号が所定規則になるように番号を修正してからそのデータ信号を他方の側へ渡すので、網側及びユーザ側に対して授受するデータ信号には所定規則で番号が付され、本来は1台の端末しか通信できない状態であっても、空き帯域を利用して自装置がメンテナンスを行うための情報を通信することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の網終端装置の構成を示すブロック図である。
【図2】メモリ5のエリア構成を示すイメージ図である。
【図3】回線からダウンロードの制御信号が与えられ、その制御信号に基づいてプログラムを変更する場合の動作を示すフローチャートである。
【図4】P−P回線の通信中に本装置のメンテナンス通信を行う場合に、Iフレーム番号の修正方法を示す図である。
【符号の説明】
1…回線終端部、2…端末側インタフェース部、3…制御プロセッサ、4…切り替え回路、5…メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも網側及び又はユーザ側とのインタフェース処理に必要な情報を記憶する記憶手段と、制御手段が前記記憶手段の記憶情報に基づいて制御することよって、網側及びユーザ側に対しインタフェース処理を行い、一方の側から他方の側へデータ信号の受け渡しを行うインタフェース手段とを備える網終端装置において、前記インタフェース手段は、網側に対しインタフェース処理を行う網側インタフェース部と、ユーザ側に対しインタフェース処理を行うユーザ側インタフェース部とを有し、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された情報を変更する場合に、前記網側インタフェース部及び又は前記ユーザ側インタフェース部に、前記記憶手段の記憶情報を変更するための情報を授受させ、受信した変更情報に基づいて、前記記憶手段に記憶している情報を変更することを特徴とする網終端装置。
【請求項2】 前記網側インタフェース部が受信したデータ信号を前記ユーザ側インタフェース部へ渡す信号路、及び又は、前記ユーザ側インタフェース部が受信したデータ信号を前記網側インタフェース部へ渡す信号路に、前記制御手段を経由させるか否かを切り替える切り替え手段を有し、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された情報を変更する場合に、前記切り替え手段を前記信号路に自手段を経由させるように切り替えることを特徴とする請求項1に記載の網終端装置。
【請求項3】 網側及びユーザ側に対してインタフェースを行うデータ信号には、各側に対して送信する順番及び受信する順番に所定規則で番号が付されており、前記制御手段は、前記網側インタフェース部及び又は前記ユーザ側インタフェース部に、前記変更情報を送信させる場合に、各側において所定規則になるように番号を付して送信させ、一方、この変更情報の送受信によって、一方の側から受けたデータ信号に付された番号をそのままで他方の側へ渡すと、他方の側のデータ信号の番号が所定規則にならなくなる場合には、他方の側のデータ信号が所定規則になるように番号を修正してからそのデータ信号を他方の側へ渡すことを特徴とする請求項1又は2に記載の網終端装置。
【請求項4】 制御手段が制御することよって、網側及びユーザ側に対しインタフェースを行い、一方の側から他方の側へデータ信号の受け渡しを行うインタフェース手段を備え、前記制御手段が、自装置のメンテナンスを行うための情報を、網側及び又はユーザ側に対して前記インタフェース手段に授受させる網終端装置において、網側及びユーザ側に対してインタフェースを行うデータ信号には、各側に対して送信する順番及び受信する順番に所定規則で番号が付されており、前記インタフェース手段は、網側に対しインタフェースを行う網側インタフェース部と、ユーザ側に対しインタフェースを行うユーザ側インタフェース部とを有し、前記制御手段は、前記網側インタフェース部及び又は前記ユーザ側インタフェース部に、前記メンテナンス情報を送信させる場合に、各側において所定規則になるように番号を付して送信させ、一方、このメンテナンス情報の送受信によって、一方の側から受けたデータ信号に付された番号をそのままで他方の側へ渡すと、他方の側のデータ信号の番号が所定規則にならなくなる場合には、他方の側のデータ信号が所定規則になるように番号を修正してからそのデータ信号を他方の側へ渡すことを特徴とする網終端装置。
【請求項5】 前記網側インタフェース部が受信したデータ信号を前記ユーザ側インタフェース部へ渡す信号路、及び又は、前記ユーザ側インタフェース部が受信したデータ信号を前記網側インタフェース部へ渡す信号路に、前記制御手段を経由させるか否かを切り替える切り替え手段を有し、前記制御手段は、自装置のメンテナンスを行う場合に、前記切り替え手段を前記信号路に自手段を経由させるように切り替えることを特徴とする請求項4に記載の網終端装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2000−165541(P2000−165541A)
【公開日】平成12年6月16日(2000.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−337017
【出願日】平成10年11月27日(1998.11.27)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(000001214)ケイディディ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】